(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1取付構造体と前記第2取付構造体が、前記バネアセンブリーが大腿骨又は脛骨に接触しないように前記バネアセンブリーを位置決めしていることを特徴とする請求項1に記載の膝支持装置。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび他の哺乳類はどちらも脊椎動物として知られている亜門に属する。脊椎動物を決定づける特徴は、背骨または脊髄、脳頭蓋および内部骨格だと考えられている。生物学では、骨格または骨格系は、生体において身体的支持を与える生体組織である。骨格系は、一般に、外部(外骨格)、内部(内骨格)および流体系(水力学的骨格)の3種類に分けられる。
【0003】
内部骨格系は、筋肉組織によって動かされる体内の剛性(または半剛性)構造からなる。それらの構造が、ヒトおよび他の哺乳類の体内におけるように、石灰化または骨化されると骨と呼ばれる。軟骨は、骨格系の別の一般的な構成要素であり、骨格を支持および補完する。ヒトの耳や鼻は軟骨によって形作られている。例えばサメなどの一部の生物は、軟骨のみからなる骨格を有し、石灰化骨を全く有しない。骨または他の剛性構造は、靱帯によって互いに結合し、腱を介して筋肉組織に結合されている。
【0004】
関節は、2つ以上の骨が接触する部位である。関節は、動きを可能にしかつ機械的支持を与えるように構成されており、構造および機能によって分類されている。構造上の分類は、骨と骨の結合方法によって決まり、機能上の分類は、関節骨間の動きの程度によって決まる。実際には、この2種類の分類にはかなりの重複がみられる。
【0005】
関節は構造的に3種類の関節、すなわち、線維性すなわち不動関節、軟骨性関節および滑膜関節に分類される。線維性/不動骨は、主にコラーゲンからなる密性結合組織によって結合されている。線維性関節は、さらに以下の3種類に分類される:
頭蓋骨の骨の間に見られる縫合
身体の長骨間に見られる靭帯結合
上顎骨または下顎骨における歯根と歯槽の結合部である釘植
【0006】
軟骨性骨は、完全に軟骨によって結合されている(「軟骨結合」としても知られている)。軟骨性関節は、線維性関節よりも骨間での動きを可能とするが、高い可動性を有する滑膜関節ほどの動きは可能としない。滑膜関節は、関節骨間に滑液のための空間を有する。滑膜関節は、3種類の中で最も可動性の高い関節を含み、膝や肩が含まれる。これらは、球関節、顆状関節、鞍関節、蝶番関節、車軸関節および平面関節にさらに分類される。
【0007】
また、関節は、関節によって可能となる可動性の程度により機能によって分類することもできる。不動結合関節では可動性は僅かまたは皆無である。不動結合関節は2つの骨の結合方法によって分類することができる。すなわち、軟骨結合は、2つの骨が1つの軟骨で結合されている関節である。骨癒合は、当初は分離されていた2つの骨が子供が大人に近づくにつれて最終的に結合することである。対照的に、半関節では僅かな動きが可能である。関節における2つの骨の表面はどちらもヒアリン軟骨で覆われており、線維軟骨の繊維によって結合されている。半関節のほとんどが軟骨性である。
【0008】
最後になるが、可動関節では様々な動き(例えば、屈曲、内転、回内)が可能である。
滑膜関節のみが可動結合であり、6つの種類に分けることができる:1.球関節(例えば、肩関節または股関節および大腿関節);2.蝶番関節(例えば、肘関節);3.車軸関節(例えば、橈骨および尺骨);4.顆状関節(すなわち楕円関節)(例えば、橈骨と手根骨の間の手首、または膝関節);5.鞍関節(例えば、母指手根中手関節);6.平面関節(例えば、手根間の関節)。
【0009】
滑膜関節(すなわち可動関節または可動結合の関節)は、体内で最も一般的かつ最も可動性を有する種類の関節である。体内の全ての他の関節と同様に、滑膜関節も関節骨の接触点で動きを達成する。滑膜関節は、構造上および機能上の違いによって体内の他の2種類の関節と区別されるが、主な構造上の違いは、関節骨間に腔が存在し、その腔内が動きを助ける流体によって占められていることである。可動関節全体が靭帯嚢(ligamentous sac)すなわち関節嚢または関節包に包まれている。関節における2つの骨の表面は、軟骨で覆われている。軟骨の厚さは関節ごとに異なり、厚さが一様でない場合もある。関節軟骨は多層をなしている。薄い表層によって、2つの骨が互いに滑動するための平滑な表面が得られる。その全ての層のうち、表層が最も高濃度のコラーゲンおよび最も低濃度のプロテオグリカンを有し、そのため、せん断応力に対する大きな耐性を有する。表層よりも深くに中間層があり、中間層は、衝撃を吸収するように機械的に設計されており、負荷を効率的に分散させる。最深層は、高度に石灰化されており、関節軟骨を骨に固定する。2つの表面がぴったりと適合しない関節では、関節内の半月板すなわち線維軟骨からなる複数の襞によって適合度合いを補正し、安定性および負荷力の最適な分散を確保する。滑膜は、関節包内の非軟骨性表面全体を覆う膜である。滑膜は滑液を関節内に分泌し、それにより関節軟骨に栄養を与え、潤滑化する。滑膜は、血管および神経を含む細胞組織の層によって関節包から分離されている。
【0010】
軟骨は密性結合組織の1種であり、上に示したように、身体の関節の機能性の重要な部分を形成する。軟骨は、コラーゲン線維および/またはエラスチン繊維、および軟骨細胞と呼ばれる細胞からなり、それら全てがマトリックスと呼ばれる堅いゲル状基質に埋め込まれている。関節軟骨は無血管性であり(血管を全く含まない)、栄養分はマトリックスを通して拡散される。軟骨は、骨沈着をその上で開始させることができるフレームワークを提供し、関節骨を動かすための平滑な表面を提供することを含む、いくつかの機能を担う。軟骨は、関節、胸郭、耳、鼻、気管支および椎間板の間を含む体内の多くの場所に存在する。主に3種類の軟骨、すなわち、ヒアリン軟骨、弾性軟骨および線維軟骨が存在する。
【0011】
軟骨細胞は、軟骨内に存在する唯一の細胞である。軟骨細胞は、軟骨マトリックスを生成および維持する。実験的証拠は、細胞がそれらの機械的(応力歪み)状態に対して感受性を有し、機械的刺激に直接反応することを示している。軟骨細胞の生合成応答は、負荷の周波数および振幅に対して感受性を有することが分かっている(1999年Wongらおよび2001年Kurzら)。最近の実験研究は、過剰な繰り返しの負荷によって細胞死が誘発され、変形性関節疾患で見られるように、形態的障害および細胞傷害が引き起こされる場合があることをさらに示している(2002年Lucchinettiらおよび2003年Sauerlandら)。Islamら(2002年)は、体外で、連続的な周期的静水圧(5MPa、1Hz、4時間)によって、変形性関節症軟骨由来のヒト軟骨細胞でアポトーシスが誘発されることを見い出した。対照的に、周期的な生理学的類似負荷によって、骨関節炎のヒト関節軟骨細胞において形態学的側面および超微形態学的側面の部分的な修復が誘発されることが見い出された(1999年Nerucciら)。
【0012】
網状骨(骨梁または海綿骨としても知られている)も、身体の関節の重要な側面を形成する骨組織の1種である。網状骨は、低い密度および強度を有するが、非常に大きな表面積を有し、長骨の内腔を満たす。網状骨の外層は、血球成分の生成(造血として知られている)が行われる赤色骨髄を含む。また、網状骨は、骨組織の動脈および静脈のほとんどが存在する場所である。第2の種類の硬骨組織は皮質骨として知られており、骨組織の硬い外層を形成する。
【0013】
各種疾患が関節に影響を与える可能性があるが、その疾患の一つは関節炎である。関節炎は、身体の関節に傷害がある病気群である。関節炎は、65歳を超える人々の身体障害の主な原因である。
【0014】
関節炎には多くの形態があり、それらはそれぞれ異なる原因を有する。リウマチ様関節炎および乾癬性関節炎は、体が自己を攻撃する自己免疫疾患である。敗血症性関節炎は、関節の感染によって引き起こされる。痛風関節炎は、関節に尿酸結晶が沈着し、それが原因で炎症が生じることにより引き起こされる。関節炎の最も一般的な形態である骨関節炎は、変形性関節疾患としても知られており、関節が外傷を受けた後、関節の感染の後、あるいは単に老化の結果として生じる。
【0015】
残念なことに、全ての関節炎が痛みを特徴とする。痛みのパターンは、関節炎の種類とその位置によって異なる。リウマチ様関節炎は、一般に朝方に悪化し、初期の段階では、朝のシャワー後に症状が出ない患者が多い。
【0016】
骨関節炎(OA、変形性関節炎または変形性関節疾患としても知られており、「関節症」または「骨関節症」、あるいは、より口語的な言葉では「消耗」と呼ばれることもある)は、関節を覆いかつ関節内のクッションとして機能する軟骨の摩耗によって引き起こされる軽度の炎症によって関節に痛みが生じる状態のことである。骨の表面が軟骨によって十分に保護されない状態になると、患者は、歩行および起立を含む体重負荷時に痛みを伴うようになる。痛みが原因で動きが減少することにより、局所筋肉が委縮し、靱帯がより弛緩することもある。OAは最も一般的な関節炎の形態である。
【0017】
骨関節炎の主な症状は、慢性的な痛みであり、運動機能の喪失および多くの場合硬直を引き起こす。「痛み」は一般に、関連する筋肉および腱における鋭い痛み、あるいは、灼熱感として表現される。OAは、罹患した関節を動かしたり、触れたりした際に、パチパチというノイズ(「摩擦音」と呼ばれる)を引き起こす場合があり、患者は、筋肉の痙攣や腱の収縮を経験することがある。時折、関節が流体で満たされることもある。多湿の気候は、多くの患者の痛みを増加させる。
【0018】
OAは、一般に、手、足、脊椎、および股や膝などの大きな体重を支える関節に影響を与えるが、理論的には、体内のあらゆる関節が罹患する可能性がある。OAが進行するにつれて、罹患した関節がより大きくなり、硬直して痛みを伴い、一日中さらに関節を使用して負荷を与えるほど、通常さらに悪化を感じるため、OAはリウマチ様関節炎とは区別されている。OAの進行に伴い、軟骨はその粘弾性特性および負荷を吸収する能力を失う。
【0019】
一般的に言えば、臨床的に検出可能な骨関節炎の過程は不可逆的であり、典型的な治療は、薬物療法または他の介入治療からなり、これらによりOAの痛みを軽減し、それにより関節の機能を改善することができる。Klaus-Peter Gunther医学博士の「Surgical approaches for osteoarthritis」という記事によれば、ここ数十年間にわたって、痛みを軽減または除去し、進行した骨関節炎(OA)に罹患した患者の機能を改善することを目的として、様々な外科的処置が開発されている。様々なアプローチには、関節表面の保存または修復、人工関節による関節全置換術、および関節固定術が含まれる。
【0020】
関節固定術は、手や足の小さな関節のOAならびに脊椎の変性疾患の治療の適切な代替手段だと言われているが、歩行機能傷害、見かけ上の問題およびさらなる副作用のために、膝などの大きな体重を支える関節には大抵の場合望ましくないとみなされている。関節全置換術は、深刻な関節疾患のための非常に有効な治療として特徴づけられている。さらに、最近開発された関節温存治療モダリティは、将来、新しい関節表面の形成を促進する可能性を有するものであることが分かった。しかし、現時点では、そのような技術によって骨関節炎の関節に対して耐久性のある関節表面を予想通りに回復させることはできないと結論付けられた。従って、骨切り術および関節デブリドマンによる機械的異常の矯正は、なお多くの患者の治療の選択肢と見なされている。さらに、痛みの緩和が得られる骨切り術は、肢のアライメント不良、不安定性および機械的機能障害の関節内の原因を有する患者にとって有益な場合もある。その目標は、関節炎の部分から関節のより健康的な部位に荷重を伝達することである。
【0021】
関節置換術は、現代の整形外科手術において最も一般的で成功を収めている手術の一つである。関節置換術は、痛みを伴う関節炎の摩耗または罹患した関節部分を、関節の動きを可能にする方法で成形された人工の表面と置換することからなる。そのような処置は、侵襲性が高く、相当な回復期間を必要とするため、最終手段的治療である。関節置換術は、全ての関節表面を置換することを示す関節全置換術と呼ばれることもある。これは、1つの骨の関節表面のみを置換する半関節形成術(半分の関節形成)、および、例えば、膝の両表面を置換するが、両側ではなく内側または外側のどちらか一方のみを置換する単顆関節形成術とは対照的である。従って、一般的な用語としての関節形成術は、関節炎または機能不全の関節表面をより良好なものと置換するか、あるいは、骨切り術またはいくつかの他の処置による関節の再構築または再調整によって行われる整形外科の手術法である。また、これらの処置は、比較的長い回復時間およびそれらの侵襲性の高い処置によっても特徴づけられる。現在利用可能な治療は軟骨保護的ではない。以前は、関節形成の一般的な形態は、炎症性の表面を隔離しておくために、皮膚、筋肉または腱などのいくつかの他の組織を挿入する挿入関節形成術、あるいは、間隙を埋めるために瘢痕組織を残して関節表面および骨を除去する切除関節形成術であった。関節形成術の他の形態としては、切除関節形成術、表面再建関節形成術、モールド関節形成術、カップ関節形成術、シリコーン置換関節形成術などが挙げられる。関節の適合を回復または修正するための骨切り術も関節形成術である。
