特許第6367308号(P6367308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367308キーボードのキー用キーモジュールおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367308
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】キーボードのキー用キーモジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/02 20060101AFI20180723BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20180723BHJP
   H01H 9/18 20060101ALI20180723BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   H01H13/02 A
   G06F3/02 400
   H01H9/18 B
   H01H11/00 B
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-504542(P2016-504542)
(86)(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公表番号】特表2016-515751(P2016-515751A)
(43)【公表日】2016年5月30日
(86)【国際出願番号】EP2014053895
(87)【国際公開番号】WO2014154439
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】102013205577.3
(32)【優先日】2013年3月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506313763
【氏名又は名称】チェリー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】カール‐ハインツ ミュラー
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−040432(JP,U)
【文献】 特開2010−129261(JP,A)
【文献】 特開2006−019130(JP,A)
【文献】 特開平04−186277(JP,A)
【文献】 特開2003−162934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードのキー用キーモジュール(100)であって、該キーモジュール(100)はモジュールソケット(130)、該モジュールソケット(130)と連結可能なモジュールキャップ(150)、および少なくとも1つのシンボル部(165)において半透明のキーボタン(160)を連結するキーリフタ(140)を備えるキーモジュール(100)において、前記モジュールソケット(130)は、前記キーモジュール(100)の底部と前記モジュールキャップ(150)の間に少なくとも1つの貫通開口(135)を備え、前記モジュールキャップ(150)は、光源(120)からの光に対する半透明部(255;355;455)を備え、該半透明部(255;355;455)は、モジュールキャップ(150)がモジュールソケット(130)に連結された状態で、前記少なくとも1つの貫通開口(135)と一列に整列しており、
前記キーリフタ(140)は前記光源(120)からの光に対して半透明に構成され、前記モジュールソケット(130)および/または前記モジュールキャップ(150)は、少なくとも1つの、前記キーリフタ(140)に至る、前記光源(120)からの光に対する、更なる半透明部を備えていることを特徴とするキーモジュール(100)。
【請求項2】
前記キーモジュール(100)が前記光源(120)を備え、該光源(120)は、前記キーモジュール(100)の底部に隣接して、または前記モジュールキャップ(150)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のキーモジュール(100)。
【請求項3】
前記キーリフタ(140)の長手方向軸は、前記光源(120)の取り付け位置から間隔を空けて配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のキーモジュール(100)。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のキーモジュール(100)であって、前記キーモジュール(100)は、少なくとも1つのシンボル部(165)において半透明のキーボタン(160)を備え、該キーボタン(160)は前記キーリフタ(140)と連結され、前記キーボタン(160)は、連結された状態でモジュールキャップ(150)に向いた側に、前記光源(120)からの光を前記シンボル部(165)に亘って散乱する光散乱ユニットを備えていることを特徴とするキーモジュール(100)。

【請求項5】
前記モジュールソケット(130)は貫通開口(135)を備え、該貫通開口(135)は、前記光源(120)からの光を通過させるため、および/または前記光源(120)の少なくとも一部を受容するために構成されていることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載のキーモジュール(100)。
【請求項6】
前記モジュールキャップ(150)の半透明部(255;355)は、前記光源(120)からの光を透過放射可能な透過開口または光散乱ユニットを備えていることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載のキーモジュール(100)。
【請求項7】
請求項1〜の何れか一項に記載のキーモジュール(100)であって、前記モジュールソケット(130)は貫通開口(135)を備え、および前記モジュールキャップ(150)の半透明部(255)は導光開口を備えることを特徴とするキーモジュール(100)において、導光ユニット(670;880)を、前記光源(120)からの光を導くために備え、該導光ユニット(670;880)は、少なくとも前記モジュールソケット(130)の貫通開口(135)から前記モジュールキャップ(150)の導光開口まで延在するよう配置されていることを更に特徴とするキーモジュール(100)。
【請求項8】
前記導光ユニット(670;880)は、前記キーモジュール(100)に取り付け可能な独立した構成部品であることを特徴とする、請求項に記載のキーモジュール(100)。
【請求項9】
キーボードのキー用キーモジュール(100)の製造方法(1100)であって、該製造方法(1100)は:
