(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
種々の図面中の類似参照記号は、類似要素を示す。
【0029】
図1−3を参照すると、注入ポンプアセンブリ100は、再利用可能な筐体アセンブリ102を含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ102は、圧縮に抵抗する硬質または剛性プラスチック等の任意の好適な材料から構築され得る。例えば、耐久性材料および部品の使用は、より長く持ちこたえ、より耐久性のある再利用可能な部分を提供し、その中に配置された構成要素により優れた保護を提供することによって、品質を改善し、費用を削減し得る。
【0030】
再利用可能な筐体アセンブリ102は、ポンプアセンブリ106および少なくとも1つの弁アセンブリ108を有する機械制御アセンブリ104を含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ102はまた、機械制御アセンブリ104に1つ以上の制御信号を提供し、ユーザへの注入可能な流体の基礎および/またはボーラス送達を達成するように構成される電気制御アセンブリ110を含み得る。使い捨て筐体アセンブリ114は、流体経路を通る注入可能な流体の流量を制御するように構成され得る弁アセンブリ108を含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ102はまた、流体経路からユーザに注入可能な流体を送出するように構成され得るポンプアセンブリ106を含み得る。
【0031】
電気制御アセンブリ110は、送出されたおよび/または送出されている注入可能な流体の量を監視および制御し得る。例えば、電気制御アセンブリ110は、容量センサアセンブリ148から信号を受信し、分注されたばかりの注入可能な流体の量を計算し、ユーザによって必要とされる用量に基づいて、十分な注入可能な流体が分注されたかどうかを決定し得る。十分な注入可能な流体が分注されていなければ、電気制御アセンブリ110は、より多くの注入可能な流体が送出されるべきであると決定し得る。電気制御アセンブリ110は、付加的な必要用量が送出され得るように、機械制御アセンブリ104に適切な信号を提供してもよく、または、電気制御アセンブリ110は、付加的な用量が次の用量とともに分注され得るように、機械制御アセンブリ104に適切な信号を提供し得る。代替として、過剰な注入可能な流体が分注された場合、電気制御アセンブリ110は、より少ない注入可能な流体が次の用量で分注され得るように、機械制御アセンブリ104に適切な信号を提供し得る。
【0032】
機械制御アセンブリ104は、少なくとも1つの形状記憶アクチュエータ112を含み得る。機械制御アセンブリ104のポンプアセンブリ106および/または弁アセンブリ108は、少なくとも1つの形状記憶アクチュエータ、例えば、ワイヤまたはバネ構成の形状記憶ワイヤであり得る形状記憶アクチュエータ112によって、作動させられ得る。形状記憶アクチュエータ112は、タイミング、および機械制御アセンブリ104を作動させるために使用される熱および/または電気エネルギーの量を制御し得る電気制御アセンブリ110に動作可能に接続され、および電気制御アセンブリ110によって起動され得る。形状記憶アクチュエータ112は、例えば、温度によって形状を変化させる伝導性形状記憶合金ワイヤであり得る。形状記憶アクチュエータ112の温度は、加熱器により、またはより便利なことには、電気エネルギーの印加によって変化させられ得る。形状記憶アクチュエータ112は、NITINOL
TMまたはFLEXINOL(登録商標)等の、ニッケル/チタニウム合金で構成された形状記憶ワイヤであり得る。
【0033】
注入ポンプアセンブリ100は、注入ポンプアセンブリ100によって注入される流体の量を監視するように構成される容量センサアセンブリ148を含み得る。例えば、容量センサアセンブリ148は、例えば、音響容量感知を採用し得る。音響容量測定技術は、その全ての開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれるDEKA Products Limited Partnershipに譲渡された米国特許第5,575,310号および第5,755,683号、ならびに、米国特許出願公開第US2007/0228071A1号、第US2007/0219496A1号、第US2007/0219480A1号、第US2007/0219597A1号の主題である。例えば、ドップラに基づいた方法、羽根またはフラッパ弁と組み合わせたホール効果センサの使用、(例えば、可撓性部材の偏向を感知するように、流体貯留部を覆う可撓性部材に関係する)ひずみビームの使用、プレートを有する容量感知の使用、または熱飛行時間法といった、流量を測定するための他の代替的技法も使用され得る。1つのそのような代替的技法は、2007年2月9日に出願され、Fluid Delivery Systems and Methodsと題された米国特許出願第11/704,899号に開示されており、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる。注入ポンプアセンブリ100は、容量センサアセンブリ148によって生じる容量測定値が、フィードバックループを通して、ユーザに注入される注入可能な流体の量を制御するために使用され得るように、構成され得る。
【0034】
注入ポンプアセンブリ100はさらに、使い捨て筐体アセンブリ114を含み得る。例えば、使い捨て筐体アセンブリ114は、単回使用のために、または、例えば、3日または任意の他の時間量といった指定期間の使用に対して構成され得る。使い捨て筐体アセンブリ114は、注入可能な流体と接触する、注入ポンプアセンブリ100の中の任意の構成要素が、使い捨て筐体アセンブリ114の上および/または内側に配置されるように、構成され得る。例えば、貯留部を含む流体経路またはチャネルは、使い捨て筐体アセンブリ114内に位置付けられてもよく、単回使用のために、または処分前の指定回数の使用のために構成され得る。使い捨て筐体アセンブリ114の使い捨て性質は、注入ポンプアセンブリ100の衛生を改善し得る。
【0035】
図4も参照すると、使い捨て筐体アセンブリ114は、再利用可能な筐体アセンブリ102に解放可能に係合するように構成されてもよく、注入可能な流体(図示せず)、例えば、インスリンを受容するための貯留部118を有する空洞116を含む。そのような解放可能な係合は、例えば、ネジ式、ツイストロック、または圧縮嵌合構成によって達成され得る。使い捨て筐体アセンブリ114および/または再利用可能な筐体アセンブリ102は、特定の配向での係合のために、使い捨て筐体センブリ114と再利用可能な筐体アセンブリ102とを整列させることを支援するように構成される整列アセンブリを含み得る。同様に、基礎ノブ120と頂部ノブ122とが、整列および完全な係合の指標として使用され得る。
【0036】
空洞116は、使い捨て筐体アセンブリ114によって少なくとも部分的に形成され、それと一体化し得る。空洞116は、貯留部118を少なくとも部分的に画定するための膜アセンブリ124を含み得る。貯留部118はさらに、使い捨て筐体アセンブリ114によって、例えば、使い捨て筐体アセンブリ114の基礎部分128に形成された陥凹126によって画定され得る。例えば、膜アセンブリ124は、陥凹126を覆って配置され、基礎部分128に取り付けられてもよく、それにより、貯留部118を形成する。膜アセンブリ124は、シール130が膜アセンブリ124と基礎部分128との間に形成されるように、接着、熱融着、および/または圧縮嵌合等の従来の手段によって、基礎部分128に取り付けられ得る。膜アセンブリ124は、可撓性であってもよく、膜アセンブリ124と基礎部分128の陥凹126との間に形成される空間は、貯留部118を画定し得る。貯留部118は、非加圧型であり、流体経路(図示せず)と流体連通していてもよい。膜アセンブリ124は、少なくとも部分的に折り畳み可能であってもよく、空洞116は、通気口アセンブリを含んでもよく、それにより、注入可能な流体が貯留部118から流体経路に送達される際に、貯留部118の中における真空の蓄積を有利に防止する。好ましい実施形態では、膜アセンブリ124は、完全に折り畳み可能であり、したがって、注入可能な流体の完全な送達を可能にする。空洞116は、十分な空間を提供して、貯留部118が注入可能な流体で充填されたときでも常にいくらかの空隙があることを確実にするように構成され得る。
【0037】
本明細書で説明される膜および貯留部は、シリコーン、NITRILE、および所望の弾力性および本明細書で説明されるように機能するための性質を有する任意の他の材料を含むが、それらに限定されない材料から作られ得る。加えて、他の構造が同じ目的を果たすことができる。
【0038】
部分的に折り畳み可能な非加圧型貯留部の使用は、貯留部の中の流体が使い果たされる際に、貯留部の中の空気の蓄積を有利に防止し得る。通気口付き貯留部の中の空気の蓄積は、特に、エアポケットが貯留部に含有される流体と貯留部の隔壁との間に介在するように、システムが傾転された場合に、貯留部からの流体の脱出を防止することができる。システムの傾転は、装着型デバイスとしての正常な動作中に予期される。
【0039】
貯留部118は、1日以上にわたる送達のために十分なインスリン供給を担持するように、便宜的にサイズ決定され得る。例えば、貯留部118は、約1.00〜3.00mlのインスリンを担持し得る。3.00mlのインスリン貯留部は、潜在的なユーザの約90%に対する約3日間の供給に対応し得る。他の実施形態では、貯留部118は、任意のサイズまたは形状であってもよく、任意の量のインスリンまたは他の注入可能な流体を担持するように適合され得る。いくつかの実施形態では、空洞116および貯留部118のサイズおよび形状は、空洞116および貯留部118が担持するように適合される注入可能な流体の種類に関係する。
【0040】
使い捨て筐体アセンブリ114は、貯留部118の偶発的な圧縮を防止するように構成される支持部材132(
図3)を含み得る。貯留部118の圧縮は、流体経路を通して、注入可能な流体の意図的ではない用量をユーザへと押し進めさせる。好ましい実施形態では、再利用可能な筐体アセンブリ102および使い捨て筐体アセンブリ114は、容易に圧縮可能ではない剛性材料から構成され得る。しかしながら、追加の予防措置として、注入ポンプアセンブリ100およびその中の空洞116の圧縮を防止するように、支持部材132が、使い捨て筐体アセンブリ114内に含まれ得る。支持部材132は、基礎部分128からの剛性突起であり得る。例えば、支持部材132は、空洞116内に配置されてもよく、貯留部118の圧縮を防止し得る。
【0041】
上記で論議されたように、空洞116は、十分な空間を提供して、貯留部118が注入可能な流体で充填されたときでも、常にいくらかの空隙があることを確実にするように構成され得る。したがって、注入ポンプアセンブリ100が偶然に圧縮された場合に、注入可能な流体は、(例えば、
図9に示された)カニューレアセンブリ136を通して押し進められ得ない。
【0042】
空洞116は、貯留部118が注入可能な流体で充填されることを可能にするように構成される隔壁アセンブリ146(
図3)を含み得る。隔壁アセンブリ146は、ゴムまたはプラスチックでできた従来の隔壁であってもよく、ユーザがシリンジまたは他の充填デバイスから貯留部118を充填することを可能にするように構成される一方向流体弁を有し得る。いくつかの実施形態では、隔壁146は、膜アセンブリ124の最上部に位置し得る。これらの実施形態では、空洞116は、針が注入可能な流体を空洞116に導入しているときに隔壁シールの完全性を維持するよう、隔壁の裏面の周囲の領域を支持するための支持構造(例えば、
図3の支持部材132)を含み得る。支持構造は、注入可能な流体を空洞116に導入するための針の導入を依然として可能にしながら、隔壁を支持するように構成され得る。
【0043】
注入ポンプアセンブリ100は、例えば、空洞116の中へ突出してもよく、例えば、貯留部118の過剰充填を防止し得る過剰充填防止アセンブリ(図示せず)を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、貯留部118は、複数回で充填されるように構成され得る。例えば、貯留部118は、隔壁アセンブリ146を介して再充填可能であり得る。注入可能な流体がユーザに分注され得るため、電子制御アセンブリ110は、貯留部118の中の注入可能な流体の液面を監視し得る。液面が低点に到達すると、電子制御アセンブリ110は、貯留部118を再充填する必要があるという光または振動等の信号をユーザに提供し得る。シリンジまたは他の充填デバイスが、隔壁146を通して貯留部118を充填するために使用され得る。
【0045】
貯留部118は、1回で充填されるように構成され得る。例えば、使い捨て筐体アセンブリ114が1回だけ使用され得るように、貯留部118の再充填を防止するために、再充填防止アセンブリ(図示せず)が利用され得る。再充填防止アセンブリ(図示せず)は、機械デバイスまたは電気機械デバイスであり得る。例えば、貯留部118を充填するための隔壁アセンブリ146へのシリンジの挿入は、1回の充填後に、隔壁146を覆って閉じるようにシャッタを誘起し、したがって、隔壁146へのさらなるアクセスを防止し得る。同様に、貯留部118が1回充填されたことを、センサが電子制御アセンブリ110に示してもよく、1回の充填後に、隔壁146を覆って閉じるようにシャッタを誘起し、したがって、隔壁146へのさらなるアクセスを防止し得る。再充填を防止する他の手段が利用されてもよく、本開示の範囲内であると見なされる。
【0046】
上記で論議されたように、使い捨て筐体アセンブリ114は、貯留部118が不溶解性の流体で充填されることを可能にするように構成され得る隔壁アセンブリ146を含み得る。隔壁アセンブリ146は、ゴム、または隔壁として機能し得る任意の他の材料でできた、従来の隔壁であってもよく、または、他の実施形態では、隔壁アセンブリ146は、プラスチックまたは他の材料の一方向流体弁であり得るが、それに限定されない。例示的実施形態を含む、種々の実施形態では、隔壁アセンブリ146は、ユーザがシリンジまたは他の充填デバイスから貯留部118を充填することを可能にするように構成される。使い捨て筐体アセンブリ114は、ユーザが貯留部118を再充填し得る回数を限定するように構成され得る、隔壁アクセスアセンブリを含み得る。
【0047】
例えば、
図5A−5Cも参照すると、隔壁アクセスアセンブリ152は、スロットアセンブリ158内に嵌合するように構成される、タブアセンブリ156によって「開放」位置で担持され得る、シャッタアセンブリ154を含み得る。充填シリンジ160で隔壁146を貫通すると、シャッタアセンブリ154が下向きに配置されてもよく、タブアセンブリ156をスロットアセンブリ158から係脱させる。いったん係脱されると、バネアセンブリ162が、矢印164の方向にシャッタアセンブリ154を変位させてもよく、隔壁146がもはやユーザにアクセス可能ではなくなる。
【0048】
図6Aも参照すると、代替的実施形態の隔壁アクセスアセンブリ166が、「開放」位置で示されている。隔壁アクセスアセンブリ152と同様に、隔壁アクセスアセンブリ166は、シャッタアセンブリ168と、バネアセンブリ170とを含む。
【0049】
図6Bも参照すると、タブ178がスロット180係合し得る「開放」位置で、隔壁アクセスアセンブリ172の代替的実施形態が示されている。隔壁アクセスアセンブリ166と同様に、隔壁アクセスアセンブリ172は、シャッタアセンブリ174と、バネアセンブリ176とを含む。いったんシャッタアセンブリ172が(例えば、ユーザによる隔壁146のさらなるアクセスを防止し得る)「閉鎖」位置に移動すると、タブ178は、少なくとも部分的にスロット180aに係合し得る。タブ178とスロット180aとの間の係合は、「閉鎖」位置でシャッタアセンブリ172を係止して、シャッタアセンブリ172の不正加工または再開放を阻止し得る。シャッタアセンブリ172のバネタブ182は、スロット180aと係合するようにタブ178を付勢し得る。
【0050】
しかしながら、種々の実施形態では、隔壁アクセスアセンブリは、直線的に作動させられなくてもよい。例えば、
図7A−7Bも参照すると、軸188の周囲を枢動するように構成されるシャッタアセンブリ186を含む、代替的実施形態の隔壁アクセスアセンブリ184が示されている。(
図7Aに示されるような)開放位置に位置付けられると、隔壁146は、例えば、使い捨て筐体アセンブリ114の表面内の通路192と整列している、(シャッタアセンブリ186の中の)通路190により、アクセス可能であり得る。しかしながら、隔壁アクセスアセンブリ166、172と同様に、充填シリンジ160(
図6B参照)で隔壁146を貫通すると、シャッタアセンブリ186が時計回り方向に変位されてもよく、(シャッタアセンブリ186の中の)通路190が、例えば、使い捨て筐体アセンブリ114の表面内の通路192と整列しなくなり、したがって、隔壁146へのアクセスを防止する。
【0051】
図8A−8Bも参照すると、代替的実施形態の隔壁アクセスアセンブリ194が示されている。隔壁アクセスアセンブリ166、172と同様に、隔壁アクセスアセンブリ194は、シャッタアセンブリ196と、矢印200の方向にシャッタアセンブリ196を付勢するように構成される、バネアセンブリ198とを含む。貯留部118を充填するために、充填アセンブリ202が使用され得る。充填アセンブリ202は、矢印206の方向にシャッタアセンブリ196を変位させるように構成され得る、シャッタ変位アセンブリ204を含んでもよく、それが順に、シャッタアセンブリ196の中の通路208を隔壁146および隔壁アクセスアセンブリ194の中の通路210と整列させ、したがって、充填シリンジアセンブリ212が隔壁146および充填貯留部118を貫通することを可能にする。
【0052】
注入ポンプアセンブリ100は、再利用可能な筐体アセンブリ102と使い捨て筐体アセンブリ114との間にシールを提供するように構成される、密閉アセンブリ150(
図3)を含み得る。例えば、再利用可能な筐体アセンブリ102および使い捨て筐体アセンブリ114が、例えば、回転ネジ式係合、ツイストロック係合、または圧縮係合によって係合されると、再利用可能な筐体アセンブリ102および使い捨て筐体アセンブリ114は、しっかりと嵌合し、したがって、シールを形成し得る。いくつかの実施形態では、シールがより確実であることが望ましくてもよい。したがって、密閉アセンブリ150は、Oリングアセンブリ(図示せず)を含み得る。代替として、密閉アセンブリ150は、外側被覆したシールアセンブリ(図示せず)を含み得る。Oリングアセンブリまたは外側被覆したシールアセンブリの使用は、係合されると、再利用可能な筐体アセンブリ102と使い捨て筐体アセンブリ114との間に圧縮性ゴムまたはプラスチック層を提供し、したがって、外部流体による貫通を防止することによって、シールをより確実にし得る。いくつかの場合において、Oリングアセンブリは、不慮の係脱を防止し得る。例えば、密閉アセンブリ150は、水密アセンブリであってもよく、したがって、水泳、入浴、または運動中にユーザが注入ポンプアセンブリ100を装着することを可能にし得る。
【0053】
図9も参照すると、注入ポンプアセンブリ100は、ユーザに注入可能な流体を送達するように構成される外部注入セット134を含み得る。外部注入セット134は、例えば、流体経路を介して空洞118と流体連通し得る。外部注入セット134は、注入ポンプアセンブリ100に隣接して配置され得る。代替として、外部注入セット134は、以下でより詳細に論議されるように、注入ポンプアセンブリ100から遠隔で適用するために構成され得る。外部注入セット134は、針または使い捨てカニューレ138を含み得るカニューレセンブリ136と、管類アセンブリ140とを含み得る。管類アセンブリ140は、例えば、流体経路を通して、貯留部118と、例えば、直接、またはカニューレインターフェース142を通して、カニューレセンブリ138と流体連通し得る。
【0054】
外部注入セット134は、注入ポンプアセンブリ100から遠隔での適用に関して上記で論議されたように、繋留注入セットであり得る。例えば、外部注入セット134は、ユーザによって所望される任意の長さ(例えば、3〜18インチ)であり得る管類アセンブリ140を介して注入ポンプアセンブリ100と流体連通し得る。注入ポンプアセンブリ100は、接着パッチ144の使用によってユーザの皮膚上で装着され得るが、管類アセンブリ140の長さは、代替として、ユーザがポケットの中で注入ポンプアセンブリ100を装着することを可能にし得る。これは、接着パッチ144の適用によって皮膚が容易に炎症を起こすユーザにとって有益であり得る。同様に、ポケットの中での注入ポンプアセンブリ100の装着および/または固定は、身体活動に従事するユーザにとって好ましくてもよい。
【0055】
接着パッチ144に加えて/接着パッチ144の代替として、注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100)の容易なユーザへの取付/ユーザからの除去を可能にするために、マジックテープ(登録商標)システム(例えば、Velcro(登録商標)USA Inc.(Manchester,NH)提供のマジックテープ(登録商標)システム等)が利用され得る。したがって、接着パッチ144は、ユーザの皮膚に取り付けられてもよく、外向きのフックまたはループ表面を含み得る。加えて、使い捨て筐体アセンブリ114の下面は、相補的なフックまたはループ表面を含み得る。採用される特定の種類のマジックテープ(登録商標)システムの分離抵抗に応じて、フックおよびループ接続の強度が、皮膚接続に対する接着剤の強度よりも強いことが可能であり得る。したがって、フックおよびループ接続の強度を調節するために、種々のフックおよびループ表面パターンが利用され得る。
【0056】
図10A−10Eも参照すると、そのようなフックおよびループの表面パターンの5つの例が示されている。例示目的で、使い捨て筐体アセンブリ114の下面全体が「ループ」材料で覆われていると仮定する。したがって、フックおよびループ接続の強度は、接着パッチ144の表面上に存在する「フック」材料のパターン(すなわち、量)を変動させることによって、調節され得る。そのようなパターンの例は、(
図10Aに示されるような)「フック」材料の1つだけの外円220、(
図10Bに示されるような)「フック」材料の複数の同心円222、224、(
図10Cに示されるような)「フック」材料の複数の放射状スポーク226、(
図10Dに示されるような)「フック」材料の単一外円230と組み合わせた複数の放射状スポーク228、および(
図10Eに示されるような)「フック」材料の複数の同心円234、236と組み合わせた複数の放射状スポーク232を含み得るが、それらに限定されない。
【0057】
加えて、
図11Aも参照すると、上記の注入ポンプアセンブリの1つの例示的実施形態では、注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300を介して構成され得る。この特定の実施形態では、注入ポンプアセンブリ100’は、注入ポンプアセンブリ100’と、例えば、遠隔制御アセンブリ300との間の通信(例えば、有線または無線)を可能にし、したがって、遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリ100’を遠隔制御することを可能にする、テレメトリ回路(図示せず)を含み得る。遠隔制御アセンブリ300(同様にテレメトリ回路(図示せず)を含んでもよく、注入ポンプアセンブリ100’と通信することが可能であり得る)は、表示アセンブリ302と、入力アセンブリ304とを含み得る。入力アセンブリ304は、スライダアセンブリ306と、スイッチアセンブリ308、310とを含み得る。他の実施形態では、入力アセンブリは、ジョグホイール、複数のスイッチアセンブリ、または同等物を含み得る。
【0058】
遠隔制御アセンブリ300は、基礎率、ボーラスアラーム、送達制限を事前にプログラムする能力を含み、ユーザが履歴を閲覧すること、およびユーザ選好を確立することを可能にし得る。遠隔制御アセンブリ300はまた、グルコース細片読取機を含み得る。
【0059】
使用中に、遠隔制御アセンブリ300は、遠隔制御アセンブリ300と注入ポンプアセンブリ100’との間に確立される無線通信チャネル312を介して、注入ポンプアセンブリ100’に命令を提供し得る。したがって、ユーザは、注入ポンプアセンブリ100’をプログラム/構成するために、遠隔制御アセンブリ300を使用し得る。遠隔制御アセンブリ300と注入ポンプアセンブリ100’との間の通信の一部または全ては、強化されたレベルのセキュリティを提供するように、暗号化され得る。
【0060】
遠隔制御アセンブリ300と注入ポンプアセンブリ100’との間の通信は、標準通信プロトコルを利用して達成され得る。さらに、注入ポンプアセンブリ100、100’内に含まれる種々の構成要素の間の通信が、同じプロトコルを使用して達成され得る。そのような通信プロトコルの一例は、DEKA Research & Development(Manchester,NH)によって開発されたPacket Communication Gateway Protocol(PCGP)である。上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100、100’は、1つ以上の電気構成要素を含み得る電気制御アセンブリ110を含み得る。例えば、電気制御アセンブリ110は、複数のデータプロセッサ(例えば、スーパーバイザプロセッサおよびコマンドプロセッサ)と、注入ポンプアセンブリ100、100’が遠隔制御アセンブリ300と通信することを可能にするための無線プロセッサとを含み得る。さらに、遠隔制御アセンブリ300は、1つ以上の電気構成要素を含んでもよく、その例は、コマンドプロセッサ、および遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリ100、100’と通信することを可能にするための無線プロセッサを含み得るが、それらに限定されない。そのようなシステムの一例の高レベル線図を
図11Bに示す。
【0061】
これらの電気構成要素のそれぞれは、異なる構成要素の提供業者から製造されてもよく、したがって、固有の(すなわち、一意の)通信コマンドを利用し得る。したがって、標準通信プロトコルの使用を通して、そのような異種構成要素間の効率的な通信が達成され得る。
【0062】
PCGPは、パケットを構築し、送るために、注入ポンプアセンブリ100、100’および遠隔制御アセンブリ300内のプロセッサ上で使用され得るフレキシビリティのある拡張可能なソフトウェアモジュールであり得る。PCGPは、種々のインターフェースを抽象化してもよく、各プロセッサ上で実行されている種々のアプリケーションに統一アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を提供し得る。PCGPはまた、種々のドライバに適応インターフェースを提供し得る。例示的目的のみで、PCGPは、所与のプロセッサについて
図11Cに図示された概念構造を有し得る。
【0063】
PCGPは、周期的冗長検査(CRC)を利用することによって、データ完全性を確保し得る。PCGPはまた、保証された送達状態を提供し得る。例えば、全ての新規メッセージが返信を有するべきである。そのような返信が時間内に返送されなければ、メッセージがタイムアウトしてもよく、PCGPがアプリケーションに対する否定応答返信メッセージ(すなわち、NACK)を生成し得る。したがって、メッセージ返信プロトコルは、アプリケーションがメッセージの送信を再試行すべきかどうかをアプリケーションに知らせ得る。
【0064】
PCGPはまた、所与のノードからのインフライトメッセージの数を限定してもよく、メッセージ送達に決定論的手法を提供するように、ドライバレベルで流量制御機構と連結されてもよく、パケットを撤回することなく、個々のノードに異なる分量のバッファを持たせてもよい。ノードにバッファがなくなると、ドライバは、他のノードに背圧を提供し、新規メッセージの送信を防止し得る。
【0065】
PCGPは、データコピーを最小化するために、共有バッファプール戦略を使用してもよく、かつ相互排除を回避してもよく、それは、アプリケーションへのメッセージを送信/受信するために使用されるAPIにはわずかに影響を及ぼし、ドライバにはさらに大きな影響を及ぼし得る。PCGPは、ルーティングおよびバッファ所有権を提供する「ブリッジ」ベースクラスを使用し得る。主要なPCGPクラスは、ブリッジベースクラスから下位分類され得る。ドライバは、ブリッジクラスから導出されるか、または導出ブリッジクラスと通信する、あるいはそれを所有し得る。
【0066】
PCGPは、いくつかの呼び出しが再入可能であり、複数スレッド上で作動することができるように、共有データを保護するためにセマフォを使用することによって、オペレーティングシステムの有無を問わず、埋め込み環境で稼働するように設計され得る。そのような実装の1つの例示的実施例を
図11Dに示す。PCGPは、両方の環境で同じ方法で動作し得るが、特定のプロセッサ種類(例えば、ARM 9/OSバージョン)に対する呼び出しのバージョンがあり得る。よって、機能性は同じであり得るが、例えば、ARM
9 Nucleus OS環境に合った、わずかに異なる呼び出しを伴うオペレーティングシステム抽象化層があり得る。
【0067】
図11Eも参照すると、PCGPは、以下を行ってもよい。
・(複数の再入可能なタスク上のPilot’s ARM 9上で)複数の送信/返信呼び出しが生じることを可能にする。
・異なるインターフェース上のRXおよびTXについて非同期的に作動する複数のドライバを有する。
・送信/受信のためのパケット順序付け、およびメッセージ送信の決定論的タイムアウトを提供する。
【0068】
各ソフトウェアオブジェクトは、使用する次のバッファをバッファマネジャに求めてもよく、次いで、そのバッファを別のオブジェクトに与えてもよい。バッファは、1人の独占所有者から別の所有者に自動的に渡ってもよく、キューは、シーケンス番号別にバッファを順序付けることによって、自動的に発生し得る。バッファがもはや使用されていない時は、バッファはリサイクルされ得る(例えば、オブジェクトが、バッファを自身に与えようとするか、または後で再割り当てするようにバッファマネジャに対して解放する)。したがって、データは、概して、コピーされる必要がなく、ルーティングは、単純にバッファ所有者バイトを上書きする。
【0069】
PCGPのそのような実装は、種々の有益性を提供してもよく、その例は、以下を含み得るが、それらに限定されない。
・いったんメッセージがバッファに入ると、アプリケーションによって転送または受信されるまでメッセージがそこで存続し得るため、バッファの欠如によるメッセージの撤回が不可能であり得る。
・ドライバ、PCGP、およびバッファのペイロードセクションにアクセスするためにオフセットが使用されるため、データがコピーされなくてもよい。
・ドライバは、1バイト(すなわち、バッファ所有権バイト)を上書きすることによって、メッセージデータの所有権を交換し得る。
・単一のバッファ所有者がバッファを同時に使用すること、または新規シーケンス番号を獲得することを望み得る時だけに、相互排除が必要とされ得るため、再入可能呼び出しを除く複数の排除の必要性がなくてもよい。
・アプリケーションライターが信頼性のあるシステムを実装するように従うためのルールがより少なくてもよい。
・ドライバからバッファ管理システムの外へデータをプッシュ配信する/引き出すように提供された、一式の呼び出しがあるため、ドライバは、ISR/プッシュ配信/引出し/およびポーリングしたデータモデルを使用し得る。
・ドライバがコピー、CRC、または何かのチェックを行わなくてもよいが、宛先バイトおよびCRCならびに他のチェックが後でISRホットパスから行われてもよいため、ドライバは、TXおよびRXを超えてあまり稼働しなくてもよい。
・バッファマネジャがシーケンス番号別にアクセスを順序付けてもよいため、キューの順序付けが自動的に生じてもよい。
・小コード/可変フットプリントが利用されてもよく、ホットパスコードが小さくてもよく、オーバーヘッドが低くてもよい。
【0070】
図11Fに示されるように、メッセージを送信する必要があるときに、PCGPは、迅速にパケットを構築してもよく、それをバッファ管理システムに挿入し得る。いったんバッファ管理システムの中に入ると、「packetProcessor」への呼び出しは、プロトコル規則を適用してもよく、ドライバ/アプリケーションにメッセージを与えてもよい。
【0071】
新規メッセージを送信する、または返信を送信するために、PCGPは、以下を行ってもよい。
・例えば、パケット長が合法であること、宛先が正しいこと等を確認するように、呼び出し引数をチェックする。
・ダウンリンクが、リンク、ペア等を確立するためにPCGPが無線プロセッサによって使用されることを可能にし得る、およびPCGPが(タイムアウトする代わりに)機能していないリンク上で通信しようとしているときにアプリケーションに通知し得る、無線リンクでない限り、ダウンしているリンク上でメッセージを送信しようとすることを回避する。
・新規メッセージのシーケンス番号を取得する、または既存のメッセージの既存のシーケンス番号を利用する。
・パケットを構築し、ペイロードデータをコピーしてCRCに書き込み、(この時点以来)パケットの完全性がCRCによって保護され得る。
・返信または新規メッセージとして、メッセージをバッファマネジャに与え、このバッファをバッファマネジャに入れることが、待機状態の送信メッセージの最大数を超えるかどうかを確かめる。
【0072】
図11G−11Hも参照すると、相互排除を回避するように、および送信/返信またはドライバ呼び出しに多大な作業を行うことを回避するように、1つのスレッドに主要な作業の全てを行うことによって、PCGPが稼働し得る。「packetProcessor」呼び出しは、返信、新規送信メッセージ、および受信メッセージにプロトコル規則を適用する必要があり得る。返信メッセージは、単純に送られ得るが、新規メッセージおよび受信メッセージには、メッセージを送るための規則があり得る。それぞれの場合において、ソフトウェアは、パケットを処理することができなくなるまで、正しい種類のメッセージがプロトコル規則を適用することが可能である間に、ループし得る。
【0073】
新規メッセージの送信は、以下の規則に従ってもよい。
・2つだけのメッセージが、ネットワーク上の許可された「インフライト」であり得る。・応答に一致し、タイムアウトに対処するように、インフライトメッセージに関する十分なデータが記憶され得る。
【0074】
メッセージの受信は、以下の規則に従ってもよい。
・一致する応答が「インフライト」情報スロットを取り除いてもよいため、新規パケットを送信することができる。
・一致しない応答が撤回され得る。
・新規メッセージは、プロトコルに対するものであり得る(例えば、このノードに対するネットワーク統計を取得/消去する)。
・メッセージを受信するために、バッファがアプリケーションに与えられてもよく、呼び戻しを使用し得る。
・バッファが解放されるか、またはアプリケーションによって所有されたままであり得る。
【0075】
したがって、PCGPは、以下のように構成され得る。
・呼び戻し機能は、ペイロードデータアウトをコピーしてもよく、または戻る前にそれを完全に使用し得る。
・呼び戻し機能は、バッファを所有し、バッファおよびペイロードアドレスによるバッファのペイロードを参照してもよく、メッセージは、後で処理され得る。
・アプリケーションは、受信したメッセージについてPCGPシステムをポーリングし得る。
・アプリケーションは、事象を設定するために呼び戻しを使用し、次いで、受信メッセージについてポーリングし得る。
【0076】
通信システムは、限定数のバッファを有し得る。PCGPにバッファがなくなると、ドライバは、新規パケットを受信することを止めてよく、アプリケーションは、アプリケーションが新規パケットを送信できないことを告げられ得る。このことを回避し、最適な性能を維持するために、アプリケーションは、1つ以上の手順を行おうとしてもよく、その例は、以下を含み得るが、それらに限定されない。
a)アプリケーションは、PCGPを無線状態で最新の状態に保つべきである。具体的には、リンクがダウンし、PCGPが知らなければ、PCGPは、送信する新規メッセージを受け取り、待ち行列に入れてもよく(または、最適にメッセージをタイムアウトしなくてもよい)、それは、送信キューを妨害し、リンクを最適に使用することからアプリケーションを遅延させる場合がある。
b)アプリケーションは、「タイムアウトをデクリメントする」を定期的に呼び出すべきである。最適には、プロセッサが休止していない限り、20〜100ミリ秒毎である。一般に、メッセージは、速く移動する(数ミリ秒)、遅く移動する(数秒)、または全く移動しない。タイムアウトは、バッファおよび帯域幅を解放するように撤回されるべきである「インフライト」メッセージを除去しようとする試行である。これをあまり頻繁に行わないと、新規メッセージが送信される時、またはアプリケーションが新規メッセージを待ち行列に入れる時を遅延させる場合がある。
c)アプリケーションは、休止する前に保留中の行うべき作業があるかどうかをPCGPに問うべきである。PCGPにすることがなければ、ドライバアクティビティがシステム、したがってPCGPを起動してもよく、次いで、新規パケットがシステムに進入するまで、PCGPは、「packetProcessor」または「タイムアウトをデクリメントする」への呼び出しを必要としない。これを行うことに失敗すると、タイムアウト状態により、送信/転送/受信が成功するはずだったメッセージが撤回される場合がある。d)アプリケーションは、受信メッセージを無期限に持ち続けるべきではない。メッセージシステムは迅速な返信に依存する。アプリケーションがPCGPバッファを共有していれば、メッセージを持ち続けることは、PCGPバッファを持ち続けることを意味する。受信ノードは、送信ノードに、低速または高速無線通信のために構成されたタイムアウトがあるかどうかを知らない。このことは、ノードがメッセージを受信すると、ネットワークの高速タイムアウト速度を測定するべきであることを意味する。
e)アプリケーションは、「packetProcessor」をしばしば呼び出すべきである。呼び出しは、アプリケーションによって待ち行列に入れられた新規メッセージを送信させてもよく、新規メッセージの受信に対処し得る。呼び出しはまた、バッファを再割り当てさせてもよく、あまり頻繁に呼び出さないと、メッセージトラフィックを遅延させる場合がある。
【0077】
図11Iに示されるように、ある時点で、RXドライバは、インターフェースの反対側からメッセージを受信するように求められ得る。メッセージが撤回されないことを確実にするために、RXドライバは、新規メッセージを記憶するために利用可能なバッファがあるかどうかをバッファマネジャに尋ねてもよい。次いで、ドライバは、バッファポインタを求めてもよく、受信データでバッファを充填し初めてもよい。完全なメッセージが受信されると、RXドライバは、パケットを送る機能を呼び出し得る。ルート機能は、パケットヘッダにおける宛先バイトを検査してもよく、かつ他のドライバまたはアプリケーションに所有者を変更してもよく、または、パケットが不良であることを検出してもよく、かつバッファを解放することによってパケットを撤回し得る。
【0078】
PCGP RXオーバーヘッドは、次の利用可能なバッファを求めること、およびルート機能を呼び出すことから成ってもよい。そのような機能を果たすコードの例は、以下の通りである。
@ Receive request
uint8 i=0,
*p;
if (Bridge::canReceiveFlowControl())
{
p = Bridge::nextBufferRX();
while (not done) { p[i] = the next
byte;}
Bridge::route(p);
}
ドライバは、次の送信するバッファへのポインタをバッファマネジャに求めることによって、TXを行ってもよい。次いで、TXドライバは、パケットを受け取ることができるかどうかをインターフェースの反対側に尋ねてもよい。反対側がパケットを拒否すれば、TXドライバは、その状態が変化していないため、バッファに何もしなくてもよい。そうでなければ、ドライバは、パケットを送信してもよく、かつバッファをリサイクル/解放し得る。そのような機能を果たすコードの例は、以下の通りである。
uint8
*p = Bridge::nextBufferTX();
if (p != (uint8
*)0)
{
send the buffer p;
Bridge::recycle(p);
}
最大メッセージシステムタイムアウト時間を超えたパケットを転送することを回避するために、次のバッファを求めることにより、解放するバッファをスキャンし得る、BufferManager::first(uint8 owner)を呼び出し得る。したがって、タイムアウトを行う希望がない完全TXバッファが、バッファを所有するスレッド上で解放され得る。TXを行っている(すなわち、次のTXバッファを探しながら)ブリッジは、処理のために次のTXバッファを受信する前に期限切れになるTXバッファの全てを解放し得る。
【0079】
図11J−11Lに示されるように、バッファ割り当て過程中に、使用可能とマークされたバッファは、新規パケットを受信するようにドライバへ、またはTXに対する新規ペイロードを受信するようにPCGPに転送され得る。「使用可能」からの割り当ては、「packetProcessor」機能によって行われてもよい。「packetProcessor」呼び出しの間の送信および受信の数は、いくつのLT_Driver_RX、GT_Driver_RX、およびPCGP_Freeバッファを割り当てる必要があるかを決定し得る。LT_Driverは、ノードアドレスよりも少ないアドレスを取り扱うドライバを表し得る。GT_Driverは、ノードアドレスよりも多いアドレスを取り扱うドライバを表し得る。
【0080】
ドライバがパケットを受信すると、ドライバは、ルータに渡されるRXバッファにデータを入れてもよい。次いで、ルータは、バッファをPCGP_Receiveまたは他のドライバのTX(図示せず)に再割り当てし得る。バッファが明らかに無効なデータを含有する場合、バッファは使用可能状態に移行し得る。
【0081】
ルータがTXに対するバッファをマークした後、ドライバは、バッファがTXであることを発見してもよく、かつメッセージを送信し得る。メッセージを送信した後、ドライバにRXバッファが不足していれば、バッファは即座にRXバッファになってもよく、または、バッファが再割り当てのために解放され得る。
【0082】
「packetProcessor」呼び出し中、PCGPは、ルータがPCGP_Receiveとしてマークした全てのバッファを処理し得る。この時点で、データが作用を受けてもよいため、CRCおよび他のデータアイテムがチェックされ得る。データが破損されていれば、統計値が増分されてもよく、バッファが解放され得る。そうでなければ、バッファは、アプリケーションによって所有されているとマークされ得る。アプリケーションによって所有されているとマークされたバッファは、RCGPの使用のためにリサイクルされるか、またはバッファマネジャによる再割り当てのために解放され得る。
【0083】
アプリケーションが新規メッセージを送信したいときは、再入可能な分かりやすい/相互排除方式で行われてもよい。バッファが割り当てられ得る場合、PCGPは、バッファを使用中とマークし得る。いったん使用中とマークされると、送信または返信機能の呼び出しの起動によって所有されているため、この機能を呼び出す他のスレッドのいずれも、このバッファを捕らえてはいけない。エラーチェックし、メッセージを作成する過程の残りは、孤立競合状態相互排除保護コードの外側で行われてもよい。バッファは、使用可能状態に遷移してもよく、または、有効な充填したCRCチェックされたバッファになり、ルータに渡され得る。これらのバッファは、即座に送られなくてもよく、後でメッセージを送ることができるように待ち行列に入れられ得る(プロトコル規則が許容すると仮定する)。返信メッセージが通常の送信メッセージよりも高い優先度で送られてもよく、返信メッセージには、いくつ/いつ送ることができるかを限定する規則がなくてもよいため、返信メッセージは、新規送信メッセージとは異なってマークされ得る。
【0084】
PCGPは、流量制御と連動するように設計され、インターフェースの反対側にバッファが欠けている(これが送信ノードに対する背圧を引き起こす場合がある)ため、バッファが決して撤回されないように、流量制御は、1つのノードから別のノードへのメッセージの転送について交渉し得る。
【0085】
流量制御は、共有バッファ形式の一部であり得る。最初の2つのバイトは、ドライバが決してパケットバイトをシフトする必要がないように、ドライバのために留保され得る。2つのバイトは、1つのバイトがDMA長−1であり、第2のバイトがメッセージの流れを制御するものであるように、使用され得る。これらの同じ2つのバイトは、PCGPメッセージがRS232上で伝送される場合に、バイトを同期化し得る。
【0086】
パケットが「インフライト」であるときに、パケットは、その宛先の途中でドライバによって送信される、宛先によって処理される、または応答として返送される過程にあり得る。
【0088】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
したがって、メッセージは、往復を迅速に完了する(例えば、<50ms)、ゆっくりと完了する(例えば、1秒以上)、または全く完了しない傾向がある。
【0089】
PCGPは、全てのタイムアウトに2つの異なる時間(初期化において設定される)を使用してもよく、1つは、RFリンクが高速ハートビートモードであるときに対するもので、もう1つは、RFリンクが低速モードであるときに対するものである。メッセージがインフライトであり、リンク状態が高速から低速に変化する場合、タイムアウトが調整されてもよく、高速と低速との間の差が、パケットに対する有効期限カウンタに追加され得る。前後への付加的な遷移のいずれも、メッセージに対する有効期限に影響を及ぼしてはいけない。
【0090】
PCGP内のバッファ割り当てを監視するために使用される、低速タイムアウトの2倍の長さであり得る、第2のタイムアウトがある。したがって、例えば、流量制御またはハードウェア破損により、メッセージがドライバ内に「取り残され」、送信されていない場合、バッファは、バッファマネジャによって解放されてもよく、バッファを撤回させる。「新規」メッセージについては、これは、パケットがすでにタイムアウトし、メッセージが送達されなかったという返信がすでにアプリケーションに与えられたことを意味し得る。ドライバが、送信される必要のあるバッファに対するバッファマネジャをポーリングするため、次に障害物を取り除くときに、送信することができるメッセージがドライバに渡されるように、バッファが解放される。返信メッセージについては、返信が単純に撤回されてもよく、送信ノードがタイムアウトし得る。
【0091】
PCGPメッセージングシステムは、ヘッダ情報およびペイロードを含有するメッセージを渡し得る。PCGPの外側では、ヘッダは、呼び出し署名の中の一式のデータアイテムであり得る。しかしながら、PCGP内部には、一貫したドライバが使用しやすいバイトレイアウトがあり得る。ドライバは、以下のように、PCGPパケットの中に、またはPCGPパケットの前にバイトを挿入し得る。
・DE、CA:RS232とともに使用するための同期バイトで、0xDE、0xCAまたは0x5A、0xA5の公称値。
・LD:ドライバDMA長バイトで、サイズバイトまたは同期バイトを含まない合計サイズである、このDMA転送においてドライバがプッシュ配信している量に等しい。
・Cmd:流量制御のために使用される、ドライバコマンドおよび制御バイト。
・LP:PCGPパケット長で、常に、バイト+CRCサイズにおいて合計ヘッダ+ペイロードサイズである。LD=LP+1である。
・Dst:宛先アドレス。
・Src:ソースアドレス。
・Cmd:コマンドバイト。
・Scd:サブコマンドバイト。
・AT:アプリケーションタグは、アプリケーションによって規定され、PCGPにとって重要性を持たない。これは、アプリケーションが、メッセージに、例えば、メッセージの起源となったスレッドといった、さらなる情報を添付することを可能にする。
・SeqNum:32ビットのシーケンス番号が、送信された新規メッセージに対してPCGPによって増分され、番号が切り上げられず、トークンの役割を果たし、エンディアンネスが無関係であることを保証する。
・CRC16:PCGPヘッダおよびペイロードの16ビットCRC。
【0092】
ペイロードがなく、cmd=1、subcmd=2であるメッセージの例は、以下の通りである。
0xDE, 0xCA, 0xC, 0x5, 0x14, 1, 2, 0, 0, 0, 0, 0x1, crchigh, crclow.
