特許第6366557号(P6366557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366557
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180723BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20180723BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20180723BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20180723BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20180723BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180723BHJP
【FI】
   F21S2/00 439
   F21V19/00 170
   F21V19/00 150
   F21V23/00 160
   H01L33/00 H
   H05K3/34 501D
   F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-192606(P2015-192606)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-69013(P2017-69013A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 誠
(72)【発明者】
【氏名】安海 恵都
(72)【発明者】
【氏名】菅原 聡
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−059987(JP,A)
【文献】 特開昭63−237594(JP,A)
【文献】 特開2016−001731(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0231953(US,A1)
【文献】 特開2008−021955(JP,A)
【文献】 特開2013−243229(JP,A)
【文献】 実開昭59−195767(JP,U)
【文献】 特開2006−128606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/00
H01L 33/00
H05K 3/34
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する発光面を有する光源と、
前記光源が実装される回路基板と、
前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、
前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、
を備え、
前記一対の引き回し部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である第1の欠落部が設けられ
前記一対のランド部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である第2の欠落部が設けられている、
ことを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記第1の欠落部は、前記引き回し部の側端部から形成された切欠きであることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記第1の欠落部は、前記一対の引き回し部における対向する側端部から形成された切欠きであることを特徴とする請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記カバーレイとの境界における前記引き回し部の幅は、前記切欠きによって形成された前記引き回し部の狭幅部の幅よりも広いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記カバーレイとの境界における前記引き回し部の幅は、前記ランド部の最大幅よりも広いことを特徴とする請求項〜4のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記第1の欠落部は、前記一対の引き回し部に形成された開口であることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記第2の欠落部は、前記光源の前記電極に対応して設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記第2の欠落部は、前記ランド部における対向する側端部から形成された切欠きであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記第2の欠落部は、前記ランド部に形成された開口であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項10】
前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板、
を更に備え、
前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項11】
前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板、
を更に備え、
前記カバーレイは、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側の領域のみに配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項12】
光を出射する発光面を有する光源と、
前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板と、
前記光源が実装される回路基板と、
前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、
前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、
を備え、
前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在しており、
前記一対の引き回し部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である欠落部が設けられている、
ことを特徴とする面状照明装置。
【請求項13】
光を出射する発光面を有する光源と、
前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板と、
前記光源が実装される回路基板と、
