特許第6367076号(P6367076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367076
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ダイ
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   B05C5/02
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-207285(P2014-207285)
(22)【出願日】2014年10月8日
(65)【公開番号】特開2016-73952(P2016-73952A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】上田 和人
(72)【発明者】
【氏名】石田 久貴
(72)【発明者】
【氏名】若林 悟
(72)【発明者】
【氏名】藤原 康晃
【審査官】 市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−212492(JP,A)
【文献】 特開2000−176351(JP,A)
【文献】 特開2012−066172(JP,A)
【文献】 特開2010−051953(JP,A)
【文献】 特開2004−000864(JP,A)
【文献】 特開2007−167773(JP,A)
【文献】 特開2003−211049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00−5/04
B05D1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるウエブに塗工液を吐出して塗工するダイにおいて、
第1本体と、
第2本体と、
前記第1本体に形成された平らな第1固定面と、
前記第2本体に形成された平らな第2固定面と、
前記第2本体の前記第2固定面に設けられ、前記塗工液が供給される液溜め部と、
前記第1本体の前記第1固定面と前記第2本体の前記第2固定面に挟まれたシムと、
前記第1本体の前記第1固定面と前記第2本体の前記第2固定面との間にあって、前記シムによって形成された前記塗工液の吐出通路と、
前記吐出通路の先端部に設けられたスリット状の前記塗工液の吐出口と、
を有し、
前記シムが合成樹脂製のフィルムより形成され
前記シムは、前記液溜め部の左右両側部に配される左右一対の側片と、前記左右一対の側片を連結するために前記液溜め部の縁部に配される連結片とを含み、
左右一対の前記側辺の間に設けられた切欠き部分によって前記第1本体と第2本体との間に前記吐出通路が形成され、
前記切欠き部分以外の前記液溜め部は、左右一対の前記側片に覆われ、
前記シムの左右一対の前記側片に弛み防止開口部がそれぞれ設けられている、
ダイ。
【請求項2】
前記液溜め部の縁部における前記上本体の下面と前記下本体に上面には、複数のネジ孔が開口し、
前記シムの前記連結片と、前記弛み防止開口部より左右両側にある前記側片には、前記ネジ開口部が開口し、
前記上本体の前記ネジ孔と前記シムのネジ開口部と前記下本体の前記ネジ孔の位置が対応し、ネジによって前記上本体と前記シムと前記下本体とを固定されている、
請求項1に記載のダイ。
【請求項3】
前記ネジ開口部が長方形であり。前記ネジ孔より大きい、
請求項2に記載のダイ。
【請求項4】
前記弛み防止開口部の形状が、前記液溜め部の縁部の平面形状と同じである、
請求項に記載のダイ。
【請求項5】
前記ダイの前記第1本体の両側部に空気抜き孔が設けられている、
請求項に記載のダイ。
【請求項6】
前記シムの左右一対の前記側片には、前記空気抜き孔に対応した位置に空気抜き開口部が形成されている、
請求項5に記載のダイ。
【請求項7】
前記側片の前記空気抜き開口部が、前記弛み防止開口部と連続して設けられている、
請求項6に記載のダイ。
【請求項8】
前記シムが、ポリエチレンテレフタレートよりなるフィルムである、
請求項1に記載のダイ。
【請求項9】
前記ウエブが縦方向に搬送され、
前記第1本体が上側に、前記第2本体が下側になるように、前記ダイが横方向に配されている、
請求項1に記載のダイ。
【請求項10】
前記ウエブが前後方向に水平に搬送され、
前記第1本体が前側、又は、後側に、前記第2本体が後側、又は、前側になるように、前記ダイが縦方向に配されている、
請求項1に記載のダイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエブに塗工液を塗工する塗工装置のダイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、長尺状のウエブに塗工液を塗工する場合には、ウエブを一定の速度で搬送し、ダイを用いて塗工を行っている。このダイは、第1本体と第2本体とシムとより形成され、その内部に液溜め部が設けられている。ポンプによって塗工液を液溜め部に供給し、この液溜め部からスリット状の吐出口を用いて塗工液を吐出し、ウエブの片面に連続塗工又は間欠塗工を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−179156号公報