0x0D, cmd, 0xC, 0x5, 0x14, 1, 2, 0, 0, 0, 0, 0x1, crchigh, crclow.
この方法論にはいくつかの利点があってもよく、その例は、以下を含み得るが、それらに限定されない。
・我々のハードウェアDMAエンジンの大部分は、いくつの付加的なバイトを動かすのかを規定するために、第1のバイトを使用してもよく、よって、この方法論では、ドライバおよびPCGPは、バッファを共有し得る。
・ドライバ間で流量制御情報を渡すように、DMA長の直後にバイトが提供され得る。
・ドライバ長および「Cmd」バイトがCRC領域の外側にあり得るため、それらは、ドライバによって改変されてもよく、ドライバ輸送機構によって所有されてもよく、ドライバは、無効な長さについて警戒し得る。
・CRC保護される、別個のPGCPパケット長バイトがあり得る。したがって、アプリケーションは、そのペイロード長が正しいことを信頼し得る。
・シーケンス番号のエンディアンネスは、偶然32ビットの整数でもある、一致させられ得るバイトパターンであり得るため、関連性がなくてもよい。
・シーケンス番号は、共有バッファプール長の縁に整列した、4つのバイトであり得る。・メッセージストリームをデバッグしながら、ユーザがケーブルをあちこちに動かしてもよく、インターフェースの両側が再同期化し得るように、オプションのRS232同期バイトがあり得る。
・アプリケーション、ドライバ、およびPCGPは、バッファを共有してもよく、それらをポインタによって解放し得る。
【0093】
PCGPは、事象駆動型ソフトウェア設計でなくてもよいが、サブクラスが書き込まれる方法によって、事象駆動型アーキテクチャで使用され得る。データは、(
図11M−11Nに示されるように)概念的にクラス間で交換され得る。
【0094】
ドライバにおけるいくつかの事象モデルは、ドライバを起動してもよく、メッセージを受信してもよく、(ドライバまたはPCGPへのブリッジを通して)新規メッセージの新規所有者にメッセージを送るバッファマネジャの中へ、ブリッジを通してメッセージを渡し得る。
【0095】
以下は、いくつかの例示的事象を要約する。
【0096】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
以下の例示的実施例は、全ての送信されたメッセージ、返信、またはNACKを生成したdecTimeoutの後に、PCGPタスクを起動するように、どのようにPCGP事象モデルがNucleusと連動し得るかを示す。
class PcgpOS : public Pcgp
{
virtual void schedulePacketProcessor(void)
{
OS_EventGrp_Set(g_RCVEvGrps[EVG_RF_TASK].pEvgHandle,
RfRadioTxEvent, OS_EV_OR_NO_CLEAR);
}
}
以下は、ドライバ事象がどのように稼働するかを例示する、事象ベースの疑似コードドライバである。DriverがBridgeを下位分類し、hasMessagesToSendおよびflowControlTurnedOffを無効にして、TXおよびRX機能がすでに作動していなければ、それらを作動するように予定する。
class SPI_Driver : public Bridge
{
virtual void hasMessagesToSend()
{
Trigger_ISR(TX_ISR, this);
}
virtual void flowControlTurnedOff()
{
Trigger_ISR(RX_ISR, this);
}
static void TX_RetryTimer()
{
Trigger_ISR(TX_ISR, this);
}
static void TX_ISR(Bridge
*b)
{
DisableISRs();
do
{
uint8 *p = b->nextBufferTX();
if (p == null) break;
if (b->_bufferManager->bufferTimedOut(p)==false)
{
if (OtherSideSPI_FlowControl() == false)
{
Trigger TX_RetryTimer in 20 msec.
break;
}
send(p);
}
free(p);
} while (true) ;
EnableISRs();
}
static void RX_ISR(Bridge *b)
{
DisableISRs();
do
{
uint8* p = b->nextBufferRX();
if (p == null) break;
uint i;
while (not done receiving)
p[i++] = getChar();
b->route(p);
} while (true);
EnableISRs();
}
}
以下の統計値は、PCGPによって支持され得る。
・送信されたパケットの数
・受信されたパケットの数
・CRCエラー
・タイムアウト
・利用不可能なバッファ(バッファがなくなった)
PCGPは、複数の処理環境中で作動するように設計され得る。ほとんどのパラメータは、試験、および性能のランタイム微調整を促進するため、ランタイム構成され得る。他のパラメータは、コンパイル時間であってもよく、例えば、コンパイル時間において静的に行われなければならないメモリ割り当てを改変する、あらゆるものであり得る。
【0097】
以下は、PCGPが実装される場所を変動させてもよい、コンパイル時間構成の数の規定であり得る。
・ドライババイト数:ドライバに対する共通バッファスキームに留保される、2つのバイトであり得るが、これは、RFプロトコル等の他のドライバに適応するコンパイル時間オプションであり得る。
・RXライババッファ数:そのプロセッサ/トラッフィクフロー等にとって、いくつのバッファが良いかに対して同調され得る。
・PCGP RXバッファ数:そのプロセッサ/トラッフィクフロー等にとって、いくつのバッファが良いかに対して同調され得る。
・バッファの総数:いくつのバッファがそのプロセッサにあるべきかに対して同調され得る。
【0098】
CRCは、データ完全性を確保するために使用され得る。CRCが無効であれば、それはアプリケーションに送達されなくてもよく、CRCエラーが追跡され得る。メッセージは、最終的にタイムアウトしてもよく、発信元によって再試行され得る。
【0099】
同様に、メッセージが送達されなかったときに送達されたとメッセージングシステムがアプリケーションに知らせた場合、これは、システムにとって危険となる場合がある。ボーラス停止コマンドが、そのようなコマンドの例である。これは、治療法を変更するためにアプリケーションによって必要とされ得る、メッセージの要求/アクションシーケンスによって軽減され得る。コントローラは、ポンプアプリケーションから照合コマンドを受信して、送達されたメッセージを検討し得る。
【0100】
DEKAは、(
図11Oに示されるように)ARM 9上のNucleus OSシステムにPCGPをインターフェース接続する参照方法を提供し得る。
【0101】
図11Pに示されるように、pcgpOS.cppファイルは、PCGPノードインスタンス(Pcgp、Bridge等)のインスタンスを作成してもよく、C++コードに「C」言語インターフェースを提供する、「C」リンク可能な一式の関数呼び出しを、pcgpOS.hを通して提供し得る。これは、作用を受けるオブジェクトとしての「C」コードが暗示的であることを単純化し得る。
【0102】
以下の一般規則が適用され得る。
・PCGPは、全てのノード上で作動し得る。任意のドライバが、一般的ドライバインターフェースをサポートし得る。
・競合状態が許容されてはいけない。
・スレーブプロセッサとマスタプロセッサとの間のSPIポート上で半二重をサポートし得る。
・成功するか、または失敗/偽を戻すため、データ転送が試行されなくてもよい。
・低オーバーヘッド(浪費された時間、処理、帯域幅)を必要とし得る。
・DMA(高速)SPIクロック速度で動作するCC2510をサポートし得る。
【0103】
受信側に、パケットを配置するための空のバッファが現在なければ、SPI流量制御は、データが送信されることを防止し得る。これは、送信する許可を求め、そうする許可が与えられたことを示す応答を待つことによって、達成され得る。また、現在空いたバッファなく、後で転送を試行するべきであると相手に伝える方法があり得る。
【0104】
全ての伝送は、長さバイト自体を含まない、送信されるバイトの数を示す長さバイトで開始し得る。長さに続くのは、送信されているコマンドを示す単一バイトであり得る。
【0105】
パケットの実際の伝送は、コマンドバイトについては、パケットの長さプラス1であってもよく、それに続いて、添付されたメッセージに対するコマンドバイト、最終的にパケット自体がある。
【0106】
送信されるコマンドバイトに加えて、流量制御ラインと呼ばれる付加的なハードウェアラインが、従来の4つのSPI信号に追加され得る。このラインの目的は、事前設定された遅延なしで、可能な限り迅速にプロトコルが作動することを可能にすることである。それはまた、送信されるのを待っているパケットがあることを、スレーブプロセッサがマスタプロセッサに伝えることを可能にし、したがって、マスタプロセッサが状態についてスレーブプロセッサにポーリングする必要性を排除する。
【0107】
以下の例示的コマンド値が使用され得る。
【0108】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
図11Qに図示されるように、スレーブプロセッサが、マスタプロセッサに送信するパケットを有する時、スレーブプロセッサは、送信されるのを待っている保留中のパケットがあることを、(流量制御ラインをアサートすることによって)マスタプロセッサに通知し得る。そうすることにより、マスタプロセッサ上のIRQをもたらしてもよく、その時点で、マスタプロセッサが、スレーブプロセッサからメッセージを回収する時を決定し得る。パケットの回収は、マスタプロセッサの判断で遅延させられてもよく、マスタプロセッサは、スレーブプロセッサから回収する前に、スレーブプロセッサへのパケットの送信を試行することを決定し得る。
【0110】
マスタプロセッサは、スレーブプロセッサM_CTSコマンドを送信することによって、回収を開始し得る。これは、パケット自体とともにS_MSG_APPENDEDコマンドを送信することによって、スレーブプロセッサが応答するまで、反復されるものである。流量制御ラインは、パケットが送信された後に解除され得る。予期しないときに、M_CTSコマンドがスレーブプロセッサによって受信された場合、M_CTSコマンドは無視され得る。
【0111】
図11Rに図示されるように、マスタプロセッサが、スレーブプロセッサに送信するパケットを有する時、マスタプロセッサは、M_RTSコマンドを送信することによって転送を開始し得る。M_RTSコマンドを受信すると、スレーブプロセッサに現在、保留中の送信パケットがあれば、スレーブプロセッサは、送信許可信号として再利用され得るように、流量制御ラインを下げる。次いで、スレーブプロセッサは、パケットを受信するようにSPI DMAを準備する過程であることをマスタプロセッサに伝えてもよく、その間に、マスタプロセッサは、バス上でバイトの時間を測定することを止めてもよく、スレーブプロセッサが受信の準備を終了することを可能にし得る。
【0112】
次いで、スレーブプロセッサは、(CTS信号として使用されている)流量制御ラインを上昇させることによって、全パケットを受信する準備ができていることを示し得る。CTS信号を受信すると、マスタプロセッサは、続けて、パケット自体とともにM_MSG_APPENDEDコマンドを送信し得る。
【0113】
転送の完了後、スレーブプロセッサは、流量制御ラインを下げてもよい。パケットが転送の開始時に保留中であった、または、パケットが受信されているときに送信がスレーブプロセッサ上で発生した場合、スレーブプロセッサは、保留中のパケットがあることを示している流量制御ラインを再アサートし得る。
【0114】
再度、
図11Aを参照すると、注入ポンプアセンブリ100、100’は、ユーザ(図示せず)が、少なくとも1つのタスク、およびいくつかの実施形態では複数のタスクを行うことを可能にし得る、電気制御アセンブリ110(
図3)に連結されるスイッチアセンブリ318を含み得る。そのようなタスクの1つの例示的実施例は、表示アセンブリを使用しない、注入可能な流体(例えば、インスリン)のボーラス用量の投与である。遠隔制御アセンブリ300は、ユーザが、インスリンのボーラス用量を投与するように、注入ポンプアセンブリ100、100’を有効化/無効化/構成することを可能にし得る。
【0115】
図12Aも参照すると、スライダアセンブリ306は、少なくとも部分的には、ユーザが表示アセンブリ302上にレンダリングされたメニューベースの情報を操作することを可能にするように構成され得る。スライダアセンブリ306の例は、Cypress Semアイコンductor(San Jose, California)提供のCY8C21434−24LFXI PSOCを使用して実装され得る、容量性スライダアセンブリを含んでもよく、その動作の設計は、Cypress Semiconductor出版の「CSD User Module」内で説明されている。例えば、スライダアセンブリ306を介して、ユーザは、矢印314の方向に指を摺動して、上向きにスクロールする表示アセンブリ302上にレンダリングされるメインメニュー350(
図12Aに示される)内に含まれる、情報のハイライトした部分をもたらし得る。代替として、ユーザは、矢印316の方向に指を摺動して、下向きにスクロールする表示アセンブリ302上にレンダリングされるメインメニュー350内に含まれる、情報のハイライトした部分をもたらし得る。
【0116】
スライダアセンブリ306は、起点320に対するユーザの指の変位に応じて、例えば、メインメニュー350のハイライトした部分が「上向き」または「下向き」にスクロールする速度が変動するように、構成され得る。したがって、ユーザが速く「上向き」にスクロールすることを希望する場合、ユーザは、スライダアセンブリ306の最上部付近に指を位置付けてもよい。同様に、ユーザが速く「下向き」にスクロールすることを希望する場合、ユーザは、スライダアセンブリ306の底部付近に指を位置付けてもよい。加えて、ユーザがゆっくりと「上向き」にスクロールすることを希望する場合、ユーザは、起点320に対してわずかに「上向き」に指を位置付けてもよい。さらに、ユーザがゆっくりと「下向き」にスクロールすることを希望する場合、ユーザは、起点320に対してわずかに「下向き」に指を位置付けてもよい。いったん適切なメニューアイテムがハイライトされると、ユーザは、1つ以上のスイッチアセンブリ308、310を介して、ハイライトしたメニューアイテムを選択し得る。
【0117】
図12B−12Fも参照して、注入ポンプアセンブリ100、100’がインスリンポンプであり、スイッチアセンブリ318がユーザによって押下されると、インスリンの0.20単位ボーラス用量が投与されるように、ユーザが注入ポンプアセンブリ100、100’を構成することを希望することを、例示的目的で仮定する。したがって、ユーザは、表示アセンブリ302上にレンダリングされるメインメニュー350内で「ボーラス」をハイライトするために、スライダアセンブリ306を使用し得る。次いで、ユーザは、「ボーラス」を選択するために、スイッチアセンブリ308を使用し得る。いったん選択されると、遠隔制御アセンブリ300内の処理論理(図示せず)が、(
図12Bに示されるような)表示アセンブリ302上にサブメニュー352をレンダリングし得る。
【0118】
次いで、ユーザは、スイッチアセンブリ308を使用して選択され得るサブメニュー352内の「手動ボーラス」をハイライトするために、スライダアセンブリ306を使用し得る。次いで、遠隔制御アセンブリ300内の処理論理(図示せず)が、(
図12Cに示されるような)表示アセンブリ302上にサブメニュー354をレンダリングし得る。
【0119】
次いで、ユーザは、スイッチアセンブリ308を使用して選択され得る、サブメニュー354内の「ボーラス:0.0単位」を選択するために、スイッチアセンブリ306を使用し得る。次いで、遠隔制御アセンブリ300内の処理論理(図示せず)が、(
図12Dに示されるような)表示アセンブリ302上にサブメニュー356をレンダリングし得る。
【0120】
次いで、ユーザは、スイッチアセンブリ308を使用して選択され得る「0.20単位」に「ボーラス」インスリン量を調整するために、スライダアセンブリ306を使用し得る。次いで、遠隔制御アセンブリ300内の処理論理(図示せず)が、(
図12Eに示されるような)表示アセンブリ302上にサブメニュー358をレンダリングし得る。
【0121】
次いで、ユーザ14は、スイッチアセンブリ308を使用して選択され得る、「確認」をハイライトするために、スライダアセンブリ306を使用し得る。次いで、遠隔制御アセンブリ300内の処理論理(図示せず)が、遠隔制御アセンブリ300内に含まれる上記のテレメトリ回路(図示せず)に送信され得る、適切な信号を生成し得る。次いで、遠隔制御アセンブリ内に含まれるテレメトリ回路(図示せず)は、遠隔制御アセンブリ300と注入ポンプアセンブリ100’との間に確立される無線通信チャネル312を介して、スイッチアセンブリ318がユーザによって押下されるといつでも、インスリンの0.20単位ボーラス用量が投与されるように、注入ポンプアセンブリ100’を構成する適切な構成コマンドを伝送し得る。
【0122】
いったん適切なコマンドの伝送が成功すると、遠隔制御アセンブリ300内の処理論理(図示せず)は、もう一度、(
図12Fに示されるような)表示アセンブリ302上にサブメニュー350をレンダリングし得る。
【0123】
具体的には、いったん遠隔制御アセンブリ300を介してプログラムされると、ユーザは、注入ポンプアセンブリ100’のスイッチアセンブリ318を押下して、上記のインスリンの0.20単位ボーラス用量を投与し得る。遠隔制御アセンブリ300内に含まれる上記のメニューシステムを介して、ユーザは、ユーザがスイッチアセンブリ318を押下するたびに投与されるインスリンの分量を規定し得る。この具体例は、スイッチアセンブリ318の1回の押下が、0.20単位のインスリンに同等であることを指定するが、他の値(例えば、1回の押下につき1.00単位のインスリン)が等しく適用可能であるため、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。
【0124】
ユーザがインスリンの2.00単位ボーラス用量を投与することを希望することを、例示的目的で仮定する。上記のボーラス用量投与システムを起動するために、ユーザは、規定された期間(例えば、5秒)にわたってスイッチアセンブリ318を押したままにする必要があってもよく、その時点で、注入ポンプアセンブリ100、100’は、注入ポンプアセンブリ100、100’がスイッチアセンブリ318を介してインスリンのボーラス用量を投与する準備ができていることをユーザに示す、可聴信号を生成し得る。したがって、ユーザは、スイッチアセンブリ318を10回押下し得る(すなわち、2.00単位は10回の0.20単位用量である)。毎回スイッチアセンブリ318が押下された後に、注入ポンプアセンブリ100、100’は、内部スピーカ/音声発生デバイス(図示せず)を介して、ユーザに可聴応答を提供し得る。したがって、ユーザは、スイッチアセンブリ318を最初に押下してもよく、注入ポンプアセンブリ100、100’は、それに応じて、確認ビープ音を発生させ、したがって、注入ポンプアセンブリ100、100’が(この具体例では)0.20単位のインスリンに対するコマンドを受信したことをユーザに示し得る。所望のボーラス用量が2.00単位のインスリンであるため、ユーザは、2.00単位のボーラス用量を達成するために、この手順をさらに9回反復してもよく、注入ポンプアセンブリ100、100’は、スイッチアセンブリ318の各押下後に確認ビープ音を発生させる。
【0125】
この具体例では、注入ポンプアセンブリ100、100’は、毎回ユーザがスイッチアセンブリ318を押下した後に、1つのビープ音を提供するものとして説明されているが、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。具体的には、注入ポンプアセンブリ100、100’は、インスリンのそれぞれ規定された分量に対して単一のビープ音を提供するように構成され得る。上記で論議されたように、スイッチアセンブリ318の1回の押下は、0.20単位のインスリンに同等であり得る。したがって、注入ポンプアセンブリ100、100’は、各0.10単位のインスリンに対して、単一のビープ音を提供するように構成され得る。したがって、スイッチアセンブリ318の1回の押下が、0.20単位のインスリンに同等であるように、注入ポンプアセンブリ100、100’が構成される場合、スイッチアセンブリ318が押下されるたびに、注入ポンプアセンブリ100、100’は、ユーザに2つのビープ音を提供し得る(すなわち、各0.10単位のインスリンに対して1つずつ)。
【0126】
いったんユーザが、注入ポンプアセンブリ100’上のスイッチアセンブリ318を合計10回押下すると、ユーザは、(スイッチアセンブリ318の各押下において受信される確認ビープ音とは対照的に)インスリンの2.00単位ボーラス用量を投与する命令の受信を注入ポンプアセンブリ100、100’が承認するのを単純に待ってもよい。いったん規定された期間(例えば、2秒)が経過すると、注入ポンプアセンブリ100、100’は、ユーザが要求したボーラスインスリン用量を介して投与される単位分量に関して、ユーザに可聴確認を提供し得る。例えば、(この例では)スイッチアセンブリ318の1回の押下が、0.20単位のインスリンに同等であるように、注入ポンプアセンブリ100、100’がユーザによってプログラムされると、注入ポンプアセンブリ100、100’は、10回ビープ音を発し得る(すなわち、2.00単位は10回の0.20単位用量である)。
【0127】
ボーラスインスリン用量を介して投与される単位の分量に関して、ユーザにフィードバックを提供するときに、注入ポンプアセンブリ100、100’は、多周波可聴確認を提供し得る。例えば、10回のビープ音がユーザに提供される上記の実施例を続けると、注入ポンプアセンブリ100、100’は、(ユーザによるより容易な集計を促進するように)ビープ音を5回のグループにグループ化してもよく、5回の各グループ内のビープ音は、各後続ビープ音が(音階と同様に)先行ビープ音よりも高い周波数を有するように、注入ポンプアセンブリ100、100’によってレンダリングされ得る。したがって、上記の実施例を続けると、注入ポンプアセンブリ100、100’は、1,000Hzのビープ音をレンダリングしてもよく、その後に1,100Hzのビープ音が続き、その後に1,200Hzのビープ音が続き、その後に1,300Hzのビープ音が続き、その後に1,400Hzのビープ音が続き(したがって、5回のビープ音のグループが完成する)、その後に短い一時停止、次いで1,000Hzのビープ音が続き、その後に1,100Hzのビープ音が続き、その後に1,200Hzのビープ音が続き、その後に1,300Hzのビープ音が続き、その後に1,400Hzのビープ音が続く(したがって、5回のビープ音の第2のグループが完成する)。種々の付加的/代替的実施形態によれば、多周波可聴確認は、周波数が増分する種々の数の音色を利用し得る。例えば、実施形態は、周波数が増分する20個の異なる音色を利用し得る。しかしながら、音色の数が設計基準およびユーザの必要性に応じて変動し得るため、音色の数は、本開示の限定として解釈されるべきではない。
【0128】
いったん注入ポンプアセンブリ100、100’が多周波可聴確認(すなわち、上記で説明された10回のビープ音)のレンダリングを完了すると、ユーザは、規定された期間(例えば、2秒)内に、スイッチアセンブリ318を押下して、注入ポンプアセンブリ100、100’に確認信号を提供し、多周波可聴確認が正確で、投与されるインスリンのボーラス用量のサイズ(すなわち、2.00単位)を示すことを示し得る。この確認信号を受信すると、注入ポンプアセンブリ100、100’は、「確認の受信」という可聴音をレンダリングし、(この特定の実施例では)インスリンの2.00単位ボーラス用量の送達を達成し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’が上記の確認信号を受信できなかった場合は、注入ポンプアセンブリ100、100’は、「確認の失敗」という可聴音をレンダリングしてもよく、インスリンのボーラス用量の送達を達成しない。したがって、多周波可聴確認が正確ではない/投与されるインスリンのボーラス用量のサイズを示さない場合、ユーザは、単に上記の確認信号を提供せず、それにより、インスリンのボーラス用量の送達を中止し得る。
【0129】
上記で議論されるように、上記の注入ポンプアセンブリの1つの例示的実施形態では、注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300と通信するために使用され得る。そのような遠隔制御アセンブリ300が利用されると、注入ポンプアセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300は、定期的に相互と連絡を取って、2つのデバイスが依然として相互と通信していることを確実にし得る。例えば、注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300に「ping」を打って、遠隔制御アセンブリ300が存在し、動作中であることを確実にし得る。さらに、遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100’に「ping」を打って、注入ポンプアセンブリ100’が依然として存在し、動作中であることを確実にし得る。注入ポンプアセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300の一方が、他方のアセンブリとの通信を確立できなかった場合、通信を確立できないアセンブリは、「分離」アラームを鳴らし得る。例えば、注入ポンプアセンブリ100’がユーザのポケットの中にある間に、遠隔制御アセンブリ300がユーザの車の中に残されていると仮定する。したがって、規定された期間後、注入ポンプアセンブリ100’が、「分離」アラームを鳴らし始め、遠隔制御アセンブリ300との通信を確立できないことを示し得る。スイッチアセンブリ318を使用して、ユーザは、この「分離」アラームを承認/消音し得る。
【0130】
遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリ100’と通信していない間に、ユーザが注入ポンプアセンブリ100’のスイッチアセンブリ318を介してボーラスインスリン用量を規定し、投与し得るため、注入ポンプアセンブリ100’は、注入ポンプアセンブリ100’内に記憶されるログファイル(図示せず)内に、投与されたボーラスインスリン用量に関する情報を記憶し得る。このログファイル(図示せず)は、注入ポンプアセンブリ100’内に含まれる不揮発性メモリ(図示せず)内に記憶され得る。通信が注入ポンプアセンブリ100’と遠隔制御アセンブリ300との間で再確立されると、注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300に、注入ポンプアセンブリ100’のログファイル(図示せず)内に記憶される、投与されたボーラスインスリン用量に関する情報を提供し得る。
【0131】
さらに、ユーザが、注入ポンプアセンブリ100’から遠隔制御アセンブリ300を分離することを予期する場合、ユーザは、(上記のメニューシステムを介して)「分離」モードになるように、注入ポンプアセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300を構成し、したがって、上記の「分離」アラームの発生を排除し得る。しかしながら、デバイスは、相互との通信に復帰すると、注入ポンプセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300が自動的に「分離」モードを終了し得るように、相互に「ping」を打ち続けてもよい。
【0132】
さらに、ユーザが航空機で旅することを予期する場合、ユーザは、(遠隔制御アセンブリ300の上記のメニューシステムを介して)注入ポンプアセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300のそれぞれがありとあらゆるデータ伝送を一時停止する「航空機」モードになるように、注入ポンプアセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300を構成し得る。「航空機」モードの間、注入ポンプアセンブリ100’および遠隔制御アセンブリ300は、データを受信し続けても、しなくてもよい。
【0133】
スイッチアセンブリ318は、再利用可能な筐体アセンブリ102のバッテリ寿命をチェックするステップ、再利用可能な筐体アセンブリ102を遠隔制御アセンブリ300とペアリングするステップ、および注入可能な流体のボーラス用量の投与を中断するステップ等の、付加的な機能を果たすために使用され得る。
【0134】
バッテリ寿命をチェックするステップ:再利用可能な筐体アセンブリ102は、(完全に充電されたときに)約3日間にわたって注入ポンプアセンブリ100、100’に電力供給することが可能であり得る、再充電可能バッテリアセンブリを含み得る。そのような再充填可能バッテリアセンブリは、所定数の使用可能時間、例えば、年数の使用可能寿命、または他の所定の使用時間の長さを有し得る。しかしながら、所定の寿命は、気候、毎日の使用、および再充電の数のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない、多くの要因に依存し得る。再利用可能な筐体アセンブリ102が使い捨て筐体アセンブリ114から断絶されたときはいつでも、注入ポンプアセンブリ100、100’は、スイッチアセンブリ318が規定された期間にわたって(例えば、2秒を超えて)押下されたときはいつでも、上記の再充填可能バッテリアセンブリ上でバッテリチェックを行ってもよい。上記の再充填可能バッテリアセンブリが所望の閾値を上回って充電されると決定された場合、注入ポンプアセンブリ100、100’は、「バッテリ合格」音色をレンダリングし得る。代替として、上記の再充填可能バッテリアセンブリが所望の閾値を下回って充電されると決定された場合、注入ポンプアセンブリ100、100’は、「バッテリ不足」音色をレンダリングし得る。注入ポンプアセンブリ100、100’は、再利用可能な筐体アセンブリ102が使い捨て筐体アセンブリ114から断絶されているかどうかを決定する構成要素および/または回路を含み得る。
【0135】
ペアリングするステップ:上記で論議されたように、上記の注入ポンプアセンブリの1つの例示的実施形態では、注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300と通信するために使用され得る。注入ポンプアセンブリ100’と遠隔制御アセンブリ300との間の通信を達成するために、ペアリング過程が行われてもよい。そのようなペアリング過程中に、1つ以上の注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100’)は、遠隔制御アセンブリ300と通信するように構成されてもよく、(逆に)遠隔制御アセンブリ300は、1つ以上の注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100’)と通信するように構成され得る。具体的には、注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100’)のシリアル番号が、遠隔制御アセンブリ300内に含まれるペアリングファイル(図示せず)内に記録されてもよく、遠隔制御アセンブリ300のシリアル番号が、注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100’)内に含まれるペアリングファイル(図示せず)内に記録され得る。
【0136】
実施形態によれば、そのようなペアリング手順を達成するために、ユーザは、遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100’の両方の上の1つ以上のスイッチアセンブリを同時に押し得る。例えば、ユーザは、例えば、5秒を超える規定された期間にわたって、遠隔制御アセンブリ300内に含まれるスイッチアセンブリ310および注入ポンプアセンブリ100’内に含まれるスイッチアセンブリ318を同時に押し得る。いったんこの規定された期間に到達すると、遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100’の1つ以上は、上記のペアリング手順が達成されたことを示す、可聴信号を生成し得る。
【0137】
別の実施形態によれば、ペアリング過程を行う前に、ユーザは、使い捨て筐体アセンブリ114から再利用可能な筐体アセンブリ102を切り離し得る。この初期ステップを必要とすることによって、ユーザによって装着されている注入ポンプアセンブリが、遠隔制御アセンブリと内密にペアリングされてはいけないという、さらなる確証が提供される。
【0138】
いったん分断されると、ユーザは、遠隔制御アセンブリ300の入力アセンブリ304を介して、ペアリングモードを入力し得る。例えば、ユーザは、例えば、スイッチアセンブリ310と組み合わせた上記のメニューシステムを介して、遠隔制御アセンブリ300上でペアリングモードを入力し得る。ユーザは、注入ポンプアセンブリ100’上のスイッチアセンブリ318を押下して保つように、遠隔制御アセンブリ300の表示アセンブリ302上で指示され得る。加えて、遠隔制御アセンブリ304は、例えば、遠隔注入ポンプアセンブリとペアリングしようとすることを回避するように、低電力モードに切り替わってもよい。次いで、ユーザは、注入ポンプアセンブリ100’が受信モードを入力し、遠隔制御アセンブリ300からのペアリングコマンドを待つように、注入ポンプアセンブリ100’上のスイッチアセンブリ318を押下して保ってもよい。
【0139】
次いで、遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100’にペアリング要求を伝送してもよく、それは、注入ポンプアセンブリ100’によって承認され得る。注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300から受信されるペアリング要求にセキュリティチェックを行ってもよく、(セキュリティチェックが合格すれば)注入ポンプアセンブリ100’は、ポンプペアリング信号を起動し得る(すなわち、アクティブペアリングモードを入力する)。遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100’から受信される承認にセキュリティチェックを行ってもよい。
【0140】
注入ポンプアセンブリ100’から受信される承認は、注入ポンプアセンブリ100’のシリアル番号を規定してもよく、遠隔制御アセンブリ300は、遠隔制御アセンブリ300の表示アセンブリ302上に、そのシリアル番号を表示し得る。ユーザは、見つかったポンプとペアリングすることを希望するかどうかを尋ねられ得る。ユーザが辞退すれば、ペアリング過程は中断され得る。ユーザがペアリング過程に同意すれば、遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100’上のスイッチアセンブリ318を押下して保つように、(表示アセンブリ302を介して)ユーザに指示し得る。
【0141】
次いで、ユーザは、注入ポンプアセンブリ100’上のスイッチアセンブリ318を押下して保ち、かつ、例えば、遠隔制御アセンブリ300上のスイッチアセンブリ310を押下して保ってもよい。
【0142】
遠隔制御アセンブリ300は、遠隔スイッチアセンブリ310が押されたことを確認し得る(それは注入ポンプアセンブリ100’に報告され得る)。注入ポンプアセンブリ100’は、遠隔制御アセンブリ300から受信された確認にセキュリティチェックを行って、同確認の完全性を確認し得る。受信された確認の完全性が立証されなければ、ペアリング過程が中断される。受信された確認の完全性が立証されれば、新しくペアリングされた遠隔制御アセンブリ300を反映するように、任意の既存の遠隔ペア構成ファイルが上書きされ、ポンプペアリング完了信号が起動され、ペアリング過程が完了する。
【0143】
加えて、注入ポンプアセンブリ100’は、スイッチアセンブリ318が押されたことを確認し得る(それは遠隔制御アセンブリ300に報告され得る)。遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100’から受信された確認にセキュリティチェックを行って、同確認の完全性を確認し得る。受信された確認の完全性が立証されなければ、ペアリング過程が中断される。受信された確認の完全性が立証されれば、注入ポンプアセンブリ100’を追加するように、遠隔制御アセンブリ300内のペアリストファイルが修正され得る。一般的に、遠隔制御アセンブリ300が、複数の注入ポンプアセンブリとペアリングすることが可能であり得る一方で、注入ポンプアセンブリ100’は、単一の遠隔制御アセンブリとペアリングすることのみが可能であり得る。ペアリング完了信号が起動されてもよく、ペアリング過程を完了し得る。
【0144】
ペアリング過程が完了すると、遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100’のうちの1つ以上は、上記のペアリング手順の達成が成功したことを示す、可聴信号を生成し得る。
【0145】
ボーラス用量を中断するステップ:ユーザが、例えば、注入ポンプアセンブリ100’によって投与されているインスリンのボーラス用量を中止することを希望する場合、ユーザは、例えば、5秒を超える規定された期間にわたって、スイッチアセンブリ318(例えば、
図1および2に示される)を押下し得る。いったんこの規定された期間に到達すると、注入ポンプアセンブリ100’は、上記の中止手順が達成されたことを示す、可聴信号をレンダリングし得る。
【0146】
スイッチアセンブリ318は、注入ポンプアセンブリ100、100’の最上部に位置付けられるものとして示されているが、他の構成が可能であるため、これは例示的目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。例えば、スイッチアセンブリ318は、注入ポンプアセンブリ100、100’の周辺に位置付けられ得る。
【0147】
図13−15も参照すると、代替的実施形態の注入ポンプアセンブリ400が示されている。ポンプアセンブリ100、100’と同様に、注入ポンプアセンブリ400は、再利用可能な筐体アセンブリ402と、使い捨て筐体アセンブリ404とを含み得る。
【0148】
再利用可能な筐体アセンブリ102と同様に、再利用可能な筐体アセンブリ402は、(少なくとも1つのポンプアセンブリおよび少なくとも1つの弁アセンブリを含む)機械制御アセンブリを含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ402はまた、機械制御アセンブリに制御信号を提供し、ユーザへの注入可能な流体の送達を達成するように構成される、電気制御アセンブリを含み得る。弁アセンブリは、流体経路を通る注入可能な流体の流量を制御するように構成されてもよく、ポンプアセンブリは、流体経路からユーザに注入可能な流体を送出するように構成され得る。
【0149】
使い捨て筐体アセンブリ114と同様に、使い捨て筐体アセンブリ404は、単回使用のために、または、例えば、3日または任意の他の時間量といった、指定期間の使用のために構成され得る。使い捨て筐体アセンブリ404は、注入可能な流体と接触する、注入ポンプアセンブリ400の中の任意の構成要素が、使い捨て筐体アセンブリ404の上および/または内側に配置されるように、構成され得る。
【0150】
この注入ポンプアセンブリの特定の実施形態では、注入ポンプアセンブリ400は、注入ポンプアセンブリ400の周辺に位置付けられる、スイッチアセンブリ406を含み得る。例えば、スイッチアセンブリ406は、注入ポンプアセンブリ400の放射状縁に沿って位置付けられてもよく、それは、ユーザによる、より容易な使用を可能にし得る。スイッチアセンブリ406は、注入ポンプアセンブリ400への水の浸潤を防止するように構成される、防水膜で覆われてもよい。再利用可能な筐体アセンブリ402は、主要本体408(上記の機械および電気制御アセンブリを収納する)と、(矢印412の方向に)主要本体408の周囲で回転するように構成され得る、係止リングアセンブリ410とを含み得る。
【0151】
