特許第6366708号(P6366708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366708
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】外科手術用締結具適用装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-526350(P2016-526350)
(86)(22)【出願日】2013年11月4日
(65)【公表番号】特表2016-534795(P2016-534795A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】US2013068247
(87)【国際公開番号】WO2015065485
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】グプタ, アービンド クマル
(72)【発明者】
【氏名】ダーカド, ハルショッタム シング
(72)【発明者】
【氏名】ガリキパティ, キラン
(72)【発明者】
【氏名】カトレ, ニクヒル アール.
(72)【発明者】
【氏名】ビベカナンダン, ビナヤン
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−208018(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/109444(WO,A2)
【文献】 特開昭55−101255(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0023247(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/109445(WO,A2)
【文献】 国際公開第2013/022703(WO,A1)
【文献】 特開平04−327843(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0312858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用締結具適用装置であって、
遠位アンビル部分および近位ハンドル部分を含む、アンビル半セクションと、
細長いチャネル部材を画定するカートリッジ受容半セクションであって、前記細長いチャネル部材は、単回使用装填ユニットを取り外し可能に受容するような寸法にされる遠位部分と、発射アセンブリを支持するように構成される近位部分とを有し、前記発射アセンブリは、静止筺体と、発射レバーから延在する少なくとも1つのレバーガイド突起を有する発射レバーを含み、前記発射レバーは、前記静止筺体の近位端から前記静止筺体の遠位端に摺動可能であって、発射ストロークを画定する、カートリッジ受容半セクションと、
前記カートリッジ受容半セクションに固定され、近位ハンドル部分を含む、咬持レバーであって、前記咬持レバーは、前記アンビル半セクションおよび前記カートリッジ受容半セクションと動作可能に関連付けられ、咬持されていない位置から咬持された位置に移動可能であって、前記アンビル半セクションの遠位アンビル部分を前記単回使用装填ユニットと緊密に接近して取り外し可能に固定し、前記咬持レバーの近位ハンドル部分は、少なくとも1つのレバーガイドスロットを画定し、前記少なくとも1つのレバーガイド突起は、前記発射ストロークの開始の際に、前記少なくとも1つのレバーガイドスロットに進入するように位置付けられ、前記発射ストロークの間、前記咬持されていない位置への前記咬持レバーの移動を阻止する、咬持レバーと、
を備え
前記発射アセンブリは、前記カートリッジ受容半セクション内に取り外し可能に固定されるように構成され、前記発射アセンブリは、前記発射アセンブリの遠位端内に支持される付勢部材をさらに含み、前記付勢部材は、前記咬持された位置への前記咬持レバーの移動に先立って、前記細長いチャネル部材内への単回使用装填ユニットの完全着座を阻止するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記咬持レバーは、前記カートリッジ受容半セクションに取り外し可能に固定される、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項3】
前記アンビル半セクションの近位ハンドル部分および前記咬持レバーの近位ハンドル部分のうちの少なくとも1つは、前記アンビル半セクションおよび/または前記咬持レバーの清掃ならびに滅菌を促進するための複数の開口を画定する、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項4】
前記アンビル半セクションの遠位アンビル部分は、それを通して延在する長手方向スロットを画定し、前記長手方向スロットは、比較的に狭い底部部分と、前記底部部分から離れて延在する方向に徐々に広くなる上部部分とを画定する、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項5】
前記発射アセンブリは、底部表面と、前記底部表面から下向きに延在する突出部とを有する、静止筺体を含み、前記カートリッジ受容半セクションの細長いチャネル部材の近位部分は、前記静止筺体の突出部を受容し、前記発射アセンブリを前記細長いチャネル部材内に取り外し可能に固定し、かつ整列させるように構成される、開口を画定する、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項6】
前記発射アセンブリは、前記単回使用装填ユニットを前記細長いチャネル部材内に取り外し可能に固定するのに先立って、前記カートリッジ受容半セクション内に取り外し可能に固定されるように構成される、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項7】
