(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吸気口は、前記吸気口が前記デバイスのその他の部分に対して異なる向きに曲げられても前記吸引が連続的に前記吸気口で行われるように、可撓性材料から作製される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の骨採取デバイス。
前記骨容器は、近位開口部を画定し、着脱可能に前記骨容器へと取り付けられて前記開口部を密封するキャップをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の骨採取デバイス。
前記キャップは(a)嵌合ねじ山、(b)締まりばめ、(c)掛け金、又は(d)クリップのいずれか一つを用いて着脱可能に取り付けられる、請求項10に記載の骨採取デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】骨採取デバイスの部分断面を示す概略図である。
【
図2】海綿骨を採取する骨採取デバイスの一部を示す概略図である。
【
図3】骨採取デバイスの湾曲した遠位部分を示す概略図である。
【
図4】異なる湾曲した遠位部分を有する三つの骨採取デバイスを示す概略図である。
【
図5】異なる湾曲した遠位部分を有する三つの骨採取デバイスを示す概略図である。
【
図6】異なる湾曲した遠位部分を有する三つの骨採取デバイスを示す概略図である。
【
図7】
図1の骨採取デバイスの外部を示す概略斜視図である。
【
図8】
図1に示すキャップを概略的に示す図である。
【
図8B】別個の容量調節可能なプランジャを概略的に示す図である。
【
図8C】別個の容量調節可能なプランジャを概略的に示す図である。
【
図8D】別個の容量調節可能なプランジャを概略的に示す図である。
【
図8E】別個の容量調節可能なプランジャを概略的に示す図である。
【
図9A】
図8に示すキャップの裏面を概略的に示す図である。
【
図9B】
図8に示すキャップの裏面を概略的に示す図である。
【
図10】骨採取デバイスのカニューレの遠位端の実施形態を概略的に示す図である。
【
図11】骨採取デバイスのカニューレの遠位端の実施形態の断面を概略的に示す図である。
【
図12】遮蔽部材を備えないカニューレの遠位部分を概略的に示す図である。
【
図13】遮蔽部材が取り付けられた、カニューレの遠位部分を示す図である。
【
図14】カニューレの遠位先端の別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図15】異なる骨採取デバイスによって掘削された異なる腔を概略的に示す図である。
【
図16】異なる骨採取デバイスによって掘削された異なる腔を概略的に示す図である。
【
図17A】異なる骨採取デバイスによって掘削された異なる腔を概略的に示す図である。
【
図17B】異なる骨採取デバイスによって掘削された異なる腔を概略的に示す図である。
【
図17C】異なる骨採取デバイスによって掘削された異なる腔を概略的に示す図である。
【
図18A】部分的に遮蔽された先端を備えた骨採取デバイスを有することの効果を示す図である。
【
図18B】部分的に遮蔽された先端を備えた骨採取デバイスを有することの効果を示す図である。
【
図18C】部分的に遮蔽された先端を備えた骨採取デバイスを有することの効果を示す図である。
【
図19A】一側面が平坦なハンドルを備える骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図19B】一側面が平坦なハンドルを備える骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図20A】可撓性又旋回式吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図20B】可撓性又旋回式吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図21A】様々な種類の位置及び配向の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図21B】様々な種類の位置及び配向の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図21C】様々な種類の位置及び配向の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図22A】複数の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図22B】複数の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図23】吸気ライン内に血液又は生体物質リザーバを備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図24】テーパ形状又は非テーパ形状のカニューレに沿って深度目盛を備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図25】位置合わせマーカを有する骨容器及びねじ式キャップを概略的に示す図である。
