(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
床面に縦横に敷設される矩形盤状のフロア材であり、隣り合うフロア材の相互に対向する側辺部に連結突起と連結孔を設け、前記連結突起を連結孔に挿入係止する構成とされており、
前記連結突起(13)は、軸部(13a)と、該軸部の先端から外向きに張出す抜止め部(13b)を備え、
前記連結孔(14)は、隣り合うフロア材を床面に接地したとき前記軸部を挿通させると共に前記抜止め部に係止する保持孔部(14a)と、一方のフロア材を床面から持ち上げたとき前記抜止め部及び軸部を挿脱自在に挿入させる導入孔部と、前記導入孔部から前記保持孔部に向けて前記軸部を移動可能とする連通路を形成しており、
前記連結孔(14)の導入孔部は、前記保持孔部(14a)に対して、上下方向に偏位する中央導入孔部(14b)と、該中央導入孔部の横方向に離間する左右導入孔部(14c)(14d)により構成されて成ることを特徴とするフロア材。
前記フロア材の側辺部から突出する連結突起(13)の突出長さPに対して、前記保持孔部(14a)から横方向に離間する左右導入孔部(14c)(14d)の離間距離L、Rは、それぞれL≧P及びR≧Pに形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載のフロア材。
前記連結突起(13)の抜止め部(13b)は、軸部(13a)の先端の上下部位のうち、前記保持孔部(14a)に臨む側の部位から張出す突片(20)により構成され、該突片(20)の上下反対側には軸部(13a)の延長部(21)を形成し、
前記連結孔(14)の導入孔部(14b,14c,14d)は、該孔の上下縁部のうち、前記軸部(13a)の延長部(21)に臨む縁部に移動規制手段(19b,19c,19d)を設けており、
前記連結孔(14)に連結突起(13)を挿通させた状態で、一方のフロア材を他方のフロア材に対して持ち上げることにより前記連結突起(13)の軸部(13a)を導入孔部(14b,14c,14d)に臨ませたとき、前記軸部(13a)の延長部(21)が移動規制手段(19b,19c,19d)に当接することにより、前記抜止め部(13b)を導入孔部(14b,14c,14d) から抜き取り自在な位置に保持するように構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のフロア材。
先行して床面に敷設されたフロア材の連結孔(14)を設けた側辺部に対して、後行して敷設するフロア材の連結突起(13)を設けた側辺部を接合状態で連結する構成とされており、
前記連結孔(14)は、連結突起(13)の軸部(13a)と同軸上の保持孔部(14a)に対して、前記導入孔部(14b,14c,14d)を上方に離間距離H1を介して配置しており、
後行して敷設するフロア材と共に前記連結突起(13)を前記離間距離H1に相当して持ち上げることにより、該連結突起(13)を導入孔部に挿通させると共に、前記離間距離H1に相当して下降させ床面に接地することにより、前記連結突起(13)を保持孔部(14a)に向けて移動させるように構成して成ることを特徴とする請求項1、2、3,4又は5に記載のフロア材。
先行して床面に敷設されたフロア材の連結突起(13)を設けた側辺部に対して、後行して敷設するフロア材の連結孔(14)を設けた側辺部を接合状態で連結する構成とされており、
前記連結孔(14)は、連結突起(13)の軸部(13a)と同軸上の保持孔部(14a)に対して、前記導入孔部(14b,14c,14d)を下方に離間距離H2を介して配置しており、
後行して敷設するフロア材と共に前記連結孔(14)を前記離間距離H2に相当して持ち上げることにより、該導入孔部に連結突起(13)を挿通させると共に、前記離間距離H2に相当して下降させ床面に接地することにより、前記保持孔部(14a)を連結突起(13)に向けて移動させるように構成して成ることを特徴とする請求項1、2、3,4又は5に記載のフロア材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロア材を縦横に敷設することにより構築されるフロアは、隣り合うフロア材を連結することにより、全体として一体化される。この際、敷設作業と同時に連結が可能となるように構成することが望ましい。
【0006】
フロア材の連結手段は、特許文献1に示されるように、一般的には、隣り合うフロア材の側辺部に相互に嵌合自在な縦溝と縦リブを設け、先行して敷設されたフロア材に対して、後行して敷設するフロア材を下向きに移動しながら、前記縦溝と縦リブを嵌合させるように構成されている。
【0007】
しかしながら、縦溝と縦リブにより構成された連結手段は、フロア材がプラスチック製とされている場合は容易に実施することができるが、金属製とされている場合は実施が困難である。
【0008】
この点に関して、上述のような工場等における作業用フロアは、過酷な使用条件に耐える必要があるので、フロア材を金属製にすると共に、連結手段も金属製にすることが好ましい。
【0009】
そこで、本発明者は、隣り合うフロア材の側辺部に相互に挿入係止自在な連結突起と連結孔を設けることにより連結手段を構成することが望ましいと考え、以下に述べるように、比較例1(
図14及び
図15)及び比較例2(
図16及び
図17)に下記の問題点が含まれることを知見し、これを解決することにより、本発明を達成したものである。
【0010】
(比較例1)
図14に示す比較例1は、矩形盤状のフロア材1の相互に交差する側辺部のうち、一方の側辺部に平行なX軸と他方の側辺部に平行なY軸に関して、X軸上で対向する一対の側辺部2x、2xに該側辺部から突出する連結突起3を設け、Y軸上で対向する一対の側辺部2y、2yに連結孔4を設けている。この際、安定強固な連結を可能にするため、一対の側辺部2x、2xのそれぞれに複数(2個)の連結突起3、3を設け、一対の側辺部2y、2yのそれぞれに複数(2個)の連結孔4、4を設けている。
【0011】