【0022】
骨切り術は、骨を切断してアライメントを改善することを伴う関連した外科的処置である。骨切り術の目標は、関節全体にかかる力を均一にして痛みを緩和し、関節の寿命を延ばすことである。この処置は、より若く、より活動的、またはより体重が大きい患者に対して使用されることが多い。脛骨高位骨切り術(HTO)によって、痛みが軽減し、機能が向上する。しかし、HTOは、靭帯の不安定性には対処せず、機械的アライメントのみに対処するものである。HTOによって、良好な初期結果が得られるが、その結果は経時的に低下する。
【0023】
骨関節炎の治療に対する他のアプローチは、関節に存在する負荷の分析を必要とする。
軟骨および骨はどちらも、関節が受ける負荷に応答および適応する生体組織である。関節表面が相当な期間において無負荷状態にあれば、軟骨は軟化および弱体化する傾向がある。さらに、構造的負荷、特に周期的な構造的負荷を受ける材料の多くと同様に、骨および軟骨はどちらも、それらの極限強度未満の負荷で機能不全の兆候を示し始める。ただし、軟骨および骨はある程度の自己修復能力を有する。また、骨格が破壊的なまでに機能を失う負荷レベルも存在する。従って、骨関節炎および他の病気の治療は、外科医が関節負荷のレベルを正確に制御しかつ指示することができない場合にはひどく阻害されると結論づけられている。さらに、骨折治癒機転研究は、いくつかの機械的刺激によって治癒反応を促進することができ、軟骨/骨移植片または構造物の最適な療法が、時間に応じて、例えば、特定の治療スケジュールに応じて異なるレベルの負荷を必要とするらしいことを示している。従って、治療または療法を受ける関節に対する負荷の制御を容易にし、それにより健康な負荷域内で関節を使用可能にする装置が必要であることが分かっている。
【0024】
骨関節炎の治療に対する特定の他のアプローチは、関節における骨の動きを制御するか、あるいは、関節に交差負荷を適用して負荷を関節の一方の側から他方の側に移動させる支持具または固定装置などの外部装置を想定する。これらのアプローチのいくつかは、痛みの緩和にある程度成功しているが、患者のコンプライアンスが問題となったり、罹患した関節の自然な動きや機能を容易にしかつ支持する能力が欠如したりしている。特に、関節を形成する骨の動きは、指紋と同程度に特徴的であるため、各個人が、それぞれに固有の対処すべき一連の問題を有している。従って、骨関節炎の治療に対する機械的アプローチの適用は限られている。
【0025】
また、骨関節炎の治療に対する従来のアプローチは、その固有の動きと組み合わせた関節の様々な構造の基本的機能の全てを認識することを怠っていた。すなわち、関節における負荷および関節の動きに対処するだけでなく、解剖学的構造の緩衝およびエネルギー吸収機能も認識し、解決法の実行の際に最小侵襲的アプローチを用いるアプローチは存在していない。自然な関節によって伝達される負荷を減少させるように設計された従来の装置は通常、圧縮できない剛体システムを表す。機械的エネルギーは、所与の質量に対する力(F)と変位距離(s)の積である(すなわち、所与の質量Mに対してE=F×sとなる)。これらのシステムは、動作する本体内では変位はゼロとなる(s=0)。装置内に全く変位がないため、装置内にエネルギーの蓄積または吸収は全くないと言えるであろう。
そのような装置は、関節からのエネルギーを吸収せずに伝達する役割を担う。これとは対照的に、自然な関節は剛体ではなく、上述のように、骨、軟骨、滑液、筋肉、腱、靱帯などの異なるコンプライアンス特性を有する要素からなる。これらの動的な要素は、関節の周りのエネルギーを伝達および吸収するように機能する。例えば、軟骨は、付加された力により圧縮するため、生じる力と変位の積は、軟骨に吸収されたエネルギーを表す。また、軟骨は、非線形の力−変位挙動を有し、粘弾性と見なされている。そのようなシステムは、エネルギーの吸収および蓄積だけでなく散逸も行う。
【0026】
従って、関節の痛みを治療する従来の試みにこれまで欠如し、現在必要とされていることは、関節の動きおよび様々な負荷ならびに関節によって与えられる緩衝力およびエネルギーの吸収の両方に対処するアプローチである。
【0027】
本発明は、これらの要求および他の要求を満たすものである。
【発明の概要】
【0028】
簡潔に大まかに言うと、本発明は、罹患したあるいはアライメント不良の身体の構成要素の治療方法に関する。一態様では、本発明は、身体の関節を治療および温存するための方法および装置に具現化される。身体の関節の治療および温存の一態様では、本発明は、関節軟骨の修正を必要としない、関節の痛みを緩和するための方法および患者の皮膚下に埋め込まれる装置に具現化される。好ましい態様では、この装置は、患者の皮膚下であるが関節包の外側に埋め込まれる。特定の態様では、関節の痛みは、骨関節炎によって引き起こされるものである。
【0029】
一実施形態では、本発明は、関節疾患およびアライメント不良に関連する痛みに対処する。現在想定される実施形態では、関節を形成する骨の完全な動きを維持しながら痛みを緩和するために、最小侵襲的なアプローチが利用される。本発明の装置は、通常の歩行時のエネルギーの吸収、自然な関節の少なくとも一部に対する負荷の軽減、負荷の伝達または迂回、エネルギーの緩衝、および負荷の共有または再分配のうちの1つまたは複数を達成する。さらに、そのような負荷操作を行う際には、エネルギーの緩衝および衝撃吸収の両方が考慮される。さらに、想定されるアプローチでは、健康な表面に過剰な負荷をかけずに解剖学的構造の所望の部分に対する負荷が操作されるため、患者の特定の解剖学的構造が考慮される。本発明のアプローチを用いることによって、関節に影響を与える疾患の進行を遅らせることができ、内側側副靱帯(MCL)もしくは外側側副靱帯(LCL)のアライメント、安定性、またはサポートをさらに改善するか、あるいは強化することができると考えられている。
【0030】
好ましい実施形態では、本発明は、自然な関節を通して伝達されるエネルギーを低減させるために、関節にエネルギー吸収器を追加する。
【0031】
本発明は、身体の関節の周りの片側、両側または複数側に使用することができる。
【0032】
本発明は、関節からのエネルギーを伝達するだけでなく、エネルギーを吸収する能力も有する。本発明の最も単純な実施形態には、直線状の弾性バネが組み込まれている。バネのエネルギーの吸収は、力と変位との積として表すことができる。同じ負荷または変位条件下でエネルギーの吸収挙動を変えるために、直線状のバネ要素だけでなく、非直線状のバネ部材を用いることができる。本発明の様々な実施形態を示すために実際のバネが使用されるが、これらの要素は、バネ状の特性を有する材料または他の装置(例えば、弾性部材)と置き換えることもできる。
【0033】
他の実施形態では、バネシステムは、ダッシュポットなどの緩衝装置と連結されていてもよい。これらの実施形態では、バネ要素は、蓄積または吸収装置であり、ダッシュポットは、バネからのエネルギーを散逸させるように機能する。そのような実施形態は、バネの変位速度を変え、それにより、エネルギーの吸収挙動を変える。本発明の様々な実施形態を示すために、より従来の緩衝装置が使用されるが、これらの要素は、緩衝特性を有する材料または他の装置(例えば、微孔スポンジ)と置き換えることもできる。
【0034】
これらの実施形態および従来技術の剛性システムの動作は、力対変位の図(質量は一定とする)を用いて図示することができる。従って、変位を全く許さない剛体システム(装置によるエネルギー吸収が全くみられない)は、エネルギーがバネ定数(すわなち、バネの剛性)に比例して吸収される本発明の単純な直線状のバネシステムならびに吸収されるエネルギーがバネ定数と緩衝装置の関数であるバネと緩衝装置との組み合わせシステムと比較することができる。
【0035】
本発明のエネルギー吸収システムの特定の有利な側面の一つは、このシステムが、関節運動学または負荷条件と無関係に、関節からの一定量のエネルギーを吸収することができる点である。対照的に、先行技術の剛体システム(例えば、カムシステム)は、医師が、無負荷状態で自然な関節を所与の距離だけ分離(すなわち、伸延)しながら剛体システムを取り付けることに基づく。その後、剛体システムは、歩行周期中ずっと、関節の屈曲中もこの距離/伸延を維持する。この伸延を維持するために、剛体は、関節運動学に応じて、幅広い範囲の力を直接伝達しなければならない。
【0036】
本発明のエネルギー吸収システムの別の特に有利な側面の一つは、この吸収システムを、歩行周期時の異なる速度または位置でエネルギーを吸収、散逸および/または伝達し、それにより特定の要求に対してシステムをカスタマイズ可能に設計することができることである。一例として膝関節について考えてみると、バネシステムを緩衝装置に連結して粘弾性体を創出する場合、システムは、激しく急激な衝撃負荷(例えば、跳躍)を吸収し、衝撃イベント後にこれらの負荷を散逸させるように設計してもよい。そのような動作モードは、軟骨の自然の役割に類似している。逆に、システムは、主に、高速の膝の動き(例えば、短距離走/ランニング)時のエネルギー伝達ユニットとして機能するが、普通の速度の動き(例えば、歩行)時にはエネルギー吸収器として機能するように設計することができる。
【0037】
本発明のエネルギーの吸収システムのさらに別の特に有利な側面は、この吸収システムが、病状に応じて、歩行または屈曲周期時の特定の時点で作動するように調整し得ることである。例えば、踵の蹴りによる集中負荷を有する個人は、膝の動きのこの段階でのみ吸収を要する場合があるため、このシステムを歩行周期のこの領域間のみ機能するように調整してもよい。あるいは、ある個人が、大腿顆後面の軟骨の局所的な喪失を有する場合があるため、階段の上りまたは膝立ちが苦痛または問題となる。この状況では、このシステムは、必要な運動学的位置でエネルギーを吸収するように調整され、それにより、罹患部位を支持するだけでなく、通常の膝エネルギー伝達も維持する。
【0038】
本発明の別の有利な態様では、このシステムの構成要素は、容易に取り外しできかつ、必要であれば置換できるように設計されているが、他の要素は恒久的に固定されるものである。恒久的構成要素は、骨の内部成長促進表面を有すことができ、このシステムを骨格構造に固定する役割を担う取付構造体である。取り外し可能な構成要素は、連結部材および/またはピボットまたは玉継ぎ手などのシステムの可動要素を含む。
【0039】
本発明のシステムおよび方法を用いて身体の様々な関節を治療することができる。特に、滑膜関節に関わる関節骨にとって本発明は有益である。従って、膝、足首、肩、股、手および手首の関節への適用が想定される。さらに、本発明は、脊椎などに見られるような軟骨性関節の治療にも適用することもできる。
【0040】
さらに別の態様では、本発明は、身体部位の完全な動きを維持しながら1〜40%のエネルギーまたは負荷の軽減を達成することを目的とする。5〜20%のエネルギーまたは負荷の軽減は、望ましくない負荷の遮蔽に対処せずに痛みの緩和を達成するような特定の状況では望ましいとみなされている。本発明の装置は、身体部位間に最大の負荷が加えられた時点でより大きいエネルギー操作を、部位間の負荷が減少した際により少ないエネルギー操作をさらに与える。このようにして、本発明は、関節に見られるような身体部位の働きを補完する。
【0041】
関節によっては、100%のエネルギーが装置によって吸収されることが望ましく、そのような関節は、手すなわち上肢の関節である。そのような場合には、装置を関節の両側に左右対称に配置することが望ましいこともある。下肢では、重症の場合には、100%のエネルギー吸収が達成可能であるが、これにより装置をより摩耗させ、装置の寿命を縮めてしまうことがある。装置によって困難な時期を乗り越えることが可能であれば、これを受け入れる患者もあり、装置は、その後、患者が関節全置換を受け得る能力に影響を与えることなく容易に再配置または取り外される。
【0042】
本発明の別の実施形態では、エネルギー吸収装置を罹患した関節に埋め込んで周期的な生理学的類似負荷を回復させ、それにより、軟骨細胞を負荷誘導性アポトーシスから保護する。
【0043】
本発明のさらに別の実施形態では、エネルギー吸収装置を罹患した関節に埋め込み、骨関節炎の関節軟骨細胞における形態学的側面および超微形態学的側面の少なくとも部分的な修復を容易にする。