【
図26】交換可能な遠位部分を備えた骨採取デバイスを示す図である。
【
図27】種々の異なる断面幾何形状を有するカニューレを備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図28】その長さに沿って厚さが変化する壁を有するカニューレを備えた骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図29】種々の密封箇所を備えた骨容器のためのキャップを概略的に示す図である。
【
図30】カニューレ部分が湾曲可能な骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図31】種々の配向の二つのカニューレを含む骨採取デバイスを概略的に示す図である。
【
図32A】作動中の遠位先端を概略的に示す図である。
【
図32B】作動中の遠位先端を概略的に示す図である。
【
図32C】作動中の遠位先端を概略的に示す図である。
【
図33A】異なる鋭利な遠位先端を概略的に示す図である。
【
図33B】異なる鋭利な遠位先端を概略的に示す図である。
【
図33C】異なる鋭利な遠位先端を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、海綿骨を採取する骨採取デバイス1の部分断面図を概略的に示す。骨採取デバイスは骨容器2及びカニューレ3を備える。カニューレはまっすぐな近位部分4及び湾曲した遠位部分5を有する。骨容器2は、カニューレ3に接続された入口6を有する。骨容器はまた、カニューレの遠位端からカニューレ3を通って骨容器2に引き込むように吸込ホースが取り付けられ得る吸気口7を有する。この場合、吸気口7はO-リング9により骨容器2と気密を形成するキャップ8上に形成される。締まりばめ及び/又は作り付けの溝若しくはシール設計のような、その他の密封構造もまた可能である。骨容器内部では吸気口はフィルター10によって被覆され、血液、空気、及びその他の流体、並びに生体物質は通るが、一定サイズを超えた骨の粒子は通らないように設計される。フィルターは、最小寸法が一定の長さ、例えば0.5ミリメートル未満の骨の粒子のみを通過させ得、骨容器内にはそれ以外の粒子を捕捉する。キャップ8はまた、採取した骨を除去するプランジャ11を有してよい(より詳細に
図8及び
図8Aに示される)。骨容器の外部はハンドルとして使用するためにざらざら12しているが、これは任意の特徴である。多種多様な材料が種々の部品に使用されてよい。例えば、キャップ8及び骨容器2は、プラスチックであってよく、カニューレ3は金属であってよい。いくつかの実施形態では、デバイスは1回しか使えないように使い捨てであってよいが、他の実施形態ではデバイスは再利用可能である。骨容器は操作者が採取された骨を見ることができるように透明であってよい。透明な骨容器は(例えば、立方センチメートル単位で)容量測定目盛がマークされ、使用者はどの程度骨が採取されたか測定できる。同様に、
図24に示されるようにカニューレ3は長さ目盛を含み、使用者はカニューレ3がどの程度深く進められたか知ることができる。
【0009】
図2は、海綿骨を採取する骨採取デバイスの一部を概略的に示す。海綿骨を採取するために、皮質骨13は例えばドリル又はリーマーによって切開され、下にある海綿骨14を露出させる。皮質骨を切開する際にまた、外科医は海綿骨内に腔を形成し得る。このアクセス孔によって骨領域の海綿骨を露出させるだけで、骨採取デバイスは使用可能になる。次いでカニューレ3が腔内に進められる。
【0010】
骨採取デバイスは、まっすぐな近位部分4及び湾曲した遠位部分5を備えた中空のカニューレを有する。いくつかの実施形態では、近位部分4の断面幾何形状はその長さに沿って変化するが、例えばテーパ形状であってもよい。図示のように、近位部分4の断面図幾何形状はその長さに沿って一定である(
図19A及び19B参照)。カニューレの遠位先端の一部又はすべてが鋭利にされて刃先15を形成する。この刃先は、遠位部分5の円周部全体又は一部であることができる。この先端は、
