(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
[0003] 薬物療法の送達の実施において2つの傾向が顕著になってきた。第1に、薬物、エネルギー、又は外科手術である治療は、局所的なものに向かっており、より正確には(すなわち、集中的に)送達するものに向かっており、第2に、治療は、それぞれの特定の解剖学的構造、生理学、及び疾患の特徴に基づいて各患者に合わせられ、最適化される。これらの方向は共に、治療により副作用が起こる可能性を最小限にすると共に、より患者に合った治療を提供するようにデザインされており、無病生存率を改善し得る、及び/又は、疾患の局所的な再発を改善し得る/減少させ得る。
【0004】
[0004] これらの傾向の多くが手術環境で採用され、大規模な開放外科処置は、腹腔鏡技術及び他の低侵襲性処置に取って代わられてきており、また、その傾向が続いている。薬物療法は、より局所的な送達、例えば、治療部位又はその近傍に直接配置される治療(例えば、薬物溶出ステント及び脳腫瘍用のGLIADELウエハ)に向かっている。最近まで、放射線療法で同じことをしたいという要望が、集中的な送達の不十分な技術により阻まれてきた。しかしながら、より局所的な治療領域への放射線の送達(すなわち、局所放射線送達)の著しい進歩により、前立腺癌、乳癌、及び婦人科癌の患者の治療に最も顕著に使用されている小線源療法の分野、放射線腫瘍学の下位専門分野で一般的になってきている。一例として、乳房小線源療法では、放射線源が、腫瘍が除去された部位の乳房内に一時的に配置されて維持される1つ以上のカテーテル内に一時的に挿入される。放射線の処方線量が、各患者に合わせて計算され、そして放射線が、局所再発リスクの最も高い領域に直接送達される。このシステムにより、より正確な直接治療が可能となり、「内側(inside out)」から効果的に送達される。この手法は、短い時間枠(通常は5〜7日間対最大6週間で毎日)での等しい線量の放射線の送達及び乳房組織の僅かな体積への送達(すなわち、短期(accelerated)の僅かな体積の治療)を含め、乳癌の治療を受ける患者に様々な利点を提供するため人気を得ている。従って、患者に合わせられた集中的な量の放射線の送達により、周囲の正常組織への潜在的な損傷を最小限にすると共に治療の利点が維持される。
【0005】
[0005] 小線源療法は、世界中で受け入れられ始めているが、外部ビーム放射線療法(EBRT)はなお、放射線療法の最も一般的な送達方法である。EBRTは、多種多様な癌の治療に使用され、外科手術の前、最中、及び/又は後で実施され得る。加えて、化学療法も放射線療法と共に良く利用される。EBRTは、(切除されない癌に対する)第1の選択の療法として、又は腫瘍の外科的除去後の癌の局所管理を最大化する手段として癌患者に実施される。放射線は、疾患の再発の可能性を低減するために腫瘍切除領域の「滅菌」を助けるためのものである。
【0006】
[0006] EBRTでは、1つ以上の高エネルギーX線ビームが、放射線治療を必要とする体の部分に向けられる。線形加速器(リニアックと呼ばれる場合が多い)が、ビームを形成し、このリニアックは、ビームがこのリニアックを出るときのビームの成形を助けるコリメータを備えている。2つ以上のビームを使用するのが極めて一般的であり、各ビームは、腫瘍領域又は腫瘍切除部位の周りの様々な方向から送達される。多くの場合、放射線の送達の計画では、放射線が腫瘍部位に交差し、これにより最も高い線量の放射線が最も重要な部位に集中するようにビームが向けられる。この方式では、標的の周囲の正常組織が低量の放射線に曝露される。同時に、治療ビームの合計が、案内される腫瘍標的で最大となるため、正確な標的部位は、より正確かつ的確に送達される線量を受け取る。腫瘍標的体積は、患者のCTスキャン(又は他のイメージング法、例えば、超音波又はMRI)を用いて放射線腫瘍医によって描写された領域である。腫瘍標的体積及び放射線量処方パターンは治療計画コンピュータに入力される。次いで、治療計画ソフトウェア(TPS)が、放射線腫瘍医の処方線量を達成するために必要なビーム数、並びに各ビームのサイズ及び形状を示す計画を作成する。
【0007】
[0007] 従来、EBRTは、総放射線量を一連のより許容可能な少ない線量に分けて、患者に連続的に送達することによって実施される。線量は、典型的には、治療される部位の周囲の正常組織の許容量によって制限される。従って、多くの場合、放射線療法は、副作用が患者に許容することができなくなるまで続けられる。標的体積は、処方放射線量の本質的に100%を送達するのが望ましく、従来、腫瘍(総腫瘍体積、又はGTV)に残りの顕微鏡的腫瘍細胞を保持し得る組織縁の周囲体積を加えたもの(臨床標的体積、又はCTV)と定義されている。周囲の正常組織の別の縁も、療法のための患者の位置決めの誤差、並びに、分割中及び分割の間の両方における腫瘍部位の運動を考量するためにCTVに加えられる。
【0008】
[0008] 乳癌の治療では、EBRTの完全なコースが、多数の低線量の別個の治療に分けられ(分割され)、このそれぞれの治療は分割と呼ばれる。60グレイ(Gy)の典型的な処方線量は、1日に2Gyの30日の治療に分割される。分割の間、治療ビームは、約1分間「オン」にされることができる。従って、全治療線量を達成するためには、放射線療法は、典型的には、週5日で6週間に亘って実施される。乳癌、肺癌、胸部の癌、及び上腹部(例えば、膵臓)の癌の治療では、放射線療法の実施は、標的組織の位置を変動させ得る呼吸中の組織の位置の変化を考慮しなければならない。
【0009】
[0009] EBRTが使用される別の一般的な処置は、全乳房照射であり、典型的には、乳癌の治療として、外科腫瘍摘出手術の後の放射線療法計画として使用される。この形式の療法では、全乳房が、典型的には約1〜2か月かかる治療期間に亘って小線量分割で多数回照射される。これらの全乳房線量に加えて、殆どの患者は、腫瘍摘出術空洞部の周りのすぐ近くの領域が再発のリスクが高いと疑われるため、この領域に追加の「ブースト」線量が照射される。多くの場合、この腫瘍摘出手術後の組織領域の正確な組織の位置の識別は困難であり不確かである。この不確かさの結果として、通常必要とするよりも大きい組織の体積が、正確な「高リスク」標的組織に実際にブースト線量が照射されるブースト治療のために規定される。加えて、ブースト標的は、治療される全乳房よりも小さいため、実際の「標的」ブースト組織の体積は、全乳房標的よりも小さく、従って、治療のために明確に標的化又は規定するのがより困難であろう。
【0010】
[00010] ここ数年で、治療計画ソフトウェア及び線形加速器技術が、近傍の敏感な構造(「リスクのある器官」又は非標的組織としても知られる)を上手く回避するために放射線療法のビームを成形する能力の点で飛躍的に改善された。最新の治療計画ソフトウェアは、放射線腫瘍医及び医学物理学者が、CTスキャンを用いて治療される組織の体積を決定し、治療の制限(例えば、標的体積内の最小放射線量、標的体積の近傍の構造に対する最大放射線量)を行うことを可能にする。次いで、このソフトウェアは、逆方向治療計画と呼ばれるプロセスでビームの角度及び形状を自動的に計算する。このプロセスは、放射線のビームを成形する強度変調放射線療法(IMRT)と呼ばれる技術を用いてさらに改善することができる。最新の線形加速器の別の特徴は、治療ビームの狙いをより正確に定めるための、患者及び患者の腫瘍の正確な位置決めに使用されるある種の放射線(及び/又は超音波)イメージングである。この最新の方法は、画像誘導放射線療法、又はIGRTと呼ばれる。
