特許第6366916号(P6366916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366916
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】錠装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/04 20060101AFI20180723BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   E05B19/04
   E05B19/00 K
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-201762(P2013-201762)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-67999(P2015-67999A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】石原 誠
(72)【発明者】
【氏名】中野 正也
【審査官】 土屋 真理子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−350931(JP,A)
【文献】 米国特許第02672747(US,A)
【文献】 特開平10−153021(JP,A)
【文献】 特開2001−248336(JP,A)
【文献】 特開2001−164802(JP,A)
【文献】 特開2003−184364(JP,A)
【文献】 米国特許第02065468(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
A47G 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状部材であるキーヘッドと、前記キーヘッドの縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位である差込部とを備えた平板状の鍵と、
前記キーヘッドを覆うキーヘッドカバーと
を備えた錠装置であって、
前記キーヘッドカバーは、指の挿入を許容する孔部が形成され、かつ任意の平滑面に載置された場合に前記平滑面と前記孔部の形成部位との間に指の進入を許容する間隙を形成するよう構成したものであり、
先端部に前記キーヘッドを収納し、かつ基端部に前記孔部が前記差込部の厚み方向に形成されたケース本体と、
前記ケース本体の表面及び裏面に前記差込部の厚み方向に突出する態様で形成され、かつ頂部が装置全体の重心よりも該ケース本体の基端部側に位置する突出部と
を備え、
前記ケース本体は、前記差込部の厚み方向に形成された突部を中心としてその回りに前記鍵が回動自在となるよう前記キーヘッドを収納することを特徴とする錠装置。
【請求項2】
平板状部材であるキーヘッドと、前記キーヘッドの縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位である差込部とを備えた平板状の鍵と、
前記キーヘッドを覆うキーヘッドカバーと
を備えた錠装置であって、
前記キーヘッドカバーは、指の挿入を許容する孔部が形成され、かつ任意の平滑面に載置された場合に前記平滑面と前記孔部の形成部位との間に指の進入を許容する間隙を形成するよう構成したものであり、
先端部に前記キーヘッドを収納し、かつ基端部に前記孔部が厚み方向に形成された平板状のケース本体を備えてなり、
前記ケース本体は、装置全体の重心よりも該ケース本体の基端部側となる中央領域において表面側、あるいは裏面側に屈曲して成り、かつ前記差込部の厚み方向に形成された突部を中心としてその回りに前記鍵が回動自在となるよう前記キーヘッドを収納することを特徴とする錠装置。
【請求項3】
前記孔部は、最小幅が15mm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の錠装置。
【請求項4】
前記平滑面と前記孔部の形成部位との離間距離が15mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の錠装置。
【請求項5】
前記突出部は、略半球状の形態を成していることを特徴とする請求項1に記載の錠装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記ケース本体の先端部から基端部に向かうに連れて該ケース本体の表面若しくは裏面から漸次離隔するよう傾斜する傾斜面を有して成ることを特徴とする請求項1に記載の錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠装置に関し、より詳細には、キーヘッド及び差込部を備えた鍵と、キーヘッドを覆うキーヘッドカバーとを備えた錠装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に提案された錠装置が知られている。この錠装置は、鍵とキーヘッドカバーとを備えて構成されている。鍵は、キーヘッドと差込部とを有している。キーヘッドは、該鍵を挟持するための平板状部位である。差込部は、キーヘッドの縁端部より外方に向けて延在する長尺状部位であり、キー山が形成されるものである。
