(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367463
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ホイールディスク組立体
(51)【国際特許分類】
F01D 5/30 20060101AFI20180723BHJP
F01D 5/02 20060101ALI20180723BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
F01D5/30
F01D5/02
F01D25/00 X
F01D25/00 F
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-502645(P2017-502645)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公表番号】特表2017-522492(P2017-522492A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】EP2015065656
(87)【国際公開番号】WO2016008789
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2017年4月10日
(31)【優先権主張番号】14177461.2
(32)【優先日】2014年7月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508008865
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト・ヘル
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・カンプカ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・コルク
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ランゲ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァチェスラフ・ヴァイツマン
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−010704(JP,A)
【文献】
特開昭58−032905(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1916389(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第1944472(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0008593(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/02
F01D 5/30
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を備えたホイールディスク(2)と、前記ホイールディスク(2)の外周に沿って留め付けられる複数のブレード装置(3)と、互いから径方向において離間される第1および第2の環状の溝(5、6)に保持される複数の封止プレート(4)とを有し、
前記第1の環状の溝(5)は、前記ホイールディスク(2)に設けられ、環状の突起(7)によって軸方向外側に境界付けられ、
前記第2の環状の溝(6)は、個々の前記ブレード装置(3)に各々設けられると共に隣接して配置される多数の環状の溝の断片によって定められる、ホイールディスク組立体(1)において、
前記環状の突起(7)を通じて軸方向に延びる少なくとも1つの凹所(8)が設けられ、周囲方向における前記凹所(8)の最小幅が、内径における前記封止プレート(4)の幅より大きく、その結果、封止プレート(4)は、前記環状の溝(5、6)同士の間で前記凹所(8)を通じて軸方向に差し込むことができ、前記環状の溝(5、6)によって案内されつつ周囲方向において移動できることと、
少なくとも1つの閉止部品(9)が、前記封止プレート(4)よりも前記軸線の側に提供され、前記閉止部品(9)は、前記凹所(8)を閉止するように設計されると共に、前記ホイールディスク(2)に取り外し可能に留め付けることができ、
前記閉止部品(9)は、意図されているように備え付けられるとき、前記閉止部品(9)と少なくとも1つの封止プレート(4)との間に設けられる嵌め合いによって、軸方向において捕まえられて保持されることと
を特徴とする、ホイールディスク組立体(1)。
【請求項2】
前記嵌め合いは、前記閉止部品(9)から径方向に突出する少なくとも1つの突起と、前記封止プレート(4)に形成されると共に、前記突起が意図されているように備え付けられるときに係合する少なくとも1つの窪みとを用いて達成されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項3】
