(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367312
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ICダイおよび電圧チューナを有する半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20140101AFI20180723BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-508930(P2016-508930)
(86)(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公表番号】特表2016-518715(P2016-518715A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】US2013073683
(87)【国際公開番号】WO2014171977
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】13/866,893
(32)【優先日】2013年4月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボ,タオ・エイチ・ティ
(72)【発明者】
【氏名】ガン,アンディ・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】リ,シャオ−ユ
(72)【発明者】
【氏名】クライン,マシュー・エイチ
【審査官】
木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−110024(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0042795(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0164393(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0221873(US,A1)
【文献】
特開2005−49970(JP,A)
【文献】
特開昭61−59515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体パッケージであって、
インターポーザと、
前記インターポーザ上に配置され前記インターポーザを介して互いに結合された複数の集積回路(IC)ダイとを備え、前記複数のICダイのうちの第1のICダイは、前記複数のICダイのうちの別のICダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有し、
前記複数のICダイに電力を供給するために前記複数のICダイにそれぞれ結合されたプログラム可能な複数の電圧チューナと、
前記プログラム可能な複数の電圧チューナのそれぞれに結合された複数の制御素子とを備え、
前記複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナは前記第1のICダイに結合され、
前記複数の電圧チューナのうちの各電圧チューナは、前記複数の制御素子のうちのそれぞれの制御素子においてプログラムされた値によって選択された電圧レベルを供給するように構成され、
前記複数の制御素子の各々は、前記プログラムされた値を不揮発的に保持する読み出し素子であり、
前記第1の電圧チューナは、前記第1の電圧チューナに対する電圧入力の電圧レベルを低減し、低減した電圧を前記第1のICダイに出力するようにプログラムされ、
前記電圧チューナは前記インターポーザに配置されている、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記複数の電圧チューナのうちの前記第1の電圧チューナ以外の電圧チューナは、それぞれのICダイに対する変更なしで入力電圧を与えるようにプログラムされている、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記複数の電圧チューナのうちの各電圧チューナは、前記各電圧チューナに対する電圧入力を低減し、低減した電圧を対応する前記ICダイに出力するようにプログラムされている、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
パッケージ基板をさらに備え、
前記インターポーザは前記パッケージ基板上に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記ICダイは機能的に等価である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記ICダイはフィールドプログラマブルゲートアレイである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記ICダイは機能的に異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
各電圧チューナは、前記複数の制御素子のうちの前記それぞれの制御素子において前記プログラムされた値によって選択可能な一連の1つ以上の抵抗器である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
