(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水滴誘導部は、下縁を前記レンズに近接させて前記レンズの上方に配置される水滴誘導板を備え、当該水滴誘導板は、水平面Hに対して傾斜して配置されることを特徴とする請求項1記載の車載用撮像装置。
前記庇部は、前記車両の後面のトランクリッドの外面に取り付けられて左右方向に延在するフィニッシャーパネルであり、前記水滴誘導板は、前記フィニッシャーパネルと前記レンズとの間で左右に延在して配置されることを特徴とする請求項8記載の車載用撮像装置。
前記水滴誘導板の下縁には、左右に延在する樋状部が形成されており、前記樋状部は、当該樋状部を流れる水滴が前記レンズへ流れるように傾斜していることを特徴とする請求項10記載の車載用撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら以下に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車載用撮像装置を備えた車両の右側面図である。
図1に示すように、4輪の自動車10(車両)は、開閉可能なトランクリッド11を、後輪12の後方の車体の後面に備え、トランクリッド11には、自動車10の後方を撮像する撮像装置13(車載用撮像装置)が設けられている。
【0013】
図2は、トランクリッド11の中央部を後方から見た図である。
図2に示すように、トランクリッド11は、自動車10の前方側に一段窪んだ窪み部14を、車幅方向の中央に備え、窪み部14には、車幅方向に長い略長方形のライセンスプレート15が取り付けられている。窪み部14は、後面視では、略矩形状に形成されている。
窪み部14よりも上方のトランクリッド11の上部11aには、車幅方向に延びるフィニッシャープレート16が設けられている。フィニッシャープレート16は、周囲のトランクリッド11の部分よりも一段後方に突出しており、ユーザー等は、トランクリッド11を開閉する際に、フィニッシャープレート16を把持することができる。
【0014】
フィニッシャープレート16は、窪み部14の上縁部に沿うように設けられており、側面視では、窪み部14の上縁近傍から後方に突出する庇状に形成されている。すなわち、フィニッシャープレート16は、窪み部14を上方から覆う庇部17を構成している。
撮像装置13は、車幅方向の中央において窪み部14内の上部に設けられ、庇部17の下方に位置している。
【0015】
図3は、
図2のIII−III断面図である。
図4は、撮像装置13を後方から撮像装置13の光軸方向に見た図である。
撮像装置13は、略箱型のカメラ20と、自動車10に付着した水滴をカメラ20に誘導する水滴誘導部21とを備える。
カメラ20は、略箱型の筐体22と、筐体22の外側へ凸となる曲面状のレンズ23とを備える。筐体22内には、撮像素子(不図示)等が収納されている。
筐体22は、レンズ23が設けられるレンズ取付面22aと、レンズ取付面22aに略対向する背面22bと、左右の側面22c,22dと、上面22eと、下面22fとを備える。レンズ23の光軸Aの方向からカメラ20を見た場合、レンズ取付面22aは略矩形状に形成されており、レンズ23は、レンズ取付面22aの中央部に設けられている。光軸Aは、レンズ取付面22aの略法線方向に延びる。本実施の形態では、レンズ取付面22aをカメラ20の前面側として説明する。
【0016】
カメラ20は、筐体22の後部がトランクリッド11の内部に埋め込まれるようにしてトランクリッド11に配置されており、前部及びレンズ23は、自動車10の外側に露出している。
カメラ20は、自動車10の後下方を撮像するカメラであり、光軸A及びレンズ取付面22aが自動車10の後下方を向くように傾斜して設けられている。このため、側面視では、上面22eは車両の前後方向において後下がりに傾斜しており、レンズ取付面22aは車両の前後方向において前下がりに傾斜している。また、レンズ取付面22aは、車両の内側へ向けて下るように傾斜しているとも言える。本実施の形態では、光軸Aは、水平面Hに対して略45°の傾斜で後下がりに配置されており、設置状態では、レンズ取付面22aの上端はカメラ20の後端20gとなる。後端20gは、レンズ23の上方に位置するとともに、レンズ23の後端よりも自動車10の後方側に突出している。
【0017】
