特許第6367303号(P6367303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367303ドットコードを用いたデータ入力/出力方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367303
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ドットコードを用いたデータ入力/出力方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20180723BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   H04N1/387
   G06K19/06 037
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-249880(P2016-249880)
(22)【出願日】2016年12月22日
(62)【分割の表示】特願2014-249060(P2014-249060)の分割
【原出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-63503(P2017-63503A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】201210020035.2
(32)【優先日】2012年1月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210019581.4
(32)【優先日】2012年1月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502343182
【氏名又は名称】松翰科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】黄 資峰
【審査官】 橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−288756(JP,A)
【文献】 特開2010−206433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
G06K 19/06
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが十字形に排列された複数のラベルエリアとそれぞれ1つの候補2進コードを表す複数のデータエリアとを備え、マトリックスに排列され、互いに隣接し、且つ重なり合わない複数のブロックと、
前記複数のラベルエリア及び前記複数のデータエリアのうちの1つに設置され、且つ所在する前記ラベルエリア又は前記データエリアを塗りつぶさないビットドットと、
を含み、前記データエリアに設置された前記ビットドットが、前記各データエリアに対応する前記候補2進コードに基づいて、前記各ブロックが表す2進コードを定義し、
少なくとも3つの前記ビットドットが、それぞれ予め定められた位置の前記ブロックの前記ラベルエリアに位置して、パターンを固定するラベルを構成するために用いられ、
前記パターンを固定するラベルを構成する前記少なくとも3つのビットドットのうち、1つのビットドットは、前記ラベルエリアの中心部位に設置され、その他のビットドットは、一部が縦方向に偏移し、他部が横方向に偏移し、
前記少なくとも3つのビットドットが位置するブロックが前記縦方向および前記横方向に排列され、前記ブロックの前記縦方向および前記横方向の排列が交差する箇所の前記ブロックに位置するビットドットが前記ラベルエリアの中心部位に設置され、前記縦方向に排列される前記ブロックに位置するビットドットが前記縦方向に偏移して設置され、前記横方向に排列される前記ブロックに位置するビットドットが前記横方向に偏移して設置され
インジケータデータであるドットコード。
【請求項2】
前記ラベルが、L型となる請求項1に記載のインジケータデータであるドットコード。
【請求項3】
前記ラベルが、前記縦方向の1列および前記横方向の1行で構成される請求項1に記載のインジケータデータであるドットコード。
【請求項4】
前記ラベルにより、前記各ブロックが表す前記2進コードの排列の順序を決定する請求項1から3の何れか一項に記載のインジケータデータであるドットコード。
【請求項5】
ドットコードを形成するエリアを定義し、
前記エリアを、互いに隣接し且つ重なり合わない複数のブロックに区分し、
それぞれの前記ブロックを複数のビットエリアに区分し、
前記ビットエリアの一部を選択して、ラベルエリアとし、その他部分のビットエリアをデータエリアとし、
前記ラベルエリア及び前記データエリアのうちの1つにビットドットを設置し、且つ前記ビットドットが所在する前記ラベルエリア又は前記データエリアを塗りつぶさないようにし、
前記データエリアに位置するビットドットが、前記各データエリアに対応する候補2進コードに基づいて、前記ブロックが表す2進コードを定義し、
少なくとも3つの前記ビットドットが、それぞれ予め定められた位置の前記ブロックの前記ラベルエリアに位置して、パターンを固定するラベルを構成し、
前記パターンを固定するラベルを構成するための前記少なくとも3つのビットドットのうち、1つのビットドットは、前記ラベルエリアの中心部位に設置され、その他のビットドットは、一部が縦方向に偏移し、他部が横方向に偏移し、
前記少なくとも3つのビットドットが位置するブロックが前記縦方向および前記横方向に排列され、前記ブロックの前記縦方向および前記横方向の排列が交差する箇所の前記ブロックに位置する前記ビットドットが前記ラベルエリアの中心部位に設置され、前記縦方向に排列される前記ブロックに位置するビットドットが前記縦方向に偏移して設置され、前記横方向に排列される前記ブロックに位置するビットドットが前記横方向に偏移して設置され、
所定パターン排列に基づいて、前記ビットドットを有する前記ドットコードの生成エリアを重複的に排列したドットコード生成方法。
【請求項6】
前記ラベルが、L型となる請求項記載のドットコード生成方法。
