特許第6366941号(P6366941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366941
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 512C
【請求項の数】1
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-3899(P2014-3899)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-130989(P2015-130989A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年11月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516160005
【氏名又は名称】株式会社ジーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】特許業務法人タス・マイスター国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 誠之
【審査官】 池谷 香次郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−212064(JP,A)
【文献】 特開2005−148206(JP,A)
【文献】 特開2005−099743(JP,A)
【文献】 特開2009−240426(JP,A)
【文献】 特開2009−240459(JP,A)
【文献】 特開2006−081820(JP,A)
【文献】 特開2001−353253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体と、
前記遊技機本体に対し開閉可能な扉と、
少なくとも前方に開口を備え、遊技機前方へ照射光を投影するプロジェクタと、前記プロジェクタから投影された照射光を遊技機後方に反射させるリフレクタと、前記リフレクタによって反射された前記プロジェクタからの照射光が投影されるスクリーンと、を前記遊技機本体に対して着脱自在なユニットとして一体化した演出用ユニットと、
を備え、
前記リフレクタは、前記演出ユニットにおいて最も前方に突出した位置に配置され、
前記扉は、前記演出用ユニットによる演出情報が視認可能な表示領域が形成され、前記表示領域よりも前方に突出した突出部を有し、
前記突出部は、前記リフレクタの配置位置に対応して設けられ、
前記演出用ユニットは、前記扉が開放された状態において遊技機前方に向けて取り外し可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄が周面に描かれた複数のリールと、これら各リールに対応して複数設けられるとともに、各リールの周面に描かれた一部の図柄を表示する表示窓と、を備えた回胴式の遊技機(いわゆる、「パチスロ機」)が知られている。このような遊技機は、遊技者によるメダルなどの遊技価値(遊技媒体)の投入とスタートレバーに対する開始操作とに基づいて全リールを回転させ、遊技者によるストップボタンに対する停止操作に基づいて各リールの回転を停止させることにより、表示窓に図柄を停止表示させるようになっている。
【0003】
こうした遊技機は、表示窓内の有効ライン上に「役」に係る図柄の組合せが停止表示され、表示役として決定されたこと(すなわち、「役」が成立したこと)に基づいて、遊技者に対して特典(例えば、メダル)を付与する。
【0004】
また、この種の遊技機は、液晶パネルなどの表示ユニットを備え、ランプによる光やスピーカを用いた音の演出とともに、映像による多種多様な演出を行うことが可能とされており、遊技の進行を盛り上げるとともに、遊技の展開に対する遊技者の期待感を向上させる手法として効果を発揮している。
【0005】
ところが、液晶パネルのような表示ユニットは高価であり、遊技機の低廉化を妨げる要因となっていた。
【0006】
そこで、近年では、ゲーム用動画を表示する表示画面を大型化するための技術として、液晶パネルよりも安価な液晶プロジェクタを用いるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この提案は、スロットマシンなどのゲーム機において、内蔵の小型液晶パネルにゲーム用動画を映し出してこれを拡大投影する液晶プロジェクタを内部の下部に配設し、液晶プロジェクタの投影光を裏面側に受けて、ゲーム用動画を正面側に映し出すべく、この投影光を正面側に透過させるスクリーンを、表示画面として正面に配設するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−35066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した提案の場合、内部の下部に液晶プロジェクタを配設するなど、ゲーム機の内部の構造を考慮していないために、いわゆるパチスロ機などの遊技機には適用できないという問題があった。
【0010】
すなわち、パチスロ機においては、その筺体の内部に、複数の図柄が周面に描かれた複数のリールや各リールを駆動するための駆動機構、及び、払出し用のメダルを収容するホッパーやホッパー内に収容されたメダルの払出しを行う駆動回路など、さまざまな機器を搭載しなければならず、液晶プロジェクタやスクリーンなどを搭載できるスペースには限りがある。
【0011】
そのため、大型化を招くなど、既存の遊技機において、これまでの表示ユニットに代えて、特許文献1に記載の構成のものをそのまま採用することは困難である。
【0012】
特に、遊技機において、映像による従来の演出態様は、その殆どが平面的なものであり、2次元表示に過ぎないため、立体的で、かつ、斬新な演出が可能な演出用ユニットを搭載する遊技機の開発が望まれている。
【0013】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る遊技機は、上記目的達成のため、遊技機本体(キャビネット2a)と、前記遊技機本体に対し開閉可能な扉(前面扉2b)と、少なくとも前方に開口を備え、遊技機(1)前方へ照射光を投影するプロジェクタ(101)と、前記プロジェクタから投影された照射光(101a)を遊技機後方に反射させるリフレクタ(102)と、前記リフレクタによって反射された前記プロジェクタからの照射光が投影されるスクリーン(103)と、を前記遊技機本体に対して着脱自在なユニットとして一体化した演出用ユニット(表示ユニット100)と、を備え、前記扉は、前記演出用ユニットによる演出情報が視認可能な表示領域(表示画面領域19)が形成され、前記演出用ユニットは、前記扉が開放された状態において遊技機前方に向けて取り外し可能に構成されていることを特徴とする
【0015】
この構成により、本発明に係る遊技機は、既存の遊技機の限られたスペース内に効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機を提供することが可能となる。すなわち、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタを用いた演出用ユニットを搭載できるようにしたので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタを用いた演出用ユニットによって多種多様な演出を安定的に実現することが可能となる。
【0016】
