特許第6367060号(P6367060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ URO電子工業株式会社の特許一覧

特許6367060形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器
<>
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000002
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000003
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000004
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000005
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000006
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000007
  • 特許6367060-形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367060
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルならびに同軸ケーブル付き接栓および同軸ケーブル付き分波・分配器
(51)【国際特許分類】
   H01B 11/18 20060101AFI20180723BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20180723BHJP
   H01B 7/40 20060101ALI20180723BHJP
   H01R 24/52 20110101ALI20180723BHJP
【FI】
   H01B11/18 D
   H01B7/18 Z
   H01B7/40 307Z
   H01R24/52
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-184493(P2014-184493)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-58276(P2016-58276A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000120076
【氏名又は名称】URO電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100077609
【弁理士】
【氏名又は名称】玉真 正美
(72)【発明者】
【氏名】今 井 愼 一
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−174635(JP,A)
【文献】 特開2009−302905(JP,A)
【文献】 特開2003−032655(JP,A)
【文献】 特開2013−131481(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3032624(JP,U)
【文献】 米国特許第05212350(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 11/00
H01R 24/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲形状を保持し得るフレキシブルチューブと、
前記フレキシブルチューブ内に収容された同軸ケーブルと
をそなえた形状保持可能な屈曲性同軸ケーブル。
【請求項2】
請求項1記載の形状保持可能な屈曲性同軸ケーブルにおいて、
前記フレキシブルチューブは、鋼製丸線を密巻きして形成したチューブの外側に、異形線を巻き付けて形成されたものであることを特徴とする形状保持可能な屈曲性同軸ケーブル。
【請求項3】
請求項1記載の同軸ケーブルの少なくとも一端に、同軸接栓が設けられたことを特徴とする形状保持可能な屈曲性同軸ケーブル付き同軸接栓。
【請求項4】
請求項1記載の同軸ケーブルの少なくとも一端に、信号分波器または信号分配器が設けられたことを特徴とする形状保持可能な屈曲性同軸ケーブル付き信号分波・分配器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブルに係わり、とくに屈曲性を有しかつ屈曲後の形状を保持し得る同軸ケーブル、ならびにこの同軸ケーブルと組み合わされた接栓および信号分波・分配器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばTV信号用の同軸ケーブルは、配線の引き回しのため屈曲性が要求されている。
【0003】
一方、接続すべき機器に対して接栓等により接続された状態では、同軸ケーブルは、壁等の所定の対象に固定されるのが通例である。この場合、接栓周辺で、同軸ケーブルを屈曲させてケーブルタイ等により機器に固定するとか、結束材により纏めるとかの処理をし、さらには固定対象に留める等の処置をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−229355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すなわち、同軸ケーブルは、その可撓性により屈曲させるには好都合であるが、反面、形状が不定であるからそれ自体を形状保持させて固定することはできない。
【0006】
そして、配線後に同軸ケーブルを固定させるには壁等の固定対象が必要であるうえに、ケーブルタイ等の固定材が必要であり、しかも固定作業の作業性は必ずしもよくない。
【0007】
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、屈曲性および形状保持性を併せ持った同軸ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、本発明では、
屈曲形状を固定し得るフレキシブルチューブと、
前記フレキシブルチューブ内に収容された同軸ケーブルと
