特許第6367135号(P6367135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367135
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】染料の調合および制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20180723BHJP
   A45D 44/00 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20180723BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G06Q10/00
   A45D44/00 Z
   A61K8/02
   A61Q5/10
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-26868(P2015-26868)
(22)【出願日】2015年2月13日
(62)【分割の表示】特願2013-554535(P2013-554535)の分割
【原出願日】2012年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-111455(P2015-111455A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年3月16日
【審判番号】不服2017-1644(P2017-1644/J1)
【審判請求日】2017年2月3日
(31)【優先権主張番号】61/442,553
(32)【優先日】2011年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/371,928
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206142
【氏名又は名称】シュアティント テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】サラノー ミッチェル エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ライト マイケル
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 石川 正二
【審判官】 相崎 裕恒
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪染料混合物を準備するシステムであって、
メモリ、入力制御、ディスプレイを少なくとも有する制御システムを備え、
前記メモリに保存された少なくとも1つのフォーミュラであって、特定の色の混合物を有する毛髪染料混合物を手作業で再作製するために一種以上の着色剤および/または染料調合剤のインストラクション、および推奨される量を定義するフォーミュラを更に備え、該一種以上の着色剤および/または染料調合剤の各々が個々に第1の製品ブランドに割り当てられており、
着色剤および/または染料調合剤を前記第1の製品ブランドから第2の製品ブランドに変更するため、前記入力制御から手動入力を受けるよう設定されたブランド選択ソフトウェアを更に備え、
前記手動入力に対応して、前記第1の製品ブランドの着色剤および/または染料調合剤からの前記毛髪染料混合物の前記特定の色の混合物を、前記第2の製品ブランドの着色剤および/又は染料調合剤を用いて再現するべく、前記第1及び第2の製品ブランドに応じて前記インストラクション、および推奨される量を調整するよう設定されたブランド調整ソフトウェアを更に備える、
システム。
【請求項2】
前記ブランド選択ソフトウェアがさらに、全ての着色剤および/または染料調合剤を前記第1の製品ブランドから前記第2の製品ブランドに変更するよう、前記入力制御から単一の手動入力を受けるように設定され、前記ブランド調整ソフトウェアがさらに、該手動入力に対応して前記第1の製品ブランドの着色剤および/または染料調合剤からの前記毛髪染料混合物の前記特定の色の混合物を、前記第2の製品ブランドの着色剤および/又は染料調合剤を用いて再現するべく、前記毛髪染料混合物のフォーミュラによって定義される前記インストラクション、および推奨される量を前記第1の製品ブランドから前記第2の製品ブランドに調整するように設定された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ブランド調整ソフトウェアは、さらに、前記メモリに調整されたフォーミュラを保存するように設定された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ディスプレイに調整されたフォーミュラを表示するソフトウェアをさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムによって毛髪染料混合物を準備する方法であって、
前記システムが、少なくとも1つのフォーミュラであって、特定の色の混合物を有する毛髪染料混合物の再作製に推奨される一種以上の着色剤および/または染料調合剤のインストラクション、および推奨される量を定義するフォーミュラを前記メモリに保存する段階であって、該一種以上の着色剤および/または染料調合剤の各々が個々に第1の製品ブランドに割り当てられている段階と、
前記システムが前記ブランド選択ソフトウェアを用いることにより、前記入力制御から、前記第1の製品ブランドから第2の製品ブランドに着色剤および/または染料調合剤を変更するための手動入力を受ける段階と、
前記システムが前記ブランド調整ソフトウェアを用いることにより、前記手動入力に対応して、前記第1及び第2の製品ブランドに応じて前記インストラクション、および推奨される量を調整することにより、前記第1の製品ブランドの着色剤および/または染料調合剤からの前記毛髪染料混合物の前記特定の色の混合物を、前記第2の製品ブランドの着色剤および/又は染料調合剤を用いて再現する段階と
を備えた方法。
【請求項6】
前記システムが前記ブランド調整ソフトウェアを用いることにより、前記入力制御からの単一の手動入力に対応して、前記第1の製品ブランドの着色剤および/または染料調合剤からの前記毛髪染料混合物の前記特定の色の混合物を、前記第2の製品ブランドの着色剤および/又は染料調合剤を用いて再現するべく、フォーミュラによって定義される前記インストラクション、および推奨される量を前記第1の製品ブランドから前記第2の製品ブランドに調整し、全ての着色剤および/または染料調合剤を前記第1の製品ブランドから前記第2の製品ブランドに変更する段階をさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
[01]本出願は2011年2月14日出願の米国出願61/442,553の正規出願であり、および、2011年1月7日米国特許出願Ser. No. 12/986,448の一部継続出願であり、これは2010年8月3日Ser. No. 12/849,427の一部継続出願であり、これは2009年3月2日米国特許出願Ser. No. 12/396,050の一部継続出願であり、これは2008年3月3日米国仮出願Ser. No. 61/033,053 ならびに2008年11月19日米国仮出願Ser. No. 61/115,960の両出願の正規出願である。これらは全て本出願参照欄に記載する。
【0002】
(技術分野)
[02]本発明は、希望の混合剤を生成するための成分混合に使用するカラーシステムの在庫管理および制御、ならびにそれに係わる成分、情報および運営の管理に関連する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
[03]本発明は様々な分野に利用でき、多様な適用が可能である。かかる分野のひとつである化粧品および毛髪染料調合の分野では、現在のところ、毛髪染料を様々なサイズのチューブおよびボトルを含むがそれらに限られない小さな容器に入れている。さらにサロンには調合チャートを提供し、これには希望するカラーを調合するために必要な材料A、B,C、Dの量が示されている。希望のカラーを調合するためには、カラリストはまず必要な材料を入手しなければならない。これは複数のカラリストが働く多忙なサロンでは難しい場合がある。さらに、各製造者の染料製品において、多い場合は60以上の材料が必要となり、適切な材料を正確な量だけ使用することがとても重要となってくる。使用する色を選んだ後、次の手順としては、各材料の大まかな量をミキシングボウルに絞りだすかまたは注ぐことになる。現在、複数の大まかな計量方法が用いられており、そのため最終製品の管理はほとんどできない状態である。このように、ほとんどのサロンで使用されている現在の方法では、正確さに欠け、コントロールがほとんどされておらず、正確な結果を確実に得ることができない。ストックカラーの調合レシピは染料製造者が提供するカラーチャートに記載されている。カラーの調合は特定客のニーズに合わせて調整されることがしばしばである。カスタムカラーは通常、3インチx 5インチカード、またはその他の方法で記録され、その後の参照として保存される。この方法の欠点には以下が含まれる:測量が不正確(「…半キャップを加える…」「チューブを…線まで絞り出す」);最終結果は作業人のスキルレベルまたは偶然に大きく依存している;結果を監視する制御方法がない;手書きの記録にはバックアップがない;プロセス全体において意味ある情報およびコントロールが欠けている。全体的にみて、これにより、正確な測量が全く得られない、雑然として不適切および不整然なプロセスが生み出されることとなる。
【0004】
[04]現在の手作業で毛髪染料を混合するプロセスの短所に対応するために、1990年代に、全自動、コンピューター制御の毛髪染料材用ディスペンサーが導入された。これら機種のほとんどは$10,000から$20,000で販売されており、事実上ほとんどのサロンにとって手の届かない価格となっている。これらのディスペンサーは各材料を高度な正確性をもって自動的に計量し、ソフトウェアのデータベースがストックカラーおよびカスタムブレンドのレシピを保存する。さらに調合情報および顧客情報が電子的に保存されるため、必要な情報を見つけることが用意である。またファイルをバックアップできるため、貴重な顧客の履歴データをより安全に保存でき、さらに他のロケーションと簡単にシェアすることができる。
【0005】
[05]しかし、こうした従来の自動ディスペンサーには重大な欠点がひとつある。それは、様々な色成分について特別に設計された内部保存袋を要する点である。これらの容器は通常1〜2リットル用として設計され、染料を酸化させ駄目にしてしまうような空気の浸透の可能性をなくすように特別な構成になっている。残念ながら、これはバルク包装を必要とするため、製造者が充填ラインを追加しこれらの特別容器を製造するために、数百万ドルの膨大な資本を必要とする。さらに、自動ディスペンサーの主な欠点としては、高費用、極度の複雑性、必要とする維持費の高さ、および、上記に述べたように、かかる自動ディスペンサーの特別な梱包要件を満たすために、毛髪染料製造者に高額な資本投資をもたらすことが含まれる。そのため、かかるプロジェクトは不経済とみなされ、実行されなかった。こうした失敗を受けて、従来デザインの欠点をなくした、さらにシンプルで費用効率の良いアプローチの必要性が生まれた。
【0006】