また、プロジェクタ、リフレクタ及びスクリーンが遊技機に対して着脱自在なユニットとして一体化されているので、演出ユニットに汎用性を持たせることができる。
【0017】
また、本発明に係る遊技機において、前記扉は、前記表示領域よりも前方に突出した突出部を備え、前記リフレクタは、前記演出ユニットにおいて最も前方に突出した位置に配置され、前記突出部は、前記リフレクタの配置位置に対応して設けられることを特徴とする
【0018】
この構成により、本発明に係る遊技機は、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことが可能な遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の概略構成を示す外観斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の表示ユニットの着脱の様子を示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一部を透過して示す側面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の表示ユニットの構成を示す斜視図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一部を透過して示す正面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一部を透過して示す斜視図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機における主制御回路の構成例を示すブロック図である。
図8】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機における副制御回路の構成例を示すブロック図である。
図9】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一部を透過して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の概略構成を示すものである。
【0022】
遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0023】
図1に示すように、遊技機1の外観は、例えば、矩形箱状に形成された筐体2によって構成され、この筐体2は、前面側F1(図1におけるF1側)に矩形状の開口を有するキャビネット2aと、キャビネット2aの前面側F1に配置される前面扉(開閉扉)2bと、を主体に構成されている。キャビネット2aは、開口の内部に遊技に用いられる機器(例えば、後述するリール(又は、ドラムともいう)など)を収容する。前面扉2bは、キャビネット2aの開口の大きさと対応するように形成されており、キャビネット2aの開口を閉塞可能にキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。これにより、前面扉2bは、遊技機1の前面(正面)を構成する。
【0024】
前面扉2bには、その略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓4が設けられている。メイン表示窓4には、前面扉2bの裏面側に、遊技機1の内部側から取り付け固定されたメインリールユニット(図示していない)が装着される。
【0025】
メインリールユニットは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。これらのリール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。
【0026】
リール3L,3C,3Rは、メイン表示窓4を通じて、各リール3L,3C,3Rの動作や各リール3L,3C,3R上に描かれている図柄が視認可能となる。
【0027】
なお、メイン表示窓4は、その内部に、各リール3L,3C,3Rに対応させて矩形状に形成された3つの窓枠表示領域を設けることも可能である。
【0028】
メイン表示窓4には、その表面部に、矩形状のアクリル板などからなる透明パネルが取り付け固定されており、遊技者などがリール3L,3C,3Rに触れることができないようになっている。
【0029】
本実施の形態におけるメイン表示窓4は、図柄が停止表示される表示窓であって、図柄表示手段を構成する。
【0030】
メイン表示窓4の下部側B1(図1におけるB1側)には、略水平面の第1,第2,第3の台座部12a,12b,12cが形成されている。メイン表示窓4の右側R1(図1におけるR1側)に位置する第1の台座部12aには、メダルを投入するためのメダル投入口(有効ライン設定手段)5が設けられている。メダル投入口5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
【0031】
メイン表示窓4の左側L(図1におけるL側)に位置する台座部12bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタン(MAXBETボタンともいう)8が設けられている。最大BETボタン8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
【0032】
メイン表示窓4の前面側F1に位置する台座部12cには、液晶表示装置20が設けられている。液晶表示装置20は、液晶表示パネル(液晶パネル)20aのパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネル20bが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている(図8参照)。
【0033】
なお、タッチセンサパネル20bとしては、例えば、人体の一部(指先など)や静電ペンなどの接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、は、ペン先などの堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造など)であってもよい。
【0034】
液晶表示装置20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数などの遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キーなどが表示される。
【0035】
なお、液晶表示装置20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタンなどを装着できるようにしてもよい。
【0036】
また、液晶表示装置20は、その機能を、後述する表示ユニット100などに振り分けることにより、省略することもできる。
【0037】
最大BETボタン8の前面側F1には、遊技者の操作によりリール3L,3C,3Rを転駆動させるとともに、メイン表示窓4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバー設けられている。スタートレバー6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
【0038】
本実施の形態におけるスタートレバー6は、遊技開始時操作手段を構成する。なお、遊技開始時操作手段としては、傾動式のレバーに限らず、例えば押下式のボタンなどであってもよい。
【0039】
