特許第6367302号(P6367302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼前海零距物聯网科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000002
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000003
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000004
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000005
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000006
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000007
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000008
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000009
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000010
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000011
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000012
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000013
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000014
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000015
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000016
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000017
  • 特許6367302-発光型ヘルメットおよびその製造方法 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367302
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】発光型ヘルメットおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/04 20060101AFI20180723BHJP
   A42C 1/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   A42B3/04
   A42C1/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-246439(P2016-246439)
(22)【出願日】2016年12月20日
(65)【公開番号】特開2017-122302(P2017-122302A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2016年12月20日
(31)【優先権主張番号】201610010916.4
(32)【優先日】2016年1月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516353618
【氏名又は名称】深▲せん▼前海零距物聯网科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Qianhai LIVALL IoT Technology Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】鄭 波
(72)【発明者】
【氏名】叶 永正
(72)【発明者】
【氏名】田 杰
(72)【発明者】
【氏名】李 志明
(72)【発明者】
【氏名】易 湘▲りょう▼
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/072545(WO,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1414411(KR,B1)
【文献】 米国特許第05544027(US,A)
【文献】 特開2000−160425(JP,A)
【文献】 特開2015−008891(JP,A)
【文献】 米国特許第07121676(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0303698(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第105124846(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第105054472(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103169191(CN,A)
【文献】 特表2012−516949(JP,A)