再利用可能な筐体アセンブリ102および使い捨て筐体アセンブリ114と同様に、再利用可能な筐体アセンブリ402は、使い捨て筐体アセンブリ404に解放可能に係合するように構成され得る。そのような解放可能な係合は、例えば、ネジ式、ツイストロック、または圧縮嵌合構成によって、達成され得る。ツイストロック構成が利用される実施形態では、注入ポンプアセンブリ400のユーザは、最初に、使い捨て筐体アセンブリ404に対して再利用可能な筐体アセンブリ402を適正に位置付けてもよく、次いで、(矢印412の方向に)係止リングアセンブリ410を回転させて、再利用可能な筐体アセンブリ402を使い捨て筐体アセンブリ404と解放可能に係合させてもよい。
【0152】
係止リングアセンブリ410の使用を通して、再利用可能な筐体アセンブリ402は、使い捨て筐体アセンブリ404に対して適正に位置付けられ、次いで、係止リングアセンブリ410を回転させることによって、解放可能に係合されてもよく、したがって、使い捨て筐体アセンブリ404に対して再利用可能な筐体アセンブリ402を回転させる必要性を排除する。したがって、再利用可能な筐体アセンブリ402は、係合前に使い捨て筐体アセンブリ404と適正に整列させられてもよく、そのような整列は、係合過程中に乱されてはいけない。係止リングアセンブリ410は、再利用可能な筐体アセンブリ402および使い捨て筐体アセンブリ404が相互に対して適正に位置付けられるまで、係止リングアセンブリ410の回転を防止し得る、ラッチング機構(図示せず)を含み得る。
【0153】
図16−18も参照すると、代替的実施形態の注入ポンプアセンブリ500が示されている。ポンプアセンブリ100、100’と同様に、注入ポンプアセンブリ500は、再利用可能な筐体アセンブリ502と、使い捨て筐体アセンブリ504とを含み得る。
【0154】
再利用可能な筐体アセンブリ402と同様に、再利用可能な筐体アセンブリ502は、(少なくとも1つのポンプアセンブリおよび少なくとも1つの弁アセンブリを含む)機械制御アセンブリを含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ502はまた、機械制御アセンブリに制御信号を提供し、ユーザへの注入可能な流体の送達を達成するように構成される、電気制御アセンブリを含み得る。弁アセンブリは、流体経路を通る注入可能な流体の流量を制御するように構成されてもよく、ポンプアセンブリは、流体経路からユーザに注入可能な流体を送出するように構成され得る。
【0155】
使い捨て筐体アセンブリ404と同様に、使い捨て筐体アセンブリ504は、単回使用のために、または、例えば、3日または任意の他の時間量といった、指定期間の使用のために構成され得る。使い捨て筐体アセンブリ504は、注入可能な流体と接触する、注入ポンプアセンブリ500の中の任意の構成要素が、使い捨て筐体アセンブリ504の上および/または内側に配置されるように、構成され得る。
【0156】
この注入ポンプアセンブリの特定の実施形態では、注入ポンプアセンブリ500は、注入ポンプアセンブリ500の周辺に位置付けられる、スイッチアセンブリ506を含み得る。例えば、スイッチアセンブリ506は、注入ポンプアセンブリ500の放射状縁に沿って位置付けられてもよく、それは、ユーザによる、より容易な使用を可能にし得る。スイッチアセンブリ506は、防水膜および/またはOリングで覆われてもよく、または、他に密閉機構が、注入ポンプアセンブリ500への水の浸潤を防止するように構成される、スイッチアセンブリ506の柄部507の上に含まれ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、スイッチアセンブリ506は、外側被覆したゴムのボタンを含み、したがって、防水膜またはOリングを使用せずに防水シールとしての機能性を提供し得る。しかしながら、さらに他の実施形態では、外側被覆したゴムのボタンは、加えて、防水膜で覆われる、および/またはOリングを含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ502は、主要本体508(上記の機械および電気制御アセンブリを収納する)と、(矢印512の方向に)主要本体508の周囲で回転するように構成され得る、係止リングアセンブリ510とを含み得る。
【0157】
再利用可能な筐体アセンブリ402および使い捨て筐体アセンブリ404と同様に、再利用可能な筐体アセンブリ502は、使い捨て筐体アセンブリ504に解放可能に係合するように構成され得る。そのような解放可能な係合は、例えば、ネジ式、ツイストロック、または圧縮嵌合構成によって、達成され得る。ツイストロック構成が利用される実施形態では、注入ポンプアセンブリ500のユーザは、最初に、使い捨て筐体アセンブリ504に対して再利用可能な筐体アセンブリ502を適正に位置付けてもよく、次いで、(矢印512の方向に)係止リングアセンブリ510を回転させて、再利用可能な筐体アセンブリ502を使い捨て筐体アセンブリ404と解放可能に係合させてもよい。
【0158】
注入ポンプアセンブリ500内に含まれる係止リングアセンブリ510が係止リングアセンブリ410よりも高くてもよいため(すなわち、矢印514によって示されるように)、係止リングアセンブリ510は、ボタン506が通過し得る、通路516を含み得る。したがって、再利用可能な筐体アセンブリ502を組み立てるときに、係止リングアセンブリ510は、(矢印518の方向に)主要本体508の上に設置され得る。いったん係止リングアセンブリ510が主要本体508の上に設置されると、1つ以上の係止タブ(図示せず)は、係止リングアセンブリ510が主要本体508から除去されることを防止し得る。次いで、通路516を通って突出するスイッチアセンブリ506の部分が、(矢印520の方向に)主要本体508に押込まれ、したがって、スイッチアセンブリ506の設置を完了し得る。
【0159】
ボタン506が、注入ポンプアセンブリ500上の種々の場所で示されているが、ボタン506は、他の実施形態では、注入ポンプアセンブリ500上の望ましいどの場所に位置し得る。
【0160】
係止リングアセンブリ510の使用を通して、再利用可能な筐体アセンブリ502は、使い捨て筐体アセンブリ504に対して適正に位置付けられ、次いで、係止リングアセンブリ510を回転させることによって解放可能に係合され、したがって、使い捨て筐体アセンブリ504に対して再利用可能な筐体アセンブリ502を回転させる必要性を排除し得る。したがって、再利用可能な筐体アセンブリ502は、係合前に使い捨て筐体アセンブリ504と適正に整列させられてもよく、そのような整列は、係合過程中に乱されてはいけない。係止リングアセンブリ510は、再利用可能な筐体アセンブリ502および使い捨て筐体アセンブリ504が相互に対して適正に位置付けられるまで、係止リングアセンブリ510の回転を防止する、ラッチング機構(図示せず)を含み得る。通路516は、スイッチアセンブリ506の周囲での係止リング510の移動を可能にするように、細長くてもよい。
【0161】
図19A−19Bおよび20−21も参照すると、再利用可能な筐体アセンブリ502と、スイッチアセンブリ506と、主要本体508とを含むことが示される、注入ポンプアセンブリ500の種々の図が示されている。上記で論議されたように、主要本体508は、複数の構成要素を含んでもよく、その例は、容量センサアセンブリ148、プリント回路基板600、振動モータアセンブリ602、形状記憶アクチュエータアンカ604、スイッチアセンブリ506、バッテリ606、アンテナアセンブリ608、ポンプアセンブリ106、測定弁アセンブリ610、容量センサ弁アセンブリ612、および貯留部弁アセンブリ614を含むが、それらに限定されない。明確性を向上させるために、プリント回路基板600は、プリント回路基板600の下に位置付けられた種々の構成要素の視認を可能にするように、
図19Bから除去されている。
【0162】
プリント回路基板600と電気的に連結され得る、種々の電気的構成要素は、接続をはんだ付けする必要なしで、電気的連結を可能にする、バネ付勢された端子を利用し得る。例えば、振動モータアセンブリ602は、振動モータアセンブリ602がプリント回路基板600上に位置付けられると、プリント回路基板600上の対応する伝導性パッドを圧迫するように構成される、1対のバネ付勢された端子(1つの正端子および1つの負端子)を利用し得る。しかしながら、例示的実施形態では、振動モータアセンブリ602は、プリント回路基板に直接はんだ付けされる。
【0163】
上記で論議されたように、容量センサアセンブリ148は、注入ポンプアセンブリ500によって注入される流体の量を監視するように構成され得る。例えば、容量センサアセンブリ148は、その全ての開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、DEKA Products Limited Partnershipに譲渡された米国特許第5,575,310号および第5,755,683号、ならびに、米国特許出願公開第US2007/0228071A1号、第US2007/0219496A1号、第US2007/0219480A1号、第US2007/0219597A1号の主題である、音響容量感知を採用し得る。
【0164】
振動モータアセンブリ602は、注入ポンプアセンブリ500のユーザに振動に基づいた信号を提供するように構成され得る。例えば、バッテリ606(注入ポンプアセンブリ500に電力供給する)の電圧が最小許容電圧を下回る場合、振動モータアセンブリ602は、注入ポンプアセンブリ500を振動させて、注入ポンプアセンブリ500のユーザに振動に基づいた信号を提供し得る。形状記憶アクチュエータアンカ604は、上記の形状記憶アクチュエータ(例えば、形状記憶アクチュエータ112)に対する載置点を提供し得る。上記で論議されたように、形状記憶アクチュエータ112は、例えば、温度によって形状を変化させる、伝導性形状記憶合金ワイヤであり得る。形状記憶アクチュエータ112の温度は、加熱器によって、またはより便利なことには、電気エネルギーの印加によって変化させられ得る。したがって、形状記憶アクチュエータ112の一方の端は、形状記憶アクチュエータアンカ604に強固に付加(すなわち、固着)されてもよく、形状記憶アクチュエータ112の他方の端は、例えば、弁アセンブリおよび/またはポンプアクチュエータに適用され得る。したがって、形状記憶アクチュエータ112に電気エネルギーを印加することによって、形状記憶アクチュエータ112の長さが制御されてもよく、したがって、それが取り付けられる弁アセンブリおよび/またはポンプアクチュエータが操作され得る。
【0165】
アンテナアセンブリ608は、例えば、注入ポンプアセンブリ500と遠隔制御アセンブリ300(
図11)との間で、無線通信を可能にするように構成され得る。上記で論議されたように、遠隔制御アセンブリ300は、ユーザが、注入ポンプアセンブリ500をプログラムし、例えば、ボーラス注入事象を構成することを可能にし得る。上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ500は、(注入ポンプアセンブリ500内の)流体経路を通る注入可能な流体の流量を制御するように構成される1つ以上の弁アセンブリを含み得、およびポンプアセンブリ106は、注入可能な流体を流体経路からユーザまで送出するように構成され得る。この注入ポンプアセンブリ500の特定の実施形態では、注入ポンプアセンブリ500は、3つの弁アセンブリ、すなわち、測定弁アセンブリ610、容量センサ弁アセンブリ612、および貯留部弁アセンブリ614を含むことが示されている。
【0166】
上記で論議されたように、かつ
図21も参照すると、注入可能な流体は、貯留部118内に貯蔵され得る。ユーザへの注入可能な流体の送達を達成するために、注入ポンプアセンブリ500内に含まれる処理論理(図示せず)が、形状記憶アクチュエータアンカ604を使用して一方の端の上に固着され得る、形状記憶アクチュエータ112に通電し得る。
図22Aも参照すると、形状記憶アクチュエータ112は、ポンプアセンブリ106および貯留部弁アセンブリ614の起動をもたらし得る。貯留部弁アセンブリ614は、貯留部弁アクチュエータ614Aと、貯留部弁614Bとを含んでもよく、貯留部弁アセンブリ614の起動は、貯留部弁アクチュエータ614Aの下向きの変位、および貯留部弁614Bの閉鎖をもたらし、貯留部118の効果的な隔離をもたらし得る。さらに、ポンプアセンブリ106は、ポンププランジャ106Aと、ポンプチャンバ106Bとを含んでもよく、ポンプアセンブリ106の起動は、ポンププランジャ106Aをポンプチャンバ106Bの中へ下向きに変位させ、(矢印616の方向に)注入可能な流体の変位をもたらし得る。
【0167】
容量センサ弁アセンブリ612は、容量センサ弁アクチュエータ612Aと、容量センサ弁612Bとを含み得る。
図22Bも参照すると、容量センサ弁アクチュエータ612Aは、機械力を提供して容量センサ弁612Bを密閉する、バネアセンブリを介して、閉鎖され得る。しかしながら、ポンプアセンブリ106が起動されるときに、変位された注入可能な流体が、容量センサ弁アセンブリ612の機械的密閉力を克服するのに十分な圧力であれば、注入可能な流体の変位は、矢印618の方向に発生する。これは、容量センサアセンブリ148内に含まれる容量センサチャンバ620の充填をもたらし得る。スピーカアセンブリ622、ポートアセンブリ624、参照マイクロホン626、バネダイヤフラム628、不変容量マイクロホン630の使用を通して、容量センサアセンブリ148は、容量センサチャンバ620内に含まれる注入可能な流体の用量を決定し得る。
【0168】
図22Cも参照すると、いったん容量センサチャンバ620内に含まれる注入可能な流体の容量が計算されると、形状記憶アクチュエータ632が通電され、測定弁アクチュエータ610Aおよび測定弁610Bを含み得る、測定弁アセンブリ610の起動をもたらし得る。いったん起動されると、かつバネダイヤフラム628によって容量センサチャンバ620内の注入可能な流体に及ぼされる機械エネルギーにより、容量センサチャンバ620内の注入可能な流体は、使い捨てカニューレ138を通してユーザの体内へ(矢印634の方向に)変位され得る。
【0169】
図23も参照すると、注入ポンプアセンブリ500の分解図が示されている。形状記憶アクチュエータ632は、(第1端上で)形状記憶アクチュエータアンカ636に固着され得る。加えて、形状記憶アクチュエータ632の他方の端が、弁アセンブリ638に機械エネルギーを提供するために使用されてもよく、それは、測定弁アセンブリ610を起動し得る。容量センサアセンブリバネ保持器642は、注入ポンプアセンブリ500の種々の他の構成要素に対して容量センサアセンブリ148を適正に位置付けてもよい。弁アセンブリ638は、ポンププランジャ106Aを起動するために、形状記憶アクチュエータ112と併せて使用され得る。測定弁610B、容量センサ弁612B、および/または貯留部弁614Bは、主要本体508の下面に弁を上向きに押し込むことによって、注入ポンプアセンブリ500の組立中に設置を可能にするように構成される、内蔵型弁であり得る。
【0170】
図24および
図25A−25Dも参照すると、ポンプアセンブリ106のより詳細な図が示されている。ポンプアクチュエータアセンブリ644は、ポンプアクチュエータ支持構造646と、付勢バネ648と、レバーアセンブリ650とを含み得る。
【0171】
図26A−26Bおよび
図27A−27Bも参照すると、測定弁アセンブリ610のより詳細な図が示されている。上記で論議されたように、弁アセンブリ638は、測定弁アセンブリ610を起動し得る。
【0172】
図28A−28Dも参照すると、注入ポンプアセンブリ500は、測定弁アセンブリ610を含み得る。上記で論議されたように、弁アセンブリ638は、形状記憶アクチュエータ632およびアクチュエータアセンブリ640を介して起動され得る。したがって、容量センサチャンバ620内に貯蔵される注入可能な流体の分量を注入するために、形状記憶アクチュエータ632は、かなり長い期間(例えば、1分以上)にわたって弁アセンブリ638を起動する必要があり得る。これが、バッテリ606から相当量の電力を消費するため、測定弁アセンブリ610は、弁アセンブリ638の一時的起動を可能にしてもよく、その時点で、測定弁ラッチ656は、弁アセンブリ638が、その非起動位置に戻ることを防止し得る。形状記憶アクチュエータ652は、電気接点654を使用して、第1端上に固着され得る。形状記憶アクチュエータ652の他方の端は、弁ラッチ656に接続され得る。形状記憶アクチュエータ652が起動されると、形状記憶アクチュエータ652は、弁ラッチ656を前方に引き、弁アセンブリ638を解放し得る。そのようなものとして、測定弁アセンブリ610は、形状記憶アクチュエータ632を介して起動され得る。いったん測定弁アセンブリ610が活性されると、弁ラッチ656は、自動的に起動位置で弁アセンブリ638にラッチを掛けてもよい。形状記憶アクチュエータ652を作動させることにより、弁ラッチ656を前方に引き、弁アセンブリ638を解放し得る。形状記憶アクチュエータ632がもはや起動されないと仮定して、弁ラッチ656が弁アセンブリ638を解放すると、測定弁アセンブリ610は、動作停止状態になる。したがって、測定弁アセンブリ610の使用を通して、形状記憶アクチュエータ632は、容量センサチャンバ620内に貯蔵された注入可能な流体の分量を注入するためにかかる全時間中に起動される必要がない。
【0173】
上記で論議されたように、上記の注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500)は、ユーザに注入可能な流体を送達するように構成される、外部注入セット134を含み得る。外部注入セット134は、針または使い捨てカニューレ138を含み得る、カニューレセンブリ136と、管類セットとも呼ばれてもよい、管類アセンブリ140とを含み得る。管類アセンブリ140は、例えば、流体経路を通して、貯留部118と、例えば、直接、またはカニューレインターフェース142を通して、カニューレセンブリ138と、流体連通し得る。
【0174】
図29も参照すると、管類アセンブリ140の一部分を格納するように構成される、代替的実施形態の注入ポンプアセンブリ700が示されている。具体的には、注入ポンプアセンブリ700は、ユーザが(ヨーヨーと同様に)注入ポンプアセンブリ700の周辺に管類アセンブリ140の一部分を巻装することを可能にするように構成される、周辺管類格納アセンブリ702を含み得る。周辺管類格納アセンブリ702は、注入ポンプアセンブリ700の周辺に位置付けられ得る。周辺管類格納アセンブリ702は、その中へ管類アセンブリ140の一部分が巻装され得る、開放谷間部として構成され得る。代替として、周辺管類格納アセンブリ702は、より狭い谷間部の壁と管類140の一部分の外面との間で締まり嵌めを生成するようにサイズ決定され得る、複数のより狭い谷間部を形成する、1つ以上の分割部分704、706を含み得る。周辺管類格納アセンブリ705が複数の分割部分704、706を含むときに、結果として生じるより狭い谷間部は、(ネジのネジ山と同様に)注入ポンプアセンブリ700の周辺に螺旋様式で巻装され得る。
【0175】
図30−31も参照すると、管類アセンブリ140の一部分を格納するように構成される、代替的実施形態の注入ポンプアセンブリ750が示されている。具体的には、注入ポンプアセンブリ750は、ユーザが(再度、ヨーヨーと同様に)注入ポンプアセンブリ750の周辺に管類アセンブリ140の一部分を巻装することを可能にするように構成される、周辺管類格納アセンブリ752を含み得る。周辺管類格納アセンブリ752は、注入ポンプアセンブリ750の周辺に位置付けられ得る。周辺管類格納アセンブリ752は、その中へ管類アセンブリ140の一部分が巻装され得る、開放谷間部として構成され得る。代替として、周辺管類格納アセンブリ752は、より狭い谷間部の壁と管類140の一部分の外面との間で締まり嵌めを生成するようにサイズ決定され得る、複数のより狭い谷間部を形成する、1つ以上の分割部分754、756を含み得る。周辺管類格納アセンブリ752が複数の分割部分754、756を含むときに、結果として生じるより狭い谷間部は、(再度、ネジのネジ山と同様に)注入ポンプアセンブリ750の周辺に螺旋様式で巻装され得る。
【0176】
注入ポンプアセンブリ750は、管類保持器アセンブリ758を含み得る。管類保持器アセンブリ758は、管類アセンブリ140が注入ポンプアセンブリ750の周囲から解けることを防止するよう、管類アセンブリ140を解放可能に固定するように構成され得る。管類保持器アセンブリ758の一実施形態では、管類保持器アセンブリ758は、上向きのピンアセンブリ762よりも上側に位置付けられる、下向きのピンアセンブリ760を含み得る。ピンアセンブリ760、762の組み合わせは、管類アセンブリ140が押し通され得る、「ピンチ点」を画定し得る。したがって、ユーザは、注入ポンプアセンブリ750の周辺に管類アセンブリ140を巻き付けてもよく、管類アセンブリ140の各ループは、管類保持器アセンブリ758を介して、周辺管類格納アセンブリ752内に固定される。ユーザが管類アセンブリ140の固定されていない部分を長くすることを希望する場合、ユーザは、管類保持器アセンブリ758から管類アセンブリ140の1つのループを解放し得る。逆に、ユーザが管類アセンブリ140の固定されていない部分を短くすることを希望する場合、ユーザは、管類保持器アセンブリ758内で管類アセンブリ140の1つの付加的なループを固定し得る。
【0177】
図32−33も参照すると、注入ポンプアセンブリ800の例示的実施形態が示されている。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、および500と同様に、注入ポンプアセンブリ800は、再利用可能な筐体アセンブリ802と、使い捨て筐体アセンブリ804とを含み得る。
【0178】
図34A−34Bも参照すると、注入ポンプアセンブリ100と同様に、再利用可能な筐体アセンブリ802は、使い捨て筐体アセンブリ804に解放可能に係合するように構成され得る。そのような解放可能な係合は、例えば、ネジ式、ツイストロック、または圧縮嵌合構成によって、達成され得る。注入ポンプアセンブリ800は、係止リングアセンブリ806を含み得る。例えば、再利用可能な筐体アセンブリ802は、使い捨て筐体アセンブリに対して適正に位置付けられてもよく、係止リングアセンブリ806は、再利用可能な筐体アセンブリ802および使い捨て筐体アセンブリ804に解放可能に係合するように回転させられ得る。
【0179】
係止リングアセンブリ806は、係止リングアセンブリ806の回転を促進し得る、ノブ808を含み得る。加えて、例えば、使い捨て筐体アセンブリ804のタブ810に対する、ノブ808の位置は、再利用可能な筐体アセンブリ802が使い捨て筐体アセンブリ804と完全に係合されるという立証を提供し得る。例えば、
図34Aに示されるように、再利用可能な筐体アセンブリ802が使い捨て筐体アセンブリ804と適正に整列させられると、ノブ808は、タブ810に対して第1の位置で整列させられ得る。完全係合状態を達成すると、回転係止リングアセンブリ806によって、ノブ808は、
図34Bに示されるように、タブ810に対して第2の位置で整列させられ得る。
【0180】
図35A−35Cおよび
図36−38Aも参照すると、再利用可能な筐体アセンブリ102と同様に、再利用可能な筐体アセンブリ802は、機械制御アセンブリ812(例えば、注入可能な流体の流量を送出し、制御するための、1つ以上の弁および1つ以上のポンプを含む、
図36に示される弁アセンブリ814を含み得る)を含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ802はまた、機械制御アセンブリ812に制御信号を提供し、ユーザへの注入可能な流体の送達を達成するように構成される、電気制御アセンブリ816を含み得る。弁アセンブリ814は、流体経路を通る注入可能な流体の流量を制御するように構成されてもよく、ポンプアセンブリは、流体経路からユーザに注入可能な流体を送出するように構成され得る。
【0181】
機械制御アセンブリ812および電気制御アセンブリ816は、基板818や本体820によって画定される筐体内に含有され得る。いくつかの実施形態では、基板818および本体820のうちの1つ以上は、電磁遮蔽を提供し得る。そのような実施形態では、電磁遮蔽は、電気制御アセンブリ816によって受信される、および/または電気制御アセンブリ816によって生成される、電磁妨害を防止および/または低減し得る。加えて/代替として、
図36および
図37に示されるように、EMI遮蔽体822が含まれ得る。EMI遮蔽体822は、生成および/または受信された電磁妨害に対する遮蔽を提供し得る。
【0182】
再利用可能な筐体アセンブリ802は、(例えば、ボーラス送達、遠隔制御アセンブリとのペアリング、または同等物のための)ユーザコマンドを受信するように構成され得る、スイッチアセンブリを含み得る。スイッチアセンブリは、本体820の開口部826に配置され得る、ボタン824を含み得る。例えば、
図35Bに示されるように、係止リングアセンブリ806は、依然としてボタン824への容易なアクセスを提供しながら、係止リングアセンブリ806が本体820に対して回転させられることを可能にするように構成され得る、放射状スロット828を含み得る。
【0183】
図39A−39Cも参照すると、電気制御アセンブリ816は、プリント回路基板830ならびにバッテリ832を含み得る。プリント回路基板830は、送出された、および/または送出されている注入可能な流体の量を監視および制御するための、種々の制御電子機器を含み得る。例えば、電気制御アセンブリ816は、分注されたばかりの注入可能な流体の量を測定し、ユーザによって必要とされる用量に基づいて、十分な注入可能な流体が分注されたかどうかを決定し得る。十分な注入可能な流体が分注されていなければ、電気制御アセンブリ816は、より多くの注入可能な流体が送出されるべきであると決定し得る。電気制御アセンブリ816は、付加的な必要用量が送出され得るように、機械制御アセンブリ812に適切な信号を提供してもよく、または、電気制御アセンブリ816は、付加的な用量が次の用量とともに分注され得るように、機械制御アセンブリ812に適切な信号を提供し得る。代替として、過剰な注入可能な流体が分注された場合、電気制御アセンブリ816は、より少ない注入可能な流体が次の用量とともに分注され得るように、機械制御アセンブリ812に適切な信号を提供し得る。電気制御アセンブリ816は、1つ以上のマイクロプロセッサを含み得る。例示的実施形態では、電気制御アセンブリ816は、3つのプロセッサを含み得る。1つのプロセッサ(例えば、Chipcon AS(Oslo, Norway)から入手可能なCC2510マイクロコントローラ/RF送受信機を含み得るが、それに限定されない)は、例えば、遠隔制御アセンブリと通信するために、無線通信に専念し得る。2つの付加的なマイクロプロセッサ(その例は、Texas Instruments Inc.(Dallas, Texas)から入手可能なMSP430マイクロコントローラを含み得るが、それに限定されない)は、(例えば、注入可能な流体の用量を分注する、容量測定デバイスからのフィードバック信号を処理する、および同等物を行うように)コマンドを発行し、実行することに専念し得る。
【0184】
図35Cに示されるように、基板818は、例えば、バッテリ832を再充電するために電気制御アセンブリ816に電気的に連結され得る、電気接点834へのアクセスを提供し得る。基板818は、使い捨て筐体アセンブリ804の協調特徴(例えば、タブ)を通して、使い捨て筐体アセンブリ804との適正な整列を促進するように構成され得る、1つ以上の特徴(例えば、開口部836、838)を含み得る。加えて、
図40A−40C、41A−41B、および42A−42Cに示されるように、基板818は、弁アセンブリ814および電気制御アセンブリ816を載置し、ならびに、弁アセンブリ814による使い捨て筐体アセンブリ804へのアクセスを提供するための、種々の特徴を含み得る。
【0185】
係止リングアセンブリ806は、例えば、再利用可能な筐体アセンブリ802および使い捨て筐体アセンブリ804を係合/係脱するために、例えば、係止リングアセンブリ806を把持し、捻転することを促進し得る、エラストマーまたは型押し材料を含み得る、把持挿入物840、842を含み得る。加えて、係止リングアセンブリ806は、例えば、噛合構成要素(例えば、いくつかの実施形態では、使い捨て筐体アセンブリ804、充電ステーション、または充填ステーションのうちの1つ以上を含み得るが、それらに限定されない)の性質、および/または再利用可能な筐体アセンブリ802が噛合構成要素と適正に係合されているかどうかの指標を提供するように、再利用可能な筐体アセンブリ802の構成要素(例えば、ホール効果センサ)と相互作用し得る、感知構成要素(例えば、磁石844)を含み得る。例示的実施形態では、ホール効果センサ(図示せず)は、ポンププリント回路基板上に位置し得る。ホール効果センサは、係止リングが閉鎖位置まで回転させられたときを検出し得る。したがって、ホール効果センサは、磁石844とともに、係止リングが閉鎖位置まで回転させられたかどうかを決定するためのシステムを提供し得る。
【0186】
感知構成要素(磁石)844は、再利用可能な筐体アセンブリ構成要素、すなわち、例示的実施形態では、ホール効果センサとともに、再利用可能な筐体アセンブリが意図された構成要素またはデバイスに適正に取り付けられているかどうかという決定を提供するように稼働し得る。係止リングアセンブリ806は、構成要素、すなわち、使い捨て筐体アセンブリ804、ダストカバー、または充電器に取り付けられることなく、旋回してはならない。したがって、感知構成要素は、再利用可能な筐体アセンブリ構成要素とともに、注入ポンプシステムに多くの有利な安全特徴を提供するように機能し得る。これらの特徴は、以下のうちの1つ以上を含み得るが、それらに限定されない。システムが、使い捨てアセンブリ、ダストカバー、または充電器に取り付けられていないことを検出しない場合、再利用可能な部分、例えば、弁およびポンプ構成要素が、再利用可能なアセンブリの完全性を損なう場合がある、汚染または破壊を受けやすい場合があるため、システムは、ユーザに通知する、警告する、または警戒させてもよい。したがって、システムは、完全性アラームを提供して、潜在的な再利用可能なアセンブリの完全性の脅威についてユーザを警告し得る。また、再利用可能なアセンブリがダストカバーに取り付けられていることをシステムが感知する場合、システムは、電力をオフにするか、または低減して、電力を節約し得る。これは、再利用可能なアセンブリが、相互作用する必要のある構成要素に接続していない場合に、電力のより効率的な使用を提供し得る。
【0187】
再利用可能な筐体アセンブリ802は、使い捨て筐体アセンブリ、ダストカバー、またはバッテリ充電器/バッテリ充電ステーションを含むが、それらに限定されない、多数の異なる構成要素に付着し得る。それぞれの場合において、ホール効果センサは、係止リングが閉鎖位置にあること、したがって、再利用可能な筐体アセンブリ802が、使い捨て筐体アセンブリ、ダストカバー、またはバッテリ充電器/バッテリ充電ステーション(または別の構成要素)に解放可能に係合されていることを検出し得る。注入ポンプシステムは、以下でより詳細に説明されるAVSシステム(容量測定センサとも呼ばれてもよい)を使用することによって、または電気接点によって、それが取り付けられる、構成要素を決定し得る。ここで
図38B−38Dも参照すると、ダストカバー(例えば、ダストカバー839)の一実施形態が示されている。例示的実施形態では、ダストカバー839は、再利用可能な筐体アセンブリ802の係止リングが、ダストカバー839に解放可能に係合し得るように、特徴841、843、845、847を含み得る。加えて、ダストカバー839はさらに、再利用可能な筐体アセンブリ804の弁およびポンプ特徴を収容するための陥凹領域849を含み得る。例えば、ダストカバーに関して、AVSシステムは、使い捨て筐体アセンブリではなく、ダストカバーが再利用可能な筐体アセンブリに接続されていることを決定し得る。AVSシステムは、参照テーブルまたは他の比較データを使用することと、測定データを特徴的なダストカバーまたは空の使い捨て筐体アセンブリのデータと比較することとを区別し得る。バッテリ充電器に関して、バッテリ充電器は、例示的実施形態では、電気接点を含み得る。再利用可能な筐体アセンブリがバッテリ充電器に取り付けられると、注入ポンプアセンブリ電子システムは、接触が行われたことを感知してもよく、したがって、再利用可能な筐体アセンブリがバッテリ充電器に取り付けられていることを示す。
【0188】
図43A−45Bおよび
図44A−44Cも参照すると、1つ以上の弁および1つ以上のポンプが含まれ得る、弁アセンブリ814の実施形態が示されている。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、および500と同様に、弁アセンブリ814は、概して、貯留部弁850と、プランジャポンプ852と、容量センサ弁854と、測定弁856とを含み得る。以前の説明と同様に、貯留部弁850およびプランジャポンプ852は、(第1端上で)形状記憶アクチュエータアンカ860に固着され得る、形状記憶アクチュエータ858によって作動させられ得る。加えて、測定弁856は、(第1端上で)形状記憶アクチュエータアンカ866に固着され得る、形状記憶アクチュエータ864によって、弁アクチュエータ862を介して作動させられ得る。上記で論議されたように同様に、測定弁は、測定弁ラッチアセンブリ868を介して、開放位置で維持され得る。測定弁856は、(第1端上で)形状記憶アクチュエータアンカ872によって固着され得る、形状記憶アクチュエータ870の起動を介して、解放され得る。いくつかの実施形態では、形状記憶アクチュエータアンカ860は、再利用可能な筐体アセンブリに入れられ得る。製造中にこの過程を使用することにより、形状記憶長アクチュエータ858が設置されることを確実にし、所望の長さおよび張力/ひずみを維持する。
【0189】
図45A−45Bおよび
図46A−46Eも参照すると、形状記憶アクチュエータ858(例えば、1つ以上の形状記憶ワイヤを含み得る)は、アクチュエータアセンブリ874を介して、プランジャポンプ852を作動させてもよい。アクチュエータアセンブリ874は、付勢バネ876およびレバーアセンブリ878を含み得る。アクチュエータアセンブリ874は、プランジャポンプ852および測定弁850の両方を作動させてもよい。
【0190】
図47A−47Bも参照すると、測定弁856は、弁アクチュエータ862およびレバーアセンブリ878を介して、形状記憶アクチュエータ864によって作動させられ得る。いったん作動させられると、測定弁ラッチアセンブリ868は、開放位置で測定弁856を維持し得る。測定弁ラッチアセンブリ868は、測定弁856を解放するように形状記憶アクチュエータ870によって作動させられ、それが閉鎖位置に戻ることを可能にする。
【0191】
使い捨て筐体アセンブリ804は、単回使用のために、または、例えば、3日または任意の他の時間量といった、指定期間の使用のために構成され得る。使い捨て筐体アセンブリ804は、注入可能な流体と接触する、注入ポンプアセンブリ800の中の任意の構成要素が、使い捨て筐体アセンブリ804の上および/または内側に配置され得るように、構成され得る。そのようなものとして、注入可能な流体を汚染する危険性が低減され得る。
【0192】
図48および
図49A−49Cも参照すると、使い捨て筐体アセンブリ804は、基礎部分900と、膜アセンブリ902と、最上部分904とを含み得る。基礎部分900は、膜アセンブリ902とともに、注入可能な流体(図示せず)、例えば、インスリンを受容するための貯留部908を画定する、陥凹906を含み得る。
図50A−50Cも参照すると、陥凹906は、少なくとも部分的に、基礎部分900によって形成され、かつ基礎部分900と一体化し得る。膜アセンブリ902は、例えば、基礎部分900と最上部分904との間で圧縮挟持されることによって、基礎部分900と密閉係合され得る。最上部分904は、接着、熱融着、超音波溶接、および圧縮嵌合等の従来の手段によって、基礎部分900に取り付けられ得る。加えて/代替として、膜アセンブリ902は、膜アセンブリ902と基礎部分900との間にシールを提供するように、例えば、接着、超音波溶接、熱融着、および同等物を介して、基礎部分900に取り付けられ得る。
【0193】
依然として
図48および50Aを参照すると、陥凹906は、例示的実施形態では、流体ラインにつながる流体開口部905の周囲の領域903を含む、隆起部分901を含む。隆起部分901は、例示的実施形態では、陥凹906の周囲に延在する。しかしながら、他の実施形態では、隆起部分901は、周囲全体に延在しなくてもよいが、部分的に周囲にあり得る。流体開口部905の周囲の領域903は、いくつかの実施形態では、45度の角度を含む、角度を成す部分を含んで、例示的実施形態で示されるように成形され得るが、他の実施形態では、角度は、より大きいか、またはより小さくてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプは、貯留部の中に貯蔵され得る流体の全容量を排除するよう、貯留部を折り畳むのに十分な真空を生成しなくてもよい。隆起部分901は、無駄な流体を最小化するように作用し得る。
【0194】
例示的実施形態では、3つの開口部を含み得るが、他の実施形態では、より多くの開口部またはより少ない開口部を含み得る流体開口部905は、隆起部分の領域903によって包囲され得る。例示的実施形態では、流体開口部905は、中心が狭くてもよく、したがって、空気が開口部に引き込まれることを防止し得る、表面張力を生成する。例示的実施形態では、この領域は、貯留部の中に存在する空気が、流体開口部905を通って流体ラインの中へ引き込まれるよりもむしろ、流体開口部905のうちの1つより上側に引き込まれることを促すように設計され得る。加えて、2つ以上の流体開口部905があり得るので、気泡が1つの開口部より上側で捕らえられた場合、空気は、流体が他の2つの開口部を通って流れることを防止しなくてもよい。
【0195】
図51A−51Cも参照すると、使い捨て筐体アセンブリ804は、流体経路カバー910も含み得る。流体経路カバー910は、基礎部分900の上/内側に形成される空洞912の中で受容され得る。流体経路カバー910は、いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネル(例えば、チャネル914)の少なくとも一部分を含み得る。流体経路カバー910に含まれるチャネルは、基礎部分900の上に含まれる1つ以上のボルケーノ弁特徴(例えば、ボルケーノ弁916)を流体連結し得る。ボルケーノ弁916は、それを通って延在する開口部を有する、突出部を含み得る。加えて、流体経路カバー910および基礎部分900はそれぞれ、注入セット(例えば、カニューレ922を含む)に流体連結するための陥凹(例えば、それぞれ基礎部分900および流体経路カバー910に含まれる、陥凹部分918、920)の一部分を画定し得る。カニューレ922は、従来の手段(例えば、接着、熱融着、圧縮嵌合、または同等物)によって、使い捨て筐体アセンブリ804に連結され得る。流体経路カバー910および基礎部分900のボルケーノ弁(例えば、ボルケーノ弁916)によって画定される、流体経路は、注入セットを介したユーザへの注入可能な流体の送達のために、貯留部908とカニューレ922との間に流体経路を画定し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、流体経路カバー910は、流体経路の少なくとも一部分を含んでもよく、いくつかの実施形態では、流体経路カバー910は、流体経路の少なくとも一部分を含まなくてもよい。例示的実施形態では、流体経路カバー910は、基礎部分900にレーザ溶接され得る。しかしながら、他の実施形態では、流体経路カバー910はまた、流体経路カバー910と基礎部分900との間で略流体密封シールを達成するように、従来の手段(例えば、接着、熱融着、超音波溶接、圧縮嵌合、または同等物)によって、基礎部分900に接続され得る。
【0196】
図54A−54Cも参照すると、使い捨て筐体アセンブリ804はさらに、弁膜カバー924を含み得る。弁膜カバー924は、基礎部分900の上/内側に含まれるボルケーノ弁(例えば、ボルケーノ弁916)およびポンプ陥凹926を覆って、少なくとも部分的に配置され得る。弁膜カバー924は、例えば、注入可能な流体の流量を制御するために、再利用可能な筐体アセンブリ802の貯留部弁850、容量センサ弁854、および測定弁856によって、例えば、ボルケーノ弁に対して選択的に係合され得る、可撓性材料を含み得る。加えて、弁膜カバー924は、注入可能な流体の送出を達成するように、プランジャポンプ852によってポンプ陥凹926の中へ弾性的に変形させられ得る。弁膜カバー924は、弁膜カバー924と基礎部分900との間にシール928を形成するように、基礎部分900と使い捨て筐体アセンブリ804の最上部分904との間に係合され得る。例えば、例示的実施形態では、弁膜カバー924は、基礎部分900の上に外側被覆され得る。他の実施形態では、弁膜カバー924は、シール928を形成するように、基礎部分900と最上部分904との間で圧縮挟持され得る。加えて/代替として、弁膜挿入物は、例えば、接着、熱融着、または同等物によって、基礎部分900および最上部分904のうちの1つ以上に接続され得る。
【0197】