請求項1〜の何れか一項に記載のキーモジュール(100)および該キーモジュール(100)を支承する支承素子(110)を準備するステップ(1110)と;
光源(120)、特に色を変更可能な光源(120)を前記支承素子(110)と導電的および機械的に接続するステップ(1120)と;
前記キーモジュール(100)を前記支承素子(110)に取り付けるステップ(1130)と、を含み、前記光源(120)を、前記モジュールソケット(130)の少なくとも1つの貫通開口(135)および前記モジュールキャップ(150)の半透明部分(255;355;455)と一列に整列させる製造方法(1100)。
【請求項10】
請求項に記載の製造方法(1100)であって、前記準備するステップ(1110)において、請求項1〜の何れか一項に記載のキーモジュール(100)を準備し、および前記接続するステップ(1120)において、前記光源(120)を前記支承素子(110)に配置することを特徴とする製造方法(1100)。
【請求項11】
請求項に記載の製造方法(1100)であって、前記準備するステップ(1110)において、請求項に記載のキーモジュール(100)を準備し、前記接続するステップ(1120)において、前記光源(120)を前記支承素子(110)に配置する製造方法(1100)であって、該製造方法(1100)は、前記光源(120)からの光を導く前記導光ユニット(670;880)を配置するステップ(1140)を含み、前記導光ユニット(670;880)は、少なくとも前記モジュールソケット(130)の貫通開口(135)から前記モジュールキャップ(150)の前記導光開口まで延在していることを特徴とする製造方法(1100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボードのキー用キーモジュール、およびキーボードのキー用キーモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
年間で製造されるキーボードの総数から驚くべき部分が、いわゆる「ゲームのセグメント」で必要とされている。暗い室内でも良好な状態でコンピュータが使用可能であるよう、バックライト方式のキーボタンを備えたキーボードがすでに存在する。しかし、例えばコンピュータゲームでは、キーに対する輝度に依存しない視認性に加え、キー操作時の触覚が重要な役割を果たす。特にキーの操作時、プレーヤーは複雑かつ瞬時のプレーで異なる入力命令を明確かつ確実に分離可能であるよう、広範にカバーされている経路において、十分な抵抗力を感じる必要がある。
【0003】
米国特許第7,172,303(B2)号明細書は、光沢があり透明なキーボタンを備え、照明されるキーボードを開示し、このキーボタンのシンボルは光源により照明される。この場合、表面にあるレーザーで削ったシンボルが導光体チャネルにより照明される。この例では、光源はキーボタンの領域の外側に位置する。
【0004】
キーへのバックライトの異なる色彩を調整するために、これまでは少なくとも複数のLED(発光ダイオード)を使用していた。キーシンボルを照明するためには、例えば、光チャネルまたは導光体であるチャネルが必要となる可能性がある。例えば、常に確実に、キーシンボルを均一にバックライト可能ではない。また、ゴムドーム型のスイッチマットを備えたキーボードも使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,172,303(B2)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした背景に鑑み、本発明の課題は、キーボードのキー用のキーモジュールを改良すること、および改良された、キーボードのキー用キーモジュールの製造方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項に記載の特徴により解決される。有利な実施形態は、従属請求項及び以下の記述から明らかとなる。
【0008】
本発明の複数の実施形態により、キーボードのバックライトされるキーに特に有効である、キーモジュールが提案される。このキーモジュールは、特に、例えばRGB発光ダイオードである光源を受容する開口部をモジュールソケットに備え、および配光に適するよう形成されたモジュールキャップを備えたキーモジュールである。別の表現で説明すると、モジュールソケットおよび/またはキーモジュールのモジュールキャップは、光源を受容する部分、および/または光源により放射された光を導く部分を備える。
【0009】
本発明の一実施形態により、有利にも、キーシンボルを均一にバックライト可能である。この場合、わずかな変更を加えるのみで既存のモジュールモデルが使用可能である。従って、キーモジュールの個々の部品を僅かに変更する、またはモジュールの製造時に全く変更しないか、または僅かな変更のみで、例えば追加の構成部品、特に追加の導光体あるいは導光体チャネルを使用せずに、キーシンボルを整然とバックライト可能である。従って、特に標準的なMXモジュール組み立てである標準的なモジュール組み立て、例えば回路基板組み立てまたはフレーム組立が実行可能である。単に、キーモジュール毎に1つの光源が必要となるのみである。従って、例えば製造装置または製造設備を追加する負担が生じない。
【0010】
特に有利な、キーボードのキー用キーモジュールであって、モジュールソケット、このモジュールソケットと連結可能なモジュールキャップ、および少なくとも1つのシンボル部において半透明のキーボタンを連結するキーリフタを備えるキーモジュールにおいて、モジュールソケットは、キーモジュールの底部とモジュールキャップの間に少なくとも1つの貫通開口を備え、モジュールキャップは、キーボタンのシンボル部をバックライトする、光源、特に色を変更可能な光源からの光に対する半透明部を備え、この半透明部は、モジュールキャップがモジュールソケットに連結された状態で、少なくとも1つの貫通開口と一列に整列していることを特徴とするキーモジュールである。好適には、半透明部および貫通開口が直線に沿い、更に好適にはキーリフタの長手方向軸に平行する直線に沿い、一列に整列している。この場合、本発明に関して「一列に整列」とは、光源、特に色を変更可能な光源からの光が、貫通開口の方向からまたは貫通開口から半透明部に向かい、および貫通開口を通過して、キーボタンのシンボル部をバックライトするために照射可能な配置にある、と理解される。
【0011】
