特許第6367449号(P6367449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6367449
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】連続鋳造用鋳型
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20060101AFI20180723BHJP
   B22D 11/04 20060101ALI20180723BHJP
   B22D 11/16 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G01K1/14 E
   G01K1/14 L
   B22D11/04 311H
   B22D11/16 104B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-206079(P2017-206079)
(22)【出願日】2017年10月25日
【審査請求日】2017年11月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000176626
【氏名又は名称】三島光産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】筒江 修
(72)【発明者】
【氏名】井上 秀典
(72)【発明者】
【氏名】平野 新一
(72)【発明者】
【氏名】小林 勝洋
【審査官】 平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−004236(JP,U)
【文献】 実開平05−059264(JP,U)
【文献】 実開平06−010814(JP,U)
【文献】 特開2002−113562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00−19/00
B22D 11/04
B22D 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅又は銅合金からなり、溶鋼が供給される上下方向に貫通する空間部が内側に形成された鋳型本体と、該鋳型本体の背面側に配置され、該鋳型本体の冷却を行う水冷箱とを有する連続鋳造用鋳型において、
前記鋳型本体には挿通穴が鋳造方向に沿って平行に複数形成され、該各挿通穴内には銅又は銅合金からなる外径0.5〜3.5mmの長尺の管材が挿入配置され、
前記管材は、その壁部に、該管材の軸心方向に渡って同一直線上に、複数の貫通孔が間隔を有して形成され、該貫通孔とは対向側の前記壁部が切欠かれて断面円弧状となっており、
前記各貫通孔に温度センサーの測温部が取付け固定され、しかも、該各測温部が前記空間部側に向けられ、前記管材の長手方向に渡って前記鋳型本体の温度を測定可能にし
更に、前記鋳型本体の上端部には断面凹状の溝が形成され、前記温度センサーの前記管材からの突出部分が前記溝内に配置されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型
【請求項2】
請求項1記載の連続鋳造用鋳型において、前記鋳型本体は、該鋳型本体の溶鋼接触面から、該鋳型本体の背面側に形成された導水溝の底面までの厚みが、10〜30mmであることを特徴とする連続鋳造用鋳型
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数箇所の温度測定を同時に実施できる温度測定装置を用いた連続鋳造用鋳型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳片は、上下方向に貫通する空間部が内側に形成された鋳型本体を有する連続鋳造用鋳型を使用し、この空間部へ供給された溶鋼を鋳型本体で冷却しながら凝固させて鋳造している。
鋳片の鋳造に際しては、鋳型本体内で形成される凝固シェルの成長を確実に行う必要があるが、凝固シェルの成長が不安定な場合、凝固シェルが破れ、未凝固の溶鋼が流出するブレークアウトが発生し、例えば、鋳造作業の中断や長時間の休止、更には設備損傷のような事故を招くおそれがある。
【0003】
そこで、ブレークアウトの発生を予知するため、図4に示す連続鋳造用鋳型80が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