スタートレバー6の右側R1で、液晶表示装置20の前面側F1には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。
【0040】
ここで、3つのリール3L,3C,3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。また、遊技者が第1停止させるための停止操作を第1停止操作という。同様に、遊技者が第2停止させるための停止操作を第2停止操作、第3停止させるための停止操作を第3停止操作という。
【0041】
本実施の形態におけるストップボタン7L,7C,7Rは、図柄変動停止操作手段を構成する。
【0042】
なお、1ゲーム(単位遊技)は、スタートレバー6が操作されることによって開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止した時に終了する。各ストップボタン7L,7C,7Rの裏側には、ストップボタン7L,7C,7Rの停止操作を検知するストップスイッチ7S(7LS,7CS,7RS)が設けられている(図7参照)。
【0043】
ストップボタン7L,7C,7Rの右側R1には、C/Pスイッチ13Sが設けられている(図7参照)。C/Pスイッチ13Sは、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/Pスイッチ13Sの切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、前面扉2bの下部側B1のコインガードプレート部(メインパネル2b-1)に設けたメダル払出口(キャンセルシュート)14からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部15に溜められる。
【0044】
スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7R、及び、C/Pスイッチ13Sの下部側B1には、腰部パネル(腰部導光板)18が配置されている。腰部パネル18は、アクリル板などを使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネル18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様などが印刷により描かれている。
【0045】
また、メダル払出口14の左側Lにはスピーカ25Lが、右側R1にはスピーカ25Rが、それぞれ設けられている。スピーカ25L,25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽などの音により報知する。
【0046】
メイン表示窓4の上部側T(図1におけるT側)において、前面扉2bのフロントパネル2b-2には、略矩形状に開口部が形成された表示領域としての表示画面領域19が設けられている。この表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100が配設されている(表示ユニット100の詳細については、後述する)。
【0047】
表示ユニット100は、フロントパネル2b-2に設けられた表示画面領域19を通じて、その内部、すなわち表示の内容(演出情報)が視認可能となる。
【0048】
なお、前面扉2bには、少なくとも表示画面領域19に対応する部位に、アクリル板などからなる透明カバー(図示していない)が取り付け固定されるようになっており、表示画面領域19よりも奥側R(図1におけるR側)のキャビネット2a内に遊技者などが手を挿入したり、物が侵入したりするのを防止している。
【0049】
表示画面領域19の前面側F1には、例えば、左側Lに払出枚数表示部11が、右側R1にクレジット表示部17が、それぞれ設けられている(図5参照)。払出枚数表示部11は、例えば7セグメントのLEDにより形成され、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0050】
クレジット表示部17は、例えば7セグメントのLEDにより形成され、クレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、このクレジット表示部17に表示されるクレジット枚数は50以下の数値となる。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口14より払出される。
【0051】
前面扉2bには、例えば、最大BETランプ9、WINランプ23が設けられている(図7参照)。最大BETランプ9は、単位遊技を行うために投入されたメダル数(以下、「BET数」という)に応じて点灯するランプである。具体的には、最大BETランプ9は、メダルの投入枚数が3枚のときに点灯する。WINランプ23は、入賞成立時に点灯する。
【0052】
その他、前面扉2bには、例えば、7セグメントLEDにより形成され、ボーナス中の遊技情報(ボーナスゲーム中の遊技回数)を表示するボーナス遊技情報表示部などを設けるようにしてもよい。
【0053】
また、払出枚数表示部11、クレジット表示部17、最大BETランプ9、WINランプ23、又は、ボーナス遊技情報表示部などで表示される情報は、液晶表示装置20で表示させるようにしてもよい。
【0054】
表示画面領域19の上部側Tには、フロントパネル2b-2の裏面側の左右方向(図1におけるL側及びR1側)に一対の検知器(CSP)22が配設されている(図5参照)。一対の検知器22は、例えば、チャレンジ演出が実行された場合などにおいて、遊技者の手などが近付いてきたことを検知する。
【0055】
表示画面領域19の下部側B1には、メインパネル2b-1の裏面側のキャビネット2aの内部に、後述する遊技に用いられる機器としての、モータ駆動回路39、ホッパー40、メダル検出部40S、ステッピングモータ49L,49C,49R、リール位置検出回路50、主制御回路60、副制御回路70、及び、役物駆動部200が収容されている(図7図8参照)。
【0056】
次に、図2図6を参照して、表示ユニット100の構成について説明する。
【0057】
なお、図2は、遊技機1に対して表示ユニット100を着脱する際の様子を示す斜視図である。また、図3は、遊技機1の表示ユニット100を透過させた状態(前面扉2bの一部(フロントパネル2b-2)とキャビネット2aの一部とを切り欠いた状態)で示す斜視図であり、図4は、表示ユニット100を遊技機1より取り出して示す分解斜視図である。また、図5は、表示ユニット100と役物201,202との関係を説明するために示す遊技機1の正面図であり、図6は、表示ユニット100と役物201,202との関係を説明するために示す遊技機1の斜視図である。
【0058】
図2に示すように、表示ユニット100は、遊技機1に搭載される演出用ユニットであって、後述するプロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。例えば、図4に示すように、表示ユニット100は、天井100aに支持されたプロジェクタ101及びリフレクタ102と、スクリーン103と、ステージ(底板)100bとによって、前面側F1が開口されたコの字形状のユニットとして一体化されている。
【0059】
なお、表示ユニット100は、ステージ(底板)100bを廃してL字形状のユニットとして一体化してもよい。また、表示ユニット100は、上述のコの字形状のユニットの開口されている側面(前面側F1以外の開口された側面)に側板等を設けて箱型形状のユニットとして一体化してもよい。この場合、プロジェクタ101から投影された照射光101aの表示ユニット外部への漏れを防止することができる。