図15に示すように、前記連結突起3は、軸部3aと、該軸部の先端を径大とした頭部から成る抜止め部3bを備えている。前記連結孔4は、所謂ダルマ孔により形成され、前記軸部3aを挿通させると共に前記抜止め部3bに係止する保持孔部4aと、該保持孔部4aの上方に位置して前記抜止め部3b及び軸部3aを挿脱自在に挿入させる導入孔部4bを設けており、該導入孔部4bと保持孔部4aを連通させている。
【0012】
従って、隣り合うフロア材1、1の側辺部2x、2yを相互に対面させ、連結突起3を連結孔4の導入孔部4bに挿入し、該連結突起3を下降させると、該連結突起3の軸部3aが保持孔部4aに移動し、抜止め部3bを係止することにより、相互に側辺部2x、2yを離反不能に連結することができる。
【0013】
しかしながら、フロア材1を順に連結しながら敷設すると、
図14(B)に示すように、先行して敷設したフロア材1(符号1a、1b、1cで示す)がL形に配置され、内側にコーナ部を残す場合が生じる。この場合、該コーナ部に対して、後行して敷設するフロア材1(符号1dで示す)を接合状態で配置しなければならないが、これを配置し連結することができないという問題を提起する。
【0014】
コーナ部を形成する一対のフロア材1a、1cのうち、一方のフロア材1aは、コーナ部に連結孔4、4を臨ませ、他方のフロア材1cは、コーナ部に連結突起3、3を臨ませている。従って、後行して敷設するフロア材1dは、側辺部2xの連結突起3、3と側辺部2yの連結孔4、4をそれぞれ前記フロア材1aの連結孔4、4と前記フロア材1cの連結突起3、3に挿入係止しなければならない。
【0015】
ところが、コーナ部に臨む連結突起3、3は、符号Pで示すように突出しており、後行して敷設するフロア材1dの接合すべき側辺部2x、2yに干渉するので、該フロア材1dをコーナ部に接合状態となるように移動することができない。従って、連結突起3と連結孔4の導入孔部4bを同軸上に配置することができないから、結局、連結突起3、3と連結孔4、4は、挿入係止することが不可能である。
【0016】
このため、所定面積のフロアを構築する際に、連結突起3と連結孔4を挿入係止しながら複数のフロア材1を順に敷設するとき、先行して敷設したフロア材が上記のようなL形のコーナ部を生じる場合は、該コーナ部に対して、後行して敷設すべきフロア材を接続状態で連結することができないという問題がある。
【0017】
(比較例2)
図16に示す比較例2は、矩形盤状のフロア材1の相互に交差する側辺部のうち、一方の側辺部に平行なX軸と他方の側辺部に平行なY軸に関して、X軸上で対向する一対の側辺部2x、2xにそれぞれ連結突起3と連結孔4を設け、Y軸上で対向する一対の側辺部2y、2yにそれぞれ連結突起3と連結孔4を設けている。この際、安定強固な連結を可能にするため、それぞれの側辺部2x、2yにおいて、複数(2個)の連結突起3、3と複数(2個)の連結孔4、4を設けている。図示省略しているが、連結突起3及び連結孔4は、上述の比較例1と同様に形成されており、連結突起3は軸部と抜止め部を備え、連結孔4は保持孔部と導入孔部を備えている。
【0018】
比較例2においても、比較例1と同様に、複数のフロア材1を順に連結しながら敷設すると、
図16(B)に示すように、先行して敷設したフロア材1(符号1a、1b、1cで示す)がL形に配置され、内側にコーナ部を残す場合があるので、該コーナ部に対して、後行して敷設するフロア材1(符号1dで示す)を接合状態で配置する必要が生じる。
【0019】
この際、比較例2によれば、コーナ部を形成する一対のフロア材1a、1cは、何れも連結孔4、4がコーナ部に臨ませられる(この点が比較例1と異なる)。従って、後行して敷設するフロア材1dは、前記フロア材1a、1bの連結孔4、4に対して、該フロア材1dの側辺部2xの連結突起3、3と側辺部2yの連結突起3、3を挿入係止しなければ連結することができない。
【0020】
ところが、後行して敷設するフロア材1dは、コーナ部に臨む一対の側辺部2x、2yから、符号Pで示すように、連結突起3、3を突出しており、これが先行して敷設されたフロア材1a、1cの側辺部に干渉するので、該フロア材1dをコーナ部に接合状態となるように移動することができない。従って、連結突起3と連結孔4の導入孔部4bを相互に同軸上に配置することができず、結局、連結突起3、3と連結孔4、4は、挿入係止することが不可能である。
【0021】
このため、所定面積のフロアを構築する際に、連結突起3と連結孔4を挿入係止しながら複数のフロア材1を順に敷設するとき、先行して敷設したフロア材が上記のようなL形のコーナ部を生じる場合は、該コーナ部に対して、後行して敷設すべきフロア材を接続状態で連結することができないという問題がある。
【0022】
この点に関して、比較例2の場合、
図17に示すように、先行して敷設したフロア材(符号1e、1fで示す)を1列状態に連結することにより、列設方向に延びる側辺部に連結孔4を列状に配置し、後行して敷設すべきフロア材(符号1g、1hで示す)を予め同様の1列状態となるように連結することによりユニットUを形成し、該ユニットUの列設方向に延びる側辺部に連結突起3を列状に配置すれば、先行して敷設したフロア材1e、1fの連結孔4に対して、ユニットUの連結突起3を挿入係止することが可能となる。
【0023】
しかしながら、フロアの構築現場において、予めユニットUの形成を求めることは、作業性を低下するだけでなく、重いユニットUを持ち上げる過酷な作業を強いる問題があり、しかも、持ち上げたときに、隣り合うフロア材1g、1heが屈折すると、連結突起3を折損するという問題がある。
【0024】
(課題)
本発明は、連結突起と連結孔を挿入係止しながら複数のフロア材を順に敷設することにより所定面積のフロアを簡単容易に構築することができように構成し、この際、先行して敷設したフロア材がL形に配置され、内側にコーナ部を残す場合が生じたときでも、該コーナ部に対して、後行して敷設するフロア材を接合状態で配置し、連結突起と連結孔を好適に挿入係止することができるようにしたフロア材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