【請求項7】
前記ラベルが、前記縦方向の1列および前記横方向の1行で構成される請求項記載のドットコード生成方法。
【請求項8】
前記ラベルにより、前記各ブロックが表す前記2進コードの排列の順序を決定する請求項5から7の何れか一項記載のドットコード生成方法。
【請求項9】
前記所定パターン排列がマトリックスである請求項5から8の何れか一項記載のドットコード生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像識別(pattern/image recognition)を利用して読み取ることのできるドットコード(dot code)に関するものであり、当該ドットコードは、物体表面上に形成され、且つインジケータデータをマッピングする。
【背景技術】
【0002】
図1は、物体表面1上に形成されたドットコード12の概略図である。図1に示すように、ドットコード12は、多数のビットドット(bit dot)が組み合わされて成り、ビットドットは非常に微小であるため、視覚上見過ごされやすく、あるいは、人の目に地色として解読される。ドットコード12と情報資料(Information Material)11(例えば、図1の文字パターン“APPLE”)は、例えば、印刷等の方式を利用して、紙等の物体表面1上に共同形成される。ドットコード12は、インジケータデータをマッピングし、且つ人の目の情報資料11の受信に影響しない。
【0003】
図2は、電子システム2の概略図である。当該電子システム2は、光学デバイス102と、プロセッサ104と、出力デバイス106とを有し、画像識別ステップを行うことによって、当該ドットコード12を読み取る。光学デバイス102、プロセッサ104および出力デバイス106は、互いに有線または無線方式により接続される。光学デバイス102は、物体表面を読み取って拡大影像を取得し、続いて、プロセッサ104が拡大影像の中からドットコード12を取り出してさらにデジタルデータに転換し、当該デジタルデータに対応する付加情報を取得する。最後に、出力デバイス106がこの付加情報を受け取り、予め定められた形式でこの付加情報を出力する。したがって、ドットコード12の設計によって、例えば、ブックページ等のよく見かける物体表面上に、より多くの付加情報をロードすることができる。
【0004】
図3は、周知の複数のドットコード12を含むパターン設計の概略図である。図3に示すように、1つのドットコード12 (破線で囲んだエリア)は、キーポイント202、複数のグリッド204および複数の情報ポイント206が、予め定められた規則に従って排列することによって形成される。詳しく説明すると、1つのドットコード12は、キーポイント202を中心として、周囲に複数のグリッド204を配置する。そのうち、4つのグリッド204毎に1つの矩形ブロックが配置され、且つ4つのグリッド204毎の中心を1つのバーチャルポイントとし、矩形ブロック内に位置する情報ポイント206は、選択的に当該バーチャルポイントの上、下、左、右方向へ一定距離偏移させることによって、それぞれ異なる数値を表し、それから、上述した電子システム2によって読み取ることができる。キーポイント202は、1つのドットコード12の中心のグリッド204を予め定められた方向へ一定距離偏移させる方式で形成され、キーポイント202は、ドットコード12の参考方向を提供し、光学デバイス112が物体表面を読み取ることによって拡大影像を取得する時の方向付けの参考とすることができる。さらに、4つのグリッド204は、1つの矩形ブロックの方式で配置され、ドットコード12の読み取りや印刷時に変形が生じた場合に、校正の参考とすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示すように、ドットコード12は、通常、物体表面1上の情報資料11と共存するため、ビットドットの密度が高くなるほど視覚効果が悪くなり、且つ人の目でドットコード12の存在を感知しやすくなって、ドットコード12と情報資料11が混乱する機会が増加する。一方、ドットコード12が有限の物体表面エリアに形成された時、同じ情報量が提供されるという前提で、ビットドットの分布密度が高すぎると、2つの隣り合うビットドット間の距離が小さくなりすぎるため、ビットドットが、例えば印刷方式で紙上に形成された時に、比較的明確な視覚干渉を起こすことになる。この視覚干渉を減らしたい場合、通常、ビットドットの大きさをさらに縮小する必要があるため、これによって、プリンターおよび紙の解析度の要求が高くなり、且つ印刷時にも印刷漏れしやすいため、印刷の難度が相対的に増し、且つ光学デバイスの判読ミスが起りやすくなったり、あるいは区別が難しくなったりする。図3に示した周知のドットコード12の設計方式は、明らかにビットドットの密度が高くなりすぎるため、上述した様々な問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、比較的低いビットドット密度を提供し、且つ少量のビットドットでドットコードを構成することによって、上述した周知の設計の様々な問題を回避することのできるドットコードを用いたデータ出力/入力方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、ドットコードを用いたデータ出力/入力方法を提供する。データ出力/入力方法は、物体表面上にインジケータデータに対応する1つまたは複数のドットコードを形成することを含み、このドットコードは、データ部と、ラベル部とを含み、且つデータ部とラベル部は、互いに隣接する。
【0008】
データ部が占有するエリアは、複数の第1ブロックに区分される。各第1ブロックは、M×N配列方式で排列された複数の第1ビットエリアに区分され、MとNは、いずれも3の整数よりも大きいか等しい。そのうち、十字形に排列された一部の第1ビットエリアは、第1ラベルエリアを構成し、且つ第1ラベルエリアの最小幅は、第1ビットエリアの幅の整数倍である。各第1ブロックは、それぞれ第1ビットドットを有し、且つ各第1ビットドットは、第1ラベルエリア以外の中の1つの第1ビットエリア内に設置される。