【0060】
表示ユニット100は、例えば、キャビネット2aに対してフロントパネル2b-2が開放された状態で、図2中、太矢印で示す方向に引き出されることによって遊技機1から取り外されるようになっている。
【0061】
なお、後述するプロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を箱型形状のユニット筐体に収容することにより一体化して、このユニット筐体をキャビネット2aに対して着脱自在な構成としてもよい。
【0062】
図3に示すように、表示ユニット100は、プロジェクタ101と、リフレクタ102と、スクリーン103と、を有して構成された演出表示手段としての、いわゆるプロジェクションマッピング装置である。
【0063】
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、役物201,202に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
【0064】
プロジェクタ101は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、キャビネット2aの奥側R(図3におけるR側)からキャビネット2aの前面側F1に向けて照射光101aを投影するように配置されている。
【0065】
リフレクタ102は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの奥側Rに反射させる光学ミラーであって、キャビネット2aの前面側F1に所定の反射角度を有して配置されている。
【0066】
スクリーン103は、リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが前面側F1より投影される表示画面として機能し、キャビネット2aの奥側Rにおける表示ユニット100のステージ(底板)100b上に配置されている。
【0067】
スクリーン103は、プロジェクタスクリーンなどの平面的な構造の映写幕であってもよいし、表示(投影)する演出情報などに応じて部分的に凹凸形状(3D面)を有する構造のものであってもよい。また、スクリーン103は、前面側F1と奥側Rとの間、上部側Tと下部側B1との間、もしくは、左側Lと右側R1との間を移動する構造としてもよいし、回転する構造としてもよい。さらに、スクリーン103は、上部側T及び下部側B1に沿う垂直方向、もしくは、左側L及び右側R1に沿う水平方向に、スクロールする構造としてもよい。
【0068】
また、スクリーン103は、可動式とし、必要に応じて、ステージ100b上に出現したり、ステージ100bより退避したりするように構成することもできる。
【0069】
また、スクリーン103としては、プロジェクタスクリーンなどの方形の映写幕に限らず、例えば、円形や多角、又は、それらを組合せたような形状としてもよい。
【0070】
また、スクリーン103は、伸縮性のある素材に、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしたスクリーン、3D面を有する素材に、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしたスクリーンであってもよい。
【0071】
さらには、役物201,202に対して、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしてもよい。
【0072】
本実施の形態においては、リフレクタ102によって照射光101aを折り返すことにより、照射光101aの投影距離を稼ぐとともに、プロジェクタ101として、例えば、方式がDLPで、解像度がWXGA1280×800で、照度が150ANSIルーメンで、投射比が0.93で、コントラスト比が1000:1の規格品を用いることによって、照射光101aの投影距離をできるだけ短くするようにしている。こうすることによって、表示ユニット100をより安価に構成できるとともに、小型化を図ることによって、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100の、遊技機1の限られたスペースへの搭載を容易に可能にしている。
【0073】
なお、表示ユニット100としては、リフレクタ102を用いずとも構成できる。但し、照射光の投影距離の観点から、照射光の投影距離が短い高機能なプロジェクタを用いる必要があるが、現時点において、高機能なプロジェクタは高価なため、結果的に遊技機1の高騰を招くこととなる。
【0074】
また、本実施の形態においては、表示ユニット100として、少なくともプロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とをユニット化(一体化)したことにより、キャビネット2aに対する着脱(装着)が容易に可能となる。よって、前面扉2bを、例えば図2に示すように、メインパネル(第2の部位)2b-1とフロントパネル(第1の部位)2b-2とに分割して開閉できる方式とするのが好ましい。
【0075】
図5に示すように、さらに本実施の形態においては、表示ユニット100におけるスクリーン103の前面側F1、すなわちスクリーン103の手前に、例えば演出情報に基づいて各種の役物201,202を配置することが可能となっている。
【0076】
すなわち、表示ユニット100のスクリーン103と、当該スクリーン103を視認可能にするために前面扉2bのフロントパネル2b-2に設けられた表示画面領域19と、の間のスペースには、例えば、立体形状を有する役物201や可動式の役物202が配置されている。
【0077】
なお、本実施の形態の場合、立体形状を有する役物201としては、ステージ100b上に固定された神殿の大柱や大階段であり、可動式の役物202としては、ステージ100b上を前面側F1及び奥側Rの方向に変位可能に設けられた、凸面を有する可動体と平面を有する可動体と凹面を有する可動体であるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
図6に示すように、役物201,202に対しては、表示ユニット100による演出時に、プロジェクタ101からの照射光101aの一部が投影される。これによって、映像を用いた演出態様がより立体的となり、これまでよりも斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
【0079】
次に、図7及び図8を参照して、主制御回路60又は副制御回路70を含む、遊技機1の回路構成について説明する。
【0080】
図7は、本実施の形態に係る遊技機1の回路構成例を示すものである。
【0081】
主制御回路60は、内部当籤役の決定やリール3L,3C,3Rの回転制御など、一連の遊技の進行を制御する。主制御回路60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成されている。
【0082】
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。
【0083】
メインCPU31は、乱数値と内部抽籤テーブル(図示していない)とに基づいて内部当籤役を決定し、当該内部当籤役と停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。また、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止させた際に、メイン表示窓4に表示された図柄の組合せに基づいて「役」が成立したか否かを判断し、「役」が成立している場合に、当該成立した「役」に応じてメダルを払出すなどの利益を遊技者に付与する。
