特許第6367218号(P6367218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367218
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】地絡故障電流インタフェース
(51)【国際特許分類】
   H01H 83/02 20060101AFI20180723BHJP
   H02H 3/16 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   H01H83/02 H
   H02H3/16 B
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-545669(P2015-545669)
(86)(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公表番号】特表2016-500461(P2016-500461A)
(43)【公表日】2016年1月12日
(86)【国際出願番号】DZ2013000006
(87)【国際公開番号】WO2014086378
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2016年11月7日
(31)【優先権主張番号】120838
(32)【優先日】2012年12月9日
(33)【優先権主張国】DZ
(73)【特許権者】
【識別番号】515156371
【氏名又は名称】ジャメル メキマ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】ジャメル メキマ
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−096106(JP,A)
【文献】 特表2008−517434(JP,A)
【文献】 特開2005−268097(JP,A)
【文献】 実開昭54−043523(JP,U)
【文献】 特開平07−193978(JP,A)
【文献】 特開昭53−054761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 83/02
H02H 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護用導体(15)および(16)を仲介として露出導電性部分(18)と該露出導電性部分の接地(17)の間に配置された地絡故障電流インタフェース(10)であって該地絡故障電流インタフェースは、一次巻線(4)および(5)に接続された出力接点(1)および(2)、磁気トーラス(3)、二次巻線(8)、ならびにトリップリレー(9)を具備し、該インタフェースは、火災保護が求められる場合300ミリアンペア以下であり、火災保護が求められていない場合には300ミリアンペア超であってよいあらゆる故障残留電流Idについて二次巻線(8)を介して給電されるトリップリレー(9)を仲介して高感度漏電装置の出力接点(1)および(2)の開放を制御することを特徴とし、ここでId≧IPE+k×Ihであり、Ih=0である場合Id=IPEmaxであり、IPE=0である場合Id=k×Ihmaxであり、式中IPEは、保護用導体(15)および(16)を横断して電源に戻る故障電流を表わし、その値は、火災保護が求められている場合300ミリアンペア以下であり、火災保護が求められていない場合300ミリアンペア超であってよく、Ihは、保護用導体(15)および(16)を介するかまたは給電用有効導体(6)または(7)を介するもの以外の形で電源に戻り、かつ求められている人体保護電流に応じて30ミリアンペア以下でなければならない値を有するあらゆる電流を表わし、kは、k=IPEmax÷Ihmaxである係数を表わしている、地絡故障電流インタフェース。
【請求項2】
該インタフェースは、該高感度漏電装置内に組込まれており、該インタフェースは、高感度遮断器または、定格感度電流が30ミリアンペアに等しい高感度漏電スイッチであり得ることを特徴とする、請求項1に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項3】
高感度漏電装置の磁気トーラス(3)を中心として実施された1つまたは複数の感度抑制巻線で構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項4】
該インタフェースは、300ミリアンペア以下であり、Id≧IPE+10×Ihであるようなあらゆる故障残留電流Idについて、二次巻線(8)により給電されるトリップリレー(9)を仲介して高感度漏電装置の出力接点(1)および(2)の開放を制御することを特徴とする、請求項1に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項5】
