(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンピュータ等を利用して照明器具を間引いたり照度の調整をしながら室内の照度の分布を得るためには、部屋の広さなど部屋に関する情報や部屋に設置された照明器具の仕様等の情報を現状に即して設定する必要がある。仮に、それらの情報が現状に即していない場合、現状に即するよう設定情報を変更するのが望ましい。
【0005】
しかしながら、従来においては、これらの設定情報を提示していなかったため、現状に即した設定内容で照度の分布が得られているのかは不明であり、また、現状に即するよう設定情報を変更することができなかった。
【0006】
本発明は、複数の照明器具が設置された部屋において、その部屋の所定の目標を達成すべき照度器具の点灯パターンを探索するシミュレーションに関する多種多様な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシミュレーション装置は、
実行指示に応じて、部屋に関する情報、部屋に設置された照明器具に関する情報及び照明器具の電力使用に関する情報を含むシミュレーション設定情
報の設定内容に基づいて所定の目標を達成すべき照明器具の点灯パターンを探索するシミュレーションを実行し
、そのシミュレーションの実行中に得られた照明器具の点灯パターンのときの照度に関する情報及び省エネ効果に関する情報を記憶手段に記録するシミュレーション実行手段と、
前記記憶手段に記録された情報と快適性との関係を示す情報を表示するシミュレーション表示処理手段と、を有するものである。
【0008】
また、前記シミュレーション実行手段
は、初期の点灯パターンから照明器具を1本ずつ消灯していくことようシミュレーションを実行し、照明器具を1本ずつ消灯する度に前記照度に関する情報及び前記省エネ効果に関する情報を前記記憶手段に記録するものである。
【0009】
また、
前記照度に関する情報は、部屋を複数の領域に分割して各領域の照度を求めた場合、各領域の照度の平均照度である。
【0010】
また、
前記照度に関する情報は、部屋を複数の領域に分割して各領域の照度を求めた場合、各領域の照度のうちの最低の照度である。
【0011】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、
実行指示に応じて、部屋に関する情報、部屋に設置された照明器具に関する情報及び照明器具の電力使用に関する情報を含むシミュレーション設定情
報の設定内容に基づいて所定の目標を達成すべき照明器具の点灯パターンを探索するシミュレーションを実行し
、そのシミュレーションの実行中に得られた照明器具の点灯パターンのときの照度に関する情報及び省エネ効果に関する情報を記憶手段に記録するシミュレーション実行手段、
前記記憶手段に記録された情報と快適性との関係を示す情報を表示するシミュレーション表示処理手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の照明器具が設置された部屋において、その部屋の所定の目標を達成すべき照度器具の点灯パターンを探索するシミュレーションに関する多種多様な情報を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るシミュレーション装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。
図2は、本実施の形態におけるシミュレーション装置10を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態においてシミュレーション装置10を形成するコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)等従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、シミュレーション装置10は、
図2に示したようにCPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、入力手段として設けられたマウス25とキーボード26、及び表示装置として設けられたディスプレイ27をそれぞれ接続する入出力コントローラ28、通信手段として設けられたネットワークコントローラ29を内部バス30に接続して構成される。
【0016】