前記嵌め合いは、前記封止プレート(4)から径方向に突出する少なくとも1つの突起と、前記閉止部品(9)に形成されると共に、前記突起が意図されているように備え付けられるときに係合する少なくとも1つの窪みとを用いて達成されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの窪みは、周囲方向において延びる環状の断片の形態で溝(19;21)として設計され、前記少なくとも1つの突起は、周囲方向において延びる環状の断片の形態でウェブ(18;20)として設計されることを特徴とする、請求項2または3に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項5】
前記第1の環状の溝(5)は、アンダーカット設計のものであり、接触面(11)が設けられる少なくとも1つの軸方向に突出する保持突起(10)を、断面で見たときに有することと、前記封止プレート(4)は、内径の領域に少なくとも1つの軸方向に突出する支持突起(12)を、断面で見たときに各々有し、前記支持突起は、前記少なくとも1つの保持突起(10)に対応するように設計され、支持面(13)が設けられ、前記少なくとも1つの保持突起(10)の前記接触面(11)、前記少なくとも1つの支持突起(12)の前記支持面(13)、および、前記封止プレート(4)の高さは、前記封止プレート(4)の前記支持面(13)が、意図されているような前記ホイールディスク組立体(1)の動作の間の遠心力の作用の下で、前記少なくとも1つの保持突起(10)の前記接触面(11)にもたれて支持されるように設計されることとを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項6】
前記第1の環状の溝(5)は、互いと軸方向において反対に据え付けられて互いに向かって方向付けられると共に接触面(11)が各々設けられる2つの保持突起(10)を、断面で見たときに有することと、前記封止プレート(4)は、前記保持突起(10)に対応するように設計されて互いと軸方向において反対に据え付けられると共に互いから離れる向きに方向付けられる、内径の領域における2つの支持突起(12)を、断面で見たときに備え、前記突起の各々は支持面(13)が設けられ、前記接触面(11)および前記支持面(13)は、前記封止プレート(4)の前記支持面(13)が、意図されているような前記ホイールディスク組立体(1)の動作の間の遠心力の作用の下で、前記保持突起(10)の前記接触面(11)にもたれて支持されるように設計されることとを特徴とする、請求項5に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの保持突起(10)の前記接触面(11)と、前記封止プレート(4)の前記接触面(13)とは、径方向と軸方向との両方を各々横断して延びることを特徴とする、請求項5または6に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項8】
前記封止プレート(4)の側面(14)は少なくとも一部において軸方向を横断して延び、前記封止プレート(4)の側面(14)は、前記封止プレート(4)同士が、それらの側面(14)の領域において、意図されている状態において軸方向に対して重なるように設計されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項9】
前記封止プレート(4)の側面(14)は段付き設計のものであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のホイールディスク組立体(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの閉止部品(9)は、周囲方向において突出し、意図されている状態において、前記凹所(8)の対応するように設計されたポケット(15)において係合する閉止部品突起(16)を、両側において有することを特徴とする、請求項8に記載のホイールディスク組立体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールディスクと、ホイールディスクの外周に沿って留め付けられる複数のブレード装置と、互いから径方向において離間された2つの環状の溝に保持される複数の封止プレートとを有し、第1の環状の溝が、ホイールディスクに設けられ、環状の突起によって軸方向外側に境界付けられ、第2の環状の溝が、個々のブレード装置に各々設けられる隣接して配置された多数の環状の溝の断片によって定められる、ホイールディスク組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
最初に述べた種類のホイールディスク組立体は、先行技術において多くの異なる実施形態で知られている。組立の間、ブレード装置はホイールディスクにおける溝に差し込まれ、封止プレートも続いて2つの環状の溝へと差し込まれる。最後の2つのブレード装置を設置することができるようにするために、すべての封止プレートがすでに備え付けられており、それらの重なる領域を越えて環状の溝へと、ブレード装置がホイールディスクの関連する溝へと設置され得る程度まで移動されていることが必要である。次に、封止プレートは、その意図されている位置へと、周囲方向において再び押し戻され、そこで変位に対する適切な手法で不動とされる。
【0003】