前記アンビル半セクションは、近位に位置するバーを含み、前記カートリッジ受容半セクションは、それぞれ、垂直スロットを画定する一対の近位に位置する支持部材を含み、前記バーは、前記垂直スロット内に受容され、前記カートリッジ受容半セクションと連動して前記アンビル半セクションを枢動可能に支持するように構成される、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項8】
前記咬持レバーは、一対の内向きに延在する突起を含み、前記カートリッジ受容半セクションは、一対のくぼみを画定し、前記咬持レバーの突起は、前記カートリッジ受容半セクションのくぼみ内に受容され、前記咬持レバーを前記咬持された位置と前記咬持されていない位置との間の中間位置に取り外し可能に保持するように構成される、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのレバーガイドスロットは、口部を有し、前記少なくとも1つのレバーガイド突起は、前記咬持された位置への前記咬持レバーの移動の際に、前記少なくとも1つのレバーガイドスロットの口部に進入するように位置付けられる、請求項1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、外科手術用締結具適用装置に関し、より具体的には、再使用可能および使い捨て構成要素を有する、外科手術用締結具適用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の議論)
組織が、最初に、対向する顎部構造間に把持または咬持され、次いで、外科手術用締結具によって接合される、外科手術用締結具適用装置が、当技術分野において周知である。いくつかのそのような装置では、ナイフが、締結具によって接合された組織を切除するために提供される。締結具は、典型的には、外科手術用ステープルの形態であるが、例えば、クリップまたは2つの部分から成るポリマー外科手術用締結具等、他の外科手術用締結具もまた、利用されてもよい。
【0003】
外科手術用締結具適用装置は、典型的には、それらの間に組織を捕捉または咬持するために使用される、2つの細長い梁部材を含む。典型的には、梁部材の一方は、少なくとも2つの側方列に配列される複数のステープルを格納する、使い捨てカートリッジアセンブリを担持し、他方の梁部材は、ステープルがカートリッジアセンブリから駆動されるにつれて、ステープル脚部を成形するための表面を画定する、アンビルを含む。2つの部分から成る締結具が、使用される場合、アンビルを含む梁部材は、2つの部分から成る締結具の嵌着部分、例えば、受器を担持する。
【0004】
概して、ステープル成形プロセスは、1つまたはそれを上回る長手方向に移動するカム部材と一連の個々のステープルプッシャとの間の相互作用によって行われる。カム部材が、梁部材を担持するカートリッジを通して、長手方向に進行するにつれて、個々のプッシャ部材は、カートリッジアセンブリ内に支持されたステープルのバックスパン内に上向きに付勢され、連続して、ステープルをカートリッジから出射する。ナイフは、ステープル列間のカム部材によって進行し、成形されたステープルの列間の組織を切除するように提供されてもよい。そのような器具の例は、米国特許第7,631,794号に開示され、この特許は、参照することによって、本明細書に全体として組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、外科手術用締結具を組織に適用するための外科手術用締結具適用装置に関する。実施形態では、外科手術用締結具適用装置は、遠位アンビル部分および近位ハンドル部分を含む、アンビル半セクションと、細長いチャネル部材を画定する、カートリッジ受容半セクションとを含む。細長いチャネル部材は、単回使用装填ユニットを取り外し可能に受容するような寸法にされる遠位部分と、発射アセンブリを支持するように構成される近位部分とを有する。発射アセンブリは、静止筺体と、発射レバーから延在する少なくとも1つのレバーガイド突起を有する、発射レバーとを含む。発射レバーは、静止筺体の近位端から静止筺体の遠位端に摺動可能であって、発射ストロークを画定する。咬持レバーは、カートリッジ受容半セクションに固定され、近位ハンドル部分を含む。咬持レバーは、アンビル半セクションおよびカートリッジ受容半セクションと動作可能に関連付けられ、咬持されていない位置から咬持された位置に移動可能であって、アンビル半セクションの遠位アンビル部分を単回使用装填ユニットと緊密に接近して取り外し可能に固定する。咬持レバーの近位ハンドル部分は、少なくとも1つのレバーガイドスロットを画定する。少なくとも1つのレバーガイド突起は、発射ストロークの開始に際し、少なくとも1つのレバーガイドスロットに進入するように位置付けられ、発射ストロークの間、咬持されていない位置への咬持レバーの移動を阻止する。
【0006】
実施形態では、咬持レバーは、カートリッジ受容半セクションに取り外し可能に固定される。
【0007】
実施形態では、アンビル半セクションの近位ハンドル部分および咬持レバーの近位ハンドル部分のうちの少なくとも1つは、アンビル半セクションおよび/または咬持レバーの清掃および滅菌を促進するための複数の開口を画定する。
【0008】
実施形態では、アンビル半セクションの遠位アンビル部分は、それを通して延在する長手方向スロットを画定する。長手方向スロットは、比較的に狭い底部部分と、底部部分から離れて延在する方向に徐々に広くなる上部部分とを画定する。
【0009】
実施形態では、発射アセンブリは、底部表面と、底部表面から下向きに延在する突出部とを有する、静止筺体を含む。カートリッジ受容半セクションの細長いチャネル部材の近位部分は、静止筺体の突出部を受容し、発射アセンブリを細長いチャネル部材内に取り外し可能に固定し、整列させるように構成される、開口を画定する。
【0010】
実施形態では、発射アセンブリは、単回使用装填ユニットを細長いチャネル部材内に取り外し可能に固定するのに先立って、カートリッジ受容半セクション内に取り外し可能に固定されるように構成される。
【0011】