そこで、本発明が手段として構成したところは、床面に縦横に敷設される矩形盤状のフロア材であり、隣り合うフロア材の相互に対向する側辺部に連結突起と連結孔を設け、前記連結突起を連結孔に挿入係止する構成とされており、前記連結突起は、軸部と、該軸部の先端から外向きに張出す抜止め部を備え、前記連結孔は、隣り合うフロア材を床面に接地したとき前記軸部を挿通させると共に前記抜止め部に係止する保持孔部と、一方のフロア材を床面から持ち上げたとき前記抜止め部及び軸部を挿脱自在に挿入させる導入孔部と、前記導入孔部から前記保持孔部に向けて前記軸部を移動可能とする連通路を形成しており、前記連結孔の導入孔部は、前記保持孔部に対して、上下方向に偏位する中央導入孔部と、該中央導入孔部の横方向に離間する左右導入孔部により構成されて成る点にある。
【0026】
好ましくは、前記フロア材の側辺部から突出する連結突起の突出長さPに対して、前記保持孔部から横方向に離間する左右導入孔部の離間距離L、Rは、それぞれL≧P及びR≧Pに形成されている。
【0027】
本発明の好ましい実施形態は、矩形盤状のフロア材の相互に交差する側辺部のうち、一方の側辺部に平行なX軸と他方の側辺部に平行なY軸に関して、前記X軸上で相対向する一対の側辺部のうち、一方の側辺部に複数の連結突起を設けると共に、他方の側辺部に複数の連結孔を設け、両側辺部に設けた連結突起の軸部と連結孔の保持孔部を相互に同軸上に配置し、前記Y軸上で相対向する一対の側辺部のうち、一方の側辺部に複数の連結突起を設けると共に、他方の側辺部に複数の連結孔を設け、両側辺部に設けた連結突起の軸部と連結孔の保持孔部を相互に同軸上に配置している。
【0028】
敷設したフロア材を解体する際には、保持孔から脱した連結突起を導入孔部に臨ませた状態で、引き抜き容易な姿勢に保持することが好ましく、このため、連結突起の保持手段が設けられている。
【0029】
保持手段の第1実施例において、連結突起の抜止め部は、軸部の先端の全周から張出すフランジにより構成され、連結孔の導入孔部は、該孔の上下縁部のうち、前記保持孔部と反対側の縁部に移動規制手段を設けており、前記連結孔に連結突起を挿通させた状態で、一方のフロア材を他方のフロア材に対して持ち上げることにより前記連結突起の軸部を導入孔部に臨ませたとき、前記フランジが移動規制手段に当接することにより、前記抜止め部を導入孔部から抜き取り自在な位置に保持するように構成している。
【0030】
保持手段の第1実施例において、連結突起の抜止め部は、軸部の先端の上下部位のうち、前記保持孔部に臨む側の部位から張出す突片により構成され、該突片の上下反対側には軸部の延長部を形成し、連結孔の導入孔部は、該孔の上下縁部のうち、前記軸部の延長部に臨む縁部に移動規制手段を設けており、前記連結孔に連結突起を挿通させた状態で、一方のフロア材を他方のフロア材に対して持ち上げることにより前記連結突起の軸部を導入孔部に臨ませたとき、前記軸部の延長部が移動規制手段に当接することにより、前記抜止め部を導入孔部から抜き取り自在な位置に保持するように構成している。
【0031】
本発明の第1実施形態は、先行して床面に敷設されたフロア材の連結孔を設けた側辺部に対して、後行して敷設するフロア材の連結突起を設けた側辺部を接合状態で連結する構成とされており、前記連結孔は、連結突起の軸部と同軸上の保持孔部に対して、前記導入孔部を上方に離間距離H1を介して配置しており、後行して敷設するフロア材と共に前記連結突起を前記離間距離H1に相当して持ち上げることにより、該連結突起を導入孔部に挿通させると共に、前記離間距離H1に相当して下降させ床面に接地することにより、前記連結突起を保持孔部に向けて移動させるように構成している。
【0032】
本発明の第2実施形態は、先行して床面に敷設されたフロア材の連結突起を設けた側辺部に対して、後行して敷設するフロア材の連結孔を設けた側辺部を接合状態で連結する構成とされており、前記連結孔は、連結突起の軸部と同軸上の保持孔部に対して、前記導入孔部を下方に離間距離H2を介して配置しており、後行して敷設するフロア材と共に前記連結孔を前記離間距離H2に相当して持ち上げることにより、該導入孔部に連結突起を挿通させると共に、前記離間距離H2に相当して下降させ床面に接地することにより、前記保持孔部を連結突起に向けて移動させるように構成している。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、連結突起13と連結孔14を相互に挿入係止しながら、複数のフロア材11を順に敷設することにより、所定面積のフロアを構築することが可能であり、敷設作業が容易となる。
【0034】
この際、1枚ずつフロア材を順に連結しながら敷設すると、先行して敷設した固定フロア材がL形に配置され、内側にコーナ部を残した状態を生じる場合があり、該コーナ部に対して、後行して敷設する新設フロア材を接合状態で配置して連結することが必要になるところ、本発明のフロア材は、新設フロア材を前記コーナ部に対して好適に接合状態で連結することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の1実施形態を示しており、(A)は上面を示す斜視図、(B)は下面を示す斜視図である。
【
図2】本発明の連結突起と連結孔に関する第1実施形態を示しており、(A)はフロア材を破断状態で示す断面図、(B)は先行して敷設したフロア材の連結孔に後行して敷設するフロア材の連結突起を挿入する方法を示す断面図、(C)は連結孔に連結突起を挿入係止した状態を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態に関する連結突起を連結孔に挿入係合する方法を示しており、(A)は連結突起を中央導入孔部から保持孔部に移動させる連結方法を示す説明図、(B)は連結突起を左導入孔部から保持孔部に移動させる連結方法を示す説明図、(C)は連結突起を右導入孔部から保持孔部に移動させる連結方法を示す説明図である。
【
図4】第1実施形態に関して、先行して敷設したフロア材のコーナ部に対して、後行して敷設するフロア材を接合状態で連結するための第1連結方法を示しており、(A)はフロア材の移動方向を示す平面図、(B)は先に挿入係止される連結突起と連結孔の関係を示す説明図、(B)は後に挿入係止される連結突起と連結孔の関係を示す説明図である。
