(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記モバイル電気機器等は、近年、更なる薄型化、軽量化が進められており、ここに搭載される電気化学デバイスとしても薄型化、軽量化を図ることが求められており、これを受けて、電気化学デバイス用の外装材の薄膜化、軽量化を図るべく開発が進められている。そして、現在では、アルミニウム箔としてはピンホールが発生している可能性がないとされる30μm以上のものを使用して外装材が構成されている。なお、30μm未満ではアルミニウム箔にピンホールが発生している可能性があり、厚さを薄くすればする程、ピンホールの数が増えることが知られている。ピンホールが存在する場合には、アルミニウム箔は、バリア層としての機能を果たすことができないものとなり、従って外部からの水分の侵入を防止できないし、電解液の拡散、露営も防止できないという問題が発生する。しかして、アルミニウム箔の厚さを30μm以上とした場合には、外装材としての総厚さは少なくとも80μm以上となってしまい、従ってこれ以上の薄膜化、軽量化は難しいのが実状であった。
【0008】
このため、30mA〜500mA程度の小容量のリチウムイオン電池等の小型の電気化学デバイス用の外装材として使用する場合にも、実際には、500mAを超える容量の大きいリチウムイオン電池等の大型の電気化学デバイス用の外装材と同仕様のものを使用するものとなっており、特に30mA〜500mAの容量の小型の電気化学デバイス用の外装材の薄膜化、軽量化は、大きな課題となっていた。
【0009】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、十分な軽量化が可能であって、外部からの水分の侵入を抑えることができると共に、電解液の拡散も防止できる電気化学デバイス用外装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0011】
[1]外側層と、内側層としての熱可塑性樹脂未延伸フィルム層と、前記外側層と前記内側層の間に配設された金属箔層と、を含む電気化学デバイス用外装材において、
前記外側層が、耐熱性樹脂フィルム層と、該耐熱性樹脂フィルム層の内面又は/及び外面に積層された蒸着層と、を含むことを特徴とする電気化学デバイス用外装材。
【0012】
[2]前記金属箔層の厚さが5μm以上30μm未満である前項1に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0013】
[3]前記金属箔層の厚さが5μm以上20μm未満である前項1に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0014】
[4]前記蒸着層の厚さが50Å〜10000Åである前項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0015】
[5]前記金属箔層の厚さが5μm〜18μmであり、前記蒸着層の厚さが50Å〜1000Åである前項1に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0016】
[6]前記蒸着層は、金属、金属酸化物及びフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料が蒸着されて形成されたものである前項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0017】
[7]前記外側層の外側にさらに第2外側層が積層され、
前記第2外側層は、第2耐熱性樹脂フィルム層と、該第2耐熱性樹脂フィルム層の内面又は/及び外面に積層された第2蒸着層と、を含むことを特徴とする前項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0018】
[8]前記外装材の厚さが30μm〜80μmである前項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用外装材。
【0019】
[9]電気化学デバイス本体部と、
前項1〜8のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用外装材とを備え、
前記電気化学デバイス本体部が、前記外装材で外装されていることを特徴とする電気化学デバイス。
【発明の効果】
【0020】
