特許第6367368号(P6367368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367368
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】断熱残存型枠及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20180723BHJP
   E04B 2/86 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   E04B1/76 500E
   E04B2/86 601L
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-565660(P2016-565660)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2017-517658(P2017-517658A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】CN2015077611
(87)【国際公開番号】WO2015176593
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月2日
(31)【優先権主張番号】201410220818.4
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516325291
【氏名又は名称】南京敬▲いえ▼▲達▼新型建筑材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼明芳
(72)【発明者】
【氏名】安毅亭
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−129207(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3056364(JP,U)
【文献】 特開2007−177398(JP,A)
【文献】 特開平11−152828(JP,A)
【文献】 米国特許第05845445(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/76
E04B 2/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱板、樹脂硬化層一、耐アルカリ性ガラスクロス一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三、耐アルカリ性ガラスクロス二、樹脂硬化層四と防水界面層を含有すること;断熱板の片側に樹脂硬化層一、樹脂硬化層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一設置され、耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂硬化層二が設置され、断熱層の反対側に樹脂硬化層三が設置され、樹脂硬化層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二が設置され、耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂硬化層四が設置されていることと、
断熱板の周辺及び樹脂硬化層二と樹脂硬化層四の両側に防水表界面層が設置されていることと、
前記断熱板がスラグウール・膨張パーライト複合材料から製作されたことと、
前記樹脂硬化層一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三と樹脂硬化層四が、メラミン樹脂硬化層、尿素ホルムアルデヒド樹脂硬化層又はフェノリック・アルデヒト樹脂硬化層であることと、
前記防水界面層がアクリル酸乳液又は、純アクリル酸乳液を材料とする層であることと、
を特徴とする断熱残存型枠。
【請求項2】
断熱残存型枠にアンカーボルトが設置され、コンクリート壁体との固定式接続の取付に用いられることを特徴とする請求項1に記載の断熱残存型枠。
【請求項3】
1)断熱板の製作:
(1)スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水を、重量混合比によって、撹拌池に入れ、ペースト状に混合してかき混ぜた後、グラウチング法で濡れた板に製作する。
その中で、スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水との重量混合比:
スラグウール1
膨張パーライト0.4〜0.5
澱粉0.1〜0.2
防水剤0.03〜0.05
難燃剤0.1〜0.2
凝集剤0.03〜0.05