カメラ20は、庇部17の下方に配置され、庇部17によって上方を覆われている。詳細には、カメラ20は、庇部17の庇下縁部17a(庇部の下縁部)よりも前方側に配置されている。すなわち、カメラ20の後端20g及びレンズ23は、庇部17の下方で、庇下縁部17aよりも自動車10の内側方向に位置している。このため、カメラ20が外側から視認され難く、カメラ20は自動車10の外観性にほとんど影響しない。ここで、庇下縁部17aは、庇部17の下縁部であり、且つ、庇部17の後縁部である。
【0018】
レンズ23は、正面視では略円形に形成されている。レンズ23は、その曲面状の表面の全面に、親水性のレンズ側親水層23aを備える。レンズ23は、透明なガラスまたは樹脂等によって構成されており、レンズ側親水層23aは、レンズ23の表面に表面処理(コーティング)を行って形成される。
本実施の形態では、レンズ23にレンズ側親水層23aを設けるとともに、水滴誘導部21によってレンズ側親水層23aに水滴を集めることで、レンズ23の表面に均一な水膜を形成し、カメラ20の画像の視認性を向上させる。
【0019】
水滴誘導部21は、庇下縁部17a側からカメラ20の筐体22側まで延びる車両側水滴誘導部25と、筐体22に設けられる筐体側水滴誘導部26とを備える。
車両側水滴誘導部25は、板状の水滴誘導板部27(水滴誘導板)と、水滴誘導板部27の左右の両端部から自動車10の内側方向へ延びる一対の取付板部28,28とを備える。
車両側水滴誘導部25は、取付板部28,28が庇部17と筐体22の上面22eとの間に入り込むように取り付けられることで、トランクリッド11に固定される。
【0020】
水滴誘導板部27は、正面視では、カメラ20の高さ方向よりも幅方向に長い横長に形成されている。詳細には、水滴誘導板部27は、
図4に示す正面視では略台形状に形成されており、略水平に延びる下縁27aと、下縁27aよりも長い上縁27bと、下縁27a及び上縁27bの両端を繋ぐ側縁27c,27cとを備える。下縁27aの長さは、レンズ取付面22aの幅と略等しく形成されており、上縁27bの長さは、レンズ取付面22aの幅よりも大きく形成されている。このため、レンズ取付面22aの幅よりも長い上縁27bを介して広い範囲から水滴を集めることができ、多量の水滴を集めることができる。
【0021】
図3に示すように、水滴誘導板部27は、車両の前後方向において前下がりとなるように傾斜した状態で配置される平板状に形成されており、庇部17とカメラ20の後端20gとを繋ぐように配置されている。
詳細には、上縁27bは、庇下縁部17aと略等しい高さ位置に配置されるとともに、庇下縁部17aとの間に隙間S1をあけて庇下縁部17aの後方に配置されている。また、下縁27aは、カメラ20の後端20gと略等しい高さ位置に配置されるとともに、後端20gとの間に隙間S2をあけて後端20gの後方に配置されている。
【0022】
水滴誘導板部27は、自動車10の外側に露出する外側面30と、庇部17の下方の自動車10の内側に面する内側面31とを有する。外側面30は、水滴誘導板部27の下面であり、内側面31は、外側面30の裏面であるとともに水滴誘導板部27の上面である。
フィニッシャープレート16に付着して下方に流れる水滴W1は、隙間S1から内側面31に流れ、隙間S2を通って下方のレンズ23側に流れる。また、路面からの巻き上げ等によって外側面30に付着した水滴W2は、外側面30に沿って下方のレンズ23側に流れる。
【0023】
内側面31は、内側面31に対する水滴W1の付着方向D1に見た場合の水平面Hからの傾斜角が90°未満であり、内側面31には、撥水性の撥水層32が全面に形成されている。内側面31に付着した水滴W1は、撥水層32上を転がるように下方に流れる。
外側面30は、外側面30に対する水滴W2の付着方向D2に見た場合の水平面Hからの傾斜角が90°以上であり、外側面30には、親水性の親水層33が全面に形成されている。外側面30に付着した水滴W2は、親水層33上を伝うように下方に流れる。
すなわち、本実施の形態では、水滴誘導板部27において、傾斜角が90°未満で水滴が斜面を転がるように流れる部分には、撥水層32が形成されている。また、水滴誘導板部27において、傾斜角が90°以上で水滴からみて傾斜がオーバーハングしている部分には、水滴が斜面を伝って流れるように、親水層33が形成されている。