【0003】
キーヘッドカバーは、差込部が露出するようキーヘッドを収納するものである。このキーヘッドカバーは、鍵が回動自在となるようキーヘッドを一端部に収納している。かかるキーヘッドカバーには、中央領域から他端部に向けて複数本の手指の挿入を許容する湾曲形状の長孔部が形成されている。
【0004】
このような錠装置では、鍵のキーヘッドを挟持することがやや困難な高齢者や身障者等が複数本の手指を長孔部に挿入させることで鍵を持つことができるようにし、差込部を所定の鍵穴に進入させて該鍵の回転操作を行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−153021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述した特許文献1に提案されている錠装置を地面等に落下させてしまってキーヘッドカバーの長孔部の一方の開口が地面に閉塞された状態で載置された場合、上記高齢者等にとっては該長孔部に手指を挿入させて錠装置を持つことが困難である。このことは、手足の不自由な身障者にとってはより顕著である。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、落下させてしまった場合にも容易に拾うことが可能な錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る錠装置は、平板状部材であるキーヘッドと、前記キーヘッドの縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位である差込部とを備えた平板状の鍵と、前記キーヘッドを覆うキーヘッドカバーとを備えた錠装置であって、前記キーヘッドカバーは、指の挿入を許容する孔部が形成され、かつ任意の平滑面に載置された場合に前記平滑面と前記孔部の形成部位との間に指の進入を許容する間隙を形成するよう構成したものであり、先端部に前記キーヘッドを収納し、かつ基端部に前記孔部が前記差込部の厚み方向に形成されたケース本体と、前記ケース本体の表面及び裏面に前記差込部の厚み方向に突出する態様で形成され、かつ頂部が装置全体の重心よりも該ケース本体の基端部側に位置する突出部とを備え、前記ケース本体は、前記差込部の厚み方向に形成された突部を中心としてその回りに前記鍵が回動自在となるよう前記キーヘッドを収納することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、キーヘッドカバーは、指の挿入を許容する孔部が形成され、かつ任意の平滑面に載置された場合に該平滑面と孔部の形成部位との間に指の進入を許容する間隙を形成するよう構成してあるので、例えば地面等の平滑面に落下させてしまった場合、孔部の形成部位を平滑面から離隔した状態で載置させることができる。これにより、手足の不自由な身障者等にとっても、自身の指を上記間隙に進入させた後に上記孔部に挿入させることで該錠装置を持つことが可能になる。この発明によれば、キーヘッドカバーの突出部の頂部が装置全体の重心よりもケース本体の基端部側に位置するよう形成してあるので、錠装置を例えば地面等の平滑面に落下させてしまった場合、孔部の形成部位であるケース本体の基端部を平滑面から離隔した状態で載置させることができる。この発明によれば、ケース本体は鍵が回動自在となるようキーヘッドを収納しているので、錠装置を挟持することなく孔部に手指等を挿入させて指先に引っ掛けた状態で対象となる錠装置の施解錠動作を行うことができ、手足の不自由な身障者や高齢者等の特定の利用者だけでなく、全ての利用者にとって施解錠動作を簡単なものとすることができる。
【0010】
また、本発明に係る錠装置は、平板状部材であるキーヘッドと、前記キーヘッドの縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位である差込部とを備えた平板状の鍵と、前記キーヘッドを覆うキーヘッドカバーとを備えた錠装置であって、前記キーヘッドカバーは、指の挿入を許容する孔部が形成され、かつ任意の平滑面に載置された場合に前記平滑面と前記孔部の形成部位との間に指の進入を許容する間隙を形成するよう構成したものであり、先端部に前記キーヘッドを収納し、かつ基端部に前記孔部が厚み方向に形成された平板状のケース本体を備えてなり、前記ケース本体は、装置全体の重心よりも該ケース本体の基端部側となる中央領域において表面側、あるいは裏面側に屈曲して成り、かつ前記差込部の厚み方向に形成された突部を中心としてその回りに前記鍵が回動自在となるよう前記キーヘッドを収納することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、キーヘッドカバーは、指の挿入を許容する孔部が形成され、かつ任意の平滑面に載置された場合に該平滑面と孔部の形成部位との間に指の進入を許容する間隙を形成するよう構成してあるので、例えば地面等の平滑面に落下させてしまった場合、孔部の形成部位を平滑面から離隔した状態で載置させることができる。