前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、
前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、
を備え、
前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在しており、
前記一対のランド部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である欠落部が設けられている、
ことを特徴とする面状照明装置。
【請求項14】
光を出射する発光面を有する光源と、
前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板と、
前記光源が実装される回路基板と、
前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、
前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、
を備え、
前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在しており、
前記カバーレイとの境界における前記引き回し部の幅は、前記ランド部の最大幅と同一またはそれよりも広い、
ことを特徴とする面状照明装置。
【請求項15】
前記カバーレイは、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側の領域のみに配置されていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドライト方式の面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示パネル等の照明手段として、導光板の側端面に沿って光源を配置してなるサイドライト方式の面状照明装置が知られている。特に、小型で環境適合性に優れた発光ダイオード装置(LED)を光源として用いた面状照明装置は、携帯電話等の小型携帯情報機器の分野を中心に広く採用されている。
【0003】
近年、この種の面状照明装置に用いられるLEDにおいて、LED本体における実装面上に電極端子を有さず、側面のみに電極端子を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように実装面上に電極端子を有さない構成は、LEDの低背化を図る上で有効であり、面状照明装置の薄型化に資することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−107307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実装面上に電極端子を有さないLEDは、実装の難易度が格段に上がってしまう。すなわち、実装面上に電極端子を有さない結果、基板上のランドと電極端子との接触面積が小さくなり、当該LEDを基板に接続する際に接続不良が発生する可能性が高くなるのである。そして、このことは、はんだ材料のリフロー工程におけるセルフアライメントをより高精度に制御することが必要であることを意味する。
【0006】
一方、面状照明装置の小型化およびLEDの高密度実装を進めるためには、基板上のランドおよびその周囲の配線を小型化しつつも、強度を確保する必要がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、配線の強度確保と発光素子の実装精度とを両立した面状照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、光を出射する発光面を有する光源と、前記光源が実装される回路基板と、前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、を備え、前記一対の引き回し部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である第1の欠落部が設けられ、前記一対のランド部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である第2の欠落部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記第1の欠落部は、前記引き回し部の側端部から形成された切欠きであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記第1の欠落部は、前記一対の引き回し部における対向する側端部から形成された切欠きであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記カバーレイとの境界における前記引き回し部の幅は、前記切欠きによって形成された前記引き回し部の狭幅部の幅よりも広いことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記カバーレイとの境界における前記引き回し部の幅は、前記ランド部の最大幅よりも広いことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記第1の欠落部は、前記一対の引き回し部に形成された開口であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記第2の欠落部は、前記光源の前記電極に対応して設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記第2の欠落部は、前記ランド部における対向する側端部から形成された切欠きであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記第2の欠落部は、前記ランド部に形成された開口であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板を更に備え、前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板を更に備え、前記カバーレイは、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側の領域のみに配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、光を出射する発光面を有する光源と、前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板と、前記光源が実装される回路基板と、前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、を備え、前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在しており、前記一対の引き回し部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