ガラス繊維0.01〜0.02
紙パルプ 0.03〜0.05
水150〜200となる。
(2)濡れた板を乾燥トンネルに送り込んで、乾燥温度220〜270℃、乾燥時間5〜6時間乾燥した後、断熱板素材に製作する。
(3)断熱板素材に対してサンダー仕上げと研磨を行い、断熱板に製作する。
2)樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三、樹脂層四の材料の樹脂としてメラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はフェノリック・アルデヒトを選び、断熱板の片側面に樹脂層一を塗ってから、樹脂層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂層二を敷き、続いて断熱板の反対面に樹脂層三を塗り、続いて樹脂層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂層四を敷く。
3)両側に樹脂層が塗られていて、それに加えて、耐アルカリ性ガラスクロスが敷かれている前記断熱板を圧力タンクに送り込んで、陰圧が-0.75〜-0.95MPaであり、処理時間が3〜5分間である陰圧処理を行ってから、陽圧が0.8MPa〜1.0MPaであり、処理時間が3〜5分間である陽圧処理を行う。目的は、樹脂を断熱板に浸漬させることである。これから、圧力処理後の断熱板を加熱プレスに入れて、固化圧力が1.2〜1.5MPaであり、固化温度が180〜220℃であり、熱固化時間が8〜10分間である樹脂熱固化処理を行う。
加熱プレスで固化処理を完成した前記断熱板を風道に入れて冷却を行い、固化加熱プレスによる水蒸気と異臭を除去し、樹脂塗層を硬化させ、樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三と樹脂層四をそれぞれ樹脂硬化層一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三と樹脂硬化層四に硬化させる。
5)冷却・固化処理を完成した前記断熱板に対して研磨と除塵処理を行い、切断機に入れた後、二次元切断を行い、必要な規格に成形させる。
6)防水界面剤としてアクリル酸乳液又は、純アクリル酸乳液を選び、切断・成形させた前記断熱板を自動吹付塗装機に入れて防水界面剤の六面への吹付塗装を行なってから、乾燥室に入れて、温度が75〜100℃であり、時間が45分間〜65分間乾燥を行う。乾燥後、断熱板の周辺、樹脂硬化層二及び樹脂層の両側面において防水界面を形成し、断熱残存型枠に製作する手順を含むことを特徴とする請求項1に記載の断熱残存型枠の製作方法。
【請求項4】
前記澱粉について、トウモロコシ澱粉、又はキャッサバ澱粉を選ぶことを特徴とする請求項3に記載の断熱残存型枠の製作方法。
【請求項5】
前記防水剤について、アクリル酸乳液、純アクリル酸乳液、又はEVA乳液を選ぶことを特徴とする請求項3に記載の断熱残存型枠の製作方法。
【請求項6】
前記難燃剤について、市販水酸化マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸二水素カリウム又は水酸化アルミニウムの中の何れかの一種の又は混合物を選ぶことを特徴とする請求項3に記載の断熱残存型枠の製作方法。
【請求項7】
前記凝集剤について、硫酸アルミニウムを選ぶことを特徴とする請求項3に記載の断熱残存型枠の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の断熱残存型枠及びその製作方法は、一種の建物壁体A級の断熱板に係る。それに加えて、当代建築型枠の斬新な断熱残存型枠及びその製作方法で、新築建築の壁体、屋根、地下室における断熱板の製作に適用され、その上、建築型枠の断熱残存型枠を代替し、特に適用される高層建築物のコンクリートせん断壁、フレームワーク構造及び煉瓦複合構造建物内、外壁の断熱板及びその残存型枠に適用され、更に、自己断熱壁体、柱・梁構造、屋根断熱及び代替型枠の用途に適用される。
【背景技術】
【0002】
現在、国内外建物外壁断熱市場及び外壁装飾市場において使用している各種の壁体断熱システム種類が多くあり、主に貼り付けロックウール外断熱システム、貼り付け発泡コンクリート外断熱システム、貼り付けEPS、XPS板外断熱システム、硬質発泡ポリウレタン外断熱システム、断熱煉瓦ブロック断熱壁体及び発泡セラミックス断熱システム等があり、更に、各種の擬石材類塗料装飾、フッ化炭素ペンキ装飾、アルミ製カーテンウォール装飾、化粧タイル装飾と石材製カーテンウォール装飾等がある。前記壁体断熱システムの材料施工に、多くの労力と時間が掛かり、施工品質を制御し難く、その上、防水性が弱く、現行の国家防水標準に達することができない。
【0003】
