(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記機器情報取得部は、前記電話番号に対応する前記使用状況データベースのレコードが更新された履歴がある場合は、前記機器識別情報を前記使用状況データベースから取得し、
前記送信部は、前記電話番号に対応する前記使用状況データベースのレコードが更新された履歴がある場合は、前記通信部を介して、前記使用状況データベースから取得した前記機器識別情報を前記入力端末に送信する、請求項4又は5に記載のサーバ。
前記電話番号に基づいて、移動体通信装置の在圏情報を管理する在圏情報データベースから、前記移動体通信回線を用いる移動体通信装置の在圏情報を取得する在圏情報取得部と、
前記在圏情報取得部が取得した前記在圏情報に基づいて、前記移動体通信装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、をさらに有し、
前記送信部は、前記位置情報が前記入力端末に表示されるように前記位置情報を前記入力端末に送信する、請求項4から6の何れか一項に記載のサーバ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
図1は、回線管理システム1における処理概要の一例を示す図である。回線管理システム1は、入力端末2と、サーバ3と、通信事業者DB4と、使用状況DB5とを有する。ここで、通信事業者DB4は、移動体通信事業者により管理される、顧客と締結した移動体通信回線の使用契約のデータベースである。また、使用状況DB5は、移動体通信回線の顧客により管理される、移動体通信回線の使用状況のデータベースである。
【0018】
回線管理システム1は、例えば、ある会社において携帯電話回線等の移動体通信回線を複数契約し、それらの移動体通信回線の棚卸を実行する場合等に使用される。
【0019】
なお、本実施形態において、移動体通信回線は、携帯電話回線だけでなく、WiMAX(登録商標)リリース2.1に準拠するデータ通信回線のように電話番号を使用するデータ通信回線を含む。また、移動体通信装置とは、移動体通信回線を使用して通信を行う移動局を意味する。移動体通信装置1は、無線回路及びアンテナ等を含む通信機、契約者を特定するための番号等を記憶するIC(Integrated Circuit)カード等を有する。また、移動体通信回線を使用する機器には、通信機だけではなく、ICカードも含まれるものとする。ICカードの例として、SIM(Subscriber Identity Module)カード、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カード等がある。
【0020】
以下、移動体通信回線の棚卸の処理の概要について説明する。
【0021】
まず、入力端末2は、棚卸の担当者による指示に応じて、サーバ3が提供する棚卸用Webページの閲覧をサーバ3に要求する。この際、入力端末2は、Webページ閲覧の認証用のユーザ名として、棚卸対象である移動体通信回線に対応する電話番号をサーバ3へ送信する(S1)。
【0022】
次に、サーバ3は、電話番号を受信し、受信した電話番号に基づいてユーザ認証を行う。サーバ3は、ユーザ認証が成功した場合、その電話番号に対応する使用状況DB5のレコードが更新された履歴があるか否かを判定する(S2)。
【0023】
更新された履歴がある場合、サーバ3は、電話番号に基づいて、USIMを一意に識別可能なUSIM番号を使用状況DB5から取得する。更新された履歴がない場合、サーバ3は、電話番号に対応するUSIM番号を通信事業者DB4から取得する(S3)。
【0024】
次に、サーバ3は、取得したUSIM番号を入力端末2に送信する(S4)。
【0025】
次に、入力端末2はUSIM番号を受信し、電話番号と受信したUSIM番号とを表示し、移動体通信回線の使用者名の入力を促す(S5)。
【0026】
次に、入力端末2は、担当者により入力された使用者名を取得する(S6)。この際、既定値として入力端末2に表示されたUSIM番号が担当者により変更されてもよい。
【0027】
次に、入力端末2は、取得した使用者名と、USIM番号とをサーバ3に送信する(S7)。
【0028】
次に、サーバ3は、使用者名及びUSIM番号を受信し、使用者名、電話番号及びUSIM番号を関連付けて使用状況DB5に登録する(S8)。以上により、移動体通信回線の棚卸処理は完了する。
【0029】
このように、本発明に係るサーバ3は、使用状況DB5に機器識別情報が入力されていない場合でも、通信事業者DB5に記憶された機器識別情報を使用状況DB4への入力として使用することが可能となる。このため、移動体通信回線の使用状況を管理する担当者の作業量を削減することが可能となる。
【0030】
図2は、回線管理システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0031】
