(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のパッケージ、前記第2のパッケージ及び前記第3のパッケージの前記第1の吸収性物品、前記第2の吸収性物品及び前記第3の吸収性物品が、化学組成に関して、少なくとも実質的に同一のシャーシを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージの配列。
前記第1のパッケージ、前記第2のパッケージ及び前記第3のパッケージの前記第1の吸収性物品、前記第2の吸収性物品及び前記第3の吸収性物品が、前側、後側又は股部領域のうちの少なくとも1つにおいて、同一の断面配置を有するシャーシを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパッケージの配列。
前記第1の対のサイドシーム及び前記第2の対のサイドシームのうち少なくとも1つが、再締結可能に係合している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパッケージの配列。
前記第3のパッケージの腰部輪郭に対する製品長さが、前記第1の吸収性物品及び前記第2の吸収性物品のそれぞれの腰部輪郭に対する製品長さより小さい、請求項1及び請求項4〜6のいずれか一項に記載のパッケージの配列。
【背景技術】
【0002】
腰部周囲測定は、特により砂時計体形又はより洋梨状体形を有する女性に関して、胴体周りの最小円周を表すことができるので、吸収性物品の主要な基準点であり得る。これは最小円周での適合性に相関するものであり、最少円周は製品の円周を意味し、その結果、臀部で増加した胴体寸法の理由から、腰部における力が増加して、滑る又は垂れることにならざるを得ない。胴体股上範囲及び腰部周囲を、
図1に示す。腰部周囲に対する胴体股上範囲の関係(腰部周囲に対する胴体股上範囲の比)は、
図2に示されるように、物品の長さが過度にならないことを確実にするための重要な製品設計パラメータである。過度の物品長さは、弛み、漏れ、嵩さにつながる股部の余分な材料をもたらす可能性があり、並びに、そのすべてが性能及び行動の自由に悪影響を有し得る、衣類の表面上に現れる材料をもたらす可能性がある。
【0003】
胴体長さ及び腰部幅を、
図3に示す。腰部輪郭に対する胴体長さは、
図4及び
図5に示すように腰部周囲に対する胴体股上範囲の比と関連しており、BMI及び腰部周囲が増大するにつれて、両方の値は減少する。これを、
図2、
図4及び
図5に示す。
【0004】
腰部周囲がBMIと共に増大すると、腰部周囲に対する胴体股上範囲の比、及び腰部輪郭に対する胴体長さの両方が減少する。腰部輪郭に対する胴体長さのそれにより近く、かつBMI及び腰部周囲に応じて変化するように設計される、腰部輪郭に対する製品長さを有することの主な利点は、製品自体が胴部の形状により密接に適合するということである。これにより、現在の市販製品で示すようにより大きい範囲に適合するように一般的に設計されているものより、着用中、著しくより小さい程度に変形している製品がもたらされる。更に製品の適合性も得られて、体形に合わせてより調整されて、股部により有効な漏れ防止及びより少ない不要な材料を提供する。事実、多くの現在の市販製品は、45キログラム(100ポンド)と同じ増分に適合するように設計されており、したがってすべての範囲にわたる、適切な適合性、漏れ防止、快適さ及び行動の自由を提供しない。そのうえ、腰部輪郭に対する製品長さが消費者の腰部輪郭に対する胴体長さとより類似するにつれて、身体の一般的形状を模倣する製品デザインは、消費者により良好な、より調整された適合性をもたらす。本開示により可能なデザインは、設計によってより目標として設定されており、したがってより高いレベルの適合性、漏れ防止、快適さ及び行動の自由を提供する。
【0005】
本開示の成人失禁用(「AI」)吸収性物品は、ヒトの身体からの液体及び他の排泄物を吸収かつ収容して、身体及び衣服が汚れることを防止するために使用される。尿失禁を患う成人について、排尿は、2つの一般的なタイプ、腹圧性尿失禁(「SUI」)及び尿失禁(「UUI」)からなる。SUIは、咳、くしゃみ、笑い、曲げなどにより誘導される膀胱上の高圧に起因しており、UUIで伴うより少ない尿量であるが高流速をもたらすことがあり得る。UUIは、SUIで伴うより低流速であるが、充満した膀胱の解放をもたらすことがあり得る。
【0006】
成人失禁用物品は、2つ、3つ及び4つのサイズ配列を含む、それぞれが複数のサイズで通常入手可能な多様な設計になっている。従来技術の物品のサイズは通常、例えば腰部開口部のサイズ、大腿部周りの開口部のサイズ、及び物品の長さ又は「ピッチ」に影響を及ぼす。多くのこれらの従来技術の物品は、45キログラム(100ポンド)までの範囲に適合するように設計されている。従来技術の物品は通常、腰部周囲の寸法によってサイズ設定かつ販売されている。種々のサイズは、30センチメートル(12インチ)と同じ腰部周囲範囲、及び場合によっては最大41センチメートル(16インチ)までの範囲を有することができる。種々のサイズに関連する大きな範囲が与えられて、着用者の腰部周囲寸法を基準にした適切なサイズである従来技術の成人失禁用物品を、消費者が選択する場合、例えば物品の大腿部開口部又はピッチが、着用者への適切な装着には大き過ぎる、滑り落ちる、横滑りする、弛む、垂れ下がる、又は漏出を防止するために設計されるガスケット効果の喪失をもたらす可能性がある。あるいは着用者が大きなサイズ範囲内にいる場合、物品の大腿開口部又はピッチは、好適な適合性には小さ過ぎる可能性があり、場合によっては、着用者の不快感、着用者の皮膚への痕、又は着用者への物品の不適切な適用若しくは位置決めをもたらす。
【0007】
望ましくは、成人用吸収性物品は、着用者の身体との接触を維持し、可能な限りぴったり合うように、設計かつサイズ設定されなければならない。尿などが着用者の身体に沿って広がる又は移動して、成人用吸収性物品に吸収されるよりもそれから漏れるという可能性を減らすことによって、前記の身体に適合する設計は、成人用吸収性物品の効果を増加させることができる。しかし、販売中の現在の成人用吸収性物品は、体形又は製品形状を適切に対処しておらず、したがって広範囲の使用者に適切に適合していない又は緊密な適合性の所望の水準を提供していない。通常成人用吸収性物品のAIパッケージには、パッケージ化された物品が適合することが意図される、推奨される装着者の腰部周囲範囲が表示されている。これによって腰部周囲は多くの場合、AI物品のサイズを特定するために使用される唯一の基準である。腰部サイズはそれ自体、個人の体形を的確に説明せず、したがって、物品の適切な装着、快適さ、被覆及び漏れ防止を提供するために必要とされ得る臀部周囲若しくは大腿部周囲又はピッチを画定することを補助しない。