(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記細長形本体及び前記遠位アセンブリを通って延びる、収縮ワイヤーを更に含み、前記制御ハンドルが、前記収縮ワイヤーを作動させて、前記螺旋状の形態を収縮させるように構成される、第1制御部材を含む、請求項1または2に記載のカテーテル。
前記細長形本体を通って延びる、偏向ワイヤーを更に含み、前記制御ハンドルが、前記偏向ワイヤーを作動させて、前記細長形本体の一部分を偏向させるように構成される、第2制御部材を含む、請求項1または2に記載のカテーテル。
前記形状記憶支持部材が、ルーメンを有し、前記形状記憶支持部材内の前記ルーメンを通しての挿入に適合されたマンドレルを更に含み、前記マンドレルが前記螺旋状の形態とは異なる形態を有する、請求項1または2に記載のカテーテル。
前記灌注焼灼リング電極が、前記灌注焼灼リング電極の内側から、前記灌注焼灼リング電極の外側に、半径方向で流体を通過させるように構成される、少なくとも1つの開口を有する、請求項1または2に記載のカテーテル。
前記灌注焼灼リング電極が、前記灌注焼灼リング電極の内側から、前記灌注焼灼リング電極の外側に、軸方向で流体を通過させるように構成される、少なくとも1つの開口を有する、請求項1または2に記載のカテーテル。
前記灌注焼灼リング電極に灌注流体をもたらすために、前記制御ハンドルの付近のルアーハブと、前記ルアーハブから前記細長形本体を経て前記遠位アセンブリの中まで遠位方向に延びる灌注ルーメンと、を更に含む、請求項1または2に記載のカテーテル。
前記ルアーハブが、ルーメンを有する灌注サイドアームによって前記制御ハンドルに取り付けられ、前記灌注ルーメンが前記サイドアームルーメンを通過して前記制御ハンドルの中に入り込む、請求項13に記載のカテーテル。
灌注流体を前記灌注焼灼リング電極にもたらすために、前記制御ハンドルの付近のルアーハブと、前記ルアーハブから遠位方向に前記細長形本体を経て前記多ルーメン管内の前記灌注ルーメンの中まで延在する灌注ルーメンと、を更に含む、請求項22に記載のカテーテル。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜4を参照すると、開示される実施形態によるカテーテル10は、長手方向軸を有する挿入シャフト/カテーテル本体12と、カテーテル本体の長手方向軸から、軸外に単方向又は双方向で偏向することができる、カテーテル本体の遠位の中間区域14と、を含み得る、細長形本体を含む。非直線又は湾曲遠位部分に沿って電極19が配置される、弾性の3次元遠位アセンブリ17が、細長形本体又は中間区域14の遠位の、概して直線状の移行区域20から延びる。本発明の特徴によれば、湾曲遠位部分は、非拘束状態の場合に、概して螺旋状の形態22を画定する。この螺旋状の形態は、中間区域14の長手方向軸に対して、斜めに配向される。用語「斜めに」は、本発明との関連では、螺旋状の形態に最良に適合する空間内平面が、中間区域14の長手方向軸に対して角度が付けられていることを意味する。この平面と軸との間の角度は、約30度〜およそ60度の範囲であり、好ましくは約45度である。更には、螺旋状の形態は、既定方式で螺旋を形成するか、又は範囲が定められる。一実施形態では、螺旋状の形態は、360度を著しく超えるように、好ましくは520度を超えるように、最も好ましくはおよそ540度であるように範囲が定められる。
【0022】
一実施形態において、カテーテル10は、以下でより詳細に説明されるように、オペレーターがカテーテル本体12の近位端の制御ハンドル16におけるコントローラ73を操作することによって、螺旋状の形態22が収縮されかつ膨張されることにより、その半径及び/又はピッチが減少することを可能にするように、設計される。更には、
図2に示すように、本カテーテルは、螺旋状の形態22の全体的構成が、顕著な展開を含めて、変化及び調整されることを可能にすることにより、螺旋状の形態は、同様に以下でより詳細に説明されるように、遠位アセンブリ17の螺旋状の形態22を提供する形状記憶部材50と並行して挿入されるか、又はその中に通して挿入されるマンドレル部材84によって、概して直線状に伸ばすことができる。カテーテル10の別の実施形態において、収縮機構は定位置にはなく、誘導シースから出ると同時に及び/又は内部のマンドレル84が取り外されると同時に、螺旋状の遠位端を収縮させるための付随する牽引ワイヤー及び機構が取り外され、規定の形状を取る遠位アセンブリを提供する。この実施形態は、以下により詳細に説明される。マンドレル84が使用される場合、これは先端部区域からのみ取り出されるか又はカテーテルから完全に取り出されることができる。一旦マンドレルが取り出されると、先端部区域を形成する形状記憶材料によって、先端部区域が螺旋状の形態22に膨張する。
【0023】
あるいは、内部のマンドレル84を使用するよりはむしろ、ガイドワイヤーが同様な目的に使用されてもよい。ガイドワイヤーは、先ず初めに腎動脈又は肺静脈に導入される。次いでカテーテル10が、ガイドワイヤーの上に進められる。一旦先端部区域が適当な場所に置かれると、ガイドワイヤーは取り出されることができ、遠位アセンブリ17が膨張して、内部の形状記憶材料によって指定される螺旋状の形態22を取るだろう。
【0024】
カテーテルは、心室、腹部大動脈又は腎動脈などの体腔内に挿入された誘導シースを経て患者の体内に入る。遠位アセンブリ17の可撓性の構成体により、螺旋状の形態22は、誘導シース内への挿入のために容易に直線状に伸びる。遠位アセンブリは、それが肺静脈又は腎動脈などの焼灼される血管の内部に向かって、誘導シースの遠位端を通過して移動するまで、誘導シース内で軸方向に進められる。(用語「軸方向」とは、カテーテルの長手方向軸に平行な方向を指す)。露出されかつ拘束されない場合、
図19〜21について以下に説明されるように、遠位アセンブリ17は、螺旋状の形態22を再び取り、これが、管状の解剖学的構造の組織表面に同時に接触している螺旋状の形態上の電極19の一部又はその全てと組織が係合するよう操作される。
【0025】
本発明の実施形態によれば、カテーテル10は、その遠位端に、3次元マッピング及び/又は焼灼アセンブリ17を有する。
図1に示すように、このカテーテルは、近位端及び遠位端を有する細長形挿入シャフト/カテーテル本体12、偏向可能中間区域14、カテーテル本体の近位端の制御ハンドル16、並びに偏向可能中間区域の遠位端に設置される遠位センブリ17を含む。
【0026】
図1及び5A、5Bの図示された実施形態において、カテーテル本体12は、単一の軸方向又は中央のルーメン18を有する、細長い管状の構造を備えている。カテーテル本体12は、可撓性すなわち折曲可能であるが、その長さに沿っては実質上、非圧縮性である。カテーテル本体12は、任意の適当な構造のものでよく、任意の適当な材料で形成することができる。本発明において好ましい構造の1つに、ポリウレタン又はPEBAXで形成された外壁30を有するものがある。外壁30は、カテーテル本体12の捩り剛性を増大させるために、当該技術分野において一般的に既知の、ステンレス鋼などの埋め込み式編組みメッシュを含むことにより、制御ハンドル16を回転させると、中間区域14及び遠位アセンブリ17が、対応する方式で回転することになる。
【0027】
カテーテル本体12の外径は重要ではないが、好ましくは約8フレンチ以下、より好ましくはおよそ5フレンチである。同様に、外壁30の厚さもさほど重要ではないが、中央管腔18が任意の所望のワイヤー、ケーブル、及び/又は管を収容できるような充分に薄いものである。外壁30の内側表面は、捩り安定性の改善を提供するために、補強管31で裏打ちされる。補強管31の外径は、外壁30の内径とほぼ同一であるか、又は若干それよりも小さい。補強管31は、非常に高い剛性を与えるとともに体温で軟化することがない、ポリイミドなどの任意の適当な材料で形成することができる。
【0028】
偏向可能中間区域14は、複数のルーメンを有する短い区域の管材15を含み、各ルーメンは、中間区域を通って延びる様々な構成要素によって占有される、
図6に示される実施形態では、6つのルーメンが存在する。各リング電極に関するリードワイヤー/熱電対の対41、42が、第1ルーメン33を通過する。非導電性の保護シース40を提供することができる。遠位アセンブリ17に灌注流体を供給するための灌注管材43が、第2ルーメン34を通過する。収縮ワイヤー44が、可変直径/収縮性設計で、第3ルーメン32を通過する。遠位アセンブリ17上に配置される複数個の単軸センサー(SAS)を含めた、位置センサーアセンブリ48に関するケーブル46が、第4ルーメン36を通過する。遠位アセンブリ17に関しては、非導電性の管材52、例えばポリイミド管材によって囲繞される形状記憶支持部材50が、遠位アセンブリ17から比較的短い距離で、第5ルーメン37内へと近位方向に延びる。中間区域14を偏向させるための牽引ワイヤー54が、第6ルーメン38を通過する。
