(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エクスポートサブシステムは、テーブルID、行ID及び他のテーブルへの参照を、前記データファイル内のセキュアかつ一時的かつポータブルな識別子で置換するように構成されている、請求項1に記載のメモリ。
前記ターゲットクライアントプログラムは前記インポートインタフェースへのアクセスを有しており、また、前記ターゲットクライアントプログラムは、前記ターゲットデータベースにて行われる前記エクスポートされたデータの再構築に関しての選択されたパラメータを特定するように構成されている、請求項1に記載のメモリ。
前記ターゲットクライアントプログラムによって特定される前記パラメータは、ターゲットテーブル名と後方マッチングカラムのためのグラフティングルートテーブルとを含む、請求項3に記載のメモリ。
前記ターゲットデータベース接続は前記ターゲットデータベースへの接続を確立し、前記インポートサブシステムは、前記トランスポートI/Oサブシステムを介して作成された前記データファイルの内部表現を用いて、前記データを前記ターゲットデータベース内へと再構築的にインポートして、前記ターゲットクライアントにグラフト点情報を返す、請求項1に記載のメモリ。
【背景技術】
【0003】
データベース管理システム(DBMS、database management system)は、集中型の構
造化情報サービスをクライアントプログラムに提供する。DBMS内のデータは、データ
モデルと称される特定の基本的格納パターンに準拠して、定義、格納、及び、検索される
。例えば、階層データモデルを用いるDBMSでは、内部のデータエンティティはツリー
状の構造を介して関係づけられのであり、各エンティティは、単一の「親」エンティティ
と任意の個数の「子」エンティティとを有する(「ルート」エンティティの場合は親を持
たない)。この階層データモデルは、人気のあるXMLデータフォーマット及びXMLデ
ータベースに用いられている。
【0004】
複雑なコンピュータ化情報に関しての最も一般的なDBMSデータモデルは関係データ
モデルであり、これはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS、relation
al database management system)で用いられている。関係データは、2次元的テーブル
の集合として理解することができ、行(ロウ)がデータエンティティを表し、縦列(カラ
ム)がエンティティ特性を表している。典型的には、行は、各々の行又はエンティティを
一意的に識別するキーカラムを有している。これらのキーは、殆どの場合は正の整数であ
り、後に挿入される行毎にインクリメントされるものである。テーブルの行はそれらのキ
ーのみで識別されることができるため、テーブルBからのキーを有するカラムを含めるこ
とによって、テーブルA内の行をテーブルB内の行に「関係づける」ことができる。
【0005】
これらの行識別子をテーブル間関係に用いることによって、行の行識別子自体を除く全
てのデータについて、複製を行うことを要せず自己のカノニカルテーブル内のみに格納す
ることができる。例えば、顧客についてのテーブルは、住所情報を含み得る。例えば販売
注文リスト等においてある顧客に言及する場合、上述したように顧客行識別子のみが必要
とされ、販売注文の顧客部分内において顧客住所を複製することを要さない。これらの正
規化テーブル間関係の重要な利点の1つとしては、顧客テーブル内の情報を変えるだけで
顧客住所を変更することができる、という点が挙げられる。なぜならば、維持対象となる
(即ち、販売注文内での)顧客住所の重複的含有が生じていないからである。
【0006】
典型的には、行識別子は、1,2,3,...等の単純にインクリメントする正数とし
てRDBMSによって自動的に生成される。これらの識別子シーケンスジェネレータがテ
ーブル自体とは異なるものであるため、仮に2つのデータベースが同じタイプのテーブル
とカラムとを共有する場合、同一の内容を有していても2つのデータベース間の行識別子
が異なり得る。これらの差異は、テーブルの行のオーダ、ナンバ及び削除履歴に起因し得
る。例えば、2つのデータベースにおいて、3人の顧客が逆の順序で追加された場合、デ
ータベース間では、おそらくゼロ個の、又は最大で1個の、行が同じ行識別子を有してい
ることになろう。
【0007】
RDBMSは、削減された記憶サイズと向上したデータ一貫性と一部の操作に関しては
より高いクエリパフォーマンスとを利点として提供するが、そのデータモデルは行識別子
キーの正確かつ一貫した使用方法に極度に依存している。データ重複が削減又は排除さえ
されているため、行識別子を介して正しい行が関係づけられていない場合、含有される重