保護用導体(15)および(16)を横断して電源に戻る故障電流を表わす電流IPEが、300ミリアンペア以下であることを特徴とする、請求項1または請求項4記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項6】
保護用導体(15)および(16)を介するかまたは給電用有効導体(6)または(7)を介するもの以外の形で電源に戻る故障電流を表わす電流Ihが、30ミリアンペア以下であることを特徴とする、請求項1に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項7】
係数kが10に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項8】
前記インタフェースの第1の変形形態が、N2<N1である場合P=N2÷N1=0.9またはN1<N2である場合P=N1÷N2=0.9となるような割合Pで、高感度漏電装置の該巻線(4)の巻き数N1とは異なる巻き数N2を有する感度抑制巻線11で構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項9】
前記インタフェースの第2の変形形態が、互いに相対する方向で巻回され平行に接続されたS1の断面とS2の断面とを有する2つのコイル(12)および(13)からなる1つの感度抑制巻線で構成され、これら2つのコイルが各々、高感度漏電装置の該一次巻線(4)の巻き数に等しい巻き数を有し、これら2つのコイルが、S1>S2でP=(S1−S2)÷(S1+S2)=0.9であるような割合Pで断面S1およびS2を有することを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項10】
前記インタフェースの第3の変形形態が、高感度漏電装置の該一次巻線(4)の巻き数と同一の巻き数N2からなる感度抑制巻線(14)で構成されており、巻き数N2の一部分が分路されており、この分路化が、P=[N2×(1−z)]÷N2=0.9となるような割合Pで高感度漏電装置の感度を抑制するのに役立つ(これはz=0.1、すなわち、巻きN2の10分の1が分路されていることを意味する)ことを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項11】
感度抑制巻線の断面または感度抑制巻線の断面の合計が、使用されている高感度漏電装置の該一次巻線(4)の断面に少なくとも等しくなければならないことを特徴とする、請求項3に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項12】
使用される高感度漏電装置が多極装置であることを特徴とする、請求項2に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項13】
該インタフェースは、露出導電性部分における絶縁不良の場合に火災に対して財産を保護することを可能にすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項14】
該インタフェースは、故障している露出導電性部分と地面の間、故障している露出導電性部分と設備とは無関係のあらゆる導電性要素の間、ならびにあらゆる有効導体と地面の間およびあらゆる有効導体と設備とは無関係のあらゆる要素の間で接触が発生した場合に人体を電気ショックから保護することを可能にすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の地絡故障電流インタフェース。
【請求項15】
該インタフェースは、同じ露出導電性部分の接地極を用いた周囲の保護が機能不良である場合に露出導電性部分との接触から人体を保護することを可能にし、前記インタフェースは、故障している周囲の露出導電性部分との関係におけるインタフェースを介して保護された設備の露出導電性部分の電気的分離可能とするべく適合された補足的極を具備することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の地絡故障電流インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧での露出導電性部分における電気絶縁不良の場合に、火災から財産を保護し、人体を間接的接触から保護することを可能にする、遮断装置の分野に関係する。
【0002】
