(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体的に説明するために実施形態に基づいて説明し、発明の理解を助けるために添付図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明による実施形態は色々の他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に詳述する実施形態に限定されるものとして解釈されてはいけない。本発明の実施形態は当該分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供するものである。
【0024】
本発明の実施形態の説明において、各要素(element)の“上又は下(on or under)”に形成されるものとして記載される場合、上又は下(on or under)は二つの要素(element)が互いに直接(directly)接触するものと一つ以上の他の要素(element)が前記二つの要素(element)の間に配置されて(indirectly)形成されるものの両者を含む。また“上又は下(on or under)”で表現される場合、一要素(element)を基準に上方だけでなく下方の意味も含むことができる。
【0025】
図面において、各層の厚さ又は大きさは説明の便宜及び明確性のために誇張又は省略されるかあるいは概略的に図示されている。また、各構成要素の大きさは実際の大きさをそのまま反映するものではない。
【0026】
図1はシリコン単結晶成長装置の一実施形態を示した図である。
【0027】
図1に示した実施形態のシリコン単結晶成長装置は、チャンバー10、シリコン溶融液を収容するるつぼ30、るつぼの外側に配置されるヒーター20及び遮熱部40を含むことができる。
【0028】
チャンバー10は内部にキャビティ(cavity)が形成された円筒形であってもよく、チャンバー10の上部にはプル(Pull)チャンバー(図示せず)が連結されて配置されることができる。
【0029】
チャンバー10内にはシリコン溶融液SMを収容するるつぼ30が配置されることができる。るつぼ30はチャンバー10内の中央領域に配置されることができ、全体的に凹んでいる鉢状であってもよい。また、前記るつぼ30は、前記シリコン溶融液SMと直接接触する石英るつぼと、前記石英るつぼの外面を取り囲んで前記石英るつぼを支持する黒鉛るつぼとからなることができる。
【0030】
前記るつぼ30の側面には、前記るつぼ30に向けて熱を供給するためのヒーター20が配置されることができる。ヒーター20はるつぼ30の外周面から所定間隔で隔たってるつぼ30の外側に配置されることができ、るつぼ30の側部を取り囲むように円筒状に配置されることができる。また、チャンバー10の上部には成長した単結晶50の冷却のための水冷管60がさらに含まれることができる。
【0031】
単結晶成長装置のチャンバー10内には、ヒーター20によって加熱されたるつぼ30の熱を保存するために、遮熱部40が配置されることができる。遮熱部40はヒーター20とチャンバー10の間に含まれることができ、るつぼ30の上部に配置される上側遮熱部とるつぼ30の側面に配置される側面遮熱部及びるつぼ30の下側に配置される下側遮熱部を含むことができるが、遮熱部40の配置はこれに限定されるものではない。
【0032】
遮熱部40は、ヒーター20及びるつぼ30で最適の熱的分布を形成し、そのエネルギーをできるだけ損失なしに活用可能にする素材及び形状に設計されることができる。
【0033】
図1に示した実施形態の単結晶成長装置は補助遮熱部70を含むことができる。
【0034】
補助遮熱部70はるつぼの上部に配置されることができ、上下移動が可能である。
【0035】
図2a及び
図2bは補助遮熱部の一実施形態を示す図である。
【0036】
図2a及び
図2bを参照すると、補助遮熱部70A、70Bは、シードチャックを取り囲んで配置されるために、上面と下面が開放した円筒状の側面を有することができ、側面の内部は空いている形状であってもよい。
【0037】
補助遮熱部70A、70Bは
図2aのようなディスク状又は
図2bのような円錐台状であってもよいが、これに限定しない。補助遮熱部70A、70Bはグラファイト(graphite)又はCCM(Carbon composite material)素材を含むことができる。