図1に戻り、本実施の形態におけるシミュレーション装置10は、情報受付部11、シミュレーション画面表示処理部12、シミュレーション実行部13、省エネ情報表示部14、制御部15、シミュレーション設定情報記憶部16及びシミュレーション結果蓄積部17を有している。本実施の形態においては、後述するように照明器具を間引くシミュレーションを実行するが、情報受付部11は、外部システムから送信されてくる、あるいは人手により入力されたシミュレーションの実行に必要な情報を受け付けてシミュレーション設定情報としてシミュレーション設定情報記憶部16に設定登録する。シミュレーション設定情報には、部屋の広さ、内装色、部屋に設置された照明器具の配置等の部屋に関する情報、埋込型等の設置方法、照明器具の種類、光度特性等部屋に設置された照明器具に関する情報、及び照明器具の汚れや劣化具合を示す保守率等照明器具の電力使用に関する情報が含まれているが、これらの情報の具体例は後述する。シミュレーション画面表示処理部12は、照明器具を間引くシミュレーションを実行する際にディスプレイ27に表示されるシミュレーション画面の表示処理を実行する。シミュレーション画面表示処理部12は、シミュレーション設定情報に含まれる情報の全部又は一部をシミュレーション画面に編集可能に表示する情報表示処理手段として、また、シミュレーションの実行中に得られた照明器具の点灯パターンのときの照度に関する情報をシミュレーション画面に表示するシミュレーション表示処理手段として機能する。
【0017】
シミュレーション実行部13は、シミュレーション実行手段として設けられ、実行指示に応じて、シミュレーション画面に表示されているシミュレーション設定情報の設定内容に基づいて所定の目標を達成すべき照明器具の点灯パターンを探索するシミュレーションを実行する。照明器具の間引きは、省エネを基本的な目的として実施されるが、室内の快適性や居住性を考慮し、部屋に応じて最低照度を確保すべきである。本実施の形態では、室内に要求される最低照度を所定の目標として設定する。省エネ情報表示部14は、省電力情報表示手段として設けられ、シミュレーション実行部13におけるシミュレーションの実行中において得られた部屋の照度と省電力との関係を示す省電力情報をディスプレイ27に表示する。制御部15は、他の構成要素11〜14と連携動作して、シミュレーション装置10におけるシミュレーションの実行を制御する。
【0018】
シミュレーション設定情報記憶部16には、情報受付部11により取得されたシミュレーション設定情報、またシミュレーション画面からユーザにより変更されたシミュレーション設定情報が記憶される。シミュレーション結果蓄積部17には、前述した省電力情報が蓄積される。
【0019】
シミュレーション装置10における各構成要素11〜15は、シミュレーション装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶手段16,17は、シミュレーション装置10に搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0020】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0021】
図3Aは、本実施の形態においてシミュレーションが実行される際にディスプレイ27に表示されるシミュレーション画面の一例を示した図である。シミュレーション画面には、シミュレーションを実行する上で必要な情報を表示、設定するシミュレーション設定領域31と、シミュレーションの実行結果が表示されるシミュレーション結果領域32と、が含まれる。
【0022】
ところで、照明器具を間引くというのは、点灯されている照明器具をオフにして消灯することを言う。本実施の形態におけるシミュレーションは、後述するように部屋に設置された照明器具が全て点灯されている状態から1本ずつオフにする度に照度を測定し、これを最終的に1本の照明器具が残るまで繰り返すという処理を実行する。本実施の形態では、シミュレーションの実行中に得られる情報、すなわち全て点灯されている状態から1本の照明器具が残るまでの間に得られた情報を「シミュレーション結果」として取り扱う。例えば、10本の照明器具が部屋に設置されている場合、1〜9本の照明器具が間引かれた状態のシミュレーション結果もその都度記録する。
【0023】
シミュレーション設定領域31には、シミュレーション設定情報記憶部16に登録されたシミュレーション設定情報の全部又は一部が編集可能に表示される。