[1]の発明では、外側層が、耐熱性樹脂フィルム層と、該耐熱性樹脂フィルム層の内面又は/及び外面に積層された蒸着層と、を含む構成であるから、この蒸着層によって、外部からの水分の侵入を抑えることができると共に、電解液の外部への拡散、漏洩も抑えることができる。このように蒸着層の存在によって上記諸効果の向上を達成できるので、その分、金属箔層の厚さを薄く(例えば5μm以上30μm未満)設計して軽量化しても、外装材として外部からの水分の侵入を抑えることができると共に電解液の拡散も防止することができる。従って、本発明によれば、十分な薄膜化、軽量化を図りつつ、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保することができる。このように薄膜化、軽量化された本発明の外装材を用いて外装された電気化学デバイスは、電気化学デバイスの重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を向上させることができる。なお、本願発明では、蒸着層が金属箔層に対して外側に配置されているので、蒸着層が金属箔層に対して内側に配置された構成(本願発明とは異なる構成)と比較して、外部からの水分の侵入を抑える水分バリア性をより十分に向上させることができる利点がある。即ち、十分な軽量化を図るべく金属箔層の厚さを30μm未満に設定した場合には、金属箔にピンホールが発生している可能性があるが、本願発明では、この金属箔層に対して蒸着層が外側に配置されているので、より確実に外部からの水分の侵入を抑えることができるという有利な効果が得られる。
【0021】
[2]の発明では、金属箔層の厚さが5μm以上30μm未満であるから、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保しつつ、さらに薄膜化、軽量化を図ることができる。
【0022】
[3]の発明では、金属箔層の厚さが5μm以上20μm未満であるから、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保しつつ、より一層の薄膜化、軽量化を図ることができる。
【0023】
[4]の発明では、蒸着層の厚さが50Å〜10000Åであるから、十分な薄膜化、軽量化を図りつつ、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保できる。
【0024】
[5]の発明では、金属箔層の厚さが5μm〜18μmであり、蒸着層の厚さが50Å〜1000Åであるから、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保しつつ、最も十分に薄膜化、軽量化を図ることができる。
【0025】
[6]の発明では、蒸着層は、金属、金属酸化物及びフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料が蒸着されて形成されたものであるから、より一層優れた水分バリア性及びより一層優れた電解液拡散防止性を確保できる。
【0026】
[7]の発明では、前記外側層の外側にさらに第2外側層が積層され、前記第2外側層は、第2耐熱性樹脂フィルム層と、該第2耐熱性樹脂フィルム層の内面又は/及び外面に積層された第2蒸着層と、を含む構成であるので、より優れた水分バリア性及びより優れた電解液拡散防止性を確保できる(後述する実施例5を実施例2の結果と対比することにより明らかである)。
【0027】
[8]の発明では、外装材の厚さが30μm〜80μmであるから、この外装材を用いて外装された電気化学デバイスは、電気化学デバイスの重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0028】
[9]の発明(電気化学デバイス)では、外装材により、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保できると共に、重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を向上させた電気化学デバイスが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る電気化学デバイス用外装材1の一実施形態を
図1に示す。この電気化学デバイス用外装材1は、金属箔層4の一方の面に第1接着剤層5を介して外側層10が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の他方の面に第2接着剤層6を介して熱可塑性樹脂未延伸フィルム層(内側層)3が積層一体化された構成からなる。
【0031】
本発明では、前記外側層10は、耐熱性樹脂フィルム層2と、該耐熱性樹脂フィルム層2の内面又は/及び外面に積層された蒸着層7とを含む。
図1に示す実施形態では、前記外側層10は、前記耐熱性樹脂フィルム層2と、該耐熱性樹脂フィルム層2の外面に積層された(蒸着された)蒸着層7とからなる。
図2に示すように、前記外側層10が、前記耐熱性樹脂フィルム層2と、該耐熱性樹脂フィルム層2の内面に積層された(蒸着された)蒸着層7とからなる構成を採用してもよい。或いは、前記外側層10が、前記耐熱性樹脂フィルム層2と、該耐熱性樹脂フィルム層2の外面に積層された(蒸着された)蒸着層7と、前記耐熱性樹脂フィルム層2の内面に積層された(蒸着された)蒸着層7とからなる構成を採用してもよい。