潜在的な着用者の他の特徴及び人体測定の特性(例えば、年齢、身長、体重、大腿部周囲、及び股上)は、推奨される腰部周囲の範囲内で広く異なり得るが、着用者の腰部周囲がその範囲内であっても、体に合わない物品をもたらし得ることは、事実である。種々の着用者の体形及びサイズによく適合する、成人用吸収性物品が必要とされている。女性には広範囲の体形状及びサイズがある一方、利用可能な製品はこの広範囲を反映しておらず、むしろ所定の製品配列内で今日利用可能な吸収性物品は、互いの縮小したバージョンである傾向があって、消費者の範囲にわたる体形及び寸法変化の自然の動向に追従さえしておらず、すなわち体形が変化する女性同様、より大きな女性にとってはより小さい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「プルオン衣類」又は「パンツ」とは、画定された腰部開口部と脚部開口部とを有する着用物品であって、脚部開口部の中に脚を挿入して腰部上まで前記物品を引っ張り上げることによって着用者の腰上へと引っ張られる着用物品のことをいう。
【0016】
「使い捨て」という用語は、洗濯、又は別の方法で衣類として復元若しくは再利用することを目的としない衣類(すなわち、それらは1回使用後に廃棄されることを目的とし、リサイクルされる、堆肥化される又は環境に適した方式で処理されることを目的とする)を記述するために使用される。プルオン衣類は、身体から排出された様々な排泄物を吸収して収容するように「吸収性」であり得る。
【0017】
「閉鎖形態」とは、対向する腰部領域が接合されて、連続する腰部開口部及び脚部開口部を形成することを意味する。
図15〜
図17を参照されたい。
【0018】
「配列」という用語は、類似の物品構造(例えば、フラップ、図形要素において[組成的に及び/又は構造的に]同じエラストマ材料)を有する異なるサイズの使い捨て物品を含むパッケージの表示を意味し、前記パッケージは同じブランド及び/又はサブブランドを有しており、前記パッケージは小売店の所定の領域内で互いに近位に配置されている。配列は、異なる個々のパッケージがより大規模ラインナップの一部であることを顧客に伝える、類似のパッケージ要素(例えば、パッケージ材料の種類、フィルム、紙、主要な色、デザインテーマなど)を通常有する製品ラインナップとして販売されている。配列は多くの場合同じブランドを有しており、例えば「Depend」は同じサブブランドの例えば「for Women Underwear」を有する。異なる配列は、ブランド「Depend」及びサブブランド「Silhouette For Women」を有し得る。この「for Women Underwear」配列及び「Silhouette For Women」配列の違いは、側部折り込み部に異なるエラストマ材料を含むことであり、「for Women Underwear」はエラストマ材料としてストランドを含み、「Silhouette For Women」はフィルム状エラストマ材料を含む。更に、「for Women Underwear」は、濃い緑系フィルムバッグに、「Silhouette For Women」は、濃いえび茶色の箱に包装されている点で、パッケージは明らかに異なる。
【0019】
更に「配列」に関して、同じブランド「Certainty」を有する2つの別個の「配列」の別の例として、1つのラインナップがサブブランド「Women’s Underwear」を有する。別の配列は、同じ「Certainty」ブランド及び下位ブランドの「Smooth Shape Briefs for Women」を有し得る。この「Women’s Underwear」配列及び「Smooth Shape Briefs for Women」配列の違いは、側部折り込み部に異なるエラストマ材料を含み、「Women’s Underwear」はエラストマ材料としてストランドを含み、「Smooth Shape Briefs for Women」はフィルム状エラストマ材料を含む。更に、「Women’s Underwear」は、濃い青色のフィルムバッグに、「Smooth Shape Briefs for Women」は、濃いえび茶色の箱に包装されている点で、パッケージは明らかに異なる。
【0020】
配列はまた、しばしば、ブランド、サブブランド、並びに/又はラインナップにわたる形状及び/若しくは有益性の商標を含む、同じの商標を有する。
【0021】
「オンライン配列」とは、共通のオンライン源によって流通される「配列」を意味する。
【0022】
「腰部幅」は、臍点(臍の中心)で胴部の正面で水平に測定された、胴体の幅と定義される。
図3を参照されたい。
【0023】
「胴体長さ」とは、臍から股の最大深さまでの垂直距離を意味し、矢状面内での股の最大深さで測定される。
図3を参照されたい。
【0024】
「腰部周囲」とは、臍の中心(臍点臍イオン)での、腰部の水平周囲を意味する。
図1を参照されたい。
【0025】
「胴体股上範囲」とは、臍点(臍の中心)から、股を通って臀部中央の上まで測定される、臍の高さの対象物の背部までの表面距離を意味する。
図1を参照されたい。
【0026】
「腰部周囲に対する胴体股上範囲の比」とは、胴体股上範囲(mm)を腰部輪郭(mm)で割ったものである。
図1を参照されたい。
【0027】
「腰部輪郭に対する胴体長さ」とは、胴体長さ(mm)を腰部幅(mm)で割ったものである。
図3を参照されたい。
【0028】
「腰部輪郭に対する製品長さ」とは、弛緩した製品長さ(300)(mm)を弛緩した製品腰部幅(302)(mm)で割ったものである。
図6を参照されたい。
【0029】
「腰部輪郭に対する配列の平均製品長さ」とは、製品配列で提供される各サイズの腰部輪郭に対する平均製品長さを意味する。例えば、Depend Underwear for Women(Maximum Absorbency)は、小/中、大、及び特大の3つのサイズの配列で市場で販売されている。腰部輪郭に対する配列の平均製品長さは、小/中サイズの腰部輪郭に対する製品長さ、大サイズの腰部輪郭に対する製品長さ、及び特大サイズの腰部輪郭に対する製品長さの平均である。表1は、いくつかの現在市場にある製品配列における、腰部輪郭に対する製品長さの例を示す。
【0030】
「弛緩した製品長さ」とは、股部領域の長手方向に最も遠位の点と前方腰縁部に沿った長手方向に最も遠位の点との間の、長手方向距離を意味する。長手方向距離は、製品の長手方向軸に平行に測定される。
図6を参照。
【0031】
「弛緩した製品臀部幅」とは、左脚開口部の上縁部での製品の左端の横方向に最も遠位の点から、右脚開口部の上縁部での製品の右端の横方向に最も遠位の点までの横方向距離を意味する。
図6を参照。横方向距離は、製品の長手方向軸に垂直に測定される。
【0032】
