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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサモジュールは、心電図信号、心拍変動、脈拍、心拍数、呼吸パターン、体温、身体組成、血糖、血圧、グリコーゲン濃度、酸素濃度身体組成、パワー、速度、高度及び傾きの少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項1に記載のスタミナ監視装置。
スタミナ値は、心拍数、速度、時間、マップ、温度、湿度、高度、消費カロリー、運動効率、身体組成、パワー、ケイデンス、速度、高度、傾き、BMIまたは推定された最大運動変位の少なくとも1つのパラメータと組み合わせて出力されることを特徴とする請求項7に記載のスタミナ監視装置。
前記ユーザインターフェースは、嫌気性エネルギー値及び/または好気性エネルギー値が閾に到達した際、お知らせを出力することを特徴とする請求項1に記載のスタミナ監視装置。
前記処理モジュールは、スタミナ値及び好気性エネルギー値に基づいて最大カロリー消費を推定することに用いられることを特徴とする請求項1に記載のスタミナ監視装置。
前記ユーザインターフェースは、前記処理モジュールによって前記スタミナ値または前記最大運動変位に基づいて計算された利用可能な攻撃を出力することを特徴とする請求項15に記載のスタミナ監視装置。
前記センサモジュールは、心電図信号、心拍変動、脈拍、心拍数、呼吸パターン、体温、身体組成、血糖、血圧、グリコーゲン濃度、酸素濃度身体組成、パワー、速度、高度及び傾きの少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項17に記載のスタミナ監視方法。
前記スタミナ値は、心拍数、速度、時間、マップ、温度、湿度、高度、消費カロリー、運動効率、身体組成、パワー、ケイデンス、速度、高度、傾き、BMIまたは推定された最大運動変位の少なくとも1つのパラメータと組み合わせて出力されることを特徴とする請求項17に記載のスタミナ監視方法。
前記スタミナ監視方法は、前記処理モジュールによって前記スタミナ値または前記最大運動変位に基づいて計算された利用可能な攻撃を出力するステップを含むことを特徴とする請求項29に記載のスタミナ監視方法。
前記スタミナ監視装置は、リアルタイム変位情報を直接的または間接的に提供する運動センサを含み、前記処理モジュールは、前記スタミナ値及び前記変位情報に基づいて最大運動変位を更に推定することを特徴とする請求項31に記載のスタミナ監視装置。
前記ユーザインターフェースは、前記処理モジュールによって前記スタミナ値または前記最大運動変位に基づいて計算された利用可能な攻撃を出力することを特徴とする請求項33に記載のスタミナ監視装置。
前記スタミナ値は、心拍数、速度、時間、マップ、温度、湿度、高度、消費カロリー、運動効率、身体組成、パワー、ケイデンス、速度、高度、傾き、BMIまたは推定された最大運動変位の少なくとも1つのパラメータと組み合わせて出力されることを特徴とする請求項31に記載のスタミナ監視装置。
前記センサモジュールは、心電図信号、心拍変動、脈拍、心拍数、呼吸パターン、体温、身体組成、血糖、血圧、グリコーゲン濃度、酸素濃度身体組成、パワー、速度、高度及び傾きの少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項31に記載のスタミナ監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1に示すように、スタミナ監視装置、即ち運動補助装置100は、センサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103及びメモリモジュール104を備える。
【0012】
センサモジュール101は、ユーザの生理学的信号を検知し、且つ計測する少なくとも1つのセンサを含む。生理学的信号は、心電図(EKG)信号、心拍変動、脈拍、心拍数、呼吸パターン、体温、身体組成、血糖、血圧、グリコーゲン濃度及び酸素濃度の少なくとも1つを含む。身体組成は、人体の脂肪、骨、水及び筋肉のパーセンテージを指す。
【0013】
処理モジュール102は、補助回路を有するマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ等のハードウェアである。処理モジュール102は、運動補助装置100の基本的な計算方法、入力/出力及び論理的なの操作を介してコンピュータープログラムの命令を実行する。
【0014】
ユーザインタフェース103は、少なくとも1つの出力ユニット及び/または少なくとも1つの入力ユニットを備える。運動中または運動後に、ユーザのスタミナ値を表示する出力ユニットは、表示装置、振動部品またはスピーカーまたはこれらの組み合わせである。入力ユニットは、タッチパネル、音声受信機またはボタン等のヒューマンマシンインターフェースであり、ユーザから身長、体重、年齢、性別等の生体情報を受信する。また、ユーザインタフェース103は、センサモジュール101、処理モジュール102及びメモリモジュール104に情報を直接送信する。ユーザに自分の体の状態を知らせるために、処理モジュール102は、入力情報を処理して出力ユニットに送信する。例として、ボディマス指数(BMI)等が挙げられる。
【0015】
メモリモジュール104は、センサモジュール101、処理モジュール102またはユーザインタフェース103からの情報を格納する任意のタイプのディスク及びメモリであってもよい。例えば、格納された情報は、ユーザの活動履歴または生体情報であり、活動履歴または生体情報からユーザの静止状態下での基本血液乳酸濃度、基本心拍数、基本酸素摂取率またはこれらの任意の組み合わせが計算できるので、ユーザのスタミナ値及びユーザの初期スタミナ分類が計算できる。
【0016】
ここでスタミナとは、器官が自身の機能を発揮し、且つ所定の期間において活動し続ける能力を指す。スタミナ値のコンセプト及びスタミナ分類を、以下の図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、処理モジュール102は、センサモジュール101から生理学的信号を受信し、当該生理学的信号をメモリモジュール104に格納された命令に基づいて処理し、処理された情報を結果としてユーザインタフェース103に送信する。また、処理モジュール102は、ユーザインタフェース103からの命令を入力情報として受信し且つメモリモジュール104に格納された情報を受信する場合もまたは受信しない場合も当該命令を実行し、センサモジュール101を動作させる命令を提供する。
【0018】
センサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103及びメモリモジュール104は、有線または無線を介して接続されてもよい。有線接続は、任意のタイプの物理的な接触、例えば、電気ケーブルまたはプリント回路基板上の配線である。無線接続は、任意のタイプの無線伝送、例えば、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)または無線周波数補助の伝送である。
【0019】
図2Aに示すのは、本発明の1つの実施形態におけるEKG信号により生成された心電図波形である。
図2Bに示すのは、光学センサから検知された信号により生成された心電図波形である。
【0020】
図2Aに示すように、運動補助装置100のセンサモジュール101は、心拍数を監視するセンサ、例えば、心電図センサを含む。
