特許第6367198号(P6367198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367198
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】骨インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   A61B17/80
【請求項の数】13
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2015-528681(P2015-528681)
(86)(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公表番号】特表2015-526205(P2015-526205A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2013056367
(87)【国際公開番号】WO2014031947
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】61/692,673
(32)【優先日】2012年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/786,937
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,518
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/710,830
(32)【優先日】2012年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アペンツェラー・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フルリ・ダニエル
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0009912(US,A1)
【文献】 特表2007−514507(JP,A)
【文献】 特表2002−541968(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0004690(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0036430(US,A1)
【文献】 特表2006−506197(JP,A)
【文献】 特表2011−529748(JP,A)
【文献】 特表2008−535561(JP,A)
【文献】 特開昭57−081333(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0039561(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸に沿って細長であり、長手方向に沿って向いている骨インプラントであって、該骨インプラントは、
第1及び第2サイドワイヤセグメントを含むインプラント本体を備え、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記インプラント本体を通って伸びる少なくとも1つの開口部を画定するように横方向に互いに離間し、前記横方向は前記長手方向にほぼ直交しており、
前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記少なくとも1つの開口部の少なくとも一端において互いに付着され、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントの少なくとも1つがそれ自体で前記インプラント本体を通って延在する少なくとも1つの追加の開口部を定めるように曲げられている、骨インプラント。
【請求項2】
前記少なくとも1つの開口部の前記一端が、第1端であり、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記第1端の反対側にある、前記少なくとも1つの開口部の第2端において互いに更に付着される、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項3】
前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記第1端において第1ネックを画定し、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記第2端において第2ネックを画定し、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記第1及び第2ネックのそれぞれにおいて互いに付着される、請求項2に記載の骨インプラント。
【請求項4】
前記第1及び第2サイドワイヤセグメントのそれぞれが、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントのうちの他方の内側表面に面する内側表面を画定し、該内側表面が、前記少なくとも1つの開口部においてネジ山を有する、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項5】
前記インプラント本体が、近位端、及び前記長手方向に沿って前記近位端から離間している遠位端を画定し、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントの少なくとも一方が、前記遠位端において曲がって、前記少なくとも1つの追加の開口部を画定し、その開口部が、骨固定要素を受容して前記骨インプラントを骨に取り付けるように構成される、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項6】
ハブ、及び該ハブから放射状に伸びる複数の前記インプラント本体を画定するワイヤを備える、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項7】
前記インプラント本体が、骨対向面、及び該骨対向面から離間している外側面を画定し、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントのそれぞれが、骨に取り付けるように構成された取付位置を少なくとも部分的に画定する、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項8】
第1方向に沿って細長の第1領域と、前記第1方向とは角度がずれている第2方向に沿って細長の第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に配設された遷移領域と、を更に含み、前記少なくとも1つの開口部が、前記第1領域、及び前記第2領域が有する前記取付位置を通って伸び、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記遷移領域において、調節ゾーンを画定し、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、前記長手方向に沿って、長さが選択的に増減される、請求項7に記載の骨インプラント。
【請求項9】
前記少なくとも1つの開口部が第1の開口部であり、前記少なくとも1つの追加の開口部が第2の開口部であり、前記第1及び第2サイドワイヤセグメントは、それぞれ第1および第2の側壁を定め、前記第1および第2の側壁は、前記骨インプラントを骨に取り付けるための骨固定要素をそれぞれ受け入れるように構成された前記第1の開口および第3の開口を定めるように互いに間隔が空けてあり、前記第1および第2の側壁は前記第1の開口の第1の端部から前記第3の開口の第2の端部まで連続して延在し、前記第1および第3の開口部は前記第1および第2の端部の間に配置されている、請求項7に記載の骨インプラント。
【請求項10】
前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、互いに一体かつモノリシックであり、1本のワイヤを形成している、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項11】
前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、互いに別々であり、2本の別々のワイヤを画定する、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項12】
複数の前記インプラント本体を更に備え、各インプラント本体の前記第1及び第2サイドワイヤセグメントが、オス側及びメス側の起伏を定め、前記インプラント本体のうちの1つの前記オス側の起伏のうちの少なくとも1つが、前記インプラント本体のうちの別の1つの前記メス側の起伏のうちの少なくとも1つに受容され、前記オス側の起伏の前記少なくとも1つと前記メス側の起伏の少なくとも1つとの間の接合面において、前記インプラント本体の前記1つが前記インプラント本体の前記別の1つに付着される、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項13】
前記第1サイドワイヤセグメントの第1部分が、前記長手方向及び前記横方向を含む面に実質的に沿ったネックにおいて、前記第2サイドワイヤセグメントの第1部分に向かって伸び、前記第2サイドワイヤセグメントの前記第1部分が、前記長手方向及び前記横方向を含む前記面に実質的に沿った前記ネックにおいて、前記第1サイドワイヤセグメントの前記第1部分に向かって伸びる、請求項1に記載の骨インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2012年8月23日に出願された米国仮出願第61/692,673号、2012年10月8日に出願された米国仮出願第61/710,830号、2013年3月15日に出願された米国仮出願第61/786,937号及び2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/832,518号の利益を請求し、次に、2012年8月23日に出願された米国仮出願第61/692,673号及び2012年10月8日に出願された米国仮出願第61/710,830号の利益を請求する。それらの各開示は、参照により、説明されたのと同様に、その全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、骨インプラント、骨インプラントアッセンブリ、骨固定要素、骨インプラントを製造する方法及び骨の治癒を助ける方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1950年代、骨の治癒における骨インプラントの使用を調査するために、AO(骨接合問題研究会)財団が設立された。AO財団は、骨の治癒を助けるのに適した骨インプラントの開発について4つの原理を確立した。AOの原理は、以下の通りである。
○特に関節の骨折における骨折片の解剖学的減少、
○周囲の組織が動き得、かつ該組織を強化し得る適切な固定によって、骨折の適切な治癒を確実にすること
○骨片及び軟部組織への血液供給を維持する非侵襲的外科技術、及び、
○痛みのない運動を患者に早期に取り戻させ、可能な限り早く機能させること。
【0004】
これらの十分確立された原理に従って、多くの例及び種類の骨インプラント、例えば、骨プレート、髄内釘等が開発されており、骨の治癒に使用されている。これらの骨インプラントは、多くの場合、金属又は金属材料製であり、一般的に、平面又は円筒の形状を有する1つの部品として製造される。骨インプラントは、多くの場合、数多くの製造プロセス、例えば、粉砕、切断、孔開け、孔形成、ネジ山形成等を使用して製造される。各プロセスは、種々の器具使用を含む場合があり、ある程度の時間が掛かる場合があり、ある程度の廃棄物をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、AOの原理に適合する骨インプラントの製造プロセスを簡易化し、製造中に生じる廃棄物を減少させる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様では、骨インプラントが提供される。骨インプラントは、ワイヤを有する。ワイヤは、骨固定手段を受容するための開口部を画定し得る。
【0007】
ワイヤは、第1及び第2部分が互いに接触する当接点において、第2部分に固定された第1部分を有し得る。ワイヤは、骨折位置をまたいで、骨を安定して固定するように選択され得る。
【0008】
当接点は、開口部に隣接する領域に位置し得る。開口部は、ワイヤにより画定されてもよいし、又は、ワイヤを打ち抜いてもよい。
【0009】
骨インプラントは、固定手段を受容するための複数の開口部を含み得る。複数の開口部の1つ1つに隣接して、少なくとも1つの当接点が、位置し得る。
【0010】
1つ又は複数の開口部は、ネジ付き型、ネジなし型、角度可変型、圧縮/圧迫(compression)型、固定圧迫(locking-compression)型及びコンビ孔(combi-hole)型から選択される開口部のうちの1つ又はそれらの組み合わせであり得る。
【0011】
本開示の第2の態様では、骨インプラントが提供される。骨インプラントは、ネジ付き開口部を画定する形状のワイヤを有する。
【0012】
本開示の第3の態様では、骨インプラントが提供される。骨インプラントは、開口部を画定する部分を有するワイヤを有する。開口部は、中心軸を有してもよく、開口部を画定するワイヤ部分は、中心軸に対して垂直な面にあってもよい。
【0013】
本開示の第4の態様では、骨インプラントは、インプラントの形状を画定するワイヤと、内部を通して固定手段を受容する開口部からなる。
【0014】
1つ又は複数の開口部は、ネジ山を有してもよい。
【0015】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントの開口部も、その中に固定手段を固定するように配置され得る。開口部は、その中に固定手段を固定するためにネジ山を有し得る。
【0016】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントも、長手方向軸及びこの長手方向軸に対して垂直なインプラント面を有し得る。骨インプラントの開口部は、インプラント面に対して角度可変に固定手段を固定するように適合された角度可変開口部を有し得る。角度可変開口部は、それを通る中心軸を有し、この中心軸は、インプラント面に対して第1角度に方向付けられ得る。角度可変開口部を画定するワイヤは、インプラント面に対する中心軸の角度を、固定手段がインプラント面に対して固定され得る角度を変化させるための第2角度に方向付けるために、第1構成から第2構成に操作可能であり得る。ワイヤは、角度可変開口部に隣接する領域において曲げることにより操作可能であり得る。角度可変開口部は、中心軸と同軸的に固定手段の頭部を固定するように構成され得る。
【0017】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントのワイヤも、ネジ孔に隣接する第1領域にて固定され得、この第1領域では、ワイヤの第1部分がワイヤの第2部分に当接している。
【0018】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントのワイヤも、ネジ孔に隣接する第2領域にて固定され得、この第2領域では、ワイヤの第3部分がワイヤの第4部分に当接している。第2領域は、第1領域とは異なり得る。
【0019】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントのワイヤも、適切な剛性を有し得る。ワイヤの剛性は、骨インプラントが適切な固定を確実に達成するように選択され得る。
【0020】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントも、複数の開口部を有し得る。複数の開口部は、同じ種類のものであり得る。複数の開口部は、数多くの異なる種類の開口部を特徴付け得る。複数の開口部は、少なくとも第1及び少なくとも第2の種類の開口部を有し得る。開口部の種類は、ネジ付き型、ネジなし型、角度可変型、圧縮/圧迫型及びコンビ孔型のうちの1つであり得る。
【0021】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントも、所定の方法でワイヤを曲げることにより形成され得る。骨インプラントは、所定の方法で第1ワイヤを曲げることにより、そして、第2ワイヤを、第1ワイヤの少なくとも第1領域の周りで曲げて、第2ワイヤを第1ワイヤに第1領域において固定することにより、形成され得る。
【0022】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントのワイヤも、任意の適切な固定プロセスにより互いに固定され得る。適切なプロセスとしては、溶接、接着、ボンディング、はんだ付け、プレス、捩じり合わせ、圧着(crimping)及び締付け(clamping)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントにおける開口部又は複数の開口部も、ワイヤの第1部分及びワイヤの第2部分により画定され得る。第1及び第2部分は、同じワイヤ上に位置してもよい。第1及び第2部分は、分離した別個のワイヤ上に位置してもよい。少なくとも1つの開口部は、同じワイヤの第1及び第2部分により画定されてもよく、少なくとも1つの開口部は、異なるワイヤの第1及び第2部分により画定されてもよい。
【0024】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントにおける開口部又は複数の開口部も、開口部を強くするために、ワイヤが画定する開口部の一部に固定された更なるワイヤ部分を有し得る。
【0025】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントにおける開口部又は複数の開口部も、ワイヤに打ち抜かれた孔により画定され得る。
【0026】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントのワイヤも、円形の開口部を画定し得る。
【0027】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントのワイヤも、細長の開口部を画定し得る。
【0028】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントの開口部も、円形及び細長の一方又は組み合わせであり得る。