現在市場における断熱製品は、殆ど建物施工の技術要求だけ満足しているが、建物の省エネ要求を満足できず、それに加えて、建物の防火要求を満足できない。建築施工の要求に合うと同時に、建物の省エネと防火要求を満足する断熱製品がない。
【0004】
本発明は、前記の三種の要求に対して研究開発した製品である。
【0005】
現在、新建物壁体製作の時に、まず型枠を製作してから取り付けた後、コンクリートを注入する。保全期間後コンクリートに対して型枠を取り外す。型枠を回収して改めて使用する場合、型枠を補修する必要があるが、型枠の回転率が最大2〜3回であり、2〜3回使用すると、廃棄するので、大量な木材資源の無駄になる。壁体を注入した後、又壁体の内外側に断熱材を貼り付ける必要があるので、大量な人力・物力を費やして断熱工事を行う必要があり、それに加えて、既存の断熱材シートの圧力抵抗強度、折り曲げ強度と引張強度が不足しているので、外部装飾面だけに塗料層装飾を実施でき、断熱材シート外に、石材とタイル等の塊状建築装飾材料及び荷重容量が大きい建築装飾材料を貼り付けることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記の不足点に対して、一種の断熱残存型枠及びその製作方法を提供することである。本発明の製品は、断熱板と断熱残存型枠一体化を実現し、それに加えて、軽い重量、簡単な構造、高い構造強度、良い断熱性及び優れた防火・防水性能を有する。広く使用すると、大量な限られる木材資源を節約し、森林と植生を保護し、直接に我々の生態環境を保護することができる。本発明の製品は、強い圧力抵抗強度、折り曲げ強度と引張強度を有するので、断熱残存型枠の外に、石材とタイル等の塊状建築装飾材料及び荷重容量が大きい建築装飾材料を貼り付けることができる。外壁装飾効果を一層豊富に且つ美観にすることができる。本発明製品は、防火性能がA級に達したので、一種の不燃性材料であり、建物壁体火災の発生を完全に阻止し、建物の安全性を向上することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
断熱残存型枠及びその製作方法は、下記の方案で実現する。
【0008】
断熱残存型枠は、断熱板、樹脂硬化層一、耐アルカリ性ガラスクロス一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三、耐アルカリ性ガラスクロス二、樹脂硬化層四と防水界面層を含有する。断熱板の片側に樹脂硬化層一を設置し、樹脂硬化層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一を設置し、耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂硬化層二を設置し、断熱層の反対側に樹脂硬化層三を設置し、樹脂硬化層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二を設置し、耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂硬化層四を設置する。
【0009】
断熱板の周辺及び樹脂硬化層二と樹脂硬化層四の両側に防水界面層を含有する。
【0010】
前記断熱板は、スラグウール・膨張パーライト複合材料から製作されたものである。
【0011】
前記樹脂硬化層一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三と樹脂硬化層四は、メラミン樹脂硬化層、尿素ホルムアルデヒド樹脂硬化層又はフェノリック・アルデヒト樹脂硬化層である
【0012】
前記防水界面層は、アクリル酸乳液又は、純アクリル酸乳液を材料とする層である
【0013】
断熱残存型枠にアンカーボルトを設置し、コンクリート壁体との固定式接続の取付に用いる。
【0014】
断熱残存型枠の製作方法は、下記の手順を採用する。
【0015】
1、断熱板の製作:
【0016】
1)スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水を、重量混合比によって、撹拌池に入れ、ペースト状に混合してかき混ぜた後、グラウチング法で濡れた板に製作する。
【0017】
その中で、スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水との重量混合比:
スラグウール1
膨張パーライト0.4〜0.5
澱粉 0.1〜0.2
防水剤0.03〜0.05
難燃剤0.1〜0.2
凝集剤0.03〜0.05
ガラス繊維0.01〜0.02
紙パルプ 0.03〜0.05
水150〜200となる。
【0018】
前記澱粉について、トウモロコシ澱粉、又はキャッサバ澱粉を選ぶ。
【0019】
前記防水剤について、アクリル酸乳液、純アクリル酸乳液、又はEVA乳液を選ぶ。