本発明は、地絡故障電流インタフェースに関する。このため、本発明は、露出導電性部分における絶縁不良の場合に、露出導電性部分の接地抵抗値の如何に関わらず、かつ、皮膚の状態および環境(乾燥、湿潤、浸漬状態)の如何に関わらず、従来の安全曲線にしたがって人体を間接的接触から保護し財産を火災から保護することを可能にする。
【0003】
こうして、露出導電性部分の接地極は、もはや必ずしも保護連鎖の一段階ではなく、そのインピーダンスの増大の結果として漏電装置の感度が増大し、この場合人体および財産の安全性がひき続き保証され続けることになるため、快適性の一手段を表わすことになる。本発明は、同様に、有効導体と地面または本発明の実施上の要求事項にしたがって通常接地される機器の露出導電性部分に接続されていないあらゆる無関係の導体との間に発生する直接的接触から人体を保護することを可能にする。
【背景技術】
【0004】
I)規格による保護規定
国際的レベルで、低圧配電においては、次の3つの接地ボンディングスキーム(SLT)が規格化されている:すなわち、
− TN:3つのバージョン(TN−C;TN−S;TN−C−S)を伴う中性接続;
− TT:中性端子から接地へ;
− IT:絶縁された中性端子。
【0005】
(現行の)2005年12月付け規格IEC−60364−4−41の中で、国際電気標準会議の技術委員会64は、露出導電性部分における絶縁不良の場合に人体を保護するための3つのSLTに共通の3つの基本的要求事項を表明している。
【0006】
これらの要求事項は、以下の通りである:
1− 接地および保護等電位ボンディング;
2− 従来の安全性曲線と相容性ある時間内での、(絶縁)不良がある場合の電源の自動遮断;
3− 一部の外部影響条件下で、および一部の場所についての補足的保護の使用(IEC規格第60364−7号「特殊設備または特殊場所についての要求事項」)。
【0007】
露出導電性部分における絶縁不良の場合の給電遮断装置の選択は、考慮対象の接地ボンディングスキームに応じて実施される。
【0008】
II)漏電保護とその限界
火災のリスクに対する保護のための漏電装置の有効性は否定できないにせよ、電気ショックに対する人体の保護のためにそれらを使用することには限界があることが証明されている。
【0009】
実際、保護システムにおいて、漏電機能は、「保護連鎖」の一段階にすぎない。スキームTTおよびITにおいて、絶縁不良の場合、1つの位相と接地された露出導電性部分との間で、漏電装置は、RA×Ia≦50ボルトという保護条件が満たされた場合にのみ、間接的接触に対する人体の安全性を確保する。なお式中、RAは、露出導電性部分の接地極と接地導体との抵抗の合計であり、Iaは、従来の安全性曲線と相容性ある時間内での漏電保護装置の自動的遮断を行なう電流である。
【0010】
IEC規格第60364号の部分4−41のこの規格上の要求事項の中で、以下のことを指摘する必要がある:
− RAの遵守にもかかわらず、2つまたは数軒の住居レベルで同時に発生するIa未満の故障電流が合算されて建物の全ての露出導電性部分の等電位ボンディングに起因してこれらの露出導電性部分のレベルで危険な接触電圧を生成する可能性のある集合住宅においてはこの条件は適用されない。
− UL≦50Vという条件は、乾燥した環境においてのみ有効である。
− 露出導電性部分の接地極の抵抗は、適切なものでなくてはならず、経時的に変化してはならない。
− 露出導電性部分の接地導体の連続性は確保されていなければならない。
【0011】
これらの制約から、国際電気標準会議の技術委員会64は、30ミリアンペア以下の公称作動電流値を有する漏電電流装置(DDR)の、特にIEC規格第60364号の第7部に引用された一部の状況における間接的接触に対する補足的保護措置としての使用を承認するに至った。
【0012】
現在、欧州の大半の国において、この保護措置が、接地ボンディングスキームの如何に関わらず、全ての給電回路に拡大されている。
【0013】
しかしながら、IECの技術委員会64は、このような装置をそれ自体1つの完全な保護措置を構成するものとして認めておらず、露出導電性部分における絶縁不良の場合の保護についての3つのSLTに共通の根本的な規格上の要求事項、特に接地、保護等電位ボンディングおよび給電遮断に関する要求事項に対する設備の適合性を推奨している。
【0014】
露出導電性部分における絶縁不良の場合の電気ショックから人体を保護する問題を充分に位置づけするためには、次の2つの問いに対する答えを見出す必要がある:
【0015】
1.IECの技術委員会64は何故、(高感度DDRを介した)補足的保護をそれ自体では不充分であると判断したのか、そしてこの技術委員会64は何故露出導電性部分の接地極および故障時遮断装置を用いた保護等電位ボンディングと補足的保護とを結びつけることを要求しているのか?