【0044】
本発明の別の実施形態では、エネルギーの吸収装置は、モザイクプラスティ、骨軟骨同種移植術、自家軟骨細胞移植術またはマイクロフラクチャー術などの軟骨修復法を併用して埋め込まれる。そのような補助的処置によって、厳しくないリハビリテーション療法を可能にすると同時に、移植片を保護し、適切な動きで移植片に刺激を与える。
【0045】
本発明の別の実施形態では、エネルギー吸収装置は、単顆置換術または全置換術による人工関節と共に埋め込まれる。そのような組み合わせ法は、人工関節の表面間の負荷および接触力を減少させることによって摩耗率を低下させる。
【0046】
特定の一実施形態では、本発明は、屈曲または伸長時の変化に応答するユニットとして機能する一つまたは複数の要素を利用する装置に具現化される。膝関節への適用では、この装置は、脛大腿関節を跨ぎ、脛骨および大腿骨内に固定され得る曲げバネを形成する。
さらに、この装置は、脛大腿関節の関節表面が受ける負荷の一部を担い、その結果、関節への負荷を軽減するように使用される。一実施形態では、この装置は、膝伸長時の関節の負荷を軽減するように設計されている。この段階における負荷の軽減は、装置の圧縮によって調節される。すなわち、圧縮の増加によって、関節の負荷軽減が促進させる。この装置は、膝の屈曲により生じる装置の伸長を確保する位置に固定される。膝が屈曲状態に移行するつれて、装置の圧縮が解除され、それにより、関節の負荷軽減が皆無または僅かになる。この装置は、装置が圧縮状態に移行する際に装置を正しく位置合わせしかつ座屈を防止する他の特徴を有していてもよい。また、この装置は、屈曲時に負荷の軽減を与えるように構成することもできる。
【0047】
別の特定のアプローチでは、本発明は、それらの少なくとも1つが偏心接触面を有する複数の接触要素を利用するカム係合アセンブリーに具現化される。偏心面を有する1つまたは複数の要素はカムを画定する。再度述べるが、膝関節への適用では、一方の要素が大腿骨に固定され、他方の要素が脛骨に固定される。埋め込まれた装置は、脛大腿関節を跨いでいる。要素の接触の程度、持続時間およびインスタンスは、1つまたは複数のカム要素の特性によって決まる。一実施形態では、カムは、膝が伸長状態の際に関節を跨ぐ装置要素間の接触応力を増加させるように設計されている。接触応力が増加する間、脛大腿関節の関節表面が受ける通常のエネルギーの一部は、装置によって吸収および担当される。
膝が屈曲する間、カムの特性によって生じる関節の負荷軽減に繋がる係合は僅かまたは皆無である。従って、エネルギーの吸収量は、カム要素を支持するバネ要素によって制御される。バネ要素を調節または交換して関節全体におけるエネルギー吸収量を調整することができる。
【0048】
さらに別の特定のアプローチでは、セグメント化支持アセンブリーを用いて、関節の要求に対処する。この概念は、膝の動きの所望の段階で整列して円柱状の支持を与える複数の要素を利用する。一つの用途では、この装置は、膝の伸長段階時に円柱状の支持を与えるように設計されている。すなわち、各要素は、可変式に隣接する要素によって拘束されている。その際、各要素は、伸長時に最小に拘束され、圧縮時に最大に拘束される。伸長に伴って増加する可変な運動束縛または耐性は、累積的効果が、例えば伸長から屈曲に移行する際の脛大腿関節の複雑な動きに適応することができるように設計されている。この装置は、膝の屈曲時の装置の伸長および膝の伸長時の装置の圧縮を決定するように、装着構成要素を介して固定されている。装置の圧縮時は、本装置は、通常脛大腿関節の関節表面が受けるエネルギーの一部を担い、それにより、所望の量だけ、関節に吸収されるエネルギーを減少させる。エネルギー吸収量は、装着構成要素を介して、所望の測定可能な量に調整することができる。このアセンブリーは、装置装着構成要素内または装置要素の対応する表面間のどちらか一方にバネ特性または緩衝特性のどちらか一方を有する要素を用いることによって、無負荷状態から負荷状態への移行に適応する。
【0049】
別のアプローチでは、本発明は、ピストン支持アセンブリーに具現化される。このアプローチは、バネ付きピストン機構を用いて、解剖学的関節が通常受けるエネルギーを吸収させる。ピストンは、規定の経路内を軸方向に移動する部材またはロッドで構成されている。ロッドの軸位置に応じて、圧縮性のバネが係合し、それにより、この機構内に負荷が伝達される。バネが係合されていない場合には、負荷の吸収も伝達も全く生じない。この装置は、互いに内部へ入って、あるいは貫通して移動する剛性かつ同軸の要素を利用することもある。負荷の伝達およびエネルギーの吸収は、バネが係合した際に生じる。このシステムを膝の動きの範囲を妨げずに機能させるために、例えば骨とピストン機構間の固定点を、1つの軸(場合により、複数の軸)の周りに自由に回転できるようにする。また、ピストンは、解剖学的関節の軸に沿って容易に回転するように、その長手軸の周りを回転することができる。
【0050】
また、本発明は、段階的な手順も含む。この態様では、エネルギー吸収システムは、恒久的取付構造体および取り外し可能な連結体で構成されている。恒久的取付構造体には、それらの骨接触面(例えば、多孔質表面、リン酸カルシウムコーティング、テクスチャー加工表面など)上に骨内部成長促進剤が組み込まれている。骨界面を創出するためには適度な負荷を用いてこの界面を刺激することが重要であるが、恒久的に界面に過剰な負荷を与えることによって時期尚早に骨内部成長が妨げられることもある。骨の内部成長を促進するために、システムを動作モードで埋め込むことが可能であり、それにより、システムが少量の負荷を吸収して、界面に適度な負荷条件を創出する。その後の単純な手順は、より大量の負荷を吸収させるためのエネルギー吸収設定を調整するのに適当な埋め込み後の時間に完了させる。
【0051】
また、本発明は、関節エネルギーおよび負荷操作と組み合わせた関節内薬物送達を想定する。想定されるアプローチの一つでは、薬物放出装置に薬物および徐放性薬物担体を充填し、本発明の装置上または装置内などの、罹患またはアライメント不良の関節内またはその近傍の標的領域に配置する。徐放のための様々な薬物および機構も想定される。
【0052】
さらに、特定の態様では、本発明は、性能に関する情報を提供するために検出器を用いることも想定する。例えば、圧力検出器を、機能および負荷の様子を示すために装置または解剖学的構造内またはそれに隣接して配置することができる。埋込物内の検出器によって、非侵襲的な遠隔測定および関節の動きに関する情報の入手を可能としてもよい。遠隔測定は、装置の様々な設定を制御するのに使用可能としてもよい。
【0053】
また、本発明は、磁気共鳴画像法やコンピュータ断層撮影法などの関節診断技術と適合性のある構成要素を想定する。
【0054】
さらに、本発明は、術後の経皮的調節および患者のフィードバックに応答する埋込物の特性の調整を想定する。経皮的アクセスの際に装置の内部張力および/または緩衝設定を検出すること、あるいは、これらの特徴をX線または超音波などの他の非侵襲的モダリティを用いて容易に検出可能とすることが望ましい場合もある。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態の別の態様は、少なくとも一対のエネルギー操作装置をシース内に収容することができる。シースによって、動作中、その領域内に埋込物が存在することによって腱および軟組織が擦過されることを回避することができる。組織が埋込物のシースの周りに被膜を形成することを可能にすることによって、組織は強化され、糜爛の可能性が低下する。また、シースによって、いくつかの実施形態では、連結構成要素の容易な置換性(replaceability)が可能となる、というのは、それらは、さらなる組織破壊を全く生じさせずに本来の構成要素を取り外した後も、シース内に挿入することができるからである。
【0056】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面と共に提示される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。ただし、これらは一例として本発明の原理を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明のエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図2】身体部位の関節動作後の
図1のアセンブリーを示す側面図である。
【
図3】本発明の下部操作アセンブリーの両側(すなわち、外側および内側)への適用を示す正面図である。
【
図4】本発明の曲げバネエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図5】身体部位の関節動作後の
図4のアセンブリーを示す側面図である。
【
図6】
図4のエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図7】一対のバネを含むエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図8】身体部位の関節動作後の
図7のアセンブリーを示す側面図である。
【
図9】ガイドシャフトを含む曲げバネエネルギー操作アセンブリーを示す斜視図である。
【
図10】連動構造体を含むエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図11】螺旋経路に沿って構成された波形を含むエネルギー吸収バネアセンブリーを示す側面図である。
【
図12】耐負荷部材および中央バネを含むエネルギー操作アセンブリーを示す斜視図である。
【
図13】中央バネを有する曲げバネアセンブリーの別の実施形態を示す斜視図である。
【
図14】中央バネを含むさらに別のエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図15】中央バネを有するさらに別の曲げバネアセンブリーを示す斜視図である。
【
図16】停止部材を含む曲げバネアセンブリーを示す斜視図である。
【
図17】圧縮された形態における
図16の曲げバネアセンブリーを示す斜視図である。
【
図18】エネルギー操作アセンブリーの調節可能な取付構造体を示す斜視図である。
【
図19】取付アセンブリーの緩衝構造を示す部分断面図である。
【
図20】耐負荷部材の取付構造体の別の実施形態を示す斜視図である。
【
図21】身体の解剖学的構造内に形成された取付構造体を示す断面図である。
【
図22】
図21に示されている身体の解剖学的構造に固定されたエネルギー操作アセンブリーを示す部分断面図である。
【
図23】身体の解剖学的構造内に実質的に完全に含まれた耐負荷アセンブリーを示す断面図である。
【
図24】
図23に示されているエネルギー操作アセンブリーの拡大図を示す側面図である。
【
図25】関節動作のためのスロットを含む曲げバネエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図26】回動構造体を含む曲げバネアセンブリーの別の実施形態を示す側面図である。
【
図27】回動構造体を含む曲げバネアセンブリーのさらに別の実施形態を示す側面図である。
【
図28】カム係合構造体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーを示す斜視図である。
【
図29】
図28に示されている耐負荷アセンブリーを示す側面図である。
【
図30】エネルギー操作アセンブリーのさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図31】複数のカム面を含むエネルギー操作アセンブリーを示す斜視図である。
【
図32】カム面およびバネ付勢構造を含むエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図33】複数のカム面を含むエネルギー操作アセンブリーのさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図34】カム面および回動下部構造を含むエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図35】カム面と組み合わせられた玉軸受を示す部分断面図である。
【
図36】球状のカム面を用いたエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図37】関節動作後の身体部位と関連させた
図37のアセンブリーを示す側面図である。
【
図38】セグメント化支持下部構造が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図39】スロット付き係合装置がさらに組み込まれた
