(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乗りかごが所定階床に停止した際に前記画像補正手段によって用いられたコントラスト補正値と、当該所定階床を示す階床情報とを対応づけて記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記画像補正手段は、
前記乗りかごが前記所定階床に再度停止した際には、当該所定階床を示す階床情報に対応づけられたコントラスト補正値を前記記憶手段から読み出し、前記撮影画像の前記所定のエリアのコントラストを補正することを特徴とする請求項4に記載のエレベータシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。なお、ここでは、1台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
【0009】
乗りかご11の出入口上部にカメラ12が設置されている。具体的には、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板11aの中にカメラ12のレンズ部分を乗場15側に向けて設置されている。カメラ12は、例えば車載カメラなどの小型の監視用カメラであり、広角レンズを有し、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。
【0010】
カメラ12は、常時オンであり、常に撮影を行うとしても良いし、所定のタイミングでオンになり(起動し)撮影を開始し、所定のタイミングでオフになり撮影を終了するとしても良い。具体的には、カメラ12は、乗りかご11の移動速度が所定値未満のときにオンになり、乗りかご11の移動速度が所定値以上のときにオフになるとしても良い。この場合、カメラ12は、乗りかご11が所定階に停止するために減速を開始し移動速度が所定値未満になるとオンになり、撮影を開始する。つまり、カメラ12による撮影は、乗りかご11が所定階に停止するために減速を開始し移動速度が所定値未満になってから、乗りかご11が所定階に停止している間中も含めて、乗りかご11が当該所定階から別の階に向かうために加速を開始し移動速度が所定値以上になるまで継続して行われる。
【0011】
カメラ12の撮影範囲はL1+L2に設定されている(L1≫L2)。L1は乗場15側の撮影範囲であり、かごドア13から乗場15に向けて設定される。L1は乗りかご11側の撮影範囲であり、かごドア13からかご背面に向けて設定される。なお、L1,L2は奥行方向の範囲であり、幅方向(奥行方向と直交する方向)の範囲については、少なくとも乗りかご11の横幅よりも大きいものとする。
【0012】
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には乗場ドア14が開閉自在に設置されている。乗場ドア14は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア14はかごドア13に追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドア13を戸開しているときには乗場ドア14も戸開しており、かごドア13を戸閉しているときには乗場ドア14も戸閉しているものとする。
【0013】
カメラ12によって連続的に撮影された各画像(映像)は、画像処理装置20によってリアルタイムに解析処理される。具体的には、画像処理装置20は、画像の輝度値の変化に基づいてかごドア13に最も近い利用者(の動き)を検知し、検知された利用者が乗りかご11に乗車する意思があるか否かの判断や、検知された利用者の手や腕が戸袋に引き込まれる恐れがあるか否かの判断等を行う。画像処理装置20による解析処理の結果は、必要に応じて、エレベータ制御装置30による制御処理(主に、戸開閉制御処理)に反映される。
【0014】
エレベータ制御装置30は、乗りかご11が乗場15に到着したときのかごドア13の戸開閉を制御する。詳しくは、エレベータ制御装置30は、乗りかご11が乗場15に到着したときにかごドア13を戸開し、所定時間経過後に戸閉する。
【0015】
但し、画像処理装置20により乗りかご11に乗車する意思のある利用者が検知された場合には、エレベータ制御装置30は、かごドア13の戸閉動作を禁止して戸開状態を維持する(換言すると、戸開時間を延長する)。また、画像処理装置20により手や腕が戸袋に引き込まれる恐れのある利用者が検知された場合には、エレベータ制御装置30は、かごドア13の戸開動作を禁止するまたはかごドア13の戸開速度を遅くする、あるいはかごドア13から離れるよう促す旨のメッセージを通知する
なお、
