特許第6367081号(P6367081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367081走行支援装置、走行支援プログラムおよび走行支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367081
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】走行支援装置、走行支援プログラムおよび走行支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20180723BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20180723BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   B60R21/00
   B60R1/00 A
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-220153(P2014-220153)
(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公開番号】特開2016-85712(P2016-85712A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】田部田 隆行
(72)【発明者】
【氏名】森 大志
(72)【発明者】
【氏名】三谷 浩輔
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−309812(JP,A)
【文献】 特開2009−074888(JP,A)
【文献】 特開2003−063273(JP,A)
【文献】 特開平05−205196(JP,A)
【文献】 特開2012−113672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60R 1/00
B60R 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の前方を撮像した第1の撮像データまたは自車の後方を撮像した第2の撮像データを選択する選択手段と、
自車の走行状況に関する走行状況情報を取得する取得手段と、
前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データに基づき走行の安全性を判定する判定手段と、
前記走行状況情報に基づき前記選択手段の選択を制御する選択制御手段と、を有し、
前記走行状況情報は、自車が走行している道路の車線数を含み、前記選択制御手段は、車線数が1車線のとき第1の撮像データを選択させ、2車線以上のとき第2の撮像データを選択させ、
前記走行状況情報はさらに、自車が走行している道路属性を含み、前記選択制御手段は、車線数が1車線であっても道路の直線区間が一定距離以上である場合には、第2の撮像データを選択させる、走行支援装置。
【請求項2】
自車の前方を撮像した第1の撮像データまたは自車の後方を撮像した第2の撮像データを選択する選択手段と、
自車の走行状況に関する走行状況情報を取得する取得手段と、
前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データに基づき走行の安全性を判定する判定手段と、
前記走行状況情報に基づき前記選択手段の選択を制御する選択制御手段と、を有し、
前記走行状況情報は、自車が走行している道路属性を含み、前記選択制御手段は、道路が追い越し区間であるとき第2の撮像データを選択させ、道路が追い越しのない区間であるとき第1の撮像データを選択させ、
前記追い越しのない区間は、幅員が一定値以下の1車線の区間である、走行支援装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記選択手段により選択された第1または第2の撮像データを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づき車線逸脱の有無を判定する車線逸脱判定手段と、前記解析結果に基づき自車の後方の障害物の有無を判定する障害物判定手段とを含む、請求項1または2に記載の走行支援装置。
【請求項4】
自車の前方を撮像した第1の撮像データまたは自車の後方を撮像した第2の撮像データを選択する選択手段と、
自車の走行状況に関する走行状況情報を取得する取得手段と、
前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データに基づき走行の安全性を判定する判定手段と、
前記走行状況情報に基づき前記選択手段の選択を制御する選択制御手段と、を有し、
前記判定手段は、前記選択手段により選択された第1または第2の撮像データを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づき車線逸脱の有無を判定する車線逸脱判定手段と、前記解析結果に基づき自車の後方の障害物の有無を判定する障害物判定手段とを含み、前記選択手段によって第1の撮像データが選択されているとき、前記車線逸脱判定手段が実行され、前記選択手段によって第2の撮像データが選択されているとき、前記車線逸脱判定手段および前記障害物判定手段が実行される、走行支援装置。
