特許第6367197号(P6367197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367197
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】組成物を出す方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20180723BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20180723BHJP
   B65D 83/28 20060101ALI20180723BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20180723BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B65D83/00 F
   B05B9/04
   B65D83/28
   A61L9/14
   A01M1/20 C
【請求項の数】4
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2015-527680(P2015-527680)
(86)(22)【出願日】2013年8月19日
(65)【公表番号】特表2015-529175(P2015-529175A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】US2013055566
(87)【国際公開番号】WO2014028927
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2016年5月17日
(31)【優先権主張番号】13/588,976
(32)【優先日】2012年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/969,448
(32)【優先日】2013年8月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/588,974
(32)【優先日】2012年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ファーナー,ポール,イー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーウィング,ジェフリー,エル.
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ,ウィリアム,ジー.
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03369756(US,A)
【文献】 特開2004−091452(JP,A)
【文献】 特開2004−216269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00,83/08−83/76
A01M 1/20
A61L 9/14
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
300cm以上の途切れない体積を備えるチャネルを有するスリーブと、前記スリーブの前記チャネルを通して流動性の媒体を吐出するための機構と、を含むディスペンシングシステムであって、
前記機構は、上部ハウジングに取り外し可能に取り付けられた下部ハウジングと、ベース内に保持された容器と、を含み、
前記スリーブの前記チャネルを通しての前記流動性の媒体の吐出が、前記流動性の溶剤の見ることが可能なプルームをもたらすディスペンシングシステム。
【請求項2】
チャネルを有するスリーブと、
前記チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構と、を含むディスペンシングシステムであって、
前記チャネルは、300cm以上の途切れない体積を備え、
前記スリーブは、0.05mm/s以上の平均ウィッキング速度を備えるディスペンシングシステム。
【請求項3】
途切れないチャネルを有するスリーブと、
前記スリーブの前記チャネルを通して流動性の媒体を吐出するための機構と、を含むディスペンシングシステムであって、
前記機構は、0.1mmから1.0mmの間の直径を有する少なくとも1つの吐出口を含み、
前記チャネルを通しての前記流動性の媒体の吐出は、前記スリーブの約長手方向の軸で測定した30度から70度の間の角度で向けられ、
前記スリーブは、0.05mm/s以上の平均ウィッキング速度を有するディスペンシングシステム。
【請求項4】
シェードと、
前記シェードを保持するためのベースと、を含むディスペンシングシステムであって、
害虫防除剤をシェード内に放出するための容器は、前記ベース内に完全に収容され、一部は前記シェードの外側にあり、
前記シェードは、前記ベースの一部を囲み、
前記シェードへの前記害虫防除剤の吐出が、前記シェードの表面上に、見ることができる濡れ点をもたらし、
前記シェードは、前記害虫防除剤を通過させて吸い上げることを可能にするディスペンシングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物を定量出す(ディスペンス)ための方法及びシステムに関する。より詳細には、本発明は、組成物の接触とディスペンサとの相互作用との結果として、複数の使用及び効果的な指標を生成するディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
消費財製品の利用者は、通常、特定の家事を達成するために組成物を購入する。例えば、利用者は、害虫を防除するために、家の中又は外で、害虫防除剤を散布することを望む。あるいは、利用者は、家に香りを出すため、及び/又は家の臭気を除くために、空気清浄装置を購入する。いくつかの例では、害虫を駆除するために、害虫の上に害虫防除組成物を定量出す(ディスペンス)、といったように、瞬時に組成物を定量出すことが望ましい。他の例では、継続的に家の部屋の中に心地よい香りを提供するために、家の部屋に芳香組成物を定量出す、といったように、所望の結果を達成するために、長期間にわたって組成物を定量出すことが望ましい。さらに他の例では、同一の又は別の組成物の拡張作用が続く即時の結果と長期的な結果の両方を提供する組成物を定量出す(ディスペンス)ことが望ましい。
【0003】
残念ながら、多くの消費財の組成物は、リザーバーからの放出の際に、短時間に有効である、能動的で、瞬間作用の組成物だけであるか、または、予め満たされた基部から長時間にわたって有効である、受動的で、継続的作用の組成物だけである。各システムは、他方に対して利点を有する。例えば、能動的なシステムは、利用者が、昆虫を撃退するためか、または、強い悪臭を克服するために、直ちに所望の量の殺虫剤、または、芳香剤を放出することを可能にする。しかし、これらの組成物強度における一時的な急上昇は、通常は急速に減衰する。一方、受動的なシステムは、典型的には、能動的なシステムと比較して、組成物の強度において、よりわずかな減衰を伴って、継続的な組成物の放出を行う。
【0004】
いくつかは、能動的なシステムの制御された放出と受動的なシステムの持続的な放出を利用するために、能動的なシステムと受動的なシステム組み合わせを求めた。例えば、米国特許第4,341,348号においては、空気中に、そして、吸収部材に、直接スプレーを定量出す(ディスペンス)ディスペンシング装置(定量出す装置)が開示されている。ディスペンシング装置(定量出す装置)は、エアゾール容器及びエアゾール容器の上部に配置されたオーバーキャップを含む。オーバーキャップは、通気式円筒形の側壁と通気式トップ部分とを含む。プランジャ部品は、容器のバルブステムに係合し、オーバーキャップの頂部を通って延びる。プランジャは、その両側に形成された2つのポートを含む。二つの吸収性担体(キャリア)部材はプランジャ部品の周りでオーバーキャップの上部内に配置される。キャリア部材は、断面が略半円形であり、二つの直径方向で対向する噴霧通路を作成するような方法で、プランジャの周囲に配置されている。プランジャ部品が活性化されると、芳香剤が、噴口の外に放出され、大気中に反対側の噴霧通路を通って、放出される。オーバーキャップは、噴口と噴霧通路が一列に整列しないように、また、プランジャが駆動したときに、スプレーが直接キャリア要素に噴口から放出されるように、90度回転されてもよい。追加の噴口は、スプレーが噴霧通路を通って、同時にキャリア部材上に放出されるように、プランジャに設けられてもよい。
【0005】
米国特許第4,726,519号に開示された別の装置は、即時の空気処理のためや、連続した空気処理のための吸収成分を再装填するために、空気中へ空気処理組成物を同時に噴霧する。この装置は、エアゾール容器のバルブステムに通じる通路を有する円筒状の通気壁と作動ボタンを含むエアゾール容器用オーバーキャップを含む。吸収性部材は、オーバーキャップ内に配置される。この装置が起動されると、空気処理組成物は、噴霧オリフィスを通って大気中に放出される前に通路に形成された複数の出口を通過する。複数の出口は、空気のその後の受動的な処理のために、吸収性部材の上に空気処理組成物の一部を導く。好ましい実施形態では、噴霧通路の周りに90度の間隔をあけ4つの出口を含む。あるいは、出口は、噴霧通路内の代わりに、エアゾール容器のバルブステム内に形成されてもよい。
【0006】
同様に、米国特許第7,887,759号に示されている別の気体ディスペンシング装置は、香りの放出のために複数の放出メカニズムを含んでいる。ディスペンシング装置は、香りの第1の連続的な受動的な放出を提供するために、容器とつながっているエマネータ(発散装置)を有する連続的な放出機構を含む。ディスペンシング装置は、また、香りの瞬間的な噴出を提供するために、応需型の放出機構を含む。また、応需型の放出機構の起動は、連続的な放出機構または第二の表面上に、香りの噴出の一部を堆積させることによって、香りの第2の連続的な受動的な放出を生み出す。第1及び第2の受動的な放出の組み合わせは、単独の連続的な放出機構によって放出された香りよりも高い強度のある香りの放出を生み出す。
【0007】
米国特許第6,610,254号に記載された他のシステムは、直ちに(例えば、能動的に)使用されるように設計され、受動的な拡散を提供するために、ゲルカートリッジの形態で提供される追加の構成部品を利用するエアゾール容器を含む。このシステムは、受動的および能動的拡散を達成するために2つの構成部品の使用を要するので、能動的および受動的なディスペンシング(定量出す)のニーズを満たすために、消費者に別の構成部品を購入しなければならなくする。消費者はまた、システムが正しい方法で動作されていることを確認するために、消耗について両方の構成部品を監視することが必要となる。
【0008】
受動的で能動的なディスペンシングシステムに関する1つの特定の障害は、組成物の初期放出(例えば、受動的な放出)の後の期間に、所望の効果を提供し続けているという通知と合わせて、組成物が、能動的に放出されたことを利用者に通知することである。いくつかの従来技術のシステムは、システムが最初にオンに、セットアップ、またはそうでなければその初期使用段階で利用者に提供される場合、組成物が使用中であるという初期指標を提供する。いくつかの例では、通知は、可聴指標を介し利用者に提供される。他の例では、通知は、視覚指標を介して利用者に提供される。
【0009】
しかし、問題は、いくつかの視覚と聴覚的指標を使用することにより生じる。例えば、いくつかの例では、聴覚と視覚の指標は一時的であり、一般利用者に継続的な有効ないかなる指標も提供していない。他の例では、視覚指標は、電子的であり、LEDまたは他の光の形態で提供される。これらのシステムでは、LEDは、典型的には、使用を示すために迅速に点滅する小形電球として提供される。電球のサイズの制約のために、ある人にとっては、その電球を見ることが困難である。さらに、電球はより高価であり、システムの製造プロセスにさらなる複雑化とさらなる費用を追加する。
【0010】
他のシステムでは、スプレーは、作動中に生成されてもよい。スプレーは、システムのアクティブな発光状態の視覚指標を提供することができる。残念ながら、しかし、多くのシステムは、スプレーを隠すハウジングにスプレーを吹きかけるため、したがって、視覚指標が隠されてしまう。
【0011】
いくつかの従来技術のシステムは、システムに関連付けられた使い切りキューを実装することにより、上記の問題を克服しようと試みてきた。これらのシステムでは、使い切りキューは、そのライフサイクルを通じて揮発性物質の使用を示すために提供される。しかし、従来技術で公知の多くの使い切りキューは、システムの受動的な側面を監視し、システムの能動的な側面の指標や監視を提供していない。
【0012】
システムによって提供される指標に加えて、システムの有効性の利用者の知覚への1つの重要な側面は、システムで利用される基部の外観や種類である。具体的には、非吸収性の外観を有する基部を利用するシステムにおいて、利用者は、組成物を注いだときに、基部に吸収しないので、継続的に、その後、受動的な拡散を提供しないことを認識することができる。実際に、固体基部の吸収特性への利用者の認識は、正しいかどうか、基部は、受動的に組成物を放出するのに有効ではないという指標を提供する。このようなシステムはまた、過度な即時の噴霧により、システムの欠陥を克服するために、利用者の認知された必要性の理由で、効果がないか、または過使用をもたらし得る。
【0013】
対照的に、織物、布、または板紙タイプの基部は、利用者に全く異なる知覚を想起させる。たとえば、ほとんどの利用者は、本質的に、布製の基部上に噴霧された組成物は、まず、基部に吸収し、また組成物が最初に基部上に噴霧された後に長時間の放出を提供し続けながら、即時に能動的な噴出を提供することを理解する。多くの人にとって馴染みのある一般的な例は、香水が衣類に噴霧されるときである。香水は、噴霧時に芳香の噴出を提供し、噴霧された衣服は、終日、または最初のスプレーの後の期間、芳香を放出し続ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、単一の構成部品から能動的拡散および受動的拡散の両方を提供し、能動的および受動的放出状態の一つ以上の指標を提供するシステムに対する要求が存在する。より好ましくは、そのようなシステムは、製造を簡素化し、コストを削減するために、電子部品を用いないことである。さらに、そのようなシステムは、利用者にとって、使用および維持が簡単である。
【0015】
複数の詰め替えの必要性を最小限に抑えるようなシステムを提供することへの要求がある。特に、このようなシステムは、能動的使用および受動的使用の両方のための組成物を提供する単一の詰め替えのみを必要とすることが好ましい。
【0016】
利用者が、簡単な1つの工程により、能動的拡散および受動的拡散の両方を提供するためのシステムを容易に作動させることを可能にするシステムを提供することへのさらなる要求がある。利用者が、消耗後に、システムの受動的拡散の側面を新しくしたい場合に、さらなる利点が、実現される。特に、利用者が、さらなる時間で簡単にシステムを作動させると、システムは、リフレッシュされて、再度、1つの作動工程を経て、能動的拡散と受動的拡散の両方を提供する結果となる。
【0017】
利用者に効果的な視覚指標を提供することへの要求もある。特に、システムは、有効性の視覚表示自体を提供するために、受動的拡散および能動的拡散をもたらすものを利用することが好ましい。このようなシステムでは、部品が削減され、作動の伝達とシステムの効果が簡素化され、利用者にとって、直感的なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一実施形態によれば、ディスペンシングシステムは、基部と、基部を通して流動性の媒体を吐出するための機構を含む。基部を通しての流動性の媒体の吐出は、3秒以上の流動性の媒体の可視的な、プルーム(噴煙)をもたらす。また、流動性の媒体のプルーム(噴煙)が少なくとも8秒見えるか、または、プルーム(噴煙)は、少なくとも1秒または1秒から2秒の間、基部の境界を越えて見えることも意図する。基部は、吸収性であってもよく、または基部は、水平部品およびそこから上方に延びる垂直壁を有するシェードを備えてもよく、そこでは、流動性の媒体が、シェードのチャネル内に少なくとも3秒間、プルーム(噴煙)として見えることも意図する。また、シェードは、流動性の媒体を吐出するための機構を囲むことも意図する。
【0019】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネル有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を備える。チャネルは、少なくとも300cmの途切れない(連続した)体積を備え、流動性の媒体の吐出は、チャネル内に、見えるプルームを作り出す。また、プルームが、基部の境界を越えて見え、基部が吸収性であることを意図する。さらに、基部は、複数の不織布の繊維を備え、少なくとも50μmの体積基準メジアン径を有することを意図する。さらに、基部は、ナイロンであってもよい。
【0020】
さらなる態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を備える。吐出される流動性の媒体は、チャネルの出口のDv(90)の粒度分布で30μm以下の粒度分布を備える。
【0021】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、300cmから800cmの間の内部容積を有するチャネルを有する基部を備え、そこでは、流動性の媒体が吐出される。流動性の媒体は、チャネルの出口のDv(90)の粒度分布で30μm以下の粒度分布を有する。
【0022】
さらなる態様によれば、ディスペンシングシステムは、300cmから800cmの間の内部容積を有するチャネルを有する基部を備え、そこでは、流動性の媒体が吐出される。流動性の媒体は、粒子の少なくとも15%は、サイズが10μm未満である、粒度分布を有する。また、粒子の少なくとも25%のサイズが10μm以下であるか、または粒子の少なくとも35%のサイズが10μm以下であることも意図する。
【0023】
一実施形態によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を備える。流動性の媒体は、チャネルの出口のDv(90)の粒度分布で30μm以下の粒度分布を有し、流動性の媒体は、少なくとも3秒間、見ることが可能なプルームを作り出す。
【0024】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、下端と上端とを有する導管と、導管を通って、導管の上端の外に流動性の媒体を吐出するための機構を備えている。流動性の媒体は、約4m/秒から約10m/秒の間の速度で、導管の上端を出るプルームを形成し、プルームの一部は、導管の上端部よりも少なくとも100mm上方で広がる。また、流動性の媒体は、導管の長さの少なくとも75%を通って吐出されることも意図する。さらに、プルームは、導管の上端100mm上方で約0.10m/秒の速度を有することを意図する。また、流動性の媒体は、基部の長手方向軸に対して約30度から約70度の角度の間で定量出されることも意図する。それはさらに、流動性の媒体は、約60度の角度で少なくとも4つの吐出口を有するノズルアクチュエータから定量出されることを意図する。また、プルームは、導管の上端のDv(90)の粒度分布で30μm以下の粒度分布を有しもよいことも意図する。
【0025】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有すると、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構基部を備える。流動性の媒体は、液体粒子の少なくとも100mgを含むプルームを生成し、そして、プルームは、チャネル内で少なくとも3秒間、チャネルの外側で少なくとも1秒間見ることが可能である。
【0026】
さらなる態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を備える。基部は、80μm未満の体積基準メジアン径を含む。
【0027】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を放出するための機構を備える。チャネルは、少なくとも400cmで途切れない体積を備える。基部は、複数の不織布の繊維、80μm未満の体積基準メジアン径、少なくとも1.55mL/gの気孔率を備える。また、基部は、50μmから80μmの間の体積基準メジアン径、1.55mL/gから7.13mL/gの間の気孔率を備えることも意図する。
【0028】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を備える。チャネルは、少なくとも300cmの途切れない体積を備える。基部は、複数の不織布の繊維、80μm未満の体積基準メジアン径、1.275g/cm未満のかさ密度を備える。また、基部が、50μmから80μmの間の体積基準メジアン径、1.142g/cmから1.275g/cmの間のかさ密度を備えることも意図する。
【0029】
さらなる態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を含む。基部は、不織布の繊維及び複数の80μm未満の体積基準メジアン径を含み、そこでは、基部は、少なくとも3N/mmでのストリップ法での引張強度を備える。また、基部は、75μmの体積基準メジアン径と、3.03N/mmのストリップ法での引張強度を備えていてもよいことも意図する。
【0030】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を含む。チャネルは、少なくとも300cmで途切れない体積を備える。基部は、複数の不織布の繊維と、少なくとも0.15mg/mmの平均質量吸収率を備える。また、基部は0.15mg/mmから0.18mg/mmの間の平均質量吸収率を含んでもよいことも意図する。
【0031】
さらなる態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を備える。チャネルは、少なくとも300cmで途切れない体積を備える。基部は、複数の不織布の繊維と、少なくとも0.05mm/sの平均ウィッキング速度(average wicking speed)を備える。また、平均ウィッキング速度を0.050mm/sから1mm/sの間であってもよいことも意図する。さらに、基部は、流動性の媒体の約0.061mg/mmで吸収することが可能であってもよいことを意図する。さらに、流動性の媒体の吐出流がチャネルを規定する表面上に吐出されてもよく、基部の外部表面は、流動性の媒体の吐出約2分後、最も視覚的にはっきりした少なくとも一つの濡れ点が付与されることも意図する。また、流動性の媒体の少なくとも一つの吐出流がチャネルを規定する表面上に吐出されてもよく、基部の外部表面は、流動性の媒体の吐出後10秒、平均サイズが8cm以上の少なくとも一つの濡れ点が付与されることを意図する。
【0032】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、シェードと、シェードを保持するためのベースを備え、流動性の媒体のシェードへの吐出は、t<tとして、期間tの間、シェードの表面上に見ることが可能な流動性の媒体の濡れ点と、期間tの間、シェード内に見ることが可能な流動性の媒体のプルームを生じる。また、、見ることが可能な流動性の媒体のプルームは、期間tの間にシェードの外側で見ることが可能であり、t<tであることを意図する、。さらに、シェードは、ナイロンを含んでもよく、見ることが可能な濡れ点は、実質的に流動性の媒体の吐出後6分は見えないことも意図する。