図38に示されているアセンブリーを示す側面図である。
【
図40】セグメント化支持サブアセンブリーの別の実施形態を示す斜視図である。
【
図41】セグメント化支持サブアセンブリーのさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図42】さらになお別のセグメント化支持サブアセンブリーを示す斜視図である。
【
図43】セグメント化支持サブアセンブリーを形成する部材を示す側面図である。
【
図44】セグメント化支持サブアセンブリーの係脱された部材を示す斜視図である。
【
図45】外側シースに収容されたセグメント化支持アセンブリーを示す斜視図である。
【
図46】長手方向に整列したセグメント化支持アセンブリーおよび屈曲時のその形態の両方を示す斜視図である。
【
図47】バネアセンブリーと組み合わせられた可変な連動連結体を含むセグメント化支持アセンブリーを示す斜視図である。
【
図48】セグメント化エネルギー操作アセンブリーのさらに別の実施形態を示す側面図である。
【
図49】セグメント化エネルギー操作アセンブリーのなおさらに別の実施形態を示す側面図である。
【
図50】エネルギー操作アセンブリーのためのなおさらに別のセグメント化支持アセンブリーを示す部分断面側面図である。
【
図52】
図50に示されているアセンブリーを示す底面図である。
【
図53】スロット付き取付構造体を含むセグメント化エネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図54】
図53に示されているアセンブリーの修正形態を示す側面図である。
【
図55】セグメント化関節動作式構造体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図56】エネルギー操作アセンブリー部材の収容を示す側面図である。
【
図57】本発明のセグメント化支持アセンブリーのさらなる態様を示す斜視図である。
【
図58】本発明のセグメント化支持アセンブリーのなおさらなる態様を示す側面図である。
【
図59】関節動作式セグメント化構造を含むエネルギー操作アセンブリーを示す側面図である。
【
図60】ピストン支持体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーを示す正面図である。
【
図61】身体部位の関節動作後の
図60のアセンブリーを示す側面図である。
【
図62】ピストン支持体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーの別の実施形態を示す正面図である。
【
図63】
図62に示されているアセンブリーの下部構造を示す断面図である。
【
図64】ピストン支持サブアセンブリーの別の実施形態を示す部分断面図である。
【
図65】ピストン支持サブアセンブリーのさらに別の実施形態を示す部分断面図である。
【
図66】ピストン支持サブアセンブリーのなおさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図67】圧縮された形態における
図66のアセンブリーを示す斜視図である。
【
図68】ピストン支持体構造が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーのさらなる実施形態を示す斜視図である。
【
図69】ピストン支持サブアセンブリーの伸縮構造を示す斜視図である。
【
図70】圧縮された形態における
図69のアセンブリーを示す斜視図である。
【
図71】身体組織内に実質的に完全に埋め込まれたエネルギー操作アセンブリーを示す断面図である。
【
図72】身体組織内に実質的に完全に埋め込まれたエネルギー操作アセンブリーに対する別のアプローチを示す断面図である。
【
図73】ピストン支持体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーの埋め込みの際の第1のステップを示す断面図である。
【
図74】
図73に示されているアセンブリーの埋め込みの第2のステップを示す断面図である。
【
図75】ピストン支持体を含み、回転下部構造が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーの耐負荷部材を示す斜視図である。
【
図76】本発明のためのエネルギー操作アセンブリーの調節下部構造を示す斜視図である。
【
図77】
図76に示されているアセンブリーのさらなる態様を示す断面図である。
【
図78】
図76に示されているアセンブリーに組み込むことができるさらなる態様を示す斜視図である。
【
図79】本発明のエネルギー操作アセンブリーの調節構造体を示す斜視図である。
【
図80】シースに収容されたエネルギー操作アセンブリーの埋め込みの際の第1のステップを示す断面図である。
【
図81】
図80に示されているアセンブリーの埋め込みアプローチにおける第2のステップを示す断面図である。
【
図82】完全に埋め込まれた
図81のアセンブリーを示す断面図である。
【
図83】ピストン支持体を含む埋め込まれたエネルギー操作アセンブリーの拡大図を示す断面図である。
【
図84】身体の解剖学的構造内に埋め込まれたピストン支持体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーの代替実施形態を示す断面図である。
【
図85】
図84に示されているアセンブリーに組み込み可能なさらなる下部構造を示す断面図である。
【
図86】ピストン支持下部構造が組み込まれた本発明のエネルギー操作アセンブリーの別の実施形態を示す断面図である。
【
図87】治療される身体組織の幅を跨ぐ横方向下部構造を含むエネルギー操作アセンブリーを示す斜視図である。
【
図88】
図87に示されている装置の下部構造を示す拡大図である。
【
図89】
図87に示されている装置の下部構造を示す拡大図である。
【
図91】
図87に示されているアセンブリーのさらに別の構成要素を示す断面図である。
【
図92】ピストン支持体が組み込まれたエネルギー操作アセンブリーのさらなる実施形態を示す斜視図である。
【
図93】
図92に示されているアセンブリーの下部構造を示す断面図である。
【
図94】
図92に示されているアセンブリーの他の下部構造を示す断面図である。
【
図95】エネルギー操作アセンブリーのためのさらに別のアプローチを示す背面図である。
【
図96】
図95に示されているアプローチを示す斜視図である。
【
図97】本発明のエネルギー操作アセンブリーのさらなる実施形態を示す側面図である。
【
図98】本発明の両側性アプローチを示す斜視図である。
【
図99】本発明の別の両側性アプローチを示す斜視図である。
【
図100】身体の解剖学的構造が一列に並んだ状態の本発明の実施形態を示す斜視図である。
【
図101】身体の解剖学的構造が関節動作した形態にある
図100の実施形態を示す斜視図である。
【
図102】回動構造および係脱構造が組み込まれた本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【
図103】解剖学的構造が関節動作した位置にある
図102の実施形態を示す斜視図である。
【
図104】身体の解剖学的構造に取り付けられた装着構造体のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図105】身体の解剖学的構造に取り付けられた装着構造体のなおさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図106】エネルギー操作アセンブリーに対するさらに別のアプローチを示す斜視図である。
【
図107】関節に存在する通常の力を示す側面図である。
【
図109】
図107および
図108に示されている関節に対して本発明のエネルギー操作アセンブリーが有する効果を示す側面図である。
【
図110】関節全体に加えられる先行技術の剛性構造のエネルギー特性を示すグラフである。
【
図111】本発明の直線状のバネシステムのエネルギー特性を示すグラフである。
【
図112】本発明のバネ・緩衝システムのエネルギー特性を示すグラフである。
【
図113】歩行周期中に存在する屈曲/伸長角度および関節力を示すグラフである。
【
図114】歩行周期時のエネルギー吸収に対する一つのアプローチを示すグラフである。
【
図115】歩行周期時のエネルギー吸収に対する第2のアプローチを示すグラフである。
【
図116】歩行周期時のエネルギー吸収に対する第3のアプローチを示すグラフである。
【
図117】歩行周期時のエネルギー吸収に対する第4のアプローチを示すグラフである。
【
図118】本発明の別のエネルギー操作アセンブリーを示す等角図である。
【
図119】別の身体の関節への本発明の適用を示す斜視図である。
【
図121】足関節への本発明の適用を示す側面図である。
【
図122】指関節への本発明の適用を示す上面図である。
【
図124】脊椎の関節への本発明の適用を示す斜視図である。
【
図125】脊椎の関節への本発明の別の適用を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ここで、限定ではなく例示として提供されている図面を参照すると、本発明は、身体組織を治療するための装置および方法に関する。身体の関節の治療に関連する用途では、本発明は、身体の関節を形成する罹患またはアライメント不良部分の機能に伴う痛みを緩和することを目的とする。本発明は、骨関節炎に関連する問題の取り組みに特に適しているが、本発明によって達成されるエネルギー操作は、より幅広い用途に好適である。さらに、本発明は、膝や肩などの滑膜関節の治療に特に適している。ただし、椎間関節突起間部や脊椎椎間関節ならびに他の滑膜関節および手足の関節などの様々な他の身体の関節を治療するために本発明の装置および方法を用いることも想定される。
【0059】
特定の一態様では、本発明は、患者の身体の関節を画定する部位の固有の関節動作を許容および補完しながら、同時に、軟骨および硬骨組織(網状骨および皮質骨)の両方が受けているエネルギーを操作することを目的としている。関節の回動時にエネルギーの吸収および伝達を変更しかつ必要な柔軟性を与えるためにエネルギー吸収アセンブリーの幾何学形状を選択することを必要とするアプローチが本発明の様々な実施形態に組み込まれている。いくつかの実施形態は、身体の関節などに見られるような身体の解剖学的構造によって得られる緩衝効果およびエネルギー吸収を最小にしかつ補完するように設計された可変なエネルギー吸収を達成する幾何学形状を含む。痛みを最小にするために、様々な程度で力の1〜40%の負荷の軽減または吸収が必要であると仮定されている。特定の用途では、5〜20%の範囲の可変な負荷軽減または吸収を目的とすることができる。いくつかの特定の用途では、エネルギー操作アプローチで伸延が用いられる。
【0060】
処置を必要としている身体の関節または他の解剖学的構造にアクセスするために、従来のアプローチ、外科的アプローチまたは最小侵襲的アプローチが使用される。従って、エネルギー操作アセンブリーの埋め込みならびに埋め込まれたアセンブリーの調整の達成の両方に適切であれば、関節鏡視下法が想定される。さらに、本発明のエネルギー操作アセンブリーを構成する際に、生物学的に不活性な各種材料を用いることができる。
【0061】
特定のアプローチの一つでは、身体部位間の力を操作または吸収するために、曲げバネアセンブリーが想定される。従って、曲げまたは伸長の変化に応答する一つまたは複数の要素を利用するアセンブリーが、骨関節炎などの病気を治療するのに望ましい場合もある。いくつかのアセンブリーには、装置を正確に位置合わせしかつ圧縮状態から非圧縮状態への部材の移行の際の座屈に対する防止を行う特徴を組み込むことができる。
【0062】
図1および
図2に示すように、曲げバネアセンブリー100の一実施形態は、身体の関節102を形成する部位に沿って構成することができる。曲げバネアセンブリー100は、1つまたは複数の取付構造体104、106およびエネルギー吸収部材108を含む。
取付構造体104、106は、身体の関節102を形成する部分すなわち骨に固定されている。エネルギー吸収部材108は、曲げバネの形態であり、取付構造体104、106のそれぞれに取り付けられている。関節102を画定する部分は、一般に長手方向に配置されており、エネルギー吸収部材108は、関節部分が担う力を吸収および/または伝達する。簡易なアプローチでは、エネルギー吸収部材108は、屈曲時に関節102の部分に横力を加えることもできる。
【0063】
図1および
図2に示すように、曲げバネアセンブリーは、身体の関節102の外側または内側のどちらかに固定することができる。また、