【文献】 米国特許第06752510(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/00 − 7/00
F21V 21/084
A42C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット本体と発光型ライトバーを含む発光型ヘルメットであって、
前記ヘルメット本体の表面には貫通孔を含む固定槽が形成され、前記発光型ライトバーには制御ラインが形成され、該発光型ライトバーは固定構造によって固定槽内に固定され、前記発光型ライトバーを固定するとき、制御ラインは貫通孔によって制御装置に接続され
前記ヘルメット本体の辺縁の裏側には階段部と該階段部に取り付けられる免震スペーサーとが設けられ、前記階段部上には導線を収納する導線槽が形成されていることを特徴とする発光型ヘルメット。
【請求項2】
前記固定構造は、発光型ライトバーに設けられる結合部と、ヘルメット本体に設けられかつ前記結合部と結合される固定部品とを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光型ヘルメット。
【請求項3】
前記固定部品はロック部が形成された固定基部を含み、前記結合部はキノコ形状のホックを含むことを特徴とする請求項2に記載の発光型ヘルメット。
【請求項4】
前記ロック部は少なくとも2つの薄肉部を含み、薄肉部の間には隙間が形成され、薄肉部の端部にはホックと結合される結合孔が形成されることを特徴とする請求項3に記載の発光型ヘルメット。
【請求項5】
前記固定構造は、ヘルメット本体に設けられる雄型ファスナーおよび発光型ライトバーに設けられる雌型ファスナーと/またはヘルメット本体と発光型ライトバーとの間に設けられる接着層を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光型ヘルメット。
【請求項6】
発光型ヘルメットの製造方法であって、
カバーを成型するステップであって、カバーの原料であるPC材料で射出成型をすることにより凹部付きカバーを形成し、かつ凹部内にカバー孔と固定孔を形成することにより最終のカバーを形成するステップと、
発光型ライトバーを製造するステップであって、長手状の光源上に透明な保護層を形成し、かつ光源の制御ラインが保護層から出るようにすることにより発光型ライトバーを製造するステップと、
ヘルメット本体を形成するステップであって、カバーを内層成型用金型内に固定した後、内層材料を注入することによりヘルメット本体を形成し、かつ該ヘルメット本体にカバー孔と連通する貫通孔を形成するステップと、
発光型ライトバーを固定するステップであって、発光型ライトバーの制御ラインを貫通孔に通過させるとともに制御装置に接続させた後、発光型ライトバーを固定槽に固定するステップとを含み、
前記ヘルメット本体を形成するステップは、ヘルメット本体の裏側に接近する辺縁の位置に導線槽が含まれる階段部を形成し、階段部に免震スペーサーを取り付けるステップを更に含むことを特徴とする発光型ヘルメットの製造方法。
【請求項7】
前記発光型ライトバーを製造するステップは、発光型ライトバー上にホックを設け、前記固定孔の位置にホックと結合される固定部品を設けるステップを更に含むことを特徴とする請求項に記載の発光型ヘルメットの製造方法。
【請求項8】
前記発光型ライトバーを固定するステップは、発光型ライトバーと固定槽の底部との間に接着層または雄雌型ファスナーを設けるステップを更に含むことを特徴とする請求項に記載の発光型ヘルメットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリング保護装置に関し、特に発光型ヘルメットおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭部を有効に保護するためヘルメットは一定の襲撃性に耐えられる強度を有さなければならなく、かつ使用上の快適性を確保するためその重量を考慮しなければならない。そのため、現在のヘルメットは通常、PCで製造されたカバーと、EPSなどの軽質材料で製造された内層とで構成される。
【0003】
安全を確保するとともに娯楽の需要を満たすため、ヘルメットに発光型ライトバー、例えば、LEDライトバー、OLEDライトバーまたは他の発光型ライトバーを設けることができる。これにより、比較的に暗いとき他のサイクリング実施者または自動車に警告を発するか、或いは発光型ライトバーが異色の光線または所定の形状の光線を発光することにより娯楽性を向上させることができる。
【0004】
従来のヘルメットにおいて、発光型ライトバーはヘルメットの内部に設けられる。発光型ライトバーを内層と外層との間に設けることにより、ヘルメットの外観の美しさを向上させ、かつ発光型ライトバーに対する保護効果を奏することができる。このようなヘルメットを製造するとき、発光型ライトバーをヘルメットの内部に固定した後、内層の材料を注入することによりこれを製造する。内層の材料を注入するとき、気圧は標準気圧の約8倍になり、温度は120〜180℃になるので、発光型ライトバーが容易に壊れるおそれがあり、かつ壊された発光型ライトバーを修復することができないので、製造コストが増加するおそれがある。また、成型をするとき、発光型ライトバーの導線をヘルメットの内部から引き出す必要があるので、ヘルメットの製造が複雑になるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は発光型ヘルメットおよびその製造方法を提供することにある。