電子システムを構築する方法であって、
複数のICダイのそれぞれの定格クロック速度を決定することと、
前記複数のICダイをビンに分類することとを含み、各ビンの前記ICダイは、前記電子システムを構築する際に、前記システム内のICダイ間の適切なセットアップ時間およびホールド時間を危うくすることなく、前記ビンの前記ICダイのうちのいずれかを使用できるようにする範囲に含まれる定格クロック速度を有し、
前記それぞれの定格クロック速度および前記電子システムの目標電力プロファイルに基づいて、ビンの複数のICダイのそれぞれの電圧レベルを決定することと、
前記複数のICダイをインターポーザに装着することと、
前記複数のICダイに電力を供給するために、前記インターポーザ上の前記ICダイ各々を、前記インターポーザの回路層に配置された複数のプログラム可能な電圧チューナのうちの対応するプログラム可能な電圧チューナに結合することと、
複数の制御素子を、それぞれの値でプログラムすることとを含み、前記複数の制御素子の各々は、前記プログラムされた値を不揮発的に保持する読み出し素子であり、各電圧チューナは、前記インターポーザ上の前記ICダイのうちの1つのICダイに、前記それぞれの値によって選択された前記それぞれの電圧レベルを供給する、方法。
【請求項10】
前記複数のICダイのうちの第1のICダイは、前記複数のICダイのうちの別のICダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有し、
前記ICダイを対応する電圧チューナに結合することは、前記複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナを前記インターポーザ上の第1のICダイに結合することを含み、
前記プログラムすることは、前記第1の電圧チューナを、入力電圧レベルを低減し、低減した電圧を前記第1のICダイに出力するようにプログラムすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プログラムすることは、前記複数の電圧チューナのうちの前記第1の電圧チューナ以外の電圧チューナを、それぞれのICダイに対する変更なしで入力電圧を与えるようにプログラムすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プログラムすることは、前記複数の電圧チューナのうちの前記第1の電圧チューナ以外の各電圧チューナを、入力電圧を低減し、低減した電圧を対応するICダイに出力するようにプログラムすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
各電圧チューナは、一連の1つ以上の抵抗器であり、前記方法は、前記1つ以上の抵抗器の1つ以上を、前記複数の制御素子のうちの前記それぞれの制御素子において前記プログラムされた値に応じて選択することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
電子システムであって、
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に搭載された半導体パッケージとを備え、
前記半導体パッケージは、
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板上に配置されたインターポーザと、
前記インターポーザ上に配置され前記インターポーザを介して互いに結合された複数の集積回路(IC)ダイとを含み、前記複数のICダイのうちの第1のICダイは、前記複数のICダイのうちの別のICダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有し、
前記複数のICダイに電力を供給するために前記複数のICダイにそれぞれ結合されたプログラム可能な複数の電圧チューナと、
前記プログラム可能な複数の電圧チューナにそれぞれ結合された複数の制御素子とを備え、
前記複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナは前記第1のICダイに結合され、
前記複数の電圧チューナのうちの各電圧チューナは、前記複数の制御素子のうちのそれぞれの制御素子においてプログラムされた値によって選択された電圧レベルを供給するように構成され、
前記複数の制御素子の各々は、前記プログラムされた値を不揮発的に保持する読み出し素子であり、
前記第1の電圧チューナは、前記第1の電圧チューナに対する電圧入力の電圧レベルを低減し、低減した電圧を前記第1のICダイに出力するようにプログラムされており、
前記電圧チューナは前記インターポーザの回路層に配置されている、電子システム。
【請求項15】
各電圧チューナは、前記複数の制御素子のうちの前記それぞれの制御素子において前記プログラムされた値によって選択可能な一連の1つ以上の抵抗器である、請求項14に記載の電子パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して定格クロック速度が異なる複数のダイを有するマルチダイ半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
