(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
別途定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を持つ。更に、本発明を記載するために使用される様々な用語の意味及び範囲を説明及び定義するために、以下の定義を規定する。
【0013】
本出願に使用される命名法は、別途指示がない限りIUPACの体系的命名法に基づいている。
【0014】
用語「本発明の化合物」は、式(I)の化合物並びにその溶媒和物又は塩(例えば、薬学的に許容される塩)を指す。
【0015】
用語「置換基」は、親分子上の水素原子を置換する一の原子又は原子群を意味する。
【0016】
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指し、フルオロ、クロロ及びブロモを特に対象とする。更に具体的には、ハロゲンはフルオロ及びクロロを指す。
【0017】
用語「アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わせて、1から20の炭素原子、具体的には1から16の炭素原子、更に具体的には1から10の炭素原子の分枝又は直鎖の一価の飽和脂肪族炭化水素基を指す。用語「C
1−10−アルキル」は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1,1,3,3−テトラメチル−ブチルなどといった、1から10の炭素原子の分枝又は直鎖の一価の飽和脂肪族炭化水素基を指す。更に具体的には、用語「アルキル」は、後述するような低級アルキル基も含む。
【0018】
用語「低級アルキル」又は「C
1−7−アルキル」は、単独で又は組合せで、1から7の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基、具体的には1から6の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基、及び更に具体的には1から4の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。直鎖及び分枝C
1−7 アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル及び異性体ヘプチル、特にメチル及びエチルである。
【0019】
用語「「低級アルケニル」又は「C
2−7−アルケニル」は、オレフィン結合と、2から7、具体的には3から6、更に具体的には3から4の炭素原子とを含む、直鎖又は分枝鎖炭化水素残留物を意味する。アルケニル基の例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル及びイソブテニル、特にエテニルである。
【0020】
用語「シクロアルキル」又は「C
3−7−シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル、特にシクロプロピルといった、3から7の炭素原子を含む飽和した単環式炭化水素基を意味する。加えて、用語「シクロアルキル」は、3から10の炭素原子を含む二環式炭化水素基も包含する。二環式とは、一又は複数の炭素原子を共有する二つの飽和炭素環からなるシクロアルキル基を意味する。二環式シクロアルキルの例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルである。
【0021】
用語「低級アルコキシ」又は「C
1−7−アルコキシ」は、R’が低級アルキルである基R’−O−を指し、用語「低級アルキル」は、前述の意味を有する。低級アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ、特にメトキシである。
【0022】
用語「低級アルコキシアルキル」又は「C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つが低級アルコキシ基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。特に対象とする低級アルコキシアルキル基は、メトキシメチル、2−メトキシエチル及び2−エトキシエチルであり、2−エトキシエチルが最も興味深い。
【0023】
用語ヒドロキシ又はヒドロキシルは、基-OHを意味する。
【0024】
用語「低級ヒドロキシアルキル」又は「ヒドロキシ−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つがヒドロキシ基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。特に興味深い低級ヒドロキシアルキル基には、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルがある。
【0025】
用語「低級ハロゲンアルキル」又は「ハロゲン−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つがハロゲン原子、具体的にはフルオロ又はクロロ、更に具体的にはフルオロにより置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。特に興味深い低級ハロゲンアルキル基には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、ジフルオロメチル及びクロロメチルがあり、トリフルオロメチルがより興味深い。
【0026】
用語「低級ハロゲンアルコキシ」又は「ハロゲン−C
1−7−アルコキシ」は低級アルコキシ基の水素原子の少なくとも一つがハロゲン原子、具体的にはフルオロ又はクロロ、特にフルオロにより置き換えられている、上記に定義された低級アルコキシ基を指す。特に興味深い低級ハロゲンアルコキシ基には、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及びクロロメトキシがあり、更に具体的にはトリフルオロメトキシがである。
【0027】
用語「カルボキシル」は、基-COOHを意味する。
【0028】
用語「低級カルボキシルアルキル」又は「カルボキシル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つがカルボキシル基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。低級カルボキシルアルキル基の中で又は特に興味深いのは、カルボキシルメチル(−CH
2−COOH)及びカルボキシルエチル(−CH
2−CH
2−COOH)である。
【0029】
用語「低級アルコキシカルボニル」又は「C
1−7−アルコキシカルボニル」は、R’が低級アルキルである基-COORを指し、用語「低級アルキル」は、前述の意味を有する。特に興味深い低級アルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルである。
【0030】
用語「低級アルコキシカルボニルアルキル」又は「C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の一つがC
1−7−アルコキシカルボニルにより置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を意味する。特定の低級アルコキシカルボニルアルキル基は−CH
2−COOCH
3である。
【0031】
用語「低級アルキルカルボニル」又は「C
1−7−アルキルカルボニル」は、Rが上記に定義された低級アルキル基である、基−C(O)−Rを意味する。特に興味深い低級アルキルカルボニル基には、メチルカルボニル又はアセチルがある。
【0032】
用語「低級アルコキシカルボニルアルキル」又は「C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つが低級アルコキシカルボニル基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。特に興味深い低級アルコキシカルボニル−アルキル基には、−(CH
2)
2−COOC
2H
5がある。
【0033】
用語「低級アルコキシカルボニルアルケニル」又は「C
1−7−アルコキシカルボニル−C
2−7−アルケニル」は、低級アルケニル基の水素原子の少なくとも一つが低級アルコキシカルボニル基により置き換えられている、上記に定義された低級アルケニル基を指す。特に興味深い低級アルコキシカルボニル−アルケニル基には、−(CH
2)
2−COOC
2H
5がある。
【0034】
用語「低級アルキルスルホニル」又は「C
1−7−アルキルスルホニル」は、Rが上記に定義された低級アルキル基である、基S(O)
2−Rを意味する。特に興味深い低級アルキルスルホニル基は、メチルスルホニルである。
【0035】
用語「低級アルキルスルホニルアルキル」又は「C
1−7−アルキルスルホニル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の一つがC
1−7−アルキルスルホニルにより置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を意味する。具体的な低級アルキルスルホニルアルキル基は−CH
2−S(O)
2−CH
3である。
【0036】
用語「低級ヒドロキシアルキルスルホニル」又は「「ヒドロキシ− C
1−7−アルキルスルホニル」は、低級アルキルスルホニル基の水素原子の少なくとも一つがヒドロキシ基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキルスルホニル基を指す。特に興味深い低級ヒドロキシアルキルスルホニル基には、ヒドロキシエチルスルホニルがある。
【0037】
用語「低級アルコキシアルキルスルホニル」又は「C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル」は、低級アルキルスルホニル基の水素原子の少なくとも一つが低級アルコキシ基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキルスルホニル基を指す。特に興味深い低級アルコキシアルキルスルホニル基には、メトキシエチルスルホニル又はエトキシエチルスルホニルがある。
【0038】
用語「低級アルコキシカルボニルアルキルスルホニル」又は「C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル−スルホニル」は、低級アルキルスルホニル基の水素原子の少なくとも一つが低級アルコキシカルボニル基により置き換えられている、上記に定義されたアルキルスルホニル基を指す。特に興味深い低級アルコキシカルボニル−アルキルスルホニル基には、−S(O)
2−(CH
2)
2−COOCH
3がある。
【0039】
用語「カルボキシルアルキルスルホニル」又は「カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル」は、低級アルキルスルホニル基の水素原子少なくとも一つがカルボキシル基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキルスルホニル基を指す。特に興味深い低級カルボキシル−アルキルスルホニル基には、−S(O)
2−(CH
2)
3−COOH又は−S(O)
2−(CH
2)
4−COOHがある。
【0040】
用語「スルファモイル」又は「アミノスルホニル」は、基−S(O)
2−NH
2を意味する。
【0041】
用語「低級アルキルスルファモイル」又は「C
1−7−アルキル−スルファモイル」は、Rが低級アルキルである基−S(O)
2−NH−Rを定義し、用語「低級アルキル」は前述の意味を有する。低級アルキルスルファモイル基の一例は、メチルスルファモイル(メチルアミノスルホニル)である。
【0042】
用語「低級スルファモイルアルキル」又は「スルファモイル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の一つが基−S(O)
2−NH
2により置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を定義する。
【0043】
用語「低級アルキルスルファモイルアルキル」又は「C
1−7−アルキル−スルファモイルアルキル」は、低級アルキル基の水素原子の一つが、Rが低級アルキルである基−S(O)
2−NH−Rにより置き換えられている上記に定義された低級アルキル基を定義し、用語「低級アルキル」が前述の意味を有する。
【0044】
「アミノ」は、基-NH
2を指す。用語「C
1−7−アルキルアミノ」は、Rが低級アルキルである基-NHRを意味し、用語「低級アルキル」は前述の意味を有する。用語「ジ−C
1−7−アルキルアミノ」は、R及びR’が上記に定義された低級アルキル基である基-NRR’を意味する。
【0045】
用語「低級アミノアルキル」又は「アミノ−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つがアミノ基により置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。特に興味深い低級アミノアルキル基には、アミノメチル又は2−アミノエチルがある。
【0046】
用語「アミノカルボニル」は、基−CO−NH
2を指す。
【0047】
用語「低級アミノアルキルカルボニル」又は「アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニル」は、R”が本前述においてに定義された低級アミノアルキル基である、基−CO−R”を指す。
【0048】
用語「低級アミノカルボニルアルキル」又は「アミノカルボニル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の一つがアミノカルボニルにより置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を意味する。特に興味深い低級アミノアルボニルアルキル(aminoarbonylalkyl)基は−CH
2−CONH
2である。
【0049】
用語「低級アルキルアミノカルボニルアルキル」又は「C
1−7−アルキル−アミノカルボニル−C
