(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366625
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】外付殺菌消臭空気清浄装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20180723BHJP
A61L 9/18 20060101ALI20180723BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20180723BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20180723BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20180723BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/18
A61L9/20
F21V33/00 300
F21Y103:00
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-38106(P2016-38106)
(22)【出願日】2016年2月29日
(65)【公開番号】特開2016-202889(P2016-202889A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年8月31日
(31)【優先権主張番号】特願2015-83232(P2015-83232)
(32)【優先日】2015年4月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515104578
【氏名又は名称】有限会社トヨテック
(74)【代理人】
【識別番号】100195039
【弁理士】
【氏名又は名称】古城 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100195039
【弁理士】
【氏名又は名称】古城 耕一
(72)【発明者】
【氏名】豊田 茂
【審査官】
松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−342192(JP,A)
【文献】
特開2001−121000(JP,A)
【文献】
特開平09−206368(JP,A)
【文献】
特開2007−275837(JP,A)
【文献】
特開2004−180895(JP,A)
【文献】
特開2003−157802(JP,A)
【文献】
特開2004−209200(JP,A)
【文献】
特開2009−094061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00
A61L 9/18
A61L 9/20
F21V 33/00
F21Y 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光灯に取り付けて、室内空気を循環させ、プレート1に空気を噴出する機能を有する外付殺菌空気清浄装置であって、
プレート1の光源側部分12には紫外線透過塗料の塗布あるいは未塗布として、当該プレート1の光触媒塗布部分13には紫外線活性光触媒又は可視光活性光触媒の何れかを塗布し若しくは両方の光触媒を塗り重ねの無いように塗布し、蛍光灯からの入射光が内部で反射しプレート全面で拡散発光し易くするために、当該プレート1の光源側端面を略半円形状に丸め加工又は略台形形状に面取り加工若しくは略半円形状の溝加工又は略逆三角形状の溝加工をした形状を有するプレート1の複数枚をプレート固定箱2で蛍光灯の回りに配置した外付殺菌空気清浄装置。
【請求項2】
プレート1を一方のプレート固定箱2から他方のプレート固定箱2に向う方向に波形状に連続曲げ加工したプレート1を使用した請求項1記載の外付殺菌空気清浄装置。
【請求項3】
スリット15を通じてプレート固定箱2に挿入するプレート1の端面の形状を略半円形状の丸め加工又は略台形形状の面取り加工若しくは略半円形状の溝加工又は略逆三角形状の溝加工を施し、当該プレート固定箱2の内部に紫外線ランプ照射部品を取り付けて、当該固定箱2のスリット15に挿入固定した複数の当該プレート1の当該挿入端面に紫外線を照射し、当該プレート1に塗布した光触媒を活性化させる機能を有する請求項1又は請求項2記載の外付殺菌空気清浄装置。
【請求項4】
プレート1の光触媒塗布部分13に溝14を施したプレート1を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の外付殺菌空気清浄装置。
【請求項5】
プレート1の光触媒塗布部分13に光触媒を塗布する部分と未塗布の部分が塗り重ねの無いように交互に塗布しあるいは市松模様になるように光触媒を塗布したプレート1を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の外付殺菌空気清浄装置。