外側面30は、その上方の部分よりもオーバーハングの度合いががさらに大きい下端傾斜部30aを下端に備える。
なお、親水性とは、対水接触角が40°以下である性質を示し、撥水性とは、対水接触角が40°より大きい性質を示す。本実施の形態では、親水層33は、対水接触角が20°以下、撥水層32は、対水接触角が60°以上であることが好ましい。
【0024】
図5は、水滴誘導板部27を示す正面図であり、(a)は外側面30であり、(b)は内側面31である。
図5(a)に示すように、外側面30には、上縁27b側から下縁27aまで延びる直線状の溝34が複数形成されている。溝34は、上縁27b側では、幅方向に互いに所定間隔をあけて配置されているが、下縁27a側では、水滴誘導板部27の幅方向の中央部の一箇所に合流している。外側面30を流れる水滴W2は、溝34に沿って流れ、下縁27a側では中央部に集まる。なお、溝34に代えて、溝34と同じ位置に、突起を設けても良い。この場合も、突起に沿って水滴W2を水滴誘導板部27の幅方向の中央部に集めることができる。路面から巻き上げられて外側面30に付着する水滴W2は、水滴の粒が小さいが、本実施の形態のように、複数の溝34によって水滴を集めることで水滴の粒を大きくでき、外側面30に付着した水滴W2を効率良く下方に流すことができる。
【0025】
図5(b)に示すように、内側面31には、網状の水路35が全面に形成されている。水路35は、溝やリブ状の突起等により構成される。フィニッシャープレート16等の自動車10の外装に沿って流れる水滴W1は、水滴の粒が大きいため、一度に流れてしまうことが考えられる。本実施の形態では、網状の水路35を設けることで、水路35が抵抗となって水滴W1の流れを均一化でき、内側面31に沿って下方に流れる水量を安定化できる。
【0026】
図3及び
図4に示すように、筐体側水滴誘導部26は、レンズ取付面22aにおいてレンズ23の上方に取り付けられる板状部材である。筐体側水滴誘導部26は、正面視では、カメラ20の後端20g側を略水平な上辺としてレンズ23側に突出する略三角形状に形成されており、後端20gに沿う上縁26aと、上縁26aの両端から下方に延びて頂点である下端26bで合流する側縁26c,26cとを備える。
筐体側水滴誘導部26の下端26bは、円形のレンズ23の上部23bの表面に接触した状態で設けられている。また、下端26bは、レンズ23の幅方向においては、光軸Aの位置に略一致するレンズ23の中央でレンズ23の上部23bに接触している。下端26bがレンズ23に重なる範囲は、カメラ20が出力して車内のモニタ(不図示)に表示される画像の範囲の外の範囲であり、下端26bは、モニタに表示されない。
【0027】
筐体側水滴誘導部26の上縁26aは、水滴誘導板部27の下縁27aと同等の高さ位置に位置するとともに、下縁27aよりも自動車10の内側に配置されている。詳細には、上縁26aは後端20gの位置に略一致しており、上縁26aと下縁27aとは、隙間S2だけ離れている。
筐体側水滴誘導部26の外面36は、外面36に対する水滴W3の付着方向D3に見た場合の水平面からの傾斜角が90°以上であり、外面36には、親水性の筐体側親水層37が全面に形成されている。外面36のオーバーハングの度合いは、レンズ取付面22aのオーバーハングの度合いよりも小さい。外面36に付着した水滴W3は、筐体側親水層37上を伝うように下方に流れる。
【0028】
図4に示すように、筐体側水滴誘導部26の外面36には、上縁26a側から下端26bまで延びる直線状の溝38が複数形成されている。溝38は、上縁26a側では、幅方向に互いに所定間隔をあけて配置されているが、下端26b側では、下端26bの幅方向の中央部の一箇所に合流している。外面36を流れる水滴W3は、溝38に沿って流れ、下流側では下端26bに集まる。なお、溝34に代えて、溝34と同じ位置に、突起を設けても良い。この場合も、突起に沿って水滴W3を下端26bに集めることができる。
また、筐体側水滴誘導部26は、上縁26aの両端に設けられる一対の接続部39,39によって、水滴誘導板部27の下縁27aに一体に接続されている。このため、隙間S2を精度良く容易に形成できる。
【0029】
ここで、水滴誘導部21に誘導された水滴がレンズ23の表面に水膜を形成する動作を説明する。