【0011】
[00011] IMRT及びIGRT技術は共に、標的体積に交差する多数の小さくてより正確に成形されたビームを使用する。IGRTは、少なくとも1つの重要な面、すなわち、各分割の前のイメージングを使用して位置決め誤差を減少させ、治療ビームの狙いが適切に定められるようにするという面でIMRTとは異なっている。典型的には、IGRTは、放射線の狙いを定めるためには骨構造(例えば、前立腺の患者の骨盤)を使用し、超音波の狙いを定めるためには軟組織境界面(例えば、前立腺被膜及び膀胱壁)を使用する。まれに、インプラント可能な放射線不透過性マーカー(例えば、VISICOIL)が、IGRTで狙いを定めるのを容易にするために使用される。しかしながら、3次元/容積測定方式で治療の限度又は限界を定義する1つのマーカー装置の使用は、まだ達成されていない。特に乳癌の治療では、一部の医師は、放射線不透過性マーカー、例えば、手術時に配置した外科クリップを用いて腫瘍摘出術空洞部の縁を描写するのを容易にしようとした。これは、理論的には、治療計画において放射線腫瘍医に役立ち得るが、多くの場合、これらのクリップは、その配置が不正確であり、手術後に移動する傾向にあり(例えば、クリップの移動性及び他の治癒や瘢痕の結果によって)、かつ外科手術中の止血管理のために使用される他の外科クリップと混同され得る。組織の変化及び瘢痕化は、これらのクリップの位置に著しく影響を及ぼすことがあり、従って、放射線の狙いが不正確になる可能性がある。加えて、これらのマーカーは、最新の送達方法での標的化、例えば、各分割又はIGRTで行われるのと同様の各分割の各ビームでの使用では、大きな成功を収めていない。
【0012】
[00012] IMRTは、特殊なタイプのコリメータ、すなわち、各分割の間にビームの形状を変更して放射線量を調節又は「造形」し、これにより3次元の実際の標的体積の形状により適合させる多葉コリメータ(MLC)である。MLCを装備した線形加速器は、数ミリメートルの精度でビームのサイズ及び形状を制御することができる。しかしながら、これらの精度を最大限に利用するためには、組織標的を3次元で正確に定義する必要がある。
【0013】
[00013] IGRTは、線形加速器の比較的新しいオプションであるが、メガ電圧(MV)又はキロ電圧(KV)のX線/蛍光透視法によるイメージング能力を内蔵した多くの新しいリニアックが利用可能である。内臓イメージング能力は、既存の機器に組み込むこともできる。内臓イメージングは、線形加速器の大手メーカー(例えば、Varian Medical Systems、Elekta、Tomotherapy、Accuray and Siemens)による最新のリニアック製品ラインに導入された技術的能力である。これらの企業によって開発された技術は、外部ビーム放射線療法に対して優れた標的化の実施を可能にするが、標的(例えば、骨構造)は、多くの場合、骨構造の隣接軟組織標的領域との関連付けが不正確であるため、特定の組織領域の正確な治療のための的確かつ正確な標的領域を実現するには不十分である。
【0014】
[00014] 上記のように、外部ビーム放射線療法で正確に狙いを定めるには、「基準」として知られるマーカーを使用して標的を指し示すものが必要である。これらの基準マーカーは、周囲組織(例えば、骨及び軟組織)の放射線特性とは異なる放射線特性を有する。今まで、これは、放射線不透過性マーカー(例えば、永久に埋め込まれる異物)を用いて達成されている。あるいは、Patrick及びStubbsは、一時的に埋め込まれるバルーンカテーテルを用いてEBRTを成形し、狙いを定めるための装置及び方法を説明した(米国特許第7,524,274号)。この装置及び方法は、除去の際に第2の医療/外科処置が必要となる異物の埋め込みを必要とした。埋め込まれたバルーンの周囲の乳房の領域の埋め込み及び照射が、長期の合併症、例えば、持続性漿液腫(感染する可能性がある乳房内の液体の貯留)をもたらし得ることを示唆する臨床的証拠が存在する。照射のための組織標的を規定する理想的/優れたオプションとしてのバルーン型装置の使用を妨げる多数の臨床的課題が存在する。バルーン装置は、例えば、このバルーン装置及びその内容物がEBRTの送信に影響を与え得るためEBRT治療を妨害することがあり、従って、標的組織に到達する放射線の線量に影響を及ぼし得る。加えて、バルーン装置は、治癒過程中に組織が成長して空洞部内に戻るのを妨げる可能性があり、これにより、乳癌の手術後に特に望ましくない不規則で醜い瘢痕が生じることがある。バルーン装置は、治療中に患者にとって不快であり、従って、放射線療法で狙いを定めるためのバルーン型装置は、臨床分野では有用ではない。
【0015】
[00015] 従って、標的組織の体積をより正確に決定し、かつ後の除去を必要とすることなく外部ビーム治療のために画像化することができる標的を提供するための優れた基準マーカー装置及び方法が要望されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】本発明の螺旋インプラント装置を例示している。
【
図1B】本発明の螺旋インプラント装置を例示している。
【
図2】中心ストラットを有する本発明の螺旋インプラント装置を例示している。
【
図3】マーカークリップが螺旋本体内に固定された、中心ストラットを有する本発明の螺旋インプラント装置を例示している。
【
図4A】本発明の螺旋インプラント装置の製造段階を例示している。
【
図4B】本発明の螺旋インプラント装置の製造段階を例示している。
【
図5】本発明の螺旋インプラント装置の製造段階を例示している。
【
図6】本発明の螺旋インプラント装置のさらなる製造段階を例示している。
【
図7】本発明の螺旋インプラント装置の代替の実施形態を例示している。
【
図8A】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図8B】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図9A】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図9B】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図9C】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図9D】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図10A】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図10B】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図10C】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図10D】本発明のインプラント装置の追加の実施形態を例示している。
【
図11】外科切除空洞部に配置されたインプラント装置の一実施形態を例示している。
【