図3に示すように、かつ、本開示の各実施形態と同様に、曲げバネアセンブリーは、身体の関節102の外面および内面(あるいは両外面)に配置することもできる。さらに、複数の曲げバネアセンブリー100からなるシステムによって達成されるエネルギー操作は、関節100の対向する側に対して異なるエネルギー操作を与え、それにより、より複雑なエネルギー吸収曲線を達成しながら、可変な負荷軽減が望まれる場合には、特定の患者の関節部分の固有の動きの経路を許容および補完するように構成することができる。
【0064】
可変なエネルギー操作を与えながら関節を画定する部位の固有の動きを補完するための特定のアプローチの一つが
図4〜
図6に示されている。可変な経路を有する波状のバネ部材110を含むエネルギー吸収アセンブリーを、身体の関節102を画定する部分に取り付けることができる。経路の可変性は、エネルギーのさらなる緩衝および/または吸収を与え、それにより関節の軟骨または硬骨の1つまたは複数の負荷を軽減するように選択される。さらに、エネルギー吸収バネアセンブリー110は、関節部分102の伸長時にそのようなエネルギー操作を与え、関節102の部分の屈曲時に動作が低下するように構成することもできる。
【0065】
ここで
図7および
図8を参照すると、曲げバネアプローチを用いるエネルギー操作の別のアプローチが示されている。ここでは、曲げバネアセンブリー112は、身体の関節102の同一側に取り付けられた一対のバネを含む。このアプローチでは、バネは、屈曲および伸長時の両方においてエネルギー操作を与えることができる。
図7に示すように、圧縮されたバネは、関節構造に垂直な方向に中央の負荷軽減を与え、伸長したバネは、関節の後部の状態を妨げないように圧縮されていない。関節部分が屈曲した状態では(
図8)、後部バネは、関節の横方向部位の方向に垂直なエネルギー操作を与えると共に、中央に位置するバネは負荷の軽減を全く与えない。さらに、関節の痛みを最小にするのに有用となり得る他のエネルギー操作計画を達成するために、曲げバネアセンブリー112の他の組み合わせも想定される。
【0066】
曲げバネアセンブリーのさらなる特定の幾何学的形状が、
図9〜
図17に示されている。これらの各装置は、特定の患者の関節の固有の動きを補完するエネルギー操作に対するアプローチを想定するものである。第1の実施形態では、曲げバネアセンブリー114は、ガイド部材118の周りに構成されたつる巻きバネ116を含む。さらに、つる巻きバネ116は、患者の解剖学的構造に固定される固定金具120間に構成されている。身体の関節を画定する部位が関節動作するにつれて、固定金具120が互いに対して移動し、ガイド部材118がバネ116のために制御経路を提供し、それにより、バネ116は所望のエネルギー吸収および/または負荷伝達を与える。
【0067】
図10に示すように、曲げバネアセンブリーのつる巻きバネ122は、バネ122の機能を変える連動構造体124を含むことができる。例えば、連動構造体は、バネ122の所定量の圧縮または伸長でバネ122の回転を防止するように構成することができる。従って、この構造によって、可変なエネルギー操作を与えることができる。さらに、そのような構造は、代わりとして、あるいは、追加として、所与の程度の伸長または屈曲において関節の回転を防止または制御するように用いることができる。
【0068】
全体として螺旋構造を有するバネアセンブリー126が
図11に示されている。このバネアセンブリー126は、ほぼ螺旋状の骨格に沿って構成された波形128ならびに様々な厚さを有する部分をさらに含む。このようにして、バネアセンブリー126は、特定の身体の関節の要求に適合する様々なエネルギーの吸収特性を提供し、関節を画定する部位の関節動作の特定の所定の段階時にエネルギー操作を提供することができる。同様に、バネアセンブリーは、所望のエネルギー操作特性を有する装置を提供する、弾性スリーブ(図示せず)を含む中心部分によって分割されたバネ部分を含むことができる。さらに、弾性スリーブは、治療を必要とする関節にアセンブリーを固定する際に使用することもできる。
【0069】
関連したアプローチ(
図12〜
図14)では、曲げバネアセンブリーの中央部分は、バネ部材136を含む。アセンブリーの対向端は、骨固定構造体138を含む。図示のように、対向端は、1つまたは複数の取付構造体または骨固定構造体138を含むことができる。骨固定構造体138の間であって、中央バネ136の対向端上には、負荷伝達ビーム140が構成されている。骨固定構造体140とビーム140との間に構成されたピボットにより、負荷伝達ビーム140は、骨固定構造体138に対してかつ互いに回転するように形成することができる。
【0070】
また、
図15に示す曲げバネアセンブリー142は、一対の負荷伝達ビーム146間に構成された中央に位置するバネ144を含む。上記実施形態と同様に、バネ144は、様々な幅やピッチによって特徴づけられる様々な特性を有し、それにより所望のエネルギー操作特性を与えることができる。
【0071】
図16および
図17は、曲げバネアセンブリー148のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、エネルギーが最初に波状のビーム150によって吸収される。ビーム150がほぼ完全に圧縮されると、その湾曲部分は、中央に位置する停止部材152と係合する。停止部材152は、所望の用途での望ましいエネルギー操作に応じて剛体または非剛体材料で形成することができる。
【0072】
ここで
図18〜
図20を参照すると、曲げバネアセンブリーの取付または装着構造に関連する様々な詳細が示されているが、このアセンブリーは、全ての想定されるアプローチにおいて用いることができる。そのような曲げバネアセンブリー(図示せず)の一つに接続されたロッド154は、患者の身体の解剖学的構造に固定される取付金具アセンブリー156に連結することができる。調整ネジ15
7により、ロッド154の配置を取付金具アセンブリー156に対して調整することができる。必要な調整を経皮的に達成するためにニードルネジ(図示せず)を使用可能とすることが想定される。取付金具アセンブリー156は、さらに、あるいは、代わりとして、バネ158(
図19)を含むことができ、その張力は、曲げバネアセンブリーの両端で所望の緩衝または衝撃吸収を得るために経皮的に調整することができる。さらに、本開示の実施形態のいずれかのための取付金具アセンブリー156は、患者の解剖学的構造に取り付けるように適合されたテクスチャー加工表面160をさらに含むことができる。そのようなテクスチャー加工は、一様でない表面仕上げが可能であり、あるいは、組織の内部成長に適した材料の形態として提供することもできる。
【0073】
さらに、曲げバネアセンブリーおよびさらに言えばエネルギー操作アセンブリーの本開示の各実施形態は、様々な方法で身体の解剖学的構造に取り付けることができる。上に示したように、本発明のアセンブリーは、固定構造体を用いることによって、解剖学的構造上への表面装着が可能である。また、装着構造体162は、例えば、
図21および
図22に示すように、骨163内に完全にまたは部分的に挿入することができる。骨の表面を介して、アセンブリーをさらに固定することができる(
図22を参照)。さらに、
図23および
図24に示すように、エネルギー操作アセンブリー164を、所望のエネルギー伝達および/または吸収を達成するためにその終端を残して、実質的に完全に骨163内に配置することができる。
【0074】
曲げバネアセンブリーは、かなり複雑な構造を具現化することができる。
図25に示すように、バネ168を含む想定される曲げバネアセンブリー166の一つは、一対の離間した取付構造体170、172に取り付けることができる。そのような取付構造体170、172は、身体の解剖学的構造に直接接続したり、解剖学的構造上またはその中に装着された構造にさらに取り付けることができる。バネ168は、第1の取付構造体170に固定または回転可能に接続された端部を含み、第2の端部は、第2の取付構造体172内に形成された湾曲したスロット内に拘束されている。この場合も、この固有の設計は、身体の関節または他の解剖学的構造に、標的組織における固有の関節動作を補完する所望のエネルギー吸収および/または伝達特性を与えることを想定するものである。
【0075】
同様に、曲げバネアセンブリー166のバネ168を、1つまたは複数の回動取付構造体170、172間に構成することができる(
図26、27を参照)。第1のアプローチでは、
図26に示すように、取付構造体170、172のうちの一方または両方が回動軸の周りを回動することができる。
図27の装置の取付構造体170、172の回動動作は、停止部174によって拘束される。
【0076】
上記実施形態およびさらに言えば以下に開示する実施形態はそれぞれ、治療対象の組織に関する負荷情報を与えるように構成された検出機構を含むか、あるいは、それと協働することができる。従って、利用可能な様々な圧力検出機構を本発明の装置上に配置可能とすることが想定される。そのような検出器は、本発明のエネルギー操作装置の有効性および調整の必要性の有無に関する情報を与えるように構成することができる。同様に、検出器は、組織自体に加えられている負荷に関する情報を与えるように解剖学的構造上に配置することができる。
【0077】
さらに、薬物をエネルギー操作の標的とされる介入部位に送達可能とすることが想定される。この点については、米国特許出願公開第2007/0053963号に開示されている主題全体が参照によって本明細書に組み込まれるものとする。特に、段落[0009]に記載されている薬物および薬物担体材料を使用することができる。
【0078】
他の態様では、本発明は、エネルギー操作のためのカム係合アセンブリーに具現化される。このアプローチでは、カム係合アセンブリーは、そのうちの少なくとも1つが偏心接触表面を有する接触要素を用いる。要素の接触の程度、持続時間およびインスタンスは、1つまたは複数のカム要素の特性によって制御される。身体の解剖学的構造部分が伸長している際には、装置要素間の接触応力の増加が想定される。屈曲時には、カム特性は、係合が僅かまたは皆無となるように構成することができる。このアセンブリーは、解剖学的構造全体におけるエネルギー吸収量を調整するために、調節可能または交換可能なバネアセンブリーを含むことができる。
【0079】
さらに、装置の表面係合部は、複数の方法によって創出することができ、耐摩耗性軸受表面、表面係合位置における玉軸受またはギア係合などの構造を含むことができる。装置の装着形状を、別個の装着要素内に含めたり、あるいは、解剖学的構造用バネ要素内に組み込んだりすることができる。さらに、この装着設計は、回転および回動を可能にすることによって、あるいは、圧縮性材料を使用することによって、伸長から屈曲へ移行する際の関節の複雑な動きに適応することができる。
【0080】
カム関連のエネルギー操作に対する様々なアプローチが
図28〜
図37に示されている。第1の実施形態(
図28および
図29)では、湾曲した耐負荷面202は、互いに回転するように構成されている。耐負荷面202は、関節を形成する骨などの身体の解剖学的構造に固定された取付構造体204、206に接続されている。耐負荷面202と取付構造体204、206との間あるいは取付構造体204、206と骨との間の接続部は、バネで付勢されているか、さもなければ、可撓性または弾性材料で構成することができる。
身体の解剖学的構造が伸長(
図28)と屈曲(
図29)との間で移行する際、耐エネルギー面202は、様々な程度の係合間を行き来する。一態様では、身体の解剖学的構造が伸長形態にある際に最大の負荷軽減およびエネルギー操作が耐負荷部材202間に生じることが想定される。様々な程度の係合は、痛みの緩和または除去を目的として、身体部位間のエネルギーを吸収するように事前に選択される。このようにして、エネルギーの吸収を企図する際に、固有の動きの経路を維持することができる。
【0081】
カム係合アセンブリーの別の実施形態が
図30に示されている。このアプローチでは、中央の耐負荷連結部分208が、一対の離間した取付金具210間に構成されている。柱部材212は、関節動作式係合アセンブリーを画定するために回転点を提供する。取付金具210に沿って柱部材212を受け入れるための様々な接続点214をさらに設け、それにより患者の必要に一致するようにアセンブリーを再調節するための手段を提供することができる。可動部分間に所望の制御を与えるために、伝動構造(ギアまたはギアおよびラック)をこの実施形態に組み入れ可能とすることがさらに想定される。
【0082】
本発明のカム係合アセンブリー215の別の実施形態が、
図31および