実施形態では、付勢部材は、発射アセンブリの遠位端内に支持される。付勢部材は、咬持された位置への咬持レバーの移動に先立って、細長いチャネル部材内への単回使用装填の完全着座を阻止するように構成される。
【0012】
実施形態では、アンビル半セクションは、近位に位置するバーを含み、カートリッジ受容半セクションは、それぞれ、垂直スロットを画定する一対の近位に位置する支持部材を含む。バーは、垂直スロット内に受容され、カートリッジ受容半セクションと連動して、アンビル半セクションを枢動可能に支持するように構成される。
【0013】
実施形態では、咬持レバーは、一対の内向きに延在する突起を含み、カートリッジ受容半セクションは、一対のくぼみを画定する。咬持レバーの突起は、カートリッジ受容半セクションのくぼみ内に受容され、咬持レバーを咬持された位置と咬持されていない位置との間の中間位置に取り外し可能に保持するように構成される。
【0014】
実施形態では、少なくとも1つのレバーガイドスロットは、口部を有する。少なくとも1つのレバーガイド突起は、咬持された位置への咬持レバーの移動に際し、少なくとも1つのレバーガイドスロットの口部に進入するように位置付けられる。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術用締結具適用装置であって、
遠位アンビル部分および近位ハンドル部分を含む、アンビル半セクションと、
細長いチャネル部材を画定するカートリッジ受容半セクションであって、前記細長いチャネル部材は、単回使用装填ユニットを取り外し可能に受容するような寸法にされる遠位部分と、発射アセンブリを支持するように構成される近位部分とを有し、前記発射アセンブリは、静止筺体と、発射レバーから延在する少なくとも1つのレバーガイド突起を有する発射レバーを含み、前記発射レバーは、前記静止筺体の近位端から前記静止筺体の遠位端に摺動可能であって、発射ストロークを画定する、カートリッジ受容半セクションと、
前記カートリッジ受容半セクションに固定され、近位ハンドル部分を含む、咬持レバーであって、前記咬持レバーは、前記アンビル半セクションおよび前記カートリッジ受容半セクションと動作可能に関連付けられ、咬持されていない位置から咬持された位置に移動可能であって、前記アンビル半セクションの遠位アンビル部分を前記単回使用装填ユニットと緊密に接近して取り外し可能に固定し、前記咬持レバーの近位ハンドル部分は、少なくとも1つのレバーガイドスロットを画定し、前記少なくとも1つのレバーガイド突起は、前記発射ストロークの開始の際に、前記少なくとも1つのレバーガイドスロットに進入するように位置付けられ、前記発射ストロークの間、前記咬持されていない位置への前記咬持レバーの移動を阻止する、咬持レバーと、
を備える、装置。
(項目2)
前記咬持レバーは、前記カートリッジ受容半セクションに取り外し可能に固定される、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目3)
前記アンビル半セクションの近位ハンドル部分および前記咬持レバーの近位ハンドル部分のうちの少なくとも1つは、前記アンビル半セクションおよび/または前記咬持レバーの清掃ならびに滅菌を促進するための複数の開口を画定する、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目4)
前記アンビル半セクションの遠位アンビル部分は、それを通して延在する長手方向スロットを画定し、前記長手方向スロットは、比較的に狭い底部部分と、前記底部部分から離れて延在する方向に徐々に広くなる上部部分とを画定する、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目5)
前記発射アセンブリは、底部表面と、前記底部表面から下向きに延在する突出部とを有する、静止筺体を含み、前記カートリッジ受容半セクションの細長いチャネル部材の近位部分は、前記静止筺体の突出部を受容し、前記発射アセンブリを前記細長いチャネル部材内に取り外し可能に固定し、かつ整列させるように構成される、開口を画定する、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目6)
前記発射アセンブリは、前記単回使用装填ユニットを前記細長いチャネル部材内に取り外し可能に固定するのに先立って、前記カートリッジ受容半セクション内に取り外し可能に固定されるように構成される、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目7)
前記発射アセンブリの遠位端内に支持される付勢部材であって、前記咬持された位置への前記咬持レバーの移動に先立って、前記細長いチャネル部材内への単回使用装填ユニットの完全着座を阻止するように構成される、付勢部材をさらに含む、項目6に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目8)
前記アンビル半セクションは、近位に位置するバーを含み、前記カートリッジ受容半セクションは、それぞれ、垂直スロットを画定する一対の近位に位置する支持部材を含み、前記バーは、前記垂直スロット内に受容され、前記カートリッジ受容半セクションと連動して前記アンビル半セクションを枢動可能に支持するように構成される、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目9)
前記咬持レバーは、一対の内向きに延在する突起を含み、前記カートリッジ受容半セクションは、一対のくぼみを画定し、前記咬持レバーの突起は、前記カートリッジ受容半セクションのくぼみ内に受容され、前記咬持レバーを前記咬持された位置と前記咬持されていない位置との間の中間位置に取り外し可能に保持するように構成される、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
(項目10)
前記少なくとも1つのレバーガイドスロットは、口部を有し、前記少なくとも1つのレバーガイド突起は、前記咬持された位置への前記咬持レバーの移動の際に、前記少なくとも1つのレバーガイドスロットの口部に進入するように位置付けられる、項目1に記載の外科手術用締結具適用装置。