キーボードは少なくとも1つのキーを備え、キー毎にキーモジュールが備わる。キーはキーモジュールを装備可能であり、またはキーモジュールから構成可能である。キーモジュールは、例えばいわゆるMXモジュールまたはそれと類似したものとすることができる。キーボードにキーモジュールを使用または取り付けることで、キーボードのキーをバックライト可能である。キーモジュールのモジュールソケットおよびモジュールキャップは、これらが互いに連結された状態で、キーモジュールの基体と成り得る。キーモジュールが組立てられた状態で、キーリフタを、モジュールソケットおよびモジュールキャップから構成されたキーモジュールの基体内で、キーリフタの長手方向軸に沿って部分的に可動な状態で受容可能である。この場合キーリフタは、モジュールキャップの開口部を通って外側に延在可能である。従ってキーリフタは、キーリフタの動きまたは作動に依存しつつ変化可能な、モジュールキャップから突出する部分を備えることが可能である。キーモジュールの底部は、モジュールソケット部分を含むことが可能である。この底部で、キーモジュールを支承素子に取り付け可能である。キーモジュールが組立てられた、または据え付けられた状態で、モジュールソケットと、キーリフタに連結されたキーヘッドまたはキーボタンの間に、モジュールキャップを配置可能である。
【0012】
一実施形態により、キーモジュールは光源、好適には色を変更可能な光源を装備可能である。この場合、光源はキーモジュールの底部に隣接して、またはモジュールキャップに配置可能である。光源は、発光ダイオード(LED)とすることが可能である。色を変更可能な光源は、好適にはRGB発光ダイオードまたはRGB-LEDまたは赤緑青発光ダイオードとすることができる。光源は、表面固定型光源またはSMD光源(SMD、表面実装部品)とすることもできる。光源は、光がモジュールキャップの半透明部を通過し、連結されたキーボタンまたは連結可能なキーボタンの取り付け位置に向けて放射されるよう構成可能である。代替的に、光源は光がモジュールソケットの貫通開口およびモジュールキャップの半透明部を通過し、連結されたキーボタンまたは連結可能なキーボタンの取り付け位置に向けて放射されるよう構成可能である。そうした実施形態には、単に一つの光源のみで、光が、または光源により放射された光の随意に選択された色が、シフトボタンをバックライト可能である、という利点がある。例えばRGB-LEDである光源も、標準的な表面固定またはSMD実装により装備可能である。
【0013】
特に、キーリフタの長手方向軸は、光源の取り付け位置から間隔を空けて配置可能である。キーリフタの長手方向軸に沿った観察方向に対しても、光源の取り付け位置は、キーリフタの取り付け領域から間隔を空けて配置可能である。この場合、キーリフタの長手方向軸はキーモジュールの中心点、または中心点領域を走ることができる。そうした実施形態には、光源がキーリフタから間隔を空けて配置可能、または配置されているために、キーボタンの照明に対してキーリフタが影響を及ぼさない、という利点がある。
【0014】
キーモジュールは、少なくとも1つのシンボル部において半透明のキーボタンを装備可能であり、このキーボタンはキーリフタに連結されている。この場合キーボタンは、連結された状態でモジュールキャップに向いた側面上に、光源からの光を散乱する光散乱ユニットを、シンボル部を包囲する、キーボタンの少なくとも1つの領域上に装備可能である。キーボタンは、操作者にとり可視であり、および押し下げにより操作可能な、キーモジュールの部分とすることができる。光散乱ユニットは、散光盤、散光面またはそれと類似したものとすることが可能である。そうした実施形態には、光散乱ユニットを備えたこのようなキーボタンにより、光源からの光を均一にシンボル部全面に亘って分配可能である、という利点がある。
【0015】
更にキーリフタは、光源からの光に対して半透明に構成可能である。そうした実施形態には、そのようなキーリフタが光源からの光に対し関連する障害とならないため、均一な照明またはバックライトの状態を改善可能、という利点がある。
【0016】
更に好適には、モジュールソケット、または代替的にモジュールキャップ、または更に代替的にモジュールソケットとモジュールキャップが、少なくとも部分的に、光源からの光に対して半透明に構成された部分を装備可能である。好適な態様では、モジュールソケットおよび/またはモジュールキャップは、キーリフタに至る壁面部分に半透明領域を備える。半透明領域は、透光性材料および/または少なくとも1つの、キーリフタに至る通路または出口により構成可能である。更に好適には、モジュールソケットまたはモジュールキャップの外側から可視の壁面部のみが、キーボタンに至るモジュールキャップの壁面部まで非透光性に構成される。この壁面部を境にして内側の壁面部は半透明に形成される。この場合、モジュールソケットまたはモジュールキャップは、非透光性および透光性材料の組み合わせから構成可能である。代替的に、モジュールソケットまたはモジュールキャップは、製造費用を削減するため透光性材料から構成可能であり、モジュールソケットまたはモジュールキャップの非透光性領域には、非透光性カバーを備える。更に代替的に、モジュールソケットまたはモジュールキャップ全体を、非透光性材料から構成可能であり、モジュールソケットまたはモジュールキャップの半透明部は、少なくとも1つの通路または出口により構成される。
【0017】
好適な実施形態により、キーボタンのシンボル部を均質に照明可能である。換言すれば、キーボタンが平面的で均質に照明される。更に、隣接するキーモジュールまたはモジュールソケットへの光散乱を、広範囲に、またはほぼ完全に防止可能である。
【0018】
本発明により、光源からの光を通過させるため、および/または光源の少なくとも一部を受容するために貫通開口が備わる。この場合、貫通開口は開口部輪郭を備えることが可能であり、この開口部輪郭は、光源の基本面と少なくとも対応する。従って、光源は少なくとも部分的に、貫通開口内へ突出可能であり、または光源からの光は貫通開口を通過して放射可能である。そうした実施形態には、この場合光源を、キーモジュールの底部またはキーモジュールを支承する支承素子に隣接して配置可能であり、キーモジュールを用意に組み立て可能である、という利点がある。
【0019】
この場合、モジュールキャップの半透明部は、光源からの光を透過放射可能な透過開口または光散乱ユニットを装備可能である。光散乱ユニットは、散光盤または散光面として形成可能である。散光面は、キーボタンのシンボル部をバックライトすべく、好適にはレンズ形状またはプリズム形状に構成可能である。代替的に、散光面は好適な態様で、シンボル部をバックライトするのに適した他の形状、例えば球欠面のようにも構成可能である。この場合、光散乱ユニットはキーモジュールが組み立てられた状態で、モジュールキャップにおいて、モジュールソケットまたはキーボタンに向いた表面に配置可能である。従って、モジュールキャップは少なくとも光散乱ユニットの領域において、光源からの光に対する半透明材料、または光を通過させる材料、または透明材料を備える。そうした実施形態には、これにより光源からの光を、キーボタンを照明またはバックライトすべく均一に拡散可能という利点がある。透過開口である場合には、キーボタンの透過開口に面する領域において、光散乱ユニットの場合と比較して、より明るくモジュールキャップが照明される。
