特許第6367194号(P6367194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロフィン−ラザーク アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特許6367194レーザビームを用いた被加工物の加工装置
<>
  • 特許6367194-レーザビームを用いた被加工物の加工装置 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367194
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】レーザビームを用いた被加工物の加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20180723BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20180723BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20180723BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20180723BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20180723BHJP
   G02F 1/37 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B23K26/00 N
   B23K26/064 K
   B23K26/03
   H01S3/067
   H01S3/00 B
   G02F1/37
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-525901(P2015-525901)
(86)(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公表番号】特表2015-530251(P2015-530251A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】EP2013066723
(87)【国際公開番号】WO2014023828
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年8月28日
(31)【優先権主張番号】12179826.8
(32)【優先日】2012年8月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515035308
【氏名又は名称】ロフィン−ラザーク アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ROFIN−LASAG AG
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】リュティマン、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デュル、ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】バルトローメ、リヒァルト
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/018989(WO,A1)
【文献】 特開2010−232650(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/151136(WO,A1)
【文献】 特開2010−036196(JP,A)
【文献】 特開2012−035307(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/093264(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/119838(WO,A1)
【文献】 特開2007−222937(JP,A)
【文献】 特開2009−270939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00
B23K 26/03
B23K 26/064
G02F 1/37
H01S 3/00
H01S 3/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビーム(L)を用いて被加工物(22)を加工する装置であって、1nmよりも小さい帯域幅を有するパルス化された1次レーザビーム(L1)を生成するためのレーザビーム源としてファイバレーザ(1)を有し、前記1次レーザビーム(L)のビーム通路内に、周波数逓倍された2次レーザビーム(L)を生成するための周波数逓倍器モジュール(5)が配置され、前記周波数逓倍器モジュール(5)から出射するレーザビーム(L’,L)のビーム通路内に光学調整モジュール(10)が配置されていて、その光学調整モジュール(10)により1次レーザビーム(L”)の強度が2次レーザビーム(L)の強度に対して相対的に調整可能であり、
また、コリメータ装置(17)と、偏向光学系(20)と、被加工物(22)にレーザビーム(L”,L)を集束するためのフォーカス光学系(21)とを含む加工ヘッド(15)を有し、さらに、前記被加工物(22)から軸方向に出射する放射を取り出して検出するための装置を有し、前記偏向光学系(20)が偏向ミラー(23)を含み、その偏向ミラー(23)が1次レーザビームおよび2次レーザビームに対して狭帯域で高反射性であり、かつ被加工物(22)から出射するプラズマ放射および熱放射に対して透過性である装置。
【請求項2】