【図面の簡単な説明】
【0015】
次に、本開示される外科手術用締結具適用装置の種々の実施形態が、付随の図を参照して、本明細書に説明される。
図1図1は、本開示される外科手術用締結具適用装置の咬持された位置における実施形態の側面斜視図である。
図2図2は、咬持レバーおよびカートリッジ受容半セクションの組立の間の図1の外科手術用締結具適用装置の側面斜視図である。
図3図3は、部品が分離されて示される、図1の外科手術用締結具適用装置の側面斜視図である。
図4A図4Aは、図1の外科手術用締結具適用装置のアンビル半セクションの側面斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aのアンビル半セクションの底部斜視図である。
図5図5は、図4Aのアンビル半セクションの近位端部分の底部斜視図である。
図6A図6Aは、相互から脱係合されて示される、図1の外科手術用締結具適用装置のアンビル半セクションおよびカートリッジ受容半セクションの近位端の側面図である。
図6B図6Bは、相互に係合されて示される、図6Aのアンビル半セクションおよびカートリッジ受容半セクションの近位端の側面図である。
図7A図7Aは、図1の外科手術用締結具適用装置のカートリッジ受容半セクションの底部斜視図である。
図7B図7Bは、図7Aのカートリッジ受容半セクションの側面図である。
図8図8は、図7Aに示される詳細の面積の拡大側面斜視図である。
図9図9は、図1の外科手術用締結具適用装置の発射アセンブリの側面斜視図である。
図10図10は、図9の発射アセンブリの静止筺体の近位端の底部斜視図である。
図11A図11Aは、単回使用装填ユニット(「SULU」)が部分的にその中に係合される、図1の外科手術用締結具適用装置のカートリッジ受容半セクションの長手方向断面図である。
図11B図11Bは、SULUがその中に完全に係合される、図11Aのカートリッジ受容半セクションの長手方向断面図である。
図12A図12Aは、図1の外科手術用締結具適用装置のアンビル半セクションの遠位部分の底部斜視図である。
図12B図12Bは、図12Aのアンビル半セクションの遠位部分の上からの斜視図である。
図13図13は、図12Bの切断線13−13を横断する横断面図である。
図14A図14Aは、図1の外科手術用締結具適用装置の咬持レバーの上からの斜視図である。
図14B図14Bは、図14Aの咬持レバーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示される外科手術用締結具適用装置の実施形態が、図面を参照して、詳細に説明されるが、類似参照番号は、いくつかの図のそれぞれにおいて、類似または同じ構造要素を識別する。本明細書で使用されるように、従来通り、用語「近位」は、ユーザにより近い装置の端部を指し、用語「遠位」は、ユーザからより遠い装置の端部を指す。
【0017】
図1−2は、概して、外科手術用ステープラ10として示される、本開示される外科手術用締結具適用装置の実施形態を図示する。外科手術用ステープラ10は、アンビル半セクション100と、カートリッジ受容半セクション200と、咬持レバー300と、単回使用装填ユニット400(以下「SULU」)と、発射アセンブリ500とを含む。アンビル半セクション100、カートリッジ受容半セクション200、および咬持レバー300は、再使用可能構成要素として構成されてもよく、したがって、滅菌および反復使用のために好適な生体適合性材料、例えば、ステンレス鋼から構築されてもよい。以下に説明されるように、アンビル半セクション100、カートリッジ受容半セクション200、および咬持レバー300はそれぞれ、その効果的滅菌を促進するための特徴を含む。SULU400および発射アセンブリ500は、一方、使い捨て構成要素であって、外科手術用ステープラ10の再使用可能構成要素から分離可能である。SULU400および発射アセンブリ500は、プラスチック、金属、またはそれらの組み合わせを含む、多くの好適な生体適合性材料から構築されてもよい。さらに、外科手術用ステープラ10は、異なるステープルライン長、例えば、60mm、80mm、および100mmのステープルを発射するために、SULUおよび/または発射アセンブリを受容または収容するように構成されてもよい。
【0018】
図4A−4Bおよび12A−13を参照すると、アンビル半セクション100は、近位ハンドル部分102と、遠位アンビル部分104とを含む。遠位アンビル部分104は、その底部表面110内に画定される複数のステープル変形陥凹108(図12B)を含む、ステープル変形部分106(図4B)を含む。ステープル変形部分106は、アンビル半セクション100と一体的に形成されるか、または代替として、溶接、タック留め、または圧着、もしくは他の接着剤等の締結プロセスによって、アンビル半セクション100に固定されることができる。ステープル変形部分106を画定する、遠位アンビル部分104の底部表面110は、SULU400(図3)が、カートリッジ受容半セクション200(図2参照)のチャネル部材202内に位置付けられると、SULU400(図3)の上部表面に面するように構成される。遠位アンビル部分104は、アンビル部分104の長さの実質的部分に沿って延在する、中心長手方向スロット112(図12A−13)を画定する。図12A−13に最良に示されるように、中心長手方向スロット112は、ナイフ406が、SULU400(図3参照)を通して移動され、ステープル(図12B)の側方列115間の組織を切断するにつれて、SULU400(図3参照)のナイフ406を摺動可能に受容するためのステープル変形部分106の底部表面110を通して延在する、比較的に狭い底部部分114を有する。図13に示されるように、中心長手方向スロット112の上部部分116は、遠位アンビル部分104の底部部分114から上部表面118へと徐々に広くなり、中心長手方向スロット112は、比較的に広い開口部を画定する。示されるように広くなる中心長手方向スロット112を提供することによって、より少ない材料が、遠位アンビル部分104を形成するために要求され、それによって、遠位アンビル部分104の重量を減少させる。加えて、幅広スロット112は、遠位アンビル部分104のより効果的清掃および滅菌を可能にする。
