(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367460
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】光学レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
G02B13/00
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-501175(P2017-501175)
(86)(22)【出願日】2014年8月4日
(65)【公表番号】特表2017-520798(P2017-520798A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】CN2014083609
(87)【国際公開番号】WO2016019487
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】515016891
【氏名又は名称】ハンズ レーザー テクノロジー インダストリー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】リー ジャイン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ チャオミン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユンフェン
【審査官】
殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭44−024068(JP,B1)
【文献】
特開平08−313802(JP,A)
【文献】
実公昭43−030782(JP,Y1)
【文献】
米国特許第03517986(US,A)
【文献】
米国特許第03447861(US,A)
【文献】
米国特許第03376091(US,A)
【文献】
米国特許第03209649(US,A)
【文献】
米国特許第02897725(US,A)
【文献】
特開昭48−098824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学レンズであって、入射光線の透過方向に沿って連続的に同軸に配置された第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ、及び第8のレンズから構成され、
前記第1のレンズは、物体側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、
前記第2のレンズは、正の両凸レンズであり、
前記第3のレンズは、負の両凹レンズであり、
前記第4のレンズは、前記物体側に凸状の曲面を有する正メニスカスレンズであり、
前記第5のレンズは、前記物体側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、
前記第6のレンズは、正の両凸レンズであり、
前記第7のレンズは、像側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、
前記第8のレンズは、前記像側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、
前記第4のレンズ及び前記第5のレンズは光学ダイヤフラムの両側にそれぞれ位置し、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、及び前記第4のレンズは、第1の接合レンズ組立体を形成し、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、及び前記第7のレンズは、第2の接合レンズ組立体を形成する、ことを特徴とする光学レンズ。
【請求項2】
前記第1のレンズは第1の曲面及び第2の曲面を含み、前記第2のレンズは第3の曲面及び第4の曲面を含み、前記第3のレンズは第5の曲面及び第6の曲面を含み、前記第4のレンズは第7の曲面及び第8の曲面を含み、前記第5のレンズは第9の曲面及び第10の曲面を含み、前記第6のレンズは第11の曲面及び第12の曲面を含み、前記第7のレンズは第13の曲面及び第14の曲面を含み、前記第8のレンズは第15の曲面及び第16の曲面を含み、前記第1の曲面から前記第16の曲面は、前記入射光線の前記透過方向に沿って連続的に配置され、前記第1の曲面から前記第16の曲面の曲率半径は、それぞれ、42.8、9.2、13、−14、−14、4、4、65、62、16、16、−6、−6、−14、−13及び−40であり、単位はミリメートルであり、前記曲率半径の上限偏差が5%であり下限偏差が5%である、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項3】
前記第1のレンズから前記第8のレンズの中央厚さは、それぞれ、1、6、3、2、2、4、1及び1であり、単位はミリメートルであり、前記中央厚さの上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項2に記載の光学レンズ。
【請求項4】
