(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367181
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】レバウディオサイドD甘味ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/38 20060101AFI20180723BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
A23L2/38 A
A23L2/00 G
A23L2/00 T
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-505820(P2015-505820)
(86)(22)【出願日】2013年4月8日
(65)【公表番号】特表2015-512652(P2015-512652A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】US2013035555
(87)【国際公開番号】WO2013158390
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2015年1月14日
【審判番号】不服2016-18919(P2016-18919/J1)
【審判請求日】2016年12月16日
(31)【優先権主張番号】61/624,439
(32)【優先日】2012年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593203701
【氏名又は名称】ペプシコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PepsiCo Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】リー,トーマス
【合議体】
【審判長】
田村 嘉章
【審判官】
佐々木 正章
【審判官】
窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0189360(US,A1)
【文献】
特表2009−528846(JP,A)
【文献】
特表2010−521162(JP,A)
【文献】
特表2004−520072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/38 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する方法であって、
a. 室温の水と、甘味効果のある量のレバウディオサイドD(Reb D)とを混ぜ合わせて、400から500ppmのReb Dを含有するReb D甘味水を作成する工程、
b. 前記Reb D甘味水に二酸化炭素を注入して、炭酸Reb D甘味水を作成する工程、および
c. 前記炭酸Reb D甘味水を、Reb Dを含まないシロップと混ぜ合わせて、ダイエット炭酸ソフトドリンクを形成する工程、
を有してなる方法。
【請求項2】
炭酸Reb D甘味水の流れをシロップの流れと同時に容器中に注入することによって、前記炭酸Reb D甘味水を前記シロップと混ぜ合わせる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する方法であって、
a. 室温の水と、甘味効果のある量のレバウディオサイドD(Reb D)とを混ぜ合わせて、400から500ppmのReb Dを含有するReb D甘味水を作成する工程、
b. 前記Reb D甘味水を、Reb Dを含まないシロップと混ぜ合わせる工程、および
c. 混ぜ合わされたReb D甘味水とシロップに二酸化炭素を注入して、ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する工程、
を有してなる方法。
【請求項4】
前記ダイエット炭酸ソフトドリンクを容器中に注入する工程をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記Reb D甘味水が425から475ppmのReb Dを含有する、請求項1または3記載の方法。
【請求項6】
前記シロップが、色素、酸、カフェイン、香味料、および保存料から選択される1つ以上を含む、請求項1または3記載の方法。
【請求項7】
貯水槽内で前記水とReb Dとを混ぜ合わせる、請求項1または3記載の方法。
【請求項8】
1部の前記シロップを5部の前記炭酸Reb D甘味水と混ぜ合わせる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
1部の前記シロップを5部の前記Reb D甘味水と混ぜ合わせる、請求項3記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、ここにその全てを引用する、「レバウディオサイドD甘味炭酸ソフトドリンクを製造する方法」と題する、2012年4月16日に出願された米国仮特許出願第61/624439号に優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、レバウディオサイドDで甘味付けられたダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