【0019】
図1−5、特に、図4A−4Bを参照すると、アンビル半セクション100の中心部分120は遠位アンビル部分104のステープル変形部分106の近位端とアンビル半セクション100の近位ハンドル部分102の遠位端との間に画定される。アンビル半セクション100の中心部分120は、2つの対の円筒形側方支持部材124、126を含む。アンビル半セクションの中心部分120はさらに、カートリッジ受容半セクション200に向かって下向きに延在する一対の支持フィンガ125等の少なくとも1つの突出部を含む。アンビル半セクション100およびカートリッジ受容半セクション200の組立の間、側方支持部材124は、外科手術用ステープラ10(図1)が咬持された位置にあるとき、SULU400(図3)とアンビル半セクション100のステープル変形部分106との間に最小間隙を設定するように機能する。側方支持部材126は、一方、カートリッジ受容半セクション200の中心部分210内に画定されるU形状陥凹212(図7A−7B参照)内に支持され、外科手術用ステープラ10(図1)が咬持された位置にあるとき、SULU400(図3)をアンビル半セクション100のステープル変形部分106に対して適切に整列させる。さらに、咬持された位置では、側方支持部材126が、咬持レバー300の離間されたフランジ部分308上に形成されるカットアウト310内に受容される。ステープラ10が、咬持された位置に移動されるにつれて、支持フィンガ125は、SULU400(図3)をカートリッジ受容半セクション200のチャネル部材202内の位置に完全に押勢する。
【0020】
特に、図4A−4Bを継続して参照すると、アンビル半セクション100の近位ハンドル部分102は、人間工学的に形成され、本体部分128と、親指係合当接部130とを含む。本体部分128は、近位ハンドル部分102の清掃および滅菌を促進する、複数の開口132を画定してもよい。本体部分128内への開口132の提供もまた、外科手術用ステープラ10の全体的重量を減少させる。
【0021】
加えて図5を参照すると、近位ハンドル部分102の近位端は、下向きに延在する突出部であるフィンガ134を含み、以下にさらに詳細に論じられるように、後方ロケータバー136(図6A−6B)を画定する。後方ロケータバー136は、種々の構成、例えば、円筒形、涙滴形状等をとってもよい。後方ロケータバー136は、そこから側方に延在する少なくとも1つの突起を含んでもよい。図5に最良に示されるように、バー136は、その近位端に向かって、アンビル半セクション100の近位ハンドル部分102と統合される、例えば、モノリシックに形成されてもよい。
【0022】
図7A−8を参照すると、カートリッジ受容半セクション200は、SULU400(図3)を取り外し可能に受容するような寸法にされる遠位部分206と、発射アセンブリ500(図9)を取り外し可能に受容するような寸法にされる近位部分208とを有する、実質的にU形状のチャネル204を画定する、細長いチャネル部材202を画定する。カートリッジ受容半セクション200はさらに、前述のように、アンビル半セクション100(図1−3参照)の側方支持部材126を支持するように位置付けられる、離間されたU形状陥凹212を画定する、中心部分210を含む。カートリッジ受容半セクション200の中心部分210はさらに、陥凹212の真下に位置付けられる、一対の下向きに延在するフィンガ214を含む。フィンガ214はそれぞれ、咬持レバー300の離間されたフランジ部分308の個別のC形状陥凹314内に受容され、以下に説明されるように、外科手術用ステープラ10(図1−3参照)の咬持を促進するように構成される、円筒形枢動部材216を支持する。カートリッジ受容半セクション200の中心部分210内に画定される一対のくぼみ218のそれぞれ1つは、以下に説明されるように、咬持レバー300の突起312を受容し、咬持レバー300(図1−3参照)を咬持された位置と咬持されていない位置との間の中間位置に取り外し可能に固定するように構成される。
【0023】
加えて図1−3を参照すると、細長いチャネル部材202の近位部分208の基部表面220は、以下に説明されるように、発射アセンブリ500の付勢部材506(図3)、例えば、平坦ばねの通過を可能にし、咬持レバー300を咬持されていない位置に向かって付勢するように構成される、細長い長手方向スロット222を画定する。再使用可能カートリッジ受容半セクション200または咬持レバー300上へではなく、使い捨て発射アセンブリ500上への付勢部材506(図3)の位置付けは、使用後、付勢部材506(図3)内およびその周囲を滅菌する必要性を省く。言い換えると、カートリッジ受容半セクション200または咬持レバー300のいずれも、付勢部材506(図3)をその中に保持するように構成される複雑な特徴を含む必要がなく、したがって、容易に滅菌される。細長いチャネル部材202の基部表面220はさらに、以下に説明されるように、発射アセンブリ500の静止筺体502の底部表面から外向きに延在し、発射アセンブリ500を細長いチャネル部材202内に固定および整列させる、突出部504(図10)を受容するように構成される、近位に位置する開口224を画定する。
【0024】
図6A−6Bを参照すると、カートリッジ受容半セクション200の近位端は、一対の垂直支持部材226を含む。各垂直支持部材226は、丸みを帯びた底部表面を有し得る、細長い垂直スロット228を画定するが、他の構成も、企図される。垂直スロット228はそれぞれ、前述のように、アンビル半セクション100の近位端と一体型であって、そこから延在する、フィンガ134の後方ロケータバー136を受容するような寸法にされる。組立の間、後方ロケータバー136は、垂直スロット228のそれぞれの中に挿入され、アンビル半セクション100をカートリッジ受容半セクション200上に枢動可能に支持し、カートリッジ受容半セクション200をアンビル半セクション100と連動して軸方向に位置させる。バー136が支持部材226の垂直スロット228内に支持されて位置付けられた状態で、アンビル半セクション100は、開放位置と閉鎖位置との間で、カートリッジ受容半セクション200に対して鋏状様式で枢動されることができる。