図33A〜Cに示すように外壁、内壁、又は両方の方向から鋭利にすることができる。中空カニューレの遠位端は遮蔽部材16によって部分的に遮蔽してもよい。使用者はリーマー又は穿孔器等の標準工具を用いてパイロット孔から始めて、骨領域の海綿領域を露出させるための小さなアクセス孔を形成するであろう。海綿領域が露出されると、骨採取デバイスはいつでも挿入できる。使用者は遠位切削先端をアクセス孔内に進め、小さな回転ストロークを開始して、腔を拡大させながらデバイスをさらに骨の中へ深く進める。腔が大きくなるにつれ、使用者は骨採取デバイスを骨腔内に進めることができ、刃先15は腔の海綿骨壁に接触するように横方向に動かし、骨採取デバイスを上方へ引いて、刃先15で海綿骨17の一部を削り取って骨採取デバイス内に採取する。骨採取デバイスは、揺動、削り出し、掻爬、カービング、及び回転切削ストロークの実施を特徴とし、また使用者がこれらを実施できるようにする。海綿骨17の採取された部分は、カニューレの近位端において吸引を行うことによってカニューレを通って引き上げられる(
図2には不図示)。遮蔽部材16によって遠位部分5に入る骨の部分のサイズは制限されるため、海綿骨17の採取された部分は必然的にカニューレを通ることになる。これは詰まりを防止するのに役立つ。カニューレ3は、一定した断面サイズ及び形状を有し得、又はその長さに沿ってテーパし得る。例えば、カニューレは、遠位部分よりも大きい近位部分を備えた円形の断面形状を有し得る。近位部分は、急勾配の錐台形であってよい。カニューレをテーパさせて近位ほど断面積を大きくすることもまた、詰まり防止に役立ち得る。テーパ及び遮蔽プレート部材を組み合わせることにより、デバイスの詰まりを回避するのに役立つ。
【0011】
図3は、湾曲した遠位部分5の湾曲部を概略的に示す。まっすぐな近位部分4は軸18を画定する。遠位部分5は、角度範囲がαと示された弧に沿って湾曲する。
図3にて示すように、αは約135°である。その他の実施形態は、角度範囲が90〜180°、100〜170°、110〜160°、120〜150°、又は130〜140°の弧に沿って湾曲する遠位部分を含んでもよい。代替実施形態は、(例えば、
図14にて示されるように)角度範囲が90°未満の弧に沿って湾曲する遠位部分を含んでよい。既存の骨採取デバイスは通常任意の弧に沿ってまったく湾曲しない、すなわち、0°の角度αを有するため、刃先は単にまっすぐなカニューレの下端である。切削面が90°を超えて延び得ることにより、前述の切削ストローク、並びに
図16及び17に示される腔外形を得る能力が得られる。
【0012】
図4〜6は、異なる湾曲した遠位部分を有する三つの骨採取デバイスを概略的に示す。
図4は、180°の弧に沿って湾曲する遠位部分19を概略的に示す。この180°の実施形態において、鋭利な刃先20は直接上方を向いて示される。使用者が垂直な中空壁に当てて上方へ引き上げると、垂直な刃先20は腔壁に一切水平な力を加えることができない、すなわち刃先20の作用に対する水平要素がない。
図5は、135°の弧に沿って湾曲する遠位部分21を概略的に示す。使用者が垂直な腔壁に当てて上方へ引き上げると、刃先22は垂直及び水平の両方の要素を有するため、刃先22はその両方を壁の中へ、そして壁表面に沿って上方へと食い込むことができる。
図6は、ちょうど90°の弧に沿って湾曲する遠位部分23を概略的に示す。使用者が垂直な腔壁に当てて上方へ引き上げると、水平な刃先24は動きに対して垂直に向いているため、腔内にまったく食い込まず表面に沿って単に滑るだけである。90°を超え180°未満の弧に沿って湾曲する遠位部分はいくつかの用途のためには好ましい。このようなカーブがあれば、使用者が骨採取デバイスの遠位端を腔壁に対して押し付け骨採取デバイスを上に引き上げると、刃先は、刃先を海綿骨にいくらかひっかけさせられる水平要素と、刃先が腔壁から海綿骨を剥ぎ取らせられる垂直要素との両方によって腔壁に接触する。
【0013】
図7は、骨容器2、カニューレ3、カニューレのまっすぐな近位部分4、カニューレの湾曲した遠位部分5、吸気口7、キャップ8、ざらざらしたハンドル12、刃先15、及び遮蔽部材16を示す、
図1と同じ骨採取デバイス1の外部の斜視図を概略的に示す。
【0014】
図8は、より詳細に、二つの視点での
図1のキャップ8を概略的に示す。吸気口7はキャップ8の外側に見えている。キャップ8の内部はプランジャ25を備えることができる。採取された海綿骨は、吸引によってカニューレを通って引き上げられ、カニューレから骨容器内へと開口部27からプランジャプレート26を通って送られる。骨容器から採取した骨を取り除くために、使用者はキャップ8を回して開け、骨をプランジャ25及びプランジャプレート26によって収容された容器から取り出す。あるいは、キャップは、掛け金、締まりばめ、クリップ等の任意の他の有用な方法によって容器に固定されてもよい。