図12】外科切除空洞部に配置されたインプラント装置の別の実施形態を例示している。
【
図13】外科的に形成された乳房腫瘍摘出術空洞部に配置されたインプラント装置の別の実施形態を例示している。
【
図14】外科切除空洞部に配置されたインプラント装置の別の実施形態を例示している。
【
図15】本発明のインプラント装置のさらなる実施形態を例示している。
【
図16A】本発明の螺旋インプラント装置に対応するサイズ選択器具を例示している。
【
図16B】本発明の螺旋インプラント装置に対応するサイズ選択器具を例示している。
【
図16C】本発明の螺旋インプラント装置に対応するサイズ選択器具を例示している。
【
図17A】本発明のインプラント装置の追加の2次元の実施形態を例示している。
【
図17B】本発明のインプラント装置の追加の2次元の実施形態を例示している。
【
図18】本発明のインプラント装置の代替の2次元の実施形態を例示している。
【
図19】当分野で公知である軟組織の理想的な腫瘍切除空洞部を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[00044] 本明細書で説明される本発明は、治療するべき組織の領域に外部ビーム放射線の狙いをより正確に定めることができるインプラント可能な装置を使用する。この装置は、標的組織、例えば、腫瘍切除空洞部の周囲組織に直接放射線療法治療ビームを集中させるために使用される3次元標的又は標的群を提供する。この装置は、腫瘍切除と同じ外科処置の手術中に埋め込まれる吸収性材料から形成することができ、除去する第2の処置を必要とない(この装置は、患者の体内の原位置で吸収される)。
【0027】
[00045] 一実施形態では、本発明は、臨床イメージング(放射線、超音波、MRIなど)によって可視化される少なくとも1つの一体型標的マーカー構成要素を備えた生体吸収性の螺旋外科インプラント10(
図1Aでは球構造で例示され、
図1Bでは楕円構造で例示されている)を含む。多くの実施形態では、インプラント10は、容易な標的の描写を促進し得る比較的複雑でない球形、例えば、球体、楕円体、又は円柱を有する。このようにして、インプラント(及び/又はこのインプラントに取り付けられたマーカー)は可視化することができ、そしてその輪郭(従って、治療されるべき標的組織−典型的には切除された腫瘍の周囲の縁領域の輪郭も)を容易に決定することができる。次いで、標的組織を治療することができる。インプラントのサイズ及び形状は、最も一般的な切除空洞部のサイズ及び形状に一致するように様々にすることができる。装置は、可撓性とすることができ、かつ配置する前のその所定の形状とすることができ、インプラントは、埋め込み後に所定の形状に戻ろうとする傾向にあり得るが、このインプラントは、患者の組織によって加えられる力を受け、これにより、その形状が変形して隣接組織に適合することもできる。同様に、この装置は、体に吸収されるにつれて周囲組織と一体になることができ、後の臨床的追跡のために以前に切除された腫瘍の近傍にマーカーが残される。この装置は、特定の外科手術に必要なサイズにすることができるが、好ましい最長径のサイズ範囲は、約2cm〜約6cmである。
【0028】
[00046]
図1A及び
図1Bに例示されているように、本発明の外科インプラント10は、螺旋として形成されている。螺旋の性質から、インプラント10は、通常よりも高い可撓性が可能となる。例えば、インプラント10は、引張りばね又は圧縮ばねのように長さが軸34に沿って収縮する、又は、曲がるコイルばねのように軸34に沿って曲がることができる。加えて、連続した壁がないため、インプラントは、軸に沿った方向以外の方向に曲がることができる。このような可撓性により、標的組織、及びインプラント10が配置される空洞部が、患者が運動するときに曲がることができ、これにより、このインプラントが患者にとってより快適となる。加えて、螺旋の開放性から、組織の空洞部内への成長及び進入が可能となり、これにより、漿液腫の発生又は影響を低減することができ、場合によっては、照射される標的の体積を低減することができる。
【0029】
[00047]
図1Aに例示されているインプラント10の形状は球体であるが、このインプラントは、他の形状、例えば、フットボール型の楕円体(
図1Bに例示されている)又は円柱に形成することもできる。本明細書で使用される「回転楕円体」という語は、インプラント10が球体及び楕円体の形状の両方を含むことを明確に意図するものであり、従って、
図1A及び
図1Bの両方の実施形態は回転楕円体である。形状の選択は、インプラント10が配置される空洞部の形状及び性質によって決めることができる。一般的に乳癌に関連する腫瘍摘出術空洞部の場合は、比較的球形の形状が一般的な選択である。
【0030】
[00048] インプラント10は、任意の形状を有し得るが、外部放射線ビーム治療装置によって容易にモデル化される規則的な形状が好ましい。このような形状は、球体、偏楕円体、長球、及び偏球形状を含み得る。同様に、本明細書で使用される「回転楕円体」という語は、これらの球体及び楕円体の形状の全てを含むものとする。他の規則的な形状、例えば、円柱又は正方形も使用することができるが、尖った角は、標的組織に対する放射線ビームの成形をより困難にするであろう。一般に、インプラント10は、極領域間に延在する開骨格を備えた極領域を有し得る。このような開骨格は、腫瘍切除空洞部の境界をマークするのに十分な安定性を提供する本体12を備え、この本体における十分な間隙14により、この空洞部の周りの組織が装置に進入することができる。この例示されている実施形態では、インプラント10の形状は、巻き間に間隙14を有する螺旋に形成された連続体又は単一体12によって形成されており、螺旋全体は、極領域16、18を備えた球形を有する。各極領域16、18には、この実施形態では、球形の中心に向かって内側に延びた延長部20、22が存在する。
【0031】
[00049] 加えて、開骨格は、特定のレベルの可撓性を実現するようにデザインすることができる。本明細書の他の部分で述べるように、例示された螺旋デザインは、ばねとして機能する。本体12を形成する材料の剛性を変更することにより、及び/又は、本体12の太さを変更することにより、装置10のばね定数を変更して、所望の可撓性を得ることができる。すなわち、デザインにより、ばね定数が、空洞部の縁に沿ったマーカー位置にマーカーを維持するために一定の力を付与することができるが、十分な可撓性により患者が快適性を得られ、瘢痕が最小となり、従って、装置10は、その意図する目的に合わせて最適化することができる。乳癌の治療に使用される好ましい実施形態は、4cmの直径の装置に対して軸方向の撓みが約5〜15g/mm(より好ましくは、8〜12g/mm)、3cmの直径の装置に対して軸方向の撓みが約10〜25g/mm(より好ましくは、15〜20g/mm)、そして2cmの装置に対して軸方向の撓みが約25〜70g/mm(より好ましくは、30〜50g/mm)のばね定数(「k」として示され、グラム/mmの単位である)を有する装置を含む。本発明者らは、小さい直径の装置に対して高いk値を有すると有利であり得ることを見出した。
【0032】
[00050] 装置の典型的なサイズは、赤道直径が2〜6cmの範囲であり、長さが2〜8cmの範囲である。所与の患者に対して最適な構造を提供するために、選択できる様々な製品の直径及び長さを有することが医師にとって有用である。