[06]複数の色成分を混合する必要があるとき、無駄をなくす必要性、ユーザーを補助する費用効率のよいアプローチの必要性、および希望の混合物を生成するプロセスを提供する必要性が、かなり望まれる。監視機能付きのアプローチの必要性、およびプロセス全体をコントロールするために正確な測量および情報を得ながら、エラーの可能性をなくし全体的な正確性を向上させるために正確に測量する方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[07]本発明の一実施例または複数の実施例では、従来のコントロールに欠くプロセスにおいて、費用をかなり削減した上で(約2,500ドル〜3,500ドル)コントロールをもたらすことを目的とする。本発明の一実施例または複数の実施例では、プロのヘアカラーリングサロンの発達以来存在し今まで解決されたことのなかった問題を解決する。本発明において開示する新しい監視付きのアプローチには、精密なスケール、コンピューターベースのレシピ管理システム、および調合材料を管理・保護し、必要であれば盗難を防ぐためのロック機能を持ったオプションの保管容器を伴うコンピューター作動システム、さらに成分、情報および運営の管理を行いながら希望の染料混合物を生成するためのカラー管理システムを含む。全カラー管理システムには調合ステーションが設けられ、同社専売のカラー調合管理ソフトウェアがつく。調合ステーションにはキーボード、タッチスクリーンまたは通常のLCD画面、およびバッチに加えられた各材料の正確な量をフィードバックするようにコンピューターと連通しているスケールが含まれる。かかるコンピューター作動システムには、各成分を整理保存するための引き出しまたはレセプタクルが含まれる場合もある。各レセプタクルにはLEDまたはその他のインジケーターがつく場合があり、コンピューター作動システムによって制御された製品選択を簡易化する。また各レセプタクルには電気的に制御されたロック機能がつく場合があり、これもかかるシステムによって作動し盗難を防ぐ。さらに、本カラー管理システムは、オプションとしてバーコードリーダーを用い、カラーレシピに対して材料を確認したり、在庫コントロールを促すなどの強化機能も加えることができる。
【0008】
[08]一実施例では、混合物調合用のカラー管理システムを提示し、こうした混合物には毛髪染料混合物、パーソナルケア製品などが含まれるがそれに限られるわけではない。かかるカラー管理システムには、少なくともメモリ1台、インプットコントロール、およびディスプレイ1台を持つコンピューター作動システムが含まれる。メモリは一成分または複数の成分を混合したフォーミュラを少なくともひとつ保存することができ、こうした成分には着色剤、染料、および/または調合剤を含むが、これらに限られない。カラー管理システムには、さらに、コンピューターシステムと連通するスケールを含み、かかるコンピューターシステムはスケール上の重量をモニタリングし、重量変更の情報を提供する。さらに、かかるコンピューターシステムは、混合物生成の入力を受け、希望の混合物を生成するために必要な成分および量を示すフォーミュラを表示する。
【0009】
[09]本発明の一態様では、毛髪染料混合物を準備する一方法を提示する。かかる方法には互いに連通するスケールおよび制御システムが含まれる。同制御システムはメモリとディスプレイを提供し、メモリには毛髪染料混合物をブレンドするためのインストラクションを定義するフォーミュラが保存される。本方法ではかかるインストラクションをディスプレイに表示する。ユーザーは、インストラクションの表示を見て、スケール上のレセプタクルに着色料および染料調合剤を、かかるインストラクションに従って、追加することができ、このとき着色料および/または染料調合剤に特別または非標準のパッケージを要しないため、ヘアカラー製造者の標準パッケージを使用することができる。
【0010】
[10]本発明の別の態様では、コンピューターシステムが、混合物に加えられた成分の重量がフォーミュラで推奨する量と異なり(より多いか少ない場合)、および新しく調整し決定された成分重量に対応してフォーミュラを調整するようにコンピューターにインプットがあった時に、スケール上の重量変化を監視し、フォーミュラを調整する(フォーミュラを再構成するなど)。かかるコンピューターシステムは、また、スケール上の重量変化を監視し、推奨されるフォーミュラ上の成分量とスケール上で測量された量の違いを表示することもできる。表示された量の差異は、また、各成分が推奨量に達するのにどれだけの量を追加する必要があるかを示すために、推奨量に達したときに0となるように次第に減少して表示することもできる。コンピューターシステムはさらに、サロンの管理ソフトウェアと連動し、カスタマー情報および特定のカスタマーに関連するフォーミュラの情報を交換するようにもできる。コンピュータシステムは、また、混合物調合における変更をいずれもメモリに保存することができる。また、コンピューターシステムは混合物フォーミュラの変更をメモリに保存し、サロンの管理ソフトウェアにそのような混合物調合における変更を送信することができる。
【0011】
[11]別の態様では、カラー管理システムが、必要な混合物の総量または混合物の強度についての入力を受けて、混合物の調合を調整することができる。さらに別の態様では、混合物がカスタムカラーであるとのインプットを受け、カスタムカラーソフトウェアが成分および混合剤の一覧を表示し、選択された特定の成分のインジケーターを作動させ、ボウルまたはその他の容器に入れられた成分において、各成分の量および総量を監視し、ならびに、混合物を受容および完了したことを示すインプットを受けて調合物を保存する。
【0012】
[12]本発明の別の実施例では、オペレーターがコンピューターにカスタマー名を入力し、コンピューターがカスタマー履歴を表示し、この履歴には同カスタマーに以前に使用したフォーミュラの情報が含まれる場合がある。もし新しいカスタマーであれば、履歴ファイルを作成し、オペレーターがパレットチャート、レシピブックまたはカスタマー履歴ファイルから希望の成分を選択し、必要な最終成分量を入力した上で、活性剤の強度を選択する。オペレーターは、スケール上に空のバッチボウルを置くように指示され、システムがオペレーターに第一成分を促し、および、LEDまたは対応するレセプタクルに隣接するその他のインジケーターが点灯し、および/またはレセプタクルが自動的にロック解除され、および/または開かれる。オペレーターはディスプレイパネルに表示された量を加え、スケールが正確な追加量を監視し、オペレーターに成分追加をやめる時点を知らせることにより、極めて正確な調合を可能とする。指定の収納レセプタクルにボトル、チューブ、またはその他の容器を戻した後、オペレーターは「次」を押し、これによって収納レセプタクルを閉じてロックし、次のLEDまたはその他のインジケーターが作動し、さらに対応する次のレセプタクルのロックが解除され、および/または開いて、次の材料へのアクセスを可能にする。バーコードリーダーを使用して材料ソリューションおよびプロセスを制御することもできる。その後、バッチ記録がカスタマーの履歴ファイルに記録される。
【0013】
[13]前述の内容を完全に理解するために、添付図面を参照されたい:
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】[14]図1Aは材料混合の手動処理を制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、これには混合ステーションおよびオプションの収納レセプタクルを含む;
図1B】[15]図1B図1A の実施例の第一面および断面図である;
図2】[16]図2図1A のレセプタクルの拡大図であり、成分の収納部分を示す;
図3】[17]図3は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、台座上での使用例を示す;
図4】[18]図4は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、湾曲したレセプタクル収納部分を示す;
図5】[19]図5は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、LEDインジケーターに変更を加えたレセプタクルを使用している;
図6】[20]図6図5のレセプタクルの拡大図である;
図7】[21]図7は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、レセプタクルの代わりに穴の開いたチューブを使用している;
図8】[22]図8は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、レセプタクルの代わりに穴の開いたチューブを使用している;
図9】[23]図9図7および図8の穴の開いたチューブの拡大図である;
図10】[24]図10は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図である;
図11】[25]図11は本システムの実施例の一例または複数の実施例において使用されるバーコードスキャナーの透視図である;
図12】[26]図12は成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムの一実施例を示す透視図であり、分離した収納レセプタクルを少なくとも含むモジュラーシステムを示す;
図13】[27]図13は新しい毛髪染料フォーミュラ作成を示すブロック図である;
図14】[28]図14はカスタムカラー作成を示すブロック図である;および
図15】[29]図15は様々なソフトウェアコンポーネントとそれらのシステムに対する関係を示すシステム図である;
図16】[30]図16は様々なソフトウェアコンポーネントとそれらのシステムに対する関係を示すシステム図である;
図17】[31]図17は様々なソフトウェアコンポーネントとそれらのシステムに対する関係を示すシステム図である;
図18】[32]図18は様々なソフトウェアコンポーネントとそれらのシステムに対する関係を示すシステム図である;
図19】[33]図19は様々なソフトウェアコンポーネントとそれらのシステムに対する関係を示すシステム図である;
図20】[34]図20は様々なシステム実施例に含めることができる特定の容器構造を示す実施例である;
図21】[35]図21は本発明の実施例に従ったシステムの透視図である;および
図22】[36]図22は染料の材料混合システムのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例の詳細な説明)
[37]本発明においては多様な様式での実施例が可能であるが、本発明の好ましい実施形態についてその詳細を本書において図に示して記述する。しかし、本開示は本発明の原則を例証するものとみなし、本発明、クレームおよび/または記述される実施例の精神または範囲を限定するものではないことを理解する必要がある。
【0016】
[38]本発明の一実施例では、成分混合プロセスを制御するよう設計されたシステムを図に示し記述する。このシステムは従来は制御されていないプロセスを制御するものである。成分は混合物の様々な材料であり、たとえば、毛髪染料混合物をブレンドするために使用される染料、コスメチック製品を調合するために使用される成分、食品などである。本発明の重要な態様として、毛髪染料混合物の調合方法を提示する。本開示を通して、これらの方法は定義上、手動プロセス、半手動プロセス、または自動プロセスとして実行できる。手動プロセスでは、スタイリストは、提供されたインストラクションに従い、手作業で混合物の成分をボウルに加える。つまり、スタイリストはレセプタクルから個々の成分を取り出し、内容物をスケール上のボウルまたはその他の容器に絞り出す。半手動プロセスでにおいても、スタイリストが成分をレセプタクルから取り出すが、ボウルに成分の内容物を加える際に押出機、機械式絞り機などの助けを得ることもできる。限定された一態様では、自動の機械が収納部分またはレセプタクルから標準包装された成分(以下に定義)を取り出す場合には、本方法において自動プロセスも取り扱うこともできる。これは、ペンチがついた機械腕が自動的に制御され、収納部分から包装コンポーネントを取り出し、使用後に元の場所に戻す場合に構想することができる。