【0033】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する吸収性基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構を含む。流動性の媒体は、噴射剤、少なくとも1つの活性剤、および溶媒を含む。少なくとも20重量%のチャネルに吐出された流動性の媒体は、受動的な拡散のために吸収性基部上に堆積され、流動性の媒体の大部分は、チャネルを介して大気中に吐出される。また、吸収性構造体上に堆積される流動性の媒体の少なくとも50%が20分後に残ってもよいことを意図する。
【0034】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する吸収性基部と、チャネルに流動性の媒体を吐出するための機構、200gまでの流動性の媒体を含む単一の吐出、を含む。流動性の媒体は、噴射剤、少なくとも1つの活性剤、および溶媒を含む。吸収性構造体は、複数の不織布の繊維、少なくとも75μmの体積基準メジアン径、少なくとも1.55mL/gの気孔率、少なくとも0.21mmの厚さを備える。2〜10倍の間の機構の起動によって、それぞれ、吸収性基部への流動性の媒体の吸収性基部への及び吸収性基部からの線形の吸収放出プロファイルの結果を得る。
【0035】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、内部容積を有するナイロンシェードと、シェードに関連したベースを備え、ナイロンシェードの内部容積内に流動性の媒体の吐出をもたらすため、第1および第2の位置との間に表現できるベースを備える。
【0036】
さらなる態様によれば、ディスペンシングシステムは、吸収性基部と、吸収性基部を介して流動性の媒体を吐出するための機構を備える。流動性の媒体の吐出は、流動性の媒体が吐出された可聴指標を生成し、そして、吸収性の構造体を通って流動性の媒体の吐出は、浮遊粒子のプルームの形で第1の視覚指標を作り出し、吸収性の構造体の濡れ領域の形態の第2の視覚指標を作り出し、これらの2つは、利用者がディスペンシングシステムを利用するときに、見ることが可能である。また、可聴指標は、エアゾール容器のバルブステムまたはバルブアセンブリから流動性の媒体が放出されることによって生じる可聴ノイズと、ポンプ式噴霧器のバルブステムまたはバルブアセンブリから流動性の媒体が放出されることによって生じる可聴ノイズの少なくとも一つであってもよいことを意図する。さらに、可聴指標は、ソレノイドから流動性の溶剤が放出されることによって生じる可聴ノイズと、自動アクチュエータの駆動機構から生じる可聴ノイズの少なくとも1つであってもよいことを意図する。また、第1の視覚指標は、霧状の外観を有し、少なくとも3秒間、または、第1の視覚指標が8秒から16秒の間、見ることが可能であることを意図する。さらに別の第2の視覚指標は、それに隣接する面の色とコントラストするように表示されるか、または、それに隣接する面よりも色が濃く表示されることを意図するる。第2の視覚指標は、第1の視覚指標のそれよりも、長い期間、有効性の視覚的表示を提供してもよいことを意図する。また、可聴指標は、第1及び第2の視覚指標の前に提供されてもよいことを意図する。
【0037】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、吸収性基部と、吸収性基部を介して流動性の媒体を吐出するための機構を含む。流動性の媒体の吐出は、流動性の媒体が吐出されたとの可聴指標を作り出す。さらに、吸収性構造を通じての流動性の媒体の吐出は、浮遊粒子のプルームの形で第1の視覚指標を作り出す、吸収構造体の濡れ領域の形態の第2の視覚指標を作り出す、これらの視覚指標は、利用者がディスペンシングシステムを利用する間、見ることが可能である。
【0038】
さらに別の態様では、ディスペンシングシステムは、内部容積と流動性の媒体を吐出するための機構を有する半透明のシェードを含む。シェードへの流動性の媒体の吐出は、大気中に浮遊する際に流動性の媒体が見ることが可能な期間tよりも長い期間tの間に、見ることが可能な濡れ点を付与する。
【0039】
別の態様によれば、ディスペンスシステムは、容器とシェードのバルブを開くための作動機構を含むベースを含む。ベースとシェードは、それぞれ、1つ以上の天然に存在する物質、及び/または、見て自然であるという外観を与える構造、及び/または、そこに適用される天然の出現パターンを有する構造を備える。また、シェードの下端がベース上に位置し、シェードが、吸収性構造体備えてもよいことを意図する。また、シェードは、水平部品と水平部品から情報に延びる垂直壁を含んでもよく、水平部品と垂直壁は、シェードの内部容積を規定することを意図する。
【0040】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する吸収性基部、吸収性構造体のチャネル内に噴霧するための吐出機構を有するベース、ベースに伴って、中に加圧流体を含む容器、を備える。吐出機構の作動は、容器の長手方向軸と平行ではなく、吸収性構造体の長手方向軸と平行ではなく、また、ベースの長手方向軸とも平行ではない角度で放出されるように、容器から流体が生じ、放出された角度は、選択された一つ以上の長手方向軸に直交しないことを特徴とする。また、放出された流体は、チャネルの下端と上端との間で、チャネルを規定する表面に衝突し、そして、その流体は、少なくとも4つの吐出口を有するノズルアクチュエータを介して吐出されてもよいことを意図する。また、チャネルは、少なくとも400cmの体積を有してもよく、また、チャネルは、少なくとも300cmから800cmの体積を有してもよいことを意図する。さらに、吸収性構造体が、ベース上に保持されたときには、チャネルは、少なくとも200cmから700cmの間の体積を有してもよいことを意図する。
【0041】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルを有する基部、構造体のチャネル内に噴霧するための吐出機構を有するベース、ベースに伴って、中に加圧流体を含む容器、を備える。チャネルは、少なくとも100mmの長さ寸法と、わずか20mmの最小断面幅を含む。また、チャネルの断面の幅は、チャネルの下端と上端との間で実質的に均一であってもよいことを意図する。また、噴霧された流体がチャネル内に吐出され、少なくとも流体の一部は、チャネルの下端から少なくとも70mmで、基部の表面に衝突してもよいことを意図する。また、基部は、少なくとも170mmの長さ寸法を有してもよいことを意図するる。さらに、チャネルは、少なくとも300cmの体積を有してもよいことを意図する。同様に、流体は、チャネルを規定する表面に衝突するように放出されてもよく、流体は、その表面に直交以外の角度で衝突してもよいことを意図する。
【0042】
一態様によれば、ディスペンシングシステムは、第1可聴指標を含む。ディスペンシングシステムは、また、第1及び第2の視覚指標を含み、その中では、視覚指標は、電子部品ではない。
【0043】
さらに別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、基部と、基部を介して流動性の媒体を吐出するための機構を含む。基部を通しての流動性の媒体を吐出すると、基部内に少なくとも15000滴/cmの液滴密度を有する流動性の媒体のプルームを見ることができる。また、基部を意図する。
【0044】
さらに別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、チャネルおよび基部のチャネルを介して流動性の媒体を吐出するための機構を有する基部を含む。その機構は、約0.1mmと約1.0mmとの間の直径を有する吐出口を少なくとも1つ含む。チャネルを通しての流動性の媒体の吐出は、基部の長手方向軸から測定して約30度から約70度の間の角度に、向けられている。また、吐出口の直径は、約0.5mmであり、及び/または、チャネルを通る流動性の媒体は、約50度から約70度の間の角度に向けられてもよいことを意図する。さらに、チャネルを通っての流動性の媒体の吐出は、見ることが可能なプルームを生み出すことを意図する。
【0045】
別の態様によれば、ディスペンシングシステムは、シェードと、シェードを保持するためのベースを含む。シェードは、ベースの一部を取り囲み、害虫防除剤をシェードに吐出すると、シェードの表面上に濡れ点が見える結果となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第1実施形態に係るディスペンサの等角図である。
図2図1のディスペンサの正面図であり、右、左、及び背面図と実質的に同一である。
図3】上部及び下側ハウジング、容器、およびスリーブを有するベースを含む図1のディスペンサの分解斜視図である。
図4図3の下側筐体の底面等角図である。
図5図4の下部筐体の上面等角図である。
図6図5の下側ハウジングの平面図である。
図7図6のA−A断面に沿った、図6の下側ハウジングの断面図である。
図8図7の上側ハウジングの上面斜視図である。
図9図10のA−A断面に沿った、図8の上側ハウジングの断面図である。
図10図9の上側ハウジングの底面図である。
図11図10のA−A断面に沿った、図1のディスペンサの部分断面図である。
図12図11のディスペンサに使用するためのアクチュエータノズルの上面斜視図である
図13図12のアクチュエータノズルの底面等角図である。
図14図13のアクチュエータノズルの底面図である。
図15】アクチュエータノズルの別の実施形態の等角図である。
図16図15の容器の側面図である。
図17】ディスペンサにおける使用のためのスリーブの一実施形態の等角図である。
図18図17のスリーブの平面図である。
図19図18のスリーブの側面図である。
図20】複数の噴霧の経路を示す図1のディスペンサの部分断面側面図である。
図21】スリーブの内面に濡れ領域を描いた図1のディスペンサの上面図である。
図22】スリーブの内面に濡れ領域を描いた図1のディスペンサの部分断面側面図である。
図23】プルーム(噴煙)を描いた図1のディスペンサの部分断面側面図である。
図24】様々な材料の組み合わせ蒸発プロットを表すグラフである。
図25】スリーブを有するディスペンサからプルームとして放出ささたエアゾール噴霧を示す高速ビデオの1フレームを示す図である。
図26】ディスペンサから放出されるエアゾール化された噴霧を示す高速ビデオの1フレームを示している。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2012年8月17日に出願された米国特許出願第13/588、974と2012年8月17日に出願された米国特許出願第13/588、976への優先権を主張し、これらの出願の一部継続である。
【0048】
[連邦政府資金援助研究開発に関する参照]
適用なし
【0049】
[アミノ酸配列]
適用なし
【0050】
本開示は、一般に流動性の媒体を定量出す(ディスペンス)ためのディスペンサに向けられる。本明細書における説明の目的のために、特定の一実施形態が詳しく説明され、これは、エアゾールに基づく揮発性の活性含有組成物を利用する。しかし、開示されたシステムは、エアゾール、揮発性、組成物などに関連して記載されているかどうかに関係なく、これらに限定されず、エアゾールシステム、圧縮ガスシステム、ポンプ式噴霧器システム、または当業者に知られている任意の他の手段の一以上によって吐出される任意の数の液体又は流体で利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
本明細書に記載のディスペンサは、テーブル、棚、他の平坦な表面上に置かれる、独立型の装置として使用されてもよい。あるいは、本ディスペンサは、携帯用装置として利用されてもよい。図1乃至3を参照して説明すると、ディスペンサ100の特定の一実施形態は、一般に、流動性の媒体(図示せず)を有する容器104を収容するように設計されたベース102を含むことが示されている。ディスペンサ100は、ベース102から上方に延びるスリーブ106を含む。
【0052】
ディスペンサ100は、一般的に、手動でベース102に掛けられる圧力を介して作動されるように設計されている。したがって、ベース102は、流動性の媒体を通って吐出するための作動機構として作用し(または含み)、定量出す(ディスペンス)ために、幾つもの活性剤またはアクチュエータのいずれかを含んでもよい。具体的には、作動中、流動性の媒体は、特定の角度でスリーブ106に霧散し、そのことにより、能動的で受動的な混合物や揮発性材料の吐出のように、複数の液滴が、ディスペンサ100に異なる機能を提供するために、スリーブ106と相互に作用する。より具体的には、いくつかの小滴は、即時の能動的な発散を提供するために、スリーブ106の内部、および/または、スリーブ106上に最初に存在するプルーム(噴煙)を形成するために、すぐに放出され、他の液滴は、長時間にわたって、受動的な発散を提供するために、スリーブ106に吸収される。
【0053】
特に図3を参照すると、ベース102は、上側ハウジング110に取り外し可能に取り付けられた下側ハウジング108によって規定されている。ディスペンサ100が使用されているとき、下側ハウジング108と上側ハウジング110は、連通し、そこから容器104が追加されるか、または、削除されるときには、下側ハウジング108と上側ハウジング110は、互いに分離されるように設計されている。ベース102は、さらに、以下に詳細に記載するような独特な構造によって、ディスペンサ100の手動の手動機構として、作用する。
【0054】
ベース102を含むディスペンサ100のそれぞれの構成要素は、上または下から見たときに(例えば、図6を参照)、その各側に与えられるわずかに丸みを帯びた曲率を有するほぼ正方形の形状を有していてもよいが、円形、楕円形、三角形、または本明細書に記載の特性と一致する任意の他の幾何学的形状であってもよい。
【0055】
ベース102は、プラスチック、ポリマー、布、PET等の不織布の基部、セルロース系材料、金属、ガラス、木、石などの不織布基材のような任意の適切な材料から構成することができる岩石、またはそれらの組み合わせから構成されていてもよい。さらに、材料は、製造物、天然、及び/または、リサイクルまたは再生材料の組み合わせを含んでもよい。消費者に対する思いやりの一つは、好ましくは、なめらか、または表面に粗さがある岩や小石のような自然な外観を持つベース102の外観である。曲線状の側面は、木目、包有物を伴うか、または、伴わない石材柄のように、自然に見える柄が提供されてもよい。
【0056】
図4乃至7に最もよく見られるように、ベース102の下側ハウジング108は、外面112と対抗する内表面114によって規定される、実質的に平坦な側壁111を含む。ディスペンサ100が使用されるときは、外面112は、支持面(図示せず)に隣接して配置されるように設計され、内表面114は、上側ハウジング110を介して囲まれている。
【0057】
図4を参照すると、下側ハウジング108の外面112は、そこに形成された二つの対向する湾曲した溝116を含む。利用者が上側ハウジング110から下側ハウジング108を分離するときに、溝116は、利用者が下側ハウジング108を掴むのを手伝うためにつまみとなる。溝116に付与された曲率は、そこに利用者の指が自然と配置されるように設計されている(例えば、一つの溝に配置された親指と、対向溝に配置された人差し指と中指)。複数の脚(フィート)118は、ベース102と支持面との間に僅かな隙間を作るために外面112から任意に延びている。
【0058】
図4、5及び7に示すように、下側ハウジング108は、さらに、その周囲を囲み、上方に延びる側壁120を含む。側壁120は、わずかに丸みを帯びており、翼角部122及び複数の実質的に上方に延びるU字形状の可撓性部材124によって規定される。翼角部122は、わずかに傾斜しており、下側ハウジング108の四隅に配置されている。U字型の可撓性部材124は、ほぼ中央の側壁120に沿って配置され、翼角部122のそれぞれから内側に配置されている。部材124はそれぞれ、実質的に正方形の開口128を規定する実質的にU字形状のフランジ126を含む。フランジ126の水平部130は、上側ハウジング110が下側ハウジング108に取り付けられたとき、ガイド機能を提供するために、わずかに先細になっている。
【0059】
図5に見られるように、下側ハウジング108は、内表面114から上方に延びる2つの円弧状の隆起突出部132を含む。突起部132は、側壁111の外面112に形成された溝116の境界を規定する。中央に配置されたペデスタル(柱脚)134は、内面114のおおよその中心点から上方に延びている。ペデスタル134は、ほぼ円筒形であり、円形の開口136をその中に含む。突出部132の対向部は、下側ハウジング108の内表面114に沿って連続した構造を形成するペデスタル134と連通している。
【0060】
ペデスタル134の1つの機能は、容器104の受け機構と保持機構として機能することである。容器104に適切な支持を提供するためには、ペデスタル134及び対応する開口部136は、好ましくは、容器104の形状に対応するように成形されている。示された実施形態では、ペデスタル134は、実質的に円筒形であり、開口部136は円筒形の容器104に対応するように円形である。さらに、ペデスタル134は、好ましくは、十分な支持を提供するために、容器104の高さ寸法H図16を参照)に関して、内表面114からペデスタル134の上縁までを測ったH図5を参照)の高さ寸法を含む。一実施形態では、HとHの比は、約1対約1である。別の実施形態では、HとHの比は、約1対約2である。さらなる実施形態では、HとHの比は、約1対約3である。別の実施形態では、HとHの比は、約1対約4である。さらなる実施形態では、HとHの比は、約1以上である。
【0061】
ペデスタル134は、さらに、容器104を収容するのに十分な直径寸法Dを含む。一実施形態では、直径は、約10mmから約100mmの間であり、別の実施形態では、直径は、約16mmから約67mmの間である。別の実施形態では、直径は約20mmである。容器104とペデスタル134の内表面140との間に隙間が形成されるように、ペデスタル134の直径Dは、容器104の直径寸法Dよりも僅かに大きい。一実施形態では、隙間は約10mm未満である。別の実施形態では、隙間は約5mm未満である。さらなる実施形態では、隙間は、約2mm未満である。他の実施形態では、ペデスタル134を省略してもよいし、他の固定機構は、下側ハウジング108に容器104を支持するために利用されてもよい。
【0062】
ペデスタル134は、下側ハウジング108の周囲から内部に提供される。より具体的には、ペデスタル134の外面142から側壁120までを測定して、約2mmから約60mmの距離があるように、ペデスタル134は、下側ハウジング108の側壁から離れて配置されている。
【0063】
ここで図8乃至10に目を向けると、上側ハウジング110は、ドーム152と一体にシュラウド150によって規定され、そこから上方へ突出している。上側ハウジング110は、容器104とと下側ハウジング108の相互作用を介して手動作動機構(例えば、プッシュボタン)として機能するように設計されている。上側ハウジング110は、また、容器104として、ディスペンサ100の内部構成要素を覆うように作用する。
【0064】
シュラウド150は、傾斜した上縁156と、4つのやや丸みを帯びた下側壁154を含む。ドーム152は、縁156からはめ込まれ、凸状の上面160で終端となる、4つの上方に延びる側壁158を含む。図8乃至10に描かれた実施形態では、ドーム152の側壁158は、シュラウド150の下側壁154に形状が似ている。ドーム152の側壁158の差し込み方位は、その周囲に延びる凹部162を作り出す。具体的には、凹部162は、下側壁154の縁156とドーム152の158の側壁との間に延びている。
【0065】
以下により詳細に記載されるように、凹部162は、好ましくは、スリーブ106を収容するように寸法決めされる。図示の実施形態では、凹部162は、約2mmの深さ寸法と約1mmの幅寸法を含む。他の実施形態では、凹部162は、約25mmの深さ寸法と約1mmの幅寸法を含む。さらなる実施形態では、凹部162は、0mmの深さ寸法と0mmの幅寸法、すなわち、凹部が存在しない、を含む。しかし、凹部162の深さは、約0mmから約25mmの間とすることができ、その凹部の幅は、約0mmから約25mmの間であってもよいことが想定される。
【0066】
依然として図8乃至10を参照すると、ドーム152は、さらに、上面160通って延びる開口部164を含む。開口部164は、アクチュエータノズル166を受容するように形成され、以下で詳しく記載するように、ベース102に、容器104と外部の環境との間の流体連通を提供する。
【0067】
ディスペンサ100が使用中であるときには、シュラウド150の下側壁154は、下側ハウジング108を受けるアパーチャ168(図9を参照)を規定する。図9に示すように、複数の細長い突出部170は、シュラウド150の内表面172から外側に延び、4つの安定化リブ174は、ドーム152の内表面176から外側に突出する。突出部170は、それぞれ、実質的に平坦な部分180を介して接続された角度の付いた2つの対向する端部178を含む。2つの突出部170は、それぞれの側壁154の内表面172から上方に延び、合計8つの突出部を規定する。突出部170は、互いに、約0mm(例えば、唯一つのリブがあるとき)から約60mmの距離をもって配置される。
【0068】
図9及び11に示すように、突出部170は、中央に配置され、かつU字状の部材124と相互作用するように設計される。特に、突出部170が開口部128内に配置されるとき、突出部170及びU字形部材124のそれぞれの正方形の開口部128との間の相互作用は、解放可能に、上側ハウジング110と下側ハウジング108とを嵌合する。突出部170は、細長く、互いに間隔を空けて設けられているが、他の形状と寸法を有する突出部170が、下側ハウジング108と上側ハウジング110との開放可能な嵌合を達成するために、U字形状部材124の異なる形状の開口部128と一致するシュラウド150の上に提供されることが想定されている。
【0069】
図10で最もよく見られるように、4つの剛性リブ174は、ドーム152の内表面176から外側に突出している。リブ174は、ドーム152中心に隣接する領域で終わる前に、ドーム152の角から中央部に向かって内向きに延びる。リブ174は、ドーム152に安定性を提供し、実質的に、ドーム152の全体の長さを延長する。ベース102の下側ハウジングが、上側ハウジング110に嵌合されているときは、ベース102の下側ハウジング108は、案内機構として機能する。特に、容器104が挿入時に、リブ174と接触し、滑らかに動けるように、容器104の輪郭に設けられたリブ174の間に形成されている。
【0070】
隆起した円形面181(図9参照)は、ドーム152内に内向きに突出して、そこを通って延びる円形の開口部164に外接する。その面181は、以下でより詳細に説明するように、容器104の一部を収容するために平坦である。図12で最もよく見られるように、開口部164は、アクチュエータノズル166の一部を受け入れるように寸法決めされている。
【0071】
ここで図12乃至15を参照すると、アクチュエータノズル166は、円錐体182とその下縁の周りに円錐体182を囲む環184の形態で設けられている。ノズル166は、さらに、複数の外面188の凹部186と、凹部186を通って延び、凹部186内に配置された複数の吹出口190とを含む。
【0072】
図12に示すように、吹出口190は、アクチュエータノズル166の中心点によって規定された垂直軸B1と、容器104の長手方向軸線B2(図16参照)と、半径方向及び円周方向に、互いに等距離に配置されている。しかし、図16を参照して説明すると、吹出口190は、半径方向に等距離にあるが、円周方向に不等間隔であってもよいことが分かる。実際に、幾つもの数の配列が、定量出される媒体の所望の流動特性に基づいて考えられる。
