技術分野
河川に設けられる魚道に関するものである。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
特許文献1に記載の魚道も、あるいは大学の研究者等によって提案されている魚道も、石や土砂が堆積し難く、堆積したとしても強い水流で容易に押し流されるので、長期間にわたって魚道としての目的を達成できる。つまりこれらの魚道は、魚道としての性能は優れている。しかしながら、このように多数の傾斜した部分を備えた複雑な形状の魚道は建設が難しいという問題もある。魚道は鉄筋コンクリートから建設されているが、魚道を建設する場合次のようにしている。すなわち、最初に魚道を建設しようとするエリアに水が浸入しないように上流に土嚢を積んで水流を側方に逃がす、いわゆる締切排水工を実施する。次いで魚道の形状になるように複数本の鉄筋を結束する。型枠を構築する。コンクリートを打設して凝結固化を待つ。型枠を外し土嚢を除去すると魚道が得られる。このような従来工法においては、鉄筋の結束や型枠の構築が時間を要する作業であり、特に特許文献1に記載の魚道や、本発明の発明者が提案しているような魚道の場合には、傾斜した部分を多く備えていて形状が複雑なので数週間を要してしまう。そうすると魚道の建設コストが高くなる。また施工期間が長くなると、その間に降雨等によって河川が増水する危険が高まり災害リスクが高くなってしまう。また、型枠は一般的に木枠が使用されているが、魚道を建設するために大量の木枠が必要であり、木枠は通常3回程度再利用できるが、特殊な形状の魚道用に使用すると他の用途に転用できず1回の使用で廃棄しなければならない。そうすると木枠の廃棄の費用も含めてコストが高くなってしまう。さらには、枠勾配が73°を下回る勾配になっているとコンクリートを打設するときにコンクリート中の気泡が抜けにくくなるという問題もある。そうすると格別に型枠に空気を逃がす孔を開けたり、コンクリートが凝結固化して型枠を外した後で、気泡をコンクリートで埋める補修の必要があり、作業が繁雑である。
本発明は、したような問題点に鑑みてなされたもので、具体的には、多数の傾斜した部分を備えた複雑な形状の魚道を建設するときでも、短期間で容易に建設することができ、従って災害の危険性を低減することができ、コストも小さく無駄になる型枠も少なく、コンクリートの打設時にも気泡の発生による影響を受けにくい、魚道建設用のプレキャストコンクリート製埋設枠を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明は、目的を達成するために、魚道建設用のプレキャストコンクリート製埋設枠として構成される。対象とする魚道は、魚道の右側と左側を形成している右側堤部と左側堤部と、流れ方向を横切るように両堤部の間に設けられている複数段の段部とから構成され、各段部は所定の傾斜で立ち上がっている上がり傾斜部と、該上がり傾斜に接続されている水平の堰部と、該堰部から所定の傾斜で下がっている下がり傾斜部とから構成・・・ 続きを
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【発明の効果】
以上のように、本発明は、魚道建設用のプレキャストコンクリート製埋設枠として構成されている。つまりいわゆる捨て枠として構成されている。そして対象としている魚道は、魚道の右側と左側を形成している右側堤部と左側堤部と、流れ方向を横切るように両堤部の間に設けられている複数段の段部とから構成され、各段部は所定の傾斜で立ち上がっている上がり傾斜部と、該上がり傾斜に接続されている水平の堰部と、該堰部から所定の傾斜で下がっている下がり傾斜部とから構成された魚道である。そして本発明の埋設枠は、1段分の前記段部の一部を構成する段部用枠部
を 備えている。従って、複数個の埋設枠を所定の配置で設置し、そして型枠
は、 段部用枠部を利用すれば容易に設置することができる。従って最初から全ての型枠を組んでコンクリートを打設する場合と比して、遙かに効率よく魚道を建設することができる。特に建設の対象としている魚道は、段部が上がり傾斜部と下がり傾斜部とを備えているので複雑な形状になっている。このような複雑な形状を得るための型枠は必然的に複雑になってしまうが、本発明の埋設枠を設けるだけで対応でき、型枠を設ける必要がない。これによって魚道を短期間に建設することが可能になり、災害の危険性も低減することができる。さらには無駄になる型枠も少しで済み、コストを小さくすることができる。そして、のような型枠は埋設枠の間だけに設ければ済むので、コンクリートの打設時に発生する気泡の影響は最小限で済む。つまり、コンクリートが凝結固化して型枠を取り外した後に気泡が残ったとしても、そのような部分は魚道の一部だけであるので、それらの気泡をコンクリートで埋めて補修すれば済む。
他の発明によると 段部用枠部は、幅が等しく長さが異なる長方形状の第1〜3の板部が、側方から見たときに全体として中空の略台形状を呈するように互いに結合された形状に形成されており、台形の脚に対応する第1、3の板部がそれぞれ上がり傾斜部と前記下がり傾斜部とに、そして台形の上底に対応する第2の板部が堰部にそれぞれ対応している。そうすると、段部用枠部は重ね合わせて搬送することができる。従って多数個の埋設枠を効率よく搬送することができ、搬送コストを小さくすることができる。
また他の発明によると、段部用枠部は第2の板部にくり抜きが空けられているので、コンクリートを打設するときに打設孔として利用できるし、空気が抜けやすくもなっている。さらには他の発明によると、埋設枠によって建設される魚道は、段部の上がり傾斜部が略2分の勾配に、下がり傾斜部が略1割の勾配
に 形成される。このような魚道は魚道に石や土砂が堆積し難く、堆積したとしても強い水流の水が流れると容易に排出される。本発明によると、このように性能の高い魚道を容易に建設することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の実施の形態に係る魚道建設用プレキャストコンクリート製埋設枠によって建設される魚道を示す図で、その(ア)は魚道の斜視図、その(イ)魚道を(ア)におけるX−X断面で切断した断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る魚道建設用プレキャストコンクリート製埋設枠の右側枠を示す図で、その(ア)、(イ)は右側枠を構成する段部用枠部の斜視図と側面図、その(ウ)〜(オ)はそれぞれ右側枠を構成する右側堤部用枠部の斜視図と平面図と側面部である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る魚道建設用プレキャストコンクリート製埋設枠の右側枠を示す図で、その(ア)は段部用枠部と右側堤部用枠部とから右側枠を組立てる様子を示す斜視図、その(イ)〜(エ)はそれぞれ組立てられた右側枠の斜視図と側面図と正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る魚道建設用プレキャストコンクリート製埋設枠によって魚道を建設する方法を説明する図で、その(ア)、(イ)はそれぞれの工程を示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る魚道建設用プレキャストコンクリート製埋設枠を使用して建設することができる、他の形態に係る魚道の斜視図である。
1 魚道 2 右側堤部
3 左側堤部 5 段部
7 上がり傾斜部 8 堰部
9 下がり傾斜部 10 底部
12 右側枠 12’ 左側枠
13 段部用枠部 14 右側堤部用枠部
14’ 左側堤部用枠部 16 第1の板部
17 第2の板部 18 第3の板部
19 くり抜き
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