【0029】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントも、少なくとも1つの骨係合プロングを画定し得る。
【0030】
第1、第2、第3及び第4の態様のいずれの骨インプラントも、骨プレート又は髄内釘であり得る。
【0031】
本開示に基づいて、第5の態様では、頭部及びシャフトを有し、頭部がワイヤ画定開口部と係合するのに適合される固定要素が提供される。頭部は、挿入されるワイヤの直径に基づく形状の凸状の溝を有し得る。
【0032】
弾力性要素が、頭部とシャフトとの間の接合周囲に配置され得る。弾力性要素は、ワイヤに形成された開口部内への挿入の際に、固定要素に及ぼされる挿入圧により変形可能であり得る。弾力性要素は、サークリップであり得る。
【0033】
本開示に基づいて、第6の態様では、骨インプラントアッセンブリが提供される。骨インプラントアッセンブリは、
ワイヤ及び開口部を備える骨インプラント、及び、
内部に固定されるように内壁と係合可能な頭部を有する固定要素を有し得る。
【0034】
この骨インプラントは、第1、第2及び第3の態様のいずれか1つに基づく骨インプラントであり得る。
【0035】
固定手段は、コーティカルスクリュー(cortical screw)、固定ネジ、角度可変固定ネジ、骨ピン、リベット及びステープルのうちの1つであり得る。
【0036】
固定手段が、頭部を有し、該頭部からシャフトが伸びていてもよい。頭部は、骨インプラントのワイヤの一部と固定的に係合可能な溝を有し得る。
【0037】
本開示に基づいて、第7の態様では、骨インプラントを製造する方法が提供される。この方法は、
ワイヤを提供する工程と、
安定化機構を画定する工程と、を有し得る。
【0038】
安定化機構は、骨インプラントを安定化するのに適した任意の機構であり得る。例えば、安定化機構は、
ワイヤの第1部分がワイヤの第2部分に当接する点における溶接部、
開口部、及び、
同じ面にあるワイヤにより画定された開口部、のうちの1つ又はその組み合わせであり得る。
【0039】
この方法は、ワイヤを所定の形状に曲げる工程を含み得る。
この方法は、
第1の所定の形状に基づいて第1ワイヤ部分を曲げる工程、
第2の所定の形状に基づいて第2ワイヤ部分を曲げる工程、
第1ワイヤ部分を第2ワイヤ部分に隣接して配置する工程、
第1ワイヤ部分を第2ワイヤ部分に、それらが互いに当接する点において固定する工程を含み得る。
【0040】
この方法は、下記の更なる工程、
第2ワイヤを提供する工程、
第1ワイヤの少なくとも一部の周囲に第2ワイヤを形成する工程、及び、
第2ワイヤを第1ワイヤに溶接する工程を有し得る。
【0041】
この方法についての骨インプラントは、骨プレート及び髄内釘の一方であり得る。
本開示に基づいて、第8の態様では、骨の治癒を助ける方法が提供される。この方法は、
本開示の第1、第2及び第3の態様のいずれか1つに基づく骨インプラント又は本開示の第4の態様に基づく骨インプラントアッセンブリを選択する工程、及び、
骨インプラントを骨に固定する外科手術を行う工程を有し得る。
【0042】
この方法は、十分な骨の治癒が起こったとの判断後に、骨インプラントを除去する工程を含み得る。
【0043】
外科手術を行う工程は、
安定化されるべき折れた骨に基づいて、骨インプラントを適合させる工程、
適合されたプレートを折れた骨と整列させる工程、及び、
第1骨固定要素を骨インプラントにおける少なくとも第1開口部内に挿入することにより骨折を安定化させる工程を含み得る。
【0044】
適合工程は、
内部を通る中心軸を有する少なくとも1つの開口部を、骨インプラントの長手方向軸に対して垂直なインプラント面に対して、該中心軸の角度を変化させることによって適合させる工程を含み得る。
【0045】
骨折を安定化させる工程は、
第1開口部を通して第1骨固定要素を、骨折の一方側における第1骨片内に挿入する工程、
第2開口部を通して第2骨固定要素を、骨折の他方側における第2骨片内に挿入する工程、
骨折部の縮小を達成するために、骨片を圧縮する工程、
及び、骨の治癒中に、第2骨片に対して第1骨片の位置を維持するために、第3固定要素を挿入する工程を含み得る。
【0046】
本開示に基づいて、第9の態様では、骨インプラントは、長手方向軸に沿って細長である。骨インプラントは、インプラント本体を通って伸びる少なくとも1つの開口部を画定するために、互いに離間している第1及び第2サイドワイヤセグメントを含むインプラント本体を備え得る。第1及び第2ワイヤセグメントは、少なくとも1つの開口部の少なくとも一端において、互いに付着される。例えば、第1及び第2ワイヤセグメントは、少なくとも1つの開口部の少なくとも一端にネックを画定することができ、第1及び第2ワイヤセグメントには、ネックにおいて互いに、溶接、はんだ付け又は接着のうちの少なくとも1つが行われ得る。少なくとも1つの開口部は、実質的に円形であるか、又は、長手方向軸に沿って細長であり得る。
【0047】
インプラント本体は、近位端、及び長手方向軸に沿って近位端から離間している遠位端を画定し得る。第1及び第2ワイヤセグメントのうちの少なくとも一方は、遠位端における対応する開口部を画定するために、遠位端において、自身の周りで曲げられ得る。遠位端における対応する開口部は、骨インプラントを骨に取り付けるために、骨固定要素を受容するように構成される。代替的に又は更に、第1及び第2ワイヤセグメントのうちの少なくとも一方は、近位端における対応する開口部を画定するために、近位端において、自身の周りで曲げられ得る。近位端における対応する開口部は、骨インプラントを骨に取り付けるために、骨固定要素を受容するように構成される。
【0048】
第9の態様に基づく骨インプラントは、複数のインプラント本体を含み得る。この場合、各インプラント本体の第1及び第2ワイヤセグメントが、オス側及びメス側の起伏を画定し、インプラント本体のうちの1つのオス側の起伏のうちの少なくとも1つが、インプラント本体のうちの別の1つのメス側の起伏のうちの少なくとも1つに受容され、オス側の起伏のうちの該少なくとも1つとメス側の起伏のうちの該少なくとも1つとの間の接合面において、インプラント本体のうちの該別の1つに付着される。例えば、インプラント本体のうちの1つの長手方向軸は、インプラント本体のうちの別の1つの長手方向軸に対して、角度をずらされ得る。あるいは、インプラント本体のうちの1つの長手方向軸は、インプラント本体のうちの別の1つの長手方向軸と実質的に平行に方向付けられ得る。
【0049】
第9の態様の第1及び第2ワイヤセグメントは、第1及び第2ワイヤセグメントが、長手方向軸に沿った骨インプラントの長さを短くするように、圧縮開口部において折り曲げられる(crimp)ように構成されるように、インプラント本体から伸びる圧縮開口部を画定し得る。代替的に又は更に、少なくとも1つの開口部は、中心軸を規定し、第1及び第2ワイヤセグメントは、長手方向軸に対する中心軸の角度を調節するために、曲げられるように構成され得る。第1及び第2ワイヤセグメントは、互いに鏡像であり得る。
【0050】
第9の態様の少なくとも1つの開口部は、第1開口部であることができ、第1及び第2サイドワイヤセグメントは、骨インプラントを骨に取り付けるために、各骨固定要素を受容するようにそれぞれ構成された第1開口部及び第2開口部を画定するように、互いに離間している各第1及び第2側壁を画定し得る。第1及び第2側壁はそれぞれ、第1開口部の第1端から第2開口部の第2端まで連続的に伸びることができ、これにより、第1及び第2開口部は、第1端と第2端との間に配設される。
【0051】
本開示に基づいて、第10の態様では、骨インプラントは、長手方向軸に沿って細長である。骨インプラントは、骨インプラントを骨に取り付けるために、各骨固定要素を受容するようにそれぞれ構成された第1及び第2開口部を画定するために、互いに離間している各第1及び第2側壁を画定する第1及び第2サイドワイヤセグメントを含むインプラント本体を備え得る。第1及び第2側壁はそれぞれ、第1開口部の第1端から第2開口部の第2端まで連続的に伸び、第1及び第2開口部は、第1端と第2端との間に配設される。第1及び第2ワイヤセグメントは、第1端において第1ネックを画定し、第2端において第2ネックを画定し得る。第1及び第2側壁は、第1ネック及び第2ネックの一方又は両方において互いに当接し得る。第1及び第2側壁は、第1ネック又は第2ネックの一方又は両方において互いに付着され得る。第1及び第2側壁は、第1ネック及び第2ネックの一方又は両方において、溶接、はんだ付け及び接着のうちの少なくとも1つ又は複数が行われ得る。第1及び第2側壁はそれぞれ、第1及び第2開口部の少なくとも1つを画定するために、第1及び第2側壁のうちの他方の内側表面に面する内側表面を画定することができ、内側表面は、第1及び第2開口部の少なくとも1つにおいてネジ山を有することができる。第1及び第2開口部が、第1開口部と第2開口部との間の位置において画定されたネックにより互いに離間され、ネックにおいては、第1及び第2ワイヤセグメントの少なくとも一方が、第1及び第2ワイヤセグメントの他方に向かって伸びていることができる。インプラント本体は、骨対向面、及び骨対向面から離間している外側面を画定することができ、第1及び第2ワイヤセグメントはそれぞれ、第1及び第2ワイヤセグメントにより第1及び第2開口部において画定された面に対して、外側面から骨対向面への方向に沿って伸びるプロングを画定する。
【0052】
本開示に基づいて、第11の態様では、骨インプラントシステムは、長手方向軸に沿って細長の骨インプラントを含み得る。骨インプラントは、第1及び第2サイドワイヤセグメントを含むインプラント本体を備え、第1及び第2サイドワイヤセグメントが、互いに離間して、インプラント本体を通って伸びる少なくとも1つの開口部を画定し、第1及び第2側壁が、少なくとも1つの開口部の一端において互いに付着される。骨インプラントシステムは、更に、骨インプラントを骨に取り付けるために、開口部を通って、骨内に伸びるように構成された骨固定要素を含み得る。
【0053】
本開示に基づいて、第12の態様では、骨インプラントシステムは、長手方向軸に沿って細長の骨インプラントを含み得る。骨インプラントは、骨インプラントを骨に取り付けるために、骨固定要素を受容するようにそれぞれ構成された第1及び第2開口部を画定するために、互いに離間している各第1及び第2側壁を画定する第1及び第2サイドワイヤセグメントを含むインプラント本体を備え得る。第1及び第2側壁は、第1開口部の第1端から第2開口部の第2端まで連続的に伸びることができ、第1及び第2開口部は、第1端と第2端との間に配設される。骨インプラントシステムは、更に、骨インプラントを骨に取り付けるために、第1及び第2開口部の少なくとも一方を通って、骨内に伸びるように構成された骨固定要素を含み得る。骨固定要素は、第1骨固定要素であることができ、また、骨インプラントシステムは、第2固定要素を含み、第1及び第2固定要素が、骨インプラントを骨に取り付けるために、第1及び第2開口部のそれぞれを通って伸びるように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
次に、本開示の1つ又は複数の実施形態が、添付の図面を参照して、以下に記載される。
図1A】折れた骨に埋め込まれた状態を示す、一実施形態に基づいて構成された骨インプラントの斜視図である。
図1B図1Aに図示された骨インプラントの斜視図である。
図1C図1Aに図示された骨インプラントの側面図である。
図2A図1Aに図示したのと同様であるが、別の実施形態に基づいて構成された、骨インプラントの斜視図である。
図2B図2Aに図示された骨インプラントの別の斜視図である。
図2C図2Aに図示された骨インプラントの別の斜視図である。
図2D図2Aに図示された骨インプラントの側面図である。
図2E】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図2F】骨に取り付けられ、骨折部の縮小を促進するように構成された状態を示す、一実施形態に基づいて構成された骨インプラントシステムの平面図である。
図2G】骨折部の縮小後を示す、図2Fに図示された骨インプラントシステムの平面図である。
図3A】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの斜視図を示す。
図3B図3Aに図示された骨インプラントの側面図である。
図4】折れた骨に埋め込まれた状態を示す、更なる実施形態に基づいて構成された一対の骨インプラントの平面図である。
図5A】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの斜視図である。
図5B図5Aに図示された骨インプラントの平面図である。
図5C図5Aに図示された骨インプラントの側面図である。
図6】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図7A】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの側断面図である。
図7B】180°回転した、図7Aに図示された骨インプラントの平面図である。
図8】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図9】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図10】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図11】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図12A】折れた骨に埋め込まれた状態を示す、別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図12B】折れた骨に埋め込まれた状態を示す、図12Aの骨インプラントの側面図である。
図13A】別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの平面図である。
図13B図13Aに図示された骨インプラントの側面図である。
図13C図13Bの骨インプラントに類似するが、別の実施形態に基づいて構成された骨インプラントの側面図である。
図14A】別の実施形態に基づいて構成された骨固定要素の側断面図であり、骨固定要素は、骨インプラントを骨に取り付けるように、本開示の骨インプラント内に挿入されている。
図14B】別の実施形態に基づいて構成された骨固定要素の側断面図であり、骨固定要素は、骨インプラントを骨に取り付けるように、本開示の骨インプラント内に挿入されている。
図14C】別の実施形態に基づいて構成された骨固定要素の側断面図であり、骨固定要素は、骨インプラントを骨に取り付けるように、本開示の骨インプラント内に挿入されている。
図14D】別の実施形態に基づいて構成された骨固定要素の側断面図であり、骨固定要素は、骨インプラントを骨に取り付けるように、本開示の骨インプラント内に挿入されている。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示は、本開示の骨インプラントの種々の実施形態を記載する。骨インプラントは、種々の骨安定化機構を画定するのに、ワイヤを使用する。骨インプラントは、少なくとも部分的又は全体的に、ワイヤから作製され得る。骨安定化機構は、骨の治癒中に骨折の安定した固定を維持するのに有用である。骨インプラントは、所望の形状に曲がるワイヤを使用するために、骨プレート材料が従来の骨プレート製造中に除去される、処理工程、例えば、粉砕、切断、孔開け等が避けられ得る。したがって、本開示の骨インプラントは、従来の骨プレートに対して、廃棄物の量を減少させて作製できる。
【0056】
図1A〜1Cを参照すると、骨インプラント1は、骨Bを安定化するように構成されている。骨Bは、1つ又は複数の骨折位置FLにおいて複数の骨片(例えば、第1骨片FB、及び骨の中心軸に沿って第1骨片FBから離間している第2骨片SB等)へと折れてしまっている。骨折位置FLは、第1骨片FBと第2骨片SBとの間に位置している。骨インプラント1は、本願明細書に記載された任意の実施形態に基づいて構成された、1つ又は複数の骨プレートとして構成され得る。図1A〜Cに図示されたように、骨インプラント1は、骨プレート2として構成されることができ、インプラント本体15を含むことができる。インプラント本体15は、中心又は長手方向軸AAに沿って実質的に細長であり、近位端16、中心軸AAに沿って近位端16から離間している遠位端17、並びに、第2方向に沿って互いに離間している側面18a及び18bを画定し、該第2方向は、中心軸AAに対して角度がずれている(例えば、垂直である)。本願明細書で使用する時、近位方向は、遠位端17から近位端16に伸びる方向を意味することができ、遠位方向は、近位端16から遠位端17に伸びる方向を意味することができる。本願明細書において、中心軸とも呼ばれる、中心又は長手方向軸AAは、直線状、曲線状、又は必要に応じてその他の形状であり得る。
【0057】
一実施形態に基づいて、中心軸AAは、長手方向Lに沿って伸びることができ、側面18a及び18bは、長手方向Lに対して実質的に垂直な側方Aに沿って互いに離間していてよい。このため、本願明細書において、特に指示がない限り、長手方向Lへの言及は、中心軸AAを等しく意味し、逆もまた意味する。更に、本願明細書において、特に指示がない限り、側方Aへの言及は、第2方向を等しく意味し、逆もまた意味する。インプラント本体15は、更に、骨に対向する内側表面19a、及びインプラント15が骨B上に取り付けられた際に、骨から離れる方を向く反対側の外側面19bを画定し得る。骨対向面19a及び反対側の外側面19bは、長手方向L及び側方Aの両方に対して実質的に垂直な横断方向Tに沿って互いに離間していることができる。例えば、内側横断方向Tは、外側面19bから骨対向面19aに向かう方向を意味することができ、外側横断方向Tは、骨対向面19aから外側面19bに向かう方向を意味することができる。骨対向面19aは、例えば、圧迫ネジにより骨Bに取り付けられた場合、骨Bに当接し、骨Bを圧迫し得ること、又は、例えば、固定ネジにより骨に取り付けられた場合、限られた圧迫によって骨Bから離間しているか若しくは骨に当接し得ることが、以下の記載から理解されるであろう。
【0058】
