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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366960
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】監視システム及び監視方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20180723BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20180723BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20180723BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G05B23/02 301Q
   H04N7/18 D
   H04N5/91
   H04N5/93
   G05B23/02 301T
   G05B23/02 301U
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-39849(P2014-39849)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-165343(P2015-165343A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2016年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 啓明
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−216019(JP,A)
【文献】 特開2002−016858(JP,A)
【文献】 特開2003−134500(JP,A)
【文献】 特開2003−345803(JP,A)
【文献】 特開2005−051663(JP,A)
【文献】 特開2006−080947(JP,A)
【文献】 特開2007−306322(JP,A)
【文献】 特開2009−021760(JP,A)
【文献】 特開2013−051645(JP,A)
【文献】 特開2013−210990(JP,A)
【文献】 米国特許第6404437(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
H04N 5/91− 7/18
G06T 13/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の状態を表す状態情報と、当該状態となった時刻を示す時刻情報とが対応付けられたプロセス情報を取得する取得部と、
前記監視対象の状態に所定の事象が発生した時刻を示す時刻情報を、前記プロセス情報から抽出する抽出部と、
前記事象を模式的に再現する動画像によって前記状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない前記時刻情報に対応付けられた前記状態情報を再生する場合には、抽出された前記時刻情報に対応付けられた前記状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する再生部と、
を備える監視システム。
【請求項2】
前記再生部は、抽出されていない前記時刻情報に対応付けられた前記状態情報の再生をスキップして、抽出された前記時刻情報に対応付けられた前記状態情報を再生する、請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記抽出部は、複数の前記監視対象について、前記時刻情報を抽出する、請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記抽出部は、前記状態情報を表す値の変化率に基づいて、前記時刻情報を抽出する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記抽出部は、前記状態情報を表す値が閾値以上又は以下となった時刻を示す前記時刻情報を抽出する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項6】
監視システムにおける監視方法であって、
監視対象の状態を表す状態情報と、当該状態となった時刻を示す時刻情報とが対応付けられたプロセス情報を取得するステップと、
前記監視対象の状態に所定の事象が発生した時刻を示す時刻情報を、前記プロセス情報から抽出するステップと、
前記事象を模式的に再現する動画像によって前記状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない前記時刻情報に対応付けられた前記状態情報を再生する場合には、抽出された前記時刻情報に対応付けられた前記状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生するステップと、