【0073】
図12乃至14に示された実施形態では、4つの吹出口190a乃至190dが、図示されている。図15に示された実施形態では、6つの吹出口190e乃至190jが示されている。吹出口190は、約0.1mmと約1mmとの間の直径パラメータによって規定されている。他の実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約0.2mmと約0.7mmとの間の直径パラメータによって規定される。他の実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約0.25mmの直径パラメータによって規定される。さらなる実施形態では、吹出口190は、それぞれ約0.4mmの直径パラメータによって規定される。他の実施形態では、吹出口190は、それぞれ約0.5mmの直径パラメータによって規定される。さらなる実施形態では、吹出口190は、それぞれ直径約0.6mmのパラメータによって規定される。好ましい実施形態では、吹出口190は、その全体にわたって均一な断面および直径(または幅)を有する。他の好ましい実施形態では、吹出口は、すべてまたはその一部を介して不均一な横断面、及び/または、直径(または幅)を有していてもよい。さらに、他の好ましい実施形態において、1つ以上の吹出口は、変化する断面及び/または直径(または幅)のパラメータを有していてもよい。
【0074】
各吹出口190は、環184によって規定された水平面Pに対する角度で配向される(図12参照)。一般に、平面Pは、垂直軸Bに直交する平面とみなすことができる。特に、吹出口開口部186は、流動性の媒体の大部分(例えば、75%以上)が、平面Pに対して約30度以上の角度で、円錐形状に、噴霧するような角度で配置される。このような円錐角は、本明細書に記載のディスペンサ100の様々な指標の特性を達成するための一つの要因である。具体的には、円錐角は、噴霧との直接の接触を介して、最初に濡れ領域を決定する。小さな円錐角(例えば、約30度未満)であれば、噴霧に曝された小さな領域と、スリーブ106上に媒体のより厚い層をもたらす。対照的に、大きな円錐角(例えば、約30度以上)であれば、より大きな噴霧の領域と、スリーブ106上に噴霧された媒体のより薄い層をもたらす。いくつかの例では、円錐角は、スリーブ106上で、より深く、より濃縮した濡れ領域(すなわち、視覚指標)を作り出すために最小化される。他の例では、スリーブ106のより大きな部分は、より大きな円錐角を使用してつながれる。
【0075】
吹出口190は、それぞれ、約30度から約80度の間の円錐角を有してもよい。別の実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約40度から約70度の間の円錐角を有してもよい。さらなる実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約50度から約70度の間の円錐角を有してもよい。特定の一実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約45度の円錐角を有する。別の実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約50度の円錐角を有する。さらなる実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約55度の円錐角を有する。別の実施形態では、吹出口190は、それぞれ、約60度の円錐角を有する。実際に、円錐角は、どこでも、約1度から約180度の間、より好ましくは、約5度から約90度の間、より好ましくは、約10度から約50度の間、最も好ましくは約10度から約20度の間であることが想定される。
【0076】
図13に示すように、吹出口190は、本体182を通って延び、それによって形成されたチャンバー192と連通している。チャンバー192は、容器104によって、定量出された流動性の媒体と相互作用し、受け入れるように設計され、吹出口190を介してその媒体を向ける。
【0077】
効果的に流動性の媒体を定量出すために、チャンバー192は、約0mmから約216mmの間の容積を有する。一実施形態では、チャンバー192の容積は、約27mmである。別の実施形態では、チャンバー192の容積は、約64 mmである。さらなる実施形態では、チャンバー192の容積は約125mmである。いくつかの実施形態では、0に近づくか到達するために、チャンバー192内の容積を最小化することが好ましい。
【0078】
一実施形態では、本明細書で説明するように、アクチュエータノズル160は、円錐角によって規定される円錐形の開口部を有してもよい。他の実施形態では、アクチュエータノズル160は、開口部を有する平坦な表面を有していてもよい。また、アクチュエータノズル160は、ファン形状、楕円形状、正方形状、ドーナツ状等の形状の噴霧パターンを与えてもよい。アクチュエータノズル160の特定の設計に応じて、アクチュエータノズル160から放出される噴霧の方向の角度は、それに応じて調整さえてもよい。例えば、噴霧は、平面P(図12参照)に垂直に噴霧されてもよい。別の実施形態において、噴霧は、上方に、下方に(例えば、60度上向きから60度下向きに)、スリーブに垂直に、定量出されてもよい。
【0079】
一実施形態において、1つ以上の吹出口190は、約0.5mmの直径を有する。別の実施形態では、吹出口190のうちの1つ以上は、約0.25mmの直径を有する。さらなる実施形態では、吹出口190のうちの1つ以上は、約0.75mmの直径を有する。さらなる実施形態では、吹出口190のうちの1つ以上は、約1mmの直径を有する。また、吹出口が、約0.1mmと約2mmとの間の直径を有してもよいことが考えられる。吹出口のサイズが大きくなるように、大きなサイズの吹出口190に対応するように調整されていない容器104のディスペンシング圧力(吐出圧力)を仮定して、流動性製品のより重要な部分は、スリーブ106上に配置されるように理解されるべきである。あるいは、より小さいサイズの吹出口(例えば、約0.4mm未満)の使用は、より多い流動性製品は、スリーブ106上とは対照的に、プルーム内に定量出されるようにする。より大きなサイズの吹出口190を有するアクチュエータノズル160は、他の実施形態で利用されてもよい。しかしながら、これらの実施形態では、製品媒体は、効果的に、スリーブ106上に流動性の媒体を付着させるために、容器104の長手方向軸に対してより高い角度で放出される必要があってもよい。
【0080】
ここで図16に移ると、ディスペンサ100は、作動中に、容器104を保持し、その中で容器104を支持し、流動性の媒体(図示せず)を放出するように設計されている。一実施形態において、容器104は、エアゾール容器である。エアゾール容器は、一般的に当業者によく知られている。一実施形態では、エアゾール容器104は、上端部202と底端部204を有する本体200を備えている。取付カップ206は、エアゾール容器104のネック208の上方に配置される。本体200は、一般的に円筒形であり、円筒壁210によって規定されている。エアゾール容器104の上部内に配置されたバルブアセンブリ(図示せず)は、容器104のペデスタル213を通して延びるバルブステム212を含む。
【0081】
容器104に使用するのに適切な一バルブアセンブリは、モデル番号MV002006でAptar社によって提供される185mclのバルブである。容器104に使用するのに他の適切なバルブアセンブリは、Summit社によって提供される300mclのバルブである。容器104に使用されるバルブは、好ましくは、少なくとも1噴霧(スプレー)あたり約100mclを発し、容器104は、好ましくは、容器当たり約65から約105まで間の回数の噴霧(スプレー)に十分な組成物を含む。
【0082】
依然として図16を参照すると、バルブステム212は、長手方向に配置された通路214を有する円筒形の管である。バルブステム212の遠位端216は、ペデスタル213、取付カップ206およびバルブアセンブリ内に配置される近位端(図示せず)から上方に離れて延びている。
【0083】
ステムソケット218(図3参照)は、必要に応じて、容器104のバルブステム212およびアクチュエータノズル166のチャンバー192との間のインタフェースを提供するために、アクチュエータノズル166と組み合わせて使用される。ステムソケット218は、上方に突出した円錐形の側壁とディスク状の本体を含む。円錐形の側壁は、本体の中央に配置され、その中に流体通路を規定している。
【0084】
一実施形態では、ステムソケット218は、アクチュエータノズル166と組み合わせて、提供される。ステムソケット218の一つ以上、及び/または、アクチュエータノズル166は、ベース102と一体で提供されてもよい。利用中、ステムソケット218は、アクチュエータノズル166のチャンバー192内に位置する。別の例では、ステムソケット218、及び/または、アクチュエータノズル166は、例えば、容器104と一体となりょうに、分離されて提供される。さらなる実施形態では、ステムソケット218は、省略してもよい。別の実施形態では、別の機構が、容器104のバルブステム212とアクチュエータノズル166との間のインタフェースを提供するために使用されてもよい。
【0085】
バルブステム212の軸圧縮、すなわち、バルブステム212の下方への移動は、バルブアセンブリを開き、それによって、エアゾール容器104の内部と大気との間の圧力が、エアゾール容器104の内容物をバルブステム212の遠位端216の外に出すことを可能になる。エアゾール容器104は、以下に開示された最小の構造または変更なしの構造と、傾斜が活性化されたバルブステムを利用することができることが考えられる。いずれのシナリオでも、計量式バルブアセンブリ、または連続的バルブアセンブリが使用されてもよい。さらに、他の実施形態では、従来のポンプ型またはトリガー式噴霧器又はプレ圧縮ポンプ型またはトリガー式噴霧器を有する容器104が、流動性の媒体を保持し、定量出す(ディスペンス)エアゾール容器104の代わりに使用されている。実際に、任意のタイプの非エアゾール容器が、本明細書に開示されるディスペンサと組み合わせて使用されてもよいことが考えられる。当業者に知られているように、例えば、他の容器は、異なるポンプ型噴霧器、圧縮ガス、LPG、または任意の他の圧縮性または圧縮された流体を含んでもよい。エアゾール容器に関して、本開示は、これらのタイプの非エアゾール容器を含むと考えるべきである。
【0086】
容器104は、一般に、流動性の媒体として、より具体的には、エアゾール組成物として提供される組成物を含む。一実施形態では、流動性の媒体は、害虫防除剤である。別の実施形態では、流動性の媒体は、空気芳香剤である。さらなる実施形態では、流動性の媒体は、悪臭剤である。
【0087】
エアゾール組成物は、組成物の性能を向上させる特定の特性によって特徴付けてもよい。具体的には、エアゾール組成物は、ディスペンサ100が、以下により詳細に記載される1つ以上の視覚指標を提供することが可能であることを保証するために、本明細書に記載の1つまたは複数の特性を有するべきである。本実施形態に関連して、提供されるエアゾール組成物は、空気中及び/または、スリーブ106上に含まれる少なくとも1つの活性剤を分散させる、安定した単相の非水系の液体組成物である。
【0088】
エアゾール組成物は、少なくとも1つの炭化水素噴射剤、少なくとも1つの活性剤と、少なくとも1つの溶媒を含む。その組成物は、それと相性が良い1つ以上の任意の成分を含んでもよい。
【0089】
ディスペンサ100から流動性の媒体を動かすために、噴射剤は組成物中に含まれてもよい。噴射剤は、溶媒、活性剤、および他の成分と相性の良い当技術分野で公知の任意の従来の噴射剤であってもよい。
【0090】
噴射剤は、約20重量%から約99重量%の量で存在する。具体的には、噴射剤成分は、約30重量%から約95重量%の量で含まれてもよく、好ましくは、約70重量%から約90重量%である。最も好ましくは、約50重量%から約80重量%である。一例では、噴射剤は、約80重量%の量で存在する。
【0091】
組成物中に含めるのに適した炭化水素は、プロパン、ブタン、イソプロパン、イソブタンおよびそれらの混合物などの低級の(C乃至C)脂肪族炭化水素を含む。一つの特に好適な噴射剤は、B−52噴射剤であり、それは、約30対30対40の重量比でプロパン/イソブタン/Nブタンの混合物である。
【0092】
他の好適な噴射剤としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、二酸化炭素、圧縮空気、圧縮窒素、などが挙げられるが、これらに限定されない。一改良では、噴射剤は、プロパン、ブタン、及びイソブタンの混合物であるB−60噴射剤である。別の改良では、噴射剤は、プロパン及びイソブタンの混合物であるA−60噴射剤である。
【0093】
組成物は、さらに、少なくとも1つの活性剤を含む。エアゾール組成物の少なくとも1つの活性剤は、約0.001重量%から約10重量%の量で、好ましくは、約0.5重量%から約7重量%の量で、最も好ましくは、約1重量%から約5重量%の量で存在する。1つ以上の活性剤は、エアゾール組成物に組み合わせて使用されてもよい。含まれるのに適した活性剤は、既知で、及び/または噴霧を通して定量出すのに適している材料である。
【0094】
一実施形態において、活性剤は、好ましくは、殺虫剤、防虫剤、又は昆虫誘引剤である。あるいは、活性剤は、殺菌剤、消毒剤、空気清浄機、アロマの香り、防腐剤、エアフレッシュナー、および/または脱臭剤であってもよい。活性剤の他の例としては、芳香剤(例えば、天然および合成油)、トリエチレングリコール、および/またはプロピレングリコール、抗菌剤、殺菌剤、腐食防止剤、pH調整剤、防腐剤、有機酸等、または、空気中に分散されている任意の他の活性剤のような臭気除去剤を含む。
【0095】
一実施形態では、活性物質は、殺虫剤、及び/または、防虫剤、有機リン系殺虫剤、脂質アミド(lipidamide)殺虫剤、などシトロネラ油、天然ピレトリン、除虫菊抽出物、または合成ピレスロイド等の天然忌避剤である。適切な合成ピレスロイドは、D−アレスリンのようなアレスリン、Pynamin(登録商標)、ベンフルトリン、ビフェントリン、PynaminForte(登録商標)のようなビオアレトリン、S-ビオアレトリン、エスビオスリン(esbiothriN)、エスビオール、ビオレスメトリン、シクロプロスリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、タウフルバリネーと、カデトリン、ペルメトリン、フェノトリン、Etoc(登録商標)のようなプラレスリン、レスメトリン、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、メトフルトリン、トランス、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、米国特許第4,439,415号に記載されているような他の揮発性殺虫剤もまた使用することができる。
【0096】
特に好ましい種類において、揮発性殺虫剤は、トランスフル、メトフルトリン、ベイポスリン(vapothriN)、ペルメトリン、プラレトリン、テフルトリン、及びエスビオスリンからなる群から選択される。特定の実施形態では、メトフルトリンが最も好ましい殺虫剤である。
【0097】
任意に昆虫防除の属性を有する多種多様な揮発性芳香剤が、使用されてもよい。あるいは、いくつかの芳香剤は、消臭機能(例えば、特定のテルペン類)を提供するように選択されてもよい。例えば、様々な天然および人工の芳香剤が使用されてもよい。これらの芳香剤の非限定的な例は、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、テルペン類、エステル類等の動物系、植物系の天然香料、人工香料が挙げられる。
【0098】
本開示による芳香剤は、1つまたはそれ以上の芳香性物質または化学的に活性な蒸気を提供する材料を含んでもよい。一実施形態では、芳香剤は、揮発性、芳香性化合物を備え、及び/または含むが、天然植物の抽出物、精油、芳香油に限定されるものではない。当技術分野で知られているように、多くの精油と、他の天然の植物派生物は、高度に揮発性の香りの大きな割合を占める。この点で、非常に多くの精油、エッセンス、そして香りの濃縮物は、香りや食品事業者の企業から一般に入手可能である。
【0099】
例示的な油及び抽出物は、以下の植物由来のもの:アーモンド、アミリス、アニス、armoise、ベルガモット、cabreuva、キンセンカ、canaga、スギ、カモミール、ココナッツ、ユーカリ、フェンネル、ジャスミン、ジュニパー、ラベンダー、レモン、レモングラス、オレンジ、ヤシ、ペパーミント、カッシア、ローズマリー、タイム、などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0100】
一実施形態において、組成物は、有機溶媒、より詳細には、炭化水素溶媒のような溶媒の中で実施されてもよい。溶媒は、約1重量%から約30重量%の間で、好ましくは、約5重量%から約30重量%の間で、最も好ましくは、約15重量から約25重量%の間の量で存在する。一つの特定の例では、溶媒は、約19重量%の量で存在する。
【0101】
有用な溶媒の種類としては、アイソパーC、アイソパーE、Isopar L、ヘプタン、メタノール、アセトン、エタノール、イソプロピルアルコール、ドデセン及びテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されない。ISOPAR(登録商標)ブランドの溶媒は、異なるグレードがE、G、L、M、およびVと表記されるエクソンモービルケミカル社製の狭い沸点範囲を有する高純度の流体イソパラフィンである。
【0102】
ディスペンサ100での使用に特に適切な1つの組成物は、約80重量%の量の噴射剤、約19重量%の量の溶媒、約1重量%の量の活性剤、1重量%未満の量の芳香剤を有するエアゾール組成物を含む。別の実施形態において、エアゾール組成物は、約90重量%の量の噴射剤、約1重量%の量の活性剤、約9重量%の量の溶媒を含む。さらなる実施形態において、エアゾール組成物は、約95重量%の量の噴射剤、約1重量%の量の活性剤、約4重量%の量の溶媒を含む。別の実施形態において、エアゾール組成物は、約85重量%の量の噴射剤、約2重量%の量の活性剤、及び約13重量%の量の溶媒を含む。
【0103】
蚊防除するための一つの特に望ましい製剤は、18.8重量%のIsopar L、炭化水素に溶解した1重量%のメトフルトリン、0.15重量%の量のユーカリ油、80重量%の量B-52噴射剤を含む。
【0104】
エアゾールの多くの特徴は、本明細書に記載のディスペンサ100の特定のディスペンシング機能を実現するために重要である。例えば、スプレー等を定量出す際にエアゾール組成物の粒径は重要である。一実施形態では、噴霧液滴の平均粒径は、約5ミクロン以上である。別の実施形態では、噴霧液滴の平均粒径は、約10ミクロン以上である。さらなる実施形態では、噴霧液滴の平均粒径は、約15ミクロン以上である。別の実施形態では、液滴の平均粒径は、約5ミクロンから約200ミクロンである。より具体的には、5ミクロンから100ミクロンのDv(50)粒度分布が好ましく、11ミクロンから74ミクロンのDv(50)粒度分布はさらに好ましいことが発見されている。また、5ミクロンから200ミクロンのDv(90)粒度分布が好ましく、25ミクロンから126ミクロンのDv(90)粒度分布は、さらに好ましいことが発見されている。別の実施形態では、液滴は、30ミクロン以下のDv(90)粒度分布を有してもよい。
【0105】
エアゾール組成物の別の重要な特性は、ディスペンシング時の噴霧速度である。以下に説明するように、特に、視覚、可聴指標を提供するために、十分なエアゾール組成物が吐出されなければならないが、大きすぎる噴霧速度は、望ましくない態様で、スリーブ106の上に、及び/またはスリーブ106を通って、吐出されるエアゾール組成物をもたらず。スリーブ106との衝突点で、毎秒約60g以上の噴霧速度を有するエアゾール組成物は、望ましくない噴霧特性をもたらすものと考えられ、例えば、組成物は、スリーブ106の上に配置され、続いて、吸収されるのとは反対に、スリーブの壁を通って噴霧されると考えられる。
【0106】
放出時(すなわち、吹出口190を出る際)に、毎秒5g以下の噴霧速度を有するエアゾール組成物は、本明細書中に記載の1つ以上指標、例えば、スリーブ106、及び/または、スリーブ上の濡れ領域内、または上にプルーム、を提供するには不十分であると考えられる。したがって、エアゾール組成物の噴霧速度は、放出時で、少なくとも毎秒約10gであるが、スリーブ106との衝突点で、少なくとも毎秒約60グラム未満であることが望ましく、それは以下に示される物理的特性を有する。いくつかの具体的な実施形態において、エアゾール組成物は、少なくとも毎秒約10g、約20g、または約30gで、毎秒約70g未満、約60g未満、または約50g未満の噴霧速度で容器104から吐出される。
【0107】
別の重要なパラメータは、組成物の密度である。特に、密度は、組成物の噴霧速度に影響し、最終的に、どの程度の噴霧がスリーブ106内に保持され、プルームに形成されている噴霧の量に影響を与える。組成物密度(15℃で測定)は、約0.2g/cmから約1g/cmの間であることが想定される。一実施形態では、組成物の密度(15℃で測定)は、約0.4g/cmから約0.8g/cmである。別の実施形態では、組成物の密度(15℃で測定)は、約0.5g/cmから約0.7g/cmの間である。別の実施形態では、組成物の密度(15℃で測定)は、約0.6g/cmである。
【0108】
ここで図17乃至19を見ると、ディスペンサ100は、シュラウド150とドーム152との間に配置された凹部162を介してベース102上に支持されたスリーブ106を含む(図12参照)。スリーブ106は、一実施形態では、内面232と外面234とを有する透過性、及び/または、吸収性基部230によって規定される。一実施形態では、基部230は、上部開口部238及びそれらの間に延びるチャネル242と下部開口部240に囲まれた、細長い導管236(図17参照)を形成するように折り畳まれている。基部230は、上部開口部238及び下部開口部240に対応する上端と下端を有する。チャネル242及び上部開口238は、エアゾール組成物が直接、そこを通って出ることができるように(例えば、蓋によって妨害されずに)、さえぎるものがない。さらに、下側開口部240は、スリーブ106が、ドーム152と嵌合することを可能にするため、さえぎるものがない。特定の実施形態では、スリーブ/導管/基部は、外接または取り囲むように、ベース(例えば、ドーム152)上に、または、隣接して配置される。また、他の実施形態では、スリーブ106に剛性を与えるために、そうでなければ、流動性の媒体の噴霧及び配布に影響を与えるために、チャネル242及び/または、その他の部内に構造物を有するスリーブ106を含んでもよいことが想定される。さらに、スリーブ106は、不透明、半透明、または透明の一つ以上であってもよい。
【0109】
一実施形態では、スリーブ106は、任意の幾何学的形状を含む管状部材として提供されてもよい。別の実施形態において、スリーブ106は、円形または楕円形の形状を付与されてもよい。さらなる実施形態において、スリーブ106は、正方形または長方形の形状を備えていてもよい。別の実施形態において、スリーブ106は、少なくとも、二つの最も遠い点の間に延びる1つの主要な軸、及び/または近い位置にある2つの間に延びる短軸を含む不均一な断面を有する形状を付与されてもよい。実際には、他の実施形態では、スリーブ106は、スリーブ106の外側の外部環境へのベース102からの出口経路を提供するチャネル242を含む他の形状を備えていてもよい。
【0110】