【0029】
中間部分14の多管腔管材15は、好ましくはカテーテル本体12よりも可撓性の高い適当な無毒性材料で形成される。適当な材料の1つとして、編組ポリウレタン又はPEBAX、すなわち、編組ステンレス鋼などのメッシュが埋め込まれたポリウレタン又はPEBAXがある。各管腔を通じて延びる構成要素を収容するだけの充分な空間があれば、管腔の数及びサイズはさほど重要ではない。各ルーメンの位置もまた重要ではないが、ただし、遠位アセンブリ収縮ワイヤー44に関する第3ルーメン32は、好ましくは、ワイヤーの近位移動によって、螺旋状の形態を容易に収縮させることができるように、遠位アセンブリ17の螺旋状の形態22の内周に、より位置合わせされる。更には、偏向ワイヤー54に関する第6ルーメン38は、軸外にあることにより、偏向ワイヤーの遠位移動によって、ルーメンが軸外にある側へ向けた偏向が達成される。好ましくは、第3ルーメン32及び第6ルーメン38は、互いに直径方向で反対側にある。
【0030】
カテーテルの有用な長さ、すなわち、身体内に挿入することができる、遠位アセンブリ17を除く部分は、必要に応じて変化させることができる。好ましくは、大腿動脈内のアクセスポイントを経て肺静脈内で使用されるカテーテルに関しては、有用な長さは約110cm〜約120cmの範囲であり、同一のアクセスポイントを経て腎動脈内で使用されるカテーテルに関しては80cm〜約100cmの範囲である。中間区域14の長さは、有用な長さの比較的小さい部分であり、好ましくは約3.5cm〜約10cmの範囲であり、より好ましくは約5cm〜約6.5cmの範囲である。処置される腎動脈の解剖学的構造へのアクセスが、橈骨動脈を介しての場合、処置に好ましい長さはおよそ120cm〜約150cmであろう。
【0031】
カテーテル本体12を中間区間14に取り付けるための好ましい手段が、
図5A及び5Bに示されている。中間区域14の近位端は、カテーテル本体12の補強管31の外側表面を受容する、内周ノッチを含む。中間区域14及びカテーテル本体12は、接着剤など、例えば、ポリウレタンによって取り付けられる。必要な場合、カテーテル本体12内の、補強管31の遠位端と中間部分14の近位端との間にスペーサー(図に示されていない)を設けることによって、カテーテル本体12と中間部分との接合部に可撓性が移行する部分を与えることにより、接合部が折れたり又は捻れたりすることなく、滑らかに屈曲することが可能である。このようなスペーサーの例については、その開示内容を本明細書に援用するところの米国特許第5,964,757号により詳細に述べられている。
【0032】
中間区域14の遠位には、遠位アセンブリ17がある。中間区域14と遠位アセンブリ17との間には、
図1及び
図7に示すように、好適な材料、例えば、PEEKの管材を有する、移行区域7が延在しており、この移行区域20は、その中を通って延びる様々な構成要素が、遠位アセンブリ17内に入る前に再配向されることを可能にする、中央ルーメンを備える。
【0033】
図3に示すように、螺旋状の形態22の基部に、遠位アセンブリ17は、概して直線状の近位区域24、及び概して直線状の横断区域21を含む。近位部24の遠位端、及び横断部分の近位端は、それらの接合部で「エルボ」20Eを形成することにより、横断部分21は、概して、カテーテル10又は少なくとも中間区域14の、長手方向軸25を横断している。本発明の特徴によれば、螺旋状の形態22は、カテーテル上に「オフエッジ」の構成で設置され、この場合、中間区域14の長手方向軸25は、
図8A〜
図8Cに示すように、螺旋状の形態22の周囲と交差することなく、むしろ、螺旋状の形態の内部を通って延びる。
【0034】
図8A及び
図8Bの実施形態では、螺旋状の形態22の中心長手方向軸27は、中間区域の長手方向軸25と概して位置合わせされ、すなわち、螺旋状の形態22は、中間区域14の長手方向軸25上で、軸方向で中心(「軸上」)に置かれる。
図8Cの実施形態では、それぞれの長手方向軸25、27は、互いに対して平行であり、かつオフセットされ、又は位置がずらされていることにより、螺旋状の形態22は、長手方向軸25に対して「軸外」にある。螺旋状の形態の内部が、中心に置かれるX/Yデカルト座標系によって定義される場合、エルボEは、概して、軸上構成では中心の(0,0)の位置を呈し、軸外構成では、(x≠0,y≠0)の位置を呈する。横断区域21は、ほぼゼロと螺旋状の形態の直径との間の、任意の長さを有し得、任意の直径上の弦DC(
図8A及び
図8B)又は非直径上の弦NC(
図8C)上に位置することができる。
【0035】
図3を参照すると、螺旋状の形態22は、半径r(又は直径d)及びピッチP(その長手方向軸に沿った単位長さ当りの巻き数)によって画定することができる。PVのマッピング及び/又は焼灼に好適な直径は、約15mmと30mmの間の範囲であることができる。このピッチは約1.0cmと2.0cmの間(360度の周期間の距離)の範囲であることができる。腎動脈のマッピング及び/又は焼灼に好適な直径は、0.5cmと1.0cmの間の範囲のピッチで、4mmと10mmの間であることが好ましい。およそ10mmの螺旋状の直径を有するカテーテルは、電極19と組織との間の接触を作り出すために必要な壁付着を有するのに十分な力をもたらすと同時に、4mm以上の血管の内側に適合することができる。
【0036】
本発明の追加の特徴によれば、螺旋状の形態22は、その長さに沿ってテーパーが付けられてもよい。一実施形態では、螺旋状の形態は、外向きに螺旋を形成し、その近位端からその遠位端まで、増大する半径を有する(
図8B)。別の実施形態では、螺旋状の形態は、内向きに螺旋を形成し、その近位端からその遠位端まで、減少する半径を有する(
図8A)。更に別の実施形態では、螺旋状の形態は、その長さに沿って、概して一定の半径を有する(
図8C)。
【0037】
エルボEの(x,y)位置上の変化を有する横断区域21の配列に応じて、血管がその長さに沿って直径で変化する場合がある異なる血管の解剖学的構造で使用するために、異なる接触特性が遠位アセンブリ17で達成され得る。
【0038】
図3に示される実施形態では、螺旋状の形態22は、横断区域21から遠位方向に延び、概して、近位区域24の長手方向軸を中心として螺旋を形成する。螺旋状の形態22は、好ましくは約33mm〜約35mmの範囲の、外径dを有する。螺旋状の形態22は、時計方向又は反時計方向で、湾曲することができる。遠位アセンブリ17の近位区域24は、約5mmの露出長さを有する。
【0039】
図9に示すように、遠位アセンブリ17は、当業者には理解されるように、螺旋状の形態を含めた所望の形状で予備形成することができる、マルチルーメン管材56で形成される。開示される実施形態では、管材56は、4つの軸外ルーメン、すなわち、ケーブル46及び必要に応じてSAS 48に関する第1のルーメン57、リング電極ワイヤーの対40、41に関する第2のルーメン58、灌注流体に関する第3のルーメン59、並びに支持部材50及び収縮ワイヤー44に関する第4ルーメン60を有する。この場合も、ルーメンの位置及びサイズ設定は重要ではないが、ただし、収縮ワイヤー44に関する第4ルーメン60は、好ましくは、ワイヤーの近位移動が螺旋状の形態を容易に収縮させることができるように、螺旋状の形態の内周上にある。管材56は、任意の好適な材料で作製することができ、好ましくは、ポリウレタン又はPEBAXなどの、生体適合性プラスチックで作製される。
【0040】
図示の実施形態では、遠位アセンブリ17の、予備形成された支持部材又は脊柱部材50が、管材56の第4ルーメン60を通って延び、螺旋状の形態22の形状を画定する。支持部材50は、形状記憶を有する材料、すなわち、力が行使されると、その本来の形状から離れて直線状に伸ばすか又は屈曲させることができ、かつ力を取り除くと、実質的に本来の形状に戻ることが可能である材料で、作製される。支持部材50に関して特に好ましい材料は、ニッケル/チタン合金である。このような合金は、典型的には、約55%のニッケルと45%のチタンを含むが、約54%〜約57%のニッケルと、チタンである残部を含んでもよい。好ましいニッケル/チタン合金は二チノールであり、これは耐久性、強度、腐食耐性、電気抵抗及び温度安定性とともに、優れた形状記憶性を有する。
【0041】
