特許第6366579号(P6366579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366579
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】流体の平衡を加速させる方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/26 20060101AFI20180723BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G01N27/26 381Z
   G01N27/26 381A
   G01N27/26 381B
   G01N27/416 321
   G01N27/416 331
   G01N27/416 353Z
   G01N27/416 376
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-514414(P2015-514414)
(86)(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公表番号】特表2015-518154(P2015-518154A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】EP2013060173
(87)【国際公開番号】WO2013178479
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2016年4月22日
(31)【優先権主張番号】12170284.9
(32)【優先日】2012年5月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】プファイファー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】リュター,ホルスト
【審査官】 櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05913232(US,A)
【文献】 特開昭50−126488(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0065084(US,A1)
【文献】 特開2012−021898(JP,A)
【文献】 特開平10−111224(JP,A)
【文献】 特開2009−162756(JP,A)
【文献】 米国特許第04871439(US,A)
【文献】 米国特許第06190913(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−1/34
G01N 27/26−27/49
G01N 35/00−37/00
C12Q 1/00−3/00
C12M 1/00−3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析器の参照液体の平衡を加速させ、前記参照液体のガス値を正確にセットする方法であって、前記参照液体の表面はガス相と接触し、前記参照液体および前記ガス相は、カートリッジ(2)に保持される可撓性の気密性バッグ(3)内に収容され、前記カートリッジ(2)は、分析器(1)内に交換可能に挿入可能であり、
アクチュエータ素子(10)の機械的振動のエネルギーが、前記可撓性バッグ(3)内に収容される参照液体に付与され、機械的エネルギーの入力は、前記可撓性バッグ(3)の少なくとも1つの壁領域(11)を介して付与され、前記壁領域(11)は、前記アクチュエータ素子(10)に接触する、方法であって、
前記機械的エネルギーの入力は、
(a)前記分析器の待機時間の後、
(b)前記可撓性バッグから流体を引き出す前または
(c)前記分析器が配置もしくは操作される場所における圧力もしくは温度の変化が生じた後
に行われる、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記カートリッジ(2)は、複数の可撓性バッグ(3)を収容し、隣接する可撓性バッグ(3)の参照液体内への機械的エネルギーの入力は、前記可撓性バッグ(3)の隣接する壁領域(11)を介して行われる、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、機械的エネルギーは、周期的な衝撃波の形態で供給される、方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の方法であって、機械的エネルギーは、1Hzから500Hzの範囲の周波数で、0.5mmから5mmの振幅で、振動として付与される、方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の方法であって、機械的エネルギーは、ノコギリ歯形状または、台形形状の振幅カーブの振動で、振動として付与される、方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の方法であって、機械的な振動の入力は、共鳴励起を回避する、方法。
【請求項7】
分析器の参照液体の平衡を加速させ、前記参照液体のガス値を正確にセットする装置であって、前記装置は、