回線管理システム1は、入力端末2と、サーバ3と、通信事業者DB4と、使用状況DB5と、在圏情報DB6と、管理者端末7と、移動体通信装置9とを有する。入力端末2、サーバ3及び管理者端末7は、インターネット等の通信ネットワーク8を介して接続される。サーバ3及び移動体通信装置9は、携帯電話網等の移動体通信網10を介して接続される。通信事業者DB4、使用状況DB5及び在圏情報DB6は、DBMS(DataBase Management System。データベース管理システム)の元で動作するデータベースであり、LAN(Local Area Network)11を介してサーバ3に接続される。
【0032】
管理者端末7は、移動体通信回線の使用状況全体を管理する棚卸の管理者により使用される端末であり、使用状況DB5を参照することが可能である。また、移動体通信装置9は、棚卸による管理の対象である移動体通信回線を使用する移動体通信装置である。
【0033】
図3は、入力端末2の概略構成の一例を示す図である。
【0034】
入力端末2は、移動体通信回線の棚卸の際に情報を入力するための端末であり、担当者により入力される電話番号等を送信し、電話番号に対応するUSIM番号等をサーバ3から受信する。そのために、入力端末2は、端末通信部21と、端末操作部22と、端末表示部23と、端末記憶部24と、端末処理部25とを備える。
【0035】
端末通信部21は、WiFi(登録商標)などの無線の通信インターフェース回路を有する。端末通信部21は、通信ネットワーク8を介して、サーバ3等と通信を行う。そして、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。また、端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。
【0036】
端末操作部22は、入力端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の入力装置、キーパッド等である。担当者は、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力することができる。端末操作部22は、担当者の指示を受け付け、受け付けた指示に対応する信号を発生し、端末処理部25に出力する。
【0037】
端末表示部23は、画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。端末表示部23は、端末処理部25から供給される画像データに応じた画像等を表示する。
【0038】
端末記憶部24は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。端末記憶部24は、端末処理部25による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0039】
例えば、端末記憶部24は、ドライバプログラムとして、端末通信部21を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部24は、オペレーティングシステムプログラムとして、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の通信方式による接続制御プログラム等を記憶する。また、端末記憶部24は、アプリケーションプログラムとして、各種データの送受信を行うデータ処理プログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部24にインストールされてもよい。
【0040】
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。端末処理部25は、入力端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部25は、入力端末2の各種処理が端末記憶部24に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部21等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部24に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0041】
端末処理部25は、番号送信部251、情報受信部252、情報表示部253、情報取得部254及び情報送信部255等を有する。端末処理部25が有するこれらの各部は、端末処理部25が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、端末処理部25が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして入力端末2に実装されてもよい。
【0042】
図4は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。
【0043】
サーバ3は、通信事業者DB4から取得したUSIM番号等を入力端末2に送信し、入力端末2から受信した使用者名等を使用状況DB5に登録する。また、サーバ3は、移動体通信装置9に測位要求を送信し、移動体通信装置9から測位結果を受信する。そのために、サーバ3は、通信部31と、移動体通信部32と、記憶部34と、処理部35とを備える。