1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の一つが、Rが前述において定義された低級アルキルである基−CONH−Rにより置き換えられている、上記に定義された低級アルキル基を指す。
【0050】
C
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニル
【0051】
用語「低級アルコキシカルボニルアミノアルキルカルボニル」又は「C
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニル」は、アミノ基の水素原子の少なくとも一つが低級アルコキシカルボニル基により置き換えられている、上記に定義された低級アミノアルキルカルボニル基を指す。特に興味深い低級アルコキシカルボニル−アルキルスルホニル基には、−CO−(CH
2)
5−NH−COOC(CH
3)
3がある。
【0053】
用語「ニトロ」は、基-NO
2を指す。
【0054】
用語「フェニルカルボニル」は、Pheが置換されていてもよいフェニル基を表す基−CO−Pheを意味する。
【0055】
一般に、用語「ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び/又は硫黄、例えばピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、2,4−ジオキソ−1H−ピリミジニル、ピリダジニル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、フラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、アゼピニル、ジアゼピニルから選択される、一つ、二つ、三つ又は四つの原子を含む、芳香族5又は6員環を指す。用語「ヘテロアリール」は更に、窒素、酸素又は硫黄、例えばキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル及びインダゾリルから選択される一つ、二つ又は三つの原子を含みうる、5から12の環原子を含む二環式芳香族基を指す。更に具体的には、「ヘテロアリール」は、ピリジル、ピラジニルピリミジニル及びピリダジニルからなる群より選択される芳香族6員環、特にピリジルを指す。
【0056】
用語「オキソ」は、ヘテロアリール環のC原子が=Oにより置換されてもよいことを意味し、したがって、ヘテロアリール環が一又は複数のカルボニル(−CO−)基を含んでもよいことを意味する。
【0057】
用語「ヘテロアリールカルボニル」は、Hetが上記に定義される置換されていてもよいヘテロアリール基である、基−CO−Hetを意味する。
【0058】
用語「薬学的に許容される」は、通常安全且つ非毒性の、生物的にも他のどのような意味でも望ましくないものでない薬学的組成物であって、獣医並びにヒトの薬学的用途のために許容される薬学的組成物の調製において有用な物質の特性を意味する。
【0059】
式Iの化合物は、薬学的に許容される塩を形成することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的効果と、遊離塩基又は遊離酸の特性とを保持する塩であって、生物学的に又はそれ以外の理由で望ましくないものではないものを指す。薬学的に許容される塩は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。塩は、例えば、生理学的に適合する鉱酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、亜硫酸又はリン酸;又は有機酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸(embonic acid)、コハク酸又はサリチル酸との式Iの化合物の酸付加塩である。加えて、薬学的に許容される塩は、遊離酸に対する無機塩基又は有機塩基の付加によりう調製される。無機塩基に由来する塩には、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン及びアルミニウム塩などが含まれる。有機塩基に由来する塩には、限定されないが、一級、二級、及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン(ethylendiamine)、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、ピペラジン、N−エチルピペリジン、ピペリジン及びポリアミン樹脂が含まれる。式Iの化合物は、両性イオンの形態で存在することもできる。特に興味深い式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩又は四級アミンを含む塩である。
【0060】
式Iの化合物は、溶媒和、例えば水和されてもよい。溶媒和は、製造プロセスの過程で行うことができるか、又は、例えば式(I)の初期無水化合物の吸湿性の結果として起こりうる(水和)。用語「薬学的に許容される塩」には、生理的に許容される溶媒和物も含まれる。
【0061】
用語「アゴニスト」は、例えばGoodman and Gilman’s “The Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th ed.” in page 35, Macmillan Publ. Company, Canada, 1985に定義される別の化合物又は受容体部位の活性を亢進させる化合物を意味する。「完全アゴニスト」は完全応答をもたらすが、「部分アゴニスト」は、受容体集団全体を占めるときでさえ完全活性化をもたらすことはない。「逆アゴニスト」はアゴニストの効果とは逆の効果をもたらすが、同じ受容体結合部位に結合する。
【0062】
用語「半数効果濃度」(EC
50)は、特定のインビボ効果の最大値の50%を得るために必要な特定の化合物の血漿濃度を意味する。
【0063】
「治療的に有効な量(治療的有効量)」という用語は、対象に投与されたとき、本明細書に記載の(i)特定の疾患、状態、又は障害を治療又は予防する、(ii)特定の疾患、状態、又は障害の一又は複数の症候を軽減、改善又は排除する、又は(iii)特定の疾患、状態、又は障害の一又は複数の症候の開始を防止する又は遅らせる、本発明の化合物の量を意味する。治療的有効量は、化合物、治療される病状、治療される重症度又は疾患、対象の年齢及び相対的健康度、投与の経路及び形態、担当の医師又は獣医師の判断、及び他の要員に応じて変化するだろう。
【0064】
詳細には、本発明は、式
[式中、
R
1は、C
1−7−アルキル又はC
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルであり;
R
2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アルコキシ−C
1−7−アルキル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル、カルボキシル−C
2−7−アルケニル、アミノカルボニル−C
1−7−アルキル、アミノカルボニル−C
2−7−アルケニル、C
1−7−アルキルアミノ−カルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルアミノ−カルボニル−C
2−7−アルケニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
2−7−アルケニル、C
1−7−アルキル−スルホニル−C
1−7−アルキル、スルファモイル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキル−スルファモイル−C
1−7−アルキル、
無置換であるか又はC
1−7−アルキル、C
1−7−シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン−C
1−7−アルキル、ハロゲン−C
1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ、シアノ、カルボキシル、C
1−7−アルコキシカルボニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルスルホニル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−カルボニル−C
1−7−アルキルスルホニル、アミノ、C
1−7−アルキルアミノ、ジ−C
1−7−アルキルアミノ及びニトロからなる群より選択される一つ、二つ、又は三つの基で置換されているフェニル、並びに
無置換であるか又はC
1−7−アルキル、C
1−7−シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン−C
1−7−アルキル、ハロゲン−C
1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ、シアノ、カルボキシル、C
1−7−アルコキシカルボニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキル−スルホニル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−カルボニル−C
1−7−アルキルスルホニル、アミノ、C
1−7−アルキルアミノ、ジ−C
1−7−アルキルアミノ及びニトロからなる群より選択される一つ、二つ、又は三つの基で置換されているフェノキシからなる群より選択され;
R
3は、水素又はハロゲンであり;
R
4は、−O−(CH
2)
m−NHR
5、及び−O−(CO)−(CH
2)
n−NHR
6からなる群より選択され、
ここで
mは、1、2又は3から選択され、
nは、1又は2から選択され、
R
5は、水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニルからなる群より選択され、且つ
R
6は、水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニルからなる群より選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0065】
特定の態様では、本発明は、式
[式中、
R
1は、C
1−7−アルキル又はC
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルであり;
R
2は、水素、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル、アミノカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルアミノ−カルボニル−C
1−7−アルキル、アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキル−スルホニル−C
1−7−アルキル、スルファモイル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキル−スルファモイル−C
1−7−アルキル、
無置換であるか又はC
1−7−アルキル、C
3−7−シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン−C
1−7−アルキル、ハロゲン−C
1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ、シアノ、カルボキシル、C
1−7−アルコキシカルボニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルスルホニル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−カルボニル−C
1−7−アルキルスルホニル、アミノ、C
1−7−アルキルアミノ、ジ−C
1−7−アルキルアミノ及びニトロからなる群より選択される一つ、二つ、又は三つの基で置換されているフェニル、並びに
無置換であるか又はC
1−7−アルキル、C
3−7−シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン−C
1−7−アルキル、ハロゲン−C
1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ、シアノ、カルボキシル、C
1−7−アルコキシカルボニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキル−スルホニル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−カルボニル−C
1−7−アルキルスルホニル、アミノ、C
1−7−アルキルアミノ、ジ−C
1−7−アルキルアミノ及びニトロからなる群より選択される一つ、二つ、又は三つの基で置換されているフェノキシからなる群より選択され;
R
3は、水素又はハロゲンであり;
R
4は、−O−(CH
2)
m−NHR
5、及び−O−(CO)−(CH
2)
n−NHR
6からなる群より選択され、
ここで
mは、1、2又は3から選択され、
nは、1又は2から選択され、
R
5は、水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、及びカルボキシル−C
1−7−アルキルからなる群より選択され、且つ
R
6は、水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、及びカルボキシル−C
1−7−アルキルからなる群より選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0066】
一態様では、本発明は、R
1がC
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルである式Iの化合物に関する。更に具体的には、R
1はエトキシエチルである。
【0067】
別の態様では、本発明は、R
3が水素である式Iの化合物に関する。
【0068】
更なる態様では、本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5であり、mが、1、2又は3から選択され、R