図2Bに示すように、運動補助装置100のセンサモジュール101は、心拍数を監視するセンサ、例えば、光学センサを含む。しかし、光学センサは心臓に関する信号及び体の動作等の他のヒューマンファクターに対して敏感であるため、実際の心拍数信号を邪魔して心拍数の計測結果の精確性を低減させる。EKGセンサは、心臓の異なる動作段階からP波、Q波、R波、S波及びT波を検知する。EKG信号の中のヒューマンファクターは、P波、Q波、R波、S波及びT波から区別できる。故に、ヒューマンファクターを除去することで、精確的な心拍数の計測結果が提供される。言い換えれば、ユーザの心拍数は、特定のEKG波間の時間間隔に基づいて測定できる。例えば、隣接するT波とR波との時間間隔は、隣接する2つのハートビートの時間間隔に対応する。また、EKG信号は、T波等の波形のその具体的な特徴を識別する過程においてノイズをフィルタリングする。これにより、心拍数と無関係のヒューマンファクターを心拍数の計算に対して影響が及ぶのを防ぐ。
【0021】
図3A〜
図3Cに示すように、本発明の第一実施形態に係る運動補助装置300は、少なくとも1つのセンサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103及びメモリモジュール104を収容するハウジングを有する単一の装置であってもよい。また運動補助装置300は、全てのセンサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103及びメモリモジュール104を収容するハウジングを有する単一の装置であってもよい。運動補助装置300は、胸、手首、腕、腰または足等の各体の部位の周りに装着されて、ユーザの体の部位から生理学的信号を検知するが、計測するウェアラブル装置の一部であってもよい。
【0022】
図3Aに示すように、運動補助装置300は、センサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103及びメモリモジュール104を収容するハウジングを備える。
図3Bに示すように、運動補助装置300は、運動補助装置300をユーザの胸に装着し、且つ運動補助装置300をユーザの心臓の近傍に位置させるストラップ301(例えば、ゴムバンド)を含む。また、運動補助装置300のセンサモジュール101は、ユーザのEKG信号を検知するために、少なくとも1つの電極(例えば、ストラップ301に接続されている2つの電極)を備える。
図3Cに示すように、運動補助装置300をユーザの胸の回りに装着させることにより、ユーザのハートビートのEKG信号を検知する。また運動補助装置300は、ハウジングに収容された振動部品を更に備え、ユーザが運動する時のスタミナ値の変化によって、ユーザに振動の知らせを送信する。スタミナ値の概念を以下に説明する。
【0023】
図4に示すように、本発明の第二実施形態に係る運動補助装置100は、第一装置及び第二装置を含む。第一装置は第二装置に無線で接続されている。第一装置は、センサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103またはメモリモジュール104の少なくとも1つまたはこれらの任意の組み合わせであってもよい。第二装置も、センサモジュール101、処理モジュール102、ユーザインタフェース103またはメモリモジュール104の少なくとも1つまたはこれらの任意の組み合わせであってもよい。第一装置と第二装置との協同により、運動補助装置100の機能は完全に実現できる。
【0024】
第一装置は、胸、手首、腕、腰または足等の体の部位の周りに装着され、ユーザの体部位から生理学的信号を検知するが、計測するウェアラブル装置400の一部であってもよい。第二装置は、リストバンド、自転車用メーター、スマートフォン、ランニングウォッチ、フィットネス機器またはこれらの任意の組み合わせ等の装置の一部である。
【0025】
具体的には、上記拡張装置は、ユーザインタフェースを含むリストバンド401であってもよい。ユーザインタフェースは、ユーザのスタミナ値の数値範囲、例えば、100%〜0%を視覚的に表示させる。上記拡張装置は、自転車の後部に設置され、自転車ライダーのスタミナ値に基づいて、異なるカラーの光またはフラッシュ光を出射する表示灯402であってもよい。上記拡張装置は、スマートフォン403であってもよい。上記拡張装置がスマートフォン403である場合、情報を受信して処理することで、ユーザのスタミナ値の数値範囲、例えば、100%〜0%を必要に応じて視覚的に表示させることができる。これにより、情報を更にインターネット、例えば、ソーシャルネットワークや様々なアプリケーションにアップロードできる。
【0026】
図5は、スタミナ値と主観的運動強度(Rating of Perceived Exertion,RPE)との対応関係が示されている。また、RPEのタイプは、ボルグ数値の自覚的運動強度数値である。スタミナ値は、リアルタイム運動強度に関する計測パラメータである。疲労度、血中乳酸濃度(血流中の乳酸濃度)またはリアルタイムに運度負荷が下がった際、スタミナ値は回復する。一方、疲労度、血中乳酸濃度(血流中の乳酸濃度)またはリアルタイムに運度負荷が上がった際、スタミナ値は下がる。
【0027】
スタミナ値は、所定の範囲、例えば、100%から0%までの範囲で表示されてもよい。また、スタミナ値の少なくとも一部は、RPE数値と線形関係または非線形関係を呈する。例えば、RPEが11から13の場合、運動補助装置100を使用するユーザの運動強度は中の値であることが表示される。言い換えれば、この際ユーザは、心地よい筋肉疲労及び呼吸をしている。つまりRPEが11から13の際、スタミナ値は100%である。
【0028】
一方、RPEが15から17の場合、運動補助装置100のユーザの運動強度がかなり高い値であることが表示される。言い換えれば、ユーザが強い筋肉疲労及び粗い呼吸をしている。つまり、RPEが15から17の際、スタミナ値は0%である。
【0029】
例を挙げて詳細に説明すると、スタミナ値100%に対応するRPEは12であり、スタミナ値0%に対応するRPEは16である。この際ユーザが0%から100%まで回復できる時間は、8分から12分であることが好ましい。
【0030】
また、心臓信号を入力情報とする運動補助装置100において、RPE数値は、心拍数に線形にまたは非線形に比例している。従って、スタミナ値も心拍数に線形にまたは非線形に比例している。本発明の他の実施形態において、各ユーザのスタミナ値は、最大心拍数及び最小心拍数に基づいて所定の範囲に標準化される。
【0031】
上記実施形態において、RPE数値とスタミナ値とを対応させて標準化するために、心拍数を採用するが、実際は他の生理学的信号を適用してもよい。またもう一つ注意すべきは、スタミナ値は負値であってもよい。この負値は、スタミナカテゴリに対する自動調整の計算に適用できる。以下具体的に説明する。
【0032】
図6に示すように、スタミナカテゴリは、SC1からSC10までの10値に分類されている。異なるスタミナカテゴリは、異なる人の体力及び持久力に対応する。滅多に運動しないユーザのスタミナカテゴリは、まずカテゴリ1(SC1)に設定され、プロのスポーツ選手の場合、スタミナカテゴリは、まずカテゴリ10(SC10)に設定される。
【0033】
スタミナカテゴリは、ユーザが入力する生体情報によって決定される。またスタミナカテゴリは、運動中のユーザの反応、具体的にはスタミナ値の変化によって修正できる。例えば、運度補助装置100は、ユーザのスタミナカテゴリを決定するために、メモリモジュール104に格納されているデフォルトのデータベースを含み、ユーザの生体情報、例えば、年齢、性別、体重、身長及びユーザの運動ルーチンデータ(例えば、ユーザの前回の運動後にメモリモジュール104に格納されたスタミナカテゴリ情報)によってユーザのスタミナ値が決定される。ユーザは、ユーザの生態情報または運動ルーチンデータ(例えば、ユーザの前回の運動に関連付けられ、且つ格納されているスタミナカテゴリ)は、ユーザインタフェース103を介して入力できるまたは他の装置から取得できる
【0034】