【0044】
通信部31は、イーサーネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部31は、LAN11、ルータ(不図示)及び通信ネットワーク8を介して、入力端末2及び管理者端末7と通信を行う。また、通信部31は、LAN11を介して通信事業者DB4、使用状況DB5及び在圏情報DB6と通信を行う。
【0045】
移動体通信部32は、LTE(Long Term Evolution)などの無線の通信インターフェース回路を有する。移動体通信部32は、移動体通信網10を介して、移動体通信装置9と通信を行う。
【0046】
記憶部34は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部34は、処理部35による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0047】
例えば、記憶部34は、ドライバプログラムとして、通信部31を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部34は、オペレーティングシステムプログラムとして、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の通信方式による接続制御プログラム等を記憶する。また、記憶部34は、アプリケーションプログラムとして、各種データの送受信を行うデータ処理プログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部34にインストールされてもよい。
【0048】
処理部35は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部35は、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部35は、サーバ3の各種処理が記憶部34に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、通信部31等の動作を制御する。処理部35は、記憶部34に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部35は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0049】
処理部35は、入力依頼部351、電話番号受信部352、機器情報取得部353、送信部354、入力情報受信部355、登録部356、在圏情報取得部357及び位置情報取得部358等を有する。処理部35が有するこれらの各部は、処理部35が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部35が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0050】
図5は、移動体通信事業者の顧客データのデータ構造の一例を示す図である。
【0051】
図5に示すように、通信事業者DB4には、例えば移動体通信の契約回線毎に、電話番号、契約者名、契約者住所、機種名、製造番号及びUSIM番号等が相互に関連付けられて登録される。
【0052】
電話番号は、契約回線に対応する電話番号である。契約者名、契約者住所は、移動体通信回線を契約した人の氏名及び住所である。機種名は、移動体通信回線を使用する通信機の機種名である。製造番号は、移動体通信回線を使用する通信機を一意に識別可能な番号であり、例えばIMEIである。USIM番号は、移動体通信回線を使用する通信機が使用するUSIMを一意に識別可能な番号であり、例えばICCID(Integrated Circuit Card ID)である。通信機を識別可能な情報である機種名及び製造番号と、USIMを識別可能な情報であるUSIM番号とは、いずれも移動体通信回線を使用する機器を識別可能な情報である。これらの情報は、移動体通信事業者と顧客が移動体通信回線の使用契約を締結することを契機として、移動体通信事業者により通信事業者DB4に登録され、管理される。
【0053】
なお、本実施形態において、移動体通信回線を使用する機器を識別可能な情報を機器識別情報と称する場合がある。
【0054】
図6は、使用状況データのデータ構造の一例を示す図である。
【0055】
図6に示すように、使用状況DB5には、Gr名(グループ名)、電話番号、電子メールアドレス、使用者名、使用者名(カナ)、社員番号、部署名、機種名、製造番号、USIM番号、備考、登録日時等が相互に関連付けられて登録される。
【0056】
グループ名は、棚卸を行う単位であるグループの名称である。電話番号は、棚卸対象となる移動体通信回線に対応する電話番号である。電子メールアドレスは、棚卸を実行する指示を通知する宛先である。グループ名、電話番号、電子メールアドレスは、棚卸を開始する前に使用状況DB5に登録されている。