5が、水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。特に、本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5であり、mが1、2又は3から選択され、R
5が水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、及びカルボキシル−C
1−7−アルキルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。
【0069】
特に、本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5であり、mが2であり、R
5が本明細書の上記に定義される通りである、式Iの化合物に関する。
【0070】
更に具体的には、本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5であり、mが2であり、R
5が水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニルからなる群より選択され、更に具体的にはR
5が水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。更に具体的には、本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5 であり、mが2であり、R
5が水素である、式Iの化合物に関する。
【0071】
本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5であり、mが1、2又は3から選択され、R
5が水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル及びヘテロアリールカルボニルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。更に具体的には、本発明は、R
4が−O−(CH
2)
m−NHR
5であり、mが1、2又は3から選択され、R
5が水素である、式Iの化合物に関する。
【0072】
別の態様では、本発明は、R
4が−O−(CO)−(CH
2)
n−NHR
6であり、nが1又は2から選択され、R
6が、水素、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アミノ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−アミノ−C
1−7−アルキル−カルボニルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。
【0073】
特に、本発明は、R
4が−O−(CO)−(CH
2)
n−NHR
6であり、nが1又は2であり、R
6が前述において定義された通りである、式Iの化合物に関する。更に具体的には、本発明は、R
4が−O−(CO)−(CH
2)
n−NHR
6であり、nが1であり、R
6が水素である、式Iの化合物に関する。
【0074】
更なる態様では、本発明は、R
4が−O−(CO)−(CH
2)
n−NHR
6であり、nが1又は2であり、R
6が水素である、式Iの化合物に関する。
【0075】
本発明はまた、R
2が、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、アルコキシ−C
1−7−アルキル、カルボキシル、カルボキシル−C
1−7−アルキル、カルボキシル−C
2−7−アルケニル、アミノカルボニル−C
1−7−アルキル、アミノカルボニル−C
2−7−アルケニル、C
1−7−アルキルアミノ−カルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルアミノ−カルボニル−C
2−7−アルケニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
2−7−アルケニル、C
1−7−アルキル−スルホニル−C
1−7−アルキル、スルファモイル−C
1−7−アルキル及びC
1−7−アルキル−スルファモイル−C
1−7−アルキルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。
【0076】
別の態様では、本発明は、R
2が、水素、ハロゲン、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル及びC
1−7−アルコキシカルボニル−C
2−7−アルケニルからなる群より選択される、式Iの化合物に関する。
【0077】
特定の態様では、本発明は、R
2が水素である式Iの化合物に関する。
【0078】
別の態様では、本発明は、R
2が、無置換であるか又はC
1−7−アルキル、C
3−7−シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン−C
1−7−アルキル、ハロゲン−C
1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ、シアノ、カルボキシル、C
1−7−アルコキシカルボニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキルスルホニル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−カルボニル−C
1−7−アルキルスルホニル、アミノ、C
1−7−アルキルアミノ、ジ−C
1−7−アルキルアミノ及びニトロからなる群より選択される一つ、二つ又は三つの基で置換されているフェニルである、式Iの化合物、又は、R
2が、無置換であるか又はC
1−7−アルキル、C
3−7−シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン−C
1−7−アルキル、ハロゲン−C
1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルコキシ、シアノ、カルボキシル、C
1−7−アルコキシカルボニル、C
1−7−アルコキシカルボニル−C
1−7−アルキル、C
1−7−アルキル−スルホニル、ヒドロキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−C
1−7−アルキルスルホニル、カルボキシル−C
1−7−アルキルスルホニル、C
1−7−アルコキシ−カルボニル−C
1−7−アルキルスルホニル、アミノ、C
1−7−アルキルアミノ、ジ−C
1−7−アルキルアミノ及びニトロからなる群より選択される一つ、二つ又は三つの基で置換されているフェノキシである、式Iの化合物に関する。
【0079】
本発明による式Iの特定の化合物は以下の通りである:
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−アミノアセテート、N−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチル)ニコチンアミド、N−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチル)アセトアミド、3−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルアミノ)プロパン−1−オール、tert−ブチル 6−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルアミノ)−6−オキソヘキシルカルバメート、エチル(E)−3−[4−アミノ−1−[2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパ−2−エノエート、エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート、エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノアセトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート、1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、又はその薬学的に許容される塩。
【0080】
特に、本発明は以下の式Iの化合物に関する:
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン,
1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−アミノアセテート、
エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート、
又はその薬学的に許容される塩。
【0081】
更に具体的には、本発明は、
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、
及びその薬学的に許容される塩
である、式Iの化合物に関する。
【0082】
更に具体的には、本発明は、
1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−アミノアセテート、
エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート、
及びその薬学的に許容される塩
からなる群より選択される、式Iの化合物に関する。
【0083】
特に、本発明は、以下のような式Iの化合物の塩:
エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート塩酸塩、
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、
又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0084】
本発明における一般式Iの化合物を官能基において誘導体化し、インビボで親化合物に戻るように変換できる誘導体を提供できることを理解されたい。インビボで一般式Iの親化合物を生成することのできる、生理学的に許容され且つ代謝的に信頼性の高い誘導体も、本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
本発明の更なる態様は、上記に定義される式Iの化合物の製造のための方法であり、この方法は、
a)式II
、
[式中、R
1、R
2及びR
3は先述に定義される通りであり、PGは保護基である]の化合物を、式III
、
[式中、mは先述に定義される通りである]の化合物と、塩基性条件下で反応させ、保護基PG及びBocを酸性条件下で除去して式I−a
、
[式中、R
1からR
3及びmは先述に定義される通りである]の化合物を獲得し、任意選択的に更に式I−aの化合物を、式R
5−OHのアルコール若しくは酸又は式R
5=Oのアルデヒドと結合させて式I−c
、
[式中、R
1からR
3、m及びR
5は先述に定義される通りである]の化合物を獲得し、望ましい場合には、得られた化合物を薬学的に許容される塩に変換すること、又は
b)式II−a
、
[式中、R
1、R
2及びR
3は先述に定義される通りであり、PG’は保護基である]の化合物を、式IV
、
[式中、nは先述に定義される通りであり、PG”は保護基である]のカルボン酸と、エステル化剤の存在下で反応させ、保護基PG’及びPG”を、弱い還元剤を用いて除去し、式I−b
、
[式中、R
1からR
3及びnは先述に定義される通りである]の化合物を獲得し、任意選択的に更に式I−aの化合物を、式R
6−OHのアルコール若しくは酸又は式R
6=Oのアルデヒドと結合させて式I−d
、
[式中、R
1からR
3、m及びR
6は先述に定義される通りである]の化合物を獲得し、望ましい場合には、得られた化合物を薬学的に許容される塩に変換すること
を含む。
【0086】
特に、適切な保護基PGは、トリチル(TRT)から選択されるアミノ−保護基であるか、又はイソインドリン−1,3−ジオン、ビス−ベンジル又はビス−カルボキシベンジル(ビス−Z)保護基を用いることによる二重の保護である。
【0087】
「塩基性条件下」とは、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブチレートといった塩基の存在を意味する。反応は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジクロロメタン又はジオキサンといった適切な溶媒中において、0℃から室温の間の温度で実施される。
【0088】
「酸性条件下において保護基PG及びBocを除去すること」とは、被保護化合物を、適切な溶媒中の酸で処理することを意味し、例えばジクロロメタン(DCM)のような溶媒中のトリフルオロ酢酸(TFA)を用いることができる。
【0089】
適切な保護基PG’及びPG”は、アミノ基の窒素原子と環状環を形成する保護基である。特に、PG’又はPG”は、それが結合する窒素原子と共に、イソインドリン−1,3−ジオンを形成するか、又はビス−ベンジル若しくはビス−カルボキシベンジル保護基を意味する。
【0090】
エステル化剤は、エステル化反応を促進する化合物である。特定のエステル化剤は、N,N−ジイソプロピル−カルボジイミドである。反応は、特に、DCMといった不活性溶媒中において実施される。
【0091】
「弱い還元剤を用いて保護基PG’及びPG”を除去すること」とは、特に、被保護化合物を、THFといった不活性溶媒中のヒドラジン/水で処理することを意味する。
【0092】
本発明は更に、上記に定義される方法により獲得されうる上記に定義される式Iの化合物に関する。
【0093】
一般構造Iを有する化合物の合成は、例えば、以下のスキームにより達成することができる。別途指示がない限り、R
1からR
3及びXは上記に定義される通りである。
【0094】
式AGの出発物質へのアクセスルートは、スキーム1に与えられ、このルートは国際公開第2013/033345号(Univ. of Minnesota)に例示されている。
【0095】