【0038】
補助遮熱部70A、70Bの下面は単結晶の胴体部から一定間隔を維持するように平らに(Flat)形成されることができる。
【0039】
補助遮熱部70A、70Bの上部にはワイヤ72が付着されることにより、上下移動可能に調節可能である。この際、ワイヤ72は後述するシリコン単結晶成長装置の実施形態において第1ワイヤ72であってもよい。また、図面で補助遮熱部に連結されたワイヤ72は2本のみ示されているが、実施形態はこれに限定しなく、3本以上のワイヤが補助遮熱部に連結されて補助遮熱部の移動を調節することができる。
【0040】
図3は一実施形態の単結晶成長装置の一部分を示した図である。
【0041】
図3を参照すると、補助遮熱部70は収容されたシリコン溶融液SMの上部に配置されることができ、例えばシリコン溶融液SMから成長するシリコン単結晶50の上部に隔たって配置されることができる。
【0042】
また、補助遮熱部70は単結晶50の胴体部Bから一定間隔を維持することにより、成長する単結晶の胴体部Bでの無欠陷領域が増加するように上昇速度が制御できる。
【0043】
この際、補助遮熱部70と単結晶胴体部Bの間の離隔した一定間隔は単結晶を製造する成長工程条件によって変わるように制御できる。
【0044】
すなわち、単結晶成長工程において、単結晶の引上速度、るつぼ内のシリコン溶融液の温度又はチャンバー内の温度条件などによって補助遮熱部70と単結晶胴体部Bが離隔した間隔は調節可能である。
【0045】
補助遮熱部70は、成長する単結晶50の肩部Sと胴体部Bの境界から一定間隔(d)を維持するように配置できる。
【0046】
例えば、補助遮熱部70は胴体部Bの上部に配置されることができ、胴体部Bの始点であるインゴットの肩部Sと胴体部Bの境界からの間隔(d)が150mm〜300mmに維持されるように速度を制御することができる。
【0047】
補助遮熱部70は、胴体部Bから一定間隔を維持するために、0.5mm/min〜0.7mm/minの上昇速度を有することができる。0.7mm/minより速い速度で補助遮熱部70を上昇させれば、成長する単結晶50と補助遮熱部70の間隔(d)が増加し、単結晶50の中心と外側での温度勾配の差を目標値に減らすことができなく、0.5mm/minより遅い速度で移動する場合は、成長する単結晶50との接触危険が発生し得る。
【0048】
補助遮熱部70の上昇速度は成長する単結晶50の引上速度(Pulling speed)と同一であってもよい。
【0049】
すなわち、単結晶成長工程において肩部Sと胴体部Bの始部には補助遮熱部70と単結晶50の引上速度を同一にするとともに補助遮熱部70が胴体部50から一定間隔を維持するようにして成長する単結晶胴体部での冷却速度を調節することにより、胴体部Bの始部に形成される結晶において無欠陷領域を増加させることができる。
【0050】
図4a及び
図4bは補助遮熱部70の適用有無による胴体部Bでの結晶欠陥領域を図式化して示した図である。
【0051】
図面で、X軸は単結晶胴体部の軸方向への長さ(Axial Length)であり、胴体部Bの始点、つまり肩部Sと胴体部Bの境界地点が0mmであり、単結晶が成長する軸方向に増加する長さに相当する。
【0052】
図面で、Y軸は単結晶の引上速度(Pulling speed)を示したものであり、図面に実線で表示したものは単結晶胴体部の長さによる引上速度の変化を示したものである。
【0053】
また、Y軸方向は胴体部の成長する長手方向の一地点での半径方向に相当することができる。例えば、グラフに示したY軸領域の中心は単結晶断面の中心部に相当することができ、これを基準にY軸値が減る方向と増える方向はそれぞれ単結晶断面の外側領域に相当することができる。
【0054】
図面に点線で表示したものは結晶の欠陥領域の分布を区分して示したもので、1)領域はベイカンシー欠陥領域であるOctahedral void領域であり、2)領域は酸化誘起積層欠陷(OiSF、Oxidation Induced Stacking fault)領域、3)領域は無欠陷領域を示す。
【0055】
図4aは補助遮熱部70が適用されなかった場合の単結晶胴体部での結晶欠陥分布を示したものである。
【0056】