本発明の発光型ヘルメットにより、発光型ヘルメットを製造するとき発光型ライトバーが壊れても発光型ライトバーのみを修復することができない問題と、発光型ライトバーをヘルメットの内部に設けるとき発光型ライトバーの導線の配置が複雑になる問題とを避け、発光型ヘルメットの製造コストと成型の難しさを低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は次の発光型ヘルメットを提供する。前記発光型ヘルメットはヘルメット本体と発光型ライトバーを含み、前記ヘルメット本体の表面には貫通孔を含む固定槽が形成され、前記発光型ライトバーには制御ラインが形成され、該発光型ライトバーは固定構造によって固定槽内に固定され、前記発光型ライトバーを固定するとき、制御ラインは貫通孔によって制御装置に接続される。
【0007】
前記固定構造は、発光型ライトバーに設けられる結合部と、ヘルメット本体に設けられかつ前記結合部と結合される固定部品とを含む。
【0008】
前記固定部品はロック部が形成された固定基部を含み、前記結合部はキノコ形状のホックを含む。
【0009】
前記ロック部は少なくとも2つの薄肉部を含み、薄肉部の間には隙間が形成され、薄肉部の端部にはホックと結合される結合孔が形成される。
【0010】
前記固定構造は、ヘルメット本体に設けられる雄型ファスナーおよび発光型ライトバーに設けられる雌型ファスナーと/またはヘルメット本体と発光型ライトバーとの間に設けられる接着層を含む。
【0011】
前記ヘルメット本体の内側には導線を収納する導線槽が形成され、該導線槽は貫通孔と連通している。
【0012】
前記ヘルメット本体の辺縁の裏側には階段部と該階段部に取り付けられる免震スペーサーとが設けられ、前記階段部上には導線を収納する導線槽が形成されている。
【0013】
前記ヘルメット本体には制御装置を固定するための予め固定手段が設けられ、前記予め固定手段には制御装置のホックと結合可能なロック部が設けられている。前記ロック部は少なくとも2つの薄肉部を含み、薄肉部の間には隙間が形成され、薄肉部の端部にはホックと結合される結合孔が形成され、結合孔は収納室と連通している。
【0014】
前記固定槽の深度と発光型ライトバーの高さは一致する。
【0015】
本発明は発光型ヘルメットの製造方法を更に提供する。該方法は、
カバーを成型するステップであって、カバーの原料であるPC材料で射出成型をすることにより凹部付きカバーを形成し、かつ凹部内にカバー孔と固定孔を形成することにより最終のカバーを形成するステップと、
発光型ライトバーを製造するステップであって、長手状の光源上に透明な保護層を形成し、かつ光源の制御ラインが保護層から出るようにすることにより発光型ライトバーを製造するステップと、
ヘルメット本体を形成するステップであって、カバーを内層成型用金型内に固定した後、内層材料を注入することによりヘルメット本体を形成し、かつ該ヘルメット本体にカバー孔と連通する貫通孔を形成するステップと、
発光型ライトバーを固定するステップであって、発光型ライトバーの制御ラインを貫通孔に通過させるとともに制御装置に接続させた後、発光型ライトバーを固定槽に固定するステップとを含む。
【0016】
前記発光型ライトバーを製造するステップは、発光型ライトバー上にホックを設け、前記固定孔の位置にホックと結合される固定部品を設けるステップを更に含む。
【0017】
前記発光型ライトバーを固定するステップは、発光型ライトバーと固定槽の底部との間に接着層または雄雌型ファスナーを設けるステップを更に含む。
【0018】
前記ヘルメット本体を形成するステップは、ヘルメット本体の裏側に接近する辺縁の位置に導線槽が含まれる階段部を形成するステップを更に含む。
【0019】
前記ヘルメット本体を形成するステップは、ヘルメット本体の内側に貫通孔と連通する導線槽を形成するステップを更に含む。
【0020】
前記ヘルメット本体を形成するステップは、ヘルメット本体の裏側に接近する辺縁の位置に導線槽が含まれる階段部を形成し、階段部に免震スペーサーを取り付けるステップを更に含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の発光型ヘルメットはヘルメット本体と発光型ライトバーを含み、前記ヘルメット本体の表面には貫通孔を含む固定槽が形成され、該固定槽内には貫通孔が形成されている。前記発光型ライトバーには制御ラインが形成され、該発光型ライトバーは固定構造によって固定槽内に固定される。前記発光型ライトバーを固定するとき、制御ラインは貫通孔によって制御装置に接続される。前記発光型ライトバーは固定槽内に固定され、前記発光型ライトバーの制御ラインは貫通孔によって制御装置に接続される。ヘルメットを製造するとき発光型ライトバーまたはヘルメット本体が壊れると、これらを別々に修復することができるので、発光型ライトバーがヘルメット本体内に設けられることにより、発光型ライトバーのみを修復することができない問題を避けることができる。また、ヘルメット本体を成型するとき、発光型ライトバーの導線を予め設ける必要がないので、ヘルメットの製造のコストを低減し、難度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例または従来の技術の事項をより詳細に説明するため、以下、本発明の実施例または従来の技術に係る図面を簡単に説明する。下記の図面は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本技術分野の一般の技術者は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、それらに基づいて他の図面を獲得することができる。
