特許第6366670号(P6366670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グーグル インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366670
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ローカルエリアネットワークの拡張
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20180723BHJP
   H04L 12/46 20060101ALI20180723BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20180723BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20180723BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
   H04L12/46 100B
   H04W84/12
   H04N21/436
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-228848(P2016-228848)
(22)【出願日】2016年11月25日
(62)【分割の表示】特願2014-559881(P2014-559881)の分割
【原出願日】2012年10月12日
(65)【公開番号】特開2017-73808(P2017-73808A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】13/411,172
(32)【優先日】2012年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラム セドリック ファング
(72)【発明者】
【氏名】オン トニー
(72)【発明者】
【氏名】ドン ケ
(72)【発明者】
【氏名】フォン スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユット ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ イファン
(72)【発明者】
【氏名】メディン ミロ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ジムリング ドヴ シモン
【審査官】 衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−129469(JP,A)
【文献】 特開2006−268203(JP,A)
【文献】 特開2006−295586(JP,A)
【文献】 特開2006−115143(JP,A)
【文献】 特開2010−187172(JP,A)
【文献】 特開2008−118604(JP,A)
【文献】 特表2005−533430(JP,A)
【文献】 羽根 稔尚 他,光ホームゲートウェイ,三菱電機技報,2006年 2月25日,第80巻,第2号,p.47〜50
【文献】 宮地 悟史,標準化現場ノート 第18回 次世代ケーブルSTBの国際標準化,映像情報メディア学会誌,2011年12月 1日,第65巻,第12号,p.1729〜1732
【文献】 安保 秀雄,ASIC設計:ようやくコアがユーザの手元に設計しやすくなる大規模ASIC,日経エレクトロニクス,日本,日経BP社,1996年10月21日,第674号,p.101〜109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00〜12/955
H04N 21/436
H04W 84/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルエリアネットワークシステムであって、
リモートサービスプロバイダと有線通信するリモート住居用ゲートウェイと、
前記リモート住居用ゲートウェイと有線通信する複数のセットトップボックスとを備え、各セットトップボックスは、
特定用途向け集積回路を備え、前記特定用途向け集積回路は、
ローカルエリアネットワークのリモート住居用ゲートウェイに有線接続するネットワークエクステンダを含み、前記ネットワークエクステンダは少なくとも1Gb/秒のデータ転送速度を提供することが可能であり、
前記ネットワークエクステンダと通信するとともに、メディアデバイスによる使用のために、前記ネットワークエクステンダから受信される信号をフォーマットするための命令を実行するコンピューティングプロセッサとを有する、メディアプレーヤを含み、これらは前記特定用途向け集積回路上に統合されており、各セットトップボックスは、
前記ネットワークエクステンダと通信する、少なくとも1つの無線送受信器を備え、前記少なくとも1つの無線送受信器は、前記リモート住居用ゲートウェイと同じ少なくとも1つのサービスセット識別子を有するとともに、前記ローカルエリアネットワークを拡張する、WiFiアクセスポイントとして構成され、前記リモート住居用ゲートウェイは、前記少なくとも1つのサービスセット識別子を各セットトップボックスに渡し、
