特許第6366930号(P6366930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366930
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】共通モードフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/00 20060101AFI20180723BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20180723BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20180723BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20180723BHJP
   H03H 7/01 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   H01F27/00 R
   H01F17/00 B
   H01F27/29 123
   H01F17/04 A
   H03H7/01 Z
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-249922(P2013-249922)
(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-123724(P2014-123724A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0150773
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ジュ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ゴン・セ
(72)【発明者】
【氏名】クォン・ヨン・ド
(72)【発明者】
【氏名】ウィ・スン・グォン
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−071457(JP,A)
【文献】 特開2007−053254(JP,A)
【文献】 特開2002−270450(JP,A)
【文献】 特開2003−173912(JP,A)
【文献】 特開2008−288505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/00
H01F 17/00
H01F 17/04
H01F 27/29
H03H 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられる絶縁部と、前記絶縁部の内部に設けられる導体コイルを含むコイル部と、
前記導体コイルに電気的に接続され、前記絶縁部上に設けられる複数の外部電極と、
前記絶縁部上で前記複数の外部電極の間の領域に設けられる磁性体部と、
を含み、
前記複数の外部電極は、それぞれの横断面の短辺の長さが高さの1/2倍以下であり、
前記複数の外部電極の内の少なくとも1つは、前記絶縁部上に設けられ、前記絶縁部に形成されたビアを介して前記導体コイルと接続されるリード電極を含む、ことを特徴とする共通モードフィルタ。
【請求項2】
前記導体コイルは、導電性物質が少なくとも一回り以上1層に巻線されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の共通モードフィルタ。
【請求項3】
前記コイル部は、前記導体コイルの一端に接続される外側端子と、前記導体コイルの他端に接続される内側端子と、をさらに含み、
前記複数の外部電極のうち少なくとも一部は前記外側端子と直接接続されることを特徴とする請求項2に記載の共通モードフィルタ。
【請求項4】
前記複数の外部電極の少なくとも一部ずつをそれぞれカバーする複数の外部端子をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の共通モードフィルタ。
【請求項5】
絶縁物質からなり、前記複数の外部端子を外側に露出している状態に維持しつつ、前記複数の外部端子の外側に露出している外部電極部分をカバーするカバー部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の共通モードフィルタ。
【請求項6】
基板と、
前記基板上に設けられる第1絶縁部と、
前記第1絶縁部上に導電性物質が少なくとも一回り以上巻線されて形成される一次コイル及び二次コイルと、
前記一次コイルの一端に設けられる第1一次外側端子と、
前記一次コイルの他端に設けられる一次内側端子と、
前記二次コイルの一端に設けられる第1二次外側端子と、
前記二次コイルの他端に設けられる二次内側端子と、