図53A−Cも参照すると、最上部分904は、再利用可能な筐体アセンブリ802と使い捨て筐体アセンブリ804との間で適正な整合を確保するよう、再利用可能な筐体アセンブリ802の基板818の開口部836、838の中に少なくとも部分的に受容されるように構成され得る、整列タブ930、932を含み得る。加えて、最上部分904は、係止リングアセンブリ806の協調タブ942、944、946、948によって係合されるように構成される、1つ以上の放射状タブ934、936、938、940を含み得る。1つ以上の放射状タブ(例えば、放射状タブ940)は、例えば、いったん再利用可能な筐体アセンブリ802および使い捨て筐体アセンブリ804が完全に係合されると、係止リングアセンブリ806のさらなる回転を防止し得る、停止部(例えば、溶接のために使用され得る、整列タブ停止部950であり、位置特定し、超音波溶接する陥凹の中に嵌合するタブ)を含み得る。
【0198】
上記で論議されたように、弁膜挿入物924は、貯留部弁850、プランジャポンプ852、容量センサ弁854、および測定弁856による、注入可能な流体の送出および流動を可能にし得る。したがって、最上部分904は、貯留部弁850、プランジャポンプ852、容量センサ弁854、および測定弁856による作動のために、弁膜挿入物924の少なくとも一部分を露出させてもよい、1つ以上の開口部(例えば、開口部952、954、956)を含み得る。加えて、最上部分904は、以下でより詳細に論議されるように、貯留部908の充填中に充填容量が制御されることを可能にするように構成され得る、1つ以上の開口部958、960、962を含み得る。貯留部アセンブリ902は、各開口部958、960、962の中で少なくとも部分的に受容され得る、リブ964、966、968(例えば、
図52Aに示されるような)を含み得る。以下でより詳細に論議されるように、少なくとも一時的に、貯留部908の容量を低減するように、リブ964、966、968のうちの1つ以上に力が印加され得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、再利用可能な筐体アセンブリ802と使い捨て筐体アセンブリ804との間にシールを提供することが望ましくてもよい。したがって、使い捨て筐体アセンブリ804は、密閉アセンブリ970を含み得る。密閉アセンブリ970は、例えば、係合されると、再利用可能な筐体アセンブリ802と使い捨て筐体アセンブリ804との間に圧縮性ゴムまたはプラスチック層を提供し得る、エラストマー部材を含み、したがって、不慮の係脱および外部流体による浸透を防止し得る。例えば、密閉アセンブリ970は、水密アセンブリであってもよく、したがって、水泳、入浴、または運動中にユーザが注入ポンプアセンブリ800を装着することを可能にし得る。
【0200】
例えば、使い捨て筐体アセンブリ114と同様に、使い捨て筐体アセンブリ802は、いくつかの実施形態では、貯留部908を複数回充填させるように構成され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、使い捨て筐体アセンブリ114は、貯留部908が再充填されなくてもよいように構成され得る。
図57−64も参照すると、充填アダプタ1000は、シリンジ(図示せず)を使用して貯留部908を再充填するために、使い捨て筐体アセンブリ804に連結されるように構成され得る。充填アダプタ1000は、係止リングアセンブリ806のタブ942、944、946、948と略同様に、使い捨て筐体アセンブリ804の放射状タブ934、936、938、940に係合するように構成され得る、係止タブ1002、1004、1006、1008を含み得る。したがって、充填アダプタ1000は、充填アダプタ1000を使い捨て筐体アセンブリ804と整列させ、相互に対して充填アダプタ1000および使い捨て筐体アセンブリ804を回転させて、係止タブ1002、1004、1006、1008を放射状タブ934、936、938、940と解放可能に係合させることによって、使い捨て筐体アセンブリ804と解放可能に係合され得る。
【0201】
充填アダプタ1000はさらに、例えば、シリンジ(図示せず)の針を使い捨て筐体アセンブリ804の隔壁に誘導して、使い捨て筐体アセンブリ804の貯留部908がシリンジによって充填されることを可能にするように構成され得る、ガイド通路1012であり得る、充填補助1010を含み得る。いくつかの実施形態では、ガイド通路1012は、シリンジを隔壁にさらに誘導するように、角度を成す斜面、または他の段階的な角度を成す斜面であり得る。充填アダプタ1000は、例えば、ガイド通路1012の遠位開口部において、比較的大きい挿入域を提供することによって、貯留部908を充填することを促進し得る。ガイド通路1012は概して、充填アダプタ1000が使い捨て筐体アセンブリ804と係合されると、使い捨て筐体アセンブリ804の隔壁と適正に整列させられ得る、より小さい近位開口部へと先細になってもよい。したがって、充填アダプタ1000は、貯留部908を充填する目的で、使い捨て筐体アセンブリ804の隔壁を通して針を適正に挿入するために必要な巧妙性および照準を低減し得る。
【0202】
上記で論議されたように、使い捨て筐体アセンブリ804は、充填中に貯留部908に送達される、注入可能な流体の分量を制御することを促進するように構成され得る。例えば、使い捨て筐体アセンブリ804の膜アセンブリ902は、押下され、少なくとも部分的に貯留部908の中へ変位され得る、リブ964、966、968を含んでもよく、それにより、貯留部908の容量を低減する。したがって、注入可能な流体が貯留部908に送達されると、貯留部908によって収容され得る流体の容量が、それに対応して低減され得る。リブ964、966、968は、使い捨て筐体アセンブリ804の最上部分904の開口部958、960、962を介してアクセス可能であり得る。
【0203】
充填アダプタ1000は、リブ964、966、968に対応する、1つ以上のボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1014、1016、1018)を含み得る。つまり、充填アダプタ1000が使い捨て筐体アセンブリ804と解放可能に係合されると、ボタン1014、1016、1018が、リブ964、966、968と整列させられ得る。ボタンアセンブリ1014、1016、1018は、例えば、押下されることが可能なカンチレバー部材であり得る。充填アダプタ1000が使い捨て筐体アセンブリ804と解放可能に係合されると、ボタンアセンブリ1014、1016、1018のうちの1つ以上が押下されてもよく、それに対応して、リブ964、966、968のそれぞれ1つを貯留部908の中へ変位させて、貯留部908の容量の付随する低減を引き起こし得る。
【0204】
例えば、例示目的で、貯留部908に3.00mLの最大容量があると仮定する。さらに、ボタンアセンブリ1014は、使い捨て筐体アセンブリ804の中へリブ964を変位させるように構成され、使い捨て筐体アセンブリ804の3.00mL容量の0.5mL低減をもたらすと仮定する。さらに、ボタンアセンブリ1016は、使い捨て筐体アセンブリ804の中へリブ966を変位させるように構成され、同様に使い捨て筐体アセンブリ804の3.00mL容量の0.5mL低減をもたらすと仮定する。さらに、ボタンアセンブリ1018は、使い捨て筐体アセンブリ804の中へスロットアセンブリ968を変位させるように構成され、同様に使い捨て筐体アセンブリ804の3.00mL容量の0.5mL低減をもたらすと仮定する。したがって、ユーザが、2.00mLの注入可能な流体で、使い捨て筐体アセンブリ804内の貯留部908を充填することを希望する場合、いくつかの実施形態では、ユーザは、最初に、貯留部を3.00mL容量まで充填し、次いで、ボタンアセンブリ1016および1014を押下して(使い捨て筐体アセンブリ804の中へのリブ966の変位をもたらす)、使い捨て筐体アセンブリ804内の貯留部908の3.00mL容量を2.00mLまで効果的に低減し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、最初に、それぞれの数のボタンアセンブリを押下して、貯留部908の容量を効果的に低減し、次いで、貯留部908を充填し得る。例示的実施形態を表して、特定数のボタンアセンブリが示されているが、他の実施形態では、ボタンアセンブリの数は、最低で1から所望されるだけの数まで、様々であり得る。加えて、説明目的で、および例示的実施形態では、各ボタンアセンブリは、0.5mL変位し得るが、他の実施形態では、1つのボタン当たりの変位の容量は、様々であり得る。加えて、貯留部は、種々の実施形態では、例示的実施形態で説明されるよりも大きい、または小さい容量を含み得る。
【0205】
上記の構成によれば、少なくとも部分的に、貯留部908の充填容量を制御するために、ボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1014、1016、108)が採用され得る。ボタンアセンブリのうちのいずれかを押下しないことによって、貯留部908の最大充填容量が達成され得る。1つのボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1014)を押下することにより、第2の最大充填容量が達成されることを可能にし得る。2つのボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1014、1016)を押下することにより、第3の最大十点容量を達成し得る。3つ全てのボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1014、1016、1018)を押下することにより、最小充填容量が達成されることを可能にし得る。
【0206】
さらに、実施形態では、少なくとも部分的に、貯留部908の充填を促進するために、ボタンアセンブリ1014、1016、1018が利用され得る。例えば、いったん充填針(例えば、注入可能な流体のバイアルに流体連結され得る)が貯留部908に挿入されると、貯留部内に含有され得る空気の少なくとも一部分を、注入可能な流体のバイアルの中へ送出するように、ボタンアセンブリ1014、1016、1018が押下され得る。ボタンアセンブリ1014、1016、1018は、後に、注入可能な流体がバイアルから貯留部908の中へ流れることを可能にするように、解放され得る。いったん貯留部908が注入可能な流体で充填されると、1つ以上のボタンアセンブリ(ボタンアセンブリ1014、1016、1018のうちの1つ以上)が押下されてもよく、それにより、(例えば、貯留部908を充填し、注入可能な流体のバイアルの中へ戻すために使用される針を介して)貯留部908から注入可能な流体の少なくとも一部分を押し出す。上記で論議されたように、貯留部908内に含有される注入可能な流体の容量は、例えば、いくつのボタンアセンブリが押下されるかに応じて、制御され得る(例えば、注入可能な流体のバイアルの中へどれだけ多くの注入可能な流体が押し戻されるかを制御し得る)。
【0207】
図62−64を特に参照すると、充填補助1010は、充填アダプタ基板1020に枢動可能に連結され得る。例えば、充填補助1010は、枢動支持材1026、1028の中で受容されるように構成され得る、枢動部材1022、1024を含んでもよく、それにより、充填補助が、開放位置(例えば、
図57−61に示されるような)と閉鎖位置(例えば、
図63−64に示されるような)との間で枢動することを可能にする。閉鎖位置は、例えば、充填アダプタ1000の包装、充填アダプタ1000の格納、または同等物のために好適であり得る。充填補助1010が、貯留部908を充填するために適正に配向されていることを確実にするために、充填アダプタ1000は、支持部材1030を含み得る。充填補助1010を適正に配向させるために、ユーザは、完全開放位置まで充填補助1010を枢動してもよく、充填補助1010は、支持部材1030に接触し得る。
【0208】
代替的実施形態によれば、
図65も参照すると、充填アダプタ1050は、複数の係止タブ(例えば、係止タブ1052、1054)を介して、使い捨て筐体アセンブリ804に解放可能に係合するように構成され得る。加えて、充填アダプタ1050は、使い捨て筐体アセンブリ804のリブ964、966、968と相互作用して、貯留部908の充填容量を調整し得る、複数のボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1056、1058、1060)を含み得る。充填アダプタ1050はさらに、例えば、注入可能な流体で貯留部908を充填する目的で貯留部908にアクセスするために、シリンジの針を使い捨て筐体804の隔壁と整列させるように構成される、ガイド通路1064を有する、充填補助1062を含み得る。充填補助1062は、接着、熱融着、圧縮嵌合、または同等物によって、例えば、それとの一体構成要素として、基板1066に接続され得る。
【0209】
図66−74も参照すると、バイアル充填アダプタ1100は、バイアルから直接、使い捨て筐体アセンブリ804の貯留部908を充填することを促進するように構成され得る。充填アダプタ1000と同様に、バイアル充填アダプタ1100は、係止リングアセンブリ806のタブ942、944、946、948と略同様に、使い捨て筐体アセンブリの放射状タブ934、936、938、940に係合するように構成され得る、係止タブ1102、1104、1106、1108を含み得る。したがって、バイアル充填アダプタ1100は、バイアル充填アダプタ1100を使い捨て筐体アセンブリ804と整列させ、相互に対して充填アダプタ1100および使い捨て筐体アセンブリ804を回転させて、係止タブ1102、1104、1106、1108を放射状タブ934、936、938、940と解放可能に係合させることによって、使い捨て筐体アセンブリ804と解放可能に係合され得る。
【0210】
上記で論議されたように、使い捨て筐体アセンブリ804は、充填中に貯留部908に送達される、注入可能な流体の分量を制御することを促進するように構成され得る。例えば、使い捨て筐体アセンブリ804の膜アセンブリ902は、押下され、少なくとも部分的に貯留部908の中へ変位され得る、リブ964、966、968を含んでもよく、それにより、貯留部908の容量を低減する。したがって、注入可能な流体が貯留部908に送達されると、貯留部908によって収容され得る流体の容量が、それに対応して低減され得る。リブ964、966、968は、使い捨て筐体アセンブリ804の最上部分904の開口部958、960、962を介してアクセス可能であり得る。
【0211】
バイアル充填アダプタ1100は、リブ964、966、968(
図52Aに示されるような)に対応する、1つ以上のボタンアセンブリ(例えば、ボタンアセンブリ1110、1112、1114)を含み得る。つまり、バイアル充填アダプタ1100が使い捨て筐体アセンブリ804と解放可能に係合されると、ボタン1110、1112、1114が、リブ964、966、968と整列させられ得る。ボタンアセンブリ1110、1112、1114は、例えば、押下されることが可能なカンチレバー部材であり得る。バイアル充填アダプタ1100が使い捨て筐体アセンブリ804と解放可能に係合されると、ボタンアセンブリ1110、1112、1114のうちの1つ以上が押下されてもよく、それに対応して、リブ964、966、998のそれぞれ1つを貯留部908の中へ変位させ、それにより、貯留部908の容量を低減し得る。
【0212】
例えば、例示目的で、貯留部908に3.00mLの最大容量があると仮定する。さらに、ボタンアセンブリ1110は、使い捨て筐体アセンブリ804の中へリブ964を変位させるように構成され、使い捨て筐体アセンブリ804の3.00mL容量の0.5mL低減をもたらすと仮定する。さらに、ボタンアセンブリ1112は、使い捨て筐体アセンブリ804の中へリブ966を変位させるように構成され、同様に使い捨て筐体アセンブリ804の3.00mL容量の0.5mL低減をもたらすと仮定する。さらに、ボタンアセンブリ1114は、使い捨て筐体アセンブリ804の中へリブ968を変位させるように構成され、同様に使い捨て筐体アセンブリ804の3.00mL容量の0.5mL低減をもたらすと仮定する。したがって、ユーザが、2.00mLの注入可能な流体で、使い捨て筐体アセンブリ804内の貯留部908を充填することを希望する場合、ボタンアセンブリ1112および1114を押下して(使い捨て筐体アセンブリ804の中へのリブ966および968の変位をもたらす)、使い捨て筐体アセンブリ804内の貯留部908の3.00mL容量を2.0mLまで効果的に低減し得る。
【0213】
バイアル充填アダプタ1100はさらに、隔壁を介して、注入可能な流体のバイアルを使い捨て筐体アセンブリ804の貯留部908に流体連結するように構成され得る、バイアル充填補助アセンブリ1116を含み得る。
図71を特に参照すると、バイアル充填補助アセンブリは、両端針アセンブリ1118を含み得る。両端針アセンブリ1118は、バイアル(図示せず)の隔壁を貫通するように構成される第1の針端1120と、使い捨て筐体アセンブリ804の隔壁を貫通するように構成される第2の針端1122とを含み得る。そのようなものとして、バイアルおよび貯留部908は、流体連結されてもよく、注入可能な流体がバイアルから貯留部908へ移送されることを可能にする。両端針アセンブリ1118は、第1端1120に隣接するバイアル係合部分1124を含み得る。バイアル係合アーム1124、1126は、例えば、バイアルキャップに解放可能に係合して、両端針アセンブリ1118とバイアルとの間で流体接続を維持するのを支援するように構成され得る。加えて、両端針アセンブリ1118は、バイアル充填補助本体1132の開口部1130の中で摺動可能に受容され得る、本体1128を含み得る。バイアル充填補助本体1132は、例えば、使い捨て筐体アセンブリ804の充填中にバイアルを安定させるように構成され得る、安定器アーム1134、1136を含み得る。一実施形態では、バイアルは、例えば、第1端1120がバイアルの隔壁を貫通し得るように、両端針アセンブリ1118と係合されてもよく、バイアルのキャップは、係合アーム1124、1126によって係合され得る。本体1128は、両端針アセンブリ1118の第2端1122が使い捨て本体アセンブリ804の隔壁を貫通し得るように、開口部1130に摺動可能に挿入され得る。
【0214】
充填アダプタ1000と同様に、バイアル充填補助アセンブリ1116は、バイアル充填アダプタ基板1138に枢動可能に連結されるように構成され得る。例えば、バイアル充填補助1116は、(例えば、
図71に示される)枢動支持材1144、1146の中に受容されるように構成され得る、枢動部材1140、1142を含んでもよく、それにより、バイアル充填補助1116が、開放位置(例えば、
図66−70に示されるような)と閉鎖位置(例えば、
図72−74に示されるような)との間で枢動することを可能にする。閉鎖位置は、例えば、バイアル充填アダプタ1100の包装、バイアル充填アダプタ1100の格納、または同等物のために好適であり得る。バイアル充填補助1116が、貯留部908を充填するために適正に配向されていることを確実にするために、バイアル充填アダプタ1100は、支持部材1148を含み得る。バイアル充填補助1116を適正に配向させるために、ユーザは、完全開放位置までバイアル充填補助1116を枢動してもよく、バイアル充填補助1116は、支持部材1148に接触し得る。加えて、バイアル充填アダプタ基板1138は、バイアル充填補助1116に係合してもよく、かつ閉鎖位置でバイアル充填補助1116を維持し得る、1つ以上の係止特徴(例えば、係止タブ1150、1152)を含み得る。バイアル充填アダプタ基板1138はまた、例えば、バイアル充填補助本体1132からの両端針アセンブリ1118の好適な分離を防止することによって、両端針アセンブリ1118を保持するのを支援するように構成され得る、特徴(例えば、タブ1154、1156)を含み得る。
【0215】
図72−74に示されるように、充填補助アセンブリ1116は、閉鎖位置にある。この構成では、支持部材1148は、加えて、針ガードとして機能し得る。使い捨て筐体アセンブリ804から充填補助アセンブリ1116を除去するときに、支持部材1148は、ユーザが端を強く握り、除去するために充填補助アセンブリ1116を回転させることを安全に可能にするように機能し得る。
図70に示されるように、開放位置では、支持部材1148は、適正な配向を維持するように停止部として機能し得る。
【0216】
再度、
図57−73を参照すると、充填アダプタの例示的実施形態は、把持特徴(例えば、
図72の1166)を含む。把持特徴1166は、使い捨て筐体アセンブリ804から充填アダプタを除去するための把持インターフェースを提供し得る。これらの図の1つの構成で示されるように、他の実施形態では、構成が様々であり得る。さらに他の実施形態では、把持特徴が含まれなくてもよい。
【0217】
一実施形態によれば、充填アダプタ基板1020およびバイアル充填アダプタ基板1138は、交換可能な構成要素であり得る。したがって、単一の基板(例えば、充填アダプタ基板1020またはバイアル充填アダプタ基板1138のいずれか一方)が、充填補助1010またはバイアル充填補助1116のいずれか一方とともに使用され得る。したがって、両方の充填アダプタに必要とされる個別構成要素の数が低減されてもよく、ユーザは、所与の充填シナリオに最も好適であり得る、充填アダプタを選択する能力を有し得る。
【0218】
充填アダプタの種々の実施形態は、針を取り扱わずに、貯留部を充填するためのシステムを提供すること、針との意図的ではない接触、すなわち、意図的ではない穿刺を通した貯留部の完全性の破壊から貯留部を保護すること、両手が使えるように設計されることを含むが、それらに限定されない、多くの安全性便益を提供してもよく、いくつかの実施形態では、貯留部の中で空気を維持するためのシステムを提供し得る。
【0219】
上記で論議されたように、再利用可能な筐体アセンブリ802は、例えば、再充填可能バッテリを含み得る、バッテリ832を含み得る。
図75−80も参照すると、バッテリ充電器1200は、バッテリ832を再充電するように構成され得る。バッテリ充電器1200は、頂板1204を有する筐体1202を含み得る。頂板1204は、概して、再利用可能な筐体アセンブリ802の電気接点834に電気的に連結されるように構成される、1つ以上の電気接点1206を含み得る。電気接点1206は、電気接点パッド、バネ付勢電気接点部材、または同等物を含み得るが、それらに限定されない。加えて、頂板1204は、(例えば、
図35Cに示されるような)再利用可能な筐体アセンブリ802の基板818の開口部836、838と噛合するように構成され得る、整列タブ1208、1210を含み得る。整列タブ1208、1210および開口部836、838の協調は、バッテリ充電器1200の電気接点1206が、再利用可能な筐体アセンブリ802の電気接点834と電気的に連結し得るように、再利用可能な筐体アセンブリ802がバッテリ充電器1200と整列させられることを確実にし得る。
【0220】
図77および78も参照すると、バッテリ充電器1200は、再利用可能な筐体アセンブリ802に解放可能に係合するように構成され得る。例えば、使い捨て筐体アセンブリ804と同様に、バッテリ充電器1200は、1つ以上の係止タブ(例えば、
図76に示される係止タブ1212、1214)を含み得る。係止タブ(例えば、係止タブ1212、1214)は、係止リングアセンブリ806のタブ942、944、946、948によって係合され得る。そのようなものとして、再利用可能な筐体アセンブリ802は、
図77に示されるように、第1の解除位置の係止リング806を伴って、(整列タブ1208、1210を介して)バッテリ充電器1200と整列させられ得る。係止リング806は、
図78に示されるように、係止リング806のタブ942、944、946、948を、バッテリ充電器1200の係止タブ(例えば、係止タブ1212、1214)と解放可能に係合させるように、矢印1216の方向でバッテリ充電器1200に対して回転させられ得る。
【0221】
実施形態では、バッテリ充電器1200は、例えば、例示的実施形態において、隙間を提供して、再利用可能な筐体アセンブリ802のポンプおよび弁構成要素を収容し得る、陥凹領域1218を含み得る。
図79および80も参照すると、バッテリ充電器1200は、再利用可能な筐体アセンブリ802のバッテリ832を再充電するために、電気接点1206に(それにより、電気接点834を介して再利用可能な筐体アセンブリ802に)電流を提供し得る。いくつかの実施形態では、完全に係合された再利用可能な筐体を示す信号が提供されないときは、電流が電気接点1206に提供されなくてもよい。そのような実施形態によれば、短絡(例えば、電気接点1206に接触する異物に起因する)、および再利用可能な筐体アセンブリ802の損傷(例えば、電気接点1206と電気接点834との間の不適切な初期整列に起因する)と関連する、危険性が低減され得る。加えて、バッテリ充電器が再利用可能な筐体アセンブリ802を充電していないときに、バッテリ充電器1200は、不必要に電流を引き込まなくてもよい。
【0222】
依然として
図79および80を参照すると、バッテリ充電器1200は、下筐体部分1224と、頂板1204とを含み得る。プリント回路基板1222(例えば、電気接点1206を含み得る)は、頂板1204と下筐体部分1224との間に含まれる、空洞内に配置され得る。
【0223】
図81−89も参照すると、バッテリ充電器/ドッキングステーションの種々の実施形態が示されている。
図81および82は、再利用可能な筐体アセンブリ(例えば、再利用可能な筐体アセンブリ802)と噛合し、それを再充電するように構成される、陥凹1252を含む、卓上充電器1250を描写する。再利用可能な筐体アセンブリは、陥凹1252の中に静置してもよく、および/または、上記で論議されるのと同様に、陥凹1252の中に解放可能に係合され得る。加えて、卓上充電器1250は、遠隔制御アセンブリ(例えば、遠隔制御アセンブリ300)と噛合するように構成される、陥凹1254を含み得る。陥凹1254は、例えば、遠隔制御アセンブリが陥凹1254内に配置されると、遠隔制御アセンブリと連結するように構成され得る、USBプラグ1256を含み得る。USBプラグ1256は、遠隔制御アセンブリへ/からのデータ転送、ならびに遠隔制御アセンブリの充電を可能にし得る。卓上充電器1250はまた、USBポート1258(例えば、ミニUSBポートを含み得る)を含んでもよく、卓上充電器が(例えば、再利用可能な筐体アセンブリおよび/または遠隔制御アセンブリを充電するための)電力を受容することを可能にする。加えて/代替として、USBポート1258は、例えば、コンピュータ(図示せず)への接続によって、遠隔制御アセンブリおよび/または再利用可能な筐体アセンブリへ/からのデータ転送のために構成され得る。
【0224】
図83A−83Bを参照すると、以前の実施形態と同様に、卓上充電器1260は、再利用可能な筐体アセンブリ(例えば、再利用可能な筐体アセンブリ1264)と噛合するための陥凹1262を含み得る。卓上充電器はまた、遠隔制御アセンブリ(例えば、遠隔制御アセンブリ1268)を受容するように構成される、陥凹1266を含み得る。陥凹1262、1266のうちの1つ以上は、それぞれ、再利用可能な筐体アセンブリ1262および/または遠隔制御アセンブリ1268を充電する、および/または、そこへ/そこからデータを転送するように構成される、電気および/またはデータ接続を含み得る。
【0225】
図84A−84Bを参照すると、卓上充電器の別の実施形態が示されている。卓上充電器1260と同様に、卓上充電器1270は、それぞれ、再利用可能な筐体アセンブリ1272および遠隔制御アセンブリ1274と噛合するための陥凹(図示せず)を含み得る。示されるように、卓上充電器1270は、並列構成で再利用可能な筐体アセンブリ1272および遠隔制御アセンブリ1274を担持し得る。卓上充電器1270は、上記の種々の実施形態で説明されるように、再利用可能な筐体アセンブリ1272および/または遠隔制御アセンブリ1274を充電する、および/または、そこへ/そこからデータを転送するように構成される、種々の電気およびデータ接続を含み得る。
【0226】
図85A−85Dを参照すると、折り畳み可能な充電器1280は、再利用可能な筐体アセンブリ1284および遠隔制御アセンブリ1286を受容するための陥凹1282を含み得る。折り畳み可能な充電器1280は、上記の種々の実施形態で説明されるように、再利用可能な筐体アセンブリ1284および/または遠隔制御アセンブリ1286を充電する、および/または、そこへ/そこからデータを転送するように構成される、種々の電気およびデータ接続を含み得る。加えて、
図85B−85Dに示されるように、折り畳み可能な充電器1280は、枢動可能なカバー1288を含み得る。枢動可能なカバー1288は、再利用可能な筐体アセンブリ1284および遠隔制御アセンブリ1286が折り畳み可能な充電器1280にドッキングされ得る、開放位置(例えば、
図85Bに示されるような)と、陥凹1282が枢動可能なカバー1288によって覆われてもよい、閉鎖位置(例えば、
図85Dに示されるような)との間で、枢動するように構成され得る。閉鎖位置では、陥凹1282、ならびにその中に配置される任意の電気および/またはデータ接続が、損傷から保護され得る。
【0227】
図86を参照すると、壁充電器1290は、再利用可能な筐体アセンブリ1294を受容するように構成される、陥凹1292を含み得る。加えて、壁充電器1290は、遠隔制御アセンブリ1298を受容するように構成される、陥凹1296を含み得る。再利用可能な筐体アセンブリ1294および遠隔制御アセンブリ1298は、積層構成で位置付けられてもよく、例えば、それにより、比較的薄い外形を提供する。壁充電器1290の後部分は、壁充電器が電気レセプタクルに差し込まれることを可能にするように構成される、電気プラグを含み得る。そのようなものとして、壁充電器1290は、電気レセプタクルに差し込まれている間に、壁載置構成を達成し得る。加えて、電気レセプタクルに差し込まれている間に、壁充電器1290には、再利用可能な筐体アセンブリ1294および/または遠隔制御アセンブリ1298を充電するための電力が提供され得る。
【0228】
図87を参照すると、壁充電器1300は、遠隔制御アセンブリ1304を受容するように構成される、陥凹1302を含み得る。加えて、壁充電器は、再利用可能な筐体アセンブリ1306を受容するように構成される、陥凹(図示せず)を含み得る。壁充電器1300は、比較的薄い外形を提供し得る、逆並列構成で、遠隔制御アセンブリ1304および再利用可能な筐体アセンブリ1306を位置付けるように構成され得る。加えて、壁充電器1300は、電気レセプタクルに差し込まれるように構成される、電気プラグ1308を含み得る。電気プラグ1308は、電気プラグ1308が配備位置(例えば、図示されるような)と収納位置との間で枢動可能であり得る、収納可能構成を含み得る。配備位置では、電気プラグ1308は、電気レセプタクルに差し込まれるように配向され得る。収納位置では、電気プラグ1308は、損傷から、および/または他のアイテムを損傷することから電気プラグ1308を保護し得る、陥凹1310内に配置され得る。
【0229】
図88を参照すると、充電器1320は、再利用可能な筐体アセンブリ1324を受容するように構成される、陥凹1322を含み得る。充電器1320は、加えて、遠隔制御アセンブリ1326を受容するように構成される、陥凹(図示せず)を含み得る。充電器1320は、加えて、カバー1328を含み得る。カバー1328は、開放位置(図示せず)と閉鎖位置との間で枢動するように構成され得る。カバー1328が開放位置にあるとき、再利用可能な筐体アセンブリ1324および遠隔制御アセンブリ1326は、アクセス可能であり得る(例えば、ユーザが、再利用可能な筐体アセンブリ1324および/または遠隔制御アセンブリ1326を、充電器1320から除去する/充電器1320の中へ設置することを可能にする)。カバー1324が閉鎖位置にあるとき、カバー1328および充電器本体1330は、再利用可能な筐体アセンブリ1324および/または遠隔制御アセンブリ1326および/または陥凹1322を実質的に封入してもよく、陥凹は、遠隔制御アセンブリ1326を受容するように構成され、それにより、再利用可能な筐体アセンブリ1324、遠隔制御アセンブリ1326、および/または充電器1320と関連する任意の電気および/またはデータ接続に対する、損傷および/不正加工保護を提供する。
【0230】
図89A−89Bを参照すると、壁充電器1350は、遠隔制御アセンブリ1354を受容するように構成される、陥凹1352を含み得る。壁充電器1350はまた、再利用可能な筐体アセンブリ1358を受容するように構成される、陥凹1356を含み得る。壁充電器1350は、略並列構成で遠隔制御アセンブリ1354および再利用可能な筐体アセンブリ1358を位置付けるように構成されてもよく、それにより、比較的薄い外形を提供する。充電器1350は、加えて、例えば、電気レセプタクルに差し込まれるように構成され得る、電気プラグ1360を含み得る。電気プラグ1360は、電気プラグ1360が配備位置(例えば、図示されるような)と収納位置との間で枢動可能であり得る、収納可能構成を含み得る。配備位置では、電気プラグ1360は、電気レセプタクルに差し込まれるように配向され得る。収納位置では、電気プラグ1360は、損傷から、および/または他のアイテムを損傷することから電気プラグ1308を保護し得る、陥凹1362内に配置され得る。
【0231】
注入ポンプ療法は、容量および時間仕様を含み得る。分注タイミングとともに分注される流体の量は、注入ポンプ療法の2つの重要な要因であり得る。以下で詳細に論議されるように、本明細書で説明される注入ポンプ装置およびシステムは、分注された流体の量を測定するためのデバイス、システム、および方法とともに、流体を分注する方法を提供し得る。しかしながら、測定デバイスの較正および精度が重要である状況では、可能な限り早く測定デバイスの精度の低下を決定する利点があり得る。したがって、容量および送出のオフボード検証の利点がある。
【0232】
上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100は、注入ポンプアセンブリ100によって注入される流体の量を監視するように構成される、容量センサアセンブリ148を含み得る。さらに、上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100は、容量センサアセンブリ148によって生じる容量測定値が、フィードバックループを通して、ユーザに注入される注入可能な流体の量を制御するために使用され得るように、構成され得る。
【0233】
図90A−90Cも参照すると、容量センサアセンブリ148の1つの線図および2つの断面図が示されている。
図91A−91Iも参照すると、容量センサアセンブリ148(上筐体1400を含むことが示されている)の種々の等角図および線図が示されている。
図92A−92Iも参照すると、スピーカアセンブリ622、参照マイクロホン626、およびプリント回路基板アセンブリ830を露出した、容量センサアセンブリ148(上筐体1400が除去されている)の種々の等角図および線図が示されている。
図93A−93Iも参照すると、ポートアセンブリ624を露出した、容量センサアセンブリ148(プリント回路基板アセンブリ830が除去されている)の種々の等角図および線図が示されている。
図94A−94Fも参照すると、ポートアセンブリ624を露出した、容量センサアセンブリ148(プリント回路基板アセンブリ830が除去されている)の種々の等角図および線断面図が示されている。
図95も参照すると、上筐体1400、スピーカアセンブリ622、参照マイクロホン626、シールアセンブリ1404、下筐体1402、ポートアセンブリ624、バネダイヤフラム628、および保持リングアセンブリ1406を露出した、容量センサアセンブリ148の分解図が示されている。
【0234】
以下の論議は、容量センサアセンブリ148(
図96に簡略化形態で示される)の設計および動作に関する。以下の論議について、以下の名称が使用され得る。
【0235】
【表5】
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(容量センサアセンブリ148に対する式の導出:)
(音響容量のモデル化)
理想的な断熱気体の圧力および容量は、以下によって関係付けられ得る。
【0236】
【数1】
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ここで、Kは、システムの初期条件によって規定される定数である。
【0237】
式1は、平均の圧力Pおよび容量V、これらに加えて、わずかな時間依存性の擾乱p(t)、v(t)に関して以下のように記述され得る。
【0238】
【数2】
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この式を微分することにより、以下の式
【0239】
【数3】
[この文献は図面を表示できません]
が得られ、これは、以下の式
【0240】
【数4】
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に簡略化され得る。
【0241】
音圧レベルが大気圧よりもはるかに小さい場合、式は、以下の式
【0242】
【数5】
[この文献は図面を表示できません]
にさらに簡略化され得る。
【0243】
この仮定がどれほど有効であるか。それが、断熱関係式を使用して以下のように
【0244】
【数6】
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示され得る。
【0246】
【数7】
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となる。
【0247】
非常に大きい音響信号(120dB)は、約20パスカルの振幅を有する圧力正弦波に対応し得る。大気条件(γ=1.4、P=101325Pa)における空気を仮定すると、結果として生じる誤差は0.03%である。dBからPaへの変換は、
【0248】
【数8】
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である。
【0249】
理想気体の法則P=ρRTを適用し、圧力に代入することによって以下の式
【0250】
【数9】
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が得られる。
【0252】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて、
【0253】
【数10】
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と記述され得る。
【0254】
容量に対する音響インピーダンスは、以下のように
【0255】
【数11】
[この文献は図面を表示できません]
規定され得る。
【0256】
(音響ポートのモデル化)
音響ポートは、剛性シリンダが軸方向に往復運動するとき、ポートの中の流体の全てが本質的に移動することを仮定してモデル化され得る。チャネルの中の流体の全てが同じ速度で移動すると仮定され、チャネルが一定の断面であると仮定され、流体がチャネルに進入し、流出するに起因する「末端効果」が無視される。
【0258】
【化2】
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の層流摩擦を仮定する場合、チャネルの中の流体の質量に作用する摩擦力は、以下の
【0259】
【数12】
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ように記述され得る。
【0260】
次いで、チャネルの中の流体の動力学について、二階微分方程式が、以下の
【0261】
【数13】
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ように記述され得、または、容量流量率に関しては、以下の
【0262】
【数14】
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ようである。
【0263】
次いで、チャネルの音響インピーダンスは、以下の
【0264】
【数15】
[この文献は図面を表示できません]
ように記述され得る。
【0265】
(システム伝達関数)
上記で規定される容量およびポート動態を使用して、容量センサアセンブリ148は、以下の連立式
【0266】
【数16】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
【数18】
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によって表され得る(k=スピーカ、r=共振器)。
【0269】
【化3】
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に代入される入力として扱われるならば、1つの式が消去されて
【0270】
【数20】
[この文献は図面を表示できません]
となり得る。
【0271】
(システム間伝達関数)
スピーカ音量と可変容量との間の関係は、システム間伝達関数と呼ばれ得る。この伝達関数は、上記の式から導出されて、