「弛緩した製品腰部幅」とは、前方腰縁部の右側の最も遠位の点から、前方腰縁部の左側の最も遠位の点までの横方向距離を意味する。横方向距離は、製品の長手方向軸に垂直に測定される。
図6を参照。
【0033】
「弛緩した製品側面長さ」とは、製品の腰部縁部と側縁部との間の交点から、製品の脚部開口部の上端と同じ側縁部との間の交点までの直線距離を意味する。弛緩した製品側面長さの測定値は、製品の左側及び右側の測定値の平均である。
図6を参照。
【0034】
「目標腰部範囲」とは、各製品のパッケージで定義される、腰部範囲を意味する。例えば、Depend for Women Moderate Absorbency S/Mパッケージは、71〜102cm(28〜40インチ)のウエストを示す。
【0035】
「平均目標腰部」とは、目標腰部範囲の平均を意味する。例えば、Depend for Women Moderate Absorbency S/Mは、71〜102cmの目標腰部範囲(そのパッケージに定義されるように)を有する。本製品の平均目標腰部は、86.5cmである。
【0036】
尿失禁である消費者は、多くの場合その状態によるトラウマを抱えている。状態の多くの態様が、公然と失禁事象をする恐れなどのトラウマの一因となる。吸収性物品を着用しているときでも、漏れる心配及び女性の衣服の下で目立つ吸収性物品の心配がまだある。したがって、全BMI範囲にわたる、より下着様で薄くかつ身体に適合する構造を提供することによって、状態を正常に戻すのを助ける製品経験を提供することは、本開示の目的の1つである。
【0037】
肥満指数(BMI)は、身長及び体重に基づく体形に関する分類である。BMIは以下のように計算されることができる。
BMI=体重(kg))/身長(m)
2=703
*体重(lb)/身長(インチ)
2
【0038】
BMIは異なるクラスの体重を含み、それは、低体重(BMI<20)、標準体重(BMI20〜25)、体重過多(BMI25〜30)、肥満(BMI30〜40)、病的な肥満(BMI>40)を含む。
【0039】
図7は、BMIが増加するにつれて、一般の女性の体形がどのように変化するかを示す。
図8は、各BMIクラス内で存在し得る様々の具体的な形状、長方形(円筒状としても既知)、砂時計、洋梨及びリンゴを示す。女性のBMIが高くなれば、この体形スケール上の女性は通常、更に右(リンゴの方へ)に進む。これらの形状の有病率は、BMI範囲内で異なっており、例えば、より高いBMIを有する女性は、リンゴ又は洋梨形状になる可能性が高い。女性固有の体形又はサイズに最も合う物品と着用者を適合させるために、正確なBMI値(消費者を当惑させるかもしれない)に焦点を合わせる代わりに、成人用吸収性物品はリンゴなど特定の体形の女性に対して販売されてもよい。
【0040】
BMIが高くなるにつれて、女性の体形が変化する1つの領域は、腰部輪郭に対する胴体長さにある。腰部輪郭に対する胴体長さは、より大きな女性では、平均でより小さくなる。BMI及び腰部周囲がより大きくなるにつれて、腰部輪郭に対する胴体長さがどのように変化するのかを、
図4及び
図5が示す。
【0041】
良好なフィット感、適合性、漏れ防止を備えた製品を得るために、目標とする消費者の腰部輪郭に対する製品長さに対する腰部輪郭に対する製品長さと、腰部輪郭に対する胴体長さを連係させることが望ましい場合がある。このことは、漏れを減らす一方で、各消費者の着用する快適さを増加させることができる。そのうえ、各次のより大きなサイズの腰部輪郭に対する製品長さが各次のより大きなサイズの腰部輪郭に対する胴体長さと同じ一般的傾向に従う、製品配列は、良好なフィット感、適合性を備える物品を、それぞれのBMIを問わず、各消費者に提供することもできる。
【0042】
今日のAI製品配列は消費者のBMIを目標にしておらず、それは消費者の腰部周囲を目標にしている。表1は、いくつかの今日販売されている製品配列(「比較例配列」又は「既存の製品配列」)を示す。
図9は、これらの配列の腰部輪郭に対する製品長さを、消費者の腰部輪郭に対する胴体長さと比較した方法を示すグラフである。3つ以上のサイズのこれらの比較例配列について、その腰部輪郭に対する製品長さが目標消費者のそれに適合するのに失敗しているだけではなく、既存の製品配列のサイズ展開の傾向は、腰部輪郭に対する製品長さが消費者の腰部輪郭に対する胴体長さより小さいというよりむしろ大きくなるということもわかるだろう。この不一致の結果は、同じBMI範囲にわたる人体計測測定に従って設計された製品よりも、製品が、BMI範囲の多くにわたって適合性、快適さ、被覆及び漏れ防止の下方のレベルを提供しているということである。
【0043】
【表1】
*図9のグラフに示されていない製品
【0044】
2つ、3つ及び4つパッケージのいくつかの発明の配列を、下記の表2は示しており、その腰部輪郭に対する製品長さは、適合性を目標としている消費者の傾向に整合しており、それによって漏れの可能性を低減する一方で、良好な適合性&快適さを提供する。これらの発明の配列は、単に非限定例として提供される。他の発明の配列も、本開示の範囲内であり得る。これらの本発明の配列が、
図10及び
図11に示されている。
【0046】
吸収性物品
本開示の吸収性物品は一般的に、尿、経血、糞便又は他の膣の排泄物などの身体の滲出物を管理するように設計され、かつ構成される。
【0047】
一実施形態において、吸収性物品は、トップシート、バックシート及びトップシートとバックシートとの間に少なくとも一部が配置される吸収性コアを含むシャーシを含み得る。吸収性シャーシは腰部バンド、レッグカフ及び/又は弾性ストランドを含み得る。様々な実施形態において、
図12を参照すると、例示の吸収性物品10が、締結要素53a及び53bに結合される前の、その平坦な非収縮状態で示される。
【0048】
一実施形態において、
図12を参照すると、吸収性物品10の一方の端部が前側腰部領域36として構成されてもよく、長手方向に対向する端部は後側腰部領域38として構成され得る。前側腰部領域36と後側腰部領域38との間で長手方向に延びる吸収性物品10の中間的な部分は、股部領域37として構成され得る。一実施形態において、そのようなものとして例示されていないが、前側腰部領域36、後側腰部領域38及び股部領域37のそれぞれの長さは、例えば、吸収性物品10の長さの約1/3であり得る。他の実施形態において、前側腰部領域36、後側腰部領域38、及び股部領域37のそれぞれの長さは、他の寸法を有し得る。様々な実施形態において、吸収性物品10は、前側腰部領域36で横方向に延びる前側腰部端縁部136、及び長手方向に対向し、後側腰部領域38で横方向に延びる後側腰部端縁部138を有し得る。
【0049】
一実施形態において、