【0033】
[00051] インプラント10は、好ましくは、標的療法に使用することができるように医療用イメージング装置で視覚化されることができる。例示された実施形態では、可視化特性は、イメージング装置に高コントラストの可視性を与える放射線不透過性クリップ24、26、28の形態の可視化マーカーを設けることによって促進することができる。例示された構造では、第1のクリップ24は「北極」に設けられ、第2のクリップ26は「南極」に設けられ、4つのクリップ28が、球体インプラント10の赤道領域の周りに実質的に分布している。このクリップアレイは、特定の輪郭、又は言い換えれば、3次元全て、この実施形態ではxy、zy、及びxz平面における組織空洞部の境界の範囲の特徴付けを可能にする。必要に応じて、これよりも多い又は少ない数のクリップを使用して、より詳細又はそれほど詳細でない組織部位の識別を行うことができる。説明され、例示されたインプラント10の可撓性及び形状であるとすると、クリップは、2つの極に優先的に設けられ、そしていくつかのクリップが、赤道の周りに、又は螺旋の長さの他の部分に沿って実質的に分布される。このようにして、たとえ球体インプラントが生体内で撓んでも、又は空洞部の周りの組織が運動又は流動しても、組織領域の3次元形状は、クリップの位置に基づいて確認することができる。注目されるのは、CT、マンモグラフィー、MRI、及び超音波を含む現在利用可能な高解像度イメージングシステムでは、クリップの存在は、インプラントの画像化、従って周囲の軟組織の画像化には必ずしも必要ではないであろう。本体の材料中に空隙を含まなくても良い生体吸収性の本体の単なる存在が、場合によっては、所望の組織位置を描写する、又は規定するのに十分であり得る。
【0034】
[00052] 例示されているように、北極クリップ24及び南極クリップ26はそれぞれ、それぞれの極領域の延長部20、22内に位置している。それぞれのクリップは、本体の材料に固定されている。この実施形態では、極のクリップは、それ自体に対して折り畳まれるワイヤ要素として構成され、このワイヤの端部は、組立の前は僅かに広がっている。組立中に、クリップは、極領域の円柱孔の中に挿入される。クリップの広がった端部は、極クリップが、取り付け後に孔から外れるのを防止する一方向保持要素として機能する。赤道クリップは、安全に取り付けできる位置をクリップに提供するために存在する、領域32に形成されたポケット又は貫通孔30を用いて本体12に固定することができる。同様に金属ワイヤから形成されたこれらの赤道クリップ28は、クリップの中間部分が孔30の中に存在し、クリップの端部が、例示されているように領域32の周りで湾曲して、クリップを本体12に「D」型に固定することによって取り付けることができる。このD型は、これらのマーカー要素の極クリップとの区別、及び外科処置中に出血を制御するために使用することができる従来の止血クリップとの区別を容易にする。クリップを固定する代替の方法では、
図7から分かるように、周辺クリップ28を、生体吸収性チューブの長い螺旋セグメント12の内腔内に配置することができる。これらのクリップは、任意の生体適合性の放射線不透過性材料、例えば、チタン、ステンレス鋼、金、又は所望の可視化特性を有する複合ポリマー材料(例えば、炭素と硫酸バリウムで製造された)から形成することができる。
【0035】
[00053] 上記のように、生体吸収性本体12自体は、クリップ24、26、28に加えて、又はこれらのクリップの代わりに可視化特性を有しても良い。すなわち、本体の材料又は本体のコーティングの特性は、本体自体を、イメージング装置で可視化することができ、かつ標的として使用することができるように選択されてよい。特に、本体12は、この本体12をイメージング装置で可視化するために、インプラント10が配置される空洞部の周囲の組織とは異なる放射線密度(又はMRIを使用する場合は磁気スピン回復性(magnetic spin recovery))を有し得る。例えば、乳房組織は、ハウンスフィールド尺度で−140〜50の値を示し得る。このハウンスフィールド尺度とは、元の線形減衰係数測定値の線形変換のことであり、標準的な圧力及び温度(「STP」)での蒸留水の放射線密度が、0のハウンスフィールド数を有すると定義され、STPでの空気の放射線密度が、−1000のハウンスフィールド数を有すると定義される。インプラント可能な装置でこの対比を生じさせる詳細については、参照により本明細書に組み入れられる2010年5月28日出願の米国特出願公開第2011−0004094A1号(「診断又は治療処置に用いられる生体吸収性標的(Bioabsorbable Target for Diagnostic or Therapeutic Procedure)」)に記載されている。しかしながら、本体12の密度は、放射線ビーム又はイメージングアーチファクトの著しい減衰をもたらして、臨床的に劣化した標的の描写、又は臨床的に相当な量の送達される線量の変更が生じ得るほど高くするべきではない。クリップ又は他のマーカーが使用される場合、本体12の密度は、場合によっては、視覚化及び治療目的のために周囲組織の密度と区別できないこともある。加えて、本体12の材料及び/又はクリップは、可視化装置の超音波イメージング能力を高めるために粗い表面仕上げ又はファセット表面仕上げを有しても良い。
【0036】
[00054] 本体12を形成するために使用することができる様々な材料として、既知の生体吸収性材料、例えば、ポリグリコール酸(PGA、例えば、Dexon、Davis & Geck)、ポリグラクチン材料(VICRYL、Ethicon)、ポリグレカプロン(MONOCRYL、Ethicon)、並びに、合成吸収性ラクトマー9−1(synthetic absorbable lactomer 9-1)(POLYSORB、United States Surgical Corporation)及びポリジオキサノンが挙げられる。他の材料として、成形用の生体吸収性材料、例えば、ポリL−乳酸(PLLA)及び様々なPLA/PGA配合物を含むポリ乳酸(PLA)が挙げられる。これらの配合物として、カプロラクトン、DLラクチド、Lラクチド、グリコリド、及びこれらの様々なコポリマー又は配合物を挙げることができる。任意の上述の材料の混合物を、必要に応じて使用することもできる。材料は、架橋結合、表面テクスチャリング、又は互いに配合することによって変更して様々な期間、分解速度を制御することができ、この期間の後に実質的に又は完全に吸収される。分解速度を変更することができる別の方法は、放射線滅菌に典型的に使用される線量範囲の追加の放射線に装置を曝露することによるものである。例えば、25〜40キログレイ(kGy)の線量範囲のe−ビーム放射線への装置の曝露は、十分に有効な滅菌サイクルでは典型的である。しかしながら、装置をさらに25〜75kGy曝露することは、この装置の短期間の機能的な機械特性に著しい悪影響を与えることなく、原位置での分解速度を加速させるのに有用であり得る。放射線療法で狙いを定めるために使用される実施形態では、本体12の機械特性は、治療を行うのに十分な時間維持される。場合によっては、本体12は、組織が空洞部に進入して可視化マーカーの位置が組織内に固定されるまで十分に持続する。また、材料は、螺旋形の全体的効果にとって十分な剛性を有し、埋め込み後に弾性的に変形するのが好ましい。