【0020】
更なる一実施形態により、導光ユニットを、光源からの光を導くために装備可能である。この場合、導光ユニットは、少なくともモジュールソケットの貫通開口からモジュールキャップの半透明部により構成された導光開口まで延在するよう、配置可能である。この場合、導光ユニットは導光体チャネルまたは導光チャネルを装備可能である。この場合導光ユニットにおいて、連結されたキーボタンに向いた端部に、特に前述したような散光盤または散光面である光散乱ユニットを配置可能である。光散乱ユニットはこの場合、キーボタンに近接して装備可能である。好適には、光散乱ユニットにおいてキーボタンに向いた表面側は、モジュールキャップにおいてキーボタンに向いた最も近接する表面側とキーボタンの間に配置可能である。この場合光散乱ユニットは、好適には、キーボタンが妨げられずに作動可能である位置を選択して配置される。更に好適には、光散乱ユニットがキーボタン用の作動先止め部を構成可能である。換言すると、キーボタンおよび/またはキーリフタの最長作動路は、キーボタンの下側から、この下側に面する光散乱ユニットの表面側に至る直線距離に対応する。代替的に、または更に好適には、光散乱ユニットにおいてキーボタンに向いた表面側、およびモジュールキャップにおいてキーボタンに向いた最も近接する表面側は、1つの平面上に位置している。更に代替的には、光散乱ユニットの表面側は、モジュールキャップにおいてキーボタンに向いた最も近接する表面側と、モジュールソケットの貫通開口の間に配置可能である。好適な実施形態には、光源をキーモジュールの底部に配置可能であり、しかしながら、連結されたキーボタンに向かう光誘導を導光ユニットにより改善可能、という利点があり、導光ユニットは、キーボタンをより良好に照明可能であるよう、キーボタンに可及的に近接してアクセス可能である。
【0021】
更なる好適な一実施形態により、導光ユニットはキーモジュールに取り付け可能であり、更に好適には解除可能に取り付け可能である、独立した構成部品とすることができる。そのために導光ユニットは、好適には、少なくとも導光ユニットをキーモジュールに取り付け可能とする固定手段を備える。この固定手段は、例えば留め金またはロックピンのような、通常のロック手段とすることが可能である。これらのロック手段は、モジュールソケットの貫通開口と共に作用すべく備えられる。留め金は、例えばモジュールソケットの貫通開口内またはモジュールキャップの半透明部内に係合すべく、または、貫通開口もしくは半透明部と境を接するか囲む縁部の後ろで係合すべく、装備可能である。ロックピンは、例えば栓として構成可能である。更に好適には、栓は圧入が必要とされる断面厚を備え、断面厚は少なくとも貫通開口または半透明部の開口幅に対応する。更に好適には、ロックピンは、組立てを容易にするため、貫通開口または半透明部の受容方向において先細り形状とすることができる。代替的に、キーモジュールおよび導光ユニットは対応するロック手段を装備可能である。その際、導光ユニットまたはキーモジュールの一方は、例えば留め金のようなロック用突起部を備え、これら部品の他方は、対応するよう割り当てられたロック用リセスまたは突起部を備え、ロック手段をロックした状態で受容する。更に好適には、モジュールキャップおよび/またはモジュールソケットは、対応するロック手段を装備可能である。取り付け可能な導光ユニットが独立していることにより、キーモジュールと共に装備可能なキーボードに対して必要に応じた装備が可能となり、製造コストが低減される。
【0022】
キーボードのキー用キーモジュールの、特に有利な製造方法は、
前述のキーモジュールおよびキーモジュールを支承する支承素子の変形形態を準備するステップと;
光源、特に色を変更可能な光源を支承素子と導電的および機械的に接続するステップと;
キーモジュールを支承素子に取り付けるステップと、を含み、光源を、モジュールソケットの少なくとも1つの貫通開口およびモジュールキャップの半透明部分と一列に整列させる。
【0023】
製造方法は、前述のキーモジュールと関連して、有利に実行可能である。製造方法を実行することで、前述のキーモジュールの変形形態を有利に製造可能である。
【0024】
一実施形態により、準備するステップにおいて、キーモジュールの第1バージョンを準備可能である。更に、接続するステップにおいて、光源を支承素子に配置可能である。例えば、支承素子は回路基板を装備可能である。この場合、光源は接続するステップにおいて、表面を固定することにより、回路基板に配置可能である。キーモジュールの第1バージョンは、キーボードのキー用キーモジュールを含み、キーモジュールは、モジュールソケット、このモジュールソケットと連結可能なモジュールキャップ、および少なくとも1つのシンボル部において半透明のキーボタンを連結するキーリフタを備えるキーモジュールにおいて、モジュールソケットは、キーモジュールの底部とモジュールキャップの間に少なくとも1つの貫通開口を備え、モジュールキャップは、キーボタンのシンボル部をバックライトする、光源、特に色を変更可能な光源からの光に対する半透明部を備え、この半透明部は、モジュールキャップがモジュールソケットに連結された状態で、少なくとも1つの貫通開口と一列に整列していることを特徴とする。更に、キーモジュールは任意に、光源、特に色を変更可能な光源を装備可能であり、キーリフタの長手方向軸は、光源の取り付け位置から間隔を空けて配置可能である。キーモジュールは、少なくとも1つのシンボル部において半透明のキーボタンを備え、このキーボタンはキーリフタと連結されている。キーボタンは、連結された状態でモジュールキャップに向いた側に、光源からの光をシンボル部に亘って散乱する光散乱ユニットを装備可能である。キーリフタは、光源からの光に対して半透明に構成可能である。モジュールソケットは、光源からの光を通過させる貫通開口および/または光源の少なくとも一部分を受容すべく構成された貫通開口を装備可能であり、および/またはモジュールキャップの半透明部は、光源からの光を透過放射可能な透過開口または光散乱ユニットを装備可能である。
【0025】