図12を参照すると、吸収性物品10のシャーシ100は、第1の長手方向に延びる側縁部137a、及び、横方向に対向しかつ第2の長手方向に延びる側縁部137bを含み得る。側縁部137は、前側腰部端縁部136と後側腰部端縁部138との間で長手方向に延びることがある。シャーシ100は、前側腰部領域36内で横方向に延びる前側腰部端縁部136の一部と、長手方向に対向しかつ後側腰部領域38内で横方向に延びる後側腰部端縁部138の一部とを形成し得る。更に、シャーシ100は、内面102、外面104、長手方向軸42、及び横方向軸44を含み得る。長手方向軸42は、前側腰部端縁部136の中点を通じ、かつ後側腰部端縁部138の中点を通じて延びてもよく、一方で横方向軸44は、第1側縁部137aの中点を通じ、かつ第2側縁部137bの中点を通じて延びてもよい。
【0050】
様々な実施形態において、全体的な吸収性物品10の一部又は全部が、横方向に延伸性であるようにされてもよい。吸収性物品10の延伸性は、着用者の運動中に、吸収性物品10が着用者の身体にぴったりと一致することを可能にするために、望ましいことがある。異なる大きさの着用者に追加的な身体適用範囲を提供するため、すなわち、吸収性物品10を個別の着用者に調節するために、介護者が前側腰部領域36、後側腰部領域38、股部領域37、及び/又はシャーシ100を延ばすことを可能にするために、延伸性は望ましい場合がある。このような延伸は、股部領域37が腰部領域36及び/又は38よりも比較的低い度合いで延伸される限りにおいて、ほぼ砂時計型の形状を有する吸収性物品10を提供し得る。この延伸はまた、使用中に吸収性物品10に調整された外観を付与し得る。
【0051】
吸収性物品の任意の部分又はすべての部分は、2014年1月24日出願の米国特許第61/931,229号、表題「DISPOSABLE ABSORBENT ARTICLES COMPRISING BACTERIOPHAGES AND RELATED METHODS」に記載のとおり、バクテリオファージ組成物を含んでよい。
【0052】
トップシート
一実施形態において、再び
図12及び
図19を参照すると、吸収性物品10はトップシート81を含み得る。トップシート81は、柔軟であり、柔らかな感触であり、着用者の皮膚に刺激を与えないものであってもよく、かつ1つ以上の方向において、弾性的に伸縮性であってもよい。更に、トップシート81は液体透過性であってよく、その厚さを通して液体(例えば、経血、尿及び/又は液状の糞便)を貫通させてもよい。様々なトップシートがまた、例えば、親水性材料を含んでもよく、これは体液を、これらが身体から排出される際にシャーシ100の吸収性コア内に引くように構成される。好適なトップシート81は、広範な材料、例えば、織布及び不織布材料、有孔若しくはハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム、有孔不織布、多孔質フォーム、網目状フォーム、網目状熱可塑性フィルム、及び/又は熱可塑性スクリムから製造され得る。好適な有孔フィルムは、米国特許第3,929,135号、同第4,324,246号、同4,342,314号、同第4,463,045号、同第5,006,394号、同第5,628,097号、同第5,916,661号、同第6,545,197号、及び同第6,107,539号に記載されるものを含むことができる。
【0053】
有孔フィルム又は不織布トップシートは通常、身体滲出物に対して透過性であり得るが、非吸収性であることができ、流体が逆戻りして着用者の皮膚を再湿潤させる傾向を低減させることができる。好適な織布及び不織布材料は、天然繊維、例えば、木質繊維若しくは綿繊維、合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン若しくはポリエチレン繊維、又はこれらの組み合わせを含み得る。トップシート81が繊維を含む場合、当該技術分野において一般的に既知であるとおり、繊維は例えば、スパンボンド、カード、ウェットレイド、メルトブローン、水流交絡、ないしは別の方法で処理されてもよい。
【0054】
トップシートは、スキンケアローションを含んでいてもよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、同第5,643,588号及び同第5,968,025号に記載されるもの、並びに米国特許出願第61/391,353号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
一実施形態において、トップシートは図画を含むことができ(例えば、
図15の116)、その結果、奥行き認知が米国特許第7,163,528号に記載のとおり作成される。
【0056】
バックシート
一実施形態において、
図18及び
図19を参照し、例えば、吸収性物品10は、バックシート83を含み得る。バックシート83は、液体又は身体滲出物(例えば、経血、尿及び/又は液状の糞便)に対して不透過性、又は少なくとも部分的に不透過性であってもよく、かつ薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料もまた使用され得る。バックシート83は、吸収性物品10の吸収性コアに吸収及び収容される身体滲出物又は流体が、ベッドシート、パジャマ、衣類及び/又は下着など吸収性物品10に接触する物品を濡らすことを防ぐ。バックシート83は、織布若しくは不織布材料、ポリマーフィルム、例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどのポリマーフィルム、並びに/又はフィルム及び不織布材料を含む多層若しくは複合材料(例えば、内側フィルム層及び外側不織布層を有する)を含んでもよい。好適なバックシートは、約0.012mm(0.5mil)〜約0.051mm(2.0mil)の厚さを有するポリエチレンフィルムであり得る。ポリエチレンフィルムの例としては、Clopay Corporation(Cincinnati、Ohio)によってBR−120及びBR−121の商品名で、及びTredegar Film Products(Terre Haute、Ind.)によってXP−39385の商品名で製造されるものがある。
【0057】
バックシートとして好適な材料は、約0.012mm(0.50mil)〜約0.051mm(2.0mil)の厚さを有し、例えばポリエチレン又はポリプロピレンを含む液体不透過性熱可塑性フィルムである。通常、バックシートは、約5g/m
2〜約35g/m