一実施形態において、導管236は、ベース102と実質的に同様の断面形状を備えている。特に、基部230は、その長さに沿って均一な断面の面積を有しており、上面図(図18参照)から見えるように、四つの円弧状の辺部244a乃至244dを含む。その辺部244a乃至244dは、導管236を形成するために、角部246a乃至246dで接合されている。辺部244a乃至244dの一つ以上は、互いに一体であってもよく、導管236は、当技術分野で既知の方法(例えば、接着剤、インターロック機構、ステッチ、および他の接合機構によって)で、辺部244a乃至244dの一つ以上を相互に接合することによって形成されてもよい。角部246a乃至246dは、辺部244a乃至244dの間の交点であり、スリーブ106の幾何学的形状によって、自然に形成されてもよいし、辺部244aの角度が変わる継ぎ目または他の点によって規定されてもよい。
【0111】
基部230の各辺部244a乃至244dは、約0.1mmから約3mmの間の厚さ寸法によって規定される。別の実施形態では、基部230は、約0.1mmから約0.17mmの間の厚さ寸法によって規定される。さらなる実施形態において、基部230は、約0.17mmから約0.30ミリmmの間の厚さによって規定される。さらなる実施形態では、基部230は、約2mmを超えない厚さ寸法によって規定される。また、別の実施形態では、基部230は、約0.1mmを下らない厚さ寸法によって規定される。また、別の実施形態では、基部230は、約0.08mmを下らず、約2mmを超えない厚み寸法によって規定される。さらなる実施形態において、基部230は、約0.07mmと約0.8mmの間の厚さ寸法によって規定される。別の実施形態において、基部230は、約0.13mmから約0.38mmの間の厚さ寸法によって規定される。さらなる実施形態において、厚さは、辺部244a乃至244dに一つ以上の補強要素を含むことによって、影響を受けてもよい。例えば、一実施形態では、ナイロンが、辺部244a乃至244dに加えられてもよい。特定の一実施形態では、スクリムが、その剛性を高めるために、不織布の基部に加えられる。別の実施形態では、他の、及び/または、追加の材料が、追加されてもよく、または他辺部244a乃至244dにも適用されてもよい。
【0112】
図19に示すように、基部230の各辺部244a乃至244dは、辺部244a乃至244dのそれぞれの上端と下端の間で測定される高さ寸法Hによって規定される。一実施形態では、高さ寸法Hは、約50mmから約300mmの間である。別の実施形態では、高さ寸法Hは、約100mmから約200mmの間である。さらなる実施形態では、高さ寸法Hは、約150mmから約200mmの間である。さらなる実施形態では、高さ寸法Hは、約300mm以下である。まだ別の実施形態では、高さ寸法Hは、約25mm以上である。まだ別の実施形態では、高さ寸法Hは、約250mmより下らず、約400mmを超えない。別の実施形態では、辺部244a乃至244dの高さが互いに異なっていてもよい。
【0113】
スリーブ106の基部230は、一般に、水平部品と水平部品から上方に延びる垂直な壁を有するものとして特徴付けることができる。基部230の各辺部244a乃至244dは、スリーブ106の角部246a乃至246dの間で測定される水平方向の長さ寸法Lによって規定される。例えば、図19に示すように、水平方向の長さ寸法Lは、角部246aと角部246dとの間で辺部244aの長さとして規定される。一実施形態では、水平方向の長さ寸法Lsは、約25mmと約200mmとの間である。別の実施形態では、水平方向の長さ寸法Lsは、約40mmと約80mmとの間である。さらなる実施形態では、水平方向の長さ寸法Lは、スリーブ106の全体の直線水平長さ成分として特徴付けられてもよく、そこでは、Lは、約50mmから約1000mmの間であり、より好ましくは、50mmから約200mmの間でよい。別の実施形態では、水平方向の長さ寸法は、一つ以上の辺部244a乃至244dが異なる幾何学形状を作り出すために、変えてもよい。
【0114】
多くの例では、スリーブ106の各辺部244a乃至244dの高さは、ディスペンサ100の多数の他の特性に関連している。例えば、スリーブ106は、本明細書で説明される特定の噴霧角度、噴霧率、組成物、および多数の他のパラメータを調節するように大きさを決められる。一つの特定の例では、スリーブ106の辺部244a乃至244dの高さ寸法Hは、水平長さ寸法LまたはLに関連している。一実施形態では、ディスペンサ100の一辺244の高さHと水平方向の長さ寸法Lの比は、約3対約1である。別の実施形態では、高さHと水平方向の長さ寸法Lの比は、約1対約1である。さらに別の実施形態では、高さH 水平方向の長さ寸法Lへの比は、約2対約1よりも大きい。
【0115】
導管236またはチャネル242の容積は、一つ以上の指標の形成を容易にするのを助けるために重要であり、以下でより詳細に論じられる。具体的には、導管236は、プルーム及び/または、濡れ領域を形成するために、容器104からの噴霧を収容するのに十分に大きな容積を有するべきである。容積が大きすぎる場合には、プルームは、適切に形成されず、また、効果的な受動的拡散を提供するために、本明細書で記載される方法で、不十分な噴霧材料が、スリーブ106上に配置されることが考えられる。容積が小さすぎると逆に、容器104からかなりの量の噴霧が、スリーブ106を出て、受動的な拡散のために、スリーブ106の中、及び/または、その上に配置されない。さらに、より小さな容積は、プルームを形成するために利用可能なエアゾール組成物材料を消耗し、プルーム形成に関して不備になる可能性がある。
【0116】
したがって、導管236が自立し、ベース102上に配置されないとき、導管236またはチャネル242は、約100cmから約4000cmの間の限られた容積を備えていてもよい。別の実施形態では、導管236は、約300cmから約800cmの間の限られた容積で規定されてもよい。さらなる実施形態において、導管236は、約600cmから約650cmの間の限られた容積で規定されてもよい。さらなる実施形態において、導管236は、約100cm以下の限られた容積で規定されてもよい。また別の実施形態において、導管236は、約400cm以下の限られた容積で規定されてもよい。また別の実施形態では、導管236は、約600cmを下らず、約4000cmを超えない範囲の限られた容積で規定されてもよい。特定の一実施形態では、導管236は、約640cmで限られた容積によって規定されてもよい。別の実施形態では、導管のチャネル242は、300cmと400cmとの間の内部容積を有する。
【0117】
基部230または導管236のチャネル242は、スリーブ106の様々な追加の容積及び/または設計パラメータによって規定されてもよい。一実施形態では、チャネル242は、さえぎるものがない。この例では、チャネル242を規定する内表面232は、その長さおよび/または幅に沿って連続しており、個々の繊維又はその構成部品によって示されるもの以外に、表面の中断がない。例えば、図20のチャネル242の内表面232は、さえぎるものがなく、その長さに沿って実質的に平坦であるように見える。別の例では、チャネル242のさえぎるものがない内表面232は、スリーブ106の上部開口部238と下部開口部240との間で、完全に延びている。別の実施形態では、さえぎるものがないチャネル242は、完全にスリーブ106が不透明となるように境界されてもよいことが考えられる。さらなる実施形態では、内表面232と外面234の両方が、さえぎられていない。
【0118】
別の実施形態では、基部230のチャネル242は、少なくとも部分的にさえぎられる。この実施形態では、チャネル242は、1つまたはそれ以上の機構を介して、さえぎられてもよい。例えば、一実施形態では、少なくとも1つの孔または他の開口部が、スリーブ106(上部開口部238及び下部開口部240から離れた)に存在してもよい。ある特定の実施形態では、表面の切れ目は、約250ミクロン未満の平均孔径を有する基部230を含んでもよい。さらなる実施形態では、基部230の1つまたは複数の部分は、メッシュとして提供され、及び/または、表面の切れ目を複数含むようにクロスハッチパターンで形成してもよい。さらなる実施形態では、部分的にさえぎられた基部230の1つ以上の部分は、2つ以上の別個の容積ににスリーブ106の内部を分割する構造を含む。
【0119】
いくつかの例では、表面の切れ目は、プルームの形成、及び/または、スリーブ106上にとどまるか、スリーブ106に吸収される流動性の媒体の量と比較して、スリーブ106を通って延びる流動性の媒体の量に影響を与える可能性がある。異なる実施形態では、基部230の一つまたは複数の部分は、上部開口部238と下部開口部240に加えて、切り目、切り欠き、及び/または、他の表面の中断が提供されてもよい。
【0120】
さらなる実施形態において、チャネル242は、天然の境界によって形成された輪郭によって規定されてもよい。例えば、チャネル242は、構造、及び/または、それらの剛性要素によって、特定の幾何学的形状を付与されてもよい。一実施形態において、チャネル242は、少なくとも部分的に自由な空気または揮発性の動きを制限するように作用する。
【0121】
さらに、導管236がベース102に配置されたときに、導管236またはチャネル242は、約200cmから約700cmの間の限られた容積を有していてもよい。別の実施形態において、導管236は、約300cmから約600cmの間の限られた容積によって規定されてもよい。さらなる実施形態において、導管236は、約400cmから約550cmの間の限られた容積によって規定されてもよい。さらなる実施形態では、導管236は、約500cmを下らない範囲で限られた容積によって規定されてもよい。また別の実施形態において約400cmを下らない範囲で限られた容積によって規定されてもよい。また別の実施形態では、導管236は、約300cmを下らず、約600cmを超えない範囲で限られた容積によって規定されてもよい。特定の一実施形態では、導管236は、約515cmで限られた容積によって規定される。
【0122】
導管236は、少なくとも約15cmの限られた容積内の最小断面積と、約400cm未満の限られた容積内の最大断面積とを含んでもよい。別の実施形態において、導管236は、少なくとも約40cmの限られた容積内の最小断面積と、約100cm未満の限られた容積内の最大断面積とを含んでもよい。最大断面積は、導管の上端または基部の吹出口の端部に設けられてもよく、あるいは、最小断面積は、上端に設けられてもよいと考えられる。確かに、球状シェードまたは基部は、そのほぼ中央部分に最大断面積を備えていてもよいことが考えられる。
【0123】
導管236は、主軸を含んでもよく、いくつかの実施形態では、長軸に対して垂直な短軸を含んでもよい。一実施形態では、短軸は、スリーブ106の幅である。さらなる実施形態では、短軸は、2つの対向する壁の内表面の間に延びる線を含む。さらなる実施形態では、短軸は、2つの遠位面間の直線で測定されてもよい。別の実施形態では、短軸は、直径であってもよい。
【0124】
スリーブ106を構成する材料の選択は、多くの理由のために重要である。具体的には、スリーブ106の材料は、スリーブ106の外観、スリーブ106のウィッキング(吸い上げ)特性、スリーブ106の吸収特性、ベース102上の直立位置に保持されるスリーブ106の能力、プルームの形成、及び視覚指標のうちの1つまたは複数の表示に関連する多くの他の特性に影響を与える。
【0125】
したがって、スリーブ106は、PET、不織布の材料、織布、織物、不織繊維、または他の透過性材料のように、透過性材料を含んでもよい。一具体例では、スリーブ材料は、Cerex(登録商標)アドバンストファブリック(カントン、フロリダ州)により提供されるナイロン生地を含む。一実施形態では、布は、平らで滑らかで強い布に、連続したナイロンの細糸を紡いで、接着することによって、作られている不織布であってもよい。一つの特定の適切な布は、Cerex23200の商品名で販売されているナイロン基部である。別の実施形態では、スリーブ106は、織布及び/または連続してもよい。例えば、スリーブ106は、マイクロサイズの孔(例えば、Gore Tex(登録商標)またはGore Tex(登録商標)同様の材料)を有する滑らかなシートであってもよい。さらなる実施形態において、スリーブ106は、積層プラスチックまたはナイロンの内表面を有する他の表面を含んでもよい。
【0126】
一実施形態では、スリーブ106は、ASTM−D1777を用いて測定すると、約5ミルから約12ミルの間であり、特に約7ミルから約9ミルの不織材料として提供される。一実施形態では、スリーブ106の材料の通気度は、ASTM D737を用いて測定すると、約15CFM/ftと約325CFM/ftの間であり、特に約170CFM/ftである。スリーブ106の材料は、約2バールから約70バールの間、特に約5バールの破裂強度を有してもよい。
【0127】
スリーブ106の1つまたは複数の特性は、ディスペンサ100のディスペンシング能力に影響を与える。好ましいスリーブ106は、支援なしに直立位置に留まることができるように(例えば、構造崩壊することなく、最後に立っている)、堅く、自己支持形のものである。同時に、スリーブ106は、ベース102の凹部162に収容されるのに十分に柔軟であるべきである。いくつかの例では、スリーブ106の形状に応じて、スリーブ106が曲がるのに十分可撓性である必要があるか、そうでなければ、ベース102のスリーブ106上に配置されているときに変形する必要があってもよい。スリーブ106は、他の材料と比較して、有効な放出特性をもたらす適度な濡れ性と適度な多孔性を有するべきである。他の材料と比較して、スリーブ106は、活性剤に対して低い親和性および吸収性の特性を有することが望ましい場合もある。
【0128】
スリーブ材料は、表面エネルギーのような1つ以上の特性によって特徴付けられる。表面エネルギーは、バルク材料に比べて表面における余分なエネルギーを表わす。組成物は、バルク材料ではなく、スリーブ106の表面上に存在することがエネルギー的に好ましい。表面エネルギーは、表面領域を形成するのに必要なエネルギーの尺度を与え、形成される表面の量を制御し、従って、表面の量は、液体の蒸発が起こるために利用可能になる。そのために、スリーブ106の材料は、好ましくは、約25mN/m未満の表面エネルギーを有する。別の実施形態では、その材料は、約20mN/m以下の表面エネルギーを有する。さらなる実施形態において、その材料は、約18mN/m未満の表面エネルギーを有する。別の実施形態においては、その材料は、約1mN/mから約30mN/mの間の表面エネルギーを有する。別の実施形態では、その材料は、約5mN/mから約25mN/mの間の表面エネルギーを有する。さらなる実施形態において、その材料は、約10mN/mから約20mN/mの間の表面エネルギーを有する。特定の一実施形態では、その材料は、約19mN/mの表面エネルギーを有する。
【0129】
スリーブ106に用いられる材料の外観は、本明細書に記載のスリーブ106の機能を実現するために、追加的な重要な特性である。特に、理論に束縛されることなく、ディスペンサが作動していることと、ディスペンサは、適切な機能性を提供する特性を有することを消費者が知覚することができるとき、ディスペンサの使用中に、消費者の経験は、高められると考えられる。例えば、消費者は、プラスチック、固体表面、又はそうでなければ不透過性に見える表面は、吸収性の欠如のために、一般的には、受動的な発散を提供することができないと認識している。特に、消費者は、噴霧された組成物が、玉になり、表面に吸収されない可能性があると理解する。さらに、一部の消費者は、滑らかな外観、及び/または、さえぎられない表面は、その材料の真の性質に関係なく、十分な吸収性の性質を持っていない可能性があり、材料が組成物を吸収し、それを受動的に拡散する信頼性を有していないものだと認識する。対照的に、消費者は、布または織物材料は、特定の視覚的な外観を提供し、材料がエアゾール組成物を吸収することが可能であり、従って、受動的な拡散を提供することが可能であると理解している。そのため、消費者がその吸収性を認識するのを手伝う具体的な特性を有するスリーブ106を提供することが望ましい。スリーブ106は、スリーブ106は、吸収性の十分な視覚指標を提供することを保証するために、以下のパラメータのうちの1つまたは複数を提供されるべきである。
【0130】
スリーブ106の材料は、好ましくは、約50ミクロンよりも大きい直径を有する複数の繊維によって規定される。一実施形態では、繊維の直径は、約45ミクロンから約120ミクロンの間である。別の実施形態では、繊維の直径は、約50ミクロンから約100ミクロンの間である。別の実施形態では、繊維の直径は、約60ミクロンから約90ミクロンの間である。さらなる実施形態では、繊維の直径は、約70ミクロンから約80ミクロンの間である。特定の一実施形態では、繊維の直径は、約90ミクロンである。別の実施形態では、繊維の直径は、約100ミクロンである。さらなる実施形態では、繊維の直径は、約120ミクロンである。さらに別の実施形態では、繊維の直径は、約130ミクロンである。
【0131】
スリーブ106の材料中の繊維の着色は、利用者に、その織物のような性質の視覚指標を提供することも重要である。具体的には、スリーブ106の繊維の着色は、利用者が、個々の繊維を視覚的に知覚することができるように手伝うコントラストを提供する。例えば、一例において、スリーブ106の繊維は、白のように、同じ色である。別の例では、1つまたは複数の繊維が、さらに視覚的なコントラストを、繊維の間に提供するために、異なる着色を付与してもよい。
【0132】
細孔径はまた、利用者に固有の視覚指標を付与するのに重要である。具体的には、材料の孔サイズが大きいほど、孔は、より多くの目に見える、そのことが、スリーブ材料が布状またはさもなければ吸収性材料を含むことを消費者に理解させることになる。繊維間の細孔サイズは、見えるように、かつ、多孔性材料の印象を与えるために十分な大きさであるべきである。スリーブ106の材料の質感が目に見えるようにするには、繊維と細孔の間に十分なコントラストが存在しなければならない。特に、一実施形態では、体積基準メジアン径は、個々の孔、または近接した孔の群れのいずれかを含む、少なくとも約50ミクロン以上であってもよい。別の実施形態では、スリーブ106の体積基準メジアン径は、約50ミクロンから約1000ミクロンの間である。別の実施形態では、スリーブ106の体積基準メジアン径は、約50ミクロンから約80ミクロンの間である。一実施形態では、体積基準メジアン径は、約50ミクロンから約250ミクロンの間である。別の実施形態では、体積基準メジアン径は、約50ミクロンから約100ミクロンの間である。特定の一実施形態では、体積基準メジアン径は、少なくとも50ミクロンである。別の実施形態では、体積基準メジアン径は、約60ミクロンである。さらなる実施形態では、体積基準メジアン径は、75ミクロンである。さらに別の実施形態では、体積基準メジアン径は、約80ミクロンである。別の実施形態では、体積基準メジアン径は、80ミクロン未満である。さらなる実施態様において、体積基準メジアン径は、完全に、スリーブ106の上に一致しない場合がある。例えば、スリーブ106の一部が第1の値(例えば、約50ミクロン)の体積基準メジアン径によって特徴付けられ、スリーブ106の別の部分が第2の異なる値(例えば、約70ミクロン)によって特徴付けられてもよい。
【0133】
スリーブ106の基部230は、少なくとも1.55mL/gの空隙容積(すなわち、多孔性)によって特徴づけられてもよい。別の実施形態では、スリーブ106の基部230は、約1mL/gから約10mL/gの間の多孔性によって特徴付けられてもよい。別の実施形態では、スリーブ106の基部230は、約1.55mL/gから約7.13mL/gの間の多孔性によって特徴付けられてもよい。さらなる実施形態では、スリーブ106の基部230は、約8mL/gを超えない多孔性によって特徴付けられてもよい。
【0134】
スリーブ106の材料の厚さは、スリーブ106の使用を介して実現される利点を提供するのに、重要である。例えば、スリーブ106は、アクチュエータノズル166から放出された流動性の媒体の噴霧速度に対応できるようにしなければならず、大部分の噴霧が、スリーブ106を通して、直接出るのを防止するのに十分な厚さを有していなければならない。スリーブ106の厚さは、一つ以上の視覚指標(例えば、プルーム及び/または濡れ領域)の形成に影響を与える、吸い上げ(ウィッキング)と吸収性の性質にとって重要である。
【0135】
スリーブ106の材料に関する追加の考慮事項は、利用者が、スリーブ106接する(例えば、触れる)ことによって得る触覚の反応である。触角の反応は、表面粗さ、材料の「剛性」、温度特性を含む多数の材料特性に依存する。プラスチックフィルムのような非常に滑らかな表面は、プラスチックシートに対する利用者の経験に基づいて、液体に対し不浸透性であると利用者に期待される一方で、よりざらつきのある表面は、布に対する利用者の経験に基づいて、液体が吸収することができると期待される。
【0136】
スリーブ106の材料は、作動後に、スリーブ106上の濡れ領域を形成する時間に影響を与える、平均ウィッキング速度によって特徴づけられるウィッキング(吸い上げ)特性を有してもよい。平均ウィッキング速度は、重量分析を用いて決定することができる。一実施形態では、平均ウィッキング速度は、約0.01mm/sから1.5mm/sの間である。別の実施形態では、平均ウィッキング速度は、約0.05mm/sから約1mm/sの間である。別の実施形態では、平均ウィッキング速度は約0.09mm/秒から約0.07mm/秒の間である。一実施形態では、平均ウィッキング速度は、約0.05mm/sから約0.1mm/sまでの間である。特定の一実施形態では、平均ウィッキング速度は、約0.09mm/sである。別の実施形態では、平均救出速度は、約1mm/sである。さらなる実施形態では、平均ウィッキング速度は、約0.095mm/sである。さらに別の実施形態では、平均ウィッキング速度は、少なくとも約0.05mm/sである。別の実施形態では、平均ウィッキング速度は、少なくとも約0.05mm/sである。
【0137】
また、スリーブ106のかさ密度は、スリーブ106の基部230の剛性と触感特性に影響する。一実施形態では、かさ密度は、約1g/cmから約2g/cmの間である。別の実施形態では、かさ密度は、約1.275g/cm未満である。さらなる実施形態では、かさ密度は、約1.142g/cmから約1.273g/cmの間である。別の実施形態では、かさ密度は、約2g/cm未満である。さらに別の実施形態では、かさ密度は、約1g/cmから約3g/cmの間である。
【0138】
スリーブ106のストリップ法での引張強度は、欠陥の前に、基部230が処理できる圧力に関連している。一実施形態では、ストリップ法での引張強度は、少なくとも約3N/mmであり、より具体的には、約3.03N/mmである。別の実施形態では、ストリップ法での引張強度は、少なくとも約4N/mmである。さらなる実施形態では、ストリップ法での引張強度は、約2.5N/mmと約3.5N/mmの間である。
【0139】
スリーブ106の材料は、重量分析により測定されるように、吸収能力によって特徴付けられる吸収特性を含む。一実施形態では、吸収能力は、約1mL/gから約3.5mL/gの間である。別の実施形態では、吸収能力は、約1.5mL/gから約3mL/gの間である。別の実施形態では、吸収能力は、約2mL/gから約3mL/gの間である。特定の一実施形態では、吸収能力は、約2.5mL/gである。別の実施形態では、吸収能力は、約2.6mL/gである。さらなる実施形態では、吸収能力は、約2.7mL/gである。さらに別の実施形態では、吸収能力は、少なくとも約2.5mL/gである。スリーブ106の材料は、流動性の媒体の約0.015mg/mmで吸収することが可能である。
【0140】