【0037】
[00055] 本体12の断面形状も、所望のばね定数及び吸収パラメータを達成するように選択されてもよい。一般に、本体12は、円形、楕円形、卵形、十字形、又は長方形の断面を有し得る。他の形状が使用され得る。
【0038】
[00056]
図2及び
図3に例示されているように、インプラント10は、その長手方向軸34の方向に延在するストラット36も有し得る。特に、ストラット36は、北極延長部20と南極延長部22との間を接続することができる。好ましい一実施形態では、ストラット36は、構造的支持となるだけではなく、螺旋本体12の曲がっていない位置において、少なくとも一方の極領域が他方の極領域に対して近づく又は離れるある程度の移動を可能にする。使用中の多くの状況では、螺旋本体12は、ばねのように曲がり、特に圧縮される。ストラット36は、長手方向軸に沿った圧縮を可能にするだけではなく、螺旋本体12の過度の圧縮を防止するストッパーとしても機能し得る。
【0039】
[00057] 一実施形態では、ストラット36は、それぞれの延長部20、22に適合する管状要素であり、一方の延長部との固定関係を維持しながら、他方の延長部に対してスライドする。この構成により、管状ストラット36の縁が、ストッパーとして機能し得る極領域16、18の一方に接触するまで、螺旋本体12が圧縮される。別の実施形態では、ストラット36は、各延長部20、22に対してスライドすることができる。なお、さらなる実施形態では、ストラット36は、長手方向に互いに対してスライドする2本の重なり合う管を含むことができ、このようなストラットの相反する端部は、極延長部20、22に固定することができる。スライドしない実施形態では、ストラット36は、両方の延長部20、22に固定することができ、内部にスライドしない。
【0040】
[00058] 本発明者らは、本体12を形成するための好ましい製造方法も開発した。
図4及び
図5に例示されている製造ステップでは、本体12は、実質的に平面の2つの反対向きの接続された螺旋に形成される。本体12は、
図5に示されているように、押し出して、上記説明された所望の形状に熱成形される(熱可塑性材料を加熱によって成形して、材料が冷却された後も形状を維持する永久変形(例えば、曲げる)を引き起こす)ことができるが、生体吸収性材料のこのような処理は困難であり、かつ形状の形成を再現することは困難であり得る。好ましい一実施形態では、この第1のステップは、
図4A、
図4B、及び
図4Cの螺旋形に示されているように射出成形によって行うことができる。この形状は、サイドプルを必要とない単純な2つの金型部品から成形することができ、これにより、再現が可能となり、しかも僅かな金型費で済む。加えて、成形部品は、例えば、その2つの端部における表面のさらなる詳細を可能にする。例えば、
図4Aに例示されている、可視化マーカー又は組み立て取り付け具用のポケットを備えた丸い端部を、デザインに組み入れることができる。追加の可視化マーカー用のポケットも、
図4Bに示されているように適切な間隔で本体の長さに沿って成形することができる。
【0041】
[00059] この段階では、本体12全体は、射出成形を容易にするために実質的に平面にすることができる。実質的に平面という場合、サイドプルを必要とすることなく射出成形をすることができる構造、又はシート形状の本体材料から打ち抜きをすることができる構造を意味する。可視化マーカーを、
図4Cに示されているように本体が実質的に平面であるこの段階で本体12に取り付けることもでき、これにより自動組立法となる。
【0042】
[00060]
図4の実施形態では、左のばね40は、北極延長部42を備え、反対の右のばね44は、南極延長部46を備えている。接続セグメント48は、2つの反対の螺旋を接続している。
【0043】
[00061]
図5は、
図4に類似の実施形態を例示しているが、極の延長部が存在せず、延長部は、後に加熱成形しても良いし、又は特に中心ストラットが必要なければ完全に省いても良い。製造プロセスの次のステップで、2つの螺旋が共通の長手方向軸又は中心軸を共有するように一方の螺旋40を他方の螺旋44の上に配置して
図5の構造を熱成形し、
図6に例示されている装置にする。
図5の実施形態では、いずれか一方の螺旋を、他方の螺旋の上に配置することができる。しかしながら、方向要素を有する極延長部42、46を有する
図4の実施形態では、左の螺旋40は、好ましくは、極延長部が互いに向かって延びる、すなわち、完成した螺旋インプラントの中心に向かって延びるように右の螺旋44の上に配置することができる。
【0044】
[00062] 熱成形プロセス中に、重なっている螺旋40、44の中心を、本体12が概ね球状となるように(例えば、マンドレル上で)再成形することができる。最終インプラントの最終形状は、この熱成形ステップ中に決定することができる。例えば、各中心が球形の全半径距離未満の平面に延出するように熱成形すると、扁平な球になる。全半径距離を越えた熱成形では、
図1Bに示されているように、球がフットボール型に細長くなる。一方の螺旋側面を、他方の螺旋側面よりも中心線から離れるように成形すると、卵形になる。中心ストラットが必要な実施形態では、次にストラットを追加することができる。均一で再現可能な再成形を容易にするために、本体12を、回転楕円体成形マンドレルの周りに配置し、そして加熱して所望の最終形状を成形することができる。製造の一貫性を高めるために、この成形マンドレルは、熱成形プロセス中に所与の位置に部品を保持する溝をその表面に沿って備えることができる。
【0045】
[00063]
図7は、
図6に示されているように成形された装置を示し、追加のマーカークリップが、この装置の本体の中心内腔に沿った所望の位置に配置されている。これらのマーカークリップは、最終的な長球螺旋形に最終的に熱成形される前又は後で内腔内に配置することができる。
【0046】
[00064]
図8〜
図10は全て、代替の実施形態を示し、生体吸収性マーカー構成要素(例えば、本体12)が、最初に比較的平面の構造(例えば、射出成形を容易にするため)に成形され、次いで、この構成要素が最終的な長球又は他の3次元構造に熱成形される。これらの実施形態は、組織の内部への成長、組織の運動、組織の接合、及び/又はマーカー装置の周辺境界を通る流体連通の機会を最大にするために開放構成を有することに留意されたい。開放構成はまた、医師がこの装置の一部の周りに縫合糸を通すことができ、装置を隣接組織(例えば、胸壁)に固定して装置をさらに固定するのに役立つ。本明細書で説明されるマーカー装置は、装置の周辺に沿った放射線不透過性マーカー要素(例えば、チタンワイヤ)の周期的で安全な取り付け位置を備えた生体吸収性要素の弾性骨格を含む。装置の可撓性及び適合性により、装置が変形することができ、快適性が向上し、装置が配置される周囲組織に対する適合性が高まる。マーカー装置の「周辺境界」という語を使用する場合、マーカー装置自体の境界縁だけではなく、装置の外周に全体的に一致するマーカー装置の各部分間の「何もない空間」領域も指す。
【0047】
[00065]
図8Aは、装置10aの代替の実施形態を示し、生体吸収性構成要素が、本体が4つの分岐部12a、12b、2c、及び12dを有する平面の十字状構造に成形されている。各分岐部は、装置の赤道の周りにマーカーを取り付けるための機能構造30aを備え、1つの分岐部12aは、その端部に、北極マーカーを取り付けるための機能構造30aを備え、十字の中心は、南極マーカーを取り付けるための機能構造30aを備えている。
