特許第6367006号(P6367006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367006燃料取替機制御装置の検査装置、検査方法及び検査プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367006
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】燃料取替機制御装置の検査装置、検査方法及び検査プログラム
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/18 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   G21C19/18 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-112354(P2014-112354)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-225069(P2015-225069A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 崇行
(72)【発明者】
【氏名】本村 亮
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−014191(JP,A)
【文献】 特開平01−265198(JP,A)
【文献】 特開平09−257978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/18
G21C 19/02
G21C 17/00
G21C 17/06
G21C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料集合体又は制御棒をクレーンで把持して移動させる燃料取替機制御装置の第1インターフェースの設定入力フォームをリモート表示する第1リモート表示部と、
前記クレーンの一連の作業における掴み位置及び放し位置を作業順番に従って記述したシーケンス情報を生成するシーケンス情報生成部と、
前記リモート表示された設定入力フォームに前記シーケンス情報の前記掴み位置及び放し位置を前記作業順番に従って自動で設定入力させる設定入力部と、
前記燃料取替機制御装置に設定入力した前記掴み位置及び/又は放し位置を第2インターフェースにグラフィックした装荷位置フォームをリモート表示する第2リモート表示部と、
前記リモート表示されている前記装荷位置フォームを前記設定入力の個々のタイミングに同期してキャプチャする表示キャプチャ部と、
前記シーケンス情報に照らし前記第1インターフェースの設定入力と前記第2インターフェースのグラフィック内の識別位置とが一致しているか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする燃料取替機制御装置の検査装置。
【請求項2】
前記キャプチャされた装荷位置フォームのうち前記掴み位置及び/又は放し位置がグラフィックされている位置を識別する位置識別部をさらに備える請求項1に記載の燃料取替機制御装置の検査装置。
【請求項3】
前記一連の作業における全ての掴み位置及び放し位置に対する判定結果を記録したテーブルを生成する生成部をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の燃料取替機制御装置の検査装置。
【請求項4】
前記設定入力部は、前記シーケンス情報に記述されている複数のうち指定した検査項目の掴み位置及び放し位置を設定入力させ、
前記生成部は、前記指定された検査項目の前記判定結果を前記テーブルに対し上書き記録する請求項3に記載の燃料取替機制御装置の検査装置。
【請求項5】
燃料集合体又は制御棒をクレーンで把持して移動させる燃料取替機制御装置の第1インターフェースの設定入力フォームをリモート表示するステップと、
前記クレーンの一連の作業における掴み位置及び放し位置を作業順番に従って記述したシーケンス情報を生成するステップと、
前記リモート表示された設定入力フォームに前記シーケンス情報の前記掴み位置及び放し位置を前記作業順番に従って自動で設定入力させるステップと、
前記燃料取替機制御装置に設定入力した前記掴み位置及び/又は放し位置を第2インターフェースにグラフィックした装荷位置フォームをリモート表示するステップと、
前記リモート表示されている前記装荷位置フォームを前記設定入力の個々のタイミングに同期してキャプチャするステップと、
前記シーケンス情報に照らし前記第1インターフェースの設定入力と前記第2インターフェースのグラフィック内の識別位置とが一致しているか否かを判定するステップと、を含むことを特徴とする燃料取替機制御装置の検査方法。
【請求項6】
コンピュータに、
燃料集合体又は制御棒をクレーンで把持して移動させる燃料取替機制御装置の第1インターフェースの設定入力フォームをリモート表示するステップ、