支持部材50は、既定の形状の断面を有し、この既定の形状は、概して螺旋状、又は、正方形を含めた、概して矩形とすることができる。概して矩形の断面は、同等のサイズの螺旋状の断面と比較して、より大きい剛性を提供し得ることが理解されよう。更には、支持部材は、その長さに沿って変化する太さを有し得、例えば、遠位方向がより細く、近位方向がより太いことにより、遠位部分は、より容易に収縮することができ、近位部分は、遠位アセンブリ17が標的組織と接触する際に加えられる軸方向力からの荷重に、より良好に耐えることができる。
【0042】
一実施形態では、支持部材50は、中間区域14と移行区域21との接合部の直近位に、例えば、第5ルーメン37内の、接合部の近位約2〜3mmに、近位端を有する。あるいは、支持部材50は、必要に応じて又は適切に、第5ルーメン又は別のルーメンを介して中間区域14内へと、中央ルーメン18を介してカテーテル本体12へと、又は更に制御ハンドル16内へと、更に近位方向に延びることができる。いずれの場合でも、非導電性の保護管材62(例えば、編組みポリイミド管材)が、支持部材50に、その長さに沿って囲繞する関係で提供される。
【0043】
収縮ワイヤー44が、螺旋状の形態22を収縮させて、その直径を低減するために提供される。収縮ワイヤー44は、収縮ワイヤーを操作するために使用される制御ハンドル16内に係留される、近位端を有する。収縮ワイヤー44は、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通り、中間区域14の第3ルーメン35、移行区域20の中央ルーメン、及び遠位アセンブリ17の第4ルーメン60を通って、その遠位端まで延びる。遠位アセンブリ17の第4ルーメン60内では、収縮ワイヤー44は、支持部材50と共に、非導電性の保護管材62を通って延びる。上述のように、遠位アセンブリ17の第4ルーメン60は、螺旋状の形態22の、より中心に近接する側に配置される。この配置構成で、螺旋状の形態22の収縮は、収縮ワイヤー44の位置がそのように制御されていない配置構成よりも、大幅に改善される。
【0044】
一実施形態では、非導電性の保護管材62は、当該技術分野において一般的に既知であるように、その上に編組み層が形成されるポリイミドの内側層、編組みステンレス鋼メッシュなどを含む編組み層などを含めた、3つの層を含む。この編組み層は、管材の強度を高め、収縮ワイヤー44が、遠位アセンブリ17の予備形成された湾曲を直線状に伸ばす傾向を低減する。編組み層を保護するために、ポリテトラフルオロエチレンの薄いプラスチック層が、編組み層の上に提供される。このプラスチック管62は、中間区域14の遠位端に係留される、近位端を有する。
【0045】
支持部材50は、収縮ワイヤー44と共に、保護管材62を通って延びる。
図10に図示した実施形態では、支持部材50の遠位端及び収縮ワイヤー44の遠位端(圧着フェルール51内に係留される)は、小さいステンレス鋼管63に、ハンダ付けされるか、又は別の方法で取り付けられる。この配置構成で、収縮ワイヤー44及び支持部材50の相対位置は、上述のように、収縮ワイヤー44を、螺旋状の形態22の、より螺旋状の形態の中心に近接する側に配置し得るように、制御することができる。湾曲の内側の収縮ワイヤー44は、支持部材50を湾曲の内側に引き寄せ、螺旋状の形態の収縮を増進させる。更には、保護管材62が編組み層を含む場合、この編組み層により、遠位アセンブリ17のマルチルーメン管材56を、収縮ワイヤー44が貫通して引き裂くリスクが、最小限に抑えられる。図示の実施形態では、遠位アセンブリ17のマルチルーメン管材56の遠位端は、ポリウレタン接着剤などのドーム64で、密閉封止される。
【0046】
図5A及び5Bを参照すると、収縮ワイヤー44を囲繞する圧縮コイル45が、カテーテル本体12の近位端から、中間区域14の第3ルーメン35を通って延びる。この圧縮コイルは、移行区域20内の中間の場所に、又はその付近に、遠位端を有する。圧縮コイル45は、任意の好適な金属、好ましくはステンレス鋼で作製され、可撓性、すなわち屈曲を提供するが、圧縮には抵抗するように、それ自体に対して緊密に巻き付けられる。圧縮コイルの内径は、好ましくは、収縮ワイヤー44の直径よりも若干大きい。圧縮コイルの外側表面は、例えばポリイミド管材で作製される、可撓性の非導電性シース47によって被覆される。この圧縮コイルは、好ましくは、正方形又は矩形の断面積を有するワイヤーで形成されることにより、螺旋状の断面積を有するワイヤーから形成される圧縮コイルよりも、圧縮性が小さくなる。結果として、圧縮コイル45は、より多くの圧縮を吸収するため、遠位アセンブリ17を収縮させるように収縮ワイヤー44が操作される際に、カテーテル本体12、特に、中間区域14が偏向することを防ぐ。
【0047】
一連のリング電極19が、
図1、3及び4に示すように、螺旋状の形態22上の既定の場所上に設置される。リング電極は、白金又は金、好ましくは、白金とイリジウムとの組み合わせ、又は金と白金との組み合わせなどの、任意の好適な固体導電性材料で作製され、接着剤などで、管材上に設置することができる。焼灼及び灌注に適合される電極の好適な実施形態が、
図11〜13に図示される。この焼灼リザーバ(「AR」)電極は、概して円筒形であり、その直径よりも大きい長さを有する。
図11及び12の一実施形態では、この長さは、長さで約1〜4mmであり、外径(OD)は約2.5mmであり並びに内径(ID)は約2.23mmであり、この実施形態の数値は、腎動脈における使用に最適化されている。
図13の別の実施形態では、長さが約3.0mmであり、外径が約2.8mmであり、並びに内径が約2.33mmである。
【0048】
図14の断面図で示される例示した実施形態では、AR電極は、半径方向に張り出す側壁65(一実施形態では、約2.5mmの幅を有する)を備えた、樽に類似し得る側断面を有することにより、中間部分の直径MDが、両末端部分66での末端部直径EDよりも大きい。湾曲移行領域67が、側壁65と末端部分66との間に提供され、角部又は鋭利縁部を有さない、非外傷性のプロファイルを提供する。
【0049】
特に、この中間部分の直径は、遠位アセンブリの基底となる管材56の直径よりも大きいことにより、リザーバ又は環状の間隙Gが、管材56の外面の周囲に存在する。間隙Gは、管材56の外壁内に提供される開口部68、及びAR電極の側壁65内に計画的に形成及び配置される開口69を介した、第3ルーメン59からAR電極の外面への、流体分配の改善を提供する。管材56内の開口部68のサイズは、螺旋状の形態22の長さに沿った位置と共に変化する。最適な流れのために、開口部が、螺旋状の形態に沿って遠位になるにつれて、開口部のサイズ若しくは断面積、及び/又は各AR電極に関する開口部の複数性が増大する。
【0050】
開口69は、軸方向オフセット列を含めた、既定のパターンで、AR電極の側壁65に配置構成される。これらの開口は、外向きに面して、半径方向の流れを促進する。開口はまた、軸方向の流れを促進するために、湾曲移行領域67内、又はその付近にも提供される。更には、これらの開口は、電極のプロファイルの移行による、より高い電流密度から生じる「ホットスポット」となる可能性が高い、湾曲移行領域、又はその付近での、炭化及び凝固を最小限に抑える点で、特に有効である。その点に関して、開口の複数性及び/又は断面積は、電極の側壁内よりも、湾曲移行領域、又はその付近で大きいことにより、より多くの冷却作用を、湾曲移行領域内で提供する。したがって、このカテーテルは、全体的な流速及び患者に対する全体的な流体負荷を増大させることなく、より多くの灌注を供給することができ、その結果として、より多くの冷却作用を供給することができる。
【0051】
図11及び12における一実施形態では、側壁65上に約10個の開口があり、他には開口はない。
図13の実施形態では、約10個の開口が、側壁65上の湾曲した移行領域67及び20のそれぞれの上にある。このパターンは、各AR電極からの流量分布を更に変更するように、調整することができる。このパターンは、開口の追加若しくは除去、開口の間隔の修正、リング電極上での開口の場所の修正、及び/又は開口の幾何学的形状の修正によって、調整することができる。他の好適なリング電極は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2010/0168548 A1号に記載されている。
【0052】
灌注流体は、制御ハンドル16の近位のルアーハブ100に近位端が取り付けられて、ポンプ(図示されず)によって供給される流体を受容する、灌注管材43によって、遠位アセンブリに供給される。この灌注管材は、制御ハンドル16、カテーテル本体12の中央ルーメン18、中間区域14の第2ルーメン34、移行区域20の中央ルーメンを通り、遠位アセンブリ17の第3ルーメン59内へ、遠位方向で短い距離、例えば、約5mm延びる。流体は、第3ルーメン59内に入り、そのルーメンから、開口部68を介してAR電極のリザーバR内へ流出し、そのリザーバから、開口69を介してAR電極の外側へ流出して、炭化を最小限に抑える。