複データの確認によって正しい行を回復する方策がないことになる。例えば、販売注文は
顧客行識別子のみを含み、クロスレファレンシングを可能とする追加的な顧客カラムたる
顧客の氏名や住所を有さないものとされる。さらに、間違った行識別子は、別のテーブル
内に存在しない行を参照するだけではなく、実在するが正しくない行を参照する可能性が
高い。
【0008】
典型的には、DBMSは単一の場所にある単一のサーバ上で実行されるが、より複雑な
亜種は幾つかの場所に透過的に分散されている場合がある。RDBMSは2つの主要部、
即ち(1)データ構造を記述及び定義するデータテーブル、及び、(2)そのように記述
されたモデルに準拠するデータ行、を含むため、同様にして、サーバは定義をもたらすコ
ンテナであると共にそうして内包される内容であるものと看做されることができる。全く
別個のデータベース間(即ち、テーブルと共にデータまでもが別個のものである場合)で
の相互作用は可能であるが、複数のRDBMSサーバが同じテーブル定義を伴って運用に
供せられている場合が幾つかあり得るのであり、この場合これらが格納しているデータは
同じものであるか異なるものであることができる。これらの同一定義シナリオでは、デー
タベースサーバ間でデータをトランスポートする必要があり得る。
【0009】
このようなシナリオの1つとしては、多数のデータベースサーバを通じて多数のソフト
ウェアインスタレーションを表象する場合が挙げられる。例えば、複数の場所にある店舗
を考える。全店舗に同じ販売トラッキングソフトウェアがインストールされているが、各
店舗が自前のデータベースサーバを有して自己の現地売上データをトラッキングしている
場合があり得る。このケースでは、顧客データ等の一部のデータと、注文履歴等の関連レ
コードとを、あるインスタレーションから別のインスタレーションのサーバへと、移転し
たい場合がある。別のシナリオは、継続的な可用性とセキュリティを実現するために、場
合によっては異なる地域に配置された複数の異なるデータベースサーバ内に同一データを
複製することを伴う。第3のシナリオでは、1つのデータベースサーバ内のデータをテン
プレートとして用いて別のサーバに対して新規データ挿入を行う。このシナリオの亜種と
しては、元のデータベースサーバ内でそのようなテンプレートを用いる場合が考えられる
。
【0010】
上述したリレーショナルデータベースに関しての詳細を前提とすると、タビュラー的に
同一なデータをRDBMS間で及びRDBMS内でトランスポートするに際しては、次の
4つの主たる困難性が見出されることになる。
(1) 既存の識別子との衝突及び関係の不足によって、トランスポートされたデータ行
識別子を新たなデータベースで安全に使用することができないこと。
(2) トランスポートされた行が必要とされている関係であるか、該行がトランスポー
トされるべき追加的な他の行と関係づけられる必要があるかもしれないこと。例えば、製
品行をトランスポートするには、供給者行(製品へ向かっての関係)又はサポート履歴行
(製品から派生する関係)が必要となり得る。
(3) 以前の行識別子を安全に使用することができないため、トランスポートの一環と
して新たな行識別子の割り当てを行わなければならないこと。
(4) これらの新たなかつ異なる行識別子を与えられると、プライマリ行と共にトラン
スポートされた全ての必要な関係データに対して、新たな行識別子を用いて再度の関係づ
けを行わなければならないこと。
【0011】
これらの困難性故に、リレーショナルデータベース間でのトランスポートは、一般に次
の3つのシナリオに限定されており、これらはいずれも運用では限定的なものである。即
ち、3つの限定的シナリオは次のとおりである。
(1) データベースを完全に複製或いは「クローン」して第2のデータベースを得るこ
とができる。該プロセスは、破壊的なプロセスであり、第2のデータベース内に存在する
データを全て完全に消去することを要する。一般的には、データベースをバックアップ及
びリストアする場合に該手法を用いる。
(2) 必要とされる具体的な行を収集し、それらを第2のデータベース内に挿入する様
に構成されたカスタムプログラムを作成することができる。この手法はデータの部分的ト
ランスポートを可能とするが、データのセクション、データベース、及び意図された用途
に関して完全に特化したものである。なぜならば、トランスポートするデータのセクショ
ン毎に固有のプログラムが必要となり、また、テーブル定義又はインテンションに対する
変更に合致するように同時的に保守していかなければならないからである。
(3) 特定のケースでは、データをCSV形式等の中間フォーマットへエクスポートし
てから、再インポートすることができる。一般的には中間フォーマットが関係及びディペ
ンデンシーに関しての完全な表現方法を欠いているため、このシナリオは、関係元とも関