【請求項5】
前記車線逸脱判定手段は、撮像データから検出された白線情報に基づき車線逸脱を判定する、請求項3または4に記載の走行支援装置。
【請求項6】
前記選択制御手段は、第2の撮像データが選択されている間に、前記車線逸脱判定手段により車線逸脱がないと判定され、かつ障害物判定手段により障害物がないと判定されたとき、第1の撮像データへ選択を切替えさせる、請求項3ないし5いずれか1つに記載の走行支援装置。
【請求項7】
前記選択制御手段は、前記車線逸脱判定手段により車線逸脱が有りと判定されたとき、第2の撮像データへ選択を切替えさせる、請求項に記載の走行支援装置。
【請求項8】
前記走行状況情報は、自車のウィンカー情報を含み、前記選択制御手段は、前記ウィンカーが出されたとき、第2の撮像データへ選択を切替えさせる、請求項に記載の走行支援装置。
【請求項9】
自車の前方を撮像した第1の撮像データまたは自車の後方を撮像した第2の撮像データを選択する選択手段と、
自車の走行状況に関する走行状況情報を取得する取得手段と、
前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データに基づき走行の安全性を判定する判定手段と、
前記走行状況情報に基づき前記選択手段の選択を制御する選択制御手段と、を有し、
前記走行状況情報は、自車の速度情報を含み、前記選択制御手段は、自車の速度が一定速度未満である場合には、車線数に関わらず第2の撮像データを選択させる、走行支援装置。
【請求項10】
自車の前方を撮像した第1の撮像データまたは自車の後方を撮像した第2の撮像データを選択する選択手段と、
自車の走行状況に関する走行状況情報を取得する取得手段と、
前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データに基づき走行の安全性を判定する判定手段と、
前記走行状況情報に基づき前記選択手段の選択を制御する選択制御手段と、を有し、
前記走行状況情報は、自車の速度情報を含み、前記選択制御手段は、自車の速度が一定速度未満である場合には、車線数に関わらず第1の撮像データを選択させる、走行支援装置。
【請求項11】
走行支援装置はさらに、前記判定手段の判定結果に基づき警告を出力する警告出力手段を含む、請求項1ないし10いずれか1つに記載の走行支援装置。
【請求項12】
走行支援装置はさらに、前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する表示手段を含む、請求項1ないし11いずれか1つに記載の走行支援装置。
【請求項13】
走行支援装置はさらに、ユーザーからの入力を受け取る入力手段と、前記入力手段に基づいて前記選択手段の動作モードを設定する設定手段を含み、前記選択制御手段は、前記動作モードに基づき第1の撮像データまたは第2の撮像データを選択させる、請求項1ないし12いずれか1つに記載の走行支援装置。
【請求項14】
自車の前方を撮像する第1の撮像データまたは自車の後方を撮像する第2の撮像データを選択し、選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する手段を備えた走行支援装置が実行する走行支援プログラムであって、
自車が走行している道路が1車線のとき第1の撮像データを選択させ、2車線以上のとき第2の撮像データを選択させ、さらに、車線数が1車線であっても道路の直線区間が一定距離以上である場合には、第2の撮像データを選択させる、走行支援プログラム。
【請求項15】
自車の前方を撮像する第1の撮像データまたは自車の後方を撮像する第2の撮像データを選択し、選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する手段を備えた走行支援装置が実行する走行支援プログラムであって、
自車が走行している道路が追い越し区間であるとき第2の撮像データを選択させ、追い越しのない区間であるとき第1の撮像データを選択させ、前記追い越しのない区間は、幅員が一定値以下の1車線の区間である、走行支援プログラム。
【請求項16】
自車の前方を撮像する第1の撮像データまたは自車の後方を撮像する第2の撮像データを選択し、選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する手段を備えた走行支援装置における走行支援方法であって、
自車が走行している道路が1車線のとき第1の撮像データを選択させ、2車線以上のとき第2の撮像データを選択させ、さらに、車線数が1車線であっても道路の直線区間が一定距離以上である場合には、第2の撮像データを選択させる、走行支援方法。
【請求項17】
自車の前方を撮像する第1の撮像データまたは自車の後方を撮像する第2の撮像データを選択し、選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する手段を備えた走行支援装置における走行支援方法であって、