化合物ABは、適切に置換されたオルソエステルAAから、例えばトリエチルアミンのような塩基の存在下において例えばTHFなどの不活性溶媒中における2−アミノ−プロパンジニトリル及び1−アミノ−2−メチル−プロパン−2−オールとの縮合により得ることができる。適切な置換オルソエステルAAは市販されているか、当業者によって合成されうるか、又は実験の部分に例示されている。
【0096】
化合物ACは、化合物ABから、当技術分野において知られているジアゾ化/ヨウ素化により;クロロホルムのような不活性溶媒中において、0℃から溶媒の沸点の間の温度、好ましくは80℃の温度で、特にヨウ化物源としてジヨードメタンを、亜硝酸塩源として亜硝酸イソアミルをそれぞれ使用することにより、得ることができる。
【0097】
式ACの化合物は、当技術分野で既知の方法により、式AD[式中、Mは金属脱離基を示し、R’は水素及び/又は適切な保護基を示す]の化合物と結合させて、式AEの化合物を得ることができる。適切な金属脱離基は、ボロン酸、ボロネートエステル、及びトリフルオロボレート、更にはすず又は亜鉛ベースの脱離基でよい。特に、ボロン酸又はボロネートエステルは、トリフェニルホスフィンの存在下、DMEのような不活性溶媒中において、炭酸ナトリウムのような適切な塩基と共にPd(OAc)
2のようなパラジウム触媒を用いるSuzuki−Miyaura式結合に使用することができる。反応温度は室温から溶媒の沸点までの範囲でよく、多くの場合室温が適切な選択である。
【0098】
化合物AEがアニリンアミノ基(Hではない一つのR’)において保護されるとき、AF型の化合物を得るための脱保護を、当技術分野において既知の方法により行うことができ、この場合TFAを用いた保護基の酸分解が好ましい選択である。
【0099】
AG型の化合物は、化合物AFから、酸触媒の存在下における熱縮合(閉環)により得ることができる。これは、化合物AFを、ジオキサンのような不活性溶媒中、HClのような酸の存在下において、適切な時間、例えば2時間にわたり、90℃で加熱することにより簡単に達成することができる。
スキーム1
【0100】
スキーム2による手順に従い、化合物AGを、R
4が-O−(CH
2)
m−NH
2である化合物I−aの合成の出発物質として使用することができる。
【0101】
化合物BAは、AGから、マイクロ波照射あり又はなしで、高温の不活性溶媒中での塩基の存在下におけるトリチルクロライドとの反応により得ることができる。適切な塩基と溶媒の組み合わせは、例えば、特に反応がマイクロ波反応器内において高温で実施される場合、トリエチルアミン又はDIEAとアセトニトリルである。
【0102】
一般式BCの化合物は、一般式BAの化合物から、DMFのような適切な溶媒中での、カリウムtert−ブチレートの水素化ナトリウムのような適切な塩基の存在下におけるBoc−スルファミダートBBとの反応により得ることができる。反応は有利には0℃から室温で実施される。
【0103】
一般式I−aの化合物は、一般式BCの化合物から、適切な溶媒中での酸を用いた処理による保護基の除去により得ることができる。一つのこのような酸は、室温で使用される、追加のDCMを含む又は含まないTFAである。
スキーム2
【0104】
スキーム3による手順に従い、化合物AGを、R
4が−O−(CO)−(CH
2)
n−NH
2である化合物I−bの合成の出発物質として使用することができる。
スキーム3
【0105】
化合物CAは、AGから、当技術分野において既知の方法による適切な保護基PGの導入により得ることができる。このような保護基は、例えばイソインドリン−1,3−ジオン(フタリル)である。具体的には、化合物CAを、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンのような塩基の存在下において、高温の、トルエンといった不活性の高沸点溶媒中で、フタロイルクロライドと反応させ、保護基としてイソインドリン−1,3−ジオンを有するCA型の化合物を得ることができる。
【0106】
化合物CCは、化合物CB及びCAから、当技術分野において記載されている多くの方法の一つを用いたエステル化により得ることができる。有利には、このようなエステル化は、CBとCAを、高温の、DCMのような不活性溶媒中において、N,N−ジイソプロピル−カルボジイミドの存在下で混合することにより達成することができる。適切なカルボン酸CBは市販されているか、当技術分野で既知の手順により調製ることができるか、又は実験部分において例示されている。
【0107】
一般式I−bの化合物は、一般式CCの化合物から、当技術分野で既知の方法による保護基の除去により得ることができる。具体的には、イソインドリン−1,3−ジオンは、室温の、THFのような不活性溶媒中におけるヒドラジン/水による処理により除去することができる。
【0108】
スキーム4の手順に従い、化合物I−c及びI−dは、I−a又はI−bから、当技術分野において既知の方法、例えばアミドカップリング(R
5−OH又はR
6−OHは酸である)又は実験部分で更に詳細に説明する還元的アミノ化(R
5=O又はR
6=Oはアルデヒドである)により得ることができる。
スキーム4
【0109】
出発物質、式AA、AD、AG、DA、DB、DC又はDDの化合物のうちの一つが、一又は複数の反応工程の反応条件下において反応性であるか又は安定でないか一又は複数の官能基を含有する場合、適切な保護基(PG)(例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載)を、当技術分野で周知の方法を適用する重要な工程の前に導入することができる。このような保護基は、合成の後期の工程において、当技術分野で既知の標準的な方法を用いて除去することができる。
【0110】
式AA、AD、AG、DA、DB、DC又はDDの一又は複数の化合物がキラル中心を含有する場合、式Iの化合物は、ジアステレオマー又は光学異性体の混合物として得ることができ、これは、当技術分野で周知の方法、例えば(キラルな)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化によりジアステレオマー塩を介してその鏡像体に分離することができるか、又はキラルな吸着剤又はキラルな溶出剤を用いた特定のクロマトグラフ法による鏡像体の分離により分離することができる。
【0111】
上述のように、本発明の式Iの化合物は、TLRアゴニストによって媒介される疾患の治療、具体的にはTLR7及び/又はTLR8アゴニストによって媒介される疾患の治療、更に具体的にはTLR7及びTL8アゴニストによって媒介される疾患の治療のための医薬として使用することができる。
【0112】
本発明において定義される化合物は、インビトロでの細胞アッセイにおけるTLR7及び/又はTLR8受容体のアゴニストである。更に具体的には、本発明の化合物は、TLR7及びTLR8受容体の両方のアゴニストである。したがって、本発明の化合物は、TLR7及び/又はTLR8アゴニストを介した免疫系の活性化の恩恵を受ける疾患又は健康状態の治療、更に具体的にはTLR7及びTLR8受容体の両方を介した免疫系の活性化の恩恵を受ける疾患又は健康状態の治療に有用な薬剤であると予想される。例えば、以下の疾患及び状態は、本発明の化合物により治療可能であると思われる。
【0113】
本発明の式Iの化合物は、腫瘍学において有用であり、即ち膀胱がん、頭部及び頸部のがん、前立腺がん、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がん、卵巣 がん、子宮頸がん、膵臓がん、腸及び結腸がん、胃がん、甲状腺がん、メラノーマ、皮膚及び脳の腫瘍及び骨髄に影響する悪性腫瘍、例えば白血病及びリンパ増殖性系、例えばホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含む一般的ながんの治療において使用することができ、これには転移性がん及び腫瘍再発、並びにパラネオプラスチック症候群の予防及び治療が含まれる。
【0114】
本発明の式Iの化合物は、自己免疫疾患の治療にも有用である。「自己免疫疾患」は、個体自身の組織若しくは器官、又はその同時分離若しくは症状発現から生じた疾患又は障害、又はそれらに対する疾患又は障害、又はそれらから結果として生じた状態である。「自己免疫疾患」は、器官特異的な疾患(即ち、免疫応答が、内分泌系、造血系、皮膚、心肺系、胃腸及び肝系、腎系、甲状腺、耳、神経筋系、中枢神経系などといった器官系に特異的に向けられるものである)、又は多臓器系に影響しうる全身性疾患(例えば、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、関節リウマチ、多発筋炎など)でありうる。特定の態様では、自己免疫疾患は、皮膚、筋組織及び/又は結合組織に関連付けられる。
【0115】
特定の自己免疫疾患には、自己免疫性リウマチ疾患(例えば、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、狼瘡、例えばSLE及びループス腎炎、多発筋炎/筋炎、低温型グロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群及び乾癬性関節炎)、自己免疫胃腸及び肝障害(例えば、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、自己免疫胃炎及び悪性貧血、自己免疫肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、及びセリアック病)、脈管炎(例えば、チャーグシュトラウス症候群を含むANCA陰性脈管炎及びANCA関連脈管炎、ウェグナー肉芽腫症、及び顕微鏡的多発性動脈炎)、自己免疫性神経障害(例えば、多発性硬化症、眼球クローヌス・ミオクローヌス運動失調、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び自己免疫多発ニューロパチー)、腎性障害(例えば、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、及びベルガー病)、自己免疫皮膚病(例えば、乾癬、じんましん(urticaria、hives)、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、及び皮膚紅斑性狼瘡)、血液障害(例えば、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後紫斑病、及び自己免疫性溶血性貧血)、アテローム性動脈硬化症、ブドウ膜炎、自己免疫聴覚疾患(例えば、内耳疾患及び聴覚損失)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植、及び自己免疫内分泌障害(例えば、糖尿病関連自己免疫疾患、例えばインスリン依存性糖尿病(IDDM)、アジソン病、及び自己免疫甲状腺疾患(例えば、グレーブス病及び甲状腺炎))、アレルギー症状及び応答、食物アレルギー、薬物アレルギー、昆虫アレルギー、希少なアレルギー症状、例えば肥満細胞症、アレルギー反応、アレルギー性若しくはアトピー性湿疹を含む湿疹、喘息 例えば気管支喘息及び自己免疫喘息、T細胞の浸潤を伴う症状及び慢性的炎症応答が含まれる。
【0116】
本発明の式Iの化合物は、感染症の治療にも有用である。したがって、この化合物は、ウイルス性疾患、特にパピローマウイルス、例えばヒトパピローマウイルス(HPV)及び性器疣贅、一般的疣贅及び足底疣贅を引き起こすもの、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デングウイルス、痘瘡ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス(例えばSARS)、インフルエンザ、おたふくかぜ及びパラインフルエンザからなる群より選択されるウイルスの感染により引き起こされる疾患の治療において有用でありうる。
【0117】
この化合物は、細菌性疾患、特にマイコバクテリウム、例えばマイコバクテリウム結核、マイコバクテリウムアビウム及びマイコバクテリウムレプレからなる群より選択される細菌の感染により引き起こされる疾患の治療においても有用でありうる。本発明の式Iの化合物は更に、他の感染症、例えばクラミジア、真菌性疾患、特にカンジダ症、アスペルギルス症及びクリプトコックス髄膜炎からなる群より選択される真菌性疾患、並びに寄生虫病、例えばニューモシスティスーカリニ、肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリマノソーマ感染及びリーシュマニア症の治療においても有用でありうる。
【0118】
したがって、「TLRアゴニストにより媒介される疾患」という表現は、TLR7及び/又はTLR8アゴニストによる免疫系の活性化によって治療されうる疾患、例えばがん及び感染症を意味する。特に、「TLRアゴニストによって媒介される疾患」という表現は、ウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択されるがん又は自己免疫疾患又は感染症を意味する。
【0119】
特定の態様では、「TLRアゴニストにより媒介される」という表現は、膀胱がん、頭部及び頸部のがん、前立腺がん、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がん、卵巣 がん、子宮頸がん、膵臓がん、腸及び結腸がん、胃がん、甲状腺がん、メラノーマ、皮膚及び脳の腫瘍及び骨髄に影響する悪性腫瘍、例えば白血病及びリンパ増殖性系、例えばホジキン及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択されるがんに関し、これには転移性がん及び腫瘍再発、並びにパラネオプラスチック症候群の予防及び治療が含まれる。
【0120】
本発明はまた、上記に定義された式Iの化合物と薬学的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含む薬学的組成物に関する。具体的には、本発明は、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療に有用な薬学的組成物に関する。
【0121】