前記第1絶縁部上に形成され、前記一次コイル、二次コイル、一次内側端子、及び二次内側端子をカバーする第2絶縁部と、
前記第2絶縁部上に設けられ、前記第1一次外側端子の上部に設けられ、前記第1一次外側端子に電気的に接続される第1一次外部電極と、
前記第2絶縁部上に設けられ、前記一次内側端子に電気的に接続される第2一次外部電極と、
前記第2絶縁部上に設けられ、前記第1二次外側端子の上部に設けられ、前記第1二次外側端子に電気的に接続される第1二次外部電極と、
前記第2絶縁部上に設けられ、前記二次内側端子に電気的に接続される第2二次外部電極と、
前記第1一次外部電極、前記第2一次外部電極、前記第1二次外部電極、及び前記第2二次外部電極の間の領域に設けられる磁性体部と、
を含み、
前記第1一次外部電極、前記第2一次外部電極、前記第1二次外部電極、及び前記第2二次外部電極のうち少なくとも一つは、
横断面の短辺の長さが高さの1/2倍以下であり、
前記第2絶縁部を貫通して前記一次内側端子に一面が接触し、他面は前記第2一次外部電極に接触する第1ビアと、
前記第2絶縁部を貫通して前記二次内側端子に一面が接触し、他面は前記第2二次外部電極に接触する第2ビアと、
をさらに含み、
前記第2一次外部電極は、前記第2絶縁部上に設けられ、前記第1ビアに接触する一次リード電極を含み、
前記第2二次外部電極は、前記第2絶縁部上に設けられ、前記第2ビアに接触する二次リード電極を含む、ことを特徴とする共通モードフィルタ。
【請求項7】
前記第2一次外部電極は、前記第2絶縁部上に設けられ、前記第1一次外部電極に対称するように形成され、前記一次リード電極と接触する第2一次接続電極、を含み、
前記第2二次外部電極は、前記第2絶縁部上に設けられ、前記第1二次外部電極に対称するように形成され、前記二次リード電極と接触する第2二次接続電極を含むことを特徴とする請求項に記載の共通モードフィルタ。
【請求項8】
前記磁性体部上に設けられ、前記第1一次外部電極、前記第2一次外部電極、前記第1二次外部電極、及び前記第2二次外部電極の少なくとも一部ずつをそれぞれカバーする複数の外部端子をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の共通モードフィルタ。
【請求項9】
前記複数の外部端子を外側に露出している状態に維持しつつ、前記一次リード電極及び前記二次リード電極のうち、前記複数の外部端子の外部に露出している部分をカバーするカバー部をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の共通モードフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通モードフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話、家電製品、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、LCD(Liquid Crystal Display)などの電子機器が段々デジタル化及び高速化されている。これらの電子機器は外部からの刺激に敏感であり、外部から小さな異常電圧と高周波ノイズが電子機器の内部回路に流入する場合、回路が破損されたり信号が歪んだりする場合が発生する。
【0003】
このような異常電圧とノイズの原因としては、落雷、人体に帯電した静電気の放電、回路内で発生するスイッチング電圧、電源電圧に含まれた電源ノイズ、不要な電磁気信号または電磁気雑音などが挙げられ、このような異常電圧と高周波ノイズの回路への流入を防止するための手段として共通モードフィルタを使用している。
【0004】
特許文献1を参照して従来の共通モードフィルタの一般的な構造を説明すると、磁性体基板上に互いに磁気結合する一対の導体コイルが形成されており、前記導体コイルは絶縁樹脂で囲まれた構造を持つ。すなわち、共通モードフィルタは見かけ上、磁性体基板と絶縁層が積層された構造である。
【0005】
しかし、特許文献1に開示している従来の一般的な共通モードフィルタは、一次コイルと二次コイルが相異なる層に設けられるため、共通モードフィルタのスリム化に限界があった。
【0006】