前記クレーンの一連の作業における掴み位置及び放し位置を作業順番に従って記述したシーケンス情報を生成するステップ、
前記リモート表示された設定入力フォームに前記シーケンス情報の前記掴み位置及び放し位置を前記作業順番に従って自動で設定入力させるステップ、
前記燃料取替機制御装置に設定入力した前記掴み位置及び/又は放し位置を第2インターフェースにグラフィックした装荷位置フォームをリモート表示するステップ、
前記リモート表示されている前記装荷位置フォームを前記設定入力の個々のタイミングに同期してキャプチャするステップ、
前記シーケンス情報に照らし前記第1インターフェースの設定入力と前記第2インターフェースのグラフィック内の識別位置とが一致しているか否かを判定するステップ、を実行させることを特徴とする燃料取替機制御装置の検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、原子力プラントの燃料集合体や制御棒を取り替える燃料取替機制御装置の検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントは、運転期間の終了後、燃焼度の高い燃料集合体を炉心から取り出して燃料貯蔵プールに移送したり、炉心の装荷位置に依存して燃焼度の相違する燃料集合体を配置変更したり、炉心から取り出した数と同数の燃料集合体を新たな装荷して、運転サイクルをまわしている。
このように燃料集合体を移送するクレーンを自動制御する燃料取替機制御装置は、移送元の装荷位置(掴み位置)と移送先の装荷位置(放し位置)の座標データを、作業員が入力するように設計されている(例えば、特許文献1)。
そして、この作業員が座標入力した掴み位置及び放し位置は、モニタにグラフィック表示された炉心水平断面の該当位置のシンボルを、状態変化させることにより確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−10344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したような燃料取替機制御装置を新規製造又は改造した場合、座標入力した掴み位置及び放し位置とグラフィック表示で状態変化したシンボル位置との間の対応関係を、確認する検査項目がある。
しかし、掴み位置及び放し位置の入力座標とグラフィック表示のシンボル位置との組み合わせは、多数にのぼるため、人間系に依存した検査作業では膨大な時間を費やしてしまう課題があった。さらに、ヒューマンエラーに基づく誤った検査結果が報告されてしまう課題があった。
また、燃料取替機制御装置は、主たる動作と関係の少ない検査機能のような機能を、追加して実装することを歓迎しない実情がある。
【0005】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、燃料取替機制御装置の実行プログラムに追加機能を実装させることなく自動化を実現させる燃料取替機制御装置の検査技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
燃料取替機制御装置の検査装置において、燃料集合体又は制御棒をクレーンで把持して移動させる燃料取替機制御装置の第1インターフェースの設定入力フォームをリモート表示する第1リモート表示部と、前記クレーンの一連の作業における掴み位置及び放し位置を作業順番に従って記述したシーケンス情報を生成するシーケンス情報生成部と、前記リモート表示された設定入力フォームに前記シーケンス情報の前記掴み位置及び放し位置を前記作業順番に従って自動で設定入力させる設定入力部と、前記燃料取替機制御装置に設定入力した前記掴み位置及び/又は放し位置を第2インターフェースにグラフィックした装荷位置フォームをリモート表示する第2リモート表示部と、前記リモート表示されている前記装荷位置フォームを前記設定入力の個々のタイミングに同期してキャプチャする表示キャプチャ部と、前記シーケンス情報に照らし前記第1インターフェースの設定入力と前記第2インターフェースのグラフィック内の識別位置とが一致しているか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により、燃料取替機制御装置の実行プログラムに追加機能を実装させることなく自動化を実現させる燃料取替機制御装置の検査技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る燃料取替機制御装置の検査装置を示すブロック図。
図2】燃料取替機制御装置の第1インターフェースに表示される設定入力フォームを示す図。
図3】燃料取替機制御装置の第2インターフェースに表示され炉心水平断面をグラフィックした装荷位置フォームを示す図。
図4】炉心水平断面のグラフィックを構成する要素シンボルを示す図。
図5】検査項目に対する判定結果を載せたテーブルを示す図。