主光軸に沿った前記第2の曲面と前記第3の曲面との間の距離は6ミリメートルであり、前記主光軸に沿った前記第8の曲面と前記第9の曲面との間の距離は0.3ミリメートルであり、前記主光軸に沿った前記第14の曲面と前記第15の曲面との間の距離は18ミリメートルであり、前記距離の上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項2に記載の光学レンズ。
【請求項5】
前記第1のレンズから前記第8のレンズは、主光軸の周りに回転対称である、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項6】
前記第1のレンズから前記第8のレンズは球面を有する、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項7】
前記第1のレンズから前記第8のレンズは、アッベ数に対する屈折率の比が1.62/60、1.69/54、1.7/40、1.6/32、1.56/58、1.69/50、1.75/27及び1.62/60であり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項8】
前記第1のレンズから前記第8のレンズは光学ガラスである、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項9】
第9のレンズをさらに備え、前記第9のレンズ及び前記第1のレンズは、前記入射光線の前記透過方向に沿って連続的に同軸に配置される、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項10】
前記第9のレンズは、アッベ数に対する屈折率の比が1.5/64であり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項9に記載の光学レンズ。
【請求項11】
前記入射光線に沿った前記第9のレンズの投射は、直径が42ミリメートルの円であり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項9に記載の光学レンズ。
【請求項12】
前記第9のレンズは、第17の曲面及び第18の曲面を含み、前記第17の曲面及び前記第18の曲面の曲率はゼロである、請求項9に記載の光学レンズ。
【請求項13】
主光軸に沿った前記第18の曲面と前記第1の曲面との間の距離は1ミリメートルであり、前記距離の上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項12に記載の光学レンズ。
【請求項14】
前記第9のレンズの厚さは3ミリメートルであり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である、請求項12に記載の光学レンズ。
【請求項15】
前記第9のレンズは、平坦な保護ガラスである、請求項12に記載の光学レンズ。
【請求項16】
前記第17の曲面と結像面との間の距離は51.7ミリメートルである、請求項12に記載の光学レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学技術分野に関し、より詳細には光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
写真撮影、特に高高度写真撮影では、結像の歪み及び解像力に対する要求が比較的高いので、一般に要求される光学レンズは、歪みがない超広角視野、及び高解像力といった特性を有する必要がある。従来の航空写真レンズは、焦点距離f=88ミリメートル、口径比1/5.6、画角2ω=124度、結像寸法254×254平方ミリメートルである。最新の電子工学製品は開発が早いので、従来の光学レンズは、最新の電子工学製品の要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、電子的要求を満たし、歪みがない超広角視野及び高解像力を有する光学レンズを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
光学レンズは、入射光線の透過方向に沿って連続的に同軸に配置された第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ、及び第8のレンズを含み、第1のレンズは、物体側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、第2のレンズは正の両凸レンズであり、第3のレンズは負の両凹レンズであり、第4のレンズは、物体側に凸状の曲面を有する正メニスカスレンズであり、第5のレンズは、物体側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、第6のレンズは正の両凸レンズであり、第7のレンズは、像側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、第8のレンズは、像側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズであり、第4のレンズ及び第5のレンズは光学ダイヤフラムの両側にそれぞれ位置し、第2のレンズ、第3のレンズ、及び第4のレンズは、第1の接合レンズ組立体を形成し、第5のレンズ、第6のレンズ、及び第7のレンズは、第2の接合レンズ組立体を形成する。
【0005】