【0053】
遠位アセンブリ17上のAR電極の数は、必要に応じて変化し得る。好ましくは、AR電極の数は、約3〜約12個の範囲であり、より好ましくは約5〜約7個の範囲である。一実施形態では、遠位アセンブリ17は、10個のAR電極を支持する。電極は、
図3に示すように、螺旋状の形態22の周りで、ほぼ均等に離間させることができる。
【0054】
各ワイヤー50の近位端は、電気信号を送信及び/又は受信して焼灼を達成するために、制御ハンドル16の遠位の好適なコネクター(図示せず)に電気的に接続される。各AR電極は、対応するワイヤー40、41の対に接続される。開示される実施形態では、このワイヤー対のワイヤー40は、銅線、例えば、番手「40」の銅線である。このワイヤー対の他方のワイヤー41は、コンスタンタン線である。各対のワイヤーは、それらが撚り合わされている遠位端を除いて、互いに電気的に絶縁され、遠位アセンブリ17の第2ルーメン58内に形成された穴を通って送り込まれて、それらの対応するAR電極にハンダ付けされる(
図14)。各電極に関するワイヤー対は、制御ハンドル16から、カテーテル本体12の中央ルーメン18、中間区域14の第1ルーメン33、移行区域20の中央ルーメン、及び遠位アセンブリ17の第2ルーメン58を通って延びる。焼灼エネルギー、例えば、RFエネルギーは、このワイヤー対のワイヤー40を介して、AR電極に供給される。しかしながら、このワイヤー対はまた、それぞれのコンスタンタン線を含めて、各AR電極の温度を検出する温度センサー又は熱電対としても機能することができる。
【0055】
全てのワイヤー対は、それらを囲繞する関係の、任意の好適な材料、例えば、ポリイミドで作製することができる、1つの非導電性保護シース40(
図6)を通過する。シース40は、制御ハンドル16から、カテーテル本体12、中間区域14、移行区域20、及び遠位アセンブリ17の第2ルーメン58内に延びて、移行区域20と遠位アセンブリ17との接合部の直遠位で、例えば、第2ルーメン58内の約5mmで終端する。この遠位端は、接着剤、例えば、ポリウレタン接着剤などによって、第2ルーメン内に係留される。
【0056】
カテーテルの偏向可能なバージョンにおいて、偏向牽引ワイヤー54が、中間区域14の偏向のために提供される。偏向ワイヤー54は、カテーテル本体12の中央ルーメン18、及び中間区域14の第6ルーメン38を通って延びる。この偏向ワイヤー54は、その近位端で、制御ハンドル16内に係留され、好適な材料49、例えばポリウレタンによって、管材32の側壁に固着される、T字バー55(
図7)によって、中間区域14の遠位端の、又はその付近の場所に係留される。遠位端は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,371,955号で概して説明されるように、中間区域の管材15の側壁に係留される。牽引ワイヤー54は、ステンレス鋼又はニチノールなどの、任意の好適な金属で作製され、好ましくは、Teflon(登録商標)でコーティングされる。このようなコーティングによって引張りワイヤーに潤滑性が付与される。牽引ワイヤーは好ましくは、約0.015cm(約0.006インチ)から約0.025cm(約0.010インチ)に及ぶ直径を有している。
【0057】
第2圧縮コイル53が、牽引ワイヤー54に対して囲繞する関係で、カテーテル本体12の中央ルーメン18内部に位置する(
図5A及び5B)。第2圧縮コイル53は、カテーテル本体12の近位端から、中間区域14の近位端、又はその付近へと延びる。第2圧縮コイル53は、任意の好適な金属、好ましくはステンレス鋼で作製され、可撓性、すなわち屈曲を提供するが、圧縮には抵抗するように、それ自体に対して緊密に巻き付けられる。第2圧縮コイル53の内径は、好ましくは、牽引ワイヤー54の直径よりも若干大きい。牽引ワイヤー上のTeflon(登録商標)コーティングにより、牽引ワイヤーは、第2圧縮コイル内部で自由に摺動することが可能になる。カテーテル本体12内部では、第2圧縮コイル53の外側表面は、例えばポリイミド管材で作製される、可撓性の非導電性シース61によって被覆される。第2圧縮コイル53は、その近位端で、近位接着部によってカテーテル本体12の外壁30に係留され、遠位接着部によって、中間区域14に係留される。
【0058】
中間区域14の第6ルーメン38内部で、牽引ワイヤー54は、プラスチックの、好ましくはTeflon(登録商標)の、牽引ワイヤーシースを通って延び、このシースは、中間区域14が偏向される際に、牽引ワイヤー54が中間区域14の管材15の壁内に切れ込むことを防ぐ。
【0059】
遠位アセンブリ17の螺旋状の形態の収縮を生じさせる、カテーテル本体12に対する収縮ワイヤー44の長手方向の移動は、制御ハンドル16の好適な操作によって達成される。同様に、中間区域14の偏向を生じさせる、カテーテル本体12に対する偏向ワイヤー54の長手方向の移動は、制御ハンドル16の好適な操作によって達成される。2つ以上のワイヤーを操作するための好適な制御ハンドルは、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,468,260号、同第6,500,167号、及び同第6,522,933号に記載されている。ラッソータイプのカテーテルを操作するための好適な制御ハンドルは、例えば、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年8月28日出願の、米国特許出願第12/550,307号、及び2009年8月28日出願の、同第12/550,204号に記載されている。
【0060】
あるいは、本発明の遠位アセンブリを有するカテーテルは、偏向又は螺旋状の収縮/膨張機構が存在しない場合、後で説明される
図22に従って作製され得る。形状記憶素子を有する螺旋状の設計は、動脈壁へのカテーテルの接触に必要とされる力を提供し、構成成分操作(偏向及び収縮/膨張)の必要性を排除する。いずれの偏向又は収縮/膨張手段も必要としないカテーテルについては、コネクター及び灌注部分を備える簡単なハンドルが必要とされる全てである。この実施形態は、以下の
図24Aに関して示されかつ説明される。
【0061】
一実施形態では、カテーテルは、
図15及び
図16に示すような、制御ハンドル16を含む。制御ハンドル16は、ハンドル本体74を有する、偏向制御アセンブリを含み、このハンドル本体74内には、コア76が固定式に設置され、ピストン78が、コア76の遠位領域の上に、摺動自在に設置される。ピストン78は、ハンドル本体の外側に延びる、遠位部分を有する。親指ノブ80が、遠位部分上に設置されることにより、ユーザーは、コア76及びハンドル本体74に対して、ピストンを、より容易に長手方向に移動させることができる。カテーテル本体12の近位端が、ピストン78の遠位端に固定式に設置される。軸方向通路79が、ピストンの遠位端に提供されることにより、カテーテル本体12を通って延びる、リードワイヤー40、41、収縮ワイヤー44、偏向ワイヤー54、センサーケーブル46、及び灌注管材43を含めた、様々な構成要素が、この制御ハンドル内に入り、また適切な場合には、制御ハンドルを通過することができる。例えば、リードワイヤー40、41は、当該技術分野において一般的に既知であるように、制御ハンドル16の近位端から外へ延びることができ、又は制御ハンドル内に組み込まれるコネクターに接続することができる。
【0062】
偏向ワイヤー54の近位端は、制御ハンドル16内に入り、滑車82の周りに巻き付けられて、コア76に係留される。ハンドル本体74及びコア76に対して遠意方向の、親指ノブ80及びピストン78の長手方向移動は、偏向ワイヤー54の近位端を遠位方向に引き出す。結果として、偏向ワイヤー54は、中間区域14の、偏向ワイヤー54が係留される側を引っ張ることにより、その方向に中間区域を偏向させる。中間区域14を直線状に伸ばすためには、親指ノブ80を、近位方向に移動させることにより、ピストン78を、ハンドル本体74及びコア76に対して近位方向に移動させて、その本来の位置に戻す。
【0063】