更なる一実施形態により、準備するステップにおいて、キーモジュールの第2バージョンを準備可能である。更に、接続するステップにおいて、光源を支承素子に配置可能である。この場合製造方法は、光源からの光を導く導光ユニットを配置するステップを含むことが可能である。導光ユニットは、少なくともモジュールソケットの貫通開口からモジュールキャップの導光開口まで延在する。キーモジュールの第3バージョンは、キーボードのキー用キーモジュールを備え、キーモジュールは、モジュールソケット、このモジュールソケットと連結可能なモジュールキャップ、および少なくとも1つのシンボル部において半透明のキーボタンを連結するキーリフタを備えるキーモジュールにおいて、モジュールソケットは、キーモジュールの底部とモジュールキャップの間に少なくとも1つの貫通開口を備え、モジュールキャップは、キーボタンのシンボル部をバックライトする、色を変更可能な光源からの光に対する半透明部を備え、この半透明部は、モジュールキャップがモジュールソケットに連結された状態で、少なくとも1つの貫通開口と一列に整列していることを特徴とする。キーモジュールの第3バージョンにより、モジュールソケットは貫通開口を装備可能である。モジュールキャップの半透明部は、導光開口、および光源からの光を導く導光ユニットを更に装備可能であり、導光ユニットは、少なくともモジュールソケットの貫通開口からモジュールキャップの導光開口まで延在するよう、配置可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、添付の図面を参照して典型例として詳説される。
図1A】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図1B】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図1C】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図1D】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図2】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図3】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図4】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図5】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図6A】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図6B】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図7】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図8】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図9A】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図9B】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図9C】本発明の実施形態によるキーモジュールの図である。
図10】本発明の実施形態による製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好適な実施形態に関する以下の記載において、種々の図面に記された類似の作用を有する素子に関しては同一又は類似の符号を使用し、これら素子を繰り返して記載することを控えている。
【0028】
図1Aは、本発明によるキーモジュール100を、支承素子110に部分的に据え付けた状態の斜視図である。従って図1Aは、キーモジュール100を部分的に不完全な組立て状態で示す。キーモジュール100はキーボードのキー用キーモジュールである。図1Aは、キーモジュール100の光源120、貫通開口135を備えたモジュールソケット130およびキーリフタ140を示す。光源120およびモジュールソケット130は、支承素子110に取り付けられている。典型的に、支承素子110は回路基板を備える。キーリフタ140はモジュールソケット130に取り付けられている。
【0029】
典型的に、キーモジュール100の光源120はRGB発光ダイオードまたはRGB-LED(RGBとは、レッド、グリーン、ブルーの三原色であり、LEDとは発光ダイオードである)を備える。光源120は、色を変更可能な光源120として構成されている。典型的に、光源120は面実装により、支承素子110と導電的および機械的に接続されている。
【0030】
キーモジュール100のモジュールソケット130は、貫通開口135を備えている。貫通開口135は、光源120を受容する、または貫通開口135を通って光源120が通過可能であるよう構成されている。モジュールソケット130は、支承素子110に取り付けられている。この場合、モジュールソケット130の支承素子110に向いた側が、キーモジュール100の底部となる。換言すると、モジュールソケット130は、光源120が少なくとも部分的に貫通開口135を通って延在するよう、支承素子110に取り付けられている。貫通開口135は、モジュールソケット130の基本面の縁領域に形成されている。更にモジュールソケット130は、キーリフタ140のための受容部を備えている。モジュールソケット130の受容部は、モジュールソケット130の基本面の中央領域に形成されている。
【0031】
モジュールソケット130は、図1Aに示す平面図において略矩形の輪郭を備えている。キーリフタ140の基体は、図1Aに示す平面図において同様に略矩形の輪郭を備えている。キーリフタ140の基体は、モジュールソケット130の略中央に配置されている。キーリフタ140は、キーリフタ140の基体表面に亘って十字型の凸部を備えている。凸部は、例えば互いに交差するブリッジにより構成可能である。凸部は、キーリフタ140の基体表面の中央に配置可能である。モジュールソケット130の外側に位置する部分は、キーリフタ140の基体を囲む周辺縁部を形成する。貫通開口135は、キーリフタ140に隣接して、モジュールソケット130の周辺縁部に配置されている。貫通開口135は、キーリフタ140の基体の側壁に沿って延在している。貫通開口135は、矩形の開口断面を備える。開口断面は、開口断面の幅の、少なくとも倍の長さを備えることが可能である。開口断面は少なくとも、キーリフタ140の貫通開口135に向いた側壁の長さに対応する長さを備えることが可能である。貫通開口135は、キーリフタ140の側壁の全長に亘って延在可能である。貫通開口135およびキーリフタ140は、細いブリッジを介して互いに分離可能であり、ブリッジは、モジュールソケット130の周辺縁部の一部により構成されている。
【0032】
キーモジュール100のキーリフタ140は、部分的にモジュールソケット130の受容部内に配置されている。キーリフタ140は、モジュールソケット130および支承素子110から離れて位置している。厳密に言えば、キーリフタ140の第1端部、例えばキーリフタ140の基体と称される部分の少なくとも一部分は、キーモジュール100内に受容され、キーリフタ140の凸部と称される部分の少なくとも一部分から構成されるキーリフタ140の第2端部は、キーヘッドまたはキーボタンを連結する連結部として形成されている。