機能および種類が同一の電子機器が異なる速度グレード(たとえば異なるクロック周波数で機能することができる)で販売されていることがよくある。このような機器の中には、パッケージ内において、積層された同一種類および機能の複数の集積回路(IC)ダイを有するものがある。これら同一種類のICダイは、同一の設計仕様に基づいているであろうが、製造のばらつきが原因で、到達可能な最大動作クロック周波数(または定格クロック速度)が異なることがある。
【0003】
このパッケージ内のICダイ間の適切なセットアップ時間およびホールド時間を維持するためには、このパッケージのために選ばれたICダイ間の速度差が大きすぎてはならない。このため、製造されたICダイを、各グループがそのグループに適した範囲内の速度のICダイを有する、複数のグループに分類してもよい。これらグループはビンと呼ばれることがある。1つのビンの複数のICダイがそれぞれ種々異なる速度を有する場合があるものの、すべての速度はそのビンに対して指定された速度範囲に含まれる。各装置またはパッケージは、特定のビンの複数のダイを用いて構成し得る。1つのビンのICダイから作成されたパッケージは、別のビンのICダイから作成されたパッケージの速度グレードと異なる速度グレードを有する場合がある。
【0004】
上記1つのビンの複数のICダイの速度範囲により、パッケージを作成する際に、適切なセットアップ時間およびホールド時間を危うくすることなく、このビンのICダイのうちのいずれかを使用することができる。しかしながら、パッケージの定格電力を満たすためには、各パッケージにおいて、1つのビンの高速ICダイ(定格クロック速度がより高いダイ)に対していくらかの比率の低速ICダイ(定格クロック速度がより低いダイ)を使用すればよい。しかしながら、このビンの高速ICダイに対する低速ICダイの比率は、パッケージにとって望ましい比率に見合っていない場合がある。高速ダイの数が多すぎ低速ダイの数が少なすぎると、いくつかの高速ダイが廃棄され結果として製造コストが増すことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
半導体パッケージは、インターポーザと、インターポーザ上に配置されインターポーザを介して互いに結合された複数の集積回路(IC)ダイとを備える。複数のICダイのうちの第1のICダイは、複数のICダイのうちの別のICダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有する。プログラム可能な複数の電圧チューナが複数のICダイにそれぞれ結合されている。複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナは第1のICダイに結合され、第1の電圧チューナは、第1の電圧チューナに対する電圧入力の電圧レベルを低減し、低減した電圧を第1のICダイに出力するようにプログラムされている。
【0006】
このような半導体パッケージのうちのいくつかにおいて、下記事項うちの1つ以上が当てはまり得る。複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナ以外の電圧チューナは、それぞれのICダイに対する変更なしで入力電圧を与えるようにプログラムされてもよく、複数の電圧チューナのうちの各電圧チューナは、各電圧チューナに対する電圧入力を低減し、低減した電圧を対応するICダイに出力するようにプログラムされてもよく、電圧チューナはインターポーザに配置されていてもよく、電圧チューナは複数のICダイに配置されていてもよく、半導体パッケージはパッケージ基板をさらに備えていてもよく、インターポーザはパッケージ基板上に配置され、電圧チューナはパッケージ基板上に配置され、電圧チューナはICダイにワイヤボンディングされていてもよく、ICダイは機能的に等価であってもよく、ICダイはフィールドプログラマブルゲートアレイであってもよく、および/または、ICダイは機能的に異なっていてもよい。
【0007】
また、電子システムを構築する方法が提供される。この方法は、複数のICダイのそれぞれの定格クロック速度を決定することを含む。複数のICダイのうちの第1のダイは、複数のダイのうちの別のダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有すると決定される。複数のICダイのそれぞれの電圧レベルは、それぞれの定格クロック速度および電子システムの目標電力プロファイルに基づいて決定される。ICダイはインターポーザに装着され、インターポーザ上のICダイ各々は複数の電圧チューナのうちの対応する電圧チューナに結合される。各電圧チューナは、インターポーザ上のICダイのうちの1つのICダイにそれぞれの電圧レベルを供給するようにプログラムされている。
【0008】
このような方法のうちのいくつかにおいて、下記事項のうちの1つ以上が当てはまり得る。複数のICダイのうちの第1のICダイは、複数のICダイのうちの別のICダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有していてもよく、ICダイを対応する電圧チューナに結合することは、複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナをインターポーザ上の第1のICダイに結合することを含んでいてもよく、プログラムすることは、第1の電圧チューナを、入力電圧レベルを低減し、低減した電圧を第1のICダイに出力するようにプログラムすることを含んでいてもよく、プログラムすることは、複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナ以外の電圧チューナを、それぞれのICダイに対する変更なしで入力電圧を与えるようにプログラムすることを含んでいてもよく、および/または、プログラムすることは、複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナ以外の各電圧チューナを、入力電圧を低減し、低減した電圧を対応するICダイに出力するようにプログラムすることを含んでいてもよい。