【0009】
ラベル部が占有するエリアは、複数の第2ブロックに区分される。各第2ブロックは、P×Q配列方式で排列された複数の第2ビットエリアに区分され、PとQは、いずれも3の整数よりも大きいか等しい。そのうち、十字形に排列された一部の第2ビットエリアは、第2ラベルエリアを構成し、且つ第2ラベルエリアの最小幅は、第2ビットエリアの幅の整数倍である。各第2ブロックは、それぞれ第2ビットドットを有し、且つ各第2ビットドットは、第2ラベルエリア以内の中の1つの第2ビットエリア内に選択的に設置される。データ出力/入力方法は、さらに、物体表面を光学的に読み取って、このドットコードに対応するインジケータデータを取得することを含む。
【0010】
本発明のある実施形態中、各第1ブロックにおいて、第1ラベルエリアは、第1ブロックを第1、第2、第3および第4データエリアに区分し、第1、第2、第3および第4データエリアは、それぞれ同じ数の第1ビットエリアにより構成され、且つ同じ第1ブロックにおいて、第1、第2、第3および第4データエリアは互いに隣接しない。
【0011】
本発明のある実施形態中、各第1ビットドットは、それぞれ各第1ブロックの第1、第2、第3および第4データエリアの中の1つに設置され、さらに、各第1ビットドットをそれぞれ選択されたデータエリアの中の1つの第1ビットエリア内に設置することによって、インジケータデータ中の数値を表示する。
【0012】
本発明のある実施形態中、第2ブロックは、L型分布を表し、且つラベル部とデータ部の2つの隣り合う境界は、互いに隣接し、さらに、各第2ブロック内の各第2ラベルエリアは、少なくとも1行(row)の第2ビットエリアと少なくとも1列(column)の第2ビットエリアにより構成される。
【0013】
本発明のある実施形態中、同じ行に位置する第2ブロック内の各第2ビットドットは、対応する第2ラベルエリアの交差部分に設置される。また、同じ列に位置する第2ブロック内の各第2ビットドットは、対応する第2ラベルエリアの交差部分から外れて設置される。
【0014】
本発明のある実施形態中、同じ行に位置する第2ブロック内の各第2ビットドットは、第1方向に沿って、対応する第2ラベルエリアの交差部分から外れて設置される。また、同じ列に位置する第2ブロック内の各第2ビットドットは、第2方向に沿って、対応する第2ラベルエリアの交差部分から外れて設置され、且つ第1方向と第2方向は実質的に垂直である。そのうち、第1方向は行方向に平行であり、第2方向は列方向に平行である。
【0015】
本発明のある実施形態中、第1ブロックと第2ブロックは、大きさが同じであり、且つ第1ブロック内の第1ラベルエリアの排列方式は、第2ブロック内の第2ラベルエリアの排列方式と同じである。
【0016】
本発明のある実施形態中、ドットコードは、第1ブロックと第2ブロックにより構成されたマトリックスである。そのうち、第1ラベルエリア以外の中の1つの第1ビットエリア内に設置された各第1ビットドットは、ドットコードのデータ部のデータ情報を構成し、第2ラベルエリア以内の中の1つの第2ビットエリア内に設置された各第2ビットドットは、ドットコードのラベル部のラベル情報を構成する。
【0017】
別の観点からみると、本発明は、画像識別を利用して読み取ることのできるドットコードを提出し、このドットコードは、物体表面上に形成され、ドットコードは、複数のバーチャルブロックと、複数のビットドットとを含む。そのうち、複数のバーチャルブロックは、矩形に排列され、各バーチャルブロックは、1つの中央ラベル部と、4つのコーナービットエリアに分割され、且つ各コーナービットエリアは、それぞれ1つの候補2進コードを表す。各ビットドットは、複数のバーチャルブロックのコーナービットエリアの中の1つに設置されるか、あるいは、中央ラベル部に設置される。そのうち、コーナービットエリアの中の1つに設置されたビットドットは、各コーナービットエリアに対応する候補2進コードに基づいて、各バーチャルブロックが表す2進コードを定義する。そのうち、少なくとも2つのビットドットは、それぞれ予め定められた位置のバーチャルブロックの中央ラベル部に位置し、パターンを固定するラベルを構成するために用いられる。このラベルは、ドットコードを基準として、バーチャルブロックが表す2進コードの所定の順序を決定する。
【0018】
さらに別の観点からみると、本発明は、矩形に排列された複数組のドットコードに適用されるチップの復号化方法を提供し、各ドットコードは、ラベル部と、データ部とを有し、且つラベル部とデータ部は、互いに隣接する。そのうち、ラベル部とデータ部は、それぞれ複数のブロックを有する。チップの復号化方法は、下記のステップを含む:1組のドットコードを少なくとも含む映像データを受信する;予め設定した規則に基づいて、ドットコード内に属しラベル部内に分布する複数のビットドットを捜索する;ラベル部内に属するビットドットを基準として、データ部内の各ブロックが表す状態を判断するとともに、状態の相違に基づいて、それぞれ2進コードを生成する;ラベル部内に属するビットドットを基準として、データ部内の全てのブロックの排列順序を決定するとともに、対応する2進コードを排列して、コードを生成する;このコードに基づいて、映像データの隠れた情報を対応して出力する。
【0019】
本発明のある実施形態中、このコードに基づいて映像データの隠れた情報を対応して出力するステップは、このコードに基づいて、データバンク内でこのコードに対応する1つまたは複数の指令を照会し、前記指令を実行して隠れた情報を出力することを含む。
【0020】
本発明のある実施形態中、データ部内の各ブロックが表す状態を判断するとともに、状態の相違に基づいてそれぞれ2進コードを生成するステップは、各ブロック中にビットドットがあるかどうかを判断して、ブロックにビットドットがある場合を第1状態、ブロックにビットドットがない場合を第2状態とし、第1状態と第2状態に基づいて、それぞれ0と1の2進コードを生成することを含む。
【0021】