【0025】
図1−3および7A−10を参照すると、発射アセンブリ500は、突出部504(図10)を含む近位端を有する、静止筺体502を含む。前述のように、突出部504は、静止筺体502の底部表面から延在し、細長いチャネル部材202の基部表面220内に画定される開口224内への受容のために構成され、発射アセンブリ500の近位端を細長いチャネル部材202の近位部分208内に取り外し可能に固定および整列させる。同様に、SULU400(図3)は、チャネル部材202の遠位端に形成されるカットアウト230内に位置付け可能であって、SULU400の遠位端をチャネル部材202の遠位部分206内に取り外し可能に固定する、一対の遠位突出部414(図3)を含む。以下にさらに詳細に図11A−11Bを参照して説明されるように、発射アセンブリ500の静止筺体502は、SULU400の近位端が、組立の際、チャネル部材202内への完全着座を阻止するように位置付けられ、それによって、発射アセンブリ500の偶発的発射を阻止するためのロックアウトとしての役割を果たす、付勢部材526を含む。SULU400の近位端は、以下にさらに詳細に論じられるように、十分な力が、SULU400上に提供され、付勢部材526の付勢に対して、SULU400をチャネル部材202内に完全に着座させる、ステープラ10の咬持の際にのみ、チャネル部材202内の適切な動作位置に移動される。
【0026】
図9を参照すると、発射アセンブリ500の静止筺体502は、発射アセンブリ500の作業構成要素を格納するように構成される。本明細書における目的のために、あえて言うなら、静止筺体502は、概して、ナイフ作動バー508、カムバー510、ガイドブロック512、スライドブロック514、発射レバー516、ならびに、逐次的に、複数の外科手術締結具をSULU400(図3)から発射し、ナイフ406(図3)をSULU400(図3)を通して前進させ、続いて、発射レバー516の作動に応じて、ステープルの側方列115(図12B)間の組織を分割するように機能する、他の相互協働構成要素(明示的に図示せず)を支持する。発射アセンブリ500に類似する発射アセンブリのさらなる詳細な説明は、米国特許第7,631,794号(「第’794号特許」)に見出されることができ、この特許は、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。
【0027】
発射アセンブリ500の発射レバー516は、第1および第2の指係合部材518および520を含み、そのいずれか一方は、ステープラ10の両側から、発射ストロークを通して、発射レバー516を移動させるように選択的に係合されることができる。発射アセンブリ500は、発射レバー516が発射ストロークを通して移動され得る前に、発射レバー516が、最初に、発射アセンブリ500の片側または他側に枢動されなければならないように構成される。レバーガイド突起522が、各係合部材518、520の底部表面から延在する。加えて図1−3および14A−14Bを参照すると、各レバーガイド突起522は、発射レバー516の作動の際に、すなわち、発射ストロークの開始の際に、咬持レバー300の各側上に画定される個別のレバーガイドスロット316内への受容のために構成され、かつそのような寸法にされる。以下に説明されるように、咬持レバー300の適切なレバーガイドスロット316は、発射レバー516の対応するレバーガイド突起522を受容し(どの側の発射レバー516が発射に先立って枢動されるかに応じて)、いったん発射ストロークが開始されると、すなわち、いったん発射レバー516が完全に後退された位置から遠位に移動されると、発射レバー516の並進を誘導し、かつ咬持レバー300の咬持解除を阻止することの両方を行う。本明細書で使用されるように、発射ストロークは、完全に後退された位置から完全に前進された位置への発射レバー516の移動として定義される一方、発射ストロークの開始は、レバーガイド突起522のうちの1つを個別のレバーガイドスロット316内に位置付けるような十分な発射レバー516の移動として定義される。
【0028】
再び、図1−3を参照すると、SULU400は、複数のステープルプッシャ(図示せず)を格納する本体402と、底部カバー404と、角度付けられた鋭的前縁またはブレード(図示せず)を有するナイフ406と、本体402内に動作可能に配置される複数のステープル(図示せず)と、前述で参照することによって本明細書に組み込まれる、第’794号特許にさらに詳細に説明される、枢動可能に搭載される安全ロックアウト408(図11A−11B)とを含む。本体402は、例えば、4つ、6つ等の複数の列のステープル保持スロット410と、本体402内の中央に配置される直線的スロット付きナイフトラック412とを有する。外科手術用ステープラ10は、例えば、60mm、80mm、および100mmを含む、異なるステープルライン長のSULUを受容または収容するような寸法にされることができる。ナイフ406は、同様に、第’794号特許に説明されるように、発射アセンブリ500のナイフ作動バー508の上向きフック部分524(図11A)に係合するように構成される、下向きフック部分(図示せず)を含んでもよい。特に、図11A−11Bを参照すると、前述のように、付勢部材526は、発射アセンブリ500(図9)の静止筺体502の遠位端内に支持される。付勢部材526は、SULU400の近位端が、組立の際、チャネル部材202内に完全に着座しないように阻止し、発射アセンブリ500の偶発的発射を阻止するように位置付けられ、構成される。より具体的には、付勢部材526は、ステープラ10が咬持された位置に移動されるまで、SULU400が、チャネル部材202内に完全に着座しないように防止し、発射アセンブリ500(図9)が、SULU400に動作可能に係合しないように防止する。SULU400の近位端は、ステープラ10の咬持の際にのみ、チャネル部材202内の完全に着座された位置に移動され、その時、ナイフ406の下向きフック部分(図示せず)は、ナイフ作動バー508(図9)の上向きフック部分524(図11A)との係合のために動作可能に位置付けられる。発射ストロークの間、カムバー510(図9)は、本体402を通して摺動可能に移動可能であって、ステープルをSULU400から出射する。並行して、但し、所定の遅延後、ナイフ406が、ナイフ作動バー508(図9)の前進を介して、SULU400を通して前進され、ステープルの側方列115間の組織を分割する。SULU400に類似するSULUのさらなる詳細な説明は、第’794号特許に見出されることができる。