制御ハンドル16はまた、回転制御アセンブリによって、収縮ワイヤー44の長手方向移動のためにも使用される。図示の実施形態では、回転制御アセンブリは、カムハンドル71及びカムレシーバ72を含む。このカムハンドルを、一方向に回転させることによって、カムレシーバが近位方向に引き寄せられ、収縮ワイヤー44を引き込む。カムハンドルを、反対方向に回転させることによって、カムレシーバが遠位方向に前進し、収縮ワイヤーを解放する。例えば、螺旋状の形態22が、約35mmの本来の外径を有する場合、収縮ワイヤーによる螺旋状の形態の締め付けは、外径を約20mmまで低減することができる。収縮ワイヤー44は、カテーテル本体12から、制御ハンドル16内に延びて、ピストン82内の軸方向通路を通り、コア76を通って、調整器75内に係留され、この調整器75によって、収縮ワイヤー上の張力を調整することができる。
【0064】
一実施形態では、位置センサー48は、遠位アセンブリ17の第1ルーメン57を通って延びるケーブル46上に支持される、複数個の単軸センサー(「SAS」)を含み(
図9)、この場合、各SASは、螺旋状の形態22上の既知又は既定の位置を占める。ケーブル46は、遠位アセンブリ17から、移行区域20の中央ルーメン、中間区域14の第4ルーメン36(
図6)、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通り、制御ハンドル16内へと、近位方向に延びる。各SAセンサーは、既知の等しい間隔で、隣接するSAセンサーと離隔して配置することができる。開示される実施形態では、このケーブルは、螺旋状の形態の場所及び/又は位置を検出するために、最遠位のAR電極、最近位のAR電極、及び中間のAR電極の下に配置される、3つのSASを支持する。遠位アセンブリが、10個のAR電極を支持する場合、SASは、電極ARの下にある。これらのSASによって、CARTO、CARTO XP、及びNOGAマッピングシステムを含めた、Biosense Webster,Inc.による製造及び販売のマッピングシステムの下で、螺旋状の形態を観察することが可能になる。適当なSASについては、2010年12月30日出願の米国特許出願第12/982,765号に述べられており、その開示内容全体を本明細書に援用するものである。
【0065】
本発明の別の代替的実施形態では、
図2に示すように、カテーテルは、遠位アセンブリ17を有し、この遠位アセンブリ17の螺旋状の形態22は、遠位アセンブリの形状記憶支持部材50を通って延びる、補強材又はマンドレル84によって、変化させることができる。
図17A〜
図17Cに示すように、形状記憶支持部材50は、管状(ではあるが、必ずしも円形の断面を有さない)、又は別の方式で中空であることにより、その形状、及び剛性/可撓性が、支持部材50とは異なるマンドレルを、受容することが可能である。
図17Aに示すような、一実施形態では、中空の支持部材50Aは、一体に巻かれて螺旋状の中空のストランド管材を形成する、複数の形状記憶ワイヤー90を含む。あるいは、中空の支持部材50Bは、この部材の長さに沿った螺旋状の切り込み92(例えば、レーザーによる)を有する管から形成され、より大きい可撓性を提供する。この切り込みは、軸方向から、約30〜80度の、好ましくは約65度の、角度βで作製される。
図17Bに示すように、螺旋状の切り込みは、平滑で直線状の縁部94を有して作製することができる。詳細な一実施形態では、部材50Bの外径は約0.25mmであり、内径は約0.20mmである。隣接する切り込み間のストリップの幅WSは、およそ0.024mmであり、切り込みの幅WCはおよそ0.002mmである。あるいは、
図17Cに示すように、螺旋状の切り込みは、相互に噛み合うパターン96、例えば、蟻継ぎパターンを有し得ることにより、この部材は、軸方向での伸長を伴わない、より大きい可撓性を提供することができる。詳細な一実施形態では、隣接する切り込みの間の、ストリップの幅WSは、約0.023mmである。各蟻継ぎの最も幅広の部分WDは、約0.005mmであり、蟻継ぎの深さDDは、約0.006mmであり、切り込みの幅WCは、約0.001mmである。
【0066】
図3に示すように、概して螺旋の形態状22は、その中に受容されるマンドレル84の、より展開した予備形成形状を呈するように、その形状に従って、著しく曲率がより小さい形態(実線で示す)へと、巻きが解かれる。遠位アセンブリ17からマンドレル84を除去すると、螺旋状の形態22は、形状記憶支持部材50の既定の形状(破線で示す)を再び呈する。
【0067】
これらの実施形態では、中空の支持部材50は、制御ハンドル16を通らないまでも、少なくとも、患者の外部に留まるカテーテル本体12の近位部分へと、近位方向に延びることができるため、その近位端は、マンドレルを挿入するために、オペレーターによってアクセス可能であることが理解されよう。この近位端は、オペレーターによってアクセスされるように、制御ハンドル付近の場所で、カテーテル本体から出ることができ、又は制御装置を通って延びて、制御ハンドルの近位端から出ることができる。
【0068】
それゆえ、オペレーターは、マンドレル84を、中空の支持部材50A、50B、50Cに通して前進させることによって、遠位アセンブリの形態を展開させるか、又は更に著しく直線状に伸ばすことができる。その点に関して、遠位アセンブリの形態の形状記憶部材よりも剛性であるマンドレルを提供することによって、その形態は、概して、形状記憶部材の構成よりも、マンドレルの構成又は形状を呈し得ることが、理解されよう。
【0069】
本カテーテル10は、操舵可能、マルチ電極、灌注ルーメン式のカテーテルである。カテーテルは、誘導シーズを通して、身体の標的領域、例えば、心臓の大動脈又は腎動脈若しくは他の解剖学的構造で展開される。このカテーテルは、標的領域、例えば心房の電気生理学的マッピングを促進するよう、並びに例えば、心組織又は腎神経を除神経するための焼灼の目的で、エネルギー、例えば高周波数(RF)電流をカテーテル電極に伝送するよう設計される。焼灼に関しては、このカテーテルは、マルチチャネルRF発振器及び灌注ポンプと共に使用される。
【0070】
このカテーテルの構成は、カテーテルが血管内部の組織との一定の周囲接触を作り出すことを可能にする。心内信号が、EP記録システムによって記録され、カテーテルの場所が、蛍光透視法によって可視化される。カテーテルが所望の場所に置かれると、エネルギーが、(複数の電極に、同時に、又は選択的に)単極性モード又は双極性モードで、血管に供給され、血管の除神経を生じさせる。
【0071】
一実施形態では、焼灼は、マルチチャネルRF発振器上での設定ワット数で、実施される。焼灼の間、マルチチャネルRF発振器は、関連するリング電極の温度を監視して、その温度が、ユーザーによって設定された値を超過する場合には、ワット数を低減させる。マルチチャネルRF発振器は、選択されたリング電極を通るようにRF電流を経路指定し、カテーテルの温度情報は、カテーテル上の熱電対から、発振器に送られる。
【0072】
焼灼の間、灌注ポンプを使用して、リング電極に通常ヘパリン添加生理食塩水を供給し、リング電極を冷却して、血液が凝固することを防ぐ。リング電極内の開口が、カテーテルの焼灼領域の灌注を促進させる。より深い損傷が所望される場合、開口を介した各リング電極のより多い流量分布(より速い流速は伴わない)が、電極/組織の接点に供給される電力の量が増大する場合に通常直面するであろう、焼灼表面上の炭化及び凝血のリスクの増大を低減する。灌注の効率の改善をもたらす、各リング電極からのより多い流量分布は、(1)流体ポンプの流速を増大させることがない、より高い電力の供給、(2)現在利用可能な、流速制限されたポンプを使用する能力、(3)複数のポンプを使用する必要性が排除される、及び/又は(4)焼灼処置の間の、患者に対する流体負荷の低減、を含めた、有利点を提示する。
【0073】
図18は、本発明の実施形態による、患者128の心臓126内又は腎臓の解剖学的構造129内の組織の焼灼に関するシステムSの概略描写図である。
図19〜21を参照すると、心臓医、電気生理学者又は介入放射線医などのオペレーター122が、本発明により作製されかつ記載されたカテーテル10を、患者の血管系を介して挿入することにより(通常は大腿動脈内の穿刺で開始する)、カテーテルの遠位端が患者の心室、又は腎臓(K)に血流をもたらす腎動脈(RA)の1つの付近の腹部大動脈(AA)に入る。オペレーターは、
図21に示されるように、カテーテルの遠位アセンブリ117が、所望の場所で心内膜組織と係合するように、カテーテルを前進させる。カテーテル10は、その近位端の好適なコネクターによって、コンソール137に接続される。このコンソールは、遠位区域によって接触される組織を焼灼するために、カテーテルの末端区域上の電極を通じてRFエネルギーを加えるための、RF発振器を備える。あるいは、又は更には、カテーテルは、心内電気マッピング又は他のタイプの焼灼治療などの、他の診断機能及び/又は治療機能のために、使用することができる。