図4aの図示を参照すると、補助遮熱部が配置されなかった場合、単結晶に含まれた欠陥領域は胴体部の長さが350mmである地点まで分布されており、その上、胴体部の半径方向に同種の欠陥形態が配置される領域だけでなくOctahedral void欠陷、OiSF欠陷、無欠陷領域が皆含まれる領域も現れることを確認することができる。
【0057】
これに対し、
図4bの補助遮熱部70が適用された場合の結晶の欠陥分布においては、胴体部の長さが200mmより長くなった場合は欠陷がない無欠陷領域のみ分布し、胴体部の長さが200mm以下の場合は欠陥分布領域でも胴体部の半径方向に同一結晶欠陷の形態が現れることを確認することができる。
【0058】
すなわち、補助遮熱部70をシリコン溶融液SMの上部に配置するとともに単結晶から一定間隔を維持するようにして単結晶成長工程を進めば、補助遮熱部70がるつぼに収容されたシリコン融液SMの上方に損失される熱を遮蔽することにより、単結晶成長が進行しているうちに肩部Sと胴体部Bの始部での急速な冷却を防止することができ、急速冷却によって発生し得る結晶欠陥領域を減らすことができる効果を有することができる。
【0059】
実施形態の単結晶成長装置において補助遮熱部70の上昇速度は、補助遮熱部70の上昇方向に垂直な胴体部切断面の中心と外側での温度差を減少させるように制御することができる。
【0060】
図5は補助遮熱部70の適用有無による単結晶胴体部での温度(K)分布を示したグラフである。
図5のグラフで、AとBは単結晶胴体部断面の外側領域に対する結果を示すもので、Aは補助遮熱部が配置されなかった場合、Bは補助遮熱部が配置された場合である。また、CとDは胴体部断面の中心領域に対するもので、Cは補助遮熱部が配置されなかった場合、Dは補助遮熱部が配置された場合である。
【0061】
図5を参照すると、補助遮熱部70を含んでいない単結晶成長装置によって成長した単結晶の場合、胴体部の中心(C)と外側(A)での温度差は胴体部の長さが増えるほど大きくなる。
【0062】
一方、補助遮熱部70を含むとともに胴体部から一定間隔を維持するように補助遮熱部の移動速度を制御する実施形態の単結晶成長装置によって成長した単結晶の場合、胴体部の長さが長くなって400mmまで成長した場合にも胴体部の中心(D)と外側Bでの温度差がほとんど現れないことが分かる。
【0063】
したがって、実施形態の単結晶成長装置に補助遮熱部70を配置し、上昇速度を制御することにより、単結晶成長時に胴体部断面での温度差を減らして結晶欠陷の分布を均一にすることができる。
【0064】
実施形態の単結晶成長装置において、補助遮熱部70の上昇速度は、補助遮熱部の上昇方向に垂直な胴体部の切断面の中心と外側での冷却速度(Cooling Speed)の差を減少させるように制御することができる。
【0065】
図6は補助遮熱部70の適用有無による単結晶胴体部での温度勾配(TemperatureGradient、K/cm)を示したグラフである。
【0066】
図6で、温度勾配(Temperature Gradient)は冷却速度(Cooling Speed)であってもよい。また、
図5と同様に、AとCは補助遮熱部が配置されなかった場合の単結晶断面の外側領域と中心をそれぞれ示し、BとDは補助遮熱部が配置されて速度が制御される実施形態の単結晶成長装置を使った場合の単結晶断面の外側領域と中心をそれぞれ示す。
【0067】
図6を参照すると、補助遮熱部70が適用されない場合、単結晶の胴体部の中心(C)と外側領域(A)で冷却速度の差があることを確認することができ、胴体部の長さ100mm〜200mmの領域では冷却速度、つまり温度勾配の差が5K/cm以上であることが分かる。
【0068】
これに対し、補助遮熱部70を含む実施形態の単結晶成長装置を使った場合、胴体部の中心(D)と外側(B)での冷却速度の差がほとんど発生しないことを確認することができる。
【0069】
したがって、実施形態の単結晶成長装置は、補助遮熱部が成長する単結晶胴体部から一定間隔を有するように上昇速度を制御して、補助遮熱部の上昇方向に垂直な胴体部の切断面の中心と外側での冷却速度の差を減少させることにより、結晶欠陥領域を調節し、胴体部での無欠陷領域の分布を増加させることができる。
【0070】
例えば、実施形態の場合、胴体部切断面の中心(D)と外側(B)での冷却速度の差が1K/cm未満であってもよい。