これにより、手足の不自由な身障者等にとっても、自身の指を上記間隙に進入させた後に上記孔部に挿入させることで該錠装置を持つことが可能になる。この発明によれば、キーヘッドカバーのケース本体は、装置全体の重心よりも該ケース本体の基端部側となる中央領域において表面側若しくは裏面側に屈曲して形成してあるので、錠装置を例えば地面等の平滑面に落下させてしまった場合、孔部の形成部位であるケース本体の基端部を平滑面から離隔した状態で載置させることができる。この発明によれば、ケース本体は鍵が回動自在となるようキーヘッドを収納しているので、錠装置を挟持することなく孔部に手指等を挿入させて指先に引っ掛けた状態で対象となる錠装置の施解錠動作を行うことができ、手足の不自由な身障者や高齢者等の特定の利用者だけでなく、全ての利用者にとって施解錠動作を簡単なものとすることができる。
【0012】
また本発明は、上記錠装置において、前記孔部は、最小幅が15mm以上であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、孔部の最小幅が15mm以上であるので、手足の不自由な身障者等は、指を孔部に確実に挿入させることができる。
【0014】
また本発明は、上記錠装置において、前記平滑面と前記孔部の形成部位との離間距離が15mm以上であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、任意の平滑面に載置された場合に、平滑面と孔部の形成部位との離間距離が15mm以上であるので、手足の不自由な身障者等は、錠装置を落下させてしまった場合にも指を孔部に確実に挿入させることができる。
【0016】
また本発明は、上記錠装置において、前記突出部は、略半球状の形態を成していることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、キーヘッドカバーの略半球状の突出部が、頂部が装置全体の重心よりもケース本体の基端部側に位置するよう形成してあるので、錠装置を例えば地面等の平滑面に落下させてしまった場合、孔部の形成部位であるケース本体の基端部を平滑面から離隔した状態で載置させることができる。
【0018】
また本発明は、上記錠装置において、前記突出部は、前記ケース本体の先端部から基端部に向かうに連れて該ケース本体の表面若しくは裏面から漸次離隔するよう傾斜する傾斜面を有して成ることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、キーヘッドカバーの突出部は、頂部が装置全体の重心よりもケース本体の基端部側に位置するよう形成してあり、かつケース本体の先端部から基端部に向かうに連れて該ケース本体の表面若しくは裏面から漸次離隔するよう傾斜する傾斜面を有しているので、錠装置を例えば地面等の平滑面に落下させてしまった場合、孔部の形成部位であるケース本体の基端部を平滑面から離隔した状態で載置させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、落下させてしまった場合にも容易に拾うことが可能なであるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施の形態1である錠装置を示す正面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1である錠装置を右から見た場合を示す右側面図である。
図3図3は、図1及び図2に示した錠装置を地面等の平滑面に載置された場合を示す説明図である。
図4図4は、図1図3に示した錠装置を用いて対象となる錠装置の施解錠動作を行う手順を示す説明図である。
図5図5は、図1図3に示した錠装置を用いて対象となる錠装置の施解錠動作を行う手順を示す説明図である。
図6図6は、図1図3に示した錠装置を用いて対象となる錠装置の施解錠動作を行う手順を示す説明図である。
図7図7は、本発明の実施の形態2である錠装置を示す正面図である。
図8図8は、本発明の実施の形態2である錠装置を右から見た場合を示す右側面図である。
図9図9は、図7及び図8に示した錠装置を地面等の平滑面に載置された場合を示す説明図である。
図10図10は、本発明の実施の形態3である錠装置を示す正面図である。