【0033】
別の表現で説明すると、図1Aは、典型的ないわゆるMXモジュールを、貫通開口135の形状でRGB発光ダイオード受容ユニットを備えたキーモジュール100として示す。図1Aにおいては、貫通開口135を備えたキーモジュール100が、光源120またはRGB発光ダイオードのための受容ユニットとして示される。貫通開口135は、内部に光源を沈めるためのモジュールソケット130または底部の開口部として実現可能である。これにより、例えば一般的なMXモジュールフロアを、僅かに変更して使用可能である。光源をこのように配置または位置させる場合、光源120からの光により、連結されたキーボタンに構成されたシンボルを直接に照明可能であるため、キーリフタ140を半透明な構造にせずに済む。任意に、キーリフタ140を透光性または透明材料で形成し、キーボタンにおけるバックライト面を拡大することも可能である。この場合、モジュールソケット130のキーリフタ140に向いた側壁に更なる貫通開口を備え、光源120から放射される光を通過させることも可能である。これにより、キーボタンを均一に照明可能である。
【0034】
図示されていない一実施形態により、モジュールソケット130は1つ以上の更なる光源用の1つ以上の更なる貫通開口を備えることができる。例えば、更なる貫通開口を、キーリフタ140の貫通開口135と対向する側面上に配置可能である。
【0035】
図1Bは、図1Aのキーモジュール100を、図1Aに対して回転させた状態の斜視図を示す。キーモジュール100は、図1Aと比較して更に進んだ組立て状態で示される。図1Bは、キーモジュール100にモジュールキャップ150を追加した状態で示し、図の状態により、光源並びに貫通開口が隠れている点が異なるが、それらを除いて、図1Aに対応する。従って図1Bは、キーモジュール100、支承素子110、モジュールソケット130、キーリフタ140およびモジュールキャップ150を示す。
【0036】
モジュールキャップ150は、モジュールソケット130と連結されている。キーリフタ140は、モジュールキャップ150の開口部を通って外側に延在している。この場合、第2端部またはキーリフタ140の連結部は、モジュールキャップ150から突出する。モジュールキャップ150は、本発明の図示の実施形態により、透光性、透明または半透明材料で形成されている。
【0037】
別の表現で説明すると、図1Bにおいては、半透明モジュールキャップ150またはキーモジュール100のMXキャップが追加されている。モジュールキャップ150は、透明材料で作られており、光源と、連結可能なキーヘッドの間の導光体として機能する。モジュールキャップ150は、図1Bでは明示されていないが、光散乱ユニットを備えることが可能である。光散乱ユニットまたは光散乱面を目的に従って形成することで、キーヘッドにおける照明可能な面を拡大可能である。
【0038】
図1Cは、図1Bのキーモジュール100を、図1Bに対して回転させた状態の斜視図を示す。キーモジュール100は、図1Bとは異なる組立て状態で示される。図1Cは、キーモジュール100を、シンボル部165を備えたキーボタン160を追加した状態で示すこと、支承素子110と分離された状態で示すこと、図の状態によりキーリフタ、光源および貫通開口が隠れている点が異なるが、それらを除いて図1Bに対応する。従って図1Cは、キーモジュール100、支承素子110、モジュールソケット130、モジュールキャップ150、キーボタン160およびシンボル部165を示す。
【0039】
図1Cにおいては図の状態により明示されていないが、キーボタン160はキーリフタと接続されている。正確に言えば、キーボタン160は連結部またはキーリフタの第2端部と連結されている。この場合典型的には、キーボタン160がモジュールキャップ150とモジュールソケット130に架かっている。キーボタン160はシンボル部165を備える。シンボル部165は、本発明の図示の実施形態により、キーシンボル、シンボルまたは印として、典型的に「AAA」の文字を含んでいる。この場合のキーボタン160は、シンボル部165においてが半透明に構成されている。キーボタン160が光源に照明されると、シンボル部165がバックライトされる。キーボタン160は、キーモジュール100において使用者に可視であり、操作可能な部分である。使用者がキーモジュール100を操作する際、キーボタン160はキーリフタと共に、モジュールソケット130、モジュールキャップ150および光源に対して、並びに支承素子110に対して可動な状態である。
【0040】
別の表現で説明すると、図1Cは完全な状態のキーモジュール100を示す。典型的にキーボタン160は、ラッカー層で非透光的に覆われた、またはラッカー層を塗布された透明なキーボタンとして構成されている。シンボル部165では、ラッカー層が例えばレーザーにより除去される。シンボル部150に含まれたシンボルは、RGB発光ダイオード形状の光源により、異なる色彩でバックライト可能である。照明のために光源により放射される色彩の選択は、例えばソフトウエアまたはハードウエアにより、個々の使用者が随意の頻度および各時点で調整可能である。
【0041】
図1Dは、キーモジュール100の、図1Cとは異なる斜視図を示し、キーモジュール100を図1Cとは異なる組立て状態で示す。図1Dは、キーモジュール100を支承素子110に取り付けられた状態で示すこと、図の状態によりキーリフタ、モジュールキャップ、光源および貫通開口が隠れている点が異なるが、それらを除いて、図1Cに対応する。従って図1Dは、キーモジュール100、支承素子110、モジュールソケット130、キーボタン160およびシンボル部165を示す。
【0042】
図1A乃至図1Dを参照すると、キーモジュール100を製造する際には、光源120またはRGB-SMD-LEDが支承素子110または回路基板にはんだ付けされることがわかる。キーモジュール100は、標準化された構成素子を使用し、標準化されたプロセスで支承素子110に実装される。光源120としてのRGB-LEDは、標準のLEDを上回る4つの接続部または接続ピン、或いはいわゆる2接続部ピンを備える。
【0043】
図2は、本発明の更なる一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の平面図であり、キーモジュール100、支承素子110、光源120、モジュールソケット130、キーリフタ140、モジュールキャップ150およびモジュールキャップ150の半透明部255を示す。この場合、図2のキーモジュール100は、例えば図1A乃至図1Dが示すキーモジュールに対応し、キーモジュール100の組立て状態は、図2においてモジュールキャップ150が半透明部255を備え、半透明部255が例えば非透光性材料から構成されていることを除けば、図1Bの組立て状態に対応する。