更に、本発明は、治療的活性物質、特にTLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための治療的活性物質としての使用のための、上述に定義された式Iの化合物に関する。特に、本発明は、がん又は自己免疫疾患又はウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択される感染症の治療における使用のための式Iの化合物に関する。
【0122】
別の態様では、本発明は、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための方法に関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物をヒト又は動物に投与することを含む。特に、本発明は、がん、及びウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択される感染症の治療のための方法に関する。
【0123】
本発明は更に、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための、上記に定義された式Iの化合物の使用に関する。
【0124】
加えて、本発明は、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための医薬の調製のための、上記に定義された式Iの化合物の使用に関する。特に、本発明は、がん又は自己免疫疾患、又はウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択される感染症の治療のための医薬の調製のための、上記に定義された式Iの化合物に関する。
【0125】
更なる態様では、式Iの化合物は、がんの治療のレジメンにおいて一又は複数の追加的治療モダリティと組み合わせることができる。
【0126】
併用療法には、本発明の化合物の投与に加えて、がんの治療に有効な一又は複数のモダリティの付属的な使用が含まれる。このようなモダリティには、限定されないが、化学療法剤、免疫療法、抗血管新生剤、サイトカイン、ホルモン、抗体、ポリヌクレオチド、放射線及び光学力治療剤が含まれる。特定の態様では、併用療法は、がんの再発の予防、転移の抑制、又はがん又は転移の増殖及び/又は広がりの抑制のために使用することができる。本明細書において使用される「と組み合わせて」とは、式Iの化合物が、上述のような一又は複数の追加的治療モダリティを含む治療レジメンの一部として投与されることを意味する。したがって、本発明は、がんの治療のための方法にも関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物を、一又は複数の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせてヒト又は動物に投与することを含む。
【0127】
式Iの化合物は、自己免疫疾患の治療において、単独で又は一又は複数の追加的治療モダリティと組み合わせて使用することができる。
【0128】
併用療法には、本発明の化合物の投与に加えて、自己免疫疾患の予防又は治療において補助となる一又は複数のモダリティの付属的な使用が含まれる。このようなモダリティには、限定されないが、化学療法剤、免疫療法、抗血管新生剤、サイトカイン、ホルモン、抗体、ポリヌクレオチド、放射線及び光学力治療剤が含まれる。本明細書において使用される「と組み合わせて」とは、式Iの化合物が、上述のような一又は複数の追加的治療モダリティを含む治療レジメンの一部として投与されることを意味する。したがって、本発明は、自己免疫疾患の治療のための方法にも関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物を、一又は複数の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせてヒト又は動物に投与することを含む。
【0129】
更なる態様では、式Iの化合物は、感染症の治療において、単独で又は一又は複数の追加的治療モダリティと組み合わせて使用することができる。
【0130】
併用療法には、本発明の化合物の投与に加えて、感染症の予防又は治療において補助となる一又は複数のモダリティの付属的な使用が含まれる。このようなモダリティには、限定されないが、抗ウイルス剤、抗生物質、及び抗真菌剤が含まれる。本明細書において使用される「と組み合わせて」とは、式Iの化合物が、上述のような一又は複数の追加的治療モダリティを含む治療レジメンの一部として投与されることを意味する。したがって、本発明は、感染症の治療のための方法にも関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物を、一又は複数の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせてヒト又は動物に投与することを含む。
【0131】
薬理試験
以下の試験は、式Iの化合物の活性を決定するために実施された。
【0132】
TLR8及びTLR7活性試験のために、それぞれ、SEAPレポーター(分泌された胎児性/胚性アルカリホスファターゼ)コンストラクトでトランスフェクトされたHEK−BlueヒトTLR8又はTLR7細胞(Invivogen、San Diego、CA、USA)が使用され、そのレポーター発現は、24時間の刺激時にNF−κBプロモーターにより調節された。レポーターの活性は、Quanti Blue kit(Invivogen、San Diego、Ca、USA)を用いて640nmの波長で決定された。
【0133】
EC
50の値は、Activity Base分析(ID Business Solution、Limited)を用いて決定された。
【0134】
式Iによる化合物は、ヒトTLR8に関する上記アッセイにおいては0.01nMから11μMの範囲、具体的には0.01nMから3μMの活性(EC
50値)を、ヒトTLR7に関する上記アッセイにおいては0.01nMから1μM、具体的には0.01nMから0.3μMの、更に具体的には0.01nMから0.1μMの活性(EC
50値)を有する。
【0135】
例えば、以下の化合物は、上記のアッセイにおいて以下のようなEC50値を示した。
【0136】
薬学的組成物
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、例えば、経腸、非経口又は局所投与のための薬学的調製物の形態で、医薬として使用することができる。式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、全身投与(例えば、非経口)又は局所投与(例えば、局所若しくは病巣内注射)されうる。いくつかの例では、薬学的製剤は、局所、非経口、経口、膣内、子宮内、鼻腔内又は吸入投与される。本明細書に記載されるように、特定の組織がTLRアゴニストにとって好ましい標的である。したがって、TLRアゴニストのリンパ節、脾臓、骨髄、血液、並びにウイルスに曝された組織への投与は、投与の好ましい部位である。
【0137】
一態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的製剤は、非経口投与される。投与の非経口経路には、限定されないが、経皮、経粘膜、鼻咽頭、肺及び直接注射が含まれる。注射による非経口投与は、限定されないが、静脈内(IV)を含む任意の非経口注射経路によるものでよく、これには、ボーラス及び点滴(例えば、急速な又は時間をかけた)、腹腔内(IP)、筋肉内(IM)、皮下(SC)及び皮内(ID)経路が含まれる。経皮及び経粘膜投与は、例えば、担体(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)の介在、電気インパルス(例えば、イオン泳動)の適用又はそれらの組合せにより達成される。様々な機器が使用可能な経皮投与に利用可能である。非経口投与に適した式Iの化合物の製剤は、通常USP水又は注射用水中において製剤化され、更にpHバッファー、塩充填剤、防腐剤、及び他の薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。
【0138】
経皮投与は、TLRアゴニストが皮膚を通過して血流に入ることを可能にすることができるクリーム、リンス、ゲルなどの適用により達成される。経皮投与に適した組成物には、限定されないが、皮膚に直接適用されるか又は経皮デバイス(いわゆる「パッチ」)のような保護担体に組み込まれる、薬学的に許容される懸濁液、オイル、クリーム及び軟膏が含まれる。適切なクリーム、軟膏などの例は、例えば、医師のデスクリファレンスに見出すことができる。経皮投与は、例えばその製品を無傷の皮膚を通して複数日以上の期間にわたり連続的に送達する市販のパッチを用いたイオン泳動によっても達成される。このような方法の使用により、比較的高い濃度の薬学的組成物の制御された投与、併用薬物の点滴、及び吸収促進剤の同時使用が可能となる。経皮及び経粘膜経路による投与は、連続的又は拍動性であってよい。
【0139】
肺内投与は、吸入によって達成され、鼻腔内、経気管支性及び経肺胞性経路といった送達経路を含む。限定しないが、エアロゾルを形成するための懸濁液並びに乾燥粉末吸入送達系のための粉末形態を含む、吸入による投与に適した式Iの化合物の製剤が提供される。吸入による投与に適したデバイスには、限定されないが、噴霧器、気化器、ネブライザー、及び乾燥粉末吸入送達装置が含まれる。呼吸粘膜への送達の他の方法には、点鼻などによる液体製剤の送達が含まれる。吸入による投与は、好ましくは、点滴に類似の送達であるが、個別の用量(例えば、定量吸入器による)において、ネブライザーにより達成される。
【0140】
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、例えば、錠剤、コーティング錠、ドラジェ、硬質及び軟質のゼラチンカプセルの形態で、経口投与されてもよい。
【0141】
薬学的調製物の製造は、記載される式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩を、任意選択的に他の治療的に有用な物質と組み合わせて、適切な非毒性且つ不活性の治療的に適合性の固体又は液体の担体材料、及び必要に応じて通常の薬学的アジュバントと共に、ガレン製剤投与形態にすることにより、当業者によく知られる方式で実現することができる。
【0142】
適切な担体材料は、無機担体材料だけでなく、有機担体材料である。したがって、例えば、ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩を、錠剤、コーティング錠、ドラジェ及び硬質ゼラチンカプセルの担体材料として使用することができる。軟質ゼラチンカプセルの適切な担体材料は、例えば、植物油、ワックス、油脂及び半固体及び液体のポリオール(しかしながら、軟質ゼラチンカプセルの場合、活性成分の性質によっては、担体は不要でありうる)。溶液及びシロップ剤の製造に適切な担体材料は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖などである。注射溶液に適した担体材料は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。座薬に適切な担体材料は、例えば、天然油又は硬化油、ワックス、油脂、及び半液体又は液体ポリオールである。局所用調製物に適した担体材料は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、水素添加油、液体ワックス、流動パラフィン、液状脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
【0143】
通常の安定剤、防腐剤、湿潤及び乳化剤、コンシステンシー改善剤、風味改良剤、浸透圧を変更するための塩、バッファー物質、可溶化剤、着色剤及びマスキング剤並びに抗酸化剤は、薬学的アジュバントとして考慮される。
【0144】
式Iの化合物の用量は、制御される疾患、患者の年齢及び個体状態及び投与様式に応じて広い限度内で変動し、言うまでもなく、各特定のケースの個体要件に適合させる。成人患者の場合、一日当たりの用量として約1から1000mg、特に約1から300mgを考慮する。疾患の重症度及び正確な薬物動態プロファイルに応じて、化合物は、一日当たり一又は複数の用量単位、例えば、1から3の用量単位で投与される。
【0145】
薬学的調製物は、簡便には、約1−500mg、好ましくは1−100mgの式Iの化合物を含有する。
【0146】
以下の実施例C1からC3は、本発明の典型的な組成物を示しているが、単にその代表例であるにすぎない。
【0147】
実施例C1
以下の成分を含有するフィルムコーティングされた錠剤は、常套的な方式で製造することができる:
【0148】
活性成分は篩過され、微結晶性セルロースと混合され、混合物は水中ポリビニルピロリドンの溶液を用いて顆粒化される。顆粒はデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合され、圧縮されて、それぞれ120又は350mgの核心が得られる。核心は、上記フィルムコーティングの水溶液/懸濁液でラッカー塗装される。
【0149】
実施例C2
以下の成分を含有するカプセルは、常套的な方式で製造することができる:
【0150】
成分は、篩過され、混合され、サイズ2のカプセル中に充填される。
【0151】
実施例C3
注射液は以下の組成物を有することができる:
【0152】
活性成分を、ポリエチレングリコール400と注射用の水(一部)との混合物に溶解する。pHを、酢酸により5.0に調整する。残りの量の水を付加することにより、容積を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適当な過多量を用いてバイアルに充填し、滅菌する。
【0153】
以下の実施例は、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、下記実施例は、いかなる意味でも本発明の範囲を限定することを目的としない。
【実施例】
【0154】
実施例1
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン
a)1−(2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【0155】