【0057】
使用者名、使用者名(カナ)は、棚卸対象の移動体通信回線を使用する人の氏名である。社員番号は、使用者の所属する会社において、使用者を一意に識別可能な番号である。使用者名、使用者名(カナ)及び社員番号は、使用者識別情報の一例である。部署名は、使用者の所属する部署の名称である。機種名、製造番号及びUSIM番号は、通信事業者DB4に関して説明した機種名、製造番号及びUSIM番号と同様である。備考は、担当者が入力する、棚卸に関連する任意の情報である。使用者名から備考までの情報は棚卸の際に担当者が入力可能な情報であり、登録項目と称する場合がある。
【0058】
登録日時は、登録項目が使用状況DB5に登録された日時である。
【0059】
図7は、在圏情報データのデータ構造の一例を示す図である。
【0060】
在圏情報DB6は、移動体通信装置の在圏情報を管理するデータベースである。
図7に示すように、在圏情報DB6には、電話番号、在圏基地局、最新更新日時等が相互に関連付けられて登録される。
【0061】
電話番号は、通信事業者DB4に関して説明した電話番号と同様である。在圏基地局は、電話番号に対応する移動体通信装置が登録されていた基地局のうち、最後に登録されていた基地局である。最新更新日時は、基地局が電話番号に対応する移動体通信装置を登録した最新の日時である。これらの情報は、例えば移動体通信網10の内部で、HLR(Home Location Register)、HSS(Home Subscriber Server)等により管理される。本実施形態において、在圏基地局として登録された情報を在圏情報と称する場合がある。
【0062】
なお、通信事業者DB4、使用状況DB5及び在圏情報DB6において、データの1件分、例えば
図5〜
図7における1行分のデータをレコードと称し、電話番号、機種名などの項目をフィールドと称する場合がある。
【0063】
図8は、登録項目の登録の動作シーケンスの一例を示す図である。このシーケンスの開始前に、
図6に示す使用状況DB5においてグループ名、電話番号及び電子メールアドレスは登録されているが、登録項目及び登録日時は登録されていないものとする。
【0064】
最初に、サーバ3の入力依頼部351は、管理者端末7から通信部31を介して受信した棚卸開始の指示に基づいて、移動体通信回線の登録項目の入力依頼を、通信部31を介して入力端末2に送信する(ステップS101)。例えば、入力依頼部351は、管理者端末7から受信した棚卸対象のグループの情報に基づいて使用状況DB5から電子メールアドレスを取得し、取得した電子メールアドレス宛に、登録項目の入力用のWebページのURLを示した電子メールを送信する。
【0065】
なお、この電子メールアドレスは、棚卸対象となる移動体通信回線を使用する移動体通信装置以外の機器から参照できる電子メールのアドレスであることが好ましい。例えば、USIM番号を確認するためには、USIMが搭載された移動体通信装置の電池を取り外さねばならない場合が多い。この場合、移動体通信装置の動作が停止し、棚卸の担当者は移動体通信装置でWebページの閲覧を行うことはできない。しかし、上述の電子メールのアドレスを使用することにより、棚卸用のWebサイトを閲覧しながら、入力対象の移動体通信装置で使用中のUSIMに記載されたUSIM番号を参照することが可能となる。
【0066】
次に、入力端末2の番号送信部251は、端末通信部21を介して登録項目の入力依頼を受信すると、端末表示部23に電話番号の入力用の画面を表示する。
【0067】
次に、番号送信部251は、棚卸の担当者により端末操作部22を介して入力された移動体通信回線の電話番号を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS102)。
【0068】
なお、この電話番号の入力及び送信は、管理者端末7から受信したURLにアクセスする際の認証の一環として、入力端末2により実行されてもよい。例えば、入力端末2の番号送信部251がこのURLの閲覧要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信すると、サーバ3の電話番号受信部352は、棚卸対象である移動体通信回線の電話番号をユーザ名とするパスワード認証の要求を入力端末2に送信する。次に、番号送信部251が、端末操作部22を介して入力されたユーザ名(電話番号)及びパスワードを、端末通信部21を介してサーバ3へ送信することにより、電話番号の入力及び送信が実行されてもよい。この場合、認証に成功した場合にのみ、以下の処理が実行される。
【0069】
次に、サーバ3の電話番号受信部352は、通信部31を介して移動体通信回線の電話番号を受信すると、通信事業者DB4又は使用状況DB5から、受信した電話番号に対応する機器識別情報を取得する(ステップS103)。
【0070】
次に、サーバ3の送信部354は、使用者識別情報の入力を促すために、機器情報取得部353が取得した機器識別情報を、通信部31を介して入力端末2に送信する(ステップS104)。なお、送信部354は、機器識別情報に加えて、電話番号受信部352が受信した電話番号を入力端末2に送信してもよい。