を含む監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視システム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去の任意の期間における監視対象の状態を表す状態情報を、画面上に時系列でグラフィカルに表示する再生機能(リプレイ機能)を有する監視システムがある。しかしながら、監視システムは、過去の任意の期間における監視対象の状態を表す状態情報を、時系列で効率的に再生できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−229818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、過去の任意の期間における監視対象の状態を表す状態情報を、時系列で効率的に再生することができる、監視システム及び監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の監視システムは、取得部と、抽出部と、再生部とを持つ。取得部は、監視対象の状態を表す状態情報と、当該状態となった時刻を示す時刻情報とが対応付けられたプロセス情報を取得する。抽出部は、監視対象の状態に所定の事象が発生した時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出する。再生部は、状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態における、監視システムの構成の第1例を示す図である。
図2】第1の実施形態における、プロセス情報の第1例を示す図である。
図3】第1の実施形態における、プロセスフロー画面の例を示す図である。
図4】第1の実施形態における、コントローラ画面の例を示す図である。
図5】第1の実施形態における、ダイアログ画面の例を示す図である。
図6】第1の実施形態における、再生速度の第1例を示す図である。
図7】第1の実施形態における、再生速度の第2例を示す図である。
図8】第2の実施形態における、監視システムの構成の第2例を示す図である。
図9】第2の実施形態における、プロセス情報の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の監視システム及び監視方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における、監視システム1の構成の第1例を示す図である。監視システム1は、監視対象10−1〜10−N(Nは、1以上の整数)と、制御装置20と、サーバ装置30と、監視装置40と、表示装置50とを備える。
監視対象10は、監視システム1が監視する対象である。監視対象10は、例えば、監視システム1が水処理プラントを監視する場合、ポンプ、濾過機、貯槽、調整機構(例えば、調整弁)などである。
【0008】
制御装置20は、監視対象10−1〜10−Nのそれぞれについて、監視対象10−n(nは、1〜Nのいずれかの整数)の状態を表す状態情報を含む信号を、監視対象10−nから受信する。状態情報を含む信号は、デジタル信号、アナログ信号のいずれでもよく、どのような信号でもよい。
【0009】
制御装置20は、監視対象10−nの状態を表す状態情報を、その状態となった時刻を示す時刻情報とを対応づける。状態情報は、例えば、値で表される。以下、状態情報を表す値を「プロセス値」という。プロセス値は、離散値、連続値のいずれでもよく、どのような値でもよい。制御装置20は、監視対象10−nの状態を表す状態情報と、その状態となった時刻を示す時刻情報とが対応づけられたプロセス情報を、サーバ装置30に監視対象10ごとに出力する。
【0010】
サーバ装置30は、ファイリングデータ部310を有する。ファイリングデータ部310は、制御装置20から取得したプロセス情報を、ファイリングデータとして記憶する。ファイリングデータ部310は、ファイリングデータとして記憶しているプロセス情報を、監視装置40に出力する。
【0011】
図2は、第1の実施形態における、プロセス情報の第1例を示す図である。プロセス情報は、監視対象10ごとに記憶されている。第1の実施形態におけるプロセス情報では、時刻情報と、監視対象10−nの状態を表す状態情報とが対応づけられている。つまり、過去において、監視対象10−nは、対応づけられた時刻情報が示す時刻に、対応づけられた状態情報が示す状態となっている。
【0012】
図2に示す例では、時刻「00:00:11」では、状態情報が「12」であるのに対して、時刻「00:00:12」では、状態情報が「20」になり、状態情報の変化率が、他の時間帯と比較して相対的に高くなっている。また、図2に示す例では、予め定められた閾値(注目値)が「25」である場合、状態情報がその閾値となった時刻は、時刻「00:00:21」である。
【0013】
なお、プロセス情報には、複数種類の状態情報が含まれていてもよい。例えば、水処理プラントであれば、プロセス情報には、複数種類の状態情報として、流量情報、水位情報、水圧情報、水温情報などが含まれていてもよい。
【0014】