4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール(CAN144875−48−9、1.6g、5.09mmol)を、アセトニトリル(60mL)と混合して白色の懸濁液を得た。次いでトリエチルアミン(1.77mL、12.7mmol)及びトリチルクロライド(1.7g、6.11mmol)を、アルゴン下で撹拌しながら加えた。反応混合物を、マイクロ波反応器内において100℃で30分間照射した。混合物の撹拌後、生成物が沈殿し、この生成物を0℃での濾過により単離し、冷たいアセトニトリルで洗浄し、乾燥し、白色の固体として標題化合物(2.37g、83%)を得た;MS(ESI):557.5(MH
+)。
【0156】
b)tert−ブチル 2−(1−(2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルカルバメート
【0157】
オイル中60%の水素化ナトリウム分散体(173mg、4.32mmol)を、DMF(15mL)と混合し、無色の懸濁液を得た。混合物を撹拌しながら0℃に冷却し、この温度において、DMF(15mL)中、1−(2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(1.85g、3.32mmol)の溶液を、10分かけて滴下した。その後、反応混合物を0℃で1時間、室温で30分間撹拌し、黄色の溶液を得た。この溶液に対し、0℃で2,2−ジオキシド−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボン酸−1,1−ジメチルエチルエステル(CAN459817−82−4、964mg、4.32mmol)を加えた。温度を室温へと上昇させ、混合物を一晩撹拌した。混合物を、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水/ブライン(2:1)で洗浄し、合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0〜100%の酢酸エチル)で精製し、白色の発泡体として標題化合物(1.47g、63%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98.7%、700.3850(MH
+)。
【0158】
c)1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン
【0159】
tert−ブチル 2−(1−(2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルカルバメート(1.45g、2.07mmol)を、ジクロロメタン(DCM、12mL)と混合して無色の溶液を得た。TFA(6.0mL、77.9mmol)を加え、混合物を3時間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、2Nの水酸化ナトリウム溶液(40mL)を加え、塩基性溶液をジクロロメタンで抽出した。有機層を、合わせ、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中0〜10%のメタノール)により精製し、白色の固体として標題化合物(0.62g、83%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)97.5%、358.2238(MH
+)。
【0160】
実施例2
1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−アミノアセテート
a)2−(2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)イソインドリン−1,3−ジオン
【0161】
4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール(CAN144875−48−9、3.0g、9.54mmol)を、トルエン(21.0mL)と混合し、白色の懸濁液を得た。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(3.21g、28.6mmol)及びフタロイルクロライド(1.65mL、11.5mmol)を撹拌しながら加え、反応混合物を110℃で4時間撹拌した。冷却後、混合物を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、1Nの塩酸で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を、混合し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)と共に撹拌時、生成物が沈殿し、これを濾過し、真空中で乾燥した(1.9g)。母液は濃縮され、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%から100%のEtOAc)後、別バッチの生成物(0.59g)が得られた。合計で2.49g(59%)の標題化合物を、白色の固体として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)96%、445.2(MH
+)。
【0162】
b)1−(4−(1,3−ジオキソインドリン−2−イル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−(1,3−ジオキソインドリン−2−イル)アセテート
【0163】
2−(2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(1600mg、3.6mmol)、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−酢酸(CAN4702−13−0、2.22g、10.8mmol)及び4−(1−ピロリジニル)−ピリジン(800mg、5.4mmol)をDCM(36mL)と混合し、白色の懸濁液を得た。N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.68mL、10.8mmol)及びモレキュラーシーブを加えた。反応混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌し、冷却後濾過した。濾液を、DCM(150mL)で希釈し、1Nの塩酸及び水で洗浄した。水相をDCMで抽出し、有機相を混合し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。ジイソプロピル尿素を、濾過によりDCM/メタノールでの研和後に除去し、濾液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製して明黄色の固体を得た。DMSOからの結晶化により生成物の最初の収穫物を得て(1.95g)、濃縮後の母液及び分取HPLCにより別の0.13gの収穫物を得た。合計で2.08g(91%)の標題化合物を、白色の固体として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)95.9%、632.2157(MH
+)。
【0164】
c)1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−アミノアセテート
【0165】
1−(4−(1,3−ジオキソインドリン−2−イル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イル 2−(1,3−ジオキソインドリン−2−イル)アセテート(300mg、475μmol)をTHF(5mL)と混合し、白色の懸濁液を得た。この懸濁液に対し、水中のヒドラジン(1000μl、11.2mmol)を加え、溶液を0.75時間室温で撹拌した。混合物を0℃に冷却し、1Nの塩酸(30mL)とDCM(50mL)を加えた。白色の沈殿物(フタリルヒドラジド(phtalylhydrazide))を濾過により除去し、有機相を廃棄した。水相を凍結乾燥し、残留物をアセトニトリル(20mL)及びDIEA(pH10)で取った。溶媒のエバポレーション後、残留物を分取HPLC(Gemini NX 3u 50×4.6mm;アセトニトリル/water/Et
3N)により精製し、非晶性の白色の固体として標題化合物(111mg、63%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99%、372.4(MH
+)。
【0166】
実施例3
N−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチル)ニコチンアミド
【0167】
ニコチン酸(11.4mg、92.3μmol)をDMF(1.0mL)と混合し、無色の溶液を得た。この溶液に対し、TBTU(29.6mg、92.3μmol)、及びDIEA(54.2mg、71.8μl)を加えた。最後に、1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(30mg、83.9μmol)を加え、反応混合物を1時間室温で撹拌した。揮発性物質を40℃の高真空中において除去した。残留物を、酢酸エチル(5mL)とメタノール(0.5mL)の混合物中に溶解した。1Nの水酸化ナトリウム溶液(1.5mL)を加え、数分間撹拌した後、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機相を混合し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル−NH2、DCM中0%から10%のメタノール)により精製し、白色の発泡体として表題生成物(33mg、85%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)88%、463.2459(MH
+)。
【0168】
実施例4
N−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチル)アセトアミド
【0169】
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(32mg、89.5μmol)をDCM(1.0mL)と混合し、無色の溶液を得た。この溶液に対し、トリエチルアミン(25.0μL、179μmol)と塩化アセチル(7.00μL、98.5μmol)を加え、反応混合物を18時間室温で撹拌した。混合物を真空中で濃縮した後、残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル−NH
2、DCM中0%から10%のメタノール)により精製し、白色の発泡体として標題化合物(19mg、53%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)97%、400.2348(MH
+)。
【0170】
実施例5
3−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルアミノ)プロパン−1−オール
a)2−(エトキシメチル)−1−[2−メチル−2−[2−(3−トリチルオキシプロピルアミノ)エトキシ]プロピル]−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン
【0171】
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(50mg、140μmol)及び3−(トリフェニルメトキシ)−プロパナール(CAN67057−68−5;44.3mg、140μmol)をエタノール(500μL)と混合し、明黄色の懸濁液を得た。混合物を2時間室温で撹拌した。その後水素化ホウ素ナトリウム(5.82mg、154μmol)を加え、室温での撹拌を一晩継続した。混合物を水(2mL)及び酢酸エチル(5mL)と共に撹拌し、ChemElut(登録商標)カートリッジに通すことにより乾燥し、真空中で濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル−NH2、ヘプタン中0%から100%酢酸エチル)、続いて別のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル中0から10%のメタノール)により精製し、黄色がかったゴムとして標題化合物(10mg、11%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)89%、658.5(MH
+)。
【0172】
b)3−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルアミノ)プロパン−1−オール
【0173】
2−(エトキシメチル)−1−[2−メチル−2−[2−(3−トリチルオキシプロピルアミノ)エトキシ]プロピル]−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(10mg、15.2μmol)をDCM(1mL)と混合し、無色の溶液を得た。TFA(100μl、1.3mmol)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル−NH2、酢酸エチル中0%から30%メタノール)により精製し、無色のゴムとして標題化合物(2.3mg、36%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)95.6%、416.2661(MH
+)。
【0174】
実施例6
tert−ブチル 6−(2−(1−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)エチルアミノ)−6−オキソヘキシルカルバメート
【0175】