【0032】
上記電気化学デバイス用外装材1では、外側層10は、耐熱性樹脂フィルム層2と、該耐熱性樹脂フィルム層2の内面又は/及び外面に積層された蒸着層7とを含む構成であるから、この蒸着層7によって、外部からの水分の侵入を抑えることができると共に、電解液の外部への拡散、漏洩も抑えることができる。このように蒸着層7の存在によって上記諸効果の向上を達成できるので、その分、金属箔層4の厚さを薄く(例えば5μm以上30μm未満)設計して軽量化しても、外装材1として外部からの水分の侵入を抑えることができると共に電解液の拡散も防止することができる。従って、本発明によれば、十分な薄膜化、軽量化を図りつつ、優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保することができる。このように薄膜化、軽量化された本発明の外装材1を用いて外装された電気化学デバイス30は、電気化学デバイス30の重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を向上させることができる。
【0033】
更に、本発明では、
図3、4に示す構成を採用するのが好ましい。この構成では、
図1の外装材の蒸着層7の外面に、さらに第2外側層20が積層されており、この第2外側層20は、第2耐熱性樹脂フィルム層22と、該第2耐熱性樹脂フィルム層22の内面又は/及び外面に積層された第2蒸着層23と、を含む。
【0034】
即ち、
図3に示す実施形態では、外装材1は、金属箔層4の一方の面に第1接着剤層5を介して第1外側層10が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の他方の面に第2接着剤層6を介して熱可塑性樹脂未延伸フィルム層(内側層)3が積層一体化されてなり、前記第1外側層10は、第1耐熱性樹脂フィルム層2と、該第1耐熱性樹脂フィルム層2の外面に積層された第1蒸着層7とからなり、前記第1蒸着層7の外面に、第3接着剤層21を介して第2外側層20が積層された構成であって、前記第2外側層20は、第2耐熱性樹脂フィルム層22と、該第2耐熱性樹脂フィルム層22の外面に積層された第2蒸着層23とからなる。
【0035】
また、
図4に示す実施形態では、外装材1は、金属箔層4の一方の面に第1接着剤層5を介して第1外側層10が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の他方の面に第2接着剤層6を介して熱可塑性樹脂未延伸フィルム層(内側層)3が積層一体化されてなり、前記第1外側層10は、第1耐熱性樹脂フィルム層2と、該第1耐熱性樹脂フィルム層2の外面に積層された第1蒸着層7とからなり、前記第1蒸着層7の外面に、第3接着剤層21を介して第2外側層20が積層された構成であって、前記第2外側層20は、第2耐熱性樹脂フィルム層22と、該第2耐熱性樹脂フィルム層22の内面に積層された第2蒸着層23とからなる。
【0036】
図3、4に示す積層構成では、バリア層の機能を果たすものとして、金属箔層4、第1蒸着層7、第2蒸着層23の3層のバリア層が存在するので、
図1、2に示す積層構成と比較して、より優れた水分バリア性及びより優れた電解液拡散防止性を確保できる利点がある。
【0037】
なお、本発明において、十分な軽量化を図るべく前記金属箔層4の厚さを30μm未満に設定した場合には、金属箔にピンホールが発生している可能性があり、一方、蒸着層(第1蒸着層)7、第2蒸着層23は、応力変化等によりごく一部に剥がれが生じる可能性は否定できないものの、
図1、2の構成(金属箔層4および蒸着層7の2重のバリア層が設けられた構成)では、前記金属箔層4のピンホールの位置(特定点)と前記蒸着層7の剥がれ点の位置(特定点)とが重なり合う可能性は実質的にないと言えるので、優れた水分バリア性及び優れた電解液拡散防止性を確保することができる。
【0038】
更に、
図3、4の構成では、金属箔層4、第1蒸着層7および第2蒸着層23の3重のバリア層が設けられており、前記金属箔層4のピンホールの位置(特定点)と前記第1蒸着層7の剥がれ点(特定点)と前記第2蒸着層23の剥がれ点(特定点)とが3つ全て同じ位置で重なり合う可能性は実質的にはあり得ないので、これら3重のバリア層が設けられた構成(
図3、4の構成)では、
図1、2の構成(2重のバリア層が設けられた構成)と比較して、より優れた水分バリア性及びより優れた電解液拡散防止性を確保することができる。
【0039】
本発明において、前記耐熱性樹脂フィルム層(第1耐熱性樹脂フィルム層)2、前記第2耐熱性樹脂フィルム層22は、外装材として良好な成形性を確保する役割を主に担う部材である、即ち、成形時の金属箔のネッキングによる破断を防止する役割を担うものである。
【0040】