【0009】
また、電子システムが提供される。このシステムは、プリント回路基板と、プリント回路基板上に搭載された半導体パッケージとを備える。半導体パッケージは、パッケージ基板と、パッケージ基板上に配置されたインターポーザと、インターポーザ上に配置されインターポーザを介して互いに結合された複数の集積回路(IC)ダイとを含む。複数のICダイのうちの第1のICダイは、複数のICダイのうちの別のICダイの定格クロック速度よりも高い定格クロック速度を有する。プログラム可能な複数の電圧チューナがプリント回路基板上に配置され複数のICダイにそれぞれ結合されている。複数の電圧チューナのうちの第1の電圧チューナは第1のICダイに結合され、第1の電圧チューナは、第1の電圧チューナに対する電圧入力の電圧レベルを低減し、低減した電圧を第1のICダイに出力するようにプログラムされている。
【0010】
その他の特徴は、以下の詳細な説明および請求項を考慮することによってわかるであろう。
【0011】
回路および方法のさまざまな局面および特徴は、以下の詳細な説明を検討し図面を参照すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ICパッケージを示し、このパッケージの各ICダイの電力はそれぞれの電圧チューナによって制御される。
【
図2】複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、ICダイは各々、それぞれの電圧チューナおよびプログラム可能な制御素子を有する。
【
図3】複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、パッケージには各ICダイそれぞれの電圧チューナおよびプログラム可能な制御素子が配置されている。
【
図4】複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、各電圧チューナはパッケージ基板に装着されている。
【
図5】複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、各電圧チューナはプリント回路基板に装着されている。
【
図6】ICダイおよび対応する電圧チューナを有する半導体パッケージを作成するプロセスのフローチャートである。
【
図7】上記教示に従う1つまたは複数のICダイから作成し得るプログラム可能な論理ICの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
あるビンの低速ダイに対する高速ダイの望ましくない割合に関連する課題に対処するために、ビンの複数のICダイを有するように作成された半導体パッケージを、これらICダイそれぞれの電圧チューナを含むようにすればよい。電圧チューナがパッケージ内の各ICダイの消費電力を制御することにより、電圧チューナがない場合に可能な高速ダイよりも多くの高速ダイを使用することができる。たとえば、ある定格電力を満たすICパッケージを作成する際に3つの低速ICダイと1つの高速ICダイを使用しようとするもののこの比率にするとビンの高速ダイは多すぎ低速ダイは少なすぎる場合、パッケージにおいてこのビンの高速ダイを低速ダイの代わりに使用すればよい。パッケージ内のこれら高速ダイの消費電力を低減するためには、パッケージ内の高速ダイに対する入力電圧を電圧チューナによって低減すればよい。入力電圧を低減するとICダイの消費電力および動作速度が低下することはわかっているので、高速ダイを制御してあたかも低速ダイであるかのように動作させればよい。
【0014】
図1はICパッケージ100を示し、このパッケージの各ICダイの電力はそれぞれの電圧チューナによって制御される。この例のパッケージはICダイ102、104、106、および108を含み、これらダイの電源電圧はそれぞれ電圧チューナ110、112、114、および116によって制御される。制御素子118、120、122、および124によって示されるように、電圧チューナは各々個別にプログラム可能である。電力は電源線130によって電圧チューナに供給される。
【0015】
ICダイ102、104、106、および108は、インターポーザ(図示せず)上に配置されインターポーザによって相互に結合されてもよい。4つのICダイが示されているが、用途の要件に応じて、パッケージはこれよりも多いかまたは少ないICダイを含み得ることが理解されるであろう。