甘いステビオールグリコシド化合物は、低濃度で存在し、植物性の素材、特に、ステビア(Stevia rebaudiana Bertoni)植物から抽出できる。ステビア粗抽出物中に、これらの化合物は、典型的に、ステビオサイド、ステビオールビオサイド、レバウディオサイドAと、レバウディオサイドBと、レバウディオサイドCと、レバウディオサイドDと、レバウディオサイドEとを含む幾種類かのレバウディオサイド、およびズルコサイド化合物を含むことが分かった。便宜上、レバウディオサイドは、ここでは、Reb A、Reb B、Reb Cなどと称してよい。
【0004】
レバウディオサイドの中で、Reb Aは、飲料用途における甘味料として一般に使用されるが、臭み(off-taste)の問題がある。Reb Dは、Reb Aよりも、より良好な砂糖の特徴とより望ましい風味を有するが、室温での水中溶解度が低いために、食品に使用することが難しい。例えば、Reb Dは、完全に溶解させるために、2時間に亘り、水の沸点近くまで加熱する必要がある。例えば、特許文献1を参照のこと。室温では、多くとも約500ppmしか水中に可溶化できない。
【0005】
Reb Dには、Reb Aのものと同様の甘味度(sweetness potency)(砂糖より約200倍甘い)を有する。それ自体、約500ppmの水溶性で、Reb Dは、飲料にそこそこの甘味を提供できる。しかしながら、この水溶性は、主要な甘味料としてReb Dを使用した炭酸ソフトドリンクの製造に関して問題となる。
【0006】
炭酸ソフトドリンク(CSD)を製造するための従来のプロセスには、濃縮物またはシロップ中に6倍の濃度の成分が必要である。次いで、このシロップは、5倍の水により希釈され、CO
2が注入されて、CSD(コーラ、レモンライムなど)を形成する。全てのシロップ成分が、最終飲料中のレベルの6倍の程度まで水溶性である場合、このことはうまくいく。言い換えれば、Reb DがCSDの主要な甘味料である場合、完成した飲料が500ppmのReb Dを有するように配合されるのであれば、その水溶性は3000ppmである必要がある。特許文献1には、沸点近くの温度まで加熱することが教示されているが、炭酸飲料製造業者は、そのような高温加熱を実施したがらないので、これは実際的ではない。さらに、冷却の際に、Reb Dは、数時間以内に過飽和溶液から沈殿してしまうであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0189360号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明のいくつかの態様の目的は、Reb Dなどの低溶解度甘味料により甘味付けられたダイエットCSDを製造する方法を提供することにある。ここに開示されたシステムおよび方法の全てのまたはある実施の形態の追加の目的および利点は、以下の開示および特定の例示の実施の形態の議論の恩恵を考慮すると、当業者には明白になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、主要な甘味料としてのReb Dにより甘味付けられたダイエット炭酸ソフトドリンク(CSD)を製造する方法に関する。本発明は、非甘味シロップおよびReb D甘味水を使用する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここに開示された本発明の主題の様々な実施例および実施の形態が、可能であり、この開示の恩恵を考慮すれば、当業者には明白になるであろう。この開示において、「いくつかの実施の形態」、「特定の実施の形態」、「特定の例示の実施の形態」および類似の句の各々の言及は、それらの実施の形態が本発明の主題の単なる非限定的な例であり、排除されない代わりの実施の形態があることを意味する。別記されないか、または記載された文脈から明白ではない限り、開示された実施の形態および実施例のいずれの代わりと随意的な要素または特徴は、互いに交換可能である。すなわち、1つの実施の形態または実施例に記載されたある要素は、記載された別の実施例または実施の形態における1つ以上の対応するが異なる要素と交換可能であるまたは置換可能であると理解されるべきであり、同様に、1つの実施の形態または実施例の随意的な特徴を、他の実施の形態および実施例において、必要に応じて使用してもよい。より一般に、任意の開示の実施例または実施の形態の要素および特徴は、他の態様および他の実施例と実施の形態への使用について、一般的に開示されている理解すべきである。1つ以上の特定の機能、タスクおよび/または操作などを実行するために作動するまたは構成されている構成要素または成分への言及は、それが、少なくとも特定の実施の形態においてそのような機能、タスクおよび/または操作を実行でき、1つ以上の他の機能、タスクおよび/または操作も十分に実行できるであろうことを意味することを意図している。
【0012】
本発明の態様によれば、Reb DはダイエットCSDにおける主要甘味料として使用される。ダイエットCSDは、一食(8オンス(約237cc))当たり40カロリー以下の飲料として定義される。一食当たりのカロリーが5カロリー未満である場合、CSDはゼロカロリー飲料と定義することができる。