自車が走行している道路が追い越し区間であるとき第2の撮像データを選択させ、追い越しのない区間であるとき第1の撮像データを選択させ、前記追い越しのない区間は、幅員が一定値以下の1車線の区間である、走行支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像カメラによって撮像された撮像データを用いた走行支援装置に関し、特に、車線逸脱の有無の判定および後方の障害物の有無の判定等を行う機能を備えた走行支援に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に撮像カメラを搭載し、撮像された画像を用いて車両周辺の障害物や道路環境を監視する走行支援システムが利用されている。このようなシステムの中には、例えば、車両の前方を撮像するフロントカメラを使用した前方衝突警告(FCW:Forward collision warning)、信号検出機能、また、車両の後方を撮像するリアカメラを使用した車、自転車、歩行者等の警告(CTA:cross traffic alert)、後側方(死角)警告(BSW:Blind Spot Information Warning)などがある。また、フロントカメラおよびリアカメラのいずれの撮像データにより実現可能な車線逸脱警告(LDW:Lane Departure Warning)などがある。
【0003】
撮像データを元に様々な画像処理を行うことが可能であるが、その反面、画像処理装置には大きな負担がかかる。特許文献1では、幹線道路のような車両の往来が多い交差点では、撮像データを高速で処理し、道路幅員が狭く車両の往来が少ない交差点では画像処理速度を落とし、画像処理装置の余った処理能力を他の処理に振り分ける技術が開示されている。特許文献2は、前方を撮像する撮像データから得られる信号機までの距離とナビゲーション装置から得られる信号機までの距離とを比較して信号機の有無を判定し、この判定結果に基づき側方カメラのオン/オフおよびその画像の表示/非表示の切替る技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−185045号公報
【特許文献2】特開2008−132894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、フロントカメラやリアカメラからの撮像データを利用して走行支援を行う場合、撮像データの画像処理が必要となる。図1は、リアカメラおよびフロントカメラからの撮像データを画像処理する従来の処理ユニットの構成例を示している。図1(A)に示す処理ユニット1Aは、画像入力を2系統有し、リアカメラRCで撮像データを入力するビデオデコーダ2Aと、フロントカメラFCで撮像された撮像データを入力するビデオデコーダ2Bと、2つのビデオデコーダ2A、2Bで復号された画像データを処理または認識する画像認識部3Aと、画像処理された画像データを符号化するビデオエンコーダ4と、ビデオアンプ5等を備えている。この場合、画像認識部3Aは、リアカメラRCとフロントカメラFCからの画像データを処理するため、処理能力の高いシステムLSIやDSP(Digital Signal Processor)を使用する必要がある。
【0006】
一方、図1(B)は、画像入力が1系統の処理ユニットを示している。処理ユニット1Bは、リアカメラRCからの撮像データとフロントカメラFCからの撮像データを入力し、そのいずれか一方を出力する選択部6と、選択部6から出力された撮像データを入力するビデオデコーダ2と、ビデオデコーダ2で復号された画像データを処理する画像認識部3Bと、画像処理された画像データを符号化するビデオエンコーダ4と、ビデオアンプ5等を備えている。処理ユニット1Bは、入力系統が1系統しかないため、撮像データを選択する選択部6が必要となるが、画像認識部3Bは、画像認識部3Aのような処理能力を必要としないため、より安価なシステムLSIまたはDSPを使用することができる。
【0007】
しかしながら、リアカメラRCからの撮像データまたはフロントカメラFCからの撮像データの切り替えを選択部6によって行う必要があり、その切り替えタイミングを適切に制御しなければならず、切り替えが不適切であると、不必要な画像処理の実行によりシステムLSI等への処理負荷が高くなってしまい、残りのリソースを他の処理に適切に割り当てることができない等の不具合がある。さらに、撮像データは、運転者にとっての走行支援となるように適切に提供されなければならない。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、自車の前方および後方を撮像した撮像データの切り替えのタイミングを適切に制御することができる走行支援装置、走行支援プログラムおよび走行支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る走行支援装置は、自車の前方を撮像した第1の撮像データまたは自車の後方を撮像した第2の撮像データを選択する選択手段と、自車の走行状況に関する走行状況情報を取得する取得手段と、前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データに基づき走行の安全性を判定する判定手段と、前記走行状況情報に基づき前記選択手段の選択を制御する選択制御手段とを有する。