分析器(1)と、
前記分析器(1)内に交換可能に挿入可能であり、かつ、参照液体およびガス相を収容する少なくとも1つの可撓性で気密性のバッグ(3)を保持する、カートリッジ(2)であって、前記参照液体の表面が前記ガス相に接触している、カートリッジ(2)と、
を備える、装置において、
前記カートリッジ(2)または前記分析器(1)は、振動を生じさせることができ、かつ、機械的エネルギーを前記参照液体に伝達するために前記可撓性バッグ(3)の少なくとも1つの壁領域(11)に機械的に接触する、アクチュエータ素子(10)を備え
前記装置は、
(a)前記分析器の待機時間の後、
(b)前記可撓性バッグから流体を引き出す前または
(c)前記分析器が配置もしくは操作される場所における圧力もしくは温度の変化が生じた後
に、前記アクチュエータ素子(10)の前記機械的エネルギーを前記参照液体に入力するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、交換可能な前記カートリッジ(2)は、複数の可撓性バッグ(3)を保持し、複数の可撓性バッグ(3)の壁領域(11)は、互いに直接的または間接的に接触し、振動運動の伝達を可能にする、装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置であって、交換可能な前記カートリッジ(2)は、複数の可撓性バッグ(3)を保持し、複数の可撓性バッグ(3)の壁領域(11)は、振動運動の伝達のために、別のアクチュエータ素子(10)にそれぞれ割り当てられる、装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の装置であって、前記可撓性バッグ(3)の各々は、前記カートリッジ(2)内に水平面に対して傾斜位置で保持される、装置。
【請求項11】
請求項4に記載の方法であって、機械的エネルギーは、25Hzから50Hzの範囲の周波数で、1mmから3mmの振幅で、振動として付与される、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、前記可撓性バッグ(3)の各々は、前記カートリッジ(2)内に水平面に対して10°から50°の傾斜位置で保持される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体、好ましくは分析器の参照流体の平衡を加速させる方法および装置に関し、この液体表面はガス相に接触し、該装置は、分析器内に交換可能に挿入することができるカートリッジを有し、このカートリッジは、少なくとも1つの可撓性の、流体およびガス相を含む気密性バッグを含む。
【背景技術】
【0002】
言及される参照流体は液体であり、分析器の品質制御またはキャリブレーションのために使用され、分析器は、たとえば、pO、pCO、pHのパラメータ、または血液ガス分析器の手段により測定する血液ガスの他のパラメータを決定するために使用され、ガス相とともに流体は可撓性の気密性の容器内に収容される。
【0003】
この文脈における流体の平衡、すなわち、流体内で平衡を達成することは、対応するガス相におけるガスの分圧pに対して、流体内に溶解するガスの濃度cを調整することを意味し、ヘンリーの法則によれば
=α*p
であり、ここで、cは、流体中のi番目のガス要素の濃度であり、pは、ガス相におけるi番目のガス要素の分圧であり、αは、i番目のガス相の温度に依存するヘンリー定数である。溶解したガスに対して、ガス相における液体(例えばHO)の温度依存性の分圧は、クラウジウス−クラペイロンの式から得られる。分圧pおよび/または温度が変化すると、新しい平衡が生じる。閉鎖された可撓性バッグのガス空間に広がる全圧ptotalは、周囲の圧力、すなわち大気圧(barometric air pressure)に等しくなり、ptotal=pBaroとなる。ガス相の全圧は、ガス相内に存在する個別のガス(例えば、N、O、CO、HO)の分圧の合計に等しくなり、
total=Σp
となる。
【0004】
したがって、ガス相と流体との間の平衡点および個別のガス成分(たとえば、N、O、CO、HO)の分布は、大気圧および温度に依存する。これは、特にOおよびNの場合である。水溶液において、COは、HCOと反応し、また、さらに、HCO、CO2−、およびHと反応し、さらなる化学平衡が含まれる。HCO、CO2−、およびHとともにCOが溶解した熱力学平衡を介して、流体のpH値は、ガス相のpCOに間接的に依存する。
【0005】
可撓性バッグおよびそこに収容される流体が平穏な状態にある場合、平衡の動力学は、ガス空間から流体へのまたその逆の個別の成分の遷移動力学に依存し、また、流体内の個別のガス成分の拡散速度に依存する。標準状態にあるガスの上述の全ての場合の後者は、流体(たとえば、NおよびO)と反応しない。COに関して、水性流体との反応およびそれが含むpH関連物質を考慮する必要がある。
【0006】