以下の特徴を有する一つの特定のスリーブ106は、本明細書に記載のディスペンサ100に対して有用である。スリーブ106の材料は、8.4ミルまたは0.21mmの名目上のシートの厚さを有し、多数の不織布の繊維で構成され、約50ミクロン(体積比)の体積基準メジアン径を有する細孔と分散させられる。本実施形態では、その材料は、1.55mL/gの気孔率を有する。重量由来の密度は、0.4mg/mmで、かさ密度は1.14g/cmである。また、スリーブ106は、約3N/mmの横断方向のストリップ法での引張強度と、約5.6N/mmの機械方向のストリップ法での引張強度よって規定される。
【0141】
図1乃至3を再び参照すると、スリーブ106は、その上に形成されたパターン250が付与されるように示されている。パターン250は、吸収性材料から構成されてもよく、および/または、パターンを囲む基部230の部分252は、同じか、または別の材料から構成されてもよい。パターン250は、パターン250の形状で基部230を貫通する開口によって形成されてもよい。この場合、吸収性材料は、部分的または完全に開口部を補ってもよい。いくつかの例では、パターンは、葉、花、植物、木等のような1つ以上の自然に現れる対象物によって規定される。他の実施形態では、パターンは、他の形状によって規定されてもよい。
【0142】
構成部品は、説明され、それに関連するディスペンサ100の使用や特性は、以下で、より詳細に議論される。ディスペンサ100の1つまたは複数の構成要素は、包装(図示せず)で提供されてもよい。例えば、スターターパッケージは、ベース102、一つ以上の容器104、およびスリーブ106を含んでもよい。一実施形態では、容器104及び/またはスリーブ106が、詰め替え用キットとして提供されてもよい。
【0143】
別の実施形態では、スリーブは、流動可能な物質で予め詰め込まれていてもよい。本実施形態では、流動可能な物質は、非透過性のパッケージで供給され、流動性の媒体は、スリーブ106がパッケージから削除されるまで、受動的に拡散することを開始しないことが考えられる。さらなる実施形態では、スリーブ106とその上に予め詰め込まれた流動性の媒体は、容器104内に配置された流動性の媒体と組み合わせて使用されてもよい。例えば、1つの物質(例えば、活性剤)がスリーブ106上に、予め詰め込まれていてもよく、第2の物質(例えば、溶媒)が、容器104内に供給されることが考えられる。この例では、溶媒は、相乗効果を提供するために、作動中に活性剤に接触する。あるいは、スリーブ106上に予め詰め込まれた流動性の媒体は、能動的になってもよく、容器104に供給されるか、さもなければ、ディスペンサ100上に噴霧される第2の流動性の媒体との相互作用により、受動的に拡散を始めてもよい。さらに、第1の活性剤は、容器104内に配置されてもよく、他方で、第2の異なる活性剤(および/または流動性の媒体)は、スリーブ106上に予め詰め込まれている。例えば、香りがスリーブ106上に予め詰め込まれてもよいのに対し、容器104内には、害虫防除剤または活性剤が供給されてもよい。
【0144】
ディスペンサ100を使用するために、各構成部品は、パッケージから移動されなければならず、エアゾール組成物を有する容器104は、ベース102に挿入されなければならない。容器104をベース102に挿入するために、(構成部品が結合されている場合は)上側ハウジング110は、ベース102の下側ハウジング108から取り外されなければならない。下側ハウジング108から上側ハウジング110を取り外すために、利用者は一方の手で下側ハウジング108の溝116を把持し、下側ハウジング108から離れる方向に上側ハウジング110に上向きの力を加えるようにもう一方の手を使用することができる。下側ハウジング108が露出されると、利用者は、保持されるペデスタル134の開口部136に容器104を配置する。
【0145】
容器104が適切に配置されると、ベース102は、再構成されなければならない。下側ハウジング108に上側ハウジング110を取り付けるために、それぞれは、実質的に互いに対して、位置調整される。上側ハウジング110は、下側ハウジング108上に下げられ、このことによって、突出部170の角度のついた端部178が、U字形状部材124のフランジ126の徐々に細くなる水平部130に接触することになる。U字形状部材124は、突出部170が、中にスライドし、部材124の開口部128内に保持されるように、内向きに曲がる。突出部170が、いったん開口部128に配置されると、U字形状部材124は、解放可能に上側ハウジング110を下側ハウジング108にしまい込むために(図11を参照)、元の位置へと外向きに曲がる。同時に、容器104のバルブステム212がぴったりステムソケット218内に配置されるまで、容器104は、リブ174を介して上側ハウジング110を通って上方に導かれる。
【0146】
スリーブ106がディスペンサ100に事前に組み立てられていない場合には、スリーブ106は、ドーム152の上にスリーブ106を位置調節し、その上に下向きにスリーブ106を下げることによって、ベース102上に配置される。ドーム152は、スリーブ106の下側開口部240に収容される。スリーブ106が、ドーム152の方に向かって下方に移動すると、スリーブ106は、シュラウド150とドーム152との間に配置される凹部162と相互に作用する。いったん配置されると、スリーブ106は、その少なくとも一部の上にドーム152の側壁158と接触する。スリーブ106は、ディスペンサ100に均一な外観を促進するために、ドーム152と同様の形状で提供されてもよい。また、スリーブ106は、スリーブ106が、凹部162内に挿入されることが可能であり、同時に、本明細書に記載の噴霧機構と一致する十分な剛性の特性を有することが可能である限り、異なる形状で提供されてもよい。
【0147】
図示の実施形態では、ディスペンサ100のベース102は、組み立て中に、利用者に視覚的な手がかりを提供する特定の形状を付与されている。特に、スリーブ106は、ベース102と、特に、シュラウド150とドーム152との間に配置された凹部162と同様の形状を含んでいる。この向きは、ディスペンサの適切な動作を保証するのに役立ち、ディスペンサ100に適切でないスリーブ106の使用、または、ディスペンサ100が不適切な方法で動作するようなスリーブ106の使用が起こらないようにする。
【0148】
ディスペンサ100の構成要素が組み立てられた後、ディスペンサ100は、ドーム152の上端、すなわち、アクチュエータノズル166およびステムソケット218が、容器104の遠位端部(例えばバルブステム212の遠位端216)と物理的に連通し、突出部170が部材124の開口部128内に配置されるような休止状態になる。図1及び図2に描かれるように、休止状態では、下側ハウジング108の下端は、開口168から延び、支持面(図示せず)に隣接して保持される。容器104は、アクチュエータノズル166に対して力を発揮するバルブステム212との相互作用を介して、ベース102内のさらに内側に移動することが防止され、それ自体が、ドーム152上に隆起した円形面181と相互に作用する。このようにして、上側ハウジング110の重量は、アクチュエータノズル166上に支えられ、バルブアセンブリ(図示せず)内に含まれるばね(図示せず)は、下側ハウジング108上の上側ハウジング110を支持する。
【0149】
上側ハウジング110上(例えば、シュラウド150又はドーム152)に下向きの力成分を行使すると、軸方向の下方、すなわち、上側ハウジング110に関連して長手方向軸C(図2参照)に平行な方向に、同じ動きをし、それによって、バルブステム212の圧縮とエアゾール容器104の内容物の放出が起きる。上側ハウジング110のいずれかの部分が軸方向に押されてもよいが、作動中に、利用者の手を遮るドーム152上に配置されるスリーブ106が原因で、利用者がシュラウド150を掴むことが、より便利になってもよいことが考えられる。
【0150】
手動による作動後、上側ハウジング110は、容器104のバルブアセンブリ内に配置されるばねによる下向きの力の解放時に、元の位置に戻る。ハウジングの重量を支持し、作動前の同じ位置に戻るのための追加的な手段は、当技術分野で公知の方法で想定される。
【0151】
本実施形態でディスペンサ100を作動させることの利点は、利用者がアクチュエータノズル166に自分の手を置く必要がないように、組成物へ直接的に触れることを最小限に抑えながら、利用者が、容器104から組成物を放出することができることである。それに加えて、比較的背の高いスリーブ106の組み合わせは、組成物を少なくとも部分的に垂直方向に向けることだけでなく、身近な環境の中に直接放出される組成物の量を制限することによって、組成物の放出時に利用者に直接的に触れることを最小限に抑える。
【0152】
手動による作動後、エアゾール組成物は、容器104から放出され、遠位端部216において、バルブステム212から出る。エアゾール組成物は、アクチュエータノズル166のチャンバー192内に放出され、吹出口190a乃至190dを通って定量出される。図20に示すように、エアゾール組成物が、吹出口190a乃至190dから出るとき、エアゾール組成物は、スリーブ106の内表面232のたわみに起因して、例えば、一次ベクトル302、二次ベクトル304、三次ベクトル306となる噴霧の形状を有する、一つ以上のストリーム(流れ)300に分散する。実際、任意の数のたわみが発生することがある。
【0153】
ストリーム300はアクチュエータノズル166内に存在する吹出口190の数に応じて分割される。図21に示される実施形態では、4つのストリーム300a、300b、300c及び300dは、それぞれ、吹出口190a乃至190dから提供される。ストリーム300a乃至300dは、一般的には、それぞれの辺部244a乃至244dの内表面232に向けられる。特に、ストリーム300a乃至300dは、内壁232に提供される組成物の量とプルームに放出される組成物の量を保つ特定の接触角で、アクチュエータノズル166から出る。
【0154】
流れ300a乃至300dの中に存在する活性剤とスリーブ材料との間の接触角(例えば、入射角度)は、部分的には、その濡れ性を決定する。接触角は、活性剤の広がりと活性剤の与えられた量の濡れ領域の大きさを制御する。接触角が小さい(例えば、約30度未満)の場合、液体は、スリーブ材料全体にわたって比較的小さな広がりを持ち、吸収性材料から構成される場合に、スリーブの壁にまっすぐに入るか通過するが、これに対し、より高い接触角(例えば、約70度以上)では、液体は、より球形状で残り、水滴などの玉を形成し、および/または、直接スリーブ106から出る。接触角は、好ましくは、容器、基部、ベース、または導管のうちの1つ以上と長手方向軸に対して測定される。例えば、本実施形態では、接触角は、導管の軸線Cに対して測定されてもよい。
【0155】
したがって、流れ300a乃至300dとスリーブ106との間の接触角は、約30度から約80度の間、または、約30度から約70度の間に設けてもよい。他の実施形態では、接触角は、少なくとも約40度である。別の実施形態では、接触角は、約45度から約85度の間である。さらなる実施形態では、接触角は、約50度から約90度の間である。さらなる実施形態では、接触角は、約55度から約66度の間である。特定の一実施形態では、接触角は、約30度である。別の実施形態では、接触角は、約40度である。別の実施形態では、接触角は、約50度である。さらなる実施形態では、接触角は、約60度である。さらに別の実施形態では、接触角は約60度である。さらなる実施形態では、接触角は、約30度以上で約80度以下である。
【0156】
以下に詳細に説明するように、作動時に、流体のストリーム300a乃至300dの一つ以上は、アクチュエータノズル166から外に出て、スリーブ106を規定するチャネル242に入る。アクチュエータノズル166から定量出された組成物の流れは、様々なディスペンサの性質に応じて、異なる機能を提供する。例えば、1つ以上のストリームが、即時の能動的な拡散を提供するために、外部環境へスリーブ106を直接通ってもよいことが考えられる。一実施形態では、スリーブ106の壁を介して直接通過する組成物の量は、組成物の大部分がスリーブ106内(例えば、スリーブ106の内壁232内またはその上またはプルーム)内に保持されるように最小化される。別の実施形態では、スリーブ106の壁を介して直接通過する組成物の量は、組成物のより大きな初期「噴出(バースト)」を提供するために増加させてもよい。
【0157】
1つ以上のストリームは、スリーブ106の内面232に接触し、少なくとも部分的にそれによって吸収される。内表面232に接触する流れは、濡れ点を形成し、スリーブ106に吸収された組成物は、部分的に能動的に放出されるが、吸収された組成物の大部分は、受動的に、最初の作動後の期間のために放出される。
【0158】
さらに、1つ以上の流れは、またプルームを形成してもよく、プルームの少なくとも一部は、スリーブ106に保持され、プルームの少なくとも一部は、スリーブ106の上部開口部238を通って出ていく。他の実施形態では、プルームは、スリーブ、導管及び基部の出口、出口開口部/出口、吐出口/開口部、上端部、出口などを介してスリーブ106を出るものとして特徴づけられてもよい。プルームは、手動作動時に初期の能動的な噴出を提供し、その形成後に短時間で能動的に発散し続ける。
【0159】
より具体的には、図22を特に参照すると、放出時に、エアゾール組成物の小粒子で形成されたストリーム300a乃至300dの第1の量308a乃至308dは、周辺の環境への即時の効果を生み出すために、辺部244a乃至244dを通って、直接、スリーブ106を通って出てもよい。この実施形態では、スリーブ106を介して直接出ていく組成物のかなりの量は、他の実施形態と比較して、組成物のより大きな(例えば、能動型)噴出を提供し、特定の用途で望ましいものであってもよい。
【0160】
図21及び22に示すように、ストリーム300a乃至300dの第2の量310a乃至310dは、各辺部244a乃至244dのスリーブ106の内表面232に付着され、直ちに、及び/または、時間の経過後に、スリーブ106を透過してもよい。ストリーム300a乃至300dが、スリーブ106に接触するとき、スリーブ106の材料は、濡れて、スリーブ106の乾燥部分と視覚的な対称性を提供する。噴霧後、一つ以上の点310(310a、310bと、310c及び310dのように個別に示される)が、濡れ領域を含む一つ以上の辺部244a乃至244d上に提供される。
【0161】
図23に示すように、ストリーム300a乃至300dの第3の量312は、内表面232からストリーム300a乃至300dのたわみによって作られる。ストリーム300a乃至300dの一部は、内部組成物314aおよび外部組成物を有するプルーム314を形成するために結合する。具体的には、プルーム314aの部分は、スリーブ106内に留まり、プルーム314bの部分は、その上部開口238を通って出る。
【0162】
このように、ディスペンサ100は、スリーブ106との相互作用に起因して、異なる放射率を有する複数のエアゾール組成物を作り出す。ディスペンサの手動による作動時に、一つ以上のストリーム量308a乃至308d、310a乃至310d及び312a乃至312dは、能動的ディスペンシング及び受動的ディスペンシングを提供してもよい。
【0163】
多数のディスペンサ100のパラメータの選択は、本明細書で議論される利点を実現するために、重要であると考えられる。特に、いくつかの重要な要因は、点310a乃至310dの形成と、それによって作成された受動的発散、プルーム314の形成及びそれによって生成された能動的な拡散に影響を与えるものである。また、作動前及び作動中の組成物の特性もまた重要である。
【0164】
まず、点310の形成に関して、スリーブ106上の濡れ領域の見ることが可能な存在は、利用者に対し、活性剤がスリーブ106上に存在し、その後に放出されることを示す。濡れ領域は、活性剤よりもむしろスリーブ106に接触するキャリア溶媒の結果として作り出される。いくつかの例では、濡れ領域のサイズは、相関し、定量出された流動性の媒体の量や印象を与えると考えられる。例えば、ディスペンサ100の2回の作動は、1回の作動より大きい濡れ領域を提供されてもよい。
【0165】
スリーブ106に目に見える変化を提供するために、多数の機構が有用である。例えば、一例において、組成物は、スリーブ106の多孔質材料の空隙を埋める。この例では、スリーブ106の材料は、空隙(ボイド)を有しなければならず、空隙率(ボイド率)は、組成物を受け入れることができるように十分に大きくなければならず、その材料の上に付着される組成物の量は、空隙を埋めるのに十分でなければならない。別の例では、組成物は、スリーブの遮光性を増加させる。この例では、組成物は、組成物と接触したときにスリーブ106の色が変化するように光を吸収する。この場合、組成物は、選択的に、可視スペクトルの選択を吸収する。
【0166】
濡れ領域が、適切な時間枠内に見えるように、それは迅速に形成する必要がある。形成時間は、スリーブ106の材料のウィッキング特性に依存する。一つの重要な構成要素は、開放構造を提供するために、スリーブ106の材料上に相互接続する孔の存在である。
【0167】
濡れ領域の大きさは、組成物が付着された領域に依存し、それは、アクチュエータノズル166の円錐角と表面にわたる堆積物の広がりの関数である。表面拡散は、表面エネルギー、及び堆積量(例えば、1回の作動によって、プルームに分布したのとは反対に、付着した組成物の用量)の関数である。濡れ領域の大きさが、付着された体積と相関していることを保証するために、ディスペンサの性質を調節し、複数の作動がより製剤を付着することを証明することが望ましい。
【0168】
目に見える濡れ領域の形成時間は、スリーブ106の材料のウィッキング速度に依存する。見ることが可能な濡れ領域の分散は、薄すぎて見ることができない濡れ領域に関連し、それは、組成物の層が薄すぎて見ることができないように、スリーブ106の表面に過度に広く広がる組成物の結果及び/または、十分な液体を取り除く蒸発に起因する。
【0169】
上記のすべてを考慮して、作動後にスリーブ106上に存在するスポット310は、次のパラメータによって特徴付られてもよいと考えられる。
【0170】
スポット310は、本明細書に記載の(円錐形)アクチュエータノズル166を使用して、略楕円形状のスリーブ106上に現れる。スポット310の最大高さ寸法と最大幅寸法は、スリーブ106の吸収領域を提供する。スポット310は、それぞれ、最大高さ寸法が、約30mmから約40mmの間で、特に、約32mmから約38mmの間のものを含む。特定の一実施形態では、各スポット310の最大高さ寸法は、約35mmである。また、各スポット310は、最大幅寸法が、約20mmから約30mmまでの間、より具体的には、約22mmから約28mmの間のものを含む。特定の一実施形態では、各スポット310の最大幅寸法は、約25mmである。
【0171】
いくつかの実施形態では、各スポット310の最大高さ寸法は、スリーブ106の高さの関数として特徴付けられる。例えば、約170mmの高さ寸法を有するスリーブ106を使用すると、各スポット310の最大高さ寸法は、スリーブ106の約1/5の高さである。
【0172】
スポット310は、選択された期間の後に決定されるように、平均面積パラメータによって定義される。具体的には、スポット310は、10秒後に、約2cmから約14cmの間の面積があり、より具体的には、約6cmから約10cmの間の面積がある。特定の一実施形態では、スポット310は、10秒後に、約8cmの面積を有することを特徴とする。
【0173】
また、スポット310の吸収特性と拡散特性は、作動後に、スポット310が視覚的に最も顕著に現れるのにかかる時間に応じて、定義されてもよいことが考えられる。具体的には、スポット310は、約100秒から約140秒の間の期間の後に最も顕著であり、より具体的には、約105秒から約135秒の間である。特定の一実施形態では、スポット310は、約120秒の時間後に最も顕著である。
【0174】
スポット310は、また、スポットがスリーブ106上に見えるようになる時間の長さを通じて、吸収特性および拡散特性によって特徴づけられてもよい。より具体的には、スポット310は、作動後の時間の離散量の間見ることが可能である。特に、一実施形態では、スポット310の少なくともいくつかは、作動後0.1秒から約420秒の間の時間、見ることが可能である。別の実施形態では、スポット310は、作動後0.1秒から約360秒の間の時間、見ることが可能である。さらなる実施形態では、スポット310は、作動後0.1秒から約300秒の間の時間、見ることが可能である。
【0175】
スリーブ106の最大吸収容量は、点(スポット)310の形成に影響し、スリーブが完全に溶媒に浸されるときに、スリーブの質量の変化を測定することによって決定される。スリーブのサンプルの質量の変化は、その後、材料の表面積(すなわち、最大吸収容量)当たりの吸収最大解を計算するために使用されてもよい。スリーブ106の一実施形態では、約408mmのサンプル領域により規定され、溶媒の約58mgを吸収し、その結果、約0.14mg/mmの表面積当たりの吸収溶媒質量となることが考えられる。別の実施形態において、スリーブ106は、約418mmのサンプル領域によって規定され、溶媒の約55mgを吸収し、その結果、約0.13mg/mmの表面積当たりの吸収溶媒質量となる。さらなる実施形態において、スリーブ106は、約425mmのサンプル領域により規定される、溶媒の約72mgを吸収し、その結果、約0.17mg/mmの表面積当たりの吸収溶媒質量となる。
【0176】
したがって、本明細書に記載の他のパラメータに加えて、以下の特性を有するスリーブ材料は、本明細書に記載のディスペンサ100と関連して有用である。スリーブ材料は、好ましくは、少なくとも約0.1mg/mmの表面積基準当たりで、溶媒を吸収する能力がある。別の実施形態では、スリーブ材料は、少なくとも約0.12mg/mmの表面積基準当たりで、溶媒を吸収する能力がある。別の実施形態では、スリーブ材料は、少なくとも約0.13mg/mmの表面積基準当たりで、溶媒を吸収する能力がある。さらなる実施形態では、スリーブ材料は、好ましくは、少なくとも約0.14mg/mmの表面積基準当たりで、溶媒を吸収する能力がある。さらに、スリーブ106上で溶媒を吸収しすぎると、視覚指標を生成するのに有効であるために望ましい、または必要なものより小さいプルームとなる。一実施形態では、スリーブ材料は、好ましくは、約0.2mg/mmを超える量で、表面積基準当たりで、溶媒を吸収しない。
【0177】
スリーブ106の材料は、それに関連付けられた1つ以上のウィッキング特性に応じて特徴づけられてもよい。具体的には、スリーブ106の一実施形態は、約100mmの吸収高さ、約3122mmの表面積、約201mgの吸収された溶媒の量、約18秒の吸収が完了するまでの時間、約0.065mg/mmの表面積当たりの吸収量、及び約0.09mm/sのウィッキング速度を有する。別の実施形態において、スリーブ106は、約101mmの吸収高さ、約2939mmの表面積、約192mgの吸収された溶媒の量、約14秒の吸収が完了するまでの時間、約0.065mg/mmの表面積当たりの吸収量、及び約0.1mm/sのウィッキング速度を有する。さらなる実施形態において、スリーブ106は、約101mmの吸収高さ、約3073mmの表面積、約166mgの吸収された溶媒の量、約20秒の吸収が完了するまでの時間、約0.05mg/mmの表面積当たりの吸収量、及び約0.08mm/sのウィッキング速度を有する。
【0178】
したがって、以下の特性を有するスリーブ材料は、本明細書に記載のディスペンサ100と関連して有用である。スリーブ材料は、少なくとも約0.06mm/sのウィッキング速度を有する。別の実施形態では、スリーブ材料は、少なくとも約0.07mm/sのウィッキング速度を有する。さらなる実施形態では、スリーブ材料は、少なくとも約0.08mm/sのウィッキング速度を有する。別の実施形態では、スリーブ材料は、少なくとも約0.09mm/sのウィッキング速度を有する。特定の一実施形態では、スリーブ材料は、約0.06mm/sから約0.1mm/sの間のウィッキング速度を有する。