【0074】
図示の実施形態では、システムSは、磁気位置検出を使用して、心臓内部のカテーテルの遠位アセンブリの位置座標を判定する。位置座標を判定するために、コンソール137内の駆動回路134が、磁場発生器139を駆動して、患者の身体内部に磁場を生成する。典型的には、磁場発生器は、患者の胴体の下方の、身体外部の既知の位置に配置される、コイルを含む。これらのコイルは、心臓を含む、既定の作業容積内に磁場を生成する。カテーテルの末端区域の内部の1つ以上の磁場センサーは、これらの磁場に応答して電気信号を生成する。コンソール137は、以下で説明するように、カテーテルの遠位アセンブリ117の位置(場所及び/又は配向)の座標、及び恐らくは、遠位アセンブリの変形も判定するために、これらの信号を処理する。コンソールは、ディスプレイ138を駆動する際に、その座標を使用して、カテーテルの場所及び状態を示すことができる。この位置検出及び処理の方法は、例えば、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、PCT国際公開第96/05768号に、詳細に記載されており、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,California)による製造のCARTOシステム内に実装されている。
【0075】
あるいは、又は更には、システムは、患者の身体内部でカテーテルを操作及び動作させるための、自動化機構(図示せず)を含み得る。そのような機構は、典型的には、カテーテルの長手方向の動き(前進/後退)及び回転の双方を制御することが可能である。そのような実施形態では、コンソールは、位置検出システムによって提供される信号に基づいて、カテーテルの動きを制御するための制御入力を生成する。
【0076】
図18は、特定のシステム構成を示すものであるが、他のシステム構成を、本発明の代替的実施形態で使用することができる。例えば、以下に記す方法は、インピーダンスに基づく又は超音波位置センサーなど、他のタイプの位置検出器を用いて適用してもよい。用語「位置変換器」は、本明細書で使用するとき、カテーテル上又はカテーテル内に設置される要素であって、その要素の座標を指示する信号を、コンソールに受信させるものを指す。それゆえ位置変換器は、この変換器によって受信されるエネルギーに基づいて、制御ユニットへの位置信号を生成する、カテーテル内の受信器を含み得、又はプローブの外部の受信器によって検出されるエネルギーを放出する、送信器を含み得る。更に、以下に記載する方法は同様に、心臓内、並びにその他の身体器官及び身体領域内の両方において、カテーテルだけではなく、別のタイプのプローブを使用するマッピング及び測定用途に適用できる。
【0077】
図19は、本発明の実施形態による、螺旋状の形態22を有するカテーテル10の心臓への挿入を示す、心臓126の概略断面図である。図示の実施形態でカテーテルを挿入するために、オペレーターは、最初に、脈管系にシース140を経皮的に通過させ、上行性大静脈142を通して、心臓の右心房144内に送る。シースは、典型的には卵円窩を介して、心房中隔148を通り、左心房146内に貫通する。あるいは、他の接近進路を用いてもよい。次いで、カテーテルを、このシースに通して、カテーテルの遠位アセンブリ117が、シース140の末端部の遠位開口部から外に出て、左心房146内に送られるまで、挿入する。
【0078】
オペレーターは、左心房146内部のシース140(及びカテーテル)の長手方向軸を、肺静脈の1つの軸と位置合わせする。オペレーターは、標的血管に向けて遠位アセンブリ117を方向付ける際に、制御ハンドル16の親指ノブ80を使用して、中間区域14を偏向させることができる。オペレーターは、予め取得した心臓のマップ又は画像と共に、上述の位置検出方法を使用して、この位置合わせを遂行することができる。代替的に又は追加的に、蛍光透視鏡的又は他の可視化手段のもとで、この整列を実行することができる。オペレーターは、遠位アセンブリ117が、肺静脈の壁に接触するように、標的肺静脈に向けてカテーテルを前進させる。カムハンドル71を操作することによって、遠位アセンブリ117の螺旋状の形態が、PVの内部と嵌め合いかつ壁に接触するよう膨張されるか又は収縮される。開示される実施形態では、収縮ワイヤー44は、カムハンドルを一方向に回転させると、カムレシーバ72によって近位方向に引き込まれ、螺旋状の形態の直径を締め付けて減少させる。カムハンドルを反対方向に回転させることによって、カムレシーバは、収縮ワイヤーを解放して、螺旋状の形態が展開し、その本来の直径に戻ることを可能にする。
【0079】
次いで、オペレーターが、カテーテルを、その軸を中心としてシース内部で回転させることにより、遠位アセンブリは、静脈の内周の周りの環状経路を辿ることができる。その間に、オペレーターは、RF発振器を作動させて、AR電極と接触する組織を、その経路に沿って焼灼する。同時に又はRFパルスの間に、インピーダンス及び/又はPV電位記録が、電極で実行され得る。1つの肺静脈の周囲でこの手順を完了後、オペレーターはシース及びカテーテルを移動して、1つ又は2つ以上の他の肺静脈の周囲でこの手順を繰り返すことができる。
【0080】
動脈内に存在する腎神経を除神経するために、同様の手順が
図20及び21で使用され、腎動脈(RA)の内部の組織を焼灼する。オペレーターは、腹部大動脈AAの内部のシース140の(及びカテーテルの)長手方向軸を、腎動脈(RA)の一方の軸と位置合わせする。オペレーターは、標的動脈に向けて遠位アセンブリ117を方向付ける際に、制御ハンドル16の親指ノブ80を使用して、中間区域14を偏向させることができる。オペレーターは、予め収集した腎臓の解剖学的構造のマップ又は画像と共に上述の位置検出方法を使用してこの整列を実行することができる。代替的に又は追加的に、蛍光透視鏡的又は他の可視化手段のもとで、この整列を実行することができる。オペレーターが、カテーテルを標的腎動脈に向かってカテーテルを前進させることにより、遠位アセンブリ117が動脈に入る。カムハンドル71を操作することによって、遠位アセンブリ117の螺旋状の形態が、腎動脈(RA)の内部に嵌め合うよう収縮され又は膨張されることで、リング電極19を腎動脈の壁に接触させる。開示される実施形態では、収縮ワイヤー44は、カムハンドルを一方向に回転させると、カムレシーバ72によって近位方向に引き込まれ、螺旋状の形態の直径を締め付けて減少させる。カムハンドルを反対方向に回転させることによって、カムレシーバは、収縮ワイヤーを解放して、螺旋状の形態が展開し、その本来の直径に戻ることを可能にする。
【0081】
次いで、オペレーターが、カテーテルを、その軸を中心としてシース内部で回転させることにより、遠位アセンブリは、動脈の内周の周りの環状経路を辿ることができる。その間に、オペレーターは、RF発振器を作動させて、AR電極と接触する組織を、その経路に沿って焼灼する。これと同時に又はRFパルスの間に、インピーダンス及び/又はPV電位の記録が、電極で実行され得る。1つの肺静脈の周囲でこの手順を完了後、オペレーターはシース及びカテーテルを移動して、他の腎動脈の内部でこの手順を繰り返すことができる。
【0082】
図22は、本発明によるカテーテルの遠位アセンブリの斜視図である。遠位アセンブリ117は、(上記のような)複数個の開口69を有する複数個の電極19と、灌注ルーメン130及び熱電対/rfワイヤーに関するワイヤールーメン131を有する多ルーメン管125と、を備え、この熱電対135は、電極の最も外側の直径に又はその付近に設置されているか若しくは組織接触のために螺旋状の形状の最も外側の直径に設置されている。追加的ルーメン132は、ニチノールワイヤー121を収納し、このニチノールワイヤーが、シース、マンドレル又はガイドワイヤーによって収縮されない場合、螺旋に形状をもたらす。ドーム136は、非外傷性チップをもたらし、ニチノール螺旋121に係留ももたらす。このニチノール螺旋は、末端の大部分の電極19の遠位の遠位アセンブリのチップにまで延び、このチップは、カテーテルをPV、腎動脈又は他の血管内に位置決めするためのリーダーを提供する。
【0083】
図23は、灌注ルーメン130、ニチノール螺旋ルーメン132及びリードワイヤールーメン131を有する多ルーメン管125を示す、M−Mを通しての
図22の遠位アセンブリの断面図である。
【0084】
図24Aは、本発明によるカテーテルの別の実施形態の側面図である。
図24Bは、線N−Nを通しての