【0071】
図7はシリコン単結晶成長装置の一実施形態を示した図である。
【0072】
以下、図面を参照して説明する単結晶成長装置の実施形態に対しては、上述した単結晶成長装置の実施形態と重複する内容は再び説明せずに、相違点を中心に説明する。
【0073】
図7に示した一実施形態のシリコン単結晶成長装置は、チャンバー10、シリコン溶融液を収容するるつぼ30、るつぼの外側に配置されるヒーター20、遮熱部40、単結晶の引上速度を制御する主制御部140及び補助遮熱部の上昇速度を制御する補助制御部130を含むことができる。
【0074】
また、一実施形態のシリコン単結晶成長装置は、るつぼ30の上側から単結晶の引上方向に伸びて配置された水冷管60と、単結晶及び補助遮熱部にワイヤ72、52で連結された引上装置110とを含むことができる。
【0075】
引上装置110は、補助遮熱部70の上面に第1ワイヤ72で連結された第1引上部114、及び成長するシリコン単結晶に第2ワイヤ52で連結された第2引上部112を含むことができる。
【0076】
第1引上部114は補助遮熱部70に連結されて補助遮熱部をるつぼの上方に上昇させる引上手段であってもよい。第1引上部114は少なくとも一つ以上であってもよく、補助遮熱部70が均衡的に上昇するように複数でなることができ、また補助遮熱部70と第1引上部114を連結する第1ワイヤ72も複数が配置されることができる。
【0077】
第2引上部112は成長する単結晶をるつぼの上方に移動させる引上手段であってもよく、第2引上部は単結晶の成長が始まる単結晶シード部に第2ワイヤ52で連結されることができる。また、第2引上部112は単結晶の上端に連結されたシードチャックにワイヤ52で連結されることができる。
【0078】
補助制御部130は、引上装置110から出力される成長した単結晶胴体部と補助遮熱部の位置情報を入力されることができ、また補助制御部130で演算された補正値を引上装置110に再びフィードバックすることができる。この際、フィードバックされた値は引上装置110の補助遮熱部引上装置である第2引上部114に伝達されることができる。
【0079】
図8は補助制御部130の構成を簡略に示したブロック図である。
【0080】
図8を参照すると、補助制御部130は、位置値センシング部132、ギャップ(GAP)演算部134、補正値生成部136及び第1駆動部138を含むことができる。
【0081】
位置値センシング部132は引上装置で確認される単結晶胴体部の位置と補助遮熱部の位置値を取得するものであってもよい。
【0082】
例えば、単結晶胴体部の位置値は成長した単結晶で胴体部が始まる地点の位置値であってもよく、補助遮熱部の位置値は補助遮熱部の下面の位置値であってもよい。
【0083】
ギャップ演算部134は位置値センシング部132で獲得した胴体部と補助遮熱部のそれぞれの位置値から両者間の離隔した間隔を抽出するものであってもよい。
【0084】
例えば、
図3をまた参照すると、胴体部と補助遮熱部の離隔した間隔は胴体部の始部と補助遮熱部の下面の間の間隔であるdであってもよい。
【0085】
この際、胴体部の始部は肩部Sと胴体部Bの境界に相当することができる。
【0086】
補正値生成部136は、ギャップ演算部134で演算された胴体部と補助遮熱部の間の離隔間隔からこれに相応する補助遮熱部の上昇速度の補正値を抽出するものであってもよい。
【0087】
この際、胴体部と補助遮熱部の間の離隔(Gap)値の目標値が設定されることができ、設定された目標離隔値と演算された離隔間隔値を比較することによって上昇速度の補正値を抽出することができる。
【0088】
例えば、胴体部と補助遮熱部の離隔間隔値が目標値の範囲内にある場合、補正値が反映された補助遮熱部の上昇速度値は現在の上昇速度値と同一であっても良い。また、演算された離隔間隔値が目標値より大きい場合、補正された上昇速度は現在の上昇速度より小さくてもよく、演算された離隔間隔値が目標値より小さい場合、補正された上昇速度は現在の上昇速度より大きくてもよい。
【0089】
すなわち、上昇速度補助値は、胴体部と補助遮熱部の離隔間隔値が目標値の範囲と一致するように調節できる。
【0090】
この際、目標値は150mm〜300mmであってもよい。
【0091】