インプラント本体15は、図示された実施形態に基づいて、少なくとも1つのワイヤセグメント、例えば、第1ワイヤセグメント101a及び第2ワイヤセグメント101bを画定し、骨プレートを画定する形状を有する、少なくとも1本のワイヤ101を含み得る。第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、それらが、ワイヤ101の一部を形成するように、互いに一体であり、モノリシックであり得ることが理解されるべきである。あるいは、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、互いに別々であることができ、2つのそれぞれ異なるワイヤにより画定されることができる。特に指示がない限り、本願明細書において、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bのいずれか又は両方への言及は、特に指示がない限り、ワイヤ101及び2つの別々のワイヤの両方を意味する。骨インプラント1及び本願明細書に記載されたインプラントは、部分的に又は全部が完全にワイヤから作製され得る。このワイヤは、必要に応じて、任意のサイズ及び形状を画定することができ、例えば、必要に応じて、任意のサイズ、例えば、おおよそ10mmまで(例えば、約6mm〜約10mm)の、側方に沿った直径又は他の断面寸法を有する、骨固定孔を画定することができる。
【0059】
ワイヤセグメント101a〜bは、骨インプラント1の形状を形成するために、必要に応じて曲げられ得る。骨インプラント1は、インプラント本体15に沿って、少なくとも1つ又は複数の、例えば、複数のネック40及び42を画定し得、該ネックにおいては、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの少なくとも一方又は両方が、中心軸AAに向かって(それ故、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bのうちの他方に向かって)伸びている。一実施形態に基づいて、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、ネック40及び42において互いに当接し得る。したがって、ネック40及び42は、当接位置と呼ばれ得る。例えば、第1ワイヤセグメント101aは、第1側面壁38を画定することができ、第1側面壁38は、第1及び第2ワイヤ部分46及び50をそれぞれ画定することができる。第2ワイヤセグメント101bは、第2側面壁36を画定することができ、第2側面壁36は、対応する第1及び第2ワイヤ部分44及び48をそれぞれ画定することができる。
【0060】
第1ワイヤセグメント101aの第1ワイヤ部分46は、第1ネック40を少なくとも部分的に画定するように、第2ワイヤセグメント101bの第1ワイヤ部分44に向かって伸びるように構成される。このため、第1ワイヤ部分46は、第1ネックワイヤ部分と呼ばれ得る。例えば、第1ワイヤ部分46は、長手方向L及び側方Aを含む面に実質的に沿ったネック40において、第1ワイヤ部分44に向かって伸び得る。同様に、第2ワイヤセグメント101bの第1ワイヤ部分44は、第1ネック40を少なくとも部分的に画定するように、第1ワイヤセグメント101aの第1ネック部分46に向かって伸びるように構成される。例えば、第1ワイヤ部分44は、長手方向L及び側方Aを含む面に実質的に沿ったネック40において、第1ワイヤ部分46に向かって伸び得る。このため、第1ワイヤ部分44は、第1ネックワイヤ部分と呼ばれ得る。第1ワイヤ部分44及び46は、第1ネック40において、例えば、側方Aに沿って互いに離間していることができ、又は、第1ワイヤ部分44及び46は、第1ネック40において、例えば、中心軸AAと一致する位置において、互いに当接し得る。第1ワイヤ部分44及び46は、中心軸AAに対する任意の位置において互いに当接することができ、例えば、側方Aに沿って中心軸AAからずれていてもよいことが、当然理解されるべきである。更に、第1ワイヤ部分44及び46が互いに離間している実施形態では、第1ワイヤ部分44及び46は、選択方向、例えば、側方Aに沿って、第1ワイヤ部分44及び46に隣接している、各ワイヤセグメント101a及び101bの1つ又は複数の隣接部分が該選択方向に沿って互いに離間している距離未満の距離を、互いに離間していることができる。
【0061】
第1ワイヤセグメント101aの第2ワイヤ部分50は、第2ネック42を少なくとも部分的に画定するように、第2ワイヤセグメント101bの第1ワイヤ部分44に向かって伸びるように構成される。このため、第2ワイヤ部分50は、第2ネックワイヤ部分と呼ばれ得る。例えば、第2ワイヤ部分50は、長手方向L及び側方Aを含む面に実質的に沿ったネック42において、第2ワイヤ部分48に向かって伸び得る。同様に、第2ワイヤセグメント101bの第2ワイヤ部分48は、第2ネック42を少なくとも部分的に画定するように、第1ワイヤセグメント101aの第2ワイヤ部分50に向かって伸びるように構成される。このため、第2ワイヤ部分48は、第2ネックワイヤ部分と呼ばれ得る。例えば、第2ワイヤ部分48は、長手方向L及び側方Aを含む面に実質的に沿ったネック42において、第2ワイヤ部分50に向かって伸び得る。第2ワイヤ部分48及び50は、第2ネック42において、例えば、側方Aに沿って互いに離間していることができ、又は、第2ワイヤ部分48及び50は、第2ネック42において、例えば、中心軸AAと一致する位置において、互いに当接し得る。第2ワイヤ部分48及び50は、中心軸AAに対する任意の位置において互いに当接することができ、例えば、側方Aに沿って中心軸AAからずれていてもよいことが、当然理解されるべきである。更に、第2ワイヤ部分48及び50が互いに離間している実施形態では、第2ワイヤ部分48及び50は、選択方向、例えば、側方Aに沿って、第2ワイヤ部分48及び50に隣接している各ワイヤセグメント101a及び101bの1つ又は複数の隣接部分が該選択方向に沿って互いに離間している距離未満の距離を、互いに離間していることができる。
【0062】
少なくとも1つ又は複数の第1ネック40及び第2ネック42は、各第1ワイヤ部分44及び46並びに第2ワイヤ部分48及び50が互いに当接する当接位置を画定し得る。インプラント本体15の第1及び第2ワイヤ部分44、46、48及び50は、各ネック40及び42において、互いに対して安定化され得る。例えば、この安定化は、第1ネック40及び第2ネック42のそれぞれにおいて、第1ワイヤ部分44及び46を互いに溶接、はんだ付け、接着又は他の方法で付着させることにより、並びに、第2ワイヤ部分48及び50を互いに溶接、はんだ付け又は他の方法で付着させることにより提供され得る。このため、各第1及び第2ワイヤ部分44〜50は、それらが互いに付着される位置において互いに当接して、互いに対してワイヤ部分を取り付けることもできるし、又は代替的に、各ワイヤ部分のそれぞれに付着させることにより、互いに対してワイヤ部分を取り付ける補助付着部材を介して互いに付着することもできる。当業者であれば当然理解するように、インプラント本体15を安定化するために、ワイヤセグメント101a及び101bをネック40及び42において互いに付着させる他の技術又は技術の組み合わせが、当然可能である。例えば、第1ワイヤ部分44及び46は、安定化機構を提供するために、第1ネック40において、互いの周りに捩じり合わられてもよく、第2ワイヤ部分48及び50は、安定化機構を提供するために、第2ネック42において、互いの周りに捩じり合わせられてもよい。別の例では、捩じり合わせられたワイヤ部分は、1つ又は複数の安定化機構を提供するために、更に、互いに、スポット溶接、はんだ付け、接着又は他の方法で取付け得る。
【0063】
骨インプラント1は、横断方向に沿ってインプラント本体15を通って伸びる、少なくとも1つ又は複数の、例えば、複数の開口部、例えば、第1及び第2開口部30及び32をそれぞれ画定し得る。例えば、第1及び第2開口部30及び32は、ワイヤセグメント101a及び101bにより画定され得る。第1及び第2開口部30及び32は、骨インプラントを骨Bに取り付けるために、骨固定要素を受容するように構成されることができ、これにより、第1及び第2骨片FB及びSBを互いに対して安定化することができる。第1及び第2開口部30及び32はそれぞれ、1つ又は2つのネック40及び42により、中心軸AAに沿って互いに離間している、第1及び第2開口部30及び32の長手方向端の一方又は両方において、少なくとも部分的に画定され得る。
【0064】
例えば、第1開口部30は、第1長手方向端、例えば、遠位長手方向端において、第1ネック40により画定されることができ、また、第2長手方向端、例えば、近位長手方向端において、接合部21により画定されることができる。接合部21は、ネックとして構成されてもよく、該ネックは、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bが終端する位置において、第1ワイヤセグメント101aと第2ワイヤセグメント101bとの間に接続される。接合部21は、例えば、セグメント101a及び101bが同じワイヤ101の一部である場合等は、第1ワイヤセグメント101aと第2ワイヤセグメント101bとの間の、一体でモノリシックな接合部であることもでき、又は、第1及び第2セグメント101a及び101bを互いに付着させた継手であることもできる。例えば、第1ワイヤセグメント101aは、近位方向に沿って接合部21に向かって伸び、第2ワイヤセグメント101bは、遠位方向に沿って接合部21において、第1ワイヤセグメント101aから伸びる。あるいは、第1開口部30は、その第2長手方向端において、第1ネック40及び第2ネック42に関連して上記されたネックにより部分的に画定され得る。
【0065】
第2開口部32は、第1長手方向端、例えば、遠位長手方向端において、第2ネック42により画定されることができ、第2長手方向端、例えば、近位長手方向端において、第1ネック40により画定されることができる。このため、第1ネック40は、第1及び第2開口部30及び32の両方を少なくとも部分的に画定し得る。第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、各第1ネック40及び第2ネック42で終端しないように構成されることができるが、むしろ、近位及び遠位方向のいずれか又は両方において、第1ネック40及び第2ネック42を越えて伸びることができることが理解されるべきである。このため、接合部21は、骨インプラント1の隣接する開口部間を接続することができ、更に、ワイヤセグメント101a〜bを、例えば、骨インプラント16の近位端16において接続することができることが理解されるべきである。ワイヤセグメント101a〜bを近位端16において接続する接合部21のうちの1つは、更に、開口部のうちの1つ、例えば、開口30を少なくとも部分的に画定し得る。
【0066】
第1開口部30はそれぞれ、その各第1側面及び第2の側面の両方において、側方Aに沿って互いに離間している側面壁38及び36により(即ち、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bそれぞれによっても)画定され得る。例えば、第1側面壁38は、第1開口部30及び第2開口部32の長手方向端を画定する各ネック間で(例えば、各ネックの一方から各ネックの他方まで)、第1開口部30及び第2開口部32の少なくとも一方又は両方の第1側面に沿って連続的に伸びる。第2側面壁36は、第1開口部30及び第2開口部32の長手方向端を画定する各ネック間で(例えば、各ネックの一方から各ネックの他方まで)、第1開口部30及び第2開口部32の少なくとも一方又は両方の第2側面に沿って連続的に伸びる。例えば、側面壁38及び36のそれぞれは、各側方内側表面34を画定することができ、各側方内側表面34は、側面壁36及び38のうちの他方の側方内側表面34に面しており、第1及び第2開口部30及び32を含む骨インプラント1の開口部のうちの少なくとも1つ(最大でその全て)の各第1側面及び第2側面をそれぞれ画定する。
【0067】
このため、第1及び第2側面壁38及び36はそれぞれ、中心軸AAに沿って各開口部の両端に配設されたネック40及び42の一方又は両方に沿って、開口部30及び32を画定するように、第1及び第2開口部30及び32の少なくとも一方又は両方の全体に沿って伸び得る。第1の開口部においては、第1及び第2側面壁38及び36は、第2方向(例えば、側方A)に沿って、第1距離だけ互いに離間していることが理解されるべきである。更に、第2の開口部においては、第1及び第2側面壁38及び36は、第2方向(例えば、側方A)に沿って、第2距離だけ互いに離間している。第1及び第2側壁38及び36は、更に、第1開口部の第1端から第2開口部の第2端まで連続的に伸びることができ、第1の開口部及び第2の開口部が該第1端と該第2端との間に配設される。第1端及び第2端は、上記された方法において、ネックを画定し得る。第1及び第2側壁38及び36は、第2方向に沿って、第1端において第3距離だけ、第2端において第4距離だけ、互いに離間していてもよい。第3及び第4距離はそれぞれ、第1及び第2距離より短くてもよい。第1及び第2距離は、互いに異なるか、又は、互いに同じであり得る。第3及び第4距離は、互いに等しいか、又は、互いに異なり得る。第3及び第4距離は、例えば、第1及び第2側壁38及び36が互いに当接している場合には、実質的にゼロであり得る。
【0068】
第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bにより画定される骨インプラント1の開口部、例えば、第1開口部30及び第2開口部32はそれぞれ、骨対向面19aと反対側表面19bとの間に伸び得る、挿入軸SA1及びSA2に沿って伸びる。例えば、挿入軸SA1及びSA2は、横断方向Tに沿って伸びる第1及び第2開口部30及び32の中心軸を規定し得る。開口部30及び32のそれぞれは、各挿入軸SA1及びSA1に沿って、内部を通して骨固定要素を受容するための孔を画定し得る。第1及び第2ワイヤセグメント101及び101bは、長手方向Lと側方Aとにより画定される面にあることができるため、第1及び第2開口部30及び32の中心軸に対して垂直である。したがって、骨に接触する面19aは、骨Bに対して実質的に同一平面にあることができ、反対側の外側面19bは、骨に接触する面から離れる方に向いているため、骨Bから離れる方を向いている。
【0069】
開口部又は複数の開口部30及び32は、(例えば、同じサイズ及び形状を有する)同じ種類の開口部であることもでき、又は、異なる種類(例えば、サイズ及び形状のうちの一方又は両方が異なる)の開口部を画定することもできる。図示された実施形態に基づいて、第1開口部30は、実質的に円形である第1型の開口部であることができ、第2開口部32は、第1型の開口部とは異なる第2型の開口部であることができ、第2型の開口部は、例えば、長手方向Lに沿って細長の開口部であってよい。このため、本願明細書において、参照符号「30」及びその派生表現への言及は、第1型の開口部を意味することができ、本願明細書において、参照符号「32」及びその派生表現への言及は、第2型の開口部を意味することができる。当業者であれば理解するように、任意の形状の開口部が、当然可能である。例えば、開口部のいずれかは、多角形でもよい。開口部(例えば、第1開口部30)のうちの1つ又は複数(最大で全ての開口部)を画定する内側表面34は、ネジ山を有し得る。すなわち、側面壁36及び38の内側表面は、ネジ付き内側表面34を画定するように、第1開口部30を画定する位置においてネジ山を有し得る。ネジ付き内側表面34は、骨インプラント1において、骨固定要素を固定的に保持するように構成される。したがって、骨固定要素が骨B内に打ち込まれる(driven)と、骨インプラント1が、骨Bに取り付けられる。一実施形態に基づいて、ネジ付き内側表面34は、図14Bに関連して以下に記載されるように、骨固定要素の相補的なネジ付きの頭部と螺合するように構成される。あるいは、内側表面34は、図14Cに関連して以下に記載されるように、骨インプラント1を骨に対して圧迫するために、ネジ山を有さず、実質的に平滑であることができる。あるいは、更に、内側表面34は、図14Aに関連して以下に記載されるように、ネジ山を有さず、実質的に平滑であるが、ネジ付き骨固定要素と螺合するような形状であることができる。あるいは、更に、図14Dに関連して以下に記載されるように、内側表面34は、ネジ山を有し、骨固定要素が開口部を通して挿入される際に、初期的には骨固定要素のネジ山と係合するように構成され、ついで、骨固定要素を骨インプラント1に取り付けるように、骨固定要素により画定された溝に受容されるように構成されることができる。
【0070】
代替的に又は更に、1つ又は複数の開口部、例えば、第2開口部32は、ネジ山を有さず、平滑な内側表面を有する。開口部32は、手術中に骨折の圧縮に使用され得る。例えば、図2F〜Gに関連して以下により詳細に記載されるように、骨固定要素は、骨片が別の骨片に対して移動させられる際に、骨固定要素が開口部32内に移動し得るように、開口部32を通って挿入され、骨片内に打ち込まれることができる。当業者であれば理解するように、他の種類の孔が設けられてもよい。例えば、開口部は、ネジ付き型、ネジなし型、角度可変型、圧縮/圧迫型及びコンビ孔型から選択される1種類又は各種の組み合わせであり得る。あるいは、第2開口部32の少なくとも一部は、第2型の開口部が、必要に応じて、ネジ付き内側表面又は平滑な内側表面を画定し得るように、ネジ付き内側表面を画定し得る。
【0071】
図1A〜Cを続けて参照すると、インプラント本体15、具体的にはワイヤセグメント101a及び101bは、一組のプロング20を画定する形状であり得る。例えば、第1ワイヤセグメント101aは、第1プロング20aを画定し、第2ワイヤセグメント101bは、第2プロング20bを画定する。図示された実施形態に基づいて、第1及び第2プロング20a及び20bは、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの遠位末端をそれぞれ画定し得る。第1ワイヤセグメント101aは、第1プロング20aを画定するために、第1及び第2開口部30及び32のそれぞれにおいて、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bにより画定された面に対する内側横断方向Tに沿って伸び得る。内側横断方向Tは(即ち、外側横断方向Tも)、この横断方向に沿って伸びる方向成分を含む任意の方向を含むことができ、更に、この横断方向Tに対して垂直な方向成分を更に含むことができる。同様に、第2ワイヤセグメント101bは、第1プロング20aを画定するために、第1及び第2開口部30及び32のそれぞれにおいて、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bにより画定された面に対する内側横断方向Tに沿って、又は、内側横断方向Tからずれた角度で、伸び得る。第1及び第2プロング20a及び20bは、互いに平行に伸びることができ、内側横断方向Tに沿って互いに分岐することができ、又は、内側横断方向Tに沿って互いに向かって収束することができる。第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、それらが、開口部30及び32のうちの1つ(例えば、第2開口部32)から各第1及び第2プロング20a及び20bに向かって伸びるにつれて、更に、外側横断方向Tに沿って伸び得る。更に、プロング20は、骨インプラント1の遠位端17に配設されるように図示されているが、代替的に、プロング20は、骨インプラント1の近位端16に配設されることができることが理解されるべきである。