【特許文献2】特開2011−240249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなダイにおいて、第1上本体と第2本体によって挟まれるシムは金属製である。したがって、塗工幅を変えるためには、金属製のシムを作り直す必要があって手間がかかり、また、金属製のシムであるためシムを薄くすることに限度があるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、シムを簡単に製造できると共に、その厚みを薄くできるダイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、搬送されるウエブに塗工液を吐出して塗工するダイにおいて、第1本体と、第2本体と、前記第1本体に形成された平らな第1固定面と、前記第2本体に形成された平らな第2固定面と、前記第2本体の前記第2固定面に設けられ、前記塗工液が供給される液溜め部と、前記第1本体の前記第1固定面と前記第2本体の前記第2固定面に挟まれたシムと、前記第1本体の前記第1固定面と前記第2本体の前記第2固定面との間にあって、前記シムによって形成された前記塗工液の吐出通路と、前記吐出通路の先端部に設けられたスリット状の前記塗工液の吐出口と、を有し、前記シムが合成樹脂製のフィルムより形成され、前記シムは、前記液溜め部の左右両側部に配される左右一対の側片と、前記左右一対の側片を連結するために前記液溜め部の縁部に配される連結片とを含み、左右一対の前記側辺の間に設けられた切欠き部分によって前記第1本体と第2本体との間に前記吐出通路が形成され、前記切欠き部分以外の前記液溜め部は、左右一対の前記側片に覆われ、前記シムの左右一対の前記側片に弛み防止開口部がそれぞれ設けられている、ダイである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1本体と第2本体に挟まれているシムは合成樹脂製のシートであるため、簡単に製造できると共に、その厚みを薄くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のダイの分解斜視図である。
図2】上本体の底面図である。
図3】下本体にシムを重ねた状態の平面図である。
図4】空気を抜いている状態のダイの縦断面図である。
図5】塗工している状態のダイの縦断面図である。
図6】塗工装置の説明図である。
図7】変更例の塗工装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態におけるダイ10を用いた塗工装置1について、図1図6に基づいて説明する。
【0010】
(1)塗工装置1の構造
塗工装置1の構造について図5図6に基づいて説明する。塗工装置1には、本実施形態のダイ10が横方向(水平方向)に配されている。このダイ10の前端部近傍にフィルム、金属箔、金属網、布帛、紙などの長尺状のウエブWが下から上に案内ロール2と案内ロール3によって一定の搬送速度で縦方向に搬送され、ウエブWの片面に塗工液がダイ10によって塗工される。塗工液は、タンク4に溜められ、ポンプ5によって供給管6からダイ10に供給される。また、後から説明するようにダイ10の空気抜き孔28から排出された空気の混じった塗工液は、排出管30を経てタンク4に循環する。
【0011】
なお、塗工装置1による塗工液の塗工は、連続塗工だけでなく、特許文献1に示すようにウエブWに対し塗工区間と非塗工区間を交互に形成する間欠塗工を行ってもよい。
【0012】
(2)ダイ10の構造
ダイ10の構造について図1図5に基づいて説明する。ダイ10は、金属製の略直方体であって水平に配され、その長手方向がウエブWの幅方向と平行に配されている。ウエブWに面するダイ10の前部は、先細りとなった縦断面が三角形状であって、その前端部にはスリット状の吐出口22が幅方向に設けられ、図5に示すようにウエブWの幅方向に塗工液を吐出する。ダイ10は、図1に示すように第1本体である上本体12と、第2本体である下本体14と、上本体12と下本体14により挟まれたシム16とよりなり、複数のネジによって固定されている。
【0013】
金属製の上本体12の上後面は水平面であり、上前面は、上後面から前に行くほど下に傾斜した傾斜面となっている。上本体12の第1固定面である下面は平らな面に形成されている。上本体12の両側部には、空気抜き孔28,28が縦方向に貫通している。上本体12の下面の縁部には、下本体14とネジ止めするためのネジ孔36が複数開口している。
【0014】