【0017】
[39]本請求を通して定義されるように、製造者の標準包装は非常に重要なコンセプトであり、これは、通常の流通経路を通して大多数の商業サロンが一般的に入手できる原材料の包装材料として定義される。標準包装は、非標準または特別包装と比較され、非標準または特別包装とは、特別な用途または特別な機械で使用するように設計された原材料のカスタム包装であり、これは毛髪染料の産業分野で使用され、容器および原材料において特定のサイズ、数量、または特徴を要し、同産業界において一般に入手することができず、一業界関係者または少数の業界関係者にしか入手できないものと定義される。たとえば、毛髪染料の自動混合・調合機械においては、同調合機にフィットして使用できる特別な原材料包装を必要とする。
【0018】
[40]ここで図1を参照する。同図は本システムの一実施例を示し、一般的に100番と称する。システム100には成分を整理する収納部110(一例においてはカラー調合材料など)、コンピューター作動システム120、混合または調合プロセスを監視する小さな電子スケール130が含まれる。さらに、本システムには、過酸化物などの一般的な活性剤または材料を加えるために、自己完結型のポンプ140および/またはタンクを含むことができるが、これは必須ではない。
【0019】
[41]図1〜13には、システム100の様々な実施例を示す。システム100のそれぞれには、複数の容器、引き出しまたはレセプタクル200が含まれ、調合染料材料用容器/チューブ205などの個々の部品を整理し収納する。レセプタクル200はそれぞれシステム220作動のLEDまたはその他のインジケーター210に連動する。システム220には小さいデジタルスケール130が電気的に連通し、特定のバッチに加えられた特定の材料または活性剤の正確な量をシステム220にフィードバックする。
【0020】
[42]必ずしも好ましい実施例ではないが、溶剤および添加剤などの一般的な材料用の小さな貯蔵タンク225をいくつか含み、収納部分230に収納することも可能である。貯蔵タンク225は定量ポンプ235と組み合わせ、一般的な材料を測量し、これらの材料はノズル237から混合バッチに放出される。ポンプ経路240もシステム220によって自動的に制御される。図に示すように、一般的な材料は手動で加えられるか、上記のポンプシステムの場合は自動的に、ミキシングボウル245に加えられる。
【0021】
[43]本発明の一実施例は以下の通りである:
【0022】
[44](a) オペレーターはカスタマー名またはその他の識別情報を、一体式キーボード250またはタッチパネル、およびディスプレイパネル255を通してシステム220に入力/閲覧する;
【0023】
[45](b) システム220はカスタマー情報および/またはカスタマーの混合物の履歴、たとえば特別なまたはあらかじめ定義したカラースキームなど、を保存するメモリを持つ; 同システムは同様に、カスタマー情報またはフォーミュラの編集、追加および削除を可能にする;
【0024】
[46](c) オペレーターはあらかじめ保存した希望の最終混合物または染料色をカスタマー履歴から選択するか、または使用できる既存の材料の一覧から選択して新しいフォーミュラを作成することができる;
【0025】
[47](d) それからオペレーターは、最終製品の必要量を入力するよう促される(たとえば、異なる材料において、1オンス、2オンスを必要とする、など)。
【0026】
[48](d) オペレーターはそれから、スケール130上に空のバッチミキシングボウル245を置くように指示される;
【0027】
[49](e) そして、システム220がLED、または対応するレセプタクルに隣接するその他の種類のインジケーター210を点灯または起動し、同混合物に必要な特定の成分を選択するようにオペレーターを促す;オプションとして、システムはレセプタクル上のロック機能を制御して、希望の収納レセプタクルを電気的に開閉またはロック/ロック解除する;
【0028】
[50](f) オペレータは、ディスプレイパネル255に表示される成分量をボウル245に追加する;これを追加している際に、コンピューターシステム220がスケール130を監視し、追加された正確な量を見極める;ディスプレイパネル255が、追加する必要がある量を表示しオペレーターにフィードバックを提供することによって、目標重量に対する追加量を表示し、これは本書に記述されるようにグラフィックまたはその他のインジケーターによって行うことができる。一態様では、グラフィック自体を、必要総量に係わらず(1オンスまたは5オンス)、グラフィックが同じサイズでディスプレイに表示されるように設定できる。グラフィックの量は必要総量に適応して測量される。比較として、1オンスの量を示すグラフィックは、5オンスの量を示すグラフィックより速く満たされる。
【0029】
[51](g) 成分を元の場所に戻し、指定の収納引き出し/レセプタクルを閉じた後、オペレーターは「次」(またはコンピューターシステムによって特定されたキー)を押し、次のLEDレセプタクルまたはその他のインジケーターが作動または点灯し、もしくは次の材料の必要量と共にレセプタクルのロックが解除される;
【0030】
[52](h) ステップ (f) および (g) は全ての必要成分または染料材料および活性剤が加えられるまで繰り返される;
【0031】
[53](i) バッチが完了した時点で、全ての材料の正確な量がカスタマー履歴ファイルに記録される。
【0032】
[54]これがカスタムブレンドであった場合には、別のソフトウェア機能が選択される。この機能下ではオペレーターがシステムにどの材料が追加または削除されたかを伝え、システムは一体化スケールを通して追加または削除された正確な量をそれぞれ記録する。バッチが完了した時点でカスタムブレンドの記録がカスタマー履歴ファイルに保存される。
【0033】
[55]ここで言及すべきは、メモリ貯蔵部分、様々なプログラムを実行できるプロセッサ、およびコンピューター業界でよく知られるその他の部品からなるいかなる種類のコンピューターシステムであっても、本実施例によって使用することができる。同システムは複数の収納レセプタクルと有線またはワイヤレスによって連通し、LEDまたはその他のインジケーター210またはその他の照明、電子ロック、開閉および/またはサウンド要素を制御し、オペレーターが使用する特定のレセプタクルの識別を助け、特定の成分を混ぜ合わせるために必要な量をボウル245に手動で投入できるようにする。さらに、システムは電子スケール130およびモニター255と有線またはワイヤレスで連通し、ボウル245に追加する必要のある特定の成分量を見極めてオペレーターに示し、および使用中に収納レセプタクルに有線またはワイヤレスで連通する。
【0034】
[56]再使用の際には、保存された情報を使用して同混合物を正確に再現することができる。このコンセプトにより、特にサロンでの適用時に、混合物の生成方法に改革をもたらすこととなる。これにより、従来の乱雑で無制御な混合プロセスに代わって、繰り返し正確な混合物(毛髪染料の正確な色など)を生成できる、簡単かつガイド付きのプロセスを導入する。
【0035】
[57]本システムは様々な形態で設定できる。たとえば、図1に示すシステムはカウンタートップモデルであり、図3に示すシステムはフリースタンディングのモデル270にスタンド275を用いてシステムを床上に設置できるようにしている。図4に示すシステムはコーナートップモデル280であり、湾曲した部分290を持つ収納レセプタクル部分285がある。さらに図22には、収納レセプタクルを伴うシステムの様々な実施例を示している。図5および6にはレセプタクル305を伴うオルタナティブなシステム300を示し、これには各レセプタクルの下部分に(前実施例に示す中心部とは異なって)LEDインジケーター310を含む。さらに、各実施例では収納レセプタクルは本発明システムにおいてオプション部品とすることもできる。
【0036】
[58]図7から9では、システム400を示し、これには前述の実施例と同じ部品と機能を含むが、異なる点はレセプタクルが開いた引き出し構造405にとって代わられ、これは側面の収納部分415の開口部410に固定されている。チューブの末端420にはシステム220に制御されるLEDインジケーター425が含まれる。
【0037】
[59]本実施例には既存技術によるシステムに比べ、次のうち1つまたは複数の利点を持つ:混合または調合のエラーをなくす;本システムは正確さを確実にする;シンプルな手動プロセスにより、オペレーターのスキルレベルまたは経験に関わらず完璧な結果を得られる;本システムはカスタマーの履歴を維持するため、カスタム調合を繰り返し正確に再現できる;本システムを使用することにより、カスタム調合の情報を将来的に参照するよう記録できる;本システムの制御はオペレーターに依存していないため、カラリストがサロンを退職しても、全く同じカラーを再現することができる;カスタマーの維持または個人のリクエストに対するサロンのコントロールを向上させる;制御ソフトウェアを伴うスケールが材料の投入しすぎを修正し、材料の無駄と不正確な色調を防ぐ;本システムは現在の製造過程および製品包装に適合している;本システムは従来の乱雑なプロセスに整然さと整理整頓をもたらし、カウンタースペースの節約となる;および本制御ソフトウェアは材料の使用料を追跡し、減耗をなくし、より簡単な管理レポートを提供し、将来的な材料または在庫の必要量を見積もり、および材料を安全に管理し、および/または従業員による盗難を妨げる。
【0038】
[60]ここで図10から12を参照し、本発明の別の態様では、システムはディスプレイを制御して成分投入時に必要な残りの成分量を表示する。ボウル245に成分が加えられる時、ディスプレイ255がさらに加えられるべき成分量を、目標の量までカウントアップまたはカウントダウンして表示する。様々な種類のアナログインジケーター(以下に詳述する)を表示して、追加すべき残りの材料を効果的に伝えることができる。オペレータが本システム上の「次」を押した時、システムが次のLEDを点灯し(および/または次の引き出しを開ける)、さらにスケールをゼロに再調整してオペレーターに次の成分の必要な追加量を示す。さらに、オペレーターが次の成分を追加すると、システムがオペレーターを調合プロセスを通してガイドする。
【0039】
[61]オプションのバーコードスキャナー450を使用して、使用前に成分の正確なSKUを確認し、在庫管理を促進することができる。バーコードスキャナーはさらに製品の管理・追跡を助け、オペレーターが正しい製品を用いていることを確実にする。たとえば、システムが特定のレセプタクルに特定の製品を認識した場合、オペレーターが同製品を回収した後で同製品をスキャンする。システムは実際にスキャンされた製品がシステムによって使用すべきと認識された正しい製品であることをチェックする。RFIDスキャナーなど、その他のスキャニング機器も導入できる。
【0040】
[62]本発明の別の態様では、図12に示すように、さらにモジュラーなシステム設定として、システム475に別のレセプタクル収納部分480がある場合もある。この別途の収納部分480およびメインコンソール部分475はワイヤレスまたは有線を通して連通する。これにより、必要な成分490を回収するレセプタクルを示すために、1台または複数のコンソール475がレセプタクル収納部分480と通信してLEDまたはその他のインジケーター485をオンまたはオフにするよう指示し、再注文用に成分量を追跡する。さらに、収納レセプタクルなしでコンソールのみを使用することも、従って可能である。
【0041】
