(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一粘着剤層、前記第一粘着剤層の一方の面に積層された第二粘着剤層、および前記第一粘着剤層の他方の面に剥離可能に積層された第一剥離シートを備えた基材レス両面粘着テープであって、
前記基材レス両面粘着テープは、前記第一剥離シートを形成するための第一剥離樹脂組成物、前記第一粘着剤層を形成するための第一樹脂組成物、および前記第二粘着剤層を形成するための第二樹脂組成物から形成された共押出成形体であって、
前記第一樹脂組成物が、(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体からなる第一主樹脂を含有し、
前記第二樹脂組成物が、(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体からなる第二主樹脂を含有し、
前記第一剥離シートは前記第一粘着剤層から剥離可能であること
を特徴とする基材レス両面粘着テープ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される基材レス両面粘着テープは、粘着剤またはその溶液を剥離紙上に塗布して粘着剤層を形成し、その粘着剤層上に別途製造した基材粘着剤を積層し、さらに、その基材粘着剤上に粘着剤またはその溶液を塗布して粘着剤層を形成する製造方法により製造される。このような製造方法は煩雑であり生産性に劣る。また、後述する比較例2において示されるように、粘着剤層を貼り合せることにより形成された基材レス両面粘着テープは、貼り合わされた粘着剤層間の密着性が低下して層間剥離が生じやすくなる傾向がみられる。
【0005】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、煩雑な工程を経ることなく製造され、層間剥離が生じにくい粘着剤層を備える基材レス両面粘着テープを提供することを目的とする。本発明は、上記の基材レス両面粘着テープの製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
(1)第一粘着剤層、前記第一粘着剤層の一方の面に積層された第二粘着剤層、および前記第一粘着剤層の他方の面に剥離可能に積層された第一剥離シートを備えた基材レス両面粘着テープであって、前記基材レス両面粘着テープは、前記第一剥離シートを形成するための第一剥離樹脂組成物、前記第一粘着剤層を形成するための第一樹脂組成物、および前記第二粘着剤層を形成するための第二樹脂組成物から形成された共押出成形体であって、前記第一剥離シートは前記第一粘着剤層から剥離可能であることを特徴とする基材レス両面粘着テープ。
【0007】
(2)220℃における、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の第一剥離樹脂組成物の粘度の平均値の、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の第一樹脂組成物の粘度の平均値に対する比率は、1以上4.3以下である上記(1)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0008】
(3)前記第一樹脂組成物が、第一主樹脂および前記第一主樹脂に対する相溶性を有する非架橋型樹脂である第一添加樹脂を含有すること、および前記第二樹脂組成物が、第二主樹脂および前記第二主樹脂に対する相溶性を有する非架橋型樹脂である第二添加樹脂を含有することの少なくとも一方を満たす、上記(1)または(2)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0009】
(4)前記第一樹脂組成物が前記第一添加樹脂を含有し、前記第二樹脂組成物が前記第二添加樹脂を含有し、前記第一添加樹脂および前記第二添加樹脂は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が50万以上である、上記(3)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0010】
(5)前記第一樹脂組成物における前記第一添加樹脂の含有量は0.01質量%超10質量%未満であり、前記第二樹脂組成物における前記第二添加樹脂の含有量は0.01質量%超10質量%未満である、上記(4)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0011】
(6)前記第一主樹脂および前記第一添加樹脂ならびに前記第二主樹脂および前記第二添加樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂からなる、上記(4)または(5)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0012】