2の坪量を有することができる。バックシートは通常、吸収性コアの外側表面に隣接して配置され、そこへ接合されることが可能である。例えばバックシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン層、又は接着剤の個別の線、螺旋、若しくは点の配列によって、吸収性コアに固着されてもよい。例示的な接着剤としては、H.B.Fuller Company(St.Paul、Minn.、U.S.A.)によって製造され、HL−1358Jとして市販される接着剤が挙げられるが、これに限定されない。接着剤のフィラメントの開放パターン網状組織を含む好適な取り付け装置の例が、米国特許第4,573,986号に開示されている。螺旋模様に渦を巻く接着剤フィラメントのいくつかの線を含む、別の好適な取り付け装置が、米国特許第3,911,173号、第4,785,996号、及び第4,842,666号に示される装置及び方法により説明される。あるいは取り付け装置は、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、若しくは他の任意の好適な取り付け装置、又はこれらの取り付け装置の組み合わせを含み得る。
【0058】
一実施形態において、バックシート83は、より布様の外観を提供するために、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げされてもよい。更に、バックシート83は、吸収性物品10の吸収性コアから蒸気を逃す(すなわち、バックシート83は通気性である)一方で、依然として流体又は身体滲出物がバックシート83を通過することを防ぐ、又は少なくとも阻止する。一実施形態において、バックシート83のサイズは、例えば、吸収性物品10のサイズによって、及び形成される吸収性物品10の設計又は構成によって決定され得る。
【0059】
吸収性コア
様々な実施形態において、
図18及び
図19を参照すると、吸収性物品10は、トップシート81とバックシート83との間に配置される吸収性コア200(「吸収性部材」又は「吸収性アセンブリ」又は「吸収性構造体」又は「吸収性複合体」とも称される)を含み得る。吸収性コア200は、前側腰部領域36において横方向に延びる前縁部236、長手方向に対向し後側腰部領域38において横方向に延びる後縁部238、第1の長手方向に延びる側縁部237a、及び横方向に対向し、第2の長手方向に延びる側縁部237bを含み得る。側縁部237の両方は、前縁部236と後縁部238との間で長手方向に延び得る。一実施形態において、例えば、2つ以上の吸収性コア200、又は2つ以上の吸収性コア層が、吸収性物品10に提供され得る。吸収性コア200は、吸収性物品10と適合可能な任意の好適な大きさ又は形状であり得る。広く受け入れられ、かつ商業的に成功した、本開示の吸収性コア200として使用される代表的な吸収性構造体が、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,888,231号及び同第4,834,735号に記載されている。
【0060】
一実施形態において、好適な吸収性コアは、セルロース系エアフェルト材料を含み得る。例えば、このような吸収性コアは、約40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、5重量%又は更に1重量%未満のセルロース系エアフェルト材料を含み得る。追加的に、このような吸収性コアは主に、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%又は更に約100重量%の量の吸収性ゲル化材料を含み得る。更に、吸収性コアの一部が、マイクロファイバ接着剤を含み得る(適用される場合)。この種の吸収性コア、マイクロファイバ接着剤及び吸収性ゲル化材料は、米国特許第5,599,335号、同第5,562,646号、同第5,669,894号、同第6,790,798号及び同第7,521,587号、並びに米国特許公開第2004/0158212号に記載されている。
【0061】
一実施形態において、コアは、コアシステムを形成する複数層を含んでおり、米国特許第8,536,401号に記載のとおり、印刷及びエンボス加工されることができる。
【0062】
一実施形態において、コアは、米国特許第6,989,006号、同第7,381,202号、同第7,175,613号、同第7,824,386号、同第7,766,887号、及び同第6,989,005号に開示されているように、シャーシと分離可能でもよい。このような実施形態では、本開示中に記載された測定値は、シャーシ単独でなされることができる、又は分離可能なコア/吸収性アセンブリと組み合わせて、シャーシでなされることができる。
【0063】
一実施形態において、本開示の吸収性物品、及び特に吸収部材が配置される部分は、米国特許第6,649,810号に従って3g/秒より速い体液吸収速度を有することができる。米国特許第6,649,810号によれば、「吸収部材が配置される(吸収性物品の)部分」という表現は、吸収性物品が平坦に折り畳まれずかつ平面で見られるとき、吸収部材によって占められる部分を意味することを目的とする。
【0064】
一実施形態において、吸収性構造体には、米国特許第7,073,373号に従い、3より大きい吸収因子を有することができ、前記吸収因子とは、吸収性コア透過性を、正規化保持容量(保持容量試験により定義される−米国特許第7,073,373号による)で割ったもの、と定義される。
【0065】
一実施形態において、吸収性複合体は、米国特許第6,649,810号によれば、75g/100cm
2より大きい体液吸収を有する。
【0066】
一実施形態において、吸収性物品の目標位置は、米国特許第6,383,960号によれば、36%より大きいウイッキング値を有することができる。
【0067】
一実施形態において、吸収性物品は、米国特許第5,810,796号によれば、0.5〜9.8mN(0.05〜1.0gf)の間の曲げ剛性を有することができる。
【0068】
一実施形態において、吸収性物品は、米国特許第6,649,810号によれば、3g/秒より速い股部流体吸収速度を有することができる。一実施形態において、吸収性複合体の凍結乾燥された複合体は、米国特許第6,689,934号によれば、80%の複合体飽和状態で、液体の少なくとも約1.9立方センチメートル(cc)/秒の吸収速度を有することができる。
【0069】
レッグカフ
一実施形態において、
図13及び