【0072】
プロング20は、骨片、例えば、第1骨片FBを安定化させるために、任意の適切な骨、例えば、尺骨、橈骨、脛骨、腓骨及び他の類似する骨内に埋め込まれるように構成され得る。この骨片は、骨Bの頭部において画定され得る。一実施形態では、プロング20は、第1骨片が第2骨片SBとプロング20との間で捕捉されるように、第1骨片FBに被せ(overlay)得る。このため、プロング20は、第2骨片SBに対して、第1骨片FBを圧迫することにより、骨折部の縮小を維持し得る。あるいは、プロング20は、第2骨片SBに対して第1骨片FBを安定化させるために、骨、例えば、第1骨片FB内に打ち込まれるように構成され得る。更に、プロング20は、骨固定要素、例えば、ネジ又は留めクギを受容するように構成されることができ、骨固定要素は、プロングを骨Bに固定するように構成される。プロング20並びに開口部30及び32は、直接的に又は骨固定要素を介して、骨Bの第1及び第2骨片FB及びSBのそれぞれに取り付けられて、骨の治癒を助けるために、目的の骨Bの第1及び第2骨片FB及びSBに骨インプラント1を取り付けるように構成された、安定化部材を画定し得ることが理解されるべきである。
【0073】
図1Aに図示されたように、骨インプラント1は、骨Bに埋め込まれた状態で示される。プロング20は、第1骨片FB中又は同骨片上に位置しており、ワイヤ本体101の残り部分は、骨Bの外側面に隣接して配置される。ワイヤ本体101は、骨折位置FLをまたいで第1骨片FBから第2骨片SBに掛け渡されている。骨固定要素は、その後、骨インプラント1を第2骨片SBに取り付けるために、各挿入軸SA1及びSA2に沿って、骨インプラント1の開口部(例えば、第1及び第2開口部30及び32)のうちの少なくとも1つ又は複数(最大で全ての開口部)を通して挿入され得る。このため、骨インプラント1は、プロング20と、開口部(例えば、第1及び第2開口部30及び32)のうちの少なくとも1つ(最大で全ての開口部)との間に配設された領域を含み得、この領域は、骨折位置FLに被さるように構成される。プロング20は、必要に応じて、任意の方法で第1骨片FBに取り付けられ得る。例えば、プロング20は、第1骨片FB内に打ち込まれることができるか、又は、プロング20間で第1骨片FBを捕捉することができ、これにより、第1及び第2骨片FB及びSBを互いに対して安定化させることができる。更に、ワイヤ101は、第1及び第2骨片FB及びSBの一方又は両方への固定前に、インプラント1が弾性的に伸長可能であり得るように、可撓性であり得る。したがって、インプラント1が第1及び第2骨片FB及びSBに固定された時点で、インプラント1は、骨折位置FLにおいて第1及び第2骨片FB及びSBを互いに対して圧縮するために、第1及び第2骨片FB及びSBに対して、圧縮力を加え得る。ワイヤ101は、従来の骨プレートと対照的により弾性的であることができ、骨片間の微小動作を増加させることにより、骨の治癒中に産生された骨の質を改善し得る。プロング20a〜bは、骨インプラント1の各取付位置を決定し得ること、及び、以下に記載されるように、代替的に、取付位置は、開口部として、又は、骨インプラント1を骨に取り付けるように構成された任意の適切な代替構造として、構成され得ることが理解されるべきである。
【0074】
ここで、図2Aから2Dを参照すると、骨インプラント1は、横断方向Tに沿ってインプラント本体15を通って伸びる、任意の数の開口部を含むことができ、上記されたように、それぞれ第3挿入軸SA3を規定することができる。例えば、骨インプラント1は、上記されたものであってもよく、また、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2aとして構成されてもよい。例えば、上記されたように、骨インプラント1は、インプラント本体15を通って伸び、インプラント本体15に沿ってどこにでも位置することができる、第3開口部30’を含むことができる。第3開口部30’は、第2開口部32と一組のプロング20との間に配設され得る。例えば、挿入軸SA1、SA2及びSA3のうちの2つ以上(最大でその全て)は、遠位方向に沿って互いに等距離に離間していることもでき、又は、互いに異なった距離で離間していることもできる。このため、骨プレート2aは、骨プレート2のそれより長い、近位端16と遠位端17との間の長さを有し得ることが理解されるべきである。
【0075】
代替的に又は更に、第3開口部30’は、遠位端17と第2開口部との間に(よって、遠位端17と第1開口部30との間にも)配設されることができる。あるいは、第3開口部30’は、第1開口部30と第2開口部32との間に配設され得る。代替的に又は更に、第3開口部30’は、近位端16と第2開口部32との間に配設され得る。第3開口部30’は、骨折位置FLに被さるように構成されたインプラント本体15の領域(図1A参照)が、第3開口部30’と一組のプロング20との間に配設され得るように配置され得る。あるいは、第3開口部30’は、骨折位置FLに被さるように構成されたインプラント本体15の領域が、第3開口部30’と第1及び第2開口部30及び32のいずれか又は両方との間に配設され得るように配置され得る。
【0076】
第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bが近位及び遠位方向のいずれか又は両方において、第3開口部30’の各ネックを越えて伸びるように、第3開口部30’の長手方向の両端において、ネックを画定し得る。更に、第3開口部30’の近位端を画定するネックは、第1及び第2開口部30及び32一方の遠位端もそれぞれ画定し得る。例えば、図示された実施形態に基づいて、ネック42は、第3開口部30’の近位端及び第2開口部32の遠位端の両方を画定し得る。
【0077】
図2Eを参照すると、上記されたように、開口部30及び32のいずれかは、第1型の開口部を画定することができるため、円形であることができ、又は、第2型の開口部を画定することができるため、細長である。例えば、図2Eに図示されたように、各第1、第2及び第3開口部30、32及び30’は、第1型の開口部をそれぞれ画定し得る。第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、上記された方法で、開口部30、32及び30’それぞれの両端において、複数の第1ネック40及び第2ネック42を画定することができ、ネック40及び42において、互いに付着することができる。更に、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、開口部30、32及び30’を画定するように、互いに付着される2つの別個のワイヤ101を画定するように、互いに別々であってよいことが、上記されたように更に理解されるべきである。このため、近位端及び遠位端16及び17はそれぞれ、ネック40及び42のそれぞれ一方を画定することができ、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、互いに付着される。一実施形態に基づいて、骨インプラント1の全ての開口部は、近位端及び遠位端16及び17のネック40及び42間に配設され得る。更に、近位端16におけるネック42は、開口部のうちの1つ、例えば、第1開口部30の一端を画定することができ、遠位端17におけるネック40は、開口部のうちの1つ、例えば、第3開口部30’の一端を画定することができる。本願明細書に記載されたこの実施形態及び任意の実施形態の2つのワイヤセグメント101a及び101bは、特に指示がない限り、例えば、中心又は長手方向軸AAに対して、互いに鏡像であることができる。
【0078】
図2Eにより上記されたように、開口部30及び32のいずれかは、第1型の開口部を画定することができるため、円形であることができ、又は、第2型の開口部を画定することができるため、細長である。例えば、図2F〜2Gを参照すると、第2開口部32は、第2型の開口部であることができ、長手方向軸AAに沿って細長であってよい。第2開口部32は、骨折位置FLにおいて、第1骨片FBと第2骨片SBとの間の隙間を縮小するために、第1及び第2骨片FB及びSBの一方又は両方を互いに向かって圧縮するように構成された固定圧縮開口部を画定し得ることが理解される。更に、第2開口部32は、ネジ付き骨固定要素が第2開口部32中の内側表面34と螺合し得るようにネジ山を有し得る。例えば、図2Fに図示されたように、第1骨固定要素209は、第3開口部30’を通して挿入され、第1の骨片内に打ち込まれ得る。第3開口部30’は、骨インプラント1を第1骨片FBに取り付けるために、第1骨固定要素209が、第3開口部30’における内側表面34と螺合されるように、ネジ付き開口部であり得る。あるいは、第1骨固定要素209は、それが第1骨片FB内に打ち込まれる際に、第1骨片FBに対して骨インプラント本体15を圧迫する大きさであり得る。
【0079】
第2骨固定要素209’は、開口部32の第1近位端において、細長開口部32を通して第2骨片SB内に挿入され得る。該第1近位端は、近位端に対して骨折位置FLから離れる近位方向に沿って、細長開口部32の遠位端から離間している。細長開口部32の近位部は、ネジ山を有していなくてもよく、また、遠位部は、ネジ山を有し、ネジ付き骨固定要素と螺合するように構成されてもよい。第2骨固定要素209’は、第2骨固定要素209’の頭部が、曲がった内壁34に沿って乗り(ride)、開口部32の近位端において(例えば、反対側表面19bにおいて)同内壁34をカム駆動するように、第2骨片SB内に打ち込まれ得る。これにより、骨インプラント1を、近位方向に沿って並進させる。第3開口部30が第2骨片SBから遠位に離間している第1骨片FBに取り付けられることから、第1骨片は、第2骨片SBに向かって移動するように付勢され、これにより、骨折位置での骨折を縮小させる。第3骨固定要素209”は、骨インプラント1を第2骨片SBに取り付けるために、第1開口部30内に打ち込まれ得る。例えば、骨折の縮小の際に、骨インプラントを第1及び第2骨片FB及びSBに取り付けるように、第1開口部30は、ネジ山を有することができ、第3骨固定要素209”は、第1開口部において、内側表面34と螺合することができる。
【0080】
ここで、図3A〜Bを参照すると、骨インプラント1は、本願明細書に記載された任意の実施形態に基づいて構成された骨プレートを、特に指示がない限り、補助骨固定プレート60との組み合わせで含み得る。骨インプラント本体15の少なくとも部分23(最大で骨インプラント本体15の全体)は、開口部を欠いていてよく、長手方向Lに沿って実質的に直線状に伸びることができ、補助骨固定プレート60に受容されるように構成されることができる。あるいは、補助骨固定プレート60は、例えば、骨インプラント本体15の開口部の1つにおいて、骨インプラント1に取り付けるように構成され得る。部分23は、実質的に直線状である。すなわち、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bはそれぞれ、例えば、長手方向Lにおいて、実質的に直線的に細長であり得る。補助骨固定プレート60は、ワイヤ本体の部分23を受容するように構成されたチャネル64を画定するプレート本体61を含み得る。例えば、チャネル64は、内側横断方向の骨に面する端において開いていることができ、補助骨固定プレート60が横断方向Tに沿って骨に対してもたらされた場合、チャネル64が骨インプラントの部分23を受容するようにされる。あるいは、チャネル64は、それが長手方向Lに沿って第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bに対して移動する場合、チャネル64が第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bを受容するように、その内側横断方向の骨に面する端において取り囲まれ得る。
【0081】
補助骨固定プレート60は、プレート本体61から実質的に側方外側に伸びる、少なくとも1つ又は複数のプレートセクション、例えば、第1及び第2プレート部分65a及び65bをそれぞれ含み得る。このため、プレート本体61は、第1プレート部分65aと第2プレート部分65bとの間に配設され得る。第1及び第2プレート部分65a及び65bは、下にある骨に合うようにプレート本体61に対して、ヒンジ式に移動可能であることができるか、又は可撓性であることができる。補助骨固定プレートは、第1及び第2プレート部分65a及び65bのいずれか又は両方を通って伸びる、1つ又は複数の(最大で複数の)開口部62を画定し得る。開口部62は、長手方向に沿って離間していることができ、円形、又は開口部32に関連して上記されたように、長手方向に沿って細長であってよい。開口部62は、それぞれ骨固定要素、例えば、骨ネジを受容するように構成され、骨固定要素は、補助骨固定プレートと骨B(例えば、上記された、第1骨片FB又は第2骨片SB)との間にワイヤ本体103の細長部分23を捕捉するように、下にある骨に固定される。
【0082】
図4を参照すると、骨インプラントアッセンブリ25は、本願明細書に記載された任意の実施形態又は任意の別の実施形態に基づいて構成された1つ又は複数の骨インプラント1を含み得る。骨インプラントアッセンブリ25は、別の実施形態に基づいて構成された、第1骨プレート2bとして構成された第1骨インプラント1a及び第2骨プレート2cとして構成された第2骨インプラント1bを含み得る。骨プレート2b及び2cは、骨プレート2b及び2cがプロング20を欠いていること以外は、骨プレート2及び2aに関連して上記されたのと実質的に同様に構成され得る。
【0083】
第1骨インプラント1aは、インプラント本体15に関連して上記されたように構成されたインプラント本体15aを含み得る。このため、インプラント本体15aは、上記されたように、第1ワイヤセグメント101a及び第2ワイヤセグメント101bを含み得る。インプラント本体15aは、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bと一体であり、モノリシックであってもよいし、又は、第1ネック40及び第2ネック42並びに必要に応じて骨インプラント1aの任意の更なるネックに沿って、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの一方又は両方から別々であってもよく、同セグメントの一方又は両方に付着されていてもよい、第3ワイヤセグメント101cを更に含む。例えば、ネック40及び42は、ワイヤセグメント101a及び101bの一方又は両方が他方のワイヤセグメント101a及び101bに向かって伸びる(例えば、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bが互いに接触する)位置、及び、第2及び第3ワイヤセグメント101b及び101cのうちの一方が、第2及び第3ワイヤセグメント101b及び101cのうちの他方に向かって伸びる(例えば、接触する)位置において画定され得る。第3ワイヤセグメント101cは、第3ワイヤセグメント101cが第2ワイヤセグメント101bと接触する位置において、第2ワイヤセグメント101bに、溶接、はんだ付け又は他の方法で取付けられ得る。第1骨インプラント1aは、上記された方法において、補助骨固定プレート60を含み得る。
【0084】
更に、ワイヤセグメント101a〜cのうちの1つ又は複数(最大でその全て)の遠位端は、それらが、遠位方向に沿って伸びる場合、ワイヤセグメント101a〜cのその他のうちの1つ又は複数(最大でその全て)に対して分岐し得る。このため、ワイヤセグメント101a〜cは、インプラント本体15aの遠位端17において、各タイン27a〜cを画定し得る。インプラント本体15aは、タイン27a〜cを通って伸びる少なくとも1つ又は複数の開口部30を、例えば、タイン27a〜cの遠位端において更に画定し得る。開口部30は、それぞれ骨固定要素、例えば、骨ネジを受容するように構成され、骨固定要素は、ワイヤセグメント101a〜cを骨B(例えば、上記された、第1骨片FB又は第2骨片SB)に固定するように、下にある骨に固定される。開口部30は、上記された第1型の開口部として構成されることができ、ワイヤセグメント101a〜101cを自身の周りで曲げることにより画定することができる。例えば、ワイヤセグメント101a〜101cのそれぞれの遠位端は、遠位に伸びることができ、かつ、近位に伸びて開口部30を画定するために、円形の経路に沿って曲げられることができる。
【0085】
図4を続けて参照すると、第2骨インプラント1bは、第2骨インプラント1bのインプラント本体15bが、上記されたように、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bを含むが、第3ワイヤセグメント101cを含まないこと以外は、第1骨インプラント1aに関連して記載されたのと実質的に同様に構成され得る。このため、ワイヤセグメント101a〜bの一方又は両方の遠位端は、それらが、遠位方向に沿って伸びるように、他方に対して分岐し得る。したがって、第1及び第2ワイヤセグメント101a〜bは、インプラント本体15aの遠位端17において、各タイン27a〜bを画定し得る。インプラント本体15aは、タイン27a〜bを通って伸びる少なくとも1つ又は複数の開口部30を、例えば、タイン27a〜bの遠位端において更に画定し得る。開口部30は、それぞれ骨固定要素、例えば、骨ネジを受容するように構成され、骨固定要素は、ワイヤセグメント101a〜cを骨B(例えば、上記された、第1骨片FB又は第2骨片SB)に固定するように、下にある骨に固定される。開口部30は、上記された第1型の開口部として構成されることができ、ワイヤセグメント101a〜101bを自身の周りで曲げることにより画定することができる。例えば、ワイヤセグメント101a〜101bのそれぞれの遠位端は、遠位に伸びることができ、かつ、近位に伸びて開口部30を画定するために、円形の経路に沿って曲げられることができる。
【0086】