(7)前記第一主樹脂および前記第二主樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体からなる、上記(6)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0013】
(8)前記第二樹脂層側の面に積層された第二剥離シートをさらに備え、前記基材レス両面粘着テープは、前記第一剥離樹脂組成物、前記第一樹脂組成物、前記第二樹脂組成物および前記第二剥離シートを形成するための第二剥離樹脂組成物から形成された共押出成形体であって、前記第一剥離シートは前記第一粘着剤層から剥離可能であり、前記第二剥離シートは前記第二粘着剤層から剥離可能である、上記(1)から(7)のいずれかに記載の基材レス両面粘着テープ。
【0014】
(9)220℃における、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の前記第一剥離樹脂組成物の粘度の平均値の、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の前記第一樹脂組成物の粘度の平均値に対する比率は、1以上4.3以下であり、220℃における、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の前記第二剥離樹脂組成物の粘度の平均値の、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の前記第二樹脂組成物の粘度の平均値に対する比率は、1以上4.3以下である、上記(8)に記載の基材レス両面粘着テープ。
【0015】
(10)上記(1)から(7)のいずれかに係る基材レス両面粘着テープの製造方法であって、前記第一剥離樹脂組成物、前記第一樹脂組成物および前記第二樹脂組成物を共押出成形して、前記第一剥離シート、前記第一粘着剤層および前記第二粘着剤層からなるものであって、前記第一剥離シートが前記第一粘着剤層から剥離可能な共押出成形体を、前記基材レス両面粘着テープとして得る第一共押出成形工程を備えることを特徴とする、基材レス両面粘着テープの製造方法。
【0016】
(11)上記(1)から(7)のいずれかに係る基材レス両面粘着テープと、前記基材レス両面粘着テープの前記第二樹脂層側の面に積層された第二剥離シートとを備える基材レス両面粘着テープの製造方法であって、前記第一剥離樹脂組成物、前記第一樹脂組成物および前記第二樹脂組成物を共押出成形して、前記第一剥離シート、前記第一粘着剤層および前記第二粘着剤層からなるものであって、前記第一剥離シートが前記第一粘着剤層から剥離可能な共押出成形体を得る第一共押出成形工程;および前記第一共押出成形工程により得られた共押出成形体の前記第二粘着剤層側の面に前記第二剥離シートを積層して、前記第一剥離シート、前記第一粘着剤層、前記第二粘着剤層および前記第二剥離シートが積層されてなる構造体を、前記基材レス両面粘着テープとして得る剥離シート積層工程を備えることを特徴とする、積層構造体の製造方法。
【0017】
(12)上記(8)または(9)に記載される基材レス両面粘着テープの製造方法であって、前記第一剥離樹脂組成物、前記第一樹脂組成物、前記第二樹脂組成物および前記の第二剥離樹脂組成物を共押出成形して、前記第一剥離シートが前記第一粘着剤層から剥離可能であり、前記第二剥離シートが前記第二粘着剤層から剥離可能な共押出成形体を、前記基材レス両面粘着テープとして得る第二共押出成形工程を備えることを特徴とする、基材レス両面粘着テープの製造方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、互いに異なる粘着性を有する面を有し、層間剥離が生じにくい粘着剤層を備える基材レス両面粘着テープを、煩雑な工程を経ることなく製造されたものとして得ることが可能である。また、本発明によれば、上記の基材レス両面粘着テープの製造方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
1.基材レス両面粘着テープ
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る積層構造体が備える基材レス両面粘着テープ1は、第一粘着剤層11、第一粘着剤層11の一方の面に積層された第二粘着剤層12、および前記第一粘着剤層11の他方の面に剥離可能に積層された第一剥離シート21を備える。
【0022】
基材レス両面粘着テープ1の使用に際し、第一剥離シート21は剥離される。したがって、基材レス両面粘着テープ1における一方の貼付面である第一貼付面1Aは、第一粘着剤層11の面から構成され、基材レス両面粘着テープ1における他方の貼付面である第二貼付面1Bは、第二粘着剤層12の面から構成される。それゆえ、基材レス両面粘着テープ1の2つの貼付面1A,1Bを構成する材料(第一粘着剤層11を構成する材料および第二粘着剤層12を構成する材料)同士の接合面を、本発明の一実施形態に係る積層構造体が備える基材レス両面粘着テープ1は備える。
【0023】