図14を参照し、吸収性物品10のシャーシ100は、長手方向に延び、横方向に対向するレッグカフ147a及び147bを含んでもよく、これらは、着用者の方へと内側に向かい、着用者と接触するシャーシ100の内面上に配置される。レッグカフ147a及び147bは、レッグカフ147の一方又は両方の近位縁部、又はこれに隣接するように配置される1つ以上の弾性ギャザー部材を含み得る。これ以外にも、レッグカフの弾性ギャザー部材はまた、レッグカフ147の一方又は両方の遠位縁部、又はこれに隣接するように配置される1つ以上の弾性ストランド146を含み得る。伸縮性レッグカフ147は、脚部領域における身体滲出物又は流体の漏れを低減するためのいくつかの実施形態を含み得る。伸縮性レッグカフ147は、場合により、レッグバンド、バリアカフ、弾性カフ又はガスケットカフと称される。好適な伸縮性レッグカフ147は、米国特許第3,860,003号、同第4,909,803号、同第4,695,278号、同第4,795,454号、同第4,704,115号、及び同第4,909,803号、並びに米国特許出願公開第2009/0312730号に記載されるものを含み得る。レッグカフ147は、シャーシ100の一部を横方向に内側へ、すなわち、長手方向軸42に向かって折り畳むことにより形成され、シャーシ100のそれぞれのレッグカフ147及び側縁部137a及び137bを形成してよい。他の実施形態において、レッグカフ147は、追加的な層を、シャーシ100に、シャーシ100の各側縁部137a及び137bのそれぞれにおいて、又はこれらに隣接するようにして取り付けることによって形成され得る。一実施形態において、シャーシ100はまた、側縁部137に隣接するように配置される他の弾性部材を含んでもよく、これは、弛緩させられ、それによって物品10は、前側腰部領域36の内面102を後側腰部領域38の内面102の方に引っ張る際に、「U」字型の形状を形成する。
【0070】
一実施形態において、各レッグカフ147は、近位縁部157a及び157bを含み得る。これらの縁部157a及び157bは、遠位縁部139a及び139bと比較して、長手方向軸42の付近に位置付けられる。レッグカフ147は、吸収性コア200と重複してもよく、すなわち、近位縁部157a及び157bは、吸収性コア200の各側縁部237a及び237bの横方向内側に位置する。このような重なり合った構成は、重なり合わない形体で付与される外観よりも完成品に近い外観を吸収性物品10に付与するために望ましいことがある。他の実施形態において、レッグカフ147は、吸収性コア200と重複しない場合がある。
【0071】
一実施形態において、各レッグカフ147は、前側腰部端縁部136に隣接するレッグカフ取り付けゾーン(図示されない)、及び長手方向に対向し、後側腰部端縁部138に隣接するレッグカフ取り付けゾーン(図示されない)において、シャーシ100の内面102に取り付けられてもよい。一実施形態において、レッグカフ取り付けゾーンの間においては、レッグカフ147の近位縁部157は自由である(すなわち、シャーシ100の内面102又は吸収性コア200に取り付けられない)。また、長手方向に対向するレッグカフ取り付けゾーンの間において、各レッグカフ147は、1つ以上の(特に、レッグカフ147それぞれについて1つ、2つ、3つ又は4つの弾性ストランドを含む)長手方向に伸縮性カフ弾性ギャザー部材159を含んでもよく、これらは、任意の好適な方法により、レッグカフ147の近位縁部157に、又はこれと隣接するように配置され得る。このようなカフ弾性ギャザー部材159それぞれが、レッグカフの全長にわたって、又はレッグカフの長さの一部のみにわたって取り付けられてもよい。例えば、このようなカフ弾性ギャザー部材159は、レッグカフの長手方向に対向する端部において、又はその付近で取り付けられてもよく、かつレッグカフ長さの中央において取り付けられていなくてもよい。そのようなカフ弾性ギャザー部材159は、股部領域37に配置されてもよく、また前側腰部領域36及び後側腰部領域38の一方又は両方の中まで延びてもよい。例えば弾性ギャザー部材159は、各レッグカフ147の近位縁部157で、又はこれに近接するように取り付けられてもよく、前側腰部領域36及び後側腰部領域38の両方まで延びる。
【0072】
様々な実施形態において、各カフ弾性ギャザー部材159は、例えば、折り畳まれたヘムの内側に包囲される。様々な実施形態において、カフ弾性ギャザー部材159は、レッグカフ147を形成する2つの層の間に、シャーシ100の2つの層によって挟持されてもよく、又はシャーシ100、又はレッグカフ147の表面上に取り付けられて、露出されたままであってもよい。
【0073】
一実施形態において、伸長されるとき、各レッグカフの近位縁部157に隣接するように配置されるカフ弾性ギャザー部材159は、レッグカフ近位縁部157が、シャーシ100の平坦な非収縮長さ、例えばシャーシ100の長さまで延びることを可能にする。弛緩させられるとき、カフ弾性ギャザー部材159は収縮して前側腰部領域36及び後側腰部領域38を互いに向かって引き、それによって物品10を「U」字型に曲げ、ここで「U」字型の内側は、着用者の身体の方に配置されるように意図される物品10の部分によって形成され得る(すなわち、内側表面102)。近位縁部157のそれぞれは、長手方向に配置されるレッグカフ取り付けゾーンの間において自由なままであるため、弾性ギャザー部材159の収縮力は、レッグカフ147の近位縁部157を、シャーシ100の内側表面102から離すようにして持ち上げる場合がある。物品10が弛緩状態にあるときのこの近位縁部157の上昇は、レッグカフ147を、身体滲出物の漏れを防ぐ、又は少なくとも阻止するように機能するために、適所に持ち上げる。
【0074】
腰部バンド
一実施形態において、
図14を参照すると、物品10は、弾性腰部バンド112a及び112bを含んでよい。弾性腰部バンドは、改善されたフィット感及び収容性を提供してもよく、並びに、弾性的に横方向に伸縮して着用者の腰部に動的に適合するように構成されてもよい。弾性腰部バンドは、吸収性物品10の腰縁部から、吸収性コア200の腰縁部に向かって長手方向外側に延在する場合がある。一実施形態において、吸収性物品10は、2つの弾性腰部バンドを有してもよく、一方が後側腰部領域38内に位置付けられ、他方が前側腰部領域36内に位置付けられるが、他のパンツ実施形態は、単一の弾性腰部バンドで構成され得る。弾性腰部バンドは、米国特許第4,515,595号及び同第5,151,092号に記載されるものを含む、多くの異なる形状で作製され得る。
【0075】
一実施形態において、弾性腰部バンドは、「予歪みを付与された」又は「機械的に予歪みを付与された」(すなわち、材料を恒久的に伸長するため、ある程度の局部的パターンで機械的に伸長された)材料を含んでもよい。材料は、好適な深いエンボス加工技術を使用して予め歪ませてもよい。他の実施形態において、材料は、米国特許第5,330,458号に記載される漸増機械的伸長システムによって材料を方向付けることによって予め歪ませてもよい。材料は次に、それらの実質的に張力がない状態まで戻されてもよく、したがって、少なくとも最初の伸長点まで延伸性がある、ゼロ歪みの伸長材料が形成される。ゼロ歪み材料の例が、米国特許第2,075,189号、同第3,025,199号、同第4,107,364号、同第4,209,563号、同第4,834,741号、及び同第5,151,092号に開示されている。
【0076】
フラップ