である欠落部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、光を出射する発光面を有する光源と、前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板と、前記光源が実装される回路基板と、前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、を備え、前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在しており、前記一対のランド部の夫々には、前記導電性材料が欠落した領域である欠落部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、光を出射する発光面を有する光源と、前記光源の前記発光面が対向して配置される端面である入射面を有する導光板と、前記光源が実装される回路基板と、前記回路基板に設けられ、前記光源の一対の電極のそれぞれを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域としての導電性材料からなる、前記電極に対応した一対のランド部と、前記一対のランド部の夫々から、少なくとも前記回路基板上の配線を保護するカバーレイまでの間に延在する、前記ランド部と一体化した導電性材料からなる一対の引き回し部と、を備え、前記一対の引き回し部は、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側に延在しており、前記カバーレイとの境界における前記引き回し部の幅は、前記ランド部の最大幅と同一またはそれよりも広いことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る面状照明装置において、前記カバーレイは、前記光源を挟んで前記導光板とは反対側の領域のみに配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る面状照明装置は、配線の強度確保と発光素子の実装精度とを両立することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、面状照明装置の概略構成を示す断面図である。
図2図2は、面状照明装置に用いられる光源の例であるサイドビュー型のLEDの外観図である。
図3図3は、面状照明装置に用いられる光源の例であるサイドビュー型のLEDの外観図である。
図4図4は、光源を回路基板のランド部に接続した様子を示す概略斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンを示す図である。
図6図6は、ランド部に光源がずれて配置されている状態を示す図である。
図7図7は、第1の欠落部の形状を例示列挙した図である。
図8図8は、第2の欠落部の形状を例示列挙した図である。
図9図9は、第2実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンを示す図である。
図10図10は、第3実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る面状照明装置を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0020】
〔第1実施形態〕
図1は、面状照明装置10の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、面状照明装置10は、導光板11と、光源20と、光源20が実装される回路基板40と、を備えている。一般に、面状照明装置10は、複数の光源20を備えているが、以下では、複数の光源20のうち1つに着目して説明を行う。光源20の周辺構造についても同様である。面状照明装置10は、以下で説明する光源20およびその周辺構成を複数個並列的に備えているものと理解すべきである。
【0021】
導光板11は、透明材料(例えば、ポリカーボネート樹脂)を用いて上面視矩形状に形成され、光源20の発光面22が対向して配置される端面である入射面を有している。光源20から導光板11の入射面に入射した光線は、導光板11内で適切な反射を繰り返して、上面視矩形状である導光板11が発光体であるかのような面状照明装置10を形成する。
【0022】
図1に示される回路基板40の構成例は、両面フレキシブルプリント回路基板(FPC)である。回路基板40は、ベースフィルム41の両面に配線層42が積層され、さらにその配線層42上に接着剤43aを介してカバーレイ43が積層される構成を基本構成としている。ただし、図1に示されるように、回路基板40における光源20等の素子を接続する箇所は、カバーレイ43によって配線層42が覆われていない。そして、当該箇所の配線層42は、表面処理としてメッキ層42aが形成されている。配線層42およびメッキ層42aは、共に導電性材料からなり、例えば配線層42は銅箔によって形成され、メッキ層42aはスズや金等の金属メッキによって形成される。図1における、配線層42にメッキ層42aが施されカバーレイ43から露出した箇所は、後に詳述するランド部に相当し、はんだSを介して、光源20の本体21に形成される端子が当該箇所に接続される。
【0023】
回路基板40の構成例として、ベースフィルム41に白色フィルムを用いることが好ましい。光源20から出射される光線を効率よく反射し、より多くの光量を導光板11へ導くためである。このようなベースフィルム41を形成するために好適な材料の例としては、白色の液晶ポリマーが挙げられる。ただし、白色フィルムは、これに限定されず、例えば、ポリイミド等のフィルム上に、白色部材を塗布してなるものであってもよい。また、当該白色部材は、ベースフィルム41と配線層42を接着する接着剤43aを兼ねるものであってもよい。カバーレイ43は、例えばポリイミド等により形成されるフィルムであるが、例えば、接着部材としての機能を兼ねる材料により形成してもよい。
【0024】
図2および図3は、面状照明装置10に用いられる光源20の例であるサイドビュー型のLEDの外観図である。図2は、発光面22側から見た外観斜視図であり、図3は、裏面側から見た外観斜視図である。
【0025】
図2および図3に示されるように、光源20は、略直方体の形状をしており、本体21の長手側の側面の一つに発光面22を備えており、本体21の短手側の側面に一対の電極23a,23bが設けられている。
【0026】
図4は、光源20を回路基板40のランド部に接続した様子を示す概略斜視図である。なお、図4は概略斜視図であり、細部については省略して記載している。特に、ランド部の細部については、後に詳述するものとして、概略形状を記載している。
【0027】