図1】本発明の実施例の発光型ヘルメットの構造を示す図である。
図2】本発明の実施例の発光型ヘルメットにおいて、発光型ライトバーの垂直方向に沿う断面を示す図である。
図3】本発明の発光型ライトバーの長さ方向に沿う断面を示す図である。
図4】本発明の固定部品の構造を示す正面図である。
図5図4のB−B方向に沿う固定部品の断面を示す図である。
図6図4のC−C方向に沿う固定部品の断面を示す図である。
図7】発光型ライトバーと固定部品が結合されることを示す断面図である。
図8】本発明のヘルメット本体の階段部の構造を示す図である。
図9図8のD−D方向に沿う階段部の断面を示す図である。
図10】導線が収納されかつ免震スペーサーが階段部に取り付けられることを示す断面図である。
図11】本発明の発光型ヘルメットの製造方法を示す流れ図である。
図12】カバーを成型するステップにおいてカバーの構造を示す断面図である。
図13】カバーを成型するステップにおいてカバーの構造を示す断面図である。
図14】発光型ライトバーを形成するステップにおいて発光型ライトバーの構造を示す断面図である。
図15】ヘルメット本体を形成するステップにおいてカバーの構造を示す断面図である。
図16】発光型ライトバーが固定されることを示す断面図である。
図17】カバーを成型するステップにおいて他のカバーの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術的事項および発明の効果をより詳細に説明するため、以下、本発明の実施例の図面により本発明の実施例の技術的事項を詳細、完璧に説明する。下記の実施例は本発明の一部分の実施例にしか過ぎないものであり、本発明のすべての実施例を代表する意図はない。本技術分野の技術者は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計の変更等をすることができ、かつこのような設計の変更等があっても本発明に含まれることは勿論である。
【0024】
図1ないし図3を参照すると、本発明の実施例に係る発光型ヘルメットが示されている。
【0025】
前記発光型ヘルメットはヘルメット本体と発光型ライトバー5を含み、該ヘルメット本体の表面には固定槽8が形成され、前記固定槽8内には貫通孔9が形成されている。前記発光型ライトバー5には制御ライン55が形成され、前記発光型ライトバー5は固定構造によって固定槽8内に固定される。前記発光型ライトバー5を固定するとき、制御ライン55は貫通孔9によって制御装置に接続される。
【0026】
具体的に、前記ヘルメット本体は外層1と内層2を含み、通常、外層1はPC材料で製造され、内層はEPS材料で製造される。前記固定構造は発光型ライトバー5に設けられる結合部と該結合部に結合される固定部品6とを含む。本発明において前記固定部品6の形状を限定しない。前記固定部品はヘルメット本体と結合される固定基部を含み、固定基部はヘルメット本体に取り付けられる。前記固定基部上にはロック部61が形成され、前記結合部にはキノコ形状のホック54が形成されている。前記ロック部61は少なくとも2つの薄肉部64を含み、薄肉部64の間には隙間63が形成され、薄肉部64の端部にはホック54と結合される結合孔62が形成され、結合孔62と収納室65は連通している。本実施例において前記ロック部61は4つの薄肉部64を含む。前記構造は図4図7に示すとおりである。前記固定部品6が通常プラスチックで製造されることにより、薄肉部64は一定の弾性を有している。発光型ライトバー5を取り付けるとき、薄肉部64はホック54の圧力によって変形し、取り付けが終わると薄肉部64が元の形状に戻ることにより、発光型ライトバー5を固定することができる。
【0027】
ヘルメット本体の内層は通常、EPS材料の射出成型によって形成される。固定部品6と内層のEPS材料との間の接合を緊密にするため、固定部品6の側面を波浪状、鋸の歯の形状にすることにより、固定部品6とヘルメット本体の内層の間の接合面積を増加させることができる。前記固定部品6の側面を斜面にしても、波浪状、鋸の歯の形状と同様な効果を奏することができる。
【0028】
前記発光型ライトバー5は回路基板52と該回路基板52の同一側に設けられる複数個の光源51とを含み、前記回路基板52と光源51上には透明な保護層53が覆われている。前記回路基板52の導線55が保護層53から出ていることにより回路基板52を制御装置に容易に接続させることができる。光源51の光出射面の反対側には固定部品6と結合されるホック54が形成されている。前記ホック54は、キノコの形状と類似する構造、すなわち一端が太く中央部分が細い構造を有している。他の実施例において、前記ホック54は他の構造を有することができ、固定部品6と結合可能な構造であればいかなる構造であってもよい。発光型ライトバー5において、保護層53で回路基板52と光源51を保護し、該保護層53は光源51の光出射面に位置しかつ透明材料で製造される。製造の利便性を向上させるため、光源の光出射面とその反対面を同一の材料、例えば同一のシリコン材料などで製造することができる。前記ホック54と保護層53を一体に成型するか、或いは別々に製造した後接着剤によってホック54を保護層53に接着させることができる。
【0029】