【0010】
好ましくは前記走行状況情報は、自車が走行している道路の車線数を含み、前記選択制御手段は、車線数が1車線のとき第1の撮像データを選択させ、2車線以上のとき第2の撮像データを選択させる。好ましくは前記走行状況情報は、自車が走行している道路属性を含み、前記選択制御手段は、車線数が1車線であっても道路の直線区間が一定距離以上である場合には、第2の撮像データを選択させる。好ましくは前記走行状況情報は、自車が走行している道路属性を含み、前記選択制御手段は、道路が追い越し区間であるとき第2の撮像データを選択させ、道路が追い越しのない区間であるとき第1の撮像データを選択させる。好ましくは前記追い越しのない区間は、曲率が一定以上のカーブ区間である。好ましくは前記追い越しのない区間は、幅員が一定値以下の1車線の区間である。好ましくは走行支援装置はさらに、前記判定手段の判定結果に基づき警告を出力する警告出力手段を含む。好ましくは走行支援装置はさらに、前記選択手段により選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する表示手段を含む。好ましくは前記判定手段は、前記選択手段により選択された第1または第2の撮像データを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づき車線逸脱の有無を判定する車線逸脱判定手段と、前記解析結果に基づき自車の後方の障害物の有無を判定する障害物判定手段とを含む。好ましくは前記選択手段によって第1の撮像データが選択されているとき、前記車線逸脱判定手段が実行され、前記選択手段によって第2の撮像データが選択されているとき、前記車線逸脱判定手段および前記障害物判定手段が実行される。好ましくは前記車線逸脱判定手段は、撮像データから検出された白線情報に基づき車線逸脱を判定する。好ましくは前記選択制御手段は、第2の撮像データが選択されている間に、前記車線逸脱判定手段により車線逸脱がないと判定され、かつ障害物判定手段により障害物がないと判定されたとき、第1の撮像データへ選択を切替えさせる。好ましくは前記選択制御手段は、前記車線逸脱判定手段により車線逸脱が有りと判定されたとき、第2の撮像データへ選択を切替えさせる。好ましくは前記走行状況情報は、自車のウィンカー情報を含み、前記選択制御手段は、前記ウィンカーが出されたとき、第2の撮像データへ選択を切替えさせる。好ましくは前記走行状況情報は、自車の速度情報を含み、前記選択制御手段は、自車の速度が一定速度未満である場合には、車線数に関わらず第2の撮像データを選択させる。好ましくは前記走行状況情報は、自車の速度情報を含み、前記選択制御手段は、自車の速度が一定速度未満である場合には、車線数に関わらず第1の撮像データを選択させる。好ましくは走行支援装置はさらに、ユーザーからの入力を受け取る入力手段と、前記入力手段に基づいて前記選択手段の動作モードを設定する設定手段を含み、前記選択制御手段は、前記動作モードに基づき第1の撮像データまたは第2の撮像データを選択させる。
【0011】
本発明の走行支援プログラムは、自車の前方を撮像する第1の撮像データまたは自車の後方を撮像する第2の撮像データを選択し、選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する手段を備えた走行支援装置が実行するものであって、自車が走行している道路が1車線のとき第1の撮像データを選択させ、2車線以上のとき第2の撮像データを選択させる。
【0012】
本発明の走行支援方法は、自車の前方を撮像する第1の撮像データまたは自車の後方を撮像する第2の撮像データを選択し、選択された第1の撮像データまたは第2の撮像データを表示する手段を備えた走行支援装置におけるものであって、自車が走行している道路が1車線のとき第1の撮像データを選択させ、2車線以上のとき第2の撮像データを選択させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自車の走行状況情報に基づき第1の撮像データまたは第2の撮像データを選択するようにしたので、より適切なタイミングでの撮像データを表示させ、走行支援を行うことができる。また、第1の撮像データと第2の撮像データのいずれか選択することで、撮像データを処理する処理装置の負荷を軽減させ、より安価な処理装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】リアカメラおよびフロントカメラで撮像された撮像データを処理する従来の処理ユニットの構成例を示す図である。
図2】本発明に係る第1の実施例の車載装置の構成例を示すブロック図である。
図3】車両に搭載された撮像カメラを説明する図である。
図4図2に示す処理ユニットの構成を説明する図である。
図5】本発明の第1の実施例に係る選択制御プログラムの機能的な構成を示す図である。
図6】本発明の第1の実施例に係る走行支援動作を説明するフローチャートである。
図7図7(A)は、自車が2車線の道路を走行しているときにリアカメラが選択された状態を示し、図7(B)は、自車が1車線の道路を走行しているときにフロントカメラが選択された状態を示す。
