【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、LNGタンクから生じたBOGを再液化するボイルオフガス再液化装置であって、LNG供給システムに連結される。
第一のLNG供給システムは、
LNGを蓄えるLNGタンクと、
前記LNGタンクから第一圧BOGライン(L1)で送られた第一圧力のBOGを圧縮し第二圧力に昇圧する圧縮機(コンプレッサ)(1)と、
前記圧縮機(1)より下流に配置されており、第二圧BOGライン(L2)で送られた前記第二圧力のBOGを冷却する第一クーラー(2)と、
前記第一クーラー(2)より下流に配置されており、第二圧BOGライン(L2)で送られたBOGを前記第二圧力よりも高い第三圧力となるように昇圧するBOGブースター(3)と、
前記BOGブースター(3)より下流に配置されており、第三圧BOGライン(L3)で送られた前記第三圧力のBOGを冷却する第二クーラー(4)と、
前記第二圧BOGライン(L2)から分岐し、第二圧力のBOGを供給するための第二圧BOG供給ライン(L4)とを有する。
LNGタンクから送り出されたBOGに少なくとも1つの圧縮処理を行う圧縮プロセスラインは、第一圧BOGライン(L1)、第二圧BOGライン(L2)、第三圧BOGライン(L3)を有していてもよい。
【0010】
上記第一のボイルオフガス再液化装置は、
LNGタンクから送り出されたBOGに少なくとも1つの圧縮処理を行う圧縮プロセスライン(L1、L2、L3)の下流から分岐する第一ライン(L10)と、
前記BOGを熱交換するための第一熱交換器(10)と、
前記第一熱交換器内で前記第一ライン(L10)から分岐し、圧縮プロセスラインの中間位置に合流する第一リターンライン(L12)と、
前記第一リターンライン(L12)において配置され、かつ前記第一熱交換器(10)の一部を通過したBOGを膨張するエキスパンダー(13)と、
前記第一リターンライン(L12)において配置され、かつ前記エキスパンダー(13)で膨張され前記第一熱交換器(10)を通過したBOGを昇圧する、前記エキスパンダー(13)によって駆動されるブースター(14)と、
前記第一ライン(L10)において、前記第一熱交換器(10)を通過したBOGを熱交換するための第二熱交換器(11)と、
前記第一ライン(L10)において、前記第二熱交換器(11)を通過したBOGを自由膨張させて再液化するための少なくとも1つの膨張弁(16)と、
前記膨張弁(16)で膨張したBOGを、BOGとLNGとに分離する気液分離
機(12)と、
前記気液分離機(12)からLNGタンクまたはユースポイントへLNGを送る再液化LNGライン(L15)と、
前記少なくとも1つの膨張弁(16)より上流位置で前記第一ライン(L10)から分岐し、前記第二熱交換器(11)を通過し、次いで前記第一熱交換器(10)の一部または全部を通過し、前記圧縮プロセスラインの上流位置に合流する第二リターンライン(L13)と、
前記気液分離機(12)から前記第二熱交換器(11)を通過して前記第二リターンライン(L13)へ前記BOGを合流させるBOGライン(L17)と、を有する。
上記において、前記第二熱交換器(11)より上流位置の前記第二リターンライン(L13)に、または前記第一ライン(L10)において、前記第二リターンライン(L13)が前記第一ライン(L10)から分岐する分岐点より上流かつ前記第二熱交換器(11)より下流に、少なくとも1つの膨張弁(15)をさらに有してもよい。
【0011】
第二のLNG供給システムは、第一のLNG供給システムと同様である。
第二のボイルオフガス再液化装置は、
LNGタンクから送り出されたBOGに少なくとも1つの圧縮処理を行う圧縮プロセスライン(L1、L2、L3)の下流から分岐する第一ライン(L10)と、
前記BOGを熱交換するための第一熱交換器(10)と、
前記第一熱交換器内で前記第一ライン(L10)から分岐し、前記圧縮プロセスラインの中間位置に合流する第一リターンライン(L12)と、
前記第一リターンライン(L12)において配置され、かつ前記第一熱交換器(10)の一部を通過したBOGを膨張する第一エキスパンダー(33)と、
前記圧縮プロセスラインに合流する前に前記第一リターンライン(L12)から分岐し、前記第一熱交換器(10)よりも上流位置で前記第一ライン(L10)に合流する分岐ライン(L121)において配置され、かつ前記第一エキスパンダー(33)で膨張され前記第一熱交換器(10)を通過したBOGを昇圧するための、前記第一エキスパンダー(33)によって駆動される第一ブースター(34)と、
前記圧縮プロセスラインに合流する前に前記第一リターンライン(L12)から分岐し、前記第一熱交換器(10)を
1回または複数回通過し、前記圧縮プロセスラインの上流位置に合流する第二リターンライン(L122)において配置され、かつ前記第一熱交換器(10)の一部を通過したBOGを膨張する第二エキスパンダー(36)と、
前記分岐ライン(L121)において配置され、かつ前記BOGをさらに昇圧するための、前記第二エキスパンダー(36)によって駆動される第二ブースター(37)と、