図8Bは、構成要素が(例えば、凹状の溝を備えた球体マンドレルの周りに)加熱成形されて、北極領域16及び南極領域18を有する球形装置10aに成形された後の装置を示している。本明細書で説明される他の形状、及び分岐部がこれよりも多い、又は少ない形状もこのように成形することができる。一般に、分岐部の数は、分岐部の幅、完成した装置の分岐部間の間隙の所望のサイズ(従って、装置の「開放度」)、及び装置の赤道の周りに望ましいマーカーの数に基づいて決まる。
【0048】
[00066] 装置の別の実施形態が
図9A〜
図9Dに示されている。生体吸収性構成要素10bの第1の部分52は、3つの花弁様分岐部12e、12f、及び12gを有する
図9Aに示されているような形態に成形される。各花弁様要素の中心にある3つの円柱突出部54は、放射線不透過性マーカー(不図示)、例えば、赤道マーカーとして使用されるチタンワイヤ形態を含む。中心円柱突出部56は、装置を組み立てるための締結手段(例えば、圧入又はねじ結合)を含み、かつ放射線不透過性マーカー(不図示)も含み得る。続いて、構成要素52を、
図9Bに例示されている構成要素を形成するために湾曲マンドレルの周りに熱成形することができる。中心軸延長部58を2つの部分52に追加して、
図9Dに示されている完成した装置の組立分解図である
図9Cに示されている組み立てられた生体吸収性装置10bを形成することができる。
【0049】
[00067]
図10A〜
図10Dは、装置10cのさらに別の実施形態を示し、生体吸収性構成要素が、各ループが中心に向かって開いている十字形の4つのループ62a〜62dを形成している交互連続フィラメント12h構造に成形されている。各ループ62a〜62dは、赤道マーカー28の配置を可能にする機能構造30を備えている。ループ62aは、北極マーカー24を配置するための機能構造64を備え、南極マーカー26を配置するための機能構造66が、任意の2つのループ間の装置10cの中心に位置している。
図10Bは、構成要素が(例えば、凹状の溝を備えた球体マンドレルの周りに)熱成形されて、マーカー24、26、28が取り付けられた後の装置10cを示している。成形マンドレルは、完成構造の球形を形成するだけではなく、マンドレルの凹状の溝が、フィラメントを離隔させて比較的等間隔の生体吸収性フィラメント(従って、組織の進入を可能にする等間隔の間隙又は開口)を装置の球面に沿ってその全体に形成するのにも役立つ。
図10C及び
図10Dはそれぞれ、
図10Bに示されている装置10cの実施形態の上面図及び側面図を示している。
【0050】
[00068] これらのタイプの装置は、典型的には、本明細書で既に説明されたように医師が形成した組織(例えば、腫瘍摘出術)空洞部を積極的に再接合しようとしない医師が使用することができる。加えて、この装置は、腫瘍摘出術空洞部の周囲の乳房組織の少なくとも一部を外科的に再接合することを選択した外科医も使用することができる。この再接合は、時には空洞部閉鎖とも呼ばれ、典型的には、腫瘍摘出術空洞部の両側の乳房組織を縫合して、皮膚を閉じる前に組織を互いに引き寄せる(
図11を参照)ことによって達成される。
図11は、患者の乳房の腫瘍切除空洞部72内に配置された、
図1で説明された螺旋マーカー10を示している。この図から分かるように、空洞部は、縫合糸74を用いて閉じられている途中であり、螺旋装置10の間隙への組織の進入76が分かるであろう。装置の開放構成により、組織が互いに引き寄せられて縫合糸によって閉じられるときに、組織が、装置の周辺境界内に流動又は他の方法で移動することができる。従って、この装置は、たとえ腫瘍摘出術空洞部自体が外科的又は自然に元のサイズ及び/又は形状に戻ることができたとしても、後のイメージングのために外科空洞部位(及びその縁)を3次元方式でマークすることができる。腫瘍摘出術空洞部は、それ自体が部分的又は完全に潰れつることによって、又は、場合によっては、術後期の腫瘍摘出術空洞部内での漿液腫の貯留による膨張によって自然に(すなわち、受動的に)元のサイズ又は形状に戻り得る。
【0051】
[00069]
図12は、別の腫瘍摘出術空洞部72内の同様の装置10を示し、周囲組織がどの程度、マーカー28内に進入し76、このマーカーの周りに流動したかが分かるであろう。従って、本明細書に説明されているこれらの開放構成の3次元組織マーカーにより、医師が、以前は不可能であった3次元の精度レベルで閉じた及び/又は潰れた空洞部を規定することができる。
【0052】
[00070]
図13は、標準的な外科切開部132を介して手術時に腫瘍摘出術空洞部131に配置された後の装置10を示している。装置10の開放構成により、腫瘍摘出術空洞部の縁における乳房及び脂肪組織133が、組織マーカー装置の周辺境界(点線134)を通って自然に進入することができる。装置の周辺境界134は、装置の外部領域又は周辺表面要素(例えば、135)によって規定される連続的な全表面形状として定義される。
図13に示されている装置10では、周辺境界は、卵形表面であり、この図面では卵形の点線134として示されている。空洞部境界組織は、装置の要素間及びその周りに徐々に入り込む、進入する及び/又は流動することができ、従って、例えば、組織位置136及び137で装置の周辺境界を通過している。
【0053】
[00071] 例えば、乳房腫瘍摘出処置で使用する方法は次の通りである。腫瘍摘出術空洞部を、皮膚切開部を介して乳房組織を外科的に除去することによって形成し(例えば、乳輪からトンネルを形成することによって、低侵襲性とすることができる)、サイズ選択器具又は他の寸法測定法(例えば、腫瘍摘出術の標本又は空洞部を直接調べる)を用いてこの空洞部の寸法を測り、適切なサイズの3次元開放構成の生体吸収性組織マーカーを、外科切開部を介して腫瘍摘出術空洞部内に直接配置して、この空洞部の縁にある乳房組織が、組織マーカー装置の周辺境界に能動的(例えば、縫合糸での閉鎖によって)又は受動的に徐々に入り込む、又は他の方法でこの周辺領域を通過するようにし、次いで、創傷部又は皮膚を標準的な外科的方法で閉じる。
【0054】
[00072] さらに別の代替の使用方法では、装置が上記のように使用されるが、装置の1つ以上の部分の周りに縫合糸を通し、次いで、この縫合糸を隣接組織に通して装置を隣接組織に取り付ける、又は他の方法でさらに固定する追加のステップを含む。
【0055】
[00073] 場合によっては、マーカー装置の境界(従って、空洞部)内に組織が入り込む程度を適正に制限することができる。この例は、
図14から分かり、
図1に記載されたタイプのマーカー装置10が、患者の乳房の腫瘍摘出術空洞部72に配置されている。この手法では、少量の組織しか、螺旋要素間に進入しておらず、元の空洞部の相当な部分に組織がないままであり、マーカー装置(マーカークリップを含む)が、腫瘍摘出術空洞部の縁を表していることが分かるであろう。
【0056】
[00074]