【0084】
クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、「0」〜「65535」の範囲の乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
【0085】
また、この遊技機1では、抽出した乱数値をメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、単位遊技毎にメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、内部抽籤処理において内部当籤役の決定を行う。
【0086】
なお、乱数サンプリングのための手段としては、マイクロコンピュータ30内で、すなわち、メインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行する構成にしてもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0087】
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラムや各種テーブルなどが記憶されている。
【0088】
メインRAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した乱数値、遊技状態、内部当籤役、払出枚数、ボーナス持越状況、設定値などを特定する情報、各種カウンタ及びフラグがセットされている。これらの情報の一部は、各種のコマンドにより副制御回路70に送信される。
【0089】
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。これらのアクチュエータとメインCPU31との間の信号の授受は、I/Oポート38を介して行われる。
【0090】
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各周辺装置などの動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
【0091】
ランプ駆動回路45は、例えば遊技機1の前面扉2bに設けられるWINランプ23や、最大BETランプ9などの、点灯パターン(点灯/消灯など)を制御する。
【0092】
表示部駆動回路48は、払出枚数表示部11及びクレジット表示部17の他、例えば、ボーナス遊技情報表示部(図示していない)や押し順表示器(図示していない)を制御する。押し順表示器は、例えば、RT3遊技状態中に停止操作するストップボタン7L,7C,7Rの押し順を、液晶表示装置20の表示画面上に表示させるためのものである。
【0093】
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払出しが行われる。
【0094】
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御する。これにより、リール3L,3C,3Rの回転や停止が行われる。このような制御を行うモータ駆動回路39及びステッピングモータ49L,49C,49Rは、本発明の図柄表示制御手段を構成する。
【0095】
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路や各周辺装置などに制御信号を出力する契機となる入力信号を発生するための、各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS,7CS,7RS、最大BETスイッチ8S、C/Pスイッチ13S、メダルセンサ5S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51などがある。
【0096】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作(遊技開始操作信号)を検出し、遊技の開始を指令する遊技開始指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
【0097】
ストップスイッチ7LS,7CS,7RSは、それぞれストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rの回転の停止を指令する停止指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
【0098】
なお、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSを総称してストップスイッチ7Sともいう。
【0099】
最大BETスイッチ8Sは、最大BETボタン8に対する遊技者の投入操作(押下操作)を検出し、クレジットされたメダルからのメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
【0100】
C/Pスイッチ13Sは、遊技者の切り換え操作を検出し、クレジットモード又は払出モードを切り換えるための信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り換えられた場合、遊技機1内にクレジットされているメダルの払出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
【0101】
メダルセンサ5Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口5に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
【0102】
リール位置検出回路50は、リール回転センサ(図示していない)からのパルス信号を検出し、各リール3L,3C,3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
【0103】
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(すなわち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払出しが完了したことを示すための信号を発生する。
【0104】
副制御回路70は、I/Oポート38に接続され、スタートコマンドなどの主制御回路60から出力された各種のコマンドに基づいて、演出データの決定や実行などの各種の処理を行う。
【0105】
但し、副制御回路70が主制御回路60へコマンドや情報などを出力することはなく、主制御回路60から副制御回路70への一方向で通信が行われる。
【0106】
副制御回路70からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、液晶表示パネル20aとタッチセンサパネル20bとを含む液晶表示装置20、検知器22,22、スピーカ25L,25R、プロジェクタ101を含む表示ユニット100、及び、役物202を駆動する役物駆動部200がある。
【0107】
副制御回路70は、決定した演出データに基づいて、表示ユニット100で表示される演出情報の決定とその表示、及び、スピーカ25L,25Rから出力する遊技音の決定とその出力などの制御を行う。
【0108】