【0015】
図8Aは、
図1に示す使用中のキャップを概略的に示す。海綿骨17が採取されると、キャップ8を回して骨容器及びハンドル12から外すことが可能である。キャップ8及びそのプランジャ25及びプランジャプレート26が骨容器から(矢印で示した方向へ)取り出されると、海綿骨17はプランジャ25及びプランジャプレート26によって収容された状態で、キャップ8と一緒に取り出される。プランジャのない実施形態において、キャップが外され、骨切りのみなどの細長いツールを用いて骨を骨容器からかき出すことができる。
【0016】
図8B〜Eは、別々の容量調節可能なプランジャを概略的に示す。停止盤801がプランジャ802の種々の溝孔に嵌め込まれて、所望の容量を画定できる。盤はあるいは、所定位置に螺入、溝嵌合、雄雌結合、又は締まりばめすることができる。盤801が設けられると、プランジャ803によって採取された骨を入れるための所望の容量を画定する。
図8Cは空の、及び採取された骨が入ったプランジャ803を示す。
図8Dは、骨採取器外側からの組立てたプランジャのクローズアップ、及び採取された骨が入ったプランジャを概略的に示す。
図8Eは、容量調節可能なプランジャ及び停止盤を含む、分解されたデバイスを示す。該プランジャがなくキャップのみ、又は前述のプランジャのいずれも備えない骨採取デバイスは骨充填用付属品と一緒に使用することができ、骨を骨容器の底へと押し込むことにより、骨の体積測定を容易にする。
【0017】
図9Aはフィルター28を備えたキャップ8の裏面を概略的に示す。図示のように、フィルターはスナップ式で支柱29、30、31に留められる別部品であるが、フィルターはキャップ8と一体になっていてもよい。この場合、フィルターはふるい32、33、34(四つ目はフィルターの背面にあり見えていない)を備えるが、任意の数備えることができる。このフィルターはキャップ8内側の吸気口の入口を完全に覆うため、吸気口7を通過する流体(例えば、血液又は空気)はふるい32、33、34を通らねばならない。ふるい32、33、34は一定サイズを超えた骨の粒子を捕捉し、その通過を防ぐのに十分な程度細かい。例えば、ふるい32、33、34は、容器が吸引下にあるときでも、最小寸法が0.5ミリメートルよりも大きいすべての骨の粒子がふるい32、33、34に引っかかり骨容器に残るようにサイズ決めされ得る。あるいは、骨容器は、吸引流速、及び骨容器の内部の幾何形状を調節して特定のサイズ範囲の骨粒子を捕捉することによって、フィルターを用いない操作用に設計されてもよい。
【0018】
図9Bは捕捉した骨片を有する、フィルター28を備えたキャップ8の裏面を概略的に示す。複数のふるいがあることによって、あるふるい32が骨片で詰まっても、一つ又は複数の他のふるい33、34は詰まることなく吸引を維持できる。単一のふるい37のみを有するキャップにおいては、単一の詰まりによって吸引が阻止され得る。さまざまな配向のふるいを備えることによって、一部のふるいは詰まらないでいられる一方、他は大きな粒子によって塞がれ得る。図示のように、フィルターは、二つのふるいが互いに平行ではない、少なくとも二つのふるい(この場合、四つ)を含む。フィルターは、波状又は正弦波形状を有するふるいなどの非平面状ふるい、又は一部が詰まらずにいられる一方で他の部分が塞がれてもよいように構成される単一のふるいを備えることができる。例えば、単一のふるいからなるフィルターは幾何学的角柱、又は半球等の形態のふるいを有することができる。
【0019】
図10は、カニューレ4の実施形態を概略的に示す。使用時にはカニューレは通常鋭利な刃先を有する。製造中、カニューレ4には、後ほど鋭利にされ得る比較的鈍いエッジ35が形成されてもよい。
図33A〜Cにて示すように、エッジは種々の方向から鋭利にすることができる。遮蔽部材16は、
図10に示されるようにカニューレの残りと一体であることができ、又はカニューレ4の遠位部分に取り付けられる別個の部品であることができる。刃先の鋭利度は、使用者が海綿骨を切断するのが簡単であるが、皮質骨を切断するのは難しいか又は不可能であるように調整することができる。これは使用者が所望の海綿骨のみを採取し、処置を最小限に侵襲的なものに保つために皮質骨の開口部をできるだけ小さく保つのに役立つ安全特徴である。刃先が調整されて、使用者が皮質骨と海綿骨とを区別できるような触覚フィードバックを提供する。
【0020】