図15は、代替の実施形態10dを示し、生体分解性フィラメント82からなるメッシュ状構造が、空洞部のサイズの開放構成のシェル状構造に成形され、マーカークリップ84が、この構造の様々な周辺位置に固定されている。一実施形態では、マーカークリップは、北極及び南極にも配置され、赤道の周りに4つのマーカーが配置される。この構造は、最小質量の生体分解性材料で装置の全径を最大化する。メッシュ状構造(織り又は編組フィラメント、又は打ち抜きシート)は、快適でもあり、なおさらに、空洞部内に存在するときに隣接組織の3次元の体積特性を維持する。マーカークリップは、装置の周辺に存在するため、外科空洞部の境界の可視化を最適化する。装置の外周の境界を通る組織の進入の程度は、選択される間隙のサイズ(例えば、1mm〜10mm)によって異なり得る。この間隙のサイズの範囲内の全てのバージョンが、開放構成のデザインであり、埋め込み後に、液体(例えば、血液、漿液腫、リンパ液)が装置の周辺境界を自由に通過することができる。
【0057】
[00075] これら及び他の悪性腫瘍を治療する本発明による方法は、腫瘍部位を外科的に切除して癌性腫瘍の少なくとも一部を除去し、
図18に例示されている切除空洞部を形成することによって開始する。例示されているように、組織を除去して空洞部104を形成するために、進入部位又は切開部102を患者100に形成する。
図7は、外科切除空洞部の概念を視覚的に示し、殆どの空洞部が、2〜8週間の術後期でそれ程単純ではなく形成され、臨床イメージング環境で可視化されやすいことに留意することが重要である。例えば、Landisら(“Variability among breast radiation oncologists in delineation of the postsurgical lumpectomy cavity,” 67(5) Int J Radiat Oncol Biol Phys 1299-308 (2007))は、術後期に標的化されるべき空洞部の境界を描写するのが困難であることを実証している。Landisらは、臨床環境で典型的に見られるサイズ及び形状の範囲並びに幾何学的不安定性についても実証している。組織の縁は、切除空洞部及びその隣接組織の範囲及び位置についての不安定性により、描写するのが困難であり得る。従って、空洞部の切除時に外科空洞部に配置される本発明の装置は、空洞部が外科的に形成されるときにこれらの組織境界を規定し、これにより、術後(例えば、後の放射線療法に必要なイメージング中)に組織境界を識別するのが格段に容易になる(又は組織境界の構造及び特定の位置について強い自信を持って識別することができる)。一部の臨床環境では、装置のマーカークリップのみが可視であり、他の場合には、マーカークリップに加えて生体吸収性担体材料も可視とすることができる。いずれの場合も、本発明のマーカー装置が配置されなかった場合、又は個々のマーカー装置(例えば、クリップ)が代替として空洞部内に配置された場合よりも、腫瘍摘出術空洞部に隣接した組織のより正確な描写を実証することができる。
【0058】
[00076] 腫瘍の切除後に、本発明のインプラント(本明細書で説明される実施形態のいずれかを用いる)を腫瘍切除空洞部104に配置する。外科医が手術中に装置を配置するように外科部位102を閉じる前に配置を行うことができる、あるいは、最初の外科切除の後に装置を挿入することができる(例えば、陽性又は不十分な外科的縁が原因でより多くの組織を除去する再切除中に)。場合によっては、装置の導入のための新たな切開部を形成することもできる。いずれの場合も、周囲面が切除空洞部104の周囲組織を再現可能に規定する大きさ及び構造であるのが好ましい装置を、切除された組織空洞部内に配置する。
【0059】
[00077] 場合によっては、所与の外科空洞部に埋め込まれる装置の適切なサイズ及び形状の医師による選択を容易にするために、サイズ選択器具を利用することが有用であろう。埋め込まれる装置と同様の全体サイズ(例えば、幅及び長さ)だけではなく、全体的な装置の構造及び/又は装置の可撓性も表すサイズ選択器具が特に有用である。これらの属性を考慮して、サイズ選択器具92が
図16A及び
図16Bに示されている。例示的なサイズ選択器具92は、ハンドル部分94、及び特定のサイズのインプラント可能な装置のサイズを表すサイズ選択部分96を備えている。図面のサイズ選択器具92と共に、サイズ選択器具によって表されるインプラント可能な装置10が示されている。
図16Cは、それぞれのインプラント可能なマーカー装置10に対応するサイズ及び形状の一連のこのようなサイズ選択器具92を示している。使用の際は、埋め込むために特定のサイズ及び形状のマーカーを選択する前に、医師は、
図16Cに示されているような一連の再使用可能な滅菌サイズ選択器具から特定のサイズ選択器具を選択する。サイズ選択器具のハンドルを保持したまま、医師は、このサイズ選択器具の球状端部を外科空洞部内に配置する。必要に応じて、器具の周囲の組織を、1つ以上の一時的な縫合又はステープルによって外科的に接合して、組織がサイズ選択器具とどのように相互作用するか、従って、組織がインプラント可能なマーカー装置の周りでどのように相互作用するかを医師が感じることができるようにする。特定のサイズ又は形状のサイズ選択器具が、所望の特性(例えば、創傷部の張り、組織空洞部との適合)について最適でない場合は、別のサイズ又は形状のサイズ選択器具を、周囲組織との所望の相互作用が得られるまで試すことができる。続いて、サイズ選択器具を創傷部から取り外して、医師が、このサイズ選択器具の構造に最も一致するインプラント装置を選択し、次いで、インプラント装置を組織空洞部に配置する。続いて、乳房組織が、サイズ選択器具から予想されるようにインプラントと相互作用し、医師が、皮膚切開部を閉じる。
【0060】
[00078] 例えば、開放法又は小規模開放(例えば、トンネル形成)手法を用いることによってインプラント装置が挿入されると、インプラントは、組織空洞部104(の少なくとも一部)を塞ぎ、インプラントが吸収されるときまで周囲の標的組織を規定する。インプラント可能な装置が、軟組織の切除空洞部に埋め込まれると、この装置の相当な部分が、切除空洞部の壁に適合し得る。この文脈で本明細書で使用される「相当な部分」という語は、インプラントの外面の約25%以上が周囲組織に直接接触していることを意味する。多くの腫瘍摘出術空洞部の形状が不規則であるため、インプラントの表面の全てが、周囲組織に直接接触できるわけではない。様々な因子、例えば、解剖学的構造及び外科技術によって、空気又は漿液腫によって満たされた空隙が存在する場合が多い。一部の実施形態及び臨床例では、インプラントが周囲組織に完全に適合する。完全に適合するとは、インプラントの表面の約95%以上が周囲組織に直接接触することを意味する。周囲組織に接触する装置の外面のパーセントにかかわらず、組織の開放構成により、典型的には、切除空洞部の内面の一部が、埋め込まれた装置と接触しないままである。あるいは、装置を開放構成ではないデザインにしても良く、このデザインでは、埋め込まれた後に装置の周辺境界に亘って液体と組織が自由に連通する。
【0061】