ここで、図5A〜5Cを参照すると、骨インプラント1は、インプラント本体15、及び特に、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bそれぞれが、骨プレート2aのプロング20a〜bの代わりに、対応する第1及び第2開口部30a〜bをそれぞれ画定すること以外は、骨プレート2aに関連して上記されたのと実質的に同様に構成され得る骨プレート2dとして構成され得る。開口部30a〜bは、図示されたように第1型の開口部として構成されることができるが、代替的に、開口部30a〜bは、必要に応じて、第2型の開口部として構成されることができることが理解されるべきである。開口部30a及び30bのそれぞれは、ワイヤセグメント101a〜bのそれぞれを自身の周りに曲げることにより形成され得る。例えば、ワイヤセグメント101a及び101bは、第3開口部30’の遠位に配設されたネック40を画定することができ、上記されたように、ネック40は、第3開口部30’の遠位端を画定することができる。上記されたタイン20は、ネック40から伸びることができるか、又は、開口部30a〜bは、ネック40から伸びることができる。例えば、ワイヤセグメント101a及び101bのそれぞれ、(よって、インプラント本体15)は、各基部26a及び26bを画定し得る。基部26a及び26bは、必要に応じて、ネック40から角度がずれていてもよいし、又は、ネック40に対して傾斜していてもよい。図示された実施形態に基づいて、基部26a及び26bは、側方Aに沿って外側に伸びる方向、例えば、ネック40から垂直方向に沿って細長である。例えば、基部26a及び26bは、ネック40から互いに半体の方向に伸び得る。第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、各基部26a及び26bに隣接して配設された各第1及び第2末端28a及び28bを画定するために、ある経路(例えば、円形の経路)の周りで曲げられる。このため、インプラント本体15は、第1及び第2末端28a及び28bそれぞれを画定すると言われ得る。末端28a及び28bは、各基部26a及び26bに当接することができ、必要に応じて、対応する基部26a及び26bに対して溶接、はんだ付け又は他の方法で取付けることができる。一実施形態では、末端28a及び28bは、対応する基部26a及び26bに対して固定されない。
【0087】
図示された実施形態、及び特に指示がない限り、他の全ての実施形態に基づいて、ワイヤセグメント101a及び101bは、下にある骨との整列において、各開口部30及び32並びにその派生物を方向付けるために、曲げられ得る。例えば、基部26a及び26bは、各開口部30a及び30bが、下にある骨Bと整列されるように、必要に応じて、曲げられるか、又は、他の方法で形状作られることができる。各開口部30a及び30bを画定する各ワイヤセグメント101a及び101bの一部は、下にある骨に適合される。このため、ワイヤセグメント101a及び101bは、開口部30、30’及び32が、下にある骨と整列されるように、曲げられるか、又は、他の方法で形作られることができること、並びに、各開口部30、30’及び32を画定する各ワイヤセグメント101a及び101bの一部は、下にある骨に適合されることが更に理解されるべきである。
【0088】
ここで、図6を参照すると、骨インプラント1は、骨プレート2eが(それ故、骨インプラント本体15、及び骨インプラント1が)、第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dそれぞれを含み得ること以外は、図5A〜Cの骨プレート2dに関連して上に記載されたのと実質的に同様に構成された骨プレート2eとして構成され得る。第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dは、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bに関連して上記されたのと実質的に同様に構成され得る。例えば、インプラント本体15のワイヤ101は、第1ワイヤを画定することができ、インプラント本体15は、第3ワイヤセグメント101c及び第4ワイヤセグメント101dを画定する第2ワイヤ105を含み得る。第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dは、それらが、第2ワイヤ105の一部を形成するように、互いに一体であり、モノリシックであり得ることが理解されるべきである。あるいは、第1、第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dは、互いに別々であることができ、2つのそれぞれ異なるワイヤにより画定されることができる。第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dの一方又は両方は、更に、ワイヤ101と一体であり、モノリシックであってもよいし、又は、ワイヤ101と別々であって、ワイヤ101に付着させてもよい。
【0089】
第2ワイヤ105は(それ故、第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dのいずれか又は両方は)、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bのそれぞれの少なくとも一部分(最大でその全体)の側方の外周の周りを伸び得る。第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dは、更に、第3及び第4ワイヤセグメント101c及び101dの長さの少なくとも一部分(最大でその全体)に沿って、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bに取付けられ得る(例えば、溶接、はんだ付け又は他の方法で取付けられ得る)。このため、第3及び第4ワイヤセグメントは、第1及び第2基部26a及び26bに関連して上記されたのと同様に構成された各基部26c及び26dを画定することができ、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの各基部26a及び26bに隣接して配設された各末端28c及び28dを画定するために、各基部26c及び26dから、ある経路(例えば、円形の経路)に沿って曲げられることができる。このため、インプラント本体15は、第3及び第4末端28c及び28dをそれぞれ、第3及び第4基部26c及び26dに沿って画定すると言われ得る。末端28c及び28dは、各基部26a及び26bに当接することができ、必要に応じて、対応する基部26a及び26bに対して溶接、はんだ付け又は他の方法で取付けることができる。一実施形態では、末端28c及び28dは、対応する基部26a及び26bに対して固定されない。
【0090】
当業者は、任意の数のワイヤが、隣接するワイヤ周りで曲げられ、同隣接するワイヤに固定され得ることを理解するであろう。更なるワイヤが、骨インプラント1の剛性を向上させるために提供されてもよい。更なるワイヤ、例えば、第2の更なるワイヤ105は、開口部において骨インプラント1に構造的剛性を提供するために、開口部30、30’、32、30a及び30b並びにネック40及び42に対して近位に配設された領域に(例えば、周囲に)おいてのみ、第1ワイヤ106に付着され得ることが理解されるべきである。このため、第2ワイヤ105及び更なるワイヤは、セグメント化されることができ、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bに沿って不連続であることでき、又は、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bに沿って連続的であることができる。
【0091】
ここで、図7A〜Bを参照すると、骨インプラント1は、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2fとして構成され得る。骨プレート2fは(それ故、骨インプラント1は)、上記された方法において、インプラント本体15を画定するワイヤ101を含み得る。ワイヤ101は(それ故、インプラント本体15は)、少なくとも1つ又は複数の(例えば、複数の)骨固定要素開口部、例えば、第1、第2、第3及び第4開口部115a、115b、115c及び115dをそれぞれ画定し得る。開口部115a〜115dは、上記された第1型の開口部として構成されることができ、代替的に、第2型の開口部として構成されることができる。開口部115a〜dは、骨インプラントが、上記された方法において、下にある骨に取り付けられるように配置されるとき、下にある骨と整列され得る。一実施形態に基づいて、ワイヤ101は、開口部115a〜115dを画定するために、自身の周りに、例えば、実質的に円形、細長又は代替的に形作られた経路に沿って、少なくとも1つ、例えば、複数の各連続ループ119において、らせん状であり得る。図7Aに見られ得るように、第1らせん200が、開口部115a〜115dのそれぞれについて形成され得るが、当業者であれば理解するように、任意の数のらせんが形成され得る。このため、ワイヤ101は、開口部115a〜115dのそれぞれの第1端から、骨インプラント1の中心軸に沿って開口部115a〜dのそれぞれの第1端から離間している、開口部のそれぞれの第2のものへと連続的に伸びることができ、開口部151a〜dのそれぞれを画定する第1及び第2側面壁を画定することができる。
【0092】
らせん200は、ワイヤ101の第1層201、及び内側横断方向Tに沿って第1層201から離間している第2層203を画定し得る。例えば、第2層203は、第1層201に当接し得る。1つ又は複数のらせん200は、別のらせん200に、例えば、第1層201と第2層203との間の接合面において、付着(例えば、溶接、接着等)され得る。見られ得るように、開口部の最も近位の第1のもの115aを画定するワイヤ101のらせん200は、第1層201における第1ループ119を画定するように、第1層201において始まることができ、ついで、第1層201から第2層203に伸びることができ、第2層203における第2ループ119を画定することができる。ついで、ワイヤ101は、第1開口部115aと第2開口部115bとの間の第1接合部118aを画定するように、第2層203に沿って、例えば、遠位方向に伸び得る。
【0093】
ついで、ワイヤ101は、第1開口部115aのループ119の遠位に配設された第2開口部115bの第1ループ119を画定するために、第2層203において、別のらせん200を画定し得る。ワイヤ101は、第1層201にらせんを巻いて、外側横断方向に沿って、第2開口部の第1ループ119から離間している、第2開口部115bの第2ループ119を形成する。ついで、ワイヤ101は、第2開口部115bと第3開口部115cとの間の第2接合部118bを画定するために、第1層201に沿って、例えば、遠位方向に伸び得る。
【0094】
ついで、ワイヤ101は、第2開口部115bのループ119の遠位に配設された第3開口部115cの第1ループ119を画定するために、第1層201において、別のらせん200を画定し得る。ワイヤ101は、第1層201から第2層203にらせんを巻いて、内側横断方向に沿って、第3開口部115cの第1ループ119aから離間している、第3開口部115cの第2ループ119を形成する。ついで、ワイヤ101は、第3開口部115cと第4開口部115dとの間の第3接合部118cを画定するために、第2層203に沿って、例えば、遠位方向に伸び得る。
【0095】
ついで、ワイヤ101は、第3開口部115cのループ119の遠位に配設された第4開口部115dの第1ループ119を画定するために、第2層203において、別のらせん200を画定し得る。ワイヤ101は、第2層203から第1層201にらせんを巻いて、外側横断方向に沿って、第4開口部115dの第1ループ119aから離間している、第4開口部115dの第2ループ119を形成する。ついで、ワイヤ101は、第1層201において終端してもよく、又は、1つ又は複数の連続的ならせん200及び対応するループ119を(それ故、開口部を)、上記された方法において画定するために、連続していってもよい。
【0096】
このため、ワイヤ101は、第1及び第2層201及び203の一方から第1及び第2層201及び203の他方へとらせんを巻いて、必要に応じて、接合部により互いに接続された開口部のいずれか、及び、必要に応じて、骨インプラントの対応する形状を形成し得ることが理解されるべきである。ワイヤ101は、開口部115a〜dを取り囲み、画定する安定な構造を画定するために、ループ119周囲の種々の位置、例えば、第1及び第2層201及び203の連続的な第1及び第2ループ119間において、例えば、溶接、はんだ付け等により、それ自体に取付けられ得る。開口部115a〜dのうちの1つ又は複数(最大で全ての開口部)のらせん200は、少なくとも1つのネジを画定し得、ここで、骨固定要素209が、頭部209a、及び頭部209aから離れるように伸びるシャフト209b並びに頭部209aに形成された凸溝207を有する。溝207は、骨プレート2fを形成するワイヤ101の直径に適合され得る。例えば、溝207は、溝207がワイヤ101と螺合し得るように、ワイヤ101を画定する半径と同じ半径により画定され得る。このため、ワイヤ101は、骨固定要素の頭部の相補的なネジ山と嵌合するように構成されたネジ付き開口部を画定するように、形作られ得る。
【0097】
らせん200は、任意の数のループ119及び各層並びに、必要に応じて、任意の数の対応するネジ山を画定し得る。開口部115a〜dを形成するらせん200は、それを通して挿入される固定要素209に基づいて選択された同じ直径を有し得る。例えば、ネジシャフトであり得るシャフト209bは、1.5mm〜3.0mmの直径を有してもよく、頭部209aは、任意の断面寸法、例えば、必要に応じて、2.0mm〜4.5mm等の直径を画定し得る。本願明細書に記載された骨プレートのいずれかは、特に指示がない限り、少なくとも1つの開口部115を含み得ることが理解されるべきである。
【0098】
ここで、図8を参照すると、骨インプラント1は、下にある骨上に埋め込まれるように構成され得る、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2gとして構成され得る。この場合、下にある骨は、膝蓋骨である。上記されたように、インプラント1は、必要に応じて、任意のサイズ及び形状を画定し得る。例えば、インプラント1は、共通する中心点又はハブ217に付着された、複数のインプラント本体15、例えば、6つのインプラント本体15、又は必要に応じて、任意の数のインプラント本体15を含み得る。複数のインプラント本体15は、互いに一体であり、モノリシックであり得る。複数のインプラント本体15は、骨インプラント1が実質的に星形となるように、ハブ217から外に向かって放射状に伸びる各フィンガ215を画定し得る。複数のインプラント本体15のそれぞれは、互いに及びハブ217と一体であり、モノリシックであることもでき、又は、互いに及びハブ217から別々であって、必要に応じた任意の方法で、互いに及びハブ217に付着されることもできる。各インプラント本体15は、例えば、図1A〜Cに関連して上記された方法において構成された、ネック40及び42並びに、開口部30及び30’を画定する、第1ワイヤセグメント101a及び第2ワイヤセグメント101bを含み得る。1つ又は複数の開口部30及び30’は、第1型の開口部として構成されることができ、又は、必要に応じて、(例えば、開口部32に関連して上記された)第2型の開口部として構成されることができる。代替的に又は更に、開口部30のうちの1つ又は複数は、開口部115a〜d(図7A〜Bを参照)に関連して上記されたのと同様に構成され得る。代替的に又は更に、1つ又は複数の開口部30は、上記された方法において、ワイヤセグメント101a〜bにより画定されてもよいし、ワイヤセグメント101a〜bを打ち抜いてもよい。この点について、本願明細書に記載された任意の骨インプラント1の任意の骨固定要素受容用の開口部又はその代替手段は、特に指示がない限り、開口部30、開口部32、開口部30’、開口部30a、開口部30b、開口部115a〜dに関連して上記されたのと同様に構成され得る。インプラント本体15は、必要に応じて、任意の数の骨開口部を画定し得る。例えば、インプラント本体15のうちの1つは、3つの開口部30を画定し得るが、他のインプラント本体15は、2つの開口部30を画定し得る。インプラント本体15のそれぞれは(それ故、骨インプラント1は)、必要に応じて、任意の数の開口部30を画定し得ることが当然理解されるべきである。各インプラント本体15は、他のフィンガ215のうちの1つ又は複数(最大で全ての他のフィンガ215)と同じ数又は異なる数の開口部30を有し得る。
【0099】
各インプラント本体15の遠位端17に配設された第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、隣接する1つのインプラント本体15の遠位端17に伸びる接合部218をそれぞれ画定し得る。ついで、ワイヤセグメント101a及び101bは、インプラント本体15を画定するために、各接合部218から近位に伸び得る。このため、ハブ217は、例えば、インプラント本体15の遠位端17において、インプラント本体15のそれぞれを互いに接続する接合部218により画定され得る。一実施形態では、各インプラント本体15は、隣接するインプラント本体15に対して、同じ角度又は異なる角度で、ハブ217から伸び得る。インプラント1は、1つ又は複数のインプラント本体15を、1つ又は複数の隣接するインプラント本体15に向かって、又は、それから離れるように位置変更するために、可撓性であることができることが理解される。これにより、遠位端17及び各接合部218において、ワイヤセグメント101aとワイヤセグメント101bとの間に形成された角度を調節することができる。別の実施形態に基づいて、下にある膝蓋骨が、特定の骨折パターンを有する場合があり、フィンガが、この骨折パターンに基づいて適合され得ることが想定される。インプラント1は、必要に応じて、任意の数のインプラント本体15を含み得る。
【0100】
ここで、図9を参照すると、骨インプラント1は、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2hを含むことができ、上記された方法において、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bをそれぞれ含む、複数のインプラント本体15を含むことができる。インプラント本体15それぞれのワイヤセグメント101a及び101bは、他のインプラント本体15のワイヤセグメント101a及び101bと別々であってよい。更に、各インプラント本体の第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、互いに一体であり、モノリシックであることにより、1本のワイヤ101から形成されてもよいし、又は、互いに別々であって、互いに付着されてもよい。このため、各インプラント本体15の第1及び第2ワイヤセグメント101a〜bを画定するワイヤ101は、互いに別々であることができ、骨インプラント1における他のインプラント本体15の他のワイヤ101のうちの、少なくとも1つ又は複数に付着されることができる。このため、骨インプラント1は、互いに別々であり、少なくとも1つ又は複数の他のインプラント本体15に付着される、複数のインプラント本体15を含み得る。