金属製の下本体14の下後面は水平面であり、下前面は、下後面から前に行くほど上に傾斜した傾斜面となっている。下本体14の第2固定面である上面は平らな面に形成され、また、この上面には液溜め部18が幅方向に形成されている。この液溜め部18の平面形状は図3に示すように長方形である。液溜め部18の幅方向における底面の中央には塗工液の供給口24が設けられている。この供給口24は、下本体14の下面から貫通した供給通路26とつながっている。下本体14の液溜め部18の縁部にはネジ孔38が複数開口している。これらネジ孔38は、上本体12と対応する位置に開口している。下本体14の供給通路26には、ポンプ5から塗工液を供給するための供給管6が接続されている。空気抜き孔28には排出管30がそれぞれ接続され、これら排出管30の途中にはバルブ32が設けられ、各排出管30の先端部はタンク4に配されている。
【0015】
シム16は、U字状であって、図1図3に示すように下本体14の両側部に配される側片161,161と、これら側片161,161の後部を接続する連結片162とより形成されている。側片161は長方形であり、その中央部に長方形の弛み防止開口部164が開口している。なお、弛み防止開口部164の形状は、液溜め部18の平面形状に合わせて形成する。空気抜き孔28に対応する位置には空気抜き開口部165が開口し、弛み防止開口部164と連続して縁部が形成されている。連結片162、左右一対の側片161,161には、ネジ開口部166が長方形に開口している。これらネジ開口部166は、上本体12のネジ孔36、下本体14のネジ孔38の位置に対応して開口し、また、ネジ孔36,38より大きく形成されている。左右一対の側片161,161の間に形成された切り欠き部163の幅方向の寸法が、塗工幅Lとなる。シム16は、合成樹脂製のフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートよりなるフィルムであって、厚さは10〜500μm、好ましくは250μm以下の厚さを有している。なお、シム16の厚さが、吐出口22の高さとなる。また、合成樹脂製のフィルムよりなるシム16は、透明である。
【0016】
ダイ10を組み立てる場合には、下本体14の第2固定面である上面にシム16を載置する。載置するときに液溜め部18の縁部と、シム16の切欠き部163の縁部の位置を合わせて載置する。シム16は透明であるため、液溜め部18の縁部をシム16を通して見ることができ、シム16を液溜め部18の位置に正確に対応させて載置できる。
【0017】
次に、シム16を載置した下本体14の上面に上本体12を載置して、複数のネジによって固定する。このとき、上本体12の下面と、液溜め部18以外の下本体の上面とは、平らな面であるため、合成樹脂製のフィルムよりなるシム16を挟んで固定できる。この固定を行うと、左右一対の側片161,161の間にある切欠き部163によって上本体12と下本体14との間に吐出通路20が形成され、塗工幅Lの吐出口22が形成される。
【0018】
(3)シム16の製造方法
シム16を製造する場合について説明する。
【0019】
まず、ロール状に巻回されたフィルムを所定の長さ引き出し、引き出した長方形のフィルムを切断して側片161,161と連結片162とが一体になったシム16を製造する。
【0020】
次に、このシム16に弛み防止開口部164、空気抜き開口部165、ネジ開口部166を形成する。
【0021】
シム16は、図4に示すように上本体12の下面にぴったりと接触させるが、弛み防止開口部164が開口していない場合には、フィルムよりなるシム16の側片161が上本体12の下面との間で弛るんで、その弛み部分に空気が侵入して袋状に空気が残る場合がある。特に、フィルムにロール状の巻回の癖がついていると弛みが生じ易く空気も侵入し易い。
【0022】
しかし、本実施形態のシム16では、側片161に弛み防止開口部164が開口しているため、この部分から空気が逃げて側片161が弛んだりしない。
【0023】
(4)ダイ10の空気抜きの方法と塗工方法
次に、ダイ10の空気抜きの方法と塗工方法について順番に説明する。
【0024】
第1に、図4に示すように作業者は、幅方向に広がったスリット状の吐出口22にカバー34を被せて吐出口22を閉塞する。カバー34としては、例えばシリコン接着テープであって、吐出口22に貼り付けて気密状態に閉塞する。
【0025】
第2に、作業者は、左右一対のバルブ32,32を開状態にする。
【0026】
第3に、作業者は、ポンプ5を駆動させ、タンク4内部にある塗工液をダイ10に一定の圧力で供給する。ポンプ5から供給された塗工液は、供給管6を通じて供給口24から液溜め部16に浸入する。この浸入した塗工液は、供給管6、液溜め部18に浸入する。この浸入した塗工液は液溜め部18を満たすようになると、押された空気(気泡)は左右一対の空気抜き孔28,28から排出され、排出管30を通じてタンク4に流れる。このとき、シム16には弛み防止開口部164が開口しているため、シム16と下本体14の下面との間にシム16が弛むことによる空気の層ができることがなく、確実に空気(気泡)を排出できる。
【0027】