図32に示されている。このアプローチでは、カム面216は、身体の解剖学的構造の自然な輪郭に適合するように構成されている。一態様では、カム面216は、接触する可能性のある自然な組織の表面の実質的に全範囲に沿って設けられている。この構造には、カム面216間の接触領域からのエネルギーを吸収するためのバネまたは他の構造を含むエネルギー吸収アセンブリー218が追加されている。そのようなアセンブリー215は、本明細書に記載のアプローチを用いて、関節または他の身体の解剖学的構造に固定される。
【0083】
図33を参照すると、第1の凹状カム面222および第2の凸状カム面224を含むカム係合アセンブリー220が示されている。これらの表面は、平行に配置された一対のバネ226によって離間して付勢されている。カム面222、224はそれぞれ、バネ226の一部を受け入れるための空洞を含む。バネ226はエネルギー吸収構造体として機能し、凸状および凹状面222、224と共に、アセンブリーが取り付けられる身体部位の働きを補完する。
【0084】
要素の同様の組み合わせが
図34に開示されている。ここでは、カム面アセンブリー230の少なくとも片側は、バネ付勢形態233で取付金具232に取り付けられている。
第2のカム面230は、例えばスロット付き連結体236を設けることによってカム面アセンブリー230と取付金具232との間で回動可能な様式で接続することができる。一方、取付金具232は身体の解剖学的構造に固定される。カム面アセンブリー230同士の間には、対向端でカム面アセンブリー230内に形成された受入穴と係合する耐負荷バネアセンブリー238が構成されている。
【0085】
図35に示すように、構造体間の相対的動きを支援する目的で、カム係合アセンブリーのカム面242間に玉軸受240を方策として配置することができる。さらに、そのようなアプローチは、本開示のアセンブリーのいずれかに組み込むことができる。特定の実施形態(
図36および
図37)では、玉軸受240は、患者の関節動作部分からなる解剖学的構造間に配置されている。あるいは、同様の様式で、ディスクを用いることができる。
いずれのアプローチでも、玉軸受構造体240は、エネルギー吸収バネ242によって支持され、吸収バネ242は、さらに患者の解剖学的構造に装着された取付構造体246に取り付けられている。
【0086】
本発明のさらなる態様は、セグメント化支持アセンブリーに具現化される。一般に、このアプローチは、負荷部分の伸長時などに所望どおりに支柱を与えるように整列および組み合わされた複数の要素を用いる。従って、一態様では、セグメント化支持アセンブリーを形成する隣接する要素は、関節動作中の部位の複雑な動きに適応するように、可変式で隣接する要素によって拘束することができる。エネルギー操作の量は、バネまたは緩衝アセンブリーを介して構成要素を装着または取り付けることによって調節される。
【0087】
図38および
図39を参照すると、セグメント化支持アセンブリー300の一実施形態が示されている。アセンブリーを患者の解剖学的構造に取り付けるための取付構造体302が設けられている。内側に配置された回動軸304は、調節可能なスペーサー306と共にセグメント化耐負荷部材を画定し、所望の負荷の軽減ならびに患者の解剖学的構造を自由に関節動作させる多次元の柔軟性を提供する。スペーサー306は、調節可能であり、アライメントを容易にするように機能する。特定の態様では、少なくとも1つの取付構造体302は、セグメント化耐負荷部材の終端308の一つを受け入れる大きさのスロット状の受入溝306を含むことができ、終端308はスロットに摺動可能に係合している。
【0088】
セグメント化耐負荷部材は、様々な形状および形態を有することができる。これらのアプローチには、柱状の支持を与えると共に、多次元の移動を容易にする複数の組み合わされた要素が組み込まれている。そのようなアプローチは、
図40〜
図45に示されている。
図40に示すように、ディスク状部分310は、隣接して配置されたディスク310間を3次元に移動できるように想定された相互接続構造312を介して直列に接続されている。3次元の動きが想定されているが、動きの程度は、セグメント化耐負荷部材を画定する部材によって拘束される。従って、所望の量の柱状の支持が存在するように、この部材の軸圧縮を制限することができる。同様に、この部材の横方向回動は、隣接するディスクの幾何学形状によって制限される。横方向回動は、特定の患者の解剖学的構造の固有の関節動作を許容および補完するように選択することができる。
【0089】
セグメント化耐負荷部材を画定する構造体は、比較的複雑な幾何学形状を有することができる。すなわち、連動連結体314の様々な実施形態は、セグメント化耐負荷部材316(
図41〜
図46を参照)を形成することができる。そのような連結体314は、シース318内に保持することや(
図41および
図45)、あるいは、外側シースを必要とせずに関節動作を可能にするように互いに係止することができる(
図42〜
図44および
図46)。別の態様では(例えば
図46を参照)、連結体314の特定の設計は突起部320を含むことができ、複数の突起部320は、隣接する連結体の可変的に形成されたスロット322内に受け入れられる。可変な段階的スロット322は、より狭い部分324をさらに含むことができ、部分324は、負荷を吸収しかつ関節動作を拘束するような方法で突起部320と係合する大きさおよび形状を有する。
【0090】
さらに、
図47に示すように、耐負荷部材316のセグメント化部分の連結体314は、可変的に形成された連結体314を具現化することができる。すなわち、連結体314の幾何学形状は、耐負荷部材316の長さに沿って変化し、それにより様々な時点で異なる関節動作を与えることができる。さらに、このアセンブリーには、所望のエネルギー吸収および/または緩衝を容易にするように設計された1つまたは複数のバネ326を組み込むことがでる。
【0091】
バネアセンブリーと組み合わせられたセグメント化負荷共有連結体を含むアセンブリーの他の例が
図48〜
図52に示されている。これらの各実施形態では、バネ326をセグメント化された耐負荷部分316の1つまたは複数の端部に配置することができる。アセンブリーを身体の解剖学的構造に固定するために用いられる取付構造体302内にバネ320を構成すると有利な場合がある。また、所望の効果を達成するために、バネ320をアセンブリーの他の部分に沿って配置することもできる。
【0092】
さらに別の実施形態(
図53および
図54)では、アセンブリーに、バネではなくスロット付き構造体330が設けられている。スロット付き構造330は、取付構造体302内に構成することができ、ほぼ垂直(
図53)にすることも、ほぼ水平(
図54)にすることもできる。取付構造体を患者の解剖学的構造およびセグメント化耐負荷構造体316に対して調節することができるように、調整ネジ332または同様の構造体をさらに設けることができる。
【0093】
本発明の他のセグメント化支持アセンブリーは、所望の結果を得るために、連動連結体ではなく関節動作式連結体を用いる(
図55〜
図59を参照)。様々な想定される関節動作式連結体334は、無数の形状および大きさを有することができ、1つまたは複数の連結点336を含むことができる。連結体334の対向端は、同様に様々な方法で身体の解剖学的構造に固定されている。本開示の全ての実施形態と同様に、1つのアプローチの装着構造体は、他の構造と置換することができ、従って、耐負荷アセンブリーは、解剖学的構造の表面に装着するか、あるいは、部分的にその中に埋め込むことができる。さらに、連結体は、シースに収容しても(
図56を参照)、収容しなくてもよい。
【0094】
さらに別の特定のアプローチでは、本発明は、所望の負荷操作を達成するためにピストン支持体を用いる。一般に、これらの実施形態は、規定の直線状経路内を移動する軸方向に可動な部材を含む。エネルギーの吸収および伝達を容易にするために圧縮性バネを含めることができ、アセンブリーは、ピストンサブアセンブリーと身体の解剖学的構造間の関節動作を可能とする構造体をさらに含むことができる。
【0095】
ピストン支持体を含む簡易なアプローチである負荷操作アセンブリー400が
図60および
図61に示されている。この実施形態では、ピストン部材402は、大きく横方向に屈曲可能であるが十分な長手方向の剛性も有しており、それにより身体部位の関節動作と共に屈曲しかつ身体部位が伸長している際に圧縮力を吸収する。1つまたは複数のシリンダー404は、ピストン402の長手方向の移動を許容するように構成されている。
【0096】
ピストン支持アセンブリー400は、求められている負荷操作を支援するためのバネ406をさらに含むことができる(
図62および
図63を参照)。そのようなバネ406は、取付シリンダー404(
図63)内に配置することができ、あるいは、追加としてまたは代わりとして、ピストンアセンブリー402の周りに配置することができる。さらに、ピストンアセンブリー402は、回転軸408および/または曲線部分410の両方を含む複雑な幾何学形状を有することができる。本開示の全ての実施形態と同様に、この構造体は、関節動作式部分間の連結部を跨ぐように、身体の解剖学的構造に取り付けることができる。
【0097】
ピストンを用いた耐負荷部材のさらなる実施形態が、
図64〜
図70に開示されている。
図64は、バネ40
6がピストン部材402の長さおよび離間したシリンダー404内を跨ぐ場合の配置を開示している。
図65は、エネルギー操作のための曲げバネ構造を追加で含むピストン部材402を用いる。
図66および
図67は、ローレット加工外面を含み、ピストンをシリンダーに対して回転させて負荷能力の強度を調節するための手段を含むことがさらに想定されるピストンアセンブリー402を示す。
図68は、段階的特性を有するピストン402の周りであって、シリンダー404と一対の停止部412との間に構成されたバネ406を含むアセンブリーを示す。また、このアセンブリーも、大きいバネ張力と小さいバネ張力との間で調節可能とすることが想定される。
【0098】
また、ピストン支持を用いたアセンブリー400は、長手方向に配置された複数の伸縮部材414を含むこともできる。従って、周囲に配置された伸縮部材のいくつかは、ピストンおよび隣接する構造のためのシリンダーの両方として機能する。隣接する伸縮部材414が耐え得るエネルギーを変えることで、所望のエネルギー吸収特性が構造によって得られ、それにより、所望の順序でエネルギーを吸収させることができる。
【0099】
上述のように、本発明のエネルギー吸収アセンブリーは、解剖学的構造の表面に装着するか、あるいは、標的の組織内に完全にあるいは一部を挿入することができる。
図71および
図72に示すように、ピストン402を受け入れる1つまたは複数のシリンダー404を有するピストンを使用したエネルギー操作アセンブリー400は、標的組織を画定する部位内に実質的に完全に埋め込むことができる。組織の表面から延びる部分は、特定の用途に必要とされるエネルギー吸収特性を提供する。また、アセンブリー400は、
図73および
図74に示すように、関節動作する身体部位を跨ぐように構成することができ、身体組織内に埋め込まれているシリンダー404の一部を含むことができる。
【0100】
図73および
図74に示されている状況に特に適していると考えられる構造体が
図75に示されている。ここでは、エネルギー吸収アセンブリー402は、曲げバネ特性を有するピストンによって特徴付けられる中央部を含み、ピストンに対して回転するように構成されたカラー416をさらに含む。また、カラー416は、シリンダーに対して往復運動が可能となる大きさおよび形状を有する。
【0101】
図76および
図77を参照すると、カラー416は、カラー416およびピストンまたは端部402の回転を可能にする座金および軸受構造をさらに含むことができる。さらに、ピストンアセンブリーの中央部分をカラー416と接続させるためにネジアセンブリーを用いることができる。さらに、バネ422は、負荷を受容するためにカラー416(
図77を参照)内に設けることができる。その際、アセンブリー400は、取付構造体424内に螺合され、身体組織表面にあるいは身体組織内に固定されている。
【0102】
図76および
図77のアプローチのさらなる修正形態では、カラーアセンブリー416の内側部材430および外側部材432を埋め込み後に調節可能とすることが想定される。第1の実施形態(
図78)では、カラーアセンブリー416は、内側部材および外側部材430、432間の相対位置を制御する経皮的にアクセス可能な調整ネジ434を含むことができる。1つまたは複数の内側ハウジングおよび外側ハウジング430、432には、代わりとして経皮的歯車シャフトツール438によってアクセス可能な歯車表面436を備えることができる。ツール438は、カラーアセンブリー416上に形成された歯車表面に相補的な、歯車表面と共に構成された終端440を含む。このようにして、エネルギー操作アセンブリーの構成要素の張力および間隔を変えるか、あるいは必要に応じて補正することができる。