通常、このような接合面の密着性(耐剥離性)は比較的低く、使用中に、この接合面において剥離が生じてしまう場合が多い。このため、特許文献1に開示される基材レスの両面粘着テープも、両面粘着テープの貼付面を構成する粘着剤層同士の接合面を有さず、基材粘着層を設けて、この基材粘着層に両面粘着テープの貼付面を構成する粘着剤層は積層されている。
【0024】
これに対し、本発明の一実施形態に係る基材レス両面粘着テープ1は、2つの粘着剤層(第一粘着剤層11および第二粘着剤層12)を備える積層体が共押出成形により形成されているため、第一粘着剤層11と第二粘着剤層12との界面での剥離が生じにくい。
【0025】
ただし、単に第一粘着剤層11を形成するための第一樹脂組成物および第二粘着剤層12を形成するため第二樹脂組成物を単に共押出成形しても、後述する実施例において示すように、形状安定性に優れる共押出成形体を形成することは困難である。本発明の一実施形態に係る基材レス両面粘着テープ1は、第一樹脂組成物および第二樹脂組成物とともに、第一剥離シート21を形成するための第一剥離樹脂組成物を用いてなる共押出成形体である。このように、粘着剤層と剥離シートとを備える共押出成形体とすることで、形状安定性を高めることが可能となる。
【0026】
第一剥離シート21、第一粘着剤層11および第二粘着剤層12を構成する材料は、これらの積層体を共押出成形体として得られる限り、限定されない。共押出成形体を得ることを容易にする観点から、220℃における、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の第一剥離樹脂組成物の粘度の平均値の、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の第一樹脂組成物の粘度の平均値に対する比率(本明細書において「第一粘度比率」ともいう。)は、1以上4.3以下であることが好ましい。本明細書において、220℃は、共押出成形を行う場合における、複数の樹脂組成物が接するときの温度の典型的な一例として位置付けられる。
【0027】
なお、本明細書において、樹脂組成物の粘度はCrossモデルを用いて導出された値とする。この場合、キャピラリーレオメーターを用いて測定したせん断速度、見かけ粘度、温度を下記数式1および数式2に挿入し、フィッティングすることで指数を導出する。
【数1】
【数2】
【0028】
上記式中、ηは回帰式より求められる任意の温度・せん断速度における粘度(単位:Pa・s)、γはせん断速度(単位:1/s)、τ
*は臨界せん断応力(単位:Pa・s)、cは指数、η
0は臨界粘度(単位:1/s)、aは粘度(単位:Pa・s)、T
bは温度係数(単位:K)、Tは温度(単位:K)を示す。
【0029】
第一粘度比率が上記の範囲である場合には、第一剥離シート21と第一粘着剤層11とが適切に積層されることが容易となる。第一粘度比率が4.3よりも過度に高い場合には、第一剥離樹脂組成物から形成されたシート状の部材を、第一樹脂組成物が取り囲むように配置されやすくなる。本明細書において、この現象を「カプセル化」と称する場合もある。また、第一粘度比率が特に高い場合には、第一剥離樹脂組成物から形成されたシート状の部材内に、第一樹脂組成物が分散した構造を有する部材が形成される場合もある。基材レス両面粘着テープ1をより安定的に得る観点から、第一粘度比率は1以上4.0以下であることが好ましく、1以上3.5以下であることがより好ましく、特に1以上2.5以下であることが好ましい。
【0030】
第一粘度比率に関する条件を満たすことを容易にする観点から、第一樹脂組成物は、第一主樹脂および第一主樹脂に対する相溶性を有する非架橋型樹脂である第一添加樹脂を含有することが好ましい。また、第二樹脂組成物は、第二主樹脂および第二主樹脂に対する相溶性を有する非架橋型樹脂である第二添加樹脂を含有することが好ましい。
【0031】
本明細書において、「添加樹脂」なる用語は、第一添加樹脂および第二添加樹脂の総称として用いる。「主樹脂」なる用語は、第一主樹脂および第二主樹脂の総称として用いる。「樹脂組成物」なる用語は、第一樹脂組成物および第二樹脂組成物の総称として用いる。「樹脂粘度」なる用語は、第一樹脂粘度および第二樹脂粘度の総称として用いる。
【0032】
本明細書において「主樹脂に対して相溶性を有する」とは、主樹脂および添加樹脂を含有する樹脂組成物を押出成形するために設定される温度領域(具体例として、200℃から220℃の温度領域が挙げられる。以下同じ。)において、主樹脂に対して実質的に溶解した状態になりうることを意味する。添加樹脂は主樹脂に対する相溶性を有する非架橋型樹脂であるため、樹脂組成物中で主樹脂と添加樹脂とが相互作用しやすい状態にある可能性がある。
【0033】