ガス等と流体との間の各個別のガス成分の分布が、ヘンリーの法則に従い、また、個別のガス成分の濃度またはその反応生成物が全体の流体体積にわたって均一であるときに、熱力学的平衡は達成される。たとえば気候条件による大気圧の変化は、可撓性バッグ内のガス相の全圧ptotalの変化を生じさせ、したがって、個別のガスの分圧pの変化を引き起こし、したがって、平衡のシフトを生じさせる。ヘンリー定数および流体のガス分圧は温度依存性なので、温度変化は類似の効果を備える。そのような各変化に続いて、質量移動(物質の移動)が生じ、新しい平衡を達成する。平衡の新しい状態を達成するのに要する時間は、可撓性バッグの幾何学的関係および液体相とガス相との支配的な比に依存する。両方の条件は、流体がだんだん枯渇するときに特に変化する。
【0007】
平行の動力学の本質的なパラメータは、ガス相に露出される流体表面領域のサイズ、および、流体容積中のガス成分またはそれらの反応生成物の拡散経路の長さである。
定義
分析物
分析物は、サンプル流体、たとえば血液、血漿、血清、または他の生体流体内に収容される物質であり、分析器によるサンプル媒体のこれらの存在および/または濃度の分析(測定)は、決定されると想定される。そのような分析物は、たとえばO、CO、およびpH値である。
【0008】
分析器またはpH/血液ガス分析器
単純なバリアントにおいて、(自動化)pH/血液ガス分析器は、センサにより、酸素の分圧(pO)、二酸化炭素の分圧(pCO)、pH値、および場合によっては大気圧を決定する。50−100μl(マイクロリットル)の容積の全血のサンプルを用いて測定に必要な総時間は、通常は30−60秒である。ある種のpH/血液ガス分析器は、追加的に、血液電解質(Na、K、CA++、Cl)、代謝産物(グルコース、乳酸塩、尿素、およびクレアチニン)、およびヘモグロビン値などの分析物を測定し、そこから導出されるパラメータを計算する。
【0009】
センサ
測定は、通常、電気機械的センサ要素(電極)および/または光学センサ要素(オプトード)を備える交換可能な測定チャンバ内で実行される。また、この文脈において、光測定/分光的な方法が採用され、分析物を決定するためにサンプルの光学特性または色反応が使用される。
【0010】
平衡
平衡は、流体相とガス相と直接的な接触においてこれらの間の平衡を達成させることであると理解され、ガス相は複数のガスを備えることができる。平衡において、流体相とガス相との間の正味の質量移動はゼロであり、個別のガス成分およびそれらの反応生成物は、本質的に液体相内に均一に分散する。
【0011】
キャリブレーション流体
類義語は、キャリブレーション媒体、参照液体/溶液、参照物質である。これらは、水性液体であり、異なる既知の濃度の1つまたはそれ以上の分析物を備え、濃度は、測定される変量の期待される範囲内にされる。キャリブレーション流体は、個別のセンサをキャリブレーションするために使用され、また、たとえば、米国特許第4116336号明細書(Radiometer)から公知である。
【0012】
コントロール流体
類義語は、コントロール液体、QC流体、コントロール溶液である。キャリブレーション流体と類似して、コントロール流体は水性液体であり、測定される変量の期待される範囲内にある、異なる既知の濃度の1つまたはそれ以上の分析物を備える。コントロール流体は、測定システム、または1つまたはそれ以上の個別のセンサの品質コントロールに使用される。そのような流体は、たとえば、米国特許第4116336号明細書(Radiometer)により公知である。
【0013】
参照流体
以下、キャリブレーション流体およびコントロール流体は、両方のプロセス(キャリブレーションおよびコントロール)が参照されるときに、参照流体との語に包含される。キャリブレーション流体およびコントロール流体は、本質的に同一の組成を備えることができ、これらは用途において異なる。技術的理由または規則的な理由により、センサをキャリブレーションすることが意味をなさず、キャリブレーションされたセンサを1つまたは同一の流体により制御する。そのような手順が使用される場合、多くの欠陥またはミス(流体の間違った組成、間違ったパラメータ値、センサエラー、システムエラーなど)が検出されないであろう。
【0014】
キャリブレーション
類義語は参照(リファレンシング)である。
ユーザーサイトのキャリブレーションは、特性のパラメータに関して個別のセンサの特性を決定するための手順である。センサがキャリブレーションされるとき、センサを、異なる既知の濃度の分析物を含む異なるキャリブレーション媒体に接触させる。
【0015】
センサの特性を決定するために、センサ信号は、測定される変量の期待される範囲にわたって分布する既知の異なる濃度の決定されるべき分析物を含む、一連の水性キャリブレーション媒体を測定する。キャリブレーション値を利用し、得られたセンサの特性のパラメータが決定される(たとえば、オフセット、スロープ、信号振幅など)。
【0016】
品質コントロール
類義語はQCである。
コントロール測定またはより正確な品質コントロール(QC測定)のために、既知の濃度で分析物を含む1つまたはそれ以上のコントロール流体に、分析装置のセンサを接触させる。コントロール測定から得られる実際の値は、センサおよびシステムの性能を監視することを可能にする。実際の値および目標の値は、比較され、観測された差に基づいて、サンプル測定を可能にすること、キャリブレーション、システムのチェック、部品の交換などのいくつかの補正動作が開始される。
【0017】
血液ガス分析器またはそのセンサのキャリブレーションは、分析器内の廃棄可能な容器内に保持されるキャリブレーション流体を使用して、予め決定された時間間隔で行われる。これらの容器内に保持される流体の量は、通常は、多数のキャリブレーション測定に十分な量である。