図6】実施形態に係る燃料取替機制御装置の検査装置の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように燃料取替機制御装置30の検査装置10(以下、検査装置10という)は、燃料集合体42(図3)又は制御棒43をクレーンで把持して移動させる燃料取替機制御装置30の第1インターフェース31の設定入力フォーム(図2)をリモート表示する第1リモート表示部11と、クレーンの一連の作業における掴み位置及び放し位置を作業順番に従って記述したシーケンス情報15aを生成するシーケンス情報生成部14と、第1リモート表示部11にリモート表示された設定入力フォーム(図2)にシーケンス情報15aの掴み位置及び放し位置を作業順番に従って設定入力させる設定入力部16と、燃料取替機制御装置30に設定入力した掴み位置44及び/又は放し位置45を第2インターフェース32にグラフィックした装荷位置フォーム(図3)をリモート表示する第2リモート表示部12と、この第2リモート表示部12にリモート表示されている装荷位置フォームを設定入力部16における設定入力の個々のタイミングに同期してキャプチャする表示キャプチャ部17と、を備えている。
【0010】
燃料取替機制御装置30は、原子炉圧力容器(図示略)の上部に設置されたクレーン(図示略)の動作を、現場で制御するものである。
このクレーンは、井桁状格子で区画された炉心41(図3参照)に装荷されている燃料集合体42又は制御棒43を把持し、これらを上下方向(図3の表示面垂直方向)及び水平方向(図3の表示面平行方向)に移動させる。
炉心41において燃料集合体42又は制御棒43が装荷される位置は、設計基本情報である装荷位置情報13(13a,13b)に基づいて規定されている。
【0011】
そして、燃料取替機制御装置30は、第1インターフェース31、第2インターフェース32及び実行命令出力部35から構成されている。
第1インターフェース31は、画面フォームの蓄積部34から設定入力フォーム(図2)をダウンロードして操作画面に表示させる。
【0012】
この設定入力フォーム(図2)には、クレーン把持部が掴み動作を行う掴み位置(移動元の位置)の座標及びクレーン把持部が放し動作を行う放し位置(移動先の位置)の座標を入力するための入力エリア36(36a,36b)と、これら座標入力を確定したり取消したりするボタン38とが設けられている。
燃料取替機制御装置30の操作員は、設定入力フォーム(図2)に現れるカーソル37により入力エリア36やボタン38を指定して操作を実行する。
【0013】
第2インターフェース32は、画面フォームの蓄積部34から装荷位置フォーム(図3)をダウンロードして操作画面に表示させる。
装荷位置フォーム(図3)は、炉心41の水平断面をグラッフィク化したもので、装荷位置情報13(13a,13b)に連携した座標系により、燃料集合体42(図3)又は制御棒43の装荷位置を規定している。
【0014】
この装荷位置フォーム(図3)の座標系で表される座標データが、設定入力フォーム(図2)の入力エリア36(36a,36b)に、入力されることになる。
そして、この入力エリア36(36a,36b)のそれぞれに座標データを入力し、確定ボタン38を押すと、この座標データが実行命令出力部35に伝送される。
【0015】
実行命令出力部35は、インストールされているプログラム、第1インターフェース31から伝送された座標データ及び装荷位置情報13aに基づいてクレーンを自動操作する実行命令を出力する。
さらに、実行命令出力部35は、第1インターフェース31から伝送されクレーンの実行命令の生成に利用した座標データを、さらに第2インターフェース32に伝送する。
これにより装荷位置フォーム(図3)における対応する装荷位置のグラフィックが、掴み位置44又は放し位置45であることを示すシンボルに変化する。
なお、図3において燃料集合体42の装荷位置に関する掴み位置44又は放し位置45についてシンボルの状態変化を示しているが、制御棒43についても同様にシンボルを状態変化させて示すことができる。
【0016】
検査装置10は、実施形態において、第1インターフェース31に直結させた第1検査装置10aと、第2インターフェース32に直結させた第2検査装置10bとから構成されているが、一つにまとめることもできる。
これら検査装置10(10a,10b)は、汎用のパーソナルコンピュータで実現することができる。
【0017】
第1リモート表示部11は、燃料取替機制御装置30にリモートアクセスして第1インターフェース31に表示されている設定入力フォーム(図2)をリモート表示する。
そして、第1リモート表示部11は、検査装置10a側で、設定入力フォーム(図2)のカーソル37、入力エリア36(36a,36b)及びボタン38を操作して、座標データを、燃料取替機制御装置30の実行命令出力部35に伝送させることができる。
【0018】
シーケンス情報生成部14は、装荷位置情報13に基づいて記述されている掴み位置44及び放し位置45の作業順番を、装荷位置フォーム(図3)の座標系に基づいて記述し直す。