図1に示されるパッケージが表わし得る用途では、このパッケージにとって望ましい定格電力を得るために、1つの高速ICダイに対して3つの低速ICダイという比率が好ましい。パッケージを構成するために使用するビンにおいて低速ICダイが少なすぎ高速ICダイが多すぎる場合、所望の低速ダイのうちの1つ以上の代わりに1つの高速ダイを使用してもよい。たとえば、用途にとって、ビンの高速ICダイに対する低速ICダイの割合として3:1が好ましい場合は、ICダイ102、104、106を低速ICダイとしICダイ108を高速ICダイとしてパッケージを作成すればよい。しかしながら、ビンの高速ICダイに対する低速ICダイの割合が3:1ではなく1:1の場合は、ICダイ108だけでなくそれよりも多いICダイを高速ICダイとすればよい。たとえば、ICダイ102、104または106のうちの1つ以上を高速ICダイとしてもよい。高速ダイである、ICダイ102、104および106のうちの1つ以上に結合された電圧チューナは、これら1つ以上のダイに対する電源電圧を低減して結果としてパッケージが所望の定格電力を有するようにすればよい。低速ダイに結合された電圧チューナは、それぞれのICダイを変えることなく入力電源電圧を送るようにプログラムすればよい。
【0016】
電圧チューナおよび制御素子の実装は、用途の要件に応じて変化し得ることが理解されるであろう。実装例では、各電圧チューナは、制御要素においてプログラムされた値によって選択された一連の1つ以上の抵抗器であってもよい。制御素子はたとえばPROM、EPROM、またはEEPROM、またはEFUSEであってもよい。
【0017】
ICダイは、機能的に互いに異なっていても機能的に互いに等価であってもよい。たとえば、ICダイは、異なる特定用途向け集積回路(ASIC)ダイであってもよく、または、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)ダイの機能的に等価のインスタンスであってもよい。
【0018】
ビンの高速ICダイと組合わせて使用する低速ICダイがこのビンにない場合は、半導体パッケージを作成する際にすべての高速ダイを使用してもよい。このパッケージ内のICダイすべての電圧チューナを、ICダイに対する電源電圧を適切なレベルに低減するようにプログラムしてもよい。
【0019】
図2は、複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、ICダイは各々、それぞれの電圧チューナおよびプログラム可能な制御素子を有する。電圧チューナ202および204は、インターポーザ208(またはマザーダイ)の回路層206に配置されている。制御素子210および212もインターポーザの回路層に配置されている。
【0020】
この半導体パッケージは、インターポーザ208と、ドーターICダイ232および234と、パッケージ基板218とを含む。2つのICダイ232および234のみが示されているが、さまざまな実装例においてその他のダイがパッケージに含まれる場合があることが理解されるであろう。この組立品は、典型的にはパッケージング材料(図示せず)に封入される。半導体パッケージは、はんだボールグリッドアレイ(BGA)224によってプリント回路基板222上に搭載されている。ボールグリッドアレイは、対応する基板およびプリント回路基板のコンタクトパッドとともに、半導体パッケージと外部環境との間の電気的および機械的接続性を与える。
【0021】
はんだバンプアレイ226によってパッケージ基板218上に搭載されているインターポーザ208は、典型的にはシリコンである半導体基板を含み、この基板は、回路層206およびダイの表面または裏面に形成された集積回路に対する基体を提供する。シリコン貫通電極(TSV)(たとえばTSV228)が、上記シリコンに形成されて、回路層206と裏面または上面のコンタクトパッド230との間の電気的接続性を与える。
【0022】
ドーターICダイ232および234はそれぞれ集積回路層236および238を有する。各ドーターICダイの表面には、典型的には集積回路層に結合されたコンタクトパッド(たとえばコンタクトパッド240)のアレイが設けられている。はんだバンプ(たとえばはんだバンプ242)は、ドーターICダイの集積回路とインターポーザ208の集積回路との間の電気的接続を与える。
【0023】
電圧チューナ202および204は、はんだバンプアレイ226のはんだバンプ、パッケージ基板218、バンプアレイ224のはんだバンプ、およびプリント回路基板222のうちの1つ以上を介して電源電圧を受ける。電源電圧は、インターポーザの回路層206を介して電圧チューナに分配されてもよい。電圧チューナ202の出力ノード(図示せず)は、はんだバンプ252およびコンタクトパッド254によってICダイ232に結合されたTSV220に接続される。コンタクトパッド254はICダイ232の回路層236に接続され、はんだバンプ252を有するコンタクトパッドは、ICダイの電力ノード、バンプ、またはピンと呼んでもよい。電圧チューナ204の出力ノード(図示せず)も同様に、TSV262、はんだバンプ264、およびコンタクトパッド266によってICダイ234に結合されている。
【0024】
制御素子210および212は、たとえばスキャンテスト回路によってまたはEFUSEをプログラムすることによってプログラムされてもよい。
【0025】
図3は、複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、パッケージには各ICダイそれぞれの電圧チューナおよびプログラム可能な制御素子が配置されている。電圧チューナ312および316は、プログラム可能な制御素子314および318とともに、ICダイ322および324に配置されている。ICダイ322および324は、パッケージ基板328上に搭載されているインターポーザ326上に搭載されている。電源電圧は、電圧チューナ312に、はんだ接続332、TSV334、アレイ336のはんだ接続、パッケージ基板328のビアおよびルーティングワイヤ(図示せず)、アレイ338のはんだ接続、ならびに、プリント回路基板330のビアおよびルーティングワイヤ(図示せず)によって入力される。ICダイがインターポーザに装着されインターポーザがパッケージ基板に装着されパッケージ基板がプリント回路基板330に装着される構造は、
