【実施例】
【0026】
表1及び表2を参照して、本発明の実施例及び比較例を説明する。
【0027】
実施例及び比較例では、表1に示すアルミナ−マグネシア材質の耐火原料を使用した。そして、この耐火原料に、結合剤、分散剤及び硬化調整剤を添加して原料配合物とした。結合剤としてはアルミナセメント、分散剤としてはポリアクリル酸、硬化遅延剤としてはケイフッ化ソーダを使用した。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例及び比較例の各原料配合物を用いた不定形耐火物について、流し込み施工時間(h)、混練後の不定形耐火物の温度が35℃のときにおける可使時間(h)、流し込み施工時間に対する可使時間(倍率)、混練後の不定形耐火物の温度、養生方法、施工後からの養生時間、硬化トラブルの有無、総合評価を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
実施例及び比較例における不定形耐火物の施工は、施工量が数トン程度を想定したものであり、流し込み施工時間として1時間を要する施工である。
【0032】
流し込み施工時間は、施工量が多いほど時間を要するが、可使時間は施工量の大小に関らず一定である。そこで、実施例及び比較例における可使時間は、施工量が数トン程度の施工に用いる原料と同一ロットの原料を使用して、以下の要領で評価した。
【0033】
数トン程度の施工に用いる原料配合物と同一ロッドの原料配合物を、35℃の水温で混練し、混練物を40mm×40mm×160mmの金枠に流し込み、35℃恒温室内で、JHS A601「土壌硬度試験法」に基づいて測定した。この測定は、試料に強度がなく軟らかい場合は貫入値を測定できず、試料の強度が発現するとともに貫入値が増加するものである。具体的には、試料をプッシュコーンで貫入した際、プッシュコーンの貫入値が24mmとなったときまでの時間を可使時間とした。実施例及び比較例における可使時間の調整は、硬化遅延剤の添加量を適宜変化させることにより行った。なお、可使時間の調整は、硬化促進剤と硬化遅延剤とを併用して調整しても良い。
【0034】
流し込み施工時間に対する可使時間は、上記方法により測定した可使時間を、流し込み施工時間(1時間)に対する倍率で示した。
【0035】
養生方法については、マイクロ波養生は、マイクロ波装置内に試料を置き、一定出力で材料にマイクロ波を照射し養生を行った。
【0036】
自然養生は一定温度の恒温器内に試料を置いて養生を行った。温風養生は、恒温器内に試料を置き試料に温風をあてて養生を行った。
【0037】
混練後の不定形耐火物の温度は、不定形耐火物の表面を温度計により測定した。
【0038】
施工後からの養生時間は、乾燥に必要な強度を得るまでに要する時間である。施工後からの養生時間は、JHS A601「土壌硬度試験法」に基づいて施工体の表面をプッシュコーンで貫入した際、プッシュコーンの貫入値が35mmとなったときまでの時間とした。
【0039】
養生工程において、短時間で養生強度を発現することができれば、乾燥工程までの時間を短縮することができる。よって、施工後からの養生時間は短いほど良い。実施例及び比較例については、施工後からの養生時間が短い順に○、△、×の順で相対評価した。具体的には養生時間が2時間未満を〇、2〜4時間を△、4時間超を×とした。
【0040】
硬化トラブルは、施工途中での硬化、又は硬化遅延を示す。
【0041】
総合評価は、○、△、×の3段階で評価した。その評価基準は以下のとおりである。
○:施工後からの養生時間が○であり、かつ、硬化トラブル無しの場合
△:施工後からの養生時間が△であり、かつ、硬化トラブル無しの場合
×:施工後からの養生時間が×、又は硬化トラブル有りの場合
【0042】
総合評価において○を合格とし、△及び×の評価は不合格とした。
【0043】
表2に示すとおり、本発明の範囲内にある実施例1〜8は、総合評価が○で良好であった。これに対して比較例1〜7は、総合評価が×となった。
【0044】
比較例1〜3は、流し込み施工時間に対して可使時間(35℃で測定)を1.2倍とした例である。比較例1は、実際の施工時の混練後の温度が5℃であり、養生方法が自然養生であったため、施工後からの養生時間が長くなり硬化遅延トラブルが発生した。比較例2は、硬化トラブルは発生しなかったが、施工後からの養生時間がマイクロ波養生の場合と比較して長くなった。比較例3は、実際の施工時の混練後の温度が40℃であったため、35℃のときに測定した可使時間よりも施工時における可使時間が短くなり、施工途中で材料が硬化するトラブルが生じた。
【0045】
比較例4、5は、流し込み施工時間に対して可使時間を2倍とし、自然養生を行った例である。可使時間が長くなったことで、施工後からの養生時間も長くなり硬化遅延トラブルが発生した。
【0046】
比較例6、7は、流し込み施工時間に対して可使時間を2倍とし、温風養生を行った例である。マイクロ波養生と比較して材料内部まで温度が十分に上がるのに時間がかかるため、マイクロ波養生に比べ施工後からの養生時間が長くなった。