また、一次コイル及び二次コイルの一端が巻線領域の中心に位置するため、この一端と外部電極を接続するためにリード線が必要であるが、このリード線を別途の層に設けなければならなかった。それによって、共通モードフィルタのスリム化に不利な結果をもたらし、それだけでなく、リード線とコイルとの間に寄生キャパシタンスが発生して共通モードフィルタの性能を低下させるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10−2007−0076722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような問題点を解決するために考案された本発明は、インピーダンス特性が極大化され、従来よりもさらにスリム化される共通モードフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を果たすために考案された本発明の一実施形態による共通モードフィルタは、基板と、前記基板上に設けられる絶縁部と、前記絶縁部の内部に設けられる導体コイルを含むコイル部と、前記導体コイルに電気的に接続され、前記絶縁部上に設けられる複数の外部電極と、前記絶縁部上で前記複数の外部電極の間の領域に設けられる磁性体部と、を含み、前記複数の外部電極は、それぞれの横断面の短辺の長さが高さの1/2倍以下になるようにすることができる。
【0010】
この際、前記導体コイルは、導電性物質が少なくとも一回り以上1層に巻線されて形成されることができる。
【0011】
また、前記コイル部は、前記導体コイルの一端に接続される外側端子と、前記導体コイルの他端に接続される内側端子と、をさらに含み、前記複数の外部電極のうち少なくとも一部は前記外側端子と直接接続されることができる。
【0012】
また、前記複数の外部電極の少なくとも一部ずつをそれぞれカバーする複数の外部端子をさらに含むことができる。
【0013】
また、絶縁物質からなり、前記複数の外部端子の外側に露出している外部電極部分をカバーするカバー部をさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態による共通モードフィルタは、基板と、前記基板上に設けられる第1絶縁部と、前記第1絶縁部上に導電性物質が少なくとも一回り以上巻線されて形成される一次コイル及び二次コイルと、前記一次コイルの一端に設けられる第1一次外側端子と、前記一次コイルの他端に設けられる一次内側端子と、前記二次コイルの一端に設けられる第1二次外側端子と、前記二次コイルの他端に設けられる二次内側端子と、前記第1絶縁部上に形成され、前記一次コイル、二次コイル、一次内側端子、及び二次内側端子をカバーする第2絶縁部と、前記第1一次外側端子の上部に設けられ、前記第1一次外側端子に電気的に接続される第1一次外部電極と、前記一次内側端子に電気的に接続される第2一次外部電極と、前記第1二次外側端子の上部に設けられ、前記第1二次外側端子に電気的に接続される第1二次外部電極と、前記二次内側端子に電気的に接続される第2二次外部電極と、前記第1一次外部電極、前記第2一次外部電極、前記第2二次外部電極、及び前記第2二次外部電極の間の領域に設けられる磁性体部と、を含み、前記第1一次外部電極、前記第2一次外部電極、前記第1二次外部電極、及び前記第2二次外部電極のうち少なくとも一つは、横断面の短辺の長さが高さの1/2倍以下になるようにすることができる。
【0015】
この際、前記第2絶縁部を貫通して前記一次内側端子に一面が接触し、他面は前記第2一次外部電極に接触する第1ビアと、前記第2絶縁部を貫通して前記二次内側端子に一面が接触し、他面は前記第2二次外部電極に接触する第2ビアと、をさらに含むことができる。
【0016】
また、前記第2一次外部電極は、前記第1ビアに接触する一次リード電極と、前記第1一次外部電極に対称するように形成され、前記一次リード電極と接触する第2一次接続電極と、を含み、前記第2二次外部電極は、前記第2ビアに接触する二次リード電極と、前記第1二次外部電極に対称するように形成され、前記二次リード電極と接触する第2二次接続電極を含むことができる。
【0017】
また、前記磁性体部上に設けられ、前記第1一次外部電極、前記第2一次外部電極、前記第1二次外部電極、及び前記第2二次外部電極の少なくとも一部ずつをそれぞれカバーする複数の外部端子をさらに含むことができる。
【0018】
また、前記一次リード電極及び前記二次リード電極のうち、前記複数の外部端子の外部に露出している部分をカバーするカバー部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
上記のように構成された本発明は、共通モードフィルタのインピーダンス特性が向上するという有用な効果を提供する。
【0020】
また、リード線を別途に設けなくても良いので、寄生キャパシタの問題が減少し、共通モードフィルタのスリム化にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による共通モードフィルタを概略的に示す斜視図である。
図2図1で外部端子と磁性体部を除去した状態を概略的に示す斜視図である。
図3a】導体パターンが形成された状態を概略的に示す平面図である。
図3b図3aのI−I’線に沿った断面図である。
図4a】絶縁部及び接続電極が形成された状態を概略的に示す平面図である。
図4b図4aのI−I’線に沿った断面図である。
図5a】外部電極が形成された状態を概略的に示す平面図である。
図5b図5aのI−I’線に沿った断面図である。