6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸(197mg、850μmol)を、DMF(10.9mL)と混合し、無色の溶液を得た。O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(TBTU、300mg、936μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、728μl、4.25mmol)を、不活性雰囲気下で撹拌しながら加えた。次いで1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(実施例1c、304mg、850μmol)を加え、混合物を2時間室温で撹拌した。混合物を、真空中で濃縮し、酢酸エチル(5mL)に溶解し、1分間冷たい水酸化ナトリウム溶液(1N)と共に撹拌し、ChemElut(登録商標)(10g)に通すことにより乾燥した。有機相を再び真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中10%のメタノール)により精製し、明褐色のオイルとして標題化合物(0.135g、23%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)83%、571.5(MH
+)。
【0176】
実施例7
(E)−エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)アクリレート
a)5−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
【0177】
トリエチルアミン(5.28ml、37.9mmol)を、撹拌しながら、THF(120ml)中、2−アミノマロノニトリル 4−メチルベンゼンスルホネート(8g、31.6mmol)の懸濁液に加え、明褐色の溶液を得た。1,1,1,2−テトラエトキシエタン(7.82g、37.9mmol)を加え、反応混合物をアルゴン下において還流温度で撹拌した。4時間後、更に2.3gの量の1,1,1,2−テトラエトキシエタンを加え、混合物を更に2時間加熱した。混合物を室温に冷まし、トリエチルアミン(5.28ml、37.9mmol)及び1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(3.63ml、37.9mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチル(200mL、2×150mL)と重炭酸水素ナトリウム溶液(2M、100mL)とに分けた。有機相を、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製し、ヘプタン(4.47g、59%)からの結晶化工程の後に白色の結晶性固形物として標題化合物を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)100%、239.1514(MH+)。
【0178】
b)2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−5−ヨード−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
【0179】
ジヨードメタン(14.5ml、180mmol)をアルゴン下において撹拌しながら加え、クロロホルム(170mL)中、5−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(4.36g、18.3mmol)の懸濁液を得た。反応混合物を80℃に加熱し、クロロホルム(30mL)中、亜硝酸イソアミル(9.86ml、73.2mmol)の溶液を、シリンジポンプを用いて40分かけて加え、混合物を更に30分間80℃で撹拌した。室温に冷却した後、混合物を、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン20%から50%の酢酸エチル)により精製し、茶色のオイルとして標題化合物(3.66g、57%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)90%、350.0374(MH
+)。
【0180】
c)メチル 3−アミノ−4−[5−シアノ−2−(エトキシメチル)−3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾl−4−イル]ベンゾエート
【0181】
不活性雰囲気中において2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−5−ヨード−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(3.66g、10.5mmol)をジメトキシエタン(43mL)と混合し、明褐色の溶液を得た。この溶液に対し、Pd(OAc)
2(118mg、524μmol)、トリフェニルホスフィン(275mg、1.05mmol)及びメチル 3−アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエート(4.36g、15.7mmol)を撹拌しながら加えた。最後にNa
2CO
3(2M、15.7mL、31.4mmol)を加えた。反応混合物を100℃に加熱し、1時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(70mL、2×50mL)と水(70mL)に分けた。有機相を、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製し、明褐色の発泡体として標題化合物(2.79g、71%)を得て、これ以上精製することなく次の工程で使用した。
【0182】
d)メチル 4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボキシレート
【0183】
メチル 3−アミノ−4−(4−シアノ−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾl−5−イル)ベンゾエート(2.79g、7.49mmol)を、ジオキサン(4M、56.2mL、225mmol)中HClの溶液と混合し、オレンジ色の溶液を得た。反応混合物をアルゴン下で撹拌しながら90℃に加熱した。90℃で1時間の後、混合物を、室温に冷却し、真空中で濃縮し、ベージュ色の固体を得た。この固体を、酢酸エチル(500mL)に溶解し、水(100mL)と飽和重炭酸水素ナトリウム溶液(250mL)との混合物で洗浄した。水相を酢酸エチル(2×250mL)で抽出し、有機相を混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、黄色の固体(3.05g)を得た。固体物質を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶化し、明黄色の固体として標題化合物(2.4g、86%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99%、373.1884(MH+)。
【0184】
e)メチル 2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボキシレート
【0185】
標題化合物を、実施例1aと同様にして、但し出発物質としてメチル 4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボキシレートを用いて合成し、明褐色の固体として単離した(0.77g、96%);LC−MS(UVピーク面積、ESI)96%、615.4(MH
+)。
【0186】
f)2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボン酸
【0187】
水酸化ナトリウム溶液(1N、3.51ml)を、THF(6.21mL)及びメタノール(621μL)中に溶解したメチル 2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボキシレート(540mg、878μmol)に加えた。反応混合物を、120時間室温で撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(30mL)と冷たい1MのHCl溶液(5mL)とに分けた。水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、白色の固体として標題化合物(0.499g、94%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99%、601.3(MH
+)。
【0188】
g)2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−N−メトキシ−N−メチル−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボキサミド
【0189】
不活性雰囲気下の、DMF(5.19mL)中、2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボン酸(484mg、741μmol)の溶液に対し、TBTU(357mg、1.11mmol)、DIEA(388μL、2.22mmol)及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(108mg、1.11mmol)を撹拌しながら加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌し、その後混合物を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(40mL、2×20mL)と水(40mL)とに分けた。有機相を、水(2×20mL)で洗浄し、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中50%から100%の酢酸エチル)により精製し、白色の発泡体として標題化合物(0.53g、適量)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)92%、644.4(MH
+)。
【0190】
h)2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルバルデヒド
【0191】
不活性雰囲気下の、THF(7mL)中、2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−N−メトキシ−N−メチル−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルボキサミド(520mg、808μmol)の溶液に対し、THF(1M、404μl、404μmol)中、水素化アルミニウムリチウムの溶液を、撹拌しながら0℃で加えた。混合物を1時間0℃で撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)をゆっくりと加え、最後に水(20mL)と酢酸エチル(30mL)を加えた。相を分離し、水層を酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機相を水(20mL)で洗浄し、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、白色の発泡体として標題化合物(0.49g、適量)を得て(LC−MS(UVピーク面積、ESI)83%、585.4(MH
+))、それ以上精製することなく次の工程で使用した。
【0192】
i)エチル(E)−3−[2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパ−2−エノエート
【0193】
(カルベトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(422mg、1.21mmol)を、ジクロロメタン(8mL)中、2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−カルバルデヒド(472mg、808μmol)の溶液にアルゴン下で加えた。反応混合物を20時間室温で撹拌し、真空中で濃縮した。ジクロロメタン及びジエチルエーテルからの結晶化により、白色の固体として標題化合物(0.399g、75%)を得た、LC−MS(UVピーク面積、ESI)89%、655.4(MH
+)。
【0194】
j)エチル(E)−3−[1−[2−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパ−2−エノエート
【0195】
標題化合物を、実施例1bと同様にして、但し出発物質としてエチル(E)−3−[2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパ−2−エノエートを使用して合成し、白色の固体(0.28g、42%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)76%、798.6(MH
+)。
【0196】
k)エチル(E)−3−[4−アミノ−1−[2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパ−2−エノエート
【0197】
標題化合物を、実施例1cと同様にして、但し出発物質としてエチル(E)−3−[1−[2−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパ−2−エノエートを使用して合成し、白色の固体(21mg、34%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)93%、456.4(MH
+)。
【0198】
実施例8
エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート塩酸塩
a)エチル 3−[1−[2−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパノエート
【0199】
エタノール(10mL)中のパラジウム炭素10%(100mg、940μmol)を、酢酸エチル(30mL)中、(E)−エチル 3−(1−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)アクリレート(280mg、351μmol)の懸濁液に加えた。混合物を、6時間水素雰囲気下において室温で撹拌し、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル−NH