監視装置40は、操作部410と、記憶部420と、制御部430と、プロセス情報取得部440と、抽出部450と、取得部460と、再生部470とを有する。制御部430と、プロセス値取得部440と、抽出部450と、取得部460と、再生部470とのうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部420に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。記憶部420は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、レジスタ等を含む。
【0015】
操作部410は、ユーザによる操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を制御部430に出力する。ユーザは、一つ以上の監視対象10の状態情報を表示装置50の画面上に再生させる際に再生部470が参照する閾値(注目値)、関数、演算式などを定める操作を、操作部410を介して行うことが可能である。操作部410は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルである。
【0016】
ユーザは、表示装置50に表示されたコントローラ画面(後述する)やダイアログ画面(後述する)を見ながら、操作部410を操作する。例えば、ユーザは、操作部410がマウスである場合、コントローラ画面に表示された操作キーに対して、クリック操作を行うことにより、状態情報の再生を開始させる操作や、状態情報の再生を停止させる操作を、操作部410を介して行ってもよい。例えば、ユーザは、ダイアログ画面に表示された操作キーに対して、クリック操作を行うことにより、監視対象10の識別情報や信号を指定する操作を、操作部410を介して行ってもよい。
【0017】
記憶部420は、各種情報を記憶する。各種情報は、例えば、閾値(注目値)、関数、演算式、監視対象10の識別情報である。また、各種情報は、数値シンボル画像データ、アイコン画像データ、プログラムデータでもよい。
【0018】
制御部430は、操作に応じた信号を、操作部410から取得する。制御部430は、操作に応じた信号に基づいて、監視装置40の各部を制御する。例えば、制御部430は、再生を開始させる操作に応じた信号を、操作部410から取得した場合、プロセス情報取得部440にプロセス情報を取得させる。
【0019】
プロセス情報取得部440は、サーバ装置30から、プロセス情報を取得する。プロセス情報取得部440は、複数の監視対象10について、サーバ装置30からプロセス情報を取得してもよい。プロセス情報取得部440は、プロセス情報を抽出部450に転送する。
【0020】
抽出部450は、プロセス情報を解析し、ユーザが操作部410を介して指定した閾値(注目値)、関数、監視対象10の識別情報などを含む演算式より定まる事象が発生した時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出する。抽出部450は、抽出した時刻情報を、再生部470に出力する。
【0021】
例えば、抽出部450は、状態情報の変化率が閾値を超えた時刻を示す時刻情報、状態情報が閾値を上回った時刻を示す時刻情報、状態情報が閾値を下回った時刻を示す時刻情報などを、プロセス情報から抽出する。また、例えば、抽出部450は、指定された複数の監視対象10の識別情報に基づいて、監視対象10の状態情報P1と、他の監視対象10の状態情報P2とが同じ値となった時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出してもよい。
【0022】
取得部460は、ユーザが操作部410を介して指定した再生期間を示す情報を、再生部470から取得する。この再生期間は、例えば、所定の事象が発生した時刻を含む期間として、ユーザから指定される。なお、この再生期間は、所定の事象が発生したことを示す警告(アラーム)が通知された時刻を含む期間でもよい。取得部460は、取得した再生期間のプロセス情報をサーバ装置30から取得し、取得したプロセス情報を再生部470に転送する。
【0023】
表示装置50は、コントローラ画面と、ダイアログ画面と、プロセスフロー画面とを表示する。表示装置50は、画面にタッチパネルを有していてもよい。このタッチパネルは、ユーザによる操作を受け付け、その操作に応じた信号を、監視装置40の制御部430や再生部470に出力してもよい。
【0024】
図3は、第1の実施形態における、コントローラ画面2の例を示す図である。コントローラ画面2には、一例として、ラジオボタン21と、ラジオボタン22と、ラジオボタン23と、再生速度表示領域24と、開始操作キー25と、停止操作キー26と、確定操作キー27とが表示されている。ラジオボタン21と、ラジオボタン22と、ラジオボタン23と、開始操作キー25と、停止操作キー26と、確定操作キー27とは、クリックなどの操作が可能に表示される。
【0025】