係先ともならない行等が登場する極めて単純なデータトランスポートの場合を除いて、限
定的な効用しか持たない。
【0012】
これらのシナリオでは具体性、適用用途、又は適用範囲に関しての相当な制約が示され
るため、関係データのトランスポート、とりわけ、RDBMSの相互関連する部分的サブ
セットに関するトランスポートに関しての一般的ソリューションは、現在は存在していな
いといえる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明は添付の図面を参照する。図面内では可能な限り同じ参照符号が用い
られ、以下の詳細な説明は同じ又は類似の要素について言及する。明確性及び簡潔性のた
め、実際的な実施形態の全ての特性が明細書中で説明されているわけではない。もっとも
、開発者の特定の目的を達成するための実際的な実施形態を開発するためには、実施形態
に固有な多くの決定を行う必要があるということに留意されたい。本願発明の幾つかの実
施形態が説明されているが、当業者であれば、本願発明の精神及び範囲から逸脱せずに変
更、改案、及び他の実施形態も可能であるということに気付くであろう。例えば、図中の
構成要素に対して置換、追加、又は変更を行うことができるのであり、また、開示される
方法に関して処理段階を置換、再配列、又は追加することによって本願開示の方法を変更
することができる。したがって、以下の詳細な説明は発明を限定するわけではない。むし
ろ、本願発明の真正な範囲は添付の特許請求の範囲によって画定される。
【0022】
図1は、本願方法の実施形態の機能的コンポーネントを示す。データトランスポータコ
ンポーネント100は、ソースデータベース103とターゲットデータベース104との
間でのデータの移動性を提供するのであり、これらのデータベースは同一又は異なるマシ
ン上で実行されているRDBMSインスタンスである。ソースデータベース103から発
せられて、データトランスポータ100を経て行われるデータのエクスポートは、コンピ
ュータアプリケーション、プログラムライブラリルーチン、又は他のマシン若しくはシス
テムであることができるソースクライアント101によって開始及び指揮管制される。こ
のエクスポートされたデータの、ターゲットデータベース104へ向かってのインポート
は、ターゲットクライアント102によって開始及び指揮管制されるのであり、該ターゲ
ットクライアント102もコンピュータアプリケーション、プログラムライブラリルーチ
ン、又は他のマシン若しくはシステムであることができる。例示の実施形態では、データ
トランスポータ100は、ソースクライアント101及びターゲットクライアント102
等のコンピュータアプリケーションからアクセスできるのであり、該アクセスはアプリケ
ーションプログラミングインターフェース(API)ライブラリを経て行われることがで
き、共通データベース接続ライブラリを経由して様々なリレーショナルデータベースと共
に用いることができる。
【0023】
図2は、
図1に示したデータトランスポータ100の機能的コンポーネントを示す。ソ
ースクライアント101はエクスポートインタフェース200へのアクセスを有しており
、ソースデータベース接続情報103を含む必要なパラメータが特定される。ソースデー
タベース接続201はソースデータベース103との接続を確立することができ、エクス
ポート段階の大部分が営まれるエクスポートサブシステム202に対してこのアクセスを
提供することができる。
【0024】
エクスポートサブシステム202によって生成された内部エクスポート表現を用いるこ
とによって、トランスポート入力出力(I/O)サブシステム203は、トランスポート
されたデータを表すデータファイルを、ソースクライアント101に提供することができ
る。このデータファイルは、ターゲットクライアント102によって、インポートインタ
フェース204を介してトランスポートI/Oサブシステム203へと内部表現への変換
のために提供される。
【0025】
ターゲットクライアント102はインポートインタフェース204へのアクセスを有し
ており、ターゲットデータベース104を再構築するために必要なパラメータとトランス
ポートI/Oサブシステム203によって生成されたデータファイルとが特定される。タ
ーゲットデータベース接続205はターゲットデータベース104への接続を確立するの
であり、インポートサブシステム206は、トランスポートI/Oサブシステム203に
よって作成された、データファイルの内部表現を用いてデータをターゲットデータベース
104内へと再構築的にインポートして、グラフト点情報をターゲットクライアント10
2に返す。
【0026】
図3は、データエクスポート段階における動作フローを示す。開始されると(300)