最初に設定されたスタミナカテゴリ(例えば、ユーザの生体情報に基づいて設定されたスタミナカテゴリまたは運動補助装置100に格納されているスタミナカテゴリ)にもかかわらずユーザのスタミナ値は所定の閾値に達し、しかしユーザが重度の疲労を感じず運動を続けている場合、ユーザのスタミナカテゴリは自動的により高い値に調整される。言い換えれば、ユーザの体調が回復した際、ユーザの現在のスタミナカテゴリに基づいて、スタミナ値は適当なRPE数値に対応される。これにより、精確なスタミナ値が表示される。上記スタミナカテゴリ調整は、自動RPEメカニズムとする。
【0035】
図7に示すように、スタミナ値は、100%のスタミナ値を示す上部境界線204及び0%のスタミナ値を示す下部境界線202を含むバーで表される。バーと異なる色、形状及びスタイルを有するブロック206は、ユーザの現在のスタミナ値を示す。ユーザのスタミナ値が上がるまたは下がる時、ブロック206の色、形状またはスタイルは変わる。
【0036】
上部境界線204は、運動のため乳酸が血液に蓄積し始める嫌気閾に対応する。下部境界線202は、ユーザが疲れたと感じた時の乳酸濃度の所定の閾に対応する。各ユーザの運動強度に対する持久力は異なるので、下部境界線202の閾は、各スタミナカテゴリによって異なる。またスタミナ値は、バーの形状で表示されているが、他の表示方法によって表示されてもよい。
【0037】
図8は、嫌気閾の上記上部境界線204が、乳酸濃度が2〜6mmol/l(休憩時は、約1mmol/lである)に達した時の運動強度を示している。
【0038】
例えば、4mmol/lである乳酸濃度は、100%のスタミナ値に定義され、4mmol/l以下の任意の乳酸濃度は、ユーザが100%のスタミナ値で運動していると考えられる。
【0039】
上記嫌気閾の定義は、最大心拍数の約65%〜85%に関連する。また、ユーザの最大心拍数及び最小心拍数は、ユーザの年齢、性別、運動の休止状態、身長及び体重によって評価される。
【0040】
上記嫌気閾の定義の代わりに、乳酸濃度と心拍数との相関曲線の特定のグラディエントを100%のスタミナ値に定義することができる。例えば、100%のスタミナ値は、相関曲線における急な坂になっている手前のグラディエント値を有する点であり、また、2〜6mmol/lの乳酸濃度にほぼ対応する。
【0041】
4mmol/lの乳酸濃度は、好気性の運動と嫌気性の運動との間の閾と考えられる。好気性の運動において、酸素は、ユーザの呼吸を介して筋肉へ運ばれ、筋肉に対して運動の維持に必要とするエネルギーを提供する。嫌気性の運動において、運動強度が十分に高いので乳酸の形成を引き起こす。これにより、持続的な不快感及び疲労が引き起こされる。
【0042】
図9に示すように、乳酸濃度が2〜6mmol/lである時、特定のスタミナカテゴリを持つユーザのスタミナ値を100%に設定する。ユーザが運動をし続けていると、乳酸濃度は高くなり、スタミナ値は下がっている。乳酸濃度が閾値に達すると、例えば、t1時間にL1の乳酸濃度に達すると、ユーザのスタミナ値は実質上0%に達する。即ち、ユーザの自覚的運動強度数値は、ほぼ15から17の範囲にある。この際、当該ユーザに対して、運動強度を弱めて、蓄積された乳酸を除去するよう促す。これにより、スタミナ値はt1からt2までの時間内に、0%から100%まで回復する。ここで注意すべきは、運動または試合の際中に0%から100%までの回復は必要ではないが、ユーザにとって、運動中または試合中のパフォーマンスを向上させるために、0%からあるパーセンテージまでの回復が必要である点である。
【0043】
図7に示す下部境界線202は、乳酸濃度が所定の値、例えば、4mmol/l以下に減る時間、即ち上記t1からt2までの時間に基づいて決定される。スタミナカテゴリにかかわらず、異なるユーザが完全に回復する時間はほぼ同じである。例えば、0%から100%までのスタミナ値までに回復する時間は約8分から12分である。
【0044】
図10に示すように、本発明の少なくとも1つ実施形態において、スタミナ値を推定する方法は、ステップS101〜S106を含む。
【0045】
S101において、運動補助装置100は、第一に、ユーザの生体情報または運動補助装置100に格納されているスタミナカテゴリによって、ユーザの最初のスタミナカテゴリ及びスタミナ値を設定する。この格納されたスタミナカテゴリは、前回の運動中におけるユーザの体調に関連する。
【0046】
S102において、センサモジュール103を介してユーザの生理学的情報を取得する。生理学的情報Ptは、現在の心拍数、活動強度、酸素消費量またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0047】
S103において、スタミナ差(ΔS)は、生理学的情報Pt、現在のスタミナ値S
t、最初のスタミナカテゴリ及び生体情報に基づいて計算される。
【0048】
S104において、後続のスタミナ値S
t+1は、S
tとΔSとを加えて算出される。S105において、スタミナ値が特定の閾まで下がるまたは特定の閾まで上がる場合、ユーザにお知らせを送信する。S106において、最初のスタミナカテゴリは、S
t+1(例えば、SC3からSC4まで)に従って、現在の値を維持するまたはより高い値に調整する。
【0049】
運動補助装置100は、最初のスタミナカテゴリの調整に基づいて、格納されているスタミナカテゴリの情報をアップデートする。また、S102からS106までのステップは、運動補助装置100で繰り返して実行されているので、自動的なRPEメカニズムは、ユーザの運動中または試合中において効果的に維持されている。
【0050】
図11に示すように、スタミナ値が0%に等しく、実質上0%に等しくまたは予め設定された50%より高い/50%に届かない値である場合、お知らせを送信する。例えば、スタミナ値が60%、30%または0%の場合お知らせを送信する。また、スタミナ値が30%または60%まで回復した場合もお知らせを送信する
【0051】
ユーザがお知らせを受け取ることができさえすれば、前記お知らせは、他の方法によって通知してもよい。例えば、ユーザが運動強度を下げることで疲労または他の健康問題を少なくさせるために、ユーザにユーザインターフェース103によって送信される音によるお知らせ、視覚的なお知らせまたは振動によるお知らせであってもよい。また、異なるスタミナ値に応じて、異なるタイプのお知らせを設定することもできる。例えば、スタミナ値が60%から30%まで下がる時、3つの短い振動のお知らせが適用され、スタミナ値が30%から0%まで下がる時、1つの長い振動のお知らせが適用され、スタミナ値が0%から30%まで上がるまたはスタミナ値が30%から60%まで上がる時、1つの短い振動のお知らせが適用される。
【0052】
図12に示すように、本発明の少なくとも1つ実施形態において、スタミナカテゴリを調整する方法は、ステップS201〜S203を含む。
【0053】
図12に示すように、S201において、スタミナ値が第一閾(または予め設定された第一値)、例えば、0%まで下がると、ユーザにお知らせを送信する。S202において、ユーザはこのお知らせによって運動強度を下げると、スタミナ値は第一閾まで回復し始め、現在のスタミナカテゴリを変更せずに調整がここで終了する。
【0054】
S203において、ユーザがS202のお知らせを無視し、スタミナ値が第二閾(または予め設定された第二値)、例えば、マイナス40%以下に下がるまで運動をし続けると、スタミナカテゴリはより高い値まで(例えば、SC3からSC4まで)調整される。
【0055】
S204において、ユーザがS202のお知らせを無視して運動をし続け、スタミナ値が、第一予め設定された値と第二予め設定された値との間、例えば、0%とマイナス40%との間でしかも4分から6分までの第一期間(予め設定された時間)より長い時間まで維持されると、スタミナカテゴリはより高い値まで(例えば、SC3からSC4まで)調整される。また、スタミナ値が継続的に第一予め設定された値と第二予め設定された値との間の第一期間(予め設定された時間)より短い時間で維持されている場合、スタミナカテゴリは変更されず調整はここで終了する。