実施形態によると、第1のレンズは第1の曲面及び第2の曲面を含み、第2のレンズは第3の曲面及び第4の曲面を含み、第3のレンズは第5の曲面及び第6の曲面を含み、第4のレンズは第7の曲面及び第8の曲面を含み、第5のレンズは第9の曲面及び第10の曲面を含み、第6のレンズは第11の曲面及び第12の曲面を含み、第7のレンズは第13の曲面及び第14の曲面を含み、第8のレンズは第15の曲面及び第16の曲面を含み、第1の曲面から第16の曲面は、入射光線の透過方向に沿って連続的に配置され、第1の曲面から第16の曲面の曲率半径は、それぞれ、42.8、9.2、13、−14、−14、4、4、65、62、16、16、−6、−6、−14、−13及び−40であり、単位はミリメートルであり、曲率半径の上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0006】
実施形態によると、第1のレンズから第8のレンズの中央厚さは、それぞれ、1、6、3、2、2、4、1及び1であり、単位はミリメートルであり、中央厚さの上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0007】
実施形態によると、主光軸に沿った第2の曲面と第3の曲面との間の距離は6ミリメートルであり、主光軸に沿った第8の曲面と第9の曲面との間の距離は0.3ミリメートルであり、主光軸に沿った第14の曲面と第15の曲面との間の距離は18ミリメートルであり、距離の上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0008】
実施形態によると、第1のレンズから第8のレンズは、主光軸の周りに回転対称である。
【0009】
実施形態によると、第1のレンズから第8のレンズは球面を有する。
【0010】
実施形態によると、第1のレンズから第8のレンズは、アッベ数に対する屈折率の比が1.62/60、1.69/54、1.7/40、1.6/32、1.56/58、1.69/50、1.75/27及び1.62/60であり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0011】
実施形態によると、第1のレンズから第8のレンズは光学ガラスである。
【0012】
実施形態によると、第9のレンズをさらに備え、第9のレンズ及び第1のレンズは、入射光線の透過方向に沿って連続的に同軸に配置される。
【0013】
実施形態によると、第9のレンズは、アッベ数に対する屈折率の比が1.5/64であり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0014】
実施形態によると、入射光線に沿った第9のレンズの投射は、直径が42ミリメートルの円であり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0015】
実施形態によると、第9のレンズは、第17の曲面及び第18の曲面を含み、第17の曲面及び第18の曲面の曲率はゼロである。
【0016】
実施形態によると、主光軸に沿った第18の曲面と第1の曲面との間の距離は1ミリメートルであり、距離の上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0017】
実施形態によると、第9のレンズの厚さは3ミリメートルであり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。
【0018】
実施形態によると、第9のレンズは、平坦な保護ガラスである。
【0019】
実施形態によると、第17の曲面と結像面との間の距離は51.7ミリメートルである。
【0020】
上述した光学レンズでは、同軸に配置した異なるタイプのレンズの組合せが導入され、これは比較的広い画角を有するだけでなく、超広角視野を有する。光学レンズの結像は、歪みなしで高解像力を実現することができ、地形と同一の実際の結像を得ることができ、高高度写真撮影及び空中写真撮影の要求を満たすことができる。色収差は、第1の接合レンズ組立体及び第2の接合レンズ組立体を設けることによって排除することができ、結像品質は相対的に高い。上述した光学レンズでは、焦点距離は22ミリメートル、口径比は1/5.6、画角は124度、結像寸法はA=64×64平方ミリメートルであり、それらは、最新の電子工学製品の要求を満たすことができる。
【0021】
本発明の実施形態による技術的解決法をより明確に例示するために、実施形態又は先行技術を説明するための、以下に簡単に添付図面を説明する。明らかに以下の説明における添付図面は、本発明の単なる一部の実施形態であり、当業者であれば、創造的活動を行うことなく添付図面から他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】別の実施形態による光学レンズの概略図である。
【
図3】
図2の実施形態による光学レンズの光線の投写グラフである。
【
図4】
図2の実施形態による光学レンズの非点収差及び歪みのグラフである。
【
図5】
図2の実施形態による光学レンズの変調伝達関数M.T.Fのグラフである。
【
図6】