また、副制御回路70は、遊技の進行に伴って、液晶表示装置20の液晶表示パネル20aに表示される遊技情報などの決定とその表示、並びに、タッチセンサパネル20bからの入力の検出などの制御を行う。
【0109】
また、副制御回路70は、特定の当籤役に内部当籤した場合に演出パターン番号の抽籤を行い、特定有利状態への移行に伴う演出データを決定する。
【0110】
ここで、本実施の形態に係る遊技機1では、メダルの投入を条件に、遊技者のスタートレバー6に対する操作によって、スタートスイッチ6Sから遊技を開始する信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁など)によりリール3L,3C,3Rの回転が開始される。この際、ステッピングモータ49L,49C,49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。
【0111】
この遊技機1では、「16」のパルスが出力されると、リール3L,3C,3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより「16」のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが「1」ずつ更新される。
【0112】
また、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、そのリールインデックスに関するデータがリール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスに関するデータの出力により、メインRAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタの値が「0」にクリアされる。
【0113】
このようにして、各リール3L,3C,3Rについて、1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。
【0114】
なお、リール3L,3C,3Rの回転により、各図柄が一図柄分移動する距離を1コマという。すなわち、図柄が1コマ移動することは、図柄カウンタが「1」更新されることに対応する。
【0115】
リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図示していない図柄配置テーブルがメインROM32に記憶されている。この図柄配置テーブルは、前述のリールインデックスに関するデータが出力される位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、「00」から「20」までのコードナンバー(図柄位置)と、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードと、を対応付けている。
【0116】
また、スタートスイッチ6Sから遊技開始指令信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。この遊技機1では、乱数値が抽出されると、その乱数値がメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、メインCPU31により内部当籤役が決定される。
【0117】
リール3L,3C,3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7L柄の組合せであり、優先順位2位は「小役」に係る図柄の組合せである。次いで、優先順位3位は「ボーナス」に係る図柄の組合せである。
【0118】
ここで、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出された際の、該当するリール3L,3C,3Rの図柄カウンタに対応する図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転の停止が開始される図柄位置を「停止開始位置」といい、決定した滑りコマ数(数値範囲「0」〜「4」)を当該停止開始位置に加算した図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる図柄位置を「停止予定位置」という。滑りコマ数は、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出されてから、対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するまでのリール3L,3C,3Rの回転量であり、この遊技機1では、最大滑りコマ数を「4」と規定している。
【0119】
全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理、すなわち、「役」の成立・不成立の入賞判定処理が行われる。表示役の検索は、メインROM32に記憶されている図柄組合せテーブル(図示していない)に基づいて行われる。この図柄組合せテーブルでは、表示役に係る図柄の組合せと、図柄の組合せに対応する配当(メダルの払出枚数)と、が設定されている。
【0120】
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断されると、メインCPU31からホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払出しが行われる。この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払出しの完了を示す信号がメインCPU31に出力される。これにより、メインCPU31によってホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
【0121】
なお、C/Pスイッチ13Sによりクレジットモードに切り換えられている場合、メインCPU31は、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断すると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM33のクレジットカウンタに加算する。また、払出されたメダルの枚数は、メインCPU31によって表示部駆動回路48が制御されることにより、クレジット表示部17において更新されたクレジット枚数として表示されるとともに、払出枚数表示部11に表示される。
【0122】
ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払出し又はクレジットを総称して単に「払出し」という場合がある。
【0123】
なお、本実施の形態にあっては、主制御回路60において内部当籤役が決定されることに基づいて、後述する副制御回路70により、演出パターン番号の抽籤が選択的に行われる。すなわち、演出パターン番号の抽籤は、主制御回路60からのスタートコマンドにより通知される、内部当籤役として特定の当籤役が内部当籤(所定の演出条件が成立)したことを条件に、行われる。
【0124】
次に、図8を参照して、副制御回路70の回路構成について説明する。
【0125】
図8は、本実施の形態に係る遊技機1の副制御回路70の構成例を示すものである。
【0126】
副制御回路70は、映像、音、光などを用いて、遊技に関する演出や種々の情報を報知するための制御を行う。すなわち、副制御回路70は、主制御回路60から送信される各種のコマンドや各種の入力情報などに基づいて、演出データの決定と各種の演出処理とを行う。
【0127】