本発明のある実施形態中、データ部内の各ブロックが表す状態を判断するとともに、状態の相違に基づいてそれぞれ2進コードを生成するステップは、各ブロック中にビットドットがあるかどうかを判断するとともに、ビットドットが設置された位置に基づいて、ブロックが表す状態を判断し、異なる状態に基づいて、00、01、10と11の2進コードを対応して生成することを含む。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明は、比較的少ないドット数(比較的低いドット密度)を利用して大量の情報量を提供することができるため、これにより、比較的優れた視覚効果を提供することができ、且つ人の目でドットコードの存在を比較的感知しにくくなるため、ドットコードと共存する情報資料が混乱しない。
【0023】
本発明の上記及び他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】物体表面上に形成されたドットコードの概略図である。
図2】ドットコードの読み取りに用いる電子システムのブロック図である。
図3】周知の複数のドットコードを含むパターン設計の概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る複数のドットコード10を排列して形成されたパターンの概略図である。
図5図4の中の1つのドットコード10の拡大概略図である。
図6】本発明の実施形態に係るドットコード10を形成するフローチャートである。
図7図5の中の1つの第1ブロック110の拡大概略図である。
図8図5の中の第2ブロック210Dの拡大概略図である。
図9】ドットコード10中のラベル部200の別の設計概略図である。
図10】ドットコード10の別の設計概略図である。
図11A図9の中の1つの第1ブロック110の拡大概略図である。
図11B】ドットAを第1ビットエリア112a〜112y中に設置した時のそれぞれ対応するコード値を示した概略図である。
図12A】ドットコード10の第1ブロック110の別の設計図である。
図12B】ドットコード10の第1ブロック110のさらに別の設計図である。
図13A】ドットコード10の第1または第2ブロック110のさらに別の設計図である。
図13B】ドットコード10の第1または第2ブロック110のさらに別の設計図である。
図14A】本発明の変形実施形態に係るドットコードの概略図である。
図14B図14Aの中の1つのバーチャルブロックの拡大概略図である。
図14C図14Bのバーチャルブロックの変形実施形態の概略図である。
図15】本発明の実施形態に係るチップの復号化方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係る複数のドットコード10を排列して形成されたパターンの概略図である。本発明の設計を明確に説明するため、図5に、図4の中の1つのドットコード10の拡大概略図を示す。図6は、本発明の実施形態に係るドットコード10を形成するフローチャートであり、ドットコード10を形成する各ステップを説明するために用いる。以下、図5および図6を同時に参照されたい。
【0026】
ステップS610で述べているように、例えば、図5のブロック110のように、まず、1組のドットコード10を形成したいエリアを複数のブロック(block)に分割する。そのうち、これらのブロックは、マトリックス(matrix)に排列され、互いに隣接して重なり合わない。ステップS620において、さらに各ブロックを複数のビットエリア(bit zone)に分割する。図5を例とすると、各ブロックは、さらに、9つのビットエリアに区分され、3×3配列方式で排列されてもよい。ビットエリアを区分した後、ステップS630に続き、各ブロックにおいて、選択部分のビットエリアをラベルエリア(label zone)とし、その他のビットエリアをデータエリア(data zone)とする。図5に示すように、各ブロックは、いずれもその中の5つを選択して十字形に排列したビットエリアをラベルエリア114とする。
【0027】
ラベルエリアを確定した後、ステップS640に続き、ビットドットを設置する。ビットドットは、第1ビットドットと第2ビットドットに区分される。第1ビットドットは、データエリアの少なくともその中の1つのビットエリア内に設置されなければならず、第2ビットドットは、ラベルエリアの少なくともその中の1つのビットエリア内に設置されなければならない。説明すべきこととして、データエリアに設置されたビットドットは、ドットコード10のデータ情報(data information)の一部を構成するために用いられ、ラベルエリアに設置されたビットドットは、ドットコード10のラベル情報(label information)の一部を構成するために用いられる。また、第1および第2ビットドットの設置には前後の順序がなく、言い換えると、第1および第2ビットドットの配置設計は、先に組み立てた後、直接物体表面に印刷してもよい。図4に示すように、同時に上記のステップにより形成された複数のドットコード10を直接物体表面に印刷してもよい。
【0028】
上記のステップによって形成されたドットコードは、1つのブロック内にビットドットが1つ以上あってもよいため、1つのブロックのデータエリア内に2つのビットドットがある可能性があり、また、1つのブロックのラベルエリア内に2つのビットドットがある可能性もあり、あるいは、1つのブロックのデータとラベルエリアの両方にビットドットがあってもよいが、2つのビットドットは、それぞれ異なるビットエリアに設置されなければならない。
【0029】
説明しやすくするため、以下の実施例は、いずれも1つのブロック中に1つのビットドットを有するコードで構成されるものとする。図5を模範例として、ドットコード10の構成について詳しく説明する。図5を参照すると、ドットコート10は、各ブロック中のビットドットが存在するビットエリアがデータエリアとラベルエリアであることから、データ部(data part)100とラベル部(label part)200に分けられる。まず、データ部100の構造について説明する。本実施形態において、データ部100は、9つの第1ブロック110を含む。各第1ブロック110は、(M×N)配列方式で排列された複数の第1ビットエリアを有し、そのうち、MとNは、いずれも3の整数より大きいか等しい。本実施形態中のMとNは、いずれも3に等しいため、第1ブロック110は、複数の第1ビットエリアに区分され、且つこれらの第1ビットエリアは、3×3配列方式で排列される。