【0013】
大量の炭酸飲料は、典型的に、大量バッチで調製されない。代わりに、水に二酸化炭素が注入される。次いで、その炭酸水および甘味シロップが、ボトルまたは缶などの容器中に同時に注入されて、CSDを形成している。その容器は迅速に密封される。あるいは、甘味シロップおよび水が混ぜ合わされ、次いで、飲料のボトル詰めの際に二酸化炭素が注入されて、CSDを形成している。その容器は迅速に密封される。
【0014】
従来、1部のシロップが5部の水と混ぜ合わされる。そのシロップは濃縮物であり、各成分はこの濃縮物中に可溶性でなければならない。例えば、ダイエット炭酸飲料中の典型的な甘味料はアスパルテームである。このアスパルテームは、水で希釈されたときに、500ppmの所望の甘味値を提供するために、シロップ中に3000ppmまで可溶性でなければならない。そのシロップに、Reb Aを含む他の甘味料を使用してもよい。これらの甘味料は、許容された水溶性を有する。
【0015】
Reb Dおよび溶解度が不十分な他の天然甘味料は、シロップ中の不十分な溶解度のために、CSDにおける主要甘味料として使用できない。すなわち、Reb Dが所望の甘味料であるダイエット飲料を得るために、シロップ中のReb Dの所望の濃度(完成飲料中の用量の6倍)を得ることができない。本発明は、シロップの代わりに水源中にReb Dを溶解させることによって、この問題を解決する。
【0016】
従って、
図1に示されるような1つの態様において、Reb D(10)が水(12)と混ぜ合わされて、Reb D甘味水(14)を生成する。このReb D甘味水は、貯水槽内に保持されてもよい。Reb D甘味水に二酸化炭素(16)が注入されて、炭酸Reb D甘味水(18)を生成する。次いで、炭酸Reb D甘味水(18)が、非甘味シロップ(20)と同時に容器(22)中に注入されて、ダイエットCSDを形成する。
【0017】
あるいは、
図2に示されるように、Reb D(10)が水(12)と混ぜ合わされて、Reb D甘味水(14)を生成する。このReb D甘味水(14)が非甘味シロップ(20)と混ぜ合わされて、甘味シロップ水(24)を形成し、次いで、これに二酸化炭素(16)が注入されて、ダイエットCSD(26)を形成し、次いで、これが容器(22)に注入される。
【0018】
Reb D甘味水(14)は、ある期間に亘り貯水槽内に保持してもよいが、シロップと炭酸の添加並びに容器への投入の残りの各工程は連続プロセスである。その容器は、ガラス製またはプラスチック製のボトルまたは金属缶などのどのような適切な容器であってもよい。
【0019】
本発明は、Reb Dがシロップに添加されていないので、6倍の濃度のReb Dを機能させる必要がない。代わりに、そのプロセスの水分にReb Dが溶解される。その結果、約500ppmのReb Dの室温溶解度が、結果として得られるReb D甘味ダイエットCSD中に所望の甘味を提供するのに十分である。
【0020】
Reb Dは、どのような適切な様式でステビア植物から得てもよい。例えば、ステビア成分はステビア植物から抽出される。抽出成分に分別(カラムクロマトグラフィー)が行われて、Reb D、Reb A、ステビオサイドなどの成分を分離する。Reb Dは、単離され、例えば、再結晶化により精製される。
【0021】
水は、典型的に、精製水貯蔵槽から採取される。本発明は、その貯蔵槽中の水を甘味効果のある量のReb Dにより単に甘くする。加熱も、他の不要な成分も、高い投資金も必要ない。
【0022】
Reb Dは、500ppmまで、例えば、400から500ppm、425から475ppm、または450ppmの量で水に加えられる。水温は、典型的に、室温に維持される。
【0023】
Reb Dは、少量で良好な甘味を提供でき、人工甘味料またはReb Aなどの天然の非栄養性甘味料の苦いまたは金属のような後味がないので、主要甘味料としてReb Dを使用することが好ましい。溶解度が不十分な他の甘味料も考えられる。
【0024】
ここに開示されたシロップは、CSDの所望の性質および風味に応じて、多種多様な成分を含有してもよい。例えば、適切な成分としては、以下に限られないが、香味料、カフェイン、カラメルおよび他の着色料または色素、酸、保存料、消泡剤、ガム、乳化剤、茶固形物、濁り成分、およびミネラル分および非ミネラル栄養補給物が挙げられる。
【0025】
適切な香味料の例としては、天然と合成の果実香味料、コラノキおよび茶などの植物香味料、カッシア、クローブ、シナモン、コショウ、生姜、バニラスパイス香味料、カルダモン、コリアンダー、ルートビア、ササフラス、朝鮮人参などのスパイス香味料などが挙げられる。
【0026】
適切な酸の例としては、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、アスコルビン酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、経皮酸、グルタル酸、およびそれらの任意のものの混合物が挙げられる。
【0027】