【0179】
種々の要因が、プルーム314の形成及び分散に影響を与える。したがって、多くのパラメータが、作動後直ちにスリーブ106上に見えるプルームを提供するために重要である。考慮すべき要因の一つは、プルーム中に分散される製剤の体積であり、それは、定量出された製剤の量と空気中に液滴として分散したのとは反対にスリーブ106に配置された相対的割合の関数であり、それは、順番に、アクチュエータノズル166から出る噴霧速度に関連している。考慮すべきもう一つの要因は、液滴のプルームの密度である。プルームの密度は、アクチュエータノズル166からエアゾール化された液滴の分布、経時的なエアゾール組成物の分散、およびエアゾール組成物を構成する液滴の蒸発速度の関数である。
【0180】
考慮すべき付加的な要因は、液滴のプルームの寿命である。プルームの寿命は、経時的なエアゾール組成物の分散、液滴が重力下で沈むか速さの程度に影響する液滴粒度分布に加えて、エアゾール組成物を構成する液滴の蒸発速度、の関数である。考慮すべきもう一つの要因は、液滴のプルームの特定の場所を含む。特定の位置は、プルームの移動距離、スリーブ106内でプルームを制約することの濃度効果に関連する。さらなる要因は、個々の液滴の視認性であり、それは、液滴サイズと光を散乱させる能力の関数である。
【0181】
したがって、効果的なプルームは、以下でより詳細に説明するように、視覚指標を提供するために、本明細書に記載の1つまたは複数の特性を含むべきである。1つの重要な特徴は、プルームは、直接検出されることができるか、または、集団としてそれらが見えるように霧に類似の方法で散乱して光に影響を与えることができる大きさの、十分な数の液滴又は粒子を含むことである。十分に見ることが可能なプルームの部分は、見えるようにスリーブ106の外に十分に高くまで上昇する必要があり、また、ディスペンサ100の活性化の視覚的確認を与えるために、適当な時間、そこにとどまる必要がある。したがって、以下の特徴を有するプルームは、上記の基準を満たすことが示されている。
【0182】
プルーム内の粒度分布は、(液滴が個々に観察されるならば)、一般的に約50ミクロンを超える小滴または粒子サイズを必要とする霧またはミストに近づくことが必要であると理論づけられた。いくつかの例において、液滴サイズは約40ミクロンより大きくてもよい。他の例において、液滴サイズは約60ミクロンより大きくてもよい。他の例において、液滴サイズは約70ミクロンより大きくてもよい。他の例において、液滴サイズは約80ミクロンより大きくてもよい。いくつかの例において、液滴サイズは約50ミクロンよりも大きい。
【0183】
驚くべきことに、液体の特性は、プルームの粒度分布に影響を与えるものの、液滴は、液体の構成に関わりなく、それらが適切な大きさの範囲、すなわち、数ミクロンから数十ミクロン、であることを条件で、光を散乱するので、エアゾール組成物の構成は、プルーム内の粒度分布に影響を与えないことが分かっている。
【0184】
プルームを観察することができるように、プルームが周囲の空気と十分に大きな視覚的なコントラストを持つためには、プルームは、減少した透明性の原因となり、目に見えるようになる、少なくとも800drops/cmの体積(液滴の0.0013g/mで水濃度を想定)を有するべきである。他の実施形態では、プルームは、少なくとも約700drops/cmの体積を有していてもよい。特定の一実施形態では、プルームは、約820drops/cmの体積を有する。別の実施形態では、プルームは、約800drops/cmの体積を有する。別の実施形態では、プルームは、約810drops/cmの体積を有する。更なる実施態様では、プルームは、約840drops/cmの体積を有する。さらに別の実施形態では、プルームは、約850drops/cmの体積を有する。
【0185】
本明細書で説明する様々なパラメータを使用して、スリーブによって囲まれた空気層内の液滴密度は、単分散液滴の均一な分布を仮定して、推定されることができる。推定液滴密度を計算するために、多数の仮定が使用された。特に、いったん流動性の媒体が容器から放出されると、スリーブ材料上に付着されない流動性の媒体の一部は、スリーブ体積内に液滴を形成すると仮定した。また、アクチュエータノズル上の体積のみが液滴で満たされること、および液滴がまだスリーブによって画定される容積を残していないことを仮定した。さらに、液滴が均一にシェード領域を満たし、全ての液滴が、70mmの高さ(20ミクロンとして近似)で、0.51mmのアクチュエータノズルのために測定された媒体の液滴の大きさであると仮定されていると仮定した。また、全ての液滴が、Isopar L(アイソパーL)で形成されているものとし、空気層内に放出された流動性の媒体の重量の20%は、Isopar Lであると仮定される。Isopar Lの密度は、767kg/mまたは767mg/cmであると解される。さらに、スリーブの側面は、平らな長方形の形状であり、スリーブによって囲まれた空気層の頂部および底部は、二次形状のものであり、空気層内に定量出された流体で、シェードによって捕捉されない流体の量は、100mgである。
【0186】
スリーブによって囲まれた空気層は、スリーブ部の幅を56mmとして用い、シェード部の合計の高さを172mmとして用い、アクチュエータノズル(衝突点ではない)の高さを約130mmとして用い、囲まれた空気層の体積を407.68cmとして用いて、推定される。空気層内の液滴の数は、20mgのIsopar Lが、20ミクロンの直径の液滴を形成し、20ミクロンの直径の小滴が、4.19×10-6mmの体積を有することを仮定することにより推定された。また、各液滴は、3.21×10-6mgの重さであると仮定された。20mgのIsopar Lから形成されると推定される液滴の総数は、6.23×10に近づく。したがって、囲まれた空気層における液滴密度は、この液滴の数をスリーブによって囲まれた空気層で割ることによって推定された。この場合、推定された液滴密度は、15000drops/cmであった。さらに、1cmの体積で100%飽和となる20ミクロンの液滴数は、1.25億として算出された。したがって、シェードによって囲まれた空気容積内の飽和レベルは、0.012%であると推定される。
【0187】
本明細書中の特徴を有するプルームを形成するために、十分な量の組成物が必要とされる。特に、一実施形態では、少なくとも約100mgの液体組成物が、プルームを形成する。別の実施形態では、約75mgから約125mgの間の液体組成物が、プルームを形成する。さらなる実施形態では、約90mgから約110mgの間の液体組成物が、プルームを形成する。特定の一実施形態において、約100mgの液体が、プルームを形成する。
【0188】
また、プルームを形成するために利用可能な液体の量は、噴霧速度によって部分的に決定される。噴霧がアクチュエータノズル166を離れ、その後にスリーブ106に衝突する速度は、経時的に放出されるスリーブ106上に付着された液体と直接の作動を示すスリーブ106上にのプルームを形成する液体との間のバランスを決定する。スリーブ106に衝突する液滴の量は、液滴の粒度分布とその速度によって決定される。ガス流が、スリーブ106によって反らされているように、より大きな液滴は、より大きな運動量を有し、より大きな液滴は、その軌道を継続し、スリーブ106に衝突する。より小さな液滴は、より低い運動量を有し、その流れとともに運ばれる。ガス流の速度は、スリーブ106にぶつかるのに十分な運動量を持つ液滴と、ガスによって運ばれ続ける液滴との間の境界を変更する。ガス流が遅ければ遅いほど、エアゾール化したままの割合もより大きくなる。
【0189】
液滴がスリーブ106に衝突するときの液滴とスリーブ106との間の相互作用は、液滴の運動エネルギーと液滴の表面張力との間のバランスに影響される。液滴がスリーブ106に衝突するの前に、それは主に運動エネルギーを含む。液滴がスリーブ106に衝突するとき、それは変形し、その表面エネルギーは、増大する。液滴がスリーブ106上に残っているか、または跳ね返っているかどうかは、運動エネルギーと表面エネルギーのバランスに依存する。適度な初期エネルギーでは、液滴材料とスリーブ106の材料によって影響されて、液滴は、スリーブ106に跳ね返る可能性がある。大きな初期エネルギーでは、液滴は、衝突時に広がる可能性がある。
【0190】
アクチュエータノズル166を出て、スリーブ106に向かって移動するような液滴の方向は、スリーブ106に衝突する液滴の角度を決定する。しかし、スリーブ材料の表面エネルギーと表面特性とともに、液滴の運動エネルギーは、一般に、ディスペンサ100の実際の固体表面の形状よりもむしろ、液滴がスリーブ106から跳ね返るかくっつくかどうかを決定する。しかし、いくつかの例では、表面形態および固体表面の形状は、液滴が付着されるか、スリーブ106から跳ね返るかどうかに関連し得る。
【0191】
プルームが利用者に見えるようにするためには、スリーブの高さより上に見えるようにする必要がある。したがって、プルームは、液滴が空気摩擦や重力により止められ、ディスペンサ100に向かって下降を開始する前に、それがスリーブの高さよりも大きな高さに到達することを可能にする速度で移動する。10ミクロンの直径を有する液滴は、約1cm/sの速度で落下し、約50ミクロンの直径を有する液滴は、約26cm/sの速度で落下する。一実施形態では、流動性の媒体は、約4m/sから約10m/sの間の速度で、基部230の上端部を出るプルームを形成する。別の実施形態では、プルームの一部が、基部の上端よりも100mm上方に延びている。さらなる実施形態では、プルームは、基部の上端よりも100mm上方で少なくとも0.10m/sの速度を有する。
【0192】
プルームは、利用者が、広範囲の角度で、スリーブ上に見えるであろう。スリーブ内では、プルームは、スリーブに下向きに見る利用者にとってのみ見ることができるであろう。
【0193】
液滴が目に見えるプルームを形成するためには、液滴が目に見える効果を引き起こすのに十分に濃い間、光を散乱し続けるように、液滴からの蒸発速度が十分に低いことも有用である。蒸発は、材料の揮発性、場所の温度、並びに液滴の表面積の関数である。
【0194】
ディスペンサ100によって生成され、その中に配置されたプルームは、プルームがスリーブ106内またはスリーブ106の上で見ることができるままの時間である滞空時間によって特徴づけられてもよい。滞空時間は、活性剤が、定量出され、スリーブ基板の上に吸収されるか、大気中に出される、利用者にとっての重要な視覚的な合図である。プルームを形成するために、ベースは、基部230を通って流動性の媒体を吐出するための機構として機能する。一方で、基部230及び/またはチャネル242を通っての流動性の媒体の吐出は、流動性の媒体の見ることが可能なプルームという結果になる。
【0195】
形成後、少なくともプルームの一部は、スリーブ106がベース102に利用されていると仮定して、スリーブ106によって規定されるチャネル242内に存在する。一実施形態では、少なくともプルームの一部は、チャネル242の外に移動し、基部の境界を越えてみることができる。境界は、上方の境界、下方の境界、側面境界、または、スリーブ106(例えば、出口開口部238)の開口面によって形成された仮想的な境界があってもよい。一実施形態では、プルームは、少なくとも1秒間、基部の境界の上で見ることができてもよい。別の実施形態では、プルームは、1秒から2秒の間、基部の境界の上で見ることができてもよい。さらなる実施形態では、プルームは、少なくとも3秒間、基部の境界の上で見ることができてもよい。特定の一実施形態では、流動性の媒体のプルームは、出口開口部238によって形成された境界の上で見ることができてもよい。さらなる実施形態では、基部230は、流動性の媒体が少なくとも3秒間、プルームとして、見ることができるチャネルを有するシェードを含む。
【0196】
スリーブなしのディスペンサは、典型的には、1秒未満、そして、常に3秒未満、持続する即時のエアゾール化スプレーを有している。スリーブ106内にプルーム体積を含むことにより、プルームが1秒以上見ることができるままとなる。好ましくは、プルームは、1秒以上、見ることができるままであり、好ましい実施形態では、プルームは、少なくとも3秒間見ることができる。別の実施形態では、プルームは、少なくとも8秒間見ることができる。好ましい一実施形態では、プルームは、種々の要因に応じて約8秒から約16秒まで、見えることができるままである。注目すべきことに、プルームの滞空時間は、アクチュエータノズル166および/または流動性の媒体の吐出量で使用される吹出口190の数に応じて異なる。
【0197】
したがって、ディスペンサ100によって生成されたプルームは、ディスペンサ100内で、約3秒から約60秒の間、より好ましくは、約5秒から約30秒の間、さらに好ましくは、約8秒から約16秒の間の滞空時間によって特徴づけられる。特定の一実施形態では、プルームの滞空時間は、6つの吹出口190を有するアクチュエータノズル166を持つディスペンサ100を使用して、約14秒間である。3秒以上のプルームの滞空時間を有する、1つまたは複数の吹出口を有するノズルを用いて生成されるプルームも考えられる。
【0198】
6つの吹出口190を有するアクチュエータノズル166によって生成されるプルームの追加の驚くべき特徴は、4つの吹出口190を有するアクチュエータノズル166によって生成されたプルームの形状とは異なるプルームの形状である。特に、4つ吹出口のアクチュエータノズルを用いるプルームの形状は、一般に、雲煙またはふわっとふくれたもの(パフ)として特徴付けられる。対照的に、6つの吹出口のアクチュエータノズルを用いるプルームの形状は、渦として特徴付けられる。一実施形態では、渦のプルームは、時計回りの螺旋形状で、スリーブ106を通って、スリーブ106の外に移動する。さらに、6つの吹出口のアクチュエータノズルの渦のプルームは、4つの吹出口のアクチュエータノズルのプルームの2倍の長さよりもちょうど下の間、見ることができる。
【0199】
プルームの関連特性が、持続時間である。持続時間は、利用者にとって、活性剤が定量出されたことの重要な視覚的な合図である。スリーブ内でプルームの体積を含むことにより、プルームは、約1秒から約2秒の間、スリーブ上で、観察可能である。一実施形態では、4つの吹出口のアクチュエータノズルは、約1.6秒から約2.4秒の間のプルーム持続時間によって特徴付けられる。別の実施形態では、4つの吹出口のアクチュエータノズルは、約1.8秒から約2.2秒の間のプルーム持続時間によって特徴付けられる。さらなる実施形態では、4つの吹出口のアクチュエータノズルは、約2秒のプルーム持続時間によって特徴付けられる。一実施形態では、6つの吹出口のアクチュエータノズルは、約1秒から約1.4秒の間のプルーム持続時間によって特徴付けられる。さらなる実施形態では、6つの吹出口のアクチュエータノズルは、約1.2秒のプルーム持続時間によって特徴付けられる。
【0200】
ディスペンサ100及び関連する構成要素の別の特徴は、能動的な拡散のために大気中に放出される組成物の量と比較して、受動的な拡散のためにスリーブ106に吸収される組成物の量を含む。一実施形態では、スリーブ106に吸収される組成物の量は、約0.05グラムから約0.4gの間である。別の実施形態では、スリーブ内に吸収された組成物の量は、約0.1gから約0.3gの間である。さらなる実施形態では、スリーブ内に吸収された組成物の量は、約0.1gから約0.2gの間である。別の実施形態では、スリーブ内に吸収された組成物の量は、少なくとも約0.1gで、約0.5g以下である。
【0201】
一実施形態では、大気中に放出される組成物の量は、約0.2gから約2gの間である。別の実施形態では、大気中に放出される組成物の量は、約0.2gから約1gの間である。さらなる実施形態では、大気中に放出される組成物の量は、約0.2gから約0.8gの間である。別の実施形態では、大気中に放出される組成物の量は、少なくとも約0.2gで、約1g以下である。
【0202】
したがって、大気中に放出される組成物の量と比較して、スリーブ内に吸収される組成物の量の比は、約1対約1である。別の実施形態では、大気中に放出される組成物の量と比較して、スリーブ内に吸収される組成物の量の比は、約1対約4である。いくつかの実施形態では、大気中に放出される組成物の量と比較して、スリーブ内に吸収される組成物の量の比は、約1対約6である。さらなる実施形態では、大気中に放出される組成物の量と比較して、スリーブ内に吸収される組成物の量の比は、、約1対約8である。異なる実施形態では、大気中に放出される組成物の量と比較して、スリーブ内に吸収される組成物の量の比は、約4対約1である。さらに、その比は、スリーブ106が、追加的な作動サイクルを経て再利用されると、低下する。
【0203】
相互に関連する多くの要因は、スリーブ106の材料、適用される任意の表面処理、アクチュエータノズル166の設計、アクチュエータ166ノズルによって放出される噴霧パターン、噴霧の位置、投与量、活性物質の濃度、エアゾール容器104の選択およびエアゾール組成物を含む、ディスペンサ100の性能に寄与する。
【0204】
作動中および後に、複数の指標は、初期手動操作が成功し、流動性の媒体が継続的に有効であるかどうかを利用者が決定できるようなディスペンサ100のさまざまな機能を介して、提供される。指標の一つまたは複数は、視覚指標及び可聴指標の形で提供される。視覚指標は、少なくとも3つの特定の形態で提供される。
【0205】
第1の視覚指標は、本明細書で前述したスリーブ106として使用するために選択された材料の形態で提供される。スリーブ106の材料は、スリーブ106は、透過性であり、エアゾール組成物は、少なくとも部分的にその中に吸収され、その後、受動的に、そこから放出されることの即時の合図を利用者に提供する。
【0206】
活性物質がスリーブ材料から発散することができると信じる利用者ために、材料は、その流体の相互作用特性及び触感特性の両方に1つまたは複数の視覚的合図を提供するべきである。具体的には、見ることが可能な細孔サイズおよび質感、及び布状の感触を有する材料は、その材料が布のように振る舞い、液体をそこに吸収させ、そこから発散するであろうことを利用者に示唆している。
【0207】
理論に束縛されないが、ディスペンサ100のスリーブ106からの受動的な放出の効果に対する利用者の知覚は、ディスペンサの動作方法が話されること、プルームを観察すること(詳細は後述する)、スリーブ材料が、ディスペンサ100の動作を容易にする性質を有すると思われるものであると知覚することに基づいていると信じられている。したがって、スリーブ106の材料は、同時に、スリーブ106を形成するために十分な剛性を有しながら、発散機能を実行するように流体を吸収する材料の外観を提供する材料を含むべきである。
【0208】
利用者は、吸収性であるとして見る材料の種類は、織物とその他の繊維とともに、紙や他の不織布である。したがって、スリーブ材料は、繊維性で、孔を有し、きめを有し、かつ低密度であるような材料のこれらの種類の視覚的な特性を示すべきである。
【0209】
また、利用者は、材料の視覚的及び触覚的観察から、スリーブ106の材料の知覚品質を評価する可能性がある。例えば、明るく、スリーブ106としてそれ自体を支持することができる材料のために、材料は、材料がベース102内に位置しているままであることができるであろうという認識を与え、その自重で曲がることを防ぐために、低密度及び十分な剛性を有するべきである。さらに、材料は、操作中(導入)及び使用中(製剤、蒸発、製剤の発散によるコーティング)、耐損傷であり、きめと形状を維持するべきである。
【0210】
第2の視覚指標は、見ることが可能なプルームの形態で提供される(図23参照)。一実施形態では、第2の視覚指標は、霧状の外観を有していてもよい。この実施形態では、第2の視覚指標は、少なくとも3秒間見ることができる。別の実施形態では、視覚指標は、8秒から16秒の間で見ることができる。別の実施形態では、第2の視覚指標は、雲または霧の外観を有していてもよい。更なる実施態様では、プルームは、浮遊粒子または複数の液滴を含む。ディスペンサ100の活性化は、スリーブ106の上および/またはスリーブ106内で、目に見えるプルームがあることによって、利用者にとって直ちに明白である。
【0211】
多くの例において、利用者は、スリーブ106の出口開口部238から出るプルームを観察することができる。いったんプルームがスリーブ106を離れると、液滴は、スリーブ106によって囲まれた容積内に落ちるか、気流によってスリーブ106から移動する。いったんプルームが、もはやスリーブ106によって拘束されると、それは、空気混入を介して成長することができない。プルームは、空気を同伴し、分散されているように、プルーム中の単位体積当たりの液滴または粒子の濃度は、それがもはや視覚的に利用者によって知覚されなくなるまで、プルームの可視性を低減する。いくつかの例では、利用者は、良好な視野角に起因して、スリーブ106内にプルームを観察できる可能性がある。
【0212】
第三の視覚指標は、流動性の媒体をスリーブ106の上に付着することによって形成されたスリーブ106上で見ることができる変色の形態で提供される。一実施形態では、視覚指標は、表面に隣接する色でコントラストに見える。別の実施形態では、視覚指標は、表面に隣接する色よりも色が濃く見える。さらなる実施形態では、第三の視覚指標は、第2の視覚指標(例えば、プルームが見ることができる時間の長さ)よりも大きい期間、効き目の視覚指標を提供する。さらなる実施形態では、視覚指標は、吸収性構造体(例えば、スリーブ、導管、基部等)上の濡れ領域によって作り出される。
【0213】
前述の多くの要因が、利用者は、作動後にスリーブ106上の濡れ領域を検出することができるようにするために重要である。具体的には、十分な製剤が、目に見える変化を作り出すために、スリーブ106上に付着されなければならない。また、利用者が濡れ領域を見るために居合わせるように、濡れ領域は、作動後すぐに見ることが可能でなければならず、そして濡れ領域は、利用者がそれを観察する時間を有するように、十分に長い時間、持続するべきである。さらに、濡れ領域は、スポット310の一つまたは複数を見ることが可能であるように十分に大きな表面積を含んでいなければならない。
【0214】
スリーブ106の内表面132上に付着されたいくつかの量の流動性の媒体は、プルームを含む流動性の媒体とともに、受動的に拡散される。しかし、かなりの量は、スリーブ106上に提供され、その後、受動的に放出される。一実施形態では、ディスペンシングシステムは、内部容積と流動性の媒体を吐出するための機構を有するシェードを含む。シェードへの流動性の媒体の放出は、期間tの間、見ることができる濡れ点を付与し、この期間tは、流動性の媒体が、プルームとして大気中に漂っているときに、流動性の媒体が見ることができる期間tよりも長い。
【0215】
別の実施形態では、流動性の媒体の吐出流は、チャネルによって規定される基部の表面上に吐出されてもよく、基部の外部表面は、流動性の媒体の吐出後、約2分、最も視覚的に色が濃い少なくとも1つの濡れ点が付与される。また、流動性の媒体の少なくとも一つの吐出流は、チャネルを規定する表面上に吐出されてもよく、基部の外部表面は、流動性の媒体の吐出後、10秒、8cm以上の平均サイズを有する濡れ点が付与される。
【0216】
さらなる実施形態では、ディスペンシングシステムは、シェードと、シェードを保持するためのベースを含み、流動性の媒体のシェードへの吐出は、t<tとして、期間tの間であれば、シェードの表面上に、見ることが可能な流動性の媒体の濡れ点となり、期間tの間であれば、シェード内に、見ることが可能な流動性の媒体のプルームとなる。また、t<tとして、期間tの間であれば、見ることが可能な流動性の媒体のプルームは、シェードの外側で、見ることが可能であると考えられる。さらに、シェードは、ナイロンを含んでもよく、見ることが可能な濡れ点は、実質的に流動性の媒体の吐出後6分は見えないことも考えられる。