副制御回路70は、サブCPU71、サブROM72、サブRAM73、レンダリングプロセッサ74、フレームバッファ76を備えた描画用SDRAM75、ドライバ77、A/D変換器78、アンプ79、及び、映像再生機能を有する表示ユニット駆動部105を有している。
【0128】
サブCPU71は、サブROM72に記憶されているプログラムに基づいて、液晶表示装置20の表示/入力制御、スピーカ25L,25Rの出力制御、検知器22,22の動作制御、表示ユニット100の表示制御、及び、役物駆動部200の駆動制御などを行う。
【0129】
具体的には、サブCPU71は、主制御回路60から各種のコマンドなどを受信し、コマンドに含まれる各種の情報をサブRAM73に記憶させる。なお、主制御回路60におけるあらゆる情報がコマンドにより送信され、副制御回路70では、主制御回路60の状態を逐一判断することができる。
【0130】
また、サブCPU71は、サブRAM73に記憶させた遊技状態情報や内部当籤役情報などを参照しながらプログラムを実行することにより、液晶表示装置20、スピーカ25L,25R、検知器22,22、表示ユニット100、及び、役物駆動部200に行わせる演出の内容を決定する。
【0131】
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、レンダリングプロセッサ74及びドライバ77を介して液晶表示装置20を制御し、また、A/D変換器78及びアンプ79を介してスピーカ25L,25Rを制御する。
【0132】
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、表示ユニット駆動部105を介して表示ユニット100のプロジェクタ101を制御し、また、役物駆動部200を介して役物202を制御する。
【0133】
また、サブCPU71は、サブROM72に記憶されている乱数取得プログラムを実行することにより、演出データなどを決定する際に用いる乱数値を取得する。但し、主制御回路60と同様に、乱数発生器及びサンプリング回路を副制御回路70内に設ける場合には、当該処理は不要である。
【0134】
サブROM72は、サブCPU71が実行するプログラムを記憶するプログラム記憶領域と、各種テーブルなどを記憶するデータ記憶領域と、を有する。
【0135】
プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路60との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出データ登録処理用の制御プログラムなどを記憶する。
【0136】
一方、データ記憶領域は、図示していない演出抽籤テーブルなどを記憶するテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータなどを記憶する描画制御データ記憶領域、BGMや効果音といった音データなどを記憶する音声制御データ記憶領域などを有する。
【0137】
サブRAM73は、サブCPU71が各プログラムを実行する際に、作業用一時記憶手段として使用される。
【0138】
レンダリングプロセッサ74は、サブCPU71から受信する画像表示コマンドなどに基づいて、液晶表示装置20に遊技情報を表示させるための処理を行う。レンダリングプロセッサ74が行う処理に必要な画像データは、起動時に描画用SDRAM75に展開される。
【0139】
A/D変換器78は、サブCPU71が演出データに基づいて選択するデジタル形式の音データを、アナログ形式の音データに変換してアンプ79に送信する。アンプ79は、A/D変換器78から受信したアナログ形式の音データを、遊技機1に設けられた音量調整用ツマミ(図示していない)により調節された音量に基づいて増幅させた後、スピーカ25L,25Rに送信する。その結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた遊技音が、スピーカ25L,25Rから出力される。
【0140】
上記した本実施の形態においては、既存の遊技機1の限られたスペース内にプロジェクタ101を用いた表示ユニット100を効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機1を提供することが可能となる。すなわち、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100を搭載できるようにしたので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機1が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタ101を用いた表示ユニット100によって多種多様な演出を安定的に実現することが可能となる。
【0141】
また、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103が遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化されているので、演出ユニット100に汎用性を持たせることができる。
【0142】
また、スクリーン103と表示画面領域19との間には、立体形状を有する役物201及び可動式の役物202が配置することができるので、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
【0143】
さらには、ユニット化によってプロジェクタ101を用いた表示ユニット100を限られたスペース内に効率よく配置することができることにより、前面扉2bを、表示画面領域19が形成されたフロントパネル2b-2とそれ以外のメインパネル2b-1とで分割して開閉する方式とすることも可能になる。
【0144】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態について説明する。
【0145】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機1Aの一部を透過して示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0146】
本実施の形態の遊技機1Aにおいて、表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100Aが配設されている。
【0147】
図9に示すように、いわゆるプロジェクションマッピング装置(演出表示手段)としての表示ユニット100Aは、上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とを有して構成されている。また、本実施の形態に係る表示ユニット100Aは、第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。
【0148】
上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100との違いは、表示ユニット100Aの場合、プロジェクタ101が、キャビネット2aの前面側F1からキャビネット2aの奥側Rに向けて照射光101aを投影するように配置され、スクリーン103が、プロジェクタ101からの照射光101aが裏面側より投影されるように配置されている点である。
【0149】