連続鋳造用鋳型80は、銅又は銅合金からなる鋳型本体81と、この鋳型本体81の裏面側に配置されたバックプレート(冷却箱)82とを有し、鋳型本体81がバックプレート82に複数の締結ボルト83で固着されている。なお、所定の締結ボルト83には貫通孔84が形成され、バックプレート82の背面側から貫通孔84内に挿入された熱電対85(温度センサー)により、鋳型本体81の温度を測定することで、ブレークアウトの発生を予知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−284503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ブレークアウト発生の予知には、鋳型本体81の温度測定を広い範囲で行う必要があることから、多くの熱電対85をそれぞれ専用の締付ボルト83に挿入して使用しなければならず、例えば、熱電対85の取付けに時間を要し、また、連続鋳造用鋳型80の装置構成が複雑になっていた。
特に、締結ボルト83は、バックプレート82を貫通した状態で、その先部が鋳型本体81の背面側に取付け固定される構成であるため、鋳型本体81とバックプレート82との間を流れる冷却水の漏れ出しや、締結ボルト83内への冷却水の浸入が問題となる。このため、締結ボルト83に熱電対85を設置するに際しては、Oリング86やシールワッシャ87、シール座金88等の多くの付属部品を用いる必要があり、取付け構造が複雑になっていた。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、構成が簡単で取付けが容易な温度測定装置を用いた連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
前記目的に沿う発明に係る連続鋳造用鋳型は、銅又は銅合金からなり、溶鋼が供給される上下方向に貫通する空間部が内側に形成された鋳型本体と、該鋳型本体の背面側に配置され、該鋳型本体の冷却を行う水冷箱とを有する連続鋳造用鋳型において、
前記鋳型本体には挿通穴が鋳造方向に沿って平行に複数形成され、該挿通穴内には銅又は銅合金からなる外径0.5〜3.5mmの長尺の管材が挿入配置され
前記管材は、その壁部に、該管材の軸心方向に渡って同一直線上に、複数の貫通孔が間隔を有して形成され、該貫通孔とは対向側の前記壁部が切欠かれて断面円弧状となっており、
前記各貫通孔に温度センサーの測温部が取付け固定され、しかも、該各測温部が前記空間部側に向けられ、前記管材の長手方向に渡って前記鋳型本体の温度を測定可能にし、
更に、前記鋳型本体の上端部には断面凹状の溝が形成され、前記温度センサーの前記管材からの突出部分が前記溝内に配置されている。
なお、管材及び温度センサーを有して温度測定装置が構成される。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
発明に係る連続鋳造用鋳型は、複数の温度センサーの各測温部が、長尺の管材の長手方向に間隔を有して取付け固定された、装置構成が簡単な温度測定装置を用いているので、温度測定装置の鋳型本体への取付けに際しては、鋳型本体に形成された挿通穴に管材を挿入配置すればよく、取付けを容易にでき、取付け構造も簡単にできる。
特に、鋳型本体の背面側に水冷箱が配置されるので、従来のような、防水対策に用いる付属部品が不要になるため、本発明の効果がより顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る温度測定装置の側断面図、(B)は第1の変形例に係る温度測定装置の側断面図である。
図2】(A)は第2の変形例に係る温度測定装置の部分拡大側断面図、(B)は第3の変形例に係る温度測定装置の部分拡大側面図である。
図3】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の鋳型本体の斜視図、同鋳型本体の使用状態における部分側断面図である。
図4】従来例に係る連続鋳造用鋳型の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定装置10は、複数の熱電対(温度センサーの一例)11の先端部にそれぞれ形成された測温部(温度測定部)12が、長尺の管材(支持部材の一例)13の長手方向に間隔を有して取付け固定されたものである。