[63]本発明の別の実施例では、システム100を管理ソフトウェアと共に使用することもできる。基本管理パッケージの要素はシステムアプリケーションと共用され、これにはカスタマーデータ、カスタマー履歴、在庫データにアクセスしシェアする可能性、およびスタイリスト、カスタマー、サロン、ストアによる使用状況レポートを提供することが含まれる。これは本発明に関連する別のソリューションであるか、または完全に統合された単一システムとすることができる。
【0042】
[64]管理ソフトウェアパッケージは、氏名、電話番号、Eメールアドレスなどの基本的なカスタマー情報を維持する。履歴データにはサービス日、サービスの内容、ユーザー、備考、および、おそらく写真などを含む。システムは別途にディスペンス履歴ファイルを維持することもできるが、これらの情報をカスタマー履歴記録と共に含めて管理ソフトウェアパッケージとシェアすることもできる。さらに、管理ソフトウェアパッケージには在庫モジュールが含まれる場合もあり、製品使用量を報告する必要がある。
【0043】
[65]ここで、図13および14を全般的に参照する。本実施例の一例または複数例を提示のフロー図に紹介し、同システムの様々なインプットおよびアウトプットを示し、以下に記述する調合制御ソフトウェアの使用も含まれる。
【0044】
[66]本発明の一実施例または複数の実施例、および使用できる管理ソフトウェアと共に使用するシステムの作動は通常以下の手順で行う:
【0045】
[67](a) オペレーターはシステムを認識またはシステムにログインする必要がある場合があり、その後、カスタマー名、またはその他の識別できる特徴(例えば、電話番号等)を調合制御ソフトウェアに入力する(ボックス500);
【0046】
[68](b) 調合制御ソフトウェアがカスタマーの履歴情報を制御、表示するように作動する;ただし、新規のカスタマーの場合(ボックス505)には、調合制御ソフトウェアは、オペレーターが新規の履歴ファイル(ボックス510)を作成できるようにする;
【0047】
[69](c) オペレーターはその後、調合データベースに保存されている使用可能なチャートまたはパレット(ボックス520)から希望する成分を選択する(ボックス515)(もし管理ソフトウェアパッケージにチャートまたはパレットデータベースが含まれる場合には、調合制御ソフトウェアがそれにリンクされているか、または連通しており、チャートまたはパレットを調合制御ソフトウェアによって読み取り、解釈できるようになっている);
【0048】
[70](d) 調合制御ソフトウェアは、その後、最終成分の必要量またはサイズを知らせる;
【0049】
[71](e) 調合制御ソフトウェアは、その後、活性剤の強度を知らせてもよい;
【0050】
[72](f) ストックカラーのレシピは希望のバッチサイズに合わせて数学的に測定され、選択した活性剤の強度が表示される(ボックス525);
【0051】
[73](g) オペレーターは空のミキシングボウルをスケール上に設置するように促される;
【0052】
[74]調合制御ソフトウェアが目標値の範囲に対してボウルの実際の重量を比較する。この目標値の範囲はユーザーによって指定可能である。設定値が0から0の場合、認証は行われない。調合制御ソフトウェアは、混合ボウルの最大重量を含み、充分な液体容量を可能にし、スケールの最大容量下に保つ。たとえば、スケールの最大容量が1,200グラムであった場合、バッチサイズは染料成分で600グラムを要し、従って、混合ボウルの最大重量は、この場合600グラムとなる。しかし、バッチの修正を可能とするためには、染料成分の重量偏差50%を推定して計算する必要がある(例:600グラムの場合、偏差を加えると900グラムとなり、ボウルの最大重量は300グラムとなる)。ボウルの最大値に従うことによって、カラー混合における充分なスケール容量を確実とすることができる。あるいは、オペレーターは、システムおよびスケールが次の手順に進む準備ができていることを確認するために、単純にゼロ設定することができる。
【0053】
[75](h) ボウルの正しい重量が達成され、または重量がゼロ設定された場合、調合制御ソフトウェアが最初の成分を促す(ボックス530)。
【0054】
[76]ボウルが最高許容量を超える場合には、警告メッセージが表示されるべきである。
【0055】
[77](i) 最初の成分が促された時点で、対応するレセプタクルに隣接するLED またはその他のインジケーターが作動し、オペレーターが希望の材料を迅速に見つけることができる(オプションの収納システムを持つシステム用);
【0056】
[78](j) 収納ロックが含まれる場合は、対応するソレノイドにロック解除シグナルが提供される。参照として、このオプション機能では、調合制御ソフトウェアによってロック解除されたレセプタクルのみを開くことができる。これは二つの機能を提供する:(a) 在庫の盗難を防ぐ、および/または (b) オペレーターが本システムを使用することを強制する‐オペレーターはこれ以外の方法で在庫にアクセスすることができない。これにより、システムの履歴ファイルに全てのトランザクションが記録され、適切に把握できることを確実にする。同様に、調合制御ソフトウェアはレセプタクルを実際に開閉することができる;または適切なハードウェアおよび構造があればレセプタクルをロックおよびロック解除することもでき、これらのハードウェアおよび構造は全て広く知られているものである;
【0057】
[79](k) 上記のように、混合ボウルの重量が、測量計算用に内部に記録されるか、またはスケールがゼロ設定される;デジタル値0.0グラムが表示され、ユーザーが最初の材料を加えることを可能とする;
【0058】
[80](l) オペレーターはディスプレイパネルに表示された量を加え、スケールは追加された正確な量を監視し、アナログおよび/またはデジタルインジケーターを通してユーザーにフィードバックを提供する(ボックス535)
【0059】
[81](m) 色分けしたアナログの棒グラフスケール(または以下に記述するように、その他の種類のアナログまたは非デジタルディスプレイまたはサウンドを用いてもよい)が表示され、加えられた最初の成分の進行状況が示される。成分を加えるときにアナログスケールを用いた場合は、アナログの棒グラフスケールが緑から黄色、そしてオレンジ、最終的には赤に変わる。緑は開始時、黄色はオペレーターが目標量に近づいていること、オレンジは目標量にごく近いこと、そして赤は停止すべきことを示す;その他のインジケーターを用いた場合は、ディスプレイまたはサウンドがそれに応じて変化する。
【0060】
[82](n) 調合制御ソフトウェアは実際に加えられた量を比較して正確性の基準を定める。材料が計算された充分な量の範囲に達したときには、その材料は完了したとみなされ、ディスプレイが赤に変わる。加えられた量が最大許容量を超えた場合には、ユーザーはバッチを「承認する」または「修正する」ことを促される。「修正する」を選ぶと、相違する量をもとにしてバッチの総量が計算される(ボックス540)。対応する全ての重量がそれに従って増量される。材料が超過して加えられる前に、他の材料がバッチに加えられた場合には、調合制御ソフトウェアが自動的に、これらの成分を必要に従って追加するようオペレーターに促す。正確な量を追加し終えたときには、オペレーターは、材料を収納レセプタクル/引き出し(該当する場合)に戻し、次の手順に移行するためにレセプタクルを閉じるように促される。
【0061】
[83](o) 調合制御ソフトウェアはそれから、対応するレセプタクルに隣接するLEDを点灯して、オペレーターに次の成分を促す。同様に、ドアロックが含まれる場合には、対応するソレノイドにロック解除のシグナルが提供される。
【0062】
[84](p) 混合ボウルの現在重量は測量計算用に内部記録され、さらにゼロ設定される。デジタル値0.0グラムが表示され、調合制御ソフトウェアが次の材料を加える準備ができたことを示す。オペレーターは全ての測量すべき材料について、手順(1)から(n)までを繰り返す(ボックス545)。
【0063】
[85](q) 調合制御ソフトウェアが「添加物自動投入」を備えている場合には、その調合制御ソフトウェアは自動的に希望の活性剤またはベース成分を投入する。この投入機能は重量測定法で行われる(スケールを使用する)。追加すべき材料が複数ある場合には、成分は順番に投入される。自動投入機能なしでは、調合制御ソフトウェアは、簡単に、適切な活性剤またはベース材料を加えるようにユーザーを促し、前手順で他の成分について記述したように量を表示する。
【0064】
[86](r) 全ての材料が加えられたら、オペレーターは混合ボウルを取り除くように促される(ボックス550);各成分の投入された正確な量を含むデータベース記録が作成され、この記録は履歴ファイルに保存される(ボックス555)。カラー名、量、日時を含む記録が作成され、サロン管理ソフトウェアパッケージに送られ、サロン管理ソフトウェアパッケージはその後、その情報をカスタム記録ファイルに備考として添付することができる。
【0065】
[87](s) さらに、各材料の使用量の記録は、在庫追跡の目的で調合制御ソフトウェアに維持される。オペレーターは調合制御ソフトウェアにクエリを行い、特定期間における各材料の量を見極めることができる。調合制御ソフトウェアは必要であれば、サロン管理ソフトウェアパッケージに使用量を送信することも可能である。
【0066】
[88]オペレーターがカスタマーに対して新しい混合物を作成する場合(図14)、オペレーターは新規ファイルを作成する(ボックス560)オプションがあり、これは調合制御ソフトウェアの適切なソフトウェア部分を作動させるために選択される。この作業は上記の同様な手順に従うが、異なっている点は、調合制御ソフトウェアがオペレーターにどの成分を用いるかを知らせる代わりに、使用できる色および/または添加剤などの使用可能成分の一覧を画面に表示して、そこから最初に投入する成分を選ぶようにオペレーター促す(ボックス565)点である。選択した後で、対応するレセプタクルに隣接するLEDまたはその他のインジケーターが点灯し、どこにその成分があるかオペレーターが識別できるようにする(ボックス570)。ドアロックが含まれている場合には、対応するソレノイドにロック解除のシグナルが提供される。その後、ロックシグナルおよび希望であれば開閉シグナルも簡単に追加することができる。
【0067】
[89]混合ボウルの空重が測量計算用に内部記録され、ボウルがスケール上にあるときにデジタル値0.0グラムが表示されて、調合制御ソフトウェアが材料追加の準備ができていることを示す。オペレーターが最初の成分の希望量を加え、対応する基準重量が表示される(ボックス575)。追加し終えた時点で、ユーザーは「次」を選択する。オペレーターは、成分を収納レセプタクル(該当する場合)に戻し、「いずれかのキーを押して次の手順に進む」よう促される(ボックス580)。ドアロックが使用された場合、成分がオペレーターによって返却されてレセプタクルが閉じられた時点で、調合制御ソフトウェアが自動的にレセプタクルをロックするか、または、成分が返却されてオペレーターが次の手順に進みたいと示唆した時に、調合制御ソフトウェアがレセプタクルを自動的に閉じる。ディスプレイは最初の材料名、およびフォーミュラに加えられた量を表示する。オペレーターは画面上のリストから2番目の材料を選択するように促される(ボックス585)。ドアロックが含まれる場合には、対応するソレノイドにロック解除シグナルが提供される。混合ボウルの空重が測量計算用に内部記録され、デジタル値0.0グラムが表示されて、オペレーターが次の材料を加えられるようにする。オペレーターは2番目の材料の希望量を加え、同時に対応する基準重量が表示される。追加し終えた時点で、ユーザーは「次」を選択する。ディスプレイは最初の2つの材料名、およびフォーミュラそれぞれに加えられた量を表示する。これは全ての必要材料が加えられるまで続けられる。最終材料が加えられると、オペレーターは「終了」を選択する(ボックス590)。完了時に、個々の成分の比重をもとにバッチ総量が計算される。この値はレシピのバッチサイズ・スケーリングを行うために将来的な参考として保存される。データーベース記録が作成され、投入された材料それぞれの正確な量および最適目標量を記録し、調合制御ソフトウェア内の履歴ファイルに保存される(ボックス595)。名前、量、時間、日付を含むテキスト記録が作成され、管理ソフトウェアパッケージに送られ、カスタム記録ファイルに備考として添付される。使用した各材料の量に関する記録が、在庫追跡目的で、調合制御ソフトウェアに保存される。特定期間の各材料の量を見極めるために、シンプルなクエリを使用することができる。