図11は、カニューレ4の遠位部分5の実施形態を概略的に示す。本実施形態では、他の実施形態に示すように、遮蔽部材36は平面状ではなく、湾曲している。ある状況においては、湾曲により骨が遮蔽部材36に詰まるのを防止するのに役立ち得る。
【0021】
図12は、遮蔽部材を備えないカニューレの遠位部分5を概略的に示す。刃先15は鋭利な状態で示される。
図13は、遮蔽部材16が取り付けられてカニューレの遠位を部分的に遮蔽する、カニューレの同じ遠位部分5を示す。遮蔽部材16は、カニューレに入る採取された骨片のサイズを制限することによって詰まりを防止するのに役立ち得るが、骨採取デバイスの機能には必要ない。
図12にて示すような、遮蔽部材のない骨採取デバイスは特定の状況に好まれ得る。
【0022】
図14は、まっすぐな近位部分41及び湾曲した遠位部分42を有するカニューレ40を概略的に示す。湾曲した遠位部分42はその先端に刃先43及び遮蔽部材44を有する。
図1に示す実施形態とは異なり、
図14の実施形態は、角度範囲が90°未満だが0°を超える弧に沿って湾曲する遠位部分42を備える。この湾曲した遠位部分により、使用者の方へ先端を上へ引き上げることによって骨を採取するのではなく、使用者は下向きの動作を使用して海綿骨45を採取し、遠位先端を海綿骨内へ進められる。遮蔽部材は、本実施形態に任意の特徴であってよいが、この特徴を含めることは性能を向上すると考えられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、海綿骨は遠位先端の刃先のみで切削される。だが、他の実施形態は、追加の切削技術、例えば、超音波(ultrasonic)振動、超音波(supersonic)振動、圧電微小振動、又は研磨ウォータージェット切削を含んでもよい。
【0024】
デバイスはさらに、例えば、赤外線若しくは可視光線カメラ、場合によっては内視鏡カメラ、超音波可視化、圧電センサ、又は圧力若しくは力センサを用いることによって、先端が直接見えずとも、使用者がどのようにして遠位先端が骨と作用しているのか感知することを可能にする技術を含むことができる。任意のかかるセンサは使用者にフィードバックを提供できる。
【0025】
デバイスはまた、遠位部分が直接見えずとも、刃先及び湾曲した遠位部分の配向を使用者に知らせられる表示を含む。使用者が例えば、目又は感覚によって
図19A及びBのようにデバイスの隠れた遠位先端を認識できるように、表示は、例えばハンドル部分に構築され、又は描かれ、エッチングされ、塗装されてもよい。
【0026】
先端が一方向に動かされたときにある種のタイプの切削動作が行われつつも、異なる切削動作が異なる方向でのストロークで行われるように、刃先は各種幾何形状を有することができる。
【0027】
カニューレは、採取された骨がカニューレを通り骨容器内へ送られるのを改善するために、内部に低摩擦コーティングを含むことができる。使用可能なコーティングには、Teflon(登録商標)PTFE、Teflon(登録商標)TFE、Teflon(登録商標)S、Teflon(登録商標)FEP、Teflon(登録商標)PFA、Eclipse(登録商標)、Dykor(登録商標)、Xylan(登録商標)、Xylan(登録商標)XLR、Xylar(登録商標)、Xylac(登録商標)、種々のセラミック、TEC-thermocote系の材料、及びTEC-fluorcote系の材料が挙げられる。
【0028】
いくつかの実施形態では、骨採取デバイスは、カニューレ及び骨容器を備えることができる。カニューレは、近位端と、近位端に隣接し軸を画定する、まっすぐな近位部分と、軸に対して少なくとも90°から180°以下の角度で湾曲する、湾曲した遠位部分と、遠位部分に隣接した、少なくとも一部が鋭利にされて刃先を形成する、遠位端と、完全にではなく部分的に遠位端を遮蔽する、遮蔽部材とを備えることができる。骨容器は、吸気口及び入口を備えることができる。吸引が吸気口で行われると、吸引がカニューレの遠位端から、カニューレを通って骨容器へと引き込むように、入口はカニューレの近位端に取り付けられ得る。その他の実施形態では、湾曲した遠位部分は0°を超えるが90°未満の角度で湾曲することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、カニューレは、近位端と、まっすぐな近位部分と、湾曲した遠位部分と、遠位部分に隣接した、少なくとも一部が鋭利にされて刃先を形成する、遠位端と、完全にではなく部分的に遠位端を遮蔽する、遮蔽部材とを備えることができる。骨容器は、吸気口、入口、及び(a)吸気口を完全に覆い、(b)流体透過性で、かつ(c)最小寸法が(例えば)0.25ミリメートルを超えるサイズである海綿骨粒子を通さない、フィルターを備えることができる。吸引が吸気口で行われると、吸引がカニューレの遠位端から、カニューレを通って骨容器へと引き込むように、入口は中空カニューレの近位端に取り付けられ得る。