図6a】磁性体部が形成された状態を概略的に示す平面図である。
図6b図6aのI−I’線に沿った断面図である。
図7a】カバー部が形成された状態を概略的に示す平面図である。
図7b図7aのI−I’線に沿った断面図である。
図8】外部端子が形成された状態を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する技術などは、添付図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、異なる多様な形態で実現されることができる。本実施形態は本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らしめるために提供されるものである。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0023】
本明細書で使用する用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書では、単数形が文言で特に言及しない限り複数形も含む。本明細書において「含む(comprise)」及び/または「含んでいる(comprising)」を使用した場合、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除するものではない。
【0024】
図示の簡略化及び明瞭化のために、図面は一般的な構成方式を示しており、本発明で説明している実施形態の議論をかえって不明瞭にすることを避けるために、公知の特徴及び技術の詳細な説明は省略してもよい。さらに、図面の構成要素は、必ずしも一定の縮尺により描かれたものではない。例えば、本発明の実施形態の理解を助けるために、図面の一部構成要素の大きさは他の構成要素に比べて誇張して示されてもよい。相異なる図面の同一の参照符号は同一の構成要素を示し、類似の参照符号は、必ずしもそうではないが、類似の構成要素を示す。
【0025】
明細書及び請求範囲で「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」などの用語は、もし記載されている場合であれば、類似の構成要素を区分するために使用されるもので、必ずしもそうではないが、特定順次または発生順序を記述するために使用される。そのように使用される用語は、本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたものでなく、他のシーケンスで動作できるように適切な環境下で互換可能なものであることが分かる。同様に、本発明の方法が一連の段階を含むものとして記述される場合、ここに提示されたその段階の順序は、必ずしもそのような段階が実行される順序であるものではなく、任意の記述された段階は省略でき、または省略されるか、ここに記述されていない任意の他の段階がその方法に付加されてもよい。
【0026】
明細書及び請求範囲の「左側」、「右側」、「前」、「後」、「上部」、「底」、「上に」、「下に」などの用語は、もし記載されている場合、説明のために使用されるもので、必ずしも不変の相対的位置を記述するものではない。そのように使用される用語は、本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたものでなく、他の方向に動作できるように適切な環境下で互換可能なものであることが分かる。ここで使用された用語「接続された」は電気的または非電気的方式で直接または間接的に接続されることであると定義される。互いに「隣接する」ものと記述された対象は、その文言が用いられる文脈において、適切に、互いに物理的に接触したり、互いに近接したり、互いに同一の一般的範囲または領域にあるものであり得る。また、「一実施形態で」という文言の存在は、必ずしもそんなことではないが、同一の実施形態を意味する。
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の構成及び作用効果をより詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1で外部端子150と磁性体部130を除去した状態を概略的に示す斜視図である。
【0029】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100は、基板110、コイル部120、外部電極140、及び磁性体を含むことができる。
【0030】
基板110は磁性物質からなる磁性基板110であり得る。
【0031】
ここで、磁性物質の含量が多い場合、絶縁性を向上させるためにパッシベーション(Passivation)層を表面に備えてもよい。
【0032】
コイル部120は、絶縁部124(図4a,図4b)の内部に導体コイル125が設けられたものであり得る。
【0033】