ラジオボタン21は、状態情報を再生する際に上限値を使うか否かを選択するためのボタンである。ラジオボタン22は、状態情報を再生する際に下限値を使うか否かを選択するためのボタンである。ラジオボタン23は、状態情報を再生する際に演算式を使うか否かを選択するためのボタンである。再生速度表示領域24は、状態情報を再生する際の再生速度を表示する領域である。開始操作キー25は、状態情報を再生する処理を開始させるための操作キーである。停止操作キー26は、状態情報を再生する処理を停止させるための操作キーである。
【0026】
確定操作キー27は、選択操作を確定させるための操作キーである。例えば、状態情報を再生する際に演算式を使うことがラジオボタン23を介して選択され、確定操作キー27がクリック操作された場合、表示装置50は、ダイアログ画面を表示する。
【0027】
図4は、第1の実施形態における、ダイアログ画面3の例を示す図である。ダイアログ画面3には、一例として、演算式入力領域31と、リスト表示領域32と、ソフトウェアキーボード33と、切替操作キー34と、戻る操作キー35とが表示される。
【0028】
演算式入力領域31は、抽出部450が使用する演算式が入力される領域である。抽出部450は、演算式が成立する時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出する。演算式には、例えば、監視対象10の識別情報の状態を表す状態情報P1と、他の監視対象10の識別情報の状態を表す状態情報P2と、所定の数学記号とが含まれる。また、演算式には、ソフトウェアキーボード33や操作部410を介してユーザにより指定された関数が含まれていてもよい。
【0029】
リスト表示領域32は、プロセスフロー画面に再生することが可能な状態情報をリスト表示するための領域である。ユーザは、リスト表示領域32にプルダウンメニューとして表示された状態情報をクリック操作することにより、再生する状態情報をリストから選択して、演算式入力領域31に入力することができる。
【0030】
ソフトウェアキーボード33は、テンキーや関数に対応付けられた操作キーを、操作可能に表示する。ユーザは、ソフトウェアキーボード33に表示された操作キーをクリック操作することにより、その操作キーに対応付けられた値などを、演算式入力領域31に入力することができる。
切替操作キー34は、ソフトウェアキーボード33に表示する操作キーを切り替えるための操作キーである。
戻る操作キー35は、ダイアログ画面3の表示を終了させて、コントローラ画面2を表示装置50に表示させるための操作キーである。
【0031】
図5は、第1の実施形態における、プロセスフロー画面4の例を示す図である。プロセスフロー画面4は、監視システム1が監視する対象である一つ以上の監視対象10の状態を表す状態情報を、時系列で表示するための画面である。つまり、プロセスフロー画面4には、監視対象10に発生した事象を模式的に再現する動画像が表示される。
【0032】
再生部470は、取得部460から取得したプロセス情報に基づいて、表示装置50のプロセスフロー画面4に、状態情報を時系列で再生する。図5に示すプロセスフロー画面4には、一例として、数値シンボル100と、ポンプアイコン110と、調整機構アイコン120と、貯槽アイコン130とが表示されている。
【0033】
数値シンボル100は、状態情報を示すシンボルである。ポンプアイコン110は、監視対象10の一例としてのポンプを示すアイコンである。調整機構アイコン120は、監視対象10の一例としての調整機構(例えば、調整弁)を示すアイコンである。貯槽アイコン130は、監視対象10の一例としての貯槽を示すアイコンである。
【0034】
図6は、第1の実施形態における、再生速度の第1例を示す図である。図6において、横軸は再生時刻を示す。縦軸は状態情報を示す。再生部470は、プロセスフロー画面4に状態情報を時系列で再生する際、抽出部450により抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、抽出部450により抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する。
【0035】
抽出部450は、例えば、状態情報P1を示す値の変化率に基づいて、時刻情報を抽出する。例えば、抽出部450は、状態情報P1を示す値の変化率が相対的に高くなった時刻情報を抽出する。図6では、変化率が相対的に高くなった時刻情報を再生する再生時刻(時間帯)は、「00:00:10〜00:00:13」と、「00:00:36〜00:00:39」とである。抽出されていない時刻情報の時間帯を再生する場合、再生部470は、相対的に高速(例えば、1倍速を超える再生速度)で、プロセスフロー画面4に状態情報P1を再生する。なお、再生部470は、抽出されていない時刻情報の時間帯における状態情報P1の再生をスキップして、他の時間帯における状態情報P1を再生してもよい。
【0036】
抽出部450は、例えば、演算式入力領域31に入力された演算式などに基づいて、状態情報P1を示す値が閾値(例えば、値「25」)以上又は以下となった時刻を示す時刻情報を抽出する。例えば、抽出部450は、状態情報P1を示す値が閾値「25」以上となった時刻情報を抽出する。図6では、閾値「25」以上又は以下となった時刻情報を再生する再生時刻(時間帯)は、「00:00:20〜00:00:23」と、「00:00:28〜00:00:31」とである。これらの時間帯における状態情報P1を再生する場合、再生部470は、相対的に低速(例えば、1倍速の再生速度)で、プロセスフロー画面4に状態情報P1を再生する。