【0030】
図15及び16は、先行技術の骨採取器と、
図2に示すデバイスの一つの差異を概略的に示す。
図15は、遠位部分が湾曲していない骨採取器を示す。まっすぐな遠位部分1501はパイロット孔1502内で旋回できる。しかし、どれだけこの遠位部分がその軸を中心に回転しようと、まっすぐな遠位部分1501では、まっすぐな遠位部分1501が旋回可能な角度範囲内でまっすぐな見通し線からパイロット孔を通じて直接見えない骨を採取することができない。得られた腔1503は略円錐形である。
図16にて示すように、
図2に示したような湾曲した遠位端1601ははるかに多い量の骨を採取できる。まっすぐな遠位端1501と同様に、湾曲した遠位端1601はパイロット孔1602内で旋回できる。しかし、湾曲しているが故に、湾曲した遠位端は有利にはその軸を中心に回転して、湾曲してなければ到達し得ない海綿骨を掘削できる。得られた腔1603はより大きくすることが可能であり、いかなる見通し線からもパイロット孔1602を通して見えない領域を含むことができる。
【0031】
図17A〜Cは同じ概念を示す。
図17Aは、緻密骨層の下の掘削された海綿骨の略円錐形の領域を示す。腔はおそらくはまっすぐな遠位部分を有する骨採取デバイスによって形成され得るものである。
図17Bは、緻密骨層の下の掘削された海綿骨のより大きな略ベル形の領域を示す。腔は湾曲した遠位部分を有する骨採取デバイスによって形成され得るものである。
図17Cは、二つの腔の差を示し、湾曲した遠位部分を備えたデバイスが利用可能なさらなる海綿骨を図示する。
【0032】
図18A〜Cは、部分的に遮蔽された先端1802を備えた骨採取デバイス1801を有することの効果を示す。骨の第一の部分1803が切り出され、第一の切削ストローク1804で遠位端1801に押し込まれると、第一の部分は典型的には遠位開口部を充填し、多くの場合、遠位部分とのわずかな干渉によって遠位開口部につまる。第二のストローク1805で骨の第二の部分1806が遠位端に押し込まれ、骨の第一の部分1803をずらし、第一の部分を採取デバイス内へさらに押し込む。第二のストロークが完了し、第一の部分が解放されると、第一の部分はカニューレ内に加えられた負圧による急激な強い力を受け、第一の部分がカニューレからハンドル(図示せず)内に引き上げられる。後続部分の骨によって前の部分の骨が解放されればいつでもこの効果が発揮されるが、効果はカニューレが近位端及びハンドルに向かって広がるようにテーパ付けされるとさらに強化される。これと遮蔽部材によって圧力をさらに集中させることで、連続的な収集方法がもたらされる。このようなシステムの一利益は、デバイスを腔から引き抜くことなく骨が連続的に採取できることである。
【0033】
図19A及び19Bは一側面が平坦なハンドルを備える骨採取デバイスを概略的に示す。略円筒形又は円錐形のハンドル1901は一側面を平坦1902にすることができる。平坦側面1902は、先端を直接見ることができないにも関わらず使用者がいつでも先端の配向が分かるように、切削先端の湾曲と位置合わせされる1903。平坦側面1902は、使用者が採取された骨がハンドル1901内に収集されていくのを見ることができるように透明であることができる。平坦側面1902はさらに、使用者が骨採取器の量を推定できるように目盛1904を含むことができる。あるいは、切削湾曲の配向は、色、陰影付け、浮き出し又は溝付け又は突起又は浮き彫りの触覚特徴によって示すことができるであろう。
【0034】
図20A及び20Bは、可撓性又旋回式吸気口2002を備えた骨採取デバイス2001を概略的に示す。図示のように、吸気口2002は、ハンドル又は骨容器2003の対称軸に略平行な対称軸を有する。吸気口2002の可撓性により、ゆるんだ姿勢から吸気口が曲げられるか又は拗じられても吸引を行うことができる。
【0035】
図21A〜Cは、様々な種類の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す。吸気口2101は骨容器2102の対称軸に略垂直であり、骨容器の端部に位置する。吸気口2103は骨容器の対称軸に平行でも垂直でもない。吸気口2104は骨容器の対称軸に略垂直であり、端部ではなく骨容器の側壁に位置する。この吸気口は示した位置からさまざまな角度で配向できる。
【0036】
図22A及び22Bは、複数の吸気口を備えた骨採取デバイスを概略的に示す。
図22Aは、それぞれが異なる吸引源に接続された、二つの吸気口2201、2202を備えた骨採取デバイスを示す。