外部電極140は、導体コイル125に電気的に接続され、共通モードフィルタ100が他のデバイスに実装される場合や結合される場合、導体コイル125と他のデバイスを電気的に接続させる役割を行うことができる。また、外部電極140は、複数個が互いに電気的絶縁を行うように設けられる。すなわち、外部電極140は、第1一次外部電極141、第2一次外部電極142、第1二次外部電極143、及び第2二次外部電極144を含むことができる。
【0034】
磁性体部130は、絶縁部124上で外部電極140の間に設けられるもので、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100ではインピーダンス特性を向上させるために磁性体部130の体積を極大化できる構造を適用した。
【0035】
具体的には、絶縁部124上に設けられる外部電極140は、その高さ(We)に比べて横断面の短辺の長さ(Te)が短く形成されることにより、共通モードフィルタ100の大きさが同一であると仮定した時、外部電極140の間に設けられる磁性体部130の体積が極大化される。
【0036】
言い換えれば、高さ(We)に比べて幅(Te)が狭い形状の外部電極140を形成したが、特に、外部電極140の横断面の短辺の長さ(Te)は外部電極140の高さ(We)の半分以下となるようにした。
【0037】
それによって、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100の外部電極140は、実質的に板(Panel)形状を形成するようになる。
【0038】
図3aは導体パターンが形成された状態を概略的に示す平面図であり、図4aは絶縁部124及び接続電極が形成された状態を概略的に示す平面図であり、図5aは外部電極140が形成された状態を概略的に示す平面図であり、図6aは磁性体部130が形成された状態を概略的に示す平面図である。
【0039】
また、図3b、図4b、図5b、及び図6bはそれぞれ図3a、図4a、図5a、及び図6aのI−I’線に沿った断面図である。
【0040】
以下、図3aから図6bを参照して本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100の細部構成をより詳細に説明する。
【0041】
先ず、図3a及び図3bを参照すると、導体コイル125は、一次コイルPCと二次コイルSCを含むことができ、一次コイルPCの一端は第1一次外側端子PT1に、他端は一次内側端子PIに接続されることができ、二次コイルSCの一端は第1二次外側端子ST1に、他端は二次内側端子SIに接続されることができる。
【0042】
この際、一次コイルPCと二次コイルSCは、絶縁性を確保できる間隔を維持しながら同一の層に共に少なくとも一回り以上巻線されている。
【0043】
このような導体コイル125は、基板110の表面に設けられた第1絶縁部121の上面に形成されることにより、基板110に含まれる磁性体によるショート現象の発生を防止することができる。
【0044】
また、図4a及び図4bに示すように、第1絶縁部121上には導体コイル125と第1絶縁部121を覆う第2絶縁部122がさらに設けられて第1絶縁部121とともに絶縁部124を形成することができる。
【0045】
これによって、絶縁部124の内部に導体コイル125が含まれる。
【0046】
また、絶縁部124の内部には第2一次外側端子PT2と第2二次外側端子ST2がさらに設けられ(図3a)、これらは後述する一次リード端子及び二次リード端子により導体コイル125と電気的に接続されることができる。
【0047】
一方、第2絶縁部122上には第1一次接続電極PCE1、第2一次接続電極PCE2、第1二次接続電極SCE1、第2二次接続電極SCE2が設けられる。
【0048】
この際、第1一次接続電極PCE1は第1一次外側端子PT1上に設けられて第1一次外側端子PT1と直接接続でき、第2一次接続電極PCE2は第2一次外側端子PT2上に設けられて第2一次外側端子PT2と直接接続できる。また、第1二次接続電極SCE1は第1二次外側端子ST1上に設けられて第1二次外側端子ST1と直接接続でき、第2二次接続電極SCE2は第2二次外側端子ST2上に設けられて第2二次外側端子ST2と直接接続できる。
【0049】
また、第1一次接続電極PCE1から第2二次接続電極SCE2は、ビア(図示せず)などにより、第1一次外側端子PT1から第2二次外側端子ST2にそれぞれ接続されることもできる。
【0050】
次に、図5a及び図5bを参照すると、第2一次接続電極PCE2に一端が接続される一次リード電極PLE及び第2二次接続電極SCE2に一端が接続される二次リード電極SLEが第2絶縁部122の上部面に設けられる。この際、一次リード電極PLEの他端は一次内側端子PIの上部まで到達するように第1一次接続電極PCE1の方向に形成され、第2絶縁部122を貫通する第1ビアV1により一次リード電極PLEと一次内側端子PIが電気的に接続されることができる。