をそなえた形状を固定し得る屈曲可能な同軸ケーブル、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述のように、屈曲性のある同軸ケーブルを、形状を保持し得るフレキシブルチューブ内に収容したため、屈曲後の形状を保持し得る同軸ケーブルを提供することができる。併せて、この同軸ケーブルを用いることにより設置工事が簡単化された同軸接栓、および信号分波・分岐器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ねじ式接栓に本発明に係る同軸ケーブルを適用した本発明の一実施例を示す、一部を断面表示した斜視図。
図2図2(a)は、図1に示した実施例の接栓端面を示す図であり、図2(b)は、上半分が同実施例の部分縦断面図で、下半分がその外観図。
図3図2(b)のA部を拡大して示した部分断面図。
図4】プッシュ式接栓に本発明に係る同軸ケーブルを適用した本発明の他の実施例分波・分配器に、本発明に係るねじ式接栓付きの同軸ケーブルを適用した本発明の更に他の実施例を示す斜視図。を示す、一部を断面表示した斜視図。
図5図5(a)は、図4に示した実施例の接栓端面を示す図であり、図5(b)は、上半分が同実施例の部分縦断面図で、下半分がその外観図。
図6】分波・分配器に、本発明に係るねじ式接栓付きの同軸ケーブルを適用した本発明の更に他の実施例を示す斜視図。
図7】分波・分配器に、本発明に係るプッシュ式接栓付きの同軸ケーブルを適用した本発明の更に他の実施例を示す斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、ねじ式接栓に本発明に係る同軸ケーブルを適用した本発明の第1の実施例を示す一部を断面表示とした斜視図であり、この場合、同軸ケーブル10の一端つまり図における左手前端に同軸接栓20が取り付けられており、両者の結合点は、樹脂製カバー30で覆われている。
【0013】
ここで、同軸ケーブルは、TV信号用の同軸ケーブルの外周に、フレキシブルチューブと呼ばれ、屈曲性を有し屈曲後の形状を保持し得る金属製のチューブが被せられている。
【0014】
このため、同軸接栓20を対象機器に接続した後、同軸ケーブル10を任意形状に屈曲させると、その形状を保持する。例えば、同軸ケーブル10の図示右端を上下左右に曲げれば、曲げた後の状態、つまり先端が上向き、下向き、左向き、右向きの状態を保持する。
【0015】
したがって、同軸接栓20を例えば下向きに取り付けると、同軸ケーブル10を垂直方向に自立させた状態とすることができ、固定対象も固定具も必要としない。
【0016】
ねじ式接栓は、TV端子への挿、脱時に6角ナットを回転させるため、同軸ケーブルには軸周り方向の力が作用することを考慮する必要がある。
【0017】
図2は、本発明の第1の実施例の構造を示しており、図2(a)は、本発明の第1の実施例における同軸接栓側の端面形状を、図2(b)は同じく同軸接栓を含む同軸ケーブルの部分を一部断面として図示した説明図である。
【0018】
図2(a)は通常のF型接栓の端面図と同様であるが、図2(b)では同軸ケーブル10の部分にフレキシブルチューブを被せてある点が、通常の同軸接栓と同軸ケーブルとの関係とは異なる。
【0019】
すなわち、同軸ケーブル10は、外層がフレキシブルチューブであり、このフレキシブルチューブは、内側の鋼製丸線つまり円形断面線のコイル11aの外側に、異形線の一種である三角断面線のコイル11bが組み合わせてあり、これら両コイルの係合関係により屈曲性を持ちながら形状保持性を持つ特性が得られる。
【0020】
同軸ケーブルは、中心から外層に向かって芯線12a、樹脂製絶縁層12b、編組12cおよび外皮12dが設けられており、外皮12dの外側に,フレキシブルチューブが配されている。
【0021】
そして、芯線12aは同軸接栓20の中心導体23に接続され、編組12cは同軸接栓20の外側導体21,22に圧接状態で接続されている。さらに、同軸ケーブル10と同軸接栓20との境界部分は、樹脂製カバー30により覆われている。
【0022】
図3は、図2(b)におけるA部分を拡大して示したものである。断面表示部分の最下層に同軸ケーブルの芯線12aがあり、同軸接栓の中心導体23に接続されている。芯線12aに接して樹脂製絶縁層12bが配され、その上層に編組12c、外皮12dが順次配されている。
【0023】
そして、外皮12dの外層に、フレキシブルチューブ11の円形断面線コイル11a、三角断面線コイル11bが重ねて配されており、フレキシブルチューブ11の図示左端が編組12cと接続されている。さらに、フレキシブルチューブ11の外層に同軸接栓の外側導体(シェル)22が配されて、最外層を樹脂製カバー30が覆っている。
【実施例2】
【0024】
図4は、プッシュ式同軸接線に適用した本発明の第2の実施例を示す斜視図である。この実施例では、第1の実施例におけるねじ式接栓に替えて、プッシュ式接栓に本発明を適用している。
【0025】
プッシュ式接栓は、TV端子への挿、脱を直線的に押し込み、引き抜きすることで行うもので、ねじ式のような回転操作によるものではない。このため、同軸ケーブルには、TV端子への挿、脱の度に軸方向の力が作用することを考慮する必要がある。
【0026】
図5(a),(b)は、第2の実施例の構造を示しており、図5(a)は、図4に示した実施例の接栓端面を示す図であり、図5(b)は、上半分が同実施例の部分縦断面図で、下半分がその外観図である。
【0027】
この図5(a),(b)に示すように、接栓は、同軸ケーブル10の芯線に接続された中心導体23と、同軸ケーブルの編組に接続された外側導体21,22とにより構成される。同軸ケーブル10は、円形断面線コイル11a、三角断面線コイル11bにより構成されるフレキシブルチューブ内に収容されている。そして、接栓20と同軸ケーブル10との接続部分は、樹脂製カバー30により覆われている。
【実施例3】
【0028】
図6は、図1に示した第1の実施例を分波・分配器に適用した第3の実施例を示しており、2本の同軸ケーブル10の各一端に、接栓20および樹脂製カバー30を有し、各他端を分波・分配器40および接栓座50に接続した構成となっている。
【実施例4】
【0029】
図7は、図4に示した第2の実施例を分波・分配器に適用した第4の実施例を示しており、2本の同軸ケーブル10の各一端に、接栓20および樹脂製カバー30を有し、各他端を分波・分配器40および接栓座50に接続した構成となっている。
【0030】
す斜視図。
【符号の説明】
【0031】
10 形状保持可能な屈曲性同軸ケーブル、
11a 円形断面線コイル、11b 三角断面線コイル、12a 芯線、
12b 絶縁層、12c 編組、12d 外皮、
20 接栓、21,22 外側導体、23 中心導体、
30 樹脂製カバー、40 分波・分岐器、50 接線座。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7