特許第6367029号(P6367029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367029
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】携帯用口内ケア具
(51)【国際特許分類】
   A46B 15/00 20060101AFI20180723BHJP
   A46B 5/00 20060101ALI20180723BHJP
   A61C 17/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   A46B15/00 H
   A46B5/00 B
   A61C17/00 T
   A46B15/00 J
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-144123(P2014-144123)
(22)【出願日】2014年7月14日
(65)【公開番号】特開2016-19602(P2016-19602A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2017年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】513229451
【氏名又は名称】足立 弘子
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鮎 澤 義 二
(72)【発明者】
【氏名】足 立 弘 子
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0266361(US,A1)
【文献】 実開平03−088458(JP,U)
【文献】 特開昭58−183159(JP,A)
【文献】 実公昭48−033571(JP,Y1)
【文献】 特表2012−532880(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0222228(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 15/00
A46B 5/00
A61C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が歯ブラシまたはスポンジブラシからなるブラシ部と、
前記ブラシ部の後端に取り付けられ、使用者の押圧により内部のケア剤が前記ブラシ部に押し出されるボールと、
前記ブラシ部に連結される第1の柄と、
前記第1の柄を収納孔にスライド可能に収納する第2の柄と、
前記第1の柄の長手方向の後端側2箇所に設けられ、短手方向両側に突出し、前記収納孔の内面に接触して摩擦を有する複数の係合突起と、
前記第2の柄の前端側に設けられ、前記収納孔の内周に設けられる環状の溝かならなる係合凹部と、
前記第2の柄の後端に取り外し可能に設けられる歯間ブラシ、楊枝または舌苔落しと、が備えられることを特徴とする携帯用口内ケア具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用口内ケア具に係り、より詳しくは、柄を伸長できる携帯用口内ケア具に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の歯ブラシは長さが約15cmで、携帯に便利な8cm程度の小さいものもあるが、柄の部分があまりに短くて持ちにくい。特許文献1の「折りたたみ式舌苔ブラシ付き歯ブラシ」は、舌苔ブラシが柄にヒンジで取り付けられる。このようなヒンジで柄を延ばすことが考えられるが、使用時に柄がヒンジの部分で折れ曲がってしまうので使いにくい。
【0003】
特許文献2には、口内に付着した汚れをスポンジで拭き取る「柄付き口内清掃スポンジブラシ」が示されている。これを携帯に便利なように柄を短くすることが望まれる。しかしながら、柄を短くすると携帯には適したものとなるが、使用する時は柄が短いので持ちにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−51841号公報
【特許文献2】特開2005−245991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、歯ブラシやスポンジブラシの柄を伸長できる携帯用口内ケア具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による携帯用口内ケア具は、先端が歯ブラシまたはスポンジブラシからなるブラシ部と、前記ブラシ部の後端に取り付けられ、使用者の押圧により内部のケア剤が前記ブラシ部に押し出されるボールと、前記ブラシ部に連結される第1の柄と、前記第1の柄を収納孔にスライド可能に収納する第2の柄と、前記第1の柄の後端側2箇所に設けられ、柄の短手方向両側に突出し、前記収納孔の内面に接触して摩擦を有する複数の係合突起と、前記第2の柄の前端側に設けられ、前記収納孔の内周に設けられる環状の溝かならなる係合凹部と、前記第2の柄の後端に取り外し可能に設けられる歯間ブラシ、楊枝または舌苔落しと、が備えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明による携帯用口内ケア具は、(1)柄を第1の柄と第2の柄から構成し、第2の柄に、第1の柄をスライド可能に収納したので、第1の柄を第2の柄の係合孔から引き出して伸長することができる。そのため手に持ちやすい。(2)第1の柄には、複数の係合突起を設け、第2の柄には、係合孔の内周に係合凹部を設けたので、係合突起と係合凹部を係合させて、第1の柄が抜け出ないように、留め置くことができる。(3)第1の柄が第2の柄にスライド可能に収納されるので、柄を短くでき、カバンなどに入れて持ち運ぶのに便利にできる。
【0010】
係合凹部を環状の溝としたので、第1の柄を前後方向に動かす場合、第1の柄が回転ぶれしても係合突起が環状の溝に係合できる。
【0011】
口内ケアに必要な歯間ブラシ、楊枝または舌苔落しが、第2の柄の後端に交換可能に取り付けられるので、さらに使いやすいものとできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用歯ブラシの正面図である。柄は縮退された状態にある。
図2】本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用歯ブラシの正面図である。柄は伸長された状態にある。
図3】本発明による携帯用口内ケア具、携帯用歯ブラシの平面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5図2に示すブラシ部と第1の柄の正面図である。