図24Aの近位部分の断面図である。制御ハンドル116は概して円筒形の管状構造であるが、構成成分の通路のための内部空洞をもたらすと同時にデバイスの使用者にカテーテルを操作する能力を提供する他の形状及び構成も取ることも可能である。制御ハンドル116は、射出成型されたポリエチレン、ポリカーボネート又はABS若しくは他の同様な材料などのポリマーで作製される。コネクター118が、制御ハンドル116の近位端に挿入され、電気的接続を噛み合うコネクターとRF発生器に接続されるケーブルアセンブリにもたらす。コネクター118は、エポキシ又は他の同様な手段の使用を介して固定される。リードワイヤーアセンブリ143は、テフロンシースとその中に収納されたリードワイヤー41、42の5つの対、各熱電対135の1つの対及びリング電極19を含む。各リードワイヤーの近位端は、はんだの使用又は他の手段を介して電気的かつ機械的にコネクター118に接続される。灌注ルアーハブ110は、灌注ポンプ(図示せず)などの灌注装置から噛み合うコネクターに取り付けられることが可能な取り付け具である。灌注ルアーハブ110は、流体の侵入に対して漏れ止めを形成するためのポリアミドを使用して灌注サイドアーム111に取り付けられる。次いで灌注流体が、灌注ルーメン130aを介して灌注ハブから輸送される。灌注流体を、その全体に複数個の穴を有するそれぞれのリング電極19に輸送するために、灌注ルーメン130aは、サイドアーム111内のルーメンを通過し、制御ハンドル116の壁を通過し、シャフト145を通過し、多ルーメン管125遠位アセンブリ117内の灌注ルーメン130におよそ3mmで多ルーメン管125に入る。
【0085】
制御ハンドル116は、より小さい直径の部分116aを有し、これは、ひずみ除去要素151、152並びにそれを通してリードワイヤーアセンブリ143及び灌注ルーメン130aが通過するシャフト145からなるカテーテルアセンブリ150の近位端を受容するよう適合されている。好ましい実施形態におけるひずみ除去要素151及び152は、シャフト145上で収縮するよう加熱されるポリオレフィン又は同様な材料から作製された2つの収縮スリーブである。次いでポリウレタンが、ひずみ除去要素151及び152をハンドル部分116aに取り付けるよう使用される。
【0086】
カテーテルアセンブリ150の作用長さ(L)は、腎臓の焼灼に使用される場合、ひずみ除去要素152の遠位端から遠位アセンブリ117の遠位チップに至るおよそ90cmである。この作用長さは、用途に応じて変化し得る。遠位アセンブリ117は、そこに設置された複数個のリング電極19を有する多ルーメン管125を含む。腎臓焼灼のための好ましい実施形態では、5個のリング電極が使用され、それぞれが3ミリメートルの電極長さ(W)並びに4ミリメートルの電極間距離(S)を有する。螺旋の最大直径は、収縮されない場合、およそ10mmである。リング電極19は、中央で2mmの最大外径並びにより狭い端部で1.7mmの最小外径を有することが好ましい。このリング電極は、本明細書に記載される任意の材料で作製され得るが、好ましくは90%の白金及び10%のイリジウムから作製され、しかしながら、これら材料及び/又は金及びパラジウムなどの他の好適な貴金属の、組み合わせからなることができる。多ルーメン管125は、シャフト145の材料よりも可撓性である材料から作製され、好ましくは、多ルーメン管125は、ワイヤー編組を有さない35D PEBAXから作製されるが、他の材料及びデュロメータが、遠位アセンブリの所望の剛性に応じて使用されてもよい。シャフト145は、ペレタン、ポリウレタン又はPEBAXから作製され、ナイロン又はポリイミド若しくは同様な材料から作製される内部管である本明細書に記載されるような内部補強材を封入する。
【0087】
図25A及び25Bは、それぞれがおよそ3mmの好ましい長さ(W)と、およそ4ミリメートルの電極間距離(S)と、を有するリング電極19を含有する遠位アセンブリ117の一部を示す。リードワイヤー41及び42のそれぞれの対は、対応のリング電極に溶接され、堅牢な接続(
図27に更に示される)をもたらす。流体侵入に対して封止し、かつ遠位アセンブリ117の電極19と多ルーメン管125との間の非外傷性移行をもたらすために、ポリウレタンコーティング123が各リング電極の両端上に配置される。
図25において、ポリウレタンコーティング123は示されず、多ルーメン管125が透過的に示されることで、この時点ではリードワイヤー(41、42)の5つの対と、ワイヤーの束上のポリアミドコーティングと、を含むリードアセンブリ143の配置を示す。
図27において、特定のリング電極19へのリードワイヤー(41、42)の対の溶接された接続が示される。更に、より大きな外径を有するリング電極19の壁部分と多ルーメン管125との間のギャップの断面積を見ることができる。このギャップは、それを通して灌注流体が灌注ルーメン130から侵入孔133を経てリング電極19の正孔まで流れる隙間である。この侵入孔133は、リング電極19の長さに沿って中間(W/2)点付近に配置されるべきである。
【0088】
図26A〜Dは、シャフト145に接続された遠位アセンブリ117及びそれを通しての様々な断面を示す。
図26Bは、線O−Oを通しての
図26Aの断面図である。
図26Cは、線P−Pを通しての
図26Aの断面図である。
図26Dは、
図24Aのシャフト145における線Q−Qを通しての断面図である。非外傷性チップドーム136は、多ルーメン管125の端部で灌注ルーメン130の端部にまで延びるシャフトを有するポリウレタンドームである。ニチノールワイヤー/形状記憶支持部材121は、多ルーメン管125の遠位端から又はその付近からシャフト145まで、シャフト内におよそ25ミリメートルで延びている。このことが、遠位アセンブリ117に安定性をもたらす。ニチノールワイヤー121は、断面0.023cm(0.009インチ)×0.023cm(0.009インチ)で正方形であることが好ましいが、0.015cm(0.006インチ)と0.030cm(0.012インチ)の間の幅又は直径を有する断面で正方形、円形又は矩形であることができる。このニチノールワイヤーは、これがシース内で収縮されない場合、およそ10mmの直径と端から端までおよそ20mmの螺旋形状長さを有し、並びにシース内で収縮される場合、最も近位のリング電極19の近位端から遠位チップに至るおよそ36mmの直線長さを有する螺旋形状を取るように予備形成される。このニチノールワイヤーは、遠位アセンブリ117の他の構成成分にこの螺旋形状を付与するだろう。
図26B及び26Cにおいて、多ルーメン管125の断面は、多ルーメン管125上に設置されたリング電極19を示す。多ルーメン管125はまた、灌注ルーメン130と、各電極に関してリードワイヤー41、42の対を有するリードワイヤーアセンブリ143を収納するリードワイヤールーメン131と、を封入する。
図26Bにおいて、電極19へのリードワイヤー(41、42)の第1の対の接続が示される。リードワイヤーの追加の対が、
図26Bのリードワイヤーアセンブリ143の残部に見ることができる。
図26Cは、遠位の大部分の電極19に取り付けられたリードワイヤー(41、42)の最後の対を示す。ルーメン131は、ニチノールワイヤー121を収納する。多ルーメン管125内のルーメン153は、好ましい実施形態では使用されないが、チップアセンブリにおいて要求される追加の熱電対又は他のセンサーのワイヤリングに使用され得る。
図26Dでは、シャフト145内のニチノールワイヤー121、灌注ルーメン130及びリードワイヤーアセンブリ143の配列を見ることができる。補強材147は、シャフト145に追加された剛性を提供し、これはポリイミド又はナイロンなどの材料、好ましくはおよそ0.002/1000の厚さを有するポリイミドからなる。補強材147は、シャフト145のほぼ全長にわたる。
図26Aにおいて、シャフト145及び多ルーメン管125のポリウレタン接着剤159が示される。この好ましいポリウレタン接着剤159は、流体がこれら2つの要素の接合部で流入することを防止する。熱封着又は他の接着剤などの接着の他の方法が使用されてもよい。
【0089】
使用においては、
図24A〜B、
図25A〜B、
図26A〜D及び
図27に示されるカテーテルアセンブリ150は、シースで、好ましくは、所望の焼灼/除神経のために解剖学的構造内の適切な場所におけるカテーテルの配置を促進する操縦可能なシーズ(図示せず)で使用される。一旦カテーテルアセンブリ150がシースを出ると、ニチノールワイヤー/支持部材121は、遠位アセンブリに予備構成された螺旋状の形状を取らせるだろう。10mmの直径の螺旋状の形状は、焼灼のための接触をもたらすよう腎動脈の内壁に対してリング電極の十分な付着を提供し、これがRFエネルギーを発生器から1つ以上のリング電極への供給の際に、動脈の除神経又は部分的除神経をもたらすだろう。