【0030】
図7は、図5の中の1つの第1ブロック110の拡大概略図である。図7を参照すると、第1ビットエリアを位置の相違に基づいて、異なるコード番号112a〜112iを付ける。そのうち、十字形により排列された5つの第1ビットエリア112b、112d、112e、112f、112hが、第1ラベルエリア114を構成し、第1ラベルエリア114によって分割された互いに隣接しない4つの第1ビットエリア112a、112c、112g、112iが第1データエリアである。各第1ブロック110は、いずれも1つの第1ビットドットのみを有し、且つ第1ビットドットは、第1データエリアの4つの第1ビットエリア112a、112c、112g、112iの中の1つに設置されなければならない。そのため、図7に示すように、4つのドットポイントAは、第1ビットドットが配置可能な4つの位置を表し、本実施形態において配置可能な4つの位置は、それぞれ第1データエリアの4つのビットエリア112a、112c、112g、112iのコーナー部分であるが、本発明はこれに限定されず、例えば、中央部分(図9のデータ部100に示す)に配置されてもよい。第1ビットドットは、異なる第1データエリアの第1ビットエリアに設置され、異なるコード値で表すことができるが、同じ第1ビットエリア内にある時、コード値は第1ビットエリア内の位置にあるため、異ならない。
【0031】
例を挙げて説明すると、ドットAが第1データエリアの左上の第1ビットエリア112aに設置されると、コード値00で表すことがきる。ドットAが第1データエリアの右上の第1ビットエリア112cに設置されると、コード値01で表すことがきる。ドットAが第1データエリアの左下の第1ビットエリア112gに設置されると、コード値10で表すことがきる。ドットAが第1データエリアの右下の第1ビットエリア112iに設置されると、コード値11で表すことがきる。上記の第1ビットドットの配置位置とコード値の対応関係は、単なる本発明の1つの実施例であり、本分野において通常の知識を有する者が実際の要求に応じてコード化を行ってもよい。そのため、図5に示すように、データ部100において、第1ビットドットの第1ブロック110中の異なる配置位置を利用して、異なるコード値の組み合わせを表すことができ、コード値の組み合わせが異なれば、異なるインジケータデータを表すことができる。同様にして、1つのデータエリア内で、異なるビットエリア全てにビットドットが設置された時、コード値の排列の組み合わせをさらに複雑にすることによって、さらに多くのデータの組み合わせを表すことができる。
【0032】
図5に戻り、続いて、ラベル部200の構造について説明する。図5に示すように、ラベル部200は、複数の第2ブロック210に区分される。本実施形態において、第2ブロック210には、位置の相違に基づいて、異なる番号を付ける。そのため、ラベル部200は、7つの第2ブロック210A〜210Gを含み、且つこれらの第2ブロック210A〜210GはL型分布を表し、且つL型を表すラベル部200とデータ部100の2つの隣り合う境界は、隣接する。そのため、第1ブロック110と第2ブロック210A〜210Gは、4×4のブロック配列に排列される。各第2ブロック210A〜210Gは、さらに、(P×Q)配列方式で排列された複数の第2ビットエリアに区分されてもよく、そのうち、PとQは、いずれも3の整数よりも大きいか等しい。本実施形態において、PとQは、いずれも3に等しいため、各第2ブロック210A〜210Gは、複数の第2ビットエリアに区分され、且つこれらの第2ビットエリアは、3×3配列方式で排列される。
【0033】
図8は、図5の中の第2ブロック210Dの拡大概略図である。図8を参照すると、第2ビットエリアに、位置の相違に基づいて、異なる番号212a〜212iを付けた場合、十字形排列を表す5つの第2ビットエリア212b、212d、212e、212f、212hが、第2ラベルエリア214を構成する。各第2ブロック210A〜210Gは、いずれも1つの第2ビットドットのみを有し、本実施形態において、第2ブロック210A〜210Gの第2ビットドットは、第2ラベルエリア214内のビットエリアに設置されなければならない。つまり、第2ビットドットは、5つの第2ビットエリア212b、212d、212e、212f、212hの中の1つにだけ設置されることができる。図8に示すように、第2ビットドットは、例えば、ドットBであり、ドットBは、第2ラベルエリア214内の第2ビットエリア212eに設置される。また、第2ビットエリア212eは、十字形排列を表す第2ラベルエリア214の中心部分である。
【0034】
図4を参照すると、ラベル部200は、2つの隣り合うドットコード10を区分するために使用され、これにより、画像識別(pattern/image recognition)を行って、当該ドットコード10を読み取った時、光学デバイスが物体表面を読み取って拡大映像を取得した後、ドットコード10のラベル部200を先に識別さえすれば、データ部100の各ブロックの第1ビットドットを設置したのが第1データエリアのどのビットエリアであるのかを正確に識別することができるだけでなく、データ部100内のブロックの排列順序もさらに定義することができる。
【0035】
また、ラベルの200中の第2ビットドットの配置位置を変更することによって、互いに相違する異なるラベル部200を生成することができる。図5を参照すると、第2ブロック210Dの第2ビットドットは、第2ラベルエリア214の交差部分に設置される。そのうち、同じ行に位置する第2ブロック210A、210B、210Cの各第2ビットドットは、第1方向に沿って、対応する第2ラベルエリア214の交差部分から外れて設置される。第1方向は、例えば、二次元直角座標のX軸方向である。一方、同じ列に位置する第2ブロック210E、210F、210Gの各第2ビットドットは、第2方向に沿って、対応する第2ラベルエリア214の交差部分から外れて設置される。第2方向は、例えば、二次元直角座標のY軸方向である。すなわち、第1方向と第2方向は、実質的に垂直である。