発光型ライトバー5の光出射の範囲をより広くするため、前記固定槽8の深度を発光型ライトバー5の厚さより小さくして、発光型ライトバー5がヘルメットの表面から少々出るようにすることができる。しかしながら、発光型ライトバー5を保護し、ヘルメットを使用するとき発光型ライトバー5が(地面などに)ぶつかるリスクを低減するため、前記固定槽8の深度と発光型ライトバー5の高さを同様にした方が良い。
【0030】
ヘルメット本体と発光型ライトバー5は分離状態になっており、これらを別々に製造した後一体に組み立てることができる。したがって、製造の誤差などによってヘルメット本体が不良品になるか或いは使用によって発光型ライトバーが壊れるとき、発光型ライトバーまたはヘルメット本体を別々に修復することができる。したがって、発光型ライトバー5がヘルメット本体内に設けられることにより、発光型ライトバーが壊れるとき発光型ライトバーのみを修復できない問題と、製造のコストが増加する問題を防止することができる。また、ヘルメット本体を成型するとき、発光型ライトバーの導線を予め設ける必要がないので、ヘルメットの製造の難度を低減し、製造の効率を向上させることができる。
【0031】
前記固定部品6は次のような構造を有することができる。
前記固定部品6の一端には少なくとも2つの薄肉部64が形成され、隣接する薄肉部64の間には隙間63が形成されている。本実施例において前記ロック部61は4つの薄肉部64を含む。薄肉部61の一端にはホック54と結合される結合孔62が形成され、他端には中空構造67が形成されている。結合孔62と中空構造67は連通しており、固定部品6の側面はヘルメット本体と接合可能な波浪状、鋸の歯の形状にされている。ヘルメット本体の内層2は通常EPS材料で製造される。固定部品6をヘルメット本体の内層2を結合させた後、中空構造67内にEPS材料を注入し、EPS材料の変形性により、ホック54を固定部品6に結合させ、二者の間の固定を実現することができる。前記構造を有する固定部品6によりヘルメットの小型化を実現し、前記材料により発光型ライトバー5を固定するとともに発光型ライトバーがヘルメット本体から容易に離れないように結合させることができる。他の実施例において、前記発光型ライトバー5とヘルメット本体との間に接着剤を更に設けることにより、発光型ライトバーの固定をより安定にすることができる。前記固定構造として雄雌型ファスナーと/または接着層を採用することができる。
【0032】
光源51と制御装置7の導線55を収納、固定するため、ヘルメット本体の内側に導線槽21を形成することができ、該導線槽21は貫通孔9と連通する。他の実施例において、前記導線槽21に位置決め部を設けることにより、導線55をより有効に固定することができる。位置決め部として従来の構造を採用することができる。
【0033】
他の実施例において、前記ヘルメット本体に制御装置7を固定するための予め固定手段を更に設けることができる。前記予め固定手段には制御装置のホックと結合可能な固定部品が設けられ、前記固定部品とホックとして前記実施例中の構造を採用することができる。制御装置とヘルメット本体との間の着脱性により、制御装置が壊れるとき、制御装置7のみを取り替えることができるので、修理の利便性を向上させることができる。
【0034】
図8図10に示すとおり、本発明は他の導線固定構造を更に提供する。ヘルメット本体の辺縁の裏側には階段部22と該階段部22に取り付けられる免震スペーサー10とが設けられ、前記階段部22上には導線を収納する導線槽23が形成されている。ヘルメットを製造するとき、制御装置に接続された導線3と発光型ライトバー5の制御ライン55を接続させ、導線3を導線槽23内に位置させた後、ファスナーなどにより免震スペーサー10を階段部22の付近に取り付ける。免震スペーサー10は導線3を保護、固定するとともに導線3が露出することを防止することができる。ヘルメットを使用するとき、免震スペーサー10は使用者の頭部と接触する。免震スペーサー10が柔軟材料または弾性材料で製造されることにより、衝突が発生するとき、ヘルメット本体は外部からの一回目の衝突を吸収し、免震スペーサー10はヘルメット本体からの二回目の衝突を吸収することができるので、使用者の頭部をより有効に保護することができる。前記免震スペーサー10とヘルメット本体との間はファスナーなどによって着脱可能な状態になっているので、導線3を容易に配置することができる。
【0035】
図11に示すとおり、本発明は発光型ヘルメットの製造方法を更に提供する。該発光型ヘルメットの製造方法は次のステップを含む。
【0036】
ステップS10において、カバーを成型する。カバーの原料であるPC材料で射出成型をすることにより凹部11付きカバー1を形成する。図13に示すとおり、凹部11の側壁の所定の位置を切断することにより長手状孔12を形成する。すなわち、凹部11の側壁を切断することにより凹部の一部分の側壁が残された延伸部13を形成し、最終に該延伸部13を含むカバー1を獲得することができる。前記延伸部13は、内層のEPS材料を保護し、露出している内層のEPS材料が外部からの力によって粉砕されることを避け、安全性を向上させることができる。
【0037】
ステップS11において、発光型ライトバーを製造する。長手状の光源上に透明な保護層53を形成し、保護層53上にホック54を設けることにより、前記光源の制御ライン55が保護層53から出ている発光型ライトバー5を製造する。図14に示すとおり、前記ホック54は前記実施例のようなキノコ形状を有している。前記ホック54と保護層53は一体に成型されるか或いは分離状態に成型されることができる。分離状態である場合、保護層53とホック54を別々に製造した後、接着剤などによってホック54を保護層53上に接着させることができる。