主樹脂の種類は限定されない。これらの樹脂材料は粘着剤層の粘着性の発生に直接関与する成分であり、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂などが主樹脂の具体例として挙げられる。これらの中でも、取扱いの容易さ、入手安定性などの観点から、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の具体例として、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸ブチル−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸−2−エチルヘキシル−ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック重合体が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
【0034】
主樹脂は、1種類の材料から構成されていてもよいし、複数種類の材料から構成されていてもよい。第一主樹脂を構成する材料と第二主樹脂を構成する材料とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合の方が、基材レス両面粘着テープ1の両面の粘着性を相違させることが容易となることもある。
【0035】
主樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は限定されない。添加樹脂が主樹脂に対して相溶性を有することを容易にする観点から、主樹脂ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は1万から100万の範囲にあることが好ましく、2万から70万の範囲にあることがより好ましい。
【0036】
なお、本明細書において、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により測定される場合の値である。このような方法による測定は、たとえば、以下の装置および条件で行われる。
装置名:HLC−8220GPC、東ソー社製
カラム:TSKgelGMHXL、TSKgelGMHXLおよびTSKgel2000HXLを順次連結したもの
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
注入量:80μl
測定温度:40℃
流速:1ml/分
検出器:示差屈折計
試料濃度:1%(w/v)
【0037】
添加樹脂は、主樹脂に対して相溶性を有する非架橋型樹脂である限り、その具体的な種類は限定されない。後述するように、添加樹脂は、押出機のホッパー内の温度領域において粉体となりうるものであることが好ましい。
【0038】
添加樹脂が主樹脂に対する相溶性を有することをより安定的に実現する観点から、添加樹脂は主樹脂と同系列の樹脂であることが好ましい。すなわち、主樹脂がアクリル酸系樹脂からなる場合には、添加樹脂もアクリル酸系樹脂であることが好ましい。第一粘着剤層11と第二粘着剤層12との密着性を高める観点から、同様に、第一主樹脂と第二主樹脂とは同系列の樹脂であることが好ましい。そのような場合の具体例として、第一主樹脂および第二主樹脂がアクリル酸系樹脂であることが挙げられる。
【0039】
樹脂組成物における添加樹脂の含有量は、樹脂組成物の粘度を調整する機能を果たすことができる限り、限定されない。第一樹脂組成物における第一添加樹脂の含有量および第二樹脂組成物における第二添加樹脂の含有量のいずれについても、0.01質量%超10質量%未満であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい場合もある。
【0040】
樹脂組成物は、求められる機能に応じて、主樹脂および添加樹脂以外の成分を含有してもよい。例えば、高い粘着性が求められる場合には粘着付与樹脂を含有してもよい。粘着性を変化させることが求められる場合には、エネルギー線重合性化合物を含有してもよい。これらの添加成分の樹脂組成物における含有量は、求める機能に応じて設定される。
【0041】
第一粘着剤層11の厚さおよび第二粘着剤層12の厚さは、用途に応じて適宜設定されるべきものであり、限定されない。これらの厚さは、通常は3μmから500μm、好ましくは5μmから200μm程度である。
【0042】
第一剥離樹脂組成物の組成は、第一剥離シート21が、共押出成形によって第一剥離シート21に積層される第一粘着剤層11から剥離可能である限り、限定されない。第一樹脂組成物がアクリル系樹脂を含有する場合、第一剥離樹脂組成物はオレフィン系重合体を含有することが好ましい。
【0043】
第一剥離シート21の厚さについては特に限定されず、通常、20μmから150μm程度である。
【0044】
本発明の一実施形態に係る基材レス両面粘着テープ1は、第一剥離シート21、第一粘着剤層11および第二粘着剤層12以外の構成要素を備えていてもよい。例えば、
図2に示されるように、基材レス両面粘着テープ1は、第二粘着剤層12側の面に積層された第二剥離シート22をさらに備えてもよい。
【0045】
第二剥離シート22は、
図1に示される構成の基材レス両面粘着テープ1の第二粘着剤層12側の面に貼付されたものであってもよい。