図3Aにおける横方向照明ユニット数、縦方向照明ユニット数、机上−天井の高さ、横方向照明ユニット間隔及び縦方向照明ユニット間隔は、部屋に関する情報に相当する。照明ユニット種別、蛍光灯数及び蛍光灯種別は、照明器具に関する情報に相当する。1[w]当たりの電気料金、照明ユニット1台当たりの消費電力及び保守率は、電気使用に関する情報に相当する。また、
図3Aに示した設定情報以外にも、窓の数や大きさ、壁の材質等に基づく外光や反射を考慮して係数等を設定できるようにしてもよい。
【0024】
シミュレーション設定情報は、基本的には頻繁に変更する必要のない情報であるかもしれないが、例えば電気料金の改定に応じてシミュレーション設定情報記憶部16に登録されたシミュレーション設定情報が変更されていない場合でも電気料金等のシミュレーション結果が現実により近い情報として得られるように、シミュレーション実行者がシミュレーション画面から変更できるようにした。シミュレーション設定情報を変更した場合、シミュレーション実行者は、設定完了ボタン33を押下することで確定させ、またこの操作に応じて、シミュレーション画面表示処理部12は、シミュレーション設定情報記憶部16を更新する。
【0025】
本実施の形態によれば、シミュレーション結果と合わせてシミュレーションの実行のために設定された情報を同じシミュレーション画面に表示するようにしてシミュレーションの実行者に設定内容と結果を確認させることができる。
【0026】
次に、シミュレーション結果領域32に表示される情報について説明する。本実施の形態では、部屋を照明器具の設置位置に対応させて矩形形状の領域に分割する。点灯パターン表示領域34では、部屋に設置されている照明器具の配置と、照明器具の点灯パターン、すなわち各照明器具が点灯しているか、あるいは消灯しているかの状態を示す。本実施の形態では、便宜的に、部屋の天井には照明器具が縦横に整列して設置されていることにしているので、点灯パターン表示領域34には、シミュレーション設定情報に含まれる横方向照明ユニット数及び縦方向照明ユニット数を参照して、各照明器具を示す矩形が整列して表示される。そして、点灯中の照明器具は相対的に明るい色で、消灯中の照明器具は相対的に暗い色で表示することで、点灯と消灯の別を容易に視認できるようにしている。もちろん、色の明暗でなく配色や装飾等によって点灯と消灯に違いを表現してもよい。また、
図3Bは、
図3Aにおける領域Aの拡大図であるが、
図3Bに例示したように消灯した照明器具に対応する矩形42の中には、消灯された順番が表示される。
【0027】
照度値表示領域35では、点灯パターン表示領域34において示された点灯パターンにおいて、各照明器具に対応する領域の位置において測定された照度[lx]が数値にて示される。照度分布表示領域36では、照度値表示領域35に示された照度の大きさに応じて部屋における照度の分布を模式的に示している。1つの矩形は、照明器具の設置位置に対応している。本実施の形態では、照度を4つのレベルに分類し、レベルによって異なるハッチング等の装飾によって照明器具が設置された場所の照度を示しているが、照度を分類するレベルの数、各レベルを示す装飾はこれに限定するものではなく、例えば色濃淡等によって照度の大きさを表現するようにしてもよい。また、1つの矩形を同一の装飾とするのではなく、隣接した矩形のレベルに合わせて濃淡をつけるなど可変としてもよい。
【0028】
間引き効果表示領域37では、点灯パターン表示領域34に示された点灯パターンのときに、換言すると、照明器具を間引いたときにどれだけの省エネ効果が得られるかを示す。
図3Aでは、60本の照明器具のうち30本の照明器具が間引かれた状態が示されているが、間引き効果表示領域37には、この点灯パターンのときに得られる省エネ効果が表示される。
図3Aに示した表示例によると、全て点灯している点灯パターンと比較して、30本の照明器具を間引くと省エネ率として40%の消費電力の削減が見込まれ、1時間当たり270whの電力使用を抑えられ、これにより、1時間当たり42円の費用の削減効果、年間にして12万円の費用の削減効果が得られることがわかる。
【0029】
次に、本実施の形態におけるシミュレーション実行部13が実行するシミュレーション処理について
図4に示したフローチャートを用いて説明する。
【0030】