各セットトップボックスは、前記リモート住居用ゲートウェイのローカルエリアネットワークのためのアクセスポイントとして構成される、ローカルエリアネットワークシステム。
【請求項2】
前記ネットワークエクステンダは、ネットワークブリッジを備える、請求項1に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項3】
前記ネットワークエクステンダは、複数のポートを有するスイッチを備える、請求項1または2に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項4】
各セットトップボックスは、前記ネットワークエクステンダと通信するBluetooth送受信器をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項5】
各セットトップボックスは、前記ネットワークエクステンダと通信する赤外線送受信器をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項6】
前記リモート住居用ゲートウェイと通信する光ネットワーク端末をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項7】
ローカルエリアネットワークシステムであって、
リモートサービスプロバイダと有線通信するリモート住居用ゲートウェイと、
前記リモート住居用ゲートウェイと有線通信する複数のセットトップボックスとを備え、各セットトップボックスは、
特定用途向け集積回路を備え、前記特定用途向け集積回路は、
ローカルエリアネットワークのリモート住居用ゲートウェイに有線接続するネットワークエクステンダを含み、
前記ネットワークエクステンダと通信するとともに、メディアデバイスによる使用のために、前記ネットワークエクステンダから受信される信号をフォーマットするための命令を実行するコンピューティングプロセッサとを有する、メディアプレーヤを含み、これらは前記特定用途向け集積回路上に統合されており、各セットトップボックスは、
前記ネットワークエクステンダと通信する、少なくとも1つの無線送受信器を備え、前記少なくとも1つの無線送受信器は、前記リモート住居用ゲートウェイと同じ少なくとも1つのサービスセット識別子を有するとともに、前記ローカルエリアネットワークを拡張する、WiFiアクセスポイントとして構成され、前記リモート住居用ゲートウェイは、前記少なくとも1つのサービスセット識別子を各セットトップボックスに渡し、
各セットトップボックスは、前記リモート住居用ゲートウェイのローカルエリアネットワークのためのアクセスポイントとして構成される、ローカルエリアネットワークシステム。
【請求項8】
前記ネットワークエクステンダは、ネットワークブリッジまたは複数のポートを有するスイッチを備える、請求項7に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項9】
ローカルエリアネットワークシステムであって、
リモートサービスプロバイダと有線通信するリモート住居用ゲートウェイと、
前記リモート住居用ゲートウェイと通信する光ネットワーク端末と、
前記リモート住居用ゲートウェイと有線通信する複数のセットトップボックスとを備え、各セットトップボックスは、
特定用途向け集積回路を備え、前記特定用途向け集積回路は、
ローカルエリアネットワークのリモート住居用ゲートウェイに有線接続するネットワークエクステンダを含み、
前記ネットワークエクステンダと通信するとともに、メディアデバイスによる使用のために、前記ネットワークエクステンダから受信される信号をフォーマットするための命令を実行するコンピューティングプロセッサとを有する、メディアプレーヤを含み、これらは前記特定用途向け集積回路上に統合されており、各セットトップボックスは、
前記ネットワークエクステンダと通信する、少なくとも1つの無線送受信器を備え、前記少なくとも1つの無線送受信器は、前記リモート住居用ゲートウェイと同じ少なくとも1つのサービスセット識別子を有するとともに、前記ローカルエリアネットワークを拡張する、WiFiアクセスポイントとして構成され、前記リモート住居用ゲートウェイは、前記少なくとも1つのサービスセット識別子を各セットトップボックスに渡し、
各セットトップボックスは、前記リモート住居用ゲートウェイのローカルエリアネットワークのためのアクセスポイントとして構成される、ローカルエリアネットワークシステム。
【請求項10】
前記光ネットワーク端末は、前記リモート住居用ゲートウェイと統合され、アクセスポイントとして構成される、請求項9に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項11】
前記リモートサービスプロバイダからの有線接続は、光ファイバケーブル接続を含む、請求項9または10に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項12】