【
図5】第1実施形態に関して、先行して敷設したフロア材のコーナ部に対して、後行して敷設するフロア材を接合状態で連結するための第2連結方法を示しており、(A)はフロア材の移動方向を示す平面図、(B)は先に挿入係止される連結突起と連結孔の関係を示す説明図、(B)は後に挿入係止される連結突起と連結孔の関係を示す説明図である。
【
図6】連結突起を導入孔部に臨ませた状態で引き抜き容易な姿勢に保持する保持手段の第1実施例を示す斜視図である。
【
図7】保持手段の第1実施例の作用を示しており、(A)は連結突起が保持孔に抜止め係止した状態を示す断面図、(B)は連結突起が導入孔部に臨まされた状態を示す断面図、(C)は連結突起と移動規制手段の関係を示す説明図である。
【
図8】連結突起を導入孔部に臨ませた状態で引き抜き容易な姿勢に保持する保持手段の第2実施例を示す斜視図である。
【
図9】保持手段の第2実施例の作用を示しており、(A)は連結突起が保持孔に抜止め係止した状態を示す断面図、(B)は連結突起が導入孔部に臨まされた状態を示す断面図、(C)は連結突起と移動規制手段の関係を示す説明図である。
【
図10】第1実施形態に係るフロア材の変形実施形態を示す斜視図である。
【
図11】本発明の連結突起と連結孔に関する第2実施形態を示しており、(A)はフロア材を破断状態で示す断面図、(B)は先行して敷設したフロア材の連結孔に後行して敷設するフロア材の連結突起を挿入する方法を示す断面図、(C)は連結孔に連結突起を挿入係止した状態を示す断面図である。
【
図12】第2実施形態に関する連結孔に連結突起を挿入係合させる方法を示しており、(A)は連結突起に対して連結孔を中央導入孔部から保持孔部まで移動させる連結方法を示す説明図、(B)は連結突起に対して連結孔を左導入孔部から保持孔部まで移動させる連結方法を示す説明図、(C)は連結突起に対して連結孔を右導入孔部から保持孔部にまで移動させる連結方法を示す説明図である。
【
図13】第2実施形態に関して、先行して敷設したフロア材のコーナ部に対して、後行して敷設するフロア材を接合状態で連結するための方法を示しており、(A)はフロア材の移動方向を示す平面図、(B)は先に挿入係止される連結孔と連結突起の関係を示す説明図、(B)は後に挿入係止される連結孔と連結突起の関係を示す説明図である。
【
図14】本発明に対する比較例1を示しており、(A)はフロア材の斜視図、(B)は先行して敷設したフロア材のコーナ部に対して、後行して敷設するフロア材を接合状態で連結することができない状態を示す平面図である。
【
図15】比較例1に関して、コーナ部における連結突起と連結孔を挿入係止することができない状態を示す斜視図である。
【
図16】本発明に対する比較例2を示しており、(A)はフロア材の斜視図、(B)は先行して敷設したフロア材のコーナ部に対して、後行して敷設するフロア材を接合状態で連結することができない状態を示す平面図である。
【
図17】比較例2に関して、フロア材を敷設する際に連結突起を連結孔に挿入係止するためには、予めユニットを形成しなければならないことを説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0037】
(第1実施形態)
図1に示すように、フロア材11は、全体的形状を矩形盤状に形成され、該フロア材11の相互に交差する側辺部のうち、一方の側辺部に平行なX軸と他方の側辺部に平行なY軸に関して、X軸上で対向する一対の側辺部12x、12xにそれぞれ連結突起13と連結孔14を設け、Y軸上で対向する一対の側辺部12y、12yにそれぞれ連結突起13と連結孔14を設けている。
【0038】
前記連結突起13及び連結孔14は、それぞれの側辺部に少なくとも1個を設ければ良いが、安定強固な連結のためには、それぞれの側辺部12x、12yにおいて、複数(2個)の連結突起13、13と複数(2個)の連結孔14、14を設けることが好ましい。この際、複数の連結突起13、13と連結孔14、14の位置及び間隔は、
図4(A)に示すように、複数のフロア材1を相互に側辺部を接合して縦横に敷設したとき、相互に接合される一方の側辺部に設けられた連結突起13が他方の側辺部に設けられた連結孔14に挿入係止される関係となるように設定されている。
【0039】
前記フロア材11は、断面L形の金属材を矩形状に枠組み形成することにより、該金属材の側壁部15aにより前記側辺部12x、12yを構成すると共に、上壁部15bに金属製の天板16を搭載固着し、これにより、盤状に形成されている。尚、
図1(A)に示すように、天板16は、滑り止めを設けた所謂縞板により構成することが好ましい。
【0040】
前記枠組の4隅には、下方に突出する座手段17が設けられ、図示のようなボルト軸とナット等から成る調節手段により、該座手段17の上下方向位置を調節可能とするように構成されている。従って、フロア材11を床面に敷設するとき、前記調節手段により、座手段17の上下位置を調節することにより、床面の不陸を吸収し、隣り合うフロア材11の天板16を同一平面とするように整合させられ、これにより、上げ床状のフロアが構築される。
【0041】
図2(A)に示すように、前記連結突起13は、前記枠組み形成された金属材の側壁部15aに挿着される頭付きのボルトにより形成され、側壁部15aの内側からナット18を螺着することにより固着され、該側壁部15aの外側に突出する軸部13aと、該軸部13aの先端から外向き(外周方向)に張出す抜止め部13bを備えており、側壁部15aの外面から抜止め部13bの先端までの距離により、突出長さPを形成する。図示実施形態の場合、前記抜止め部13bは、頭付きボルトの径大とした頭部により構成し、前記軸部13aは、該ボルトの首部により構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、軸部の先端を鉤状に折曲することにより抜止め部13bを形成しても良く、或いは、後述する
図8に示すような突片により形成しても良い。
【0042】