【0036】
図9は、ドットコード10中のラベル部200の別の設計概略図である。図9を参照にすると、同じ行に位置する第2ブロック210A、210B、210C内の各第2ビットドットは、対応する第2ラベルエリアの交差部分に設置される。また、同じ行に位置する第2ブロック210E、210F、210G内の各第2ビットドットは、対応する第2ラベルエリアの交差部分から外れて設置される。このように、ラベル部200によって、データ部100のコード情報を正確に取り込むことができる。
【0037】
図10は、ドットコード10の別の設計概略図である。ドットコード10は、同様に、データ部100とラベル部200により構成される。データ部100が占有するエリアは、9つの第1ブロック110に区分される。マーク部200が占有するエリアは、7つの第2ブロック210に区分される。上述した実施形態と異なる点は、第1ブロック110がさらに複数の第1ビットエリア112に区分され、且つこれらの第1ビットエリア112が5×5配列方式で排列されることである。
【0038】
図11Aは、図9の中の1つの第1ブロック110の拡大概略図である。図11Aを参照すると、第1ブロック110中の各第1ビットエリア112に、位置の相異に基づいて、異なる番号を付けた場合、左上から右下に向かって順番に第1ビットエリア112a、112b、……、112yとなる。そのうち、十字形に排列された第1ビットエリア112c、112h、112k、112l、112m、112n、112o、112r、112wが、第1ラベルエリア114を構成する。図11Aからはっきりとわかるように、第1ラベルエリア114は、第1ブロック110を互いに隣接しない4つのデータエリアに分割する。そのうち、第1データエリアは、112a、112b、112f、112gであり、第2データエリアは、112d、112e、112i、112jであり、その他の2つのデータエリアは、これに基づいて推定する。
【0039】
上述した実施形態に類似して、第1ブロック110は、第1ビットドットを有し、且つ第1ビットドットは、第1ラベルエリア114の外のエリアに設置されなければならない。例えば、本実施形態の第1ビットドットはドットAであり、図11Aに示した4つのデータエリアの中の1つに設置されてもよい。ドットAが第1データエリアに設置されると、コード値00で表すことがきる。ドットAが第2データエリアに設置されると、コード値01で表すことがきる。ドットAが第3データエリアに設置されると、コード値10で表すことがきる。ドットAが第4データエリアに設置されると、コード値11で表すことがきる。
【0040】
しかしながら、各データエリアは、いずれも同じ数の第1ビットエリアで構成されるため、ドットAは、4つのデータエリアの中の1つに選択的に設置されるだけでなく、当該データエリアの中の1つの第1ビットエリア内に選択的に設置されることもできる。図11Bに示すように、図11Bは、ドットAを第1ビットエリア112a〜112y中に設置した時のそれぞれ対応するコード値を示した概略図である。言い換えると、第1ブロック110がいずれも図11Bに示した4つのビットによりコード化された場合、図10に示したデータ部100は、169種類の組み合わせを有する。そのため、図10に示したドットコード10の設計を利用すると、対応するインジケータデータ中で、169個の異なる数値を表示することができる。
【0041】
以上のように、第1ブロック110を異なる個数の第1ビットエリアに区分することによって、設計者は、データ部100とインジケータデータの設計をフレキシブルに利用することができる。また、図10に示したラベル部200の第2ブロック210と第1ブロック110は、大きさが同じであり、且つ第2ブロック210内の第2ラベルエリアの排列方式は、第1ブロック110内の第1ラベルエリアの排列方式と同じである。ここで、注意すべきこととして、第2ブロック210中の第2ビットドットは、いずれも第2ラベルエリア内のその中の1つの第2ビットエリア内に設置される。
【0042】
上述した実施形態は、データ部100とラベル部200のブロックおよびラベルエリアは、いずれも同じ設計である。しかし、本発明は、図12Aおよび図12Bに示すように、データ部100とラベル部200の十字形のラベルエリアに対して、異なる設計変化を行ってもよい。図12Aは、ドットコード10の第1ブロック110の別の設計図である。図12Aを参照すると、第1ブロック110は、7×7個のビットエリアに区分される配列方式により排列される。そのうち、第1ラベルエリア114Aは、当該第1ブロック110の中心のその中の1行およびその中の1列により構成される。図11Aに示した実施形態と比較すると、図12Aの第1ブロック110は、さらに多くの第1ビットエリアに区分されるため、各第1ビットエリアの面積は、図11Aに示した第1ビットエリアよりも小さい。言い換えると、十字形の第1ラベルエリア114Aの幅Wは、図11Aに示した第1ビットエリア114の幅よりも小さい。
【0043】
図12Bは、ドットコード10の第1ブロック110のさらに別の設計図である。図12Bを参照すると、第1ブロック110は、同様にして、7×7個の第1ビットエリアに区分される配列方式で排列される。しかし、その中の十字形の第1ラベルエリア114Bは、当該第1ブロック110の中心の互いに隣り合う3行および互いに隣り合う3列で構成される。すなわち、本実施形態の十字形の第1ラベルエリア114Bの最小幅W’は、第1ビットエリアの幅Wの3倍である。したがって、本発明は、ラベルエリアの最小幅を限定しないため、ラベルエリアの最小幅は、ビットエリアの幅の整数倍になってさえいればよい。
【0044】