【0272】
【数23】
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となり得る。
【0273】
図97も参照すると、式23のボード線図が示されている。
【0274】
この関係の難点は、複素極が可変容量V
2と参照容量V
1とに依存することである。スピーカの平均位置の変化は、推定容量の誤差をもたらす場合がある。
【0275】
(ポート間伝達関数)
音響ポートの両側の2つの容量の間の関係は、ポート間伝達関数と呼ばれ得る。この関係は、
【0276】
【数25】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
図98にグラフで示されている。
【0277】
この関係には、極が可変容量のみに依存し、参照容量に依存しないという利点がある。しかしながら、共振ピークが、実際は、参照容量圧力に応じた零点の反転に起因するという難点がある。したがって、参照チャンバの中の圧力測定値は、共振の付近で低い振幅を有し、潜在的に測定値の雑音を増加させる。
【0278】
(スピーカ間伝達関数)
圧力は、スピーカの両側からも測定され得る。これは、以下に示すスピーカ間伝達関数と呼ばれ、
【0279】
【数26】
[この文献は図面を表示できません]
図99にグラフで示されている。
【0280】
この伝達関数には、一組の複素極に加えて、一組の複素零点がある。
【0282】
【化4】
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および
【0283】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0284】
(共振Qファクターおよびピーク応答)
共振の質は、共振周波数によって増加させられる電力損失に対する、貯蔵されるエネルギーの比である。純2次系について、Qファクターは、減衰比の関数として表され得る。
【0285】
【数27】
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低周波共振に対するピーク応答の比もまた、減衰比の関数
【0286】
【数28】
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として記述され得る。
【0288】
【数29】
[この文献は図面を表示できません]
において生じ得る。
【0289】
(容量推定)
(ポート間位相を使用する容量推定)
可変容量(すなわち、容量センサチャンバ620内)もまた、ポート間位相を使用して推定され得る。共振ポートにわたる圧力比の伝達関数は、
【0290】
【数30】
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であり得る。
【0291】
90°の位相点においてω=ω
nであり
、ここで、
【0292】
【化6】
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である。
【0293】
共振周波数は、いくつかの方法を使用して、物理システムにおいて求められ得る。90°の位相点を求めるために、位相ロックループが採用されてもよく、この周波数は、システムの固有周波数に対応し得る。代替として、共振周波数は、任意の2つの周波数における位相を使用して計算され得る。
【0294】
所与の周波数における位相φは、以下の関係式
【0295】
【数31】
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を満たす。
【0297】
【数32】
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で与えられる。
【0298】
したがって、2つの異なる周波数ω
1およびω
2における位相の比を使用して、システムの固有周期
【0299】
【数33】
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を計算することができる。
【0300】
計算効率のために、実際に位相が計算される必要はない。応答の実数部と虚数部との(tanφ)があれば十分である。
【0301】
可変容量に関して式33を書き直すと、以下の式
【0302】
【数34】
[この文献は図面を表示できません]
が得られる。
【0303】
(掃引正弦波を使用する容量推定)
システムの共振周波数は、掃引正弦波システム同定を使用して推定され得る。この方法では、正弦波圧力変動へのシステムの応答が、多数の異なる周波数において求められ得る。次いで、この周波数応答データは、線形回帰を使用してシステム伝達関数を推定するために、使用され得る。
【0304】
システムの伝達関数は、sの有理関数として表され得る。一般的な場合を、n次の分子およびm次の分母を有する伝達関数について以下のように表される。NおよびDは、それぞれ、分子および分母の係数である。式は、分母の首位係数が1であるように、
【0305】
【数35】
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上記のように正規化されている。
【0307】
【数37】
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と書き直され得る。
【0309】
【数38】
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が得られ、ここで、kは、掃引正弦波において収集されるデータ点の数である。表記を簡略化するために、この式は、ベクトルを使用して要約され得、
【0310】
【数39】
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ここで、yはk×1であり、xはk×(m+n−1)であり、cは(m+n−1)×1である。次いで、係数は、最小二乗法を使用して求められ得る。誤差関数は、
【0311】
【数40】
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と記述され得る。
【0312】
最小化されるべき関数は、誤差関数の加重二乗であり、Wはk×kの対角行列である。
【0313】
【数41】
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中央の2つの項がスカラーであるので、転置は無視されて
【0314】
【数43】
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を得る。
【0315】
これらの場合の全てにおいて、複素転置を使用することが必要であり得る。この手法は、複素係数をもたらし得るが、処置は、全ての係数が実在することを確実にするように修正され得る。最小二乗最小化は、誤差関数が以下の式
【0316】
【数46】
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に変更される場合に、実係数のみを生じるように修正され得る。
【0318】
【数47】
[この文献は図面を表示できません]
によって求められ得る。
【0320】
【数48】
[この文献は図面を表示できません]
に示されるような、0次の分子および2次の分母を有するシステムを対象にする。
【0322】
【数49】
[この文献は図面を表示できません]
ここで:
【0323】
【数50】
[この文献は図面を表示できません]
のように、以前のセクションで求められた式に基づいて求められ得る。
【0324】
アルゴリズムを簡略化するために、項のうちのいくつかを組み合わせると
【0325】
【数51】
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になる。
【0326】
複素応答ベクトルGおよび固有周波数s=jωに関してDの式を求めるために、Xは、その実数部および虚数部
【0327】
【数54】
[この文献は図面を表示できません]
に分けられてもよい。
【0328】
次いで、Dの式の実数部および虚数部は、
【0329】
【数55】
[この文献は図面を表示できません]
となり得る。
【0330】
これらの項を組み合わせることにより、実数値のみを含有し得るD行列の最終式
【0331】
【数57】
[この文献は図面を表示できません]
が得られる。
【0332】
Gおよびωに関してbベクトルの式を求めるために、同じ手法が取られ得る。yの実数部および虚数部は、
【0333】
【数58】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0334】
実数部と虚数部とを組み合わせることにより、
【0335】
【数59】
[この文献は図面を表示できません]
のようなbベクトルの式が得られる。
【0336】
次のステップは、D行列を反転させることである。行列は対称かつ正定値であるので、逆を求めるために必要な計算の数は、一般的な3×3の場合から削減される。逆行列の一般式は、
【0337】
【数60】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0339】
【数61】
[この文献は図面を表示できません]
と表されるならば、随伴行列が
【0340】
【数62】
[この文献は図面を表示できません]
と記述され得る。
【0341】
対称性により、上位対角行列のみが計算される必要があり得る。
【0342】
次いで、元の配列の中の零元を利用して、
【0343】
【数63】
[この文献は図面を表示できません]
のように随伴行列に関して行列式が計算され得る。
【0345】
【数64】
[この文献は図面を表示できません]
と記述され得る。
【0347】
【数65】
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を解くと、
【0348】
【数66】
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となる。
【0349】
最終ステップは、データがどれだけよくモデルに適合するかという定量的評価を得ることである。したがって、誤差の元の式は、
【0350】
【数67】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0351】
これは、D行列、ならびにbおよびcベクトルに関して、
【0352】
【数68】
[この文献は図面を表示できません]
と表され得る。
【0353】
モデル適合誤差は、センサ故障を検出するために利用され得る。
【0355】
【数71】
[この文献は図面を表示できません]
この式は、以下のように書き直され得る。
【0356】
【数73】
[この文献は図面を表示できません]
この総和を行列表記にすることによって、
【0357】
【数74】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【0359】
【数75】
[この文献は図面を表示できません]
で示されるような、0次の分子および2次の分母を有するシステムを考える。
【0360】
この伝達関数の係数は、以前のセクションで求められた式
【0361】
【数76】
[この文献は図面を表示できません]
に基づいて求められ得る。
【0363】
【数78】
[この文献は図面を表示できません]
のように、いくつかの項が組み合わされ得る。
【0364】
複素応答ベクトルGおよび固有周波数s=jωに関してDの式を求めるために、Xは、
【0365】
【数81】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
【数82】
[この文献は図面を表示できません]
のように、その実数部と虚数部とに分けられ得る。
【0367】
次いで、Dの式の実数部および虚数部は、
【0368】
【数83】
[この文献は図面を表示できません]
となり得る。
【0369】
これらの項を組み合わせることにより、実数値のみを含有し得るD行列の最終式
【0370】
【数85】
[この文献は図面を表示できません]
が得られる。
【0371】
Gおよびωに関してbベクトルの式を求めるために、同じ手法が取られ得る。yの実数部および虚数部は、
【0372】
【数86】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0373】
実数部と虚数部とを組み合わせることにより、
【0374】
【数87】
[この文献は図面を表示できません]
のように、bベクトルの式を得る。
【0375】
(音響容量感知の実装)
(周波数応答データの収集および複素応答の計算)
容量センサアセンブリ148を実装するために、容量センサアセンブリ148は、スピーカアセンブリ622によって設定される音波に対する参照マイクロホン626と不変容量マイクロホン630との相対応答を決定するべきである。これは、既知の周波数における正弦波出力でスピーカアセンブリ622を駆動することによって達成され得る。次いで、マイクロホン626、630の複素応答が、その駆動周波数において見出され得る。最終的に、マイクロホン626、630の相対応答が見出され、例えば、アナログ/デジタル変換器(すなわち、ADC)によって、交互サンプリングのために補正されてもよい。
【0376】
加えて、信号分散全体が計算され、離散フーリエ変換(すなわち、DFT)を使用して抽出される純音の分散と比較され得る。これは、信号電力のうちのどれだけ多くが雑音源またはひずみに由来するのかという尺度をもたらし得る。次いで、この値は、不良な測定値を拒絶し、反復するために使用されてもよい。
【0377】
(離散フーリエ変換の計算)
マイクロホンからの信号は、1つの波長につき固定数Nの点が取られるように、スピーカアセンブリ622への出力と同期してサンプリングされ得る。波長の各点における測定された信号は、整数の数Mの波長にわたって合計され、その周波数に対する全てのデータが収集された後に処理するために、ISRによって配列xに記憶され得る。
【0378】
DFTは、スピーカの駆動周波数に対応する整数値において、データに実行され得る。DFTの第1の高調波の一般式は、
【0379】
【数88】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0380】
積MNは、点の総数であり、2という係数が、解の結果として生じる実数部および虚数部が正弦波の振幅に一致するように、次のように
【0381】
【数89】
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付加され得る。
【0383】
【数90】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。
【0384】
DFTを計算するために必要な計算の数を削減するために、余弦関数の対称性を利用し得る。上記の式は、以下の式
【0385】
【数91】
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と同等であり得る。
【0387】
【数92】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、これは、以下のように
【0388】
【数93】
[この文献は図面を表示できません]
と表され得る。
【0390】
【数94】
[この文献は図面を表示できません]
と計算され得る。
【0391】
xの実数部および虚数部の最大可能値は、2
11であり得、これはAD範囲の半分に対応する。音分散の最大値は、AD範囲の二乗の半分、すなわち2
21であり得る。
【0392】
(信号分散の計算)
信号の擬分散は、以下の関係式
【0393】
【数95】
[この文献は図面を表示できません]
を使用して計算され得る。
【0394】
結果は、AD計数の二乗のユニットの中にあり得る。「平均」期間におけるN個のサンプルに対して分散が計算される前に、M個の期間にわたって信号が平均化されているので、これは「擬分散」にすぎなくあり得る。しかしながら、これは、「平均」信号が、予期された周波数において正弦波のように見えるかどうかを見出すための、有用な測定基準であり得る。これは、信号分散全体を離散フーリエ変換で見出される正弦波の分散と比較することによって行われてもよい。
【0396】
【化7】
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のオーダーであり得る。N<2
7=128およびM<2
6=64であれば、総和は、2
43未満となり、64ビットの整数に記憶され得る。分散の最大可能値は、ADCが振動した場合、各連続サンプルにおいて0から2
12までの間の値を生じ得る。これが
【0397】
【化8】
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のピーク分散をもたらし得るので、結果は、最大1/2
9分解能で符号付き32ビットの整数に記憶され得る。
【0398】
(相対マイクロホン応答の計算)
マイクロホン626、630の相対応答(G)は、
【0399】
【数96】
[この文献は図面を表示できません]
のように、個々のマイクロホンの複素応答から計算され得る。
【0400】
いずれかの式の分母は、以下のように、
【0401】
【数99】
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以前のセクションで計算された参照音分散に関して表され得る。
【0402】
(A/Dスキューの補正)
マイクロホン626、630からの信号は、同時にサンプリングされなくてもよい。つまり、A/D ISRが、マイクロホン626、630のそれぞれに対する波長につき合計N個のサンプルを得て、マイクロホン626、630を交代させる。結果は、π/Nという2つのマイクロホン626、630の間の位相オフセットであってもよい。この位相オフセットを補正するために、複素回転が、
【0403】
【数100】
[この文献は図面を表示できません]
のように、以前のセクションで計算された相対周波数応答に適用され得る。
【0404】
(参照モデル)
(2次および高次モデル)
容量センサチャンバ620のシール(例えば、シールアセンブリ1404)を通る漏出は、外部容量(例えば、外部容量1506、
図100)に接続される第2の共振ポート(例えば、ポート1504、
図100)としてモデル化され得る。
【0406】
【数101】
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であり得る、
これらの式を状態空間に代入することにより、
【0407】
【数106】
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が得られ、その周波数応答は、
図101に示されるボード線図のグラフで表され得、また、伝達関数の形式
【0408】
【数107】
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で記述され得る。
【0410】
【数108】
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が得られる。
【0411】
可変容量中のダイヤフラム材料の下の気泡は、漏出経路として同じ動的式に従う。この場合、ダイヤフラム材料は、漏出ポートよりもむしろ共振質量の役割を果たし得る。したがって、式は、以下の通りであってもよい。
【0412】
【数109】
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であり得、ここで、mは、ダイヤフラムの質量であり、Aは、共振することができるダイヤフラムの断面積であり、b
mは、力学的制動である。式106は、体積流量に関して
【0413】
【数110】
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と記述され得、ここで、気泡の体積はV
3である。気泡体積が音響容量よりも実質的に小さい、V
3<<V
2であるならば、伝達関数は、以下の式
【0414】
【数111】
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に簡略化され得る。
【0415】
(時間遅延を有する2次)
上記で導出された容量センサアセンブリ148の式は、圧力が音響容量中のいずれの場所においても同じであると仮定する。容量を通る音波の伝搬と関連する時間遅延があるので、これは近似式にすぎない。この状況は、マイクロホンとスピーカとの相対位置に基づく時間遅延または時間前進のように見える場合がある。
【0417】
【数112】
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のように、ラプラス領域で表され得、これは、一組の非線形式を生じさせる。しかしながら、以下のような時間遅延の1次パデ近似式
【0418】
【数113】
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が使用されてもよく、これは、
図102のグラフで示される。
【0419】
(3チャンバ容量推定)
容量センサアセンブリ148はまた、別個の共振ポート(例えば、ポート1510、
図103)に接続されている第3の参照容量(例えば、参照容量1508、
図103)を使用して構成され得る。この構成は、温度非依存性容量推定を可能にし得る。
【0421】
【数114】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。
【0422】
これらの式を使用し、共振ポートのそれぞれにわたって伝達関数の値を求めることによって、以下の式
【0423】
【数119】
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ここで、
【0424】
【数120】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、
【0425】
【数122】
[この文献は図面を表示できません]
が得られる。
【0426】
容量センサチャンバ620の容量は、以下のように、
【0427】
【数123】
[この文献は図面を表示できません]
2つの共振ポートの固有周波数の比を使用して推定されてもよい。
【0428】
式120は、容量センサチャンバ620の容量が参照容量1508に比例し得ることを図示する。(理想モデルにおける)これらの2つの容量の比は、共振ポート(例えば、ポート1510、
図103)の形状のみに依存し得、温度には依存しない。
【0429】
(指数容量モデル)
流動抵抗を通って出る流動が、以下の形式
【0430】
【数124】
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を有すると仮定する。
【0431】
ポンプチャンバからの固定入力流量を仮定すると、容量センサチャンバ620の容量は、以下の微分方程式
【0432】
【数125】
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に基づく。
【0433】
これは、零点初期容量を仮定する、以下の解
【0434】
【数126】
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が得られる。
【0436】
【数127】
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のように流れる。
【0438】
【数128】
[この文献は図面を表示できません]
のように記述され得る。
【0439】
(デバイス較正)
モデル適合は、ポートの共振周波数が正弦波掃引データから抽出されることを可能にする。次のステップは、この値を送達容量に関連付けることである。共振周波数と送達容量との間の理想的な関係は、
【0440】
【数129】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0441】
音速は温度とともに変動するので、温度効果
【0442】
【数130】
[この文献は図面を表示できません]
を分離することが有用であり得る。
【0443】
次いで、容量は、測定された共振周波数および温度の関数として
【0444】
【数131】
[この文献は図面を表示できません]
のように表され得、ここで、cは、較正定数
【0445】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0446】
(実装の詳細)
(末端効果)
ポート(例えば、ポートアセンブリ624)の中で共振する空気は、各振動の端部において、音響容量の中まで延在し得る。空気が延在する距離は、基本容量センサアセンブリ式に基づいて推定され得る。所与の音響容量について、空気が容量の中へ延在する距離は、圧力およびポート断面積の関数として、
【0447】
【数132】
[この文献は図面を表示できません]
と表され得る。
【0449】
【数133】
[この文献は図面を表示できません]
したがって、空気は、音響チャンバの中に約1.9mm延在する。
【0450】
(V2(すなわち、可変容量)に対するV1(すなわち、固定容量)のサイズ決定)
V
1(例えば、固定容量1500)のサイズ決定は、伝達関数における極と零点との相対位置と音響容量とのトレードオフを必要とし得る。V
1およびV
2(例えば、可変容量1502)の両方の伝達関数は、スピーカアセンブリ622の容量変位に対して、
【0451】
【数138】
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のように示される。
【0452】
V
1が増加させられると、利得が減少し得、同じ音圧レベルを得るためにスピーカがより高い振幅で駆動され得る。しかしながら、V
1を増加させることには、複素極に向かってp
1伝達関数における複素零点を移動させる便益があり得る。V1→∞、α→1である極限の場合において、極−零点相殺および平坦応答がある。したがって、V
1を増加させることは、p
1伝達関数における共振およびノッチの両方を低減させること、およびω
nに向かってp
2極を移動させることの便益があり得、p
2/p
1伝達関数を計算するときの測定誤差に対する低い感受性をもたらす。
【0454】
【数141】
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のグラフ表示である。
【0456】
【数142】
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のグラフ表示である。
【0457】
(エイリアシング)
比較的高い周波数は、関心の周波数まで下方にエイリアシングし得、エイリアシングされた周波数は、
【0458】
【数143】
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以下のように表され得、ここで、f
sはサンプリング周波数であり、f
nは雑音源の周波数であり、nは正の整数であり、fは雑音源のエイリアシングされた周波数である。
【0459】
復調ルーチンは、復調の特定の周波数を除いて、効果的に雑音を除去し得る。サンプル周波数が復調周波数の固定倍数となるように動的に設定される場合は、復調周波数まで下方にエイリアシングすることができる雑音の周波数が、その基本周波数の固定された一組の高調波であり得る。
【0460】
例えば、サンプリング周波数が復調周波数の8倍である場合は、その周波数まで下方にエイリアシングすることができる雑音周波数は、
【0461】
【数144】
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であり、ここで、
【0462】
【化10】
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である。β=16の場合、以下の級数
【0463】
【数145】
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が生じる。
【0464】
(性能)
(温度に対する感受性)
温度に対する感受性は、利得変化および雑音変化に分けられ得る。温度がdTの因数だけ外れた場合、結果として生じる利得誤差は、以下の式
【0465】
【数147】
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になり得る。
【0466】
したがって、同じ温度が両方の正弦波掃引に使用される場合、温度測定の誤差
【0467】
【数148】
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は、システムに対する利得変化のように見える場合がある。
【0468】
したがって、1°Kの温度誤差に対して、結果として生じる容量誤差は、298°Kにおいて0.3%であり得る。この誤差は、温度センサの誤差、および、センサ温度と容量センサアセンブリ148内の空気の温度との間の差の両方を含み得る。
【0469】
しかしながら、測定は、温度測定の雑音の影響をより受けやすい場合がある。微分正弦波掃引中の温度変化は、利得変化よりもむしろオフセットのように見える誤差
【0470】
【数149】
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をもたらす場合がある。
【0471】
したがって、2回の測定正弦波掃引中に測定値が0.1Kだけ変動する場合、差異は、0.012μLであり得る。したがって、(
図107に示されるように)各正弦波掃引に対して別個の温度測定を行うよりもむしろ、各送達に対して一貫した温度推定値を使用するほうが有効であり得る。
【0472】
LM73温度センサは、+/−1℃の公表精度および0.03Cの分解能を有し得る。さらに、LM73温度センサは、(
図108に示されるように)水平になるために約5回の正弦波掃引を要する、約0.3℃の始動過渡状態を一貫して有するように思われる。
【0473】
上記の注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500)は、注入可能な流体の離散的な送達を提供するので、上記の注入ポンプアセンブリは、(
図109に示される方式で)離散領域において全体的にモデル化されてもよく、これは以下の式
【0474】
【数150】
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に要約され得る。
【0476】
【数151】
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に従って機能し得る。
【0477】
上記で説明されるAVSシステムは、固定容量1500および可変容量1502における音響応答をスピーカ駆動入力と比較し、可変容量1502の容量を抽出することによって機能する。このようにして、これらの別個の容量のそれぞれと接触しているマイクロホン(例えば、マイクロホン626、630)がある。使い捨て筐体アセンブリ114の有無を検出するために、より全体的な方式で、可変容量マイクロホン630の応答も使用され得る。具体的には、使い捨て筐体アセンブリ114が可変容量1502に取り付けられていない(すなわち、近接して位置付けられていない)場合、スピーカ駆動入力に対する音響応答が、実質的に全く感知されないはずである。しかしながら、固定容量1500の応答は、依然としてスピーカ入力に関係したままとなるはずである。したがって、単純に、両方のマイクロホンが音響応答を示すことを確実にすることによって、使い捨て筐体アセンブリ114が取り付けられているかどうかを決定するために、マイクロホンデータが使用され得る。マイクロホン626(すなわち、固定容量1500に近接して位置付けられたマイクロホン)が音響応答を示し、マイクロホン630(すなわち、可変容量1502に近接して位置付けられたマイクロホン)が音響応答を示さない場合は、使い捨て筐体アセンブリ114が再使用可能筐体アセンブリ102に取り付けられていないことが合理的に断定され得る。可変容量マイクロホン630の故障は、使い捨て筐体アセンブリ114が取り付けられていないときに予期されるマイクロホン応答とほぼ区別ができない中域領域の測定値をもたらす場合があるので、可変容量マイクロホン630の故障は、取り付けられていない使い捨て筐体アセンブリ114も示すと考えら得ることに留意されたい。
【0479】
【表6】
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に記載の名称が使用され得る。
【0480】
各周波数応答計算において採用される復調ルーチンの一部として、固定容量マイクロホン626および可変容量マイクロホン630の両方の最小および最大測定値が計算され得る。これらの最大値および最小値の合計は、以下のように、マイクロホン626およびマイクロホン630の両方について、(上記で論議されたような)正弦波掃引全体にわたって、
【0481】
【数152】
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のように計算され得、これら2つの総和の間の差は、
【0482】
【数154】
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のように簡略化され得る。
【0483】
δは、正弦波掃引の平均の最小/最大の差(これは次いで、閾値と比較される)を得るために、正弦波掃引の数で割られ得、閾値は、計算効率のために、同等にNを掛けられ得る。したがって、基本的な利用可能な検出アルゴリズムは、
【0484】
【数155】
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のように規定され得る。
【0485】
最大/最小の差が閾値よりも大きいという付加的な条件は、故障したスピーカが、受信された音響応答の原因ではないことを確実にするように行われるチェックである。このアルゴリズムは、任意の正弦波掃引について反復されてもよく、したがって、例えば、多くても2回の連続掃引内において、使い捨て筐体アセンブリ114の脱離が感知される(すなわち、進行中の正弦波掃引の後半に使い捨て筐体アセンブリ114が除去される最悪の場合のシナリオにおいて)ことを可能にする。
【0486】
上記のアルゴリズムに対する閾値化は、完全に数値的証拠に基づいてもよい。例えば、一般的な最小/最大の応答差の調査は、いずれの個々の差も、500のADC計数未満ではないことを示し得る。したがって、使い捨て筐体アセンブリ114が再利用可能な筐体アセンブリ102から脱離されている間に調査される全てのデータは、十分に500のADC計数未満であるものとして、全ての最小/最大の応答差を示し得る。したがって、δの閾値は、T=500に設定され得る。
【0487】
容量センサアセンブリ148は、注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100)内で利用されるものとして上記で説明されているが、他の構成が可能であり、本開示の範囲内であると見なされるので、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。例えば、容量センサアセンブリ148は、例えば、一緒に混合された化学物質の分量を制御するために、プロセス制御環境において使用され得る。代替として、容量センサアセンブリ148は、例えば、一緒に混合された原料の分量を制御するために、飲料分注システムにおいて使用され得る。
【0488】
容量センサアセンブリ148は、共振器としてポート(例えば、ポートアセンブリ624)を利用するものとして上記で説明されているが、他の構成が可能であり、本開示の範囲内であると見なされるので、これは例示目的にすぎない。例えば、固体塊(図示せず)が、ポートアセンブリ624内に浮遊させられて、容量センサアセンブリ148に対する共振器として機能し得る。具体的には、共振器用の塊(図示せず)は、ポートアセンブリ624を横断するダイヤフラム(図示せず)上に浮遊させられ得る。代替として、ダイヤフラム自体(図示せず)が、共振器用の塊の役割を果たし得る。容量センサアセンブリ148の固有周波数は、可変容量1502の容量の関数であり得る。したがって、容量センサアセンブリ148の固有周波数を測定することができれば、可変容量1502の容量が計算され得る。
【0489】
容量センサアセンブリ148の固有周波数は、多数の異なる方法によって測定され得る。例えば、時間変動する力が、ダイヤフラム(図示せず)に印加されてもよく、力とダイヤフラム(図示せず)の運動との間の関係が、容量センサアセンブリ148の固有周波数を推定するために使用され得る。代替として、塊(図示せず)が摂動を受け、次いで、振動させられ得る。次いで、塊(図示せず)の非強制的運動が、容量センサアセンブリ148の固有周波数を計算するために使用され得る。
【0490】
共振塊(図示せず)に印加される力は、種々の方法で達成されてもよく、その例は、以下の
・スピーカアセンブリ622が、固定容量1500内で時間変動圧力を生成し得る。
・共振塊(図示せず)が、時間変動電圧/電流に反応する圧電材料であり得る。
・共振塊(図示せず)が、時間変動電圧/電流に反応する音声コイルであり得る。
を含み得るが、それらに限定されない。
【0491】
共振塊に印加される力は、種々の方法で測定されてもよく、その例は、以下
・固定容量中の圧力を測定する。
・共振塊(図示せず)が、圧電材料であり得る。
・ひずみゲージが、ダイヤフラム(図示せず)、または共振塊(図示せず)を支持する他の構造部材に接続され得る。
を含み得るが、それらに限定されない。
【0492】
同様に、共振塊(図示せず)の変位は、可変容量中の圧力を測定することによって推定されるか、または種々の方法で直接測定されてもよく、その例は、以下
・圧電センサを介する。
・容量センサを介する。
・光学センサを介する。
・ホール効果センサを介する。
・電位差計(時間変動インピーダンス)センサを介する。
・誘導型センサを介する。
・線形可変差動変圧器(LVDT)を介する。
を含み得るが、それらに限定されない。
【0493】
さらに、共振塊(図示せず)は、力型センサまたは変位型センサのいずれか一方と一体であり得る(すなわち、共振塊(図示せず)は、圧電材料でできていてもよい)。
【0494】
力の印加および変位の測定は、単一デバイスによって達成され得る。例えば、圧電材料が共振塊(図示せず)に使用されてもよく、時間変動する力を生成するように、時間変動する電圧/電流が圧電材料に印加され得る。圧電材料に印加される、結果として生じる電圧/電流が測定され得、2つの間の伝達関数が、容量センサアセンブリ148の固有周波数を推定するために使用され得る。
【0495】
上記で論議されたように、容量センサアセンブリ148の共振周波数は、掃引正弦波系同定を使用して推定され得る。具体的には、上記のモデル適合は、ポートアセンブリの共振周波数が正弦波掃引データから抽出されることを可能にしてもよく、それは次いで、送達容量を決定するために使用され得る。共振周波数と送達容量との間の理想的な関係は、以下の
【0496】
【数156】
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のように表され得る。
【0497】
音速は温度によって変動するので、温度効果を
【0498】
【数157】
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のように分離することが有用であり得る。
【0499】
次いで、容量は、測定された共振周波数および温度の関数として以下の
【0500】
【数158】
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のように表され得、式中、cは較正定数
【0501】
【化11】
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である。
【0502】
次いで、注入ポンプアセンブリ100は、この計算された容量V
2(すなわち、ユーザに送達された注入可能な流体の実際の容量を表す)を、標的容量(すなわち、ユーザに送達されるべきであった流体の分量を表す)と比較し得る。例えば、注入ポンプアセンブリ100は、30分毎に、ユーザに注入可能な流体の0.100単位の基本用量を送達するものであったと仮定する。さらに、そのような送達を達成すると、容量センサアセンブリ148が、0.095単位の注入可能な流体の計算された容量V
2(すなわち、ユーザに送達された注入可能な流体の実際の容量を表す)を示すと仮定する。
【0503】
容量V
2を計算するときに、注入ポンプアセンブリ100は、最初に、注入可能な流体の用量の投与前の容量センサチャンバ620内の流体の容量を決定してもよく、後に、注入可能な流体の用量の投与後の容量センサチャンバ620内の流体の容量を決定してもよく、これら2つの測定値の差は、V
2(すなわち、ユーザに送達された注入可能な流体の実際の容量)を示す。したがって、V
2は、示差測定値である。
【0504】
V2は、可変容量チャンバの中のダイヤフラムにわたる全空隙であり得る。患者への実際の流体送達は、チャンバが満杯であったときから、測定弁が開放されてチャンバが空にされる後までの、V2の差であり得る。V2は、直接的に送達容量でなくてもよい。例えば、空気容量が測定されてもよく、一連の示差測定値が取られ得る。閉塞については、空の測定値が取られてもよく、チャンバが充填されて満杯の測定値がとられてもよく、次いで、出口弁が開いた後に全体の測定値が得られ得る。したがって、第1の測定値と第2の測定値との間の差は、送出される量であり得、第2の測定値と第3の測定値との間の差は、患者に送達された量である。