【0056】
スタミナカテゴリは、一定の時間においてユーザの運動強度により増減する。異なるスタミナカテゴリの異なるユーザは、この一定の期間で異なるスタミナ値を消費する。例えば、同様の条件下で、スタミナカテゴリ3のユーザ(SC3)が0%までスタミナ値を消費する速度は、スタミナカテゴリ5のユーザ(SC5)が0%までスタミナ値を消費する速度より速い。原因として、SC5のユーザがSC3のユーザに比べてより多くのスタミナを持つからである。
【0057】
従って、ユーザの最初スタミナカテゴリの選択が適切でないと、スタミナ値が0%に下がった際、ユーザは重度の疲労を感じず運動を続ける。故に、運動及び試合中に突然故障を引き起こすなどの事態が引き起こされる。つまり、スタミナ値の精確性及び有効性は、ユーザの体調によって設定されたスタミナカテゴリに基づく。スタミナカテゴリは
図12に示す方法によって自動的により高い値に調整できる。
【0058】
図13は、スタミナカテゴリが自動的に調整される2つの条件を示す図である。第一条件下において、最初スタミナカテゴリがSC3であるユーザが、そのスタミナ値が0%以下に達し、しかもユーザがお知らせを無視してスタミナ値がマイナス40%以下に下がるまで運動をし続けると、ユーザのスタミナカテゴリは自動的にSC4に調整される。
【0059】
第二条件下において、最初スタミナカテゴリがSC4であるユーザが、そのスタミナ値が0%以下に達し、しかもユーザがお知らせを無視して運動をし続け、スタミナ値が0%とマイナス10%との間で第一期間(例えば5分)時間を越えると、ユーザのスタミナカテゴリは自動的にSC5に調整される。
【0060】
図14Aに示すように、ユーザの平均心拍数は乳酸濃度と正の相関を持ち、この正の相関は、線形回帰モデル、非線形回帰モデル、区分的関数、他の数学的なモデルまたはこれらの任意の組み合わせによって仮定できる。これにより、ユーザの心拍数により血流に蓄積された乳酸に関する乳酸濃度を推定することができる。
【0061】
図14Bに示すように、心拍数は、RPE数値と正の相関を持つまたはほぼ比例する。故に、乳酸濃度は、RPE数値と正の相関を持つ。乳酸濃度が低い時、ユーザは運動中に、「軽い/簡単」と感じ、乳酸濃度が高い時、ユーザは運動中に、「重い/困難」または「持続不可能」と感じる。
【0062】
図14A〜
図14Cに示すように、スタミナ値は、乳酸濃度及びPREに直接に関連する。また、スタミナ値は、
図7に示すバー状のスタミナ値のインジケータで表される。例えば、
図14Cの左側は、乳酸濃度が予め設定された閾まで上達し、この時スタミナ値は100%であることを示している。
図14Cの右側の白色及び黒色の矢印は、乳酸濃度が上記線形または非線形数学モデルに従って増加すると、スタミナ値のインジケータは減り始めることを示している。
【0063】
図15A及び
図15Bに示すように、血流に蓄積された乳酸濃度は、心拍数以外の他の生理学的信号に基づいて推定可能である。例えば、センサモジュール101によって監視されているユーザの運動強度または酸素消費量の信号は、乳酸濃度と正の相関を持ち、この正の相関は、線形回帰モデル、非線形回帰モデル、区分的関数、他の数学的なモデルまたはこれらの任意の組み合わせによって仮定できる。
【0064】
スタミナ値は、一定の期間、例えば、訓練、競技/試合、挑戦等の期間において記録される。またスタミナ値の記録は、ソーシャルネットワークにアップロードして共有できる。詳細に説明するために、スタミナ値の記録は、ユーザの異なる応用の要求を満たすために、様々なパラメータと組み合わせることができる。例えば、スタミナ値は、心拍数、速度、時間、マップ、温度、湿度、高度、消費カロリー、運動効率、推定される最大の運動変位の少なくとも1つまたはこれらの組み合わせである。またこのスタミナ値の記録は、リアルタイムにまたは一定の時間後に発表するまたはエクスポートすることができる。
【0065】
ユーザは、先ずスタミナ値の記録の履歴に戻って参照することで、異なる距離、速度、地形、温度及び天候の条件下、自分のスタミナ値の変化を推定し、次の運動のために自身の速度及びルートを調整できる。またユーザは、数日または数週間にわたって同じコースで自分のスタミナ値の変化を監視することで体力の増加を評価できる。
【0066】
図16に示すように、ユーザのスタミナ値は、一定時間においてユーザの運動速度に相関する。例えば、ユーザが5キロメートルのランニングを完走した後、10%のスタミナ値が残っているが、ここで運動補助装置100は、ユーザが100%のスタミナ値を使い果たす総ランニング距離を推定できる。
【0067】
残る10%のスタミナ値がサポートできる残りの距離は、ユーザの瞬時速度とスタミナの消費時間とを乗じて算出する。上記残りの距離は、未使用のスタミナのパーセンテージによって推定される距離である。例えば、残った10%のスタミナ値がサポートできる残りの距離を1キロメートルに推定すると、当該運動補助装置100は、ユーザに対して100%のスタミナで6キロメートルのランニング運動量をサポートできると通知する。
【0068】
推定された最大の運動変位は、トレーニング計画を設定することに用いられる。例えば、ユーザは、1日目に行う運動の距離と後日行う運動距離における各異なる距離を目標とするトレーニング計画を設定することができる。例えば、運動補助装置100は、1日目のユーザが運動した距離は10キロメートルであることが表示されたが、推定された最大運動変位は11キロメートルであるため、未使用のスタミナのパーセンテージによって推定された距離は1キロメートルであることがわかる。3日目において、推定された最大の運動変位は22キロメートルまで上がっている。つまり、運動補助装置100を使用するユーザは適当な評価の下、4日目に22キロメートルのランニングができるように準備できる。
【0069】
各ユーザのスタミナ値が0%から100%までの範囲で標準化されるので、異なるスタミナカテゴリを持つ異なるユーザは、スタミナ値の記録をそれぞれ比較して、運動負荷分布を調整できる。他の実施形態において、ジムのコーチは、あるクラス中の全てのメンバーのスタミナ値を監視し、これに応じて運動負荷を各自調整するよう各メンバーに通知できる。
【0070】
図17に示すように、スタミナ値の記録は、GPSデータと共に利用し、且つ地図と関連させることで、大部分のユーザのスタミナ値が急劇的に減少する位置、例えば、急な坂道を推定できる。
【0071】
上記情報は、食品店等のオーナーが店を建てる際に有利である。また、上記情報をビデオレコーダーまたはカメラ等の他の特定の装置によって取得された情報とを組み合わせてもよい。これにより、ユーザのスタミナ値を含むユーザのビデオをインターネットを介して視聴できる。
【0072】
図18に示すように、ユーザのスタミナ値は、数学モデルによってユーザのカロリー消費に対応できる。例えば、ユーザが穏やかなペースで運動をしている場合、スタミナ値の穏やかな減少は連続したカロリー消費に対応する。運動中における総カロリー消費は、連続するカロリー消費と運動の総時間とを乗じて算出できる。例えば、ユーザがt1で運動負荷を増加すればカロリー消費は高くなるがユーザは長時間この運動負荷が維持できない。故に、総カロリー消費はt1後に下がる。仮にユーザの主な目的がカロリーの燃焼を最大化することで体重を減らすことであれば、運動補助装置100は、運動負荷(例えば、スタミナ値が減る速度)と総カロリー消費との関係を明らかにし、ユーザに適切な運動負荷を示唆するお知らせを送信する。
【0073】
本発明の1つの実施形態において、スタミナ値は、好気性エネルギーと嫌気性エネルギーとの組み合わせであり、スタミナ値が好気性エネルギー及び嫌気性エネルギーに正の相関を持ち、この正の相関は、線形回帰モデル、非線形回帰モデル、区分的関数、他の数学的なモデルまたはこれらの任意の組み合わせによって仮定できる。