【0101】
インプラント本体15は、本願明細書に記載された任意の実施形態に基づいて構成され得る。このため、インプラント本体15は、インプラント本体15を通って伸びる開口部、例えば、開口部30を少なくとも部分的に画定する、ネック40及び42であり得る接合部を画定する、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bを含み得る。開口部30のうちの1つ又は複数(最大で全ての開口部30)は、上記された第1型の開口部として構成されることができ、又は、上記された第2型の開口部として構成されることができる。1つ又は複数のインプラント本体15は、必要に応じて、任意の数の開口部30画定し得、例えば、他のインプラント本体15のうちの1つ又は複数(最大で全ての他のインプラント本体15)の開口部30の数より多い数の開口部30、又は、インプラント本体15のうちの1つ又は複数(最大で全てのインプラント本体15)の開口部30の数より少ない数の開口部30を画定し得る。1つ又は複数の開口部30は、第1型の開口部として構成されることができ、又は、必要に応じて、(例えば、開口部32に関連して上記された)第2型の開口部として構成されることができる。更に代替的に、開口部30のうちの1つ又は複数は、開口部115a〜d(図7A〜Bを参照)に関連して上記されたのと同様に構成され得る。
【0102】
別々のインプラント本体15は、骨インプラント1が取り付けられる標的の骨の所定の形状に基づいて、骨プレート2hに付着され得る。例えば、骨プレート2hは、下にある遠位橈骨のボラーカラム(volar column)に取り付けるように構成され得る。例えば、インプラント本体15の第1インプラント本体15aは、遠位橈骨の骨幹(diaphysis)に取り付けるように構成され得る。一方、インプラント本体15のうちの1つ又は複数の第2インプラント本体15bは、骨幹端(metaphysis)に対して、単独又は遠位橈骨の骨端(epiphysis)と組み合わせて取り付けるように構成される。示された骨プレート10は、4つのインプラント本体15を含むため、4つの各ワイヤ101を含む。図示された実施形態に基づいて、選択されたインプラント本体15は、2つ、3つ及び4つの開口部30をそれぞれ含み得る。ただし、インプラント本体15は、必要に応じて、より少ない又はより多い数の開口部30を含み得ることが理解されるべきである。骨インプラント1が下にある骨に取り付けられる際に、第2インプラント本体15bの開口部30は、骨幹端又は骨端と整列されることができ、第1インプラント本体15aの開口部30は、骨幹と整列されることができる。したがって、骨固定要素が第2インプラント本体15bの開口部30を通して挿入される場合、骨固定要素は、骨幹端又は骨端内に打ち込まれる。骨固定要素が第1インプラント本体15aの開口部30を通して挿入される場合、骨固定要素は、骨幹内に打ち込まれる。このため、下にある骨における骨折位置は、第1インプラント本体15aの開口部30のうちの少なくとも1つ又は複数(最大で全ての開口部30)と、第2インプラント本体15bのうちの1つ又は複数(最大で全ての第2インプラント本体15b)の少なくとも1つの開口部との間に配設され得る。
【0103】
インプラント本体15は(それ故、第1及び第2ワイヤセグメント101a〜bは)、各インプラント本体15の外側周辺部の凸領域により画定されるオス側の起伏121a、及び、各インプラント本体15の外側周辺部の凹領域により画定されるメス側の起伏121bを画定し得る。ワイヤセグメント101a及び101bの少なくとも一方又は両方は、各インプラント本体15の長さの少なくとも一部に沿って、互いに交互になったオス側の起伏121a及びメス側の起伏121bを画定し得る。例えば、メス側の起伏は、ネック40及び42により画定されてよく、オス側の起伏は、近位端16、遠位端17において画定されてよく、これらにより、図1A〜Cに図示された近位端16における開口部30に関連して上記されたように、開口部30が画定され得る。オス側の起伏121aは、更に、開口部30を画定するワイヤセグメント101a〜bの領域において画定され得る。1つのインプラント本体15のオス側の起伏121aは、別のインプラント本体15のメス側の起伏121b中にぴったり合うように構成され得ることが理解されるべきである。特に指示がない限り、1つのインプラント本体15のメス側の起伏121bは、別のインプラント本体15のオス側の起伏121aを受容するように構成され得る。オス側及びメス側の起伏121a及び121bは、必要に応じ、溶接、接着、ボンディング、はんだ付け、プレス、捩じり、締付け(clamped)又は他の任意の方法での互いへ取付けが行われ得る。あるいは、オス側の起伏121aは、互いに当接してよく、必要に応じ、溶接、接着、ボンディング、はんだ付け、プレス、捩じり、締付け又は他の任意の方法での互いへ取付けが行われ得る。
【0104】
例えば、第1インプラント本体15aの遠位端17により画定されるオス側の起伏121aは、第2インプラント本体15bのうちの、最も近位のものの一対の開口部30間に配設された、第1のメス側の起伏121bにより受容され得る。このため、第1インプラント本体15aの中心軸AAは、第1インプラント本体が付着されるインプラント本体15の中心軸AAに対して、例えば、実質的に垂直に角度がずれている。各オス側及びメス側の起伏121a及び121bにおいて互いに付着される第2インプラント本体15bの中心軸AAは、互いに実質的に平行に伸び得る。インプラント本体15のそれぞれの第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、オス側及びメス側の起伏を画定することができ、インプラント本体のうちの1つのオス側の起伏のうちの少なくとも1つが、インプラント本体のうちの別の1つのメス側の起伏のうちの少なくとも1つに受容され、オス側の起伏のうちの該少なくとも1つとメス側の起伏のうちの該少なくとも1つとの間の接合面において、インプラント本体のうちの該別の1つに付着される。
【0105】
ここで、図10を参照すると、骨インプラント1は、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2iを含むことができ、上記された方法において、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bをそれぞれ含む、複数のインプラント本体15を含むことができる。骨プレート2iは(それ故、骨インプラント1は)、骨インプラント1が、骨プレート2iを画定するために、互いに付着された複数の別々のインプラント本体15を含む点で、図9における骨インプラント1の骨プレート2hに関連して上記されたのと実質的に同様に構成され得る。骨インプラント1は、オス側の起伏121aが互いに当接するように配置され、互いに付着されている、複数の第1インプラント本体15aを含み得る。例えば、複数の第1インプラント本体15aは、近位インプラント本体を画定し得る第1インプラント本体15a1、中位インプラント本体を画定し得る第2インプラント本体15a2、及び、遠位インプラント本体を画定し得る第3インプラント本体15a3を含み得る。したがって、第2インプラント本体15a2は、第1インプラント本体15a1と第3インプラント本体15a3との間に配設される。中心軸15a1〜15a3は、互いに実質的に一致し得る。第1インプラント本体15a1の遠位端17は、本願明細書に記載された任意の方法において、例えば、各オス側の起伏121aにおいて、第2インプラント本体15a2の近位端16に当接し、付着し得る。第2インプラント本体15a2の遠位端17は、本願明細書に記載された任意の方法において、例えば、各オス側の起伏121aにおいて、第3インプラント本体15a3の近位端16に付着され得る。
【0106】
更に、第2インプラント本体15bは、本願明細書に記載された任意の実施形態に基づく、第1インプラント本体15b1並びに、第1インプラント本体15b1及び各端、例えば、近位端16に付着される第2インプラント本体15b2を含み得る。第1及び第2インプラント本体15b1及び15b2は、付着された端における各オス側の起伏121aが、メス側の起伏121bを画定するように組み合わせられ得るように、互いに斜めに伸び得る。近位端16に配設され得る、第1インプラント本体15aのうちの1つ(例えば、第1インプラント本体15aの第3のものである15a3等)のオス側の起伏121aは、第1及び第2インプラント本体15b1及び15b2により画定されたメス側の起伏121bに受容され得る。したがって、骨インプラント1のメス側の起伏121bのうちの1つ又は複数(最大で全てのメス側の起伏121b)は、1つのインプラント本体15又は一対のインプラント本体15により画定され得ることが理解されるべきである。したがって、メス側の起伏121bのうちの1つ又は複数(最大で全てのメス側の起伏121b)は、少なくとも1つのインプラント本体15により画定され得ると言われ得る。
【0107】
第2インプラント本体15bは、第1インプラント本体15b1及び第2インプラント本体15b2それぞれに付着された、第3インプラント本体15b3及び第4インプラント本体15b4を含み得る。例えば、第3及び第4インプラント本体15b3及び15b4のメス側の起伏121bは、第1及び第2インプラント本体15b1及び15b2の一端、例えば、遠位端に配設された第1及び第2インプラント本体15b1及び15b2のオス側の起伏121aを受容し得る。このため、第3及び第4インプラント本体15b3及び15b4の中心軸は、互いに実質的に整列されることができ、第1及び第2インプラント本体15b1及び15b2の中心軸に対して傾斜することができ、かつ、第1インプラント本体15aに対して実質的に垂直であることができる。
【0108】
上記されたように、骨インプラント本体15を通って伸びる骨インプラント1の開口部は、任意のサイズ及び形状のものであり得る。例えば、開口部30のうちの1つ又は複数(最大で全ての開口部30)は、骨インプラント1の中心軸AAに沿って、骨インプラント1の長さを小さくする圧縮開口部223を画定し得る。上記された第1型の開口部として構成された開口部30のうちの1つは、圧縮開口部223を画定することができるが、本願明細書に記載された任意の開口部は、特に指示がない限り、以下に記載される方法における圧縮機構を画定し得ることが理解されるべきである。圧縮開口部223は、下にある骨に取り付ける骨固定要素を受容するように構成されてもよいし、又は、下にある骨に取り付ける骨固定要素を受容しないように構成され、その唯一の機能が、骨インプラント1の中心軸AAに沿って、骨インプラント1の近位端から遠位端に骨インプラント1の長さを小さくすることであってもよいことが、が更に理解されるべきである。
【0109】
圧縮開口部223を画定する第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの一部(例えば、その側面壁38及び36)は、それぞれ、選択方向(例えば、長手方向L又は長手方向Lに対して角度がずれた方向等)に折り曲げられ、長手方向Lに沿って圧縮開口部223の長さを縮小することにより、長手方向Lに沿って骨インプラント1の長さも縮小し得る。このため、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、可撓性であることができることが理解されるべきである。圧縮開口部223の長さが長手方向に沿って小さくなる際に、圧縮開口部223の両側における第1及び第2骨固定具受容開口部も、互いに向かって引き寄せられることにより、骨インプラント1が取り付けられた下にある骨の第1及び第2骨片を圧縮する。例えば、第1骨固定要素は、第1の開口部30を通して骨折位置の第1の側の骨内に挿入され、第2骨固定要素は、第2の開口部30を通して、第1の側の反対にある骨折位置の第2の側に挿入される。したがって、骨折位置は、長手方向Lに沿って、第1骨固定要素と第2骨固定要素との間に配置される。第1及び第2骨固定要素は、更に、圧縮開口部223の両側に配設され得る。したがって、圧縮開口部223は、長手方向Lに沿って、第1骨固定要素と第2骨固定要素との間に配設される。圧縮開口部223を画定する第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの一部は、選択方向に折り曲げられ得る。これにより、第1及び第2骨固定要素を互いに向かって付勢する力が生じる。1つ又は複数の更なる骨固定要素が、1つ又は複数の各他の開口部30を通して、下にある骨内に挿入され、骨インプラント1を下にある骨に更に取り付け、骨に固定された骨インプラント1を圧縮状態で固定する。第1、第2及び更なる骨固定要素は、固定ネジ又は圧迫ネジとして構成されることができ、本願明細書に記載された任意の実施形態に基づいて、骨インプラント1を下にある骨に取り付けるように構成されることができる。圧縮開口部223は、骨インプラント1の中心軸AAに対して角度がずれた方向、例えば、垂直な方向に沿って伸びる主軸227に沿って細長であり得る。あるいは、主軸227は、中心軸AAに対して平行であり得る。
【0110】
圧縮開口部223は、第1及び第2骨片を互いに離れるように移動させるように構成された伸延開口部としても構成され得ることが更に理解されるべきである。例えば、側面壁38及び36において、開口部223をそれぞれ画定する第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの一部は、中心軸AAに対して実質的に垂直な第2方向に沿って折り曲げられ、中心軸AAに沿って開口部223の長さを大きくすることにより、骨インプラント1の長さを中心軸AAに沿って近位端から遠位端へ向かって大きくし得る。
【0111】
ここで、図11を参照すると、骨インプラント1は、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2jを含むことができ、かつ、インプラント本体15を含むことができ、インプラント本体15は、各開口部30(図10に関連して上記された方法による圧縮開口部223を含む)を画定する、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bを含む。骨インプラント1は、更に、第2型の開口部(即ち、長手方向Lに沿って細長の開口部)として構成される開口部32を含むことができる。開口部32は、長手方向Lに沿って圧縮開口部223から離間し得る。例えば、開口部32は、近位方向又は遠位方向に沿って、圧縮開口部223から離間し得る。開口部32と圧縮開口部との間に、横断方向Tに沿ってインプラント本体15を通って伸びる他の開口部が配設されないように、開口部32は、圧縮開口部223に隣接して配設されてもよく、又は、骨インプラント1は、開口部32と圧縮開口部223との間に1つ又は複数の開口部30を画定してもよい。
【0112】
このため、手術中に、第1骨固定要素は、第1の開口部30を通して、骨折位置の第1の側の骨内に挿入される。第2骨固定要素は、第1の側の反対にある、骨折位置の第2の側の細長開口部32を通して挿入される。したがって、骨折位置は、長手方向Lに沿って、第1骨固定要素と第2骨固定要素との間に配置される。第1及び第2骨固定要素は、更に、圧縮開口部223の両側に配設され得る。したがって、圧縮開口部223は、長手方向Lに沿って、第1骨固定要素と第2骨固定要素との間に配設される。圧縮開口部223を画定する第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの一部は、選択方向に折り曲げられ得る。これにより、第1及び第2骨固定要素を互いに向かって付勢する力が生じる。第2骨固定要素は、第1及び第2骨片が互いに向かって引き寄せられるように、細長開口部32に沿って乗り得る。このため、細長開口部32は、第1及び第2骨片の互いに向かう圧縮を誘導し得る。ついで、第2骨固定要素は、骨インプラント1を骨に取り付けるように、インプラント本体15に固定され得る。例えば、第2骨固定要素は、下にある骨に対してインプラント本体15を圧迫する圧迫ネジとして構成され得る。あるいは、第2骨固定要素は、ネジ山を有することができ、細長開口部32中でインプラント本体15と螺合して、下にある骨に対して骨インプラント1を取り付けるように構成されることができる。
【0113】
あるいは、開口部223は、第1及び第2骨片を互いに離れるように移動させるように構成される伸延開口部として使用され得る。例えば、開口部223を画定する第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの一部は、中心軸AAに対して角度がずれた第2方向に折り曲げられ得る。これにより、第1及び第2骨固定要素を互いから離れるように付勢する力が生じる。第2骨固定要素は、第1及び第2骨片が互いに向かって引き寄せられるように、細長開口部32に沿って乗り得る。このため、細長開口部32は、第1及び第2骨片の互いに離れる伸延を誘導し得る。ついで、第2骨固定要素は、骨インプラント1を骨に取り付けるように、インプラント本体15に固定され得る。例えば、第2骨固定要素は、下にある骨に対してインプラント本体15を圧迫する圧迫ネジとして構成され得る。あるいは、第2骨固定要素は、ネジ山を有することができ、細長開口部32中でインプラント本体15と螺合して、下にある骨に対して骨インプラント1を取り付けるように構成されることができる。
【0114】
ここで、図12A〜Bを参照すると、骨インプラント1は、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2kを含むことができ、本願明細書に記載された方法において、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bを画定するワイヤ101を含むインプラント本体15を含むことができる。骨インプラント1は、インプラント本体15を通って伸びる、第1の少なくとも1つの開口部、例えば、第1の複数の開口部を含む第1領域1aを画定し得る。骨インプラント1は、更に、インプラント本体15を通って伸びる、第2の少なくとも1つの開口部、例えば、第2の複数の開口部を含む第2領域1bを画定し得る。骨インプラント1は、更に、近位端16と遠位端17との間のインプラント1の長さ、又は、骨インプラントの第1の複数の開口部のうちの少なくとも1つの、他の開口部のうちの少なくとも1つに対する角度方向、のうちの少なくとも一方を調節するように構成された遷移領域を画定する第3領域1cを画定し得る。