【0068】
[90]さらに、オプションのバーコード機器がついた、またはかかる機器なしの原材料在庫管理機能も、本実施例の一例または複数例で提供できる。バーコードスキャナーは、在庫管理機能を簡易化する。添付のバーコードスキャナーを使用することで、混合材料を在庫追跡目的で簡単に識別することができる。この機能は二通りに利用できる。第1に、サロンの手許の在庫を確立するには、店内の全ての在庫製品をスキャンすることによって行うことができる。新規の発送品を受け取ったときには、これらの製品もスキャンすることができ、手許の在庫に簡単に追加することができる。第2に、調合制御ソフトウェアにオプションの収納レセプタクルが備わっているときには、適切なランプの点灯または対応するドアのロックを解除するために、成分のスキャンを使用することができる。この機能は材料が適切に保管されていることを確実とし、さらに、その後の混合作業において誤った材料を選択する可能性を減らす。
【0069】
[91]サロンの場合には、調合制御ソフトウェアはオペレーターによるシステムの使用状況を追跡することも可能であり、これにより、従業員による原価報告を可能にする。また、「レンタル椅子」の環境では、第三者による請求を正確に追跡することができる。多くのサロンでは、一部のスタイリストが社員ではなく、サロンのオーナーから椅子をレンタルしている場合がある。時には椅子をレンタルしているスタイリストが、ヘアカラーなどを持参して提供していることがあり、サロンが提供する材料を活用しているスタイリストもいる。調合制御ソフトウェアでは調合に含まれる各材料の正確な量を把握しているため、各バッチにおける正確な材料費を把握することができる。こうしたデータはサービスコストをより理解するために使用でき、「レンタル椅子」スタッフに請求データを提供するために使用することもできる。
【0070】
[92]さらに別の実施例では、無駄を減らす能力をもった調合制御ソフトウェアも提示できる。サロンでは、ユーザーまたはスタイリストは通常、クライアント用に必要な成分量を超えた量を混合することが多い。理由には2つある:(a)現在の容積測定システムではスケールダウンしたバッチを用いることができない、および (b) 必要な成分または染料の実際量を推定することが難しく、塗布中に不足することを恐れるためである。改善された一機能によって、ユーザーまたはスタイリストがクライアントへのサービス終了後に混合ボウルをスケール上に返却できるようになる。混合物を生成する際に、混合ステップの終了時のボウルの重量を知ることができるため、調合制御ソフトウェアが最終重量から返却されたボウルの重量を減じることができる。これによって、塗布中にユーザーまたはスタイリストによって実際に使用された混合物の量を、調合制御ソフトウェアが知ることが可能となる。それから、クライアントのマスターフォーミュラを、実際に使用した量に調整でき、必要であれば、定義された安全率(5%または10%など)による追加量を加えることもできる。クライアントのその後の来店では、調合制御ソフトウェアの精密な測定能力と共に、再スケールしたマスターフォーミュラによって、製品の無駄をなくすことができる。
【0071】
[93]一実施例では、少なくとも2成分を追加して準備した混合物において、以前に使用されたフォーミュラを再計算するシステムを提示する。このシステムには、制御装置とスケールを含む。制御装置はメモリ(永久および/または一時的)、入力制御、及びディスプレイを持つ。メモリは少なくとも2成分を混合して調合された混合物を保存する。スケールは制御装置と連通する。制御装置はスケール上の重量を監視し、事前に少なくとも2成分から準備された混合物の最終重量をメモリに保存する。本実施例では、事前に準備された混合物の最終重量からユーザーによって使用された量を減じた量として定義される混合物の使用後重量がスケール上に設置され、制御装置が再計算シグナルを受け取った時に、調合制御ソフトウェアが使用された量を計算し、使用された量に基づき混合物を再計算し、さらに、新しい混合物を以後に用いるよう保存する。これにより、無駄を減少することができる。
【0072】
[94]本システムの実施例は、フォーミュラの再計算方法として、さらに定義できる。本方法では少なくともメモリ1台、入力制御、およびディスプレイ1台を持つ制御装置を提示する最初のステップを提示し、ここで、メモリは少なくとも2成分を混合して調合された混合物を保存する。次のステップは、制御装置と連通するスケールを提示し、本方法では事前に少なくとも2成分を混合することで準備された混合物の最終重量をメモリに保存する。使用後に、ユーザーは混合物の使用後重量を測定する。混合物の使用後重量は、事前に準備された混合物の最終重量からユーザーによって使用された量を減じたものと定義される。最終的には、本方法は混合物の使用後重量の最終重量との比較をもとにして混合物のフォーミュラを再計算し、再計算したフォーミュラを制御装置のメモリに保存する。
【0073】
[95]別の実施例では、混合物を準備するシステムを提示する。このシステムには少なくともメモリ1台、入力制御、およびディスプレイ1台を持つ制御装置が含まれる。メモリには、1成分または複数の成分の推奨される調合量をもとにして、1成分または複数の成分を混合することによって調合された少なくとも1つの混合物を保存することができる。制御装置と連通するのはスケール上の重量の変化を制御装置によって監視するためのスケールである。制御装置は混合物作成の入力を受けて、同混合物を作成するために必要な成分及び量を示す混合物の調合を表示し、制御装置はさらに、スケール上の重量の変化を監視する。ここで、制御装置は、混合物に加えられた成分の重量がフォーミュラで推奨される重量と異なるときには、調合を調整する。
【0074】
[96]さらに本発明の別の実施例では、オペレーターが混合物を作成できるように、成分の収納および混合を行うためのシステムを提示する。本システムは複数の収納レセプタクルを含むと定義され、各レセプタクルは少なくとも1成分を保持し、各レセプタクルは制御装置と連通する。制御装置は少なくとも1台のメモリ、入力制御、及びディスプレイ1台を持つ。本システムの改良点には以下が含まれる:(a) 少なくともひとつの調合混合物を保存する能力をもつ、および/または保存しているメモリ。これには、成分とその量を含む;(b) 混合物作成の入力を受けて、調合混合物を作成するために必要な成分および量を表示する制御装置;および (c) 各収納レセプタクルに位置する電子ロック機構。ここでは、制御装置が、混合物作成の入力を受けて、電子ロック機構にシグナルを送り、混合物を作成するために保持されている成分に対応する1つ以上のレセプタクルをロックおよび/またはロック解除する能力を持っている。
【0075】
[97]別案として、各レセプタクルには開放位置および閉鎖位置がある。この場合には、各レセプタクルは、収納レセプタクルそれぞれに電子機構を持ち、収納レセプタクルを開閉するよう設定される。従って、制御装置が混合物作成の入力を受けたとき、電子ロック機構にシグナルを送り、混合物を作成するために保持されている成分に対応する1つ以上のレセプタクルをロックおよび/またはロック解除する能力を持っている。
【0076】
[98]ここで図15を参照する。ここでは毛髪染料混合物を準備するための調合制御システム600の様々な実施例を提示する。調合制御システムは通常、以下のうち一要素または複数の要素を持つ制御システムを含む:(a) メモリ602、(b) 入力制御604、および/または (c) ディスプレイ606。調合制御システムにはさらに、メモリ602に保存される、少なくともひとつのフォーミュラ608が含まれる。フォーミュラは、毛髪染料混合物を再現するために推奨される、一種以上の着色剤および/または染料調合剤ならびに量のインストラクションを定義する。調合制御システムには、さらに、調合制御システムと連通する(ワイヤレスまたは有線)スケール610を含む。
【0077】
[99]様々な実施例の最初の態様における調合制御システムは、ユーザーがカスタムカラーを作成できるようにするカスタムカラーソフトウェア612を含む。カスタムカラーソフトウェア612は、毛髪染料のカスタムカラー混合物の作成を入力制御から手動入力で受けとった上で、ユーザーに一種以上の着色剤および/または染料調合剤を選択または入力するよう促し(614)、かかる一種以上の着色剤および/または染料調合剤に対応する量をスケール上で監視する(616)。カスタムカラーソフトウェアは、選択または入力された着色剤および/または染料調合剤、およびスケール上に設置された対応する量をもとに毛髪染料混合剤のフォーミュラを作成および保存する(618)。カスタムカラーの様々な他の態様および使用方法は、スケールに加えられる着色剤または染料調合剤の重量がフォーミュラで推奨される重量と異なる場合に毛髪染料混合剤のフォーミュラを調整するために使用されるフォーミュラ調整ソフトウェアに組み込むことができる。
【0078】
[100]様々な実施例の第2の態様としては、調合制御システムに認証ソフトウェア620を含み、フォーミュラに含まれる毛髪染料成分に対して毛髪染料成分パッケージをチェックし、毛髪染料混合物を正確に再現できることを確実にし、ユーザーに確認する(622)。認証ソフトウェアはバーコードスキャナー624と共に使用し、成分パッケージ上のバーコードをスキャンするか、またはRFIDリーダー626と共に使用して成分パッケージ上のRFIDタグの情報を読み取る。
【0079】
[101]様々な実施例の第3の態様としては、調合制御システムにサロン管理ソフトウェア630を含み、同システムと連通してカスタマーおよび同カスタマーに関連する毛髪染料混合物のフォーミュラの情報を交換する(632)。本態様では調合制御システムに同調合制御システムと連通する入力制御およびディスプレイ、ならびに入力制御からの手動入力に応対して同ディスプレイにインストラクションを表示するソフトウェア、さらにスケール上の重量を監視する監視ソフトウェアを含むことが可能である(634)。監視ソフトウェアはスケール上の重量の変化を監視し、調合制御システムが着色剤および/または染料調合剤のフォーミュラで推奨される量と、実際にスケールに追加された着色剤および/または染料調合剤の量との違いを計算できるようにする。この違いは、それからレセプタクルの重量を調整しながらゼロになるまで次第に減少させることで、調合制御システムが、フォーミュラで推奨される着色剤の量に達するまでに、着色剤および/または染料調合剤をどれだけの量スケールに追加する必要があるのか表示できるようにする。
【0080】