図8】本発明の第3の実施例に係る走行支援動作を説明するフローチャートである。
図9】本発明の第4の実施例に係る走行支援動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の走行支援装置は、好ましい態様では、車両に搭載された電子装置(以下、車載装置)または車載システムによって実現される。走行支援装置を実現する車載装置は、自車の前方を撮像した撮像データと、自車の後方を撮像した撮像データとのいずれかを選択し、選択された撮像データをディスプレイに表示し、さらには選択された撮像データに基づき車線逸脱の判定や後方障害物の判定を行い、必要に応じて運転者に警告を発する。車載装置は、上記のような走行支援機能に加えて、ナビゲーション機能、オーディオ・ビデオデータの再生機能、テレビ・ラジオを受信する機能などを備えることが可能である。
【実施例】
【0016】
次に、本発明の実施例について説明する。図2は、本発明の第1の実施例に係る車載装置の構成を示すブロック図であり、当該車載装置が走行支援装置を実現する。同図に示すように、車載装置10は、入力部100、処理ユニット110、ナビゲーション部120、データ通信部130、車内バスインターフェース140、表示部150、音声出力部160、記憶部170、制御部180等を含んで構成される。このような構成は、一例であって、車載装置10は、これ以外にも他の機能を包含するものであってもよい。
【0017】
入力部100は、入力キーデバイス、音声入力認識装置、タッチパネル等を含み、ユーザーからの指示を受け取る。処理ユニット110は、車両に搭載された撮像カメラから撮像データを受け取り、撮像データの画像処理等を実行する。本例では、処理ユニット110は、車両の前方に搭載されたフロントカメラFCからの撮像データD1と、車両の後方に搭載されたリアカメラRCからの撮像データをD2とを受け取る。
【0018】
図3は、フロントカメラとリアカメラの撮像範囲を説明する図である。同図に示すように、フロントカメラFCは、自車Mの前方に取付けられ、自車Mの前方を撮像する。フロントカメラFCによる撮像範囲すなわち視野角θは、少なくとも自車の前方の白線L1、L2を撮像し、白線L1、L2の画像認識が可能となる角度に調整される。リアカメラRCは、自車Mの後方に取付けられ、自車Mの後方を撮像する。リアカメラRCによる撮像範囲すなわち視野角θRは、自車の後方の白線L1、L2を撮像し、白線L1、L2の画像認識が可能となる角度の要件を満足し、かつ自車Mの後側方の死角となる領域を撮像可能な角度の要件を満足する。それ故、1つの好ましい態様では、リアカメラRCには、視野角θが視野角θよりも大きくなるようなレンズが用いられる。但し、視野角θと視野角θとの関係はこれに限らず、同じであってもよいし、反対に視野角θが視野角θよりも小さくてもよい。
【0019】
処理ユニット110は、図4に示すように、フロントカメラFCからの撮像データD1とリアカメラRCからの撮像データD1を入力し、いずれか一方の撮像データを選択する選択部112と、選択部112によって選択された撮像データの画像処理等を行う信号処理部114とを有する。選択部112は、制御部180からの選択信号SELによって入力の切換えを行う。信号処理部114は、例えば、システムLSIやDSPなどのチップを含み、撮像データの画像処理を行う。1つの好ましい態様では、撮像データの中から道路の白線(追い越し禁止の黄色線なども含む)を検出したり、撮像データの中から、人、自転車、二輪車、車等の障害物を検出する。検出方法は、公知の画像解析技術を用いて行うことができる。信号処理部114で処理された結果は、制御部180へ提供され、制御部180は、処理された結果を利用して、車線逸脱の判定や後方の障害物の判定を行う。
【0020】
ナビゲーション部120は、自車位置周辺の道路地図を表示したり、目的地までの経路を探索し、経路案内等を行う。ナビゲーション部120に必要とされる自車位置は、GPS衛星を利用した測位情報および/または車両に搭載されたジャイロセンサや加速度センサ等を利用した測位情報から算出される。道路地図データや施設データ等は、記憶部170から読み出すことも可能であるし、データ通信部130を介して、道路地図データを配信するサーバーにアクセスし、そこから取得するようにしもてよい。また、ナビゲーション部120は、ナビゲーション機能を実行している間に、フロントカメラFCやリアカメラRCによって撮像された撮像データを表示させることも可能である。例えば、ディスプレイを2画面に分割し、一方の画面に自車位置周辺等の道路地図を表示させ、他方の画面に撮像された画像を表示させることができる。
【0021】
データ通信部130は、外部と無線または有線によるデータ通信の送受を可能にする。例えば、ネットワークを介してサーバーに接続したり、車内に持ち込まれたスマートフォンなどの携帯端末などの外部機器との接続も可能にする。通信機能を有する携帯端末が接続された場合には、その携帯端末自身が保持するデータ通信機能を利用することも可能である。
【0022】