図2に示し先に説明したものと同様であってもよい。
【0026】
電圧チューナ312およびプログラム可能な制御素子314は、回路層340の一部としてICダイ322に形成される。同様に、電圧チューナ316およびプログラム可能な制御素子318は、回路層342の一部としてICダイ324に形成される。電圧チューナ312の入力ノード(図示せず)は電源電圧をはんだ接続332から受け、この電圧チューナの出力ノード(図示せず)は回路層340の電源電圧配線に結合される。プログラム可能な制御素子318と電圧チューナとの結合は、回路層342の信号線によって与えられる。電圧チューナ316およびプログラム可能な制御素子318は同様にICダイ324に配置される。制御素子314および318は、たとえばスキャンテスト回路によってまたはEFUSEをプログラムすることによってプログラムされてもよい。
【0027】
図4は、複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、各電圧チューナはパッケージ基板に装着されている。電圧チューナ402および404は、プログラム可能な制御素子406および408とともに、パッケージ基板410に配置されている。ICダイ412および414は、プリント回路基板418上に搭載されているパッケージ基板410上に搭載されているインターポーザ416上に搭載されている。ICダイがインターポーザに装着されインターポーザがパッケージ基板に装着されパッケージ基板がプリント回路基板418に装着される構造は、
図2に示し先に説明したものと同様であってもよい。
【0028】
ワイヤボンド420は、電圧チューナ402の出力ノード(図示せず)をICダイ412の電力パッド422に接続する。この電力パッドはICダイ412の回路層424にTSV426によって接続される。電圧チューナ404は同様にICダイ414に接続される。電源電圧は、電圧チューナ402に、ビア428、電力線430、ビア432、アレイ434のはんだ接続、ならびに、プリント回路基板418のビアおよびルーティングワイヤ(図示せず)によって、入力される。電源電圧は同様に電圧チューナ404への入力として与えられる。
【0029】
電圧チューナ402および404ならびにプログラム可能な制御素子406および408は、パッケージ基板410に表面実装される。制御素子は、たとえばスキャンテスト回路によってまたはEFUSEをプログラムすることによってプログラムされてもよい。
【0030】
図5は、複数のICダイを有するICパッケージの断面図を示し、各電圧チューナはプリント回路基板に装着されている。電圧チューナ502および504は、プログラム可能な制御素子506および508とともに、プリント回路基板510上に配置されている。ICダイ512および514は、プリント回路基板510上に搭載されているパッケージ基板518上に搭載されているインターポーザ516上に搭載されている。ICダイがインターポーザに装着されインターポーザがパッケージ基板に装着されパッケージ基板がプリント回路基板510に装着される構造は、
図2に示し先に説明したものと同様であってもよい。
【0031】
プリント回路トレース532は、電圧チューナ502の出力ノード(図示せず)をはんだ接続534に接続する。電源電圧は、プリント回路トレース536によって入力ノード(図示せず)に接続される。プリント回路トレース538は、電圧チューナ504の出力ノード(図示せず)をはんだ接続540に接続する。電源電圧は、別のプリント回路トレース(図示せず)によってトレース536に接続されてもよいプリント回路トレース542によって入力ノード(図示せず)に接続される。
【0032】
電源電圧は、ICダイ512に、はんだ接続544のうちの1つ、ビア(たとえばビア546)、はんだ接続548のうちの1つ、パッケージ基板518の1つ以上のビアおよび導電線(図示せず)、ならびに、電圧チューナ502の出力ノードに接続されたはんだ接続534によって、入力される。電源電圧は同様にICダイ514に与えられる。
【0033】
電圧チューナ502および504ならびにプログラム可能な制御素子506および508は、プリント回路基板510に表面実装される。制御素子はたとえばスキャンテスト回路によってまたはEFUSEをプログラムすることによってプログラムされてもよい。
【0034】
図6は、ICダイおよび対応する電圧チューナを有する半導体パッケージを作成するプロセスのフローチャートである。ブロック602で、複数のICダイが作成される。ある用途の例において、ダイは同一の仕様で作成されてもよい。ブロック604で、各ダイの速度グレードが決定される。速度グレードは、ICダイを動作させることができる最大クロック速度であってもよい。ブロック606で、ダイの個々の速度グレードおよび構成する半導体パッケージの目標電力プロファイルに基づいて、このパッケージの作成に使用するダイについて所望の電源電圧レベルを決定する。目標電力プロファイルは、半導体パッケージが消費するはずの電力の最大レベルを特定し得る。この目標電力プロファイルに適合するために、ICダイのうちの1つ以上に対する電圧レベルを低減してもよい。ブロック608で、インターポーザ上に積層されたICダイを有しダイがそれぞれの電圧チューナに結合されたパッケージを作成する。ブロック610で、電圧チューナが、所望のレベルの電源電圧をICダイに供給するようプログラムされる。