すなわち、本実施の形態の表示ユニット100Aの場合、プロジェクタ101は、キャビネット2aの奥側Rに向けて照射光101aを投影するように、キャビネット2aの前面側F1に後ろ向きに配置され、リフレクタ102は、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの前面側F1に反射させるように、キャビネット2aの奥側Rに所定の反射角度を有して配置され、スクリーン103は、リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが裏面側より投影されるように、キャビネット2aの前面側F1に配置されている。
【0150】
このような構成とした本実施の形態においては、第1の実施の形態の場合と同様に、表示ユニット100Aをより安価に構成できるとともに、小型化を図ることによって、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100Aの、遊技機1Aの限られたスペースへの搭載が容易に可能となる。
【0151】
したがって、既存の遊技機1Aの限られたスペース内にプロジェクタ101を用いた表示ユニット100Aを効率よく配置できるようになるため、設計を大幅に変更したりすることなく、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機1Aを提供することが可能となる。
【0152】
また、本実施の形態の場合、表示ユニット100Aのスクリーン103と、キャビネット2aの奥側Rと、の間のスペース(スクリーン103の裏面側)に、例えば、立体形状を有する役物や可動式の役物を配置できる。立体形状を有する役物や可動式の役物に対して、プロジェクタ101からの照射光101aを投影させて、スクリーン103に役物の影を透過させることによって、より立体的で斬新な演出を行うことが可能となる。
【0153】
特に、演出情報などに基づいて役物を可動させることによって、スクリーン103の形状(平面的な構造)が変化するように構成してもよい。すなわち、照射光101aを透過できるスクリーン103を、例えば高い伸縮性を有する素材により構成することによって、可動式の役物の動きに応じて、スクリーン103が表示画面領域19から飛び出すような立体的で斬新な演出が可能となる。
【0154】
なお、本実施の形態においては、表示画面領域19とスクリーン103とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合、表示画面領域19を立体的な形状とすることによって、より立体的で斬新な演出を行うことが可能となる。
【0155】
また、スクリーン103を開閉できるように構成し、表示画面領域19を介して、可動式の役物による演出を視認できるようにしてもよい。
【0156】
上記したように、本実施の形態に係る表示ユニット100,100Aは、既存の遊技機1,1Aの限られたスペース内に効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機を提供することが可能となる。
【0157】
すなわち、遊技機1,1Aにおいて、遊技に用いられる各種の機器が収容されるキャビネット2aの内部に、照射光101aを投影するプロジェクタ101と、該プロジェクタ101から投影された照射光101aを所定の反射角度で反射させるリフレクタ102と、該リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが投影されるスクリーン103と、を効率よく配置できるようにしている。これにより、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100,100Aを搭載できるようになるので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタ101を用いた表示ユニット100,100Aによって多種多様な演出を安定的に実現することが可能な遊技機1,1Aとすることができるものである。
【0158】
しかも、表示ユニット100,100Aには、立体形状を有する役物201や可動式の役物202を配置することができるため、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
【0159】
また、プロジェクタ101、リフレクタ102、及び、スクリーン103をユニット化したことにより、表示ユニット100,100Aの装着を効率よく行うことが可能となり、前面扉2bを、表示画面領域19が形成されたフロントパネル2b-2とそれ以外のメインパネル2b-1とで分割して開閉することが可能な構成とすることもできる。
【0160】
なお、上記した各実施の形態においては、表示ユニット100,100Aとして、いずれもプロジェクタ101を天井板100a側に配置するように構成した場合を例に説明したが、これに限らず、例えばステージ100b側にプロジェクタ101を配置する構成としてもよい。
【0161】
また、いずれの実施の形態における表示ユニット100,100Aの場合においても、プロジェクタ101は1つに限らず、複数のプロジェクタ101を備えるものであってもよい。
【0162】
また、各実施の形態において、いずれの表示ユニット100,100Aの場合も、ステージ100bが可動する構成としてもよい。
【0163】
また、各実施の形態においては、いずれの場合も、液晶表示パネルを用いて腰部パネル18を構成することも可能である。
【0164】
また、上記した各実施の形態において、液晶表示装置20は、台座部12cの上部側T、例えば表示画面領域19とスクリーン103との間(L側及びR1側)に設けることも可能である。
【0165】
また、上記した各実施の形態において、台座部12cの上部側T、例えば表示画面領域19とスクリーン103との間(L側及びR1側)には、ドットマトリクスによる演出装置を設けるようにしてもよい。
【0166】
また、上記した各実施の形態においては、役物201,202に対して、例えば、ブラックライトに反応して発光するような塗料を選択的に塗布するようにしてもよい。この場合、遊技機1,1Aにブラックライトを搭載させることのみによって、発光する役物と発光しない役物とを混在させたり、1つの役物において、発光する部分と発光しない部分とを設けることが可能となる。
【0167】
さらには、上記した各実施の形態における遊技機1,1Aとしては、パチスロ機に限定されるものではなく、パチンコ機やスロットマシンなどの他の遊技機にも適用できる。
【0168】
以上、説明したように、本発明に係る遊技機は、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことができるという効果を奏するものであり、遊技機に搭載される表示ユニットに有用である。
【符号の説明】
【0169】
1,1A 遊技機
2a キャビネット
2b 前面扉(開閉扉)
2b-1 メインパネル
2b-2 フロントパネル
3L,3C,3R リール
4 メイン表示窓(図柄表示手段)
5 メダル投入口(有効ライン設定手段)
6 スタートレバー(遊技開始時操作手段)
7L,7C,7R ストップボタン(図柄変動停止操作手段)
8 最大BETボタン(有効ライン設定手段)
19 表示画面領域(表示領域)
39 モータ駆動回路(図柄表示制御手段)
49L,49C,49R ステッピングモータ(図柄表示制御手段)
60 主制御回路
70 副制御回路
100,100A 表示ユニット(演出用ユニット)
101 プロジェクタ
101a 照射光
102 リフレクタ
103 スクリーン
201,202 役物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9