図1では便宜的に、画像処理装置20を乗りかご11から取り出して示しているが、実際には画像処理装置20はカメラ12と共に幕板11aの中に収納されている。また、
図1では、画像処理装置20がエレベータ制御装置30とは別に設けられた場合を例示しているが、これに限定されず、画像処理装置20の機能はエレベータ制御装置30に搭載されていても良い。
【0016】
ここで、
図2及び
図3を参照して、画像処理装置20が画像から利用者を検知するために設定される利用者検知エリアについて説明する。
図2は、かごドア13が全開状態のとき、またはかごドア13が戸閉動作中のときの利用者検知エリアを示し、
図3は、かごドア13が全閉状態のとき、またはかごドア13が戸開動作中のときの利用者検知エリアを示す。
【0017】
かごドア13が全開状態の場合、またはかごドア13が戸閉動作中の場合、利用者検知エリアは乗場15側に設定される。具体的には、
図2に示すように、位置推定エリアE1、乗車意思推定エリアE2、近接検知エリアE3が、利用者検知エリアとして設定される。
【0018】
位置推定エリアE1は、利用者の身体の一部、具体的には、足元位置を推定(検知)するエリアである。このため、位置推定エリアE1は「足元位置推定エリア」と称されても良い。位置推定エリアE1は、かごドア13の中心から乗場方向に向かってL3の距離を有するように設定されている(L3≦乗場15側の撮影範囲L1)。位置推定エリアE1の横幅W1は、かごドア13の横幅W0以上の距離に設定されている。
【0019】
乗車意思推定エリアE2は、利用者の足元位置を推定すると共に、当該利用者の足元位置が乗場15からかごドア13に近づいて来ているか否かに基づいて、当該利用者の乗車意思の有無を推定するエリアである。乗車意思推定エリアE2は、かごドア13の中心から乗場方向に向かってL3の距離を有するように設定されている(L4≦L3)。乗車意思推定エリアE2の横幅W2は、かごドア13の横幅W0と略同じ距離に設定されている。
【0020】
近接検知エリアE3は、利用者の足元位置を推定(検知)すると共に、当該利用者の足元位置が乗場15からかごドア13に近づいて来ているか否かに関わらず、当該利用者には乗車意思があるとみなすエリアである。近接検知エリアE3は、かごドア13の中心から乗場方向に向かってL5の距離を有するように設定されている(L5≦L4)。近接検知エリアE3の横幅は、乗車意思推定エリアE2の横幅W2と同様な距離に設定されている。
【0021】
なお、各利用者検知エリアとエレベータ制御装置30による戸開閉制御処理との関係は次の通りとなる。
【0022】
位置推定エリアE1は、当該エリアにおいて利用者が検知されたとしても、その結果がエレベータ制御装置30による戸開閉制御処理に反映されることのないエリアである。
【0023】
また、乗車意思推定エリアE2は、当該エリアにおいて利用者が検知され、かつその利用者に乗車意思がある場合に、その結果がエレベータ制御装置30による戸開閉制御処理に反映されるエリアである。具体的には、エレベータ制御装置30により戸開時間を延長する等の処理が実行される。
【0024】
さらに、近接検知エリアE3は、当該エリアにおいて利用者が検知されただけで、その結果がエレベータ制御装置30による戸開閉制御処理に反映されるエリアである。具体的には、エレベータ制御装置30により戸開時間を延長する等の処理が実行される。
【0025】
かごドア13が全閉状態の場合、またはかごドア13が戸開動作中の場合、利用者検知エリアは乗りかご11側に設定される。具体的には、
図3に示すように、引き込まれ検知エリアE4が、利用者検知エリアとして設定される。引き込まれ検知エリアE4は、かごドア13の中心から乗りかご方向に向かってL6の距離を有するように設定されている(L6≦乗りかご11側の撮影範囲L2)。引き込まれ検知エリアE4の横幅は、かごドア13の横幅W0と略同じ距離に設定されている。
【0026】
引き込まれ検知エリアE4は、利用者の足元位置を推定(検知)するエリアであり、当該エリアにおいて利用者が検知された場合、その結果がエレベータ制御装置30による戸開閉制御処理に反映されるエリアである。具体的には、エレベータ制御装置30によりかごドア13の戸開動作を禁止する、かごドア13の戸開速度を遅くする、かごドア13から離れるよう促す旨のメッセージを利用者に通知する等の処理が実行される。
【0027】
図4は、カメラ12の概略構成例を示すブロック図である。
カメラ12は、
図4に示すように、撮像部121、輝度値測定部122、画像補正部123及び画像メモリ124等を備える。
【0028】
なお、輝度値測定部122及び画像補正部123は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)等の処理装置に図示せぬROM(Read Only Memory)からロードされたプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現しても良い。