以下、詳しく説明する。
【0015】
熱電対11は、線径が、例えば、φ0.05mm〜φ2mm程度(ここでは、φ0.5mm)のシース熱電対である。
このシース熱電対の基本構造は、従来公知であり、金属保護管(例えば、ステンレス製)内に絶縁材(酸化マグネシウム等の無機絶縁物)を介して、一対の互いに異なる熱電能を有する熱電対素線(ここでは、銅とコンスタンタン)を配することで構成されている。なお、一対の熱電対素線は、金属保護管の軸心方向に設けられた貫通孔から外部へ突出し、使用にあっては、各熱電対素線の2つの接点の一端(冷接点)と他端(熱接点)に温度差が与えられることで、起電力が生じ、この起電力の電圧を測定し、既知の起電力表と対比することにより、他端の温度が測温される。
【0016】
熱電対には、使用環境に応じて、例えば、JIS C1602−1995のN熱電対(+脚(熱起電力を図る計器の+端子へ接続すべき脚):ニッケル、クロム、及びシリコンを主とした合金、−脚(+脚とは反対側の脚):ニッケル及びシリコンを主とした合金)、K熱電対(+脚:ニッケル及びクロムを主とした合金、−脚:ニッケルを主とした合金)、E熱電対(+脚:ニッケル及びクロムを主とした合金、−脚:銅及びニッケルを主とした合金)、J熱電対(+脚:鉄、−脚:銅及びニッケルを主とした合金)、T熱電対(+脚:銅、−脚:銅及びニッケルを主とした合金)等、のシース熱電対を使用することもできる。
また、熱電対には、シース熱電対の代わりに、上記した熱電対素線が絶縁材で被覆された被覆熱電対を使用することもできる。なお、熱電対を使用することなく、測温抵抗体(温度センサーの一例:例えば、NTCサーミスタ)を使用することもできる。
【0017】
複数の熱電対11は、円筒状の管材13内に収容配置されている。1本の管材13内に収容される熱電対11の本数は特に限定されるものでなく、例えば、2〜100本程度(ここでは6本)である。
管材13は、熱伝導性が良好で適度な強度を有する銅又は銅合金で構成されているが、これに限定されるものではなく、他の金属、例えば、ニッケル合金やステンレス等の鋼材でもよく、また、金属以外の材質、例えば、樹脂やカーボン等で構成することもできる(以下の変形例においても同じ)。
また、管材13は、その外径が、例えば、0.5〜10mm程度であり、厚みが、例えば、0.2〜0.5mm程度である。なお、管材13の外径は、挿入される熱電対11の本数や線径に応じて種々選択でき、厚みは、管材13に必要な強度に応じて種々選択できる。
【0018】
管材13の壁部には、管材13の軸心方向に渡って同一直線上に、複数(熱電対11の本数に対応:図1(A)では6個)の貫通孔14が間隔を有して形成され、この各貫通孔14に、前記した熱電対11の先端部の測温部12が、それぞれ取付けられている。このため、貫通孔14の大きさ(内幅)は、測温部12が管材13の表面に露出可能な大きさであればよい。
なお、複数の熱電対11は、管材13の長手方向一方側(図1(A)では左側)から管材13内に収容され、複数の熱電対11(熱電対素線の部分)が束ねられているが、管材13の長手方向両側から管材13内に収容することもできる。
【0019】
管材13に形成される貫通孔14の数とピッチは、温度測定を行う対象物の温度の測定点数と測定箇所に応じて適宜調整できる。このため、貫通孔の形成ピッチは、同一でもよく、異なってもよい。また、管材13の長さも、温度の測定範囲に応じて適宜調整できる。
この貫通孔14への測温部12の取付けは、測温部12が管材13の表面側に位置する(管材13の表面から外部へ僅かに突出する)ように、例えば、ハンダや銀ロウ、また、ドータイト(導電性接着剤)等を用いて接着して実施できるが、他の方法を採用することも勿論可能である。
これにより、各測温部12が対象物に当接又は僅少の隙間を有するように、温度測定装置10を配置することで、管材13の長手方向に渡って対象物の温度を測定できる。
【0020】
なお、管材13は、図1(A)に示すように、貫通孔14とは対向側の壁部全体(例えば、直径の20〜50%程度)が切欠かれた形状、即ち、測温部12が配置される領域の管材13の断面が円弧状となっている。これにより、管材13内への熱電対11の収容と、各貫通孔14内への測温部12の取付けを、容易にできる(温度測定装置10の製造が容易になる)。