図11図11は、本発明の実施の形態3である錠装置を右から見た場合を示す右側面図である。
図12図12は、図10及び図11に示した錠装置を地面等の平滑面に載置された場合を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る錠装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
<実施の形態1>
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態1である錠装置を示すもので、図1は正面図、図2は錠装置を右から見た場合を示す右側面図である。ここで例示する錠装置は、鍵10とキーヘッドカバー20とを備えて構成してある。
【0028】
鍵10は、例えば金属材料から形成されるもので、キーヘッド11と差込部12とを有している。キーヘッド11は、略円形状を成す平板状部材であり、鍵10を挟持するためのものである。
【0029】
差込部12は、キーヘッド11の縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位であり、キー山が形成されるものである。ここで差込部12に形成されるキー山は、図には明示していないが、差込部12の左右両側端部に形成される凹凸により形成されるものであってもよいし、差込部12の表面及び裏面に形成される窪みにより形成されるものであってもよい。
【0030】
キーヘッドカバー20は、例えば樹脂材料から形成されるもので、ケース本体21と、突出部25とを備えて構成してある。
【0031】
ケース本体21は、第1板材21aと第2板材21bとを互いの間に収納空間を画成するよう表裏一体に接合させることで構成した略平板状の形態を成すものである。ここで第1板材21a及び第2板材21bは、ともに角部が湾曲した矩形状の形態を成すものである。
【0032】
このようなケース本体21は、先端部211に鍵10を収納している。より詳細に説明すると、ケース本体21の先端面の略中央から右端面の先端側にかけて開口22が形成してあり、かかる開口22を通じて差込部12を外部に露出させるよう先端部211に鍵10のキーヘッド11を収納している。この際、第1板材21a及び第2板材21bのいずれか一方に形成された突部23がキーヘッド11に形成された挿通孔11aを挿通している。これにより鍵10は、差込部12の左側端部がケース本体21の先端面の開口縁部22aに当接するまでと、差込部12の右側縁部がケース本体21の右端面の開口縁部22bに当接するまでとの間で回動自在となっている。つまり、ケース本体21は、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納している。
【0033】
また、かかるケース本体21の基端部212には、貫通孔(孔部)24が形成してある。かかる貫通孔24は、ケース本体21の収納空間に連通しないで形成してあり、手指等に代表される指の挿入を許容する径を有している。ここで貫通孔24の径は、最小幅が15mm以上となることが指の挿入を確実に行い得る観点から好ましく、より好ましくは20mm程度とされている。
【0034】
突出部25は、ケース本体21の正面(第1板材21aの表面)及び裏面(第2板材21bの表面)にそれぞれ形成してある。これら突出部25は、ケース本体21の正面及び裏面において、先端部211から中央部213に至る領域に形成してあり、それぞれが略半球状の形態を成している。これら突出部25は、その頂部25aが装置全体の重心よりもケース本体21の基端部212側に位置するよう形成してある。尚、本実施の形態の場合、鍵10が金属材料から構成され、かつケース本体21が樹脂材料から構成されており、しかもケース本体21の全長がそれほど大きくないので、装置全体の重心は鍵10の重心に略一致している。また、突出部25の突出高さは、後述するように、錠装置が地面等の平滑な面に載置された場合に、該平滑面(載置面)G(図3参照)と、貫通孔24の形成部位である基端部212との間に指の進入を許容する間隙(例えば15mm以上の間隙)Sを形成するのに十分な大きさを有している。
【0035】
以上説明したような構成を有する錠装置は、キーヘッドカバー20の突出部25が、頂部25aが装置全体の重心よりもケース本体21の基端部212側に位置するよう形成してあるので、例えば地面等の平滑面Gに落下させてしまった場合、図3に示すように、貫通孔24の形成部位であるケース本体21の基端部212を平滑面Gから離隔した状態で載置させることができる。しかも、該突出部25の突出高さは、上述したような大きさを有しているので、上記錠装置は、該基端部212と平滑面Gとの間に指の進入を許容する間隙Sを形成することができる。
【0036】