前記セットトップボックスと前記リモート住居用ゲートウェイとの間の有線接続は、同軸ケーブル接続を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項13】
前記セットトップボックスと前記リモート住居用ゲートウェイとの間の有線通信は、RJ−45インターフェース上での通信を含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載のローカルエリアネットワークシステム。
【請求項14】
ローカルエリアネットワークを拡張する方法であって、
複数のセットトップボックスを、住居の周囲に配置するステップと、
各セットトップボックスと前記ローカルエリアネットワークの住居用ゲートウェイとの間に有線接続を確立するステップとを備え、
各セットトップボックスは、
特定用途向け集積回路を含み、前記特定用途向け集積回路は、
前記住居用ゲートウェイに有線接続するネットワークエクステンダを含み、
前記ネットワークエクステンダと通信するとともに、メディアデバイスによる使用のために、前記ネットワークエクステンダから受信される信号をフォーマットするための命令を実行するコンピューティングプロセッサとを有する、メディアプレーヤを含み、これらは前記特定用途向け集積回路上に統合されており、各セットトップボックスは、
前記ネットワークエクステンダと通信する、少なくとも1つの無線送受信器を備え、前記少なくとも1つの無線送受信器は、前記住居用ゲートウェイと同じ少なくとも1つのサービスセット識別子を有するとともに、前記ローカルエリアネットワークを拡張する、WiFiアクセスポイントとして構成され、前記住居用ゲートウェイは、前記少なくとも1つのサービスセット識別子を各セットトップボックスに渡し、
各セットトップボックスは、対応する有線通信を介して前記住居用ゲートウェイからデータパケットを受信し、前記ローカルエリアネットワークのためのアクセスポイントである、方法。
【請求項15】
前記セットトップボックスのうちの少なくとも1つと前記ローカルエリアネットワーク内のローカルコンピューティングデバイスとの間の無線接続を確立するステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記無線接続は、WiFi接続、Bluetooth接続、または赤外線接続のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記住居用ゲートウェイとリモートサービスプロバイダとの間の有線接続を確立するステップをさらに備える、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記特定用途向け集積回路は、前記少なくとも1つの無線送受信器を前記特定用途向け集積回路上に統合している、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークエクステンダは、少なくとも1Gb/秒のデータ転送速度を提供する
ことが可能である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ローカルエリアネットワークを拡張するためのネットワークエクステンダ機
能を有する、インターネットプロトコルメディアプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
概して、ホームネットワークは、ホームネットワークゲートウェイ(住居用ゲートウェ
イとも呼ばれる)に組み込まれる、単一のWiFi可能化アクセスポイント(AP)を含
み、これは、通常、居間、または住宅のホームオフィスに位置する。WiFi性能は、典
型的に、WiFi可能化モバイルデバイスとアクセスポイントとの間の距離によって変動
し、住宅内部のある障害物によって悪影響を受け得る。結果として、単一のアクセスポイ
ントを使用するホームネットワークは、鉄筋コンクリートまたは金属で建築される2また
は3階建ての単一の家族の家屋または住居においては、困難になり得る。
【発明の概要】
【0003】
インターネットは、音声、ビデオ、ゲーム等といった、次世代高速データおよびデジタ
ルメディアサービスを提供し得る。エンドユーザ住居への光ファイバ技術を使用する広帯
域ネットワークは、1秒あたりギガビット以上のアクセス速度を提供することによって、
ネットワークオペレータとエンドユーザとの間の帯域幅ボトルネックを取り除くことがで
きる。光ファイバアクセス技術を通じて利用可能なアクセス帯域幅を効率的に使用するた
めに、効率的な屋内接続性が、エンドユーザの住居内の種々のデジタルプレーヤおよびホ
ームネットワーキングデバイスを接続するために、必要であり得る。
【0004】
特に北米の多くの住宅は、ケーブルベースのテレビ接続性の一般普及により、既存の同
軸ケーブルインフラを有する。多くの現代の住居もまた、カテゴリ5またはより新しいツ