【0018】
血液ガス分析器の品質コントロールは、規則的な間隔でコントロール流体の測定を必要とする。コントロール流体のO、CO、pH等の分析物のための得られた測定値および目標値の比較は、センサおよび測定システムの品質の評価を可能にする。一般に、各コントロール測定は、コントロール流体の1アンプルを使用する。結果として、品質コントロールはコストがかかる。それゆえ、繰り返し使用および測定できるコントロール流体を供給する容器を提供することが望まれる。
【0019】
それぞれの流体内の分析物の値だけが、キャリブレーションまたはコントロール測定に関係するが、これらの流体の保管および運搬を提供することがまず重要である。これは、血液ガス分析の分析物の値について特に当てはまり、これは流体内に溶解しているガス(CO、O)の濃度に基づくからである。上述したように、流体内に溶解しているガスは、ヘンリーの法則に従って、流体と接触しているガス相との交換が行われる。気密にシールされておらず、周囲の空気に接触している、容器内に保管されている参照流体は、時間経過とともに分析物の値の変化が不可避的に生じる。
【0020】
この問題を解消するために、米国特許第3681225号明細書(Wilfore)および米国特許第4871439号明細書(Enzer)は、キャリブレーション流体およびコントロール流体の保管のための「ヘッド空間の無い」バッグのデザインを開示している。流体は、ガス相の無い状態で気密性の可撓性バッグ内に充填され、ガス泡の形成を避ける。溶解したガスとガス相との間の交換は抑制される。時間とともに、操作中の複数回の多量の流体の引き出しは問題を生じさせない。これは、チューブを介して分析器の取付け部にバッグが接続され、流体の連続的な引出しは、単に、可撓性バッグの容積を減少させるだけだからである。
【0021】
上述のデザインは、酸素が十分には安定化されないという欠点がある。水性溶液内に酸素が少量しか溶解しないので、流体中の酸素のわずかな減少でも、血液ガスパラメータpOの分析物の値に大きな変化を生じさせ、容器の貯蔵期間にわたってこのパラメータへの安定したまたは予測可能な目標値を保証できない。溶液中の酸素の少量の損失は、たとえば、プラスチックコーティング材料と酸素の反応により、または時間とともに酸素が反応する溶液中の物質との反応により生じる。さらに、酸素の減少の原因は、容器の継ぎ目を通したゆっくりとした拡散である。
【0022】
ヘッド空間無しのバッグの酸素の安定性の問題の解決策は、米国特許第411336号明細書(Radiometer)、米国特許第5780302号明細書(Chiron)、米国特許第7378006号明細書(Instrumentation Laboratory)に説明されている。
【0023】
米国特許第5780302号明細書は、ラミネートから形成される容器内に溶液を詰める手段により、Oを安定化させる方法を説明している。このラミネートは、(a)内側層(ポリプロピレンからなる熱シール可能なポリマー)、(b)中間層(アルミニウム)、(c)外側層(ポリエステルナイロンおよびラッカーコーティング)、および(d)完全に容器内に配置されるアクセス装置、からなる。
【0024】
米国特許第7378006号明細書は、pO値の安定化のために、流体にコリンを添加することを開示している。
米国特許第6405872号明細書(Roche)は、ガス値を安定化させるためにガスリザーバとして機能するガス相を備える、気密性の可撓性容器の使用する、測定されたガス平衡化された流体の複数の引き出しを提案する。この容器は、ラインを介して分析器の取付け部に接続される。この提案の欠点は、容器のサイズに依存して、また、上述した物理条件により、急な温度または圧力の変化に続く(新しい)平衡がゆっくりであり、数時間かかることである。
【0025】
ガラスアンプル中に収容されるコントロール流体中の酸素の安定化のためのコンセプトは、アンプル中のガス相と流体の接触に基づいている。ガス相中の多量の酸素は、純粋な水性のまたは塩類を含んだコントロール流体に含まれる比較的低い敏感な酸素を安定化させる。そのようなガス相の欠点は、ヘンリー定数の温度依存性により溶液中の酸素成分が温度に敏感であることである。様々な温度におけるガス相と溶液との間の各成分の平衡分布は、ガラスアンプル内の小さな容積について計算でき、また、実験により決定することができる。平衡分布に基づいて、目標値は、血液ガスパラメータいついて予測することができる。既知のアンプルにおいて、流体の容積およびガス相は、おおよそ等しく、流体の体積に対して大きな相境界表面があり、これは、垂直に立つアンプルの剛性により一定となる。これは、温度が変化した場合でも、有効なガス値の十分な予測可能性を提供するであろう。アンプルの使用は、各QCまたはコントロール測定のために1つのアンプルが必要であるという経済的な欠点を持つ。これは、アンプルを開けたのちは、ガス値は大気との相互作用により急激に変化するからである。
【0026】