【0029】
また、本実施形態では、輝度値測定部122及び画像補正部123がカメラ12の機能として実現される場合を例示しているが、これに限定されず、輝度値測定部122及び画像補正部123は画像処理装置20の機能として実現されても良い。
【0030】
撮像部121は、光学レンズ、画像センサ、電子シャッタを備え、光学レンズによりパンファーカスで画像センサに結像し、電子シャッタにおいて露光時間を調整し、画像センサにおいて画素毎に画像を電子化する。これにより得られる画像信号は画像メモリ124にいったん記憶される。
【0031】
輝度値測定部122は、かごドア13の戸開閉状態に応じて、利用者検知エリアのうちの少なくとも1つのエリアを指定する。輝度値測定部122は、撮像部121によって撮影された画像から、指定された利用者検知エリア部分を抽出し、当該抽出された利用者検知エリア部分の画像の平均輝度値を測定する。
【0032】
なお、平均輝度値とは、抽出された利用者検知エリア部分の画像を構成する多数の画素の輝度値の平均である。
【0033】
なお、本実施形態では、輝度値測定部122は、利用者検知エリア部分の画像の平均輝度値を測定するとしたが、これに限定されず、単に、撮像部121によって撮影された画像の平均輝度値を測定するとしても良い。
【0034】
画像補正部123は、かごドア13の戸開閉状態に応じて、所定の利用者検知エリア部分の平均輝度値を輝度値測定部122から取得する。
【0035】
例えばかごドア13が全閉状態(「初期状態」と言う)の場合、画像補正部123は、乗りかご11側に設定される利用者検知エリア部分の平均輝度値を輝度値測定部122から取得する。また、かごドア13が全開状態の場合、画像補正部123は、乗場15側に設定される利用者検知エリア部分の平均輝度値を輝度値測定部122から取得する。
【0036】
画像補正部123は、利用者検知エリア部分の平均輝度値を輝度値測定部122から取得すると、平均輝度値とコントラスト補正値とが対応づけられたコントラスト補正テーブルを参照してコントラスト補正値を決定し、このコントラスト補正値に基づいて画像を補正する。
【0037】
より詳しくは、画像補正部123は、取得された平均輝度値に対応づけられたコントラスト補正値をコントラスト補正テーブルから読み出し、当該平均輝度値を測定する際に使用された画像を示す画像信号に当該コントラスト補正値を乗算することで画像(全体)のコントラストを上げるように補正する。
【0038】
なお、画像補正部123は、画像全体のコントラストではなく、平均輝度値が測定された利用者検知エリア部分のコントラストだけを補正するとしても良い。
【0039】
また、画像補正部123は、輝度値測定部122により、乗場15側の複数の利用者検知エリアが測定対象として指定され、各利用者検知エリア部分毎に平均輝度値が測定されている場合、各平均輝度値毎にコントラスト補正値を決定し、画像全体のコントラストを一括して補正するのではなく、各利用者検知エリア部分毎に画像のコントラストを補正する。
【0040】
この場合、画像内の利用者検知エリアでない部分のコントラストについては、画像補正部123は、利用者検知エリアのいずれかに対応したコントラスト補正値を利用してコントラストの補正を行っても良いし、コントラストの補正を行わないとしても良い。
【0041】
画像補正部123によるコントラスト補正後の画像は画像メモリ124に記憶され、フレーム単位で読み出されて画像処理装置20に送られる。
【0042】
次に、
図5のフローチャートを参照して、以上のように構成されたカメラ12によって実行されるコントラスト補正処理の手順の一例について説明する。なお、ここでは、かごドア13が全閉状態の場合を初期状態と想定した場合について説明する。また、カメラ12の図示せぬメモリには、上記したコントラスト補正テーブルが予め記憶されているものとする。
【0043】
上記したようにかごドア13が全閉状態の場合を初期状態としているので、まず、輝度値測定部122は、平均輝度値の測定対象として、乗りかご11側に設定される利用者検知エリア、つまり、引き込まれ検知エリアE4を指定する(ステップS1)。
【0044】
続いて、輝度値測定部122は、初期状態時(カメラ起動時)に撮像部121によって(最初に)撮影された画像(以下、「全閉時初期画像」と表記する)における引き込まれ検知エリアE4部分の平均輝度値を測定する(ステップS2)。
【0045】
次に、画像補正部123は、全閉時初期画像を利用して測定された引き込まれ検知エリアE4の平均輝度値を輝度値測定部122から取得する。その後、画像補正部123は、取得された平均輝度値に対応づけられたコントラスト補正値をコントラスト補正テーブルから読み出し、これを全閉状態から戸開動作中のコントラスト補正値に決定する(ステップS3)。