フラップ189(a〜d)は、シャーシとは別個であっても、又はシャーシ100と一体化していてもよい。別個のフラップは、シャーシ100に接合される分離要素として形成される。いくつかの実施形態では、これは、前側及び/又は後側腰部領域36及び38で、シャーシの側縁部137a及び137bに結合されている、例えば2つ又は4つの複数のフラップ(多くの場合に耳パネル又はサイドフラップと呼ばれる)を含む(
図12〜17参照)。他の実施形態では、これは、シャーシ100の前側及び後側腰部領域にわたって、少なくともシャーシ136及び138の端縁部にわたって、結合されている前側及び/又は後側ベルト状フラップ(「ベルト」)を含んでよい(
図12及び
図19参照)。いくつかの実施形態では、腰部バンド112は、連続的なベルト状構造を作成するために、フラップと重なり合うことができる(
図14参照)。
【0077】
ベルト状フラップは、内側不織布層及び外側不織布層、並びにこれらの間に弾性体を含んでもよい。内側及び外側不織布層は、接着剤又は熱可塑性結合剤を使用して結合され得る。種々の好適なベルト状フラップ構造は、米国特許公開第2013−0211363号に見出すことができる。
【0078】
一体化されたフラップは、長手方向縁部から横方向に外側に突出する、シャーシの一部、1つ以上の層である。一体化されたフラップは、シャーシを切断してフラップの突起部の形状を備えることによって形成されてもよい。
【0079】
このベルト状フラップを有する適用例で説明した実施形態の多くはパンツ型物品であるが、テープ式物品も同様に一方又は両方の腰部領域に配置されたベルト状フラップを有することができる。
【0080】
フラップの構造は、吸収性物品の機能で重要な役割を果たしており、下着で使用する弾性体とは基本的に異なる。上述のように、SUI及びUUIなどの失禁事象は、高流速及び/又は充満した膀胱の解放をもたらすことがあり得る。失禁事象中に放出される尿の量は、最後にトイレに行ってからの時間、液体摂取の量、日又は夜などの他の状況と同様に、所与の尿失禁の種類を大幅に変えることができる。負荷は、数滴の量と同じ少量から600mlと同じ大量の負荷の範囲であり得る。300、400及び500mlと同じ程度の1回の負荷を有することも珍しくない。負荷のこれらのレベルは、4ニュートン以上(1ポンド以上)であり得る負荷と関連する、大きな下方力を示す。この下方力は、垂み、弛み、及び漏れを最小化するために、吸収性物品のシャーシによって補完されなければならない。負荷後であっても物品の適合性を持続するために、物品は、物品のサイドシーム280a及び280bに近接しかつそれに沿って配置されて(例えば
図15を参照のこと。弾性要素146は、シーム280a及び280bの長さに近接しかつそれに沿って終端する)、一方から他方へ横方向に延在する(フィルム及び/又はストランドを含む)弾性要素(複数を含む)146を含む。これらの弾性要素(複数を含む)は、物品を固定するのに十分な、身体に対する垂直力を作成しなければならない。弾性要素(複数を含む)によりもたらされる力と同様に、弾性要素(複数を含む)の位置は、臀部でかつ胴体に沿って、特に前側腰部領域にわたってかつ後側腰部領域に、適切に固定することを確実にするために、変化することができる。負荷状態の物品の適合性を持続するために有益な固定の1形態が、LaVonらへの1994年10月25日出願の米国特許第5,358,500号「Absorbent Articles Providing Sustained Dynamic Fit」に開示されている。300〜600グラムの重量が下着の股部領域に適用される場合、腰部縁部及び脚部縁部に沿って弾性体を備える通常の下着は通常、下着の適合性を持続するための十分なサポートを提供しないことにも留意すべきである。
【0081】
締結装置
吸収性物品は、締結装置を含んでもよい。締結時、締結装置は、前側腰部領域36と後側腰部領域38を相互に接続し、吸収性物品10の着用時に、着用者を取り囲むことができる腰部の外周となる。これは、後側腰部領域のフラップ189a及び189bが前側腰部領域のフラップ189c及び189dと相互接続することにより、又は後側腰部領域のフラップが前側腰部領域のシャーシ100と相互接続することにより、達成され得る。締結装置は、例えば、テープタブ、フック・ループ式締結要素、タブ&スロットのような噛み合い式締結具、バックル、ボタン、スナップ及び/又は雌雄同体の締結要素などの締結具53a及び53bを含んでよいが、他の既知の任意の締結手段も一般に使用可能である。締結具は、ランディング領域118に取り外し可能に係合することができるが、ランディング領域は織布又は不織布でもよい。いくつかの代表的な表面締結装置が、米国特許番号第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な噛み合い式締結装置は、米国特許第6,432,098号に開示されている。締結装置は、米国特許第4,963,140号に開示されるように、使い捨て形状の物品を保持する手段も提供し得る。締結装置には更に、米国特許第4,699,622号にて開示されているように、1次及び2次締結装置が含まれてもよい。締結装置は、重なり合っている部分のずれを低減する、又は密着性を向上するよう構成されてもよく、このことは、米国特許第5,242,436号、同5,499,978号、同5,507,736号、同5,591,152号に記載されている。
【0082】
同一又は実質的に同一のシャーシ
米国特許公開第2013−0211355号に開示されるように、異なるサイズの着用者に適合するが、同一又は実質的に同一のシャーシを含むパッケージの配列を提供することが望ましい場合がある。例えば配列は、第1サイズの吸収性物品を含む第1パッケージを含んでもよく、第2パッケージは第2サイズの吸収性物品を含んでもよく、第1及び第2パッケージは、米国特許公開第2013−0211355号に記載される同一の又は実質的に同一のシャーシを含む。より具体的には、第1パッケージは第1シャーシを含んでもよく、第2パッケージは第2シャーシを含んでもよく、第1及び第2のシャーシのそれぞれが、横方向中心線でのコア幅、前側又は後側コア末端部の一方でのコア幅、左外側カフの遠位縁部から右外側カフの遠位縁部までの距離、左内側カフの遠位縁部から左外側カフの遠位縁部までの距離、左内側カフの近位縁部から右内側カフの近位縁部までの距離、左内側カフの近位縁部から左外側カフの遠位縁部までの距離、内側カフの自由高さ、内側カフのヘム折り畳み幅、内側カフの弾性長さ、外側カフの弾性長さ、コア長さ、及び、バックシート幅、のうちの1つ以上の同一の寸法を含む。
【0083】
更に第1及び第2のシャーシのそれぞれが、トップシート、バックシートフィルム、バックシート不織布、コア超吸水性ポリマー、コアパルプ、コア不織布、コアティッシュ、レッグカフフィルム、レッグカフ不織布、超吸収性ポリマー用接着剤、コア不織布用接着剤、レッグカフ弾性体用接着剤、及び、バックシート不織布/フィルム用接着剤、のうちの1つ以上の同一の化学的組成物を含んでもよい。