これにより、手足の不自由な身障者等にとっても、自身の指を上記間隙Sに進入させた後に上記貫通孔24に挿入させることで該錠装置を持つことが可能になる。つまり、上記錠装置は、指で錠装置を掴んで拾うという動作から、指を貫通孔24に挿入させて指先を掛けることで錠装置を拾うという動作にしたものであり、これにより、落下させてしまった場合にも容易に拾うことができる。
【0037】
そして、本実施の形態である錠装置は、ケース本体21が、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納しているので、次のようにして対象となる錠装置1の施解錠動作を行うことができる。
【0038】
図4に示すように、貫通孔24に手指を挿入して保持する錠装置の鍵10の差込部12を錠装置1の鍵穴(図示せず)に差し込み、図5に示すように、鍵10に対してケース本体21(キーヘッドカバー20)を相対的に回動させる。その後、図6に示すように、ケース本体21(キーヘッドカバー20)を時計回りの方向に回動させることで上記錠装置1を施錠、あるいは解錠することができる。
【0039】
このように錠装置のケース本体21が、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納していることで、錠装置を挟持することなく貫通孔24に手指を挿入させて指先に引っ掛けた状態で錠装置1の施解錠動作を行うことができ、手足の不自由な身障者や高齢者等の特定の利用者だけでなく、全ての利用者にとって施解錠動作を簡単なものとすることができる。
【0040】
<実施の形態2>
図7及び図8は、それぞれ本発明の実施の形態2である錠装置を示すもので、図7は正面図、図8は錠装置を右から見た場合を示す右側面図である。ここで例示する錠装置は、鍵10とキーヘッドカバー30とを備えて構成してある。
【0041】
鍵10は、例えば金属材料から形成されるもので、キーヘッド11と差込部12とを有している。キーヘッド11は、略円形状を成す平板状部材であり、鍵10を挟持するためのものである。
【0042】
差込部12は、キーヘッド11の縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位であり、キー山が形成されるものである。ここで差込部12に形成されるキー山は、図には明示していないが、差込部12の左右両側端部に形成される凹凸により形成されるものであってもよいし、差込部12の表面及び裏面に形成される窪みにより形成されるものであってもよい。
【0043】
キーヘッドカバー30は、例えば樹脂材料から形成されるもので、ケース本体31と、突出部35とを備えて構成してある。
【0044】
ケース本体31は、第1板材31aと第2板材31bとを互いの間に収納空間を画成するよう表裏一体に接合させることで構成した略平板状の形態を成すものである。ここで第1板材31a及び第2板材31bは、ともに角部が湾曲した矩形状の形態を成すものである。
【0045】
このようなケース本体31は、先端部311に鍵10を収納している。より詳細に説明すると、ケース本体31の先端面の略中央から右端面の先端側にかけて開口32が形成してあり、かかる開口32を通じて差込部12を外部に露出させるよう先端部311に鍵10のキーヘッド11を収納している。この際、第1板材31a及び第2板材31bのいずれか一方に形成された突部33がキーヘッド11に形成された挿通孔11aを挿通している。これにより鍵10は、差込部12の左側端部がケース本体31の先端面の開口縁部32aに当接するまでと、差込部12の右側縁部がケース本体31の右端面の開口縁部32bに当接するまでとの間で回動自在となっている。つまり、ケース本体31は、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納している。
【0046】
また、かかるケース本体31の基端部312には、貫通孔(孔部)34が形成してある。かかる貫通孔34は、ケース本体31の収納空間に連通しないで形成してあり、手指等に代表される指の挿入を許容する径を有している。ここで貫通孔34の径は、最小幅が15mm以上となることが指の挿入を確実に行い得る観点から好ましく、より好ましくは20mm程度とされている。
【0047】
突出部35は、ケース本体31の正面(第1板材31aの表面)及び裏面(第2板材31bの表面)にそれぞれ形成してある。これら突出部35は、ケース本体31の正面及び裏面において、先端部311から中央部313に至る領域に形成してあり、先端部311から基端部312に向かうに連れて該ケース本体31の表面若しくは裏面から漸次離隔するよう傾斜する傾斜面35bを有しており、この傾斜面35bの傾斜縁部が頂部35aとなる。これら突出部35は、その頂部35aが装置全体の重心よりもケース本体31の基端部312側に位置するよう形成してある。尚、本実施の形態の場合、鍵10が金属材料から構成され、かつケース本体31が樹脂材料から構成されており、しかもケース本体31の全長がそれほど大きくないので、装置全体の重心は鍵10の重心に略一致している。また、突出部35の突出高さは、後述するように、錠装置が地面等の平滑な面に載置された場合に、該平滑面(載置面)G(図9参照)と、貫通孔34の形成部位である基端部312との間に指の進入を許容する間隙(例えば15mm以上の間隙)Sを形成するのに十分な大きさを有している。