【0046】
画像補正部123は、決定したコントラスト補正値を利用して、全閉時初期画像全体のコントラストを補正し(ステップS4)、コントラスト補正後の画像を画像メモリ124に記録する。
【0047】
なお、ここでは、画像補正部123は、全閉時初期画像全体のコントラストを補正するとしたが、これに限定されず、全閉時初期画像のうちのかご内検知エリアE4部分のコントラストだけを補正するとしても良い。
【0048】
また、全閉時初期画像以降に撮影される画像には、かごドア13が全開状態に移行するまで、上記したステップS3の処理により決定されたコントラスト補正値を利用した補正が施される。
【0049】
画像補正部123は、かごドア13の戸開閉状態が全開状態に移行したか否かを判定する(ステップS5)。なお、全開状態に移行していないと判定された場合(ステップS5のNO)、かごドア13が全開状態になるまで、ステップS5の処理が繰り返し実行される。
【0050】
一方で、全開状態に移行したと判定された場合(ステップS5のYES)、輝度値測定部122は、平均輝度値の測定対象を、乗りかご11側の利用者検知エリアから乗場15側の利用者検知エリアに変更する(ステップS6)。以下では、説明の便宜上、乗場側の利用者検知エリアのうち、近接検知エリアE3が、平均輝度値の測定対象として指定された場合について説明する。
【0051】
続いて、輝度値測定部122は、かごドア13が全開状態に移行してから最初に撮影された画像(以下、「全開時初期画像」と表記する)における近接検知エリアE3部分の平均輝度値を測定する(ステップS7)。
【0052】
次に、画像補正部123は、全開時初期画像を利用して測定された近接検知エリアE3部分の平均輝度値を輝度値測定部122から取得する。その後、画像補正部123は、取得された平均輝度値に対応づけられたコントラスト補正値をコントラスト補正テーブルから読み出し、これを全開状態から戸閉動作中のコントラスト補正値に決定する(ステップS8)。
【0053】
画像補正部123は、決定したコントラスト補正値を利用して、全開時初期画像全体のコントラストを補正し(ステップS9)、コントラスト補正後の画像を画像メモリ124に記録する。
【0054】
なお、ここでは、画像補正部123は、全開時初期画像全体のコントラストを補正するとしたが、これに限定されず、全開時初期画像のうちの近接検知エリアE3部分のコントラストだけを補正するとしても良い。
【0055】
また、全開時初期画像以降に撮影される画像には、かごドア13が全閉状態に移行するまで、上記したステップS8の処理により決定されたコントラスト補正値を利用した補正が施される。
【0056】
画像補正部123は、かごドア13の戸開閉状態が全閉状態に移行したか否かを判定する(ステップS10)。なお、全閉状態に移行していないと判定された場合(ステップS10のNO)、かごドア13が全閉状態になるまで、ステップS10の処理が繰り返し実行される。
【0057】
一方で、全閉状態に移行したと判定された場合(ステップS10のYES)、上記したステップS1の処理に戻り、一連の処理を繰り返し実行する。
【0058】
なお、ここでは、乗場15側の利用者検知エリアのうちの近接検知エリアE3だけが平均輝度値の測定対象として指定された場合について説明したが、例えば、乗場15側の利用者検知エリアの全て、つまり、位置推定エリアE1、乗車意思推定エリアE2及び近接検知エリアE3が平均輝度値の測定対象として指定されても良い。
【0059】
この場合、輝度値測定部122は、各利用者検知エリア毎に平均輝度値を測定する。また、画像補正部123は、測定された各平均輝度値毎にコントラスト補正値を決定し、各利用者検知エリア部分毎に全開時初期画像のコントラストを補正する。利用者検知エリア部分以外の部分については、いずれかのコントラスト補正値を利用して補正しても良いし、補正しないとしても良い。
【0060】
なお、
図5では、画像補正部123は、コントラスト補正テーブルを参照して、コントラスト補正値を決定し、撮影画像のコントラストを補正するとしたが、これに限定されず、例えば、画像補正部123は、平均輝度値が予め設定された第1の閾値未満である場合、撮影画像は黒色を多く含んでいると判断し、黒色のコントラストを上げるように撮影画像を補正しても良い。また、画像補正部123は、平均輝度値が予め設定された第2の閾値以上である場合、撮影画像は白色を多く含んでいると判断し、白色のコントラストを上げるように撮影画像を補正しても良い。さらに、画像補正部123は、平均輝度値が予め設定された第1の閾値以上、第2の閾値未満である場合、撮影画像は通常通りの色合いであると判断し、コントラストの補正を行わない(または、黒色と白色の中間色である灰色のコントラストを上げるように補正する)としても良い。
