(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366903
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ラジオコントロール用送信機
(51)【国際特許分類】
A63H 30/04 20060101AFI20180723BHJP
A63H 30/02 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
A63H30/04 B
A63H30/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-100970(P2013-100970)
(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公開番号】特開2014-221085(P2014-221085A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年4月25日
【審判番号】不服2017-14513(P2017-14513/J1)
【審判請求日】2017年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084364
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 宜喜
(72)【発明者】
【氏名】山口 明彦
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
【合議体】
【審判長】
尾崎 淳史
【審判官】
森次 顕
【審判官】
畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−538520(JP,A)
【文献】
特開2006−102010(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0112894(US,A1)
【文献】
特開2000−321094(JP,A)
【文献】
特開2005−341649(JP,A)
【文献】
特開2000−112618(JP,A)
【文献】
特開2002−108470(JP,A)
【文献】
特開2004−326163(JP,A)
【文献】
特表2011−519098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
G06F 3/01
A63F 1/00 - 5/04, 7/02, 9/00 - 13/98
G09B 1/00 - 9/56, 17/00 - 19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティックベースと、
前記スティックベースに回動自在に保持されるブリッジと、
前記ブリッジに取付けられ、ブリッジを回動させるスティックと、
前記ブリッジの回転軸に取付けられ、一端に電圧が印加されて回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器と、
前記ブリッジの回転軸に取付けられ、コイルへの通電電流によって粘性が変化する磁気粘性流体によって回転抵抗を変化させるマグネットブレーキと、
前記可変抵抗器からの回転角度に応じて得られるアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器と、
A/D変換値を保持するメモリを有し、前記A/D変換器からのデジタル信号が与えられ、前記A/D変換器から得られるデジタル信号と、前記メモリに保持されているA/D変換値とを比較し、これらが一致するときにのみ前記マグネットブレーキへの通電電流を大きくするよう制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は前記スティックの回動範囲の少なくとも1箇所で前記マグネットブレーキへの通電電流を増加させるものであるラジオコントロール用送信機。
【請求項2】
スティックベースと、
前記スティックベースに回動自在に保持されるブリッジと、
前記ブリッジに取付けられ、ブリッジを回動させるスティックと、
前記ブリッジの回転軸に取付けられ、一端に電圧が印加されて回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器と、
前記ブリッジの回転軸に取付けられ、コイルへの通電電流によって粘性が変化する磁気粘性流体によって回転抵抗を変化させるマグネットブレーキと、
前記可変抵抗器からの回転角度に応じて得られるアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器と、
A/D変換値を保持するメモリを有し、前記A/D変換器からのデジタル信号が与えられ、前記A/D変換器から得られるデジタル信号と、前記メモリに保持されているA/D変換値とを比較し、これらが一致するときにのみ前記マグネットブレーキへの通電電流を大きくするよう制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は前記スティックの回動範囲で一定間隔毎に前記マグネットブレーキへの通電電流を増加させるものであるラジオコントロール用送信機。