【請求項6】
プレート1の光触媒塗布部分13に紫外線活性光触媒を塗布する部分と可視光活性光触媒を塗布する部分が交互にあるいは市松模様になるように光触媒を塗布したプレート1を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の外付殺菌空気清浄装置。
【請求項7】
光源8から見て、プレート1の光源側部分12とは対極にある同一プレート1の端面部17において光を内部反射しやすくするために、光源8から見て対極にある当該端面部分を略半円状の丸め加工又は略台形形状の面取り加工若しくは略半円状の溝加工又は略逆三角形状の溝加工を施した表面を鏡面加工又は有色塗装した部分18を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の外付殺菌空気清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の照明器具等に取り付けが可能な空気清浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内の空気中に浮遊する塵埃や花粉、ハウスダストに対して高機能フィルターによる捕集機能のほか、空気中に含まれる細菌などは空気清浄器で生成されるイオンによる減菌や紫外線照射による滅菌が行なわれている。しかし、据え置き型の空気清浄器は、装置自体の大きさから、比較的広い専有面積が必要という欠点があった。
【0003】
そのため、実開昭63−26914号公報や特開平9−213109号公報、特開平11−267427号公報で示されているように、天井取り付けの蛍光灯と一体となった空気清浄装置が創案され、特開平8−141063号公報や特開2001−2101118号公報、特開2001−215909号公報で示されているように、紫外線ランプと光触媒を組み合わせた蛍光灯による殺菌装置などが創案されている。
【0004】
しかし、既存の天井取り付けの直管蛍光灯を取り換えることなく、その物を有効に活用しうることが難しいものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63− 26914号公報
【特許文献2】特開平 9− 213109号公報
【特許文献3】特開平11− 267427号公報
【特許文献4】特開平 8− 141063号公報
【特許文献5】特開2001−210118号公報
【特許文献6】特開2001−215909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、空気中に含まれる細菌等と蛍光灯などの光源からの紫外線や可視光によって活性化された紫外線活性光触媒や可視光活性光触媒との接触面積や接触機会を増やすことにより、空気浄化を図る点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、透明なプレートの内部を紫外線や可視光の光路としての役目とともに、光源に対峙する当該プレートの端面から入射する光が外部表面に向って拡散しやすいように端面の形状を半円状の丸め加工等を施し、当該透明なプレートの表面に塗布した光触媒を活性化させて空気中に浮遊するウイルスや細菌を滅菌することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の空気清浄装置は、複数枚の透明なプレート1を蛍光灯、特に天井取り付けの直管蛍光灯7の蛍光灯8の取り付け面側に放射状に配置することで、透明なプレート1の蛍光灯8からの入射光側の光源側部分12は、紫外線透過塗料の塗布あるいは未塗布とし、蛍光灯8からの紫外線や可視光線が透明なプレート1の内部で拡散し、当該プレートの光触媒塗布部分13に、紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布すれば、蛍光灯8からの入射光が透明なプレート1の内部で拡散し、透明なプレート1の表面に塗布した紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒が活性化され、透明なプレート1近傍の空気が浄化されるという効果があり、また、プレート固定箱2の空気吹出し孔16から透明なプレート1近傍の空気が撹拌され、空気と光触媒との接触機会が増加し、空気浄化が促進されるという利点があり、従来の直管蛍光灯に外付することで、天井といういわゆるデッドスペースの活用という利点がある。さらに、透明なプレート1の光源側端面を丸め加工や略半円状に溝加工等を施すことにより、蛍光灯の光源から入射した紫外線や可視光が透明なプレート1内部で屈折拡散し、透明なプレート1の表面に塗布した光触媒を広く活性化させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は透明なプレート1の光源側端面を丸め加工して略半円状の断面形状を有する透明なプレート1の概念斜視図である。(実施例1)