イストペアイーサネット(登録商標)接続の構造化された配線を有する。同軸ケーブルは、約1GHzまでの使用可能な帯域幅を有する、広帯域銅媒体である。本開示は、ユーザが、既存の同軸ケーブルを使用するホームネットワークを拡張することを可能にする、ネットワークエクステンダ機能を有する、インターネットプロトコル(IP)メディアプレーヤを提供する。一部の実装において、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはWiFiネットワークは、同軸ケーブルを通じて、橋デバイスと橋渡しされる。同軸ケーブルは、典型的に、エンタテイメントメディアが消費され、広帯域データ接続性が新しい形態のデジタルエンタテイメントをサポートするために必要とされ得る、テレビまたはディスプレイで終端する。ネットワーク拡張機能を有するIPメディアプレーヤ機能を配設すること、またはさらには、2つを1つの単一のホームデバイスに統合することは、ローカルエリアネットワークを拡張する、および/または高速広帯域データ接続性を、住宅内のいくつかの場所に送達することに対して、有利であり得る。
【0005】
住宅内の複数のアクセスポイントは、比較的大きい住宅、またはコンクリートもしくは
金属壁によって分離される部屋を有する住宅における信号範囲を改善するために使用され
得る。多くの新しく建築された住宅において、カテゴリ5または6のツイスト銅ペアの構
造化された配線が、ワイヤリングクローゼットからの1Gb/秒のデータ接続性をサポー
トするために利用可能である。4k解像度および3Dビデオといった、高解像度コンテン
ツは、住居用ゲートウェイからセットトップボックスまで、比較的高い帯域幅接続性を必
要とし得、これは、単一のアクセスポイントによって提供される既存の無線接続では、利
用可能でない場合がある。さらに、WiFi接続性によって提供される無線接続でサービ
スの質(QoS)を保証することは困難である。一部の実装において、セットトップボッ
クスは、ネットワーク橋渡しを含み、セットトップボックスが、屋内ネットワーキングの
ためのネットワークエクステンダとして作用することを可能にする。ネットワークエクス
テンダは、同軸ケーブルまたは構造化されたイーサネット接続を使用して、層2橋渡しを
通じて、WiFi接続性の範囲を拡張し得る。さらに、セットトップボックスは、同軸橋
渡しを通じて、イーサネット接続性を拡張し得る。
【0006】
本開示の一態様は、ネットワークエクステンダと、ネットワークエクステンダと通信す
るメディアプレーヤとを含む、セットトップボックスを提供する。ネットワークエクステ
ンダは、有線接続を通じて、ローカルエリアネットワークの住居用ゲートウェイに接続可
能である。メディアプレーヤは、メディアデバイスによる使用のために、ネットワークエ
クステンダから受信される信号をフォーマットするように命令を実行する、コンピューテ
ィングプロセッサを含む。セットトップボックスはまた、ネットワークエクステンダと通
信する、少なくとも1つの無線送受信器を含む。
【0007】
本開示の実装は、以下の特性の1つ以上を含み得る。一部の実装において、セットトッ
プボックスは、実行可能な命令を記憶するためのメモリを含む。ネットワークエクステン
ダは、ネットワーク橋、または複数のポートを有するスイッチであり得る。一部の実装に
おいて、ネットワークエクステンダは、少なくとも1Gb/秒のデータ転送速度を提供す
ることが可能である。
【0008】
少なくとも1つの無線送受信器は、住居用ゲートウェイと同じサービスセット識別子(
複数を含む)(SSID(複数を含む))を有する、WiFiアクセスポイントとして構
成され得る。一部の実施例において、住居用ゲートウェイは、SSID(複数を含む)を
ネットワークエクステンダにわたす。
【0009】
セットトップボックスは、その上で、ネットワークエクステンダ、メディアプレーヤ、
および/または少なくとも1つの無線送受信器を統合する、特定用途向け集積回路を含み
得る。一部の実施例において、セットトップボックスは、ネットワークエクステンダと通
信するBluetooth(登録商標)送受信器および/または赤外線送受信器を含む。さらに、メディアプレーヤは、インターネットプロトコルメディアプレーヤであり得る。
【0010】
本開示の別の態様は、遠隔サービスプロバイダと有線通信する住居用ゲートウェイと、
住居用ゲートウェイと有線通信する複数のセットトップボックスとを含む、ローカルエリ
アネットワークシステムを提供する。各セットトップボックスは、ローカルエリアネット
ワークの住居用ゲートウェイへの有線接続を有するネットワークエクステンダと、ネット
ワークエクステンダと通信するメディアプレーヤと、ネットワークエクステンダと通信す
る少なくとも1つの無線送受信器とを含む。メディアプレーヤは、メディアデバイスによ
る使用のために、ネットワークエクステンダから受信される信号をフォーマットするよう
に命令を実行する、コンピューティングプロセッサを含む。各セットトップボックスは、
住居用ゲートウェイのローカルエリアネットワークのためのアクセスポイントとして構成
される。
【0011】
一部の実装において、ネットワークエクステンダは、ネットワーク橋、または複数のポ
ートを有するスイッチである。ネットワークエクステンダは、少なくとも1Gb/秒のデ
ータ転送速度を提供することが可能であり得る。
【0012】
各セットトップボックスの少なくとも1つの無線送受信器は、住居用ゲートウェイと同