補助制御部130は第1駆動部138を含むことができる。
【0092】
第1駆動部138は補助遮熱部を引上装置110によって引き上げるようにする信号を出力するものであってもよい。第1駆動部138は、補正値生成部136で生成された補正上昇速度値のデータを引上装置110に伝達することができる。
【0093】
第1駆動部138は補助遮熱部の上昇速度を制御して動作させるためのサーボモーター(Servo Motor)であってもよい。
【0094】
すなわち、補助制御部130によって制御されて上昇する補助遮熱部70は成長する単結晶50の肩部Sと胴体部Bの境界から一定間隔(d)を維持するように制御できる。
【0095】
この際、補助遮熱部70と単結晶胴体部Bの間の離隔した一定間隔は単結晶を製造する成長工程条件によって変わるように制御できる。
【0096】
すなわち、単結晶成長工程において、単結晶の引上速度、るつぼ内のシリコン溶融液の温度又はチャンバー内の温度条件などによって補助遮熱部70と単結晶胴体部Bが離隔した間隔が調節できる。
【0097】
例えば、補助遮熱部70は胴体部Bの上部に配置されることができ、胴体部Bの始点であるシリコン単結晶インゴットの肩部Sと胴体部Bの境界からの間隔(d)を150mm〜300mmに維持するように速度を制御することができる。
【0098】
また
図7を参照すると、主制御部140はチャンバーの上部一側に配置されるセンサー141で獲得した信号を受信して単結晶の引上速度を調節するように引上装置110に信号を伝達する部分であってもよい。
【0099】
図7で、センサー141はチャンバーの上部一側に配置されるビューポート(View Port)を通じて単結晶の成長程度を感知するものであってもよい。
【0100】
センサー141は成長する単結晶の直径を測定するもので、赤外線センサー(IR sensor)、CCDカメラ又は高温計(pyrometer)などの多様なセンサーが使われることができ、例えばADC(Automatic Diameter Control)センサーであってもよい。
【0101】
センサー141で感知された情報はシリコン単結晶の直径変化を類推することができる光学情報又は映像情報であってもよい。
【0102】
センサーで感知された成長する単結晶の直径変化値についての情報は主制御部140に伝達されることができる。
【0103】
図9は主制御部140の構成を簡略に示したブロック図である。
【0104】
図9を参照すると、主制御部140は、直径センシング部142、引上速度決定部144及び第2駆動部146を含むことができる。
【0105】
直径センシング部142は上述したセンサー141で感知されて伝達された情報からシリコン単結晶の直径値を抽出するものであってもよい。
【0106】
直径センシング部142では工程進行によるシリコン単結晶の直径の変化値を連続的に得ることができる。
【0107】
直径センシング部142で獲得されたシリコン単結晶の直径値は引上速度決定部144に伝達されることができる。
【0108】
引上速度決定部144では直径センシング部142から入力される単結晶の直径値から単結晶の引上速度(Pulling speed)を決定することができる。
【0109】
例えば、直径センシング部142から入力された成長するシリコン単結晶の直径に対するデータから単結晶の引上速度の調節可否を判断し、PID制御を用いて引上速度を変更することができる。
【0110】
すなわち、目標直径値と直径センシング部142で感知された測定直径値を比較し、目標値と測定値の間に差がある場合、単結晶引上速度値を調節することができる。
【0111】
例えば、測定された直径値が目標直径値より大きい場合、引上速度を現在の引上速度より速く調節することができ、測定された直径値が目標直径値より小さい場合、引上速度を現在の引上速度より遅く調節することができる。
【0112】
主制御部140は第2駆動部146を含むことができる。
【0113】
第2駆動部146はシリコン単結晶が引上装置110によって引き上げられるようにする信号を出力するものであってもよい。第2駆動部146は引上速度決定部144で生成された補正引上速度値のデータを引上装置110に伝達することができる。
【0114】
第2駆動部146は成長する単結晶の引上速度を制御して第2引上部112を動作させるためのサーボモーター(Servo Motor)であってもよい。