非ミネラル栄養補給物が、当業者に公知であり、その例としては、ビタミンA、D、E(トコフェロール)、C(アスコルビン酸)、B(チアミン)、B2(リボフラビン)、B6、B12、およびK、ナイアシン、葉酸、ビオチンを含む酸化防止剤およびビタミン類、並びにそれらの組合せが挙げられる。随意的な非ミネラル栄養補給物は、典型的に、良好な製造実践下で一般に許容される量で存在する。例示の量は、約1%と約100%のRDVの間であり、そのようなRDVは確立されている。特定の例示の実施の形態において、非ミネラル栄養補給成分は、確立されている場合、約5%から約20%のRDVの量で存在する。
【0028】
ここに開示された飲料の少なくとも特定の実施の形態において、保存料を使用してもよい。すなわち、特定の例示の実施の形態は、随意的な溶解した保存料系を含有する。4未満のpHを有する溶液、特にpH3未満の溶液は、典型的に、「微生物安定性(microstable)」である、すなわち、それらの溶液は、微生物の成長に抵抗し、それゆえ、さらに別の保存料を必要とせずに、消費前の長期間の貯蔵に適している。しかしながら、所望であれば、追加の保存料系を使用しても差し支えない。保存料系を使用する場合、保存料系は、製造中の任意の適切な時に、例えば、ある場合には、甘味料の添加前に、飲料製品に添加することができる。ここに用いたように、「保存料系」または「保存料」という用語は、制限するものではなく、安息香酸塩、例えば、安息香酸ナトリウム、カルシウムおよびカリウム、ソルビン酸塩、例えば、ソルビン酸ナトリウム、カルシウムおよびカリウム、クエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウム、ポリリン酸塩、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、およびそれらの混合物などの公知の化学保存料、並びにアスコルビン酸、EDTA、BHA、BHT、TBHQ、デヒドロ酢酸、二炭酸ジメチル、エトキシキン、ヘプチルパラベンなどの抗酸化剤、およびそれらの組合せを含む、食品組成物および飲料組成物への使用が認可された全ての適切な保存料を含む。保存料は、適用される法律および規則の下で指定された最大レベルを超えない量で使用できる。使用される保存料のレベルは、典型的に、計画された最終製品のpH、並びに特定の飲料配合物の微生物腐敗可能性の評価にしたがって、調節される。使用される最大レベルは、典型的に、飲料の約0.05質量%である。本開示の恩恵を考慮すると、本開示による飲料のために適切な保存料または保存料の組合せを選択することは、当業者の能力に含まれる。
【0029】
「濃縮飲料」および「シロップ」という用語は、本開示の全体に亘り交換可能に使用してよい。検討される飲料用シロップの少なくとも特定の例示の実施の形態は、初期体積の水により調製され、それに追加の成分が加えられる。そのシロップにさらに追加の体積の水を添加することによって、飲料用シロップから完全な(full strength)飲料組成物が形成されるであろう。典型的に、例えば、完全な飲料は、約1部の濃縮飲料を約3部から約7部の水と混ぜ合わせることによって、シロップから調製されるであろう。特定の例示の実施の形態において、完全な飲料は、1部の濃縮飲料を5部の水と混ぜ合わせることによって調製される。特定の例示の実施の形態において、完全な飲料を形成するために使用される追加の水は、炭酸水である。ある他の実施の形態において、完全な飲料は、濃縮物の形成と、その後の希釈を行わずに、直接調製される。
【0030】
水は、ここに開示された飲料製品における基本成分であり、典型的に、残りの成分がその中に溶解、乳化、懸濁または分散されるビヒクルまたは主要な液体分である。ここに開示された飲料の特定の実施の形態の製造において精製水を使用して差し支えなく、飲料の風味、臭気、または外観に悪影響を与えないように、標準的な飲料品質の水を使用することができる。水は、典型的に、無色透明であり、好ましくないミネラル、風味および臭気がなく、有機物質を含まず、アルカリ度が低く、飲料の製造時点で適用される業界および政府の規格に基づいて許容される微生物学的品質のものである。特定の典型的な実施の形態において、水は、飲料の約80質量%から約99.9質量%のレベルで存在する。少なくとも特定の例示の実施の形態において、ここに開示された飲料および濃縮物に使用される水は「処理水」であり、これは、例えば、米国特許第7052725号明細書に開示されたようなカルシウムの、随意的な補給の前に、水の全溶解固形物を減少させるように処理された水を称する。処理水を製造する方法は、当業者に公知であり、特に、脱イオン化、蒸留、濾過および逆浸透(「r−o」)を含む。「処理水」、「精製水」、「脱塩水」、「蒸留水」および「r−o水」という用語は、この議論において一般に同意語であると理解され、実質的に全てのミネラル含有量がそこから除去され、一般に、約500ppm以下しか全溶解固形物を含有しない、例えば、250ppmの全溶解固形物を含有する水を称する。
【0031】
ここに開示された飲料に泡立ちを提供するために、二酸化炭素が使用される。飲料に炭酸ガスを入れるための当該技術分野に公知の技法および炭酸化装置のいずれを使用してもよい。二酸化炭素は、飲料の風味と外観を向上させ、好ましくない細菌を抑制し、破壊することによって、飲料の純度を守るのに役立つであろう。ガスの体積は、それが溶解する液体と同じ空間を占める。二酸化炭素含有量は、泡立ちの所望のレベルおよび飲料の風味または食感への二酸化炭素の影響に基づいて、当業者により選択されるであろう。炭酸化は、天然または合成であってよい。