【0115】
第1領域1aにおける第1の複数の開口部は、1つ又は複数の開口部30、1つ又は複数の開口部32、1つ又は複数の圧縮開口部223、又は本願明細書に記載された任意の別の開口部を含み得る。骨インプラント1の第1領域1aにおける開口部のうちの少なくとも2つ以上(最大で全ての開口部)は、中心軸AAに沿って、互いに離間していることができ、中心軸AAに沿って、互いに整列された各中心軸を規定することができる。このため、第1領域1aは、中心軸AAに沿って細長であり得る。第2領域1bにおける第2の複数の開口部は、図示されたように、1つ又は複数の開口部30を含むことができるか、又は代替的に、1つ又は複数の開口部32、1つ又は複数の圧縮開口部223若しくは、本願明細書に記載された任意の別の開口部を画定することができる。骨インプラント1の第2領域1bにおける開口部のうちの少なくとも2つ以上(最大で全ての開口部)は、中心軸AAに対して角度がずれた(例えば、垂直な)第2方向に沿って互いに離間していることができ、第2方向に沿って、互いに整列される各中心軸を規定することができる。
【0116】
第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bは、遷移領域1cから第2領域1bに伸び得る。第2領域1bにおける開口部30は、第1ワイヤセグメント101aを(それ故、ワイヤ101を)、対応するネック40を画定するように、例えば、円形であり得る経路に沿って、第1ワイヤセグメント101aの基部から中心軸AAに向かって、そして、基部に向かって、反時計周りに曲げることにより、構成され得る。第2領域1bは、本願明細書に記載された開口部を画定し得るが、第2領域が、インプラント1を骨に取り付けるように構成された任意の適切な構造、例えば、プロング20等を有する取付位置を画定し得ることが理解されるべきである。ついで、第1ワイヤセグメント101aは、例えば、曲がった経路、又は、任意の代替的な形状の経路に沿って、ネック40から第2基部に中心軸AAに向かって伸び得る。第1ワイヤセグメント101aは、対応するネック40を画定するように、例えば、円形であり得る経路に沿って、第1ワイヤセグメント101aの第2基部から中心軸AAに向かって、そして、第2基部に向かって、反時計周りに曲げられ得る。このプロセスは、所望する数の第1ワイヤセグメント101aの開口部30が画定されるように、所望する回数だけ繰り返されてよい。第1ワイヤセグメント101aは、基部と接触することができ、本願明細書に記載された任意の方法でこの基部に付着されることができるか、又は、ネックにおいてこの基部から離間していることができる。
【0117】
第2領域1bにおける開口部30は、第2ワイヤセグメント101bを(それ故、ワイヤ101を)、対応するネック40を画定するように、例えば、円形であり得る経路に沿って、第2ワイヤセグメント101bの基部から中心軸AAに向かって、そして、基部に向かって、時計周りに曲げることにより、更に構成され得る。ついで、第2ワイヤセグメント101bは、例えば、曲がった経路、又は、代替的な形状の経路に沿って、第2基部に対して中心軸に向かって伸び得る。第2ワイヤセグメント101bは、対応するネック40を画定するように、例えば、円形であり得る経路に沿って、第2基部から中心軸AAに向かって、そして、第2基部に向かって、時計周りに曲げられ得る。このプロセスは、第2領域1bにおいて、所望する数の第2ワイヤセグメント101bの開口部30が画定されるように、所望する回数だけ繰り返されてよい。第2ワイヤセグメント101bは、基部に接触することができ、本願明細書に記載された任意の方法でこの基部に付着されることができるか、又は、ネックにおいてこの基部から離間していることができる。
【0118】
骨インプラント1は、上記された方法において、骨インプラント1の少なくとも一部のサイズ及び/又は形状を調節するために、圧縮開口部223を画定し得る。骨インプラント1は、更に、第1領域1aと第2領域1bとの間の遷移領域1cにおいて、調節ゾーン237を画定し得る。第2領域1bは、第1選択方向、例えば、遠位方向に沿って、第1領域1aから離間しており、第1領域1aは、第1選択方向と反対の第2選択方向、例えば、近位方向に沿って、第2領域1bから離間していることが認識される。ワイヤセグメント101a及び101bはそれぞれ、第1部分128a及び128bをそれぞれ含むことができ、それらは、(例えば、第2領域1bから離れる)第2選択方向及び中心軸AAから離れる側方Aを含む方向に沿って、第1領域1aに対して(例えば、そこから)伸びる。このため、ワイヤセグメント101a及び101bはそれぞれ、側方Aに関してそれ自体が重なり合うように、各第1部分128a及び128bにおいてそれ自体に曲げ戻され得る。ワイヤセグメント101a及び101bはそれぞれ、第2部分128c及び128dをそれぞれ含むことができ、それらは、第1選択方向及び中心軸AAから離れる側方Aを含む方向に沿って、各第1部分128a及び128bに対して(例えば、そこから)伸びる。例えば、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの第2部分128c及び128dはそれぞれ、第1領域1aに対して、曲がっていることができ、凸状であることができる。
【0119】
調節ゾーン237は、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの第1及び第2部分128a〜dを含むことができ、骨インプラント13を伸ばすために、伸長でき、インプラント13を短くするために、短縮できる、アコーディオン構造をまねることができる。このため、調節ゾーン237は、中心軸AAに沿って近位端16と遠位端17との間でインプラント1の長さを長くする伸長ゾーン、並びに、中心軸AAに沿って近位端16と遠位端17との間でインプラント1の長さを短くする短縮ゾーンであるように構成され得る。例えば、第1及び第2部分128a〜dは、中心軸AAに沿って、インプラント1を長くするために曲げられ得る。例えば、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの第1部分128a及び128bは、向け直されて、真っ直ぐにされ得る。更に、第2部分128c及び128dは、より直線的に伸びるように向け直され得る。あるいは、第1及び第2部分128a〜dは、中心軸AAに沿って、インプラント1の長さを短くするために曲げられ得る。
【0120】
上記されたように、例えば、第1領域1a又は第2領域1bにおいて、インプラント本体15を通って伸びる開口部のそれぞれは、各開口部に対して近位又は遠位に配設された、少なくとも1つのネックにより少なくとも部分的に画定され得る。第1領域1aの開口部30、223及び32は、第1ネック40及び第2ネック42により少なくとも部分的に画定されるように図示される。第2領域1bの開口部30は、各ネック40により部分的に画定されるように図示される。上記されたように、ネック40及び42は、当接位置を画定し得る。一実施形態に基づいて、ネック40及び42のうちの1つ又は複数(最大で全てのネック40及び42)は、取付ゾーンを画定しない。むしろ、第1領域1aにおけるネック40及び42のうちの1つ又は複数(最大で全てのネック40及び42)は、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bが当接するが、互いに付着しないような、当接ゾーンを画定し得る。第1領域1bにおけるネック40のうちの1つ又は複数(最大で全てのネック40)は、対応する開口部30を画定するように、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bが当接するが、その各基部に付着しないような、当接ゾーンを画定し得る。
【0121】
骨インプラント1は、第1領域1aが第2骨片SBに被さり、第2領域1bが第1骨片FBに被さり、遷移領域1cが骨折位置FLに被さるように、骨Bに対して置かれ得る。ワイヤセグメント101a及び101bは、第2領域1bの開口部30に対して近位の位置(例えば、ワイヤセグメント101a及び101bが、開口部30を画定する領域等)において、操作され(例えば、曲げられ)、骨固定要素(例えば、骨ネジ)が開口部30を通って、下にある骨内に挿入される軌道を画定する、開口部30の各中心軸CAの角度を独立して調節し得る。開口部30のうちの1つ又は複数(最大で全ての開口部30)の中心軸CAの角度は、骨インプラント13の中心軸AAに対して垂直な方向に伸びるインプラント面に関して変化させ得る。したがって、第2領域1bの開口部30は、開口部30を通って、骨B内に挿入される骨固定要素の軌道が調節されるのを可能にする、角度可変開口部と呼ばれ得る。
【0122】
図12Bに図示されたように、ワイヤ101は(それ故、インプラント本体15は)、近位端16と遠位端17との間で、(長手方向及び側方に対して垂直な)インプラント本体15としての横断方向Tにおける位置を変化させる起伏波形を画定し得る。例えば、骨対向面19aは、その長さに沿った第2の複数の選択領域235bに対して、内側横断方向Tに沿って離間している、近位端と遠位端17との間の、骨対向面19aの長さに沿った第1の複数の選択領域235aを有し得る。このため、第1の複数の選択領域235aは、下にある骨に当接するように構成され得る一方で、第2の複数の選択領域235bは、第1の複数の選択領域235aが、下にある骨に当接するとき、骨から離間していることができる。このため、起伏波形は、例えば、第2の複数の選択領域における、骨B上での骨インプラント1の接触の可能性を最小化することにより、骨インプラント1と骨の外側面との間の改善された流体フローを可能にすることができる。
【0123】
ここで、図13A〜Cを参照すると、骨インプラント1は、別の実施形態に基づいて構成された骨プレート2lを含むことができ、本願明細書に記載された方法において、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bを画定するワイヤ101を含むインプラント本体15を含むことができる。骨インプラント1は、概ね、図12A〜Bに図示された骨プレート2kに関連して上記されたのと同様に構成されることができるため、調節ゾーン237を画定することができる。調節ゾーン237は、上記された種類の伸長ゾーン又は短縮ゾーンであることができる。ワイヤセグメント101a〜bの第1部分128a〜bは、中心軸AAから離れる側方Aに沿って、例えば、第1インプラント領域1aに対して(例えば、そこから)伸びることができ、更に、(例えば、第2インプラント領域1bに向かう)第1選択方向に沿って伸びることができる。このため、近位端16と遠位端17との間で、インプラント本体1を伸長又は短縮させるために、調節可能である(例えば、曲げられる)ように、ワイヤセグメント101a及び101bが、遷移領域1cにおいて起伏を形成していてよいことが理解されるべきである。
【0124】
更に、上記されたように、骨インプラント1は、例えば、第2領域1bにおいて、インプラント本体15を通って伸び、骨固定要素を受容するように構成される、角度可変開口部239を画定してもよく、また、別の実施形態に基づいて構成されてもよい。
【0125】
第2領域1bにおける開口部239は、第1開口部239a及び第1開口部239aの一端を画定する対応するネック40を画定するように、第1ワイヤセグメント101aを(それ故、ワイヤ101を)、第1反時計周り経路に沿って、第1ワイヤセグメント101aの基部から、中心軸AAに向かって、そして、基部に向かって、曲げることにより構成され得る。この経路は、対応する第1開口部239aが同様に涙滴型であるように、例えば、涙滴型であり得る。ついで、第1ワイヤセグメント101aは、第2開口部239bを画定するように、中心軸AAに向かう第2時計周り経路、例えば、涙滴型経路に沿って、基部(それ故、第1開口部239aのネック40)から伸びることができる。第1ワイヤセグメント101aは、第2開口部239bのネック40を画定するように、反時計周り経路に沿って、第1開口部239aを画定する第1ワイヤセグメント101aの表面、例えば、側方に最内側の表面により画定され得る第2基部に対して伸び得る。第1及び第2開口部239a及び239bは、ネック40が第1及び第2開口部239a〜bの反対側にあるように、反転され得る。例えば、第1開口部239aのネック40は、第1開口部239aの近位に配設されることができ、第2開口部239bのネック40は、第2開口部239bの遠位に配設されることができる。このプロセスは、所望の数の第1及び第2開口部239a及び239bを作り出すために、所望する回数だけ繰り返されてよい。経路は、涙滴型であるとして本願明細書に記載されたが、任意の適切な別の形状の経路が想定されることが理解されるべきである。
【0126】
第2領域1bにおける開口部239は、第1開口部239a及び第1開口部239aの一端を画定する対応するネック40を画定するように、第2ワイヤセグメント101bを(それ故、ワイヤ101を)、第1時計周り経路に沿って、第2ワイヤセグメント101bの基部から、例えば、涙滴形であり得る経路に沿って、中心軸AAに向かって、そして、基部に向かって、曲げることにより構成され得る。ついで、第2ワイヤセグメント101aは、第2開口部239bを画定するように、中心軸AAに向かう第2時計周り経路に沿って、基部(それ故、第1開口部239aのネック40)から伸びることができる。第2ワイヤセグメント101bは、第2開口部239bのネック40を画定するように、反時計周り経路に沿って、第1開口部239aを画定する、既に形成された第1ワイヤセグメント101aの表面、例えば、側方に最内側の表面により画定され得る第2基部に対して伸び得る。このプロセスは、所望の数の第1及び第2開口部239a及び239bを作り出すために、所望する回数だけ繰り返されてよい。第1及び第2開口部239a及び239bは、ネック40が第1及び第2開口部239a〜bの反対側にあるように、反転され得る。例えば、第1開口部239aのネック40は、第1開口部239aの近位に配設されることができ、第2開口部239bのネック40は、第2開口部239bの遠位に配設されることができる。このプロセスは、所望の数の第1及び第2開口部239a及び239bを作り出すために、所望する回数だけ繰り返されてよい。経路は、涙滴型であるとして本願明細書に記載されたが、任意の適切な別の形状の経路が想定されることが理解されるべきである。
【0127】
第1及び第2開口部239a及び239bは、側方に沿って伸び、長手方向Lに沿って互いに離間している、各第1及び第2列241a及び241bに配置され得る。一方の列における1つの涙滴型開口部239は、他方の列における涙滴型開口部239の開始部を形成する。例えば、涙滴型開口部239のネック40におけるワイヤ101は、当接点において互いに固定されないため、必要に応じて、開口部239の角度を調節するために、ワイヤ101を操作することが可能である。例えば、ワイヤセグメント101a及び101bは、第2領域1bの開口部239に対して近位の位置(例えば、ワイヤセグメント101a及び101bが、各開口部239及びネック40を画定する領域等)において、操作され(例えば、曲げられ)、骨固定要素(例えば、骨ネジ)が開口部239を通って、下にある骨内に挿入される軌道を画定する、開口部239の各中心軸CAの角度を独立して調節し得る。開口部239のうちの1つ又は複数(最大で全ての開口部239)の中心軸CAの角度は、骨インプラント13の中心軸AAに対して垂直な方向に伸びるインプラント面に関して変化させ得る。したがって、第2領域1bの開口部239は、開口部30を通って、骨B内に挿入される骨固定要素の軌道が調節されるのを可能にする、角度可変開口部と呼ばれ得る。
【0128】
中心軸AAに対して垂直な方向に伸びる面に対し、側方Aに沿ってインプラント1を広げるか、又は、長手方向Lに沿ってインプラント1を伸長するために、ワイヤセグメント101a及び101bが各開口部239及びネック40を画定する領域を含む、第2領域1bの開口部239に対して近位の位置において、ワイヤセグメント101a及び101bが、更に操作され得る(例えば、曲げられ得る)ことが更に理解されるべきである。ただし、当業者であれば理解するように、ユーザが、第1及び第2列241a及び241bにおける涙滴型開口部239を操作する場合は、第1及び第2列241a及び241bの他の開口部のうちの、隣接する開口部は、もはや骨固定要素受容用の開口部として使用できないように変形され得る。
【0129】
図13Bに図示され、図12Bに関連して上記されたように、ワイヤ101は(それ故、インプラント本体15は)、近位端16と遠位端17との間で、(長手方向及び側方に対して垂直な)インプラント本体15としての横断方向Tにおける位置を変化させる起伏波形を画定し得る。例えば、骨対向面19aは、その長さに沿った第2の複数の選択領域235bに対して、内側横断方向Tに沿って離間している、近位端と遠位端17との間の、骨対向面19aの長さに沿った第1の複数の選択領域235aを有し得る。このため、第1の複数の選択領域235aは、下にある骨に当接するように構成され得る一方で、第2の複数の選択領域235bは、第1の複数の選択領域235aが、下にある骨に当接するとき、骨から離間していることができる。このため、起伏波形は、例えば、第2の複数の選択領域における、骨B上での骨インプラント1の接触の可能性を最小化することにより、骨インプラント1と骨の外側面との間の改善された流体フローを可能にすることができる。
【0130】
あるいは、図13Cに図示されたように、インプラント本体15の骨対向面19aは、近位端16と遠位端17との間で、実質的に直線状であり得る。例えば、第1領域1aにおける骨対向面19aは、第2領域1bにおける骨対向面19aに対して、角度がずれている。一実施形態に基づいて、第2領域における骨対向面19aは、第1領域1aから離れる遠位方向に沿ったその長さに沿って、外側横断方向に沿って伸びる。
【0131】
骨インプラント1は、上記されたように、1つ又は複数の骨プレート14a〜l及びそれらの代替手段として構成されることができるが、骨インプラント1は、任意の適切な別の骨インプラントとして代替的に構成されることができることが理解されるべきである。例えば、骨インプラント1は、骨Bの髄導管内に挿入され、本願明細書に記載された方法において、第1及び第2骨片FB及びSBに固定されるように構成される髄内釘として構成され得る。
【0132】