【0046】
そのような場合における第二剥離シート22として、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどのフィルムや、グラシン紙や上質紙などの紙を用いることができる。また、これらの架橋フィルムを用いてもよい。さらに、これらのフィルムの複数が積層された積層フィルムであってもよい。
【0047】
上記第二剥離シート22の剥離面(第二粘着剤層12に貼付される面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
【0048】
本発明の一実施形態に係る基材レス両面粘着テープ1は、第一剥離シート21、第一粘着剤層11、第二粘着剤層12および第二剥離シート22からなる共押出成形体であってもよい。すなわち、基材レス両面粘着テープ1は、第一剥離樹脂組成物、第一樹脂組成物、第二樹脂組成物および第二剥離シート22を形成するための第二剥離樹脂組成物から形成された共押出成形体であってもよい。この場合には、第一剥離シート21は第一粘着剤層11から剥離可能であり、第二剥離シート22は第二粘着剤層12から剥離可能であればよい。
【0049】
上記の場合において、第一剥離シート21、第一粘着剤層11、第二粘着剤層12および第二剥離シート22を構成する材料は、これらの積層体を共押出成形体として得られる限り、限定されない。共押出成形体を形成することを容易にする観点から、220℃における、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の第二剥離樹脂組成物の粘度の平均値の、せん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の第二樹脂組成物の粘度の平均値に対する比率は、1以上4.3以下であることが好ましく、1以上4.0以下であることがより好ましく、1以上3.5以下であることが特に好ましい。
【0050】
第二剥離シート22の厚さについては特に限定されず、通常、20μmから150μm程度である。
【0051】
基材レス両面粘着テープ1が
図2に示されるような構成である場合、すなわち、第一剥離シート21および第二剥離シート22を備える場合において、これらの剥離シートの剥離力の関係は限定されない。基材レス両面粘着テープ1の使用時の取扱い性を高める観点から、第一剥離シート21の第一粘着剤層11に対する剥離力である第一剥離力と、第二剥離シート22の第二粘着剤層12に対する剥離力である第二剥離力とは、相違していることが好ましい。
【0052】
第一剥離力と第二剥離力とが相違している場合において、相対的に剥離力が高い剥離シートである重面剥離シートの剥離力、すなわち、重面剥離力は、100〜400mN/50mm程度であることが好ましく、150〜350mN/50mm程度であることがより好ましく、200〜300mN/50mm程度であることがさらに好ましい。上記の場合における相対的に剥離力が低い剥離シートである軽面剥離シートの剥離力、すなわち、軽面剥離力は、30〜200mN/50mm程度であることが好ましく、50〜150mN/50mm程度であることがより好ましく、70〜120mN/50mm程度であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、重面剥離力および軽面剥離力は、後述する実施例において示される測定方法により測定された値を意味する。
【0053】
重面剥離力の軽面剥離力との差は、30mN/50mm以上であることが好ましく、50mN/50mm以上であることがより好ましく、80mN/50mm以上であることがさらに好ましい。この剥離力の差が30mN/50mm以上であることにより、基材レス両面粘着テープ1から軽面剥離シートを剥離する際に、重面剥離シートと当該シートに対面する粘着剤層との間に浮きが生じることや、重面剥離シートが当該シートに対面する粘着剤層から剥離することを安定的に防止することが可能となる。
【0054】
2.基材レス両面粘着テープの製造方法
図1に示されるような構成を備える基材レス両面粘着両面テープ1の製造方法は、第一剥離樹脂組成物、第一樹脂組成物および第二樹脂組成物を共押出成形して、第一剥離シート21、第一粘着剤層11および第二粘着剤層12からなるものであって、第一剥離シート21が第一粘着剤層11から剥離可能な共押出成形体を、基材レス両面粘着テープ1として得る第一共押出成形工程を備えていてもよい。
【0055】
押出成形により粘着剤層を製造する場合には、通常、樹脂組成物の少なくとも一部、具体例を挙げれば主樹脂を与えるペレットを成形機のホッパーに供給し、ホッパー内のペレットを他の材料とともにスクリュー部内に送入して溶融混練し、溶融状態にある樹脂組成物をフィードブロック内に吐出させる。通常、樹脂組成物は比較的軟質であるため、ホッパー内でペレットが自着する場合がある。この場合には、成形機のスクリュー部内に適切にペレットが送り込まれず、樹脂組成物のダイからの供給量が不安定化してしまう。したがって、ホッパー内のペレットの自着を回避して、樹脂組成物の供給量を安定化させ、押出成形により得られる粘着剤層の形状を安定化させることが好ましい。