【0035】
図7は、上記教示に従う1つまたは複数のICダイから作成し得るプログラム可能な論理ICの一例のブロック図である。このプログラム可能なICの一例はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。しかしながら、本明細書に記載の構造および方法は、FPGAまたはその他のプログラム可能な論理ICに限定されるのではなく、プログラム不能なIC、部分的にプログラム可能なIC、または、プログラム可能なIC、プログラム不能なIC、もしくは部分的にプログラム可能なICの何らかの組合せを含む、その他のICに適用し得る。
【0036】
FPGAは、そのアレイ内において数種類のプログラム可能な論理ブロックを含み得る。たとえば、
図7は、多数の異なるプログラム可能なタイルを含むFPGAアーキテクチャ(700)を示す。このタイルは、マルチギガビットトランシーバ(MGT701)、構成可能な論理ブロック(CLB702)、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM703)、入出力ブロック(IOB704)、構成およびクロック論理(CONFIG/CLOCKS705)、デジタル信号処理ブロック(DSP706)、専用入出力ブロック(I/O707)、例としてたとえばクロックポート、および、デジタルクロックマネージャ、アナログデジタル変換器、システムモニタリング論理等のその他のプログラム可能な論理708を含む。いくつかのFPGAはまた、専用プロセッサブロック(PROC710)ならびに内部および外部再構成ポート(図示せず)を含む。
【0037】
いくつかのFPGAでは、プログラム可能な各タイルは、隣接する各タイルにおける対応する相互接続素子へのおよびこの素子からの標準接続を有するプログラム可能な相互接続素子(INT711)を含む。したがって、プログラム可能な相互接続素子をまとめて、図示のFPGAのプログラム可能な相互接続構造を実現する。プログラム可能な相互接続素子INT711はまた、
図7の上部に含まれる例によって示されるように、同一タイル内のプログラム可能な論理素子へのおよびこの素子からの接続を含む。
【0038】
たとえば、CLB702は、ユーザ論理を実現するようにプログラムできる構成可能な論理素子CLE712と、1つのプログラム可能な相互接続素子INT711とを含み得る。BRAM703は、1つ以上のプログラム可能な相互接続素子に加えてBRAM論理素子(BRL713)を含み得る。典型的に、1つのタイルに含まれる相互接続素子の数は、このタイルの幅に依存する。示されているFPGAにおいて、BRAMタイルの幅は5つのCLBの幅と同一であるが、この数は他の数(たとえば4つ)であっても使用できる。DSPタイル706は、適切な数のプログラム可能な相互接続素子に加えてDSP論理素子(DSPL714)を含み得る。IOB704は、たとえば、プログラム可能な相互接続素子INT711の1つのインスタンスに加えて、入出力論理素子(IOL715)の2つのインスタンスを含み得る。当業者には明らかであるように、たとえば入出力論理素子715に接続された実際の入出力パッドは、示されているさまざまな論理ブロックよりも上に積層された金属を用いて接続され、典型的には入出力論理素子715の領域に限定されない。
【0039】
示されているFPGAにおいて、ダイの中心近くの水平領域(
図7で影が付けられて示される)は、構成、クロック、およびその他の制御論理に使用される。この水平領域から延在する垂直領域709を用いてクロックおよび構成信号をFPGAの幅全体を通して分配する。
【0040】
図7に示されるアーキテクチャを用いるいくつかのFPGAは、FPGAの大部分を構成する通常の行構造を壊す他の論理ブロックを含む。他の論理ブロックは、プログラム可能なブロックおよび/または専用論理である。たとえば、
図7に示されるプロセッサブロックPROC710はCLBおよびBRAMのいくつかの行にまたがっている。
【0041】
なお、
図7は、代表的なFPGAアーキテクチャを示すことだけを意図している。1行の論理ブロックの数、行の相対的な高さ、行の数および順序、行に含まれる論理ブロックの種類、論理ブロックの相対的な大きさ、および
図7の上端に含まれる配線/論理実装は、専ら代表的なものである。たとえば、実際のFPGAでは、CLBがある場合は常に典型的にはCLBの隣接する2つ以上の行があることでユーザ論理を効率的に実装するのが容易になる。
【0042】
場合によっては局面および特徴を個々の図面に記載してもよいが、1つの図面の特徴と別の図面の特徴との組合わせは、明確に示されていないかまたは明確に組合わせとして説明されていないが、可能である。
【0043】
開示された特徴は、さまざまな半導体パッケージに応用できると考えられる。本明細書を考慮すればその他の局面および特徴は当業者には明らかであろう。明細書および図面は例にすぎず本発明の真の範囲は以下の請求項によって示されることが意図されている。