自動車10に付着して自動車10の後部に流れた雨等の水滴の一部は、トランクリッド11からフィニッシャープレート16側に流れ、フィニッシャープレート16の中央部の表面に沿って下方に流れる水滴W1は、隙間S1を通って水滴誘導板部27の内側面31に流れる。水滴W1は、撥水層32を転がるように下方に流れ、隙間S2を通って筐体側水滴誘導部26の外面36に達する。
【0030】
また、後輪12等によって路面から巻き上げられて外側面30に付着した水滴W2は、親水層33を伝って下方に流れ、下端傾斜部30aから筐体側水滴誘導部26の外面36に達する。外面36に達した水滴W1及び水滴W2は合流して水滴W3となり、水滴W3は、筐体側親水層37を伝って下端26bからレンズ23の上部23bに流れる。上部23bに達した水滴W3は、レンズ23の幅方向に広がりながらレンズ側親水層23a上を下方に流れ、レンズ23の全体に略均一な水膜を形成する。レンズ23にはレンズ側親水層23aが形成されているため、レンズ23の表面に水滴が広がり易く、効果的に略均一な水膜を形成できる。
【0031】
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、撮像装置13は、表面にレンズ側親水層23aが施されたレンズ23を有して自動車10に設けられるカメラ20と、自動車10に付着した水滴W1,W2をレンズ23に誘導する水滴誘導部21とを備える。これにより、自動車10に付着した雨等の水滴を、水滴誘導部21によって、レンズ側親水層23aが施されたレンズ23の表面に誘導し、レンズ23の表面に略均一な水膜を形成できる。このため、レンズ23の表面に付着する水滴が小さくなるような周囲の状況、例えば霧雨等が降っている状況であっても、レンズ23の表面に略均一な水膜を形成でき、撮像装置13の画像の視認性を向上できる。
【0032】
また、水滴誘導部21は、レンズ23の上方に位置し、レンズ23に接触して設けられるため、上方からレンズ23側に流れる水滴W3を、レンズ23に接触する水滴誘導部21によってレンズ23に直接誘導でき、略均一な水膜をレンズ23の表面に効果的に形成できる。
また、水滴誘導部21は、レンズ23の上方に位置して水滴をレンズ23に誘導する溝34及び溝38を備えるため、上方からレンズ23側に流れる水滴を、溝34及び溝38によって効率良くレンズ23に誘導でき、略均一な水膜をレンズ23の表面に効果的に形成できる。
【0033】
さらに、水滴誘導部21は、自動車10からカメラ20の筐体22近傍まで延びる車両側水滴誘導部25と、筐体22に設けられる筐体側水滴誘導部26とを備えるため、自動車10に付着した水滴を車両側水滴誘導部25によってカメラ20の筐体22近傍まで誘導し、この水滴を、筐体側水滴誘導部26によってレンズ23に誘導できる。
また、カメラ20は、光軸Aが斜め下方を指向するように傾斜して設けられ、水滴誘導部21は、上方からレンズ23に水滴を供給するため、光軸Aが斜め下方を指向するカメラであってもレンズ23の表面に水膜を効果的に形成できる。
【0034】
また、水滴誘導部21の内側面31の傾斜角が水平面Hに対して90°未満の場合、内側面31の表面に、撥水層32が設けられるため、W1は、撥水層32の面上を速やかに流れてレンズ23に誘導される。このため、レンズ23の表面に水膜を効果的に形成できる。
また、水滴誘導部21において、外側面30の傾斜角、及び、外面36の傾斜角が水平面に対して90°以上の場合、外側面30及び外面36の表面に、親水層33及び筐体側親水層37がそれぞれ設けられるため、外側面30及び外面36の傾斜角が水平面に対して90°以上で水滴を表面に伝わせることが困難な構成であっても、水滴を親水性の外側面30及び外面36に伝わせてレンズ23に誘導できる。このため、レンズ23の表面に水膜を効果的に形成できる。
【0035】
さらに、水滴誘導部21は、下縁27aをレンズ23に近接させてレンズ23の上方に配置される水滴誘導板部27を備え、水滴誘導板部27は、水平面Hに対して傾斜して配置されるため、水滴誘導板部27の内側面31及び外側面30に沿って下縁27a側へ流れる水滴W1,W2の両方を、レンズ23の表面に誘導でき、レンズ23の表面に水膜を効果的に形成できる。
【0036】