【0037】
図7は、第1の実施形態における、再生速度の第2例を示す図である。図7において、横軸は再生時刻を示す。縦軸は状態情報を示す。抽出部450は、例えば、状態情報P1又は状態情報P2を示す値の変化率に基づいて、時刻情報を抽出する。また、抽出部450は、演算式入力領域31に入力された演算式などに基づいて、状態情報P1を示す値が状態情報P2以上又は以下となった時刻を示す時刻情報を抽出する。例えば、抽出部450は、状態情報P1(プロセス値)が状態情報P2(他のプロセス値)以上となった時刻情報を抽出する。図7では、状態情報P1が状態情報P2以上又は以下となった時刻情報を再生する再生時刻(時間帯)は、「00:00:20〜00:00:23」と、「00:00:28〜00:00:31」とである。これらの時間帯における状態情報P1及び状態情報P2を再生する場合、再生部470は、相対的に低速(例えば、1倍速の再生速度)で、プロセスフロー画面4に状態情報P1及び状態情報P2を再生する。
【0038】
以上のように、第1の実施形態の監視システム1は、プロセス情報取得部440と、抽出部450と、再生部470とを持つ。プロセス情報取得部440は、監視対象10−1〜10−Nの状態を表す状態情報と、当該状態となった時刻を示す時刻情報とが対応付けられたプロセス情報を取得する。抽出部450は、監視対象10−1〜10−Nの状態に所定の事象(例えば、状態情報が閾値以上となる事象)が発生した時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出する。再生部470は、状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する。
【0039】
第1の実施形態の監視システム1における監視方法は、プロセス情報を取得するステップと、プロセス情報から抽出するステップと、速い速度で再生するステップとを含む。プロセス情報を取得するステップは、監視対象10−1〜10−Nの状態を表す状態情報と、当該状態となった時刻を示す時刻情報とが対応付けられたプロセス情報を取得するステップである。プロセス情報から抽出するステップは、監視対象10−1〜10−Nの状態に所定の事象が発生した時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出するステップである。速い速度で再生するステップは、状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生するステップである。
【0040】
この構成により、再生部470は、状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する。つまり、再生部470は、抽出された時刻情報であるか否かに応じた再生速度で、状態情報を再生する。例えば、再生部470は、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、再生速度を速くする。
これにより、第1の実施形態の監視システム1及び監視方法は、過去の任意の期間における監視対象の状態を表す状態情報を、時系列で効率的に再生することができる。
【0041】
再生部470を有していない監視システムは、ユーザが指定した期間における過去から現在に向けて、固定時間ずつ(例えば、1分ずつ)、一定の周期で、状態情報を再生する再生時刻を進めていた。つまり、再生部470を有していない監視システムは、プロセスフロー画面において、最初から最後まで同じ再生速度で、状態情報を時系列で再生していた。このため、再生部470を有していない監視システムは、ある特定の状態情報(例えば、ポンプの流量)が大きく変化した事象や、状態情報が上限値などの特定の値を示した事象を確認したい場合、その事象が発生するまで再生し続けなければならず、ユーザが事象を確認できるまで時間がかかっていた。これに対し、第1の実施形態の監視システム1は、プロセスフロー画面4において、特定の状態情報に注目した動作を実行するので、監視対象10の状態情報を時系列で効率的に再生することができる。
【0042】
第1の実施形態の監視システム1は、ユーザが注目している任意の状態情報の変化と、状態情報を再生する再生速度の変化とを連動させることにより、ユーザが注目している信号の変化に注目した再生を行うことができる。
第1の実施形態の監視システム1は、再生時の再生速度の変化の制御として、状態情報の変化率が小さい時間帯についての再生速度を相対的に速くし、変化率が大きい時間帯についての再生速度を相対的に遅くすることにより、再生に要する時間を短くしながら、監視対象10の状態をユーザに効率的に観察させることができる。
第1の実施形態の監視システム1は、状態情報の変化率が大きい時間帯についての再生速度を遅くする。これにより、ユーザは、注目している状態情報の顕著な変化を見逃すことが少なくなる。