【請求項3】
前記マグネットブレーキは、
ケースと、
前記ケース内で前記ブリッジの回転軸に連結された回転円板と、
前記ケース内に収納されたコイルと、
前記ケース内で前記回転円板の周囲に封入された磁気粘性流体と、を有するものである請求項1又は2記載のラジオコントロール用送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
ラジオコントロール用の送信機に関し、特にスティックレバーのクリック感及び抵抗感の設定に特徴を有する
スティック装置を用いたラジオコントロール用送信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の模型用のヘリコプターや飛行機等を遠隔操縦するためのラジオコントロール用送信機には、操作部として機能する通常2つのスティックレバーと、それらの補助的な操作部として機能するレバーやスイッチ等が配置されている。スティックレバーは被操縦体として模型のヘリコプターや飛行機等を操縦する場合、エンジンコントロールやエルロン操作を行うスティックと、ラダー及びエレベーター操作を行うスティックとが用いられ、これらは通常左右に配置されている。このようなスティックユニットは例えば特許文献1に示されている。
【0003】
スティックレバーには、被操縦体の種類や操作部位に応じて操作者がスティックレバーを離すと中立位置に自動復帰する自動復帰機能を有するものと、スティックレバーを任意の位置に操作すると、レバーの位置をそのまま保持できる保持機能を有するものがある。ラジオコントロール用の送信機では、模型用エンジンやモータの出力制御用のスティック操作では、操作した位置を保持する保持機能が必要である。従って保持機構を設けて操作者がスティックレバーを離してもスティックレバーの位置を固定し、そのときの制御量が保持されるようにしている。
【0004】
さてスティックレバーの保持機構を実現するために、スティックレバーの操作に連動する円弧状部材を設けその表面に溝を設けると共に、この表面に圧接される弾性板を設けている。この弾性板は被操縦体に応じて異なるものが使用される。例えば飛行機用に用いられるスティックレバーでは、円弧状部材の弾性板の中央に1つの凸部を設け、この凸部を円弧状部材の溝に係合させ、スティックレバーの操作の一定角度毎に不連続で保持することで所定間隔毎にクリック感を得るようにしている。又模型用ヘリコプターでは、凸部のない平板状の弾性板とし、円弧状部材に押し当てることで、操作位置を無段階に保持することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平4−46800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従ってラジオコントロール用送信機の購入後に飛行機用とヘリコプター用に切換える場合には、この弾性板をユーザが取り換える必要があった。弾性板の取り換え時には送信機の裏蓋を開いて既に取付けられている弾性板を取り外して他の弾性板に交換し、ばねの強さも好みに合わせて調整する必要があるため、その作業が手間のかかるものとなっていた。
【0007】
又グライダー用には適当な弾性板がないため飛行機用の弾性板をそのまま用いており、最適なものではないという問題点があった。
【0008】
本発明はこのような従来の問題点を解消するためになされたものであって、弾性板を取り換える作業をなくし、ユーザの好みのクリック感や抵抗感を容易に変更できるようにした
ラジオコントロール用送信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明のラジオコントロール用送信機は、スティックベースと、前記スティックベースに回動自在に保持されるブリッジと、前記ブリッジに取付けられ、ブリッジを回動させるスティックと、前記ブリッジの回転軸に取付けられ、一端に電圧が印加されて回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器と、前記ブリッジの回転軸に取付けられ、コイルへの通電電流によって粘性が変化する磁気粘性流体によって回転抵抗を変化させるマグネットブレーキと、前記可変抵抗器からの回転角度に応じて得られるアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器と、
A/D変換値を保持するメモリを有し、前記A/D変換器からのデジタル信号が与えられ、前記A/D変換器から得られるデジタル信号と、前記メモリに保持されているA/D変換値とを比較し、これらが一致するときにのみ前記マグネットブレーキへの通電電流を大きくするよう制御する制御部と、を具備し、前記制御部は前記スティックの回動範囲の少なくとも1箇所で前記マグネットブレーキへの通電電流を増加させるものである。