前記耐熱性樹脂フィルム層2、22としては、特に限定されるものではないが、例えば、延伸ポリアミドフィルム(延伸ナイロンフィルム等)、延伸ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。中でも、前記耐熱性樹脂フィルム層2、22としては、二軸延伸ポリアミドフィルム(二軸延伸ナイロンフィルム等)、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムにより構成されるのが特に好ましい。前記ナイロンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロン、6,6ナイロン、MXDナイロン等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂フィルム層2、22は、単層(単一の延伸フィルム)で形成されていても良いし、或いは、例えば延伸ポリエステルフィルム/延伸ポリアミドフィルムからなる複層(二軸延伸PETフィルム/二軸延伸ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。
【0041】
中でも、前記耐熱性樹脂フィルム層2、22は、外方側に配置された二軸延伸ポリエステルフィルムと、第1接着剤層5側に配置された二軸延伸ポリアミドフィルムとを含む複層構成であるのが好ましい。さらに、前記耐熱性樹脂フィルム層2、22は、外方側に配置された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、第1接着剤層5側に配置された二軸延伸ナイロンフィルムとを含む複層構成であるのがより好ましい。
【0042】
なお、前記耐熱性樹脂フィルム層2、22は、ポリカーボネート未延伸フィルム、ポリイミド未延伸フィルム等の耐熱性樹脂未延伸フィルムで構成されていてもよい。
【0043】
前記耐熱性樹脂フィルム層2、22の厚さは、12μm〜50μmに設定されるのが好ましい。
【0044】
前記蒸着層(第1蒸着層)7、前記第2蒸着層23は、金属、金属酸化物及びフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなる構成であるのが好ましい。前記金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、クロム、亜鉛、ニッケル、金、銀、プラチナ等が挙げられる。また、前記金属酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる。前記フッ化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ化マグネシウム等が挙げられる。中でも、前記蒸着層7、前記第2蒸着層23を形成する材料(蒸着材料)は、アルミニウム、アルミナ及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料であるのが好ましい。
【0045】
前記蒸着層(第1蒸着層)7の厚さ(T、T1)は、50Å(オングストローム)〜10000Å(オングストローム)に設定されるのが好ましい。前記金属箔層4の厚さが30μm未満では金属箔にピンホールが発生している可能性があるが、この金属箔の厚さに合わせて蒸着層(第1蒸着層)7の厚さを増減調整することで、外装材1全体として優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保することができる。中でも、前記蒸着層(第1蒸着層)7の厚さ(T、T1)は、50Å〜1000Åの範囲であるのがより好ましく、300Å〜1000Åの範囲であるのが特に好ましい(
図1〜4参照)。
【0046】
前記第2蒸着層23の厚さ(T2)は、50Å〜10000Åに設定されるのが好ましい。前記金属箔層4の厚さが30μm未満では金属箔にピンホールが発生している可能性があるが、この金属箔の厚さに合わせて第2蒸着層23の厚さを増減調整することで、外装材1全体として優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保することができる。中でも、前記第2蒸着層23の厚さ(T2)は、50Å〜1000Åの範囲であるのがより好ましく、300Å〜1000Åの範囲であるのが特に好ましい(
図3、4参照)。
【0047】
前記蒸着層(第1蒸着層)7は、前記耐熱性樹脂フィルム(第1耐熱性樹脂フィルム)2の少なくとも一方の面に上記蒸着材料が蒸着されて形成されたものであるのが好ましい。また、前記第2蒸着層23は、前記第2耐熱性樹脂フィルム22の少なくとも一方の面に上記蒸着材料が蒸着されて形成されたものであるのが好ましい。前記蒸着の手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空蒸着法、PE−CVD法等が挙げられる。
【0048】