レーザビーム(L)を用いて被加工物(22)を加工する装置であって、1nmよりも小さい帯域幅を有するパルス化された1次レーザビーム(L1)を生成するためのレーザビーム源としてファイバレーザ(1)を有し、前記1次レーザビーム(L)のビーム通路内に、周波数逓倍された2次レーザビーム(L)を生成するための周波数逓倍器モジュール(5)が配置され、前記周波数逓倍器モジュール(5)から出射するレーザビーム(L’,L)のビーム通路内に光学調整モジュール(10)が配置されていて、その光学調整モジュール(10)により1次レーザビーム(L”)の強度が2次レーザビーム(L)の強度に対して相対的に調整可能であり、
また、前記レーザビーム(L,L’,L”,L)を案内するための1つ又は複数の搬送ファイバ(3,16)を有し、全ての搬送ファイバ(3,16)が15μmよりも大きいコア直径を有し、さらに、コリメータ装置(17)と、偏向光学系(20)と、被加工物(22)にレーザビーム(L”,L)を集束するためのフォーカス光学系(21)とを含む加工ヘッド(15)を有し、また、前記被加工物(22)から軸方向に出射する放射を取り出して検出するための装置を有し、かつ、前記被加工物(22)から軸方向に出射する放射(R)がファイバ光学式のビームスプリッタ(27)を介して前記搬送ファイバ(3,16)から取り出される装置。
【請求項3】
前記1次レーザビーム(L)が直線偏光されている請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記ファイバレーザ(1)がシングルモードファイバレーザ又は低モードファイバレーザである請求項1乃至3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記ファイバレーザ(1)が準連続発振(qcw)ファイバレーザである請求項1乃至4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記周波数逓倍器モジュール(5)に円偏光子(12)が後続接続されている請求項1乃至5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記レーザビーム(L”,L)のビーム通路内にある複数の光学的な構成要素が石英ガラスから成る請求項1乃至6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
被加工物(22)から加工中に出射する放射(R,Rna)のパルス波形またはパルス列の変化および時間的経過を分析し、この分析に基づいて加工プロセスを制御するための制御信号を生成する信号処理ユニット(26)を有する請求項1又は2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームを用いて被加工物を加工する装置、特に溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームを用いた被加工物の加工(穿孔、切断、溶接)は多くの利点に結びついており、それらの利点には、とりわけ他の加工方法に比べて熱流入が少ないこと、ならびにアクセス困難な個所での加工が可能で、複雑な接合輪郭を有する溶接継ぎ目の生成が可能であることが含まれる。しかし、電子、医療又は装飾工業における、例えば銅又はアルミニウムのような高反射性の被加工物やその他の高反射性材料の加工は厄介である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、とりわけ高反射性の被加工物、特に高反射性の金属被加工物を加工するのに適した、レーザビームを用いて被加工物を加工する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題は、本発明によれば請求項1の特徴事項を有する装置により解決される。これらの特徴事項によれば、レーザビームを用いて被加工物を加工する装置、とりわけ高反射性の被加工物を加工する装置は、1nmよりも小さい帯域幅を有するパルス化された1次レーザビームを生成するレーザビーム源としてファイバレーザを含む。
【0005】
ファイバレーザは、直線偏光された1次レーザビームを生成することが好ましい。
【0006】
特に、レーザビームはシングルモード又は低モードファイバレーザである。
【0007】
本発明の他の実施形態ではファイバレーザが準連続発振(qcw)ファイバレーザである。
【0008】
1次レーザビームのビーム通路中に、少なくとも1つの周波数逓倍された2次レーザビームを生成するための周波数逓倍器モジュールが配置されているならば、高反射性の被加工物の場合に、吸収が改善され、かつ加工品質および再現性が著しく改善される。
【0009】
加工ジオメトリ(例えば溶接深さ)に合わせて総放射エネルギーを調整し、特に溶接時に飛沫形成を抑制するために、周波数逓倍器モジュールから出射するレーザビームのビーム通路内に調整モジュールが配置されており、この調整モジュールは、1つまたは複数の2次レーザビームの強度に対して相対的に、残っている1次レーザビーム、即ち周波数逓倍器モジュールにおいて逓倍された周波数を有するレーザビームに変換されない1次レーザビームの強度を調整することを可能にする。
【0010】
本発明の他の有利な実施形態では、周波数逓倍器モジュールに円偏光子が後続接続されている。このようにして、直線偏光されたレーザビームの偏光方向への被加工物の吸収特性の依存性によって生じ得る作用を回避することができる。
【0011】
他の有利な実施形態では、レーザビームを案内するために1つ又は複数の搬送ファイバが設けられ、全ての搬送ファイバが15μmよりも大きいコア直径を有する。このような搬送ファイバによりレーザビームの結合が容易になる。さらに、ビーム品質が維持されたままで、非線形作用が抑制される。
【0012】