【0071】
次に、入力端末2の情報受信部252が端末通信部21を介して機器識別情報を受信すると、情報表示部253は、その機器識別情報を端末表示部23に表示する(ステップS105)。なお、情報表示部253は、使用状況DB5に登録する登録項目を入力するための登録項目入力画面において、機器識別情報を表示する。
【0072】
図9は、入力端末2が表示する登録項目入力画面の一例を示す図である。
図9に示すように、登録項目入力画面2001には、入力端末2がステップS102でサーバ3へ送信した電話番号(090−1111−1111)と、使用者名、機種名等を含む登録項目の入力用フォーマットとが表示される。さらに、登録項目入力画面2001には、入力内容を確認するための「確認画面へ」ボタンと、入力を中断してログアウトするための「ログアウト」ボタンとが表示される。
【0073】
登録項目入力画面2001において、機種名、製造番号及びUSIM番号の欄には、情報受信部252が受信した機器識別情報に含まれる各情報が既定値として入力された状態で表示されている。このため、棚卸の担当者はこれらの値を入力することなく、「確認画面へ」ボタンを選択することにより処理を先に進めることが可能である。
【0074】
なお、機器識別情報及び登録項目入力画面2001は、サーバ3の送信部354が機器識別情報とともに送信するHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語に基づいて表示されてもよい。
【0075】
図8に戻って、入力端末2の情報取得部254は、棚卸の担当者により端末操作部22を介して入力された登録項目の値を取得する(ステップS106)。なお、情報取得部254は、端末操作部22を介した入力がない場合でも、端末表示部23に表示された機器識別情報の値を、入力された登録項目の値として取得してもよい。
【0076】
次に、入力端末2の情報送信部255は、情報取得部254が取得した登録項目と、登録項目に対応する移動体通信回線の電話番号とを、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS107)。
【0077】
次に、サーバ3の入力情報受信部355が通信部31を介して、使用者識別情報、機器識別情報等を含む登録項目と、電話番号を受信すると、登録部356は、使用状況DB5に、電話番号に対応付けてこれらの登録項目を登録する(ステップS108)。使用状況DB5は、電話番号に対応するレコードの登録日時フィールドに、これらの登録項目を登録した日時を設定する。なお、登録部356は、この電話番号として、電話番号受信部352が受信した電話番号を用いることも可能である。
【0078】
次に、登録部356は、登録項目を登録したことを示す応答を入力端末2へ送信する(ステップS109)。なお、登録部356は、応答を入力端末2へ送信するとともに、電話番号と登録時刻とを記憶部34に記憶し、次回の処理時に使用状況DB5の更新履歴があるか否かを判定するために使用できるようにしてもよい。以上により、登録項目の登録の動作シーケンスは完了する。
【0079】
以上説明してきたように、本発明に係るサーバ3は、使用状況DB5に機器識別情報が入力されていない場合でも、通信事業者DB4に記憶された機器識別情報を使用状況DB5への入力として使用することが可能となる。このため、移動体通信回線の使用状況を管理する担当者の作業量を削減することが可能となる。
【0080】
また、通信事業者DB4は、移動体通信事業者が、顧客と締結した移動体通信回線の使用契約の情報を管理するために使用するデータベースであり、使用状況DB5は、顧客が、移動体通信回線の使用状況を管理するために使用するデータベースである。したがって、サーバ3は、移動体通信事業者の管理するデータを、顧客による移動体通信回線の使用状況の管理のために提供することにより、顧客は精度の高いデータを使用することが可能となる。
【0081】
また、サーバ3は、移動体通信回線の電話番号に対応する使用状況DB5のレコードが更新された履歴がある場合は、機器識別情報を使用状況DB5から取得し、入力端末2に送信する。したがって、担当者は通信事業者DB4に記憶されている情報に関わらず、過去に使用状況DB5に登録した機器識別情報に基づいて情報管理を行うことが可能となり、過去の調査結果を有効に活用しながら、回線の使用状況を確認することが可能となる。
【0082】
図10は、機器情報取得処理の一例を示す図である。
【0083】
最初に、サーバ3の電話番号受信部352は、通信部31を介して移動体通信回線の電話番号を受信すると、受信した電話番号に対応する使用状況DB5のレコードが更新された履歴があるか否かを判定する(ステップS201)。
【0084】