前記第一熱交換器(10)を通過したBOGを熱交換するための第二熱交換器(11)と、
前記第二熱交換器(11)を通過したBOGを自由膨張させて再液化するための少なくとも1つの膨張弁(16)と、
前記膨張弁(16)で膨張したBOGを、BOGとLNGとに分離する気液分離
機(12)と、
前記気液分離機(12)からLNGタンクまたはユースポイントへLNGを送る再液化LNGライン(L15)と、
前記気液分離機(12)から前記第一熱交換器(10)の一部または全部を通過し、前記第二リターンライン(L122)へ前記BOGを合流させるBOGライン(L171)と、を有する。
2段のエキスパンダー・ブースターを有する第二のボイルオフガス再液化装置は、1段のエキスパンダー・ブースターを有する第一のボイルオフガス再液化装置に比べて、それらがすべて同サイズのエキスパンダー・ブースターであることを条件にすれば、大量の液化が可能になる。
【0012】
第三のボイルオフガス再液化装置を有するLNG供給システムは、
LNGを蓄えるLNGタンクと、
第二リターンライン(L13)から送られたBOGを所定の圧力(P2)に圧縮する圧縮機(1)と、
前記圧縮機(1)より下流に配置されており、BOGライン(L2)で送られたBOGを前記所定の圧力(P2)よりも高い圧力(P3)となるように昇圧するBOGブースター(3)と、
前記BOGブースター(3)より下流位置でBOGライン(L3)から分岐する第一ライン(L10)と、
前記圧力(P3)のBOGを熱交換するための第一熱交換器(10)と、
前記第一熱交換器の内で前記第一ライン(L10)から分岐し、前記BOGブースター(3)より上流位置の前記BOGライン(L2)に合流する第一リターンライン(L12)と、
前記第一リターンライン(L12)において配置され、かつ前記第一熱交換器(10)の一部を通過したBOGを膨張するエキスパンダー(13)と、
前記第一リターンライン(L12)において配置され、かつ前記エキスパンダー(13)で膨張され前記第一熱交換器(10)を通過したBOGを昇圧する、前記エキスパンダー(13)によって駆動されるブースター(14)と、
前記LNGタンクからのBOGを熱交換する、かつ前記第一熱交換器(10)を通過したBOGを熱交換するための第二熱交換器(11)と、
前記第二熱交換器(11)を通過したBOGを自由膨張させて再液化するための少なくとも1つの膨張弁(16)と、
前記膨張弁(16)で膨張したBOGを、BOGとLNGとに分離する気液分離
機(セパレータ)(12)と、
前記気液分離機(12)からLNGタンクまたはユースポイントへLNGを送る再液化LNGライン(L15)と、
前記少なくとも1つの膨張弁(16)より上流位置で前記第一ライン(L10)から分岐し、前記第二熱交換器(11)を通過し、次いで前記第一熱交換器(10)の一部または全部を通過し、BOGを前記圧縮機(1)に送り込むための第二リターンライン(L13)と、
前記気液分離機(12)から前記第二熱交換器(11)を通過して前記第二リターンライン(L13)へ前記BOGを合流させるBOGライン(L17)と、を有する。
上記において、前記第二熱交換器(11)より上流位置の前記第二リターンライン(L13)に、または前記第一ライン(L10)において、前記第二リターンライン(L13)が前記第一ライン(L10)から分岐する分岐点より上流かつ前記第二熱交換器(11)より下流に、少なくとも1つの膨張弁(15)をさらに有してもよい。
【0013】
上記本発明は、リサイクル、発電、または天然ガスパイプライン圧送のために圧縮されたBOGを液化サイクルによって直接再液化することができる。換言すれば、BOGをリサイクル、発電や天然ガスパイプライン供給用に使用されるBOG圧縮機を、BOG再液化サイクルに転用可能とする。即ち、BOGの供給先が無い場合でも、その圧縮機を利用してBOGの再液化を可能としてBOGの大気への排気をなくし、また簡単な機器構成であるため低コストで装置を導入することが可能である。
また、本発明は、新規のLNG設備だけでなく、既設のLNG設備のBOG圧縮機を利用した改造にも適用可能であり、市場性が非常に高い。
従来技術のBOGをBOG圧縮機によって圧送し処理していた場合と比較して、本発明は、該BOG圧縮機を利用しながら低コストでBOG再液化することが可能となり、温室効果が高いBOGを大気排出することなくLNG設備の運用における柔軟性を高めることができる。
また、従来技術のBOGの再液化に窒素冷媒を使用した冷凍サイクルを適用する場合と比較して、簡単な機器構成であるため大幅なコスト低下が可能となる。例えば、3ton/hのBOGを処理する設備において、再液化に係る機器コストを約40%低減することができる。
【0014】
上記において、各ラインに、例えば、自動開閉弁、圧力調整弁、流量調整弁が設けられていてもよい。
上記において、各ラインに、例えば、液送ポンプ、加圧器が設けられていてもよい。
上記において、「熱交換器の全部を通過する」とは、想定される熱交換機能が100%発揮される状態をいい、「熱交換器の一部を通過する」とは、想定される熱交換機能が0%を超えて100%未満であることをいう。特に記載されていない限り、「熱交換器を通過する」は、両者を含む構成である。