既知のホイールディスク組立体の1つの欠点は、封止プレートが、保守の場合に取り外すのに、2つの隣接するブレード装置を取り外すことが最初に必要であり、これが実際には相当の量の作業を伴うため、難しいことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この先行技術を起点として、封止プレートが容易に取り外しおよび再設置できる最初に述べた種類のホイールディスク組立体を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、環状の突起を通じて軸方向に延びる少なくとも1つの凹所が設けられ、周囲方向における凹所の最小幅が、内径における封止プレートの幅より大きく、その結果、封止プレートは、環状の溝同士の間で凹所を通じて軸方向に差し込むことができ、環状の溝によって案内されつつ周囲方向において移動できることと、凹所を閉止するように設計され、ホイールディスクに取り外し可能に留め付けできる少なくとも1つの閉止部品が提供され、閉止部品は、意図されているように備え付けられるとき、閉止部品と少なくとも1つの封止プレートとの間に設けられる嵌め合いによって、軸方向において捕まえられて保持されることとを特徴とする、最初に述べた種類のホイールディスク組立体を提供する。本発明による凹所のおかげで、封止プレートは、すべてのブレード装置がすでにホイールディスクに備え付けられている場合であっても、関連付けられる環状の溝へと簡単な手法で差し込みでき、それによって組立を非常に融通の利くものにする。さらに、個々の封止プレートは、保守の場合に、問題なく、凹所を通じて大きな労力なしで、再び取り外しできる。閉止部品と少なくとも1つの封止プレートとの間に設けられる嵌め合いのおかげで、閉止部品を備え付けられた状態で不動とするための追加の保持要素は過剰であり、それによって、少ない構成要素を伴う非常に簡単な構造を確保する。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、嵌め合いは、閉止部品から径方向に突出する少なくとも1つの突起と、封止プレートに形成されると共に、突起が意図されているように備え付けられるときに係合する少なくとも1つの窪みとを用いて達成される。
【0007】
本発明の代替の実施形態によれば、嵌め合いは、封止プレートから径方向に突出する少なくとも1つの突起と、閉止部品に形成されると共に、突起が意図されているように備え付けられるときに係合する少なくとも1つの窪みとを用いて達成される。
【0008】
少なくとも1つの窪みは、周囲方向において延びる環状の断片の形態で溝として有利に設計され、少なくとも1つの突起は、周囲方向において延びる環状の断片の形態でウェブとして設計され、それによって、構造の簡素化を確保する。
【0009】
第1の環状の溝は、好ましくは、アンダーカット設計のものであり、接触面が設けられる少なくとも1つの軸方向に突出する保持突起を、断面で見たときに有し、封止プレートは、内径の領域に少なくとも1つの軸方向に突出する支持突起を、断面で見たときに各々有し、前記支持突起は、少なくとも1つの保持突起に対応するように設計され、支持面が設けられ、少なくとも1つの保持突起の接触面、少なくとも1つの支持突起の支持面、および、封止プレートの高さは、封止プレートの支持面が、意図されているようなホイールディスク組立体の動作の間の遠心力の作用の下で、少なくとも1つの保持突起の接触面にもたれて支持されるように設計される。この実施形態のおかげで、封止プレートの固有の重量が、意図されているようなホイールディスク組立体の動作の間の遠心力の作用の下で、ホイールディスクの少なくとも1つの保持突起によって支持される。これは、負わされる遠心力が封止プレートから「切り離される」ため、ホイールディスクとブレード装置との間の結合における負荷を軽減する。これは、ホイールディスクがブレード装置との結合の前記領域においてより薄く作られ得る効果を有する。同じことは、ブレード装置がホイールディスクに保持されるのに用いられるブレード装置のプラットフォームにも当てはまるが、それは、これらプラットフォームが封止プレートの固有の重量を支持する必要がないためである。全体として、非常に低コストの構造がこの方法で得られる。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、第1の環状の溝は、互いと軸方向において反対に据え付けられて互いに向かって方向付けられると共に接触面が各々設けられる2つの保持突起を、断面で見たときに有し、封止プレートは、保持突起に対応するように設計されて互いと軸方向において反対に据え付けられると共に互いから離れる向きに方向付けられる、内径の領域における2つの支持突起を、断面で見たときに備え、前記突起の各々は支持面が設けられ、接触面および支持面は、封止プレートの支持面が、意図されているようなホイールディスク組立体の動作の間の遠心力の作用の下で、保持突起の接触面にもたれて支持されるように設計される。追加の保持突起および追加の支持突起を設けることで、封止プレートの重量が、意図されているような動作の間により均一に分配され、それによって、ホイールディスクへの力のより良好な安定および導入を達成する。
【0011】
少なくとも1つの保持突起の接触面と、封止プレートの接触面とは、好ましくは、径方向と軸方向との両方を各々横断して延びる。別の言い方をすれば、接触面および支持面は各々傾斜している。
【0012】
封止プレートの側面は、有利には、少なくとも一部において軸方向を横断して延び、封止プレートの側面は、封止プレート同士が、それらの側面の領域において、意図されている状態において軸方向に対して重なるように設計される。この方法では、封止効果は、隣接して配置される封止プレートの側面同士の間の軸方向において達成される。