【
図2】
図2は
図1に示す透明なプレート1の光源側部分12に紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、透明なプレート1の光触媒塗布部分13に紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布し、蛍光灯からの光が透明なプレート1の内部光路に沿って拡散し、当該プレート1の表面で発光する様子を示した概念断面図である。(実施例1)
【
図3】
図3は
図1に示す透明なプレート1を複数枚取り付けた外付殺菌消臭空気清浄装置の斜視図である。(実施例1)
【
図4】
図4は天井直管蛍光灯に取り付けた
図3に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の斜視図である。(実施例1)
【
図5】
図5は
図4に示す天井直管蛍光灯に取り付けた外付殺菌消臭空気清浄装置の主要部品の組み立て分解図である。(実施例1)
【
図6】
図6は
図3に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の側面図である。(実施例1)
【
図7】
図7は
図3に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の正面図である。(実施例1)
【
図8】
図8は
図3に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の平面図である。(実施例1)
【
図9】
図9は
図3に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の底面図である。(実施例1)
【
図10】
図10はプレート固定箱2の説明図である。(実施例1)
【
図11】
図11は固定箱用カバー3の説明図である。(実施例1)
【
図12】
図12は
図1に示す透明なプレート1のスリット15に取り付け挿入する両端面を丸め加工して略半円状とした透明なプレート1の概念斜視図である。(実施例1)
【
図13】
図13は透明なプレート1の光源側端面を丸め加工して略半円状の断面形状を有する透明なプレート1を一方の固定箱から他方の固定箱に向う長手方向に沿って波形状となるように連続曲面加工したプレートの概念斜視図である。(実施例2)
【
図14】
図14は
図13に示す透明なプレート1を複数枚使用した外付殺菌消臭空気清浄装置の斜視図である。(実施例2)
【
図15】
図15は天井直管蛍光灯に取り付けた
図14に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の斜視図である。(実施例2)
【
図20】
図20は、
図13に示す透明なプレート1のスリット15に取り付け挿入する両端面を丸め加工して略半円状とした透明なプレート1の概念斜視図である。(実施例2)
【
図21】
図21は矩形断面の透明なプレート1の光源側部分12に紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、透明なプレート1の光触媒塗布部分13に紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布し、蛍光灯からの光が透明なプレート1の内部光路に沿って拡散し、当該プレート1表面で発光する様子を示した概念断面図である。(実施例3)
【
図22】
図22は
図21に示す断面形状を有する透明なプレート1の概念斜視図である。(実施例3)
【
図23】
図23は
図21に示す断面形状を有する透明なプレート1を一方の固定箱から他方の固定箱に向う長手方向に沿って波形状となるように連続曲面加工した概念斜視図である。(実施例4)
【
図24】
図24は光源側の透明なプレート1の端面を略半円状に溝加工した透明なプレート1の光源側部分12に紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、透明なプレート1の光触媒塗布部分13に紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布した透明なプレート1の概念断面図である。(実施例5)
【
図25】
図25は光源側の透明なプレート1の端面を略台形形状に面取り加工した透明なプレート1の光源側部分12に紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、透明なプレート1の光触媒塗布部分13に紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布した透明なプレート1の概念断面図である。(実施例6)
【
図26】