さらにシーケンス情報生成部14は、この作業順番を、設定入力フォーム(図2)におけるカーソル37、入力エリア36(36a,36b)及びボタン38に対する一連の操作データに変換したシーケンス情報15aを生成する。
【0019】
全ての燃料集合体42及び制御棒43に対して検査を実施するとなると、設定入力フォーム(図2)の入力パターンは、数千通りとなる。
このためシーケンス情報15aは、このように膨大な数の入力パターンを、検査順番に従って次々と設定入力フォーム(図2)に設定できるように構成されている。
【0020】
設定入力部16は、取得したシーケンス情報15aに記述されている掴み位置44及び放し位置45の座標データを、作業順番に従って設定入力フォーム(図2)に、順次、自動入力させる。
この設定入力部16により、設定入力フォーム(図2)の入力エリア36(36a,36b)に座標データが入力されボタン38が押される度に、第2インターフェース32に表示された装荷位置フォーム(図3)において、掴み位置44及び放し位置45を示すシンボルの位置が更新されることになる。
【0021】
第2リモート表示部12は、燃料取替機制御装置30にリモートアクセスして第2インターフェース32に表示されている装荷位置フォーム(図3)をリモート表示する。
表示キャプチャ部17は、この第2リモート表示部12にリモート表示されている装荷位置フォーム(図3)を、設定入力部16における設定入力の個々のタイミングに同期してキャプチャする。
【0022】
つまり、複数の設定入力フォーム(図2)の入力パターンのそれぞれに対応する複数の装荷位置フォーム(図3)をハードコピーした画像データが得られる。
このようにして得られた複数の装荷位置フォーム(図3)の画像データは、蓄積部18に逐次蓄積される。
これにより。設定入力フォーム(図2)の入力パターンの数が膨大である場合であっても、対応する装荷位置フォーム(図3)の画像データを、短期間のうちに自動的に取得することができる。
【0023】
なお、蓄積部18に蓄積される装荷位置フォーム(図3)の画像データは、設定入力フォーム(図2)への入力座標データに関連したファイル名を採用するとよい。
そのためには、設定入力部16から表示キャプチャ部17に伝送されるシャッター信号Sは、対応する装荷位置フォーム(図3)に入力した座標データを情報として組み込んだものとする。
【0024】
位置識別部19は、キャプチャされ蓄積部18に蓄積されている装荷位置フォーム(図3)の画像データを読み込んで、掴み位置44及び/又は放し位置45がグラフィックされているシンボルの位置を識別する。
【0025】
図4は、装荷位置フォーム(図3)における炉心水平断面のグラフィックを構成する要素シンボルを例示したものである。
このように、炉心水平断面のグラフィックを構成する要素シンボルは、RGB発光するピクセルの集合体として表されている。
よって、装荷位置フォーム(図3)に表示される掴み位置44及び放し位置45の座標データは、シンボルを構成するピクセル集合体の形状及び色彩に基づいて、識別することが可能である。
【0026】
判定部21は、シーケンス情報15bに照らし第1インターフェース31の設定入力と第2インターフェース32のグラフィック内の識別位置とが一致しているか否かを判定する。つまり、蓄積部18に逐次蓄積されている装荷位置フォーム(図3)の画像データの蓄積順番(又はファイル名)と、グラッフィック中のシンボルの位置情報とから、一致/不一致に関する判定を行うことができる。
【0027】
記録テーブル生成部22は、一連の作業における全ての掴み位置44及び放し位置45に対する判定結果を記録したテーブル(図5)を生成する。
図5に示すように記録テーブルは、クレーンの操作対象(燃料集合体42又は制御棒43)、動作(掴み、引抜、放し)及び座標データが記載されている検査項目と、それぞれの検査項目における判定結果(良/不良)と、それぞれの検査項目の判定時刻とが記載されている
【0028】
また装荷位置フォーム(図3)を、記録テーブル(図5)の検査項目に紐付けて蓄積部18に登録する。
これにより、カーソルを記録テーブル(図5)上の特定の検査項目に合わせると、対応する装荷位置フォーム(図3)を、ポップアップ表示させることができる。
このような、記録テーブルは、検査装置10の表示部(図示略)で閲覧することができるとともに、検査成績書として出力することができる。
これにより、検査作業のエビデンスを残して、後日参照することが容易になる。
【0029】
そして、記録テーブル(図5)の判定結果に不良が存在する場合は、実行命令出力部35にインストールされているプログラムに不具合があるということになる。
よって、そのような場合は、プログラムを修正のうえ、実行命令出力部35に再インストールして、シーケンス情報15aに基づいて、再検査を実施する。
この場合、シーケンス情報15aに記述されている全ての座標データを最初から設定入力フォーム(図2)に、順次、自動入力させるとなると、処理時間が膨大となる。