また、説明すべきこととして、各ブロック内の区分されたビットエリアの数が多ければ多いほど、各ビットエリアの面積が小さくなるため、ビットドットが配置される位置と面積も異なる。そのため、ユーザーは、ビットドットを考慮して、ビットエリアを区分する数とラベルエリアの最小幅を設計することができる。また、ラベル部200のブロックおよびラベルエリアと、データ部100のブロックおよびラベルエリアは、異なる設計であってもよい。例を挙げて説明すると、ドットコード10のデータ部100の各ブロックおよびそのラベルエリアが図12Aの設計であり、且つ同じドットコード10中にある場合、ラベル部200のブロックおよびそのラベルエリアは、図12Bの設計であってもよい。
【0045】
上述したドットコード10の実施形態において、第1ブロックであるか、第2ブロックであるかに関わらず、ラベルエリアを構成する形状は、いずれもブロック中央に位置する十字形であるが、本発明はこれに限定されない。図13Aおよび図13Bに示すように、図13Aは、ドットコード10の第1または第2ブロック110のさらに別の設計図であり、図13Bは、ドットコード10の第1または第2ブロック110のさらに別の設計図である。設置される位置は、ブロックの中央に限定されない。
【0046】
図13Aを参照すると、このブロックは、ドットコード10のデータ情報を構成する第1ブロックであってもよく、また、ドットコード10のラベル情報を構成する第2ブロックであってもよい。このブロックは、5×5配列のビットエリアにより排列され、そのうち、ラベルエリア300Aは「一」字形であり、このブロックの中央の互いに隣り合う5つのビットエリアを含む。このブロックがデータ情報の中の1つに属する場合、このブロック中のビットドットの配置位置は、ラベルエリア300A以外のエリアに設置されなければならず、反対に、このブロックがラベル情報の中の1つに属する場合、このブロック中のビットドットの配置位置は、ラベルエリア300A以内のエリアに設置されなければならない。
【0047】
図13Bを参照すると、図13Aに類似するが、異なる点は、図13Bのブロックのラベルエリア300Bが「|」字形であることである。同様にして、このブロックがデータ情報の中の1つに属する場合、このブロック中のビットドットの配置位置は、ラベルエリア300B以外のエリアに設置されなければならず、反対に、このブロックがラベル情報の中の1つに属する場合、このブロック中のビットドットの配置位置は、ラベルエリア300B以内のエリアに設置されなければならない
【0048】
上述した各実施形態に示したドットコード10およびそのブロックは、単なる選択的な実施模範例であって、本発明の保護範囲を限定するものではないため、ラベル情報を構成するブロックおよびデータ情報を構成するブロックの排列方式は、必ずしも対称の正方形に限るものではなく、(A×B)のブロック配列(A、Bは、1より大きい正の整数)で排列されてもよい。また、ラベル情報を構成するブロックの排列方式もL型に限定されず、ドットコード10中のその中の1行およびその中の1列で構成されてもよい。
【0049】
別の観点からみると、図14Aは、本発明の変形実施形態に係るドットコードの概略図である。図14Bは、図14Aの中の1つのバーチャルブロックの拡大概略図である。図14Aおよび図14Bを合わせて参照すると、ドットコード14は、複数のバーチャルブロック140A〜140Pと、複数のビットドットdとを含む。そのうち、バーチャルブロック140A〜140Pは、4×4のマトリックスを構成する。各バーチャルブロック140A〜140Pは、いずれも1つの中央ラベル部(central label part)と、4つのコーナービットエリア(corner bit zone)に分割される。本実施形態において、各バーチャルブロック140A〜140P内の中央ラベル部およびコーナービットエリアの分割方式および排列方式はいずれも同じであるが、本発明はこれに限定されない。
【0050】
図14Aに示したバーチャルブロック140Aを例とすると、バーチャルブロック140Aは、1つの中央ラベル部CLと、4つのコーナービットエリアCB-1〜CB-4に分割される。図からはっきり分かるように、コーナービットエリアCB-1〜CB-4は、中央ラベル部CLを取り囲んでいるため、ドットコード14中の全ての中央ラベル部CLは、互いに隣接しない。
【0051】
コーナービットエリアCB-1〜CB-4は、それぞれ1つの候補2進コードを表し、図14Bに示すように、コーナービットエリアCB-1は、候補2進コード00を表し、コーナービットエリアCB-2は、候補2進コード01を表し、コーナービットエリアCB-3は、候補2進コード10を表し、コーナービットエリアCB-4は、候補2進コード11を表す。候補2進コードの順序および組み合わせは、上述した順序および組み合わせに限定されない。
【0052】
図14Aに戻って、各バーチャルブロック140A〜140Pについて説明すると、ビットドットdは、4つのコーナービットエリアの中の1つに選択的に配置されてもよく、あるいは、中央ラベル部に配置されてもよい。例を挙げて説明すると、バーチャルブロック140Aのビットドットdは、中央ラベル部CL中に配置され、バーチャルブロック140Pのビットドットdは、コーナービットエリアCB-3中に配置されるため、図14Bを参照するとわかるように、コーナービットエリアCB-3中で対応する候補2進コードは10であり、したがって、バーチャルブロック140Pが表す2進コードは、10である。
【0053】
説明すべきこととして、予め定められた位置のバーチャルブロックに位置する中央ラベル部は、パターンを固定するラベルを構成するのに使用され、このラベルは、ドットコードを基準として、バーチャルブロックが表す2進コードの所定の順序を決定するために用いることができる。例を挙げて説明すると、本実施形態のバーチャルブロック140A、140B、140C、140D、140E、140I、140Mのビットドットdは、いずれも中央ラベル部CL中に位置し、全て上述したバーチャルブロックの中央ラベル部CLのビットドットdのような排列パターンを表し、ビットドット14中のその他のバーチャルブロックが表すこれらの2進コードの所定の順序を決定することができる。得られる2進数(binary)のコードは、以下の通りである。
【0054】
【表1】
【0055】
上述したバーチャルブロックの排列順序で構成されるコード000110011101000010は、単なる本発明の模範的実施形態であって、排列順序が異なれば形成されるコードも異なるため、所定の順序は、実際の状況に基づいて設定してもよい。