また、カメラ20が自動車10の庇部17の下方に配置されるとともに、レンズ23は庇部17の庇下縁部17aよりも自動車10の内側に配置され、水滴誘導板部27は、庇下縁部17aとレンズ23とを繋ぐように上下に延在して設けられ、水滴誘導板部27の上縁27bは、庇下縁部17aとの間に隙間S1が形成されるように庇下縁部17aよりも外側に配置されている。これにより、庇部17上を下方へ流れる水滴W1を、隙間S1から水滴誘導板部27の内側面31に流してレンズ23の表面に誘導できるとともに、自動車10の外方側から水滴誘導板部27の外側面30に付着した水滴W2を、水滴誘導板部27の外側面30に伝わせてレンズ23の表面に誘導できる。このため、レンズ23の表面に水膜を効果的に形成できる。
【0037】
また、水滴誘導板部27には、水滴誘導板部27の内側面31に設けられる撥水層32、及び、水滴誘導板部27の外側面30に設けられる親水層33が設けられる。このため、隙間S1に誘導された水滴を、撥水層32上で速やかに流してレンズ23に誘導できる。また、自動車10の外方側から水滴誘導板部27の外側面30に付着した水滴W2を、親水層33上に伝わせてレンズ23に誘導できる。なお、撥水層32及び親水層33は、少なくともいずれかが設けられていても良い。
【0038】
また、庇部17は、自動車10の後面のトランクリッド11の外面に取り付けられて左右方向に延在するフィニッシャープレート16であり、水滴誘導板部27は、フィニッシャープレート16とレンズ23との間で左右に延在して配置されるため、トランクリッド11及びフィニッシャープレート16に付着した水滴を、水滴誘導板部27を介してレンズ23に誘導できる。また、自動車10の外方側から水滴誘導板部27の外側面30に付着した水滴をレンズ23に誘導できる。
【0039】
[第2の実施の形態]
以下、
図6及び
図7を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態は、水滴誘導板部27に代えて、水滴誘導板部27よりも幅方向に長い水滴誘導板部127が設けられ、水滴誘導板部127が、水滴を集める外側樋状部140及び内側樋状部141を備える点が、上記第1の実施の形態と異なる。
【0040】
図6は、第2の実施の形態におけるトランクリッド11の中央部を後方から見た図である。
図7は、
図6のVII−VII断面図である。
図6に示すように、水滴誘導板部127は、ライセンスプレート15よりも幅方向に長く形成されている。
水滴誘導板部127の上縁127bは、庇下縁部17aと略等しい高さ位置に配置されるとともに、庇下縁部17aとの間に隙間S1(
図3)をあけて庇下縁部17aの後方に配置されている。また、水滴誘導板部127の下縁127aは、カメラ20の後端20gと略等しい高さ位置に配置されるとともに、後端20gとの間に隙間S2(
図3)をあけて後端20gの後方に配置されている。
【0041】
図7に示すように、水滴誘導板部127の下縁127aには、外側面30に設けられる外側樋状部140と、内側面31に設けられる内側樋状部141とが形成されている。なお、外側樋状部140及び内側樋状部141は、
図6では図示が省略されている。
外側樋状部140及び内側樋状部141は、水滴誘導板部127の幅の略全体に亘って形成されている。また、外側樋状部140及び内側樋状部141は、レンズ23の真上に位置する水滴誘導板部127の幅方向の中央部142で最も高さ位置が低くなるように傾斜して設けられている。
また、水滴誘導板部127は、上縁127b側から下縁127aの幅方向の中央部に延びる複数の溝または突起(不図示)を備え、水滴誘導板部127上を流れる水滴は、上記溝または突起に沿って中央部に集まる。
【0042】
トランクリッド11上を下方に流れる水滴は、ライセンスプレート15よりも幅方向に長く形成された水滴誘導板部127に多量に流れ、内側面31を流れて内側樋状部141に達し、内側樋状部141に沿って中央部142に流れ、中央部142から下方に流れ落ちる。その後、水滴は、筐体側水滴誘導部26上を流れてレンズ23に達し、レンズ23の表面に水膜を形成する。また、外側面30上を下方に流れる水滴は、外側樋状部140に沿って中央部142に流れ、中央部142から下方のレンズ23に流れ落ちる。
第2の実施の形態によれば、水滴誘導板部127の下縁127aには、左右に延在する外側樋状部140及び内側樋状部141が形成されており、外側樋状部140及び内側樋状部141は、外側樋状部140及び内側樋状部141を流れる水滴がレンズ23へ流れるように傾斜しているため、水滴誘導板部127が左右(幅方向)に長い構成であっても、水滴を外側樋状部140及び内側樋状部141を介してレンズ23に誘導でき、レンズ23に効率良く水膜を形成できる。