図2の実施形態による光学レンズの分散グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を参照して、本発明による画角がより広い色収差を補正したレンズを詳細に説明する。しかしながら、本発明の様々な実施形態は、様々な異なる態様で具体化することができ、本明細書に記載された実施形態に限定して解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この本発明が完全になり完成するように提示され、当業者に本発明の範囲を十分に伝えることになる。別段の定めがない限り、本明細書で用いる全ての専門用語及び科学用語は、本発明の技術分野に属する技術者によって理解される通常の意味と同じ意味を有する。本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明するだけの目的であり、本発明を限定することは意図しない。本明細書で用いられる場合、用語「及び/又は」は、1又は2以上の関連する列挙された要素のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0024】
本明細書で用いる負符号は、光が左側から右側に伝播することを意味することに留意されたい。球面と主光軸との交差点を基準点にとると、球面の中央が交差点の左側にあるとき、曲率半径は負の値となり、一方、球面の中央が交差点の右側にあるとき、曲率半径は正の値となる。加えて、左側から右側に伝播する光に照らして、レンズの左側にある一方側は物体側と呼び、レンズの右側にある他方側は像側と呼ぶ。正レンズは、中央の厚さが縁の厚さよりも大きいレンズであり、負レンズは、中央の厚さが縁の厚さよりも小さいレンズである。
【0025】
図1は、実施形態による光学レンズの概略図であり、光学レンズは、第1のレンズL1、第2のレンズL2、第3のレンズL3、第4のレンズL4、第5のレンズL5、第6のレンズL6、第7のレンズL7及び第8のレンズL8を含み、それらは、入射光線の透過方向(主光軸)に沿って連続的に同軸に配置される。
【0026】
第1レンズL1は、物体側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズである。第2のレンズL2は正の両凸レンズである。第3のレンズL3は負の両凹レンズである。第4のレンズL4は、物体側に凸状の曲面を有する正メニスカスレンズである。第5のレンズL5は、物体側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズである。第6のレンズL6は正の両凸レンズである。第7のレンズL7は、像側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズである。第8のレンズL8は、像側に凸状の曲面を有する負メニスカスレンズである。図示の実施形態では、第2のレンズL2、第3のレンズL3及び第4のレンズL4は、第1の接合レンズ組立体を形成し、第5のレンズL5、第6のレンズL6、及び第7のレンズL7は、第2の接合レンズ組立体を形成する。第1の接合レンズ組立体及び第2の接合レンズ組立体は、光学ダイヤフラム200の両側にそれぞれ位置する。第1の接合レンズ組立体は、軸方向の色収差を排除するように構成され、第2の接合レンズ組立体は、倍率色収差を排除するように構成され、結像品質は高い。
【0027】
第1のレンズL1は、第1の曲面S1及び第2の曲面S2を含む。第2のレンズL2は、第3の曲面S3及び第4の曲面S4を含む。第3のレンズL3は、第5の曲面S5及び第6の曲面S6を含む。第4のレンズL4は、第7の曲面S7及び第8の曲面S8を含む。第5のレンズL5は、第9の曲面S9及び第10の曲面S10を含む。第6のレンズL6は、第11の曲面S11及び第12の曲面S12を含む。第7のレンズL7は、第13の曲面S13及び第14の曲面S14を含む。第8のレンズL8は、第15の曲面S15及び第16の曲面S16を含む。第1の曲面S1から第16の曲面S16は、入射光線100の透過方向に沿って連続的に配置される。第1の曲面S1から第16の曲面S16の曲率半径は、それぞれ42.8、9.2、13、−14、−14、4、4、65、62、16、16、−6、−6、−14、−13及び−40であり、単位はミリメートルである。曲率半径の最大偏差は5%であり、上限偏差が5%であって下限偏差が5%であり、すなわち±5%内にある条件付きの値も保護範囲に属する。
【0028】
図示の実施形態では、第1のレンズL1から第8のレンズL8は、球面を有する。第1のレンズL1から第8のレンズL8は、主光軸300の周りに回転対称である。具体的には、第1のレンズL1から第8のレンズL8の中央厚さは、それぞれ1ミリメートル、6ミリメートル、3ミリメートル、2ミリメートル、2ミリメートル、4ミリメートル、1ミリメートル、及び1ミリメートルであり、その上限偏差が5%であって下限偏差が−5%である。第1のレンズL1から第8のレンズL8の材料は、アッベ数に対する屈折率比が、1.62/60、1.69/54、1.7/40、1.6/32、1.56/58、1.69/50、1.75/27及び1.62/60であり、その上限偏差が5%であって下限偏差が−5%である。図示の実施形態では、主光軸300に沿った第2の曲面S2と第3の曲面S3との間の距離(すなわち、第1のレンズL1と第2のレンズL2との間の距離)は、6±5%ミリメートルである。主光軸300に沿った第8の曲面S8と第9の曲面S9との間の距離は、0.3±5%ミリメートルである。主光軸300に沿った第14の曲面S14と第15の曲面S15との間の距離は、18±5%ミリメートルである。
【0029】