しかし、図1(B)に示す温度測定装置10aのように、長手方向に渡って断面円形の切欠きのない管材(支持部材の一例)13aを使用することで、管材13aの強度が高められる。この場合、管材13a内に絶縁材等を充填することもできる。
【0021】
また、図2(A)に示す温度測定装置10bのように、長手方向に渡って断面円形の貫通孔14のない管材(支持部材の一例)13bを使用し、その内面(内周面上)に測温部12を取付け固定することもできる。このとき、測温部12を取付け固定する管材13bの内側に未貫通の凹部(溝)を形成し、この凹部内に測温部12を取付け固定することもできる。この場合、上記した断面円弧状の切欠きのある管材を用いる方が、加工上好ましい。
更に、図2(B)に示す温度測定装置10cのように、長手方向に渡って断面円形の無垢材である棒材(支持部材の一例)13cを使用し、その表面(外表面)に測温部12を取付け固定することもできる。このとき、熱電対11(熱電対素線の部分)は、棒材13cの長手方向に沿って配置できるが、棒材13cに螺旋状に巻きつけてもよい。
【0022】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型について、図1(B)、図3(A)、(B)を参照しながら説明する。
連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型とも記載)は、上下方向に貫通する空間部20が内側に形成された鋳型本体(対象物の一例)21を有し、空間部20へ供給された溶鋼22を鋳型本体21で冷却しながら凝固させて鋳片を製造するものであり、鋳型本体21を構成する冷却板23に挿通穴24が形成され、この挿通穴24内に温度測定装置10a(管材13a)を挿入配置して、鋳型本体21の空間部20側(溶鋼22接触面側)の温度を測定可能にしている。なお、図3(B)中の符号25は凝固シェルである。
以下、詳しく説明する。
【0023】
鋳型は四組鋳型であって、間隔を有して対向配置され、それぞれ冷却板23からなる一対の短辺と、この短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置され、それぞれ冷却板23からなる一対の長辺とで構成された鋳型本体21を有している。冷却板23の背面側(裏面側)には、多数の導水溝26が鋳造方向(引抜き方向)に沿って設けられ、この冷却板23の背面側に当接配置された、水冷箱の一例であるバックプレート(図示しない)の給水部及び排水部を介して、各導水溝26に冷却水を流すことで、冷却板23を冷却している。
なお、冷却板23は銅又は銅合金で構成され、バックプレートはステンレス又は鋼で構成されている。
【0024】
冷却板23には複数の挿通穴24が、冷却板23の厚み方向中央部(導水溝26の底面及び溶鋼22の接触面とは連続しない(独立した)位置)に、鋳造方向に沿って平行に形成されている。
この挿通穴24の形成方向は、各測温部が空間部側を向くように、冷却板に温度測定装置を設置できれば特に限定されるものではなく、例えば、斜め方向でもよく、また、横方向でもよい。
また、挿通穴24の数は、温度測定装置10aの設置本数に対応している。この挿通穴24の数とピッチは、鋳型本体21の温度の測定範囲に応じて適宜調整できるため、挿通穴24の形成ピッチは、同一でもよく、異なってもよい。
【0025】
そして、挿通穴24は、管材13aが挿入可能な大きさであれば特に限定されるものではないが、管材13aの挿通穴24への挿入のし易さや、挿入した管材13aの位置ずれ(倒れ)等の発生抑制(発生防止)を考慮すれば、管材13aとは僅少の隙間を有する程度に設定(例えば、管材13aの外径より0.1〜0.5mmの範囲内で大きく設定)することが好ましい。
この挿通穴24は、冷却板23の鋳造方向一側(図3(A)、(B)では上側)から穴を開けることで形成できるが、冷却板の鋳造方向両側から穴を開けて(貫通孔を形成して)、冷却板の下端部に形成された開口部に栓をすることで形成することもできる。なお、冷却板23の上端部には、断面凹状の溝27が冷却板23の幅方向に沿って形成されており、挿通穴24は溝27の底面から鋳造方向に形成されている。
【0026】
挿通穴24には管材13aが、各測温部12を空間部20側(溶鋼22接触面側)に向けて挿入配置され、熱電対11の管材13aからの突出部分は、冷却板23の上端部に形成された溝27内に配置されている。