前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層(内側層)3は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、外装材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
【0049】
前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレンアクリル酸エチル(EEA)、エチレンアクリル酸メチル(EAA)、エチレンメタクリル酸メチル樹脂(EMMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン等が挙げられる。
【0050】
前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できるとともに、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3の厚さは30μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。なお、前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3は、単層であっても良いし、複層であっても良い。
【0051】
前記金属箔層4は、外装材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層4の厚さは、5μm以上30μm未満であるのが好ましい。この厚さ範囲とすることで薄膜化、軽量化を図ることができると共に、前記蒸着層7、23の厚さを増減調整することで、外装材1全体として優れた水分バリア性および優れた電解液拡散防止性を確保することができる。中でも、前記金属箔層4の厚さは、5μm以上20μm未満であるのがより好ましく、5μm〜18μmが特に好ましい。前記金属箔としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、銅箔、チタン箔等が挙げられる。中でも、軽量化の観点から、アルミニウム箔を用いるのが好ましい。
【0052】
外装材1の外側の耐熱性樹脂フィルム層2、22および内側層(熱可塑性樹脂未延伸フィルム層)3は樹脂からなる層であり、これらの樹脂層には極微量ではあるが、ケースの外部からは光、酸素、液体が入り込むおそれがあり、内部からは内容物(電池の電解液、食品、医薬品等)がしみ込むおそれがある。これらの侵入物が金属箔層4に到達すると金属箔層の腐食原因となる。本発明では、前記金属箔における少なくとも前記熱可塑性樹脂層3側の面に化成皮膜が形成されているのが好ましく、この場合には金属箔層4の耐食性を向上させることができる。中でも、前記金属箔の両面に化成皮膜を形成した構成を採用するのが特に好ましく、この場合には、金属箔層4の耐食性を十分に向上させることができる。
【0053】
前記化成皮膜は、金属箔の表面に化成処理を施すことによって形成される皮膜であり、例えば、金属箔にクロメート処理、ジルコニウム化合物を用いたノンクロム型化成処理を施すことによって形成することができる。例えば、クロメート処理の場合は、脱脂処理を行った金属箔の表面に下記1)〜3)のいずれかの混合物の水溶液を塗工した後、乾燥する。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
【0054】
前記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m
2〜50mg/m
2が好ましく、特に2mg/m
2〜20mg/m
2が好ましい。
【0055】
前記第1接着剤層5としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン接着剤層、ポリエステルポリウレタン接着剤層、ポリエーテルポリウレタン接着剤層等が挙げられる。前記第1接着剤層5の厚さは、1μm〜5μmに設定されるのが好ましい。中でも、外装材の薄膜化、軽量化の観点から、前記第1接着剤層5の厚さは、1μm〜3μmに設定されるのが特に好ましい。
【0056】
前記第2接着剤層6としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記第1接着剤層5として例示したものも使用できるが、電解液による膨潤の少ないポリオレフィン系接着剤を使用するのが好ましい。前記第2接着剤層6の厚さは、1μm〜5μmに設定されるのが好ましい。中でも、外装材の薄膜化、軽量化の観点から、前記第2接着剤層6の厚さは、1μm〜3μmに設定されるのが特に好ましい。
【0057】