【0043】
再生部470は、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報の再生をスキップして、抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する。
抽出部450は、複数の監視対象10について、時刻情報を抽出する。
抽出部450は、状態情報を表す値の変化率に基づいて、時刻情報を抽出する。
抽出部450は、状態情報を表す値が閾値(注目値)以上又は以下となった時刻を示す時刻情報を抽出する。
【0044】
(第2の実施形態)
第2実施形態では、撮像された監視対象の画像情報を監視システム1が再生する点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0045】
図8は、第2の実施形態における、監視システム1の構成の第2例を示す図である。監視システム1は、第1の実施形態と比較して、撮像装置60を更に備える。
撮像装置60は、監視対象10−nを撮像し、監視対象10−nの画像情報を生成する。撮像装置60は、生成した画像情報を、制御装置20に出力する。
【0046】
制御装置20は、監視対象10−nの状態を表す状態情報と、その状態となった時刻を示す時刻情報と、撮像装置60が生成した画像情報とが対応づけられたプロセス情報を、サーバ装置30に監視対象10ごとに出力する。
【0047】
図9は、第2の実施形態における、プロセス情報の第2例を示す図である。第2の実施形態におけるプロセス情報では、時刻情報と、監視対象10−nの状態を表す状態情報と、画像情報とが対応づけられている。画像情報VM(Mは任意の整数)は、プロセス情報に対応づけられた監視対象10−nを、対応づけられた時刻情報が示す時刻に撮像した動画像を表す情報である。
【0048】
再生部470は、取得部460から取得したプロセス情報に基づいて、表示装置50のプロセスフロー画面4に、画像情報を時系列で再生する。再生部470は、状態情報としての画像情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた画像情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた画像情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する。なお、再生部470は、抽出されていない時刻情報に対応付けられた画像情報をスキップして、他の時間帯における画像情報を再生してもよい。
【0049】
以上のように、第2の実施形態の監視システム1は、撮像装置60と、プロセス情報取得部440と、抽出部450と、再生部470とを持つ。撮像装置60は、監視対象10−1〜10−Nを撮像し、監視対象の画像情報を生成する。プロセス情報取得部440は、監視対象の状態を表す状態情報と、当該状態となった時刻を示す時刻情報と、画像データとが対応付けられたプロセス情報を取得する。抽出部450は、監視対象の状態に所定の事象が発生した時刻を示す時刻情報を、プロセス情報から抽出する。再生部470は、状態情報としての画像情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた画像情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた画像情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する。
【0050】
以上説明した少なくともひとつの実施形態の監視システム1は、状態情報を時系列で再生する際、抽出されていない時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合には、抽出された時刻情報に対応付けられた状態情報を再生する場合と比較して、速い速度で再生する再生部470を持つことにより、過去の任意の期間における監視対象の状態を表す状態情報を、時系列で効率的に再生することができる。
【0051】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1…監視システム、2…コントローラ画面、3…ダイアログ画面、4…プロセスフロー画面、10…監視対象、20…制御装置、30…サーバ装置、21…ラジオボタン、22…ラジオボタン、23…ラジオボタン、24…再生速度表示領域、25…開始操作キー、26…停止操作キー、27…確定操作キー、31…演算式入力領域、32…リスト表示領域、33…ソフトウェアキーボード、34…切替操作キー、35…戻る操作キー、40…監視装置、50…表示装置、60…撮像装置、100…数値シンボル、110…ポンプアイコン、120…調整機構アイコン、130…貯槽アイコン、310…ファイリングデータ部、410…操作部、420…記憶部、430…制御部、440…プロセス情報取得部、450…抽出部、460…取得部、470…再生部、P1…状態情報、P2…状態情報
図1
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図9