車内バスI/F140は、車内バスに接続され、車両の種々の情報を取得する。例えば、車両の速度情報、車両のウィンカー情報、車両のギアポジション情報などを取得する。取得された情報は、後述するようにフロントカメラFCからの撮像データD1とリアカメラRCからの撮像データD2の切替制御に利用される。さらに取得された情報は、ナビゲーション部120においても利用される。
【0023】
表示部150は、受け取った画像データを処理し、ディスプレイに表示する。例えば、処理ユニット110で処理された画像データを受け取り、自車の前方画像または自車の後方画像を表示する。さらに表示部150は、ナビゲーション部120からの画像データを受け取り、ナビゲーション画像とともにフロントカメラ/リアカメラで撮像された画像を表示させる。
【0024】
音声出力部160は、ナビゲーション部120による音声案内やその他記憶部170から読み出された音声データ等を出力する。さらに、フロントカメラFCやリアカメラRCで撮像された撮像データに基づき、車線逸脱や後方障害物があると判定された場合に、警報を出力することができる。
【0025】
記憶部170は、車載装置で使用されるデータやアプリケーション等のプログラムデータ等を記憶することができる。1つの態様では、記憶部170は、ナビゲーション部120で利用される地図データベースや施設データベースを記憶する。地図データベースには、リンク情報(道路)やノード情報(交差点)が記憶される。ノード情報には、道路を識別する情報に加えて、道路の属性を表す情報が含まれる。例えば、道路の車線数、道路の幅員、追い越し禁止区間の設定、制限速度、カーブ区間(曲率を含む)などである
【0026】
制御部180は、例えば、マイクロプロセッサやマイクロコントローラを含み、ROM/RAMあるいは記憶部170に記憶されたプログラム等を実行することにより各部を制御する。本実施例では、制御部180は、自車の走行支援を行うための走行支援プログラムを実行する。当該走行支援プログラムは、フロントカメラFCとリアカメラRCの撮像データの切換制御や、安全運転を損なうような場合に警報等を発する。
【0027】
本実施例の走行支援プログラムの機能的な構成を図5に示す。本実施例の走行支援プログラム200は、車線数取得部210、属性情報取得部220、速度情報取得部230、車両状態取得部240、車線逸脱判定部250、後方障害物判定部260、選択決定部270および警報出力部280等含む。
【0028】
車線数取得部210は、自車が走行している道路の車線数を含む車線情報を取得する。1つの態様では、ナビゲーション部120によって自車位置がマップマッチングされている道路の車線情報を、記憶部170の道路データベースから取得する。他の態様では、フロントカメラまたはリアカメラで撮像された撮像データから車線数を検知できる場合には、この車線数を取得するようにしてもよい。さらに他の態様では、自車が走行している道路の車線数を、データ通信手段を介して外部のサーバーから取得するようにしてもよい。
【0029】
属性情報取得部220は、自車が走行している道路の属性情報を取得する。属性情報には、上記したように例えば、道路の幅員、追い越し禁止区間の設定、制限速度、カーブ区間(曲率を含む)などが含まれる。
【0030】
速度情報取得部230は、車内バスI/F140を介して自車の速度情報を取得する。車両状態取得部240は、車内バスI/F140を介して、例えば、ギアポジションやウィンカー情報を取得する。なお、本実施例では、道路の車線数、属性情報、速度情報、車両状態を含む情報を総括して、自車の走行状況情報と定義している。
【0031】
車線逸脱判定部250は、信号処理部114からの撮像データの解析結果に基づき、自車が車線を逸脱しているか否かを判定する。好ましい例では、自車と白線との距離が一定値よりも小さくなったとき、車線逸脱と判定することができる。あるいは他の例では、一定期間内に、自車と白線との距離が減少傾向にあるとき、車線逸脱と判定することができる。車線逸脱に利用される白線は、フロントカメラFCによる撮像データ、またはリアカメラRCによる撮像データのいずれであってもよい。つまり、双方の撮像データに基づき車線逸脱の判定を行うことができる。但し、夜間は、自車のヘッドライトにより前方の白線が照射され、その結果、リアカメラによる白線の検出精度よりもフロントカメラによる白線の検出精度が高くなる。それ故、車線逸脱の判定精度も、フロントカメラの撮像データを利用した方が高くなる。
【0032】
後方障害物判定部260は、信号処理部114からの撮像データの解析結果に基づき、後方の障害物の有無を判定する。後方障害物判定は、リアカメラRCからの撮像データが選択されているときに行われる。
【0033】
選択決定部270は、フロントカメラFCまたはリアカメラRCのいずれの撮像データを選択するのかを決定し、その決定結果に従い選択信号SELを選択部112へ出力する。選択決定部270は、上記した走行状況情報に基づき選択を決定する。選択決定部270は、例えば、自車が走行している道路の車線数が2車線以上(追い越し可能区間)である場合は、リアカメラRCを選択させ、車線数が1車線(追い越し禁止区間)である場合には、フロントカメラFCを選択させる。選択決定部270の詳細の動作については後述する。
【0034】