[102]様々な実施例の第4の態様としては、調合制御システムに進行状況制御ソフトウェア640を含み、毛髪染料混合物の一種以上の着色剤および/または染料調合剤をどれだけの量スケールに追加または取り除くことができるかを表示する。進行状況制御ソフトウェアには、毛髪染料混合物の一種以上の着色剤および/または染料調合剤を表示するアナログまたは非デジタルのディスプレイ642、および同表示を変更してスケールに追加または取り除かれた量を表示できるソフトウェアを含むことができる。かかる表示は棒グラフ、円グラフ、絵図、または線グラフなどのグラフを用いることができ、色分けまたは黒白、あるいはグラデーションを使用することができる;別案として、サウンドやその他の表示方法を用いることもできる。進行状況制御ソフトウェアにはまた、サウンドを再生する機能644または、毛髪染料混合物の一種以上の着色剤および/または染料調合剤の投入量を示すライトを含むことができ、さらに、スケールに追加または取り除かれた量を示すサウンドを再生する、またはライトを用いるソフトウェアを含むことができる。
【0081】
[103]様々な実施例の第5の態様としては、調合制御システムには、前述のメモリに少なくとも一式のカスタマー情報を含み、カスタマー情報634が少なくとも1つのフォーミュラと関連付けられているようにする。調合制御システムには、さらに、少なくとも一式のカスタマー情報を更新するソフトウェアを含む。さらに、調合制御ソフトウェアは、サロン管理ソフトウェアとリンクし、カスタマー情報を交換することができる。
【0082】
[104]様々な実施例の第6の態様としては、調合制御システムに、フォーミュラによって定義される一種以上の着色剤および/または染料調合剤それぞれの最終使用量をメモリに保存するソフトウェアを含む(650)。調合制御ソフトウェアの本態様には、さらに、比較ソフトウェア652を含み、一種以上の着色剤および/または染料調合剤の在庫を、一種以上の着色剤および/または染料調合剤それぞれの現在の在庫レベルを一種以上の着色剤および/または染料調合剤それぞれの最終使用量によって減じることによって、追跡することができる(654)。さらに、比較ソフトウェアは在庫レベルを追跡し、現在の在庫レベルを毛髪染料混合物の準備中に使用された量だけ減じ、および/または、現在の在庫レベルを新しい発送物の受け取り、または未使用材料の返却量によって増加させる。在庫レベルを適切に追跡するために、製品の廃棄、腐敗、紛失、またはその他の理由で減じる必要があった場合に、減じた量をさらに追跡することが可能である。さらなる考慮として、毛髪染料混合物の準備中に使用した量はスケール上の量から決定する。これはスタイリスト、ストア、製造者の実績を比較するために使用することもできる。
【0083】
[105]様々な実施例の第7の態様としては、調合制御システムは、前述のメモリに、少なくとも一種以上の着色剤および/または染料調合剤について現在の在庫レベルを保存し、一種以上の着色剤および/または染料調合剤それぞれに関連するコストを保存する。調合制御システムはさらに、フォーミュラに指定された一種以上の着色剤および/または染料調合剤それぞれの最終使用量をスケール上で監視することを含む毛髪染料混合物の準備過程を監視することで、毛髪染料混合物の最終費用を計算し、準備中に使用された各成分に費用を配分し、さらに個々の費用を加算して最終費用を計算するソフトウェアを含む(656)。最終使用状況および/または費用が見極められると、カラー使用状況および/または費用は、報告ソフトウェアによって報告することができる。報告ソフトウェアはさらに、一定期間の材料の使用状況および費用をスタイリスト、クライアント、サロン、または地域(ソフトウェアが他のサロンとリンクされている場合)、特定製品の製造者または製品ライン、および/もしくは、椅子またはブースの貸借人別に報告することができる。報告ソフトウェアはさらに、クライアント別のトリートメントごとの平均費用を見極め、その他の運営データを見極めるコンポーネントを含む。
【0084】
[106]ここで図16を参照して、毛髪染料混合物を準備するための調合制御システム700の様々な実施例を提示する。本システムには通常以下の1要素または複数要素が含まれる:(a) メモリ702、 (b) 入力制御704、および/または (c) ディスプレイ706。システムにはさらに、メモリ702に保存される少なくとも1フォーミュラ708が含まれる。フォーミュラは、毛髪染料混合物を再現するために推奨される、一種以上の着色剤および/または染料調合剤ならびに量のインストラクションを定義する。また、同システムには連通するスケール710が含まれる(ワイヤレスまたは有線)。
【0085】
[107]様々な実施例の第8の態様としては、調合制御システムにフォーミュラ調合および調整を許可するソフトウェアを含む。上記のように、これには、材料を加えすぎた場合または充分に加えなかった場合に調整するなど、材料の特定量を変更することによって、フォーミュラを再調整することも含まれる。別途に、これには、フォーミュラに特定の材料を追加または削除する機能、または特定の材料を他の材料と交換することなどを含むことができる。フォーミュラ調整ソフトウェア720は、入力制御から、さらに材料が追加されたか、またはフォーミュラから材料が削除された(722)という指摘を受ける。フォーミュラ調整ソフトウェア720は次に最終総量を計算し、および/または、場合によっては、増加したバッチサイズまたは混合物の強度を調整するためにフォーミュラを再計算する。ユーザーはカスタマー用の新しい混合物を伴って初めからやり直す必要がない。別の態様では、特定の材料を別の材料と交換する(724)が必要があるかもしれない。特定の材料の変更は、その特定の材料が在庫にないために行われる。例えば、赤の色調が在庫切れになっている場合、スタイリストは希望の効果を得るために他の色を組み合わせてもよいことを知っている場合がある。フォーミュラ調整ソフトウェアでは、最終総量を調整し、および/または場合によっては、フォーミュラの他の成分を再計算して、増加したバッチサイズまたは混合物の強度を調整する。
【0086】
[108]別の態様では、フォーミュラ調整ソフトウェア726は、特定のフォーミュラをあるブランド製品から別のブランド製品に変換する(728)機能をもっていてもよい。例えば、あるブランドの特定の色の混合物を別のブランドで再現する場合には、特定の材料が異なっているかもしれない。フォーミュラブランドの変換によって、オペレーターは別のブランド製品を使用して混合物を再現することができる。本システムによって提供されている場合は、変換後、システムが正しいレセプタクルまたは引き出しを制御し、ロック解除、開放、および/または表示(LEDまたは他の方法で)する(730)。別の態様では、フォーミュラ調整ソフトウェア726には、特定の製造者のカラー混合物の標準ブック732が含まれる場合がある。これにより、ユーザーはベースラインフォーミュラから開始して、特定のクライアント用に調整しカスタマイズすることが可能である。
【0087】
[109]さらに言及すべきは、調合制御システムには、特定の材料または混合物全体において必要な目標総量に対する定義された許容誤差コンポーネント734を内臓する。特定の材料を追加するとき、ある一定の少量の誤差において目標値より多く加えたり、足りなかったりした場合でも、最終的な混合物に必ずしも影響がないことが知られている。この許容誤差はフォーミュラで推奨される値の上下に1%から2%の範囲にある傾向があるが、許容レベルをサロン、オペレーター、マネジャー、製品の製造者などによって設定することもできる。許容誤差を特定のユーザーが決定できるようにするため、進行状況インジケーターには目標ライン736を含み、完全な混合物を達成するためにユーザーはこのラインを目指すか、またはさらに、目標ラインの上下に許容誤差の表示738を含め、加えた材料の重量が許容誤差の範囲内に達したら、全体の混合物を再調合する必要なく、ユーザーは次の材料に移行することができるという許容範囲をユーザーが識別できるようにする。許容範囲の表示は視覚的または聴覚的740でもよく、視覚的な表示の場合は目標ラインの上下に線またはかぎ括弧などで表示できる。図22も参照のこと。
【0088】
[110]様々な実施例の第9の態様としては、調合制御システムは、オペレーターに対しての使いやすさを向上させる様々な態様を含む(742)。タッチスクリーン(744)およびワイヤレスキーボード/マウスなど、様々な技術コンポーネントを提供できる。社員識別システム750を使用して、社員を正しく識別し、調合制御システムに適切なアクセスを提供できる。様々な社員識別システムを使用でき、これには以下が含まれるがこれらに限られるわけではない:磁気カードスキャナー;指紋スキャナー;バーコードリーダー;パスワード保護など。社員識別システムはさらに、以下に記述する情報管理システムとその重層性安全措置と関連して使用でき、調合制御システムの特定の部分へのアクセスを持つ社員を正確に識別する。
【0089】
[111]システムの使いやすさに関する別の態様では、製品パッケージの測定単位を統一した測定システムに自動的に変換する機能を含む(748)。異なったパッケージでは容量および重量に異なった尺度を用いている場合がある。本システムは、特定製品に基づいて調合制御システムに入力された情報を持って、その単位をオペレーターが使用する統一した測定システムに変換する。統一した測定システムは荷重システムであってもよい。別案として、進行状況インジケーターシステムが提供されているため、インジケーター自体を統一測定システムとみなすこともできる。
【0090】
[112]システムの使いやすさはさらに、画面上のステップ・バイ・ステップのインストラクション、および、オペレーターが特定の材料を加えすぎた場合の警告、またはオペレーターが誤った材料を使用している場合の警告などを提供することによって、実行できる。警告およびインストラクションは、特定の収納部分または容器の開放またはロック解除を制御するシステム機能によって増強される。
【0091】
[113]様々な実施例の第10の態様としては、調合制御システムを、情報管理構造812と共に提示する。様々なソフトウェアコンポーネントを使って、調合制御システムの情報を管理し、これにはサロン管理システムの情報を含む場合と含まない場合がある。上記のようにサロン管理システムおよび調合制御システムは統一されたシステムであってもよく、またはお互いに連通して別々のシステムであってもよい。調合制御システム800は通常、毛髪染料混合物を準備するために提供される。調合制御システムには通常、次の要素を1つまたは複数含むコンピューター作動システムを含む:(a) メモリ802、(b) 入力制御 804、および/または (c) ディスプレイ 806。調合制御システムにはさらに、メモリ802に保存される、少なくともひとつのフォーミュラ808が含まれる。フォーミュラは、毛髪染料混合物を再現するために推奨される、一種以上の着色剤および/または染料調合剤ならびに量のインストラクションを定義する。調合制御システムには、さらに、同システムと連通(ワイヤレスまたは有線)するスケール810を含む。情報管理システム812が提示され、これは調合制御システム800と連通している。
【0092】
[114]情報管理システム812には、共同または別々に使用できる1つ以上のコンポーネントが含まれる。情報管理システムの第1コンポーネントは、カスタマーまたはクライアントの情報およびそれに関連する調合物に関する情報を対象とできる。調合制御システムはフォーミュラカード814を準備し、カスタマーまたはスタイリストがこれを別のロケーションで使用できる。フォーミュラカードは別のスタイリストが別のロケーションで、例えばそのロケーションが調合制御システムにリンクされていない場合に、同混合物を再現できるようにする。情報管理システム812の第2コンポーネントには、カラー予想機能を含む(814)。カラー予想機能814は、特定の期間に必要とされるカラーの量を予想する機能である。予想は、カラーの使用状況履歴、予約日時、ならびにクライアント履歴など様々な情報、および/またはサロンによるプロモーションをもとにする。フォーミュラのカラーまたは材料は、これらの情報を検討し、注文書などを含むレポートを作成することで予想される。