【0115】
したがって、
図7〜
図9に示した実施形態の単結晶成長装置は補助遮熱部を制御する補助制御部及びシリコン単結晶の引上を制御する主制御部を含み、補助遮熱部が成長する単結晶胴体部から一定間隔を維持するように上昇速度を制御することができる。
【0116】
また、一定間隔を維持するように制御された補助遮熱部とシリコン単結晶胴体部は補助遮熱部の上昇方向に垂直な胴体部の切断面の中心と外側での冷却速度の差を減少させることにより、結晶欠陥領域を調節し、胴体部での無欠陷領域の分布を増加させることができる。
【0117】
以下では上述した実施形態のシリコン単結晶成長装置を用いたシリコン単結晶成長方法の実施形態について説明する。
【0118】
以下の実施形態についての説明では上述した単結晶成長装置の実施形態と重複する内容は再び説明せずに、相違点を中心に説明する。
【0119】
シリコン単結晶成長方法の一実施形態は、チャンバー、チャンバー内に配置され、シリコン溶融液を収容するるつぼ、チャンバー内に配置される遮熱部及びるつぼの上部に配置され、上下移動が可能な補助遮熱部を含むシリコン単結晶成長装置で行われるシリコン単結晶成長方法であって、補助遮熱部がシリコン溶融液で成長する単結晶の胴体部から一定間隔を維持して単結晶胴体部での無欠陷領域が増加するように補助遮熱部の上昇速度を制御する段階を含む単結晶製造方法であってもよい。
【0120】
実施形態の単結晶成長工程では、補助遮熱部の上昇方向に垂直な胴体部の切断面中心と外側での温度差を減少させるように補助遮熱部の上昇速度を制御することができる。
【0121】
また、補助遮熱部の上昇速度は胴体部の切断面の中心と外側での冷却速度の差を減少させるように制御することができ、例えば冷却速度の差が1K/cm未満となるように制御することができる。
【0122】
すなわち、実施形態の場合、るつぼの上部に配置される補助遮熱部の上昇速度を制御することで、単結晶の胴体部成長時に溶融液から損失される熱を遮断し、単結晶の急速な冷却を防止して単結晶断面の中心と外側領域の間の温度差及び軸方向への温度勾配差を減らすことができる。
【0123】
したがって、このように温度勾配差が減少することによって単結晶の半径方向への欠陥領域の分布を均一にすることができ、その上、温度勾配の調節によって胴体部の始部から無欠陷領域を形成することができ、胴体部内での無欠陷領域の割合を増加させることができる効果がある。
【0124】
補助遮熱部は、単結晶インゴットの肩部と胴体部の境界から150mm〜300mmの上部に配置される間隔を有するように上昇速度を制御すことができる。
【0125】
また、補助遮熱部の上昇速度は胴体部の長さが400mm以下の場合に制御することができる。
【0126】
胴体部の長さが400mmより大きく成長した場合、胴体部での結晶成長は補助遮熱部による断熱効果よりチャンバーの上部領域に配置される水冷管の影響をもっと多く受けるので、補助遮熱部による単結晶の結晶欠陥領域の制御は補助遮熱部がシリコン溶融液の表面と水冷管の間に位置する場合にもっと効果的であり得る。
【0127】
すなわち、補助遮熱部が水冷管を通過するときから補助遮熱部の上昇速度を制御して単結晶での結晶欠陥領域を調節する効果は減少することができる。
【0128】
シリコン単結晶成長方法の他の実施形態は、チャンバー、チャンバー内に配置され、シリコン溶融液を収容するるつぼ、チャンバー内に配置される遮熱部、るつぼの上部に配置され、上下移動が可能な補助遮熱部、シリコン溶融液から成長した単結晶の引上速度を制御する主制御部及び補助遮熱部の上昇速度を制御する補助制御部を含むシリコン単結晶成長装置で行われるシリコン単結晶成長方法であって、成長した単結晶の胴体部の長さを確認する段階、及び確認された胴体部の長さによって補助制御部による補助遮熱部の動作可否を決定する段階を含むことができる。
【0129】
図10は一実施形態のシリコン単結晶成長方法をフローチャートで示した図である。
【0130】
例えば、
図10に示したシリコン単結晶成長方法のフローチャートは主制御部と補助制御部によって単結晶引上速度と補助遮熱部の上昇速度を制御する段階を示した図であってもよい。
【0131】