シミュレーションの実行者は、シミュレーション画面上の「1本間引く」ボタン38を押下すると、シミュレーションが開始される。「1本間引く」ボタン38が押下されたときに実行されるシミュレーションは、例えば、本願と同一出願人を含む特許出願(特願2012−062034号、発明の名称:「照明の点灯パターン設定装置及び方法」)に記載されているのと同じシミュレーションを行えばよい。ここでは、そのシミュレーションの実行内容を簡略して説明する。
【0031】
まず、部屋は、前述したように各照明器具の設置位置に対応する領域に区切られている。シミュレーションの開始時点では、全ての照明器具が点灯されている。このときの点灯パターン表示領域34、照度値表示領域35及び照度分布表示領域36の各表示内容の例を
図5に示す。この状態において、各領域における照度を算出する(ステップ101)。各領域の照度は、部屋と照明器具の情報に基づいて逐点法という周知の算出法により算出することができる。
【0032】
シミュレーション実行部13は、算出される照度の中から最も高い照度の領域を特定する(ステップ102)。そして、その特定された照度の領域に最も近くに位置する照明器具を特定する。基本的にはその領域に設置された照明器具がこれに該当することになるが、シミュレーション実行部13は、その照明器具を消灯する(ステップ103)。なお、実際に照明器具を消灯しないので、正確には、シミュレーション上、当該照明器具を消灯対象として特定することになる。続いて、シミュレーション実行部13は、消灯したことにより各領域における照度を再度計算する(ステップ104)。そして、1本の照明器具の消灯に応じてシミュレーション画面に表示されているシミュレーション結果をそれぞれ更新する(ステップ105)。
【0033】
まず、シミュレーション実行部13は、点灯パターン表示領域34において、消灯した照明器具に対応する矩形を消灯の表示形態に変更する。なお、
図3Bに示した矩形43のように、消灯した照明器具に対応する矩形の表示形態を、点灯状態及び消灯状態の照明器具に対応する矩形と異なる表示形態にて表示することで、今回間引かれた照明器具であることが一目瞭然にわかるように表示してもよい。
【0034】
また、シミュレーション実行部13は、消灯した後に再計算された照度値で照度値表示領域35に表示する照度値を更新する。これに応じて照度分布表示領域36の表示内容も更新する。更に、シミュレーション実行部13は、消灯したことに伴い、削減された消費電力、これに基づき削減された費用等を算出するなどして間引き効果表示領域37に表示されている省エネ効果の各値を更新する。
【0035】
シミュレーション実行部13は、以上のようにして1本の照明器具を消灯したことにより得た、各領域の照度値、省エネ効果に関する情報等でシミュレーション画面の表示内容を更新すると共に、シミュレーション結果蓄積部17に記録する(ステップ106)。シミュレーション実行部13は、以上の説明した処理(ステップ102〜106)を1本の照明器具が残るまで繰り返し行う(ステップ107)。
【0036】
なお、本実施の形態では、照度の状態を確認させるために、「1本間引く」ボタン38を手動により押下されることを想定している。本実施の形態の例のように60本の照明器具が設置された部屋の場合、59回ボタンの操作をさせることになるが、例えば、照明器具を定周期的に自動的に1本ずつ消灯するようにしてもよい。この定周期は、予め設定しておいてもよいし、シミュレーション実行者に設定させるようにしてもよい。
【0037】
以上の照明器具を間引く処理を繰り返し実行する過程において、15本、30本及び45本間引いたときの点灯パターン表示領域34、照度値表示領域35及び照度分布表示領域36の各表示内容の例をそれぞれ
図6〜
図8に示す。
【0038】
以上のようにしてシミュレーション結果が得られた後、シミュレーション実行者等による省電力情報の表示指示操作に応じて、省エネ情報表示部14は、シミュレーション結果をシミュレーション結果蓄積部17から読み出しディスプレイ27に表示する。
【0039】
図9は、本実施の形態における省エネと快適性との関係をグラフ形式にて表示したときの画面表示例を示した図である。
図9において、横軸は照度であり、縦軸は省エネ率である。グラフAは、シミュレーション効果から得られる値であり、1本ずつ照明器具を間引くことで変更される部屋の平均照度と、1本ずつ照明器具を間引くことで得られる省エネ率との関係を示している。部屋の平均照度は、ある時点において算出された各領域の照度を平均することで得られる。照度L1〜L3は、快適な照度を示す範囲cであり、そのうちの照度L1〜L2は、省エネ効果が期待される照度の範囲eである。