【0217】
視覚および/または可聴指標の多数の組み合わせが提供される。例えば、一実施形態では、ディスペンシングシステムは、吸収性基部と、吸収性基部を通して流動性の媒体を吐出するための機構を備える。流動性の媒体の吐出は、流動性の媒体が吐出されたとの可聴指標を作り出す。さらに、吸収性構造体を通して流動性の媒体の吐出は、また、浮遊粒子のプルームの形で、第1の視覚指標を作り、吸収性構造体の濡れ領域の形で、第2の視覚指標を作り出し、これらは、ディスペンシングシステムの使用中に、利用者に見ることができる。流動性の媒体の吐出は、チャネルまたは基部の導管の中を通して、または、その中にあってもよいことが考えられる。
【0218】
視覚指標に加えて、一つ以上の可聴指標が考えられる。例えば、第1の可聴指標は、利用者によって、一般的に識別可能な任意の可聴な合図の形態で提供される。一つの可聴指標は、エアゾールディスペンシングシステムに関連する音「シュッという音(ヒス)」である。他の典型的な可聴指標は、スナップ、ビープ音、ポップ、チャイム、音声、音楽、効果音が含まれる。一般的には、ディスペンシングおよび/またはディスペンシングの変化を利用者に通知することが可能な任意の可聴な合図はは、本明細書での使用に適切である。一実施形態では、可聴指標は、第2および/または第3の視覚指標の前に提供される。別の実施形態では、可聴指標は、第2の視覚指標と実質的に同時に提供される。別の実施形態では、可聴指標は、ディスペンサ100が受動的に流動性の媒体を発散することを停止している期間に、提供される。別の実施形態では、可聴指標は、第2および/または第3の視覚指標の一つが終了したことを利用者に警告する。
【0219】
指標の一つまたは複数は、ディスペンサ100の能動的で、継続的な受動的拡散を伝達するために、効果的に組み合わせて使われる。
【実施例】
【0220】
ディスペンシングシステムの多数の非限定的な例が、本明細書に記載の特性を実証するために考えられている。より具体的には、試験は、容器に関連した特性の選択、容器内の組成物、ベース、スリーブが、ディスペンサのディスペンシング(定量出す)能力に与える影響を実証するために行われた。多くの変形が、当業者によって認識される本発明の精神および範囲から逸脱することなく可能であるような実施例は、例示の目的のためだけに与えられ、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0221】
特に断らない限り、実施例において、全ての濃度は、重量%として列挙されている。以下の多数の例は、以下の表1に記載されているスリーブに考慮された材料を利用する。特に断りのない限り、以下の実施例において参照される材料は、表1に列挙される材料である。

【表1】
【0222】
以下の実施例で使用される組成物は、特に断りのない限り、表2に記載されている組成物である。いくつかの例で示されるように、エクソンモービルケミカル社製の高純度の流体イソパラフィン高純度である、100%のIsopar Lが使用されている。
【表2】
【0223】
4つ出口を有するアクチュエータノズルまたは6つの出口を有するアクチュエータノズルのいずれかとのディスペンサを有するシステムを考える。ディスペンサは、作動時に、プルームを放出する。ナイロン製のスリーブ体積内に封入された定量出された組成物から霧のプルームの滞空時間は、アクチュエータノズルの両方のタイプのために考えられている。ディスペンサに配置されたスリーブで、ベースが手動で押されたときに、ストップウォッチは開始された。真上から観察して、プルームがもはやはっきりスリーブ内で見ることができなくなったに、時計は、停止された。この試験は、毎回、そのスリーブと、未使用で新鮮なスリーブとを交換して、さらに2回繰り返された。試験は、6つの出口を有するアクチュエータノズルを使用して繰り返された。表3は、各アクチュエータノズルの3つの試験の結果を示す図である。
【表3】
【0224】
前述したように、スリーブのないディスペンサは、1秒未満の間、持続する即時のエアゾール化スプレーを有している。スリーブ内に流動性の媒体の吐出を含むことによってプルームは、アクチュエータノズルの吹出口の数に応じて、8秒から最大16秒まで見ることができるままである。さらに、6つの出口を有するアクチュエータノズルは、プルームが持続している間、時計回りの螺旋形状で移動するように見えたプルームを生成したことが観察された。6つの出口を有するアクチュエータノズルを用いて生成されたプルームも、4つの出口を有するアクチュエータノズルを用いて生成されたプルームのちょうど2倍以下の長さ、続いた。
【0225】
ディスペンサが複数回起動されるときに、ナイロン製のスリーブによって吸収された製剤の重量と大気中に放出された製剤の重量とを比較するシステムが考えられている。試験は、活性化後のスリーブと容器の質量の変化を測定することにより行った。この試験は、ナイロン製のスリーブ上でのみ行われ、別々のスリーブが、各試験で使用された。試験中に利用された機器は、重量量り±0.001gスリーブサンプル、および100%のIsopar Lを含む製剤を含んでいた。
【0226】
スリーブ、コンテナ、およびベースは、すべて別々に秤量し、結果は記録された。ディスペンサは、立て続けに二度、再組立てされ、活性化された(すなわち、作動させられた)。スリーブは除去され、スリーブの重量が記録された。容器及び基部の重量が測定され、結果が記録された。ステップは、繰り返され、毎回、繰り返しごとに2回ずつ作動回数を増加させた。
【0227】
表4は、活性化前後両方のスリーブと容器の重量を示している。表4は、また、大気中に放出されたIsopar Lの質量対スリーブに吸収されたIsopar Lの質量を示している。
【表4】
【0228】
表4の結果は、装置の活性化を10回まですると、スリーブ上に吸収され、大気中に放出される量が、線形で増加し、2回の活性化ではスリーブ上に、0.046gが吸収され、ディスペンサが10回活性化されると、スリーブ内に0.333g吸収されることを示す。同様に、2回の噴霧後に放出される噴霧製剤の量は、0.242gであるが、その装置が10回、活性化されるなら、1.0218gが、周囲の大気中に放出される
【0229】
これらの結果は、ナイロン製のスリーブ材料は、少なくとも10回の利用者の活性化までの活性化用量の数に比例して、製剤の量を吸収することを示唆している。ディスペンサ動作させる際には、利用者は、スリーブ上の製剤とそれに続く環境中への放出の負荷質量の制御の程度を有する。
【0230】
さらにシステムは、スリーブ材料の上に観察されたプルームの持続時間を定量化し、比較していると考えられる。測定は、4つの吹出口と6つの吹出口を有するアクチュエータノズルの両方で行われた。この試験を行うために、2つのディスペンサが使用され、1つは、6つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するもので、もう1つは、4つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するものであった。高速度カメラ、光ファイバーライト、高出力ハロゲンランプ、及び三脚に加えて、ナイロン製のスリーブが使用された。
【0231】
テストを実施するために、表2の製剤を有するディスペンサが、実験台上に配置され、2つの高輝度ハロゲン投光照明で照らされた。照明は、装置の過度の加熱を防止するために、測定を行う前につけて、各測定の直後に消えた。また、蒸気のプルームは、二重の光ファイバー光源を用いて強調された。照明は、プルームが、さらに余分な加熱なく照らされることを可能にし、光ファイバーの操縦可能な性質は、照明が最適化されることを可能にした。
【0232】
カメラは、毎秒500フレームに設定され、3.3秒間記録された。試験を行うために、スリーブは、4つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するディスペンサの上に置いた。ハロゲンランプがつけられ、記録が開始され、ディスペンサのベースが押された。試験は、6つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するディスペンサを用いて繰り返された。高速度カメラのフレームは、タイムスタンプされ、プルームの持続時間を決定するためによく調べられた。
【0233】
表5は、4つの吹出口を有するアクチュエータノズルと6つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するディスペンサの持続時間を示している。
【表5】
【0234】
表5から分かるように、6つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するディスペンサは、約1.2秒の平均プルーム持続時間を有しているのに対し、4つの吹出口を有するアクチュエータノズルを有するディスペンサは、約2秒の平均プルーム持続時間を有している。
【0235】
別のシステムは、様々なスリーブ材料の最大吸収容量を決定すると考えられる。特に、試験は、異なるスリーブの様々な材料でIsopar Mの最大吸収能力を検討した。
【0236】
さまざまなスリーブ材料の最大吸収容量の測定は、スリーブが設定された時間でアイソパー製剤中に完全に浸されたとき、質量の変化を測定することによって達成された。スリーブのサンプルの質量の変化は、材料の表面積当たりの吸収最大解を計算するために使用された。種々のスリーブ材料(ナイロン、PETフィルム、コーヒーフィルター紙、ポリエステル、およびガラス繊維)のそれぞれのサンプルは、約20mmの正方形を切断することにより準備された。3つのサンプルが、各スリーブ材料の種類に対して試験された。
【0237】
少なくとも3点以上のスリーブサンプルの長さおよび幅を測定し、平均値が用られた。表面積が計算され、サンプルの重量が測定され、ステップが、すべての試料について繰り返された。4mLの準備されたアイソパーを含む製剤が、ビーカーに加えられた。スリーブサンプルは、ストップウォッチを同時に起動している間、完全な浸水を確保するために製剤中に配置された。スリーブサンプルは、過剰なIsopar Mがないことを確実にするために、30秒後に取り除かれた。飽和スリーブの質量が記録され、これらのステップは、各サンプルについて繰り返された。サンプルの面積当たりの吸収液の質量が計算された。表6は、スリーブ材料の様々な種類の質量最大吸収能力を示している。

【表6】
【0238】
表7は、各種材料の質量の最大吸収能の平均結果を示している。

【表7】
【0239】
したがって、ファイバーグラス、コーヒーフィルター紙は、0.18mg/mmで、最も高い最大吸収能力を有していた。ナイロンは、特に、PETフィルムと比較して、比較的高い最大吸収能力を示した。ナイロンの表示は、ナイロンが水浸しになり過ぎずに、大量の製剤を収容するように、製剤のための特に良い容器として機能することを示している。
【0240】
表8を参照すると、様々なスリーブ材料を有するシステムが、作動後にスリーブ上に形成される濡れ面積の大きさの決定を補助するために試験された。30μLの制御された体積のIsopar Lが使用され、5つのスリーブ素材(ナイロン、PETフィルム、コーヒーフィルター紙、ポリエステル、およびガラス繊維)のそれぞれのサンプルは、少なくとも20mm×20mmのサンプルサイズを使用して、準備された。
【0241】
試験すべきシートをガラス面上に置き、Isopar Lが、ピペット内に吸引された。30μLの滴のIsopar Lが、50mmの高さからスリーブサンプル上に放たれた。濡れ領域に印がつけられ、10秒の点で撮影された。正方形の寸法が記録され、試験が各サンプルについて繰り返された。
【0242】
表8は、材料の様々な種類の濡れ領域(点)の平均サイズを示している。
【表8】
【0243】
表8で示されるように、ナイロンは、最大平均(8.00cm)の濡れ領域(点)の大きさを示し、したがって、試験した他の材料と比較して、Isopar Lに対して最も高い濡れ性を有している。ガラス繊維は、最小の平均濡れ領域(点)の大きさ(4cm)を示し、したがって、最低の濡れ性を有している。これらの結果は、ナイロン製のスリーブは、他の材料に対する優れた吸水特性を有していることを示唆している。また、プルームを通ってか、あるいはその逆で、大気中に放出される組成物とは対照的に、より多くの量の組成物は、ナイロンの吸収特性の結果として、受動的拡散のために利用可能であると考えられる。さらに、ナイロンは、ポリエステルとは異なり、アイソパー溶媒中で膨張せず、及び/または、ポリマー自体に活性剤を吸収しないという利点を有しているので、活性剤は、より均一な発散のために、より効率的に、シェード106内または上に蓄えられる。
【0244】
別のシステムは、ウィッキング時間、気孔率、およびいくつかのスリーブ材料の多孔性を示す表9および10において考慮される。これらの試験は、材料特性が、細孔の大きさの値を計算する機能をもたらすスリーブ材料を有する組成物との相互作用に与える影響を示している。気孔率レベル(または空隙体積比)は、空気であるスリーブの割合、すなわち、細孔を含むスリーブの割合である。
【0245】
異なるスリーブの様々な材料を介して100%のIsopar Mを含むアイソパー系製剤の流量は、この実験の焦点であった。スリーブの吸収能力は、材料の気孔率を計算するために使用されて、計算された。計算は、スリーブがアイソパー製剤で飽和させたときの質量の変化を測定することによって達成された。質量の変化率は、スリーブの気孔率の割合であることが理論化された。
【0246】
5つのスリーブ材料(ナイロン、PETフィルム、コーヒーフィルター紙、ポリエステル、およびガラス繊維)のそれぞれのサンプルは、約3cm幅で、スリーブから10cmの高さの細片を切断することによって準備された。それぞれのスリーブサンプルの重量、高さ、長さ、及び幅が測定された。サンプルは、少なくとも3つの異なる点に沿って測定され、測定の平均が使用された。スリーブの密度が算出された。これらのステップが、それぞれのサンプルについて繰り返された。4mLのアイソパーがビーカーに加えられ、アイソパーを含んだビーカーの質量が記録された。スリーブサンプルの先端がビーカーに挿入され、同時にストップウォッチを開始した。ペーパータオルの一片は、スリーブの先端に配置された。紙タオルは、製剤が、その中に染み込み始めるか、またはアイソパーがスリーブの上部に到達するまで監視される。ストップウォッチが停止され、飽和が起こるまでの時間が記録された。スリーブがビーカーから取り出され、余分なIsopar Mはなかった。飽和スリーブの質量が記録され、前のステップがそれぞれのシートサンプルごとに繰り返された。
【0247】
表9は、サンプルの表面の面積当たりに吸収された製剤の質量はもちろん、Isopar Mが、100mmの試験サンプルを通って吸収されたウィッキング速度を示している。
【表9】
【0248】
表10は、それぞれの材料については、表9における試験データの平均値を示している。
【表10】
【0249】
図示のように、コーヒーフィルター紙とナイロンの両方が表面積値当たりの吸収が比較的高かった。コーヒーフィルター紙のウィッキング速度は、ナイロンのそれよりも2倍以上の速さだった。この試験は、ナイロンに比べてより速く、より一貫性のない蒸発速度を得た、増加した濡れ性に起因して、コーヒーフィルター紙の上に、大きいが、低密度の濡れ領域(点)をもたらした。ナイロンは、コーヒーフィルター紙に比べてより局所的で、集中した濡れ領域(点)を有していた。したがって、その結果は、ナイロンは、より低いが、より安定した蒸発速度を有することを示唆している。
【0250】
異なるシステムは、各ディスペンスの定量や種々のスリーブ材料からの蒸発率に関係すると考えられている。この一連の実験は、スリーブ、容器、および基部からなるディスペンサを使用した。容器は、80重量%の量のB−52、18.964重量%の量のIsopar L、1.036重量%の量の活性メトフルトリンを有する流動性の媒体を含む。メトフルトリンの密度は、1.21g/mLであることが示され、Isopar Lの密度は、18.96g/mLであることが示され、B-52の密度が、0.56g/mLであることが示された。さらに、サミット300mclのバルブが、Aptar185mclのバルブに加えて、試験された。サミットのバルブは、1回の噴霧あたり137mgを、1回の噴霧あたり、1.37mgの活性剤を、2回の噴霧後、2.74mgの活性剤を、2回の噴霧後、4.11mgのの活性剤を定量出すことが見出された。開口バルブは、1回の噴霧で、99.7mgを、1回の噴霧で、0.997mgの活性剤を、2回の噴霧で1.994mgの活性剤を、3回の噴霧で、2.991mgの活性剤を放出した。
【0251】
各用量に定量出された質量が算出された。これは非常に小さな質量であるため、その質量は、結果の信頼性を高めるために何度も計算された。実験は、非吸収性の制御として作用したアルミニウム箔からなるスリーブ、試験される他の材料(ナイロン、ガラス繊維、PETフィルム、コーヒーフィルター紙、ポリエステル)製のスリーブ、1つの組成物の容器、4つの吹出口を有するスアクチュエータノズルを有するディスペンサ、ストップウォッチ、および目盛り尺を使用して、行われた。
【0252】
目盛りは、すべての測定を実施する前に、同じに目盛りを調整するために、平らで水平な表面上に正確に調整された。ディスペンサが分解され、個々の構成要素の重さが量られ、記録された。容器は、ベースにいる間に、重さが量られ、容器は、ベースに置かれている間、押されていた。ディスペンサは、計量され、記録された。計量と押し下げは、約10回繰り返された。押し下げは、ベース上の任意の滴下の蒸発を避けるために、立て続けに起こった。残留物は、ベースの上から拭き取られ、ベースは、再計量された。
【0253】
制御アルミスリーブを有するディスペンサを使用して、個々の構成要素(ベース、容器、およびスリーブ)は、重さが量られた。ストップウォッチが同時に開始され、ベースは、1回分を放出するために押された。時間が記録されている間に、スリーブは取り出され、重さが量られた。スリーブは、量りの上に保持され、質量は、乾いた状態と元の値の10%以内に戻った完全にずぶ濡れのスリーブとの間の差になるまで、適当な間隔(約30秒ごと)で記録された。使用されるスリーブは除去され、異なる材料の新鮮なスリーブと交換した。すべての材料が試験されるまで、全ての工程を繰り返した。
【0254】
表11は、容器の重量、材料の量、およびそれぞの試験で定量出される活性剤と溶媒の量を示している。

【表11】
【0255】
ベースは、その後拭かれ、1.2mg未満の定量出された組成物がベースに残っていることを示す(87.2922g)と再計量された。押すごとに定量出された組成物の平均質量は、27mgの活性剤および溶媒を含む、135mgであった。
【0256】
容器のための所定の化学データから、各1回分の活性剤の量は、20%であることが見出された。表12は、組成物を塗布した後、選択した期間におけるスリーブの質量を示す。
【表12】

【0257】
質量は、それぞれのサンプルについて計算され、結果は表13に表示される。
【表13】
【0258】
表13に示した結果に加えて、図24は、材料のすべてを合わせた蒸発プロットを示す。
【0259】
このように、付着するかまたは各スリーブに吸収される製剤の計算質量は、25mgから30mgの間で一貫している。全てのサンプルについて、各1回分で定量出された溶媒および活性剤の90%を超えると推定される。また、80%の製剤が蒸発するまでの時間は、材料に応じて、大幅に異なることができる。例えば、時間は、ポリエステルにわずか14分程度かかり、アルミニウム箔に30分以上かかる。ガラス繊維およびナイロンのサンプルは、試験された他の材料に比べて、30分の適当に長期間にわたって、付着した製剤の安定した放出速度特性(プロファイル)を示した。安定した放出速度特性は、これらの材料がディスペンサからの組成物の放出を制御することに関して、より一貫性のあることを示唆している。
【0260】
図25及び26を全体的に参照すると、ナイロン製のスリーブを有するディスペンサが、80重量%の量のB-52噴射剤、18.81重量%の量のIsopar L溶剤、1.04重量%の量のメトフルトリン活性剤、0.15重量%の量のユーカリ油を含む組成物を有する容器と組み合わせて使用された。
【0261】
ディスペンサの種々の特性が、作動後に測定された。試験を実施するために、ディスペンサは実験台上に配置され、2つのの高輝度ハロゲン投光照明で照らされた。ライトは、装置の過度の加熱を防止するために、測定を行う前につけて、各測定の直後に消えた。また、蒸気のプルームは、二重の光ファイバー光源を用いて強調された。照明は、プルームが、さらに余分な加熱なく照らされることを可能にし、光ファイバーの操縦可能な性質は、照明が最適化されることを可能にした。
【0262】
作動し、得られたプルームの特性は、高速度カメラ、Mikrotron GmbHより提供されたMotionBLITZ Cube2を用いて測定された。カメラは、1280×1024ピクセルの最大解像度と500コマの最大フレームレートで動作させた。カメラが十分な安定性を提供するために、プロ級の三脚に取り付けられ、ゲイン及び映像取得の制御を可能にするソフトウェアによって制御された。データは、未加工ののバイナリ形式で保存された後、圧縮なしでavi形式に変換された。フレームとタイミングデータは、フレーム画像に埋め込まれて保存されました。目盛り定規は、後の分析のための基準を提供するために、画像に含まれていた。
【0263】
測定は、温度が約21℃で±1.5℃、湿度は約71%であったエアコン付きの実験室で行われた。
【0264】
高速度カメラは、作動後に装置の上面から発せられる見ることが可能なプルームを記録するために使用された。たくさんの数の動画が、噴射されたプルームの可視性を最適化するために、異なる照明及び露出設定を使用して記録された。吸収性スリーブが除去され、動画が、4つのアクチュエータノズルからの噴流を映して、記録された。ここでも、ビデオは、たくさんの数の照明や露出設定のために記録された。
【0265】
図25は、高速ビデオのいずれかからの一つのフレームを示している。画像は、作動後146ミリ秒とで撮られた。明るい矩形領域は、吸収性スリーブ106であり、より明るくプルームを照光する必要性から、露出過度にされた。画像のはっきりした二つのプローブは、光ファイバー照明の端部である。作動後に約146ミリ秒で、装置を出る蒸気のプルームがはっきりと見える。ビデオを分析することにより、プルームの前面の速度を測定することが可能であった。
【0266】
プルーム前面の速度は、上述の映像法を用いて測定した。表14は、スリーブのチャネルを通って測定され、その後、スリーブの出口の上の25mmのセグメントに測定されたプルームの推定速度を示している。
【表14】
【0267】
したがって、流れの乱流の性質は、推定値の広い範囲を与えるが、その流れは、画面上、最初の25mmで10倍遅くなることが分かる。
【0268】
さらなる試験では、スリーブは、ディスペンサの底部から除去され、上記のテストは、ビデオで記録しながら、繰り返された。エアゾール化スプレーは、ディスペンサから放出された。ビデオのいずれかからの一つのフレームは、図26に示されている。装置の高速ビデオからのフレームは、装置の作動後の吸収性スリーブなしで描かれている。ビデオを分析することにより、エアゾール化された噴霧速度の推定値が得られた。
【0269】
表15は、スリーブなしでディスペンサを用いてエアゾール化された噴霧速度を示す。
【表15】
【0270】
表15は、エアゾール化された噴霧の流れが、非常に乱流であるが、その速度は、アクチュエータノズルの場所で約8m/sから、アクチュエータノズルから250mmの場所で約2m/sに減速する。
【0271】