【0010】
この課題を解決するために、本発明のラジオコントロール用送信機は、スティックベースと、前記スティックベースに回動自在に保持されるブリッジと、前記ブリッジに取付けられ、ブリッジを回動させるスティックと、前記ブリッジの回転軸に取付けられ、一端に電圧が印加されて回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器と、前記ブリッジの回転軸に取付けられ、コイルへの通電電流によって粘性が変化する磁気粘性流体によって回転抵抗を変化させるマグネットブレーキと、前記可変抵抗器からの回転角度に応じて得られるアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器と、
A/D変換値を保持するメモリを有し、前記A/D変換器からのデジタル信号が与えられ、前記A/D変換器から得られるデジタル信号と、前記メモリに保持されているA/D変換値とを比較し、これらが一致するときにのみ前記マグネットブレーキへの通電電流を大きくするよう制御する制御部と、を具備し、前記制御部は前記スティックの回動範囲で一定間隔毎に前記マグネットブレーキへの通電電流を増加させるものである。
【0011】
ここで前記制御部は、A/D変換値を保持するメモリを有し、前記A/D変換器から得られるデジタル信号と、前記メモリに保持されているA/D変換値とを比較し、これらが一致するときに前記マグネットブレーキへの通電電流を大きくするよう制御するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
このような特徴を有する本発明によれば、ラジオコントロール用送信機において、スティックの操作感を自由に選択して設定することができる。従ってクリック感を要するスティックであっても、クリック感の必要がないスティックであっても、又いずれの角度においても任意の操作感を得ることができる。クリック感や抵抗感を変更するときも送信機などの裏蓋を開けて弾性板の変更を行うなどの煩雑な作業をすることなく、クリック感が得られる角度やその強さ、操作の抵抗感をユーザが容易に自由に設定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は本発明の実施の形態によるラジオコントロール用送信機の正面図である。
【
図2】
図2は本発明の実施の形態によるスティック装置のスティックユニットの斜視図である。
【
図3】
図3は本実施の形態によるスティックユニットの右側面図である。
【
図4】
図4は本実施の形態によるスティックユニットの左側面図である。
【
図5】
図5は本実施の形態によるスティック装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は本実施の形態に用いられるマグネットブレーキの斜視図である。
【
図7】
図7は本実施の形態に用いられるマグネットブレーキの断面図である。
【
図8】
図8は本実施の形態によるマグネットブレーキの組立構成図である。
【
図9】
図9は本実施の形態による操作角度に対応する電流の変化を示すグラフである。
【
図10】
図10は本実施の形態による操作角度に対応する電流の変化を示すグラフである。
【
図11】
図11は本実施の形態による操作角度に対応する電流の変化を示すグラフである。
【0015】
次に本発明の実施の形態によるラジオコントロール送信機と、その送信機に用いられるスティックユニットについて説明する。
図1は本実施の形態のラジオコントロール用送信機、
図2はそのスティックユニットの斜視図である。これらの図に示すように、ラジオコントロール用送信機1の正面右側はエンジン又はモータのコントロール用及びエルロン用のスティックユニット2が設けられ、左側にはエレベーター及びラダー用のスティックユニット3が設けられている。スティックユニット2,3はほぼ同様の構造であるが、本願の特徴であるスティックユニット2について以下に詳細に説明する。スティックユニット2は
図2に示すように、正面から見て略正方形状のスティックベース10に第1ブリッジ11、第2ブリッジ12が夫々±y軸方向、±x軸方向に回動自在に取付けられ、スティック13によって回動角度を操作するものである。本図において、±y方向への操作をエンジンコントロール用のスティックの操作方向とし、±x方向への操作をエルロン用の操作方向とする。
【0016】
図3はこのスティックベース10の右側面、
図4はスティックベース10の左側面図である。
図4に示すように左側面には基板21が側面に取付けられており、基板21上には第1ブリッジ11の回転軸に連動する可変抵抗器22が設けられる。可変抵抗器22からは回転角度に対応した抵抗値が得られる。又
図3に示すように、右側面には薄い円柱状のマグネットブレーキ30が設けられる。マグネットブレーキ30は第1ブリッジ11をy軸方向に回動させる際の回転抵抗を電気的に変化させることにより、y軸方向に操作したときの感触(以下、クリック感という)を設定するために取付けられている。
