(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る自動密閉構造を備えた筆記具の構成と作用を詳細に説明する。
ここで、
図3は本発明に係る自動密閉構造を備えた筆記具を示す斜視図であり、
図4A及び
図4Bは本発明に係る筆記具のリンクを示す平面斜視図及び底面斜視図であり、
図5A及び
図5Bは本発明に係る筆記具のボールシャッターとリンクの閉鎖状態を示す斜視図及び側面図であり、
図6A及び
図6Bは本発明に係る筆記具のボールシャッターとリンクの開放状態を示す斜視図及び側面図であり、
図7Aと
図7Bは本発明に係る自動密閉構造を備えた筆記具の作動断面図である。
【0016】
図3に示すように、本発明に係る自動密閉構造を備えた筆記具は大きく、胴体ケース100と、胴体ケース100の端部に結合され、押し操作によってチップ138を突出および没入させるノック部120と、胴体ケース100の内部にスプリング137と共に挿入されているカートリッジ130と、胴体ケース100の内部に固く結合される第1及び第2のOリング140、180と、Oリング140によりその一端が被せられるように、胴体ケース100の内部に固く結合されるホルダ150と、ホルダ150に回動可能に結合されて、回転によりチップ138を突出および密閉させるボールシャッター160と、ボールシャッター160を回転させるように設けられるリンク170を含む。
【0017】
まず、胴体ケース100は合成樹脂材または金属材を用いて射出成形やモールド成形方法で製作することができ、中空管またはチューブ形状を有することができる。
このような胴体ケース100は、二つのケースがネジ結合またはしまりばめされ、コーン状の一つのケース一端に前端開口102を形成し、他のケースにはノック部120を含んで後述する構成要素を挿入結合させることができる内径サイズを有する後端開口104を形成している。
【0018】
そして、後端開口104と近接する周面上には、内部で有機的にクリップ部の固定とクリップ部の解除動作を可能に結合されたクリップ部110が設けられることができる。
【0019】
胴体ケース100の後端開口104に結合され、押し操作によって胴体ケース100の前端開口102を介してチップ138を突出および没入させるノック部120はユーザの押し操作によって力をカートリッジ130に伝達するように後端開口104の内側に設けることができ、小口径の周面と大口径の周面が層をなすチューブ形状を有し、小口径側の一端が開口されており、大口径側の他端が閉鎖されている。
【0020】
そして、カートリッジ130はインキの収容部位に対応するものであって、所定の容量の内部体積を有することができる。
このようなカートリッジ130はカートリッジ孔131からチップ138との間で順に、その径が層をなして小さくなるように、最大??直径のタンク部132、このタンク部132よりも相対的に小径の接続部133、この接続部133よりも相対的に小径のチップ延長軸筒部134を一体型に有している。
【0021】
また、チップ延長軸筒部134の先端にはタンク部132から通常のインキ供給方式(例えば、毛細管現象、圧力差、吸引など)によってタンク部132に保管しているいかなる内容物(例えば、インキ)などを、その筆記具の種類に対応した通常の供給方式に応じて供給することができるように、チップ138をチップ固定部135を介して挿入して固定することができる。
【0022】
ここでチップ固定部135には段付き部135aが形成されているので、チップ延長軸筒部134との結合時に段付き空間を置いて結合が行われる。
【0023】
一方、
図3に示すようなスプリング137はチップ延長軸筒部134に挿入された後、タンク部132の連結部133の段付き面に支持されるように載置されている。
【0024】
次に、スプリング137は作動時、カートリッジ130のストローク距離内でカートリッジ130を軸方向に付勢する役割をする。
【0025】
例えば、カートリッジ130とノック部120が前進方向に所定ストローク距離ぐらい前進する場合、スプリング137は圧縮状態になりながら、内部には弾性エネルギーが蓄えられる。この弾性エネルギーにより付勢力の解除時には伸長しながら、スプリング137を元の状態に復帰させる弾性復帰力が提供される。ここで、カートリッジ130の所定ストローク距離は、ノック部120のストローク距離ないしチップ138が元の位置から突出する位置までの距離と同一である。また、カートリッジ130とノック部120が後進方向に復帰することができる解除状態の時に、スプリング137は弾性復帰力によりノック部120を含んでカートリッジ130に結合された構成要素を元の位置に復帰させる役割をする。
【0026】
また、スプリング137はカートリッジ130とノック部120を前進させるために使用者が指で加える押圧力がOリング140、ホルダ150、ボールシャッター160のうち、いずれかに伝達される瞬間に発生する衝撃を減衰させる役割をする。
【0027】
そして、胴体ケース100の内部に固く結合される第1及び第2のOリング140、180はカートリッジ130と共に胴体ケース100の内周縁で気密性を維持させるための手段であって、通常の水密ないし気密手段に使用するゴム、シリコン、軟質のプラスチックのうち、いずれかの材質で形成されている。