また、噴霧を介してスリーブを濡らす操作も測定された。ディスペンサは、実験台上に配置され、二重の光ファイバー光源によって照らされた。光の位置、強度、および色温度が、吸収性スリーブ上の濡れ点(スポット)の視認性を最大化するために、目で、調整された。2系列の測定の両方が、約30度の仰角で上から見下ろすことによって、行われた。使用したデジタルカメラは、キヤノンのPowerShot SX150 IS(PC1677)だった。そのカメラは、高い安定性を提供するために、プロ級の三脚に取り付けた。
【0272】
測定は、温度が約21℃で±1.5℃、湿度は約73%であったエアコン付きの実験室で行われた。
【0273】
2つのシリーズの写真が撮られた。どちらの場合も、画像は、濡れていないスリーブから取り出した。追加の画像は、噴霧が活性化された後、濡れ点(スポット)を見分けるのが困難になるまで、後続の間隔で、直後に撮影された。画像の最初のシリーズでは、活性化後6分まで1分間隔で撮影された。濡れの初期の広がりのほとんどが最初の1分で行われ、写真の第2シリーズは、1分間で15秒の間隔で、その後2分、3分で撮影されたことが明らかになった。最後に、新しいスリーブが挿入され、噴霧が作動され、スリーブの外側の上の濡れ点の大きさは、作動後、2分測定され、そこで、依然として適度に明確にされている間、点(スポット)は最大サイズを達成した。2分後、スポットは、スリーブに吸収されたので、より不明確になった。
【0274】
画像は、作動後6分までの間隔で撮影され、その濡れ点(スポット)が、2分で、約15mmから約25mmの大きさにわずかに増加し、より不明確になり、液体が吸収されるように見えるようになることが分かった。
【0275】
第2の画像の連続は、作動後2分までの間隔で撮影され、濡れが、作動で瞬間的に見えるため、作動から2分までの変化が少ないことがわかった。
【0276】
さらに、スリーブは、視覚的に、写真の結果を確認するために検査された。吸収性スリーブの外側の濡れた点(スポット)の目視検査の結果は、実質的に内側で撮影されたものと一致した。目視検査は、濡れ点(スポット)の大きさを容易に測定することを可能にした。濡れ点(スポット)は、幅が約25mm、高さが約35mmの略楕円であった。楕円形状は、アクチュエータノズルからの噴霧が円錐形であることを確かめる。
【0277】
表16を参照すると、システムは、かさ密度、気孔率、および様々なスリーブ材料の表面積を示していることが考えられている。試験されたスリーブ材料は、ナイロン、コーヒーフィルター紙、ポリエステル、およびガラス繊維が含まれている。
【0278】
BET表面積分析が、それぞれのスリーブのサンプルに対して行われた。BET表面分析は、脱気された固体表面の上に気体の分子の物理吸着を使用している。単分子層吸着(すなわち、クリプトンが使用されている)とその結果は、相対圧力に対する吸着ガスの体積の逆相関プロットであることが推測される。関係のプロットから、Cの値は、クリプトンが基部に付着する強さの程度を示している。材料のm/gでのBET表面積も計算された。
【0279】
水銀ポロシメトリ(MIP)分析が、試料のそれぞれについて行われた。MIPは、粒度分布、気孔率、細孔面積、および材料の気孔率に関連する測定値を提供する。測定は、0.003μmから600μmの範囲(試料の性質に依存して)で細孔径分布を測定することができるMicromeritics AutoPoreIV気孔率計を使って行われた。
【0280】
サンプルのヘリウムの密度は、材料の絶対密度を測定するために使用されるヘリウム比重瓶法を介して測定された。ヘリウム密度はMicromeritics Accupyc1330機器を用いて測定された。
【0281】
表16は、表面積、体積基準メジアン径、ナイロン、コーヒーフィルター紙、ポリエステル、及びガラス繊維の総気孔率、気孔率、及びヘリウム密度を示す。
【表16】
【0282】
表16の結果は、ナイロンのサンプルでは、600μm以上の細孔が存在することができることを示唆している。表16は、コーヒーフィルター紙のより大きな表面積に起因して、ナイロンサンプルと比較してコーヒーフィルター紙では、より小さな孔があることを示唆している。また、表16は、ポリエステルサンプルは、繊維ガラスとナイロンサンプルと比較して、ポリエステルサンプルに適用される製剤の吸収性と放出速度との相違を説明することができる非常に大きな孔を備えることを示唆する。
【0283】
表17乃至23を参照すると、多数のディスペンシングシステムは、様々なアクチュエータノズルから定量出された後に、流動性の媒体の粒子サイズ測定値を決定するために試験された。具体的には、エアゾール噴霧と4つの吹出口を有するアクチュエータノズルからプルームを発生させるスリーブの粒度分布は、300mmのレンズを使用し、リアルタイムで、0.1から900ミクロン(Dv50:0.5から600ミクロン)までの噴霧粒子と噴霧液滴サイズの測定を可能にするMalvern Instruments社により提供されるSpraytecレーザー回折システムを使用して、測定された。
【0284】
ディスペンサからの4つの吹出口を有するアクチュエータノズルは、装置のスリーブの存在なしに、詰め替え製剤計量投与エアゾール容器に装着し、Malvern Spraytecのレーザー回折装置の測定窓の下方中央に取り付けられ、結果として生じる噴霧は、測定領域を確実に通る。測定捕捉プログラムが実行され、Malvern Spraytec Nasal Spray Accessoryを用い、それによって、平行なレーザー光の入射ビームを通してエアゾールを噴霧して、エアゾール容器は、活性化された。測定は、記録され、粒度分布は計算された。
【0285】
エーロゾル液滴粒度分布のために測定された各実験サンプルは、装置のアクチュエータノズルから平行なレーザー光の入射ビームまで70mmの距離で、測定され、再度、上記の設定を用いて、装置のアクチュエータノズルから平行なレーザー光の入射ビームまで170mmの距離で測定された。
【0286】
70mmの距離は、エアゾール噴霧が完全に組み立てられたディスペンシング装置内にスリーブ表面と交差するアクチュエータノズル上の距離を表す。170mmの距離は、完全に組み立てられた装置内のスリーブの上端にアクチュエータノズル上の距離を表す。
【0287】
下記の変化するノズルの出口の大きさを有する4つの吹出口を有するアクチュエータノズルの3つのサンプルが、上記の方法を用いて粒度分布に対する効果について試験された。
【0288】
試験された3つのアクチュエータノズルは、試作装置で0.51mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルと、追加の0.51mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルと、1.2mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルを含んでいた。
【0289】
ディスペンサからの4つの吹出口を有するアクチュエータノズルは、装置のスリーブの存在なしに、詰め替え製剤計量投与エアゾール容器に装着し、Malvern Spraytecのレーザー回折装置の測定窓の下方に取り付けられ、それによって、アクチュエータノズルの4つの吹出口のうちの一つから出たエアゾール噴射は、作動中に測定領域を通過する。測定捕捉プログラムが実行され、Malvern Spraytec Nasal Spray Accessoryを用い、それによって、平行なレーザー光の入射ビームを通してエアゾールを噴霧して、エアゾール容器は、活性化された。測定は、記録され、粒度分布は計算された。
【0290】
エーロゾル液滴粒度分布のために測定された各実験サンプルは、装置のアクチュエータノズルから平行なレーザー光の入射ビームまで70mmの距離で、測定され、再度、上記の設定を用いて、装置のアクチュエータノズルから、アクチュエータノズルサンプル(0.51mm、1.2mm、及び追加の0.51mmサンプル)のための入射ビームまで120mm、150mmまたは170mmの距離で測定された。
【0291】
下記の吹出口の大きさを変化させる4つの吹出口を有するアクチュエータノズルの3つのサンプルは、上記の方法を用いて、粒度分布に及ぼす影響について試験された。
【0292】
試験されたアクチュエータノズルは、試作装置で0.51mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルと、追加の0.51mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルと、1.2mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルを含んでいた。
【0293】
4つの吹出口を有するアクチュエータノズルは、詰め替え製剤計量投与エアゾール容器とスリーブに装着し、Malvern Spraytecのレーザー回折装置の測定窓の150mm下方中央に取り付けられ、スリーブの体積内に存在し結果として生じる噴霧は、測定領域を確実に通る。測定捕捉プログラムが実行され、ディスペンサが活性化され、それによって、結果として生じるプルームがスリーブ内の体積に存在し、入射ビームを通して通過するスリーブ体積内にエアゾールを噴霧する。測定は、記録され、粒度分布は計算された。
【0294】
下記のスリーブ材料の3つのサンプルが、上記の方法を用いて、スリーブの体積を出るプルーム上の粒度分布に及ぼす影響のために、ベースと0.51mmの吹出口の直径を有するアクチュエータノズルとを組み合わせて、試験された。試験されたスリーブ材料は、ナイロン、繊維ガラス、およびポリエステルが含まれていた。
【0295】
表17は、4つの吹出口を通って噴霧を放出し、約0.5mmの直径サイズを有する第1のアクチュエータノズルから放出された流動性の生成物の粒度分布を示す。
【表17】
【0296】
表18は、4つの吹出口を通って噴霧を放出し、1.2mmの直径サイズを有する第2のアクチュエータノズルから放出された流動性の生成物の粒度分布を示す。
【表18】
【0297】
表19は、4つの吹出口を通って噴霧を放出し、0.5mmの直径サイズを有する第3のアクチュエータノズルから放出された流動性の生成物の粒度分布を示す。
【表19】
【0298】
表20は、1つの吹出口を通って噴霧を放出し、約0.5mmの直径サイズを有する第1のアクチュエータノズルから放出された流動性の生成物の粒度分布を示す。
【表20】
【0299】
表21は、一つの吹出口を通って噴霧を放出し、1.2mmの直径サイズを有する第2のアクチュエータノズルから放出された流動性の生成物の粒度分布を示す。
【表21】
【0300】
表22は、1つの吹出口を通って噴霧を放出し、0.5mmの直径サイズを有する第3のアクチュエータノズルから放出された流動性の生成物の粒度分布を示す。
【表22】
【0301】
表23は、第3のアクチュエータノズルから放出され、その上部開口部を介してスリーブを出た後に測定された流動性生成物の粒度分布を示す。試験は、種々のスリーブについて繰り返された。
【表23】
【0302】
興味深いことに、シェードを利用すると、すべてのノズルのタイプと比較して、粒度分布の有意な減少をもたらした。すべてのノズルは、70mmと170mmで、粒度分布を決定するためにシェードなしに噴霧された。シェードなしの70mmでの測定(表18−22を参照)は、エアゾール化された噴霧が試験されたシェードの内表面に影響を及ぼすために進む必要がある距離に比例しているであろうことが理論化され、その結果が、表23に示されている。シェードなしで試験されたすべてのノズルが、それぞれ約29μmと25μmのDv(90)の分布を有したナイロンとガラス繊維のシェードの出口で測定された粒度分布よりも著しく高い粒度分布、例えば、4回の噴霧で、約41μmから約250μmと1回の噴霧で約67μmから121μmとの間の分布、を有していることがわかった。ポリエステルシェードは、約43μmのDv(90)の分布という結果になった。
【0303】
さらに、シェードなしの170mmでの測定(表18-22を参照)は、エアゾール化された噴霧が試験されたシェードから出るために進む必要がある距離に比例しているであろうことが理論化され、その結果が、表23に示されている。シェードなしで試験されたすべてのノズルが、それぞれ約29μmと25μmのDv(90)の分布を有したナイロンとガラス繊維のシェードの出口で測定された粒度分布よりも、著しく高い粒度分布、例えば、4回の噴霧で、約38μmから約39μm(粒子がその高さに進まなかったので、第2のノズルは、検出可能な噴霧を生成しなかった。)と1回の噴霧で約69μmと約92μmとの間のDv(90)の分布、を有していることがわかった。前述のように、ポリエステルのシェードは、約43ミクロンのDvの(90)の分布という結果になった。
【0304】
さらに、試験は、10μm未満であった粒子の割合についての洞察を提供した。任意のノズルから1回の噴霧か4回の噴霧かが行われたかどうかにかかわらず、10μm未満の大きさを有する粒子の割合範囲は、70mmで測定して、約1%から約20%の間であり、170mmで測定して、約20%から約24%の間であった(粒子がその高さにまで進まなかったので、第2のノズルは、検出可能な噴霧を生成しなかった。)。対照的に、試験されたシェードのすべては、10μm未満の大きさを有する総粒子の割合は、少なくとも28%から43%までという結果となった。
【0305】
したがって、シェード、基部またはチャネルを含むことは、上端、出口または開口を出る粒度分布に大きな影響を与えることが考えられる。実際に、その中に吐出される流動性の媒体と導管を有する基部は、チャネルの出口のDv(90)の粒度分布で30μm以下の粒度分布、及び/または、チャネルの出口のDv(50)の粒度分布で15μm以下の粒度分布、及び/または、チャネルの出口のDv(10)の粒度分布で6μm以下の粒度分布を含むことが考えられる。さらに、その中に吐出される流動性の媒体と導管を有する基部は、粒子の少なくとも15%が10μm未満の大きさの粒度分布、粒子の少なくとも25%が10μm未満の大きさの粒度分布、粒子の少なくとも30%が10μm未満の大きさの粒度分布、粒子の少なくとも35%が10μm未満の大きさの粒度分布、粒子の少なくとも40%が10μm未満の粒度分布、及び/または、粒子の少なくとも45%が10μm未満の粒度分布を含むことが考えられる。
【0306】
また、他の趣里のハウジング、例えば、伸縮自在のハウジングまたは電子素子を利用したハウジング、は、同様に上記の特性を含むことが考えられる。例えば、米国特許出願番号11/725,402及び11/893,532で開示されている電気機械式ディスペンシングシステムは、ディスペンサが、上記のように、完全にまたは部分的に任意の人工的な特徴を含んでいないという印象を与えるために、自然な外観を含むように改造されている。例えば、ディスペンサは、完全にまたは部分的に自然なパターンを付与することができ、天然に存在するオブジェクトの形状を模倣し、または天然に存在する物体から形成される。しかし、他の基部は、小石、石、化石化した物などの異なる材料から作られてもよいことが考えられる。
【0307】
場合によっては、材料が、木材、石、紙、または岩またはこれらの組み合わせなどの自然に存在する物質から選択、または、近づくように設計された製造物を含む。そのような材料は、それらが自然な外観および/または触れたときに自然な触感を有するということに基づいて選択されてもよい。天然素材、または天然素材の類似体を組み込むことにより、ディスペンサ100は、サンルーム、またはポーチ、バルコニー、またはパティオのような屋外の場所に配置するのに、より適切に見えるようにすることができ、または家の中で、既存の天然のオブジェクトの外観または触感を補完することができる。
【0308】
いくつかの実施形態では、蓋(図示せず)は、少なくとも部分的に、ディスペンサ100を覆うように含まれていてもよい。一実施形態では、蓋は、蓋を通る開口を含む格子状の構成で付与される。他の実施形態では、蓋は、格子状の形状の多孔性に近づくメッシュ、スクリーン、または織物構成を有してもよい。一実施形態では、スリーブ106及び蓋は、利用者が、その崩壊を引き起こすことなく、スリーブ106でディスペンサ100をしっかりと握ることを可能にするために、硬質材料で形成されている。
【0309】
さらに、スリーブ106の内表面は、様々なテクスチャー及び/または、粗い表面、滑らかな表面、表面パターンを有し、滑らかな表面、溝が付いた表面、および偏向角に影響を与えることができるか、順番に、スリーブの内表面に付着する量とそこから反らされる組成物の量に影響を与えることができるそれらの組み合わせを有していてもよい。さらに、流れの速度を増加または減少すること、及び/または、いくつかの種類の計量装置を提供することは、それぞれ、第1、第2、および第3の量に、分配される組成物の量を変化させるのを助けることができる。
【0310】
他の実施形態では、他の表面マーキング、切れ目、および/または表面の凹凸が、ディスペンサのディスペンシング(定量吐出)特性に影響を与えるために、一体型または別個の構成要素としてのいずれかで、スリーブ上に設けてもよいことが考えられる。例えば、バッフル、リブ、または他の構成要素が、ディスペンシングを助ける、及び/または、プルーム、またはスリーブの内表面上に、組成物の一定量を向けるために、スリーブの内表面に加えることができることが想定される。さらに、他の要素は、プルームの形成を助けるディスペンサに設けてもよい。
【0311】
さらなる実施形態では、ディスペンサは、ディスペンサの動作を補助する、より複雑な構成要素を組み込むことができる。例えば、追加のおよび/または代替の機構は、容器からエアゾール組成物を放出するために使用されてもよい。この実施形態では、タイマー(図示せず)及び/または、モーションセンサーまたは他の種類のセンサーのようなセンサー(図示せず)によって決定される経過時間の期間に応答してディスペンサを作動させる機械的および/または電気機械的なシステムが使用されてもよい。
【0312】
一実装形態では、センサーは、光検出器のような、光検出素子であってもよく、また、マイク等の音声検出素子であってもよい。この実施形態では、ディスペンサは、例えば、利用者が、ディスペンサが置かれた部屋に入室することにより、活性化されてもよい。この場合、センサーは、利用者の入室を検出し、その後、容器から組成物の計量された用量を放出するためにディスペンサの活性化を誘発する。一実施形態では、ディスペンサは、組成物の計量された用量を放出する電池(図示せず)で駆動するソレノイド(図示せず)を組み込んでもよい。
【0313】
さらなる実施形態では、ディスペンサ内で1つ以上の照明の使用が考えられる。例えば、照明は、ディスペンサの一部に設けてもよい。一実施形態では、照明は、放出される流動性の媒体の有効性に対応してもよい。例えば、流動性の媒体がスリーブ上に存在し、及び/または受動的に拡散されている間に、照明が照射されてもよい。照明は次第に消えていくか、さもなければ、流動性の媒体が受動的に拡散されるように消散する。受動的な拡散が、完了または実質的に完了したときに、照明は、消されてもよい。さらに、照明がスリーブ上の濡れ面積を照らす、及び/または、スリーブの個々の繊維を照らすのを助けるために提供されてもよいことが考えられる。ディスペンサは、独立の照明として動作してもよい。
【0314】
別の実施形態では、ディスペンサは、ディスペンサが滞空しているか、そうでなければ浮遊させることができるように反転して利用されてもよい。この実施形態では、コードまたは他の機構は、ディスペンサを作動させるために提供される必要があり得る。
【0315】
他の実施形態では、ディスペンサは、利用者が手動でディスペンサを噴霧できるような方法で動作させてもよい。例えば、組成物および適切な噴霧器を有する容器は、別々に利用者に提供されてもよい。利用者は、受動拡散機能を提供するために、スリーブの内部および/または外部表面の1つまたは複数の部分を噴霧してもよい。この場合、利用者は、組成物の一部が能動的に放出され、組成物の一部が、受動的な拡散のためのスリーブに向けられるように、スリーブの頂部に噴霧してもよい。このように、スリーブは、利用者の介入を介して、組成物を定量に分けられてもよい。別の実施形態では、スリーブは、ディスペンサの基部内に配置された容器を介してだけでなく、スリーブの外面上の手動噴霧を介して定量に分けられる能力を有していてもよい。
【0316】
別の実施形態では、作動サイクル中に定量出された流動性の生成物の量は、多くの要因に依存してもよい。例えば、流動性の媒体の第1の量は、特定の速度で放出することができ、流動性の媒体の第2の量は、異なる速度で吐出することができる。吐出される流動性の媒体の量と速度はディスペンサが作動される頻度に関連してもよい(例えば、逐次作動中、最後の作動等に関して一定の時間枠内で、など)。
【0317】
容器104は、エアゾール容器、ポンプ式噴霧器等であってもよい。本明細書中で使用することができるリザーバー、活性化機構、組成物、基部などのさらなる例は、米国特許第7837065、8061562、及び米国特許出願11/801554、11/893456、11/893489、11/893476、11/805976、11/898456、および11/893532に開示されているものが挙げられる。
【0318】
用語「流動性の媒体」、「組成物」、「製剤」などのいずれかは、互換的に使用され、限定することを意図するものではない。むしろ、用語は、定量出される(ディスペンスされる)またはさもなければ、放出されることが可能な任意の形態(例えば、液体、気体、固体、等)の任意の物質を含むことが意図される。
【0319】
本明細書で使用される「通って」という用語は、一般的に、ベース102からチャネル242または導管に、沿ってまたは入って、または、上部開口部238またはその出口まで、流動性の媒体がとる経路を意味する。対照的に、スリーブ106の壁を「通って」導かれる流動性の媒体を議論する際には、流動性の媒体が、スリーブ106の繊維に吸収され、そこから受動的に放出されるのではなく、スリーブ106の繊維強度をくぐり抜けることによって、スリーブ106の繊維から直接ずっと吐出されることを意味する。
【0320】
本明細書で考えらえる追加的な特徴は、使い切り指標または利用の合図が含まれている。例えば、揮発性の活性剤が、スリーブ106の内表面232上に、定量出される(ディスペンスされる)一実施形態では、揮発性の活性剤が完全にそこから蒸発するときを表示するために、出現するかまたは消えるインクが、スリーブ106内に設けられている。インクの出現および消滅の組み合わせは、応用製品とディスペンサ100から揮発性の活性剤を徐々に発散することに、より複雑な特徴を作り出すことが考えられる。例えば、活性化するために剥離される液体/ゲル容器、毛管作用若しくは、吸収層と一緒にそれらを剥離するまたは押す際に活性化する吸収作用を用いるインク、日付を設定するダイヤル、活性化されたときを書くための場所など含んで、他の使い切りの合図が、用いられる。
【0321】
別の実施形態において、ディスペンサ100は、ヒータおよび/またはファンまたは当技術分野で知られている他の手段のように、放射率を増大させるための機構を組み込んでもよい。
【0322】
発明の詳細な説明で引用した全ての文献は、関連部分において、参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0323】
本発明の多数の変形は、前述の説明の観点から当業者には明らかであろう。したがって、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を作成し使用し、同じ実施する最良の形態を教示するために、当業者に可能にする目的のために提示されている。添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての変更の排他的権利が確保されている。
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