【0029】
ここで図1−3と併せて、図14A−14Bを参照すると、咬持レバー300は、グリップ304と、親指係合当接部306とを含む、ハンドル部分302を含む。前述のように、一対の離間されたフランジ部分308が、咬持レバー300の遠位端上に支持される。各フランジ部分308は、アンビル半セクション100の個別の側方支持部材126を受容し、咬持されていない位置から咬持された位置への外科手術用ステープラ10(図1)の移動を促進するような寸法にされる、カットアウト310を画定する。フランジ部分308はそれぞれさらに、咬持された位置に向かう咬持レバー300の枢動の際に、カートリッジ受容半セクション200の中心部分210内に画定されるくぼみ218内にスナップ嵌合式に受容され、咬持レバー300を咬持された位置と咬持されていない位置との間の中間位置に取り外し可能に固定するように構成される、内向きに延在する突起312を含む。
【0030】
前述のように、各フランジ部分308はまた、カートリッジ受容半セクション200の円筒形枢動部材216を受容し、咬持されていない位置と咬持された位置との間で、カートリッジ受容半セクション200に対して咬持レバー300の枢動を可能にするように構成される、C形状陥凹314を画定する。咬持レバー300は、咬持レバー300のフランジ部分308をカートリッジ受容半セクション200の略円筒形枢動部材216から除去することによって、カートリッジ受容半セクション200から完全に取り外し可能または分離可能である。本構成は、咬持レバー300およびカートリッジ受容半セクション200の両方へのより容易なアクセスを可能にし、両構成要素の到達困難面積をなくし、それによって、両構成要素の清掃および滅菌を促進する。
【0031】
図14A−14Bを継続して参照すると、咬持レバー300のハンドル部分302は、同様に前述のように、その各側に沿って延在する、長手方向レバーガイドスロット316を含む。レバーガイドスロット316はそれぞれ、対応する指係合部材518、520のレバーガイド突起312を受容するように構成される、開口部または口部318を画定する。より具体的には、発射ストロークの開始の際に、レバーガイド突起522は、口部518内から対応するレバーガイドスロット316の中に移動する。レバーガイド突起522が、レバーガイドスロット316内に配置されると、咬持レバー300の咬持解除は、阻止される。
【0032】
咬持レバー300のハンドル部分302はさらに、咬持レバー300の清掃および滅菌を促進し、外科手術用ステープラ10の全体的重量を減少させる、複数の開口320を画定する。発射アセンブリ500からカートリッジ受容半セクション200内に画定されるスロット222(図7A)を通して下向きに延在する、付勢部材506(図3)は、咬持レバー300の内側表面に係合し、咬持レバー300を咬持されていない位置に向かって付勢するように構成される。
【0033】
ここで図4A−14Bと併せて図1−3を参照すると、ステープラ10の組立および動作が、説明される。最初に、発射アセンブリ500に続いて、SULU400が、カートリッジ受容半セクション200の中に装填される。発射アセンブリ500をカートリッジ受容半セクション200のチャネル部材202の近位部分208の中に装填するために、発射アセンブリ500の静止筺体502が、発射アセンブリ500(図10参照)の静止筺体502から下向きに延在する、突出部504(図10)が、チャネル部材202の基部表面220内に画定される開口224内に位置付けられるように、チャネル部材202の中に挿入される。いったん発射アセンブリ500が、チャネル部材202の中に装填されると、SULU400は、カットアウト230内への遠位突出部414の係合を介して、チャネル部材202の遠位部分206の中に装填される。しかしながら、前述のように、本時点において、SULU400の近位端は、SULU400の近位端をチャネル部材202から押勢する、付勢部材526(図11A−11B)の付勢力に起因して、部分的にのみ、カートリッジ受容半セクション200のチャネル部材202内に着座する。
【0034】
いったんSULU400および発射アセンブリ500が、チャネル部材202の中に装填されると、アンビル半セクション100は、バー136をカートリッジ受容半セクション200の垂直支持部材226の垂直スロット228(図6A−6B参照)の中に挿入することによって、カートリッジ受容半セクション200に組み立てられることができる。その後、アンビル半セクション100は、カートリッジ受容半セクション200に向かって下向きに回転され、側方支持部材126(図4A−4B)を実質的にU形状の陥凹212(図7B)内に位置付けてもよい。
【0035】
アンビル半セクション100およびカートリッジ受容半セクション200が、相互に枢動可能に係合された状態で、咬持レバー300は、カートリッジ受容半セクション200に係合されてもよい。図2−3および14A−14Bを参照すると、咬持レバー300をカートリッジ受容半セクション200に係合するために、咬持レバー300のフランジ部分308は、カートリッジ受容半セクション200の円筒形枢動部材216(図3)が咬持レバー300の実質的にC形状の陥凹314の中に挿入されるように、カートリッジ受容半セクション200の中心部分210の周りに近接される。その後、咬持レバー300は、枢動部材216(図3)を中心とし、かつカートリッジ受容半セクション200に対して中間位置へと反時計回り方向(図2に示される配向に従って)に回転されてもよい。中間位置では、突起312(図14B)が、開口またはくぼみ218(図3)内に受容され、咬持レバー300をカートリッジ受容半セクション200に対して中間位置に保持する。