図22Bは、それぞれが同じ吸引源に接続された、二つの吸気口2203、2204を備えた骨採取デバイスを示す。複数の吸気口が、骨採取デバイスにおいて詰まりを防止する手段として備えられ、吸引を維持する。
【0037】
図23は、吸気ライン内に血液又は生体物質リザーバ2301を備えた骨採取デバイスを概略的に示す。上記で説明したように、骨容器は、一定のサイズよりも大きい骨の粒子の通過を防ぐが、血液及び小さい粒子は通過させるフィルターを備えることができるため、吸気ラインの流路内に血液リザーバを配置することが有用であり得る。リザーバは血液及び小さい粒子を流路の外に存在させることで吸引を維持することができるように構成することができる。
【0038】
図24は、カニューレに沿って深度目盛2401を備えた骨採取デバイスを概略的に示す。デバイスの遠位先端は使用時に骨の内部に隠れ得るため、外部の深度目盛によって使用者がどの程度骨の内部へ遠位先端が進んだか推定するのに役立ち得る。
【0039】
図25は、キャップが完全に骨容器に固定されたかどうか使用者に表示する、位置合わせマーカ2501及び2502を有する骨容器及びねじ式キャップを概略的に示す。マーカが示されるように位置合わせされていれば、使用者はキャップが適切に容器に固定されていると確信できる。
【0040】
図26は、交換可能な遠位部分を備えた骨採取デバイス2601を示す。遠位部分2602は
図2に示す遠位部分に類似している。遠位部分2603は小さい角度の弧に沿って湾曲している。遠位部分2604はテーパ付けされ、さらに小さい弧に沿って湾曲している。遠位部分2605は本質的にまっすぐで、弧に沿ってまったく湾曲していない。交換可能であることによって使用者は任意の所与の用途によって最善の先端を選択することができる。2604はカニューレ部位外側の骨を切削することはできないが、2603はカニューレ部位外側の海綿骨を切削することができる。これは、骨採取デバイスの重要な特徴であり、該デバイスが既存の骨採取デバイスでは到達できない領域に到達することができる。
【0041】
図27は、種々の異なる断面幾何形状を有するカニューレを備えた骨採取デバイス2701を概略的に示す。示される断面は、例えば、円形2702、楕円形2704、若しくは不規則な形2706、又は任意の他の有用な二次元形状であることができる。カニューレは2703及び2705にて示すように、内部に突起を有する場合がある。種々の外形により、洗浄液が隆起した領域を通って流れ、且つ/又は他の正圧手段がカニューレを挿入した部分をきれいにするのに役立ち得る。外形はまた、種々の製造工程から、また製造工程に役立ち得るような幾何形状を可能にすることによって明らかであり得る。
【0042】
図28は、その長さに沿って厚さが変化する壁を有するカニューレを備えた骨採取デバイス2801を概略的に示す。製造工程に応じて、可変の厚さは製造を容易にするのに役立ち得る。加えて、溝が洗浄液及び/又は正圧を有することができ、吸引を能率化するのに役立つ。
【0043】
図29は、種々の密封箇所を備えた骨容器のためのキャップを概略的に示す。一実施形態では、シール2901はキャップの裏面2902に位置し、別個のフィルターアセンブリの上面2903に向いている。別の実施形態では、シール2904は、一体型のフィルターアセンブリを含むキャップの裏面2905と、容器の上面2906との間に位置する。その場合、シールは、キャップを容器に取り付けるねじ山よりも内側にある。別の実施形態では、シール2907は、キャップを容器に取り付けるねじ山よりも外側にある。
【0044】
図30は、カニューレ3001部分が湾曲可能な骨採取デバイスを概略的に示す。湾曲したカニューレはデバイスの到達範囲を改善し得、また単にまっすぐである場合よりも大きい切削到達範囲をもたらし得る。
【0045】
図31は、二つのカニューレを含む骨採取デバイスを概略的に示す。二つのカニューレを備えたデバイスには、平行な切削部位3101、あるいは反対方向を向く、又は半径方向に、横方向に、若しくは長手方向に異なる方向に角度がつけられた切削部位3102を備えたカニューレが挙げることができる。
【0046】
図32A〜Cは、作動中の遠位先端を概略的に示す。本実施形態は、使用者が遠位先端を骨領域及び海綿骨内へと進め、3201を削って遠位先端3202内に入れ、切削面3203又はその一部が遠位先端の反対側に向かって閉鎖するように作動され得る、自動式切削動作を提供する。これにより能動的に、遠位先端の開口部を占める任意の骨を切削する。作動中の切削面はスピニングブレードであることができる。この作動は、磁気式、電気機械式、純粋な機械式(すなわちワイヤのような)、又は任意の他の有用な方法であることができる。この効果は、手動で遠位先端を用いて骨断片を単純に削る又は切削するのではなく、かじり取るものである。