上述のように1−2ml容量の小さな剛体のアンプルが使用される条件に比べて、多量の流体における平衡の分布は、再調整のために数時間かかるであろう。150mlから300mlで、15cmの表面の容積の流体の場合(すなわち、10−20cmの液体の高さ)、温度または圧力の急な変化の後に十分に正確な流体内の均一なガス濃度の分布を達成するのに必要な時間である平衡時間または再調整時間は、36時間付近である。参照流体の新しい容器を分析器に導入した後、または、不安定な温度条件の下での分析器の長いスタンバイ期間の後、動作または測定エラーの遅れを生じさせることになる。
【0027】
たとえば、ガス不透過性のプラスチック材料から形成されるバッグのような、分析器内に交換可能に挿入される、1つまたはそれ以上の気密容器を有するカートリッジは、キャリブレーション流体またはコントロール流体(参照流体)のための明瞭な選択肢を与える。
【0028】
しかし、流体中に溶解する酸素を安定化させることが必要であり、これは、目標値、またはキャリブレーション流体またはコントロール流体内に存在する酸素の分圧(pO2)のパラメータのための分析物として機能する。
【0029】
上述したように、これは、バッグ内にガス空間(ヘッド空間)を含ませることで達成できる。ガス相内の多量の酸素は、純粋な水性のコントロール流体または塩類を含むコントロール流体の比較的低く敏感な酸素含有量を安定化させる。しかし、ヘンリー定数の温度依存性により、ある程度の溶液の酸素成分の温度敏感性は許容されなければならない。上述した小さなアンプルにおいて与えられる条件に比べて、水性溶液とガス相との間のガス交換が純粋に拡散に基づき、平衡が数時間の期間の後にのみ達成される限りにおいて、これは釣り合う。
【0030】
可撓性の容器は、米国特許第6405872号明細書に開示されるようなバッグを含む。これらのバッグは、多層の、エッジにおいて溶接される気密シート材料からなる。過去の実験は、そのようなバッグ内に充填された参照流体の非常によい保管安定性は、市販されているポリエチレンコーティングを備えるアルミニウムラミネートを使用することで達成できることを示している。
【0031】
米国特許第6405872号明細書による可撓性バッグにおいて、容積の第1部分は、少なくとも1つの溶解したガス成分を含む測定された流体により占められる。可撓性バッグの容積の第2部分は、流体内に溶解する少なくとも1つのガス成分を有するガス相のために提供される。流体の表面は、ガス相を流体から分離し、交換表面として機能する。流体により示される体積およびガス相の体積は、可撓性バッグの最大充填容積よりも小さく、温度および圧力の変化が生じときでも(予め決定された限度内で)、バッグ内の内側圧力は周囲の大気圧と等しくなる。
【0032】
EP20077452B1によれば、可撓性バッグからの流体の引き出しは、分析器により制御される少なくとも2つのバルブ位置を備える多方バルブの使用により実行することができ、これは、バッグ内への接続ラインに対応する入口ポイントにおいて提供することができる。第1バルブ位置は、分析器への接続ラインと可撓性バッグとの間の接続を確立し、第2バルブ位置は、可撓性バッグを閉じ、たとえば周囲空気および接続ラインなどの空気源との間の流体接続を確立する。
【0033】
米国特許第7188993号明細書から、流体、固体粒子、および/またはガスの共鳴振動混合のための方法および装置が公知である。この装置は、剛体ハウジング内のスプリングシステムにより接続される3つの独立する可動性の重い本体を備え、これらの重い本体の1つは、すなわちオシレータ本体は、電気モーターにより振動を引き起こされる。混合される物質を受け取る混合チャンバは、他の本体の1つに取り付けられる。この発明の実施形態は、ガス化される媒体を生成するために流体とガスとの混合を形成するための装置の使用を説明し、ガスは、ミクロサイズのバブルの形態で所定時間において流体内に貯蔵される。流体内でのバブルの形成により、そのような方法は、分析器の参照流体の平衡を加速させるためには好適ではない。
【0034】
米国特許出願公開第2011/0065084号明細書から、培養媒体およびガス相内に細胞を含む剛体壁を備える培養容器内において酸素を制御するためのシステムおよび方法が公知である。培養容器の内側壁に、培養媒体と接触する光学酸素センサが取り付けられ、これは光源により外的に励起され、また、光検出器により監視され、この信号は制御ユニットに供給される。培養容器の外側壁上に、振動混合器が取り付けられ、これは、酸素センサのフィードバックに基づいて培養容器の剛体壁に振動エネルギーを付与する。したがって、酸素輸送は増加され、培養媒体とガス相との間の迅速な平衡が達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
本発明の目的は、流体、好ましくは分析器の参照流体の平衡を加速させるための方法および装置を提供することであり、この表面はガス相と接触し(たとえば、優位に低い濃度でのみ水性溶液に溶解しているOのリザーバ、)、流体およびガス相は、可撓性バッグ内に収容され、1つまたはそれ以上のバッグは、好ましくは、分析器内に交換可能に挿入されるカートリッジ内に保持される。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明は、この目的を、アクチュエータ要素の機械的な振動エネルギーを、可撓性バッグ内に存在する流体に付与することで達成し、入力は、アクチュエータ要素と接触する可撓性バッグの少なくとも1つの壁領域を介して生じる。本発明のこのアプローチは、ガス値またはガス値に応じて個別の参照流体の値の平衡時間を優位に低減し、測定操作を加速させる。