第4に、作業者は、排出管30からタンク4に排出される塗工液を観察する。排出物は、最初は空気だけであるが次第に塗工液が混じるようになり、その後に塗工液のみが排出されるので、このときに作業者はダイ10から空気が完全に抜かれたと判断して左右一対のバルブ32,32を閉じると共に、ポンプ5を一旦停止させる。
【0028】
第5に、作業者は、吐出口22を閉塞しているカバー25を取り外す。
【0029】
第6に、作業者は、図6に示すように、案内ロール2,3によってウエブWを下から上に縦方向に搬送させる。
【0030】
第7に、図5に示すように、作業者は、ポンプ5を再び駆動させ、ダイ10の吐出口22から所定の幅と所定の厚みで塗工液をウエブWに塗工する。この場合に、塗工幅Lは、吐出口22の幅、すなわち、シム16の切欠き部分163の幅Lによって決定され、塗工厚さはポンプ5によって供給される単位時間当たり(例えば、1分当たり)の塗工液の供給量によって決定される。
【0031】
(5)効果
本実施形態のダイ10であると、塗工前にダイ10内部にある空気を左右一対の空気抜き孔28から抜くときに、シム16には弛み防止開口部164が設けられているため、上本体12の下面とシム16との間に袋状の弛みによる空気が溜まることがなく、空気を完全に抜くことができる。すなわち、弛み防止開口部164があることにより、フィルム状のシム16が弛んだりせず、また袋状に弛んでもこの弛み防止開口部164から空気を排出できる。また、弛み防止開口部164と空気抜き開口部165とが連続して設けられているため、より確実に空気を抜くことができる。
【0032】
また、上本体12の下面と、液溜め部18以外の下本体の上面とは、平らな面であるため、合成樹脂製のフィルムよりなるシム16を挟んで固定できる。
【0033】
また、シム16は透明であるため、液溜め部18などの位置をシム16を通して見ることができ、シム16を液溜め部18の位置に正確に対応させて配置できる。
【0034】
また、シム16は、合成樹脂製のフィルムよりなるため、フィルムを切断するだけであって、その製造が簡単であり、塗工幅Lを簡単に変えることができる。また、弛み防止開口部164、空気抜き開口部165、ネジ開口部166の大きさと位置を簡単に代えることができる。さらに、シム16は合成樹脂製のフィルムであるため厚みを薄くできる。
【0035】
また、弛み防止開口部164の形状が、液溜め部18の平面形状と同じであるため、より空気が入ることを防止できると共に、シム16を下本体14の上面に取り付け易い。
【0036】
また、空気抜き開口部165は空気抜き孔28よりも大きく形成され、ネジ開口部166もネジ孔36,38よりも大きく形成されているため、シム16の位置が多少ずれても空気抜き孔28から空気が確実に排出でき、またネジ止めも行うことができる。
【変更例】
【0037】
上記実施形態では、合成樹脂製のフィルムのシム16として、ポリエチレンテレフタレートで形成したが、これ以外の合成樹脂で形成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、供給口24を下本体14の底面中央に設けたが、これに代えて、下本体14の後面中央に設け、液溜め部18の後面から塗工液を供給してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、第1本体を上本体12とし、第2本体を下本体14として、ダイ10を横方向に配したが、これに代えて吐出口22が下向きになるように、ダイ10を縦方向に配してもよい。この場合には、第1本体はウエブWの搬送方向に対し前側又は後側に配し、第2本体は後側又は前側に位置するように配する。
【0040】
また、上記実施形態では、シム16に設けた弛み防止開口部164は長方形に形成したが、これに代えて円形、楕円形などに形成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、シム16において空気抜き開口部165と弛み防止開口部164とは連続して設けたが、独立して設けてもよい。
【0042】
上記実施形態の塗工装置1では、ウエブWが下から上に案内ロール2と案内ロール3によって一定の搬送速度で縦方向に搬送されていたが、これに代えて、図7に示すように、ウエブWをバックアップロール7で搬送し、そのバックアップロール7の位置でダイ10によって塗工液をウエブWの片面に塗工してもよい。
【0043】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1・・・塗工装置、10・・・ダイ、12・・・上本体(第1本体)、14・・・下本体(第2本体)、16・・・シム、18・・・液溜め部、20・・・吐出通路、22・・・吐出口、28・・・空気抜き孔、161・・・側片、162・・・連結片、163・・・切欠き部、164・・・弛み防止開口部、165・・・空気抜き開口部、166・・・ネジ開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7