(現行の)2005年11月付けIEC規格60364−1号の第314−1条の中で規定されている通り、補足的保護措置は、保護用導体PE内の過剰な漏洩電流(故障電流ではなく)に起因する高感度漏電装置の望ましくないトリップの可能性を減少させるために設備の分割を求めている。
【0016】
露出導電性部分の接地極の適合不十分、その欠如または保護用導体の破断の場合、これらの過剰漏洩電流は、露出導電性部分および地面とまたは接地から絶縁されていない無関係の導体および露出導電性部分と接触した全ての人間にとって、電撃ひいては感電死のリスクを示し得る。
【0017】
その上、集合住宅内の住居では、住居そのものの設備の漏洩電流により生み出されるリスクに加えて、住居への給電に由来しない漏洩電流によってさえこうして電撃を受けたり感電死することがあり、しかもそれは集合建物の住居の露出導電性部分の等電圧に原因があることから、危険はさらに大きくなることを考慮する必要がある。
【0018】
この状況は、TTおよびTNスキームでも、ITスキームと同様に発生し得る(2つの故障が、2つの明らかに異なる接地極に接続された2つの露出導電性部分のレベルで発生する場合)。
【0019】
この情況下で、IEC規格第60364−5−53の第531.2.1.5条の中で、このリスクについて注意が喚起されており、この規格中には以下の通り記載されている:「保護用導体が備わっていない設備における30mA以下の残留電流を有するDDRの利用は、間接的接触に対する充分な保護措置とみなされるべきではない」。
【0020】
したがって、我々は、この保護措置がそれ自体不充分なものであること、そしてIEC規格第60364−4−41号により制定された故障時における遮断装置による保護等電位ボンディングおよび接地という第1の根本的要求事項が間接的接触に対する人体の保護にとって不可欠であることを確認することができる。
【0021】
2.集合住宅内の住居における現在の規格上の保護措置の使用は、露出導電性部分の絶縁不良の場合につねに人体の保護を保障するか?
絶縁不良が存在する状態において周囲の保護が機能不全である場合、建物全体の露出導電性部分は、その相互接続のために危険な電位になる可能性がある。
【0022】
このような状況では、補足的等電位ボンディング(L.E.S)は同様に、導電性の地面の場合にこの電位の伝播に関与する。
【0023】
こうして、現在の規範的保護措置は、このような状況に対するいかなる対応策も提供しないことから、専用の給電に由来するものでない電流によっても人間は電撃ひいては感電死する可能性があるということを考慮する必要がある。
【0024】
III) 高感度漏電電流装置(30ミリアンペア以下)の使用における設備の分割によって生み出される制約条件
保護用導体[PE]内の過剰な漏洩電流に起因する高感度DDRの望ましくないトリップの可能性を削減するために設備の分割が是非とも必要であったとしても、それは、以下に挙げるものを含めた新しい制約条件を必然的に生み出すことになった:
− 複数の高感度DDRを使用する必要性。これにより一般に、既存の居住環境内に新しい電気設備が必要となる;
− 保護用導体を横断して接地へと流れしたがって人間および財産に対するいかなるリスクも示さない30ミリアンペア以下の故障に起因する望ましくないトリップ;
− 一般に使用される水平選択性は、「シンパシートリップ(sympathetic trip)」現象により故障として取上げられ得る。この状況は、一般に、過電圧現象を作り出す並行出力給電線の保護が開放される際に観察される。この過渡的過電圧は、PEを介して露出導電性部分の接地に接続されるフィルタリング容量を有する健全な出力給電線の開放をひき起こし得る。この場合は、耐性が強化されたDDRの使用が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、低電圧での露出導電性部分における絶縁不良から人間および財産の保護を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、以下の目的で高感度漏電装置内に組込むことのできる電磁インタフェースからなる:
1) 露出導電性部分の接地に接続された保護用導体を横断して電源に(規格上の要求事項に応じて)300ミリアンペア以下の故障電流が戻った時点で直ちに給電を遮断することによって火災保護を確保すること;以下では、この電流をIPEと呼ぶ。
2) 考慮対象の設備に供給する給電用有効導体または保護用導体[PE]を介する以外の形で電源に(企図されている保護に応じて)10または30ミリアンペア以下の電流が戻った時点で直ちに給電を遮断することによって、人体の保護を確保すること。したがって、この電流は人体を横断できるものとみなされる;以下ではこれをIhと呼ぶ。
3) Id≧IPE+k×Ihのような複合残留故障電流の出現時点で直ちに給電を遮断すること。ここで、Id≦300ミリアンペア;IPE≦300ミリアンペア;k=10である場合Ih≦30ミリアンペア;k=30である場合、Ih≦10ミリアンペア。
4) 危険な絶縁不良の存在下で周囲の保護が機能不全である場合に、集合住宅内の住居内で人体の保護を確保すること。
【0027】
この絶縁不良は、実際、(その相互接続のため)建物の全ての露出導電性部分と地面または設備には無関係のあらゆる導電性要素との間に危険な電圧を作り出す可能性がある。
【0028】
このような状況において、保護は、遮断および保護装置内に1つの極を付加することによって確保される。この極は、遮断および保護装置のトリップの後、主要な保護用導体の露出導電性部分を絶縁するのに役立つ。
【0029】
このトリップは、露出導電性部分と接触状態にある人体および地面または電流が電源に戻ることができるようにするあらゆる導電性要素を横断し得る(企図される保護に応じて)10または(30)ミリアンペア以下のあらゆる電流によって誘発される。
【0030】
この保護では、保護される住居の(露出導電性部分以外の)アクセス可能な導電性要素が、他の住居の導電性要素から絶縁されていることが求められる。
【0031】
この絶縁は事実、特に、水回路内でのプラスチック(ポリエチレン)製導管の段階的使用、および気体導管用の誘電性絶縁継手の使用によって実現される。
【0032】
5) 間接的接触に対する人体の保護は露出導電性部分の接地のオーム抵抗の如何に関わらず、そして環境(乾燥、湿潤、浸漬状態)および皮膚の状態とは無関係に確保されることから、露出導電性部分の接地極を保護連鎖の一段階ではなく快適性連鎖の一段階へと変化させること;
【0033】
6) 純粋に電磁的なその設計のため、確実で永続的な保護手段を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】高感度漏電装置内に地絡故障電流インタフェース(10)を組込むことによって得られる遮断システムの接続様式を表わす。 註:地絡故障電流インタフェースは、単相設備内で使用される二極性漏電装置と同様、多相設備内で使用される多極性漏電装置内にも組込むことができる。
図2】高感度漏電装置の位相の一次巻線(4)および中性端子の一次巻線(5)の巻き数とは異なる巻き数を有する感度抑制巻線(11)からなる前記インタフェースの第1の変形形態を表わす。
図3】磁気極性が逆転され(巻き方向が反対)、各々の巻き数が高感度漏電装置の位相の一次巻線(4)の巻き数または中性端子の巻き数(5)と等しい異なる断面の導線で作製された2つのコイル(12)および(13)で構成された感度抑制巻線からなる前記インタフェースの第2の変形形態を表わしている。これら2つのコイルの電磁界は互いに減算される。
図4】高感度漏電装置の位相の一次巻線(4)および中性端子の一次巻線(5)と同一であるものの、その巻きの一部分のシャントによって区別される感度抑制巻線(14)からなるインタフェース(10)の第3の変形形態を表わす。
図5】30mA高感度漏電装置内への前記インタフェースの組込みによって得られる遮断システムの応答曲線を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0035】
いずれにせよ、本発明は、以下の説明により充分に理解できるものである。図1を参照すると、高感度漏電装置は、当初、一次巻線(4)および(5)に接続される出力接点(1)および(2)、磁気トーラス(3)、一次巻線(4)および(5)およびその出力端(6)および(7)、ならびに二次巻線(8)およびトリップリレー(9)で構成されている。