【0074】
図19に示すように、生理学的データに基づいてスタミナ値を推定する方法は、
ユーザインタフェース103から生体的情報を受信するステップS301と、
センサモジュール101によって生理学的データP
tを計測するステップS303と、
処理モジュール102によって生理学的データP
tに基づいて嫌気性エネルギー値のパーセンテージを推定するステップS305と、
処理モジュール102によって生理学的データP
t及び生体情報に基づいて好気性エネルギー値のパーセンテージを推定するステップS307と、
処理モジュール102によって嫌気性エネルギー値のパーセンテージ及び好気性エネルギー値のパーセンテージに基づいてスタミナ値のパーセンテージを推定するステップS309と、を備える。
【0075】
本発明の1つの実施形態において、S301がS307の前に位置し、且つS303がS305及びS307の前に位置しさえすれば、S301、S303、S305及びS307の順序は変更できる。
【0076】
本発明の1つの実施形態において、生体的情報は、身長、体重、年齢、性別等の少なくとも1つを含む。
【0077】
本発明の1つの実施形態において、生理学的データP
tは、EKG信号、心拍変動、パルス、心拍数、呼吸パターン、体温、血糖値、血圧、グリコーゲン濃度、酸素濃度等の少なくとも1つを含む。毎回生理学的データP
tを計測する際、この生理学的データP
tを後方で使用するためにメモリモジュール104に格納するまたは嫌気性エネルギー及び好気性エネルギーを推定するための処理モジュール102に送信する。
【0078】
本発明の1つの実施形態において、スタミナ値(St%)を処理モジュール102によってRPE数値に対応させ、且つユーザインタフェース103によってユーザに出力する。
【0079】
本発明の1つの実施形態において、嫌気性エネルギー値は、乳酸濃度の蓄積に相関し、且つ嫌気性エネルギー値は、残りのカロリー消費に相関する。本実施形態において、スタミナ値(S
t%)は、乳酸濃度の蓄積及びカロリー消費に基づいて線形回帰モデル、非線形回帰モデル、区分的関数、他の数学的なモデルまたはこれらの任意の組み合わせによって推定される。
【0080】
図20は本発明の1つの実施形態であり、生理学的データに基づいて嫌気性エネルギーを推定する方法であり、この方法は
図19に示すステップS305を展開させた方法である。
【0081】
生理学的データに基づいて嫌気性エネルギーを推定する方法は、
メモリモジュール104から嫌気性エネルギーカテゴリ(anaerobic_c)及び最大嫌気性エネルギー値(anaerobic
max)等の推定の設定を得るステップS401と、
メモリモジュール104から前回の嫌気性エネルギー値(anaerobic
t−1)を得るステップS403と、
メモリモジュール104から生理学的データPtを得るステップS405と、
処理モジュールによって、生理学的データPt、嫌気性推定の設定及び前回の嫌気性エネルギー値(anaerobic
t−1)に基づいて嫌気性エネルギー値(anaerobic
t)を推定するテップS407と、
嫌気性エネルギー値(anaerobic
t)、最大嫌気性エネルギー値(anaerobic
max)及び最小嫌気性エネルギー値(anaerobic
min)を利用して、処理モジュール102によって嫌気性エネルギー値のパーセンテージ(anaerobic
t%)を計算するステップS409と、を備える。
【0082】
本発明の1つの実施形態において、S401、S403及びS405の順序は変更可能である。
【0083】
本発明の1つの実施形態において、S405において、生理学的データP
tは、メモリモジュール104から得ずにセンサモジュール101によって計測してもよい。これにより、嫌気性エネルギーの推定方法は、
図19に示す方法に関係なく実行できる。
【0084】
本発明の1つの実施形態において、嫌気性エネルギーカテゴリ(anaerobic_c)は、乳酸酸希釈率または乳酸酸産生率であってもよい。
【0085】
本発明の1つの実施形態において、嫌気性エネルギー値は、ユーザの乳酸濃度の蓄積であり、最大嫌気性エネルギー(anaerobic
max)は、理論的に人が耐えることができる最大乳酸濃度である。最大乳酸濃度は、嫌気性に対する推定の設定の調整によって変化する。例えば、プロのスポーツ選手は一般のランナーより高い乳酸濃度に耐えることができる。また、同じ人でも異なる乳酸濃度に耐えることができる。例えば、一定の時間に運動を休止する人は、以前から低い乳酸濃度に耐えることができる。もう1つの例として、定期的に運動する人は、以前から高い乳酸濃度に耐えることができる。従って、最大嫌気性エネルギー(anaerobic
max)は、特定の値に予め設定できる。また毎回運動補助装置100がスタミナ値(S
t%)を推定する時、最大嫌気性エネルギー(anaerobic
max)を調整する。或いは、ユーザが運動補助装置100をオンにするまたはオフにした時調整を実行する。嫌気性推定の設定の調整方法を以下に説明する。
【0086】
本発明の1つの実施形態において、最小嫌気性エネルギー(anaerobic
min)はユーザの運動中において維持でき、且つ急激に増加されない乳酸濃度である。この際、最小嫌気性エネルギー(anaerobic
min)は、
図8に示すように、4mmol/Lに設定される。最小嫌気性エネルギー(anaerobic
min)は、運動補助装置100上に予め設定された定数またはユーザがインタフェース103を介して入力した定数である。
【0087】
本発明の1つの実施形態において、最近記録の嫌気性エネルギー値(anaerobic
t-1)は、メモリ104に格納されている最近の嫌気性エネルギー値からの値である。ユーザが運動補助装置100を使用して運動する場合、最近の記録の嫌気性エネルギー値(anaerobic
t-1)は、最小嫌気性エネルギー(anaerobic
min)に等しい。
【0088】
図21は、生理学的データにより好気性エネルギーを推定する方法を示している。この方法は、
図19に示すステップS307を展開させた方法である。
【0089】
生理学的データに基づいて、嫌気性エネルギーを推定する方法は、
メモリモジュール104から好気性エネルギーカテゴリ(anaerobic_c)及び最近の記録の好気性エネルギー値(anaerobic
t-1)等の好気性に対する推定の設定を得るステップS501と、
メモリモジュール104から生体情報を得るステップS503と、
メモリモジュール104から生理学的情報P
tを得るステップS505と、
処理モジュール102によって、生理学的データP
t、生体情報、最近の記録の好気性エネルギー値(aerobic
t-1)及び好気性エネルギー定数(aerobic_constant)に基づいて好気性エネルギー値(aerobic
t)を推定するテップS507と、
好気性エネルギー値(aerobic
t)及び好気性エネルギーカテゴリ(aerobic_c)を利用して、処理モジュール102によって好気性エネルギー値のパーセンテージ(aerobic
t%)を計算するステップS509と、を備える。
【0090】
本発明の1つの実施形態において、S501、S503及びS505の順序は変更可能である。
【0091】
本発明の1つの実施形態において、S505において、生理学的データP
tは、メモリモジュール104から得ずにセンサモジュール101によって計測することができる。これにより、好気性エネルギーの推定方法は、
図19に示す方法に関係なく実行できる。
【0092】
本発明の1つの実施形態において、好気性エネルギーカテゴリ(aerobic_c)は、ユーザの好気性エネルギーの容量であり、aerobic_cは、メモリモジュール104に格納され、予め設定された値である。高いaerobic_cは、高い好気性エネルギー容量、即ち、ユーザが高い持久力を持つことを示す。従って、S509において推定された好気性エネルギー値のパーセンテージは、残る好気性エネルギー値の好気性エネルギー容量に対するパーセンテージである。