連結孔14は、前記枠組み形成された金属材の側壁部15aに貫設されており、前記連結突起13の軸部13aを挿通させるが抜止め部13bを挿脱不能に係止する保持孔部14aと、該保持孔部14aの上方に配置された中央導入孔部14bと、該中央導入孔部14bの左右に配置された左導入孔部14c及び右導入孔部14dを備えており、前記中央導入孔部14bと左右導入孔部14c、14dは、前記連結突起13の軸部13aと共に抜止め部13bを挿脱自在に挿通可能とする大きさに形成されている。そして、前記中央導入孔部14b及び左右導入孔部14c、14dと、前記保持孔部14aの間には、その間において軸部13aを移動可能とする連通路が形成されている。
【0043】
前記連結突起13の軸部13aと、前記連結孔14の保持孔部14aは、フロア材11を敷設することにより隣り合うフロア材11の側壁部15aを接合させたとき、軸線Cで示すように、同軸上に位置するように配置されている。従って、この接合状態において、一方の側壁部15aに設けた連結突起13の軸部13aが他方の側壁部15aに設けた連結孔14の保持孔部14aに保持され、抜止め部13bを保持孔部14aに係止する。
【0044】
前記中央導入孔部14b及び左右導入孔部14c、14dは、前記保持孔部14aの上方に離間距離H1を有して配置されており、中央導入孔部14bから左右横方向に離間する左右導入孔部14c、14dの離間距離L、Rは、前記連結突起13の突出長さPに対して、それぞれL≧P及びR≧Pとなるように形成されている。
【0045】
上記の構成によれば、先行して床面Fに敷設された固定フロア材(符号11aで示す)に対して、後行して敷設すべき新設フロア材(符号11dで示す)を接合状態で連結する場合、
図2(B)に示すように、新設フロア材11dを前記離間距離H1に相当して持ち上げると、該フロア材11dの連結突起13が固定フロア材11aにおける連結孔14の導入孔部(14b、14c、14d)に臨むので、図示鎖線で示すように新設フロア材11dを固定フロア材11aに向けて移動することにより、連結突起13の抜止め部13bと軸部13aを該導入孔部に挿入することができる。
【0046】
そこで、連結突起13を導入孔部に挿入した状態から、
図2(C)に示すように、新設フロア材11dを床面Fに接地するまで下降すると、前記連結突起13が軸部13aを保持孔部14aに移動することにより、抜止め部13bを該保持孔部14aに係止し、これにより、両フロア材11d、11aを分離不能に連結する。
【0047】
前記導入孔部を構成する中央導入孔部14bと左右導入孔部14c、14dの作用を
図3に示している。
【0048】
図3(A)は、前記固定フロア材11aの側壁部15aに対して、前記新設フロア材11dの側壁部15aを真正面から対面させた状態で接合する場合、つまり、左右に偏位していない姿勢で接合する場合の作用を示している。この場合、前述のように新設フロア材11dを離間距離H1に相当して持ち上げると、連結突起13は、連結孔14の中央導入孔部14bに臨み、挿入することができる。挿入した状態で、新設フロア材11dを下降すると、軸部13aが保持孔部14aに移動し、抜止め部13bを該保持孔部14aに係止する。
【0049】
図3(B)は、前記固定フロア材11aの側壁部15aに対して、前記新設フロア材11dの側壁部15aを左側に偏位させた姿勢で接合する場合を示している。この場合、新設フロア材11dを離間距離H1に相当して持ち上げると、連結突起13は、連結孔14の左導入孔部14cに臨み、挿入することができる。挿入した状態で、新設フロア材11dと共に該連結突起13を図示矢印M1で示すように右方向に移動した後、新設フロア材11dを下降すると、軸部13aが保持孔部14aに移動し、抜止め部13bを該保持孔部14aに係止する。
【0050】
図3(C)は、前記固定フロア材11aの側壁部15aに対して、前記新設フロア材11dの側壁部15aを右側に偏位させた姿勢で接合する場合を示している。この場合、新設フロア材11dを離間距離H1に相当して持ち上げると、連結突起13は、連結孔14の右導入孔部14dに臨み、挿入することができる。挿入した状態で、新設フロア材11dと共に該連結突起13を図示矢印M2で示すように左方向に移動した後、新設フロア材11dを下降すると、軸部13aが保持孔部14aに移動し、抜止め部13bを該保持孔部14aに係止する。
【0051】
上記のように構成した結果、連結突起13と連結孔14を挿入係止しながら、複数のフロア材11を順に敷設することにより、所定面積のフロアを構築することが可能であり、敷設作業が容易である。
【0052】
図4(A)に示すように、1枚ずつフロア材11を順に連結しながら敷設すると、先行して敷設した固定フロア材11(第1固定フロア材11a、第2固定フロア材11b、第3固定フロア材11cを図示している)がL形に配置され、内側にコーナ部を残した状態を生じる場合があり、該コーナ部に対して、後行して敷設する新設フロア材11(符号11dで示す)を接合状態で配置して連結することが必要になる。この場合、新設フロア材11dは、下記の第1連結方法又は第2連結方法より、接合連結することが可能である。
【0053】
(第1連結方法)
図4は、最初に図示の新設フロア材11dの側辺部12xを第1固定フロア材11aの側辺部12xに接合して連結する第1連結方法を示している。この方法による場合、第1固定フロア材11aに対して新設フロア材11dを左側に偏位させた姿勢で対面させると共に持ち上げると、
図4(B)に鎖線で示すように、両者の側辺部12x、12xの間において、連結突起13(符号13xで示す)を連結孔14(符号14xで示す)の左導入孔部14cに臨ませることができる。この際、新設フロア材11dの別の側辺部12yには、符号Pで示すように連結突起が突出しているが、上記L≧Pとなるように構成しているので、該連結突起が第3固定フロア材11cに干渉することはない。
【0054】
そこで、新設フロア材11dを第1固定フロア材11aに向けて、矢印Q1で示すように移動すると、前記連結突起13xが連結孔14xの左導入孔部14cに挿入される。この矢印Q1で示す移動により、新設フロア材11dと第3固定フロア材11cの間においては、
図4(C)に鎖線で示すように、連結突起13(符号13yで示す)が連結孔14(符号14yで示す)の中央導入孔部14bに臨み、挿入可能な状態とされる。