【0040】
部屋の照明システムの管理者は、シミュレーション結果から導出される省エネと快適性との関係を、部屋の管理者等に対して当該部屋にとって最適な照度の提案に用いることができる。例えば、範囲eに含まれる点灯パターンのいずれかを採用することで、部屋の快適性と省エネ効果とを両立させることができる。現在の電力の使用実績とデマンド契約の内容を比較することで省エネを特に優先させたいのであれば、範囲eのうち照度L1に近い照度となる点灯パターンを選択する。一方、省エネ対策を講じる必要がないようであれば、照度L2〜L3となる点灯パターンを選択する。特に、快適性を優先させたいのであれば範囲cのうち照度L3に近い点灯パターンを選択すればよい。
【0041】
部屋の管理者等は、このようにして選択した点灯パターンに従って部屋の実際の各照明器具をオン又はオフに設定すればよい。
【0042】
図10は、本実施の形態における省エネと快適性との関係をグラフ形式にて表示したときの他の画面表示例を示した図である。グラフBは、シミュレーション効果から得られる値であり、1本ずつ照明器具を間引くことで変更される部屋における最低照度と、1本ずつ照明器具を間引くことで得られる省エネ率との関係を示している。最低照度は、ある時点において算出された各領域の照度のうちの最低値である。
【0043】
図9では平均照度を用いたため、倉庫や居住者のいない部屋であれば問題ないかもしれないが、居住者(従業員)のいる部屋の場合、ある領域の照度が不足してその領域に座席のある従業員の業務に支障を来す可能性が生じてくる。そこで、最低照度を用いることで、室内において最低照度に該当する領域に座席のある従業員等の快適性まで配慮することができる。
【0044】
このように。部屋の用途によって
図9又は
図10に示した省エネと快適性との関係のいずれかを参照して照明器具の点灯パターンを決定するようにしてもよい。
【0045】
以上説明したシミュレーション処理は、シミュレーション画面上の「1本間引く」ボタン38が押下されたときの処理の流れである。本実施の形態では、別のシミュレーション機能も提供している。それは、シミュレーション画面上の「照度指定で間引く」ボタン39が押下された場合に実行される指定照度シミュレーションである。
【0046】
すなわち、シミュレーション実行者は、照度設定フィールド40から目標とする照度を事前に設定してから「照度指定で間引く」ボタン39を押下する。「照度指定で間引く」ボタン39が押下されたときにシミュレーション実行部13が実行するシミュレーション処理は、
図4を用いて説明した処理と基本的には同じである。ただ、「1本間引く」ボタン38が押下されたときに実行されるシミュレーション処理は、点灯されている照明器具が残り1本になるまで繰り返し実行されるのに対し、「照度指定で間引く」ボタン39が押下されたときに実行されるシミュレーション処理は、ステップ104において算出された照度から得られる部屋全体の照度が照度設定フィールド40に設定された照度以下になった時点で終了する。つまり、ステップ107の分岐の条件がステップ104において算出された照度が目標照度以下か否かという条件に変えればよい。ただ、「照度指定で間引く」ボタン39をその都度選択させるのではなく、「照度指定で間引く」ボタン39を1回押下すればよい。指定照度シミュレーションの場合、ステップ105において、各表示領域34〜37には目標照度に達した時点の状態がただ1度表示される。例えば、目標照度に達した時点でどの照明器具が消灯されているかは、点灯パターン表示領域34を参照することで把握できる。なお、ステップ106において、シミュレーション結果蓄積部17には、目標照度の達するまでに得られたシミュレーション結果がその都度記録される。
【0047】
また、シミュレーション画面には、「初期状態に戻す」ボタン41が設けられており、これを選択することで、全ての照明器具を点灯状態に戻すことができる。
【0048】
本実施の形態によれば、前述したようにシミュレーションのために設定されている情報及びシミュレーションの結果を見える化した。特に、設定情報を変更できるようにしたので、シミュレーション結果の精度を向上させることが可能になる。
【0049】
なお、本実施の形態では、省エネに配慮しつつ部屋の快適性を維持できる最適な点灯パターンを得ることを所定の目標として設定した。ただ、例えば、室内のある領域だけを他より暗くするとか、室内のある領域の照度はほぼ均一とするなどの点灯パターンも所定の目標として設定してもよい。