、エクスポートサブシステム202は、初期化し(301)、必要なデータ操作及び構成
可能な変数を全て格納するための内部構造を作成する。例示の実施形態では、初期化(3
01)は、メッセージダイジェストサービスと行エクスポート(303)中に用いるため
の一意なエンコーディングキーとの生成を伴う。初期化(301)の後、ソースクライア
ント101はパラメータ(302)を特定するのであり、該パラメータには初期行識別子
とエクスポートすべきテーブルと除外されたテーブルに関する随意的リストとが含まれる
。一般的にエクスポート段階はソースクライアント101の活動に応答して開始(300
)されるが、サービス或いはユーザアプリケーションとして動作する場合には適宜パラメ
ータ(302)を入力することによって能動的エクスポートはせずに持続的に利用可能と
されることができる。
【0027】
エクスポートサブシステム202の中核的ループは、パラメータ(302)で特定され
る初期行をエクスポートすることによって開始(303)される。エクスポートプロセス
(303)がエクスポートを要する行がさらにある(304)と決定した場合、エクスポ
ートを要する行がなくなるまで追加の行に対して行エクスポート(303)が行われる。
全ての行がエクスポートされると、それら行をリストに配列するのであり(305)、該
リストは順次的再構築のためのシーケンスによるものとされる。
【0028】
行リストが外部格納フォーマットに変換されると(306)、プロセスは終了する(3
07)。トランスポートI/Oサブシステム203を介したこの変換によって、データフ
ァイルをソースクライアント101に提供することができる。
【0029】
図4は、エクスポートプロセス(303)の際のデータ行のエンコーディング処理を示
す。エンコーディングが開始されると(400)、行のテーブルと識別子(401)とが
パラメータとして用いられる。テーブルが無視される場合(402)、行のエクスポート
は省略される(403)。エンコードされた代替行識別子が作成されるのであり(404
)、これは一意であり、かつ、テーブル及び元の行識別子へとトレース可能である。この
エンコードされた識別子が既に格納されている場合(405)、行のエクスポートは省略
される(406)。
【0030】
ソースデータベース103から行のカラムデータがフェッチされる(407)。行識別
子が存在しないものと認められた場合(408)、行のエクスポートは省略される(40
9)。その余の場合、カラムデータは、トランスポートI/Oサブシステム203のため
に準備(410)される内部表現に、加工される。
【0031】
所与の行への関係及び所与の行からの関係は決定され(411)、エクスポート行によ
って参照される各行は分析される(412)。参照された行が無視されたテーブルに属す
る場合(413)、インポート時における後の検出のために内部表現内にダミー値が格納
される(414)。その余の場合、被参照行はエクスポートされ、結果としてもたらされ
るそのエンコードされた識別子(或いは、既にエクスポートされている場合には既存のエ
ンコードされた識別子)を、内部表現内に格納する。被参照行がさらにある場合(416
)、これらも分析される(412)。
【0032】
被参照行に関するループが完了すると内部表現は、存在するエンコードされたデータと
エンコードされた識別子とからなる集合内へと格納される(417)。そして、エクスポ
ート行を参照する行が分析され(418)、エクスポートを要する参照する行がなくなる
まで(420)、そのような行の各々がエクスポートされる(419)。プロセスは終了
し(421)、エンコードされた識別子を返すのであり、これには被参照行の内部的エク
スポート時(415)においての使途がある。
【0033】
図5は、データエクスポートプロセス(303)に際しての依存データ決定プロセスを
示す。プロセスが開始されると(500)、テーブル名がパラメータとして受信される(
501)。ソースデータベース103のメタデータがアクセスされて、行のテーブルによ
って参照されるテーブル全てについての関連性を有するカラムが検索される(502)。
被参照テーブルカラムは分析され(503)、テーブルがエクスポート行のそれと同じで
ある場合にはそれが省略され(504)、その余の場合には被参照テーブルカラムが依存
関係に含まれる(505)。この検定・包含プロセスは、各被参照テーブルカラムについ
て反復される(506)。
【0034】
同様に、エクスポートテーブルを参照するカラムは、ソースデータベース103から検
索される(507)。各カラムは分析され(508)、エクスポート行と同じテーブルで
ある場合には省略され(509)、その余の場合には含められる(510)。残されたカ
ラムがなくなるまでこの処理が反復され(511)、プロセスは終了する(512)。