【0093】
本発明の1つの実施形態において、最近の記録の好気性エネルギー値(aerobic
t−1)は、メモリ104に格納されている前回の好気性エネルギー値からの値であり、ユーザが運動補助装置100を使用して運動する場合、最近の記録の好気性エネルギー値(aerobic
t-1)は、好気性エネルギーカテゴリ(aerobic_c)に等しい。
【0094】
本発明の1つの実施形態において、好気性エネルギー定数(aerobic_constant)は、一般の人が運動をしない時に消費する好気性エネルギーの速度である。この速度は、運度補助装置100に予め設定されている定数である。ここで注意すべき点は、ユーザが常に好気性エネルギーを消費する点である。寝ている時でさえ好気性エネルギーは消費される。従って、ユーザが運動する時、好気性エネルギー消費は、好気性エネルギー定数より高いが、ユーザが回復した時、ユーザの好気性エネルギー消費は、好気性エネルギー定数より低い。言い換えれば、ユーザが運動した時の残りの好気性エネルギー消費は正数であり、ユーザが回復した時の残りの好気性エネルギー消費は負数である。
図19に示すように、好気性エネルギーは、残りのカロリー消費量に相関する。残りのカロリー消費量は、ユーザの好気性エネルギー消費と好気性エネルギー定数との差である。従って、aerobic_cから残りのカロリー消費量を引くとS507に推定されたユーザの好気性エネルギー値(aerobic
t)になる。
【0095】
図22は、
図19に示す生理学的データに基づいてスタミナ値(S
t%)を推定する方法と、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る設定の調整を組み合わせてスタミナ値(S
t%)を推定する方法である。
【0096】
本発明の1つの実施形態において、嫌気性エネルギー及び好気性エネルギーの設定を調整することで、スタミナ値(S
t%)を推定する方法を改善できる。また、このスタミナ値を推定する精確性を向上させるために、嫌気性エネルギー及び好気性エネルギーの設定をアップデートしてもよい。
図20及び
図21の方法を実行する際、嫌気性エネルギー及び好気性エネルギーの設定において、常に実際のユーザの体調を表すことはできない。従って、嫌気性エネルギー値及び好気性エネルギー値を推定した後で、嫌気性エネルギー及び好気性エネルギーの設定をアップデートする。
【0097】
図22に示すように、
図19の方法を実行した後で、嫌気性エネルギー値(anaerobic
t)に基づいて、処理モジュール102によって嫌気性推定の設定を調整するステップS311と、
好気性エネルギー値(aerobic
t)に基づいて、処理モジュール102によって好気性推定の設定を調整するステップS313と、を実行する。
【0098】
本発明の1つの実施形態において、S311は、S305の後で任意の時間に実行でき、S313は、S307の後で任意の時間に実行できる。
【0099】
図23に示すように、
図22に示す方法の嫌気性推定の設定を調整する方法は、
処理モジュール102により嫌気性エネルギー値(anaerobic
t)と最大嫌気性エネルギーの関数f(anaerobic
max)とを比較して、嫌気性エネルギー値がf(anaerobic
max)より大きいまたは同じである場合、S603を実行し、an嫌気性エネルギー値がanaerobic
maxより小さい場合、S607を実行するステップ601と、
ユーザインタフェース103によってユーザにお知らせを送信するステップS603と、
センサモジュール101によりユーザが運動強度を低減したかどうかを検知して、ユーザが運動強度を低減した場合、S609を実行し、低減しなかった場合、ステップを停止する(終了する)ステップS605と、
処理モジュール102により嫌気性エネルギー値(anaerobic
t)と嫌気性閾とを比較して、X分内で嫌気性エネルギー値が嫌気性閾より大きいまたは同じである場合、S603を実行し、X分内で嫌気性エネルギー値が嫌気性閾より小さい場合、ステップを停止する(終了する)ステップS607と、
t+1時間のために、嫌気性エネルギーカテゴリをanaerobic_c+1に増加させることで嫌気性に対する推定の設定をアップデートし、嫌気性エネルギー値が、次の嫌気性エネルギー値の推定のための新たな最大嫌気性エネルギーとなるステップS609と、を含む。
【0100】
本発明の1つの実施形態において、最大嫌気性エネルギーの関数f(anaerobic
max)、例えば、最大嫌気エネルギーの関数f(anaerobic
max)、例えばf(anaerobic
max)=2.5*anaerobic
max)は予め設定され、且つメモリモジュール104に格納される。或いは、最大嫌気性エネルギーの関数f(anaerobic
max)は、ユーザ自身によって代替できる値を設定できる。例えば、最大嫌気エネルギー値が乳酸濃度である場合、その関数は、10mmol/l等の値によって代替される。最大嫌気性エネルギー値が12mmol/lと推定された場合、運動補助装置100は、ユーザにお知らせを送信する。
【0101】
本発明の1つの実施形態において、予め設定された嫌気性閾及びX分は、メモリモジュール104に格納されてもよい。或いは、予め設定された嫌気性閾及びX分は、ユーザによって設定されてもよい。例えば、嫌気性エネルギー値が乳酸濃度である場合、嫌気性閾は、6mmol/lであり、X分は5分である。推定された嫌気性エネルギー値が5分内で7mmol/lに維持された場合、ユーザにお知らせを送信する。
【0102】
S609において、anaerobic_c+1は、予め設定された量、例えば、一定の値またはパーセンテージで嫌気性エネルギー値を上げてなる。例えば、anaerobic_c+1は、1mmol/lまたは5%で乳酸希釈率を上げてなるまたは乳酸の生産率を下げてなる。次の嫌気性エネルギー値の推定において、新たな最大嫌気性エネルギー(anaerobic
max)は、嫌気性エネルギー値または最大嫌気性エネルギー(anaerobic
max)からの予め設定されたインクリメントであってもよい。
【0103】
本発明の1つの実施形態において、S603のお知らせは、視覚的なお知らせ、音によるお知らせまたは振動によるお知らせ等のお知らせである。
【0104】
本発明の1つの実施形態において、S605において、センサモジュール101は、生理学的データP
tによって、ユーザが運動強度を低減したかどうかを検知する。例えば、センサモジュール101によって検知された生理学的データP
tは心拍数である。時間tで検知された心拍数が前回記録された心拍数より低い場合、即ちP
t<P
t−1である場合、運動補助装置100は、ユーザが運動強度を低減した判断する。
【0105】
運動補助装置100がユーザの体力及び持久力を過小評価している場合、嫌気性の推定の設定を調整する方法を実行する。ユーザがS601またはS607の条件を満たし、且つ運動補助装置100が運動強度の減少を示す生理学的データP
tの変化を検知しなかった際、運動補助装置100は、ステップS609のように嫌気性推定の設定を調整する。嫌気性エネルギー値が乳酸濃度である場合、S609の調整は、最大嫌気エネルギーの増加だけでなく、次の嫌気エネルギー推定のための嫌気エネルギー推定の設定として乳酸希釈率を増加するまたは乳酸の生産率を低減する。
【0106】
図24は、本発明の1つの実施形態に係るスタミナ値を推定する方法を示しており、この方法は、
図22に示すステップS313のさらに詳細な内容である。
【0107】
図24に示すように、好気性推定の設定を調整する方法は、
処理モジュール102によって、好気エネルギー値(aerobic