【0037】
流体への機械的エネルギーの入力は、好ましくは、新しいカートリッジが分析器に挿入された後、または、分析器の長い待機期間の後に生じさせ、また、可撓性バッグから流体を引き出す前に生じさせる。これは、ガス値が十分に正確にセットされたキャリブレーション流体またはコントロール流体を引き出すことを保証する。長い待機期間(すなわち、バッグから最後の流体の引き出しからの経過時間)は、1時間以上の時間であると理解される。
【0038】
代替的に、機械的エネルギーの流体への入力は、分析器が配置される場所または操作される場所における圧力または温度の優位な変化が生じた後に行うことができる。優位な圧力変化は、たとえば、約10ミリバールまたは20ミリバール、または30ミリバールまたはそれ以上の周囲の気圧の増加または減少であろう。温度の優位な変化は、たとえば、分析器の場所における1℃または2℃、および3℃またはそれ以上の周囲の温度の増加または減少であろう。
【0039】
本発明による手順は、特に、圧力または温度の変化が比較的速く生じる場合、たとえば12時間以内の時間で生じる場合に実行される。
本発明によれば、機械的な振動は、超低周波(たとえば1Hz)から500Hzにわたる周波数範囲、好ましくは25Hzから50Hzの範囲で付与され、0.5mmから5mmの振幅、好ましくは1mmから3mmの振幅で付与される。
【0040】
機械的エネルギーが、ノコギリ波形または台形型の振動の形態で付与され、好ましくは急傾斜で、付与される場合、または周期的な衝撃波として付与される場合に、特に良い結果が得られるであろう。
【0041】
機械的エネルギーの結合において、共振励起を避けるために特別な配慮が必要とされることがある。
システムの共振励起は、境界表面の層において表面波を生じさせる。これは、境界表面を増加させるが、流体相における望ましい混合を誘導しない。さらに、共振は、流体相がガス相に混合するようにシステムの振幅を増大させる。これは、流体相に望ましくないガスバブルを生成する。
【0042】
ガス相に接触する流体表面の平衡を加速させるための本発明の装置の変形形態は、少なくとも1つのアクチュエータ要素とともにカートリッジが提供され、これは振動させるために設けられ、少なくとも1つの壁領域で可撓性バッグと機械的に接触する。
【0043】
ガス相に接触する表面の流体の平衡を加速させるための本発明の装置の代替的な変形形態において、アクチュエータ要素は分析器内に一体化され、カートリッジは接触領域(たとえば、カートリッジ底部における開口部)を備え、これにより、分析器のアクチュエータ要素は、カートリッジ内に収容される可撓性バッグとの接触をもたらすことができる。
【0044】
以下、概略的な添付図面を参照しながら、本発明がより詳細に説明される。添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】流体の平衡を加速させるための本発明による装置を備える分析器を三次元で示す図である。
図2】流体の平衡を加速させるための本発明による装置の変形形態を断面で示す図である。
図3】流体とガス相との間の平衡のときに生じるプロセスの概略図であり、機械的エネルギーの入力を与えない状態を示す図である。
図4】流体とガス相との間の平衡のときに生じるプロセスの概略図であり、機械的エネルギーの入力を与えている状態を示す図である。
図5】本発明によりアクチュエータ要素に使用される振動の可能な形状を示す概略図である。
図6】静止状態(すなわち機械的エネルギーの入力を与えない状態)において、様々な時間ポイントにおける部分的に充填された可撓性バッグの配置を示す図である。
図7】機械的エネルギーの入力を与えた状態における、様々な時間ポイントにおける部分的に充填された可撓性バッグの配置を示す図である。
図8】流体中のOの平衡の概略図であり、3つの曲線は、図2に示される3つのバッグを備えるシステムを表し、三角形は、第1の下方のバッグを表し、これは、アクチュエータ要素に接続され、四角形は中間のバッグを表し、円は最上部のバッグを表す。
図9】「水平」なバッグ(水平面に対して10°の傾斜)のO平衡のダイアグラムであり、図9aは本発明による機械的エネルギーを付与しない場合、図9bは、機械的エネルギーを付与する場合を示している。
図10】「垂直」なバッグ(水平面に対して80°の傾斜)のO2平衡のダイアグラムであり、図10aは、本発明による機械的エネルギーを付与しない場合、図10bは、機械的エネルギーを付与する場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、分析器1の概略図を示し、たとえば、血液ガス分析器であり、作動的および消費可能な材料は、1方向カートリッジおよび/またはモジュールの形態で分析器に供給することができる。
【0047】
分析器1のスロット4に挿入可能なカートリッジ2(流体パック)は、流体および使用済容器を収容し、特に気密性バッグ3を収容し、これは、分析器1の動作に必要とされる参照流体を含み、すなわち品質コントロールのためのコントロール流体およびセンサのキャリブレーションのためのキャリブレーション流体を含む。
【0048】