図26は光源側の透明なプレート1の端面を略三角形状に溝加工した透明なプレート1の光源側部分12に紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、透明なプレート1の光触媒塗布部分13に紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布した透明なプレート1の概念断面図である。(実施例7)
【
図27】
図27は
図12で示す透明なプレート1の光触媒塗布部分13側の両面に複数の溝14を有する透明なプレート1の斜視図である。(実施例8)
【
図28】
図28は
図12で示す透明なプレート1の光触媒塗布部分13側の両面に一定の間隔をあけて光触媒を塗布した透明なプレート1の斜視図である。(実施例9)
【
図29】
図29は
図12で示す透明なプレート1の光触媒塗布部分13側の両面に光触媒を塗布した部分と未塗布の部分が市松模様となる様に光触媒を塗布した透明なプレート1の斜視図である。(実施例10)
【
図30】
図30は光源8から見て、
図2に示すプレート1の光源側部分12とは対極にある端面17を略半円状に丸め加工した表面を鏡面塗装したプレート1の概念断面図である。(実施例11)
【発明を実施するための形態】
【0010】
透明なプレート1の光源側部分12に紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、それ以外の光触媒塗布部分13には、酸化チタン等の紫外線活性光触媒あるいは可視光活性光触媒を塗布した場合には、光源側からの光線が当該透明なプレート1の内部に入射し、更に内部で光線が内部反射・外部拡散することで、当該透明なプレート1の表面に塗布した光触媒が活性化され、光触媒近傍の空気が清浄化されることが可能となる。
【実施例1】
【0011】
図1に示すように、天井取り付け蛍光灯の直管ランプからの光源側の透明なプレート1の端面の形状を略半円状に丸め加工して、その近傍部位である透明なプレート1の光源側部分12には紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、当該プレート1の光触媒塗布部分13には、酸化チタン等の紫外線活性光触媒又は可視光活性光触媒を塗布すれば、
図2に示すように、直管蛍光灯などの光源から透明なプレート1へ照射される光線が、光源側半円状端面から当該透明なプレート内部へ入射し、更に当該透明なプレート内部で屈折拡散し、光触媒を塗布した部位の光触媒が活性化される。なお、当該透明なプレート1をアクリル樹脂等で成形する際に、アルミ箔の小片を混練すれば、透明なプレート内部に入射した光線が、当該プレート内部のアルミ箔の小片によって乱反射し、当該透明なプレート1に塗布した光触媒の活性が高められる効果がある。また、アクリル樹脂以外に、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。
【0012】
図3は、当該透明なプレート1を複数枚取り付けた外付殺菌消臭空気清浄装置の斜視図であり、
図4は、天井取り付け直管蛍光灯本体へ組み付けた当該装置の斜視図であり、
図5は、当該装置の主要部品の分解組み立て図を示している。
図10に示すように、プレート固定箱2には透明なプレート1を複数枚円弧配列するためのスリット15が設けられており、当該スリットとスリットの間には、空気吹出し孔16が設けられている。固定箱用カバー3には、
図11に示すようにフィルター5を嵌めこむための凹部が設けられており、
図5に示すように、ファンモーター4とフィルター5を取付けることで、フィルター5を通して微粒物質を除去された空気がファンモーター4によって、プレート固定箱2の内部空洞に取り込まれ、さらに、それぞれのプレート固定箱2の空気吹出し孔から透明なプレート1に挟みこまれた空間に対向噴出されることで、活性化された光触媒と効果的に撹拌させることが可能となる。
【0013】
当該透明なプレート1をプレート固定箱2に円弧状に配列取り付けするには、スリット15に接着固定する以外に、当該透明なプレート1のプレート固定箱2に取り付ける側の端部を折り曲げ加工して、ネジ留めや接着すれば、当該プレート固定箱2にスリットを設ける必要はなく、スリットにこだわるものではない。また、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【0014】
プレート固定箱2の内部に紫外線ランプ9を配置した場合、複数枚数の透明なプレート1を当該固定箱2の内部にスリット15を介して挿入した部分から紫外線が透明なプレート1の内部に入射し、さらに内部で紫外線が拡散し、透明なプレート1の表面に塗布した光触媒を活性化させることが可能となり、直管蛍光灯ランプ8を消灯していても、空気を浄化することが可能となる。また、