警報出力部280は、車線逸脱判定部250により車線逸脱があると判定されたとき、および/または後方障害物判定部260により死角を含む後方に障害物があると判定されたとき、表示部150または音声出力部160から警報を出力させる。
【0035】
次に、本発明の第1の実施例に係る走行支援動作について、図6のフローチャート参照して説明する。自車の走行開始に伴い、走行支援プログラムが起動される。好ましい態様では、ナビゲーション部120も起動され、表示部150に自車位置周辺の道路地図が表示されるものとする。
【0036】
まず、車線数取得部210によって自車が走行している道路の車線数が取得される(S100)。選択決定部270は、車線数に基づきフロントカメラFCまたはリアカメラRCの選択を行う。具体的には、車線数が1車線であるか否かを判定し(S102)、車線数が1車線である場合には、フロントカメラFCを選択させ(S104)、車線数が2車線以上である場合には、リアカメラRCを選択させる(S106)。選択部112は、選択決定部270で決定された選択信号SELに応じて撮像データを選択する。
【0037】
図7(A)は、自車が2車線の道路を走行している状態を示し、図7(B)は、自車が1車線の道路を走行している状態を示す。自車が2車線の道路を走行している場合、後側方(死角)から自車Mに接近する他車Pを監視する必要がある。このため、リアカメラRCが選択される。一方、自車が1車線の道路を走行している場合、後側方(死角)から自車Mに接近する他車は、原則的に少ないと考えられる。このため、フロントカメラFCが選択される。
【0038】
次に、処理ユニットの信号処理部114は、選択された撮像データを画像処理することで、白線を検出する(S108)。白線情報は、フロントカメラFCまたはリアカメラRCのいずれが選択された場合であっても、検出が可能である。次に、車線逸脱判定部250は、検出された白線情報に基づき自車が車線を逸脱するか否かを判定する(S110)。車線逸脱であると判定された場合には、警報出力部280は、表示部150や音声出力部160に警報を出力させる(S112)。また、選択された撮像データは、ナビゲーション画面とともに表示部150に表示されるようにしてもよい。
【0039】
フロントカメラFCおよびリアカメラRCのいずれからの撮像データを使用しても白線検知をすることが可能であり、リアカメラRCを選択すれば、車線逸脱判定と後方障害物判定を同時に行うことができるが、夜間走行時には、リアカメラRCによる白線検出の性能が劣化する。そこで本実施例は、後方からの危険性が少ないような場合には、フロントカメラFCを選択することで、車線逸脱判定の精度を高めている。
【0040】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、選択決定部270は、車線数に基づきフロントカメラFCまたはリアカメラRCを選択するようにしたが、第2の実施例では、自車が走行している道路の属性情報を加味してカメラの選択を行う。
【0041】
属性情報取得部220は、自車が走行している道路の属性情報を記憶部170の地図データベースから取得する。選択決定部270は、取得された属性情報から、車線数が1車線であっても、道路の直線区間が一定距離以上ある場合には、リアカメラRCを選択させる。直線区間が長い場合には、後側方から追い越し車両が接近する可能性があるためである。リンク情報に直線区間の距離情報が含まれていない場合には、リンクの始点から終点までの形状から適宜直線区間を判定するようにしてもよい。
【0042】
他の態様として、選択決定部270は、取得された属性情報から、追い越し区間であるか否かを判定し、追い越し区間であれば、リアカメラRCを選択させ、追い越し区間でなければ、フロントカメラカメラFCを選択させる。追い越し区間であるか否かは、例えば、法定により追い越し禁止(黄色線)が設定されているか否かによって決定される。但し、そのような追い越し禁止が設定されていない場合であっても、カーブ区間である場合や、道路の幅員が一定値以下であれば、事実上、追い越すことは難しいので、追い越しがないと判定してもよい。カーブ区間か否かは、リンク情報に道路の曲率が含まれていれば、当該曲率が一定値以上か否かによって決定し、曲率が含まれていない場合には、道路形状から推定するようにしてもよい。
【0043】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例では、車線情報や属性情報に加え、自車の速度情報に基づきカメラの選択を行う。速度情報取得部230は、車内バスI/F140を介して自車の速度情報を取得する。本実施例では、選択決定部270は、速度情報が一定速度以上であるか否かを判定し、一定速度以上の場合のみフロントカメラFCまたはリアカメラRCの選択を行い、一定速度未満の場合には、車線情報や属性情報に関係なくリアカメラRCを選択する。
【0044】
図8は、本発明の第3の実施例の動作を説明するフローチャートである。先ず、速度情報取得部230により、自車の速度情報が取得される(S200)。次に、選択決定部270は、速度情報が一定速度以上(例えば、60km/h)であるか否かを判定する(S202)。一定速度未満と判定された場合には、選択決定部270は、車線情報や属性情報による判定を行わず、リアカメラRCを選択させる(S106)。一定速度以上と判定された場合は、第1の実施例で示したように、ステップS100〜S112のフローに従いカメラの選択が行われる。