【0103】
本発明の様々な態様が組み込まれた、シースに収容されたエネルギー操作アセンブリー440が
図80〜
図83に示されている。この実施形態では、アセンブリーの端部は、身体組織内に相互的に装着されている。装置の全長はシース442に収容されている。想定されるエネルギー操作アセンブリーのいくつかをシースに収容することによって身体組織への外傷が少ない平滑な表面を得られることが分かるであろう。さらに、図示のように、1つまたは複数のバネアセンブリー444は、耐負荷構造体の周りおよびそれと同格に配置することができる。
【0104】
図84および
図85に最も良く示すように、ピストン型耐負荷アセンブリーは、その効果を変えるために、他のエネルギー吸収構造体に対して平行に配置された調整ネジ450をさらに含むことができる。この場合も、そのような調節構造体は、耐負荷アセンブリーが標的組織の位置または内部に配置された後に経皮的にアクセス可能であることが予期される。
【0105】
本発明のさらに別の実施形態が
図86に開示されている。このアセンブリーでは、一対の離間した取付アセンブリー460は、治療対象の組織と係合するための突起部462を含む。取付アセンブリー460はそれぞれ、係止用サイドネジ464ならびに先端に球が付いた終端を有するネジ付きシャフト466の長手方向位置(前進および後退)に影響を与えるように動作する回転可能なアクセスネジ頭部465をさらに含む。長手方向に離間したシャフト466の間には、ネジ付きシャフト466の球部分を受け入れる大きさを有するソケット付きの対向端470を有するピストン・シリンダーアセンブリー468が構成されている。第1のバネ472は、アセンブリーのシリンダー474内に拘束されている。第2のバネ476は、ネジ付きシャフト466およびピストン・シリンダーアセンブリー468の周りに同軸に配置されている。さらに、シース476が、一方の取付アセンブリー460と他方の取付アセンブリー460の間で、これらのサブアセンブリーの周りに配置されている。従って、エネルギー操作アセンブリーのこの実施形態によって、エネルギーの吸収ならびに身体の解剖学的構造の関節動作を可能にする多次元の移動の両方が得られる。
【0106】
有用なエネルギー操作のなおさらなる詳細が
図87〜
図94に開示されている。両側性エネルギー操作アセンブリー480は、一対の横方向に構成されたシャフト482を含み、シャフト482の終端は、単一のエネルギー吸収部材484に接続されている。エネルギー吸収部材484は、配設されたピストン・バネアセンブリーを含むことができ、そのシャフトは、治療対象の組織の全幅および全長に延びることができる。さらに、横方向に構成されたシャフト482は、エネルギー吸収部材アセンブリー484の相補的表面と選択的に係合するために用いられる長手方向に延びる溝486を含むことができる。また、
図88に最も良く示すように、シャフト482の長さの少なくとも一部を受け入れるためのカラー形態の組織インサート488が想定される。そのようなインサート488ならびに様々な本開示の実施形態およびアプローチの他の表面は、骨内部成長コーティングまたはテクスチャーを含むことができる。
【0107】
関連する片側性装着装置が
図92に示されている。このアプローチでは、シャフト482は、身体の解剖学的構造の全幅未満の長さで延びるが、そうでない場合には、ピストンを用いたエネルギー操作アセンブリー484を含む。再度述べるが、ピストンアセンブリー484を画定する部材は、収容構造486に収容することができ、端点488の周りを回動することができる。収容構造486は、本開示の実施形態の様々な構造に適用することができ、PTFE、ePTFE、ダクロン(Dacron)、ポリプロピレン、ポリエチレン、または絹など織物材料で形成することができる。また、構造体486は、生体吸収性材料で作製することもでき、また、薬物を充填するか、あるいは、銀または炎症を刺激または軽減することができる他の薬剤に含浸することができる。ピストンサブアセンブリーは、ピストン492の周りに構成されかつ内側円筒状スリーブ494と接触する位置に配置された付勢バネ490をさらに含むことができる。内部円筒状スリーブ494内には、単純な曲げ円柱状バネまたは従来のつる巻きバネ(
図93および
図94を参照)などのさらなるエネルギー吸収構造体496を構成することができる。
【0108】
さらに、
図93を参照すると、ピストンサブアセンブリー484は、プラットフォーム498を含むことができ、プラットフォーム498の位置は、中央ネジシャフト500を回転させることによって調節することができる。再度述べるが、調節を容易にするために、ネジシャフト500を経皮的にアクセスさせることが想定される。さらに、緩衝要素は、流体緩衝システム(
図93および
図94)を含むこともできる。ピストン492の端部に形成された穴502によって、アセンブリーを通じて流体504をゆっくりと移動させて速度の急激な変化を防止する。
【0109】
従って、エネルギー吸収下部構造体496は、アセンブリーの最大圧縮時にのみ係合され、それ以外の場合には、装置内で解放された状態のままである。
【0110】
ここで
図95〜
図103を参照すると、本発明の特徴が組み込まれた構造のさらなる実施形態が示されている。特に、
図95および
図96に示されているエネルギー操作アセンブリー510は、身体の解剖学的構造の外面に適合するように選択された輪郭を有する第1および第2の取付構造体512、514を含む。エネルギー吸収部材516は、それぞれ1つの取付構造体に軸着されている一対の離間した端部を含む。取付構造体512、514への接続部ならびにエネルギー吸収部材516は、上述のように、収容構造体518内にさらに収容することができる。このようにして、構造全体が、目立たない形態であり、かつ身体の解剖学的構造と協働する傾向のある一般に外傷の少ないアセンブリーの形態を有する。
【0111】
さらに別のアプローチ(
図97を参照)では、本発明のエネルギー操作アセンブリー520は、身体の解剖学的構造への取付のための一対の取付構造体522、524の一方に、エネルギー操作サブアセンブリー526を組み込むことができる。ここでは、取付構造体522は、身体の解剖学的構造への装着のための第1の端部ならびにバネアセンブリー528を用いる中央部および第2の取付構造体と係合するためのスロット付きカムアセンブリーを含む第2の端部530を含む。
【0112】
バネサブアセンブリーが組み込まれた他の両側性エネルギー操作アセンブリー532が
図98および
図99に示されている。それぞれにおいて、中央ロッド538の周りに装着されたバネ536を含むエネルギー操作アセンブリー534を、身体の解剖学的構造用取付構造体540に接続するために、回動構造体が用いられている。再度述べるが、身体組織と接触するためのより外傷の少ない表面を得るために、これらのアプローチの一部を収容材542内に収容することができる。そのようなエネルギー操作アセンブリーが身体の関節の自然な関節動作と協働する方法が
図100および
図101に示されている。
【0113】
図102および
図103は、エネルギー操作アセンブリー546が第1の部分548および第2の部分550を含み、第1および第2の部分が身体の解剖学的構造が一列に並ぶ形態に近づく際にのみ係合するアプローチを示す。このようにして、屈曲ではなく伸長している際にエネルギー操作が達成される。
【0114】
装着または取付構造体の様々なさらなる詳細が
図104および
図105に示されている。この場合も、本発明は、取付構造体554が装着される骨などの解剖学的構造の外側輪郭に従う取付構造体554を想定する。さらに、そのような取付構造体554は、身体の解剖学的構造に沿って様々な距離を長手方向に延びることができる。さらに、想定される取付構造体556は、様々な幾何学的形状を画定するために、身体の解剖学的構造に沿って実質的に横方向距離に延びかつ長手方向に延びることができる。一態様では、取付構造体は、修正型Y形状をとることができる。
【0115】
図106を参照すると、本発明の様々な特徴が組み込まれたエネルギー操作アセンブリー560のなおさらに別の実施形態が示されている。離間した取付体すなわち身体の解剖学的構造用取付構造体562間には、複雑なエネルギー吸収サブアセンブリー564が構成されている。調節機構566は、エネルギー操作の程度を必要に応じて修正することができるように、1方の取付構造体562に固定することができる。図示のアプローチでは、調節機構566は、アセンブリーをエネルギー吸収部材564の接離方向に摺動させるように操作することができるネジ570を受け入れるスロット付き部分568を含む。エネルギー吸収部材は、調節サブアセンブリー566を有する取付構造体562と選択的に係合する弓状回転アーム572と、バネまたは付勢突起部574と、をさらに含む。このアプローチの構成要素の様々な幾何学的形状および寸法は、治療対象の身体の解剖学的構造の自然な関節動作と協働する所望の負荷操作を達成するように選択される。
【0116】
ここで
図107〜
図109を参照すると、身体の関節で生じる力が示されている。
図107の矢印580は、本発明のエネルギー操作アセンブリーを有しない身体の関節の隣接部位間で生じる力を示す。しかし、本発明が組み込まれた身体の解剖学的構造では、関節を画定する部位の骨および軟骨に伝達される力はより少なくなる。身体の関節が本発明の上記エネルギー操作アセンブリー582で治療される場合、身体部位間の一部の力がエネルギー操作アセンブリーに吸収される(矢印584で示す)。従って、自然な身体の解剖学的構造に対してより少ない力586が加えられる。
【0117】
図110〜
図112は、身体の関節部分間での力(F)と変位(S)との関係を示す(ここで、質量は一定である)。本発明の態様が組み込まれていない剛体システム(
図110)では、変位およびエネルギー吸収は全く存在しない。単一の直線状のバネが組み込まれたエネルギー操作システム(
図111)では、エネルギーは、バネ定数(バネ剛性)に比例して吸収される。吸収されたエネルギーは、曲線の下の陰付き部分590によって表されている。
図112に示すように、バネと緩衝装置との組み合わせを使用する場合には、吸収されるエネルギー590は、バネ定数と緩衝装置の関数である。所望のエネルギー操作特性を開発する際に考慮されるのはこれらの関係である。
【0118】
また、治療対象の解剖学的構造の関節動作周期中の屈曲および伸長によって生じている力も考慮される。一例としてヒトの脚の歩行周期を用いると、関節力および様々な屈曲/伸長角度の両方を、歩行周期の完了割合に対してプロットすることができる。歩行周期中に生じた垂直力の通常または予想される関係600が
図113〜
図117にそれぞれ示されている。図には、屈曲/伸長角度602も示されている。歩行周期時の垂直力の予想される関係600は、本発明のエネルギー操作アセンブリーのいくつかの実施形態を用いて変えることができる。
図114に示すように、エネルギー操作アセンブリーは、歩行周期の一部の間に、一定の比率だけエネルギーを吸収することができる。これは、曲線604に反映されている。さらに、
図115の曲線606によって表されるように、エネルギーを吸収および緩衝させるか、あるいは、
図116の曲線608によって表されるように、一定値を超えるエネルギーのみを吸収させることができる。さらに、
図117の曲線610に反映されているように、エネルギーは、動きの一定の範囲内において吸収させることができる。ただし、これらの種類のエネルギー吸収のそれぞれあるいは1つまたは複数は、所望のシステムと組み合わせ可能であることが分かるであろう。
【0119】
例えば、
図118に示されているエネルギー操作アセンブリー612を用いて、歩行周期および患者の治癒時に様々な程度のエネルギー操作を与えることができる。エネルギー操作部材614は、通常の動作時にスライダー620内を摺動するバネ618を含むことができる。最初に、バネ618は係合していないが、埋め込み後のいくつかの時点で(例えば3週間後)、回転タブ622がスロット624内に係止される。その時点で、摺動バネが歩行の主要段階でタブ622に係合し、所望の量のエネルギーを吸収する。
【0120】
上述のように、本発明は、身体の様々な部位に適用される。
図119および
図120に示すように、エネルギー操作アセンブリー630は、肩峰骨634と上腕骨636との間の腔632内に配置することができる。様々なアプローチが想定されるが、一態様では、エネルギー操作アセンブリーは、固定点640間にバネ付き本体638を含むことができる。バネ圧縮調節サブアセンブリー644のような玉軸受の形態の軸受面642がさらに想定される。
【0121】
足への用途では(