【0048】
以上説明したような構成を有する錠装置は、キーヘッドカバー30の突出部35が、頂部35aが装置全体の重心よりもケース本体31の基端部312側に位置するよう形成してあり、かつケース本体31の先端部311から基端部312に向かうに連れて該ケース本体31の表面若しくは裏面から漸次離隔するよう傾斜する傾斜面35bを有しているので、例えば地面等の平滑面Gに落下させてしまった場合、図9に示すように、貫通孔34の形成部位であるケース本体31の基端部312を平滑面Gから離隔した状態で載置させることができる。しかも、該突出部35の突出高さは、上述したような大きさを有しているので、上記錠装置は、該基端部312と平滑面Gとの間に指の進入を許容する間隙Sを形成することができる。
【0049】
これにより、手足の不自由な身障者等にとっても、自身の指を上記間隙Sに進入させた後に上記貫通孔34に挿入させることで該錠装置を持つことが可能になる。つまり、上記錠装置は、指で錠装置を掴んで拾うという動作から、指を貫通孔34に挿入させて指先を掛けることで錠装置を拾うという動作にしたものであり、これにより、落下させてしまった場合にも容易に拾うことができる。
【0050】
そして、本実施の形態である錠装置は、ケース本体31が、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納しているので、次のようにして対象となる錠装置の施解錠動作を行うことができる。
【0051】
図には明示しないが、貫通孔34に手指を挿入して保持する錠装置の鍵10の差込部12を錠装置の鍵穴に差し込み、鍵10に対してケース本体31(キーヘッドカバー30)を相対的に回動させる。その後、ケース本体31(キーヘッドカバー30)を時計回りの方向に回動させることで上記錠装置を施錠、あるいは解錠することができる。
【0052】
このように錠装置のケース本体31が、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納していることで、錠装置を挟持することなく貫通孔34に手指を挿入させて指先に引っ掛けた状態で錠装置の施解錠動作を行うことができ、手足の不自由な身障者や高齢者等の特定の利用者だけでなく、全ての利用者にとって施解錠動作を簡単なものとすることができる。
【0053】
<実施の形態3>
図10及び図11は、それぞれ本発明の実施の形態3である錠装置を示すもので、図10は正面図、図11は錠装置を右から見た場合を示す右側面図である。ここで例示する錠装置は、鍵10とキーヘッドカバー40とを備えて構成してある。
【0054】
鍵10は、例えば金属材料から形成されるもので、キーヘッド11と差込部12とを有している。キーヘッド11は、略円形状を成す平板状部材であり、鍵10を挟持するためのものである。
【0055】
差込部12は、キーヘッド11の縁端部より外方に向けて延在する長尺平板状部位であり、キー山が形成されるものである。ここで差込部12に形成されるキー山は、図には明示していないが、差込部12の左右両側端部に形成される凹凸により形成されるものであってもよいし、差込部12の表面及び裏面に形成される窪みにより形成されるものであってもよい。
【0056】
キーヘッドカバー40は、例えば樹脂材料から形成されるもので、ケース本体41を備えて構成してある。
【0057】
ケース本体41は、第1板材41aと第2板材41bとを互いの間に収納空間を画成するよう表裏一体に接合させることで構成した略平板状の形態を成すものである。ここで第1板材41a及び第2板材41bは、ともに角部が湾曲した矩形状の形態を成すものである。
【0058】
このようなケース本体41は、先端部411に鍵10を収納している。より詳細に説明すると、ケース本体41の先端面の略中央から右端面の先端側にかけて開口42が形成してあり、かかる開口42を通じて差込部12を外部に露出させるよう先端部411に鍵10のキーヘッド11を収納している。この際、第1板材41a及び第2板材41bのいずれか一方に形成された突部43がキーヘッド11に形成された挿通孔11aを挿通している。これにより鍵10は、差込部12の左側端部がケース本体41の先端面の開口縁部42aに当接するまでと、差込部12の右側縁部がケース本体41の右端面の開口縁部42bに当接するまでとの間で回動自在となっている。つまり、ケース本体41は、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納している。