前記第3接着剤層21としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン接着剤層、ポリエステルポリウレタン接着剤層、ポリエーテルポリウレタン接着剤層等が挙げられる。前記第3接着剤層21の厚さは、1μm〜5μmに設定されるのが好ましい。中でも、外装材の薄膜化、軽量化の観点から、前記第3接着剤層21の厚さは、1μm〜3μmに設定されるのが特に好ましい。
【0058】
前記金属箔層4と前記耐熱性樹脂フィルム層2との貼り合わせ方法は、特に限定されないが、ドライラミネートと呼ばれる方法を推奨できる。具体的には、金属箔層4の上面または耐熱性樹脂フィルム層2の下面、あるいはこれらの両方の面に、調製した第1接着剤を塗布し、溶媒を蒸発させて乾燥皮膜とした後に、金属箔層4と耐熱性樹脂フィルム層2とを貼り合わせる。その後、第1接着剤の硬化条件に従って硬化させる。これにより、金属箔層4と耐熱性樹脂フィルム層2とが第1接着剤層5を介して接合される。なお、第1接着剤の塗布手法としては、グラビアコート法、リバースロールコート法、リップロールコート法等を例示できる。
【0059】
前記金属箔層4と前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3との貼り合わせ方法は、特に限定されないが、上述した金属箔層4と耐熱性樹脂フィルム層2との貼り合わせと同様に、第2接着剤を塗布して乾燥させた後に、金属箔層4と熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3とを貼り合わせるドライラミネート法を例示できる。
【0060】
前記熱可塑性樹脂層3および前記耐熱性樹脂層2には、添加剤が添加含有されていてもよい。このような添加剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ブロッキング防止剤(シリカ、タルク、カオリン、アクリル樹脂ビーズ等)、滑剤(脂肪酸アマイド、ワックス等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール等)などが挙げられる。
【0061】
本発明の外装材1の厚さは、30μm〜80μmに設定されるのが好ましい。80μm以下であることで、この外装材1を用いて外装された電気化学デバイス30の重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を向上させることができる。中でも、前記外装材1の厚さは、30μm〜65μmに設定されるのがより好ましい。
【0062】
本発明の外装材1は、
図1〜4に示した積層構造に特に限定されるものではなく、さらに層を追加して外装材として機能を向上させることもできる。例えば、外装材の外面の物理的耐久性(傷防止等)を向上させるために、
図1に示す構成において蒸着層7の表面(外面)に表面処理を行ってもよい。また、同様に、
図3に示す構成において第2蒸着層23の表面(外面)に表面処理を行ってもよい。
【0063】
このような表面処理としては、例えば、化成処理すること等が挙げられる。前記化成処理としては、例えば、クロメート処理の他、ジルコニウム化合物を用いたノンクロム型化成処理等が挙げられる。
【0064】
また、上記実施形態では、第1接着剤層5と第2接着剤層6を設けた構成を採用しているが、これら両層5、6は、いずれも必須の構成層ではなく、これらを設けない構成を採用することもできる。また、前記第3接着剤層21も必須の構成層ではなく、これを設けない構成を採用することもできる。
【0065】
本発明の外装材1を成形(深絞り成形、張り出し成形等)することにより、電気化学デバイス用成形ケース(電池ケース等)を得ることができる。
【0066】
次に、本発明の電気化学デバイス30の一実施形態を
図5、6に示す。
図5、6に示すように、本発明の外装材1を成形して得られた成形ケース1Aの収容凹部内に、略直方体形状の電気化学デバイス本体部(電気化学素子)31が収容され、該電気化学デバイス本体部31の上に、本発明の外装材1がその内側層3側を内方(下側)にして配置され、該平面状外装材1の内側層3の周縁部と、前記成形ケース1Aのフランジ部(封止用周縁部)29の内側層3とがヒートシールによりシール接合されて封止されることによって、本発明の電気化学デバイス30が構成されている。
【0067】
図5において、39は、前記外装材1の周縁部と、前記成形ケース1Aのフランジ部(封止用周縁部)29とが接合(溶着)されたヒートシール部である。
【0068】
前記電気化学デバイス本体部31としては、特に限定されるものではないが、例えば、電池本体部、キャパシタ本体部、コンデンサ本体部等が挙げられる。
【0069】
前記ヒートシール部39の幅は、0.5mm以上に設定するのが好ましい。0.5mm以上とすることで封止を確実に行うことができる。中でも、前記ヒートシール部39の幅は、3mm〜15mmに設定するのが好ましい。
【実施例】
【0070】
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