【0505】
したがって、電気制御アセンブリ110は、送達された注入可能な流体が、求められたものよりも0.005単位少ないことを決定し得る。この決定に応じて、電気制御アセンブリ110は、任意の付加的な必要用量が送出され得るように、機械制御アセンブリ104に適切な信号を提供し得る。代替として、電気制御アセンブリ110は、付加的な用量が次の用量とともに分注され得るように、機械制御アセンブリ104に適切な信号を提供し得る。したがって、注入可能な流体の次の0.100単位用量の投与中に、標的と送達された量との間の差に基づいて、ポンプに対する出力コマンドが修正され得る。
【0506】
図110も参照すると、以前に投与された注入可能な流体の分量に少なくとも部分的に基づいて、現在注入されている注入可能な流体の分量を制御するための制御システムの1つの特定の実装が示されている。具体的には、上記の実施例を続けると、例示目的で、電気制御アセンブリ110が、ユーザへの注入可能な流体の0.100単位用量の送達を要求すると仮定する。したがって、電気制御アセンブリ110は、容量コントローラ1602に、標的の示差容量信号1600(形状記憶アクチュエータ112のサイクル毎に、注入可能な流体の0.010単位の部分的な基礎用量を同定する)を提供し得る。したがって、この特定の実施例では、形状記憶アクチュエータ112は、注入可能な流体の0.100単位の所望の基礎用量を達成するために、10回循環させられる必要があり得る(すなわち、10サイクル×0.010単位/サイクル=0.100単位)。次に、容量コントローラ1602は、SMA(すなわち、形状記憶アクチュエータ)コントローラ1608に「オンタイム」信号1606を提供し得る。また、バッテリ電圧信号1610もSMAコントローラ1608に提供される。
【0507】
具体的には、形状記憶アクチュエータ112は、形状記憶アクチュエータ112に印加される熱エネルギーの量(例えば、ジュール)を変動させることによって制御され得る。したがって、バッテリ606の電圧レベルが低減された場合、形状記憶アクチュエータ112に印加されるジュールの分量もまた、規定された期間にわたって低減され得る。逆に、バッテリ606の電圧レベルが増加させられた場合、形状記憶アクチュエータ112に印加されるジュールの分量もまた、規定された期間にわたって増加させられ得る。したがって、(バッテリ電圧信号1610を介して)バッテリ606の電圧レベルを監視することによって、バッテリ電圧レベルにかかわらず、適切な分量の熱エネルギーが形状記憶アクチュエータ112に印加されることを確実にするように、形状記憶アクチュエータ112に印加される信号のタイプが変動させられ得る。
【0508】
SMAコントローラ1608は、「オンタイム」信号1606およびバッテリ電圧信号1610を処理して、形状記憶アクチュエータ112に印加する適切なSMA駆動信号1612を決定し得る。SMA駆動信号1612の一例は、SMA駆動信号1612の振幅が形状記憶アクチュエータ112(したがって、ポンプアセンブリ106)のストローク長さを本質的に制御し、SMA駆動信号1612の負荷サイクルが形状記憶アクチュエータ112(したがって、ポンプアセンブリ106)のストローク率を本質的に制御する、一連のバイナリパルスであり得る。さらに、SMA駆動信号1612が示差容量(すなわち、形状記憶アクチュエータ112の各サイクル中に注入される容量)を示すため、SMA駆動信号1612は、形状記憶アクチュエータ112の複数のサイクル中に注入される注入可能な流体の総分量を示し得る、容量信号1616を生成するように、離散時間積算器1614によって積分され得る。例えば、(上記で論議されたように)0.100単位の注入可能な流体を注入するために、(1サイクルにつき0.010単位で)形状記憶アクチュエータ112の10サイクルを要し得るため、離散時間積算器1614は、これらの10サイクルにわたってSMA駆動信号1612を積分して、(容量信号1616によって表されるような)注入可能な流体の注入された総分量を決定し得る。
【0509】
SMA駆動信号1612は、例えば、1サイクルにわたって、ポンプアセンブリ106を作動させ、容量センサアセンブリ148内に含まれる容量センサチャンバ620の充填をもたらし得る。次いで、注入ポンプアセンブリ100は、(上記で論議されたように)容量センサチャンバ620内に含まれる流体の分量の第1の測定を行ってもよい。さらに、上記で論議されたように、測定弁アセンブリ610が後に通電され、容量センサチャンバ620内の流体の全てまたは一部分をユーザに送達させてもよい。次いで、注入ポンプアセンブリ100は、(上記で説明されたように)容量センサチャンバ620内に含まれる流体の分量の測定を行い、V
2(すなわち、形状記憶アクチュエータ112の現在のサイクル中にユーザに送達された注入可能な流体の実際の容量)を決定するために、これら2つの測定値を使用し得る。いったん決定されると、V
2(すなわち、信号1618によって表されるような)は、前に受容した標的示差容量との比較のために、容量コントローラ1602に提供(すなわち、フィードバック)され得る。
【0510】
示差標的容量が0.010単位の注入可能な流体であった上記の実施例を続けると、V
2(すなわち、信号1618によって表されるような)が、ユーザに送達されたものとして0.009単位の注入可能な流体を同定すると仮定する。したがって、注入ポンプアセンブリ100は、次の示差標的容量を0.011単位まで増加させて、前の0.001単位貯蔵を相殺し得る。したがって、上記で論議されたように、SMA駆動信号1612の振幅および/または負荷サイクルは、ユーザに注入可能な流体の次の基礎用量を送達するときに増加させられ得る。この過程は、(上記で論議されたように)形状記憶アクチュエータ112の残りの9サイクルにわたって反復されてもよく、離散時間積算器1614は、ユーザに送達された注入可能な流体の総分量を規定し得る、SMA駆動信号1612を(容量信号1616を生成するために)積分し得る。
【0511】
図111も参照すると、容量コントローラ1602の1つの可能な実施形態が示されている。この特定の実装では、容量コントローラ1602は、PI(比例積算器)コントローラ1650を含み得る。容量コントローラ1602は、「オンタイム」信号1606に関する初期「推測」を設定するためのフィードフォワードコントローラ1652を含み得る。例えば、標的示差容量信号1600が、形状記憶アクチュエータ112の1サイクルにつき注入可能な流体の0.010単位の部分基礎用量を同定する、上記で説明された状況について、フィードフォワードコントローラ1652は、例えば、1ミリ秒の初期「オンタイム」を規定し得る。フィードフォワードコントローラ1652は、例えば、標的示差容量信号1600に少なくとも部分的に基づく、初期「オンタイム」を規定する、参照テーブルを含み得る。容量コントローラ1602はさらに、標的示差容量信号1600を積分するための離散時間積算器1654と、V
2(すなわち、信号1618によって表されるような)を積分するための離散時間積算器1656とを含み得る。
【0512】
図112も参照すると、フィードフォワードコントローラ1652の1つの可能な実施形態が示されている。この特定の実装では、フィードフォワードコントローラ1652は、定値信号1658を規定してもよく、かつ増幅器1660(例えば、統一利得増幅器)を含んでもよく、その出力は、加算ノード1662において定値信号1658と合計され得る。結果として生じる合計信号(すなわち、信号1664)は、例えば、参照テーブル1666に、入力信号として提供されてもよく、それは、フィードフォワードコントローラ1652の出力信号を生成するように処理され得る。
【0513】
上記で論議されたように、ポンプアセンブリ106は、形状記憶アクチュエータ112によって制御され得る。さらに、上記で論議されたように、SMAコントローラ1608は、「オンタイム」信号1606およびバッテリ電圧信号1610を処理して、形状記憶アクチュエータ112に印加する適切なSMA駆動信号1612を決定し得る。
【0514】
図113−114も参照すると、SMAコントローラ1608の1つの特定の実装が示されている。上記で論議されたように、SMAコントローラ1608は、「オンタイム」信号1606およびバッテリ電圧信号1610に応答してもよく、形状記憶アクチュエータ112にSMA駆動信号1612を提供し得る。SMAコントローラ1608は、フィードバックループ(単位遅延1700を含む)を含んでもよく、その出力は、乗算器1702においてバッテリ電圧信号1610が乗じられ得る。乗算器1702の出力は、例えば、統一利得増幅器1704によって増幅され得る。増幅器1704の出力は、(「オンタイム」信号1606が印加される)加算ノード1706の負の入力に印加され得る。加算ノード1706の出力は、(例えば、統一利得増幅器1708を介して)増幅され得る。SMAコントローラはまた、(容量コントローラ1602のフィードフォワードコントローラ1652と同様に、
図112参照)SMA駆動信号1612の初期値を提供するように、フィードフォワードコントローラ1710を含み得る。フィードフォワードコントローラ1710の出力は、SMA駆動信号1612を形成するように、加算ノード1712において、増幅器1708の出力および増幅器1708の出力の積分表現(すなわち、信号1714)と合計され得る。
【0515】
SMA駆動信号1612は、形状記憶アクチュエータ112への力の印加を達成する制御回路に提供され得る。例えば、SMA駆動信号1612は、形状記憶アクチュエータに電流信号1718(バッテリ606から供給される)および/または固定信号1720を選択的に印加し得る、切替アセンブリ1716に印加され得る。例えば、SMA駆動信号1612は、SMA駆動信号1612によって規定される負荷サイクルを達成する方式で、切替アセンブリ1716を介したエネルギー(電流信号1718を介してバッテリ606から供給される)の印加を達成し得る。単位遅延1722は、バッテリ電圧信号1610(SMAコントローラ1608に印加され得る)を形成するように、形状記憶アクチュエータ112に印加される信号の遅延バージョンを生成し得る。
【0516】
形状記憶アクチュエータ112に電力を印加するとき、電圧は、固定時間量にわたって、a)未調節の電圧を伴う固定負荷サイクルにおいて、b)調節された電圧を伴う固定負荷サイクルにおいて、c)測定された電流値に基づく可変負荷サイクルにおいて、d)測定された電圧値に基づく可変負荷サイクルにおいて、およびe)測定された電圧値の二乗に基づく可変負荷サイクルにおいて、印加され得る。代替として、電圧は、測定されたインピーダンスに基づいて、可変時間量にわたって形状記憶アクチュエータ112に印加され得る。
【0517】
固定負荷サイクルにおいて固定時間量にわたって未調節の電圧を印加するとき、内側ループフィードバックが使用されてもよく、固定負荷サイクルにおいて、かつ外側容量ループによって決定されるオンタイムで、形状記憶アクチュエータが駆動され得る。
【0518】
固定負荷サイクルにおいて固定時間量にわたって調節された電圧を印加するとき、内側ループフィードバックが使用されなくてもよく、固定負荷サイクルにおいて、かつ外側容量ループによって決定されるオンタイムで、形状記憶アクチュエータ112が駆動され得る。
【0519】
測定された電流値に基づく可変定負荷サイクルにおいて、未調節の電圧を印加するとき、形状記憶アクチュエータ112に印加される実際の電流が測定されてもよく、正しい平均電流を維持するように、形状記憶アクチュエータ112の作動中に負荷サイクルが調整され得る。
【0520】
測定された電圧値に基づく可変定負荷サイクルにおいて、未調節の電圧を印加するとき、形状記憶アクチュエータ112に印加される実際の電圧が測定されてもよく、正しい平均電圧を維持するように、形状記憶アクチュエータ112の作動中に負荷サイクルが調整され得る。
【0521】
測定された電圧値の二乗に基づく可変定負荷サイクルにおいて、未調節の電圧を印加するとき、形状記憶アクチュエータ112に印加される実際の電圧が測定されてもよく、(形状記憶アクチュエータ112のインピーダンスに基づいて)形状記憶アクチュエータ112に所望レベルの電力を提供するために必要なレベルで、電圧の二乗を維持するように、形状記憶アクチュエータ112の作動中に負荷サイクルが調整され得る。
【0522】
図114A−114Bも参照すると、SMAコントローラ1608の他の実装が示されている。具体的には、
図114Aは、スイッチアセンブリを開閉し得るPWM信号を提供するように構成され得る、マイクロプロセッサおよび種々の制御ループを含み得る、電気回路図である。スイッチアセンブリは、形状記憶アクチュエータを通って流れることが可能になる電流を制御し得る。バッテリは、形状記憶アクチュエータに電流を提供し得る。さらに、114Bは、容量コントローラおよび内部形状記憶アクチュエータコントローラを開示する。形状記憶アクチュエータコントローラは、ポンプにPWM信号を提供してもよく、それはバッテリ電圧に基づいて修正され得る。これは、固定オンタイムに発生してもよく、結果として、容量が容量センサアセンブリ148によって測定され、容量コントローラにフィードバックされ得る。
【0523】
好ましい実施形態では、ほぼ一貫した電力を与えるように、測定されたバッテリ電圧に基づいて負荷サイクルを変動させる。負荷サイクルを調整して、より低いバッテリ電圧を補う。バッテリ電圧は、1)バッテリが放電されるにつれて、電圧がゆっくりと減少する、および2)バッテリに負荷を印加すると、内部インピーダンスがあるため、その電圧が徐々に低下する、といった2つの理由で変化し得る。これは、任意のシステムで発生するものであり、負荷サイクルを調整し、したがって、より低い、または変動するバッテリ電圧を軽減することによって、これを補う。バッテリ電圧は、マイクロプロセッサによって測定され得る。他のシステムでは、1)電圧が調節されてもよく(安定した電圧で電圧を維持するように調節器を入れる)、2)フィードバックが他のもの(すなわち、必ずしもバッテリ電圧を測定するわけではない、モータの速度または位置)に基づいてもよい。
【0524】
形状記憶アクチュエータを制御するために、他の構成が利用され得る。例えば、A)形状記憶アクチュエータは、未調節の電圧を伴う固定負荷サイクルにおいて制御され得る。電圧が変動するにつれて、形状記憶アクチュエータの加熱の再現性が低減される。B)バッテリ電圧の変化を補う、調節された電圧の固定負荷サイクルが利用され得る。しかしながら、電圧を下方に調節することは、エネルギーにより、あまり効率的ではない。C)負荷サイクルは、電流の変化に基づいて変動させられ得る(これは、より複雑な測定回路を必要とし得る)。D)負荷サイクルは、測定された電圧に基づいて変動させられ得る。E)負荷サイクルは、電流の二乗、または抵抗で割られた電圧の二乗に基づいて変動させられ得る。F)電圧は、測定されたインピーダンスに基づいて、可変時間量にわたって印加され得る(例えば、ホイートストンゲージ(図示せず)を使用して、インピーダンスを測定し得る)。形状記憶アクチュエータのインピーダンスは、ひずみと相関があり得る(すなわち、そのインピーダンスに基づいて、SMAがどれだけ移動するかを相関させてもよい)。
【0525】
図115を参照して、上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100の安全性を向上させるために、電気制御アセンブリ110は、2つの別個かつ個別のマイクロプロセッサ、すなわち、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802を含み得る。具体的には、コマンドプロセッサ1802は、上記で論議される機能(例えば、SMA駆動信号1612を生成する)を果たしてもよく、(この実施例では)形状記憶アクチュエータ112、632(それぞれ)の機能性を制御するリレー/スイッチアセンブリ1804、1806を制御し得る。コマンドプロセッサ1802は、形状記憶アクチュエータ112、632に印加される電圧信号の状態(例えば、電圧レベル)に関して、信号調整器1808からフィードバックを受信し得る。コマンドプロセッサ1800は、リレー/スイッチアセンブリ1804、1806とは無関係に、リレー/スイッチアセンブリ1810を制御し得る。したがって、注入事象が所望されるときに、注入事象が適正であることを、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802の両方が同意しなければならず、両方がそれぞれのリレー/スイッチを作動させなければならない。スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802のいずれか一方が、それぞれのリレー/スイッチを作動させられなかった場合は、注入事象が発生しない。したがって、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802、ならびに発生しなければならない協調および同時発生を通して、注入ポンプアセンブリ100の安全性が向上させられる。
【0526】
スーパーバイザプロセッサは、コマンドプロセッサが送達するべきではないときに送達することを防止してもよく、また、コマンドプロセッサが送達しているはずであるときに送達しなければ、警告し得る。スーパーバイザプロセッサは、コマンドプロセッサが間違ったスイッチを作動させた場合、またはコマンドプロセッサが過剰に長く電力を印加しようとした場合に、リレー/スイッチアセンブリを動作停止状態にし得る。
【0527】
スーパーバイザプロセッサは、どれだけ多くのインスリンが送達されるべきかについて、冗長的に計算を行ってもよい(すなわち、コマンドプロセッサの計算を二重にチェックする)。コマンドプロセッサは、送達スケジュールを決定してもよく、スーパーバイザプロセッサは、これらの計算を冗長的にチェックし得る。
【0528】
スーパーバイザはまた、RAMにプロファイル(送達プロファイル)を冗長的に保持し得るので、コマンドプロセッサが正しい計算を行っていてもよいが、不良なRAMがある場合は、コマンドに間違った結果を出させる。スーパーバイザは、例えば、二重にチェックするために、基礎プロファイルのローカルコピーを使用する。
【0529】
スーパーバイザは、AVS測定を二重にチェックすることができ、AVS計算を見て、安全性チェックを適用する。AVS測定値が取られるたびに、二重にチェックを行う。
【0530】
図116も参照すると、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802のうちの1つ以上は、注入ポンプアセンブリ100の種々の部分に診断を行ってもよい。例えば、分圧器1812、1814は、例えば、形状記憶アクチュエータ112の遠位端において感知される電圧(それぞれ、V1およびV2)を監視するように構成され得る。リレー/スイッチアセンブリ1804、1810に印加される信号を知った上で、電圧V1およびV2の値は、(例示的な診断表1816に示されるのと同様に)
図116に示される回路の種々の構成要素に診断が行われることを可能にする。
【0531】
上記で論議されたように、
図115−116に図示されるように、注入ポンプアセンブリ100の安全性を向上させるために、電気制御アセンブリ110は、複数のマイクロプロセッサ(例えば、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802)を含んでもよく、そのそれぞれは、注入可能な流体の用量の送達を達成するために、相互作用し、同時動作することが要求され得る。マイクロプロセッサが相互作用/同時動作できなかった場合は、注入可能な流体の用量の送達が失敗する場合があり、1つ以上のアラームが誘起されてもよく、したがって、注入ポンプアセンブリ100の安全性および信頼性を向上させる。
【0532】
容量誤差を経時的に追跡するマスタアラームが利用され得る。したがって、誤差の合計が大きくなりすぎれば、マスタアラームが起動され、システムに異常があるかもしれないことを示し得る。したがって、マスタアラームは、行われている総容量比較および留意されている相違を示し得る。マスタアラームを起動するために必要とされる相違の一般的な値は、1.00ミリリットルであり得る。マスタアラームは、漏洩様式で合計を監視し得る(すなわち、不正確性が時間の水平軸を有する)。
【0533】
図117A−117Bも参照すると、注入可能な流体の用量の送達中の、複数のマイクロプロセッサ間のそのような相互作用の1つのそのような例示的実施例が示されている。具体的には、コマンドプロセッサ1802は、最初に、容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の初期容量を決定し得る1900。次いで、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「ポンプ電力要求」メッセージを提供し得る1902。「ポンプ電力要求」メッセージを受信すると1904、スーパーバイザプロセッサ1800は、例えば、リレー/スイッチ1810に通電してもよく1906(したがって、形状記憶アクチュエータ112に通電する)、コマンドプロセッサ1802に「ポンプ電力オン」メッセージを送信し得る1908。「ポンプ電力オン」メッセージを受信すると1910、コマンドプロセッサ1802は、例えば、(リレー/スイッチ1804に通電することによって)ポンプアセンブリ106を作動させてもよく1912、その間に、スーパーバイザプロセッサ1800は、例えば、ポンプアセンブリ106の作動を監視し得る1914。
【0534】
いったんポンプアセンブリ106の作動が完了すると、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「ポンプ電力オフ」メッセージを提供し得る1914。「ポンプ電力オフ」メッセージを受信すると1916、スーパーバイザプロセッサ1800は、リレー/スイッチ1810の電源を切り1918、コマンドプロセッサ1802に「ポンプ電力オフ」メッセージを提供し得る1920。「ポンプ電力オフ」メッセージを受信すると1922、コマンドプロセッサ1802は、ポンプアセンブリ106によって送出された注入可能な流体の分量を測定し得る1924。これは、容量センサチャンバ620内の流体の現在の分量を測定し、それを上記で(ステップ1900で)決定された分量と比較することによって達成され得る。いったん決定されると1924、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「弁開放電力要求」メッセージを提供し得る1926。「弁開放電力要求」メッセージを受信すると1928、スーパーバイザプロセッサ1800は、リレー/スイッチ1810に通電してもよく1930(したがって、形状記憶アクチュエータ632に通電する)、コマンドプロセッサ1802に「弁開放電力オン」メッセージを送信し得る1932。「弁開放電力オン」メッセージを受信すると1934、コマンドプロセッサ1802は、例えば、(リレー/スイッチ1806に通電することによって)測定弁アセンブリ610を作動させてもよく1936、その間に、スーパーバイザプロセッサ1800は、例えば、測定弁アセンブリ610の作動を監視し得る1938。
【0535】
いったん測定弁アセンブリ610の作動が完了すると、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「弁電力オフ」メッセージを提供し得る1940。「弁電力オフ」メッセージを受信すると1942、スーパーバイザプロセッサ1800は、リレー/スイッチ1810の電源を切り1944、コマンドプロセッサ1802に「弁電力オフ」メッセージを提供し得る1946。
【0536】
「弁電力オフ」メッセージを受信すると1948、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「弁閉鎖電力要求」メッセージを提供し得る1950。「弁閉鎖電力要求」メッセージを受信すると1952、スーパーバイザプロセッサ1800は、リレー/スイッチ1810に通電してもよく1954(したがって、形状記憶アクチュエータ652に通電する)、コマンドプロセッサ1802に「電力オン」メッセージを送信し得る1956。「電力オン」メッセージを受信すると1958、コマンドプロセッサ1802は、形状記憶アクチュエータ652に通電するように構成される通電リレー/スイッチ(図示せず)を作動させてもよく1960、その間に、スーパーバイザプロセッサ1800は、例えば、形状記憶アクチュエータ652の作動を監視し得る1962。
【0537】
上記で論議されたように(および、
図26A、26B、27A、27B、および28を一時的に参照して)、形状記憶アクチュエータ652は、電気接点654を使用して第1端に固着され得る。形状記憶アクチュエータ652の他方の端は、ブラケットアセンブリ656に接続され得る。形状記憶アクチュエータ652が起動されると、形状記憶アクチュエータ652は、ブラケットアセンブリ656を前方に引き、弁アセンブリ634を解放し得る。そのようなものとして、測定弁アセンブリ610は、形状記憶アクチュエータ632を介して起動され得る。いったん測定弁アセンブリ610が起動されると、ブラケットアセンブリ656は、起動位置で弁アセンブリ610に手動でラッチを掛けてもよい。形状記憶アクチュエータ652を作動させることにより、ブラケットアセンブリ656を前方に引き、弁アセンブリ634を解放し得る。形状記憶アクチュエータ632がもはや起動されないと仮定していったんブラケットアセンブリ656が弁アセンブリ634を解放すると、測定弁アセンブリ610が動作停止状態になり得る。したがって、形状記憶アクチュエータ652を作動させることによって、測定弁アセンブリ610が動作停止状態になり得る。
【0538】
いったん形状記憶アクチュエータ652の作動が完了すると、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「電力オフ」メッセージを提供し得る1964。「電力オフ」メッセージを受信すると1966、スーパーバイザプロセッサ1800は、リレー/スイッチ1810の電源を切り1968、コマンドプロセッサ1802に「電力オフ」メッセージを提供し得る1970。「電力オフ」メッセージを受信すると1972、コマンドプロセッサ1802は、容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の分量を決定してもよく、したがって、コマンドプロセッサ1802は、この測定された分量を、上記で(ステップ1924で)決定された分量と比較して、ユーザに送達された注入可能な流体の分量を決定することを可能にする1974。
【0539】
ユーザに送達された注入可能な流体の分量1974は、基礎/ボーラス注入事象に対して指定される注入可能な流体の分量より少ない場合は、(ループ1976を介して)上記の手順が反復され得る。
【0540】
図118を参照すると、今回は、注入可能な流体の用量のスケジューリング中の、プロセッサ1800、1802間の相互作用の別の例示的実施例が示されている。コマンドプロセッサ1802は、(それぞれ)基礎スケジューリングメッセージまたはボーラス要求メッセージの受信について監視し得る2000、2002。これらのメッセージのうちのいずれか一方を受信すると2000、2002、コマンドプロセッサ1802は、所望の送達容量を設定してもよく2004、スーパーバイザプロセッサ1800に「送達要求」メッセージを提供し得る2006。「送達要求」メッセージを受信すると2008、スーパーバイザプロセッサ1800は、コマンドプロセッサ1802によって規定される容量2004を検証し得る2010。いったん検証されると2010、スーパーバイザプロセッサ1800は、コマンドプロセッサ1802に「送達容認」メッセージを提供し得る2012。「送達容認」メッセージを受信すると2014、コマンドプロセッサ1802は、コントローラ(例えば、上記で論議され、
図110に図示されるコントローラ)を更新し2016、注入可能な流体の基礎/ボーラス用量の送達を実行し得る2018。コマンドプロセッサ1808は、(上記で論議され、かつ
図117A−117Bに図示されるように)ユーザに送達された注入可能な流体の総分量を監視し、更新し得る2022。いったん適切な分量の注入可能な流体がユーザに送達されると、コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に「送達終了」メッセージを提供し得る2024。「送達終了」メッセージを受信すると2026、スーパーバイザプロセッサ1800は、ユーザに送達された注入可能な流体の総分量を更新し得る2028。ユーザに送達された注入可能な流体の総分量2018は、上記で(ステップ2004で)規定された分量より少ない場合は、(ループ2030を介して)上記で論議される注入過程が反復され得る。
【0541】
図119も参照すると、(上記で説明されたように)容量センサアセンブリ148を介した容量測定を達成しながら、スーパーバイザプロセッサ1800とコマンドプロセッサ1802とが相互作用し得る方式の実施例が示されている。
【0542】
具体的には、コマンドプロセッサ1802は、容量センサアセンブリ148を初期化し2050、容量センサアセンブリ148からデータを収集し始めてもよく2052、その過程は、上記の正弦波掃引において利用される各周波数について反復され得る。データが特定の掃引周波数について収集される度に、データ点メッセージがコマンドプロセッサ1802から提供されてもよく2054、それは、スーパーバイザプロセッサ1800によって受信され得る2056。
【0543】
いったん正弦波掃引全体についてデータ収集2052が完了すると、コマンドプロセッサ1802は、注入ポンプアセンブリ100によって送達される注入可能な流体の容量を推定し得る2058。コマンドプロセッサ1802は、スーパーバイザプロセッサ1800に容量推定メッセージを提供し得る2060。この容量推定メッセージを受信すると2062、スーパーバイザプロセッサ1800は、容量推定メッセージをチェック(すなわち、確認)し得る2064。いったんチェック(すなわち、確認)されると、スーパーバイザプロセッサ1800は、コマンドプロセッサ1802に検証メッセージを提供し得る2066。いったんスーパーバイザプロセッサ1800から受信されると2068、コマンドプロセッサ1802は、容量センサアセンブリ148によって送達された注入可能な流体の用量に対する測定状態を設定し得る。
【0544】
上記で論議されたように、かつ
図11)を一時的に参照すると、上記で論議される注入ポンプアセンブリ(例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500)の種々の実施形態は、遠隔制御アセンブリ300を介して構成され得る。遠隔制御アセンブリ300を介して構成可能であるとき、注入ポンプアセンブリは、注入ポンプアセンブリと、例えば、遠隔制御アセンブリ300との間の通信(例えば、有線または無線)を可能にするテレメトリ回路(図示せず)を含んでもよく、したがって、遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリを遠隔制御することを可能にする。遠隔制御アセンブリ300(同様にテレメトリ回路(図示せず)を含んでもよく、かつ注入ポンプアセンブリと通信することが可能であり得る)は、表示アセンブリ302と、入力アセンブリ304とを含み得る。入力アセンブリ304は、スライダアセンブリ306と、スイッチアセンブリ308、310とを含み得る。他の実施形態では、入力アセンブリは、ジョグホイール、複数のスイッチアセンブリ、または同等物を含み得る。遠隔制御アセンブリ300は、ユーザが基礎およびボーラス送達事象をプログラムすることを可能にし得る。
【0545】
遠隔制御アセンブリ300は、2つのプロセッサを含んでもよく、1つのプロセッサ(例えば、Chipcon AS(Oslo,Norway)から入手可能なCC2510マイクロコントローラ/RF送受信機を含み得るが、それに限定されない)は、例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500と通信するために、無線通信専用であり得る。遠隔制御アセンブリ内に含まれる第2のプロセッサ(Holdings PLC(United Kingdom)製造のARM920TおよびARM922Tを含み得るが、それらに限定されない)は、コマンドプロセッサであってもよく、例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500を構成するステップと関連するデータ処理タスクを行ってもよい。
【0546】
さらに、上記で論議されたように、電気制御アセンブリ816の一実施形態は、3つのマイクロプロセッサを含み得る。1つのプロセッサ(例えば、Chipcon AS(Oslo,Norway)から入手可能なCC2510マイクロコントローラ/RF送受信機を含み得るが、それに限定されない)は、例えば、遠隔制御アセンブリ300と通信するために、無線通信専用であり得る。2つの付加的なマイクロプロセッサ(例えば、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802)は、(上記で論議されたように)注入可能な流体の送達を達成し得る。スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802の例は、Texas Instruments Inc.(Dallas,Texas)から入手可能なMSP430マイクロコントローラを含み得るが、それに限定されない。
【0547】
OSは、優先度にかかわらず、次のタスクを実行することが可能になる前に、全てのタスクが完了するまで実行するという点で、非割り込み型スケジューリングシステムであり得る。加えて、コンテキスト切替えは行われてなくてもよい。タスクが実行を完了すると、実行が現在予定されている最高の優先度のタスクが、実行され得る。いずれのタスクも実行が予定されていなければ、OSがプロセッサ(例えば、スーパーバイザプロセッサ1800および/またはコマンドプロセッサ1802)を低電力休止モードにしてもよく、次のタスクが予定されると、起動し得る。OSは、主要ループコードを管理するためだけに使用されてもよく、割り込みに基づいた機能性を影響されない状態のままにし得る。
【0548】
OSは、C++言語を利用するように記述されてもよい。インヘリタンスならびに仮想関数は、タスクの容易な作成、スケジューリング、および管理を可能にする設計の重要な要素であり得る。
【0549】
OS基礎構造の根底には、システム時間を追跡する能力があってもよく、プロセッサを低電力モード(LPM、休止モードとしても知られている)にする能力を制御する。この機能性は、全てのシステムクロックの制御および構成とともに、SysClocksクラスによってカプセル化され得る。
【0550】
SysClocksクラスは、プロセッサ(例えば、スーパーバイザプロセッサ1800および/またはコマンドプロセッサ1802)をLPMにしてエネルギー消費を低減する機能性を含有し得る。LPMにある間、低速リアルタイムクロックが実行し続け得る一方で、CPUコアおよびほとんどの周辺機器を実行する高速システムクロックが無効にされ得る。
【0551】
プロセッサをLPMにすることは常に、提供されたSysClocks機能によって行われ得る。この機能は、LPMになるとき、またはLPMではなくなるときはいつでも、一貫性をもたらす全ての必要な電力低下および電力増加シーケンスを含有し得る。LPMからの復帰は、低速クロックに基づく割り込みによって開始され得る。
【0552】
OSは、秒数、ミリ秒数、および時刻といった3つの時間の局面を追跡し得る。秒数に関して、SysClocksは、プロセッサがリセットから脱するときから始めて、秒を計数し得る。秒数カウンタは、低速システムクロックに基づいてもよく、したがって、プロセッサがLPMであるか、または全電力であるかどうかにかかわらず、増分し得る。結果として、これが、プロセッサが休止から復帰して、以前に予定されたタスクを実行する境界である。タスクが、割り込み処理ルーチン(ISR)の直後に実行される予定であれば、ISRは、終了時にプロセッサをLPMから復帰させてもよく、タスクが即座に実行され得る。ミリ秒数に関して、電力オンになってからの秒数を計数することに加えて、SysClocksは、プロセッサが全電力モードである間にミリ秒数も計数し得る。高速クロックがLPM中に停止させられるので、ミリ秒カウンタは増分しなくてもよい。したがって、タスクがミリ秒数に基づいて実行される予定であるときはいつでも、プロセッサはLPMにならなくてもよい。時刻に関して、時刻は、特定の時点以来の秒数(例えば、2004年1月1日以来の秒数)として、SysClocks内に表され得る。
【0553】
SysClocksクラスは、コマンドおよびスーパーバイザプロジェクトコードベースの全体を通して使用される有用な機能性を提供し得る。コード遅延は、ハードウェアが定着すること、またはアクションが完了することを可能にするために必要であり得る。SysClocksは、秒数に基づく遅延、またはミリ秒数に基づく遅延といった2つの形式の遅延を提供し得る。遅延が使用されると、プロセッサは、現在のコード経路を続ける前に所望の時間が経過するまで、単純に待ってもよい。この時間の間、ISRのみが実行され得る。SysClocksは、必要な機能性の全てを提供して、現在の時刻を設定または回収し得る。
【0554】
「タスク」という言葉は、より複雑なスケジューリングシステムと関連付けられてもよく、したがって、OS内で、タスクは、マネージド関数(Managed Functions)によって表されてもよく、およびマネージド関数と呼ばれてもよい。ManagedFuncクラスは、所望の機能性を管理し、予定に入れるために必要な制御要素および機能性の全てを提供する抽象的ベースクラスであり得る。
【0555】
ManagedFuncベースクラスは、5つの制御要素を有してもよく、2つがスケジューリング操作要素関数であり、1つがマネージド機能性を含有し得る純粋仮想実行機能である。ManagedFunc制御要素の全ては、導出クラスから隠されてもよく、作成中に導出クラスによって直接設定されるだけであってもよく、したがって、使用を簡略化し、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の安全性を向上させる。
【0556】
関数IDは、作成時に設定されてもよく、決して変更されなくてもよい。全ての関数IDは、単一のファイル内で規定されてもよく、ベースManagedFuncコンストラクタは、同じIDが2つ以上のマネージド関数に使用されてはならないことを強力に履行し得る。IDはまた、割り当てられた関数IDに基づいて(他の関数に対する)関数の優先度を規定してもよく、より高い優先度の関数は、割り当てられたより低い関数IDである。実行が現在予定されている最高の優先度のタスクは、より低い優先度のタスクの前に実行され得る。
【0557】
全ての他の制御要素は、実行されるべきであるとき、および(実行時に)以前に設定された時間量で関数が再び予定に入れられるべきであれば、関数の現在の予定された状態を表すために使用され得る。これらの制御および状態の操作は、周知のメンバー関数のみを通してであるが、可能になってもよい(したがって、全ての設定に安全性制御を履行する)。
【0558】
マネージド関数のスケジューリングを制御するために、設定開始および設定反復関数が使用され得る。これらのメンバー関数のそれぞれは、反復設定を構成または無効化する、ならびに、マネージド関数が秒数、ミリ秒数、または時刻によって予定に入れられる、非アクティブ状態であるかどうかを制御する能力を可能にする、単純インターフェースであり得る。
【0559】
インヘリタンスを通して、導出クラスを作成し、スケジューリング制御を受ける必要があるコードを含有する純粋仮想「実行」関数を規定することによって、マネージド関数の作成が行われてもよい。ManagedFuncベースクラスコンストラクタは、関数の一意のIDに基づいてもよいが、始動時にデフォルト制御値を設定するためにも使用され得る。
【0560】
例えば、始動してから30秒後、かつその後15秒毎に実行される関数を作成するために、所望のコードが仮想実行関数に入れられ、30秒の開始時間である、秒数状態によって予定に入れられる関数ID、および15秒の反復設定が、コンストラクタに提供される。
【0561】
以下は、マネージド関数の作成に関する、例示的なコードの実施例である。この特定の実施例では、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の起動後1秒で初めて実行し、その後10秒毎に実行することが予定される、「ハートビート」関数が作成される。
#include “ManagedFunc.h”
// The SendGoodFunc is a “heartbeat” status message
class SendGoodFunc : public ManagedFunc
{
public:
// Initialize the managed func to run
2 seconds after start up
// and repeat every second.