このとき、各測温部12が鋳型本体21の挿通穴24内面に当接又は僅少の隙間を有するように、温度測定装置10aを配置する。これにより、1本の温度測定装置10aにより、管材13aの長手方向(鋳造方向)に渡って、かつ、複数の温度測定装置10aにより、冷却板23の幅方向に渡って、冷却板23の温度を測定できる。
なお、温度測定装置10aは、直線状となっているが、挿通穴24の形状に対応して、なだらかに湾曲してもよい。
【0027】
上記した鋳型本体21を構成する冷却板23の厚みは、鋳造速度の向上(溶鋼22の冷却効率の向上)のため薄くする傾向にあることから(冷却板23の溶鋼22接触面から導水溝26の底面までの厚みが、例えば、10〜30mm程度)、連続鋳造に必要な冷却板23の剛性を考慮すれば、管材13aは細い(例えば、外径が1〜3.5mm程度である)ことが好ましい。なお、冷却板23の溶鋼22接触面から、挿通穴24の内面までの距離(最短距離)は、例えば、5〜20mm程度の範囲内で調整できる。
ここでは、冷却板23に温度測定装置10aを設けた場合について説明したが、温度測定装置10、10b、10cを設けてもよい。
【0028】
以上に示したように、本発明の連続鋳造用鋳型に、装置構成が簡単な温度測定装置を設けているので、温度測定装置の鋳型本体への取付けに際しては、取付けを容易にでき、取付け構造も簡単にできる。
また、鋳型本体の背面側に水冷箱が配置される場合でも、従来のような、防水対策に用いる付属部品が不要になるため、本発明の効果がより顕著になる。
更に、従来は、鋳型温度の測定に際し、熱電対を鋳型本体に密着させることが、測温精度の向上を図る上で好ましいことから、ばね材を用いて熱電対の先端部を鋳型本体に押し付ける構造(又は、溶着する構造)にしていたが、この構成も不要となる。
【0029】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の連続鋳造用鋳型を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、支持部材として管材や棒材を用いた場合について説明したが、複数の温度センサーの各測温部を、長手方向に間隔を有して配置できる構成であれば、例えば、板材等でもよく、その形状も、断面円形でなく断面多角形(例えば、四角形や六角形)等でもよい。
【0030】
また、前記実施の形態においては、温度測定装置を鋳型本体を構成する全ての冷却板(短辺及び長辺)に設けた場合について説明したが、一部の冷却板(例えば、短辺又は長辺)や、冷却板の一部の領域のみに設けてもよい。この場合、温度測定装置の取付け構造を、従来の取付け構造(図4参照)と併用することもできる。
更に、前記実施の形態においては、温度測定装置を設ける対象が、四組鋳型の鋳型本体である場合について説明したが、温度測定装置を設ける鋳型であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ビレットやビームブランク(H型鋼用に使用)を製造する鋳型、更には、鍛造又は鍛造した銅ブロックに導水孔を穿孔したブロック鋳型に、本願発明を適用することも勿論可能である。なお、鋳型の構造は、例えば、従来公知の垂直曲げ型の連続鋳造機に使用する鋳型でもよく、また、湾曲型の連続鋳造機に使用する鋳型でもよい。
【符号の説明】
【0031】
10、10a、10b、10c:温度測定装置、11:熱電対(温度センサー)、12:測温部、13、13a、13b:管材(支持部材)、13c:棒材(支持部材)、14:貫通孔、20:空間部、21:鋳型本体(対象物)、22:溶鋼、23:冷却板、24:挿通穴、25:凝固シェル、26:導水溝、27:溝
【要約】
【課題】構成が簡単で取付けが容易な温度測定装置及びこれを用いた連続鋳造用鋳型を提供する。
【解決手段】温度測定装置10aは、複数の温度センサー11の各測温部12が、長尺の支持部材13aの長手方向に間隔を有して取付け固定され、支持部材13aの長手方向に渡って対象物の温度を測定可能にしたものである。連続鋳造用鋳型は、対象物が、溶鋼22が供給される上下方向に貫通する空間部20が内側に形成された、銅又は銅合金からなる鋳型本体21であり、鋳型本体21には挿通穴24が形成され、この挿通穴24内に支持部材13aが、各測温部12を空間部20側に向けて挿入配置されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4