【0056】
樹脂組成物の押出成形を容易にする観点から、樹脂組成物が添加樹脂を含有する場合には、添加樹脂は押出機のホッパー内で粉体であることが好ましい。このとき、添加樹脂は、主樹脂などからなるペレットのホッパー内での自着を抑制することが可能となる。添加樹脂が粉体である場合において、その形状は、上記のペレットのホッパー内での自着を抑制することが可能な限り、限定されない。
【0057】
図2に示されるような基材レス両面粘着テープ1の製造方法の一例は、上記の第一共押出成形工程;および次に説明する剥離シート積層工程を備えてもよい。剥離シート積層工程では、第一共押出成形工程により得られた共押出成形体の第二粘着剤層12側の面に第二剥離シート22を積層して、第一剥離シート21、第一粘着剤層11、第二粘着剤層12および第二剥離シート22が積層されてなる構造体を、基材レス両面粘着テープ1として得る。
【0058】
図2に示されるような基材レス両面粘着テープ1の製造方法の別の一例は、第一剥離樹脂組成物、第一樹脂組成物、第二樹脂組成物および第二剥離樹脂組成物を共押出成形して、第一剥離シート21が第一粘着剤層11から剥離可能であり、第二剥離シート22が第二粘着剤層12から剥離可能な共押出成形体を、基材レス両面粘着テープ1として得る第二共押出成形工程を備えもよい。
【0059】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0060】
例えば、基材レス両面粘着テープ1は、第二粘着剤層12の面上に積層された第三粘着剤層をさらに備えていてもよい。この場合において、第三粘着剤層は、第二粘着剤層12と同様に共押出成形で第一粘着剤層11および第一剥離シート21とともに形成されてもよいし、別途、塗布工程などを経て形成されてもよい。
【実施例】
【0061】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0062】
〔実施例1〕
第二主樹脂としての(メタ)アクリル酸トリブロック粘着剤(クラレ社製「クラリティLA2330」、ポリメチルメタクリレート(PMMA)−ポリブチルアクリレート(PBA)−PMMAトリブロック共重合体、PMMA比率:26.5mol%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):103,000)60質量部、および別の種類の(メタ)アクリル酸トリブロック粘着剤(クラレ社製「クラリティLA4285」、ポリメチルメタクリレート(PMMA)−ポリブチルアクリレート(PBA)−PMMAトリブロック共重合体、PMMA比率:55.8mol%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):57,000)40質量部に対して、第二添加樹脂としての非架橋ポリメタクリル酸微粒子(積水化成社製,「テクポリマーMB−4」,平均粒子径:5.4μm,ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):775,000)1質量部を添加し、タンブラーで10分間混合して、粘着剤組成物(A)を第二樹脂組成物として得た。この粘着剤組成物(A)をペレット化したところ、常温(23℃)の環境下では、得られたペレットには凝着(自着現象)は認められなかった。
【0063】
第一主樹脂としての(メタ)アクリル酸トリブロック粘着剤(クラレ社製「クラリティLA2330」、ポリメチルメタクリレート(PMMA)−ポリブチルアクリレート(PBA)−PMMAトリブロック共重合体、PMMA比率:26.5mol%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):103,000)100質量部に対して、第一添加樹脂としての非架橋ポリメタクリル酸微粒子(積水化成社製,「テクポリマーMB−4」,平均粒子径:5.4μm,ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):775,000)1質量部を添加し、タンブラーで10分間混合して、粘着剤組成物(B)を第一樹脂組成物として得た。この粘着剤組成物(B)をペレット化したところ、常温(23℃)の環境下では、得られたペレットには凝着(自着現象)は認められなかった。
【0064】
第一から第三の押出機を有する押出成形機を用意した。第一の押出機におけるホッパー内に上記の粘着剤組成物(A)を投入し、第一の押出機のスクリュー部内で粘着剤組成物(A)を混練溶融させた。第二の押出機におけるホッパー内に上記の粘着剤組成物(B)を投入し、第二の押出機のスクリュー部内で粘着剤組成物(B)を混練溶融させた。第三の押出機におけるホッパー内に第一剥離樹脂組成物としての低密度ポリエチレン(LDPE,日本ポリエチレン社製,「ノバテック LD LC604」)を、第三の押出機におけるホッパー内に投入し、第三の押出機のスクリュー部内でLDPEを混練溶融させた。