SendGoodFunc() :
ManagedFunc(IPC_SEND_GOOD, SCHEDULED_SEC, 1, true, 10) {};
〜SendGoodFunc() {};
protected:
void execute(void);
};
void SendGoodFunc::execute(void)
{
// << code to send the heartbeat >>
}
SendGoodFunc g_sendGoodFunc;
// to manipulate the heartbeat timing simply call:
// g_sendGoodFunc.setFuncStart(…) or
g_sendGoodFunc.setRepeat( … )
マネージド関数の実際の実行は、SleepManagerクラスによって制御され、実施され得る。SleepManagerは、マネージド関数の実際の優先順位リストを含有し得る。この関数の優先順位リストは、マネージド関数作成過程によって自動的にデータ投入されてもよく、各関数が適正に作成され、一意のIDを有することを確実にし得る。
【0562】
SleepManagerクラスの主要な役割は、「管理」関数を、プロセッサの主要ループから、および/またはエンドレスwhileループから繰り返し呼び出させることである。管理の各呼び出し時に、SleepManagerは、SleepManagerが全ての予定された関数を使い果たすまで実行されることが予定される全ての関数を実行し、そのときに、SleepManagerは、プロセッサをLPMにし得る。いったんプロセッサがLPMから復帰すると、プロセッサは再びLPMになる準備ができるまで、管理関数が再入力され得る(この過程は、例えば、ユーザによって、またはシステムによって停止されるまで、反復され得る)。
【0563】
プロセッサが長期間にわたって(例えば、アナログ/デジタル変換がサンプリングされている間)全電力モードで保たれなければならない場合、SleepManagerは、LPMになることを無効にする機能性を提供し得る。LPMが無効になっている間、管理関数は、引き続き予定されたタスクを検索し得る。
【0564】
SleepManagerはまた、スケジューリングを操作し、関数の一意のIDの使用を通して任意のマネージド関数の設定を反復するインターフェースを提供してもよく、それは、所望のManagedFuncオブジェクトへの直接アクセス、またはそれの不必要な知識がなくても、コードの任意のセクションが、任意の必要なスケジューリングを行うことを可能にし得る。
【0565】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500、および遠隔制御アセンブリ300のそれぞれの内部に含まれる無線回路が、遠隔制御アセンブリ300と、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500との間の無線通信を達成し得る。内部8051マイクロコントローラを有する2.4GHz無線通信チップ(例えば、Texas
Instruments CC2510無線送受信機)が、無線通信に使用され得る。
【0566】
無線リンクは、リンク利用可能性、待ち時間、およびエネルギーといった3つのオブジェクトのバランスを保ち得る。
【0567】
リンク利用可能性に関して、遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500を制御するための一次手段を提供してもよく、遠隔制御アセンブリ300のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、ユーザに詳細なフィードバックを提供し得る。待ち時間に関して、通信システムは、遠隔制御アセンブリ300から注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500に(その逆も同様)にデータを送達する、少ない待ち時間を提供するように設計され得る。エネルギーに関して、遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の両方が、無線通信のための最大エネルギー消費を有し得る。
【0568】
無線リンクは、半二重通信をサポートし得る。遠隔制御アセンブリ300は、全ての通信を開始する、無線リンクのマスタであり得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、通信に応答するだけであってもよく、決して通信を開始しなくてもよい。そのような無線通信システムの使用は、強化したセキュリティ、簡略化された設計(例えば、航空機利用のため)、および無線リンクの協調制御といった種々の便益を提供し得る。
【0569】
図120Aも参照すると、上記で議論される無線通信システムの種々のソフトウェア層の1つの例示的実施例が示されている。
【0570】
遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500内に含まれる無線プロセッサは、SPIポートと2.4GHz無線リンクとの間(その逆も同様)でメッセージングパケットを転送し得る。無線は、常にSPIスレーブであり得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500において、無線プロセッサ(PRP)1818(
図115−116参照)は、上流にあるSPIポート上で2つの追加ノードを使用可能にし得る(すなわち、コマンドプロセッサ1800およびスーパーバイザプロセッサ1802)。いくつかの実施形態では、遠隔制御アセンブリ300上で、無線プロセッサ(CRP)は、上流または下流のいずれか一方にあり得るSPIポート上で2つの付加的なノードを使用可能にしてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、上記の遠隔制御プロセッサ(UI)および連続グルコースエンジン(CGE)である。
【0571】
メッセージングシステムは、ネットワーク中の種々のノード間で、メッセージの通信を可能にし得る。遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサ、および、例えば、スーパーバイザプロセッサ1800は、2つのシステム無線上でモード切替のいくらかを構成し、開始するために、メッセージングシステムを使用し得る。それはまた、ネットワーク中の他のノードに無線およびリンク状態情報を伝えるために、無線によって使用され得る。
【0572】
遠隔制御アセンブリ300の無線が、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500からチャネル統計を収集すること、または、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線のマスタチャネルリストを更新することを希望すると、遠隔制御アセンブリ300の無線がシステムメッセージを使用し得る。新しい更新されたリストを発効させるための同期化は、タイミングの不確定性を除去するために、ハートビートメッセージで指標を使用し得る。
【0573】
無線通信システムは、メッセージングソフトウェアと互換性があるように、C++で記述されてもよい。各無線ノードに対処するために、4バイト無線シリアル番号が使用され得る。デバイス「可読」シリアル番号列と無線シリアル番号との間で1対1の翻訳を提供するために、ハッシュテーブルが使用され得る。ハッシュテーブルは、同様の可読シリアル番号を有するポンプ(例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500)またはコントローラが、一意の論理アドレスを有する可能性が高いように、よりランダム化した8ビット論理アドレスを提供し得る。無線シリアル番号は、それぞれが無線プロトコルにおいて有する一意の役割により、ポンプ(例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500)とコントローラとの間で一意である必要がなくてもよい。
【0574】
遠隔制御アセンブリ300の無線シリアル番号および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線シリアル番号は、遠隔制御アセンブリ300の無線シリアル番号のみを含み得るRFペアリング要求メッセージを除いて、全ての無線パケットに含まれてもよく、したがって、それがペアリングされる遠隔制御アセンブリ/注入ポンプアセンブリのみで発生することを確実にする。CC2510は、1バイト論理ノードアドレスをサポートしてもよく、受信パケットをフィルタにかけるレベルを提供するために、論理ノードアドレスとして無線シリアル番号の1バイトを使用することが有利であり得る。
【0575】
基板上の他のシステムによる、遠隔制御アセンブリ300の基板上の雑音干渉を防止するために、Quiet_Radio信号が、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサによって使用され得る。Quiet_Radioがアサートされると、遠隔制御アセンブリ300の無線アプリケーションが、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線にメッセージを送信して、所定の期間にわたって無線休眠(Radio Quiet)モードをアサートし得る。Quiet_Radio特徴は、遠隔制御アセンブリ300のPC基板上で測定される雑音干渉レベルに基づいて、必要とされなくてもよい。この期間中、遠隔制御アセンブリ300の無線は、最大で100msにわたって休止モード2のままであり得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、Quiet_Radio信号がアサート停止されたか、または最大期間が満了したときに、休止モード2から脱し得る。遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサは、事象をアサートする必要がある前に、少なくとも1つの無線通信の間隔で、Quiet_Radioをアサートし得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、この休眠期間中に通信がシャットダウンされることを、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線に通知し得る。周期的無線リンクプロトコルは、Quiet_Radioが必要とされない限りQuiet_Radio特徴を収容する状態ビット/バイトを有し得る。
【0576】
無線ソフトウェアは、同じプロセッサ上でメッセージングシステムおよび無線ブートローダと一体化してもよく、スループット試験を使用して検証され得る。無線ソフトウェアは、全て同じプロセッサ(例えば、TI CC2510)上で、メッセージングシステム、DMAを使用するSPIドライバ、および無線ブートローダと一体化し得る。
【0577】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、3日でわずか32mAhを消費するように構成され得る(1日当たり100分の高速ハートビートモード通信を仮定する)。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、3日でわずか25mAhを消費するように構成され得る(1日当たり100分の高速ハートビートモード通信を仮定する)。
【0578】
通信を再取得する最大時間は、接続要求モードおよび取得モードを含んで、≦6.1秒であり得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、電力を節約し、ユーザにとっての待ち時間を最小化するために、高速ハートビートモードまたは低速ハートビートモード設定を有利に使用し得る。取得モードになる注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500と遠隔制御アセンブリ300との間の違いは、通信が最大待ち時間内に復旧され得ることを確実にすることに十分に高い頻度で、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が取得モードになる必要があることであり得る。しかしながら、遠隔制御アセンブリ300は、低速ハートビートモードであり、ハートビートが失われたときに、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500とともに取得モードになる頻度を変化させてもよい。遠隔制御アセンブリ300の無線には、ユーザGUI相互作用の知識があり得るが、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500にはなくてもよい。
【0579】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、両方の無線に対するハートビート期間を設定し得る。期間は、活動に応じて電力およびリンク待ち時間を最適化するために、選択可能であり得る。所望のハートビート期間は、遠隔制御アセンブリ300の無線から注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線へと、各ハートビートにおいて伝達され得る。これは、どのモードになるかを決定する他の条件により、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500のハートビート速度を独占的に確立しない場合がある。高速ハートビートモードであるとき、遠隔制御アセンブリ300の無線は、データパケットを送信または受信することが可能であれば、ハートビート期間を20msに設定してもよく、したがって、データが活発に交換されているときに、少ないリンク待ち時間の通信を提供する。
【0580】
高速ハートビートモードであるとき、遠隔制御アセンブリ300の無線は、データパケットが無線上のいずれかの方向に最後に交換されてから4つのハートビート後に、ハートビート期間を60msに設定し得る。パケットが送信または受信された後に、無線ハートビート期間を短く保つことにより、任意のデータ応答パケットも、少ないリンク待ち時間を使用して提供され得ることを確実にする。低速ハートビートモードであるとき、ハートビート速度は、それぞれ、オンラインまたはオフライン状態に応じて、2.00秒または6.00秒であり得る。
【0581】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、遠隔制御アセンブリ300の無線によって設定されるハートビート速度を使用し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、メッセージングシステムを介して、以下のモード要求をサポートし得る。
・ペアリングモード
・接続モード
・取得モード(所望のペアリングされた注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線シリアル番号を含む)
・同期モード−高速ハートビート
・同期モード−低速ハートビート
・RFオフモード
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、メッセージングシステムを介して、以下のモード要求をサポートし得る。
・ペアリングモード
・取得モード
・RFオフモード
無線は、ローカル無線シリアル番号を得るために、システムメッセージを使用し得る。遠隔制御アセンブリ300上で、無線は、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサからシリアル番号を得てもよい。無線は、ペアリング無線シリアル番号を記憶するために、システムメッセージを使用し得る。
【0582】
遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、以下の状態が変化したときはいつでも、遠隔制御アセンブリ300およびコマンドプロセッサ1802のUIプロセッサに、メッセージングシステムを使用して状態メッセージを発行し得る。
・高速オンライン:接続成功
・高速オンライン:取得モードから高速ハートビートモードへの変更
・低速オンライン:高速ハートビートから低速ハートビートへの変更要求の成功
・オフライン:ハートビート交換の不足による、検索同期モードへの自動変更
・高速オンライン:低速ハートビートから高速ハートビートへの変更要求の成功
・オフライン:帯域幅が同期モードで10%以下に下がる
・オンライン:帯域幅が検索同期モードで10%以上に上がる
・オフライン:RFオフモードへの変更要求の成功
無線構成メッセージは、無線再試行の数を構成するために使用され得る。このメッセージは、メッセージングシステム上で送信され得る。遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサは、遠隔制御アセンブリ300の無線および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線の両方に、このコマンドを送信して、これらの無線設定を構成する。
【0583】
無線構成メッセージには、2つのパラメータ、すなわち、RF再試行の数(例えば、値は0から10までであり得る)、および無線オフラインパラメータ(例えば、値は帯域幅の百分率で1から100までであり得る)があり得る。
【0584】
遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の両方の上の無線アプリケーションは、メッセージングシステムがRF再試行の数および無線オフラインパラメータを構成することを可能にするAPIを有し得る。
【0585】
以下のパラメータが、無線ハードウェア構成に推奨され得る。
・基礎無線仕様
・MSK
・250kbps以上の無線通信速度
・最大84個のチャネル
・1000kHzのチャネル間隔
・812kHzのフィルタ帯域幅
・マンチェスター符号化方式がない
・データ消去
・4バイト序言
・4バイト同期(言葉)
・パケットに付加されたCRC
・パケットに付加されたLQI(リンク品質インジケータ)
・有効化された自動CRCフィルタリング
順方向誤差訂正(FEC)が、利用されても、またはされなくてもよい。順方向誤差訂正(FEC)が、有効信号ダイナミックレンジを約3dBだけ増加させるために使用され得るが、FECは、固定パケットサイズを必要とし、同じ固定サイズのメッセージに対する無線ビットの数を倍にする。
【0586】
無線は、(ペアリングモードを除いて)公称動作条件下で1.83メートルの距離内で機能し得る。無線が公称動作条件下で7.32メートルの距離内で機能することが目標であり得る。伝送電力レベルは、(ペアリングモードを除いて)0dBmであってもよく、ペアリングモードの伝送電力レベルは、−22dBmであり得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の所望の無線ノードアドレスが、ペアリングモードの遠隔制御アセンブリ300によって知られない場合があるので、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500および遠隔制御アセンブリ300の両方は、別の注入ポンプアセンブリと不意にペアリングする可能性を低減するために、より低い伝送電力を使用し得る。
【0587】
AES暗号化は、全てのパケットに使用され得るが、Texas Instruments CC2510無線送受信機がこの機能性含むので、必要とされなくてもよい。AES暗号化が使用される場合、固定キーがキーを渡すことなく暗号化を可能にする迅速な方法を提供するため、固定キーが利用され得る。しかしながら、キー交換が、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の将来のバージョンで提供され得る。固定キーは、固定キーデータ以外の他の変数を伴わない、1つの別個のヘッダソースに含有されてもよく、したがって、ファイルのリードアクセスのより容易な管理を可能にする。
【0588】
無線ソフトウェアは、以下の8つのモードをサポートし得る。
・ペアリングモード
・RFオフモード
・接続モード
・取得モード
・高速ハートビートモード
・低速ハートビートモード
・検索同期モード
・同期化取得モード
これらは、
図120B−120Cにおいて図式的に描写されている。
【0589】
ペアリングは、遠隔制御アセンブリ300と、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500との間で無線シリアル番号を交換する過程であり得る。遠隔制御アセンブリ300は、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500がそのシリアル番号を知っているときに、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500と「ペアリング」され得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、遠隔制御アセンブリ300がそのシリアル番号を知っているときに、遠隔制御アセンブリ300と「ペアリング」され得る。
【0590】
ペアリングモード(概して
図120Dで図式的に描写される)は、4つのメッセージがRFリンク上で交換されることを要求とし得る。
・RFペアリング要求(遠隔制御アセンブリ300から任意の注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500に送信される)
・RFペアリング承認(注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500から遠隔制御アセンブリ300へ)
・RFペアリング確認要求(遠隔制御アセンブリ300から注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500へ)
・RFペアリング確認承認(注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500から遠隔制御アセンブリ300へ)
加えて、遠隔制御アセンブリ300は、RFペアリング中断メッセージ(遠隔制御アセンブリ300から注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500へ)を介して、いつでもペアリング過程を中止し得る。ペアリングモードは、メッセージングシステムデータ転送をサポートしなくてもよい。
【0591】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、ペアリングモード要求メッセージを受信すると、ペアリングモードになってもよい。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500に取り付けられた使い捨て部品がなく、ユーザが注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500のボタンを6秒間押した場合に、無線にペアリングモードになるよう要求することが、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500上のスーパーバイザプロセッサ1800の責務であり得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、ペアリングモードに対する適切な伝送電力レベルを設定し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、一度に1つの遠隔制御アセンブリ300とペアリングされるのみであり得る。
【0592】
ペアリングモードである間に、第1の有効なRFペアリング要求メッセージを受信すると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、ペアリングモードの持続時間にわたって遠隔制御アセンブリ300のシリアル番号を使用し、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線シリアル番号を含有するRFペアリング承認メッセージで応答し得る。
【0593】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、RFペアリング要求が受信されなければ、2.0±0.2秒後に自動的にペアリングモードからタイムアウトし得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、RFペアリング承認を伝送した後に、ペアリング要求受信メッセージを発行し得る。このスーパーバイザプロセッサへのメッセージは、ペアリング確認過程中にユーザへのフィードバックを可能にする。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、RFペアリング確認要求が受信されない限り、RFペアリング承認を伝送してから1.0±0.1秒後に自動的にペアリングモードからタイムアウトし得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、RFペアリング要求メッセージを受信した後にRFペアリング確認要求メッセージが受信されれば、ペアリング無線シリアル番号の記憶メッセージを発行し得る。このアクションは、遠隔制御アセンブリ300の無線シリアル番号を注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の不揮発性メモリに記憶してもよく、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の既存のペアリングデータに上書きし得る。
【0594】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、ペアリング無線シリアル番号の記憶メッセージからの承認が受信された後に、RFペアリング確認承認を伝送し、ペアリングモードを終了し得る。これは、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500上のペアリングモードの正常な終了であってもよく、ユーザによって接続モードまたはペアリングモードになるまで、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の電力を低下させてもよい。
【0595】
ペアリング確認要求メッセージの受信に成功した際に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線がペアリングモードを終了した場合、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、新たにペアリングした遠隔制御アセンブリ300に戻ってもよく、コマンドプロセッサ1802にペアリング完了成功メッセージを送信し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、RFペアリング中断メッセージを受信すると、ペアリングモードを終了し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、それに宛てられたペアリング中断要求メッセージを受信すると、ペアリングモードを終了し得る。これは、コマンドプロセッサ1802またはスーパーバイザプロセッサ1800が、局所的に注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500上でペアリング過程を中断することを可能にし得る。
【0596】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、ペアリングモード要求メッセージを受信すると、ペアリングモードになってもよい。無線が適切な条件下でペアリングモードになることを要求することが、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサの責務であり得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、ペアリングモードに対する適切な伝送電力レベルを設定し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、RFペアリング承認が受信されるか、またはペアリングが中断されるまで、RFペアリング要求を伝送し得る。
【0597】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、ペアリングモードになってから30.0±1.0秒以内にRFペアリング承認メッセージが受信されなければ、ペアリングモードを自動的に中断し得る。ペアリングモードである間に、第1の有効なRFペアリング承認メッセージを受信すると、遠隔制御アセンブリ300の無線は、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサに、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500のシリアル番号を含むペアリング成功メッセージを送信してもよく、ペアリングモードの持続時間にわたってそのシリアル番号を使用し得る。このメッセージは、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサがユーザに所望の注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500のシリアル番号を確認させるための手段を提供し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線が注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500から複数の応答(単一のペアリング要求に関して)を受信した場合、第1の有効なものが使用され得る。
【0598】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、ペアリングモードである間にRFペアリング承認が受信された後に、RFペアリング確認承認メッセージを容認するのみであり得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサからペアリング確認要求メッセージを受信すると、RFペアリング確認メッセージを伝送し得る。
【0599】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500をペアリングリストに追加する前に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500がペアリングを確認することをチェックし得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、RFペアリング完了メッセージが受信されれば、ペアリング無線シリアル番号の記憶メッセージを発行し得る。このアクションは、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサが注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の新規シリアル番号を記憶し、成功したペアリングのユーザフィードバックを提供することを可能にし得る。ペアリング注入ポンプアセンブリのリストを管理することが、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサの責務であり得る。
【0600】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、RFペアリング中断メッセージを送信し、ペアリング中断要求メッセージを受信すると、ペアリングモードを終了し得る。これは、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサが、遠隔制御アセンブリ300および承認された注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の両方でペアリング過程を中断することを可能にし得る。
【0601】
接続要求モードでは、遠隔制御アセンブリ300の無線が、そのペアリング注入ポンプアセンブリリストの中の各注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500を取得し、その「接続準備完了」状態を回収しようとし得る。「接続」過程(
図120Eで図式的に描写される)は、使用される準備ができていてもよい、そのペアリング注入ポンプアセンブリのうちの1つを遠隔制御アセンブリ300が迅速に同定することを可能にし得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、最大で6つのペアリング注入ポンプアセンブリとともに接続要求モードを実施することが可能であり得る。接続要求モードは、遠隔制御アセンブリ300上でサポートされるのみであってもよく、特殊な形の取得モードであり得る。接続要求モードでは、遠隔制御アセンブリ300は、第1の注入ポンプアセンブリと接続して応答し得る。しかしながら、各メッセージは、特定の注入ポンプアセンブリシリアル番号に向けられ得る。
【0602】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、接続モードになると、最新のペアリング注入ポンプアセンブリシリアル番号を得てもよい。遠隔制御アセンブリ300の無線は、接続モード要求メッセージを受信すると、接続モードになってもよい。ペアリング注入ポンプアセンブリとの通信を所望するときに、無線が接続モードになることを要求することが、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサの責務であり得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、もしあれば、「接続準備完了」である、第1の注入ポンプアセンブリの無線シリアル番号を含有する接続評価メッセージを、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサに発行し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、接続要求モードになった30秒以内に接続評価メッセージを生成し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、接続評価承認の受信時に接続要求モードを終了し、高速ハートビートモードに遷移し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサから接続要求中断メッセージを受信すると、接続要求モードを終了し得る。
【0603】
遠隔制御アセンブリ300上で、特定のペアリング注入ポンプアセンブリを見出すために取得モードが使用され得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、所望のペアリング注入ポンプアセンブリにRF RUT(aRe yoU There)パケットを送信し得る。注入ポンプアセンブリは、RF RUTメッセージを受信すれば、遠隔制御アセンブリ300の無線に応答し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線がペアリング注入ポンプアセンブリを見出す機会を改善するために、複数のチャネルが取得モードアルゴリズムで使用され得る。
【0604】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、RFオフモードである間に、取得モード要求または高速ハートビートモード要求メッセージを受信すると、取得モードになってもよい。遠隔制御アセンブリ300の無線は、検索同期モードである間に、取得モード要求または高速ハートビートモード要求メッセージを受信すると、同期化取得モードになってもよい。RFリンクがオフラインであり、遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500との通信を所望するときに、無線が取得モードになることを要求することが、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサの責務であり得る。
【0605】
遠隔制御アセンブリ300の無線は、(ペアリングおよび接続モードを除いて)1つのペアリング注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500と通信するのみであり得る。通信が失われると、遠隔制御アセンブリ300のUIプロセッサは、通信を復旧しようとするために、(電力予算によって限定される、なんらかの周期率で)取得モードを使用し得る。
【0606】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、以下の条件下で取得モードになってもよい。
・無線オフモードであって、取得モードが要求され得るとき
・ハートビートの不足により検索同期モードがタイムアウトするとき
取得モードになると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、最後に記憶されたペアリング遠隔制御アセンブリ300のシリアル番号を得てもよい。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、(「ペアリング要求」モードである間を除いて)それが「ペアリング」されている遠隔制御アセンブリと通信するのみであり得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、遠隔制御アセンブリ300との同期化の取得が成功すると、取得モードから高速ハートビートモードに遷移し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の取得モードは、6.1秒以内に同期化を取得することが可能であってもよく、これは、取得モードであるときに、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が、常に少なくとも約6秒毎に聴取していてもよいことを暗示し得る。
【0607】
データパケットは、2つのデバイスが同期モードで、かつオンラインであるときに、2つのペアリングデバイス間で送信され得る。2つのデバイスは、データパケットが交換される前に、ハートビートパケットを介して同期化し得る。各無線は、ハートビート交換後に、既知の時間間隔でデータパケットを送信し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、パケットの受信を予期するタイミングを調整し得る。無線は、各ハートビート上で各方向に1つのデータパケットをサポートし得る。無線は、無線がオフラインであれば、高速ハートビートモード要求に否定応答を提供し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、低速ハートビートモードであり、無線がオンラインである間に、高速ハートビートモードのシステム要求が受信されれば、高速ハートビートモードに変更し得る。
【0608】
取得モードから高速ハートビートモードに遷移すると、遠隔制御アセンブリ300の無線は、マスタチャネルリストメッセージを送信し得る。マスタチャネルリストは、遠隔制御アセンブリ300の無線によって構築され、過去の性能に基づいて周波数ホッピングチャネルの選択を可能にするように、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線に送信され得る。高速ハートビートモードまたは低速ハートビートモードであるときに、周期的ハートビートメッセージが、遠隔制御アセンブリ300の無線と注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線との間で交換され得る。これらのメッセージの周期性は、ハートビート速度におけるものであり得る。ハートビートメッセージは、データパケット転送が行われることを可能にしてもよく、また、状態情報を交換し得る。2つの無線は、休眠モード、データ利用可能性、バッファ利用可能性、ハートビート速度、および以前のチャネル性能といった状態情報を交換し得る。電力を節約するために、ハートビートメッセージのパケットサイズを小さく保つことが、目標であり得る。無線は、同期モードであるときに、82バイトの最大データパケットサイズを提供し得る。メッセージングシステムは、最大64バイトのパケットペイロードサイズをサポートするように設計され得る。この最大サイズは、最小メッセージ型と非断片化メッセージとの間の最適なトレードオフとして、選択された。82バイトは、パケットオーバーヘッドを含む、メッセージングシステムの最大パケットサイズであり得る。
【0609】
メッセージングシステムは、無線プロトコルがそれに受信無線パケットを送信することを可能にする、APIを有する。メッセージングシステムはまた、無線ネットワーク上での伝送のために、無線プロトコルがパケットを得ることを可能にする、APIを有し得る。メッセージングシステムは、無線プロトコルとSPIとの間のパケットルーティングに関与し得る。データパケットは、処理のためにメッセージングシステムに与えられ得る。メッセージングシステムは、無線プロトコルが、無線ネットワーク上で送信されることを待っているデータパケットの数の計数を得ることを可能にする、APIを有し得る。無線プロトコルは、各ハートビートにおいてメッセージングシステムに問い合せを行い、データパケットが無線ネットワーク上で送信するために利用可能であるかどうかを決定し得る。往復メッセージ待ち時間を最小化するように、ハートビートが送信される直前に、ソフトウェアがメッセージの利用可能性をチェックすることが望ましくてもよい。
【0610】
無線プロトコルは、1つの受信無線データパケットをバッファリングすること、およびメッセージングシステムにパケットを渡すことが可能であり得る。無線プロトコルは、データパケットの受信時に、メッセージングシステムにデータパケットを送信し得る。メッセージシステムは、適正な宛先ノードに無線データパケットを送ることに関与し得る。無線プロトコルは、メッセージングシステムからの1つのパケットをバッファリングすることが可能であり得る。
【0611】
無線プロトコルは、送信無線へのRF ACK返信パケットを介して、RFリンク上での有効なデータパケットの受信を承認することに関与し得る。RF ACKパケットは、ソースおよび宛先無線シリアル番号、RF ACKコマンド同定、および承認されているデータパケットのシーケンス番号を含有し得る。
【0612】
無線データパケットを伝送する無線は、RF ACKが受信されず、再試行計数が許容される最大RF再試行以内であれば、同じシーケンス番号とともに、次のハートビート上で、その無線データパケットを再伝送し得る。時々、干渉が特定の周波数上の伝送を乱すことが予期される場合がある。RF再試行は、同じパケットが、異なる周波数において次の機会で再伝送されることを可能にする。シーケンス番号は、短い時間枠でパケットを一意的に同定する手段を提供する。無線パケット再試行の数は、無線構成コマンドを使用して構成可能であり得る。より多くの再試行を許容にすることにより、交換されているパケットの確率を増加させてもよいが、往復メッセージのさらなる待ち時間を導入する。電力増加時の無線再試行のデフォルト数は、10であり得る(すなわち、メッセージを撤回する前の最大伝送試行)。
【0613】
1バイト(モジュロ256)無線シーケンス番号が、RFリンク上の全ての無線データパケットに含まれ得る。承認されなければデータパケット伝送を再試行することに無線が関与し得るため、シーケンス番号は、データパケットが重複するかどうかを2つの無線が知るための方法を提供し得る。伝送されたシーケンス番号は、それぞれの新規無線データパケットについて増分されてもよく、ロールオーバーすることが可能になってもよい。以前に受信が成功したデータパケットと同じシーケンス番号とともに(および同じ方向で)、データパケットの受信が成功すると、データパケットが承認されてもよく、受信されたデータパケットが廃棄され得る。これは、ネットワークに導入される前に、RFプロトコルによって生成された重複パケットを除去し得る。極限状況下で、同じシーケンス番号とともに、連続した複数のデータパケットが撤回される必要があり得ることが、起こり得る場合があることに留意されたい。
【0614】
ハートビートが欠落すれば、遠隔制御アセンブリ300の無線および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、それぞれ、後続ハートビートを送信し、聴取しようとし得る。遠隔制御アセンブリ300の無線および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、ハートビートが2秒間欠落すれば、高速ハートビートモードまたは低速ハートビートモードから検索同期モードへ自動的に変化し得る。2秒が全てのチャネルを次々と切り替えるのに十分な時間を許容するため、これは、無線が同期化情報を使用し続けることを可能にすることによって、リンクが失われたときに電力消費を最小化し得る。
【0615】
無線は、以下のモードであるときにオンラインと見なされ得る。
・高速ハートビートモード
・低速ハートビートモード
これらは、メッセージングシステムトラフィックが交換され得る、唯一の状態である。全ての他の状態は、オフラインと見なされ得る。
【0616】
無線は、リセットからのコード実行の開始時に、無線オフモードに初期化し得る。コードが最初に無線プロセッサ上で実行すると、初期状態は、無線が動作中となることを要求する前に、他のプロセッサがセルフテストを行うことを可能にするように、無線オフモードであり得る。この要件は、休止モードから復帰するときにモードを規定することを意図しない。無線は、無線オフモードに設定されると、RF通信を中止し得る。遠隔制御アセンブリ300上で、このモードは、RF放出を抑制するための航空機上での使用を対象にし得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が、遠隔制御アセンブリ300(航空機モードで伝送を中止する)からの伝送にしか応答しないため、無線オフモードは、充電する時注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500上で使用されるのみであり得る。
【0617】
コマンドプロセッサ1802は、航空機モード、したがって、退席警告を生成しないように、RFが遠隔制御アセンブリ300上で意図的にオフにされたことを通知され得る。しかしながら、これは、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線から完全に隠され得る。
【0618】
遠隔制御アセンブリ300の無線および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、検索同期モードである間に、データ帯域幅を再確立するために、周期的にハートビートを交換しようとし得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、ハートビートの交換が成功せず、検索同期モードの20分後に、無線オフモードに遷移し得る。
【0619】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、ハートビートの交換が成功せず、検索同期モードの20分後に、取得モードに遷移し得る。事前同意されたタイムスロット中に聴取することは、RFリンクを再確立するための、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の電力の最も効率的な使用である。通信の損失後、結晶耐性および温度ドリフトが、経時的に注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の受容時間枠を拡張することを必要にし得る。通信損失後に長期間(例えば、5〜20分)にわたって検索同期モードにとどまっていることにより、消費される瞬時電力に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線に割り当てられた平均電力を超えさせる場合がある。遠隔制御アセンブリ300の無線は、その時間枠を拡張することを強いられなくてもよいため、検索同期モードにとどまっていることは、非常に電力効率が良くてもよい。取得モードは、遠隔制御アセンブリ300により多くの電力を消費し得る。遠隔制御アセンブリ300の無線および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線の両方で電力消費のバランスを保つために、20分が妥協として使用され得る。
【0620】
遠隔制御アセンブリ300の無線および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、最後の5つのハートビートのうちの3つの交換が成功すれば、低速ハートビートモードに遷移し得る。約6秒毎に、5つのハートビートのバーストが試行され得る。これらのうちの3つが成功すれば、帯域幅が低速ハートビートに遷移するのに十分と仮定され得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線は、6.1秒の待ち時間を伴う検索同期モードである間に、取得可能であり得る。これは、検索同期モードであるときに、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が、常に少なくとも約6秒毎に聴取していてもよいことを暗示し得る。
【0621】
無線のトラブルシューティングを推進するため、および無線性能にアクセスするために、無線プロトコル性能統計が必要であり得る。以下の無線性能統計は、無線プロトコルによってデータ構造の中で維持され得る。
【0622】
【表7-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0623】
【表7-2】
[この文献は図面を表示できません]
各チャネルにつき以下の付加的な無線性能統計を収集するために、#define DEBUGオプション(コンパイラオプション)が使用され得る(16ビット数)。
・見逃しホップの数
・良好CCA計数
・不良CCA計数
・平均RSSI(良好RXパケットのみについて累積される)
・周波数ホップリスト計数からの撤回
・取得モード計数(このチャネル上で見出された1対)
デバッグオプションは、技術のみの統計を収集するために使用され得る。プロセッサ性能、電力、およびメモリが許容すれば、この情報をランタイムで保つことが望ましくてもよい。無線統計は、メッセージングシステムに利用可能となってもよい。
【0624】
リンク品質は、携帯電話と同様である無線リンク品質のバーインジケータを提供するために遠隔制御アセンブリ300上で使用されることを目的とし得る。リンク品質は、遠隔制御アセンブリ300および注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の両方に利用可能となってもよい。リンク品質状態は無線リンクの品質の1バイトインジケータから成ることが、予期され得る。
【0625】
無線は、各ハートビートに対する周波数を変更し得る。適応擬似ランダム周波数ホッピングアルゴリズムが、同期モード、および検索同期モードでのハートビート試行に使用され得る。周波数ホッピングに64のチャネルを使用することが目標であり得る。周波数ホッピングに対して遠隔制御アセンブリ300上でチャネルリストを適応的に生成するように、アルゴリズムが開発され得る。遠隔制御アセンブリ300の無線は、マスタチャネルリストを構築し、維持し、分配し得る。性能要件を満たすために、必要に応じてメッセージングシステムを使用して、遠隔制御アセンブリ300の無線によって、以前のチャネル統計および過去の性能情報が、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の無線から得られ得る。両方のユニットの観点からチャネルリストを構築することによって、両方のユニットの無線干渉環境が考慮され得る。無線は、望ましいRF環境で動作しながら、ホッピングチャネルを適応的に選択して往復メッセージ待ち時間を満たし得る。
【0626】
注入ポンプアセンブリ100の流体送達経路に沿ってどこでも、閉塞および/漏出が発生する場合がある。例えば、
図121を参照すると、閉塞/漏出は、貯留部118と貯留部弁アセンブリ614との間の流体経路で、貯留部弁アセンブリ614とポンプアセンブリ106との間の流体経路で、ポンプアセンブリ106と容量センサ弁アセンブリ612との間の流体経路で、容量センサ弁アセンブリ612と容量センサチャンバ620との間の流体経路で、容量センサチャンバ620と測定弁アセンブリ610との間の流体経路で、測定弁アセンブリ610と使い捨てカニューレ138の先端との間の流体経路で、発生する場合がある。注入ポンプアセンブリ100は、そのような閉塞/漏出を検出して場所を特定し、注入ポンプアセンブリ100の安全性/信頼性を向上させる、1つ以上の閉塞/漏出検出アルゴリズムを実行するように構成され得る。
【0627】
上記で論議されたように、注入可能な流体を投与するときに、注入ポンプアセンブリ100は、最初に、注入可能な流体の用量の投与前の容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の容量を決定してもよく、後に、注入可能な流体の用量の投与後の容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の容量を決定し得る。これらの値を監視することによって、閉塞/漏出の発生が検出され得る。
【0628】
閉塞型−完全:完全閉塞が発生しているとき、注入可能な流体の用量の投与前の初期測定値と、注入可能な流体の用量の投与後の最終測定値との間の差は、ゼロ(または本質的にゼロ)となり、容量センサチャンバ620内の多量に残留した注入可能な流体を示す。したがって、容量センサチャンバ620から流体が全く退出していなくてもよい。
【0629】
具体的には、使い捨てカニューレの先端が閉塞された場合、容量センサチャンバ620の下流の流体経路が流体で充填し、最終的に、バネダイヤフラム628によって作用される機械的圧力と同等のレベルまで加圧される。したがって、測定弁アセンブリ610の開口部において、ゼロ(または本質的にゼロ)の流体が分注され、したがって、(容量センサアセンブリ148によって行われるような)初期と最終測定の値とは、本質的に等しくなる。
【0630】
そのような状態の発生を検出すると、完全閉塞指標が設定されてもよく、注入ポンプアセンブリ100が、例えば、アラームを誘起してもよく、したがって、ユーザが治療法を受容するための代替的手段を求める必要があることを示す。
【0631】
閉塞型−部分:部分閉塞が発生しているとき、注入可能な流体の用量の投与前の初期測定値と、注入可能な流体の用量の投与後の最終測定値との間の差は、注入可能な流体の完全より少ない用量が送達されたことを示す。例えば、特定のポンプサイクルの終わりに、0.10マイクロリットルの注入可能な流体が容量センサチャンバ620の中に存在したことを、容量センサアセンブリ148が示したと仮定する。さらに、後に測定弁アセンブリ610が閉鎖され、後にポンプアセンブリ106が作動させられ、容量センサチャンバ620が注入可能な流体で充填されると仮定する。さらに、容量センサチャンバ620が現在1.00マイクロリットルの注入可能な流体で充填されている(0.90マイクロリットルの送出容量を示す)ことを、容量センサアセンブリ148が決定すると仮定する。
【0632】
したがって、測定弁アセンブリ610の開口部において、容量センサチャンバ内に含まれる注入可能な流体の分量は、0.10マイクロリットル(または合理的にその近く)まで低下するとことが見込まれる。しかしながら、部分閉塞の場合、容量センサチャンバ620からの通常よりも遅い流速により、容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の分量は、0.40マイクロリットルまでしか低減されない場合がある(0.60マイクロリットルの送達容量を示す)。したがって、送出容量(0.90マイクロリットル)と送達容量(0.60マイクロリットル)との間の差を監視することによって、残留容量が規定されてもよく、部分閉塞の発生が検出され得る。
【0633】
そのような状態の発生を検出すると、部分閉塞フラグが設定されてもよく、注入ポンプアセンブリ100が、例えば、アラームを誘起してもよく、したがって、ユーザが治療法を受容するための代替的手段を求める必要があることを示す。しかしながら、これは(完全閉塞とは対照的に)部分閉塞を示すため、部分閉塞が自ら解消する場合があると、アラームの発行が遅延する場合がある。
【0634】