【0035】
図6は、データエクスポートプロセス(303)に際してのポータブルな代替行識別子
の生成プロセスを示す。プロセスは開始され(600)、疑似乱数生成器(PRNG)と
現在タイムスタンプとを用いてランダムエンコーディングキーを生成する(601)。こ
のエンコーディングキーは、エクスポート段階に際しての全ての行のエクスポート処理中
においては持続的な状態に維持されるが、エクスポートされたファイルに保持されること
は決してなく、また、インポート段階へとその他の態様で伝達されることも決してない。
【0036】
エンコードされるべき行のテーブル名と行識別子とを受信すると(602)、テーブル
名とエンコーディングキーと行識別子とが一緒に組み合わされる(603)。結果として
もたらされるテキスト文字列は、MD5等のメッセージダイジェストアルゴリズムのため
の入力として用いられて、バイナリメッセージダイジェストが作成される(604)。そ
して、Base64等のバイナリtoテキストエンコーダを用いてこのダイジェスト値を
ASCII形式に変換するのであり(605)、これによってキー生成が完了する(60
6)。
【0037】
このプロセスによって、同じテーブル名と行識別子とを伴う一貫して同質なキーが生成
されるのであり、これにより機能的な比較が可能となる。もっとも、エンコーディングキ
ーを破棄すると、たとえ同時期にエクスポートされたキーからなる大規模なプールをもっ
てしても、元の識別子を決定することは極めて困難になる。
【0038】
図7は、エクスポートデータを再構築可能なシーケンスに配列するプロセス(305)
を示す。それぞれのテーブルに従ってエクスポートされた行は蓄積されているが故に、プ
ロセスが開始されると(700)、エクスポートされた行を有するそのようなテーブルの
全てが、キューに追加される(701)。このキューは配列を行うループで削減され、テ
ーブルが含まれていない空の状態になっているか否かに関して判定される(702)。キ
ューが空ならば、配列プロセスは終了される(703)。
【0039】
キューが空でない場合にはテーブルがキューから引かれ、それによって参照されている
全てのテーブルが新たなリストに追加される(704)。テーブルのリストがキュー内に
現存していないテーブルを含む場合、該テーブルはリストから取り除かれる(705)。
結果としてもたらされるリストが空でない場合706、リストに関しての判定は、キュー
内の次のテーブルへと進行する。しかし、リストが空である場合、キューからのテーブル
はキューから取り除かれて(707)、その行が結果リストにプリペンドされる(708
)。
【0040】
図8は、
図1のデータトランスポートに際して用いられる格納フォーマットを示す。デ
ータのトランスポート用表現はデータ行800によって提供され、これはプロパティとし
てエンコードされた行識別子801とテーブル名802とを含んでいる。追加的には、デ
ータ行800は、タプルのコレクションを3つ含むことができる。
【0041】
このようなコレクションの第1のものはデータカラムタイプ803であり、これはテー
ブルカラム名804を「整数」等の記述的カラムタイプ805へとマッピングする。第2
のコレクションはデータカラム806であり、これはテーブルカラム名807を整数の値
そのもの等の生データ808へとマッピングする。最後たる第3のコレクションは参照カ
ラム809であり、これは、
図6で示したように生成されたエンコードされた行識別子8
11へとマッピングされた、テーブルカラム名810を、含む。
【0042】
これらのデータ行800はそれらのデータベーステーブルに従ってグルーピングされる
のであり、グルーピングは単純な記名リストでなされるのであり、これらリストはデータ
テーブル812と称される。
図7にてアレンジされているこれらのデータテーブル812
の再構築可能なシーケンス(305)は、トランスポートI/Oサブシステム203にて
用いられるトランスポート可能なデータファイルの基礎となる。例示の実施形態では、こ
れらのデータテーブル812はバイナリXMLへとシリアライズされ、また、LZ77及
びハフマンコーディングによって圧縮される。インポートされる前にこれらのステップは
逆順で行われて、配列されたデータテーブル812が再生される
【0043】
図9は、データインポート段階における動作フローを示す。開始されると(900)、
インポートサブシステム206は、インポート処理中において複数の「グラフト点」を付
着させるために用いられるべき随意的な代替カラム識別子(901)(テーブル/カラム
/IDのトリプレットとして格納されている)と、後のマッチングのためのグラフティン
グルートテーブルとを、受け取る。配列されたテーブルリスト812は抽出され(902
)、第1番目のテーブルが分析される(903)。テーブルの行が列挙され、そして、各