図2は、別の実施形態による光学レンズの概略図である。図示の実施形態では、光学レンズは、第1のレンズL1から第8のレンズL8を含み、さらに第9のレンズL9を含む。第9のレンズL9と、第1のレンズL1から第8のレンズL8とは、入射光線100の透過方向に沿って連続的に同軸に配置される。具体的には、第9のレンズL9の材料は、アッベ数に対する屈折率の比が1.5/64であり、その上限偏差が5%であって下限偏差が−5%である。第9のレンズL9は、第17の曲面S17及び第18の曲面S18を含む。図示の実施形態では、第9のレンズL9は、平坦な保護ガラスであり、光学レンズを保護するように構成され、従って第17の曲面S17及び第18の曲面S18の曲率はゼロである。第9のレンズL9の厚さは3±5%ミリメートルである。第9のレンズL9は、非球状構造であり、入射光線に沿った第9のレンズL9の投射は、直径が42±5%ミリメートルの円形である。
【0030】
図2に示すように、全長(第17の曲面S17と結像面400との間の距離)は、51.7ミリメートルであり、その有効口径(入射光線に沿った第9のレンズL9の投射直径)は42ミリメートルであり、その上限偏差が5%であり下限偏差が−5%である。上述した光学レンズでは、焦点距離は22ミリメートル、口径比は1/5.6、画角は124度、結像面積はA=64×64平方ミリメートルであり、これらは、最新の電子工学製品の要求を満たすことができ、CCD画像レシーバで使用することができる。
【0031】
上述した光学レンズでは、同軸に配置した異なるタイプのレンズの組合せが導入され、これは比較的広い画角を有するだけでなく、超広角視野を有する。光学レンズの結像は、歪みなしで高解像力を実現することができ、地形と同一の実際の結像を得ることができ、高高度写真撮影及び空中写真撮影の要求を満たすことができる。色収差は、第1の接合レンズ組立体及び第2の接合レンズ組立体を設けることによって排除することができ、結像品質は相対的に高い。上述した光学レンズでは、焦点距離は22ミリメートル、口径比は1/5.6、画角は124度、結像寸法はA=64×64平方ミリメートルであり、それらは、最新の電子工学製品の要求を満たすことができる。
【0032】
図3は、
図2の光学レンズの光線の投写グラフである。これは絞り値が異なる全ての光線が貫通できることを示す。
図4は、
図2の光学レンズの非点収差及び歪みのグラフである。
図4では、非点収差及び歪みのグラフにおける垂直座標は、画角のサイズである。
図4から、光学レンズの歪みは殆どゼロであることが分かり、このことは、結像面が殆ど平坦面であり、色分散がさらに良く修正されることを示す。
図5は、
図2の光学レンズの変調伝達関数M.T.Fのグラフである。
図5から以下のことが結論付けられる。すなわち分解能が1ミリメートル当たり20線対に達し、画角が62度(TS 62.00 DEG)である場合、M.T.Fは0.4よりも大きく、このことは、口径比がより大きくかつ超広角視野を有する場合、光学レンズが相対的に理想レベルに達し得ることを表し、さらに光学レンズは相対的に高い画質を有することを表す。
図6は、
図2の光学レンズの分散グラフである。
図6から以下のことが結論付けられる。すなわち画角が44度(DBJ: 44.00 度)である場合、結像面上の結像高さは21.113ミリメートル(IMA:21.113ミリメートル)であり、結像面全体上の分散円の二乗平均平方根半径(RMS RADIUS)は9.921マイクロメートルであり、これは10マイクロメートル以内に制御することもでき、
図6は、光学レンズの画角が相対的に広い場合、光学レンズの結像は、比較的明瞭な状態のままであることも示す。また、分散円の幾何学的半径(GEO RADIUS)は
図6から直接観察することができる。
図6では、基準点(REFERENCE)に主光線(CHIEF RAY)をとる場合、拡大スケール(SCALE BAR)は200である。
【0033】
上述した光学レンズは、歪みがない超広角視野を有し、地形と同一の実際の結像を得ることができ、高高度写真撮影で使用することができて、空中検出又は測定の要求を満たす。
【0034】
当業者であれば、開示された実施形態において、いずれも発明の特許請求の範囲から逸脱しない多くの変更が可能であることを理解できることに留意されたい。従って、本発明の特許請求の範囲は、上述した詳細な実施形態だけに限定されるものではない。
【0035】
以上は、詳しく説明された本発明のいくつかの実施形態であり、本発明の範囲に対する限定とみなすべきではない。当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更及び改善が明らかであることに留意されたい。従って、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって定まる。
【符号の説明】
【0036】
100 入射光線
300 主光軸
L1 第1のレンズ
L2 第2のレンズ
L3 第3のレンズ
L4 第4のレンズ
L5 第5のレンズ
L6 第6のレンズ
L7 第7のレンズ
L8 第8のレンズ
S1 第1の曲面
S2 第2の曲面
S3 第3の曲面
S4 第4の曲面
S5 第5の曲面
S6 第6の曲面
S7 第7の曲面
S8 第8の曲面
S9 第9の曲面
S10 第10の曲面
S11 第11の曲面
S12 第12の曲面
S13 第13の曲面
S14 第14の曲面
S15 第15の曲面
S16 第16の曲面