【0065】
第一の押出機から吐出させた溶融状態の粘着剤組成物(A)、第二の押出機から吐出させた溶融状態の粘着剤組成物(B)、および第三の押出機から吐出させた溶融状態のLDPEを、フィードブロックを用いて、粘着剤組成物(A)/粘着剤組成物(B)/LDPEの順で配置されるように積層した。さらにTダイを用いて、粘着剤組成物(A)から形成される第二粘着剤層の厚さが20μmであって、粘着剤組成物(B)から形成される第一粘着剤層の厚さが20μmであって、LDPEから形成される第一剥離シートの厚さが40μmである積層体を得た。この積層体の第二粘着剤層側の面に、第二剥離シートとしての剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3801」)の剥離面を貼付して、基材レス両面粘着テープを得た。フィードブロックおよびTダイの温度は220℃に設定した。
【0066】
内部温度が220℃であったフィードブロック内の樹脂粘度をシミュレーションソフト(HASL社製,「Materialfit」)および前述のCrossモデルを用いてシミュレーションした。220℃における粘着剤組成物(B)のせん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の粘度の平均値は766.9Pa・sと算出された。220℃におけるLDPEのせん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の粘度の平均値は1787.3Pa・sと算出された。したがって、これらの粘度比率(LDPE/粘着剤組成物(B))は、2.3であった。
【0067】
〔実施例2〕
第一から第四の押出機を有する押出成形機を用意した。第一の押出機におけるホッパー内に実施例1において調製した粘着剤組成物(A)を投入し、第一の押出機のスクリュー部内で粘着剤組成物(A)を混練溶融させた。第二の押出機におけるホッパー内に実施例1において調製した粘着剤組成物(B)を投入し、第二の押出機のスクリュー部内で粘着剤組成物(B)を混練溶融させた。第三の押出機におけるホッパー内に第一剥離樹脂組成物としての低密度ポリエチレン(LDPE,日本ポリエチレン社製,「ノバテック LD LC604」)を、第三の押出機におけるホッパー内に投入し、第三の押出機のスクリュー部内でLDPEを混練溶融させた。第四の押出機におけるホッパー内に第二剥離樹脂組成物としてのα−オレフィン共重合体(三井化学社製,「タフマーP028G」)を、第四の押出機におけるホッパー内に投入し、第四の押出機のスクリュー部内でα−オレフィン共重合体を混練溶融させた。
【0068】
第一の押出機から吐出させた溶融状態の粘着剤組成物(A)、第二の押出機から吐出させた溶融状態の粘着剤組成物(B)、第三の押出機から吐出させた溶融状態のLDPE、および第四の押出機から吐出させた溶融状態のα−オレフィン共重合体を、フィードブロックを用いて、α−オレフィン共重合体/粘着剤組成物(A)/粘着剤組成物(B)/LDPEの順で配置されるように積層した。さらにTダイを用いて、α−オレフィン共重合体から形成される第二剥離シートの厚さが40μmであって、粘着剤組成物(A)から形成される第二粘着剤層の厚さが20μmであって、粘着剤組成物(B)から形成される第一粘着剤層の厚さが20μmであって、LDPEから形成される第一剥離シートの厚さが40μmである積層体を、基材レス両面粘着テープとして得た。
【0069】
内部温度が220℃であったフィードブロック内の樹脂粘度をシミュレーションソフト(HASL社製,「Materialfit」)を用いてシミュレーションした。220℃における粘着剤組成物(A)のせん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の粘度の平均値は598.5Pa・sと算出された。220℃における粘着剤組成物(B)のせん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の粘度の平均値は766.9Pa・sと算出された。220℃におけるLDPEのせん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の粘度の平均値は1787.3Pa・sと算出された。220℃におけるα−オレフィン共重合体のせん断速度10
0〜10
3(単位:1/s)の範囲の粘度の平均値は1652.8Pa・sと算出された。したがって、LDPEの粘着剤組成物(B)に対する粘度比率(LDPE/粘着剤組成物(B))は、第一粘度比率は2.3であった。α−オレフィン共重合体の粘着剤組成物(A)に対する粘度比率(α−オレフィン共重合体/粘着剤組成物(A))は2.8であった。
【0070】
〔比較例1〕