図4に示されるように、光源20における一対の電極23a,23bは、はんだSを介して、一対のランド部50a,50bに接続される。一対のランド部50a,50bは、光源20を回路基板40に実装する際に、光源20の本体21に設けられた一対の電極23a,23bのそれぞれに対応する位置に形成されており、具体的には、第1の電極23aが第1のランド部50aに対応し、第2の電極23bが第2のランド部50bに対応している。なお、第1および第2のランド部50a,50bの物理的実体は、図1を参照しながら説明した、カバーレイ43から露出した配線層42およびメッキ層42aである。つまり、第1および第2のランド部50a,50bは導電体材料から構成されている。
【0028】
図4に示されるように、光源20における電極23a,23bは、光源20の本体21の短手側の側面に形成されている。したがって、光源20を回路基板40に実装する際、一対の電極23a,23bと一対のランド部50a,50bとを接続するはんだSは、光源20の本体21の短手側の側面に及ぶ範囲にまで塗布されている。また、同図に示される光源20は、サイドビュー型のLEDであり、光源20を回路基板40に実装した際、発光面22が側面を向くように配置される。
【0029】
図5は、第1実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンを示す図である。図5に示されるように第1実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンは左右対称の配線パターンを有している。したがって、左右対称の構成部分の記載は、図面の見易さのため適宜省略している。
【0030】
図5に示されるように、第1および第2のランド部50a,50bの周囲では、第1のランド部50aと第1の引き回し部51aとが一体に形成され、第2のランド部50bと第2の引き回し部51bとが一体に形成されている。第1および第2のランド部50a,50bと第1および第2の引き回し部51a,51bとは、同一の導電性材料から構成されているので、物理的に明確に区別することはできない。ここでは、説明を容易にするために、以下のように区別している。
【0031】
第1および第2のランド部50a,50bとは、光源20の電極23a,23bを電気的に接続するためのはんだを塗布する領域Lとしての導電性材料とする。一方、第1および第2の引き回し部51a,51bとは、第1および第2のランド部50a,50bの領域Lから、少なくともカバーレイ43までの間に延在する領域Lとしての導電性材料とする。なお、はんだを塗布する領域Lは、個体差が存在する。しかしながら、第1および第2のランド部50a,50bと第1および第2の引き回し部51a,51bとの境界をどこに設定するかは、本発明の作用および効果に影響を与えるものではない。
【0032】
図5に示されるように、第1および第2の引き回し部51a,51bの夫々には、第1の欠落部52a,52bが設けられている。第1の欠落部52a,52bとは、第1および第2の引き回し部51a,51bの夫々に設けられた導電性材料が欠落した領域である。なお、図5に示された第1の欠落部52a,52bは、それぞれ第1および第2の引き回し部51a,51bの側端部に形成された矩形の切欠きであるが、後に例示するように、第1の欠落部52a,52bの形状はこの形状に限られるものではない。
【0033】
図5に示される構成例では、カバーレイ43との境界における第1および第2の引き回し部51a,51bの幅Waは、第1の欠落部52a,52bによって形成された第1および第2の引き回し部51a,51bの狭幅部の幅Wbよりも広い。したがって、カバーレイ43との境界における第1および第2の引き回し部51a,51bの強度が十分に確保される。結果、応力が集中しやすいカバーレイ43との境界において、第1および第2の引き回し部51a,51bの断線の虞を少なくすることができる。
【0034】
図5に示されるように、第1および第2のランド部50a,50bの夫々には、第2の欠落部53a,53bが設けられている。第2の欠落部53a,53bとは、第1および第2のランド部50a,50bの夫々に設けられた導電性材料が欠落した領域である。なお、図5に示された第2の欠落部53a,53bは、それぞれ第1および第2のランド部50a,50bの側端部に形成された矩形の切欠きであるが、後に例示するように、第2の欠落部53a,53bの形状はこの形状に限られるものではない。
【0035】
図5に示されるように、第1および第2のランド部50a,50bの間には、位置確認用マーク54a,54bが形成されている。この位置確認用マーク54a,54bは、光源20を接続した際に、光源20の位置が適切であるか否かを確認するためのものである。
【0036】
次に、図6を参照しながら、第1の欠落部52a,52bおよび第2の欠落部53a,53bの作用について説明する。図6は、第1および第2のランド部50a,50bに光源20がずれて配置されている状態を示す図である。
【0037】
図6に示されるように、第1のランド部50aにおいて、光源20が図面下方向にずれてしまった場合を想定する。領域A付近に塗布されているはんだのセルフアライメント効果は、領域B付近に塗布されているはんだのセルフアライメント効果よりも大きい。ここで、セルフアライメント効果とは、リフロー工程等におけるはんだの表面張力により、光源20の位置が修正される効果である。領域B付近に塗布されているはんだは、第1の欠落部52aによって堰き止められる結果、ずれて接続されてしまった光源20の端部に対する張力が比較的小さい。一方、領域A付近に塗布されているはんだは、第2の欠落部53aによって堰き止められる結果、ずれて接続されてしまった光源20の端部に対する張力が比較的大きい。結果、ずれて接続されてしまった光源20の端部を適切な位置へ修正するようにセルフアライメント効果が働くことになる。
【0038】
図7は、第1の欠落部の形状を例示列挙した図であり、図8は、第2の欠落部の形状を例示列挙した図である。
【0039】
図7に示されるように、第1の欠落部の形状は、引き回し部における対向する側端部に形成された矩形の切欠き以外でも構わない。例えば、例(b)〜(d)のように、切欠きを構成する辺のうちすくなくとも1辺に傾斜を設けた切欠き形状とすることも可能である。また、第1の欠落部の形状は、例(e)のように、開口とすることも可能である。さらに、例(f)のように、第1の欠落部を設ける引き回し部の側端部は、対向する側端部ではなく、背向する側端部であっても構わない。
【0040】
図8に示されるように、第2の欠落部の形状は、引き回し部における対向する側端部に形成された矩形の切欠き以外でも構わない。例えば、例(a),(c),(e),(g),(i)のように、第2の欠落部の形状を開口とすることも可能であり、また、これら開口の形状も矩形や三角形や半円形等の様々な形状を用いることができる。第2の欠落部の形状を切欠とする場合も、例えば、例(b),(d),(f),(h),(j)のように、様々な形状を用いることができる。