【0044】
半透明部255は、図2に示す本発明の実施形態により、透過放射開口として形成されている。この場合、半透明部255は、光源120、および図の状態により明示されていないが、モジュールソケット130の貫通開口と一列に整列している。別の表現で説明すると、この場合モジュールキャップ150は、MXモジュールの標準材料または原材料製の開放キャップである。従って、光源120により放射された光は、モジュールソケット130の貫通開口およびモジュールキャップ150の半透明部255を通過可能であり、キーモジュール100の連結可能なキーボタンをバックライトする作用を及ぼす。
【0045】
図3は、本発明の更なる一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の斜視図であり、キーモジュール100、支承素子110、モジュールソケット130、キーリフタ140、モジュールキャップ150およびモジュールキャップ150の半透明部355を示す。この場合図3のキーモジュール100は、図3においてモジュールキャップ150の半透明部355が光散乱ユニットを備えることを除けば、図2に示すキーモジュールに対応する。この場合、半透明部355または光散乱ユニットは、特に散光面または散光盤として形成されている。この場合散光面または散光盤は、半透明部355において、光源またはモジュールソケット130に向いた表面、あるいはモジュールキャップ150の連結可能なキーボタンに向いた表面に配置されている。散光面は、必要に応じてキーボタンを照明可能であるよう、レンズ形状またはプリズム形状に構成できる。例えば球欠面のように、散光面を所定の光の散乱に適した他の形状とし、対応してキーボタンを、既定の状態で背景照明可能とすることも同様に考慮可能である。一般的に、散光面は平坦とするか、あるいは、キーヘッドの方向またはキーボタンから離れる方向にカーブ可能である。これにより、キーボタンのシンボル部を、異なる強度および分散状態で照明可能である。
【0046】
図4は、本発明の更なる一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の斜視図であり、キーモジュール100、モジュールソケット130、キーリフタ140、モジュールキャップ150およびモジュールキャップ150の半透明部355を示す。この場合図4のキーモジュール100は、図4においてキーモジュール100を異なる視点で示し、支承素子を図示しないことを除けば、図3に示すキーモジュールに対応する。キーモジュール100の光源は、図の状態により隠れている。例えばRGB-LEDである光源は、キーモジュール100において支承素子、例えば回路基板に配置可能である。モジュールキャップ150の半透明部355は、例えば散光面または散光盤の形状である光散乱ユニットを備えている。
【0047】
図5は、本発明の更なる一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の斜視図であり、キーモジュール100、光源120、キーリフタ140、モジュールキャップ150、モジュールキャップ150の半透明部255、導光ユニット670および散光盤675を示す。この場合図5のキーモジュール100は、図5においてキーモジュール100を異なる視点で示し、支承素子並びにモジュールソケットを図示しないこと、キーモジュール100が更に導光ユニット670および散光盤675を備えることを除けば、例えば図2に示すキーモジュールに対応する。
【0048】
光源120は、例えばRGB光源である。光源120は、キーモジュール100の底部の領域に配置されている。導光ユニット670は、透過放射開口として形成された、モジュールキャップ150の半透明部255内に受容され、光源120から半透明部255を通って延在している。典型的に、導光ユニット670は導光チャネルとして形成されている。この場合、導光ユニット670の第1端部は、光源120に隣接して配置されている。導光ユニット670の第2端部は、モジュールキャップ150の光源120と反対側の領域に配置されている。散光盤675は、導光ユニット670の第2端部に取り付けられている。キーモジュール100のモジュールソケットは、図5において隠れているか、または構造的制約から省略されている。
【0049】
別の表現で説明すると、キーモジュール100またはMXモジュールは、散光盤675に覆われた導光ユニット670または導光チャネルを備えている。従って、導光ユニット670はキーモジュール内に一体化された導光体チャネルである。代替的に導光ユニット670は、図示されない一実施形態において、解除可能にキーモジュール100に取り付け可能な、独立した構成部品として備えることが可能である。この場合、導光ユニット670、または導光ユニット670およびキーモジュール100、キーモジュール100のうちの特にモジュールソケット130および/またはモジュールキャップ150を、導光ユニット670を解除可能にキーモジュール100に保持するロック手段を備えて構成可能である。ロック手段は、例えば留め金、ロック用突起部およびリセス等、通常のロックユニットとすることが可能であり、導光ユニット670をキーモジュール100に解除可能に保持するために、導光ユニット670をロック可能な部品とする。更に代替的に、同様の部品による解除可能な構成が必然的でない場合には、導光ユニット670を接着剤によりキーモジュール100に固定することも考慮可能である。
【0050】
図6Aは、図4のキーモジュールの異なる斜視図である。この場合、図6Aが示すキーモジュール100は、図4が示すキーモジュールに対応し、キーモジュール100、モジュールソケット130、キーリフタ140、モジュールキャップ150、およびモジュールキャップ150の、光散乱ユニットを備えた半透明部355を示す。
【0051】
図6Bは、図6Aのキーモジュールの断面図であり、キーモジュール100、支承素子110、光源120、モジュールソケット130、貫通開口135、キーリフタ140、モジュールキャップ150、キーボタン160、およびモジュールキャップ150の半透明部355を示す。この場合図6Bのキーモジュール100は、図6Bにおいて追加的に支承素子110が備わり、キーモジュール100が追加的に、キーリフタ140と連結されたキーボタンを備え、図の状態により追加的に光源120並びに貫通開口135を示すことを除いて、図6Aのキーモジュールに対応する。図6Aのキーモジュールはキーリフタの長手方向軸に沿って分割され、図6Bの断面図を示す。
【0052】