【0020】
前記難燃剤について、市販水酸化マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸二水素カリウム又は水酸化アルミニウムの中の何れかの一種の又は混合物を選ぶ。
【0021】
前記凝集剤について、市販硫酸アルミニウムを選ぶ。
【0022】
前記スラグウール、膨張パーライト、ガラス繊維及び紙パルプは、市販原料を採用する。
【0023】
2)濡れた板を乾燥トンネルに送り込んで、乾燥温度220〜270℃、乾燥時間5〜6時間乾燥した後、断熱板素材に製作する。
【0024】
3)断熱板素材に対してサンダー仕上げと研磨を行い、断熱板に製作する。
【0025】
2、樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三、樹脂層四の材料の樹脂としてメラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はフェノリック・アルデヒトを選び、断熱板の片側面に樹脂層一を塗ってから、樹脂層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂層二を敷き、続いて断熱板の反対面に樹脂層三を塗り、続いて樹脂層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂層四を敷く
【0026】
3、両側に樹脂層が塗られ、それに加えて、耐アルカリ性ガラスクロスが敷かれている前記断熱板を圧力タンクに送り込んで、陰圧が-0.75〜-0.95MPaであり、処理時間が3〜5分間である陰圧処理を行ってから、陽圧が0.8MPa〜1.0MPaであり、処理時間が3〜5分間である陽圧処理を行う。目的は、樹脂を断熱板に浸漬させることである。これから、圧力処理後の断熱板を加熱プレスに入れて、固化圧力が1.2〜1.5MPaであり、固化温度が180〜220℃であり、熱固化時間が8〜10分間である樹脂熱固化処理を行う。
【0027】
4、加熱プレスで固化処理を完成した前記断熱板を風道に入れて冷却を行い、固化加熱プレスによる水蒸気と異臭を除去し、樹脂塗層を速く硬化させ、樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三と樹脂層四をそれぞれ樹脂硬化層一、樹脂硬化層二と樹脂硬化層三と樹脂硬化層四に硬化する。
【0029】
5、冷却・固化処理を完成した前記断熱板に対して研磨と除塵処理を行い、切断機に入れた後、二次元切断を行い、必要な規格に成形させる。
【0030】
6、防水界面剤として アクリル酸乳液又は純アクリル酸乳液を選び、切断・成形させた前記断熱板に対して自動吹付塗装機に入れて防水界面剤の六面への吹付塗装を行なってから、乾燥室に入れて、温度が75〜100℃であり、時間が45分間〜65分間乾燥を行う。乾燥後、断熱板の周辺、樹脂硬化層二及び樹脂層の両側面において防水界面を形成し、断熱残存型枠に製作する。
【0032】
本発明の断熱残存型枠及びその製作方法の利点:
【0033】
1、取付と使用が便利で、取付と施工の人件費を大量に節約でき、30%節約できる。
【0034】
2、施工時に断熱残存型枠を取り外せず、施工時内外壁でコンクリートを型枠に注入し、コンクリート注入後直接に内外壁の断熱板として使用することによって、総合コストを35%〜40%節約できる。本発明製品は、建物型枠及びA級の断熱板を代替することができる。同等なA級の断熱板及び建物型枠と比べて、総合コストを節約することができる。
【0035】
3、残存プロセスを採用するので、工期を2〜3ヶ月節約できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の断熱残存型枠及びその製作方法は、断熱板と断熱残存型枠一体化を実現し、それに加えて、軽い重量、簡単な構造、高い構造強度、良い断熱性及び優れた防火・防水性能を有する。広く使用すると、大量な限られる木材資源を節約し、森林と植生を保護し、直接に我々の生態環境を保護することができる。本発明の製品は、強い圧力抵抗強度、折り曲げ強度と引張強度を有するので、断熱残存型枠の外に、石材とタイル等の塊状建築装飾材料及び荷重容量が大きい建築装飾材料を貼り付けて外壁の装飾とすることができる。外壁装飾効果を一層豊富に且つ美観にすることができる。本発明製品は、防火性能がA級に達したので、一種の不燃性材料であり、建物壁体火災の発生を完全に阻止し、建物の安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の断熱残存型枠の構造見取り図である。
図2】本発明の断熱残存型枠の使用状態見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
これから添付図と結びづいて本発明を更に説明する。