【0017】
次に可変抵抗器22からの出力をマグネットブレーキ30に帰還するスティック装置のブロック図について説明する。
図5は可変抵抗器22からマグネットブレーキ30までの構成を示すブロック図である。図示のように可変抵抗器22には電圧源Vccより例えば3Vの一定の電圧が印加されており、その中点が可変抵抗器22からの出力となっている。スティック操作の中央位置では可変抵抗器22も中点位置となり、1.5Vの電圧が出力される。又y軸方向の負の終端にまで第1ブリッジ11を回動させたときに最も低い電圧、正の終端にまで第1ブリッジ11を回動させたときに最も高い電圧が出力される。A/D変換器41はこれをデジタル値に変換するものであり、所定のタイミングで例えば11ビットのデジタル出力をCPU42に与える。CPU42はあらかじめメモリ43に設定されているプログラムに従ってA/D変換値とメモリのデータとを比較し、マグネットブレーキ30に通電するタイミングと電流値を制御するものである。CPU42からの出力はドライバ44を介してマグネットブレーキ30のコイルに出力される。又スイッチ45は第1ブリッジ11の回動の所定の角度のA/D変換値をメモリ43に設定する際に操作される押しボタンスイッチである。
【0018】
ここでCPU42とメモリ43及びドライバ44は、メモリ43に保持されている所定のA/D変換値に基づいてマグネットブレーキ30に通電する電流を制御する制御部を構成している。
【0019】
次にここに取付けられているマグネットブレーキ30について説明する。マグネットブレーキ30は
図6に斜視図、
図7に断面図、
図8に組立構成図を示すように、薄い円柱状の部材であって、上部ケース31と下部ケース32から成るケース内に円板33とコイル34とが取付けられたものである。下部ケース32の中央には内側に円板状の薄厚の突起32aが設けられ、その中央には回転軸35を保持する円形窪み32bが形成されている。又下部ケース32の突起32aの一部には、裏面にまで貫通する貫通孔32cが設けられる。次に上部ケース31の内面には環状の窪み31aが形成されている。この窪み31aは円板33の上部に設けられる環状コイル34を保持するものである。そして円板33と上部ケース31との間、及び円板33と下部ケース32との間には、例えば80μm程度のわずかの隙間が形成されており、その間には磁気粘性流体36が封入されている。そして
図8に示すように回転軸35を下部ケース32の窪み32bに挿入し、回転軸35に円板33の中央の開口を貫通させて連結し、上部ケース32の上部開口より突出させる。このとき封入した余分の磁気粘性流体36は下部ケース32の貫通孔32cより噴出させてねじによって封止する。
【0020】
ここで用いられている磁気粘性流体36は例えば特開2012−202429号に示されるように、ナノサイズの磁性粒子を分散媒体に分散させた液体である。磁性粒子は磁化可能な金属粒子(金属ナノ粒子)、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金であり、その平均粒子径は20〜500nmであることが望ましい。分散媒体は、例えば疎水性のシリコーンオイルが用いられる。そして磁気粘性流体36に磁場を加えたり、磁場を停止することによって、磁気粘性流体36の粘性を急激に変化させることができる。
【0021】
ここで用いられているマグネットブレーキ30の環状コイル34に通電しなければ磁場が生じないため粘性はなく、円板33はほとんど抵抗なく自由に回転することができる。そして環状コイル34に電流を流すと磁気粘性流体36の粘性が大きくなり、円板33の回転抵抗を急激に大きくすることができる。従って第1ブリッジ11の回転軸にマグネットブレーキ30を連結し、そのコイルへの通電電流を制御することによって、スティック13を±y軸方向に操作したときの感触を任意に変化させることができる。
【0022】
次にこのスティックの角度に対応して設定する抵抗値の一例について説明する。前述したようにラジオコントロール用飛行機のエンジンコントロールの操作では、一定間隔毎にクリック感を有する操作が求められる。さてスティックのy軸方向の操作角度に対応して回転軸に連動している可変抵抗器22の抵抗値及び出力される電圧が変化し、この電圧をA/D変換することによってA/D変換器41よりデジタル信号が得られる。従って回転角度はA/D変換器41からのデジタル信号として得ることができる。そして等角度の間隔毎にドライバ44を介してマグネットブレーキ30のコイル34に通電する電流値を大きくすれば、電流を上昇させるタイミングで操作するときの回転抵抗が増加する。従って
図9(a)に示すようにA/D変換器41のA/D変換値がスティックの−y軸方向の最小値(MIN)から中央位置(C)を通って+y軸方向の最大値(MAX)まで変化する間に、ほぼ等間隔のA/D変換値が得られる毎に電流値を大きくするように制御する。例えばマグネットブレーキ30に印加する電圧を2.5V、電流を230mAとすると、発生磁場は約500mTとなり、第1ブリッジ11の回転抵抗を大きくできるためクリック感が得られる。こうすればスティックを一端から他端にまで操作したときに、等角度で断続的に抵抗値が大きくなるため、従来と同等のクリック感を得ることができる。