じサービスセット識別子(複数を含む)を有する、WiFiアクセスポイントとして構成
され得る。さらに、住居用ゲートウェイは、サービスセット識別子(複数を含む)を、各
セットトップボックスにわたすことができる。
【0013】
一部の実装において、各セットトップボックスは、その上に、ネットワークエクステン
ダ、メディアプレーヤ、および/または少なくとも1つの無線送受信器を統合する、特定
用途向け集積回路をさらに含む。各セットトップボックスは、ネットワークエクステンダ
と通信するBluetooth送受信器および/または赤外線送受信器を含み得る。
【0014】
ローカルエリアネットワークシステムは、住居用ゲートウェイと通信する、光ネットワ
ーク端末を含み得る。光ネットワーク端末は、住居用ゲートウェイと統合され、アクセス
ポイントとして構成され得る。一部の実施例において、遠隔サービスプロバイダからの有
線接続は、光ファイバケーブル接続である。さらに、セットトップボックスと住居用ゲー
トウェイとの間の有線接続は、同軸ケーブル接続および/またはRJ−45インターフェ
ース上であり得る。
【0015】
なお別の態様において、ローカルエリアネットワークを拡張する方法は、複数のセット
トップボックスを住居の周囲に配置することと、各セットトップボックスとローカルエリ
アネットワークの住居用ゲートウェイとの間の有線接続を確立することと、を含む。各セ
ットトップボックスは、住居用ゲートウェイへの有線接続を有するネットワークエクステ
ンダと、ネットワークエクステンダと通信するメディアプレーヤと、ネットワークエクス
テンダと通信する少なくとも1つの無線送受信器とを含む。メディアプレーヤは、メディ
アデバイスによる使用のために、ネットワークエクステンダから受信される信号をフォー
マットするように命令を実行する、コンピューティングプロセッサを含む。各セットトッ
プボックスは、対応する有線接続を通じて、住居用ゲートウェイからデータパケットを受
信し、ローカルエリアネットワークのためのアクセスポイントである。
【0016】
一部の実装において、該方法は、セットトップボックスのうちの少なくとも1つと、ロ
ーカルエリアネットワーク内のローカルコンピューティングデバイスとの間の無線接続を
確立することを含む。無線接続は、WiFi接続、Bluetooth接続、または赤外
線接続であり得る。該方法は、住居用ゲートウェイと遠隔サービスプロバイダとの間の有
線接続を確立することを含み得る。有線接続は、光ファイバ接続であり得る。
【0017】
本開示の1つ以上の実装の詳細を、添付の図面および以下の説明において記載する。他
の態様、特性、および利点は、説明および図面から、ならびに請求項から明らかとなろう
【0018】
種々の図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】ファイバ・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)ネットワークの例示的なアーキテクチャの概略図を提供する。
図1B】ファイバ・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)ネットワークの例示的なアーキテクチャの概略図を提供する。
図2A】例示的なセットトップボックスの概略図を提供する。
図2B】RJ−45 LANインターフェースを通じて住居用ゲートウェイに接続されるセットトップボックスを有する、例示的な住居用ネットワークの概略図を提供する。
図2C】同軸インターフェースを通じて住居用ゲートウェイに接続されるセットトップボックスを有する、例示的な住居用ネットワークの概略図を提供する。
図3A】住宅内の例示的な住居用ネットワークの概略図である。
図3B】住宅内の例示的な住居用ネットワークの概略図である。
図4】ローカルエリアネットワークを拡張する方法のための動作の例示的な配設の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ファイバ・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)といった、新しいアクセス技術は、維持可能
でかつ対称な1Gb/秒の接続性をエンドユーザに提供することによって、インターネッ
トサービスプロバイダとエンドユーザ住宅との間の帯域幅ボトルネックを取り除いている
。かかるファイバアクセス技術は、サービスプロバイダとエンドユーザとの間で、アクセ
ス帯域幅を10Gb/秒以上に潜在的に増加させ得る。
【0021】
図1Aおよび1Bは、インターネットサービスプロバイダ110とエンドユーザの住居
用ネットワーク130との間の光ファイバ通信を確立する、ファイバ・トゥ・ザ・ホーム
(FTTH)ネットワーク100の例示的なアーキテクチャの概略図を提供する。光回線
終端装置112(OLT)は、インターネットサービスプロバイダ110を、エンドユー
ザ住居用ネットワーク130に接続する、光ファイバ122を含む、受動光ネットワーク
120のためのサービスプロバイダエンドポイントを提供し得る。光回線終端装置112
は、サービスプロバイダ機器によって使用される電気信号を、受動光ネットワーク120