【0084】
更に第1及び第2のシャーシのそれぞれが、トップシート、バックシートフィルム、バックシート不織布、コア超吸水性ポリマー、コアパルプ、レッグカフ不織布、レッグカフフィルム、超吸水性ポリマー用接着剤、レッグカフ用接着剤、及び、バックシート不織布/フィルム用接着剤、のうちの1つ以上の同一の坪量を含んでもよい。
【0085】
更に第1及び第2シャーシは、組成的に同一のコア超吸収性ポリマーを含んでもよい。第1及び第2シャーシは、前側腰部領域、後側腰部領域及び股部領域の少なくとも1つにおいて、同一の構成要素の断面の順番及び配置を有してもよい。第1及び第2シャーシの内側レッグカフは、組成的に同一の材料からなってもよい。
【0086】
第1シャーシ及び第2シャーシのコア接着剤は、同じ接着剤(複数を含む)であってもよい。第1及び第2シャーシは、同じ化学的分類及びサブ分類内のコア超吸収性ポリマーを含んでもよい。
【0087】
第1及び第2シャーシのそれぞれは、第1及び第2湿り度インジケータをそれぞれ含んでもよく、第1及び第2湿り度インジケータは組成的に同一である。
【0088】
第1及び第2シャーシの内側レッグカフは、前側腰部領域、後側腰部領域及び股部領域のうちの少なくとも1つにおいて同一の構成要素の断面の順番及び配置を有してもよい。左外側カフの遠位縁部から右外側カフの遠位縁部までの距離が、同じであってもよい。左内側カフの近位縁部から左外側カフの遠位縁部までの距離が、同じであってもよい。左内側カフの近位縁部から右内側カフの近位縁部までの距離は、同じである。内側及び外側カフの長さは、同じである。
【0089】
いくつかの実施形態では、フラップ又はベルトが吸収性物品が異なるサイズの着用者に適合するのを可能にするために使用することができるように、配列の異なるサイズの提供品は、同一又は実質的に同一のシャーシを有することができる。例えば、第1及び第2の吸収性物品は、同一のシャーシ(組成的に、寸法的に、断面方向に)を有することができるが、第1の物品はベルトの配置の理由から異なる長さを有することができ、その結果、第1の物品は第2の物品より小柄な着用者に適合するのを目標とすることができる。第2の例として、第1及び第2の吸収性物品は、同一のシャーシ(組成的に、寸法的に、断面方向に)を有することができるが、第1の物品はベルトのサイズの理由から異なる長さ及び/又は幅を有することができ、その結果、第1の物品は第2の物品より小柄な着用者に適合するのを目標とすることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の吸収性物品は、組成的に、だが寸法的にではなく、かつ断面方向にでもなく、同一のシャーシを有することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の吸収性物品は、寸法的に、だが組成的にではなく、かつ断面方向にでもなく、同一のシャーシを有することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の吸収性物品は、断面方向に、だが寸法的にではなく、かつ組成的にでもなく、同一のシャーシを有することができる。更に他の実施形態では、第1及び第2の吸収性物品は、(1)組成的に、(2)寸法的に、(3)断面方向に、のうちの2つであるが3つではない、同一のシャーシを有することができる。
【0091】
試験方法
製品測定の準備
すべての測定は、22℃+/−2℃及び50%RH+/−20%で行われた。
【0092】
目的
本方法は、次の寸法測定用のパンツ型製品を作成するために使用される。本方法は、バッグから取り出された製品を開く、一貫した手段を提供する。本方法は、パンツ型製品のすべての形態に適用できる。コンピュータインタフェースを備える、延伸引張り試験機の定速が使われる。
【0093】
荷重セル容量が0.1N以内の5N負荷の精度を確実にするように、荷重セルは選択される。
【0094】
試料ホルダー装置
最も長いサイドシームの長さを超えて延在する、9.50mmのロッド半径を備える、「C」(304)バー及び「O」(305)バー留め具の各々。
図20を参照。バーは、同じ垂直面の長手方向軸を備え、かつ、下方のバーより上に直接取り付けられた上方バーを備える、引張り試験機に水平に取り付けられる。
【0095】
装置の設定
計器製造者の指針に従って、引張り試験機を較正する。
【0096】
バッグから10つのサンプル製品を取り出して、パンツ型製品(307)を広げて、下記の
図21に示すように平らに置いて、示すように腰部(306)でパンツの両端の間の距離を測定することにより、初期ゲージ長が測定される。腰部測定値の平均が、試験片の特定セットについての初期ゲージ長として使われる。初期ゲージ長は、上方バーの最上方端から下方バーの最下方端までの距離である。
【0097】
試験片の操作を最小化すると共に、
図22に示すようにバーに製品(307)全体を適用する。
【0098】
5Nの力で試料を引張り、次に10秒間保持する。初期ゲージ長に戻る。
【0099】
クロスヘッド速度=254.0mm/分、データ取得速度=50Hz。
【0101】
操作を最小化すると共に、バーから試験片を取り除く。
図6に示すように、前面を上向きにして試験片を平らに置く。
【0103】
物理的測定
以下の各測定は10つの別個の試験片で行われて、10つの別個の試験片の平均が特定の試験片セットの測定値であるとみなされる。
【0104】
弛緩した製品長さ(300)
「弛緩した製品長さ」とは、股部領域の長手方向に最も遠位の点と前方腰縁部に沿った長手方向に最も遠位の点との間の、長手方向距離である。長手方向距離は、製品の長手方向軸に平行に測定される。
図6を参照。
【0105】
弛緩した製品臀部幅(301)
「弛緩した製品臀部幅」とは、左脚開口部の上縁部での製品の左端の横方向に最も遠位の点から、右脚開口部の上縁部での製品の右端の横方向に最も遠位の点までの横方向距離である。
図6を参照。横方向距離は、製品の長手方向軸に垂直に測定される。
【0106】
弛緩した製品腰部幅(302)
「弛緩した製品腰部幅」とは、前方腰縁部の右側の最も遠位の点から、前方腰縁部の左側の最も遠位の点までの横方向距離である。横方向距離は、製品の長手方向軸に垂直に測定される。
図6を参照。
【0107】
弛緩した製品側面長さ(303)
「弛緩した製品側面長さ」とは、製品の腰部縁部と側縁部との間の交点から、製品の脚部開口部の上端と同じ側縁部との間の交点までの直線距離である。弛緩した製品側面長さの測定値は、製品の左側及び右側の測定値の平均である。
図6を参照。
【0108】
上記の各測定値は、+/−1.0mm内まで記録される。