【0038】
ステップS12において、ヘルメット本体を形成する。カバー、発光型ライトバーを固定する固定部品および制御装置などを内層成型用金型の所定の位置にそれぞれ固定した後、内層材料を注入することによりヘルメット本体を形成する。図15に示すとおり、カバーの長手状孔に対応する位置には発光型ライトバーの位置に対応する固定槽が形成され、図1に示すとおり、前記固定槽内には貫通孔9が形成されている。前記固定部品は前記実施例のような構造を有している。固定部品とステップ11中のホック54を結合させることにより所定の部品を固定することができる。本発明において、固定部品の構造を限定しない。前記固定部品はヘルメット本体に結合される固定基部を含み、該固定基部にはロック部が設けられる。図4ないし図7に示すとおり、前記ロック部61は少なくとも2つの薄肉部64を含み、薄肉部64の間には隙間63が形成され、薄肉部64の端部にはホック54と結合される結合孔62が形成され、前記結合孔62と収納室65は連通している。本実施例において前記ロック部61は4つの薄肉部64を含む。前記固定部品6が通常プラスチックで製造されることにより、薄肉部64は一定の弾性を有している。発光型ライトバー5を取り付けるとき、薄肉部64はホック54の圧力によって変形し、取り付けが終わると薄肉部64が元の形状に戻ることにより、発光型ライトバー5を固定することができる。
【0039】
ステップS13において、発光型ライトバーを固定する。ステップS11で形成された発光型ライトバーの制御ライン55を貫通孔9に通過させるとともに制御装置7に接続させた後、発光型ライトバーを固定槽に固定する。図16に示すとおり、発光型ライトバー5のホック54とヘルメット本体の固定部品が結合されることにより発光型ライトバーを固定することができる。他の実施例において、前記発光型ライトバー5とヘルメット本体との間に接着剤を更に設けることにより、発光型ライトバーの固定をより安定にすることができる。
【0040】
上述したとおり、ヘルメット本体と発光型ライトバーは別々に存在する独立体であるので、ヘルメットを製造するとき発光型ライトバーが壊れるか或いはヘルメット本体が壊れると、発光型ライトバーとヘルメット本体を別々に修復することができる。したがって、発光型ライトバーがヘルメット本体内に設けられることにより、発光型ライトバーのみを修復することができない問題を避けることができる。また、ヘルメット本体を成型するとき、発光型ライトバーの導線を予め設ける必要がないので、ヘルメットの製造のコストを低減し、難度を低減することができる。
【0041】
本実施例において、前記カバーを成型するステップS10は図17に示される流れを含む。カバーの原料であるPC材料で射出成型をすることにより凹部付きカバーを形成した後、凹部内にカバー孔と固定孔を形成することにより最終のカバーを形成する。カバーを成型するとき凹部11の底部に一個の孔を形成することにより、凹部11の側壁を切断することにより凹部の一部分の側壁が残された延伸部13が含まれる長手状孔12を形成するステップ省略することができる。ヘルメット本体を形成するステップS12において、カバーを内層成型用金型の所定の位置に固定した後、内層材料を注入することにより固定槽付きヘルメット本体を形成する。この場合、前記ヘルメット本体にはカバー孔と連通する貫通孔が形成され、固定槽8付きヘルメット本体が形成する。他の構造とステップは前記実施例と同様であり、前記実施例の発明の効果を奏することができる。
【0042】
本実施例において、前記ヘルメット本体を形成するステップは、ヘルメット本体の裏側に接近する辺縁の位置に導線槽23が含まれる階段部22を形成するステップを更に含むことができる。この構造は図9に示すとおりである。発光型ライトバー5を固定した後、制御ライン55を導線槽23内に収納させ、ファスナーなどにより免震スペーサー10を階段部22の付近に取り付ける。これにより制御ライン55を保護することができる。また、使用者の頭部と接触する免震スペーサー10が柔軟材料または弾性材料で製造されることにより、衝突が発生するとき、ヘルメット本体は外部からの一回目の衝突を吸収し、免震スペーサーはヘルメット本体からの二回目の衝突を吸収することができるので、使用者の頭部をより有効に保護することができる。
【0043】
本実施例において、前記ヘルメット本体を形成するステップは、ヘルメット本体の内側に貫通孔9と連通する導線槽21を形成し、制御ライン55を導線槽21内に収納させるステップを更に含むことができる。前記発光型ライトバーを固定するステップは、発光型ライトバーと固定槽の底部との間に接着層または雄雌型ファスナーを設けるステップを更に含むことができる。
【0044】
以上、上述した実施例により本発明の技術的事項を詳述してきたが、上述した実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の技術分野の技術者は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計の変更等をすることができ、かつこのような設計の変更等があっても本発明に含まれることは勿論である。また、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17