【0090】
上記の説明文は、現時点における本発明の好ましい実施形態に基づいて示したものである。当業者であれば、本発明の原理、趣旨及び範囲を大きく逸脱することなく、本願に述べた構造の改変及び変更を実施することが可能であることは認識されるところであろう。一実施形態に開示される全ての特徴又は構造は、必要に応じて、又は適宜、他の任意の実施形態の他の特徴に代えるか、又はそれに加えて取り入れることが可能である。当業者によれば理解されるとおり、図面は必ずしも一定の縮尺ではない。したがって、上記の説明文は、本願に述べられ、以下の添付図面に示される厳密な構造のみに関係したものとして読み取るべきではなく、むしろ、以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる特許請求の範囲と符合し、かつそれらを補助するものとして読み取るべきである。
【0091】
〔実施の態様〕
(1) 長手方向軸並びに近位端及び遠位端を有する細長形本体と、
前記細長形本体の前記遠位端上に設置された遠位アセンブリであって、形状記憶支持部材及び螺旋状の形態を有する遠位アセンブリと、
前記遠位アセンブリ上に設置された少なくとも1つの灌注焼灼リング電極と、
前記細長形本体の前記近位端で設置された制御ハンドルと、
を含むカテーテル。
(2) 前記細長形本体及び前記遠位アセンブリを通って延びる、収縮ワイヤーを更に含み、前記制御ハンドルが、前記収縮ワイヤーを作動させて、前記螺旋状の形態を収縮させるように構成される、第1制御部材を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記細長形本体を通って延びる、偏向ワイヤーを更に含み、前記制御ハンドルが、前記偏向ワイヤーを作動させて、前記細長形本体の一部分を偏向させるように構成される、第2制御部材を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記形状記憶支持部材が正方形断面を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記形状記憶支持部材の正方形の幅及び長さが、0.015〜0.030cm(6/1000〜12/1000インチ)である、実施態様4に記載のカテーテル。
【0092】
(6) 前記形状記憶支持部材の正方形の幅及び長さが、0.023cm(9/1000インチ)である、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 前記形状記憶支持部材が、ルーメンを有し、前記形状記憶支持部材内の前記ルーメンを通しての挿入に適合されたマンドレルを更に含み、前記マンドレルが前記螺旋状の形態とは異なる形態を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記灌注焼灼リング電極が、前記リング電極の内側から、前記リング電極の外側に、半径方向で流体を通過させるように構成される、少なくとも1つの開口を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記灌注焼灼リング電極が、前記リング電極の内側から、前記リング電極の外側に、軸方向で流体を通過させるように構成される、少なくとも1つの開口を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記少なくとも1つのリング電極が、温度の度量を示す信号をもたらすことが可能な電気リードに接続される、実施態様1に記載のカテーテル。
【0093】
(11) 前記電気リードが、前記リング電極の外径付近及び前記螺旋状の形態の外径付近で前記リング電極上に設置された熱電対に接続される、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) 前記リング電極に灌注流体をもたらすために、前記制御ハンドルの付近のルアーハブと、前記ルアーハブから前記細長形本体を経て前記遠位部材の中まで遠位方向に延びる灌注ルーメンと、を更に含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記ルアーハブが、ルーメンを有する灌注サイドアームによって前記制御ハンドルに取り付けられ、前記灌注ルーメンが前記サイドアームルーメンを通過して前記制御ハンドルの中に入り込む、実施態様12に記載のカテーテル。
(14) 5個のリング電極を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) 前記形状記憶支持部材が、前記遠位アセンブリの近位方向に前記細長形本体の中まで延在する、実施態様1に記載のカテーテル。
【0094】
(16) 前記形状記憶支持部材が、前記遠位アセンブリの近位方向に前記細長形本体の中までおよそ25ミリメートル延在する、実施態様15に記載のカテーテル。
(17) 長手方向軸を有する細長形本体と、
前記細長形本体に遠位の遠位アセンブリであり、螺旋状の形態を画定する中空の支持部材を有する遠位アセンブリと、
前記遠位アセンブリ上に設置された少なくとも1つの電極と、
前記細長形本体に近位の制御ハンドルと、
第2の規定形態を画定するマンドレルであり、前記中空の支持部材の中への挿入に適合されたマンドレルと、を含むカテーテル。
(18) 前記遠位アセンブリの前記第1の既定形態が、より大きい曲率を有し、前記マンドレルの前記第2の既定形態が、より小さい曲率を有する、実施態様17に記載のカテーテル。
(19) 前記第1の既定形態が、軸上構成を有することにより、前記第1の既定形態の中心長手方向軸が、前記細長形本体の前記長手方向軸と、軸方向で位置合わせされる、実施態様17に記載のカテーテル。
(20) 前記遠位アセンブリの前記第1の既定形態が、オフエッジの構成を有することにより、前記既定形態が、前記細長形本体の長手方向軸と、軸方向で位置合わせされることなく平行である、中心長手方向軸を有する、実施態様17に記載のカテーテル。
【0095】
(21) 前記中空の支持部材が、中空のストランド管材を含む、実施態様17に記載のカテーテル。
(22) 前記中空の支持部材が、長さに沿った螺旋状の切り込みを有する、管状部材を含む、実施態様17に記載のカテーテル。
(23) 前記螺旋状の切り込みが、相互に噛み合うパターンを含む、実施態様22に記載のカテーテル。
(24) 長手方向軸を有する細長形シャフトと、
前記細長形本体に遠位の遠位アセンブリであり、形状記憶支持部材を有し、拘束されない場合、概して螺旋状の形態を有する、遠位アセンブリと、
前記概して螺旋状の形態上に設置された少なくとも5個の灌注焼灼リング電極であり、それぞれが長さを有するリング電極と、
前記細長形本体に近位の制御ハンドルと、を含むカテーテルであって、
前記灌注焼灼リング電極が、前記電極の前記長さを超える距離を離して設置される、カテーテル。
(25) 前記螺旋状の形態が、軸上構成を有することにより、前記螺旋状の形態の中心長手方向軸が、前記細長形本体の前記長手方向軸と、軸方向で位置合わせされる、実施態様24に記載のカテーテル。
【0096】
(26) 前記遠位アセンブリが、灌注ルーメン、前記形状記憶支持部材に関するニチノールワイヤールーメン、及びリードワイヤールーメンを有する多ルーメン管を含む、実施態様24に記載のカテーテル。
(27) 前記形状記憶支持部材が、正方形断面形状を有するニチノールワイヤーである、実施態様24に記載のカテーテル。
(28) 前記支持部材が、近似的な断面積(cross-sectional area of approximately)を有するニチノールワイヤーである、実施態様24に記載のカテーテル。
(29) 前記リング電極が、中央で2mmの外径を有し、端部で1.7mmの外径を有する、実施態様24に記載のカテーテル。
(30) 前記灌注ルーメンから前記多ルーメン管の壁を通る侵入孔(breach hole)があり、これを経て灌注流体が前記灌注ルーメンから電極に流れることができる、実施態様24に記載のカテーテル。
【0097】
(31) 前記形状記憶支持部材が、前記遠位アセンブリの近位方向に前記細長形本体の中まで延在する、実施態様27に記載のカテーテル。
(32) 前記形状記憶支持部材が、前記遠位アセンブリの近位方向に前記細長形本体の中までおよそ25ミリメートル延在する、実施態様31に記載のカテーテル。
(33) 灌注流体を前記リング電極にもたらすために、前記制御ハンドルの付近のルアーハブと、前記ルアーハブから遠位方向に前記細長形本体を経て前記多ルーメン管内の前記灌注ルーメンの中まで延在する灌注ルーメンと、を更に含む、実施態様26に記載のカテーテル。