図10を参照すると、シリコン単結晶成長方法の実施形態は、成長した単結晶胴体部の長さを確認し、確認した胴体部の長さが400mm以下であるかを判断する段階(S1000)を含むことができる。
【0132】
胴体部の長さが400mm以下の場合、シリコン単結晶成長方法において単結晶インゴットの引上は主制御部によって制御し、補助遮熱部の動作は補助制御部によって制御することができる。
【0133】
この際、補助遮熱部の動作を補助制御部によって制御する段階は、胴体部の位置と補助遮熱部の位置を確認する段階と確認された位置によって胴体部と補助遮熱部の離隔(Gap)値を演算する段階(S1310)、演算された離隔間隔値が目標間隔値の範囲内にあるかを判断する段階(S1330)、離隔間隔値が目標間隔値の範囲から外れる場合、補助遮熱部の上昇速度補正値を生成する段階(S1350)、及び生成された上昇速度補正値によって補助遮熱部を引き上げる段階(S1370)を含むことができる。
【0134】
この際、胴体部と補助遮熱部の目標間隔値は150mm〜300mmであってもよい。すなわち、成長する単結晶の肩部と胴体部の境界から補助遮熱部の下面までの間隔は目標値である150mm〜300mm内で一様に維持されることができる。
【0135】
また、補助遮熱部の動作を補助制御部によって制御する段階において、胴体部と補助遮熱部の離隔間隔値が目標間隔値の範囲内にある場合、補助遮熱部を現在の上昇速度の変化なしに上昇させる段階(S1360)を含んで進めることができる。
【0136】
一方、成長した単結晶胴体部の長さを確認し、確認した胴体部の長さが400mm以下であるかを判断する段階(S1000)で測定した胴体部の長さが400mmより大きい場合は、補助遮熱部の上昇速度を単結晶の引上速度以上に維持することができる。
【0137】
すなわち、補助遮熱部を動作することは、補助遮熱部の引上速度をシリコン単結晶の引上速度以上に維持する段階(S1210)を含んでなることができる。
【0138】
例えば、胴体部の長さが400mm以上になるようにシリコン単結晶が成長した以後の工程では、補助遮熱部の上昇速度は胴体部との離隔間隔にかかわらず、引き上げられるシリコン単結晶の引上速度以上に維持することができる。
【0139】
図10に示したシリコン単結晶成長方法の実施形態において、単結晶の引上速度は主制御部によって制御することができる。
【0140】
単結晶の引上速度を主制御部によって制御する段階は、直径センシング部で単結晶の直径をセンシングする段階(S1100)、引上速度決定部でセンシングされた直径値と目標直径値の間の誤差を算出する段階(S1120)、算出された誤差から引上速度の補正値を生成する段階(S1140)、及び補正値によって変換された引上速度で単結晶を引き上げる段階(S1160)を含むことができる。
【0141】
したがって、
図10に示した実施形態のシリコン単結晶成長方法は、単結晶の胴体部と補助遮熱部の間の離隔間隔値を抽出し、これから補助遮熱部とシリコン単結晶の引上速度を制御することができる。
【0142】
また、補助制御部によって一定間隔が維持されるように制御された補助遮熱部と単結晶は、補助遮熱部の上昇方向に垂直な胴体部の切断面の中心と外側での冷却速度の差を減少させることにより、結晶欠陥領域を調節し、胴体部での無欠陷領域の分布を増加させることができる。
【0143】
上述した実施形態の単結晶成長装置及び成長方法の場合、補助遮熱部を配置することによって単結晶胴体部の初期成長時に断熱効果を期待することができる。また、胴体部の成長初期にるつぼの上部から熱の離脱を最小化して胴体部の中心と外側での軸方向及び半径方向への温度勾配差を減らすことにより、成長する結晶の欠陥領域を均一に調節し、無欠陷領域の割合を増加させることができる。
【0144】
以上で実施形態に基づいて説明したが、これはただ例示であるだけ、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であればこの実施形態の本質的な特性を逸脱しない範疇内で以上で例示しなかったさまざまの変形及び応用が可能であることが分かるであろう。例えば、実施形態に具体的に示した各構成要素は変形実施することができるものである。そして、このような変形及び応用に係わる相違点は添付の請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものに解釈されなければならない。