【0071】
<実施例1>
厚さ15μmの軟質アルミニウム箔(JIS A8079で規定される軟質アルミニウム合金箔)の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、150℃で乾燥を行うことによって、両面に化成皮膜を形成したアルミニウム箔を準備した。この化成皮膜によるクロム付着量は、片面で5mg/m
2であった。
【0072】
次に、前記両面に化成皮膜を形成したアルミニウム箔4の一方の面に、二液硬化型ポリエステル−ウレタン系樹脂接着剤を塗布して乾燥させて第1接着剤層5を形成し、該第1接着剤層5の表面に、片面に厚さ500Åのアルミニウム蒸着層7が真空蒸着法により蒸着された厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム2の非蒸着面を貼り合わせると共に、前記アルミニウム箔4の他方の面に二液硬化型接着剤(酸変性ポリプロピレンを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネートを硬化剤とする二液硬化型接着剤)を塗布して乾燥させて第2接着剤層6とし、該第2接着剤層6の表面に、厚さ25μmの未延伸ポリプロピレンフィルム3を貼り合わせた。この積層体を40℃環境下で3日間放置する(養生を行う)ことによって、
図1に示す電気化学デバイス用外装材1を得た。
【0073】
<実施例2>
厚さ15μmの軟質アルミニウム合金箔に代えて、厚さ7μmの軟質アルミニウム合金箔を用いた以外は、実施例1と同様にして、
図1に示す電気化学デバイス用外装材1を得た。
【0074】
<実施例3>
厚さ500Åのアルミニウム蒸着層7を、厚さ500Åのアルミナ蒸着層7に代えた以外は、実施例1と同様にして、
図1に示す電気化学デバイス用外装材1を得た。
【0075】
<実施例4>
アルミニウム蒸着層7の厚さを100Åに変更した以外は、実施例1と同様にして、
図1に示す電気化学デバイス用外装材1を得た。
【0076】
<実施例5>
実施例2で得られた外装材における蒸着層(第1蒸着層)7の外面に、厚さ3μmの塗布量に設定した2液硬化型ポリエステル−ウレタン系接着剤(第3接着剤)21を介して、片面に厚さ500Åのアルミニウム蒸着層(第2蒸着層)23が蒸着された厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(第2耐熱性樹脂延伸フィルム層)22の非蒸着面を貼り合わせることによって、
図3に示す電気化学デバイス用外装材1を得た。
【0077】
<比較例1>
片面に厚さ500Åのアルミニウム蒸着層が蒸着された厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムに代えて、厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(蒸着されていないもの)を用いた以外は、実施例1と同様にして電気化学デバイス用外装材を得た。
【0078】
<比較例2>
厚さ15μmの軟質アルミニウム合金箔に代えて、厚さ40μmの軟質アルミニウム合金箔を用いた以外は、比較例1と同様にして電気化学デバイス用外装材を得た。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
上記のようにして得られた各電気化学デバイス用外装材を用いて下記のとおり電池(模擬電池)を作成した。まず、外装材を縦120mm×横100mmの大きさに裁断し、この裁断した外装材を、雄型と雌型からなる金型を用いて、縦100mm×横80mm×深さ2mmの上面が開放された略直方体形状にエンボス成形することによって、周囲にフランジ部29を有する成形ケース1Aを作成した(
図6参照)。なお、上面が開放された略直方体形状の底面の内面が未延伸ポリプロピレンフィルム(内側層)3になるようにエンボス成形した。一方、エンボス成形を施さない縦120mm×横100mmの大きさの外装材1の裁断品(以下、「平面状外装材」という)も作成した(
図6参照)。
【0083】
厚さ30μmの軟質アルミニウム箔、厚さ100μmのポリプロピレンフィルム、厚さ30μmの軟質銅箔を層状に重ね合わせて縦95mm×横75mmの大きさに打ち抜いた模擬電極を作成し、この模擬電極を10枚積層して、電気化学デバイス本体部(模擬品)31を得た(
図6参照)。
【0084】
しかして、
図5に示すように、前記成形ケース1Aの上面開放の略直方体形状のエンボス部に前記電気化学デバイス本体部31を装填した後、前記成形ケース1Aと前記平面状外装材1とを、互いの内側層3同士が向き合うように重ね合わせ、前記平面状外装材1の内側層3の周縁部と、前記成形ケース1Aのフランジ部29の内側層3とを、その4辺のうちの3辺について200℃に加熱した金属製熱板を0.3MPaの圧力で3秒間当てることによってヒートシール接合を行ってヒートシール部39を形成した後、これを露点−60℃のドライルーム内に24時間放置した。