図6】本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用スポンジブラシの正面図である。柄は縮退された状態にある。
図7】本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用スポンジブラシの正面図である。柄は伸長された状態にある。
図8】第2の柄の後端に歯間ブラシを取り付けた図である。
図9】第2の柄の後端に楊枝を取り付けた図である。
図10】第2の柄の後端に舌苔落しを取り付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明による携帯用口内ケア具について説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の携帯用口内ケア具で、携帯用歯ブラシの正面図である。柄2は縮退された状態にある。携帯用口内ケア具50として携帯用歯ブラシ50aを取りあげる。携帯用歯ブラシ50aは長さが約8cmで、通常の15cmのものより短く携帯用歯ブラシとして適している。ブラシ部1は歯ブラシ1aからなる。柄2は第1の柄2aと第2の柄2bからなり、第1の柄2aが第2の柄2bの収納孔3に収納されるので、携帯用歯ブラシ50aの柄2を、全体に短くできる。なお、携帯用歯ブラシ50aは使い捨て商品とすることができる。
【0015】
図1に示すように、第1の柄2aが第2の柄2bの収納孔3に収納される。その場合、第1の柄2aの2つの係合突起4が、第2の柄2bの収納孔3の内面に接触している。摩擦があるが、容易に第1の柄2aを引き出すことができる。
【0016】
図2は、本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用歯ブラシの正面図である。柄2は伸長された状態にある。図3は、本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用歯ブラシの平面図である。柄2は伸長された状態にある。図2図3に示すように、第1の柄2aが第2の柄2bの収納孔3から引き出して、柄を長くすることができる。そのため、柄2を約13cmにできる。柄2が長いので、柄2を手で握りやすい。
【0017】
図2に示すように、第1の柄2aが第2の柄2bの収納孔3から引き出され、最大に伸長された場合、図1左側の環状の溝5aに、第1の柄2aの係合突起4が係合する。環状の溝5aは、ブラシ部1を引き出す際、第1の柄2aが回転してぶれても係合突起4を環状の溝5aに係合できる。係合状態では環状の溝5aの壁が係合突起4に当接するので、第1の柄2aが留め置かれ、その状態を維持できる。係合突起4を環状の溝5aに係合させ留め置くことができるが、力を加えて引き出すと、第1の柄2aが収納孔3から外れる。
【0018】
図4は、図3のA−A断面図である。図4に示すように、第2の柄2bの収納孔3には、内周に係合凹部5が設けられる。係合凹部5は、円周方向に延びる環状の溝5aとした。図4では、環状の溝5aの内径は、収納孔3の内径より少し大きくしてあるが、係合突起4を環状の溝5aにきつく係合させるのであれば、環状の溝5aに縁取りをして、環状の溝5aの内径を収納孔3の内径より小さく形成することで対応できる。
【0019】
図5は、図2に示すブラシ部1と第1の柄2aの正面図である。図5に示すように第1の柄2aには、複数の係合突起4を設けた。ブラシ部1の後端にはケア剤が収納されたボール6を設けた。ケア剤は、歯磨き剤が収納される。歯磨きの前に指でボール6を押圧して歯磨き剤を歯ブラシ1aの中に押し出す。ボール6は、出口がシールされており圧力で破れるようになっている。なお、ボール6は、歯磨き剤を押し出し後、引っ張って取り外すことができる。また、ボール6は歯ブラシ1aの中に配置してもよい。その場合は、歯でボール6を噛んで歯磨き剤を押し出す。
【0020】
図6は、本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用スポンジブラシの正面図である。柄2は縮退された状態にある。携帯用口内ケア具50として携帯用スポンジブラシ50bを取りあげる。携帯用スポンジブラシ50bは長さが約8cmで、通常の15cmのものより長さが短いので、携帯用スポンジブラシとして適している。ブラシ部1には円筒形のスポンジブラシ1bが設けられる。スポンジブラシ1bは、ボール6から洗浄液をスポンジ内に押し出して湿らせておき、口内の汚れを取ることができる。ボール6は、口の中では、洗浄時の障害になるので引っ張って取り外すことができる。柄2は、第1の柄2aと第2の柄2bからなり、第1の柄2aが第2の柄2bの収納孔3に収納される。そのため、携帯用歯ブラシ50aの柄2を、短くできる。
【0021】
図7は、本発明による携帯用口内ケア具で、携帯用スポンジブラシの正面図である。柄2は伸長された状態にある。柄2の内部構造は、図4図5に示す携帯用歯ブラシ50aの場合と同じである。携帯用スポンジブラシ50bは、スポンジブラシ1bを回転させながら口内の汚れを取るが、環状の溝5aと係合突起4の係合をきつくせず回転を容易としてもよい。これによれば、第1の柄2aを親指と人差し指で挟んで回転させ、第2の柄2bは薬指と手のひらで動かないように保持することができる。スポンジブラシ1bと第1の柄2aは、図1の第2の柄2bに交換可能に装着できるので、携帯用歯ブラシ50aに、スポンジブラシ1bと第1の柄2aをセットとして添付してもよい。
【0022】
図8は、第2の柄2bの後端に歯間ブラシ7を取り付けた図である。図9は、第2の柄2bの後端に楊枝8を取り付けた図である。図10は、第2の柄2bの後端に舌苔落し板9を取り付けた図である。歯間ブラシ7、楊枝8、及び舌苔落し板9は、交換可能に第2の柄2bに取り付けできる。歯間ブラシ7、楊枝8、舌苔落し板9に第1の柄2aを取り付け、第2の柄2bの前端に交換可能に取り付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明による携帯用口内ケア具は、柄を伸長できるので手に握りやすく、また柄を縮退させて短くできるので携帯に適する。
【符号の説明】
【0024】
1 ブラシ部
1a 歯ブラシ
1b スポンジブラシ
2 柄
2a 第1の柄
2b 第2の柄
3 収納孔
4 係合突起
5 係合凹部
5a 環状の溝
6 ボール
7 歯間ブラシ
8 楊枝
9 舌苔落し板
50 携帯用口内ケア具
50a 携帯用歯ブラシ
50b 携帯用スポンジブラシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10