【0055】
引き続き、新設フロア材11dを第3固定フロア材11cに向けて、矢印Q2で示すように移動すると、新設フロア材11dと第1固定フロア材11aの間においては、
図4(B)に矢印M1で示すように、連結突起13xが連結孔14xの中央導入孔部14bに移動する。これと同時に、新設フロア材11dと第3固定フロア材11cの間においては、連結突起13yが連結孔14yの中央導入孔部14bに挿入される。
【0056】
従って、その後、新設フロア材11dを下降させて床面に接地すると、新設フロア材11dと第1固定フロア材11aの間において、連結突起13xが連結孔14xの保持孔部14aに向けて移動することにより挿入係止されると同時に、新設フロア材11dと第3固定フロア材11cの間においても、連結突起13yが連結孔14yの保持孔部14aに向けて移動することにより挿入係止される。
【0057】
(第2連結方法)
図5は、最初に図示の新設フロア材11dの側辺部12yを第3固定フロア材11cの側辺部12yに接合して連結する第2連結方法を示している。この方法による場合、第3固定フロア材11cに対して新設フロア材11dを右側に偏位させた姿勢で対面させると共に持ち上げると、
図5(B)に鎖線で示すように、両者の側辺部12y、12yの間において、連結突起13(符号13yで示す)を連結孔14(符号14yで示す)の右導入孔部14dに臨ませることができる。この際、新設フロア材11dの別の側辺部12xには、符号Pで示すように連結突起が突出しているが、上記L≧Pとなるように構成しているので、該連結突起が第1固定フロア材11aに干渉することはない。
【0058】
そこで、新設フロア材11dを第3固定フロア材11cに向けて、矢印Q1で示すように移動すると、前記連結突起13yが連結孔14yの左導入孔部14dに挿入される。この矢印Q1で示す移動により、新設フロア材11dと第1固定フロア材11aの間においては、
図5(C)に鎖線で示すように、連結突起13(符号13xで示す)が連結孔14(符号14xで示す)の中央導入孔部14bに臨み、挿入可能な状態とされる。
【0059】
引き続き、新設フロア材11dを第1固定フロア材11aに向けて、矢印Q2で示すように移動すると、新設フロア材11dと第3固定フロア材11cの間においては、
図5(B)に矢印M2で示すように、連結突起13yが連結孔14yの中央導入孔部14bに移動する。これと同時に、新設フロア材11dと第1固定フロア材11aの間においては、連結突起13yx連結孔14xの中央導入孔部14bに挿入される。
【0060】
従って、その後、新設フロア材11dを下降させて床面に接地すると、新設フロア材11dと第3固定フロア材11cの間において、連結突起13yが連結孔14yの保持孔部14aに向けて移動することにより挿入係止されると同時に、新設フロア材11dと第1固定フロア材11aの間においても、連結突起13xが連結孔14xの保持孔部14aに向けて移動することにより挿入係止される。
【0061】
尚、図示実施形態の場合、フロア材11を敷設することにより構築されたフロアは、上記と逆の方法で、一枚ずつ取外すことにより、フロアを解体することも可能である。
【0062】
上述のような頭付きのボルトにより連結突起13を構成した図示実施形態の場合、敷設したフロア材11を解体するために、連結突起13の軸部13aを保持孔14aから脱出させると共に、導入孔部14b、14c、14dに臨ませた際に、該軸部13aの軸心が導入孔部の中心から偏位しているときは、抜止め部13bが導入孔部14b、14c、14dの縁部に係止し、連結突起13の引き抜きを阻止する可能性がある。この場合、作業者は、フロア材11を持ち上げながら連結突起13の軸心と導入孔部14b、14c、14dの中心を位置決めしなければならず、作業が容易でない。このため、連結突起13を導入孔部に臨ませたとき、自動的に引き抜き容易な姿勢に保持する保持手段を設けることが好ましい。
【0063】
(保持手段の第1実施例)
図6及び
図7は、保持手段の第1実施例を示している。連結突起13は、上述のような頭付きボルト又は頭付きピンにより構成されており、軸部13aの先端の全周から張出すフランジ18により抜止め部13bを形成している。
【0064】
これに対して、連結孔14の導入孔部14b、14c、14dは、該孔の上下縁部のうち、前記保持孔部14aと反対側の縁部に臨んで、それぞれ側壁部15aから内側に突出する移動規制手段19b、19c、19dを設けている。
【0065】
この際、フロア材11(解体されるフロア材11d)の側壁部15aから外側に突出する連結突起13の軸部13aの突出長さPa(側壁部15aとフランジ18の相互に対向する面の間の距離)に対して、フロア材11(固定側のフロア材11a)の側壁部15aの板厚Tと前記移動規制手段19b、19c、19dの突出長さVは、V+T>Paとなるように構成することが好ましい。
【0066】
更に、図示のように、前記移動規制手段19b、19c、19dは、フランジ18の周面一部を抱持する凹面を備えていることが好ましい。
【0067】
そこで、
図7(A)に示すように接合状態で連結されたフロア材11a、11dを解体するために、一方のフロア材11dを持ち上げることにより連結突起13を保持孔14aから脱出させ、導入孔部14b、14c、14dの何れかに向けて移動すると、
図7(B)に示すように、連結突起13のフランジ18が移動規制手段19b、19c、19dに当接する。
【0068】
この当接により、
図7(C)に示すように、連結突起13は、軸心を導入孔部14b、14c、14dの中心に一致させた状態で保持される。つまり、この状態から連結突起13を軸方向に移動すれば、フランジ18(抜止め部13b)が導入孔部14b、14c、14dの縁部に引っ掛かることはなく、抜き取り可能となる位置に保持されている。
【0069】
連結突起13を連結孔14から抜き出すために、フロア材11dを持ち上げた状態で横方向に移動させる場合、上述のように移動規制手段19b、19c、19dに凹面を形成しておけば、フランジ18の周面一部が該凹面を乗り越えながら移動するので、作業者の触感により、連結突起13が所望の移動規制手段19b、19c、19dに当接しているかどうかを容易に確認することができる。