【0041】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る面状照明装置を説明するが、第2実施形態に係る面状照明装置は、ランド部およびその周囲の配線以外の構成について、第1実施形態と同一の構成とし得る。したがって、以下では、第2実施形態に係るランド部およびその周囲の配線の構成のみを説明し、その他の構成については第1実施形態を参照する。
【0042】
図9は、第2実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンを示す図である。図9に示されるように、第1および第2のランド部60a,60bの周囲では、第1のランド部60aと第1の引き回し部61aとが一体に形成され、第2のランド部60bと第2の引き回し部61bとが一体に形成されている。ここで、第1および第2のランド部60a,60bと第1および第2の引き回し部61a,61bとは、第1実施形態と同様に区別するものとする。
【0043】
図9に示されるように、第2実施形態では、第1および第2の引き回し部61a,61bにのみ第1の欠落部62a,62bが形成されている。なお、図9に示される第1の欠落部62a,62bは、第1および第2の引き回し部61a,61bにおける対向する側端部から形成された矩形の切欠きであるが、図7に例示列挙したような様々な形状とし得る。
【0044】
本構成の第1の欠落部62a,62bであっても、カバーレイ43との境界における第1および第2の引き回し部61a,61bの幅Waは、第1の欠落部62a,62bによって形成された第1および第2の引き回し部61a,61bの狭幅部の幅Wbよりも広い。したがって、カバーレイ43との境界における第1および第2の引き回し部61a,61bの強度が十分に確保される。結果、応力が集中しやすいカバーレイ43との境界において、第1および第2の引き回し部61a,61bの断線の虞を少なくすることができる。
【0045】
また、本構成の第1の欠落部62a,62bであっても、第1および第2のランド部60a,60bに塗布されたはんだが第1および第2の引き回し部61a,61bの方向へ流出することを防ぐ効果を奏する。したがって、本実施形態であっても、ずれて接続されてしまった光源20の端部を適切な位置へ修正するようにセルフアライメント効果が働くことになる。
【0046】
なお、本実施形態においても、第1および第2のランド部60a,60bの間には、位置確認用マーク64a,64bが形成されている。この位置確認用マーク64a,64bは、光源20を接続した際に、光源20の位置が適切であるか否かを確認するためのものである。
【0047】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る面状照明装置を説明するが、第3実施形態に係る面状照明装置は、ランド部およびその周囲の配線以外の構成について、第1実施形態と同一の構成とし得る。したがって、以下では、第3実施形態に係るランド部およびその周囲の配線の構成のみを説明し、その他の構成については第1実施形態を参照する。
【0048】
図10は、第3実施形態に係るランド部およびその周囲の配線パターンを示す図である。図10に示されるように、第1および第2のランド部70a,70bの周囲では、第1のランド部70aと第1の引き回し部71aとが一体に形成され、第2のランド部70bと第2の引き回し部71bとが一体に形成されている。ここで、第1および第2のランド部70a,70bと第1および第2の引き回し部71a,71bとは、第1実施形態と同様に区別するものとする。
【0049】
図10に示されるように、第3実施形態では、第1および第2の引き回し部71a,71bに第1の欠落部72a,72bが形成され、第1および第2のランド部70a,70bに第2の欠落部73a,73bが形成されている。図10に示される第1の欠落部72a,72bは、第1および第2の引き回し部71a,71bにおける対向する側端部から形成された矩形の切欠きであるが、図7に例示列挙したような様々な形状とし得る。図10に示される第2の欠落部73a,73bは、第1および第2のランド部70a,70bにおける対向する側端部から形成された矩形の切欠きであるが、図8に例示列挙したような様々な形状とし得る。
【0050】
図10に示される第1および第2の引き回し部71a,71bは、それぞれ補助配線75a,75bが設けられている。補助配線75a,75bは、第1および第2の引き回し部71a,71bのいずれかが断線した場合でも、第1および第2のランド部70a,70bに対する通電を確保し、面状照明装置の信頼性を高めるためのものである。補助配線75a,75bは、第1の引き回し部71aと第2の引き回し部72bとの間の領域に配置することが好ましい。図10には図示されないが、先述のように面状照明装置は複数の光源を並列的に備えている。したがって、補助配線75a,75bを第1の引き回し部71aと第2の引き回し部72bとの間の領域に配置する方が、面状照明装置における光源の実装密度の観点から好ましい。
【0051】
図10に示される構成例では、カバーレイ43との境界における第1および第2の引き回し部71a,71bの幅Wcは、第1および第2のランド部70a,70bの最大幅Wdよりも広い。したがって、カバーレイ43との境界における第1および第2の引き回し部71a,71bの強度がさらに十分に確保される。しかも、図10に示される構成例では、第1および第2の引き回し部71a,71bに補助配線75a,75bが設けられている。したがって、応力が集中しやすいカバーレイ43との境界において、第1および第2の引き回し部71a,71bの断線の虞を少なくすることができるのみならず、第1および第2の引き回し部71a,71bに断線が発生した場合であっても、第1および第2のランド部70a,70bに対する通電を確保できるという点で、2重の信頼性が確保されている。
【0052】
なお、本実施形態においても、第1および第2のランド部70a,70bの間には、位置確認用マーク74a,74bが形成されている。この位置確認用マーク74a,74bは、光源20を接続した際に、光源20の位置が適切であるか否かを確認するためのものである。
【0053】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。また、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。
【符号の説明】
【0054】
10 面状照明装置
11 導光板
20 光源
21 本体
22 発光面
23a,23b 電極
40 回路基板
41 ベースフィルム
42 配線層
42a メッキ層
43 カバーレイ
43a 接着剤
50a,50b,60a,60b,70a,70b ランド部
51a,51b,61a,61b,71a,71b 引き回し部
52a,52b,62a,62b,72a,72b 第1の欠落部
53a,53b,73a,73b 第2の欠落部
54a,54b,64a,64b,74a,74b 位置確認用マーク
75a,75b 補助配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10