【0039】
添付図1、2を参照し、断熱残存型枠は、断熱板1、樹脂硬化層一2、耐アルカリ性ガラスクロス一3、樹脂硬化層二4、樹脂硬化層三6、耐アルカリ性ガラスクロス二7、樹脂硬化層四8及び防水界面層5を含む。断熱板1の片側に樹脂硬化層一2を設置し、樹脂硬化層一2の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一3を設置し、耐アルカリ性ガラスクロス一3の外部に樹脂硬化層二4を設置し、断熱板1の反対側に樹脂硬化層三6を設置し、樹脂硬化層三6の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二7を設置し、耐アルカリ性ガラスクロス二7の外部に樹脂硬化層四8を設置する。
【0040】
断熱板1の周辺及び樹脂硬化層二4と樹脂硬化層四8の両側に防水界面層5を含有する。
【0041】
前記断熱板1は、スラグウール・膨張パーライト複合材料から製作されたものである。
【0042】
前記樹脂硬化層一2、樹脂硬化層二4、樹脂硬化層三6と樹脂硬化層四8は、メラミン樹脂硬化層、尿素ホルムアルデヒド樹脂硬化層又はフェノリック・アルデヒト樹脂硬化層を採用し、難燃性と防水性を有し、それに加えて、高い硬化硬さを有する。
【0043】
前記防水界面層5は、アクリル酸乳液又は純アクリル酸乳液を選んで断熱板1の周辺及び樹脂硬化層二4と樹脂硬化層四8の両側に塗り、防水界面に固化した後、断熱板とコンクリート・塗られるモルタルとの接続作用及び防水作用に用いる。
【0044】
断熱残存型枠にアンカーボルトを設置し、コンクリート壁体との固定式接続の取付に用いる。
【実施例1】
【0045】
断熱残存型枠の製作方法は、下記の手順を採用する。
【0046】
1、断熱板の製作:
【0047】
1)スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水を、重量混合比によって、撹拌池に入れ、ペースト状に混合してかき混ぜた後、グラウチング法で濡れた板に製作した。
【0048】
その中で、スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水との重量混合比:
スラグウール1
膨張パーライト0.4
トウモロコシデンプン 0.1
防水剤アクリル酸乳液0.03
難燃剤水酸化マグネシウム0.1
凝集剤硫酸アルミニウム0.03
ガラス繊維0.02
紙パルプ 0.03
水 150となる。
【0049】
2)濡れた板を乾燥トンネルに送り込んで、乾燥温度220〜270℃、乾燥時間5〜6時間乾燥した後、断熱板素材に製作した。
【0050】
3)断熱板素材に対してサンダー仕上げと研磨を行い、断熱板に製作した。
【0051】
前記澱粉について、トウモロコシ澱粉、又はキャッサバ澱粉を選んだ。
【0052】
前記防水剤について、アクリル酸乳液、純アクリル酸乳液、又はEVA乳液を選んだ。
【0053】
前記難燃剤について、市販水酸化マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸二水素カリウム又は水酸化アルミニウムの中の何れかの一種の又は混合物を選んだ。
【0054】
前記凝集剤について、市販硫酸アルミニウムを選んだ。
【0055】
前記スラグウール、膨張パーライト、ガラス繊維及び紙パルプは、市販原料を採用した。
【0056】
2、断熱板の片側面に樹脂層一を塗ってから、樹脂層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂層二を敷き、続いて断熱板の反対面に樹脂層三を塗り、続いて樹脂層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂層四を敷く。前記樹脂について、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はフェノリック・アルデヒトを選んだ。
【0057】
3、両側に樹脂層が塗られていて、それに加えて、耐アルカリ性ガラスクロスが敷かれている前記断熱板を圧力タンクに送り込んで、陰圧が-0.75〜-0.95MPaであり、処理時間が3〜5分間である陰圧処理を行ってから、陽圧が0.8MPa〜1.0MPaであり、処理時間が3〜5分間である陽圧処理を行う。目的は、樹脂を断熱板に浸漬させることである。これから、圧力処理後の断熱板を加熱プレスに入れて、固化圧力が1.2〜1.5MPaであり、固化温度が180〜220℃であり、熱固化時間が8〜10分間である樹脂熱固化処理を行う。
【0058】
4、加熱プレスで固化処理を完成した前記断熱板を風道に入れて冷却を行い、固化加熱プレスによる水蒸気と異臭を除去し、樹脂塗層を速く硬化させ、樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三と樹脂層四をそれぞれ樹脂硬化層一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三と樹脂硬化層四に硬化させた。