【0013】
封止プレートの側面は、有利には、段付き設計のものであり、その結果、封止プレートは、周囲方向における互いとの重なりを保持しつつ、特定の量で移動できる。段付きは、ホイールディスク組立体のすべての封止プレートが備え付けられた状態において、2つの隣接して配置された封止プレートの間に、単一の封止プレートの幅より大きい空間を設定することが可能であるように、封止プレートを一緒に押すことができるような方法で選択されるべきである。このような実施形態は、図を参照して後で記載される実施形態から明らかであるように、封止プレートが備え付けられる方法に依存して、有利であり得る。
【0014】
少なくとも1つの閉止部品は、意図されている状態において、凹所の対応するように設計されたポケットにおいて係合する径方向外向きに突出した閉止部品突起を、両側において好ましくは有する。この方法では、閉止部品は、周囲方向においてホイールディスクで不動とされ得る。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照しつつ、本発明によるホイールディスク組立体の様々な実施形態の以下の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】完全に組み立てられた状態における、本発明の一実施形態によるホイールディスク組立体の斜視図である。
【
図3】
図2に示されている組立体の拡大側面図である。
【
図4】閉止部品が図示の目的のために省略されている、
図2に示されている組立体の拡大図である。
【
図5】
図2〜
図4に示されている組立体の、本発明による代替の実施形態の拡大側面図である。
【
図6】
図2〜
図4に示されている組立体の、本発明による別の代替の実施形態の拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜
図4は、本発明の一実施形態によるホイールディスク組立体1、またはその構成要素を示す。ホイールディスク組立体1は、ホイールディスク2と、ホイールディスク2の外周に沿って留め付けられている複数のブレード装置3と、互いから径方向において離間されている2つの環状の溝5および6においてホイールディスク2とブレード装置3と間で保持されている複数の封止プレート4とを備えている。この組立体では、第1の環状の溝5は、ホイールディスク2に設けられ、環状の突起7によって軸方向外側に境界付けられている。第2の環状の溝6は、ブレード装置3に各々形成されていると共に隣接して配置されている多数の環状の溝の断片によって定められている。封止プレート4の設置を容易にするために、ホイールディスク2は、環状の突起7を通じて軸方向に延びる少なくとも1つの凹所8を備えており、周囲方向における凹所の最小幅が、内径における封止プレート4の幅より大きい。したがって、封止プレート4は、環状の溝5および6の間で凹所8を通じて軸方向に差し込むことができ、環状の溝5および6によって案内されつつ周囲方向において移動できる。凹所8の閉止のために、ホイールディスク組立体1は、ホイールディスク2に取り外し可能に留め付けできる閉止部品9をさらに備えている。ホイールディスク2に設けられた第1の環状の溝5は、アンダーカット設計のものであり、互いと軸方向において反対に据え付けられて互いに向かって方向付けられていると共に接触面11が各々設けられている2つの保持突起10を、断面で見たときに有している。封止プレート4は、保持突起10に対応するように設計されて互いと軸方向において反対に据え付けられると共に互いから離れる向きに方向付けられる、内径の領域における2つの支持突起12を、断面で見たときに備えており、前記支持突起の各々は支持面13が設けられている。保持突起10および支持突起12は、径方向Rと軸方向Aとの両方を各々横断して延びており、この場合には、他の傾斜も可能であるが、角の二等分線で配置されている。保持突起10の接触面11、支持突起12の支持面13、および、封止プレート4の高さは、封止プレート4の支持面13が、意図されているようなホイールディスク組立体1の動作の間の遠心力の作用の下で、保持突起10の接触面11にもたれて支持されるよう
に設計または選択されている。
【0018】
封止プレート4の側面14は少なくとも一部において軸方向Aを横断して延びており、封止プレート4の側面14は、封止プレート4同士が、それらの側面14の領域において、意図されている状態において軸方向Aに対して重なるように設計されている。この場合には、封止プレート4の側面14は段付きの設計のものであり、その結果、隣接して配置されて相互に重なる封止プレート4は、重なりを保持しつつ径方向において移動され得る。重なりの延在は、
図1に示しているように、すべての封止プレート4がホイールディスク組立体1に備え付けられている状態で、封止プレート4の最大幅より大きい空間が2つの隣接して配置されている封止プレート4の間に設定され得るように、封止プレート4が互いへと押され得るように選択されている。凹所8は、環状の突起7全体を通じて軸方向に延びると共に径方向においてアンダーカットを形成している、両方の側に配置されたポケット15を、備えている。閉止部品9は、意図されているように配置される閉止部品9の状態において、ポケット15に対応してポケット15において係合するように設計されている、径方向外向きに突出した閉止部品突起16を有しており、それによって、閉止部品9が径方向において不動とされることを確保する。閉止部品9は、少なくとも1つの封止プレート4を受け入れるように作用する受入面17をさらに備えている。受入面17の領域において、閉止部品9は、径方向において延びると共に、意図されている状態において封止プレート4の対応するように設計された溝19において係合するウェブ18を有しており、前記溝は封止プレート4の内径において設けられている。