【0023】
このときクリック時の回転抵抗は常に一定である必要はない。例えば
図9(b)に示すように最小値に近づくにつれて大きくなり、中央で最も小さく、又最大に近づくにつれて大きくなるように電流値を制御することもできる。
【0024】
更に従来のヘリコプター用のラジオコントロール用送信機に用いられている無段階の操作の感触を得るためには、
図9(c)に示すようにy軸方向の操作角度にかかわらず、常に一定レベルの電流を通電する。こうすれば常に一定の回転抵抗として操作することができる。そしてこの電流値を変化させることによってスティック操作の抵抗を変化させることができる。
【0025】
更に制御対象によっては
図9(d)に示すようにスティックの任意の位置よりも上側の操作のみでクリック感を設定し、中央よりも下方ではクリック感のないように設定することもできる。この変化するポイントは中央位置(C)であってもよく、それ以外であってもよい。
【0026】
クリック感を設定する間隔についても、クリック感を得る抵抗の強さもメモリ43に設定しておくことによって自由に選択することができる。
【0027】
又
図10(a)に示すようにy軸方向の操作の中点の部分でのみ通電する電流値を大きくするようにすれば、中央位置でのみクリック感が得られるスティックとすることができる。
【0028】
更に
図10(b)に示すように所定の回転角度でクリック感が得られるように設定することもできる。例えば
図4に示す送信機のスイッチ45を用いて、一定の回転角度となっているときにスイッチ45を押下することによって、その位置のA/D変換値をメモリ43に記憶させてもよい。そうすればその位置でスティックの回転抵抗が大きいクリック感を得ることも可能となる。
【0029】
このような制御は、例えば通常飛行中に使用する最も低いエンジンの出力レベルにクリック感を得るようにして用いることができる。こうすれば通常の飛行中には常にこのレベル以上の出力で操作することを操作者に促すことができ、飛行中にエンジンが停止するといった事態の生じる可能性を少なくすることができる。
【0030】
又モータグライダ等の操作では、このスティック13のy軸方向の操作角度によってモータを制御したり、フラップやスポイラーを操作することが多い。従ってこのようにモータコントロール用スティックの操作の任意の位置でクリック感を得るようにすることで、モータ制御やフラップ、スポイラーを操作していることを操作者に認識できるようにすることができる。このようなクリック感はユーザが設定時にメモリに書込データを変化させることで自由に変化させることが可能である。
【0031】
尚前述した
図9,
図10の電流制御では常にほぼ一定電流を流しておき、所定の値となれば通電する電流値を増加させるようにしているが、必ずしも常に一定電流を通電しておく必要はない。
【0032】
図11(a)は操作スティックの最小値から最大値に向けてスティックの抵抗感を直線的に上昇させるようにしたものである。又
図11(b)は同様にしてスティックの最小値から最大値に向けて抵抗感を指数関数的に上昇させるように電流値を変化させたものである。このようにスティックの操作角度に応じて抵抗感を連続的に変化するようにしてもよい。更に
図11(a),(b)ではスティックの操作角度に応じて抵抗感を大きくしているが、操作角度に応じて抵抗感を小さくするようにしてもよい。
【0033】
尚この実施の形態では、x軸方向とy軸方向に回動する第1,第2のブリッジを有するスティックユニットについて説明しているが、本発明はy軸方向にのみ回動することができるスティックについても適用できることはいうまでもない。
【0034】
又この実施の形態では、エンジンやモータコントロール用のスティックの操作方向についてマグネットブレーキを接続してクリック感を得るようにしているが、その他の操作方向、例えばエルロンの操作用やエレベーター、ラダーの操作用にもマグネットブレーキを接続してもよい。こうすれば任意の操作方向でクリック感を得るようにしたり、外部からの信号によって抵抗値を変化させるようにしたスティック装置やラジオコントロール用送信機とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明はラジオコントロール用送信機に用いることができるスティック装置について、スティック操作の抵抗やクリック感を任意に設定することができ、これらの用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 ラジオコントロール用送信機
10 スティックベース
11 第1ブリッジ
12 第2ブリッジ
13 スティック
22 可変抵抗器
30 マグネットブレーキ
31 上部ケース
32 下部ケース
33 円板
34 コイル
35 回転軸
36 磁気粘性流体
41 A/D変換器
42 CPU
43 メモリ
44 ドライバ
45 スイッチ