によって使用される光ファイバ信号に/から変換する。光回線終端装置112はまた、変
換デバイス(例えば、光ネットワーク端末)間の多重化を調整する。
【0022】
光ネットワーク端末132(ONT)は、インターネットサービスプロバイダ110か
ら(受動光ネットワーク120上で)受信される光信号を、電気信号に変換し、エンドユ
ーザ住居用ネットワーク130に対して、層2メディアアクセス制御機能を提供する。メ
ディアアクセス制御としても既知である、メディアアクセス制御(MAC)データ通信プ
ロトコル副層は、7層の開放型システム間相互接続モデル(OSIモデル)において指定
されるデータリンク層(層2)の副層である。層1である、物理層は、デバイスに対する
電気的および物理的仕様を定義する。層2である、データリンク層は、アドレス指定およ
びチャネルアクセス制御機構を提供し、いくつかの端末またはネットワークノードが、共
有メディアを組み込む多重アクセスネットワーク、例えば、イーサネットまたは同軸ケー
ブル内で通信することを可能にする。
【0023】
住居用ネットワーク130の住居用ゲートウェイ134(RG)は、層3ネットワーク
終端機能を提供する。住居用ゲートウェイ134は、複数のインターネットプロトコル(
IP)インターフェースを具備してもよい。一部の実装において、光ネットワーク端末1
32および住居用ゲートウェイ134は、単一光ネットワーク−住居用ゲートウェイデバ
イス133として統合される(図1Bに示されるように)。住居用ゲートウェイ134は
、例えば、住居用ネットワーク130にWiFi接続性を提供することによって、住居用
ネットワーク130のためのアクセスポイントとして作用する。
【0024】
IPネットワークデバイス136は、同軸インターフェース135、RJ−45インタ
ーフェース137といった有線接続、および/または802.11WiFiのためのRG
−45イーサネットインターフェースといった無線インターフェースを通じて、住居用ゲ
ートウェイ134に接続されてもよい。示される実施例において、IPTVセットトップ
ボックス136a(STB)は、住居用ゲートウェイ134とのRJ−45接続を通じて
インターネットと、かつ高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))を通じてテレビ140と、インターフェースで接続する。住居用ゲートウェイ134に接続され得る、他の可能なIPネットワークデバイス136としては、コンピュータ136b、ボイスオーバIP電話136c、および/またはポータブル電子デバイス136d(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ等)が挙げられる。POTS(プレイン・オールド・テレフォン・サービス)終端装置138(図2B)もまた、光ネットワーク端末132および/または住居用ゲートウェイ134によって提供され得る。
【0025】
図2Aは、有線接続を通じてインターネットに接続し得る、例示的なセットトップボッ
クス200の概略図を提供する。有線接続または有線通信という用語は、これらに限定さ
れないが、電話線および/もしくは網、同軸ケーブル、ケーブルメディア、光ファイバケ
ーブル等を通じた、テレビまたはインターネットアクセスといった、配線ベースまたはケ
ーブルベースの通信技術上のデータの伝送を指す。現行のWiFi技術は、1Gb/秒の
接続性を提供することができないため、セットトップボックス200と住居用ゲートウェ
イ134との間のWiFiインターフェースは、住居用ネットワーク130内に帯域幅ボ
トルネックを引き起こし得る。
【0026】
WiFiスループットおよび性能は、アクセスポイントからの距離、壁による障害、他
の源からの干渉等といった、多くの要因に依存する。複数のセットトップボックス200
が必要とされる(例えば、各寝室に1つ)世帯において、セットトップボックス200と
、住居用ネットワーク130のための単一無線アクセスポイントとして作用する住居用ゲ
ートウェイ134との間のWi−Fi接続性は、問題となる可能性がある。単一Wi−F
iアクセスポイントでは、典型的な郊外の世帯におけるWiFi範囲は、不良な信号スル
ープットおよび受信を有する盲点を伴って、散在的である可能性がある。さらに、単一ア
クセスポイントの全帯域幅は、全ての宅内ネットワーキングの必要性をサポートするには
不十分であり得る。
【0027】
セットトップボックス200は、ネットワーク拡張機能性を提供し、住居用ネットワー
ク130のアクセス性を拡張し、住居用ネットワーク130の範囲を改善する、ネットワ
ークエクステンダ210を含む。ネットワークエクステンダ210は、層2橋渡し能力を
提供するネットワーク橋、またはネットワークスイッチ(例えば、多数のポートを伴う橋
)であってもよい。一部の実施例において、ネットワークエクステンダ210は、1つ以
上のRJ−45ローカルエリアネットワーク(LAN)接続212および/または同軸イ
ンターフェース214を含み、これらは、例えば、MoCA(Multimedia o
ver coaxial cable Alliance)規格またはITU−T G.