光源120は支承素子110に配置されている。支承素子110は、例えば回路基板とする。モジュールソケット130は、支承素子110に取り付けられている。光源120、モジュールソケット130の貫通開口135およびモジュールキャップ150の半透明部355は、互いに整列または直線に沿って並んでいる。光源120により放射された光は、貫通開口135および半透明部355を通過し、キーボタン160をバックライトする。モジュールキャップ150は、透明または半透明のモジュールキャップ150として構成可能である。半透明部355は、キーボタン160に対して間隔を有する光散乱ユニットまたは光散乱面を備える。
【0053】
図7は、本発明の更なる一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の断面図であり、キーモジュール100、支承素子110、光源120、モジュールソケット130、貫通開口135、キーリフタ140、モジュールキャップ150、キーボタン160、モジュールキャップ150の半透明部355および導光体880を示す。この場合、図7のキーモジュール100は、図7において追加的に導光体880が備わり、半透明部355がキーボタン160に対して、図6Bが示すよりも狭い間隔を備えることを除いて、図6Bのキーモジュールに対応する。導光体880は、光源120から貫通開口135を通って半透明部355まで延在している。導光体880は一体型の導光体である。半透明部355は、光散乱ユニットまたは光散乱面を備える。
【0054】
図8は、本発明の更なる一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の断面図であり、キーモジュール100、支承素子110、光源120、モジュールソケット130、貫通開口135、キーリフタ140、モジュールキャップ150、キーボタン160、およびモジュールキャップ150の半透明部355を示す。この場合、図8のキーモジュール100は、図8において半透明部355がキーボタン160に対して、図6Bが示すよりも狭い間隔を備えることを除いて、図7Bのキーモジュールに対応する。
【0055】
図9Aは、図2のキーモジュールの異なる斜視図である。この場合、図9Aが示すキーモジュール100は、図2が示すキーモジュールに対応し、キーモジュール100、モジュールソケット130、キーリフタ140、モジュールキャップ150およびモジュールキャップ150の、透過放射開口を備えた半透明部255を示す。
【0056】
図9Bは、図9Aのキーモジュールの断面図であり、キーモジュール100、支承素子110、光源120、モジュールソケット130、貫通開口135、キーリフタ140、モジュールキャップ150、キーボタン160およびモジュールキャップ150の半透明部255を示し、更に切断線AAを示す。この場合図9Bのキーモジュール100は、図9Bにおいて追加的に支承素子110が備わり、キーモジュール100が追加的に、キーリフタ140と連結されたキーボタンを備え、図の状態により追加的に光源120並びに貫通開口135を示すことを除いて、図9Aのキーモジュールに対応する。図9Aのキーモジュールはキーリフタ140の長手方向軸に沿い分割され、図9Bの断面図を示す。
【0057】
光源120は支承素子110に配置されている。支承素子110は、例えば回路基板とする。モジュールソケット130は、支承素子110に取り付けられている。光源120、モジュールソケット130の貫通開口135およびモジュールキャップ150の半透明部255は、互いに整列または直線に沿って並んでいる。光源120により放射された光は、貫通開口135および半透明部255を通過し、キーボタン160をバックライトする。モジュールキャップ150は、透明または半透明のモジュールキャップ150として構成可能である。半透明部255は、透過開口または開口部を備える。
【0058】
図9Cは、図10Bのキーモジュールの、図9Bの切断線AAに沿った断面図である。この場合、支承素子が省かれており、キーモジュール100、光源120、モジュールソケット130、貫通開口135、キーリフタ140、モジュールキャップ150およびモジュールキャップ150の半透明部255を示す。
【0059】
図10は、本発明の一実施形態によるキーボードのキー用キーモジュール100の製造方法1100のフローチャートを示す。製造方法1100は、図1A乃至図9Cのキーモジュールのようなキーモジュールと関連して、有利に実行可能である。製造方法1100を実施することにより、図1A乃至図9Cのキーモジュールのようなキーモジュールを有利に製造可能である。
【0060】
製造方法1100は、キーモジュールおよびキーモジュールを支承する支承素子を準備するステップ1110を含む。キーモジュールは、図1A乃至図10Cのキーモジュールである。製造方法1100は、色を変更可能な光源を支承素子と導電的および機械的に接続するステップ1120を含む。更に製造方法1100は、キーモジュールを支承素子に取り付けるステップ1130と、を含み、光源を、モジュールソケットの少なくとも1つの貫通開口およびモジュールキャップの半透明部分と一列に整列させる。
【0061】
製造方法1100の第1変形実施形態により、準備するステップ1110において、図1A乃至図4図6A図6Bおよび図8乃至図9Cのキーモジュールのようなキーモジュールを準備可能である。この場合、接続するステップ1120において、光源をキーモジュールの支承素子に配置可能である。
【0062】
製造方法1100の第2変形実施形態により、準備するステップ1110において、図5および図7のキーモジュールのようなキーモジュールを準備可能である。この場合、接続するステップ1120において、光源をキーモジュールの支承素子に配置可能である。この第2変形実施形態の製造方法は、更に光源からの光を導く導光ユニットを配置するステップ1140を含むことが可能であり、導光ユニットは、モジュールソケットの少なくとも貫通開口からモジュールキャップの導光開口まで延在している。
【0063】
上述及び図示の実施形態は、単に典型例として選択されたものである。異なる実施形態を、全体として又は個々の特徴に関して組み合わせ可能である。実施形態はまた,更なる実施形態の特徴により補完可能である。上述のステップは、繰り返して実行可能である。
【符号の説明】
【0064】
100キーモジュール
110支承素子
120光源
130モジュールソケット
135貫通開口
140キーリフタ
150モジュールキャップ
160キーヘッドまたはキーボタン
165シンボル部
255半透明部または透過放射開口
355半透明部または光散乱ユニット
425光源接続部
455半透明部または受容リセス
670導光ユニット
675散光盤
880導光体
1100製造方法
1110準備するステップ
1120接続するステップ
1130取り付けるステップ
1140配置するステップ(任意)
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10