【0059】
5、冷却・固化処理を完成した前記断熱板に対して研磨と除塵処理を行い、切断機に入れた後、二次元切断を行い、必要な規格に成形させた。
【0060】
6、切断・成形させた前記断熱板に対して自動吹付塗装機に入れて防水界面剤の六面への吹付塗装を行なってから、乾燥室に入れて、温度が75〜100℃であり、時間が45分間〜65分間乾燥を行う。乾燥後、断熱板の周辺、樹脂硬化層二及び樹脂層の両側面において防水界面を形成し、断熱残存型枠に製作した。
【実施例2】
【0061】
断熱残存型枠の製作方法は、下記の手順を採用する。
【0062】
1、断熱板の製作:
【0063】
1)スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水を、重量混合比によって、撹拌池に入れ、ペースト状に混合してかき混ぜた後、グラウチング法で濡れた板に製作した。
【0064】
その中で、スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水との重量混合比:
スラグウール1
膨張パーライト0.5
トウモロコシデンプン 0.2
防水剤アクリル酸乳液0.05
難燃剤リン酸アルミニウム0.1
リン酸二水素カリウム0.1
凝集剤硫酸アルミニウム0.05
ガラス繊維0.01
紙パルプ 0.05
水 200となる。
【0065】
2)濡れた板を乾燥トンネルに送り込んで、乾燥温度220〜270℃、乾燥時間5〜6時間乾燥した後、断熱板素材に製作した。
【0066】
3)断熱板素材に対してサンダー仕上げと研磨を行い、断熱板に製作した。
【0067】
前記澱粉について、トウモロコシ澱粉、又はキャッサバ澱粉を選んだ。
【0068】
前記防水剤について、アクリル酸乳液、純アクリル酸乳液、又はEVA乳液を選んだ。
【0069】
前記難燃剤について、市販水酸化マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸二水素カリウム又は水酸化アルミニウムの中の何れかの一種の又は混合物を選んだ。
【0070】
前記凝集剤について、市販硫酸アルミニウムを選んだ。
【0071】
前記スラグウール、膨張パーライト、ガラス繊維及び紙パルプは、市販原料を採用した。
【0072】
2、断熱板の片側面に樹脂層一を塗ってから、樹脂層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂層二を敷き、続いて断熱板の反対面に樹脂層三を塗り、続いて樹脂層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂層四を敷く。前記樹脂について、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はフェノリック・アルデヒトを選んだ。
【0073】
3、両側に樹脂層が塗られていて、それに加えて、耐アルカリ性ガラスクロスが敷かれている前記断熱板を圧力タンクに送り込んで、陰圧が-0.75〜-0.95MPaであり、処理時間が3〜5分間である陰圧処理を行ってから、陽圧が0.8MPa〜1.0MPaであり、処理時間が3〜5分間である陽圧処理を行う。目的は、樹脂を断熱板に浸漬させることである。加熱プレスに入れて、固化圧力が1.2〜1.5MPaであり、熱固化温度が180〜220℃であり、熱固化時間が8〜10分間である樹脂熱固化処理を行う。
【0074】
4、加熱プレスで固化処理を完成した前記断熱板を風道に入れて冷却を行い、固化加熱プレスによる水蒸気と異臭を除去し、樹脂塗層を速く硬化させ、樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三と樹脂層四をそれぞれ樹脂硬化層一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三と樹脂硬化層四に硬化させた。
【0075】
5、冷却・固化処理を完成した前記断熱板に対して研磨と除塵処理を行い、切断機に入れた後、二次元切断を行い、必要な規格に成形させた。
【0076】
6、切断・成形させた前記断熱板に対して自動吹付塗装機に入れて防水界面剤の六面への吹付塗装を行なってから、乾燥室に入れて、温度が75〜100℃であり、時間が45分間〜65分間である乾燥を行う。乾燥後、断熱板の周辺、樹脂硬化層二及び樹脂層の両側面において防水界面を形成し、断熱残存型枠に製作した。
【実施例3】
【0077】
断熱残存型枠の製作方法は、下記の手順を採用する。
【0078】
1、断熱板の製作:
【0079】