【0061】
また、
図5では、画像補正部123が、かごドア13の戸開閉状態が全閉状態のときと全開状態のときとにコントラスト補正値を決定するとしたが、コントラスト補正値を決定するタイミングはこれに限定されない。例えば、輝度値測定部122に敷居溝(シル)周辺の輝度値を常に測定させておき、これを常に取得しておくことで、画像補正部123は、シル周辺の輝度値の変化から乗りかご11への利用者の出入りを検知可能であり、かごドア13の戸開閉状態の他に、利用者の出入りがあったと検知されたタイミングで、コントラスト補正値を再度決定し直すとしても良い。
【0062】
以上説明した一実施形態によれば、次のような利点を得ることができる。
利点を説明するにあたり、比較対象として、まず、コントラスト補正処理が実行されない場合の入力画像と出力画像とについて説明する。
【0063】
図6及び
図7は、本実施形態に係るコントラスト補正処理が実行されない場合の入力画像と出力画像とのコントラストの関係を示す。なお、ここでは、入力画像及び出力画像が共にグレースケールである場合を想定している。また、入力画像とは撮像部121によって撮影された画像であり、出力画像とは画像処理装置20に送られる画像である。
【0064】
図6のX軸は入力画像のコントラストの値を示し、Y軸は出力画像のコントラストの値を示す。また、
図6では原点が黒色(例えば、256階調まで表現可能な場合の「0」に相当)を示し、X軸及びY軸共に値が大きくなる程、白み(明るみ)を帯びていき、その最大値が白色(例えば、256階調まで表現可能な場合の「255」に相当)を示すものとする。
【0065】
本実施形態に係るコントラスト補正処理が実行されない場合、入力画像と出力画像のコントラストは同一になるため、
図6に示すグラフは45°の傾きをもった直線となり、
図7に示す入力画像のブロックB1〜B8と、ブロックB1〜B8にそれぞれ対応する出力画像のブロックB1a〜B8aとは同じ色を示している。
【0066】
この場合、次のような不都合が生じ得る。
例えば、カメラ12によって撮影された入力画像において、床の色(輝度値)と、画像内に映り込んだ利用者の衣服の色(輝度値)とが類似している(同系色である)場合、画像処理装置20によって利用者を精度良く検知することができないという不都合が生じ得る。
【0067】
より詳しくは、床の色が
図7に示すブロックB1と同じ色であり、利用者の衣服の色が
図7に示すブロックB3と同じ色である場合、画像処理装置20に送られる出力画像においても、床の色はブロックB1と同じ色であるブロックB1aの色で表現され、利用者の衣服の色はブロックB3と同じ色であるブロックB3aの色で表現されるため、2つのブロックの輝度値にはほとんど差が生じず、画像処理装置20は利用者を精度良く検知することができない。これは、画像処理装置20が輝度値の変化に基づいて利用者の動きを検知することに起因している。
【0068】
そこで、本実施形態では上記したコントラスト補正処理が実行される。以下では、黒色のコントラストを上げるように、本実施形態に係るコントラスト補正処理が実行された場合について、
図8及び
図9を参照して説明する。
図8及び
図9は、入力画像と、黒色のコントラストを上げるようにコントラスト補正処理が実行された出力画像とのコントラストの関係を示す。
【0069】
入力画像において黒色の部分は、上記したコントラスト補正処理により、出力画像においては少し白み(明るみ)を帯びるように補正される。このため、
図8に示すグラフは、上記した
図6に示すグラフに比べて、全体的にY軸の値が大きくなった形状となる。また、
図9に示すように、入力画像におけるブロックB1〜B8は、出力画像においては、ブロックB1b〜B8bのようになる。
【0070】
これによれば、入力画像における床の色が
図9に示すブロックB1と同じ色であり、当該床の上にいる利用者の衣服の色が
図9に示すブロックB3と同じ色であり、入力画像においては2つのブロックの輝度値にほとんど差がなかったとしても、出力画像においては、床の色は
図11に示すブロックB1bと同じ色となり、利用者の衣服の色は
図9に示すブロックB3bと同じ色となるので、入力画像に比べて、2つのブロックの輝度値に差をつけることができる。
【0071】
つまり、画像処理装置20は、床の色と利用者の衣服の色とが同系色であったとしても、利用者を精度良く検知することができる。
【0072】
また、以下では、
図10及び
図11を参照して、白色のコントラストを上げるように、本実施形態に係るコントラスト補正処理が実行された場合についても説明する。
図10及び