【0070】
(保持手段の第2実施例)
図8及び
図9は、保持手段の第2実施例を示している。連結突起13の抜止め部13bは、軸部13aの先端の上下部位のうち、前記保持孔部14aに臨む側の部位から張出す突片20により構成され、該突片20の上下反対側には軸部13aの延長部21を形成している。
【0071】
これに対して、連結孔14の導入孔部14b、14c、14dは、該孔の上下縁部のうち、前記軸部13aの延長部21に臨む縁部により移動規制手段19b、19c、19dを形成している。この際、移動規制手段19b、19c、19dは、延長部21の周面一部を抱持する凹面を備えていることが好ましい。
【0072】
そこで、
図9(A)に示すように接合状態で連結されたフロア材11a、11dを解体するために、一方のフロア材11dを持ち上げることにより連結突起13を保持孔14aから脱出させ、導入孔部14b、14c、14dの何れかに向けて移動すると、
図9(B)に示すように、連結突起13の延長部21が移動規制手段19b、19c、19dに当接する。
【0073】
この当接により、
図9(C)に示すように、連結突起13は、軸方向に移動すれば、突片20(抜止め部13b)が導入孔部14b、14c、14dの縁部に引っ掛かることはなく、抜き取り可能となる位置に保持されている。
【0074】
連結突起13を連結孔14から抜き出すために、フロア材11dを持ち上げた状態で横方向に移動させる場合、上述のように移動規制手段19b、19c、19dに凹面を形成しておけば、延長部21の周面が該凹面を乗り越えながら移動するので、作業者の触感により、連結突起13が所望の移動規制手段19b、19c、19dに当接しているかどうかを容易に確認することができる。
【0075】
(変形実施形態)
図1並びに
図4及び
図5は、矩形盤状のフロア材11に関して、隣り合う側辺部12x、12yの長さを等しくした正方形のものを示したが、
図10に示す変形実施形態のように、側辺部の長さを相違する長方形に形成しても良い。この場合、X軸上に設けられた一対の連結突起13、13と一対の連結孔14、14の間隔距離L1と、Y軸上に設けられた一対の連結突起13、13と一対の連結孔14、14の間隔距離L2を、L1<L2となるように形成しても良い。
【0076】
尚、図示の変形実施例に係る長方形盤状のフロア材11を1枚ずつ敷設する際は、全てのフロア材11のX軸を相互に平行にすると共にY軸を相互に平行にして敷設すれば良い。
【0077】
その他の構成は上記第1実施形態と同様であり、連結突起13と連結孔14の関係及び作用も、上記第1実施形態と同様である。
【0078】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態は、先行して敷設した固定フロア材11a、11cの連結孔14に対して、後行して敷設すべき新設フロア材11dの連結突起13を挿入係止させるように構成したものについて説明した。しかしながら、本発明は、
図11ないし
図13に示す第2実施形態のように、連結突起と連結孔の関係を反対とするように構成し、先行して敷設した固定フロア材の連結突起13に対して、後行して敷設すべき新設フロア材の連結孔14を嵌合係止するように構成しても良い。
【0079】
第2実施形態において、
図11に示すように、連結突起13は、側壁部15aに挿着される頭付きのボルトにより形成され、側壁部15aの内側からナット18を螺着することにより固着され、該側壁部15aの外側に突出する軸部13aと、該軸部13aの先端から外向き(外周方向)に張出す抜止め部13bを備えており、側壁部15aの外面から抜止め部13bの先端までの距離により、突出長さPを形成する。この点は、上記第1実施形態と同様である。
【0080】
連結孔14は、前記側壁部15aに貫設されており、前記連結突起13の軸部13aを挿通させるが抜止め部13bを挿脱不能に係止する保持孔部14aと、該保持孔部14aの下方に配置された中央導入孔部14bと、該中央導入孔部14bの左右に配置された左導入孔部14c及び右導入孔部14dを備えており、前記中央導入孔部14bと左右導入孔部14c、14dは、前記連結突起13の軸部13aと共に抜止め部13bを挿脱自在に挿通可能とする大きさに形成されている。そして、前記中央導入孔部14b及び左右導入孔部14c、14dと、前記保持孔部14aの間には、その間において軸部13aを移動可能とする連通路が形成されている。
【0081】
前記連結突起13の軸部13aと、前記連結孔14の保持孔部14aは、フロア材11を敷設することにより隣り合うフロア材11の側壁部15aを接合させたとき、軸線Cで示すように、同軸上に位置するように配置されている。従って、この接合状態において、一方の側壁部15aに設けた連結突起13の軸部13aが他方の側壁部15aに設けた連結孔14の保持孔部14aに保持され、抜止め部13bを保持孔部14aに係止する。
【0082】
前記中央導入孔部14b及び左右導入孔部14c、14dは、前記保持孔部14aの下方に離間距離H2を有して配置されており、中央導入孔部14bから左右横方向に離間する左右導入孔部14c、14dの離間距離L、Rは、前記連結突起13の突出長さPに対して、それぞれL≧P及びR≧Pとなるように形成されている。
【0083】
上記の構成によれば、先行して床面Fに敷設された固定フロア材(符号11eで示す)に対して、後行して敷設すべき新設フロア材(符号11hで示す)を接合状態で連結する場合、
図11(B)に示すように、新設フロア材11hを前記離間距離H2に相当して持ち上げると、該フロア材11hの連結孔14の導入孔部(14b、14c、14d)が固定フロア材11eにおける連結突起13に臨むので、図示鎖線で示すように新設フロア材11hを固定フロア材11eに向けて移動することにより、連結突起13の抜止め部13bと軸部13aを該導入孔部に受入れることができる。
【0084】
そこで、導入孔部に連結突起13を受入れた状態から、