【0043】
[第3の実施の形態]
以下、
図8及び
図9を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態は、内側面31及び外側面30の両方を水滴が流れる水滴誘導板部27に代えて、外側面230のみを水滴が流れる車両側水滴誘導部227が設けられている点が、上記第1の実施の形態と異なる。
【0044】
図8は、第3の実施の形態における
図2のIII−III断面図である。
図9は、カメラ20を後方からカメラ20の光軸方向に見た図である。
車両側水滴誘導部227は、車両の前後方向において前下がりとなるように傾斜した状態で配置され、庇部17とカメラ20の後端20gとを繋ぐように配置される外側面230を備える。外側面230は親水層33を有する。なお、外側面230は、正面視では上記外側面30と略同一形状を有しているため、同様に構成される部分には同符号が付されている。
詳細には、外側面230は、上縁27bが庇下縁部17aに連続するとともに、下縁27aがカメラ20の後端20gに連続するように設けられる。外側面230は親水層33を有する。
【0045】
水滴W1は、フィニッシャープレート16から外側面230の親水層33を伝って筐体側水滴誘導部26に達し、外面36に沿ってレンズ23に誘導される。また、後輪12等によって路面から巻き上げられて外側面230に付着した水滴も、外面36に沿ってレンズ23に誘導される。このため、レンズ23の表面に水膜を効果的に形成できる。
なお、車両側水滴誘導部227は、板状であっても、ブロック状であっても良い。
また、第3の実施の形態では、接続部39,39は設けられておらず、車両側水滴誘導部227と筐体側水滴誘導部26とは別体で設けられている。
【0046】
[第4の実施の形態]
以下、
図10を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、水滴誘導板部27及び筐体側水滴誘導部26の両方が設けられるものとして説明したが、本第4の実施の形態では、筐体側水滴誘導部26は設けられておらず、車両側水滴誘導部327だけが設けられている。
【0047】
図10は、第4の実施の形態における
図2のIII−III断面図である。
車両側水滴誘導部327は、庇部17の下方において、自動車10の外側に露出する外側面330を有する。外側面330は、その上縁が庇部17の下面に連続するとともに、その下縁がカメラ20の後端20gに上方側から連続するように配置されている。外側面330は、外側面330に対する水滴の付着方向に見た場合の水平面Hからの傾斜角が90°未満であり、外側面330には撥水層330aが形成されている。
外側面330に付着した水滴は、撥水層330aに沿って下方に流れ、レンズ取付面22aの上部を伝ってレンズ23に流れ、レンズ23の表面に水膜を形成する。
なお、外側面330は、その上縁が庇下縁部17aに連続するように設けられても良い。この場合、外側面330の水平面Hからの傾斜角が90°以上になるため、外側面330には親水層が形成される。
【0048】
[第5の実施の形態]
以下、
図11及び
図12を参照して、本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0049】
図11は、第5の実施の形態におけるカメラ20の断面図である。
図12は、カメラ20を光軸方向に見た図である。
カメラ20は、自動車10の後部、側部、上部、下部或いは前部のいずれにも設けられることが可能であり、自動車10の外下方を撮像する。カメラ20は、光軸A及びレンズ取付面22aが自動車10の外下方を向くように傾斜して設けられている。
カメラ20は、水滴誘導部421を備え、水滴誘導部421は、筐体側水滴誘導部26と、上面側水滴誘導部455とを備える。
上面側水滴誘導部455は、カメラ20の筐体22の上面22eに設けられる。上面側水滴誘導部455が設けられることで、カメラ20の上面には、上面22eよりも傾斜が大きい外側面456が形成される。外側面456は、水平面Hからの傾斜角が90°未満であり、外側面456には撥水層456aが形成されている。
【0050】
外側面456は、上方に延びる一対のリブ457,457を、幅方向の両側縁に有する。リブ457,457は、外側面456の両側縁の全体に亘って設けられ、リブ457,457の下端は、筐体側水滴誘導部26の上縁26aに連続している。