特に、本装置は、コリメータ装置と、偏向光学系と、被加工物にレーザビームを集束するフォーカス光学系とを含む加工ヘッドを有する。
【0013】
レーザビームのビーム通路内にある複数の光学的な構成要素が石英ガラスから成るとよい。
【0014】
本発明の他の好ましい実施形態では、被加工物から軸方向に出射する放射を取り出して検出するための装置が設けられている。
【0015】
このために、第1の実施形態における固定又は可動の偏向光学系が偏向ミラーを含み、その偏向ミラーは1次レーザビームおよび1つ又は複数の2次レーザビームに対して狭帯域で高反射性であり、かつ被加工物から出射するプラズマ放射および熱放射に対して透過性である。
【0016】
その代わりに、他の好ましい実施形態では、被加工物から軸方向に出射する放射をファイバ光学式のビームスプリッタを介して搬送ファイバから取り出すことができる。
【0017】
被加工物から出射する放射を信号処理ユニットにおいて分析し、この分析に基づいて加工プロセスを制御するための制御信号を生成するならば、加工品質を監視して、加工に使用されるレーザビームを調整することにより、加工品質を著しく改善することができる。被加工物から出射するこの放射は、反射されたレーザ放射、加工ゾーンでのレーザ放射から出射する熱放射、又は加工ゾーンで形成されるプラズマから出射するプラズマ放射であり、特に単一パルスの波形と同様に、被加工物から出射する放射のパルス列の波形も分析に利用される。
【0018】
本発明をさらに詳細に説明するために図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明による装置の実施例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この図によれば、本装置は、ファイバレーザ1、とりわけ近赤外線帯域(1〜2μm)内の放射を有するqcw(準連続発振)ファイバレーザ又は変調されたcw(連続発振)ファイバレーザを含み、そのファイバレーザは、シングルモード(singlemode)又は低モード数を有するマルチモード(multimode)で存在する準連続性の、好ましくは直線偏光された1次レーザビームL1を生成するように構成されており、その1次レーザビームは1nmよりも小さい帯域幅を有し、そのレーザビームのパルス時間は10μsと50msとの間にある。ファイバレーザ1は、単一パルスで動作させられてもよいし、100kHzまでのパルス周波数で動作させられてもよい。さらに、有利な実施形態では、光学ポンピングに使用されるポンピングダイオードの適切な制御によって、ファイバレーザ1により生成されるパルス又はパルス列の成形が可能である。ファイバレーザ1の制御は制御ユニット2により行われる。
【0021】
ガウス状の横断面輪郭を有する1次レーザビームL1が、好ましくは偏光を維持する第1の搬送ファイバ3と第1の視準光学系4とを介して、周波数逓倍器5内に入射させられる。その周波数逓倍器5は、フォーカス光学系6aと第2の視準光学系6bとの間に配置された非線形結晶7、例えばKTP結晶又はLBO結晶を含む。搬送ファイバ3は十分に短いので、搬送ファイバ内で非線形光学作用により引き起こされる帯域幅増大を大幅に回避して、帯域幅を1nm以下に制限することができる。第1の搬送ファイバ3は、15nmよりも大きいコア直径を有するLサイズコアシングルモードファイバ又は低モードファイバであることが好ましい。
【0022】
非線形結晶7の温度安定化にサーモスタット装置8が使用されている。付加的に、周波数逓倍器モジュール5内に入射した1次レーザビームL1の強度に相当する測定値が、センサ装置9により測定され、ファイバレーザ1の監視および制御のために制御ユニット2に供給される。
【0023】
代替実施形態では、周波数逓倍器モジュール5が、第1の搬送ファイバ3の介在なしにファイバレーザ1の出力端の直後に取り付けられる。
【0024】
周波数逓倍器モジュール5から出射するレーザビームLは、残っている(通常、周波数逓倍効率<50%)周波数ωを有する1次レーザビームL1’と、周波数2ω又は3ωを有する周波数逓倍された2次レーザビームL2とから成る。1次レーザビームL1’および2次レーザビームL2は、光学調整モジュール10を介して案内され、その光学調整モジュール10により、残っている1次レーザビームL1’と2次レーザビームL2との間の強度比を調整することができる。このために使用される光学調整モジュール10は、例えば残っている1次レーザビームL1’に対する遮断フィルタとして用いられる段階フィルタであり、1次レーザビームL1’に対するその段階フィルタの透過度は、通常10〜100%の間で自動調整可能である。この遮断フィルタは同時に2次レーザビームL2を透過させる。光学調整モジュール10によって透過させられない、即ち反射された1次レーザビームは吸収器11内に案内される。
【0025】
代替実施形態では、光学調整モジュール10が、残っている1次レーザビームL1’の一部を調整可能に吸収器11に導入する波長選択性の電気光学素子又は音響光学素子を含む。
【0026】
光学調整モジュール10から出射する、残りの1次レーザビームL1”と2次レーザビームL2とから成るレーザビームLは、偏光に依存しない光アイソレータ13およびフォーカス光学系14を介して、加工ヘッド15に通じている第2の搬送ファイバ16内に入射させられ、この第2の搬送ファイバ16から、加工ヘッド15内又はそれに近接して配置されたコリメータ装置17、第1のビーム成形装置18および円偏光子(λ/4板)12の中へ出射される。
【0027】
光アイソレータ13は、主として反射された1次レーザ放射である被加工物から反射されたレーザ放射を、これがファイバレーザ1の動作の妨げにならないように、低減するために使用される。
【0028】