ここで概ね、図14A〜Dを参照すると、骨インプラントシステムは、骨インプラント1を骨に取り付けるように構成された1つ又は複数の骨固定要素209に加えて、本願明細書に記載された任意の実施形態に基づいて構成された、骨インプラントアッセンブリ及び骨インプラントのいずれかを単独で、又は、組み合わせで含み得る。骨固定要素209は、ネジとして図示されるが、固定要素は、任意の適切な別の実施形態に基づいて構成され得ることが理解されるべきである。例えば、骨固定要素は、骨ピン、リベット、ステープル等として構成され得る。このため、骨固定要素は、開口部30を通って、骨内に挿入されるように構成される。上記されたように、図14A〜Dに図示された開口部は、開口部30、32、115、223又は本願明細書に記載された任意の代替的に構成された開口部として構成され得ることが理解されるべきである。
【0133】
概ね、図7A〜Bに関連して上記されたように、骨固定要素209は、頭部209aと、遠位方向に沿って頭部に対して(例えば、頭部209aから)外側に伸びるシャフト209bと、を含むことができ、かつ、頭部209aが骨インプラント1を骨に取り付けるように、骨内に挿入されるように構成される。骨固定要素209は、更に、頭部209aとシャフト209bとの間に配設されたネックを含み得る。例えば、頭部209aは、骨インプラント1を骨に圧迫することができ、又は、骨インプラント1を骨に対して圧迫させることなく、骨インプラント1に取り付けることもでき、これによって、骨に対する移動に対してインプラント1を固定する固定構造を提供することができる。骨固定要素209は、必要に応じて、寸法決定され得る。例えば、シャフト209bは、例えば、おおよそ1.5mm以上〜おおよそ3.0mm以下の直径を有してもよく、頭部209aは、2.0mm〜4.5mmの、シャフト209bの中心軸に対して垂直な方向に沿った直径又は別の断面寸法を有してもよい。このため、頭部209aは、シャフト209bより大きな直径を有することができ、又は代替的に、シャフト209bに対して実質的に等しい直径を有することができる。頭部209aは、更に、骨固定要素209を骨内に打ち込む打ち込み器具からの捩じり力を受容するために、打ち込み器具と係合するように構成されたソケット又は別の打ち込み機構(driving mechanism)を画定し得る。ソケットは、この器具が固定要素を回転させるように切り込みが入っていてよい。適切なソケット形状としては、三角形、正方形、五角形、六角形、八角形及び他の多角形、星形等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
ここで、図14Aを参照すると、骨固定要素209は、頭部209a及びシャフト209bを画定するために、中心軸221から互いに離間している連続ループ220を画定するように、中心軸221を中心にらせん状に巻かれた、上記された種類のワイヤ211として構成され得る。ループ220は、各ループがネジ山221を画定するように、互いに当接し得る。ループ220は、隣接するループ220間にぴったり合うように形作られた、第1及び第2ワイヤセグメント101a〜bのネジ山を有さない内側表面34を受容するように構成される。このため、第1方向における骨インプラント1に対する骨固定要素209の回転によって、内側表面34を、連続ループ220間に乗らせることにより、頭部209aが開口部30内へと打ち込まれるため、シャフト209bが下にある骨内に打ち込まれる。第1方向の反対の第2方向における骨インプラント1に対する骨固定要素209の回転によって、内側表面34を、連続ループ220間に乗らせることにより、頭部209aが開口部30外へと抜き出される(drive out)ため、シャフト209bが下にある骨外へと抜き出される。
【0135】
ここで、図14Bを参照すると、骨固定要素209は、代替的に、頭部209aの外側面に形成されたネジ山221a及びシャフト209bの外側面に形成されたネジ山221bを画定し得る。頭部209aの外側面の少なくとも一部分(最大でその全体)は、頭部209aがシャフト20bに向かう方向に沿って伸びるにつれ、中心軸221に向かって、先細、例えば、円錐状に先細であり得る。代替的に又は更に、頭部209aの外側面の少なくとも一部分(最大でその全体)は、頭部209aがシャフト209bに向かう方向に沿って伸びるにつれ、中心軸221に対して実質的に平行に伸び得る。内側表面34は、更に、ネジ山を有し得る。例えば、内側表面34の少なくとも一部分(最大でその全体)は、内側表面34が外側面19bから骨対向面19aに向かう方向に沿って伸びるにつれ、開口部30の中心軸CAに向かって先細、例えば、円錐状に先細であり得る。代替的に又は更に、内側表面34の少なくとも一部分(最大でその全体)は、内側表面34が外側面19bから骨対向面19aに向かう方向に沿って伸びるにつれ、開口部30の中心軸CAに対して実質的に平行に伸び得る。頭部209aのネジ付き外側面221aは、ネジ付き内側表面34と螺合するようなサイズである。このため、第1方向における骨インプラント1に対する骨固定要素209の回転によって、頭部209aが開口部30内へと打ち込まれるため、ネジ付きシャフト209bが下にある骨内に打ち込まれる。第1方向の反対の第2方向における骨インプラント1に対する骨固定要素209の回転によって、頭部が開口部30外へと抜き出されるため、シャフト209bが下にある骨外へと抜き出される。
【0136】
ここで、図14Cを参照すると、上記されたように、頭部209aは、下にある骨に対して骨インプラント1を圧迫するように構成され得る。例えば、頭部209aは、ネジ山を有さなくてもよく、更に、内側表面34も、ネジ山を有さなくてもよい。シャフト209bは、上記された方法において、ネジ山を有し得る。頭部209aの外側面並びにワイヤセグメント101a及び101bの内側表面34は、必要に応じて、形作られることができ、互いに対応するように形作られることができることが理解されるべきである。したがって、内側表面34の大部分(最大でその全体)は、頭部209aの外側面に当接するように構成され得る。一実施形態に基づいて、頭部209aが内側表面34中でぴったり合うように、頭部209aの外側面は、凸状であることができ、内側表面34は、凹状であることができる。当然、内側表面34が、頭部209aの外側面中でぴったり合うように構成されるように、頭部209の外側面が、凹状であることもでき、内側表面34が、凸状であることもできることが、理解されるべきである。手術中に、シャフト209bは、シャフト209bが骨内に挿入されるまで、開口部30を通って挿入される。シャフト209bは、頭部209aの外側面が、第1及び第2ワイヤセグメント101a及び101bの内側表面34と接触するまで、例えば、ネジ又は他の方法で、更に、骨内に挿入され得る。このため、骨内へのシャフト209bの更なる挿入によって、頭部209aの外側面が、第1及び第2ワイヤセグメント101a〜bを骨30に対して圧迫する。
【0137】
ここで、図14Dを参照すると、頭部209aは、第1及び第2隆起部224a及び224bを画定することができ、第1及び第2隆起部224a及び224bは、第1隆起部224aと第2隆起部224bとの間に配設された溝207を画定するように、遠位方向に沿って互いに離間している。溝207は、隆起部224a〜bに対して、中心軸221に向かって凹んでいる。例えば、溝207は、曲がった凸状であってもよく、更にネジ山を有さなくてもよく、ネジ付き内側表面34が互いに離間している距離よりわずかに小さい断面寸法を画定してもよい。第1隆起部224aは、第1隆起部224bより更に中心軸221の外側に伸びることができるが、第1及び第2隆起部224a〜bは、中心軸221から実質的に等しい距離だけ外側に伸び得ることが理解されるべきである。頭部209aは、溝207の遠位位置においてネジ山を有し得る。例えば、第2隆起部224bは、ネジ山を有し得る。内側表面34も、ネジ山を有することができ、第2隆起部224bのネジ山と螺合するように構成されることができる。
【0138】
頭部209aの外側面は、ネジ付き内側表面34と螺合するように構成されたネジ山221を画定し得る。手術中に、ネジ山を有し得るシャフト209bは、開口部30を通って、骨内に挿入される。骨固定要素209は、シャフト209bを骨内に打ち込むために、ネジ付き第2隆起部224bが内側表面34に当接するまで、回転又は並進させられ得、その点において、骨固定要素209は、ネジ付き第2隆起部224bをネジ付き内側表面34と螺合させるために、第1方向に回転される。第2隆起部224bが、内側表面34が例えば、側方Aに沿って互いに離間している距離より大きい直径を有するため、第2隆起部224bは、ワイヤセグメント101a〜bを、互いに拡げさせて、ネジ付き第2隆起部224bがネジ付き内側表面34と螺合する。骨固定要素209は、溝207が内側表面34と整列するまで、更に、第1方向に回転され得、その点において、弾性的な可撓性ワイヤセグメント101a〜bからのバネ力が、ワイヤセグメント101a〜bを、互いに向かって引き寄せ、溝207に固定させる。溝207は、骨固定要素が、骨インプラント1に対して移動可能であるように、第1隆起部224aと第2隆起部224bとの間で、内側表面34を緩く捕捉し得る。したがって、骨折位置において、骨の骨片のうちの少なくとも1つが、他の骨片に対して移動可能であり(他に骨片間の微小移動(micromotion)として知られている)、これにより、骨折の治癒を促進し得る。
【0139】
本願明細書に記載された種類の骨インプラント1、骨インプラントアッセンブリ及び骨インプラントシステムは、同じ及び/又は異なる寸法を有することができ、キットの一部でもよく、輸送、保存、手術室での選択容易性等のために開放可能なケースに収容されてもよい。ユーザ、例えば、外科医又は獣医は、骨の治癒のために安定にされる骨、骨折の種類等に基づいて、任意の骨インプラントを選択し得る。
【0140】
骨インプラント1は、骨の治癒を助けるのに使用され得る。骨プレート2a〜2lのうちの1つ又はその組み合わせが、行われる外科手術の種類に基づいて使用され得る。骨インプラント1は、当然、必要に応じて、他の従来の骨インプラントと共に使用され得る。行われる外科手術に基づいて骨インプラントを選択したユーザ、例えば、外科医又は獣医師は、骨インプラントが骨折を安定にし、骨の治癒を助けるために骨に固定される、外科手術を行うのに必要な任意の工程を行い得る。
【0141】
手術室では、固定するための骨を準備し、骨の種類、骨折の種類等に基づいて適切なインプラントを選択する。必要に応じて、ユーザは、骨の形状により正確にマッチさせるために、骨インプラント1を曲げ得る。骨インプラント1は、上記されたように、全ての方向に容易に変形され得る。ついで、ユーザは、骨片を互いに対して安定して固定するために、骨折を縮小させ、ついで、骨固定要素を開口部内に挿入するであろう。
【0142】
ユーザは、骨インプラント1の開口部を通す固定要素の挿入角度を変化させてもよい。一実施形態では、これは、従来の角度可変技術を使用して開口部に対して角度付けた、固定要素の貫入であってもよい。例えば、開口部の中心軸に対して複数の角度で、骨固定要素をネジ方式で支持するように、開口部のうちの1つの中へ、インサートが挿入され得る。別の選択肢は、上記されたように、開口部自体の中心軸の方向を調節するために、一方又は両方のワイヤセグメントを曲げることである。中心軸の角度をインプラント面に対して変化させることを助けるために、ドリルガイドが、個々の孔に前処理され得る。ドリルガイドは、ある開口部が他の開口部から独立したタイミングで適合されるのを可能にするために、目立たない(discreet)ドリルガイドであり得る。
【0143】
骨インプラント1は、所定の方法において、1つ又は複数のワイヤセグメントを曲げることにより作製され得る。本願明細書に記載されたワイヤに適した材料の例としては、スチール、チタン、チタン合金、例えば、ニチノール及びGummetal(登録商標)、マグネシウム、ガラス金属、プラスチック、繊維強化プラスチック、PEEK及び生物資源のワイヤが挙げられる。他の適切な材料が当然使用可能である。ワイヤ101は、0.2mmから5mmの範囲の直径を有し得る。インプラントの剛性及び強度は、直径が大きくなるほど向上し得る。一実施形態では、ワイヤは、0.6mmの直径を有する。別の実施形態では、ワイヤは、1.25mmの直径を有する。別の実施形態では、ワイヤは、1.5mmの直径を有する。更なる実施形態では、ワイヤは、1.8mmの直径を有する。当業者であれば理解するように、他の直径も当然使用可能である。
【0144】
骨インプラントを製造するために、ワイヤ101は、インプラントの原型(precursor)を形成するために、ワイヤ曲げ機械により、所定の形状に曲げられ得る。ワイヤの形状は、インプラントが使用される骨の種類に基づいて選択される。ついで、インプラントの原型は、プレス装置内を通過させられる。プレスにおいて、場合により、三次元形状が、適切な型上でワイヤを曲げることにより形成されてもよい。インプラントの原型の一部は、場合により、開口部形成構造周囲でプレスされてもよい。例えば、開口部形成構造は、開口部にネジ山を形成するために設けられた、該開口部形成構造上に形成されたネジ山を有してもよい。その後、インプラントの原型は、本願明細書に記載された任意の種類の骨インプラントを形成するために、互いの当接点を固定するために、更なる装置内を通過させられる。ついで、インプラントは、必要に応じて、更に処理され得る。例えば、インプラントは、ワイヤセグメントの種々の表面、例えば、骨対向面及び反対の外側面を平坦にするために加熱及びプレスされてもよい。別の例では、インプラント1は、例えば、ダイヤモンド様カーボンによりコーティングされてもよい。別の例では、骨インプラント1は、例えば、陽極化成、電解研磨等を使用して化学的に処理されてもよい。粉砕、孔開け、切断等に関する更なる処理が最少化されるため、骨インプラント1の製造では、廃棄物を最少化できる。
【0145】
この説明が、例示のためのみであること、変更及び改造が、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態になされ得ることが、当然理解されるであろう。
【0146】
〔実施の態様〕
(1) 長手方向軸に沿って細長の骨インプラントであって、該骨インプラントは、
第1及び第2サイドワイヤセグメントを含むインプラント本体を備え、該第1及び第2サイドワイヤセグメントが、互いに離間して、該インプラント本体を通って伸びる少なくとも1つの開口部を画定し、該第1及び第2ワイヤセグメントが、該少なくとも1つの開口部の少なくとも一端において互いに付着される、骨インプラント。
(2) 前記第1及び第2ワイヤセグメントが、前記少なくとも1つの開口部の前記一端においてネックを画定し、前記第1及び第2ワイヤセグメントが、該ネックにおいて互いに付着される、実施態様1に記載の骨インプラント。
(3) 前記少なくとも1つの開口部の前記端が、第1端であり、前記第1及び第2ワイヤセグメントが、該第1端の反対側にある、前記少なくとも1つの開口部の第2端において互いに更に付着される、実施態様1又は2に記載の骨インプラント。
(4) 前記第1及び第2ワイヤセグメントが、前記第1端において第1ネックを画定し、前記第1及び第2ワイヤセグメントが、前記第2端において第2ネックを画定し、前記第1及び第2ワイヤセグメントが、該第1及び第2ネックのそれぞれにおいて互いに付着される、実施態様1に記載の骨インプラント。
(5) 前記第1及び第2ワイヤセグメントのそれぞれが、前記第1及び第2ワイヤセグメントのうちの他方の内側表面に面する内側表面を画定し、該内側表面が、前記少なくとも1つの開口部においてネジ山を有する、実施態様1〜4のいずれかに記載の骨インプラント。
【0147】
(6) 前記インプラント本体が、近位端、及び前記長手方向軸に沿って該近位端から離間している遠位端を画定し、前記第1及び第2ワイヤセグメントの少なくとも一方が、該遠位端において自身の周りで曲がって、対応する開口部を画定し、該対応する開口部が、骨固定要素を受容して前記骨インプラントを骨に取り付けるように構成される、実施態様1〜5のいずれかに記載の骨インプラント。
(7) 前記ワイヤが、ハブ、及び該ハブから放射状に伸びる複数の前記インプラント本体を画定する、実施態様1〜6のいずれかに記載の骨インプラント。
(8) 前記インプラント本体が、骨対向面、及び該骨対向面から離間している外側面を画定し、第1及び第2ワイヤセグメントのそれぞれが、骨に取り付けるように構成された取付位置を少なくとも部分的に画定する、実施態様1〜7のいずれかに記載の骨インプラント。
(9) 第1方向に沿って細長の第1領域と、該第1方向とは角度がずれている第2方向に沿って細長の第2領域と、該第1領域と該第2領域との間に配設された遷移領域と、を更に含み、前記少なくとも1つの開口部が、該第1領域、及び該第2領域が有する前記取付位置を通って伸び、前記第1及び第2ワイヤセグメントが、該遷移領域において、調節ゾーンを画定し、前記第1及び第2ワイヤセグメントが、該遷移領域において、前記長手方向軸に対して平行な方向に沿って、長さを選択的に増減するように調節可能である、実施態様8に記載の骨インプラント。
(10) 前記取付位置が、前記第1及び第2ワイヤセグメントのそれぞれにより画定される第1及び第2プロングを備え、該プロングが、前記少なくとも1つの開口部において、前記第1及び第2ワイヤセグメントにより画定された平面に対して、前記外側面から前記骨対向面へ向かう方向に沿って伸びる、実施態様8又は9に記載の骨インプラント。
【0148】
(11) 前記少なくとも1つの開口部が、第1開口部であり、前記取付位置が、前記第1及び第2ワイヤセグメントにより画定された第2開口部を備える、実施態様8又は9に記載の骨インプラント。
(12) 前記第1及び第2開口部が、前記第1開口部と前記第2開口部との間の位置において画定されたネックにより互いに離間され、該ネックにおいては、前記第1及び第2ワイヤセグメントの少なくとも一方が、前記第1及び第2ワイヤセグメントの他方に向かって伸びている、実施態様11に記載の骨インプラント。
(13) 前記第1及び第2ワイヤセグメントが、互いに一体かつモノリシックであり、1本のワイヤを形成している、実施態様1〜12のいずれかに記載の骨インプラント。
(14) 前記第1及び第2ワイヤセグメントが、互いに別々であり、2本の別々のワイヤを画定する、実施態様1〜12のいずれかに記載の骨インプラント。
(15) 複数の前記インプラント本体を更に備え、各インプラント本体の前記第1及び第2ワイヤセグメントが、オス側及びメス側の起伏を画定し、前記インプラント本体のうちの1つの該オス側の起伏のうちの少なくとも1つが、前記インプラント本体のうちの別の1つの該メス側の起伏のうちの少なくとも1つに受容され、該オス側の起伏のうちの該少なくとも1つと該メス側の起伏のうちの該少なくとも1つとの間の接合面において、前記インプラント本体のうちの該別の1つに付着される、実施態様1〜14のいずれかに記載の骨インプラント。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D