t)と最小好気性エネルギー閾とを比較して、好気エネルギー値が最小好気性エネルギー閾より小さいまたは等しい場合、S703を実行し、好気エネルギー値が最小好気性エネルギー閾より大きい場合、ステップを停止する(終了する)ステップS701と、
ユーザインタフェース103によってユーザにお知らせを送信するステップS703と、
センサモジュール101によりユーザが運動強度を低減したかどうかを検知し、ユーザが運動強度を低減した場合、S707を実行し、低減しなかった場合、ステップを停止する(終了する)ステップS705と、
時間t+1のために、好気性エネルギーカテゴリをaerobic_c+1に増加させることで、好気性推定の設定を調整し、最近記録された好気性エネルギー値(aerobic
t-1)が、(aerobic
t-1)=f(aerobic_c+1、aerobic
t%)にアップデートされるステップS707と、を備える。
【0108】
本発明の1つの実施形態において、最小好気性エネルギー閾は予め設定され、且つメモリモジュール104に格納される。例えば、最小好気性エネルギー閾は好気性エネルギーカテゴリ(aerobic_c)の5%である。
【0109】
本発明の1つの実施形態において、S703のお知らせは、視覚的なお知らせ、音によるお知らせまたは振動によるお知らせ等のお知らせである。
【0110】
本発明の1つの実施形態において、S705において、センサモジュール101は、生理学的データP
tによってユーザが運動強度を低減したかどうかを検知する。例えば、センサモジュール101によって検知された生理学的データP
tは心拍数である。時間tで検知された心拍数が前回に記録された心拍数より低い場合、即ちP
t<P
t−1である場合、運動補助装置100は、ユーザが運動強度を低減した判断する。
【0111】
S707において、aerobic_c+1は、予め設定された量、例えば、一定の値またはパーセンテージによって好気エネルギー値を上げてなる。例えば、aerobic_c+1は、次の好気性エネルギー推定に用いられる新たな好気性エネルギー容量として、数値1または5%好気エネルギー値を上げてなる。次の好気性エネルギー値の推定のための最近記録された好気性エネルギー値(aerobic
t-1)をこれに応じて調整される。例えば、aerobic
t-1=新たな好気性エネルギー容量*aerobic
t%で調整される。
【0112】
運動補助装置100がユーザの体力及び持久力を過小評価した場合、好気性に対する推定の設定を調整する方法を実行する。ユーザがS701の条件を満たし、且つ運動補助装置100が運動強度の減少を示す生理学的なデータP
tの変化を検知しなかった時、運動補助装置100は、ステップS709のように嫌気性に対する推定の設定を調整する。好気性エネルギー値が残りのカロリー消費量に相関する場合、ステップS707の調整において、好気エネルギー容量(aerobic_c)の増加だけでなく、これに応じて、次の好気エネルギー推定のための好気推定の設定とする好気性エネルギー値(aerobic
t-1)を増加させる。
【0113】
図25は、本発明1つの実施形態において、総最大カロリー消費を推定する方法を示している。
図25に示すように、ユーザは、常に好気性エネルギーを消費している。従って、好気性エネルギー消費量は低減されずに増加していく。ユーザが運動補助装置100を使用してスタミナ値(S
t%)を監視する時、各好気性エネルギー値の推定は、スタミナ値(S
t%)と共に記録されてメモリモジュール104に格納される。従って、aerobic
t-1から好気性エネルギー値を引くと、好気性エネルギー消費差(Δaerobic)となる。また、一組の好気性エネルギーデータ(aerobic_data)として、各好気性エネルギー消費差と、スタミナ値(S
t%)とを組み合わせてもよい。上記のように、好気エネルギー値は、残りのカロリー消費に相関するので、好気性エネルギー消費差は、t−1からtまでのカロリー消費の差である。故に、実際のカロリー消費量は、Δaerobicとaerobic_constantとの和である、
【0114】
図25に示すように、処理モジュール102及びメモリモジュール104によって、ユーザのカロリー消費を推定する方法は、
メモリモジュール104からスタミナ値(S
t%)及びt−1からtまでの好気性エネルギー消費差を含む複数組の好気性エネルギーデータ(aerobic_data)を得るステップS801と、
複数の好気性エネルギー消費量差にそれぞれ1つの好気性定数(aerobic_constant)を加えて複数の和を取得し、以上の複数の和の総数を計算する総カロリー消費となるステップS803と、
各組の好気性エネルギーデータ(aerobic_data)に対して、スタミナ値(S
t%)が以前の複数組の好気性エネルギーデータ(aerobic_data)からの前回のスタミナ値(S
t−1%)より小さいか大きいまたは等しいかを判断し、S
t%がS
t−1%より小さい場合、S807を実行するステップS805と、
S805の条件を満たす、即ち、S
t%がS
t−1%より小さい全ての好気性エネルギーデータ(aerobic_data)をメモリモジュール104に格納するステップS807と、各組の好気性エネルギーデータ(aerobic_data)に対して、好気エネルギー消費量差、好気性定数(aerobic_constant)、スタミナ値(S
t%)、前回のスタミナ値(S
t−1%)及び加重変数の関数によって、効果的なカロリー消費率(eff_calorie_rate)を計算するステップS809と、
公式Σ(eff_calorie_rate) * (S
t%) +calorie_totalで、即ち、S809に格納されている各組の好気性エネルギーデータ(aerobic_data)の有効カロリー消費率(eff_calorie_rate)の総数を複数組のaerobic_dataの最近記録されたスタミナ値(S
t%)と乗じた後、総カロリー消費(calorie_total)を加えて、総最大カロリー消費量を推定するステップS811と、を備える。
【0115】
本発明の1つの実施形態において、S803をS801とS811との間の任意の時間に実行してもよい。
【0116】
ユーザは、自身のスタミナ値(S
t%)が0に達する前に、あとどのくらいカロリーを燃焼できるかを知らせたい場合、カロリーの総量総当該最大カロリー消費量を推定する方法は適用できる。
【0117】
本発明の1つの実施形態において、S803において、総カロリー消費(calorie_total)をユーザインタフェース103によって出力するので、ユーザが今まで消費したカロリーを追跡できる。また、総カロリー消費を総最大カロリー消費から引いてユーザに出力するので、ユーザが最近記録されたスタミナ値である残ったスタミナを使い果たした際、消費したカロリーの量が分かる。
【0118】
本発明の1つの実施形態において、総カロリー消費及び/または総最大カロリー消費を、視覚的なお知らせ、音によるお知らせまたは振動によるお知らせ等のお知らせによってユーザに出力する。
【0119】
本発明の1つの実施形態にいて、格納された各組の好気データは異なる加重変数を持つ。仮にスタミナ値(S
t%)の消費の各パーセントが等しい時間を必要とする場合、加重変数は、ユーザが消費するスタミナ値の各パーセントの点で好気性エネルギー消費の貢献を表す。格納された好気データの1つの特別な組に対して、カロリー燃焼の貢献は、該格納された好気データの特別な組からの好気性エネルギー消費差が全ての格納された好気データからのエネルギー消費差(Δaerobic)の総数に対する比率である。
【0120】
本発明の1つの実施形態において、有効カロリー消費率(aerobic)は、スタミナを実際に消費する際のカロリー消費量の比率である。言い換えれば、有効カロリー消費率(eff_calorie_rate)は、ユーザがスタミナ値の各パーセントを消費する際の燃焼するカロリーの量である。
【0121】