図12に示すように、当該スリット15に挿入する透明なプレート1の端面を丸め加工して断面形状を略半円状にすれば、当該紫外線ランプ9からの光線が放射状に入射し、透明なプレート1の光触媒塗布部分13の全面で光触媒が活性化される。
【0015】
図6、
図7、
図8及び
図9は、それぞれ
図3に示す外付殺菌消臭空気清浄装置の側面図、正面図、平面図及び底面図を示している。
【実施例2】
【0016】
図13は、実施例1と同様に光源側部分12には紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、当該プレート1の光触媒塗布部分13には酸化チタン等の紫外線活性光触媒又は可視光活性光触媒を塗布した透明なプレート1であって、
図2に示す断面形状を有する透明なプレート1を長手方向(ここでは、プレート固定箱2の一方から他方のプレート固定箱2に向う方向をいう。)に連続的に波形状になるように曲線曲げ加工を施したプレート形状を示した斜視図で、プレート固定箱2のスリット15に挿入する箇所の長手方向形状は直線としている。この波形状とすることで、光触媒塗布部位の面積が広くなり、また、プレート固定箱2の空気吹出し孔からの空気が波形状に沿って撹拌されやすくなることで、空気浄化機能を高めることができる。
【0017】
図14は、複数枚の
図13に示す波形状の透明なプレート1をプレート固定箱2のスリット15に挿入し円弧配列で固定した外付殺菌消臭空気清浄装置の斜視図を示し、
図15は、
図14に示す外付殺菌消臭空気清浄装置を天井取り付け直管蛍光灯本体7に装着した斜視図を示している。実施例1と同様に固定箱2の内部に紫外線ランプ9を配置し、更に
図20に示すようにスリット15に挿入する透明なプレート1の端面を丸め加工して半円形状にすることにより、当該丸め加工端面から入射した紫外線が屈折拡散して光触媒塗布部分13全面で光触媒が活性化される。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。また、当該挿入端面は、入射光の拡散がし易い形状であれば良く、丸め加工した半円形状に限るものではなく、台形形状の面取り加工や半円形状の溝加工あるいは逆三角形状の溝加工も可能である。
【0018】
図16、
図17、
図18及び
図19は、
図13に示す波形状の透明なプレート1を使用した外付殺菌消臭空気清浄装置の側面図、正面図、平面図及び底面図を示している。
【実施例3】
【0019】
図21に示すように、矩形断面を有する透明なプレート1の光源側部分12には紫外線透過塗料を塗布し又は未塗布とし、当該プレート1の光触媒塗布部分13には酸化チタン等の紫外線活性光触媒又は可視光活性光触媒を塗布した場合、蛍光灯から出た光線は透明なプレート1の内部に入射し、屈折拡散する。
図22は、
図21に示す断面形状を有する平板の透明なプレート1の斜視図である。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例4】
【0020】
図23に示す実施例は、実施例3に示す矩形断面を有する透明なプレート1を、更に、
図13と同様に、長手方向に向って波形状となるように連続的に曲げ加工をした透明なプレート1の斜視図を示し、紫外線透過塗料及び光触媒の塗布部位を概念的に示している。
図20に示すように、プレート固定箱2のスリット15に挿入する挿入端面部位も丸め加工を行えば、プレート固定箱2に取り付けた紫外線ランプ9からの紫外線を効果的に透明なプレート1の内部へ入射拡散させることが可能となる。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。
【実施例5】
【0021】
図24の実施例は、透明なプレート1の光源側端面を略半円状の丸め溝加工し、
図1と同様に、光源から透明なプレート1の内部に入射した紫外線が拡散しやすい形状を示し、平板形状や波形状のプレートとして使用することができる。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例6】
【0022】
図25の実施例は、透明なプレート1の光源側端面を略台形形状に面取り加工し、透明なプレート内部に入射した紫外線拡散効果を図ったものである。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例7】
【0023】
図26の実施例は、透明なプレート1の光源側端面を略逆三角形状に溝加工し、透明なプレート内部に入射した紫外線拡散効果を図ったものである。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例8】
【0024】
図27の実施例は、実施例1に示す透明なプレート1の光触媒塗布部分13側の両面に一定の間隔の溝14の加工を施したプレートであり、当該溝14に光触媒を塗布すれば、光触媒の活性化面積を増やす効果がある。また、当該溝14に光触媒を塗布しない場合には、光源側部分12からの入射光が当該溝部分から拡散・放射され、光触媒の活性を促す効果がある。溝13は、格子状の溝形状とすることも有効であり、