行が分析されて(904)、これによってターゲットデータベース104のための適切な
SQLデータベース命令を作る(905)。
【0044】
各行カラムは、カラムがデータカラム806であるか否かについて分析され(906)
、検定されるのであり(907)、カラムタイプ805に従って生の値808がSQL操
作に組み込まれる。代わりにカラムが参照カラムである場合(809)、そのカラムは以
前提供された(901)代替識別子に合致するかについて検定され(909)、発見され
れば代替識別子がSQLコマンドに組み込まれる(911)。その余の場合には、エンコ
ードされた識別子はマッチング(デコード)されて、ターゲットデータベース104によ
って新規に生成された行識別子を探すのであり、この新たな識別子はSQLコマンドに組
み込まれる(910)。
【0045】
カラムについてSQLを準備した後は、カラムがさらに残っている場合には、プロセス
が反復される(912)。全てのカラムについてのSQLが準備された後は、SQLステ
ートメントがターゲットデータベース104に対して実行され、結果としてもたらされる
新規に生成された行識別子は、それらの間の関係が指示(910)されているように記録
される(914)。データベースの行生成処理はテーブルの全ての行に関して反復される
のであり(915)、逐次的に連続して存在する各テーブルへと続いていき(916)、
これによって行識別子に関しての全く新たなセットを伴って、ソースデータベース103
内のデータを再構築する。901で与えられるルートテーブルのための新たな行識別子を
返すことによってプロセスは終了する(917)。
【0046】
コンピュータプログラムの記憶
上述したように、本願発明は好適にはコンピュータソフトウェア(「コンピュータプロ
グラム」又は「コード」ともいう。以下、可換のものとして使用することもある。)とし
て実現又は具体化することができる。プログラム又はコードは、デジタルプロセッサによ
って読み込むことができるデジタルメモリに記憶されている場合に最も効用を発揮する。
「コンピュータ可読記憶媒体」(或いは「マシン可読記憶媒体」)等の用語は、上述した
全てのタイプのメモリを含むものとして使用しており、また、記憶された情報が適切なデ
ジタルプロセッサによって「読む」ことができるような態様で、少なくとも一時的に、コ
ンピュータプログラムや他のデータとしてのデジタル情報を記憶することができるのなら
ば、将来生じる新たな技術をも含むものとして使用している。「コンピュータ可読」との
用語を用いることによって、語句を「コンピュータ」の歴史的な文脈に制限して完全なメ
インフレーム、ミニコンピュータ、デスクトップ機、ラップトップ機を指し示そうと意図
はしていない。むしろ、該用語は、記憶媒体がデジタルプロセッサ又は任意のデジタルコ
ンピューティングシステムによって読み込まれることができる、ということを意味する。
このような媒体は、ローカル及び/又はリモートにおいてコンピュータ又はプロセッサに
よってアクセス可能な任意の利用可能媒体であることができ、また、揮発性/不揮発性の
媒体、及び脱着可能/脱着不可能の媒体のいずれをも含む。一部の場合、例えば単純なテ
キストドキュメント又は「フラットファイル」の場合では、デジタルコンピューティング
システムは次の態様でファイルを「読む」ことしかできない場合がある:該ファイルに関
しての、移動、コピー、削除、電子メール発信、ウイルススキャン等。換言すれば、その
特定のコンピューティングシステム上では、該ファイルが実行可能でないことがある(た
だし、別のプロセッサ又はコンピューティングシステム又はプラットフォーム上では、該
ファイルは実行可能であるかもしれない。)。
【0047】
コンピュータプログラム製品
プログラムがコンピュータ可読記憶媒体内に格納されている場合、その記憶媒体をコン
ピュータプログラム製品と称する場合がある。例えば、可搬なデジタル記憶媒体は、コン
ピュータプログラムを記憶及び移送(引き渡し、販売、購入、ライセンス)するための便
利な手段として用いられることができる。過去においては、上記のようなことは、パッケ
ージド(「シュリンクラップされた」)プログラムの販売地点でのリテイル型引き渡しの
場面で行われてきた。このような記憶媒体の例には、CD−ROM等が含まれるが、これ
らには限定されない。記憶済みコンピュータプログラムを含んでいるこのようなCD−R
OMは、コンピュータプログラム製品の例である。
【0048】
当業者にとっては、本願発明の基底にある原理から逸脱せずに上述した実施形態の詳細
に対して多くの変更を加えることができるということは、明白である。したがって、本願
発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ画定されるべきである。