【0028】
第1のOリング140と第2のOリング180との間には、ホルダ150、ボールシャッター160、リンク170が位置することができる。
【0029】
そして、第1のOリング140によりその一端が被せられるように、胴体ケース100の内部に固く結合されるホルダ150は、第1のOリング140により支持されてボールシャッター160を胴体ケース100の前端開口102の内側の半球面に密着させる役割をする。
【0030】
このようなホルダ150は中空型ブッシングに該当し、前方部分には半円状に対向する一対のヒンジ部152が形成されている。ヒンジ部152にはボールシャッター160が結合されているので、これを回動させながらも安定した支持面を提供する役割をする。
【0031】
また、ホルダ150の後方部分の直径は第1のOリング140と対応する直径を有することが好ましく、その内部にはヒンジ部152に垂直の直交方向に係止溝154が両側に一定の長さに形成されているので、後述するリンク170のガイドキー178のガイドラインを提供すると共に、弾性ラグ172の遊び空間を形成する。
【0032】
そして、ボールシャッター160はホルダ150に回転可能に結合されて、回転によりチップを突出および密閉させるドアの役割をするものである。ボールシャッター160は略円球状の球面両側外周縁に向かって軸心を通りながら開放された貫通通路162が形成され、貫通通路162と直交する外側の中心部には両側にヒンジ軸164が突設されている。
【0033】
そして、ボールシャッター160にはヒンジ軸164と近接する偏心位置にピン溝166が対向して形成され、中心部に向かって傾斜して形成されることができる。ピン溝166には後述するリンク170のピン176が位置し、偏心した位置から傾斜したピン溝166はピン176と結合された後、リンク170の前進移動によりボールシャッター160を制限されたサイズの回転角範囲内で回動させる力に変換させるカム溝と同様の役割を有することができる。
【0034】
一方、ホルダ150の内部に摺動可能に結合されるリンク170は、
図4Aおよび
図4B?
図5A及び
図5Bと
図6A及び
図6Bに示すように、チップ延長軸筒部134を挿入させるためのものであって、ホルダ150に向かう一端部には円周方向に所定の角度間隔を維持しながら、軸方向に一端のみを開放して切開した、対向する一対の弾性ラグ172が形成されている。
【0035】
この弾性ラグ172にはリンク170の後方部位に配置されると共に、各弾性ラグ172の先端に形成されたフック状の係止部172aを備え、このように直交方向の中空の柱内側面には、一対の対向する常時係止突起174が形成されることができる。
【0036】
ここで、弾性ラグ172の係止部172aと常時係止突起174は、前述したチップ固定部135の段付き部135aに位置しており、カートリッジ130の前進時には弾性ラグ172が係止部172aと共にホルダ150の係止溝154から広がるようになって、カートリッジ130の前進を助けるようになる。
【0037】
そして、リンク170には弾性ラグ172から軸方向に沿って一体につながる切開片175が形成されることができる。
【0038】
切開片175は中空の柱端部のうち一部の円周から突設されてボールシャッター160を回転させるものである。
この切開片175の両端部には長さ方向に切開面175aが形成され、両切開面175aにはボールシャッター160のピン溝166が位置するピン176が形成され、また、切開面175aに直交する柱の他端側にはボールシャッター160の回動を制限する切開顎177が周面に沿って形成されることができる。
【0039】
さらに、切開片175の円周の長さはボールシャッター160の円周内径と同一または小さく形成することができる。
また、切開顎177の円周直径はボールシャッター160の円周外径と同一であり得る。
一方、弾性ラグ172と切開片175との間における柱面には野球のホームプレート形状と類似したガイドキー178が形成され、弾性ラグ172が形成されている同一線上に形成されることが好ましい。
【0040】
前述したように、ガイドキー178はホルダ150の係止溝154に沿って移動することができる。
【0041】
図7A及び
図7Bは本発明に係る自動密閉構造を備えた筆記具の非使用状態を示す断面図及び使用状態を示す断面図である。これらの図面を参照して以上のような構成の本発明に係る自動密閉構造を備えた筆記具の突出および没入作動を説明する。
【0042】
まず、筆記具の組立時には、胴体ケース100の内部にカートリッジ130を位置させ、ノック部120はカートリッジ130の一端にしまりばめまたはネジ結合などの結合方式で締結する。
【0043】
このような状態で、
図7Aは最初のストロークの開始位置でボールシャッター160が前端開口102を閉鎖(close)させた状態を示している。
即ち、ボールシャッター160の貫通通路162はカートリッジ130の軸方向と垂直な方向に向かっている。
【0044】