随意選択で、QCのためのコントロール流体は、別個のカートリッジ5において分析器1に供給することができ、他の参照流体および操作流体を保持するカートリッジから独立して単純な方法で交換可能である。
【0049】
分析器1はさらに、分析物の決定に必要とされるセンサの少なくとも一部を収容するセンサカートリッジ6を備える。
また、カートリッジ2は、可撓性バッグ3への接続ライン(図示せず)を有し、それぞれカートリッジの外側の結合部7に導かれ、カートリッジ3を分析器1のスロット4内に挿入した後に、自動的に分析器の対応する取付け部との流体の漏れない接続を確立する。さらに、カートリッジ2の外側に電気接続部8を提供することができ、これは、スロット4内の対応する電気接続に割り当てられる。
【0050】
貯蔵モジュール9はカートリッジ2に取り付けられ、たとえば、カートリッジ内の参照流体の情報およびそれらの個別の目標値を保持する貯蔵チップまたはRFIDチップとすることができる。この情報は、カートリッジ2の挿入後に、自動的に分析器1に読み込まれるようにすることができる。
【0051】
可撓性バッグ3に機械的な振動を付与するために、カートリッジ2は、少なくとも1つのアクチュエータ10を備え、アクチュエータ10は、振動運動することができ、少なくとも1つの壁領域11において少なくとも1つの可撓性バッグ3と接触する。
【0052】
アクチュエータ素子10は駆動ユニット12に接続され、駆動ユニット12は、図1に示されるようにカートリッジ2内に収容され、または、好ましくは分析器1内に一体化されてカートリッジの交換のときに分析器1に残る。
【0053】
図2に示される交換可能なカートリッジの変形形態において、多数の可撓性バッグ3が積み重ねられ、バッグ3の壁領域11は、互いに直接的または間接的に接触し、振動運動の伝達を可能にする。アクチュエータ素子10により生成される機械的な振動のエネルギーは、最初に最下部のバッグ3を通り隣接する他のバッグ3に伝播する。個別の可撓性バッグ3の流体表面は符号13で示されている。バッグ3は、上側端部においてカートリッジ2に取り付けられ、下方に滑らないように保持される。
【0054】
また、バッグ3は間接的に接続されるようにすることができ、たとえば、中間層または分離ウェブを介して、または、たとえば棚形状の保持ラックのような共通のキャリアに静置させることで、間接的に接続されるようにすることができる。後者の場合、機械的なエネルギーの入力は、共通キャリアを介して影響を及ぼし、アクチュエータ素子10の機能を果たす。
【0055】
図1の代替として、図2にカートリッジ2の変形形態が示され、アクチュエータ素子10は、カートリッジ2の一部ではなく、分析器1の一体的な部分とされ、図示の例において、ドライブユニット12(永久磁石16および磁気コイル17を備える)に接続され、スプリングを保持する受け入れスロットの手段によりドライブユニット12は分析器内に配置される。この変形形態において、カートリッジ2は、対応する開口部15とともに底部に設けられ、開口部15を通して、分析器のアクチュエータ素子10は、動作中にカートリッジ2の内側に入ることができ、少なくとも壁領域11において隣接するバッグ3と機械的に接触する。
【0056】
特に好ましい形態として、可撓性バッグ3は2つの本質的に矩形の壁領域を備え、これらはエッジにおいて互いに溶接される(エンベロープタイプのバッグ)。
垂直に位置決めされる可撓性バッグ(エンベロープタイプ)は、特に高く細身の流体コラムを備え、相対的に小さな流体表面を備え、長い拡散経路を備える。この構成の利点は、流体を容易に引き出すことができることであるが、平衡時間(平衡を達成するのにかかる時間)は長くなるであろう。
【0057】
水平に位置決めされる可撓性バッグ(エンベロープタイプ)は、特に低く、幅広の流体コラムを備え、相対的に大きな流体表面を備え、短い拡散経路を備える。この構成の利点は、平衡時間が短いことであるが、流体の引き出しは幾分難しくなり、流体を完全に引き出すのは不可能となるかもしれない。
【0058】
水平面から5°から80°、好ましくは10°から50°の角度を備える傾斜した位置にカートリッジ2内に保持される可撓性バッグ3は特に好ましい(図2)。
アクチュエータ素子10の接触領域は、カートリッジ2内の可撓性バッグ2の接触表面11の20%から70%、好ましくは25%から50%とすることができる。
【0059】
図3、4に示されるように、本発明により提案されるアプローチは、機械的エネルギー(振動)の入力による手段による、可撓性バッグ3内の液体相の強制的な循環、ガス相と流体相との境界の増大、のアイディアに基づく。図3は、機械的エネルギーの入力が無い状態を示し、図4は機械的入力がある状態を示し、以下の符号が用いられている。
A ガス相(ヘッド空間)
B 相境界表面(界面)
C 水性溶液
pCO ガス相における二酸化炭素の分圧
pO ガス相における酸素の分圧
cCO 溶解した二酸化炭素の濃度
cO 溶解した酸素の濃度
血液ガスパラメータ(pO、pCO、pH)の平衡時間の優位な短縮が観測される。この平衡時間の短縮は、60秒またはそれ未満の後、実際の値と目標の値との間に差がないことが分かるであろう。流体相およびガス相を有するシステムにおいて生じる速い平衡の条件に関する研究が実施された。最良の結果が得られるであろうから、振動装置(図2)は線形運動を与える。アクチュエータ素子10として、ポリカーボネートプレートを使用することができ、これはスプリングを保持する受け入れスロット14に取り付けられる。分析器に一体的なドライブユニット12の磁気コイル17は、パワー操作増幅器を介してファンクションジェネレータにより駆動される。