図11(C)に示すように、新設フロア材11hを床面Fに接地するまで下降すると、連結孔14の保持孔部14aが連結突起13の軸部13aに向けて移動することにより、該保持孔部14aに抜止め部13bを係止し、これにより、両フロア材11h、11eを分離不能に連結する。
【0085】
前記導入孔部を構成する中央導入孔部14bと左右導入孔部14c、14dの作用を
図12に示している。
【0086】
図12(A)は、前記固定フロア材11eの側壁部15aに対して、前記新設フロア材11hの側壁部15aを真正面から対面させた状態で接合する場合、つまり、左右に偏位していない姿勢で接合する場合の作用を示している。この場合、前述のように新設フロア材11hを離間距離H2に相当して持ち上げると、連結孔14の中央導入孔部14bが連結突起13に臨み、受入れ可能とする。受入れた状態で、新設フロア材11hを下降すると、連結孔14の保持孔部14aが軸部13aに向けて移動し、該保持孔部14aに抜止め部13bを係止する。
【0087】
図12(B)は、前記固定フロア材11eの側壁部15aに対して、前記新設フロア材11hの側壁部15aを左側に偏位させた姿勢で接合する場合を示している。この場合、新設フロア材11hを離間距離H2に相当して持ち上げると、連結孔14の右導入孔部14dが連結突起13に臨み、受入れ可能とする。受入れた状態で、新設フロア材11hと共に該連結孔14を図示矢印M1で示すように右方向に移動した後、新設フロア材11hを下降すると、保持孔部14aが軸部13aに向けて移動し、該保持孔部14aに抜止め部13bを係止する。
【0088】
図12(C)は、前記固定フロア材11eの側壁部15aに対して、前記新設フロア材11hの側壁部15aを右側に偏位させた姿勢で接合する場合を示している。この場合、新設フロア材11hを離間距離H2に相当して持ち上げると、連結孔14の左導入孔部14cが連結突起13に臨み、受入れ可能とする。受入れた状態で、新設フロア材11hと共に該連結孔14を図示矢印M2で示すように左方向に移動した後、新設フロア材11hを下降すると、保持孔部14aが軸部13aに向けて移動し、該保持孔部14aに抜止め部13bを係止する。
【0089】
上記のように構成した結果、連結孔14に連結突起13を受入れ係止しながら、複数のフロア材11を順に敷設することにより、所定面積のフロアを構築することが可能であり、敷設作業が容易である。
【0090】
図13(A)に示すように、1枚ずつフロア材11を順に連結しながら敷設すると、先行して敷設した固定フロア材11(第1固定フロア材11e、第2固定フロア材11f、第3固定フロア材11gを図示している)がL形に配置され、内側にコーナ部を残した状態を生じる場合があり、該コーナ部に対して、後行して敷設する新設フロア材11(符号11hで示す)を接合状態で配置して連結することが必要になる。
【0091】
上述の第1実施形態の場合は、固定フロア材からコーナ部に向けて連結孔が臨ませられていたが、第2実施形態の場合、固定フロア材11e、11gからコーナ部に向けて連結突起13が臨ませられている。
【0092】
この場合、新設フロア材11hは、第1実施形態に関して述べた第1連結方法と第2連結方法と同様の方法により接合連結することが可能であるが、以下に、第1連結方法を説明する。尚、第2連結方法は、第1実施形態に関して説明した第2連結方法に倣えば良く、上述の説明を参照すれば当業者に自明であるから、説明を省略する。
【0093】
(連結方法)
図13は、最初に図示の新設フロア材11hの側辺部12xを第1固定フロア材11eの側辺部12xに接合して連結する方法を示している。この方法による場合、第1固定フロア材11eに対して新設フロア材11hを左側に偏位させた姿勢で対面させると共に持ち上げると、
図13(B)に鎖線で示すように、両者の側辺部12x、12xの間において、連結孔14(符号14xで示す)の右導入孔部14dを連結突起13(符号13xで示す)に臨ませることができる。この際、第3固定フロア材11gの側辺部12yからは、符号Pで示すように連結突起が突出しているが、上記L≧Pとなるように構成しているので、該連結突起が新設フロア材11hに干渉することはない。
【0094】
そこで、新設フロア材11hを第1固定フロア材11eに向けて、矢印Q1で示すように移動すると、連結孔14xの右導入孔部14dに前記連結突起13xが受入れられる。つまり、連結突起13xが右導入孔部14dに挿入される。この矢印Q1で示す移動により、新設フロア材11hと第3固定フロア材11gの間においては、
図13(C)に鎖線で示すように、連結孔14(符号14yで示す)の中央導入孔部14bが連結突起13(符号13yで示す)に臨み、受入れ可能な状態とされる。
【0095】
引き続き、新設フロア材11hを第3固定フロア材11gに向けて、矢印Q2で示すように移動すると、新設フロア材11hと第1固定フロア材11eの間においては、
図13(B)に矢印M1で示すように、連結孔14xの中央導入孔部14bが連結突起13xに向けて移動する。これと同時に、新設フロア材11hと第3固定フロア材11gの間においては、連結孔14yの中央導入孔部14bが連結突起13yを受入れる。つまり、連結突起13yが中央導入孔部14bに挿入される。
【0096】
従って、その後、新設フロア材11hを下降させて床面に接地すると、新設フロア材11hと第1固定フロア材11eの間において、連結孔14xの保持孔部14aが連結突起13xに向けて移動することにより、挿入係止すると同時に、新設フロア材11hと第3固定フロア材11gの間においても、連結孔14yの保持孔部14aが連結突起13yに向けて移動することにより挿入係止する。
【0097】
(保持手段)
第2実施形態のフロア材11においても、
図6ないし
図9に基づいて上述した保持手段を設けることが好ましい。第1実施形態と第2実施形態の基本的相違点は、連結突起13と連結孔14を反対向きに構成し、連結孔14を構成する保持孔14aと導入孔部14b、14c、14dを上下反対側に構成した点にある。従って、特に詳述しなくても、導入孔部14b、14c、14dの下側の縁部に上述のような移動規制手段19b、19c、19dを設け、上記と同様に構成すれば、保持手段を容易に実施することが可能である。