【0036】
感度抑制巻線(10)からなるインタフェースを組込むことで、高感度漏電装置は、図5に表わされた作動特性を有する保護装置に変化する。
【0037】
こうして図1および図5を参照して、Idが、電流Ih(mA)とIPE(mA)の代数和で構成された残留電流(ミリアンペア単位)を表わすものと考えた場合[ここで、
− IPE(mA)は絶縁不良により生成され感度抑制巻線を横断して電源に戻る電流を表わし;
− Ih(mA)は、以下の1−および3−に記載の故障条件下で人体を横断し得る電流を表わす]、
保護装置は、以下のことを可能にする。
【0038】
1− 高感度漏電装置の初期特性を用いることによって人体の保護を確保する。
【0039】
こうしてこの装置は、一次巻線の出力端(6)または(7)の1つに由来し、保護用導体(16)または一次巻線の出力端(6)および(7)の1つを介する以外の形で電源に戻る(企図された保護に応じて)10(または30)ミリアンペア以下のあらゆる電流Ihの存在下で給電を遮断することによって人体を保護する。したがって、この電流は、人体を横断し得るものとみなされる。
【0040】
こうして、以下のものに対する人体の保護が確保される:
− 露出導電性部分の接地の抵抗の値の如何に関わらず、かつ環境(乾燥、湿潤、浸漬状態)および皮膚の状態の如何に関わらず、間接的接触、
− 保護用導体(16)または一次巻線の出力端(6)および(7)の1つを介する以外の形で電源まで故障電流を戻らせることのできる設備とは無関係のあらゆる導体またはあらゆる露出導電性部分とあらゆる有効導体との間で発生する直接的接触。
【0041】
2− 露出導電性部分(18)における絶縁不良によって生成されかつ一方では保護用導体(15)を介して露出導電性部分(18)にそして他方では保護用導体(16)を介して露出導電性部分の接地極(17)に接続されている前記感度抑制巻線を横断して電源に戻る(規格上の要求事項に応じて)300ミリアンペア以下のあらゆる電流IPEの存在下で、給電を遮断することにより火災保護を確保する。火災保護はこうして確保される。
【0042】
3− 露出導電性部分の接地極を保護連鎖の一段階ではなく快適性連鎖の一段階へと変化させることにより、人体の保護および財産の保護を確保する。
【0043】
実際、図5の作動特性にしたがって、かつ絶縁不良の成立条件とは無関係に、インタフェースにより、保護用装置は、Id≧IPE+k×Ih(1)(ここで−Id≦300ミリアンペア;IPE≦300ミリアンペア;k=10である場合Ih≦30ミリアンペア;k=30である場合Ih≦10ミリアンペアである)となるように構成されたあらゆる残留電流の存在下で給電を遮断することにより人間および財産の安全性を確保することができる。
【0044】
こうして、式(1)(曲線Idを表わす)において、電流Ih(人体を横断できる)が優位である場合(これは、高感度保護用装置のトリップという形で現われる)、それは、以下の原因によるものである:
a− 露出導電性部分の接地極の高い値、その欠如または保護用導体の破断の存在下で、乾燥した環境内での、乾燥した皮膚の状態における故障している露出導電性部分と人体との接触;または
b− 露出導電性部分の接地極の正常値の存在下で、湿潤または浸漬条件下での、故障した露出導電性部分と人体との接触;または
c− 保護用導体(16)または一次巻線の出力端(6)または(7)の1つを介する以外の形で電源に故障電流を戻すことができるようにする設備とは無関係のあらゆる導体またはあらゆる露出導電性部分および有効導体と人体との接触;または
d− 危険な絶縁不良の存在下で周囲の保護が機能不全である場合における人体と露出導電性部分との接触(集合住宅内の住居の場合)。このケースは「発明が解決しようとする課題」の部分において詳説されている。
【0045】
こうして、インタフェースを使用すると、露出導電性部分の接地極の障害または保護用導体の破断は、快適性の連鎖に対してしか影響を及ぼさず、人間および財産の保護はこの図の場合において確保された状態を維持する。
【0046】
図5を参照すると、通常の漏電装置の「作動または非作動」ゾーンは「非作動ゾーン」とみなされている。