例えば、電話番号受信部352は、電話番号別の使用状況DB5の更新履歴を記憶部34に記憶し、その更新履歴を用いて更新履歴があるか否かを判定する。なお、電話番号受信部352は、その電話番号によるURLへのアクセス回数を記憶部34に記憶し、アクセス回数が1回目の場合は使用状況DB5のレコードが更新された履歴がないと判定し、2回目以降の時は履歴があると判定してもよい。また、電話番号受信部352は、使用状況DB5のその電話番号に対応するレコードの登録日時等のフィールドを参照し、値が登録されていない場合に更新された履歴がないと判定してもよい。
【0085】
電話番号に対応する使用状況DB5のレコードが更新された履歴があると判定された場合(ステップS202のY)、サーバ3の機器情報取得部352は、使用状況DB5から、電話番号受信部352が受信した電話番号に対応する機器識別情報を取得する(ステップS203)。以上により、履歴があると判定された場合の機器識別情報の取得処理は完了する。
【0086】
一方、使用状況DB5のレコードが更新された履歴がないと判定された場合(ステップS202のN)、サーバ3の機器情報取得部352は、通信事業者DB4から、電話番号受信部352が受信した電話番号に対応する機器識別情報を取得する(ステップS204)。以上により、履歴がないと判定された場合の機器識別情報の取得処理は完了する。
【0087】
図11は、機器情報取得処理の一例を示す図である。本実施例では、移動体通信装置9の在圏情報に基づいて、移動体通信装置9の存在していた位置を入力端末2に表示する処理について説明する。なお、
図10に示した実施例と同じ処理については、
図10と同じステップ番号を付し、説明は省略する。
【0088】
最初に、サーバ3の在圏情報取得部357は、電話番号受信部352が受信した電話番号に対応する移動体通信装置9の在圏情報を、在圏情報DB6から取得する(ステップS301)。例えば、在圏基地局の情報は、基地局の名称等、基地局を一意に識別可能な情報であってもよい。
【0089】
次に、位置情報取得部358は、受信した在圏基地局の情報に基づいて、移動体通信装置9の位置情報を取得する(ステップS302)。例えば、サーバ3の記憶部34が基地局の名称とその基地局が存在する緯度・経度又は住所の情報とを対応付けて記憶し、位置情報取得部358が、記憶部34に記憶された情報に基づいて、基地局の名称に対応する緯度・経度等の情報を取得してもよい。なお、ステップS301で在圏情報DB6から取得される在圏基地局の情報が、基地局の存在する緯度・経度又は住所の情報を含む場合、ステップS302の処理は不要である。以上により、機器情報取得処理は完了する。
【0090】
なお、サーバ3の送信部354は、
図8のステップS104において、機器情報取得部353が取得した機器識別情報(すなわち、移動体通信装置9に対応する機器識別情報)と、移動体通信装置9の位置情報とを、通信部31を介して入力端末2に送信する。
【0091】
次に、入力端末2の情報表示部253は、
図8のステップS105において、その機器識別情報及び位置情報を端末表示部23に表示する。
【0092】
図12は、本実施形態において、入力端末2に表示される登録項目入力画面の一例を示す図である。登録項目入力画面2002の上部に、「最新通信位置情報:東京都港区東新橋1丁目付近」と表示されている点が、
図9の登録項目入力画面2001との相違点である。「最新通信位置情報」とは、入力端末2の情報受信部252が受信した位置情報である。
【0093】
なお、情報表示部253は、受信した位置情報に基づいて、地図アプリケーション上に移動体通信装置9の存在位置を図示し、端末表示部23に表示してもよい。
【0094】
このように、移動体通信装置9の位置情報を入力端末2に表示することにより、移動体通信装置9の所在が不明な場合、棚卸の担当者は移動体通信装置9の捜索を容易に行うことが可能となる。また、在圏情報の最新更新日時の情報を入力端末2に表示することにより、棚卸の担当者は、最新更新日時の情報が存在しない場合又は所定の日時以前の日時である場合、「移動体通信装置は納入時の保管場所に保管されている」等の推測を行うことが容易になる。
【0095】
なお、
図8のステップS104において、サーバ3の送信部354は、位置情報とともに、在圏情報取得部357が取得した、在圏情報の最新更新日時の情報を入力端末2に送信してもよい。また、入力端末2の情報受信部253は、位置情報とともに最新更新日時の情報を受信し、情報表示部253は、位置情報とともに最新更新日時の情報を端末表示部23に表示してもよい。
【0096】
また、本実施例においては最新の在圏情報を使用したが、在圏情報は最新のものでなくてもよい。その場合であっても、一定の効果を得ることが可能である。特に、情報表示部253が、位置情報とともに最新更新日時の情報を端末表示部23に表示する場合は、移動体通信装置9がいつどこに存在していたかが入力端末2に表示されるため、棚卸の担当者にとって、移動体通信装置9の捜索が容易になる。
【0097】
図13は、登録項目の登録の動作シーケンスの一例を示す図である。
図13に示す動作シーケンスは、