【0032】
本開示に使用されるように、そうではないと特定されない限り、「添加された(added)」または「混ぜ合わされた(combined)」という用語および同様の用語は、参照された多数の成分または構成要素(例えば、1種類以上の甘味料など)が、任意の様式で、かつ任意の順序で、撹拌などの有無にかかわらずに、混ぜ合わされることを意味する。
【0033】
特許請求の範囲にかかわらず、本発明は、以下の条項によっても定義される:
1. ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する方法であって、
a. 水および甘味効果のある量のReb Dを混ぜ合わせて、Reb D甘味水を生成する工程、
b. 前記Reb D甘味水に二酸化炭素を注入して、炭酸Reb D甘味水を生成する工程、および
c. 前記炭酸Reb D甘味水を非甘味シロップと混ぜ合わせて、前記ダイエット炭酸ソフトドリンクを形成する工程、
を有してなる方法。
2. 炭酸Reb D甘味水の流れを非甘味シロップの流れと同時に容器中に注入することによって、前記炭酸Reb D甘味水を前記シロップと混ぜ合わせる、条項1による方法。
3. 前記Reb D甘味水が400から500ppmのReb Dを含有する、条項1または2による方法。
4. 前記Reb D甘味水が425から475ppmのReb Dを含有する、条項1から3のいずれか1つによる方法。
5. 前記非甘味シロップが、色素、酸、カフェイン、香味料、および保存料から選択される1つ以上を含む、条項1から4のいずれか1つによる方法。
6. 前記Rebおよび水を貯水槽内で混ぜ合わせる工程をさらに含む、条項1から5のいずれか1つによる方法。
7. 1部のシロップを5部のReb D甘味水と混ぜ合わせる、条項1から6のいずれか1つによる方法。
8. 条項1から7のいずれか1つによる方法にしたがって調製されたダイエット炭酸ソフトドリンク。
9. pHが3から5である、条項8のダイエット炭酸ソフトドリンク。
10. ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する方法であって、
a. 水および甘味効果のある量のレバウディオサイドD(Reb D)を混ぜ合わせて、Reb D甘味水を生成する工程、
b. 前記Reb D甘味水をシロップと混ぜ合わせる工程、および
c. 混ぜ合わされたReb D甘味水とシロップに二酸化炭素を注入して、前記ダイエット炭酸ソフトドリンクを製造する工程、
を有してなる方法。
11. 前記ダイエット炭酸ソフトドリンクを容器中に注入する工程をさらに含む、条項10による方法。
12. 前記Reb D甘味水が400から500ppmのReb Dを含有する、条項10または11による方法。
13. 前記Reb D甘味水が425から475ppmのReb Dを含有する、条項10から12のいずれか1つによる方法。
14. 前記非甘味シロップが、色素、酸、カフェイン、香味料、および保存料から選択される1つ以上を含む、条項10から13のいずれか1つによる方法。
15. 前記Rebおよび水を貯水槽内で混ぜ合わせる工程をさらに含む、条項10から14のいずれか1つによる方法。
16. 1部のシロップを5部のReb D甘味水と混ぜ合わせる、条項10から15のいずれか1つによる方法。
17. 条項10から16のいずれか1つによる方法にしたがって調製されたダイエット炭酸ソフトドリンク。
18. pHが3から5である、条項17のダイエット炭酸ソフトドリンク。
【実施例】
【0034】
実施例1
水をReb D粉末と混ぜ合わせて、約450ppmのReb Dを有する甘味水を製造する。このReb D甘味水を4体積の二酸化炭素と混ぜ合わせて、炭酸Reb D甘味水を形成する。少なくともコーラ香味料、リン酸、およびカフェインを含有する非甘味シロップを調製する。炭酸Reb D甘味水および非甘味シロップを、5部の水と1部のシロップの比率でボトル中に同時に注入する。そのボトルに蓋をする。
【0035】
本開示は、特定の実施例および実施の形態を述べているが、付随の特許請求の範囲に述べられたように本発明の精神および範囲内に数多くの変更および改変があることが当業者には理解されよう。請求項に使用されている各単語および句は、本開示における用法および/または任意の関連する技術分野における技術的および業界的用法に矛盾しない辞書的定義の全てを含むことが意図されている。単数形は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味するために、特許における通常の従来の様式で請求項に使用されている。「含む(comprising)」という単語は、従来の無制限の意味を有する、すなわち、請求項により定義された製品またはプロセスが、必要に応じて、請求項に明白に列挙されたものを超えて、追加の特徴、要素などを有してもよいことを意味するために、請求項において使用される。
【符号の説明】
【0036】
10 レバウディオサイドD(Reb D)
12 水
14 Reb D甘味水
16 二酸化炭素
18 炭酸Reb D甘味水
20 非甘味シロップ
22 容器
24 甘味シロップ水
26 ダイエットCSD