【0059】
また、かかるケース本体41の基端部412には、貫通孔(孔部)44が形成してある。かかる貫通孔44は、ケース本体41の収納空間に連通しないで形成してあり、手指等に代表される指の挿入を許容する径を有している。ここで貫通孔44の径は、最小幅が15mm以上となることが指の挿入を確実に行い得る観点から好ましく、より好ましくは20mm程度とされている。
【0060】
更に、上記ケース本体41は、装置全体の重心よりも該ケース本体41の基端部412側となる中央領域413において表面側に屈曲して形成してある。この中央領域413の屈曲角は、後述するように、錠装置が地面等の平滑な面に載置された場合に、該平滑面(載置面)G(図12参照)と、貫通孔44の形成部位である基端部412との間に指の進入を許容する間隙(例えば15mm以上の間隙)Sを形成するのに十分な大きさを有している。
【0061】
以上説明したような構成を有する錠装置は、キーヘッドカバー40のケース本体41が、装置全体の重心よりも該ケース本体41の基端部412側となる中央領域413において表面側に屈曲して形成してあるので、例えば地面等の平滑面Gに落下させてしまった場合、図12に示すように、貫通孔44の形成部位であるケース本体41の基端部412を平滑面Gから離隔した状態で載置させることができる。しかも、該屈曲角は、上述したような大きさを有しているので、上記錠装置は、該基端部412と平滑面Gとの間に指の進入を許容する間隙Sを形成することができる。
【0062】
これにより、手足の不自由な身障者等にとっても、自身の指を上記間隙Sに進入させた後に上記貫通孔44に挿入させることで該錠装置を持つことが可能になる。つまり、上記錠装置は、指で錠装置を掴んで拾うという動作から、指を貫通孔44に挿入させて指先を掛けることで錠装置を拾うという動作にしたものであり、これにより、落下させてしまった場合にも容易に拾うことができる。
【0063】
そして、本実施の形態である錠装置は、ケース本体41が、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納しているので、次のようにして対象となる錠装置の施解錠動作を行うことができる。
【0064】
図には明示しないが、貫通孔44に手指を挿入して保持する錠装置の鍵10の差込部12を錠装置の鍵穴に差し込み、鍵10に対してケース本体41(キーヘッドカバー40)を相対的に回動させる。その後、ケース本体41(キーヘッドカバー40)を時計回りの方向に回動させることで上記錠装置を施錠、あるいは解錠することができる。
【0065】
このように錠装置のケース本体41が、鍵10が回動自在となるようキーヘッド11を収納していることで、錠装置を挟持することなく貫通孔44に手指を挿入させて指先に引っ掛けた状態で錠装置の施解錠動作を行うことができ、手足の不自由な身障者や高齢者等の特定の利用者だけでなく、全ての利用者にとって施解錠動作を簡単なものとすることができる。
【0066】
以上、本発明の好適な実施の形態1〜3について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0067】
上述した実施の形態3では、ケース本体41は、その中央領域413において表面側に屈曲するものであったが、本発明においては、ケース本体がその中央領域において裏面側に屈曲するものであってもよい。
【0068】
上述した実施の形態1及び2では、ケース本体21,31に対して突出部25,35を設けることにより該ケース本体21,31の基端部212,312と平滑面Gとの間に指の進入を許容する間隙Sを形成するようにし、実施の形態3では、ケース本体41をその中央領域413で表面側に屈曲させることにより該ケース本体41の基端部412と平滑面Gとの間に指の進入を許容する間隙Sを形成するようにしていたが、本発明は、これら3つの形態に限られるものでなく、ケース本体自体の形状等に工夫を施すことで上記間隙を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 鍵
11 キーヘッド
12 差込部
20 キーヘッドカバー
21 ケース本体
21a 第1板材
21b 第2板材
211 先端部
212 基端部
213 中央部
24 貫通孔
25 突出部
25a 頂部
30 キーヘッドカバー
31 ケース本体
31a 第1板材
31b 第2板材
311 先端部
312 基端部
313 中央部
34 貫通孔
35 突出部
35a 頂部
35b 傾斜面
40 キーヘッドカバー
41 ケース本体
41a 第1板材
41b 第2板材
411 先端部
412 基端部
413 中央領域
44 貫通孔
S 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12