【0045】
第3の実施例では、自車の走行速度が一定速度未満の場合は、車線情報に関わらず、車線逸脱の判定性能が低いリアカメラRCを選択している。これは、低速時では、高性能な車線逸脱判定が重要でなくなり、後側方の障害物の監視が重要になるためである。例えば、渋滞時や交差点近傍において低速走行をしているとき、後側方の死角から二輪車等の追い越し等が生じることがあり、これに的確に対処することができる。
【0046】
さらに第3の実施例では、自車の速度が一定速度未満の場合にリアカメラを選択させているが、例外を設定しても良い。例えば、入力部100からのユーザー設定によって、低速走行時の動作モードを実行させることも可能である。低速走行時の動作モードは、例えば、フロントカメラFCからの撮像データにより信号機を認識すること、あるいはフロントカメラFCからの撮像データにより前方障害物の有無を判定することなどである。低速走行時に、このような動作モードを実行させたい場合には、自車の速度が一定速度未満になった場合には、常にフロントカメラを選択させるようにしてもよい。
【0047】
さらに第3の実施例では、自車の速度が一定速度未満の場合にリアカメラを選択させているが、低速走行時のみならず、停車時や後退時においても常にリアカメラを選択させるようにしても良い。この場合、車両状態取得部240は、車内バスI/F140を介してギアポジションやサイドブレーキの情報を取得し、選択決定部270は、ギアポジションが後退であるとき、あるいはサイドブレーキがオンしているとき、リアカメラRCを選択させる。停車時、後退時には、車線逸脱判定は不要であることが多く、反面、そのような場合には、後側方の死角に、歩行者、自転車、その他物体などの障害物が存在することが多く、それらの監視が必要になる。それ故、リアカメラRCを選択させることが望ましい。
【0048】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施例では、車線情報、属性情報等に加え、後方障害物の判定および車線逸脱の判定を考慮して、より的確なカメラの選択を行う。図9は、第4の実施例に係る走行支援の動作フローである。第1の実施例のときと同様に、車線数取得部210によって自車が走行している道路の車線数が取得され(S300)、選択決定部270によって車線が1車線か2車線以上かが判定される(S302)。1車線である場合には、選択決定部270は、フロントカメラFCを選択させ(S304)、2車線以上である場合には、選択決定部270は、リアカメラRCを選択させる(S306)。
【0049】
次に、選択決定部270は、車線逸脱判定部250および後方障害物判定部260の判定結果を監視し、後方から障害物の接近がなく(S308)、かつ車線逸脱がないと判定されたとき(S310)、選択決定部270は、フロントカメラFCを選択させる(S304)。なお、この判定基準は、警報出力部280による警報を出力する判定基準と異なるものであってもよく、例えば、警報出力部280による判定基準よりもより厳しい基準としてもよい。なぜなら、自車の後方を全く監視しない期間が発生することになるためである。
【0050】
フロントカメラFCへの切り替え後、選択決定部270は、フロントカメラFCからの撮像データに基づく車線逸脱の判定を監視し、車線逸脱がありと判定された場合には、リアカメラRCを選択させる(S306)。さらに選択決定部270は、車両状態取得部240からウィンカーを出したことが検出された場合にも、リアカメラRCを選択させる(S306)。これらの2つの動作は、いずれも自車の後側方の監視または確認を必要とするものであるからである。リアカメラRCが選択された後、後方障害物がなく(S308)、車線逸脱がなければ(S310)、再び、フロントカメラFCへ切り替えられる。
【0051】
このように第4の実施例は、2車線以上の車線を走行中であっても一時的にフロントカメラFCに切り替え可能とし、切り替え後、自車後方の安全確認が必要となった場合には、再びリアカメラRCに切り替えることで、フロントカメラFCとリアカメラRCの切り換えタイミングを走行状態に応じてフレキシブルに制御することができる。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
10:車載装置 100:入力部
110:処理ユニット 112:選択部
114:信号処理部 120:ナビゲーション部
130:データ通信部 140:車内バスI/F
150:表示部 160:音声出力部
170:記憶部 180:制御部
200:走行支援プログラム 210:車線数取得部
220:属性情報取得部 230:速度情報取得部
240:車両状態取得部 250:車線逸脱判定部
260:後方障害物判定部 270:選択決定部
280:警報出力部
FC:フロントカメラ RC:リアカメラ
M:自車 P:他車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9