実施例1において、第三の押出機を用いず、第一の押出機および第二の押出機のみを用いてフィードブロック内の層構成が粘着剤組成物(A)および粘着剤組成物(B)からなるようにして、粘着剤組成物(A)から形成される粘着剤層が一方の剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3801」)に接し、粘着剤組成物(B)から形成される粘着剤層が他方の剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3811」)に接するように、二枚の剥離シートで樹脂層をラミネートした。しかしながら、形状、特に厚さが安定せず、所望の(フィルム状の形状を有する)粘着剤層を得ることができなかった。
【0071】
〔比較例2〕
粘着剤組成物(A)を固形分濃度が40質量%となるように、酢酸エチルで希釈して、塗工液(α)を得た。粘着剤組成物(B)を固形分濃度が40質量%となるように、酢酸エチルで希釈して、塗工液(β)を得た。
剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3811」)の剥離面上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように、塗工液(α)を塗布して、塗膜を乾燥させて粘着剤層(X)を得た。この粘着剤層(X)の面に、別の剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3801」)を貼付して、粘着剤層(X)が二枚の剥離シートに挟持されてなる積層体を得た。
【0072】
剥離シート(リンテック社製,「SP−PET38 2050」)の剥離面上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように、塗工液(β)を塗布して、塗膜を乾燥して粘着剤層(Y)を得た。上記の積層体から一方の剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3801」)を剥がして粘着剤層(X)の面を表出させながら、表出した粘着剤層(X)の面を粘着剤層(Y)の面に貼付して、剥離シート(リンテック社製,「SP−PET3811」)、粘着剤層(X)、粘着剤層(Y)および剥離シート(リンテック社製,「SP−PET38 2050」)の積層体からなる基材レス両面粘着テープを得た。
【0073】
〔試験例1〕密着性試験
実施例1および2ならびに比較例2において製造した基材レス両面粘着テープにおける、粘着剤組成物(A)に基づき形成された粘着剤層の面に、碁盤目状(5mm×5mm)に切り込み(縦方向:21本、横方向:21本)を入れ、400個の碁盤目を形成した。形成された400個の碁盤目の表面に粘着テープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標)No.405)を貼付した。この状態で、23℃、相対湿度50%の環境下に20分間放置した。その後、引き剥がし角度180°で粘着テープを剥がして、剥がれた碁盤目の数を測定した。測定結果を表1に示す。
【0074】
〔試験例2〕軽面剥離力の測定
実施例1および2ならびに比較例2において製造した基材レス両面粘着テープを幅長50mmに切断して、軽面剥離力測定用積層体を用意した。粘着剤組成物(A)に基づき形成された粘着剤層の面に貼付される剥離シートが軽面剥離シートに相当するものであった。軽面剥離シートと反対側の剥離シートを支持板に固定し、JIS Z0237に準拠して、23℃、相対湿度50%の条件下において、軽面剥離力測定用積層体の軽面剥離シートを折り曲げた180°引きはがし法(剥離速度:300m/分)を実施して、軽面剥離力(単位:mN/50mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
【0075】
〔試験例3〕重面剥離力の測定
実施例1および2ならびに比較例2において製造した基材レス両面粘着テープを幅長50mmに切断した。粘着剤組成物(B)に基づき形成された粘着剤層の面に貼付される剥離シートが、重面剥離シートに相当するものであった。粘着剤組成物(A)に基づき形成された粘着剤層の面に貼付される剥離シートを剥離して、表出した面を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製基材フィルム上に貼付した。こうして、重面剥離力測定用積層体を用意し、上記のPET製基材フィルムを支持板に固定した。JIS Z0237に準拠して、23℃、相対湿度50%の条件下において、重面剥離力測定用積層体の重面剥離シートを折り曲げた180°引きはがし法(剥離速度:300m/分)を実施して、重面剥離力(単位:mN/50mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1に示されるように、実施例に係る基材レス両面粘着テープは、粘着剤層間の密着性に優れ、重面剥離力が低かった。これに対し、塗工工程を経て製造された比較例2に係る基材レス両面粘着テープは、粘着剤層間の密着性に劣り、重面剥離力が高かった。