1)スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水を、重量混合比によって、撹拌池に入れ、ペースト状に混合してかき混ぜた後、グラウチング法で濡れた板に製作した。
【0080】
その中で、スラグウール、膨張パーライト、澱粉、防水剤、難燃剤、凝集剤、ガラス繊維、紙パルプと水との重量混合比:
スラグウール1
膨張パーライト0.45
トウモロコシデンプン 0.15
防水剤EVA乳液0.04
難燃剤水酸化アルミニウム0.15
凝集剤硫酸アルミニウム0.04
ガラス繊維0.015
紙パルプ 0.04
水 175となる。
【0081】
2)濡れた板を乾燥トンネルに送り込んで、乾燥温度220〜270℃、乾燥時間5〜6時間乾燥を行った後、断熱板素材に製作した。
【0082】
3)断熱板素材に対してサンダー仕上げと研磨を行い、断熱板に製作した。
【0083】
前記澱粉について、トウモロコシ澱粉、又はキャッサバ澱粉を選んだ。
【0084】
前記防水剤について、アクリル酸乳液、純アクリル酸乳液、又はEVA乳液を選んだ。
【0085】
前記難燃剤について、市販水酸化マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸二水素カリウム又は水酸化アルミニウムの中の何れかの一種の又は混合物を選んだ。
【0086】
前記凝集剤について、市販硫酸アルミニウムを選んだ。
【0087】
前記スラグウール、膨張パーライト、ガラス繊維及び紙パルプは、市販原料を採用した。
【0088】
2、断熱板の片側面に樹脂層一を塗ってから、樹脂層一の外部に耐アルカリ性ガラスクロス一を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス一の外部に樹脂層二を敷き、続いて断熱板の反対面に樹脂層三を塗り、続いて樹脂層三の外部に耐アルカリ性ガラスクロス二を敷き、続いて耐アルカリ性ガラスクロス二の外部に樹脂層四を敷いた。前記樹脂について、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はフェノリック・アルデヒトを選んだ。
【0089】
3、両側に樹脂層を塗れ、それに加えて、耐アルカリ性ガラスクロスが敷かれている前記断熱板を圧力タンクに送り込んで、陰圧が-0.75〜-0.95MPaであり、処理時間が3〜5分間である陰圧処理を行ってから、陽圧が0.8MPa〜1.0MPaであり、処理時間が3〜5分間である陽圧処理を行う。目的は、樹脂を断熱板に浸漬させることである。これから、圧力処理後の断熱板を加熱プレスに入れて、固化圧力が1.2〜1.5MPaであり、熱固化温度が180〜220℃であり、熱固化時間が8〜10分間である樹脂熱固化処理を行う。
【0090】
4、加熱プレスで固化処理を完成した前記断熱板を風道に入れて冷却を行い、固化加熱プレスによる水蒸気と異臭を除去し、樹脂塗層を速く硬化させ、樹脂層一、樹脂層二、樹脂層三と樹脂層四をそれぞれ樹脂硬化層一、樹脂硬化層二、樹脂硬化層三と樹脂硬化層四に硬化させた。
【0091】
5、冷却・固化処理を完成した前記断熱板に対して研磨と除塵処理を行い、切断機に入れた後、二次元切断を行い、必要な規格に成形させた。
【0092】
6、切断・成形させた前記断熱板に対して自動吹付塗装機に入れて防水界面剤の六面への吹付塗装を行なってから、乾燥室に入れて、温度が75〜100℃であり、時間が45分間〜65分間乾燥を行う。乾燥後、断熱板の周辺、樹脂硬化層二及び樹脂層の両側面において防水界面を形成し、断熱残存型枠に製作した。
【0093】
添付図2を参照し、本発明を建物断熱工事に用いる。使用の時に、まず断熱残存型枠を設計要求によって所要寸法に切断してから、切断面に界面剤を塗って防水界面層5を形成し、設計要求及び現場寸法によって建築型枠(外側断熱残存型枠10、内側断熱残存型枠14)に組み立てる。建物型枠によって竜骨を加えてから、サポートで固定し、規定通りに所要アンカーボルト13を打ち込んだ後、コンクリート注入を実施できる。コンクリート注入を完成した後、コンクリート9に対して3〜5日養生を行った後、コンクリート立面の木竜骨を取り外すことができる。コンクリート底部木竜骨及びサポートは、コンクリート養生15〜25日後取り外す。サポート及び木竜骨構造を取り外した後、保全作業は終了する。次のプロセスを実施できる。外側断熱残存型枠10の外部に、表層(強化網)11を塗り、表層(強化網)11外に装飾面12を作る。この時、断熱残存型枠(外側断熱残存型枠10、内側断熱残存型枠14)を引き続き壁面に固定して断熱工事に用いる。
【0094】
前記実施形態で生産した本発明製品を検査した結果:
【表1】
【表2】
【表3】
【0095】
本発明の製品は、検査の結果、軽い重量、簡単な構造、高い構造強度と良い断熱性能を有し、それに加えて、優れた防火・防水性能を有する。
図1
図2