【0060】
図5から分かるように、本発明は、純粋なシヌソイド曲線と急な傾斜を備える矩形との間の範囲の形状のカーブ形状を備える振動を提案する。
可能な駆動ユニットの中で、たとえば、ピエゾ電気アクチュエータのようなオシレータがあり、特に、多層ピエゾアクチュエータ、モーターがあり、特に偏心モーター、接続ロッド結合部を備えるモーター、または好ましくは、電磁気オシレータシステム、特に、スプリング−マス−スプリングシステムがある。
【0061】
振動周波数は1Hzから500Hzの範囲であり、好ましくは、25Hzから50Hzの範囲であり、0.5mmから5mmの振幅であり、好ましくは、1mmから3mmの振幅であることが有利であることが分かった。
【0062】
図6、7に示されるように、100mlの流体および199mlのガス相を含む垂直に立つエンベロープ形状の可撓性バッグを使用する実験のセットアップは、液体相内の物質の均一な分布を確立するための改良されたダイナミクスを示すであろう。可撓性のラミネートバッグB1、B2は、100mlのpHバッファ塩溶液および100mlの空気が充填された。後に、下層を形成するために5mlの染料溶液が溶液に注入された。バッグB1は静置状態が維持され、染料の分配は、時間経過による溶液中の物質の拡散による進展にならう。バッグ2は、図2に示される装置により振動が設定される。
【0063】
バッグB1において(図6)、色の勾配が検出されなくなるまで24時間かかり、一方、バッグB2において(図7)、20秒後に均一な混合が達成された。この模擬実験は、本発明により機械的エネルギーをバッグ内に入力することは、液体相の混合を優位に加速することを示している。
【0064】
図8は、3つの積み重ねられた可撓性バッグ3を備える図2に示されるシステムにおけるOの平衡の進行を示している。
120mmHgでOと平衡する100mlの塩溶液を収容するヘッド空間無しのバッグ内に、100mlのガス相(170mmHgのOのガス)をヘッド空間として室温(たとえば22℃)でシリンジにより注入した。機械的エネルギーは、図2の装置と類似の装置により、32Hzの周波数で1.5mmの振幅で与えられた。バッグの最下ポイントにおいて接続されるラインを介して、画定された時間間隔でサンプルが取得され、pO値は血液ガス分析器により決定された。
【0065】
アクチュエータ素子10に直接的に接触する底部のバッグ(三角形)は、最も早く平衡に達し、その上にあるバッグ(四角および円)は、わずかに遅く平衡に達し、約90秒後に、3つ全てのバッグは実質的に均一に平衡となることが分かった。
【0066】
図9は、水平バッグ(水平面に対して10°の傾斜)におけるOの平衡を示し、本発明により特定されるような、エネルギーが付与された場合およびエネルギーが付与されない場合を示している。100mlのガス相(170mmHgの空気)は、室温(たとえば22℃)でシリンジによりヘッド空間として、120mmHgでOと平衡化される塩溶液を収容するヘッド空間の無いバッグ内に注入された。その後、バッグの最下ポイントにおいて接続されるラインを介して、画定された時間間隔でサンプルが取得され、血液ガス分析器によりpO値が決定された。平衡までの時間は約15時間であった(図9a)。32Hzの周波数で1.5mmの振動振幅で、図2に示されるような装置を介してエネルギーが付与され、実験は繰り返された。平衡までの時間はたった30秒であった(図9b)。機械的なエネルギーの入力をしない図9aの構成に関して、t50時間(平衡値の50%に到達するまでの時間)は5時間であり、t70時間(平衡値の70%に到達するまでの時間)は7時間であった。機械的エネルギーの入力をした図9bの構成に関して、t50時間は10秒であり優位に小さく、また、t70時間は14秒であった。
【0067】
図10は、本発明により特定されるようなエネルギーが付与される場合とされない場合における、垂直バッグ(水平面に対して80°の傾斜)の平衡を示す。100mlのガス相は、ヘッド空間として、120mmHgでOと平衡化される100mlの塩容器を収容するヘッド空間無しのバッグ内に、室温(たとえば22℃)でシリンジによりヘッド空間として注入された。その後、バッグの最下ポイントにおいて接続されるラインを介して、画定された時間間隔でサンプルが取得され、pO値が血液ガス分析器により決定された。平衡までの時間は約26時間であった(図10a)。図2に示されるような装置を介して、32Hzの周波数および1.5mmの振動振幅でエネルギーが付与されて、実験が繰り返された。平衡までの時間は約60秒であった(図10b)。機械的エネルギーの入力がない図10aの構成に関して、t50時間は7時間であり、t70時間は13時間であって。機械的エネルギーの入力を与えた図10bの構成に関して、t50時間は15秒であり、t70時間は24秒であり、優位に低い。
【0068】
流体のバッグ内の操作温度は、通常は室温に等しいか、またはわずかに高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10