【0019】
図1に示したホイールディスク組立体1を組み立てるために、ブレード装置3のすべては、第1のステップにおいて、ホイールディスク2に既知の手法で留め付けられる。この後、個々の封止プレート4が、凹所8を通じて環状の溝5および6へと軸方向に順次導入され、次に、周囲方向に移動され、一方が他方にもたれて配置される。封止プレート4の側面14の段付きの実施形態のおかげで、ここでは、凹所8の領域は、すべての封止プレート4の備え付けの後、封止プレートから自由なままであることが可能である。さらなるステップでは、閉止部品9は次に凹所8へと軸方向に差し込まれ、凹所8では、閉止部品突起16が環状の突起7のポケット15と係合するように入り、それによって、閉止部品9が径方向で不動とされることを確保する。続くステップでは、封止プレート4は、周囲方向において、封止プレート4の意図されている位置へと移動される。この過程の間、2つの隣接する封止プレート4の封止プレート4における溝19は、各々、閉止部品9の受入面17から突出しているウェブ18との嵌め合い係合へと部分的に移動される。さらなるステップでは、封止プレート4は、適切な手段によって、封止プレート4の意図されている周囲方向の位置に固定される。したがって、例えば、固定は、封止プレート4に設けられて径方向に延びているスロット孔を貫いて延びると共にホイールディスク2に固定されるボルト(具体的には示されていない)を用いて達成できる。スロット孔は、意図されているようなホイールディスク組立体1の動作の間の径方向における封止プレート4の移動を可能にするように作用する。当然ながら、代替として、封止プレート4の意図されている周囲方向の位置において封止プレート4を固定するために、他の適切な留め付け手段を使用することも可能である。ここで完全に組み立てられたホイールディスク組立体1の状態において、閉止部品9は、封止プレート4における溝19とウェブ18との間の嵌め合い係合のおかげで、軸方向においても固定および不動とされる。
【0020】
ホイールディスク組立体1の1つの重大な利点は、ブレード装置3がすでに固定されているとき、または、ホイールディスク2になおも固定されているときであっても、封止プレート4が、問題なく嵌めることができると共に容易に取り外しできることである。さらに、保持突起10の接触面11、支持突起12の支持面13、および、封止プレート4の高さは、封止プレート4の支持面13が、意図されているようなホイールディスク組立体1の動作の間の遠心力の作用の下で、保持突起10の接触面11にもたれて支持されるように設計されている。したがって、封止プレート4の固有の重量がホイールディスク2によって支持されており、これは、ホイールディスク2とブレード装置3との間の結合の領域が、頑強としてある必要がなく、したがってより低コストで製作できる、という効果を有する。保持突起10および支持突起12の対称的な設計のおかげで、ホイールディスク2への力の非常に均一な導入がさらに達成されている。さらに、閉止部品9は、全体として簡単な構造が結果的に達成される閉止部品9のウェブ18と封止プレート4における溝19との間の嵌め合いのおかげで、閉止部品9の意図されている位置に、追加の不動要素を用いずに、簡単な手法で不動とされる。しかしながら、前記嵌め合いは、閉止部品9に設けられる窪みと、封止プレート4から径方向に突出する突起またはウェブとを用いて達成されてもよいことが、明らかにされるべきである。
【0021】
同一または同様の構成要素が
図1〜
図4においてと同じ符号で提供されている
図5に示しているように、単一の保持突起10と単一の支持突起12とを提供することが原理上は十分であることは、さらに留意されるべきである。他の点において、
図5に示した組立体は、
図2〜
図4を参照して先に説明した組立体に対応している。
【0022】
図6は、
図2〜
図4に示した組立体の別の代替の実施形態を示しており、この実施形態では、閉止部品9を軸方向に不動にするために、径方向内向きに突出するウェブ20が封止プレート4に形成されており、対応するように設計された溝21が閉止部品9に設けられており、それによって、意図されているような組立体の状態において、閉止部品9と封止プレートとの間に嵌め合いを達成している。他の点では、組立体は一致しており、そのため、同一または同様の構成要素は同じ符号が与えられている。
【0023】
本発明は、好ましい例示の実施形態を用いて詳細に記載および図示されてきたが、開示した例によって限定されず、他の変形が、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、当業者によって本明細書から導き出され得る。
【符号の説明】
【0024】
1 ホイールディスク組立体
2 ホイールディスク
3 ブレード装置
4 封止プレート
5 第1の環状の溝
6 第2の環状の溝
7 環状の突起
8 凹所
9 閉止部品
10 保持突起
11 接触面
12 支持突起
13 支持面
14 側面
15 ポケット
16 閉止部品突起
17 受入面
18 ウェブ
19 溝
20 ウェブ
21 溝