上方から上面側水滴誘導部455に付着した水滴W4は、外側面456に沿って下方に流れ、外面36を伝ってレンズ23に流れる。第5実施の形態では、上面側水滴誘導部455に付着した水滴を、リブ457,457によって筐体側水滴誘導部26に効率良く誘導できるため、レンズ23に効率良く水膜を形成できる。
【0051】
[第6の実施の形態]
以下、
図11及び
図12を参照して、本発明を適用した第6の実施の形態について説明する。この第6の実施の形態において、上記第5の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0052】
図13は、第6の実施の形態においてカメラ20を光軸方向に見た図である。
第6実施の形態では、水滴をレンズ23に誘導する筐体側水滴誘導部526が、レンズ取付面22aに一体に形成されている。筐体側水滴誘導部526には、筐体側親水層37が設けられる。筐体側水滴誘導部526は、カメラ20の後端20gからレンズ23の上部23bの中央に延びる直線状の溝538を複数備える。また、第6実施の形態では、外側面456には、第5実施の形態のリブ457,457は設けられておらず、上下に延びる溝539が外側面456の中央に設けられる。
このように、筐体側水滴誘導部526を筐体22に設けることで、簡単な構成で水滴をレンズ23に誘導できる。
ここで、水滴を誘導する溝538,539は、突起であっても良い。
【0053】
[第7の実施の形態]
以下、
図14を参照して、本発明を適用した第7の実施の形態について説明する。この第7の実施の形態において、上記第5の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0054】
図14は、第7の実施の形態においてカメラ20を光軸方向に見た図である。
第7実施の形態では、カメラ20の筐体622は、下部よりも上部が幅広に形成されている。筐体622は、正面視で、上縁側が下縁側よりも長い略台形状のレンズ取付面622aを備える。レンズ取付面622aの上部には、水滴をレンズ23に誘導する筐体側水滴誘導部626が、レンズ取付面622aに一体に形成されている。筐体側水滴誘導部626には、筐体側親水層37が設けられる。
筐体側水滴誘導部626は、後端20gからレンズ23の上部23bの中央に延びる直線状の溝638を複数備える。このように、レンズ取付面622aを上部が幅広な略台形状とし、この上部に筐体側水滴誘導部626を設けたため、筐体側水滴誘導部626の面積を大きくでき、水滴を効率良くレンズ23に誘導できる。
【0055】
[第8の実施の形態]
以下、
図15及び
図16を参照して、本発明を適用した第8の実施の形態について説明する。この第8の実施の形態において、上記第5の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0056】
図15は、第8の実施の形態におけるカメラ20の断面図である。
図16は、カメラ20を光軸方向に見た図である。
第8の実施の形態では、カメラ20は、レンズ23の下縁に沿って正面視で円弧状に設けられる水溜め部760を備えている。水溜め部760は、レンズ取付面22aから光軸Aの方向に突出している。水溜め部760が設けられることで、水溜め部760とレンズ23の下縁との間の隙間に水が溜まり易くなる。
第8の実施の形態によれば、レンズ23の下縁近傍から略光軸A方向に突出する水溜め部760を備えるため、水溜め部760の近傍に水滴が溜まり、レンズ23の表面に水膜Mを保持し易くすることができる。
なお、水溜め部760は、上記第1〜第7の形態の構成に設けても良いことは勿論である。
【0057】
上記第1〜第8の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1〜第8の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1及び第2の実施の形態では、レンズ側親水層23aは、レンズ23に設けられるものとして説明したが、本発明では、レンズは、カメラ20のレンズ23を保護するためにレンズ23の外側に設けられるレンズ保護部材も含む。すなわち、レンズ保護部材を備えるカメラの場合、レンズ側親水層23aは、レンズの最外面を構成するレンズ保護部材の表面に設けられる。