【0036】
使用時、組織をアンビル半セクション100とSULU400との間に握持するために、外科手術用ステープラ10は、握持されるべき組織が、アンビル半セクション100とSULU400との間に配置されるように位置付けられる。その後、咬持レバー300は、中間位置から図1に示される咬持された位置に反時計回り方向に回転され、アンビル半セクション100のステープル変形部分106およびSULU400の上部表面を接近させ、組織をその間に握持する。咬持レバー300が、咬持された位置に向かって回転されるにつれて、側方支持部材126が、咬持レバー300のフランジ部分308のカットアウト310(図2)内に受容され、支持フィンガ125が、SULU400に係合し、付勢部材526(図11A−11B)の付勢に対して、SULU400を下向きに押勢し、カートリッジ受容半セクション200のチャネル部材202内に完全に着座させる。SULU400が、チャネル部材202内に完全に着座されると、SULU400は、ナイフ作動バー508およびナイフ406が、相互に動作可能に係合され、発射アセンブリ500の作動を可能にするように、発射アセンブリ500と動作係合するように移動される。
【0037】
外科手術用ステープラ10が咬持された非発射位置にある状態で、発射レバー516は、ステープラ10のいずれかの側に枢動され、ステープラ10のいずれかの側からの外科手術用ステープラ10の作動を促進する。発射レバー516が、ステープラ10の所望の側に枢動された状態で、発射レバー516の指係合部材518、520の対応するレバーガイド突起522が、咬持レバー300(図1)のガイドスロット316の対応する口部318内に位置付けられる。本位置では、ステープラ10は、依然として、咬持されていなくてもよいが、発射の準備ができている。
【0038】
ステープラ10を発射するために、発射レバー516の指係合部材518、520は、図1における矢印「A」によって示される方向に、チャネル部材202に沿って遠位に前進される。指係合部材518、520の初期遠位前進に際し、レバーガイド突起522は、咬持レバー300の個別のスロット316の口部318からレバーガイドスロット316の中に移動され、発射ストロークの間、咬持レバー300の咬持解除を阻止し、発射ストロークを通して、発射レバー516の並進を誘導する。発射レバー516が、遠位に前進されるにつれて、スライドブロック514は、発射アセンブリ500の静止筺体502内で遠位に移動され、カムバー510の対応する移動およびナイフ作動バー508の遅延移動をもたらす。カムバー510が、発射アセンブリ500の静止筺体502を通して、SULU400の中に遠位に移動されるにつれて、カムバー510のカム表面は、逐次的に、SULU400内に配置されるプッシャ(明示的に図示せず)に係合し、組織の周りにステープルを成形するために、ステープル(明示的に図示せず)を本体402から、組織を通して、アンビル半セクション100のステープル変形部分106の中に出射する。並行して、ナイフ作動バー508の遠位端は、ナイフ406と係合されるため、ナイフ406は、所定の遅延後、SULU400を通して前進され、ステープル(図示せず)の側方列115(図12B)間の組織を切開する。
【0039】
発射レバー516が、発射ストロークの完了後、その最近位位置に戻され、カムバー510およびナイフ406を後退させると、レバーガイド突起522は、レバーガイドスロット316から個別のスロット316の口部318に戻るように移動され、したがって、咬持レバー300が、中間位置に戻ることを可能にする。その後、咬持レバー300は、カートリッジ受容半セクション200から脱係合および除去されてもよく、ステープラ10は、開放位置に移動され、ステープル留めおよび分割された組織を解放してもよい。開放位置では、アンビル半セクション100は、付勢部材526(図11A−11B)が、SULU400の近位端をチャネル部材202内の完全に着座された位置から押勢し、それによって、チャネル部材202からのSULU400の除去を促進するように、カートリッジ受容半セクション200から離間される。
【0040】
外科手術手技の間、SULU400は、複数回交換され、単一患者におけるステープラ10の複数回の使用を促進することができる。例えば、脈管の罹患部分を脈管から除去するための外科手術手技の間、外科手術用ステープラ10が、罹患脈管部分の両側の組織をステープル留めおよび切断するために使用されることができる。SULU400は、外科手術用ステープラ10の各ステープル留めおよび切断動作後に交換されることができる。各SULU400は、未使用ナイフ406を具備するため、組織の断裂は、最小限にされる。外科手術手技後、使用済みSULU400および発射アセンブリ500は、チャネル部材202から除去され、適切な様式で廃棄されることができる。アンビル半セクション100、カートリッジ受容半セクション200、および咬持レバー300は、前述のように、次いで、高圧蒸気滅菌等によって滅菌され、前述の様式において、新しいSULU400および発射アセンブリ500と再利用されることができる。
【0041】
種々の改変が、本明細書に開示される外科手術用締結具適用装置の実施形態に行なわれてもよいことを理解される。したがって、前述の説明は、限定としてではなく、単に、実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および思想内において、他の改変も想起し得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B