【0056】
また、図14Cを参照すると、図14Cは、図14Bのバーチャルブロックの変形実施形態の概略図である。図に示すように、バーチャルブロックの中央ラベル部は、さらに複数のラベルエリアCL-1〜CL-9に区分されるため、中央ラベル部に設置されるビットドットdは、ラベルエリアCL-1〜CL-9の中の1つに選択的に配置されてもよい。そのうち、ラベルエリアCL-2、CL-4、CL-5、CL-6、CL-8は、十字形に排列され、ビットドットdは、さらにラベルエリアCL-2、CL-4、CL-5、CL-6、CL-8の中の1つに選択的に配置されてもよい。したがって、中央ラベル部をさらに複数のラベルエリアに分割することによって、ビットドットの配置位置が異なることと組み合わせて、さらに多くの複雑なパターンのラベルを設計することができる。
【0057】
上述した矩形に排列された多種類のドットコードに対し、本発明は、また、対応するチップの復号化方法を提供して、ドットコードのコード化を行う。図15は、本発明の実施形態に係るチップの復号化方法のフローチャートである。図15を参照されたい。
【0058】
まず、ステップS150において、1組のドットコードを少なくとも含む映像データを受信する。例を挙げて説明すると、映像データは、例えば、図4に示した複数組のドットコード10排列により形成されたパターンであり、映像データは、また、図14Aに示したドットコード14であってもよい。
【0059】
続いて、ステップS152において、予め設定した規則に基づいて、ドットコード内に属しL型分布を表すラベル部中の複数のビットドットを捜索する。図5を例として説明すると、ドットコード10中のラベル部200は、L型分布であり、図14Aを例として説明すると、ビットドットの中央ラベル部CLに配置されたバーチャルブロック140A、140B、140C、140D、140E、140I、140Mは、L型分布を形成する。
【0060】
ステップS154において、L型分布のラベル部内に属するビットドットを基準として、データ部内の各ブロックが表す状態を判断し、状態の差異に基づいてそれぞれ2進コードを生成する。ある実施形態において、各ブロック内にビットドットがあるかどうかを判断して、ブロックにビットドットがある場合を第1状態とし、ブロックにビットドットがない場合を第2状態とする。そのうち、第1状態が0の2進コードを選択的に生成できる場合、第2状態は1の2進コードを対応して生成する。あるいは、第1状態が1の2進コードを選択的に生成する場合、第2状態は0の2進コードを対応して生成する。上述した実施形態は、単にデータ部中の各ブロックにビットドットがあるかどうかを判断することによって、2進コードを生成するものである。別の実施形態において、図11Bおよび図14Bに示すように、ビットドットの有無に基づく他に、ビットドットが設置された位置を判断してブロックが表す状態を共同判断し、異なる状態に基づいて異なる2進コードを対応して生成することをさらに含むが、ここでは詳しく説明しない。
【0061】
続いて、ステップS156において、L型分布のラベル部内に属するビットドットを基準として、データ部内の全てのブロックの排列順序を決定するとともに、対応する2進コードを排列して、コードを生成する。最後に、ステップS158において、このコードに基づいて、映像データの隠れた情報を対応して出力する。そのうち、ユーザーは、予めドットコードが生成できる全てのコードおよびその対応する指令をデータバンクの中に保存し、その後、直接ドットコードが生成したコードに基づいて、データバンク内でこのコードに対応する1つまたは複数の指令を照会し、前記指令を実行して隠れた情報を出力することができる。そのうち、隠れた情報は、例えば、電子デバイスにより出力される音声データ、映像データまたは音声と画像が組み合わされたマルチメディアデータである。したがって、ドットコードの設計により、例えば、ブックページ等のよく見かける物体表面上に、より多くの付加情報をロードすることができる。
【0062】
以上のように、複数のビットエリアによって構成されたブロックを備え、且つその中の一部のビットエリアがラベルエリアを構成してさえいれば、ラベル情報のブロック内に属するビットドットは、必ずラベルエリア以内に設置され、データ情報のブロック中に属するビットドットは、必ずラベルエリア以外のエリアに設置される。以上のドットコードが、すなわち本発明の精神が存在するところである。
【0063】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、比較的少ないドット数(比較的低いドット密度)を利用してドットコードを設計するとともに、対応する復号化方法を提供してドットコードを復号化し、復号化後、電子デバイスを介して、音声データや画像データ等のマルチメディアデータを対応して出力することができる。そのため、ドットコードの設計により、例えば、ブックページ等のよく見かける物体の表面上に、より多くの付加情報をロードすることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 物体表面
11 情報資料
10、12、14 ドットコード
100 データ部
102 光学デバイス
104 プロセッサ
106 出力デバイス
110 第1ブロック
112a〜112y 第1ビットエリア
114、114A、114B ラベルエリア
140A〜140P バーチャルブロック
2 電子システム
200 ラベル部
202 キーポイント
204 複数のグリッド
206 複数のデータポイント
210A〜210G 第2ブロック
212a〜212i 第2ビットエリア
300A、300B ラベルエリア
B ドット
CL 中央ラベル部
CB-1〜CB-4 コーナービットエリア
d ビットドット
W、W’ 幅
S610〜S640 ドットコードを形成する各ステップ
S150〜S158 チップの復号化方法の各ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15