そして、第1のOリング140はホルダ150とスプリング137との間で気密を維持すると共に、ボールシャッター160は前端開口102にも密着しているので、結局前端開口102と第2のOリング180との間の胴体ケース100の内部空間は密閉状態になって、チップ138のインキの乾き防止が実現される。
【0045】
一方、チップ138はチップ固定部135により取り囲まれた状態で結合され、特にリンク170の係止部172aと常時係止突起174が段付き部135aに係止されるようになる。
【0046】
また、リンク170はホルダ150に挿入されており、第1のOリング140とカートリッジ接続133との間に介在されているスプリング137は、弾性復元力によりリンクに接続されている胴体ケース100と第1のOリング140との間で相互に付勢力を作用させる。
【0047】
また、筆記具の突出作動のため、
図7Bに示すように、ユーザーのスイッチロック操作ないしノック体の押し操作によってノック部120が極めて小さなストローク距離ぐらい押圧された場合、ノック部120とカートリッジ130が前進方向にストローク距離ぐらい移動した状態になる。
【0048】
この時、スプリング137は前述した状況と同様であるが、前記の移動比率に対応してしてより一層増加したスプリング弾発力をカートリッジ130に作用させ、これによって、ホルダ150が固定された状態で、カートリッジ130と、それに結合されたリンク170はストロークの距離ぐらい移動されている。
【0049】
次に、ユーザーがノック部120を所定ストローク距離ぐらいさらに圧押すると、前進するリンク170のピン176はボールシャッター160の傾斜したピン溝166に沿ってスライドすることにより、ホルダ150のヒンジ部152に係止されているヒンジ軸164によってボールシャッター160を90°回転させ、リンク170のガイドキー178は固定されているホルダ150の係止溝154に沿って移動する。
【0050】
この時、リンク170の切開片175はボールシャッター160の内側に重ね合わない弧の長さを有することによって、約90°程度に回転したボールシャッター160は、切開面175aに沿って回動して切開顎177の位置まで回動するようになる。
【0051】
ここで、切開片175の円周の長さはボールシャッター160の円周内径と同一または小さく形成されているので、ボールシャッター160がリンク170から突出せずに同一面をなすことができる。
従って、ボールシャッター160の貫通通路162はカートリッジ130の軸方向に一致して前端開口102を連通させる。
【0052】
チップ138は前端開口102から抜け出て突出した状態を維持し、このような状態でユーザーは本発明の筆記具を使用することができる。
【0053】
一方、筆記具の没入作動のため、ユーザーはクリップ部110解除操作を通じて突出した状態のチップ138を胴体ケース100の内部における元の位置に復帰させることができる。
【0054】
クリップ部110を胴体ケース100の段付き溝105からリリースする方向に後進させるように、ユーザーはノック部120を圧押する。
【0055】
これによって、圧縮されたスプリング137が伸びながら、ノック部120とカートリッジ130を後進させ、前進する時の逆順の過程を行う。
【0056】
即ち、後進するカートリッジ130はリンク170に挿入され、前述したようにリンク170の弾性ラグ172が係止溝154に沿って移動する。
【0057】
リンク170の後進と共に、リンク170のピン176がボールシャッター160を回転角約90°だけ回転させて元の位置に復帰させる。
【0058】
スプリング137が元の長さに伸びた時、ノック部120、カートリッジ130、チップ138、リンク170は最初のストロークの開始位置に復帰され、ボールシャッター160は前端開口102を閉鎖させて、チップ138をボールシャッター160の貫通通路162の内側に安全で気密に収納させる。
【0059】
このように、本発明ではボールシャッター160のサイズの減少により筆記具全体の直径を低減することができる小型化によりユーザーのグリップ感を向上させることができ、ボールシャッター160のサイズの減少により筆記具の胴体ケース100の直径が非常に縮小することで、ボールシャッター160の開閉度に流入する空気量が相対的に低減して、結果的にチップ138のインキの乾きをより効果的に防止することができる。
【課題】ボールシャッターのサイズの減少により筆記具全体の直径を低減することができ、ユーザーのグリップ感を向上させることができる自動密閉構造を備えた筆記具を提供する。
【解決手段】自動密閉構造を備えた筆記具は一端に前端開口が形成される胴体ケースと、胴体ケースの他端部に結合され、押し操作によって胴体ケースからチップを突出および没入させるノック部と、ノック部とチップが両先端にそれぞれ結合された状態で、胴体ケースの内部にスプリングと共に挿入されているカートリッジと、胴体ケースの内部に固く結合される少なくとも一つのOリングと、Oリングによりその一端が被せられるように、胴体ケースの内部に固く結合されるホルダと、ホルダに回転可能に結合されて、回転によりチップを突出および密閉させるボールシャッターと、ホルダの内部に摺動可能に結合され、中空の柱端部のうち一部の円周から突設されてボールシャッターを回転させるように切開片が備えられているリンクを含む。