図11は、入力画像と、白色のコントラストを上げるようにコントラスト補正処理が実行された出力画像とのコントラストの関係を示す。
【0073】
入力画像において白色の部分は、上記したコントラスト補正処理により、出力画像においては少し黒み(暗み)を帯びるように補正される。このため、
図10に示すグラフは、上記した
図6に示すグラフに比べて、全体的にY軸の値が小さくなった形状となる。また、
図11に示すように、入力画像におけるブロックB1〜B8は、出力画像においては、ブロックB1c〜B8cのようになる。
【0074】
これによれば、入力画像における床の色が
図11に示すブロックB8と同じ色であり、当該床の上にいる利用者の衣服の色が
図11に示すブロックB6と同じ色であり、入力画像においては2つのブロックの輝度値にほとんど差がなかったとしても、出力画像においては、床の色は
図11に示すブロックB8cと同じ色となり、利用者の衣服の色は
図11に示すブロックB6cと同じ色となるので、入力画像に比べて、2つのブロックの輝度値に差をつけることができる。
【0075】
つまり、この場合においても、画像処理装置20は、床の色と利用者の衣服の色とが同系色であったとしても、利用者を精度良く検知することができる。
【0076】
なお、乗りかご11が所定階に停止した際に利用されたコントラスト補正値は、当該所定階固有のコントラスト補正値として図示せぬメモリに記憶されても良い。これによれば、乗りかご11が再度所定階に停止した際には、画像補正部123は、図示せぬメモリに記憶されたコントラスト補正値を読み出して、撮影画像を補正すれば良いため、画像のコントラストを容易に補正することができる。
【0077】
また、階床と、当該階床に停止した際に利用するコントラスト補正値とを対応づけて記憶しておく場合、時間帯や時期(季節)もさらに対応づけて記憶しておく方が好ましい。これは、時間帯や時期に応じて、太陽光が乗場15の床に与える影響が異なるためである。これによれば、乗りかご11が1度停止した階床に再度停止した際には、画像補正部123は、その階床において現在の時間帯や時期に適したコントラスト補正値を読み出して、撮影画像を補正すれば良いため、画像のコントラストを容易に補正することができる。
【0078】
なお、階床の他に、時間帯や時期も対応づけてコントラスト補正値を記憶しておく場合、特定の時間帯や時期に所定階に停止することが中々なく、これに対応するコントラスト補正値だけが図示せぬメモリに中々記憶されない場合も考えられる。このため、画像補正部123に学習機能を搭載し、メモリに記憶された他の情報から、上記特定の時間帯や時期に所定階に停止した際に利用されるコントラスト補正値を推定し、これをメモリに記憶しておいても良い。
【0079】
また、本実施形態では、平均輝度値からコントラスト補正値を決定するとしたが、これに限定されず、例えば、カメラ12近辺に取り付けられたセンサ(例えば、赤外線センサや照度計等)を用いて、現在の明るさの情報を取得し、この明るさの情報に基づいて好適なコントラスト補正値を決定(算出)するとしても良い。
【0080】
なお、本実施形態では、カメラ12内の輝度値測定部122によって輝度値を測定し、当該測定結果に基づいて画像補正部123によって画像のコントラストを補正するとしたが、例えば、外部装置(例えば、画像処理装置20等)において、乗りかご11の所定のエリアや乗場15の所定のエリアに対応したコントラスト補正値を予め設定しておき、かごドア13の位置(戸開閉状態)に応じて、予め設定されたコントラスト補正値の中から適切なコントラスト補正値を選出し、当該選出されたコントラスト補正値をカメラ12に与えることで、画像のコントラストは補正されても良い。
【0081】
以上説明した一実施形態によれば、エレベータシステムは、撮影画像のコントラストを補正するためのコントラスト補正処理を実行可能な構成を備えているので、撮影時の環境に左右されずに、利用者を精度良く検知してドアの開閉制御に反映させることができるエレベータシステムを提供することができる。
【0082】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【解決手段】 実施形態に係るエレベータシステムは、乗りかご内に設置され、乗りかご内のドア近辺から乗場の方向に向けて所定の範囲を撮影可能な撮像手段と、撮像手段によって撮影された撮影画像から、ドアの戸開閉状態に応じて乗りかごまたは乗場に設定される所定のエリアの平均輝度値を測定する輝度値測定手段と、輝度値測定手段によって測定された平均輝度値に基づいて、撮影画像のコントラストを補正する画像補正手段と、画像補正手段によって補正された撮影画像を解析して利用者を検知する利用者検知手段と、利用者検知手段の検知結果に基づいてドアの戸開閉動作を制御する制御手段とを備える。