2、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製し、白色の固体として標題化合物(0.163g、58%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)74%、800.5(MH
+)。
【0200】
b)エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート塩酸塩
【0201】
標題化合物を、実施例1cと同様にして、但し出発物質としてエチル 3−[1−[2−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパノエートを使用して合成し、白色の固体(15mg、56%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)93%、458.4(MH
+)。
【0202】
実施例9
エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノアセトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート
a)エチル 3−[4−[ビス(ベンシルオキシカルボニル)アミノ]−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパノエート
【0203】
ジクロロメタン(6mL)中、エチル 3−(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート塩酸塩(300mg、665μmol)、DMAP(15mg、123μmol)及びDIEA(1.86ml、10.6mmol)の懸濁液に対し、ベンジルクロロフォメート(380μl、2.66mmol)を加えた。室温で20時間撹拌した反応混合物、更にベンジルクロロフォメート(908 60μl、5.32mmol)を加え、撹拌を更に6時間継続した。その後、混合物をジクロロメタン(50mL)中に注ぎ、HCl(1M、20mL)及び水(20mL)で抽出した。水層をジクロロメタン(50mL)で抽出し、有機相を、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製し、無色のオイルとして標題化合物(0.459g、適量)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)86%、683.5(MH
+)。
【0204】
b)エチル 3−[4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−[2−[2−(ジベンジルアミノ)アセチル]オキシ−2−メチルプロピル]−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル]プロパノエート
【0205】
ジクロロメタン(4mL)中、エチル 3−(4−(ビス(ベンシルオキシカルボニル)アミノ)−2−(エトキシメチル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート(300mg、439μmol)、2−(ジベンジルアミノ)酢酸(337mg、1.32mmol)及びDMAP(107mg、879μmol)の懸濁液に対し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(253mg、1.32mmol)及びモレキュラーシーブ(300mg)を加えた。室温で1時間の撹拌後、出発物質は溶解しており、室温での撹拌を6時間継続し、混合物を週末の間放置した。残留物を、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、HCl(1M、20mL)及び水(20mL)で洗浄した。水相をジクロロメタン(50mL)で抽出し、有機相を、混合し、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製し、明黄色のオイルとして標題化合物(182mg、52%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98%、784.6(MH
+)。
【0206】
c)エチル 3−(4−アミノ−1−(2−(2−アミノアセトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート
【0207】
エチル 3−(4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−(2−(2−(ジベンジルアミノ)アセトキシ)−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)プロパノエート(182mg、232μmol)を酢酸エチル(20mL)と混合し、明黄色の溶液を得た。パラジウム炭素10%(600mg、232μmol)を加え、混合物を20時間室温でH
2下において撹拌した。その後混合物を、celite(登録商標)により濾過し、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、THF中0%から30%のメタノール)により精製し、27mgの不純な試料を得て、これを分取HPLCにより更に精製し、明黄色のオイルとして標題化合物(6mg、5%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)79%、516.5(MHCOO
−)。
【0208】
実施例10
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン
a)2−メチル−1−(2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)プロパン−2−オール
【0209】
不活性雰囲気下の、ジクロロメタン(9.5mL)中、1−(3−アミノキノリン−4−イルアミノ)−2−メチルプロパン−2−オール(CAN129655−59−0、0.94g、4.06mmol)の溶液に対し、室温で撹拌しながら6分かけて、ジクロロメタン(6.4mL)中、塩化ヘキサノイル(422μl、4.47mmol)の溶液を滴下した。3時間後、更なる塩化ヘキサノイル(192μl、2.03mmol)を加え、撹拌を更に1時間継続し、最後に混合物を真空中で濃縮した。残留物をエタノール(13.5mL)に再度溶解し、水酸化ナトリウム溶液(1M、10.8mL)を加えた後、混合物をアルゴン下で撹拌しながら90℃に加熱した。75分後、混合物を、室温に冷まし、真空中で濃縮した。残留物を、酢酸エチル(30mL)及び水(5mL)と共に撹拌し、ChemElut(登録商標)での濾過により乾燥し、酢酸エチルを真空中で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル−NH
2、ヘプタン中0%から100%の酢酸エチル)により精製し、黄色のオイルとして標題化合物(747mg、89%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)95%、312.2(MH
+)。
【0210】
b)2−メチル−1−(5−オキシド−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−5−イウム−1−イル)プロパン−2−オール
【0211】
ジクロロメタン(21.2mL)中、2−メチル−1−(2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)プロパン−2−オール(457mg、1.36mmol)の溶液に対し、撹拌しながら3−クロロ過安息香酸(283mg、1.64mmol)を一回で加えた。反応混合物を16時間室温で撹拌した。その後、混合物を冷たいジクロロメタン(50mL)と水酸化ナトリウム溶液(1M、20mL)とに分けた。有機相を冷水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、水相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。すべての有機相を、混合し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0%から20%のメタノール)により精製し、明黄色の固体として標題化合物(360mg、80%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99%、328.2(MH
+)。
【0212】
c)1−(4−アミノ−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチル−プロパン−2−オール
【0213】
無水ジクロロメタン(47.6mL)中、2−メチル−1−(5−オキシド−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−5−イウム−1−イル)プロパン−2−オール(353mg、1.08mmol)の溶液に対し、ベンゾイルイソシアネート(90%、286μl、2.05mmol)を室温のアルゴン雰囲気下で撹拌しながら加えた。反応混合物を還流温度で35分間撹拌した。次いで混合物を真空中で濃縮した。次いで残留物を無水メタノール(17.0mL)と混合し、白色の懸濁液を得た。メタノール中ナトリウムメトキシド溶液(1.7ml、9.16mmol)を加え、混合物を1時間70℃で撹拌した。その後、混合物を、室温に冷却し、溶媒を真空中で除去した。残留物を、酢酸エチル(30mL)と水(15mL)とに分け、ChemElut(登録商標)カートリッジに通すことにより乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0%から10%のメタノール)により精製し、白色の固体として標題化合物(221mg、61%)を得た;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98%、327.2185(MH
+)。
【0214】
d)2−メチル−1−[2−ペンチル−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]プロパン−2−オール
【0215】
標題化合物を、実施例1aと同様にして、但し出発物質として1−(4−アミノ−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチル−プロパン−2−オールを使用して合成し、白色の結晶性固形物(230mg、71%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99%、569.3(MH
+)。
【0216】
f)tert−ブチル N−[2−[1,1−ジメチル−2−[2−ペンチル−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ]エチル]カルバメート
【0217】
標題化合物を、実施例1bと同様にして、但し出発物質として2−メチル−1−[2−ペンチル−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]プロパン−2−オールを使用して合成し、明黄色のオイル(306mg、適量)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)53%、712.2(MH
+)。
【0218】
g)1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン
【0219】
標題化合物を、実施例1cと同様にして、但し出発物質としてtert−ブチル N−[2−[1,1−ジメチル−2−[2−ペンチル−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ]エチル]カルバメートを使用して合成し、白色の固体(30mg、36%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98%、370.2622(MH
+)。
【0220】
実施例11
1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン塩酸塩
a)1−[7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−2−メチルプロパン−2−オール
【0221】
標題化合物を、実施例1aと同様にして、但し出発物質として1−(4−アミノ−7 ブロモ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オールを使用して合成し、明褐色の結晶性固形物(100mg、88%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)95%、637.3(MH+)。
【0222】
b)tert−ブチル N−[2−[2−[7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチル−エトキシ]エチル]カルバメート
【0223】
標題化合物を、実施例1bと同様にして、但し出発物質として1−[7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−2−メチルプロパン−2−オールを使用して合成し、白色の固体(20mg、44%)として単離し、これをそれ以上精製することなく次の工程で使用した。
【0224】
c)1−(2−(2−アミノエトキシ)−2−メチルプロピル)−7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン塩酸塩
【0225】
標題化合物を、実施例1cと同様にして、但し出発物質としてtert−ブチル N−[2−[2−[7−ブロモ−2−(エトキシメチル)−4−(トリチルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチル−エトキシ]エチル]カルバメートを使用して合成し、白色の固体(7mg、58%)として単離した;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99%、438.2(MH+)。