【0051】
また、二次リード電極SLEの他端は二次内側端子SIの上部まで到達するように第1二次接続電極SCE1方向に形成され、第2絶縁部122を貫通する第2ビアV2により二次リード電極SLEと二次内側端子SIが電気的に接続されることができる。
【0052】
このように一次リード電極PLE及び二次リード電極SLEを備え、外部電極140が形成される層でリード線の役割を行うことができ、従来のリード線のための層を追加する必要がない。したがって、寄生キャパシタによる問題も緩和され、共通モードフィルタ100のスリム化も容易になる。
【0053】
一方、第1一次接続電極PCE1から第2二次接続電極SCE2のそれぞれには第1一次付加電極PAE1から第2二次付加電極SAE2が接続され、後述する外部端子150との電気的接続性を向上させることができる。
【0054】
また、第1一次接続電極PCE1及び第1一次付加電極PAE1を合わせて第1一次外部電極141、第2一次接続電極PCE2、一次リード電極PLE、及び第2一次付加電極PAE2を合わせて第2一次外部電極142、第1二次接続電極SCE1及び第1二次付加電極SAE1を合わせて第1二次外部電極143、第2二次接続電極SCE2、二次リード電極SLE、及び第2二次付加電極SAE2を合わせて第2二次外部電極144と称することができる。
【0055】
次に、図6a及び図6bを参照すると、絶縁部124上で外部電極140の間の領域を満たす磁性体部130が形成される。
【0056】
上述したように、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100は、外部電極140が実質的に板形状を形成するため、同じ大きさを有する従来の共通モードフィルタ100に比べて相対的に磁性体部130の体積が増加される。
【0057】
それによって、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100のインピーダンス特性が従来よりも向上することができる。
【0058】
図7aはカバー部131が形成された状態を概略的に示す平面図であり、図7bは図7aのI−I’線に沿った断面図であり、図8は外部端子150が形成された状態を概略的に示す平面図である。
【0059】
図7aから図8を参照すると、本発明の一実施形態による共通モードフィルタ100には第1〜第4外部電極140をそれぞれカバーする複数の外部端子150がさらに設けられることができる。この際、外部端子150は、第1外部電極140をカバーする第1外部端子151、第2外部電極140をカバーする第2外部端子152、第3外部電極140をカバーする第3外部端子153、第4外部電極140をカバーする第4外部端子154を含むことができる。
【0060】
また、一次リード電極PLE及び二次リード電極SLEは他の電極に比べて長さが長く形成されるが、外部端子150によりカバーできない部分が発生することがある。
【0061】
共通モードフィルタ100が他のデバイスに結合される場合、外部端子150に半田ペーストが塗布されるが、この半田ペーストが一次外部端子150及び二次外部端子150の露出部分によりショートする問題が発生することがある。
【0062】
これら問題を防止するために、本発明の実施例による共通モードフィルタ100は、一次外部端子150及び二次外部端子150の露出部分をカバーし、絶縁物質からなるカバー部131をさらに備えることができる。
【0063】
この際、カバー部131は磁性体からなり、それによって、共通モードフィルタ100のインピーダンス特性の向上に寄与することもできる。
【符号の説明】
【0064】
100 共通モードフィルタ
110 基板
120 コイル部
121 第1絶縁部
122 第2絶縁部
124 絶縁部
125 導体コイル
130 磁性体部
131 カバー部
140 外部電極
141 第1一次外部電極
142 第2一次外部電極
143 第1二次外部電極
144 第2二次外部電極
150 外部端子
151 第1外部端子
152 第2外部端子
153 第3外部端子
154 第4外部端子
PC 一次コイル
SC 二次コイル
PT1 第1一次外側端子
ST1 第1二次外側端子
PI 一次内側端子
SI 二次内側端子
PT2 第2一次外側端子
ST2 第2二次外側端子
PCE1 第1一次接続電極
PAE1 第1一次付加電極
PCE2 第2一次接続電極
PAE2 第2一次付加電極
SCE1 第1二次接続電極
SAE1 第1二次付加電極
SCE2 第2二次接続電極
SAE2 第2二次付加電極
PLE 一次リード電極
SLE 二次リード電極
V1 第1ビア
V2 第2ビア
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8