図8に示す動作シーケンスの代わりに使用される。本実施例では、移動体通信装置9の現在位置を測位した結果と、入力端末2により入力された移動体通信装置9の主な使用位置とを、使用状況DB5に登録する例について説明する。なお、
図8に示した実施例と同じ処理については、
図8と同じステップ番号を付し、原則として説明は省略する。
【0098】
図8に示したシーケンスと同様に、ステップS105において、入力端末2の情報表示部253は、その機器識別情報を端末表示部23に表示する。
【0099】
図14は、本実施形態において入力端末2に表示される登録項目入力画面の一例を示す図である。登録項目入力画面2003の下部に、「主使用場所(任意)」と表示され、その右側に入力フォーマットが表示されている点が、
図9の登録項目入力画面2001との相違点である。この欄には、棚卸対象である移動体通信回線を使用する移動体通信装置9を主に使用する場所が、緯度・経度又は住所の形式で入力される。
【0100】
図13に戻って、入力端末2の情報取得部254は、棚卸の担当者により端末操作部22を介して入力された登録項目及び主使用場所の情報を取得する(ステップS401)。
【0101】
次に、ステップS107において、入力端末2の情報送信部255は、情報取得部254が取得した登録項目及び主使用場所の情報を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。
【0102】
次に、サーバ3の位置情報取得部358は、電話番号受信部352が受信した電話番号に対応する移動体通信装置9宛てに、GPS機能による測位要求を送信する(ステップS402)。例えば、送信部354は、SMS(Short Message Service)、MMS(Multimedia Messaging Service)等により、測位要求を送信する。
【0103】
次に、移動体通信装置9は、サーバ3から測位要求を受信すると、GPS機能(不図示)を用いて移動体通信装置9の現在位置を測位し、測位結果をサーバ3へ送信する。
【0104】
次に、サーバ3の機器情報取得部353は、通信部31を介して主使用場所を含む登録項目を受信し、位置情報取得部358は、通信部31を介して測位結果を受信する(ステップS403)。
【0105】
次に、ステップS108において、登録部356は、使用状況DB5に、電話番号受信部352が受信した電話番号に対応付けて使用者識別情報、機器識別情報、主使用場所の情報、測位結果を含む登録項目を登録する。使用状況DB5は、電話番号に対応するレコードの登録日時フィールドに、これらの登録項目を登録した日時を設定する。
【0106】
次に、ステップS117において、サーバ3の登録部356は、登録項目を登録したことを示す応答を入力端末2へ送信する。以上により、登録項目の登録の動作シーケンスは完了する。
【0107】
このように、使用状況DB5が主使用場所の情報と測位結果とを記憶することにより、管理者端末7は、主使用場所の情報と測位結果とを使用状況DB5から読み出し、比較することができる。比較の結果、主使用場所と測位結果で示される場所とが所定の距離以上離れている場合は、棚卸の担当者が棚卸対象である移動体通信装置9の本体及びUSIMの現物を確認せずに、入力端末2から情報を入力した可能性が高い。このため、管理者端末7は、主使用場所と測位結果で示される場所とが所定の距離以上離れていると判定した場合、管理者端末7の表示部(不図示)に警告を表示してもよい。
【0108】
また、サーバ3が移動体通信装置9の主使用場所の情報と測位結果とを取得することにより、サーバ3の処理部35は主使用場所の情報と測位結果とを比較することができる。比較の結果、主使用場所と測位結果で示される場所とが所定の距離以上離れている場合は、移動体通信装置9は適切に管理されていない可能性が高い。このため、処理部35は、通信部31を介して、移動体通信網10の内部でパケット通信の制御を行うサーバ(不図示)に、移動体通信装置9によるパケット通信停止の要求を送信し、パケット通信を停止させてもよい。また、処理部35は、通信部31を介して、移動体通信装置9に、移動体通信装置9が用いるUSIMをディアクティベートする要求を送信し、移動体通信装置9にそのUSIMを用いた通信を停止させてもよい。
【0109】
また、サーバ3は、電話番号に基づいて、移動体通信装置9の在圏情報を取得し、在圏情報に基づいて、入力端末2により表示される位置情報を取得する。そして、サーバ3は、位置情報を入力端末2に送信する。したがって、入力端末2を使用する担当者は、移動体通信装置9の所在が不明な場合、移動体通信装置9の捜索を容易に行うことが可能となる。
【0110】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、顧客データ、使用状況データ、在圏情報データは、それぞれ通信事業者DB4、使用状況DB5及び在圏情報DB6に記憶されていた。これに代えて、これらのデータと、データを管理するためのDBMSとを、サーバ3の記憶部に記憶してもよい。
【0111】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。