【0047】
図33A〜Cは、さまざまな鋭利な遠位先端を概略的に示す。先端3301はカニューレ内部が鋭利にされている。先端3302はカニューレ外部が鋭利にされている。先端3303はカニューレ内部及び外部の両方が鋭利にされている。先端は一箇所以上を鋭利にするが、他の一箇所以上は鋭利にせず、例えば鋸歯状のエッジ又はその他の形状を形成できる。
【0049】
上述のあらゆるバージョンのデバイスが、例えば可撓性プランジャ、剛性プランジャ、物質を骨容器から取り除く細長い付属品、冠鋸、穿孔装置、ドリルタップ、ガイドワイヤ、リーマー/ドリルビット、カニューレが挿入されたリーマー/ドリルビット、若しくは緻密骨を貫通するためのリーマー/ドリルビットスリーブ、交換可能な切削先端、並びに/又は血液リザーバ等の別個の生物学的物質捕捉ユニットを組み合わせて備えるキットの一部であることができる。
【0050】
本明細書に開示されるデバイス及び方法のいずれも、端が直接見えずとも、使用者がどのようにして遠位先端が骨と作用しているのか感知することを可能にする技術を含むことができる。例えば、先端は赤外線又は可視光線カメラ、場合により内視鏡カメラを使用することによって、超音波可視化によって、圧電センサ、又は圧力若しくは力センサによって見ることができる。
【0051】
骨採取デバイスは、カニューレ及び骨容器を備えることができる。カニューレは、近位端と、近位端に隣接し軸を画定する、近位部分と、軸に対して少なくとも90°から180°以下の角度で湾曲する、湾曲した遠位部分と、遠位部分に隣接した、少なくとも一部が鋭利にされて刃先を形成する、遠位端とを備えることができる。骨容器は、吸気口及び入口を備えることができる。吸引が吸気口で行われると、吸引がカニューレの遠位端から、カニューレを通って骨容器へと引き込むように、入口はカニューレの近位端に取り付けられ得る。このような骨採取デバイスにおいて、カニューレは、完全にではなく部分的に遠位端を遮蔽する遮蔽部材をさらに備えることができる。近位部分の少なくとも一部は、軸に沿わずに湾曲され得る。近位部分の断面幾何形状は、近位部分の長さに沿って可変であり得る。近位部分の断面幾何形状は、近位部分の長さに沿って一定であり得る。吸気口は、吸気口がデバイスのその他の部分に対して異なる向きに曲げられても吸引が連続的に吸気口で行えるように、可撓性材料から作製することができる。吸気口の対称軸は骨容器の対称軸に平行であるか、又は非平行であり得る。容器は、複数の吸気口を備えることができる。容器は、近位開口部を画定し、着脱可能に骨容器へと取り付けられて開口部を密封するキャップを備えることができる。キャップは(a)嵌合ねじ山、(b)締まりばめ、(c)掛け金、又は(d)クリップのいずれか一つを用いて着脱可能に取り付けられ得る。骨容器の外部は人間の操作者によってハンドルとして使用されるように構成される。吸気口は、気体は通過させるが液体及び固体は捕捉するように構成されたリザーバと流体連通し得る。
【0052】
骨採取デバイスは、カニューレ及び骨容器を備えることができる。カニューレは、近位端、まっすぐな近位部分、湾曲した遠位部分、及び遠位部分に隣接しており、少なくとも一部が鋭利にされて刃先を形成する、遠位端を備える。骨容器は、吸気口、入口、及び(a)吸気口を完全に覆い、(b)吸気口に対して異なる配向を有するように配置される少なくとも二つのふるいを備えた、フィルターを備えることができる。このようなデバイスにおいて、各ふるいは略平面状であることができ、二つのふるいは平行ではない。吸引が吸気口で行われると、吸引がカニューレの遠位端から、カニューレを通って骨容器へと引き込むように、入口は中空カニューレの近位端に取り付けられ得る。
【0053】
海綿骨を採取する方法には、海綿骨及び緻密骨を含んだ、海綿骨を採取する患者の骨を選択すること、緻密骨を通ってパイロット孔を形成することによって海綿骨を露出させること、骨採取デバイスの刃先を備えた遠位端をパイロット孔内へと骨採取デバイスの軸に沿って進めること、並びに刃先を骨採取デバイスの軸と平行ではない方向で海綿骨に当てることによって海綿骨を掘削して骨採取デバイスに入れることを含むことができる。本方法は、骨採取デバイスの遠位端をパイロット孔から引き抜かずに、掘削された骨を骨採取デバイスによって画定されたチャネルを通して引き出すことによって掘削された海綿骨を収集することを含むことができる。このような方法において、骨の掘削には、パイロット孔を通していかなる見通し線からも見えない海綿骨の掘削を含むことができる。