図121を参照)、エネルギー操作アセンブリー646は、足首に関する問題に対処するために、脛骨648と踵骨650との間に配置することができる。そのようなアプローチは、痛みの緩和を助けかつ下垂足と呼ばれる病気に関連する症状に対処することができる。従って、アセンブリー646は、足の持ち上げ運動を達成するように構成することができる。
【0122】
また、手および指への適用も想定される(
図122および
図123)。ここでは、1つまたは複数の負荷操作アセンブリー660を、末節骨662と中節骨664との間、ならびに、中節骨664と基節骨666との間に配置することができる。さらに、様々な病気を治療するために、隣接する指骨670間に伸延ユニット668を配置することができる。
【0123】
さらに、本発明は脊椎に適用される(
図124および
図125を参照)。従って、椎間板684の負荷を軽減するために、負荷共有またはエネルギー操作装置680を、椎骨682間に取り付けかつ配置することができる。エネルギー操作装置680は、椎骨682の片側に取り付けるか(
図124)、椎間関節突起に固定することができる(
図125)。さらに、装置680(
図124を参照)は、衝撃吸収バネ688の作動に影響を与える調節ナット686などの上記特徴のいくつかを含むことができる。別のバネ692および調節ナット694を含めるために、負荷伝達ユニット690をさらに設けることができる。身体組織への装着のために一対の取付構造体696がさらに設けられている。
【0124】
本開示の様々な各構造体は、他の構造体と交換可能または置換可能であることに留意されたい。従って、曲げバネ、カム係合、セグメント化支持体およびピストン支持アセンブリーのそれぞれの態様は、全アプローチで用いることができる。さらに、各アプローチにおいて、エネルギー吸収構造体を身体の解剖学的構造への1つまたは複数の取付構造体と係合させる様々な方法を利用することができる。また、本開示の様々なアセンブリーの1つまたは複数を、治療部位の近傍に、そこに対して様々な角度で配置することができる。
また、本開示の様々な実施形態のそれぞれにおいて、圧力検出および薬物送達アプローチも組み込むことができる。
【0125】
本発明のほとんどの実施形態の特定の構成要素は、容易に取り外しできかつ、必要であれば置換できるように設計されているが、他の要素は恒久的に固定されるものである。恒久的構成要素は、骨の内部成長促進表面を有し、システムを骨格構造に固定する役割を担う固定構成要素である。取り外し可能な構成要素は、連結部材および/またはピボットまたは玉継ぎ手などのシステムの可動要素を含む。
【0126】
システムのこの特徴の利点としては、装置の故障、患者の状態の変化またはより新しい改良型システムが利用可能になったことを理由として、システムの主要な構成要素を交換可能である点が挙げられる。さらに、患者が後にさらなる手術を必要とした場合に、さらなる処置を容易にするように連結体を取り外してもよい。
【0127】
さらに、想定される機構のいくつかは、機械的に完全に係脱された後にも様々な条件下および歩行周期の特定の段階時に機能するように形成することができる。従って、この不連続的機能性および特定の患者の歩行または痛みに合わせて機能性を調整する能力は、本発明の特徴である。
【0128】
恒久的固定構成要素の位置は、固定強度、その後の処置を完了する能力、およびピボットまたは玉継ぎ手の位置にとって重要である。システムの固定強度、ひいては耐負荷性は、取付構造体が上に固定される骨の完全性によって決まる。強い固定を確保するために、一実施形態では、固定構成要素は、皮質骨および海綿骨(または骨梁)に跨って広がる。
例えば、膝では、取付構造体を、大腿骨骨幹軸上に取り付け、大腿骨の端部に位置する骨梁の下方に向かって延ばす。また、システムは、ピンまたは双皮質性ネジを用いる2つの皮質表面上への固定を利用してもよい。
【0129】
上述のように、一般的な関節処置は関節置換である。罹患した関節を置き換える処置は、関節の表面の切除および合成材との置換を含む。その後の処置(例えば、関節置換)を完了させる可能性に影響を与えずにエネルギー吸収システムの埋め込みを可能とするために、好ましい実施形態では、恒久的固定構成要素は、全関節領域を傷つけない位置に配置される。
【0130】
関節動作中の多くの関節は、単なる車軸関節ではなく、複雑な多軸回転および平行移動の動きを伴う。その本来の目的を達成するために、エネルギー吸収器は、これらの動きに適応するだけでなく、求められる範囲の動作中にエネルギーを吸収および伝達しなければならない。そのために、装置上の連結部は、最も動きの少ない骨上の点に位置するAのケース、連結機構に単純な一軸回転を超える動きが組み込まれなければならないBのケース、あるいはその両方の組み合わせのいずれかであってもよい。
【0131】
Aのケースでは、固定構成要素は、取り付けられる装置連結部の位置を最小または公知の動き特性によって示される好ましい位置に方向づけるように配置される。装置連結部の位置は、装置連結部の位置をさらに最適化するために、固定構成要素上の規定の範囲内で細かく調整する場合もある。Bのケースは、装置連結機構を、位置の変化に適応させ、それにより、固定構成要素上の任意の遠位点上に配置することができる。
【0132】
従って、本発明は、身体組織を治療するための複数の方法、特に、エネルギーを吸収または力の操作により痛みを減少させるための複数の方法を提供する。本発明は体内全域で使用することができるが、関節などの関節動作式身体構造に明らかに適用することができる。
【0133】
従って、本発明の特定の形態を図示および説明してきたが、上記から、本発明の精神および範囲から逸脱せずに様々な修正が可能であることは明らかであろう。
【0134】
(1)
関節を画定する部位に対する負荷を操作するためのシステムであって、前記部位が一緒になって動きの経路を画定しかつその間に構成された負荷吸収構成要素を有する軟骨を有し、前記システムが、
第1のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第1の部位に取り付けられるように構成された第1の取付構造体と、
第2のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第2の部位に取り付けられるように構成された第2の取付構造体と、
前記第1の取付構造体および第2の取付構造体に取り付けられた曲げバネアセンブリーを含み、柔軟性および負荷操作幾何学形状を有する耐負荷部材と、を含み、
前記耐負荷部材の前記柔軟性は、前記関節部分が前記動きの経路に従うことを可能とするように選択され、前記負荷操作幾何学形状は、前記軟骨の前記負荷吸収構成要素と前記関節の前記第1および第2の部位それぞれに対する前記第1および第2のエネルギー吸収構成要素の約1%〜約40%をオフセットするように選択されるシステム。
(2)
関節を画定する部位に対する負荷を操作するためのシステムであって、前記部位が一緒になって動きの経路を画定しかつその間に構成された負荷吸収構成要素を有する軟骨を有し、前記システムが、
第1のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第1の部位に取り付けられるように構成された第1の取付構造体と、
第2のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第2の部位に取り付けられるように構成された第2の取付構造体と、
前記第1の取付構造体および第2の取付構造体に取り付けられたカム係合アセンブリーを含み、柔軟性および負荷操作幾何学形状を有する耐負荷部材と、を含み、
前記耐負荷部材の前記柔軟性は、前記関節部分が前記動きの経路に従うことを可能とするように選択され、前記負荷操作幾何学形状は、前記軟骨の前記負荷吸収構成要素と前記関節の前記第1および第2の部位それぞれに対する前記第1および第2のエネルギー吸収構成要素の約1%〜約40%をオフセットするように選択されるシステム。
(3)
関節を画定する部位に対する負荷を操作するためのシステムであって、前記部位が一緒になって動きの経路を画定しかつその間に構成された負荷吸収構成要素を有する軟骨を有し、前記システムが、
第1のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第1の部位に取り付けられるように構成された第1の取付構造体と、
第2のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第2の部位に取り付けられるように構成された第2の取付構造体と、
前記第1の取付構造体および第2の取付構造体に取り付けられたカムセグメント化支持アセンブリーを含み、柔軟性および負荷操作幾何学形状を有する耐負荷部材と、を含み、 前記耐負荷部材の前記柔軟性は、前記関節部分が前記動きの経路に従うことを可能とするように選択され、前記負荷操作幾何学形状は、前記軟骨の前記負荷吸収構成要素と前記関節の前記第1および第2の部位それぞれに対応する前記第1および第2のエネルギー吸収構成要素の約1%〜約40%をオフセットするように選択されるシステム。
(4)
関節を画定する部位に対する負荷を操作するためのシステムであって、前記部位が一緒になって動きの経路を画定しかつその間に構成された負荷吸収構成要素を有する軟骨を有し、前記システムが、
第1のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第1の部位に取り付けられるように構成された第1の取付構造体と、
第2のエネルギー吸収構成要素を有する前記関節の第2の部位に取り付けられるように構成された第2の取付構造体と、
前記第1の取付構造体および第2の取付構造体に取り付けられたピストン支持アセンブリーを含み、柔軟性および負荷操作幾何学形状を有する耐負荷部材と、を含み、
前記耐負荷部材の前記柔軟性は、前記関節部分が前記動きの経路に従うことを可能とするように選択され、前記負荷操作幾何学形状は、前記軟骨の前記負荷吸収構成要素と前記関節の前記第1および第2の部位それぞれに対する前記第1および第2のエネルギー吸収構成要素の約1%〜約40%をオフセットするように選択されるシステム。
(5)
関節軟骨の修正を必要としない装置を埋め込むステップを含む、関節の痛みの緩和方法。
(6)
前記関節を形成する骨の完全な動きを保持しながら痛みを緩和するステップを含む、請求項5に記載の方法。
(7)
前記関節が膝関節であり、歩行時に前記膝関節が通常受けるエネルギーの少なくとも一部を吸収するステップを含む、請求項5に記載の方法。
(8)
前記自然な関節の少なくとも一部に対する負荷を軽減するステップを含む、請求項5に記載の方法。
(9)
前記膝関節が通常受ける前記エネルギーの少なくとも一部を前記自然な関節から取り除くように伝達させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
(10)
前記自然な関節が通常受ける負荷の少なくとも一部を共有するステップを含む、請求項5に記載の方法。
(11)
前記自然な関節が通常受ける負荷の少なくとも一部を緩衝するステップを含む、請求項5に記載の方法。
(12)
健康な表面に過剰に負荷を与えずに、関節の解剖学的構造の所望の部分に対する負荷を操作するステップを含む、請求項5に記載の方法。
(13)
エネルギー吸収器を埋め込んで自然な関節を通して伝達するエネルギーを減少させるステップを含む、痛みの軽減方法。
(14)
前記自然な関節からエネルギーを取り去るように伝達するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
(15)
前記痛みが前記自然な関節の骨関節炎によって引き起こされている、請求項13に記載の方法。
(16)
関節外エネルギー吸収器を埋め込んで骨関節炎の関節を通して伝達するエネルギーを減少させるステップを含む、骨関節炎に関連する痛みの軽減方法。
(17)
前記エネルギー吸収部材が緩衝部材である、請求項1に記載の方法。
(18)
前記エネルギー吸収部材が粘弾性アセンブリーである、請求項1に記載の方法。
(19)
前記エネルギー吸収部材が軟骨擬似アセンブリーである、請求項1に記載の方法。
(20)
軟骨細胞に過負荷防止を与えるために関節からのエネルギーを吸収するステップを含む、骨関節炎の治療方法。
(21)
関節に所望のエネルギー線量を与えるステップを含む、骨関節炎の治療方法。
(22)
前記所望のエネルギー線量が歩行時に前記関節内に通常伝達されるエネルギーの少なくとも一部を吸収することによって与えられる、請求項21に記載の方法。
(23)
骨関節炎の関節に近接する骨と接触する患者の皮膚下に装置を埋め込むステップを含む、骨関節炎の関節からの痛みの軽減方法であって、前記装置は、前記骨関節炎の関節を通じて伝達されるエネルギーが再分配されることにより、前記骨関節炎の関節自体を通して伝達されるエネルギーが低下するように、前記骨関節炎の関節の移動時にエネルギーを吸収することができる方法。