図26は、本発明の1つの実施形態係る総最大運動変位の推定方法を示している。ユーザは、運動補助装置100を使用してスタミナ値(S
t%)を監視できると同時に、各スタミナ値(S
t%)を、t−1からtまでセンサモジュール101に設置された運動センサ(図示せず)に検出された変位値(ΔDis)と共に記録し、且つメモリモジュール104に格納できる。センサモジュール101は運動センサを含む。該運動センサは、ジャイロスコープ、加速度計、歩数計、ケイデンスモニタ、速度計、GPS受信機またはパワーメータのうちの1つであり、しかも直接にまたは間接的に速度、高度、傾き等のリアルタイム変位情報を提供する。また、各変位値(ΔDis)は、スタミナ値(St%)と組み合わせて一組の運動データ(ex_data)としてもよい。運動センサは、ユーザの運動力、ケイデンス(例えば、パドリング周波数、ステップ周波数等)、変位情報等を計測する。
【0122】
図26に示すように、処理モジュール102及びメモリモジュール104により実行するユーザの総最大運動変位の推定方法は、
メモリモジュール104からt−1からtまでのスタミナ値(St%)及び変位値(ΔDis)を含む複数組の運動データ(ex_data)を取得し、ステップS901と、
全ての変位値(ΔDis)の総数である総運度変位(dis_total)を計算するステップS903と、
各組の運動データ(ex_data)のスタミナ値(S
t%)が前の一組の運動データ(ex_data)のスタミナ値(S
t−1%)より大きいか小さいかを判断し、S
t%がS
t−1%より小さい場合、S907を実行するステップS905と、
S905の条件を満たす、即ち、各組の運動データ(ex_data)のスタミナ値(S
t%)が前の一組の運動データ(ex_data)のスタミナ値(S
t−1%)より小さい全ての運動データ(ex_data)をメモリモジュール104に格納するステップS907と、
各組の格納された運動データ(ex_data)に対して、変位値(ΔDis)、スタミナ値(St%)、前の一組のスタミナ値(S
t−1%)及び加重変数の関数によって、有効運動変位比率(eff_dis_rate)を計算するステップS909と、
S909から各組の格納された運動データ(ex_data)の有効運動変位率(eff_dis_rate)の総数を最近記録された複数組の運動データのスタミナ値(S
t%)に乗じた後、総運動変位(dis_total)を加える、即ち、公式Σ(eff_dis_rate)*最近記録されたスタミナ値(S
t%)+dis_totalで総最大運動変位を推定するステップS911と、を備える。
【0123】
本発明の1つの実施形態において、S903をS901とS911との間の任意の時間に実行してもよい。
【0124】
本発明の1つの実施形態において、S903において、総運動変位(dis_total)を、ユーザインタフェース103によって出力するので、ユーザが今までの変位、例えば、ランニングの距離、登頂した際の高さを追跡できる。また、総運動変位は、最大総運動変位から引いてユーザに出力するので、ユーザが最近記録されたスタミナ値である残りのスタミナを使い果たした際に変位の量が分かる。ユーザは、運動強度を調整することで希望の運動変位を得ることができるので、ユーザに対して極めて有用である。例えば、ユーザが10kmのサイクリングを予定し、運動補助装置100が総最大運動変位を8kmに推定すると、ユーザインタフェース103によってお知らせがユーザに送信される。これにより、スタミナ消費を下げるためにユーザは減速し、残るスタミナによってユーザは、8km以上サイクリングできる。運動補助装置100が総最大運動変位は12kmであると推定した場合、ユーザは、サイクリング速度を上げて10kmに達することができる。また、運動補助装置100は、ユーザが10kmの目標を達する前提下で、ユーザの最大サイクリング速度を示唆するため、ユーザが消費するスタミナ値のユーザのサイクリング速度に対する比率を計算する。また、運動補助装置100は、10kmの目標を達成する前提下で、ユーザの攻撃(例えば、ユーザが自転車に乗っている際、他の自転車ライダーとの間で距離を取りたいために急にまたはやや加速する)回数を計算する。この計算は、ユーザが攻撃するために、犠牲にする必要がある最大運動変位の値を予め設定することで実行される。例えば、ユーザが各攻撃のために3kmの最大運動変位を犠牲にする必要がある。ユーザの最大運動変位が17kmと推定された際、ユーザの全てのスタミナを使い果たさずに10kmに達する前提下で、ユーザはもう2つの攻撃を作ることができる。或いは、運動補助装置100は、ユーザの心拍数、モーションまたは運動強度に応じて変化する任意の運動要素を追跡することによって、ユーザが攻撃を作る時のスタミナ消費の比率または最大運動変位の減少を推定することに用いることができる。処理モジュール102が計算した後、利用可能な攻撃をユーザインタフェース103によってユーザに出力することができる。故に、特にユーザが一定の運動強度を維持したくない場合に、ユーザは自分の運動活動を簡単に管理することができる。
【0125】
本発明の1つの実施形態において、総運動変位及びまたは総最大運動変位は、視覚的なお知らせ、音によるお知らせまたは振動によるお知らせ等のお知らせによってユーザに出力される。
【0126】
本発明に1つの実施形態において、格納された各組の運動データは、異なる加重変数を持つ。仮にスタミナ値(S
t%)の消費の各パーセントが等しい時間を必要とすれば、加重変数は、ユーザが消費するスタミナ値の各パーセントで変位の貢献を表す。格納された運動データのある特別な組に対して、変位の貢献は、該格納された運動データの特別な組からの変位値(ΔDis)が全ての格納された運動データからの変位値(ΔDis)に対する比率である。
【0127】
本発明の1つの実施形態において、有効運動変位率は、ユーザが実際にスタミナを消費した時の変位の比率である。言い換えれば、有効運動変位率は、ユーザがスタミナ値の各パーセントを消費した時の変位の量である。
【0128】
本発明の1つの実施形態において、センサモジュール101は、パワー、ケイデンス、スピード、高度、傾き、身体組成等のユーザの運動情報を計測する。センサモジュール101からの計測は、
図10及び
図19に示す方法によって得られたスタミナ値に相関してもよい。例えば、運動パワーの計測は、出力ユニットを介して、ユーザが運動中/運動後で発揮する最大パワーを推定することに用いられる。ケイデンスの計測は、ユーザが効率的に運動したかどうかを判断するまたは出力ユニットを介してユーザに最も効率的な運動ケイデンスを簡単に提供することに用いられる。例えば、ランニングにおいて、60歩/分の運動ケイデンス、自転車ライダーの60漕ぎ/分の運動ケイデンスが挙げられる。変位情報は、ユーザの体が異なるスピード、高度、傾き等の変化に応じてどのように反応をするかを推定することに用いられる。故に、処理モジュール102は、運動情報の計測を利用してユーザの体の持久力及び/またはパワー発揮を推定することに用いられる。更に、体の持久力及びパワー発揮は、
図23に示す嫌気推定設定の調整及び/または
図24に示す好気推定設定の調整に用いられる。身体組成は、ユーザの身体エネルギー強度を推定することに用いられる。例えば、ユーザの筋肉密度と嫌気エネルギー値及び/または好気性エネルギー値及び/またはスタミナ等に関連付けられる。
【0129】
従来技術と比べて、本発明のスタミナ監視装置及び方法は、生理学的情報を検知するセンサモジュールと、生体情報を受信するユーザインターフェースと、リアルタイムで上記情報を処理する処理モジュールとを備える。この構造によって、嫌気性エネルギー及び好気性エネルギーを推定することで、ユーザのスタミナ値をリアルタイムで推定してユーザに出力する。これにより、各ユーザは体の状態に対して、信頼できるスタミナ値を取得でき、運動強度を上げるまたは下げるタイミングを決定できる。