代替として、注入ポンプアセンブリ100は、ポンプオンタイム対送達容量の比を計算し、それを時間とともに追跡し、ポンプオンタイムの高速移動および低速移動指数平均値を使用することによって追跡し得る。指数平均値が、漏洩合計積算器と同様の方式で追跡され得る。注入ポンプアセンブリ100は、信号をフィルタにかけ、高速の変化を探し得る。流体流出流量および/または残留容量が監視され得る。残留容量が変化しない場合は、完全閉塞があり得る。残留容量が変化した場合は、部分閉塞があり得る。さらに代替として、残留値が合計され得る。弁作動の数またはラッチ時間が変動させられている場合、たとえ容量センサアセンブリ148の中に圧力を蓄積しても、流体流量が調査され得る。
【0635】
完全/部分的に空の貯留部:貯留部118が空になりつつあるときは、容量センサチャンバ620を所望のレベルまで充填することがさらに困難となる。一般的に、ポンプアセンブリ106は、1ミリ秒につき1.0マイクロリットルを送出することが可能である。例えば、容量センサチャンバ620の「空」の状態が0.10マイクロリットルであり、容量センサチャンバ620の「満杯」状態が1.00マイクロリットルであると仮定する。しかしながら、貯留部118が空になり始めると、ポンプアセンブリ106が容量センサチャンバ620を「満杯」状態まで充填することがさらに困難となる場合があり、一貫して目標達成に失敗する場合がある。したがって、正常動作中に、ポンプアセンブリ106が容量センサチャンバ620を「満杯」の状態まで充填するのに1秒かかってもよく、貯留部118が空になるにつれて、容量センサチャンバ620を「満杯」状態まで充填するのに3秒かかってもよい。最終的に、貯留部118が完全に空になった場合、容量センサチャンバ620は、決して「満杯状態」を達成することができなくてもよい。したがって、ポンプアセンブリ106が容量センサチャンバ620を「満杯」の状態まで充填できないことは、貯留部118が空であることを示し得る。代替として、そのような状態の発生は、他の状況を示し得る(例えば、ポンプアセンブリ106の故障、容量センサチャンバ620の前の流体経路の閉塞)。注入ポンプアセンブリ100は、「満杯」状態と実際に送出された量との間の差を決定し得る。これらの差は、合計され、次いで、貯留部の状態が対処されるときのために構成され得る。
【0636】
そのような状態の発生を検出すると、空の指標が設定されてもよく、注入ポンプアセンブリ100が、例えば、アラームを誘起してもよく、したがって、ユーザが、例えば、使い捨て筐体アセンブリ114を交換する必要があることを示す。
【0637】
加えて、貯留部118が空になるにつれて、貯留部118が最終的に「真空」状態をもたらし、ポンプアセンブリ106が容量センサチャンバ620に流体を送達する能力が損なわれる場合がある。上記で論議されたように、容量コントローラ1602は、「オンタイム」信号1606に関して初期「推測」を設定するために、フィードフォワードコントローラ1652を含んでもよく、この初期推測は、ポンプ較正曲線に基づく。例えば、ポンプアセンブリ106が0.010単位の注入可能な流体を送達するために、フィードフォワードコントローラ1652は、例えば、1ミリ秒の初期「オンタイム」を規定し得る。しかしながら、貯留部118が空になり始めると、損なわれたポンプ条件により、0.010単位の注入可能な流体を送達するのに2ミリ秒かかってもよい。さらに、貯留部118が完全に空の状態に近づくにつれて、0.010単位の注入可能な流体を送達するのに10ミリ秒かかってもよい。したがって、空の状態に近づいている貯留部118の発生は、ポンプアセンブリ106の実際の動作(例えば、0.010単位の注入可能な流体を送達するための2ミリ秒)が、ポンプアセンブリ106の予期された動作(例えば、0.010単位の注入可能な流体を送達するための1ミリ秒)とは異なるレベルを監視することによって、検出され得る。
【0638】
そのような状態の発生を検出すると、予備の指標が設定されてもよく、注入ポンプアセンブリ100が、例えば、アラームを誘起してもよく、したがって、ユーザが、例えば、使い捨て筐体アセンブリ114をすぐに交換する必要があることを示す。
【0639】
漏出検出:流体経路内の漏出(例えば、漏出弁または破裂/穿孔)の場合には、流体経路が流圧を保持する能力が損なわれる場合がある。したがって、流体経路内の漏出についてチェックするために、ポンプアセンブリ106が容量センサチャンバ620を加圧するために使用される、流出試験が行われてもよい。次いで、容量センサアセンブリ148は、(上記で説明されたような)第1の容量測定を行って、容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の容量を決定し得る。次いで、注入ポンプアセンブリ100は、漏出の場合に、流出を可能にする規定された期間を待ってもよい。例えば、60秒の流出期間後、容量センサアセンブリ148は、(上記で説明されたような)第2の容量測定を行って、容量センサチャンバ620内の注入可能な流体の容量を決定し得る。漏出がなければ、2つの容量測定値は本質的に同じはずである。しかしながら、漏出の場合には、第2の測定値が第1の測定値より少なくあり得る。加えて、漏出の重篤性に応じて、ポンプアセンブリ106は、容量センサチャンバ620を充填できないことがあり得る。一般的に、漏出チェックは、注入可能な流体の送達の一部として行われてもよい。
【0640】
第1の容量測定値と第2の容量測定値との間の差が許容閾値を超える場合に、漏出指標が設定されてもよく、注入ポンプアセンブリ100が、例えば、アラームを誘起してもよく、したがって、ユーザが治療法を受容するための代替的手段を求める必要があることを示す。
【0641】
上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100は、スーパーバイザプロセッサ1800と、コマンドプロセッサ1802と、無線プロセッサ1818とを含み得る。残念ながら、いったん組み立てられると、注入ポンプアセンブリ100内の電気制御アセンブリ110へのアクセスは、非常に限定される。したがって、(例えば、フラッシュメモリをアップグレードするために)電気制御アセンブリ110にアクセスする唯一の手段は、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500と遠隔制御アセンブリ300との間で確立される通信チャネルを介するか、またはバッテリ充電器1200によって使用される電気接点834を介し得る。
【0642】
電気接点834は、無線プロセッサ1818に直接連結されてもよく、無線プロセッサ1818内に含まれる任意のフラッシュメモリ(図示せず)を消去/プログラムするためのI2C通信能力を提供するように構成され得る。無線プロセッサ1818にプログラムを取り込む過程は、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802の両方の中のフラッシュメモリを消去/プログラムするための手段を提供し得る。
【0643】
スーパーバイザプロセッサ1800またはコマンドプロセッサ1802をプログラムするときに、スーパーバイザプロセッサ1800またはコマンドプロセッサ1802によってアクセス可能なフラッシュメモリに取り込まれるプログラム(すなわち、データ)は、複数のデータブロックの中に提供され得る。これは、無線プロセッサ1818が、1つのブロックとしてソフトウェアのフラッシュイメージ全体を保持するのに十分なメモリを有しない場合があるためである。
【0644】
図122も参照すると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500内の種々のシステムが相互接続され得る方式の1つの例示的実施例が示されている。例えば、バッテリ充電器1200は、例えば、RS232フォーマットデータを、例えば、I2Cフォーマットデータに変換するバス変換装置2102を介して、計算デバイス2100(例えば、パーソナルコンピュータ)に連結され得る。バス変換装置2102は、上記の変換を達成するパススループログラムを実行し得る。バッテリ充電器1200は、(上記で説明された)電気接点834を介して、無線プロセッサ181に連結され得る。次いで、無線プロセッサ1818は、例えば、RS232バスを介して、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802に連結され得る。無線プロセッサ1818は、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802によってアクセス可能なフラッシュメモリの更新を無線プロセッサ1818が制御/編成することを可能にする更新プログラムを実行し得る。したがって、上記の連結の使用を介して、計算デバイス2100によって得られるソフトウェア更新が、スーパーバイザプロセッサ1800およびコマンドプロセッサ1802によってアクセス可能なフラッシュメモリ(図示せず)にアップロードされ得る。上記のソフトウェア更新は、スクリプト過程によって自動的に呼び出され得るコマンドラインプログラムであり得る。
【0645】
上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、ユーザに注入可能な流体を送達するように構成され得る。さらに、上記で論議されたように、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、逐次マルチパート注入事象(複数の離散注入事象を含み得る)および/または1回注入事象を介して、注入可能な流体を送達し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、積み重ねボーラス注入事象を送達し得る。例えば、ユーザは、例えば、6単位のボーラスの送達を要求し得る。6単位がユーザに送達される過程にある間に、ユーザは、例えば、3単位の第2のボーラスを要求し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500のいくつかの実施形態は、第1のボーラスの完了時に第2のボーラスを送達し得る。
【0646】
他のそのような逐次マルチパート注入事象の例は、基礎注入事象および拡張ボーラス注入事象を含み得るが、それに限定されない。当技術分野で公知のように、基礎注入事象とは、例えば、ユーザによって、またはシステムによって、停止されるまで反復され得る、所定の間隔(例えば、3分毎)での少量(例えば、0.05単位)の注入可能な流体の反復注入を指す。さらに、基礎注入速度は、事前にプログラムされてもよく、事前にプログラムされた時間枠に対する指定速度、例えば、午前6時〜午後3時までは毎時0.50単位の速度、午後3時〜午後10時までは毎時0.40単位の速度、および午後10時〜午前6時までは毎時0.35単位の速度を含み得る。しかしながら、基礎速度は、毎時0.025単位であってもよく、事前にプログラムされた時間枠にしたがって変化しなくてもよい。基礎速度は、他に変更されない限り、定期的に/毎日反復され得る。
【0647】
さらに、当技術分野で公知のように、拡張ボーラス注入事象は、規定された数の間隔(例えば、3つの間隔)にわたって、または規定された期間(例えば、9分)にわたって反復される、所定の間隔(例えば、3分毎)での少量(例えば、0.05単位)の注入可能な流体の反復注入を指し得る。拡張ボーラス注入事象は、基礎注入事象と同時に発生し得る。
【0648】
複数の注入事象が相互に 対立する場合、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、以下の方式で注入事象を優先し得る。
【0649】
図123も参照して、例示目的のみで、3分毎に注入可能な流体の基礎用量(例えば、0.05単位)を投与するように、ユーザが注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500を構成すると仮定する。ユーザは、注入可能な流体の基礎注入事象(例えば、毎時1.00単位)を規定するために、遠隔制御アセンブリ300を利用し得る。
【0650】
次いで、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、規定された基礎注入事象に基づいて注入スケジュールを決定し得る。いったん決定されると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、逐次マルチパート注入事象(例えば、3分毎に0.05単位の注入可能な流体)を投与し得る。したがって、逐次マルチパート注入事象を投与している間に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、t=0:00で注入可能な流体の第1の0.05単位用量2200を注入してもよく(すなわち、第1の離散注入事象)、t=3:00で注入可能な流体の第2の0.05単位用量2202を注入してもよく(すなわち、第2の離散注入事象)、t=6:00で注入可能な流体の第3の0.05単位用量2204を注入してもよく(すなわち、第3の離散注入事象)、t=9:00で注入可能な流体の第4の0.05単位用量2206を注入してもよく(すなわち、第4の離散注入事象)、t=12:00で注入可能な流体の第5の0.05単位用量2208を注入し得る(すなわち、第4の離散注入事象)。上記で論議されたように、3分おきに注入可能な流体の0.05単位用量を注入するというこのパターンは、これが基礎注入事象の例示的実施例であるので、本実施例では、例えば、ユーザによって、またはシステムによって停止されるまで反復され得る。
【0651】
さらに、例示目的で、注入可能な流体がインスリンであり、注入可能な流体の第1の0.05単位用量2200が投与された後しばらくして(しかし、注入可能な流体の第2の0.05単位用量2202が投与される前)、ユーザが血糖値をチェックし、血糖値が正常より少し高くなっていることに気付くと仮定する。したがって、ユーザは、遠隔制御アセンブリ300を介して、拡張ボーラス注入事象を規定し得る。拡張ボーラス注入事象とは、有限期間にわたる注入可能な流体の規定された分量の連続注入を指し得る。しかしながら、そのような注入方法は注入ポンプアセンブリにとって非実用的/望ましくないため、注入ポンプアセンブリによって投与されるときに、拡張ボーラス注入事象とは、有限期間にわたる注入可能な流体の少ない追加用量の注入を指し得る。
【0652】
したがって、ユーザは、上記で論議される方式で確認され得る注入可能な流体の拡張ボーラス注入事象(例えば、次の6分間にわたって0.20単位)を規定するために、遠隔制御アセンブリ300を利用し得る。この実施例では、拡張ボーラス注入事象は、次の6分間にわたって0.20単位として説明されているが、単位分量および総時間間隔のいずれか一方または両方が上方または下方調整され得るので、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。いったん規定および/または確認されると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、規定された拡張ボーラス注入事象に基づいて注入事象を決定してもよく、注入可能な流体を投与し得る。例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、次の2間隔サイクル(または、6分)にわたって、3分毎に0.10単位の注入可能な流体を送達し、ユーザによって規定された注入可能な流体の拡張ボーラス用量の送達(すなわち、次の6分間にわたって0.20単位)をもたらし得る。
【0653】
したがって、第2の逐次マルチパート注入事象を投与している間に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、(例えば、注入可能な流体の第2の0.05単位用量2202を投与した後に)t=3:00で注入可能な流体の第1の0.10単位用量2210を注入し得る。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500はまた、(例えば、注入可能な流体の第3の0.05単位用量2204を投与した後に)t=6:00で注入可能な流体の第2の0.10単位用量2212を注入し得る。
【0654】
例示目的のみで、第1の逐次マルチパート注入事象(すなわち、連続的に反復される、3分間隔毎に注入される0.05単位)を投与し、第2の逐次マルチパート注入事象(すなわち、2間隔にわたって3分間隔毎に注入される0.10単位)を投与するように、ユーザが遠隔制御アセンブリ300を介して注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500をプログラムした後、ユーザが非常に大量の食事をすることを決定すると仮定する。血糖値が大幅に増加するかもしれないと予測して、ユーザは、1回注入事象を投与するように、(遠隔制御アセンブリ300を介して)注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500をプログラムし得る。そのような1回注入事象の例は、通常ボーラス注入事象を含み得るが、それに限定されない。当技術分野で公知のように、通常ボーラス注入事象とは、注入可能な流体の1回限りの注入を指す。
【0655】
例示目的のみで、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500に注入可能な流体の36単位のボーラス用量を投与させることをユーザが希望すると仮定する。注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、投与されている種々の注入事象を監視して、1回注入事象が投与されるために利用可能であるかどうかを決定し得る。1回注入事象が投与に利用可能であれば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、逐次マルチパート注入事象の少なくとも一部分の投与を遅延し得る。
【0656】
上記の実施例を続けると、いったんユーザが、1回注入事象2214(すなわち、注入可能な流体の36単位ボーラス用量)を送達するように注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500のプログラミングを完了すると、1回注入事象が投与に利用可能であると注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が決定する際に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、各逐次マルチパート注入事象を遅延し、利用可能な1回注入事象を投与し得る。
【0657】
具体的には、上記で論議されたように、1回注入事象2214を送達するようにユーザが注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500をプログラムする前に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、第1の逐次マルチパート注入事象(すなわち、連続的に反復される、3分間隔毎に注入される0.05単位)を投与し、第2の逐次マルチパート注入事象(すなわち、2間隔にわたって3分間隔毎に注入される0.10単位)を投与していた。
【0658】
例示目的のみで、第1の逐次マルチパート注入事象は、0.05単位用量2200@t=0:00、0.05単位用量2202@t=3:00、0.05単位用量2204@t=6:00、0.05単位用量2206@t=9:00、および0.05単位用量2208@t=12:00として、
図123に表され得る。上記で説明されたような第1の逐次マルチパート注入事象が基礎注入事象であると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、無期限に(すなわち、手順がユーザによって中止されるまで)3分間隔で0.05単位用量の注入可能な流体を注入し続けてもよい。
【0659】
さらに、例示目的のみで、第2の逐次マルチパート注入事象は、0.10単位用量2210@t=3:00、および0.10単位用量2212@t=6:00として、
図123に表され得る。上記で説明されたような第2の逐次マルチパート注入事象が拡張ボーラス注入事象であると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、正確に2間隔にわたって(すなわち、ユーザによって規定される間隔の数)3分間隔で0.10単位用量の注入可能な流体を注入し続けてもよい。
【0660】
上記の実施例を続けて、注入可能な流体の36単位通常ボーラス用量(すなわち、1回注入事象2214)が投与に利用可能であると注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が決定すると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、各逐次マルチパート注入事象の投与を遅延してもよく、投与に利用可能である1回注入事象2214を投与し始めてもよい。
【0661】
したがって、例示目的のみで、注入可能な流体の36単位通常ボーラス用量(すなわち、1回注入事象)を送達するように注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500をプログラミングすることが完了すると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が1回注入事象2214を投与し始めると仮定する。その1回注入事象2214が比較的大量であるため、3分(すなわち、逐次マルチパート注入事象の個々の注入用量の間の時間間隔)よりも長くかかってもよく、逐次マルチパート注入事象の個々の注入用量のうちの1つ以上が遅延される必要があり得る。
【0662】
具体的には、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が36単位の注入可能な流体を注入するのに6分以上かかると仮定する。したがって、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、1回注入事象2214(すなわち、注入可能な流体の36単位通常ボーラス用量)が完全に投与されるまで、0.05単位用量2202(すなわち、t=3:00に注入される予定である)、0.05単位用量2204(すなわち、t=6:00に注入される予定である)、および0.05単位用量2206(すなわち、t=9:00に注入される予定である)を遅延し得る。さらに、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、1回注入事象2214が終わるまで、0.10単位用量2210(すなわち、t=3:00に注入される予定である)、および0.10単位用量2212(すなわち、t=6:00に注入される予定である)を遅延し得る。
【0663】
いったん1回注入事象2214の投与が注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500によって完了されると、遅延された逐次マルチパート注入事象内に含まれる任意の離散注入事象は、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500によって投与され得る。したがって、いったん1回注入事象2214(すなわち、注入可能な流体の36単位通常ボーラス用量)が完全に投与されると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、0.05単位用量2202、0.05単位用量2204、0.05単位用量2206、0.10単位用量2210、および0.10単位用量2212を投与し得る。
【0664】
注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、0.05単位用量2202、次いで0.10単位用量2210、次いで0.05単位用量2204、次いで0.10単位用量2212、次いで0.05単位用量2206を投与することが示されているが、他の構成が可能であり、本開示の範囲内であると見なされるため、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。例えば、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500が1回注入事象2214(すなわち、注入可能な流体の36単位通常ボーラス用量)の投与を完了すると、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、第1の逐次マルチパート注入事象(すなわち、0.05単位用量2202、0.05単位用量2204、および0.05単位用量2206)と関連する遅延した離散注入事象の全てを投与し得る。次いで、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、第2の逐次マルチパート注入事象(すなわち、0.10単位用量2210、および0.10単位用量2212)と関連する、遅延した離散注入事象の全てを投与し得る。
【0665】
1回注入事象2214(すなわち、注入可能な流体の36単位通常ボーラス用量)は、t=3:00から始まって注入されるものとして示されているが、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。具体的には、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、3分間隔のうちの1つ(例えば、t=0:00、t=3:00、t=6:00、t=9:00、またはt=12:00)において、1回注入事象2214を注入し始める必要がなくてもよく、任意のときに1回注入事象2214を投与してもよい。
【0666】
各離散注入事象(例えば、0.05単位用量2202、0.05単位用量2204、0.05単位用量2206、0.10単位用量2210、および0.10単位用量2212)および1回注入事象2214は、単一の事象であるものとして示されているが、これは例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。具体的には、複数の離散注入事象(例えば、0.05単位用量2202、0.05単位用量2204、0.05単位用量2206、0.10単位用量2210、および0.10単位用量2212)のうちの少なくとも1つは、複数の離散注入サブ事象を含み得る。さらに、1回注入事象2214は、複数の1回注入サブ事象を含み得る。
【0667】
図124も参照すると、例示目的のみで、0.05単位用量2202が10回の離散注入サブ事象(例えば、注入サブ事象2216
1−10)を含むことが示され、0.005単位用量の注入可能な流体が、10回の離散注入サブ事象のそれぞれの間に注入される。加えて、0.10単位用量2210が10回の離散注入サブ事象(例えば、注入サブ事象2218
1−10)を含むことが示され、0.01単位用量の注入可能な流体が、10回の離散注入サブ事象のそれぞれの間に送達される。さらに、1回注入事象2214は、例えば、360回の1回注入サブ事象(図示せず)を含んでもよく、0.1単位用量の注入可能な流体が、360回の1回注入サブ事象のそれぞれの間に送達される。サブ事象の数および/または各サブ事象中に送達される注入可能な流体の分量は、例えば、ポンプアセンブリ100、100’、400、500の設計基準に応じて、増加または減少させられ得るため、上記で規定されるサブ事象の数、および各サブ事象中に送達される注入可能な流体の分量は、例示目的にすぎず、本開示の限定となることを目的としない。
【0668】
上記の注入サブ事象の前、後、または間に、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500は、上記の安全特徴(例えば、閉塞検出方法および/または故障検出方法)のうちのいずれかの使用を通して、注入ポンプアセンブリ100、100’、400、500の適正な動作を確認し得る。
【0669】
例示的実施形態では、注入ポンプアセンブリは、遠隔制御デバイスによって無線制御され得る。例示的実施形態では、分割リング共振器アンテナが、注入ポンプアセンブリと遠隔制御デバイス(または他の遠隔デバイス)との間の無線通信に使用され得る。「無線制御される」という用語は、入力、命令、データ、またはその他を無線で受信し得る任意のデバイスを指す。さらに、無線制御されたインスリンポンプとは、別のデバイスからデータを無線で伝送および/受信し得る任意のインスリンポンプを指す。したがって、例えば、インスリンポンプは、ユーザによる直接入力を介して命令を受信し得るとともに、遠隔コントローラから命令を無線で受信し得る。
【0670】
図127および
図131を参照すると、無線制御された医療デバイスにおいて使用するために適合され、注入ポンプアセンブリの例示的実施形態で使用される分割リング共振器アンテナの例示的実施形態は、少なくとも1つの分割リング共振器アンテナ(以降、「SRRアンテナ」)2508、アンテナに電力供給することが可能である無線制御された医療注入装置(以降、「注入装置」)2514等の装着型電気回路、および制御ユニット単位2522を含む。
【0671】
種々の実施形態では、SRRアンテナ2508は、非導電性基板2500の表面上に存在し、1つ(または複数の)金属層が所定の周波数で共振することを可能にし得る。基板2500は、難燃材2(FR−2)、FR−3、FR−4、FR−5、FR−6、G−10、CEM−1、CEM−2、CEM−3、CEM−4、CEM−5、ポリイミド、Teflon、セラミック、または可撓性Mylar等の、標準プリント回路基板材料から構成され得る。SRRアンテナ2508を備える金属共振体は、例えば、プラチナ、イリジウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼、銀、または他の導電性材料から作成される2つの長方形の金属層2502、2504から作成されてもよい。他の種々の実施形態では、SRRアンテナ2508は、1つだけの金属共振体を含有し得る。
【0672】
例示的実施形態では、金めっきを施した銅の外層2502が、物理的に接触することなく、金めっきを施した銅の内層2504を包囲する。つまり、内側リング2504が、外層2502によって形成される空洞2510(または開口)の中に存在する。内側リング2504は、その表面に沿って間隙または分割2506を含有し、材料を完全に分断して不完全なリング形状を形成し得る。両方の金属共振体2502、2504が、基板2500の同じ平面上に存在し得る。そのような構成において、外層2502は、例えば、外層2502に連結される伝送ライン2512を介して駆動され得る。加えて、種々の他の実施形態では、伝送ライン2512は、内側リング2504に連結され得る。
【0673】
アンテナ性能等の電磁幾何学形状をシミュレートすることが可能であるAWR Microwave Office等のアンテナ設計ソフトウェアは、アンテナを物理的に製造し、試験することと比較して、満足のいく寸法を生じさせるために必要な時間を有意に短縮し得る。したがって、そのようなソフトウェアを用いて、SRRアンテナ2508は、共振体2502、2504の幾何学寸法が2.4GHzの動作周波数を促進するように設計され得る。
図132は、内側リング2504および外層2502の例示的寸法、および内側リング2504が存在する空洞2510の位置付けを描写する。外層2502と内側リング2504との間の距離は、空洞2510の周囲に沿って、一定の0.005インチである。しかしながら、他の実施形態では、外層と内側リングとの間の距離が変動してもよく、いくつかの実施形態では、動作周波数が変動し得る。
【0674】
種々の実施形態では、SRRアンテナ2508は、電気的に小さいと分類することができるような寸法を有してもよく、つまり、アンテナの最大寸法が動作周波数における1つの波長よりもはるかに小さくなる。
【0675】
種々の他の実施形態では、SRRアンテナ2508は、同様の形状の1つ以上の金属内層を包囲する円形、五角形、八角形、または六角形等の、1つ以上の代替的形状の金属外層から構成され得る。さらに、種々の他の実施形態では、SRRアンテナ2508の1つ以上の金属層は、材料に間隙を含有し、不完全な形状を形成し得る。
【0676】
図130を参照すると、例示的幾何学形状を有するSRRアンテナ2508は、ヒトの皮膚と接触して配置されると、許容反射減衰量および周波数値を示す。
図130に示されるように、グラフ上のマーカー1および2によって表される関心の帯域に注目すると、2.44GHzを中心とする周波数帯域を監視している間に、ヒトの皮膚と接触する前の反射減衰量は、ほぼ−15dBである。ヒトの皮膚と接触中の反射減衰量は、
図130Aに示されるように、同じ周波数でほぼ−25dBの好適な値のままであり、約97%伝送電力を生じる。
【0677】
これらの結果は、特に、Inverted−F等の非分割リング共振器アンテナ型と比較すると有利である。Inverted−Fアンテナの反射減衰量は、アンテナがヒトの皮膚に接触するときに差異を示し、アンテナから外向きに伝送される電力の低い割合をもたらし得る。一例として、
図133に示されるように、グラフ上のマーカー1および2によって表される関心の帯域に再度注目すると、ヒトの皮膚と接触する前のInverted−Fアンテナの反射減衰量は、2.44GHzを中心とする周波数において、ほぼ−25dBである。ヒトの皮膚と接触中の反射減衰量は、同じ周波数でほぼ−2dBであり、約37%伝送電力を生じる。
【0678】
(無線医療デバイスとの統合)
例示的実施形態において、
図132および
図128を参照すると、SRRアンテナ2508の1つの用途は、ユーザ/患者2524に流体薬剤を送達することが可能な装着型注入装置2514への統合であり得る。そのような用途において、ユーザ/患者の安全性は、これらの電気構成要素間の流体動作に依存し、したがって、制御ユニット2522を往復する確実な無線伝送が大いに重要である。
【0679】
注入装置2514は、人体に直接着用され得る。一例として、そのようなデバイスは、ヒトの皮膚と直接接触して、股関節の上または上側に取り付けられてもよく、電気動作における周波数シフトを引き起こす、意図しない誘電体負荷の危険性にSRRアンテナ2508をさらす。しかしながら、そのような用途において、近くの寄生オブジェクトに対してアンテナの感受性を低下させるSRRアンテナ2508の電気特性が、性能の劣化を低減または排除するのに有益である。制御ユニット2522(概して
図131に示される)等の制御構成要素は、注入装置2514とペアリングされてもよく、2.4GHz等の所定の周波数で注入装置2514に無線信号を伝送し、そこから無線信号を受信するように設計され得る。例示的実施形態では、制御ユニット2522は、それを介して患者または第三者がインスリン送達を管理し得る主要ユーザインターフェースとしての機能を果たし得る。他の実施形態では、注入装置2514は、1つ以上の制御ユニット2522と通信するためにSRRアンテナ2508を利用し得る。
【0680】
種々の実施形態では、プロトコルおよび転送されるデータ型がアンテナの電気特性と無関係であるので、多数の異なる無線通信プロトコルが、SRRアンテナ2508と併せて使用され得る。しかしながら、例示的実施形態では、通信の双方向性マスタ/スレーブ手段が、SRRアンテナ2508介するデータ転送を組織化する。制御ユニット2522は、情報について注入装置2514またはスレーブに周期的にポーリングすることによって、マスタの役割を果たし得る。例示的実施形態では、スレーブがポーリングされたときのみ、スレーブが制御ユニット2522に信号を送信し得る。しかしながら、他の実施形態では、スレーブは、ポーリングされる前に信号を送信し得る。このシステムを通して送信される信号は、制御、アラーム、状態、患者治療プロファイル、治療ログ、チャネル選択およびネゴシエーション、暗号化、およびチェックサムを含み得るが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、SRRアンテナ2508を通した伝送はまた、患者へのインスリンの投与の電気的途絶に対する追加予防策として、ある注入動作中に停止させられ得る。
【0681】
例示的実施形態では、SRRアンテナ2508は、伝送ライン2512上の1つ以上のピン2516を介して、電源回路に連結され得る。種々の他の実施形態では、伝送ラインは、それによってSRRアンテナ2508がある周波数で共振することができる、チャネルを提供する、ワイヤ、複数対のワイヤ、または他の制御されたインピーダンス方法を備えてもよい。伝送ライン2512は、基板2500の表面上に存在してもよく、金めっきを施した銅等のSRRアンテナ2508と同じ材料から構成され得る。加えて、グラウンド面が、伝送ライン2512の反対側の基板の表面に取り付けられ得る。
【0682】
SRRアンテナ2508に連結される電気回路は、回路に最も近い伝送ライン2512の端にRF信号を印加し、SRRアンテナ2508の全体を通して電磁場を生成し、SRRアンテナ2508から伝搬し得る。SRRアンテナ2508に連結される電気回路は、2.4GHz等の所定の周波数における共振を促進する。好ましくは、伝送ライン2512およびSRRアンテナ2508の両方は、回路シミュレーションおよび特性化を簡略化するように、50オームのインピーダンスを有する。しかしながら、他の種々の実施形態では、伝送ラインおよび分割リング共振器アンテナは、他のインピーダンス値、または異なる共振周波数を有し得る。
【0683】
図129を参照すると、フィルタ、増幅器、またはスイッチ等の信号処理構成要素2518は、伝送ライン2512に統合されるか、または、信号源接続ピン2516とSRRアンテナ2508との間のいずれかの地点にあり得る。例示的実施形態では、信号処理構成要素2518は、例示的周波数のみがアンテナに伝送されることを可能にする、およびその範囲外の周波数を拒絶する等の、所望の信号処理を促進する帯域通過フィルタである。例示的実施形態では、くし形帯域通過フィルタ2518が、アンテナと信号源との間の伝送ライン2512に含まれ得る。しかしながら、他の実施形態では、例えば、フィルタ、増幅器、または当技術分野で公知の任意の他の信号処理デバイスであるが、それらに限定されない、任意の他の信号処理デバイスが含まれ得る。
【0684】
種々の実施形態では、SRRアンテナ2508は、可撓性または剛性の基板上で共振することが可能な金属体から構成され得る。
図128および
図3に示されるように、例示的実施形態は、可撓性ポリイミド基板2520上の湾曲SRRアンテナを組み込む。ポリイミドは、代替的基板よりも可撓性となる傾向があるので、例示的な材料であり得る。この構成は、円形デバイス(無線制御された医療注入装置2514等)、不規則な形状の外部筐体を有するデバイス、または空間の節約が最重要であるデバイスへの簡略化した統合を可能にし得る。
【0685】
種々の実施形態では、制御ユニット2522および基礎ユニット2514の両方が、分割SRRアンテナ2508を組み込んでもよい。この構成は、制御ユニットがヒトの皮膚にごく接近した手持ち式になるように意図されているか、または、様々な誘電率を有する様々な数の材料にごく接近する可能性がある場合に、有益となってもよい。
【0686】
種々の他の実施形態では、SRRアンテナ2508は、ヒトまたは動物の四肢の代用品の中に統合され得る。義肢がより精巧になりつつあるので、筋肉運動を制御し、シミュレートするように開発された電気系統は、サブシステム間でさらに多くの配線およびデータ転送を必要とする。義肢内の無線データ転送は、低減した物理的配線を介して重量を低減し、空間を節約し、さらなる運動の自由度を許容し得る。しかしながら、そのようなシステムの中の共通アンテナは、誘電体負荷の影響を受けやすくあり得る。無線制御された医療注入装置にSRRアンテナ2508を統合することの前述の便益と同様に、ロボットアーム等の義肢もまた、ヒトの皮膚または他の誘電材料と接触し、そのようなアンテナと関連する電気妨害の低減の利益を享受し得る。他の種々の実施形態では、SRRアンテナ2508は、アンテナに電力供給し、データを伝送/受信することが可能であり、かつ誘電材料への近接性と関連する電気妨害の影響を受けやすい、電気構成要素から構成される任意のデバイスに統合され得る。
【0687】
種々の実施形態では、SRRアンテナ2508は、人体内で動作する1つ以上の埋込型医療デバイスが、手持ち式、身体載置型、または遠隔の制御ユニットに無線通信する、医療構成要素の構成に統合され得る。ある実施形態では、身体載置型および体内無線デバイスの両方が、無線通信にSRRアンテナ2508を利用し得る。加えて、SRRアンテナ2508を利用する構成要素のうちの1つ以上が、ヒトの皮膚、組織、または他の誘電材料によって完全に包囲され得る。一例として、そのような構成は、無線データ伝送の安定性および一貫性が基本的な関心事である心臓監視/制御システムと併せて使用され得る。
【0688】
種々の他の実施形態では、SRRアンテナ2508は、注入ポンプアセンブリの実施形態に統合され得る。医療構成要素の構成では、人体に位置付けられた、または人体に取り付けられた1つ以上の電気センサが、遠隔送受信ユニットに無線通信する。一例として、身体上に位置付けられた複数の電極は、遠隔に位置する心電図機械への無線伝送用のSRRアンテナ2508を採用する無線ユニットに連結され得る。一例として、ヒトの皮膚と接触している無線温度センサは、センサが存在する部屋の温度調節のために、コントローラユニットへの無線通信用のSRRアンテナ2508を採用し得る。
【0689】
前述のように、注入ポンプ装置の種々の実施形態では、方法およびシステムは、例示的実施形態において、NITINOL(登録商標)ワイヤである形状記憶合金ワイヤ(SMAワイヤ)の収縮によってポンプおよび1つ以上の弁の制御を含む。いくつかの実施形態では、注入ポンプシステムは、SMAワイヤをわたるバッテリ電圧を切り替え、それぞれの構成要素の収縮/作動を生じさせることによって、バッテリ電圧から、直接、SMAワイヤを駆動し、次いで、バッテリ電圧をオフに切り替え、収縮を停止させる。いくつかの実施形態では、SMAワイヤ/構成要素の開始位置は、SMAワイヤの収縮力に対抗するバネ力によって復元される。
【0690】
いくつかの実施形態では、SMAワイヤは、比例的な制御を提供し得る。これらの実施形態では、SMAワイヤは、経時的に収縮し、SMAワイヤが作動する、それぞれの構成要素を経時的に変位させる。いくつかの実施形態では、SMAワイヤは、1つ以上の弁構成要素を作動させる。いくつかの実施形態では、弁構成要素は、いくつかの実施形態では、非比例関数であり得る、流体流動を閉塞または閉塞解除する。しかしながら、いくつかの実施形態では、SMAワイヤは、1つ以上の弁構成要素の比例制御を提供し得る。いくつかの実施形態では、ポンププランジャは、ストローク長さの範囲にわたって、動作され得、したがって、比例制御が、所望され得る。
【0691】
再び、
図21も参照すると、いくつかの実施形態では、ポンププランジャの比例制御のための方法は、容量センサチャンバ620中に送出され、容量センサアセンブリ148によって測定される容量を監視するステップと、ポンププランジャSMAワイヤ112が起動される時間の量を調節するステップとを含み得る。したがって、これらの実施形態では、SMAワイヤ112起動時間の関数として送出される流体の容量の閉ループ制御は、ポンププランジャ106A上でストロークごとベースで達成され得る。コントローラスキームはまた、いくつかの実施形態では、ポンプ容量の正確性を向上させ、所与の標的送達容量に収束し得る、付加的制御変数を含み得る。
【0692】
いくつかの要因は、ワイヤ中へのエネルギー(例えば、電圧、電流、時間)、周囲温度、放熱、初荷重、SMAワイヤ変動(例えば、直径、合金組成物、電気抵抗であるが、それらに限定されない)、および/またはアセンブリ変動を含むが、それらに限定されない、SMAワイヤ起動に影響を及ぼす場合がある。例えば、これらの物理的パラメータのうちの1つ以上の変化は、所与の比例ストロークおよび/または容量センサチャンバ620に送出される容量あるいは流体(ポンプ容量と称され得る)をもたらすことが予期される、SMA合金のオンタイムに変動をもたらす場合がある。いくつかの実施形態では、オンタイム対ポンプ容量の関係の時間のオフセットおよび傾斜変化の両方が生じる場合がある。
【0693】
次に、
図134も参照すると、ポンププランジャSMAワイヤ112オンタイム対ポンプ容量の関係を示す、グラフが示される。単一注入ポンプシステムが、18から38℃の温度範囲にわたって試験された。図から分かるように、結果として、SMAワイヤ作動開始時間は、約180から約310msである。図から分かるように、傾斜はまた、より低い温度に集中する。
【0694】
したがって、少なくとも1つのSMAワイヤが使用されるシステムのいくつかの実施形態では、オンタイム対ポンプ容量のオフセットおよび傾斜の変動(他のシステムでは、オンタイム対SMAワイヤの比例作動および/または作動のオフセットおよび傾斜の変動に変換し得る)は、ポンプコントローラに変数を追加し得る。変動の補償は、より正確かつ予測可能なポンプ容量および/または弁作動を達成し、ならびに/あるいはより正確かつ予測可能なSMAワイヤ作動を達成するために、所望され得る。
【0695】
注入ポンプシステム内のポンプおよび/または弁構成要素のSMAワイヤ作動を制御する能力が所望される。本明細書に論じられたように、SMAワイヤは、例示的実施形態において、少なくとも1つのポンプおよび少なくとも1つの弁を作動するために使用されるが、他の実施形態では、種々のモータは、蠕動ポンプ、回転ポンプ、および圧電アクチュエータを含むが、それらに限定されない、ポンプおよび/または弁を作動するために使用され得る。任意の1つ以上は、1つ以上のSMAワイヤ構成要素を含み得る。
【0696】
したがって、本明細書に開示されるのは、ポンプアクチュエータおよび/またはシステムに関わらず、SMAワイヤの作動を制御するための方法、装置、およびシステムである。したがって、加えて、本明細書に開示されるのは、SMAワイヤの制御、したがって、作動される任意のもの、あるいはポンプまたは変位構成要素、および1つ以上の能動弁を含むが、それらに限定されない、SMAワイヤの位相変化に依存する任意のものの制御のために、デューティサイクルを決定するためのシステム、方法、および装置である。しかしながら、説明目的のために、例示的実施形態では、ポンププランジャ106Aおよび測定弁アクチュエータ610Aの作動を参照する。
【0697】
前述のように、SMAワイヤは、変形温度に到達すると、転移する。いくつかの実施形態では、相転移は、ある時間の間、SMAワイヤに電流を印加することによって、引き起こされる。時間量は、時として、「オンタイム」と称される。いくつかの実施形態では、SMAワイヤは、オンタイムを変動させることによって、制御され得る。これらの実施形態のいくつかでは、デューティサイクルは、一定および/または固定である。
【0698】
いくつかの実施形態では、SMAワイヤをその変形温度まで加熱するために要求されるエネルギーの量は、SMAワイヤの開始温度および/または開始エネルギーに依存し得る。したがって、より高い開始ワイヤ温度と比較して、より低い開始ワイヤ温度を伴う、SMAワイヤを変形させるには、より長い時間がかかってもよい。したがって、例示的システムでは、SMAワイヤを変形させるための時間、したがって、容量センサチャンバに流体の所与の容量を送出するために要求されるオンタイムは、SMAワイヤが、より高い開始ワイヤ温度にある場合の時間と比較して、SMAワイヤが、より低い開始ワイヤ温度にある場合、より長くかかってもよい。したがって、高い開始ワイヤ温度よりより低い開始ワイヤ温度にある流体の所与の容量を送出するために、より長い時間がかかってもよい。
【0699】
したがって、いくつかの実施形態では、コントローラが、所与のポンプ容量のためのオンタイムを決定する時、SMAワイヤの開始温度を決定することは、望ましいおよび/または有益である場合がある。「SMAワイヤ温度」は、任意の温度、例えば、実際のSMAワイヤ温度および/またはSMAワイヤの周囲の温度であり得るが、それらに限定されない。例示的実施形態では、SMAワイヤの周囲またはその中心領域の温度が、使用され得る。いくつかの実施形態では、コントローラが、SMAワイヤの中心温度を考慮しない場合、したがって、温度に関わらず、オンタイムを制御する場合、およびオンタイムが、例えば、下方温度変化である、温度変化の間、測定されたポンプ容量にのみ依存し得る場合、コントローラが、オンタイムの「遅れを取り戻す」ために、より長い持続時間がかかる場合がある。したがって、システムは、効果的に要求された容量を送達するために、付加的送達を行ってもよい。実際、温度の上方変化に対して、システムは、実際には、SMAワイヤを変形させるために、所望のポンプ容量にのみ基づいて、コントローラによって達成されるものより短いオンタイムを要求する場合があり、したがって、SMAワイヤは、温度がコントローラにおける入力ではない場合、温度による付加的(かつ要求されない)オンタイムのため、余剰摩耗および消耗を被る場合がある。必ずしも、要求されない時の付加的オンタイムの適用はまた、電力源、例えば、バッテリを必要以上に急速に枯渇させる場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、要求されない時の付加的オンタイムの適用は、SMAワイヤにその「高負荷停止」、すなわち、最大応力/ひずみをSMAワイヤにもたらし、いくつかの事例では、疲労、摩耗、および消耗を生じさせ、いくつかの実施形態では、SMAワイヤを時期尚早に破損させる場合がある。したがって、SMAワイヤが高負荷停止に到達するのを防止することが望ましく、したがって、SMAワイヤがその高負荷停止に到達するを防止するための方法は、望ましく、かつ有益である。
【0700】
いくつかの実施形態では、本変化を補償するために、コントローラがSMAワイヤを加熱する公称デューティサイクルを変動させることによって、より高いまたはより低い量のエネルギーが、SMAワイヤに印加され得る。したがって、次に、
図135も参照すると、デューティサイクルは、各温度対公称応答において、例えば、300度Kおよび65%デューティサイクルにおいて、アクチュエータ/SMAワイヤ応答に整合する種々の温度に調節され得る。したがって、本方法は、デューティサイクルを変動させることによって、かつコントローラオンタイムを変動させることなく、エネルギーを変動させるステップを含む。次に、
図136を参照すると、各温度における、最適デューティサイクルのプロットが示される。したがって、いくつかの実施形態では、アルゴリズムが、各SMAワイヤ温度における最適デューティサイクルを決定するために、例えば、
図135のデータから、モデル化を通して、開発され得る。
【0701】
いくつかの実施形態では、SMAワイヤの中心温度の関数として、デューティサイクルを変動させることが所望され得る。SMAワイヤの中心温度は、最後の電流印加、例えば、ポンププランジャ106Aの最後の作動からの経過時間、SMAワイヤが制御している装置の温度、SMAワイヤが転移した回数、すなわち、SMAワイヤが使用された時間、ならびに/あるいはSMAワイヤが行うように設計されたタスクを行ったおよび/またはデバイスを作動させた回数を含むが、それらに限定されない、1つ以上の要因の積であり得る。
【0702】
したがって、いくつかの実施形態では、温度が変化していることが決定される場合、デューティサイクルも同様に、調節を要求し得る。デバイス/構成要素内および/またはデバイス/構成要素上に位置する、1つ以上の温度センサを使用して、温度が決定され得る。例示的実施形態では、容量センサアセンブリ148内に位置する温度センサまたはサーミスタは、温度を決定するために使用され得る。しかしながら、種々の他の実施形態では、装置/デバイス/構成要素および/または注入ポンプシステム内の種々の場所に位置する、1つ以上の温度が使用され得る。次いで、温度情報は、作動および/またはポンプ容量の送達のための公称デューティサイクルを決定するために使用され得る。
【0703】
前述のように、システムおよび方法は、形状記憶合金が使用されている、デバイスおよび/または装置のモデル化ならびに/あるいは特性化に依存する。したがって、アルゴリズムを決定するために、前述のプロセスまたは方法が使用され得る。しかしながら、アルゴリズムは、種々の実施形態では、SMAワイヤの長さおよび/または厚さおよび/またはその周囲の装備、ならびにSMAワイヤの幾何学形状、使用される固着技法、ならびに/あるいはSMAワイヤの周囲の任意のコーティング、空隙等を含むが、それらに限定されない、多くの要因に応じて、変動し得る。加えて、所望される結果として、すなわち、SMAワイヤの機能に応じて、これは、アルゴリズム決定に影響を及ぼし得る。
【0704】
次に、
図137も参照すると、
図134−136に示される類似決定が、弁、例えば、例示的実施形態では、測定弁アセンブリ610に関して行われた。したがって、示されるように、
図137に示されるモデルから導出されたアルゴリズムは、前述の実施例と異なる。したがって、SMAワイヤが使用されるシステムに応じて、モデルが導出され、アルゴリズムが決定され得る。
【0705】
いくつかの実施形態では、温度センサよりむしろ、システムは、予測モデルから予測された温度を決定するために、最後の作動からの経過時間を使用し得る。したがって、最後の作動からの時間とSMAワイヤの温度との間に、関係が確立され得る。
【0706】
したがって、種々の実施形態では、SMAワイヤ内の温度またはエネルギーに基づいて、SMAワイヤの制御を調節するための方法が、開示される。種々のシステムの種々の実施形態では、所与のシステムおよび/またはデバイスおよび/または構成要素内の所与のSMAワイヤの作動のために要求されるエネルギーの量は、温度に伴って、変動し得る。したがって、種々の実施形態は、SMAワイヤの温度またはエネルギーを決定し、温度および/またはエネルギーに基づいて、作動を達成するためのオンタイムを決定するための方法を含む。
【0707】
オンタイムは、システムに導入されるエネルギーの量に関連するため、いくつかの実施形態では、総エネルギー、すなわち、SMAワイヤ作動前におけるエネルギーおよびSMAワイヤに追加されたエネルギー、例えば、熱は、総エネルギーに等しい。したがって、方法は、例えば、SMAワイヤを使用して、ポンプおよび/または弁および/または構成要素および/またはシステムを作動させるために要求される総エネルギーを決定するステップと、SMAワイヤ作動前における温度および/またはエネルギーの量を決定するステップと、次いで、作動のために必要とされる付加的エネルギーの量を決定するステップと、次いで、必要とされるエネルギーを印加するステップとを含む。加えて、いくつかの実施形態は、容量センサアセンブリ148を使用して、ポンプ容量を測定するステップと、必要に応じて、ポンプを作動し、ある容量の流体を送出するために要求されるエネルギーの総量を更新するステップとを含む。
【0708】
いくつかの実施形態は、オンタイムおよび/またはSMAワイヤに印加されるエネルギーの時間を変動させ、ポンプを有効化および/または作動し、貯留部から流体の標的容量を送出するステップを含む。加えて、いくつかの実施形態は、容量センサチャンバ内に流体の容量を送出することによって、送出される流体の容量を測定するステップと、容量測定アセンブリを使用して、流体の容量を決定するステップとを含む。いくつかの実施形態では、容量測定アセンブリによって測定された容量は、ポンプを作動させるおよび/または貯留部から流体の標的容量の送出を生じさせるために必要とされるエネルギーの量を決定するために使用され得る。
【0709】
いくつかの実施形態は、オンタイムおよび/またはエネルギーがSMAワイヤに印加される時間を変動させ、弁を有効化および/または作動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、弁は、容量測定アセンブリの下流にあり得る。いくつかの実施形態では、弁の作動後、容量測定アセンブリは、容量センサチャンバ内の流体の容量を測定し、本容量は、弁が、効果的に、容量センサチャンバから流体を流動させるように開放されるかどうかを決定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、容量が、容量センサチャンバから流出しなかったと決定される場合、弁が作動されなかったと決定され得る。その後、弁の作動のために使用されるオンタイムが変更され得る。
【0710】
本発明の原理が、本明細書に説明されたが、本説明は、本発明の範囲に関する制限としてではなく、一例にすぎないことが、当業者によって理解されるはずである。本明細書に図示および説明される例示的実施形態に加え、他の実施形態も、本発明の範囲内で想定される。当業者による修正および代用も、本発明の範囲内であると見なされる。
【0711】
多数の実施形態を説明してきた。それでもなお、種々の修正が行われ得ることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内にある。