図27に示す平行溝に限るわけではない。また、実施例1以外の実施例にも当該プレートは併用可能であり、光触媒塗布部分13には、紫外線活性光触媒と可視光活性光触媒を交互に塗布することにより、いろいろな光触媒の特性を持たせることができる。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例9】
【0025】
図28の実施例は、実施例1に示す透明なプレート1の光触媒塗布部分13に、一定間隔で光触媒塗布部分と未塗布部分とが交互となるように光触媒を塗布したプレートであり、当該未塗布部分からの放射光により隣り合うプレート1の表面に塗布した光触媒の活性を高める効果が得られる。また、実施例1以外の実施例にも当該プレートは併用可能であり、未塗布部分にも種類の異なる光触媒を塗布することにより、光触媒塗布部分13には、いろいろな光触媒の特性を持たせることができる。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例10】
【0026】
図29の実施例は、実施例1に示す透明なプレート1の光触媒塗布部分13に、光触媒塗布部分と未塗布部分が市松模様となるように光触媒を塗布したプレートであり、当該未塗布部分からの放射光により隣り合うプレート1の表面に塗布した光触媒の活性を高める効果が得られる。また、実施例1以外の実施例にも当該プレートは併用可能であり、未塗布部分にも種類の異なる光触媒を塗布することにより、光触媒塗布部分13には、いろいろな光触媒の特性を持たせることができる。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【実施例11】
【0027】
図30の実施例は、光源8から見て、実施例1に示す透明なプレート1の光源側部分12とは対極にある当該同一プレートの端面部17も、略半円形状に丸め加工又は略台形形状に面取り加工若しくは略半円形状に溝加工又は略逆三角形状に溝加工をした端面部分が鏡面となるように、蒸着アルミメッキ等による鏡面加工あるいはアルミ色等の鏡面塗装を行なえば、光源側部分12からの入射光が
図30に示す光路を進み、プレート内部で反射や表面への透過をしながら、さらには、当該鏡面加工した部分18で内部反射し、入射光が内部拡散しやすく、光触媒塗布部分13の光触媒が活性化されやすくなる。また、鏡面加工した部分18は、プレート1内部の光が反射すれば良いので、鏡面加工や鏡面塗装にこだわるものではなく、光の反射率の高い白色等の有色塗装であっても良く、実施例1以外の実施例にも当該プレートは併用可能であり、光触媒塗布部分13には、紫外線活性光触媒と可視光活性光触媒を交互に塗布することにより、いろいろな光触媒の特性を持たせることができる。なお、この実施例においても、アルミ箔の小片を混練したアクリル樹脂等を使用してもよく、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニール等も透明なプレート1の材料として使用することも可能であり、透明なプレートが好ましいが、入射光の拡散が可能な乳白色等の不透明なプレートも使用することが可能である。また、実施例1と同様に、当該透明なプレート1の固定方法は、スリット15にこだわるものではなく、さらに、直管蛍光灯だけではなく、LEDランプにも使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の外付殺菌消臭空気清浄装置は、会社や工場の天井取り付けの照明用として多く用いられている直管蛍光灯に取り付けることができるので、会社の事務所内や工場内の空気中に含まれるインフルエンザ菌などの細菌を紫外線又は可視光で活性化した光触媒へ導くことで滅菌することができる。また、卓上のスタンド型蛍光灯にも装着可能なサイズにした本発明の外付殺菌消臭空気清浄装置を用いれば、勉強部屋の室内環境を清浄化することができる。さらに、プレート固定箱2内部にブラックライト等の紫外線ランプの照明を組み込めば、蛍光灯を使用しない場合でも、空気浄化機能を継続させることが可能となる。ほかに、本発明の装置を牛舎や鶏舎などに使用されている直管蛍光灯に使用すれば、口蹄疫ウイルスや鳥インフルエンザウイルスも滅菌することで、これらの感染予防に役立てることが可能となる。
【符号の説明】
【0029】
1 プレート
2 プレート固定箱
3 固定箱用カバー
4 ファンモーター
5 フィルター
6 フィルターカバー
7 天井取り付け直管蛍光灯器具本体
8 直管蛍光ランプまたは直管LEDランプ
9 紫外線ランプ
10 紫外線ランプ用蛍光灯器具本体
11 ネジ
12 プレート1の光源側部分
13 プレート1の光触媒塗布部分
14 溝
15 スリット
16 空気吹出し孔
17 光源8から見てプレート1の光源側部分とは対極にある同一プレート1の端面部
18 鏡面加工した部分