第2の搬送ファイバ16は、通常15μmよりも大きいコア直径を有するラージコアシングルモードファイバ又は低モードファイバである。この搬送ファイバ16の特性は、その出口側で(特に、残りの1次レーザビームL0”において)元のガウス輪郭から、他のビーム輪郭、例えばトップハット輪郭又はドーナツ輪郭が生じるように選ばれるとよい。
【0029】
代替実施形態では、搬送ファイバ16において元のビーム輪郭が維持されたままで、第2の搬送ファイバ16の出口側において第1のビーム成形装置18により、加工ゾーンのできるだけ均一な加熱を保証するべく、強度輪郭の形状、例えばドーナツ輪郭、トップハット輪郭又は他のガウス輪郭が調整される。
【0030】
加工ヘッド15内に配置された第2のビーム成形装置19により、残りの1次レーザビームL1”および2次レーザビームL2の直径を変化させることができる。両ビーム成形装置18および19が1つのユニットを構成してもよい。
【0031】
このようにして成形されたレーザビームL(L”およびL2)は、偏向光学系20を介して、レーザビームLを被加工物22に焦束させるフォーカス光学系21に達する。偏向光学系20は、ビームを横方向に(被加工物表面に平行に)偏向するためのミラー装置、例えば2D又は3Dスキャナを有し、あるいはそれに代わり図示の実施形態では固定的に組み込まれた波長選択性かつ空間選択性の偏向ミラー23を有する。この偏向ミラー23は、一方ではレーザビームLを被加工物22へ案内し、他方では被加工物22のレーザ加工時に発生する軸方向の放射Ra、即ち被加工物22に入射するレーザビームLとは逆方向に溶接個所から出射する放射Raを透過させる。その放射Raの強度が、波長選択性かつ空間選択性の偏向ミラー23を通り抜けた後にセンサ24により検出される。偏向ミラー23の空間的な選択特性は、偏向ミラー23がレーザビームLの波長に関して限定された範囲内での反射性であり、この範囲外では透過性であることにある。この場合に、被加工物22から出射する放射Raのアパーチャが偏向ミラー23上でのレーザビームLのアパーチャよりも大きいことが利用されるので、偏向ミラー23はこの範囲内でのみ反射性でなければならない。偏向ミラー23およびセンサ24は、このようにして、被加工物22から軸方向に出射する放射を取り出して検出するための装置を構成する。
【0032】
他のセンサ25において、付加的に、加工個所から出射する非軸方向の光放射Rnaが検出される。センサ24,25によって検出された測定信号は信号処理ユニット26に導入される。信号処理ユニット26では、測定信号から、ファイバレーザ1を制御する制御ユニット2のための制御信号が生成される。
【0033】
図示の実施形態の代わりに、光学信号Ra,Rnaを先ず光案内ファイバに入射させて、センサ24,25が組み込まれている信号処理ユニット26に搬送してもよい
【0034】
センサ24,25によって生成された測定信号により、加工プロセスを監視し、信号処理ユニット26を介して加工プロセスを制御することができる。
【0035】
特に有利な実施形態では、固定又は可動の偏向光学系が波長選択性かつ空間選択性の偏向ミラー23を含まず、従って加工個所から軸方向に出射する例えば反射レーザビーム、プラズマ放射又は熱放射のような放射が再び搬送ファイバ16のコアおよび被覆中に入射する。この実施形態では、被加工物22から戻る放射が、搬送ファイバ16内のファイバ光学式のビームスプリッタ27により分離されて、信号処理ユニット26内でさらに分析される。
【0036】
さらに、図にはモニタ28が例示されており、そのモニタには加工個所から出射した放射のうちの1つのパルス29aが示されている。このようなパルス29aの波形からパルス期間中の加工個所の動的な吸収特性に関する情報を導き出すことができる。というのは金属における吸収は温度依存性であるからである。この情報は、後で加工プロセスの制御に使用することができる。
【0037】
さらに図には、同様にモニタ28上で再生可能であるパルス列29bが示されている。このようなパルス列29bのパルス29aの相対特性から、被加工物における加工中の表面変化やジオメトリ変化など、被加工物22における局所的変化を検出することができる。これは、例えば溶接の場合、溶接個所における飛沫や望ましくない穴のような溶接欠陥であり得る。これらの分析可能性は、逆に成功したレーザビームによる穿孔および切断を認識する場合にも役立つ。
【0038】
他の実施形態では、光アイソレータ13が取り除かれた場合に、レーザ側の搬送ファイバ3においても、又はファイバレーザ1自体の中においても、ファイバ光学式のビームスプリッタを介して、第2の搬送ファイバ16へ戻される放射を取り出して、分析およびプロセス制御に供することができる。
【0039】
本発明による装置は、特に電子、医療又は装飾工業における銅、アルミニウム又は他の高反射材料のレーザ加工に適している。
【0040】
本発明を細部において好ましい実施例によって詳しく図解して説明したが、本発明は開示した例に限定されず、これからその他の変形を当業者によって、本発明の保護範囲を逸脱することなく導き出すことができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ファイバレーザ
2 制御ユニット
3 搬送ファイバ
4 視準光学系
5 周波数逓倍器
6a フォーカス光学系
6b 視準光学系
7 非線形結晶
8 サーモスタット装置
9 センサ装置
10 光学調整モジュール
11 吸収器
12 円偏光子
13 光アイソレータ
14 フォーカス光学系
15 加工ヘッド
16 搬送ファイバ
17 コリメータ装置
18 ビーム成形装置
19 ビーム成形装置
20 偏向光学系
21 フォーカス光学系
22 被加工物
23 偏向ミラー
24 センサ
25 センサ
26 信号処理ユニット
27 ビームスプリッタ
28 モニタ
29a パルス
29b パルス列
図1