[00079] 本発明を使用すると、規定された組織領域が得られ、これにより、以前は不規則又は不確定であった組織空洞部の壁に放射線をより正確に送達することができる。この規定された表面は、装置の生体吸収性部分若しくはマーカークリップによって、又は両方によって、様々なイメージング方式、例えば、超音波、MRI、及びCT又は他のX線によって描写することができる。加えて、装置は、組織の運動によって生じる治療処置での誤差の低減に役立ち得る。インプラント装置によって実現される位置決め及び安定化は、放射線の照射を促進し、その精度を改善することによって放射線療法の有効性を大幅に改善することができる。結果として、放射線を標的組織に集中させ、そして周囲の健常組織の損傷を最小限にしてこの健常組織の温存を容易にする治療法が得られる。放射線量がより正確に送達されると、隣接する正常組織に送達される線量を低くすることができ、短期の放射線治療計画の適合性が改善される(例えば、高い線量率でのより少ない線量分割)。
【0062】
[00080] インプラント装置を配置し、そして放射線を送達する前に、この装置及び周囲の標的組織を、好ましくは、限定されるものではないが、X線(kV又はMV)、従来の(2−D)マンモグラフィー、3−Dマンモグラフィー(マンモグラフィートモシンセシス、例えば、SELENIA Tomosynthesis by Hologic, Inc.を含む)、超音波、MRI、CTスキャン、PET、SPECT、及びこれらの組み合わせを含むイメージング装置で可視化することができる。これらのイメージング装置は、インプラント装置及び周囲の標的組織の写真を撮り、外部放射線療法の計画を支援する。従って、装置は、空洞部の境界を描写することができ、これにより標的体積を求めることができる。次いで、装置は、治療の各分割の直前に患者の標的組織のより正確な再位置決めの標的を提供する。最後に、装置は、標的体積の運動をリアルタイムで追跡することができる手段を提供することができ、これにより、ビームを標的と共に移動させる、ビームを動的に再形成して運動する標的に適合させる、又はビームを、標的がビーム経路から外れるとオフにし、戻るとオンにすることができる。
【0063】
[00081] 外部ビーム放射線療法、例えば、3次元原体照射法(3DCRT)及びIMRTの場合、イメージング処置は、残存組織縁の地図を作成し、放射線を照射するための組織の標的化を支援する。次いで、放射線ビームを、非常に正確な放射線量の標的組織への送達のために適合させる。また、改善された標的化能力により、患者の設定(治療ビームに対する標的の位置決め)誤差が低下する。両方の因子が、標的組織のコンフォーマリティー(conformality)を改善し、体の標的体積の周囲の正常組織への放射線曝露を低減し、空洞部の組織縁の不正確さの低下により通常規定されるよりも小さい標的体積が可能となる。
【0064】
[00082] 一部の治療計画は、数日又は数週間に亘る繰り返しの放射線照射が必要であり、装置をこのような場合に使用して、切除された腫瘍空洞部の周囲の組織を繰り返し位置決めすることができる。これらのステップを、治療計画の間に必要に応じて繰り返すことができる。好ましくは、埋め込まれた装置は、治療期間中、介入なしで、すなわち、除去又は装置の構造を変化させる操作が行われずに同じ位置に維持される。
【0065】
[00083] 説明される特定の例は、乳癌の治療に関連するが、本明細書で説明される装置及び方法は、組織が除去されて、患者が組織除去部位又はその近傍に標的化放射線治療を必要とするあらゆる領域を含む他の解剖学的位置(例えば、肉腫の場合は筋肉、肝腫瘍の場合には肝臓)にも使用することができる。装置は、高リスクの非癌性又は最終的に良性の乳房病変及び他の非癌性組織部位の開放外科生検によって形成された空洞部に配置することもできる。こうすることで、後の乳房イメージング検査のために空洞部を識別し、これが、長期の患者の監視にも有用であり得る。
【0066】
[00084] 説明された3次元構造に加えて、相対的に2次元のバージョンの装置の提供も臨床的に望まれている。3−D装置は、さらなる3次元構造の境界(例えば、腫瘍摘出術空洞部)を規定するが、これらの2−D装置は、外科切除から(例えば、乳房縮小中に)生じ得る組織のより平面又は曲線の境界を規定するのにより有用であり得る。
【0067】
[00085] このような平面であるが柔軟で適合性のバージョンが、
図4、
図5、及び
図17に示されている。これらのデザインは、様々な外科処置中に能動的又は受動的に最終的に再接合される組織境界を識別するのに有用である。これらの2次元デザインから恩恵を受け得る外科処置は、軟組織の切除の後の切除境界の再接合を必要とする処置(例えば、乳房縮小又は肺の楔状切開)である。
【0068】
[00086]
図4及び
図5は、外科的に再接合することができる組織領域に外科的に配置することができる螺旋平面形態の2−D型マーカーを例示している。螺旋要素は、組織が外科的に再接合されるときに自由に曲がって組織平面に適合する。
【0069】
[00087]
図17Aは、中心領域114から延びている、生体吸収性ポリマーから形成された一連の可撓性棘状部112を含む別の実施形態10eを例示している。既に説明されたタイプの放射線不透過性マーカー28が、各棘状部の終端部に存在する。マーカークリップも、中心領域に存在し得る(不図示)。使用する際は、装置は、外科手術時に、接合される組織の領域の表面に沿って配置される。多くの場合、組織表面は、表面形状が不規則(例えば、平面ではない)であり得、従って、組織表面を(例えば、外科縫合によって)接合することができても、装置はなお、曲がって組織表面の不規則な表面形状に適合することができる。同様に、この構造の開放構成により、自由な液体の通過及び組織の移動が可能となり、しかも切除された組織境界を規定することができる。
【0070】
[00088]
図17Bは、中心領域116が、同様に生体吸収性材料から形成された線形棘状要素である点を除いて、
図17Aに関連して説明された装置に類似したなお別の実施形態10fを例示している。マーカー要素は、周辺棘状部に存在するだけではなく、装置の中心棘状部に沿って定期的な間隔で存在する。使用する際は、装置は、組織部位に配置される前に、配置される解剖学的部位に最適に適合するように棘状部に沿った様々な位置で切断することができる。
【0071】
[00089]
図18は、さらに別の実施形態10gを例示し、この装置は、可撓性平面に沿った周辺部又は他の位置に固定されているマーカー要素28を備える可撓性の生体吸収性メッシュ又はスクリーン118からなる。この実施形態では、放射線不透過性マーカーは、メッシュ又はスクリーン材料のフィラメントを被覆するチタンワイヤ要素からなる。他の実施形態(不図示)では、ワイヤ要素は、生体吸収性材料で被覆することができ、かつ、(
図4Bに示されている)実施形態の概ね平面の可撓性表面に対して平行又は垂直に向けることができる。垂直なマーカー要素の1つの利点は、マーカー要素を、隣接組織内に(靴底の滑り止めのように)部分的に埋め込んで、接合される組織の表面に沿って装置の位置を固定することができることである。
【0072】
[00090] 当業者であれば、上記の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴及び利点を理解されよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されるもの、及び最終的に提供されるものを除き、具体的に図示され、説明されたものに限定されるものではない。本明細書で言及された全ての刊行物及び参照文献は、参照によりその全開示内容が本明細書に明確に組み入れられ、そして本発明は、上記及び組み入れた参照文献に含まれる特徴の全ての組み合わせ及び部分的な組み合わせを明確に含む。