【0085】
次に、露点−60℃のドライルーム内で、前記ヒートシール接合体における未だ接合されていない1辺の開放部を介して、注射器を用いて電解液(エチレンカーボネート:ジメチレンカーボネート:ジメチルカーボネートが、1:1:1の体積比率で混合された混合カーボネートにLiPF
6を添加して得られたLiPF
6濃度が1モル/Lの電解液)10mLを内部に注入滴下した後、0.086MPaの減圧状態で、前記ヒートシール接合体の未接合の1辺部に、200℃に加熱した金属製熱板を0.3MPaの圧力で3秒間当ててヒートシール接合を行うことによって、封止を完了して、
図5に示す電池(模擬電池)30を得た。
【0086】
上記のようにして得られた電池(模擬電池)について、下記評価試験法に基づいて、模擬電池内部の電解液中の水分量の測定による水分バリア性評価、および電解液拡散防止性の評価を行った。これらの結果を表2、3に示す。
【0087】
<水分バリア性の評価試験法>
各実施例、各比較例ごとに、それぞれ9個のサンプル(模擬電池)を準備し、40℃、湿度90%の第1恒温恒湿槽、60℃、湿度90%の第2恒温恒湿槽、80℃、湿度90%の第3恒温恒湿槽にそれぞれ3個配置せしめた後、1週間経過後に1個取り出し、2週間経過後に1個取り出し、3週間経過後に1個取り出し、それぞれについてシリンジを用いて電池内部の電解液を1mL取り出し、カールフィッシャー水分測定器(平沼産業株式会社製「AQ2250」)を用いて電解液中の水分量を測定した。
【0088】
表2の結果において、初期の(試験開始前の)水分量と比較して、1週間経過後以降の水分量は、いずれも明らかに増加しているが、これは、模擬電池や、外装材のポリプロピレンフィルムに微量含まれていた水分が電解液中に溶出したものと考えられる。比較例1の結果(1、2、3週間経過後の水分量)との比較から、実施例1〜5の外装材を用いて構成された模擬電池では、極端な(実質的な)水分増加は認められず、本発明の外装材による水分バリアの優れた効果を確認することができた。
【0089】
<電解液拡散防止性の評価試験法>
各実施例、各比較例ごとに、それぞれ3個のサンプル(模擬電池)を準備し、電子天秤でそれぞれの質量(以下、「初期質量」という)を測定した。次に、各サンプルをそれぞれポリプロピレン製のトレーに入れて、40℃の第1恒温槽、60℃の第2恒温槽、80℃の第3恒温槽にそれぞれ1個配置せしめた後、それぞれ、1週間経過後に取り出して質量測定を行った後、直ちに当該恒温槽に戻した。2週間経過後、3週間経過後にも同様にして質量測定を行った。この時、電解液が拡散して抜け出た分だけ質量は減少することになり、電解液が抜け出ていない場合には質量変化はない。
【0090】
X={(1週間後の質量)−(初期質量)}÷(初期質量)×100
Y={(2週間後の質量)−(初期質量)}÷(初期質量)×100
Z={(3週間後の質量)−(初期質量)}÷(初期質量)×100
1週間経過後の質量変化率X(%)、2週間経過後の質量変化率Y(%)、3週間経過後の質量変化率Z(%)を、それぞれ上記の計算式により算出した。
【0091】
表から明らかなように、本発明に係る実施例1〜5の電気化学デバイス用外装材を用いて構成された電池(模擬電池)は、蒸着層が設けられていない比較例1の外装材と比較して、外装材の厚さが同等である(軽量化されている)にもかかわらず、水分バリア性に優れていると共に、電解液の拡散防止性にも優れていた。即ち、本発明に係る実施例1〜5の電気化学デバイス用外装材を用いて構成された電池(模擬電池)では、優れた水分バリア性、優れた電解液拡散防止性、十分な軽量性の3つを同時に充足することができた。
【0092】
これに対し、蒸着層が設けられていない比較例1の外装材では、軽量化されているものの、水分バリア性に劣っているし、電解液の拡散防止性も劣っていた。また、比較例2の外装材では、水分バリア性に優れていると共に、電解液の拡散防止性にも優れていたが、軽量化はできていない。このように、比較例1、2では、優れた水分バリア性、優れた電解液拡散防止性、十分な軽量性の3つを同時に充足することはできなかった。
【0093】
なお、実施例2の外装材における蒸着層7の外面に、さらに第2外側層20(第2耐熱性樹脂フィルム層22+第2蒸着層23)が設けられた実施例5の電気化学デバイス用外装材(
図3参照)を用いて構成された電池(模擬電池)では、第2外側層を有していないこと以外は同様構成である実施例2との対比から、水分バリア性をさらに向上できると共に、電解液拡散防止性もさらに向上できることがわかる。このような第2外側層20を設けた構成に関して重要な点は、金属箔の厚さを7μmと相当に薄くしていてその結果として十分に軽量化できている構成でありながら、より優れた水分バリア性及びより優れた電解液拡散防止性が得られるという技術事項である。