【0047】
こうして、図5を参照して、以下のことが必然的に指摘される:
− ゾーン(19)は、保護用装置の非作動ゾーンである;
− 曲線(20)はアフィン関数を表わす:
PE=300 10×Ih;(Ihは0mAから30mAまで変動する);
− ゾーン(21)は、保護用装置の作動または非作動ゾーンである;
− 曲線Idは、保護用装置の定格感度電流を表わす。
【実施例】
【0048】
図1を参照すると、インタフェースは、感度抑制巻線(10)からなる。前記感度抑制巻線は、図2、3および4に表わされた少なくとも3つの変形形態にしたがって実施することができる。
【0049】
図2に表わされ第1の変形形態に相当する実施形態において、インタフェースは感度抑制巻線(11)からなる。
【0050】
この変形形態は、露出導電性部分の接地極(17)に接続された保護用導体(16)を横断して電源に戻るあらゆる故障電流のために高感度漏電装置の感度を抑制することができる。
【0051】
この感度抑制は、以下の通りの割合Pで行なわれる:
N2<N1の場合P=N2÷N1、あるいは、N1<N2の場合P=N1÷N2。
なお式中、
− N1は、高感度漏電装置の中性端子または位相の一次巻線の巻き数である;
− N2は、感度抑制巻線の巻き数である。
【0052】
例えば、30ミリアンペアの感度を有する漏電装置内にインタフェースが組込まれている場合、火災保護(IPE≦300ミリアンペア)は、30mA=300mA×(1−P)、つまりP=0.9について確保される;感度抑制は90%で行なわれることから、N2=0.9×N1またはN1=0.9×N2でなければならない。
【0053】
図3に表わされ、表2の変形形態に相当する実施形態において、インタフェースは、磁気極性が逆転され(巻取り方向が反対)、各々の巻き数が位相の一次巻線(4)の巻き数または高感度漏電装置の中性端子(5)の巻き数と等しい異なる断面の導線で作製された2つのコイル(12)および(13)で構成された感度抑制巻線からなる。
【0054】
この変形形態は、露出導電性部分の接地極(17)に接続された保護用導体(16)を横断して電源に戻るあらゆる故障電流について、高感度漏電装置の感度を抑制できるようにする。
【0055】
この感度抑制は、以下の通りの割合Pで行なわれる:
P=(S1−S2)÷(S1+S2)(ここでS1>S2である):
なお式中、
− S1は、高感度漏電装置の中性端子の一次巻線および位相の一次巻線と同じ方向の磁気極性を有する感度抑制コイルの導線の断面であり;
− S2は、高感度漏電装置の中性端子の一次巻線および位相の一次巻線と反対方向の磁気極性を有する感度抑制コイルの導線の断面である;
【0056】
例えば、30ミリアンペアの感度を有する漏電装置内にインタフェースが組込まれている場合、火災保護(IPE≦300ミリアンペア)は、30mA=300mA×(1−P)つまりP=0.9について確保される。
【0057】
感度抑制は90%で行なわれることから、以下の関係が必要である:
S1−S2=0.9×(S1−S2);したがって、
S1=19×S2。
【0058】
図4に表わされ第3の変形形態に相当する実施形態において、インタフェースは、高感度漏電装置の中性端子および位相の巻線に等しいものの、その巻きの一部が分路されている感度抑制巻線(14)からなる。
【0059】
この変形形態は、露出導電性部分の接地極(17)に接続された保護用導体(16)を横断して電源に戻るあらゆる故障電流について、高感度漏電装置の感度を抑制できるようにする。
【0060】
この感度抑制は、以下の通りの割合Pで行なわれる:
P=[N2×(1−z)]÷N2
なお式中、
− N2は感度抑制巻線の巻き数である;
− zは、分路された巻きの数量およびシャントの特性に左右される係数である。
【0061】
30ミリアンペアの感度を有する漏電装置内にインタフェースが組込まれている場合、火災保護(IPE≦300ミリアンペア)は、30mA=300mA×(1−P)つまりP=0.9について確保される。
【0062】
感度抑制は90%で行なわれることから、以下の関係が必要である:
N2(1−Z)=0.9×N2またはZ=0.1。
図1
図2
図3
図4
図5