【0093】
[115]情報管理システム812の第3コンポーネントは、注文書816の作成機能である。特定の材料の注文書816はカラー使用状況予想およびリアルタイムの在庫レベルに基づいて作成され、他のコンポーネントシステムによって監視および追跡できる。また注文書816は再発注点レベルをもとにすることもできる。注文書によって、調合制御システムは見計らい注文レポート818を作成し、同注文を自動的にEメールでベンダーに送信することができる(820)。
【0094】
[116]情報管理システム812の第4コンポーネントでは、新たに在庫確認をしてシステムに入力した時に新規在庫の更新822を行う。在庫の入力はコードをするか、または調合制御システムに入力することで行う。新規在庫はさらに注文書および使用状況レポートを比較して(824)注文およびレポートの正確性を見極めることができる。
【0095】
[117]ここで図18を参照して、情報管理システム812の第5コンポーネントでは、システムおよびサロンの管理を助けるために、様々なレポート830を作成することができる。クライアントおよびクライアントのサロンサービス利用状況に関する詳細記録を記したレポートは、カラーリングサービスを利用するクライアントの数またはパーセンテージを示し、および、使用頻度または不使用頻度などを得られる(832)。在庫減耗の計算を示すレポートは実際の在庫とあわせて得ることができる(834)。これに伴い、一定期間の在庫減耗の減少による費用削減に関するレポートを作成できる(836)。上記の費用削減レポートの作成に加え、無駄の減少を一定期間に使用された、あらかじめ定めた通常量と比較する(838)。レポートは、サロンが使用料を決定するために作成することもできる(840)。たとえば、材料を過剰に使用した場合の推奨される料金を作成することもでき、例としては、毛髪の長さまたは多さによって2倍または3倍の量のバッチを準備した場合などである。これらのレポートはイントラまたはインターネットを通してマネージャーに送信し(842)、一定期間の傾向を分析できる。これらのレポートは、また、地域または全国的なレポートとして、複数のサロンを総合して作成することができる。
【0096】
[118]多様なレポートと共に、調合制御システムには運営統計コンポーネント844を含むこともできる。運営統計は様々な要素を個別にまたは組み合わせたものをもとにすることができる。これらの要素には、オペレーター/スタイリスト別の平均のカラーバッチ846;クライアント別の平均費用848;一時間、一予約ごとのカラーサービスをあらかじめ定義した標準値と比較する850;シングルとダブルのカラーアプリケーションの数を比較する852;頭皮上と頭皮外のアプリケーションの数を比較する854;個別のバッチサイズをサロンの通常サイズとフラグ逸脱と比較する856;逸脱したバッチサイズを追加料金設定のため比較する858;および特別なアプリケーションを通常の手順に対してその価格を比較する860、が含まれる。
【0097】
[119]その他のレポートは、単一の会社が所有するサロンの数をベースとし、それに関する情報を提供するために作成することができる。この情報は全サロンの総合情報に基づいて、もしくは、特定の市、地域、または国に基づいて並べ替えまたは列挙することができる。
【0098】
[120]本情報管理システムは在庫追跡機能を持っているため、回転の速い材料の概要や、回転が遅い、または不動の材料を示すレポートを作成することができる。レポートは特定期間の通常使用と同期間の無駄の間で使用を配分するように作成することができる。
【0099】
[121]調合制御システムはさらに、購入奨励プログラム862を作成・追跡することができる。これは、スタイリストによって使用された製品またはスタイリストによって提供されたサービスを監視することによって、店内で購入される小売製品の推薦を行い、その製品が購入されたかどうかを追跡する。ブランドまたは使用された特定の材料を含むクライアントの完全な情報を調合制御システムに保存することによって、小売製品の特定のプロモーションを決定し、クライアントに推薦することができ、また、購入、使用、または塗布された特定の製品を同様にもとにして、特定のサロンサービスのプロモーションを行うことができる。
【0100】
[122]ここで図19を参照し、本発明の11番目の態様では、調合制御システムにさらに通信およびデータシェアリングコンポーネントを伴って提示する。通信およびデータシェアリングに使用される様々なソフトウェアコンポーネントには、サロン管理システムの情報を含む場合と含まない場合がある。調合制御システム900は通常、毛髪染料混合物を準備するために提供される。調合制御システムは通常、以下のうち一要素または複数の要素を持つコンピューター作動システムを含む:(a) メモリ902、(b) 入力制御904、および/または (c) ディスプレイ906。調合制御システムにはさらに、メモリ902に保存される、少なくともひとつのフォーミュラ908が含まれる。フォーミュラは、毛髪染料混合物を再現するために推奨される、一種以上の着色剤および/または染料調合剤ならびに量のインストラクションを定義する。調合制御システムには、さらに、同システムと連通(ワイヤレスまたは有線)するスケール910を含む。通信およびデータシェアリングシステム912が提供され、システム900と連通している。
【0101】
[123]通信およびデータシェアリングシステム912ソフトウェアの第1のコンポーネントは、製造された、および/またはインストールされたシステムに対する更新を提供するため、調合制御システム900がメインサーバー920と通信できるようにする。ソフトウェアの更新およびアップグレード922はメインサーバーにインターネットでログインすることで行える。さらに、ソフトウェアインストレーションおよびセットアップ924もインターネットを通して行える。メインサーバー920は調合制御システム900と連通しているときには、調合制御システムのメンテナンス上のいかなる問題でも、診断し修復することができ(926)、さらにデータバックアップ機能も提供する(928)。システムが使用できるようライセンスされている場合、メインサーバーはライセンスの保持も行うことができる。この場合、ライセンスが更新されていないと、サロンによる制御システムから遮断される場合がある。
【0102】
[124]第2コンポーネントは上記のように、調合制御システムとサロン管理システムが統合またはリンクされ、情報のシェアリングを可能とする。1つ以上のシステム900によってシェアされる情報には、スタイリストのデータ、予約情報、店頭サービスチケット情報、および新規ならびに既存のクライアントのフォーミュラ情報を含み、さらに修正したフォーミュラ情報も含む。
【0103】
[125]複数のシステム900a、900bなどが1軒のサロンまたは複数のサロンで導入された場合、各システムは互いに連携して、情報をシェアしたり統合できる。複数サロンのアプリケーションはローカルエリア・ネットワークまたは広範囲のネットワークを使用できる(930)。シェアされる情報には、在庫データ、費用データ、使用状況データ、社員データ、カスタマーデータおよびフォーミュラデータが含まれる。
【0104】
[126]ここで図20を参照する。毛髪染料システムに連携して使用できるモジュラー棚ユニット1000を示す。モジュラー棚ユニット1000には、複数の棚用開口部1050が含まれ、ユーザー側に外部に向けてスライド式で開くレセプタクル1100に対応している。レセプタクル1100には、開口部の前方から突出し、相対するピン1170を受けるグライドまたはチャネル1150を含む。チャネル1150にはレセプタクルの後部のそばに湾曲した部分1200を含む。この湾曲部分1200はチャネル1150の末端1250がレセプタクルの後下部近くに位置するように湾曲している。そのため、レセプタクルを引き出した時に、下方へ動くかまたは旋回する。引き出しは、引き出しに入れた製品を整理分類するのに役立つような様々な部分1300、1320を持つことができる。
【0105】
[127]さらに示すように、レセプタクルには前面下部のへり部分1400を持つことができ、これは固定インジケーター灯1450または棚の開口部に位置するLEDをカバーする。前面下部のへり部分1400は透明または半透明の性質を持ち、レセプタクルが完全に閉じられライトが点灯したときに、ユーザーが前面下部のへり部分1400を通してそのライトを見ることができるようになっている。
【0106】
[128]ここで図21を参照する。本発明で記述される様々なコンポーネントのうち、調合制御システム600が通常、手動で毛髪染料混合物を準備するために提示される。調合制御システムには通常、以下のうち一要素または複数の要素を持つコンピューター作動システムが含まれる:(a) メモリ、 (b) 入力制御604、および/または (c) ディスプレイ606。調合制御システムにはさらに、少なくともひとつのフォーミュラがメモリに保存されている。フォーミュラは、手動で毛髪染料混合物を再現するための、一種以上の着色剤および/または染料調合剤のインストラクション、および推奨量を定義する。調合制御システムには、さらに、同システムと連通(ワイヤレスまたは有線)するスケール610を含む。調合制御システムにはさらに、同調合制御システムと連通する容器が含まれる。上記にあるように、レセプタクルにはインジケーターおよび/またはロックが含まれる場合もある。
【0107】
[129]さらに、上記のソフトウェア機能は、単一または複数のソフトウェアコンポーネントによって作成されるよう定義されていることを提示する。これらのコンポーネントは、こうした機能を作成するのに使用されるソフトウェア言語に関わらず、共同作動するよう設計されている。さらに、ソフトウェアは構成要素をソフトウェアおよび本書で開示される実施例に授けるために機能するように、特別に設定される。
【0108】
[130]本発明のさらなる一実施例では、上記のように毛髪染料混合物を手動、半手動、または自動で準備する方法を提示する。ここで実施される方法では、相互に連通するスケールと制御システムを使用する。制御システムはメモリおよびディスプレイを提供し、メモリには毛髪染料混合物を調合するインストラクションを定義するフォーミュラが含まれる。インストラクションはスタイリストまたはユーザーが多様な手順を実行できるようにディスプレイに表示される。これには、ディスプレイ上のインストラクション表示を見て、それからスケール上のレセプタクルに着色剤および染料調合剤をインストラクションに従って加えることによってインストラクションに従うことが含まれる。本実施例の中心となるのは、スタイリストがヘアカラー製造者の標準包装を使用しているという重要な事実に基づいている。ここでは、着色剤および/または染料調合剤の非標準または特別な包装は必要とされない。用語は上記に定義するとおりである。
【0109】
[131]本実施例の別の態様では、レセプタクルに加えられた一種以上の着色剤および/または染料調合剤の量を示すインジケーターの表示を見る手順によって、本方法を継続する。インジケーターはさらにフォーミュラによって定義された推奨量の上下にあらかじめ設定された許容範囲を表示する。その上で、スタイリストは、レセプタクル内の量があらかじめ設定された許容範囲内であると、インジケーターが示すまで、着色剤または染料調合剤をレセプタクルに追加および/またはレセプタクルから除去する。さらに、インジケーターにはライト、サウンドおよび/またはグラフィックを含む場合がある。
【0110】