hn規格に準拠し得る。
【0028】
橋渡しは、パケット交換コンピュータネットワークにおいて使用される、転送技術であ
る。ルーティングとは異なり、橋渡しは、ネットワーク内のどこに、特定のアドレスが位
置するかに関する推定を行わない。代りに、それは、不明なデバイスを位置決定するため
の、受信されたパケットヘッダ内のソースアドレスのフラッディングおよび検査に依存す
る。一度デバイスが位置決定されると、その場所は、さらなるフラッディングに対する必
要性を回避するように、ソースアドレスが記憶される表に記録することができる。ネット
ワークエクステンダ210の橋渡し能力は、ローカルエリアネットワークとして、住居用
ネットワーク130を拡張させる。ネットワーク橋として、ネットワークエクステンダ2
10は、開放型システム間相互接続モデル(OSI)モデルのデータリンク層(層2)の
複数のネットワークセグメントを接続し得る。さらに、ネットワークエクステンダ210
は、住居用ネットワーク130内部の複数の仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN
)をサポートし得る。
【0029】
図2Bは、RJ−45LANインターフェース212を通じて、住居用ゲートウェイ1
34(または統合された光ネットワーク端末−住居用ゲートウェイ133)に接続される
、セットトップボックス200を有する、例示的な住居用ネットワーク130の概略図を
提供する。図2Cは、同軸インターフェース214を通じて、住居用ゲートウェイ134
(または統合された光ネットワーク端末−住居用ゲートウェイ133)に接続される、セ
ットトップボックス200を有する、例示的な住居用ネットワーク130の概略図を提供
する。両方の場合において、ネットワークエクステンダ210は、層2橋渡しデバイスと
して作用し、住居用ネットワーク130を拡張する。
【0030】
図2A〜2Cを参照すると、一部の実装において、セットトップボックス200は、ネ
ットワークエクステンダ210と通信する、メディアプレーヤ220(例えば、インター
ネットプロトコルおよび/または高解像度(HD)メディアプレーヤ)を含む。メディア
プレーヤ220は、ハードドライブ(HD)エンクロージャを、例えば、ホームエンタテ
インメントシステムを通じて、オーディオ、ビデオ、および写真を再生するためのハード
ウェアおよびソフトウェアと組み合わせてもよい。メディアプレーヤ220は、テレビ1
40といった、メディアデバイスによる使用のために、ネットワークエクステンダ210
から受信される信号をフォーマットするように命令を実行する、コンピューティングプロ
セッサ225を含み得る。メディアプレーヤ220はまた、命令を記憶するためのメモリ
227を含み得る。メディアプレーヤ220は、HDMIインターフェース222a、ユ
ニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース222b、古いアナログTVとの後
方互換性のためのコンポジットビデオインターフェース222c、および/または光オー
ディオポートインターフェース222dといった、1つ以上の周辺インターフェース22
2を含み得る。一部の実装において、ネットワークエクステンダ210およびメディアプ
レーヤ220は、セットトップボックス200内でともに配設またはさらにはともに統合
される(例えば、同じ筐体内に、および/もしくは同じ集積回路上に)。
【0031】
セットトップボックス200は、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC
)230a、またはWi−Fiインターフェース、Bluetoothデバイス230b
、および/または赤外線(IR)デバイス230cといった、1つ以上の無線送受信器2
30を含み得、セットトップボックス200が、住居用ネットワーク130のための無線
アクセスポイント(WAP)として作用することを可能にする。Bluetoothおよ
びIRインターフェースは、遠隔制御と通信するために使用されてもよい。
【0032】
システムオンチップ(system on a chipまたはsystem on
chip(SoCまたはSOC))は、コンピュータまたは他の電子システムの構成要素
を単一チップに統合する、集積回路(IC)である。それは、デジタル、アナログ、混合
信号、および、しばしば、無線周波数機能の全てを、単一チップ基板上に含有し得る。一
部の実装において、システムオンチップ(SOC)技術を使用して、ネットワークエクス
テンダ210を、メディアプレーヤ220、および/または無線送受信器(複数を含む)
230と、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)202上で組み合わせてもよい。
【0033】
WiFiインターフェース230aは、住居用ゲートウェイ134によって構成される