【0030】
そこで、設定入力部16において、シーケンス情報15aに記述されている複数のうち不良の判定結果である検査項目を指定して、その掴み位置及び放し位置を設定入力する。
これにより、指定した検査項目に対応する装荷位置フォーム(図3)のみが画像データとしてキャプチャされ、再度、判定に付されることになる。
そして生成部22は、設定入力部16で指定された検査項目の判定結果をテーブル(図5)に対し上書き記録する。
これにより、一回目の検査で不良の判定結果が発見され、プログラム修正した場合であっても、最初から検査をやり直す必要がなくなり、検査期間を短縮させることができる。
【0031】
図6のフローチャートに基づいて検査装置の動作を説明する。
燃料取替機制御装置30の第1インターフェース31に第1検査装置10aを接続して設定入力フォーム(図2)をリモート表示させ(S11)、第2インターフェース32に第2検査装置10bを接続して装荷位置フォーム(図3)をリモート表示させる。
また、一方で設定入力フォーム(図2)に入力する掴み位置及び放し位置を作業順番に従って記述したシーケンス情報15を生成する(S12)。
【0032】
リモート表示された設定入力フォーム(図2)に、シーケンス情報の掴み位置44及び放し位置45を作業順番に従って設定入力する(S13)。
すると、設定入力された掴み位置44及び/又は放し位置45を第2インターフェース32にグラフィックさせた装荷位置フォーム(図3)が第2検査装置10bにおいてリモート表示される(S14)。
【0033】
そして、リモート表示されている装荷位置フォーム(図3)のグラフィックを、設定入力フォーム(図2)で設定入力したタイミングに同期してキャプチャする(S15)。
さらに、このキャプチャしたグラフィックに含まれる掴み位置44及び放し位置45のシンボルを識別する(S16)。
【0034】
このシンボルとして識別された掴み位置44及び放し位置45が、シーケンス情報15bの対応する順番に記述されている座標データに一致していれば(S17:Yes)、良判定としてテーブル(図5)に記録し(S18,S20)、不一致であれば(S17:No)、不良判定としてテーブル(図5)に記録する(S19,S20)。
このS13からS20までの検査を、検査項目が最後になるまで繰り返し(S21:No,Yes)、テーブル(図5)を検査結果として出力する(S21)。
【0035】
ここで、テーブル(図5)において、判定結果が不良である検査項目がある場合は(S23:Yes)、燃料取替機制御装置30の実行命令出力部35を制御するプログラムに不具合が存在するということになる。
そこで、このプログラムを修正して(S24)、シーケンス情報のうち不良の設定入力に該当する検査項目のみ指定して(S25)、(S13)から(S22)までのフローを実行し、判定結果が全て良になれは、検査終了となる(S23:No,END)。
【0036】
なお、数千通りにわたる設定入力フォーム(図2)の入力パターンを全て検査する場合は、処理に時間が掛かるので、テーブル(図5)が検査結果として出力された時点(S22)に同期して、お知らせメールを所定のアドレスに送信するようにしてもよい。
また、処理が停滞してタイムアウトを検出した場合も、不具合が発生したことのお知らせメールを、所定のアドレスに送信するようにしてもよい。
【0037】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の燃料取替機制御装置の検査装置によれば、燃料取替機制御装置にリモートアクセスすることにより、燃料取替機制御装置の実行プログラムに追加機能を実装させることなく検査を自動化することが可能となる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、燃料取替機制御装置の検査装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、燃料取替機制御装置の検査プログラムにより動作させることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
10…燃料取替機制御装置の検査装置,10b…第1検査装置,10a…第2検査装置,11…第1リモート表示部,12…第2リモート表示部,13(13a,13b)…装荷位置情報,14…シーケンス情報生成部,15(15a,15b)…シーケンス情報,16…設定入力部,17…表示キャプチャ部,18…装荷位置フォームの画像データの蓄積部,19…位置識別部,21…判定部,22…記録テーブル生成部,30…燃料取替機制御装置,31…第1インターフェース,32…第2インターフェース,34…画面フォームの蓄積部,35…実行命令出力部,36(36a,36b)…入力エリア,37…カーソル,38…ボタン,41…炉心,42…燃料集合体,43…制御棒,44…掴み位置,45…放し位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6