[132]本実施例の別の態様には、ヘアカラー製造者の標準包装をフォーミュラに対して比較することによって、レセプタクルに追加される着色剤および/または染料調合剤を確認する手順を含む。この確認手順には、ヘアカラー製造者の標準包装をスキャナーを使ってスキャンすること、およびスキャンしたヘアカラー製造者の標準包装がフォーミュラに掲載されていることをディスプレイ上でチェックすることが含まれる。さらに別の態様では、本方法には、スタイリストがスケール上のレセプタクル内の着色剤または染料調合剤の重量を承認し、次に、制御システムによって計算された調整したフォーミュラを制御システムが表示したことを受けて、スケール上のレセプタクルにさらに着色剤または染料調合剤を追加することが含まれる。調整したフォーミュラは、フォーミュラで定義した推奨量と、承認した重量が異なっているときに、レセプタクル内の着色剤または染料調合剤の承認された重量をもとにしている。
【0111】
[133]さらに、スタイリストは、フォーミュラに従ってさらに着色剤または染料調合剤をスケール上のレセプタクルに追加する前に、スケール上のレセプタクルの着色剤または染料調合剤の重量を確認し承認する場合もある。スタイリストは、レセプタクルが着色剤および/または染料調合剤の残りの量を保持するときに(使用後)、スケール上のレセプタクルを測量する場合もある。残りの量は、インストラクションに従って事前に準備された着色剤および/または染料調合剤の一部のみを含むと定義される。この場合、制御システムは、レセプタクル内の着色剤および/または染料調合剤の残りの量を、事前に準備した着色剤および/または染料調合剤の量と比較したものをもとにして保存されたインストラクションを改訂する能力を持つ。
【0112】
[134]様々な図によって概説するように、様々な実施例の特定の機能を実行するために、様々なシステムおよび方法を提示する。一実施例では、毛髪染料混合物を準備するためのシステムを提示する。このシステムには、少なくともメモリ1台、入力制御、およびディスプレイを持つ制御システムが含まれる。メモリには少なくとも1つのフォーミュラが保存され、フォーミュラには、毛髪染料混合物を再現するための、一種以上の着色剤および/または染料調合剤および推奨量が含まれる。スケールが提示され、これは、スケール上の重量を監視する監視ソフトウェアを伴い、同制御システムと連通する。さらに、入力制御からの手動入力に応対してディスプレイにフォーミュラを表示するソフトウェアも提示する。本実施例はさらに、スケール上に追加する必要のある着色剤および/または染料調合剤の量を表示するように設定され、さらにスケールに加えられた量に比較した推奨量を表示するよう設定された表示ソフトウェアを含む。許容範囲表示ソフトウェアも提示する。これは推奨量の上下において、あらかじめ指定した許容範囲を表示するように設定され、これにより、ユーザーは、スケール上に加えた着色剤および/または染料調合剤の量が、あらかじめ指定した許容範囲内にあるかどうかを識別することができる。
【0113】
[135]許容範囲の表示は絵図グラフ上の線か、または聴覚的シグナルでもよい。スケール上の着色剤および/または染料調合剤の量が、あらかじめ指定した許容範囲外である時にそれを示すように、警告シグナルをさらに提供することもできる。
【0114】
[136]別の実施例では、毛髪染料混合物を準備するためのシステムを提示し、本システムには、少なくともメモリ1台、入力制御、ならびにディスプレイ1台を持ち、および少なくともひとつのフォーミュラがメモリに保存されている制御システムが含まれる。フォーミュラは、毛髪染料混合物の再現に推奨される一種以上の着色剤および/または染料調合剤のインストラクションと推奨量を定義する。各着色剤および/または調合剤は第1製品ブランドに別々に配分され、第1製品ブランドから第2製品ブランドに着色剤および/または調合剤を変更するような手動入力を入力制御から受け取るようにブランド選択ソフトウェアを設定することができる。ブランド調整ソフトウェアは、手動入力に対応して、毛髪染料混合物のフォーミュラを第1製品ブランドから第2製品ブランドに調整するように設定される。ブランド選択ソフトウェアはさらに、全ての着色剤および/または調合剤を第1製品ブランドから第2製品ブランドに変更するように、単一の手動入力を入力制御から受けとるように設定し、ブランド調整ソフトウェアが毛髪染料混合物のフォーミュラを、手動入力に対応して、第1製品ブランドから第2製品ブランドに調整できるようにする。
【0115】
[137]あるブランドから別のブランドへの変換は、事前に決定したブランド変換比率、または調整ブラケットをもとにする。調整したフォーミュラは、変換後にメモリに保存される。
【0116】
[138]別の実施例では、毛髪染料混合物を準備するためのシステムを提示し、本システムには、少なくともメモリ1台、入力制御、ならびにディスプレイ1台を持つ制御システムを含み、少なくともひとつのフォーミュラがメモリに保存されている。フォーミュラは、毛髪染料混合物の再現に推奨される一種以上の着色剤および/または染料調合剤のインストラクションと推奨量を定義する。本実施例には、さらに、入力制御からの手動入力に対応して、前述のディスプレイにインストラクションを表示するソフトウェア、および、入力制御からの調整プロトコル入力を受けるように設定されたフォーミュラ調整ソフトウェアを含み、調整プロトコル入力とは、フォーミュラのインストラクションを変更するものとしてさらに定義される。フォーミュラ調整ソフトウェアはさらに、調整プロトコル入力に従ったときに毛髪染料混合物のフォーミュラを調整するように設定され、フォーミュラ調整ソフトウェアが調整されたフォーミュラを定義する。フォーミュラ調整ソフトウェアはさらにディスプレイ上に調整したフォーミュラを表示するように設定される。
【0117】
[139]調整プロトコル入力は一種以上の着色剤および/または染料調合剤の削除、追加または代替をもとにできる。ここでシステムは、変更に応じて追加の着色剤または調合剤を加えるか、または取り除く必要があるかどうかを見極めることができる。
【0118】
[140]別の実施例では、毛髪染料混合物を準備するためのシステムを提示し、本システムには、少なくともメモリ1台、入力制御、ならびにディスプレイ1台を持つ制御システムと、および同制御システムと連通するスケールを含む。入力制御からの手動入力に対応して前述のディスプレイにインストラクションを表示するように設定されたソフトウェアと共に、スケール上の重量を監視するよう設定された監視ソフトウェアも提示する。本実施例にはさらに、情報を保存したメモリを含み、情報には、(a) 少なくとも一人のクライアントと関連するクライアントデータ、 (b) 毛髪染料混合物を再現するために推奨される一種以上の着色剤および/または染料調合剤、および推奨量についてのインストラクションを定義する、少なくともひとつのフォーミュラ、および/または (c) 毛髪染料混合物を再現するために使用できる着色剤および/または染料調合剤に関連する在庫データ、が含まれ、さらに、少なくとも一社員の情報と対応する社員識別情報が含まれる。本実施例は、さらに、情報および/またはスケールへのアクセスを防ぐように設定した識別ソフトウェアが含まれ、同識別ソフトウェアはさらに、入力された個人識別情報が社員識別情報と一致したときに情報および/またはスケールへのアクセスを許可するように設定される。入力された識別情報は以下のうち1つまたは複数に関連する:磁気カードスキャナー、指紋スキャナー、およびパスワード。
【0119】
[141]別の実施例では、毛髪染料混合物を準備するためのシステムを提示し、本システムには、少なくともメモリ1台、入力制御、ならびにディスプレイ1台を持つ制御システム;同制御システムと連通するスケール;スケール上の重量を監視するよう設定された監視ソフトウェア;および入力制御からの手動入力を受けてインストラクションをディスプレイに表示するよう設定されたソフトウェアを含む。本実施例にはさらに、情報を保存したメモリを含み、情報には、(a) 少なくとも一人のクライアントと関連するクライアントデータ、 (b) 毛髪染料混合物を再現するために推奨される一種以上の着色剤および/または染料調合剤、および推奨量についてのインストラクションを定義する、少なくともひとつのフォーミュラ、および/または (c) 毛髪染料混合物を再現するために使用できる着色剤および/または染料調合剤に関連する在庫データ、が含まれる。本実施例にはさらに、現在の在庫レベルを毛髪染料混合物を手作業で準備する際に使用した量だけ減じ、さらに、現在の在庫レベルを新たに受け取った在庫量分増やすことによって、一種以上の着色剤および/または染料調合剤の在庫レベルを計算するように設定された在庫ソフトウェアを含み、この在庫ソフトウェアはさらに、手動入力および/またはスケール上の重量をもとに一種以上の着色剤および/または染料調合剤の実際の在庫レベルを受信および保存するように設定される。最後に、報告ソフトウェアを提示し、これは現在の計算された在庫レベルを実際の在庫レベルに比較した時の在庫減耗をもとにしたレポートを作成するように設定される。これはさらに、在庫減耗レポートに最終費用を含められるように費用をもとにすることもできる。
【0120】
[142]別の実施例では、毛髪染料混合物を準備するためのシステムを提示し、本システムには、少なくともメモリ1台、入力制御、ならびにディスプレイ1台を持つ制御システム;同制御システムと連通するスケール;スケール上の重量を監視するよう設定された監視ソフトウェア;および情報を保存したメモリを含む。この情報には、(a) 少なくとも一人のクライアントと関連するクライアントデータ、 (b) 毛髪染料混合物を再現するために推奨される一種以上の着色剤および/または染料調合剤、および推奨量についてのインストラクションを定義する、少なくともひとつのフォーミュラ、および/または (c)一種以上の着色剤および/または染料調合剤のそれぞれに関する費用、が含まれ、さらに、少なくとも一社員の情報と対応する社員識別情報が含まれる。追跡ソフトウェアを提示し、これはメモリに、毛髪染料混合物の作成中にフォーミュラによって定義された一種以上の着色剤および/染料調合剤それぞれの最終使用量、および毛髪染料混合物の作成に関わる費用を保存するように設定される。追跡ソフトウェアはさらに、社員に関連費用を関連付けるように設定される。最終費用/平均費用をもとにしたレポートを特定期間について作成することができる。さらに、追跡ソフトウェアは、一種以上の着色剤および/または染料調合剤が社員によって使用された量および、混合物が塗布後に測量されたときの残りの量を報告できる。使用した製品の最終費用と請求額を比べたものを、閲覧および表にすることができる。さらに、使用量の多い材料と少ない材料を、在庫および注文用、さらに購入奨励プログラム用に見極めることができる。作成した注文書は計算し、自動的に第三者ベンダーに送信できる。
【0121】
[143]さらに、どの製品が使用されたかという知識と、システムがシステムのサロン管理部分にリンクできる可能性によって、サロンのニーズをさらに予測することができる。予約ログとサービスタイプ、および作成されるフォーミュラを伴い、どれだけの量の製品を在庫に持っている必要があるか、および、在庫レベルを見極めるためのレポートを作成でき、さらに、どの製品を注文する必要があるかを見極めるためのレポートも作成できる。ニーズを自動的または検討によって見極め、サロンマネージャーの承認を受けて、注文書を作成および送信する。
【0122】
[144]前述により、本発明の新概念の精神および範囲から逸脱することなく、数々のバリエーションおよびモディフィケーションを達成できることを観察することができる。本書に記述される特定の方法および装置に関しては、いかなる限界も意図されず、推測されるべきではないことを理解すべきである。もちろん本書は、かかる全てのモディフィケーションを対象とすることを意図している。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22