のと同じSSID(複数を含む)(サービスセット識別子(複数を含む))を伴って、ア
クセスポイントとして構成され得る。一部の実施例において、住居用ゲートウェイ134
は、単に、SSID(複数を含む)をネットワークエクステンダ210にわたす。エンド
ユーザに対しては、これは、住居用ネットワーク130内のどこかで、比較的良好な無線
信号受信でもって、1つの場所から別の場所へ転々とするユーザをサポートする、単一の
シームレスなWiFiネットワークを創出する。住居用ネットワーク130内でWiFi
アクセスポイントとして作用する複数のセットトップボックス200は、干渉を最小化し
、最適な信号スループットおよびネットワーク堅牢性を提供する、周波数設定とともに構
成することができる。
【0034】
図3Aおよび3Bを参照すると、一部の実装において、住宅300は、住宅300全体
にわたって(例えば、複数の部屋内)、住居用ゲートウェイ134(または統合された光
ネットワーク端末−住居用ゲートウェイ133)と、複数のセットトップボックス200
(ネットワークエクステンダ210を有するメディアプレーヤ220(MP w/NE)
)との間の有線接続を提供するために使用することができる、同軸ネットワーク302お
よび/または構造化された配線ネットワーク304(例えば、CAT5配線、RJ−45
イーサネットケーブル)を含み得る。
【0035】
住居用住宅300内の既存の構造化された配線または同軸ケーブルは、住居用ネットワ
ーク130を拡大するために、複数のセットトップボックス200とともに使用すること
ができる。同軸インターフェースは、ケーブルテレビ(CATV)信号分配において広く
使用されてきた、1GHz帯域幅能力を有する、ユビキタスな広帯域メディアである。ユ
ーザ住居内の同軸ケーブル終端装置は、典型的に、テレビ140の隣に位置し、これは、
セットトップボックス200に対して利便的である。MoCA2.0規格は、直交周波数
分割多重(OFDM)を使用して、同軸ケーブルネットワーク上の単一の100MHz周
波数チャネルにおける400Mb/秒のスループットをサポートし、これは、複数の搬送
波周波数上で、かつMoCAチャネル結合を伴わずに、デジタルデータをコード化する方
法である。チャネル結合を伴う(即ち、伝送のために2つの100MHz周波数チャネル
を使用する)と、MoCA2.0は、同軸ケーブル上で最大800Mb/秒の伝送スルー
プットをサポートすることができる。ITU−T G.hnは、同軸ケーブル上での1G
b/秒のスループットを宣伝する。
【0036】
RJ−45 LAN接続は、1Gb/秒の維持されたスループットを提供することがで
きる、堅牢な全二重技術である。一部の実施例において、同軸ネットワーク302および
構造化された配線ネットワーク304(RJ−45インターフェース)は、住宅300の
あるセクション内のセットトップボックス200が、構造化された配線ネットワーク30
4(例えば、RJ−45 LANケーブル)を使用して、住居用ゲートウェイ134に接
続され、住宅300の他のセクション内の他のセットトップボックス200が、同軸ネッ
トワーク302を使用して、住居用ゲートウェイ134に接続される、混合様態において
、使用される。層2ネットワークループおよびブロードキャストストームを防止するため
に、スパニング木プロトコル(STP)が、同軸ネットワーク302および構造化された
配線ネットワーク304において実行されてもよく、構造化された配線ネットワーク30
4(RJ−45インターフェース)は、同軸ネットワーク302よりも高い優先度を受け
る。
【0037】
図4は、ローカルエリアネットワークを拡張する方法のための動作の例示的な配設40
0の概略図である。該方法は、複数のセットトップボックス200を住居または住宅30
0の周囲に配置すること402と、各セットトップボックス200と住居用ローカルエリ
アネットワーク130の住居用ゲートウェイ134との間の有線接続を確立すること40
4と、を含む。一部の実装において、該方法は、セットトップボックス200のうちの少
なくとも1つと、住居用ローカルエリアネットワーク130内のポータブルコンピュータ
またはIPネットワークデバイス136といった、ローカルコンピューティングデバイス
との間の無線接続を確立することを含む。無線接続は、WiFi接続、Bluetoot
h接続、または赤外線接続であり得る。該方法は、住居用ゲートウェイ134(または統
合された光ネットワーク端末−住居用ゲートウェイ133)と、遠隔サービスプロバイダ
110との間の有線接続を確立することを含み得る。有線接続は、光ファイバ接続であり
得る。
【0038】
いくつかの実装を説明してきた。言うまでもなく、本開示の精神および範囲から逸脱す
ることなく、種々の修正が成され得ることが理解されよう。したがって、他の実装は、以
下の特許請求の範囲内である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4